明細書 安定化された夕ンパク組成物 技術分野
本発明は、 安定なタンパク組成物、 詳しくは温血動物由来の血清アルブミ ンお よびカルニチンを配合せず、 かつ少な く とも、 イ ンターロイキン一 2、 イ ンタ一 フエロン一 α、 イ ンタ一フエロン一 /?、 イ ンターフェロン一ァ、 上皮増殖因子の いずれか 1種、 糖および/または糖アルコール (ソルビトールを除く) 、 ァミノ 酸 (グリシンおよびヒスチジンを除く ) を含むタンパク組成物 (但し、 ァラニン およびスクロースを配合した組成物、 塩酸リ ジンおよびスクロースを配合した組 成物を除く ) 、 要すれば酸および塩基、 さらに要すれば界面活性剤を含んだタン パク組成物に関するものである。 背景技術
イ ン夕一ロイキン一 2 (以下、 I L— 2 と略す) は、 Τ細胞やナチュラルキラ —細胞を増殖させる生理活性を有するタンパク質であり、 種々の癌、 特に血管肉 腫ゃ腎癌、 また免疫不全の治療薬と して大きな期待が寄せられている。 また、 後 天性免疫不全症候群 (A I D S ) の治療薬と しても大きな期待が持たれている。 また、 I L— 2 と同様に抗腫瘍作用を有するタンパクとして、 イ ンタ一フエロン (以下、 I F Nと略す) があり、 ウィルス . 二本鎖 R N A . レクチンなどによつ て動物細胞から誘発される抗ウィルス作用も有する。 さらに、 上皮増殖因子 (以 下、 E G F と略す) は、 上皮細胞の分化'増殖を促進させる作用をもち、 細胞内夕 ンパク質のリ ン酸化を亢進させる。
上記、 I L一 2、 I F N、 E G Fのようなタンパク成分は、 通常の保存状態で は不安定な物質であるために、 種々の安定化方法が試みられている。 例えば、 安 定化剤としてヒ ト血清アルブミ ンを配合した I L一 2 を含む溶液に、 塩基および
酸を加え、 中性とするこ とにより I L一 2の組成物を得ているもの (例 : 特開昭 6 2 - 1 6 4 6 3 1 ) や還元物質さらにはヒ ト血清アルブミ ンを配合するこ とに よって I L一 2組成物を得ているもの (例 :特開昭 6 0 — 2 1 5 6 3 1 ) がある。 また、 アミノ酸であるグリシンおよび糖であるスクロースを含み、 ヒスチジン(塩 基) またはクェン酸 (酸) のいずれかで p H 5〜 6 . 5 に調整された I L一 2組 成物を得ているもの (例 : WO 0 2 / 0 0 2 4 3 ) やアルギニンとカルニチン ( 4 — ト リ メチルァミ ノ - 3 —ヒ ドロキシ酪酸、 別名ビタ ミ ン B τ) の混合物、 スク ロースおよびクェン酸を含んだ I L一 2組成物を得ているもの (例 : WO 9 0 Z 0 0 3 9 7 ) がある。 上記、 I L一 2、 I F N、 E G F以外のタンパクを含む製 剤には、 糖およびアミノ酸でタンパク質を安定化させて製剤を得ているものがあ る (例 : 特表平 8 — 5 0 4 7 8 4、 W0 9 6 /4 1 6 4 2 , 特表 2 0 0 1 — 5 0 3 7 8 1 ) o
しかしながら、 上記ヒ ト血清アルブミ ン (H S A) 等の温熱動物由来の血清ァ ルブミ ンは、 最近、 ウィルス感染や狂牛病などの危険性が指摘されており、 H S Aのような特定生物由来製品は製剤処方に含まれないことが望まれている。また、 I L - 2は水に比較的難溶性であり、 通常中性付近で凝集反応が生じ溶解度が低 下するために、 一旦塩基または酸を添加して I L一 2を溶解した後、 酸または塩 基を添加して中性付近にする必要がある。 このため、 上記 WO 0 2 / 0 0 2 4 3 に記載されているように、 酸または塩基のいずれかしか配合しなければ、 凝集反 応が生じ、 I L一 2の溶解度が低下する恐れがある。 さらに、 上記 WO 9 0 / 0 0 3 9 7 に開示されている安定化剤と してのカルニチンは、甲状腺阻害剤であり、 その添加量によっては、 副作用を生じる恐れがある。 また、 タンパク質の安定化 方法については、 一般的にタ ンパク質の種類が異なれば、 必ずしも同様に安定化 できるとは限らないことが文献に記載されており [ I n t . J . P h a r m . 1_ 8 5、 1 2 9 - 1 8 8 ( 1 9 9 9 ) 、 I n t . J . P h a r m. 2 0 3、 1 - 6 0 ( 2 0 0 0 ) ] 、 上記 I L一 2や I F Nと異なるタンパク成分を安定化できる 組成物でも、 当該タンパク成分を安定化できるとは限らない。 このように、 タン
パク成分と して、 安全性が高く、 しかも保存性のよい組成物が望まれていた。 発明の開示
上記事情に鑑み、 本発明者らは、 温血動物由来の血清アルブミンおよびカルニ チンを含まず、 医薬上許容されうる糖および/または糖アルコール、 アミノ酸な らびに要すれば、 酸および塩基、 さらに要すれば、 界面活性剤等を配合するこ と によって、 I L一 2、 I F Nである I FN— a、 I FN— /?、 I F N—ァ、 また は E G Fの安定性を高めた組成物を見出し、 以下に示す本発明を完成した。
( 1 ) 温血動物由来の血清アルブミ ンおよびカルニチンを配合せず、 かつ少なく とも以下の成分
1 ) イ ンターロイ キン一 2、 イ ンタ一フエロ ン一ひ、 イ ン夕一フエロ ン一 /5、 イ ンタ一フエロン一ァまたは上皮増殖因子のいずれか 1種、
2 ) 糖および Ζまたは糖アルコール (ソルビ トールを除く) 、 ならびに、
3 ) アミノ酸 (グリシンおよびヒスチジンを除く)
を含むことを特徴とする、 タンパク組成物 (但し、 ァラニンおよびスクロースを 配合した組成物、 塩酸リ ジンおよびスクロースを配合した組成物を除く ) 。
( 2 ) 更に酸および塩基を含むことを特徴とする、 上記 ( 1 ) に記載の組成物。
( 3 ) 更に界面活性剤を含むことを特徴とする、 上記 ( 1 ) に記載の組成物。
( 4 ) 糖および Ζまたは糖アルコールがマルト一ス、 マンニ トール、 ラク トース およびスクロースから選ばれる 1または 2以上である上記 ( 1 ) から ( 3 ) のい ずれかに記載の組成物。
( 5 ) 糖および Ζまたは糖アルコールがマル ト一スおよび/またはスクロースで ある上記 ( 4 ) に記載の組成物。
( 6 ) アミノ酸がァラニン、 塩酸リジンおよびアルギニンから選ばれる 1 または 2以上である上記 ( 1 ) から ( 3 ) のいずれかに記載の組成物。
