変性ポリマーの製造方法 技術分野
本発明は変性ポリマーの製造方法に関し、 更に詳しく はエラス ト マーなどのポリマーに酸素存在下に常温で安定に存在するフリーラ ジカル (以下、 安定フリーラ明ジカルという) を分子中に有する化合 物を反応させて変性ポリマーを製田造する方法に関する。 背景技術
例えば特開平 1 0— 1 8 2 8 8 1号公報に記載されているよ うに 、 T EMP O (即ち、 2 , 2, 6, 6—テ トラメチル _ 1 —ピペリ ジニルォキシラジカル) などの安定フリ一ラジカルをゴムに配合し てゴム組成物の物性、 特に加工性ゃ耐摩耗性などの物性を改善する ことが提案されている。 また、 特開平 8— 2 3 9 5 1 0号公報には 、 T EMP◦誘導体をポリマー中に含有させることによりポリマー の老化を防ぐことが提案されている。 しかしながら、 ゴムなどのポ リマーに積極的に炭素ラジカルを発生させることによ り この安定フ リーラジカルを分子中に有する化合物を用いてポリマーを変性する ことに関する文献はみあたらない。 発明の開示
従って、 本発明はエラス トマ一などのポリマーを変性してポリマ 一の接着性や加工性を改良することを目的とする。
本発明に従えば、 ポリマーに炭素ラジカルを発生させた後、 又は 発生させながら、 そのポリマーと安定フリーラジカルを分子中に有
する化合物とを反応させることを含んでなる、 ポリマー中に前記フ リ一ラジカルを有する化合物に由来する有機基を導入した変性ポリ マーを製造する方法が提供される。 発明を実施するための最良の形態
T EMP Oなどの安定フリーラジカルを有する化合物は光、 熱又 は機械的にゴムが切断されて発生したラジカルを速やかに トラップ する。 しかし、 エラス トマ一の分子中に官能基を導入しょう と した 場合には T EMP Oなどの安定フリーラジカルを有する化合物のみ ではエラス トマ一を十分に変性することはできないので、 本発明者 らは、 ポリマー分子鎖上に積極的に炭素ラジカルを発生させること によ りエラス トマ一分子中に所望の官能基を導入することに成功し 、 本発明をするに至った。
本発明に従って変性することができるポリマーとしては、 例えば 天然ゴム (NR) 、 ポリイ ソプレンゴム ( I R) 、 各種スチレン一 ブタジエン共重合体ゴム ( S B R ) 、 各種ポリブタジエンゴム ( B ) 、 アク リ ロニ ト リ ル一ブタジエン共重合体ゴム (NB R) 、 ブ チノレゴム ( I I R) 、 ク ロ ロ プレンゴム (C R) などのジェン系ゴ ム、 エチレン—プロ ピレン共重合体ゴム (E PM, E P DM) 、 ク 口 ロ スルホン化ポリ エチレン (C SM) 、 ェピク ロ ロ ヒ ド リ ンゴム (C O, E C O) 、 アク リ ルゴム (A CM, ANM) 、 多硫化ゴム (O T) などのォレフィ ン系ゴムが例示される。 また本発明に従つ て変性する こ とができ る熱可塑性エラス トマ一と してはポリ スチレ ン系 T P E ( S B S , S I S , S E B S ) 、 ポリオレフイン系 T P E、 ポリ塩化ビニル系 T P E、 ポリ ウレタ ン系 T P E、 ポリエステ ル系 T P E、 ポリ ウレタン系 T P E、 ポリ アミ ド系 T P Eなどが例 示される。 更に本発明に従って変性することができるポリオレフィ
ンと しては、 例えば、 ポリ エチレン ( P E ) 、 ポリ プロ ピレン ( P P ) 、 ポリ ビニルクロライ ド (P V C) 、 塩素化ポリマー (C P E , C P P ) 、 ポリ スチレン (P S ) 、 スチレン一アク リ ロニ ト リル 共重合体 ( S AN) 、 アク リ ロニ ト リル一ブタジエン一スチレン ( A B S ) 、 ポリ アミ ド (P A) 、 ァセタール樹脂 ( P OM) - 、 ポロ フエ二レンォキシ ド (P P O) 、 ポリエステル、 ポリ カーボネー ト ( P C) 、 ポリ スルフォン、 ポリ ケ ト ン、 ポリ アク リ ロニ ト リル ( P AN) 、 ポリイ ミ ド (P I ) 、 液晶ポリマー (L C P) などが挙 げられる。