( 7 ) アミノ酸がアルギニンである上記 ( 6 ) に記載の組成物。
( 8 ) 糖および/または糖アルコールがマルトースおよび/またはスクロースで
あり、 アミ ノ酸がアルギニンである上記 ( 1 ) から ( 3 ) のいずれかに記載の組 成物。
( 9 ) 糖および/または糖アルコールとアミノ酸の組合せがメイラ一ド反応を生 じないものである上記 ( 1 ) から ( 3 ) のいずれかに記載の組成物。
( 1 0 ) 凍結乾燥品である上記 ( 1 ) から ( 3 ) のいずれかに記載の組成物。
( 1 1 ) 溶液状態でィ ンタ一ロ イキン一 2、 インタ一フエロン一ひ、 イ ン夕一フエ Ό、ノー βヽ インターフヱロンーァまたは上皮増殖因子のいずれかの濃度が 1〜 2 2 0 /gZmLとなるように調製された上記 ( 1 ) から (3 ) のいずれかに記載の組 成物。
( 1 2 )溶液状態で p Hが 6. 1 ~ 9を示すように調製された上記( 1 )力 ら ( 3 ) のいずれかに記載の組成物。
( 1 3 ) シリコーンコーティ ングされた容器に収容された上記 ( 1 ) から ( 3 ) のいずれかに記載の組成物。
( 14) 温血動物由来の血清アルブミンおよびカルニチンを配合せず、 かつ少な く とも以下の成分
1 ) イ ン夕一ロイキン一 2、 イ ンタ一フエロン一ひ、 イ ン夕一フエロン一 ?、 イ ンターフェロ ン一ァまたは上皮増殖因子のいずれか 1種、
2 ) 糖および/または糖アルコール (ソルビ トールを除く) 、 ならびに、 3 ) アミノ酸 (グリシンおよびヒスチジンを除く )
を含んだ溶液を凍結乾燥する工程を含むことを特徴とする、 タンパク組成物 (但 し、 ァラニンおよびスクロースを配合した組成物、 塩酸リ ジンおよびスクロース を配合した組成物を除く) の製造方法。
( 1 5 ) 該溶液のイ ンタ一ロイキン一 2、 イ ン夕一フエロン一 ひ、 イ ンタ一フエ ロン一 5、 イ ンターフェロンー ァまたは上皮増殖因子のいずれかの濃度が 1〜 2 20 g/m Lである上記 ( 1 4 ) に記載の製造方法。
( 1 6 ) 該溶液がイ ンタ一ロイキン一 2を含むものであり、 該溶液に塩基を加え て p H 8〜 1 1 と した後、 速やかに酸を加えて中和するか、 または該溶液に酸を
加えて p H 2〜 6 と した後、 速やかに塩基を加えて中和する工程を含むことを特 徴とする、 上記 ( 1 4 ) または ( 1 5 ) に記載の製造方法。
( 1 7 ) 該溶液が更に界面活性剤を含むことを特徴とする、 上記 ( 1 6 ) に記載 の製造方法。
( 1 8 ) 温血動物由来の血清アルブミ ンおよびカルニチンを配合せず、 かつ少な く とも糖およびノまたは糖アルコール (ソルビトールを除く) 、 ならびにアミ ノ酸 (グリシンおよびヒスチジンを除く) を配合することを特徴とする、 イ ンターロイキ ン一 2、 イ ンタ一フ エロン一 ひ、 イ ンタ一フ エロ ン一 3、 イ ンタ一フ エロ ン一 y または上皮増殖因子のいずれかを安定化する方法。
( 1 9 ) 更に酸および塩基、 ならびに界面活性剤を配合するこ とを特徴とする、 上記 ( 1 8 ) に記載の方法。 発明を実施するための最良の形態
本発明の I L— 2、 I F N— ひ 、 β、 ァまたは E G Fを含む組成物は、 I L— 2、 I F N— ひ 、 βヽ ァまたは E G Fのいずれか一種および下記の添加物を溶解 した溶液 (例 :注射剤) として用いることができるが、 該溶液の液媒体を乾燥し、 固形剤 (例 : 凍結乾燥製剤) にする場合もある。 固形剤であるならば、 組成物を 長期保存するこ とも可能である。
本発明では、 I L一 2の場合、 天然由来または遺伝子組換え I L一 2の全てを 用いることができるが、 特に遺伝子組換えヒ ト I L一 2が好ま しい。 I F Ν— ひ 、 β、 ァの場合、 天然由来または遺伝子組換えヒ ト I F Ν— ひ、 βヽ ァの全てを用 いるこ とができるが、 特に遺伝子組換えヒ ト I F N— α、 β、 ァが好ま しい。 ま た、 E G Fの場合、 天然由来または遺伝子組換えヒ ト E G Fの全てを用いるこ と ができるが、 特に遺伝子組換えヒ ト E G Fが好ま しい。
組成物中の I L一 2、 I F N— ひ、 βヽ ァ、 E G Fの濃度が低くても、 当該薬 物の容器壁面への吸着が少ないこ とが大きな特徴であり、 本発明の組成物を溶液 と して使用する場合、 溶液 l mL中に I L— 2、 I F N - a βヽ ァ、 E G Fは、
0. l〜 5 0 0〃 g、 好ま しくは 0. 5〜 3 0 0〃 g、 よ り好ま しくは 1〜 2 2 O ^ g配合すればよい。 また、 本発明の組成物を固形剤と して使用する場合、 固 形剤全量に対し I L一 2、 I F N— ひ、 βヽ 、 E G Fは、 0. 0 0 1〜 5 wZ w%、 好ま しくは 0. 0 0 2 5〜 2. 5 w/w%、 よ り好ま しくは 0. 0 0 3〜 1 w/w%配合すればよい。 I L一 2、 I F N— ひ、 βヽ ァ、 E G F含量が前記 配合量よ り も少なければ、 薬効が十分に発揮されない可能性がある。 前記配合量 より も多ければ、 溶液中に I L一 2等の薬物が完全に溶解しない恐れがある。 本発明において、 糖および/または糖アルコールは、 単糖類、 二糖類、 多糖類 あるいは水溶性グルカン類を意味し、 生理的に許容されるものであれば使用でき る。 糖および Ζまたは糖アルコールは、 I L— 2、 I F N— ひ、 βヽ ァ、 E G F の安定化のために添加されるが、 溶解補助剤、 賦形剤あるいは等張化剤と しても 添加されうる。 糖と して、 具体的にはグルコース、 マンノース、 ソルボース、 キ シロース、 マル ト一ス、 ラク ト一ス、 フルク ト一ス、 スク ロース、 デキス ト ラン、 プルラン、 デキス ト リ ン、 シクロデキス ト リ ン、 可溶性デンプン、 ヒ ドロキシェ チルデンプン、 カルボキシメチルセルロース一 N a等が挙げられる。 また、 糖ァ ルコールと しては C 4〜 C 8の糖アルコールが好ま しく、 具体的には、 マンニ ト —ル、 イ ノ シ トール、 ズルシ トール、 キシ リ トール、 ァラ ビ トール、 ラフ イ ノ一 ス、 エリス リ トール、 マルチ トール、 ラクチ トール、 ノ、。ラチニッ ト、 ト レノ、口一 ス等が挙げられる。 前記糖および/または糖アルコールの中で、 好ま しくはマル トース、 マンニ トール、 ラク ト一ス、 スクロースおよびソルビ トールであり、 さ らに好ま しくはマル トース、 マンニトール、 ラク ト一スおよびスクロースであり、 特に好ま しくはマル ト一ス、 スクロースである。
前記の糖および/または糖アルコールは、 単独または混合物で用いることがで きる。 配合量は特に限定されるものではなく、 組成物の溶液に溶解可能で I L一 2の安定性を高める量であればよい。 I L— 2、 I F N— ひ、 β、 ァ、 E G Fに 対する糖および/または糖アルコールの配合割合は重量比で 1〜 2 0 0 0 0倍、 好ま しくは 5〜 1 7 5 0 0倍、よ り好ましくは 2 0〜 1 5 0 0 0倍であればよい。
また、 本発明組成物を溶液と して使用する場合、 組成物の溶液 1 m L中に糖およ び/または糖アルコールを 5〜 5 0 0 m g、 好ま しくは 1 0〜 2 5 001 、 よ り 好ましくは 2 0〜 2 0 0 m g添加すればよい。 前記配合量より も少なければ、 I L一 2、 I F N— α、 βヽ ァ、 E G Fを安定化することができない恐れがあ り、 多ければ、 組成物全量に対する I L一 2含量が相対的に低下し、 多量の I L一 2、 I FN— 、 β、 ァ、 E G Fの組成物を投与しなければ、 薬効が生じない可能性 がある。
本発明において、 アミ ノ酸は、 I L一 2、 I F N— ひ、 β、 ァ、 E G Fの安定 化のために添加されるが、 賦形剤としても添加されうる。 アミ ノ酸とは、 分子内 にァミノ基と力ルポキシル基とをもつ化合物を意味するが、 プロ リ ンおよびヒ ド ロキシプロ リ ンのようなィ ミ ノ酸も含まれ、 生理的に許容されるものであれば使 用できる。 アミノ酸と しては、 中性アミノ酸、 酸性アミノ酸および塩基性ァミノ 酸が挙げられる。 具体的には中性アミノ酸と して、 ァラニン、 ノ リ ン、 ノルバリ ン、 ロイ シン、 ノルロイ シン、 イ ソロイ シン、 フエ二ルァラニン、 チロシン、 ジ ョ一 ドチロシン、 スルナ ミ ン、 ト レオニン、 セ リ ン、 プロ リ ン、 ヒ ドロキシプロ リ ン、 ト リ プト フ ァン、 チロキシン、 メチォニン、 シスチン、 システィ ン、 ひ 一 ァミノ酪酸等が挙げられる。 酸性アミノ酸と して、 ァスパラギン酸、 グルタ ミ ン 酸、 ァスパラギン、 グルタ ミ ン等が挙げられる。 塩基性アミノ酸と しては、 リ ジ ン、 塩酸リ ジン、 アルギニン、 ヒ ドロキシリ ジン等が挙げられる。 前記アミ ノ酸 のうち、 好ま しくはァラニン、 塩酸リ ジン、 アルギニンであり、 よ り好ま し くは アルギニンである。
前記のアミノ酸は、 単独または混合物で用いるこ とができる。 添加量は特に限 定されるものではなく、 組成物の溶液に溶解可能で I L一 2、 I F N— a、 β、 ァ、 E G Fの安定性を高める量であればよい。 I L一 2、 I F N— ひ、 β、 ァ、 E G Fに対するァミノ酸の配合割合は重量比で 1 ~ 1 0 0 0 0倍、 好ま しく は 1 0〜 7 5 0 0倍、 よ り好ま しくは 2 0〜 5 0 0 0倍であればよい。 また、 本発明 組成物を溶液と して使用する場合、 組成物の溶液 1 m L中にアミノ酸を 0. 1〜
2 5 0 mg、 好ま しくは 0. 5 ~ 1 2 5 mg、 より好ま しくは l ~ 1 0 0 m g添 加すればよい。 前記添加量よ り も少なければ、 I L一 2、 I F N— 、 β ァ 、 E G Fを安定化できない恐れがあり、 多ければ、 組成物全量に対する I L一 2、
I F N— α、 β ァ、 E G Fの含量が相対的に低下し、 多量の I L一 2、 I F N 一ひ、 β ァ、 E G Fを含有する組成物を投与しなければ、 薬効が生じない可能 性がある。
本発明組成物は、 前記したように、 糖および/または糖アルコール、 ならびに ァミ ノ酸を配合しているために、 固体状態でも液体状態でもメイ ラー ド反応を生 じる場合がある。 メイラ一ド反応とは、 アミノ酸、 ペプチ ド、 タンパク質のアミ ノ基とケト ン、 アルデヒ ド、 特に還元糖が反応して褐色色素を生成するものであ る。 しかし、 本発明の組成物においては、 特に糖および/または糖アルコールが マルト一ス、 マンニ トール、 ラク ト一ス、 スクロース、 好ま しくはマルト一ス、 スクロースであり、 アミ ノ酸がァラニン、 塩酸リジン、 アルギニン、 好ま しくは アルギニンとの組合せの場合には、 例えば 4 0 °Cで 3 0日間程度、 該組成物を保 存してもメイラード反応は生じる恐れが少な く、 I L— 2、 I F N— ひ、 β ァ、 E G Fの含量が低減する可能性も少ない。 但し、 ァラニンおよびスクロースを配 合した組成物、 塩酸リジンおよびスクロースを配合した組成物は、 凍結乾燥品が融 解し、 当該乾燥品は製造することができなかった。
上記、 糖および/または糖アルコールとアミノ酸の含量の比率は、 糖および Ζま たは糖アルコールに対し、 重量比でアミノ酸が 0. 0 1〜 4倍、 好ましくは 0. 0 2 5 ~ 3倍、 より好ましくは 0. 0 5〜 2倍である。 なお、 夕ンパク質製剤の場合、 添加物が同じでも主薬である夕ンパク質が異なれば、 メイラード反応の有無も異な るので、 メイラ一ド反応を生じないようにするためには、 タンパク質の種類によつ て製剤中の添加物の種類、 量等を検討する必要がある。
本発明において、 要すれば酸を配合してもよい。 酸としては、 生理的に許容さ れる酸を全て用いることができる。 例えば、 酢酸、 乳酸、 コハク酸、 酒石酸、 ク ェン酸、 ァスパラギン酸、 グルタ ミ ン酸、 ァスパラギン、 グルタ ミ ン等の有機酸
や、 塩酸、 リ ン酸等の無機酸が挙げられ、 単独でも、 2種以上の混合物で用いて もよ く、 好ま しくはクェン酸、 酒石酸である。 また、 これらの薬理学的に許容さ れる塩であってもよい。 酸の添加量は用いる酸の種類によっても異なるが、 所望 の p Hに調整できる必要量を添加すればよい。 一般的には、 I L— 2、 I F N— α、 ?、 ァ、 E G Fに対する酸の配合割合は重量比で 5〜 1 2 0 0 0倍、 好ま し くは 1 0 ~ 6 0 0 0倍、 より好ま しくは 2 5 ~ 3 0 0 0倍であればよい。 本発明 組成物を溶液と して使用する場合、 組成物の溶液 l mL中に酸を 0. 2 5〜 5 0 mg、 好ま しく は 0. 5〜 2 0 m g、 よ り好ま しくは l〜 1 0 m g添加すればよ い。 また、 前記量よ り も少なければ P Hは塩基性となり、 また多ければ p Hが酸 性となり、 いずれの状態でも I L— 2、 I F N—ひ、 β、 γ、 E G Fを安定化で きない恐れがある。