一方、 本発明において使用することができる酸素存在下において 常温で安定に存在するフリ一ラジカルを分子内に含む化合物と して は、 以下の化合物を例示することができる。
ニ ト ロキシ ドラジカノレ
2, 2, 6, 6 -テトラメチル -1ーピぺリジニルォキシ (TEMPO)
4-ォキソ TEMPO
0 一般式
(式 ( 1 ) 〜 ( 6 ) において、 Rは炭素数 1〜 3 0のアルキル基 、 ァリル基、 アミ ノ基、 イ ソシァネー ト基、 ヒ ドロキシル基、 チォ ール基、 ビエル基、 エポキシ基、 チイ ラン基、 カルボキシル基、 力 ルポニル基含有基 (例えば、 無水コハク酸、 無水マレイ ン酸、 無水 グルタン酸、 無水フタル酸などの環状酸無水物) 、 アミ ド基、 エス テル基、 イ ミ ド基、 二 ト リル基、 チォシアン基、 炭素数 1 〜 2 0の アルコキシ基、 シリル基、 アルコキシシリル基、 ニ トロ基などの官 能基を含む有機基を示す。 )
4-フ: nニル TEMPO 4-メチル TEMPO 4-ェチル TEMPO 4-クロロ- TEMPO
4-フエノキシ TEMPO 4-メ トキシ TEMPO 4-エトキシ TEMPO
(3) · C0-CH 0-N •GO— C2H5
4-ベンゾィル TEMPO 4-メチルカルポニル TEMPO 4-ェチルカルポニル TEMPO
(4) ■ 0-N OCO 0-N 0C0— CH 3 . o-N ■0G0-G2H5
4-ベンゾィルォキシ TEMPO 4-ァセトキシ TEMPO 4-エトキシカルボニル TEMPO
(5) - 0-N 0C0HN-CH .
4- (N-フ: 二ルカルバモイルォキシ) TEMPO 4- (N-メチルカルバモイルォキシ) TEMPO
0-N 0C0HN-G 2H6
4- (N-ェチルカルバモイルォキシ) TEMPO
フエニル(4-TEMPO)サルフェイト メチル (4-TEMP0)サルフェイト
ェチル (4-TEMPO)サルフェイト
更にその他の例をあげれば以下の通りである。
9
l7SCSl0C00ldf/13«I IZ.0S0/1-00Z OAV
X; Br又は C I
0-N -0— P-0- N— 0 0-N -0-P— X
0 小 N小 水 N小
ヒ ドラジノレラジカノレ
NO
, ビスジフエ二レン- —フエ二ルァリ <H
4-ァミノ -2, 2, 6, 6-亍トラメチルピぺリジニルォキシ -TEMPO 小
N
4-ヒドロキシ- TEMPO
个 N个
0 -
NC0
4—ィソシァづ "一ト- TEMPO
小 N个
0■
C00H
4-力ルポキシル -TEMPO
小 N个
4-TEMP0-グリシジルエーテル 个 N个
4 - TEMPO-チォグリシジルエーテル 小 N个
=< CO
0
4 -メタクリレー卜- TEMPO
小 N小
0
4 -ホスホノキシ- TEMPO
OCN- VcH2nf V NHC00- N-0
3-アミノ- 2, 2,5,5-テトラメチル -1-ピロリジニルォキシ (3—ァミノ- PROXYL)
3 -ヒドロキシ- PROXYL
3 -イソシアナ卜- PROXYL
3 -力ルポキシル- PROXYL
3-PR0XYL-グリシジルエーテル
3-PROXYL-チォグリシジルエーテル
3-力ルバモイル- PROXYL
3-アミノ- 2, 2, 5, 5-亍トラメチル -3-ピロリン- 1 -ォキシ (3-ァミノ -PRYXYL)
3 -ヒドロキシー PRYXYL
-ィソシアナ一ト- PRYXYL
3 -カルボキシ- PRYXYL
3-PRYXYL-グリシジルエーテル
3-力ルバモイル -2, 2, 5, 5, -テトラメチル -3-ピロリン -1 -ィルォキシ
4, 4' -ジニトロ-ジフエニルニトロキシ
CH,
I
CH3-C-CH2-G-CH3
I II パンフィールドケニヨンのラジカル
C5H5-N N-C5H5
0 0
ON (S03K) 2 フェ レミ塩
ポリフィレキシド
本発明において、 前記ポリ マーに炭素ラジカルを発生させる手段 と しては、 ラジカル開始剤を反応系に添加する方法、 電子線、 光、 熱及び放射線を反応系に適用する方法などを使用するこ とができる 。 前記ラジカル開始剤と しては、 例えばベンゾィルパーォキサイ ド