なお、 有機酸のうち、 酸性アミノ酸であるァスパラギン酸、 グルタ ミ ン酸、 ァ スパラギン、 グルタ ミ ンは、 構成成分中の酸であると同時にアミノ酸でもあり う る。
本発明において、 要すれば塩基を配合してもよい。 塩基としては、 生理的に許 容される塩基を全て用いることができる。 例えば、 N—メチルダルカミ ン、 モノ エタノールアミ ン、 ジエタノールアミ ンおよびト リエ夕ノールアミ ン等のアルコ ールァミ ン、 モノ、 ジまたは ト リェチルァミ ン等のアルキルァミ ン、 アルギニン、 リ ジン、 塩酸リ ジン等の塩基性アミノ酸、 ならびに炭酸ナ ト リ ウム等の無機塩基 等が用いられ、 これらは単独でも、 2種以上の混合物で用いてもよい。 炭酸ナ ト リ ウム等の無機塩基を用いる際には、 上記アミ ン等との併用が好ま しい。 好ま し い塩基と しては、 N—メチルグルカミ ン、 ジエタノールァミ ン、 ト リエタノール ァミ ン、 アルギニンであ り、 よ り好ま しくは、 ジエタノールァミ ン、 アルギニン である。 前記塩基は、 単独でも、 2種以上の混合物で用いてもよい。 塩基の添加 量は用いる塩基の種類によっても異なるが、 所望の P Hに調整できる必要量を添 加すればよい。 一般的には、 I L一 2、 I F N— α、 βヽ ァ、 E G Fに対する塩 基の配合割合は重量比で 2 ~ 1 0 0 0 0倍、 好ましくは 5〜 5 0 0 0倍、 よ り好
ましくは 1 0〜 4 5 0 0倍であればよい。 本発明組成物を溶液と して使用する場 合、 組成物の溶液 1 m L中に酸を 0. l〜 1 0 0 m g、 好ま しくは 0. 2 5〜 1 0 0 m g、 より好ま しくは 1 ~ 5 0 m g添加すればよい。 また、 本発明組成物を 固形剤と して使用する場合、 前記量よ り も少なければ、 溶液の p Hが酸性となり、 また多ければ、 溶液の p Hが塩基性となり、 いずれの状態でも I L— 2、 I F N 一 、 β、 ァ、 E G Fを安定化できない恐れがある。
なお、 塩基性アミ ノ酸であるアルギニン、 リ ジン、 塩酸リジン等は、 構成成分 の塩基であると同時にアミノ酸でもあり うる。
本発明において、 更に要すれば界面活性剤を添加することも可能である。 界面活 性剤としては、 生理的に許容される界面活性剤であればよ く、 該界面活性剤の添加 により、 固形剤調製における乾燥前の組成物溶液調製時または固形剤を蒸留水に再 溶解する時の I L一 2、 I FN— c、 β、 ァ、 E GFの溶解性改善ならびに、 組成 物溶液の液媒体を乾燥した時における I L一 2、 I FN— ひ、 βヽ ァ、 E GFの安 定性を向上 (特に乾燥時における I L— 2、 I F N— 、 βヽ ァ、 E G Fの容器壁 面の吸着を防止して、 組成物中の I L— 2含量の低下を抑制する) するなどの効果 が得られる。 界面活性剤として、 組成物の溶液に溶解または懸濁でき、 I L一 2、 I FN— ひ、 β、 ァ、 E G Fの安定性を高めるものであればよいが、 好ま しくは非 イオン性界面活性剤であり、 具体的にはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、 ショ糖 脂肪酸エステル、 ポリエチレングリコール (P E G) 、 ポリオキシエチレンポリオ キシプロピレングリコール、 ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙 げられる。 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油として具体的には、 ポリオキシェチレ ン硬化ヒマシ油 5、 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1 0、 ポリオキシエチレン硬 化ヒマシ油 2 0、 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 40、 ポリオキシエチレン硬化 ヒマシ油 5 0、 ポリォキシェチレン硬化ヒマシ油 6 0等がある。 ポリェチレングリ コールと して具体的には、 マクロゴール 2 00、 マクロゴール 3 0 0、 マクロゴ一 ル 40 0、 マクロゴール 6 0 0、 マクロゴール 1 0 0 0、 マクロゴール 1 5 0 0、 マクロゴール 1 54 0、 マクロゴール 2 0 0 0、 マクロゴール 40 00、 マクロゴ
ール 6 0 0 0、 マクロゴール 2 0 0 0 0等がある。 ポリオキシエチレンポリ才キシ プロピレングリコールと して具体的には、 ポリオキシエチレン ( 1 0 5 ) ポリオキ シプロピレン ( 5 ) グリコール、 ポリオキシエチレン ( 1 2 0 ) ポリオキシプロピ レン (40 ) グリコール [プルロニヅク F 8 7 ] 、 ポリオキシエチレン ( 1 6 0 ) ポリオキシプロピレン ( 3 0) グリコール [プル口ニック F 6 8] 、 ポリオキシェ チレン (42 ) ポリオキシプロピレン ( 6 7) グリコール [プル口ニック P 1 2 3 ] 、 ポリオキシエチレン ( 5 4) ポリオキシプロピレン ( 3 9 ) グリコール [プルロニ ック F 8 5 ] 、 ポリオキシエチレン ( 1 9 6 ) ポリオキシプロピレン ( 6 7 ) グリ コール [プル口ニック F 1 2 7 ] 、 ポリオキシエチレン ( 2 0) ポリオキシプロピ レン ( 2 0 ) グリコール [プル口ニック L 44] 等がある。 ポリオキシエチレンソ ルビ夕ン脂肪酸エステルとして具体的には、 ポリソルべ一ト 2 0 [Twe e n 2 0 ]、 ポリソルベート 40 [Twe e n 40 ] 、 ポリソルべ一ト 6 0 [Twe e n 6 0] 、 ポリソルべ一ト 6 5 [Twe e n 6 5 ] 、 ポリソルべ一ト 8 0 [ T w e e n 8 0 ] 等がある。 より好ましくはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、 特に好 ましくはポリソルべ一ト 8 0 [T w e e n 8 0 ] である。