(B P O) 、 t 一ブチルパーォキシベンゾエー ト ( Z ) 、 ジク ミル パーオキサイ ド ( D C P ) 、 t 一プチルク ミルパーオキサイ ド ( C ) 、 t _ブチルパーオキサイ ド (D) 、 2 , 5 _ジメチルー 2, 5 ージ— t 一ブチルパーォキシへキサン ( 2, 5 B ) 、 2, 5—ジメ チル一 2 , 5—ジー t 一ブチルパーォキシ一 3—へキシン (H e x y n e— 3 ) 、 2, 4—ジク ロ ロ 一ベンゾィルパーオキサイ ド (D C - B P O ) 、 ジ一 !; ーブチノレパーォキシ一ジーイ ソプロ ピノレベン ゼン ( P ) 、 1 , 1 一ビス ( t 一ブチルパーォキシ) 一 3, 3, 5 一 ト リ メチルーシク ロへキサン ( 3 M) 、 n—ブチル = 4, 4ービ ス ( t 一ブチルパーォキシ) パレレー ト、 2, 2—ビス ( t ーブチ ルパーォキシ) ブタンなどの有機過酸化物、 及びァゾジカーボンァ ミ ド ( A D C A ) 、 ァゾビスイ ソプチロニ ト リ ノレ ( A I B N ) 、 2 , 2, ーァゾビス一 ( 2 _アミ ジノプロパン) ジハイ ド口ク ロライ ド、 ジメチル 2 , 2 ' —ァゾビス (イ ソブチレー ト) 、 ァゾビス一 シアン吉草酸 (A C VA) 、 1, 1 ' ーァゾビス一 (シク ロへキサ ン一 1 —カルボ二 ト リル) ( A C H N) 、 2, 2, ーァゾビス一 ( 2, 4—ジメチルパレロニ ト リル) ( A D V N) 、 ァゾビスメチル ブチロニ ト リ ル (AMBN) 、 2 , 2 ' —ァゾビス一 ( 4ーメ トキ シ一 2 , 4—ジメチルパレロニ ト リル) などが挙げられる。 これら のラジカル発生剤はポリマーと前記のよ うな安定フ リーラジカルを 有する化合物との反応系 (混合系、 接触系) に添加するこ とによつ てポリ マーに炭素ラジカルを発生させるこ とができる。 ラジカル開 始剤の添加量は、 ポリ マー 1 0 0重量部に対し、 好ま しく は 0. 1
〜 6 . 0重量部、 更に好ましく は 0 . 2〜 3 . 0重量部である。 本発明に従えば、 ラジカル開始剤に代えて、 又はラジカル開始剤 に加えて、 電子線 (例えば 線) 、 光 (例えば U V光) 及び/又は 放射線 (例えば γ線、 X線) などによってポリマーに炭素ラジカル を発生させることができる。
本発明に従って、 ポリマーの変性によってポリマー中に導入され る有機基と しては、 例えば炭素数 1 〜 3 0 のアルキル基、 ァ リ ル基 、 アミ ノ基、 イソシァネー ト基、 ヒ ドロキシル基、 チオール基、 ビ ニル基、 エポキシ基、 チイラン基、 カルボキシル基、 カルボニル基 含有基 (例えば、 無水コハク酸、 無水マレイ ン酸、 無水グルタ ン酸 、 無水フタル酸などの環状酸無水物) 、 アミ ド基、 エステル基、 ィ ミ ド基、 二 ト リ ル基、 チォシアン基、 炭素数 1 〜 2 0 のアルコキシ 基、 シリ ル基、 アルコキシシリ ル基などが例示される。
変性ポリマーに加えてジェン系ゴム、 ポリオレフ イ ン系ゴム、 熱 可塑性 T P E、 ポリオレフイ ンなどのポリマー、 カーボンブラック やシリカやどの補強性充填剤、 加硫又は架橋剤、 加硫又は架橋促進 剤、 各種オイル、 老化防止剤、 可塑性剤などのタイヤ用、 その他一 般ゴム用に一般的に配合されている各種添加剤を配合することがで き、 かかる配合物は一般的な方法で混練、 加硫して組成物と し、 加 硫又は架橋するのに使用することができる。 これらの添加剤の配合 量も本発明の目的に反しない限り、 従来の一般的な配合量とするこ とができる。 実施例
以下、 実施例によって本発明を更に説明するが、 本発明の範囲を これらの実施例に限定するものでないことはいうまでもない。
実施例 1〜 2及び比較例 1〜 3
変性用 T EMP Oの合成
アセ トン 5 0 mlに溶かした OH— T EMP O (旭電化工業株式会 社製 L A 7 R D) 5 0. 0 g ( 0. 2 9 1 mol)に ト リ レンジイ ソシ ァネート (住友パイエルウレタン株式会社製 T D I ) 5 0. 6 8 g を加え、 室温で 2 4時間撹拌し、 イ ソシァネー ト含有率が 1 1 . 9 6 %であることを確認した (理論値 1 2. 1 3 %) 。 アセ トンを減 圧留去後、 乾燥して生成物を得た。
変性ポリマーの製造
表 I に示す配合 (重量部) に従ってポリマー ( I R) と各配合剤 をロールにて混合した。 得られた混合物をシート状にし、 1 5 0 mm X 1 5 0 mm X 2 mmのモールドで、 1 7 0 °Cで 1 0分間加熱処理し、 変性ポリマーを得た。 ただし、 比較例 3はポリマーと各配合剤を口 ールにて混合したもので、 加熱処理は施していない。 表 I 実施例 1 実施例 2 比較例 1 比較例 2 比較例 3
IR 100 100 100 100 100 変性用 TEMPO 1 2 1 2 2 ラジカル開始剤 0.98 1.95 1.95 変性率 (wt%) 0.23 0.65 0 0 0
IR Nipol IR - 2200 (日本ゼオン株式会社) 変性用 TEMPO 上記合成参照
ラジカル開始剤 パーク ミル D- 40 (日本油脂株式会社) 変性率
まず、 ポリマーに対する T D I — T EMP Oの変性率を求めるた めの検量線を作製した。 I Rゴムと変性 T E MP Oの比を変量した 混合物を、 それぞれトルエンに均一に溶解し、 その混合物の I R分 析を行った。 検量線は変性 T E M P Oの 1 7 2 7 cnT 1のピークに対
する I Rゴムの 1 3 7 6 cm— 1のピーク比及び変性 T EMP Oの 1 7 2 7 CHT 1のピークに対する I Rゴムの 1 4 4 S cnf1のピーク比の、 2つのピーク比を平均化し、 検量線を作製した。 同様に表 I で作製 した変性ポリ マーのピーク比を算出し、 検量線によ り変性率を求め た。
表 I において、 比較例 1及び 2は、 パーオキサイ ドを添加してい ないため、 ポリマーに十分な炭素ラジカルが発生できず、 変性 T E M P Oによるポリマーの変性ができなかった。 比較例 '3では、 パ一 ォキサイ ドを添加しているが、 加熱処理をしていないため、 ポリマ 一に十分な炭素ラジカルが発生できず、 変性 T EMP Oによるゴム の変性ができなかった。 実施例 1及び 2では、 パーォキサイ ドを添 加し、 加熱処理を施しているので、 ポリマーに十分な炭素ラジカル が発生し、 変性 T EMP Oによるポリマーの変性が可能となつた。 実施例 3〜 4及び比較例 4〜 5
変性 T EMP Oの合成
アセ ト ン 5 0 mlに溶かした OH— T EMP O (旭電化工業株式会 社製 L A 7 R D) 5 0. 0 g ( 0. 2 9 1 mol) に ト リ レンジイ ソ シァネー ト (住友パイエルウ レタン株式会社製 T D I ) 5 0. 6 8 gを加え、 室温で 2 4時間攪拌し、 イソシァネー ト含有率が 1 1 . 9 6 %であることを確認した (理論値 1 2. 1 3 %) 。 アセ ト ンを 減圧留去後、 乾燥して生成物を得た。
実施例 3〜 4及び比較例 4〜 5の作製方法
表 IIに示す配合 (重量部) に従って、 混合 1では、 8 0 °Cの温度 に調整したパンパリーミキサーで混合し、 1 4 0 °Cに到達したら放 出し、 マスターパッチを作製した。 その後、 混合 2において、 硫黄 と促進剤を除く、 6 0 °Cの温度に調整したパンパリ ーミキサーで 5 分間混合し、 その後ロールにて硫黄と促進剤を添加し、 未加硫ゴム
を得た
実施例 3 実施例 4 比較例 4 比較例 5 混合 1
配合 (重量部)
IR 100 100 一 一 変性用 TEMPO 1. 2 2. 4 ― — ラジカル開始剤 0. 98 1. 95 一 一
NP合計 102. 18 104. 35 - 一 混合 2
配合 (重量部)
NP 102. 18 104. 35 ― 一
IR ― ― 100 100 変性用 TEMPO ― ― 1. 2 2. 4 ラジカル開始剤 ― ― 0. 98 1. 95 カーボンブラック 60 60 60 60 亜鉛華 3 3 3 3 ステアリ ン酸 1 1 1 1 老化防止剤 1 1 1 1 ァ マオイノレ 5 5 5 5 硫黄 2. 5 2. 5 2. 5 2. 5 加硫促進剤 CZ 1 1 1 1 変性率(w t %) 0. 35 0. 51 0 0 接着試験