界面活性剤の配合量は用いる界面活性剤の種類によっても異なるが、 I L一 2、 I F N— 、 β、 ァ 、 E G Fに対する界面活性剤の配合割合は重量比で 1 ~ 3 0 0倍、 好ま しくは 2. 5〜 2 5 0倍、 より好ま しくは 5〜 2 0 0倍であればよい。 本発明組成物を溶液として使用する場合、 組成物の溶液 l mL中に 0. 0 5 m g 〜 1 5 mg、 好ま しくは 0. 0 7 5 m g〜 7. 5 m g、 よ り好ま しくは 0. l m g〜 4 m gを添加すればよい。 また、 本発明組成物を固形剤として使用する場合、 前記添加量よ り も少なければ、 I L一 2、 I F N—ひ、 β、 ァ、 E G Fの溶解性 が改善せず、 また I L一 2、 I F N— α、 β、 ァ、 E G Fの安定性が低下する恐 れがあり、 逆に多ければ、 調製の際、 泡立ちにより組成物溶液の調製が困難とな る可能性がある。
本発明では、 固形剤調製における乾燥前の組成物溶液製造時または固形剤を蒸留 水に再溶解する時の ρ Η変動を最小限にするために緩衝剤を用いることが好ま しい。
緩衝剤と しては、 生理的に許容される緩衝剤であればよく、 例えば、 リ ン酸系また はクェン酸系の緩衝剤が挙げられる。
緩衝剤の添加量は用いる緩衝剤の種類によっても異なるが、 所望の p H、 すな わち、 組成物の溶液の p Hを 6. 1〜 9に保持するのに必要な量を用いればよい。 具体的には、 I L一 2、 I F N— 、 β ァ、 E G Fに対する緩衝剤の配合割合 は重量比で 2 0〜 1 0 0 0 0倍、 好ま しくは 5 0〜 8 0 0 0倍、 よ り好ま しく は 1 0 0 - 6 0 0 0倍あればよい。 本発明組成物を溶液と して使用する場合、 組成 物の溶液 l mL中に緩衝剤を l ~ 1 0 0 mg、 好ま しくは 2. 5〜 7 5 mg、 よ り好ま しくは 5 ~ 5 0 m g添加すればよい。 前記量よ り も少なければ、 組成物溶 液製造時または固形剤を蒸留水に再溶解する時の p H変動が大き くなる恐れがあ り、 多ければ、 組成物全量に対する I L一 2、 I F N— α、 β ァ、 E G Fの含 量が相対的に低下し、 多量の I L一 2、 I F N— α、 β ァ、 E G Fの組成物を 投与しなければ、 薬効が生じない可能性がある。
本発明の製剤は、 製剤の形態に応じ、 製剤学上許容される添加物を含有しうる。 例えば、 注射剤の場合、 フヱノール、 クレゾ一ル等の保存剤、 亜硫酸塩、 ピロ亜 硫酸ナ ト リ ウム、 ァスコルビン酸、 エチレンジァミ ン四酢酸 (E D TA) 、 チォ グリコール酸等の酸化防止剤、 ベンジルアルコール、 クロロブ夕ノール等の無痛 化剤、 塩化ナ ト リ ウム、 グリセリ ン等の等張化剤を添加してもよい。
安定化剤と して、 温血動物由来の血清アルブミ ン、 例えばヒ ト血清アルブミ ン、 ゥシ血清アルブミ ン、 ブ夕血清アルブミ ン等を配合した場合、 前述した様に副作 用を生じる可能性があるが、 アルブミ ンであっても遺伝子組換えアルブミ ンであ れぱ、 上記副作用を生じる可能性が低く、 組成物の添加剤と して配合する場合も あ り うる。 遺伝子組換えアルブミ ンの添加は、 I L一 2、 I F N— α、 β ァ、 E G Fの安定性低下の防止に有用である。 I L— 2、 I F N— α、 β ァ、 E G Fに対する遺伝子組換えアルブミ ンの配合割合は、 重量比で 1〜 4 0 0 0倍、 好 ま しくは 2. 5〜 2 0 0 0倍、 よ り好ま しく は 5〜 1 0 0 0倍であればよい。 本 発明組成物を溶液と して使用する場合、 組成物の溶液 1 m L中に 0. l mg~ l
O O m g、 好ま しくは 0. 2 5 m g〜 5 0 m g、 よ り好ま しくは 0. 5 mg〜 2 5 m gを添加すればよい。
本発明の組成物は、 少なく とも I L一 2、 I F N—ひ、 β、 ァ、 E G Fのうち いずれか 1種、 糖および/または糖アルコール、 アミノ酸、 要すれば酸ならびに 塩基、 さらに要すれば界面活性剤、 また ρ Ηの調節のために緩衝剤等の配合成分 を含む。 これら組成物の配合成分の好ま しい組合せとして、 I L一 2の場合、 1 ) I L— 2、 マル ト一ス、 アルギニン、 クェン酸、 ジエタノールァミ ン (場合によ つては、 ジエタノールアミ ンを配合しない場合もある) 、 要すればポリ ソルべ一 ト 8 0およびリ ン酸緩衝液、 および 2 ) I L— 2、 スクロース、 アルギニン、 ク ェン酸、 ジエタノールァミ ン (場合によっては、 ジエタノールアミ ンを配合しな い場合もある) 、 要すればポリソルべ一卜 8 0およびリ ン酸緩衝液の組合せの組 成物である。 これら好ま しい組合せの配合成分の配合量について、 I L一 2は、 固形剤全量に対し 0 · 0 0 1 ~ 5 w/w%、 好ま しくは 0. 0 0 5 2. 5 w/ w%、 よ り好ま しくは 0. 0 1 ~ l wZw%、 I L一 2に対するマルト一スまた はスクロースの配合割合は重量比で 1〜 1 0 0 0 0倍、 好ま しくは 5 ~ 5 0 0 0 倍、 よ り好ま しくは 2 0 ~ 4 0 0 0倍、 I L一 2に対するアルギニンの配合割合 は重量比で 1〜 5 0 0 0倍、 好ま しくは 1 0〜 2 5 0 0倍、 よ り好ま しくは 2 0 〜 2 0 0 0倍、 I L一 2に対するクェン酸の配合割合は重量比で 5 ~ 2 0 0 0倍、 好ま しくは 1 0〜 1 0 0 0倍、 よ り好ま しく は 2 5〜 5 0 0倍、 I L一 2に対す るジェタノールァミ ンの配合割合は重量比で 1 0 ~ 5 0 0 0倍、 好ま しくは 2 5 〜 2 5 0 0倍、 よ り好ま しくは 5 0 ~ 2 0 0 0倍 (場合によっては、 ジェタノ一 ルァミ ンを配合しない場合もある) 、 I L一 2に対するポリソルベート 8 0の配 合割合は、 重量比で 1〜 3 0 0倍、 好ま しくは 2. 5〜 2 5 0倍、 よ り好ま しく は 5 ~ 2 0 0倍、 リ ン酸緩衝液を添加するならば、 p H 6. 1〜 9に保持するの に必要な配合割合で添加すればよいが、 具体的には I L一 2に対する緩衝剤の配 合割合は、 重量比で 2 0 ~ 2 0 0 0倍、 好ま しくは 5 0〜 1 5 0 0倍、 より好ま しくは 1 0 0〜 1 0 0 0倍であればよい。 本発明の組成物を溶液と して使用する