引抜力 (N ) 75 87 12 14
(注)
IR Nipo l IR-2200 (日本ゼオン株式会社) ラジカル開始剤 パーク ミル D- 40 (日本油脂株式会社)
カーボンブラック HTC-100 (中部カーボン株式会社)
ステアリ ン酸 ビーズステアリ ン酸 (日本油脂株式会社) 老化防止剤 ノクラック 224 (大内新興化学工業株式会社) ァロマオイル デゾレッ クス 3号 (昭和シェル石油株式会社) 硫黄 油処理硫黄 (株式会社軽井沢製鍊所)
加硫促進剤 CZ ノ クセラー CZ-G (大内新興化学工業株式会社) 接着試験サンプルの作製方法及び試験方法
ポリ エステル繊維の 1種であるポリエチレンテレフタ レー ト繊維 ( P E T ) からなる繊維コ ード ( 3 3 0 0 dt ex) をエポキシ化合物 (ジグリセロールト リ グリ シジルエーテル) 2 %水溶液に浸漬し、
1 2 0 °Cで 1分間乾燥し、 ついで 2 4 0 °Cで 2分間熱処理した。 こ のようにして処理したポリエステル繊維コー ドを、 未加硫ゴムに所 定の長さで埋設し、 1 5 0 °Cで 3 0分間加硫し、 接着試験サンプル を作製した。 接着試験は J I S 1 0 1 7 T—テス ト法に準拠し て、 試料からコードを引き抜き、 この時の引抜力を測定した。
表 IIに示すように、 混合 1で高い温度に調整したパンパリ一ミキ サ一で混合されたマスターパツチを用いたゴム組成物では変性 T E MP Oによる変性が確認された。 このゴム組成物では糸との接着性 が向上しているが、 変性が確認されなかったゴム組成物については 糸との接着性が向上しなかった。
実施例 5〜 6及び比較例 6〜 7
変性 T EMP Oの合成
ァセ ト ン 5 0 mlに溶かした OH— T EMP O (旭電化工業株式会 社製 L A 7 R D) 5 0. 0 g ( 0. 2 9 1 mol)に ト リ レンジイ ソシ ァネー ト (住友バイエルウ レタン株式会社製 T D I ) 5 0. 6 8 g を加え、 室温で 2 4時間撹拌し、 ィ ソシァネート含有率が 1 1 . 9 6 %であることを確認した (理論値 1 2. 1 3 %) 。 アセ ト ンを減 圧留去後、 乾燥して生成物を得た。
変性ポリマーの製造
P Pと各配合剤を窒素置換したニーダ一で、 2 0 0 °Cで 1 5分間 混合し、 変性ポリマーを得た。
変性率
P Pに対する T D I — T EMP Oの変性率を求めるための検量線 を作製した。 P P と変性 T EMP Oの比を変量した混合物を、 ニー ダ一で作製し、 I R分析を行った。 検量線は変性 T EMP Oの 1 7 2 7 cnf 1のピークに対する P Pの 1 3 7 6 cm— 1のピーク比、 及び変 性 T EMP Oの 1 7 2 7 cm— 1のピークに対する P Pの 1 4 6 0 cm— 1
のピーク比の 2つのピーク比を平均化し、 検量線を作製した。 同様 に表 Π Ι で作製した変性ポリマーのピーク比を算出し、 検量線によ り変性率を求めた。 '
表 I I I 実施例 5 実施例 6 比較例 6 比較例 7 配合 (重量部)
, PP 100 100 100 100
変性用 TEMPO 1 2 1 2
DCP 0. 5 1 一 - 変性率 (重量%) 0. 31 _0. 55 _ 0 0 ―
(注) PP : ポリプロピレン (住友化学株式会社)
変性用 TEMPO:前記合成参照
DCP : ジクミルパーォキサイ ド (アルドリツチケミカル社)' 表 I I I に示すように、 実施例 5及び 6において、 ?に変性丁 £ M P O及びパーォキサイ ドを添加し、 高温で混合しているものはポ リマーの変性が確認された。 比較例 6及び 7ではパーォキサイ ドが 添加されていないため、 P Pの変性はできなかった。
産業上の利用可能性
本発明に従えば、 ポリマーの変性によ り、 接着性及び、 加工性が 改善でき、 タイヤ、 コンベルト、 ホースなどのゴム製品の他、 プラ スチック製品と して有用に使用することができる。