場合、 I L一 2は、 組成物の溶液 1 m L中に 0. l〜 5 0 0 z g、 好ま しく は 0. 5 ~ 2 5 0〃 g、 よ り好ま しくは 1〜 1 0 0〃 g、マルト一スまたはスクロース は、 組成物の溶液 I mL中に 5〜 5 0 0 m g、 好ま しくは 1 0〜 2 5 0 m g、 よ り好ま しくは 2 0〜 2 0 001 、 アルギニンは、 組成物の溶液 I mL中に 0 . 1 ~ 2 5 0 m g、 好ま しくは 0. 5 ~ 1 2 5 m g、 よ り好ま しくは 1〜 : 1 0 0 m g、 クェン酸は、 組成物の溶液 I mL中に 0. 2 5〜 5 0 m g、 好ま しくは、 0 . 5 〜 2 0 m g、 よ り好ま しくは l〜 1 0 mg、 ジエタノールアミ ンは、 組成物の溶 液 I m L中に 0. l ~ 1 0 0 mg、 好ましくは 0 · 2 5〜 1 0 0 m g、 よ り好ま しくは 1 ~ 5 0 m g (場合によってはジエタノールアミ ンを配合しない場合もあ る) 、 ポリ ソルべ一 ト 8 0を添加するならば、 組成物の溶液 1 mL中に 0. 0 5 m g〜 1 5 mg、 好ま しくは 0. 0 7 5 m g〜 7. 5 m g、 よ り好ま しくは 0. l mg〜 4 m g、 リ ン酸緩衝液を添加するならば、 p H 6. 1〜 9に保持するの に必要な配合割合で添加すればよいが、 具体的には組成物の溶液 1 m L中に 1 ~ 1 0 0 m g、 好ましくは 2. 5〜 7 5 mg、 よ り好ま しく は 5 ~ 5 0 m g添加す ればよい。 本発明の組成物を固形剤と して使用する場合、 また、 マル ト一スとァ ルギニン、 およびスクロースとアルギニンとの含量の比率は、 マルト一スまたは スクロースに対し、 重量比でアルギニンが 0. 0 1〜 4倍、 好ま しくは 0. 0 5 〜 3倍、 よ り好ましくは 0. 1〜 2倍である。
I F N— ひの場合、 組成物の配合成分の好ま しい組合せとして、 1 ) I F N— ひ、 マルト一ス、 アルギニン、 要すれば塩酸およびリ ン酸緩衝液、 さらに要すれ ばポリ ソルべ一 ト 8 0、 2 ) I F N— ひ、 スクロース、 アルギニン、 要すれば塩 酸およびリ ン酸緩衝液、 さらに要すればポリ ソルベート 8 0の組合せの組成物で ある。 これら好ま しい組合せの配合成分の配合量について、 I F N— αは、 固形 剤全量に対し 0. 0 0 0 1〜 5wZw%、 好ま しくは 0. 0 0 0 5 ~ 2. 5 w/ w%、 よ り好ま しくは 0. 0 0 1〜 l w/w%、 I F N— αに対するマル ト一ス またはスクロースの配合割合は重量比で 1 ~ 2 0 0 0 0倍、 好ま しくは 5〜 1 7 5 0 0倍、 よ り好ま しくは 2 0〜 : L 3 0 0 0倍、 I F Ν— αに対するアルギニン
の配合割合は重量比で 1 ~ 5 0 0 0倍、 好ま しくは 1 0〜 4 5 0 0倍、 よ り好ま しくは 2 0 〜 4 0 0 0倍、 要すれば I F N— αに対する塩酸の配合割合は重量比 で 5 ~ 6 0 0 0倍、 好ま しく は 1 0〜 3 0 0 0倍、 よ り好ま しくは 2 5 〜 1 5 0 0倍、 リ ン酸緩衝剤を添加するならば、 ρ Η 6 . 1 〜 9に保持するのに必要な配 合割合で添加すればよいが、具体的には I F Ν— ひに対する緩衝液の配合割合は、 重量比で 2 0〜 1 0 0 0 0倍、 好ま しくは 5 0 〜 8 0 0 0倍、 よ り好ま しくは 1 0 0〜 6 0 0 0倍である。 さらにポリ ソルべ一 ト 8 0を要すれば、 I F N— ひ に 対するポリ ソルべ一ト 8 0の配合割合は、 重量比で 1 ~ 3 0 0倍、 好ま し くは 2 . 5〜 2 5 0倍、 より好ま しくは 5〜 2 0 0倍であればよい。 本発明の組成物を溶 液と して使用する場合、 I F N— は、 組成物の溶液 l m L中に 0 . 1 〜 5 0 0 f g 好ま しくは 0 · 5〜 2 5 0 〃 g、 よ り好ま しくは 1 〜 1 0 0 g、マル ト —スまたはスクロースは、 組成物の溶液 l m L中に 5〜 5 0 0 m g、 好ま しく は 1 0 ~ 2 5 0 m g、 より好ま しくは 2 0〜 2 0 0 m g、 アルギニンは、 組成物の 溶液 l m L中に 0 . l 〜 2 5 0 m g、 好ま しくは◦ . 5〜 1 2 5 m g、 よ り好ま しくは l ~ 1 0 0 m g、 塩酸を添加するならば、 組成物の溶液 1 m L中に 0 . 2 5〜 1 0 0 m g、 好ましくは、 0 . 5 〜 4 0 m g、 より好ま しくは l〜 2 0 m g、 リ ン酸緩衝液を添加するならば、 ρ Η 6 · 1 〜 9に保持するのに必要な配合割合 で添加すればよいが、 具体的には組成物の溶液 1 m L中に 1 ~ 1 0 0 m g、 好ま しくは 2 . 5〜 7 5 m g、 よ り好ま しくは 5 〜 5 0 m g添加すればよい。 さらに ポリ ソルべ一ト 8 0 を要すれば、 組成物の溶液 l m L中に 0 . 0 5 m g ~ l 5 m g、 好ま しくは 0 . 0 7 5 m g〜 7 . 5 m g、 より好ましくは 0 . l m g ~ 4 m g添加すればよい。 本発明の組成物を固形剤と して使用する場合、 また、 マル ト —スとアルギニン、 およびスクロースとアルギニンとの含量の比率は、 マル トー スまたはスクロースに対し、 重量比でアルギニンが 0 . 0 1 〜 4倍、 好ま しく は 0 . 0 5〜 3倍、 よ り好ま しくは 0 . 1 ~ 2倍である。
I F N— /?の場合、 組成物の配合成分の好ま しい組合せと して、 1 ) I F N— ?、 マルト一ス、 アルギニン、 要すれば塩酸およびリ ン酸緩衝液、 さらに要すれ
ばポリ ソルべ一 ト 8 0、 2 ) I F N- ?, スクロース、 アルギニン、 要すれば塩 酸およびリ ン酸緩衝液、 さらに要すればポリ ソルべ一ト 8 0の組合せの組成物で ある。 これら好ま しい組合せの配合成分の配合量について、 I FN— /?は、 固形 剤全量に対し 0. 0 0 0 1〜 5 w/w%、 好ま しく は 0 · 0 0 0 5〜 2. 5 w/ w%、 よ り好ま しくは 0. 0 0 1〜 l w/w%、 I FN— ?に対するマルト一ス またはスクロースの配合割合は重量比で 1〜 2 0 0 0 0倍、 好ましくは 5〜 1 7 5 0 0倍、 よ り好ま しく は 2 0〜 1 0 0 0 0倍、 I FN— /?に対するアルギニン の配合割合は重量比で 1〜 5 0 0 0倍、 好ま しくは 1 0〜 4 5 0 0倍、 より好ま しくは 2 0 ~4 0 0 0倍、 要すれば I F N— /?に対する塩酸の配合割合は重量比 で 5〜 6 0 0 0倍、 好ま しくは 1 0〜 3 0 0 0倍、 より好ま しくは 2 5〜 1 5 0 0倍、 リ ン酸緩衝剤を添加するならば、 p H 6. 1〜 9に保持するのに必要な配 合割合で添加すればよいが、具体的には I F N— /?に対する緩衝液の配合割合は、 重量比で 2 0 ~ 1 0 0 0 0倍、 好ま しくは 5 0 ~ 8 0 0 0倍、 より好ま しくは 1 0 0 ~ 6 0 0 0倍であればよい。 さらにポリ ソルベート 8 0を要すれば、 I F N - βに対するポリ ソルベート 8 0の配合割合は、 重量比で 1〜 3 0 0倍、 好ま し くは 2. 5〜 2 5 0倍、 より好ま しくは 5〜 2 0 0倍であればよい。 本発明の組 成物を溶液と して使用する場合、 I F Ν— /?は、 組成物の溶液 1 m L中に 0. 1 〜 5 0 0〃 g、 好ま しくは 0. 5〜 2 5 0 z g、 よ り好ま しくは 1〜 1 0 0〃 、 マルトースまたはスクロースは、 組成物の溶液 1 m L中に 5〜 5 0 0 m g、 好ま しくは 1 0〜 2 5 0 m g、 よ り好ま しくは 2 0〜 2 0 0 m g、 アルギニンは、 組 成物の溶液 l mL中に 0. l〜 2 5 0 mg、 好ま しくは 0. 5〜 1 2 5 mg、 よ り好ま しくは 1 ~ 1 0 0 m g、 塩酸を添加するならば、 組成物の溶液 1 mL中に 0. 2 5〜 1 0 0 m g、 好ま しくは、 0. 5〜 4 0 mg、 よ り好ま しく は 1〜 2 0 mg、 リ ン酸緩衝液を添加するならば、 p H 6. 1〜 9に保持するのに必要な 配合割合で添加すればよいが、 具体的には組成物の溶液 1 m L中に 1〜 1 0 0 m g、 好ま しくは 2. 5〜 7 5 mg、 よ り好ま しくは 5〜 5 0 m g添加すればよい。 さ らにポリソルべ一 ト 8 0を要すれば、 組成物の溶液 l mL中に 0. 0 5 m g~
1 5 m g、 好ま しく は 0. 0 7 5 mg〜 7. 5 mg、 より好ま しくは 0 . l m g 〜 4 m g添加すればよい。 本発明の組成物を固形剤と して使用する場合、 また、 マルト一スとアルギニン、 およびスクロースとアルギニンとの含量の比率は、 マ ルトースまたはスクロースに対し、 重量比でアルギニンが 0. 0 1 ~ 4倍、 好ま しくは 0. 0 5〜 3倍、 よ り好ま しくは 0. 1〜 2倍である。
I F N - rの場合、 組成物の配合成分の好ましい組合せとして、 1 ) I F N—ァ、 マルト一ス、 アルギニン、 L一システィ ン、 要すれば塩酸およびリ ン酸緩衝液、 さ らに要すればポリソルべ一ト 8 0、 2 ) I FN—ァ、 スクロース、 アルギニン、 L —システィン、 要すれば塩酸およびリン酸緩衝液、 さらに要すればポリソルべ一ト 8 0の組合せの組成物である。これら好ましい組合せの配合成分の配合量について、 I F N—ァは、 固形剤全量に対し 0. 0 0 1〜 5 w/w%、 好ま しくは 0. 0 0 5 〜2. 5 w/w%、 より好ましくは 0. 0 1〜: L w/w%、 I FN—ァに対するマ ルト一スまたはスクロースの配合割合は重量比で 1 ~ 5 0 0 0倍、 好ま しくは 5〜 2 50 0倍、 より好ま しくは 2 0〜 1 0 0 0倍、 I FN—ァに対するアルギニンの 配合割合は重量比で 1〜 2 5 0 0倍、 好ましくは 1 0〜 1 0 0 0倍、 より好ま しく は 20〜 5 0 0倍、 I FN—ァに対する L—システィ ンの配合割合は重量比で 0. 1〜5倍、 好ましくは 0. 2〜4倍、 より好ましくは 0. 3~ 3倍、 要すれば I F N—ァに対する塩酸の配合割合は重量比で 5~2 0 0 0倍、 好ましくは 1 0~ 1 0 0 0倍、 より好ましくは 2 5〜 5 00倍、 I F N—ァに対するポリソルべ一ト 8 0 の配合割合は、 重量比で 1〜3 0 0倍、 好ましくは 2. 5~ 2 5 0倍、 よ り好ま し くは 5~ 2 0 0倍、 リ ン酸緩衝液を添加するならば、 pH 6. 1〜 9に保持するの に必要な配合割合で添加すればよいが、 具体的には I F N—ァに対する緩衝液の配 合割合は、 重量比で 1 0〜 2 0 0 0倍、 好ましくは 2 0~ 1 5 0 0倍、 よ り好ま し くは 4 0〜 1 0 0 0倍であればよい。 さらにポリ ソルベート 8 0を要すれば、 I F N—ァに対するポリ ソルべ一ト 8 0の配合割合は、 重量比で 1〜 3 0 0倍、 好ま し くは 2. 5〜 2 5 0倍、 より好ま しくは 5〜 2 0 0倍であればよい。 本発明の組成 物を溶液として使用する場合、 I F N—ァは、 組成物の溶液 1 m L中に 0. 1〜 1
0 0 0〃 g、 好ましくは 0. 5〜 7 5 0 g、 より好ま しくは l ~ 5 0 0〃 g、マル ト一スまたはスクロースは、 組成物の溶液 l mL中に 5~ 5 0 0 mg、 好ましくは 1 0 ~ 2 5 0 m g, より好ましくは 2 0〜 2 0 0 mg、 アルギニンは、 組成物の溶 液 l mL中に 0. l〜 2 5 0 mg、 好ましくは 0. 5 ~ 1 2 5 mg、 よ り好ましく は l〜 1 0 0 mg、 L一システィ ンは、 組成物の溶液 l mL中に 0. 0 1 ~ 5 mg、 好ましくは 0. 0 5 ~ 3 mg、 よ り好ましくは 0. 1〜2. 5 mg、 塩酸を添加す るならば、 組成物の溶液 l mL中に 0. 2 5〜 1 0 0 mg、 好ま しくは、 0. 5 ~ 40 mg、 より好ましくは l〜2 0 mg、 ポリソルべ一ト 8 0を添加するならば、 組成物の溶液 l mL中に 0. 0 5 mg~ 1 5 mg、 好ましくは 0 · 07 5 mg〜 7. 5 mg、 よ り好ま しくは 0. l m g〜 4 mg、 リ ン酸緩衝液を添加するならば、 p H 6. 1〜 9に保持するのに必要な配合割合で添加すればよいが、 具体的には組成 物の溶液 l mL中に l〜 1 0 0 m g、 好ましくは 2. 5 ~ 7 5 mg、 よ り好ま しく は 5〜 5 0 m g添加すればよい。 さらにポリソルべ一ト 80を要すれば、 組成物の 溶液 l mL中に 0. 0 5 mg〜 1 5 mg、 好ましくは 0. 0 7 5 mg~ 7. 5 mg、 より好ま しくは 0. 1 m g~ 4 m g添加すればよい。 本発明の組成物を固形剤と し て使用する場合、 また、 マルトースとアルギニン、 およびスクロースとアルギニン との含量の比率は、 マルト一スまたはスクロースに対し、 重量比でアルギニンが 0. 0 1〜 4倍、 好ましくは 0. 0 5 ~ 3倍、 より好ましくは 0. 1〜 2倍である。
E G Fの場合、 組成物の配合成分の好ま しい組合せとして、 1 ) E G F、 マル ト一ス、 アルギニン、 要すれば塩酸およびリ ン酸緩衝液、 さらに要すればポリ ソ ルベー ト 8 0、 2 ) E G F、 スクロース、 アルギニン、 要すれば塩酸およびリ ン 酸緩衝液、 さらに要すればポリソルべ一ト 8 0の組合せの組成物である。 これら 好ま しい組合せの配合成分の配合量について、 E G Fは、 固形剤全量に対し 0. 0 0 1〜 5 w/w%、 好ま しくは 0. 0 0 5〜 2. 5 w/w%、 よ り好ま しく は 0. 0 0 7 5〜 ; L w/w%、 E G Fに対するマルト一スまたはスクロースの配合 割合は重量比で 1 0〜 5 0 0 0倍、 好ましくは 5 0〜 45 0 0倍、 よ り好ま しく は 1 0 0〜 40 0 0倍、 E G Fに対するアルギニンの配合割合は重量比で 1〜 2
5 0 0倍、 好ま しくは 1 0〜 2 0 0 0倍、 よ り好ま しくは 2 0〜 1 7 5 0倍、 要 すれば E G Fに対する塩酸の配合割合は重量比で 5〜 2 0 0 0倍、 好ま しくは 1 0〜 1 0 0 0倍、 よ り好ま しくは 2 5〜 5 0 0倍、 リ ン酸緩衝液を添加するなら ば、 p H 6. 1 ~ 9に保持するのに必要な配合割合で添加すればよいが、 具体的 には E G Fに対する緩衝液の配合割合は、 重量比で 1 0〜 3 0 0 0倍、 好ま しく は 2 0〜 2 5 0 0倍、 よ り好ま しくは 40〜 2 0 0 0倍であればよい。 さらにポ リソルべ一ト 8 0を要すれば、 E G Fに対するポリ ソルべ一 ト 8 0の配合割合は、 重量比で 1 ~ 3 0 0倍、 好ま しくは 2. 5 ~ 2 5 0倍、 よ り好ま しくは 5〜 2 0 0倍であればよい。 本発明の組成物を溶液と して使用する場合、 E G Fは、 組成 物の溶液 l mL中に 0. l〜 1 0 0 0 z g、 好ま しくは 0. 5〜 5 0 0 z g、 よ り好ま しくは 1〜 1 0 0 g、マルト一スまたはスクロースは、 組成物の溶液 1 mL中に 5〜 5 0 0 m g、 好ま しくは 1 0〜 2 5 0 m g、 より好ましくは 2 0 ~ 2 0 0 mg、 アルギニンは、 組成物の溶液 1 m L中に 0. l ~ 2 5 0 m g、 好ま しくは 0. 5 ~ 1 2 5 m g、 よ り好ま しくは l〜 1 0 0 m g、 塩酸を添加するな らば、 組成物の溶液 l mL中に 0. 2 5〜 1 0 0 m g、 好ましくは、 0. 5〜 4 0 mg、 よ り好ま しくは l ~ 2 0 mg、 リ ン酸緩衝液を添加するならば、 p H 6. 1〜 9に保持するのに必要な配合割合で添加すればよいが、 具体的には組成物の 溶液 l mL中に :!〜 l O O m g、 好ま しくは 2. 5〜 7 5 mg、 よ り好ま しくは 5〜 5 0 m g添加すればよい。 さらにポリ ソルべ一 ト 8 0を添加するならば、 組 成物の溶液 l m L中に 0. 0 5 m g~ 1 5 m g、 好ま しくは 0. 0 7 5 m g〜 7. 5 mg、 よ り好ま しくは 0. l m g〜 4 m g添加すればよい。 本発明の組成物を 固形剤と して使用する場合、 また、 マルト一スとアルギニン、 およびスクロース とアルギニンとの含量の比率は、 マル ト一スまたはスクロースに対し、 重量比で アルギニンが 0. 0 1〜 4倍、 好ま しくは 0. 0 5〜 3倍、 よ り好ま しくは 0. 1〜 2倍である。
本発明溶液から固形剤を製造する際の溶液の乾燥法としては、 組成物溶液の液 媒体を乾燥しさえすればよいが、 好ま しくは凍結乾燥法、 流動層乾燥法、 噴霧乾
燥法、 よ り好ま しくは凍結乾燥法がある。 凍結乾燥法によって固形状に した凍結 乾燥品は、 I L一 2、 I FN—ひ、 β、 ァ、 E G Fのようなタンパク成分を含む 製剤の場合、 熱等のス ト レスがかからず、 安定なタンパク製剤を製造するこ とが できる。
組成物溶液の ρ Ηを約 6以上に調節すれば、 I L一 2、 I F N— α、 β、 ァ、 E G Fは安定に保たれ、 かつ液媒体の乾燥操作中及び固形状製剤の再溶解時の液 状も透明に保たれうる。 従って、 本発明目的のためには、 特に ρ Ηの上限はない が、 好ましくは最終的な ρ Η調節は溶液状態で ρ Η 6. 1 ~ 9である。 本発明組 成物を注射剤と して用いる場合には、 該組成物を生理的な Ρ Η領域付近に調整す ることが好ま しく、 この場合には最終的な ρ Η領域を ρ Η 6. 1〜 8、 さらに好 ま しくは ρ Η 6. 5〜 7. 5にすればよい。 前記下限の ρ Ηよ り も酸性側では、 再溶解時の液状を透明に保つことが困難である恐れがあり、 上限の ρ Ηよ り も塩 基性側では、 組成物の安定性および溶液の透明性は満足されても、 皮膚や血管等 への刺激性が増す可能性があり、 必ずしも好ま しいものではない。
本発明において、 I L— 2、 I FN—ひ、 βヽ ァ、 E G Fの安定性が増大した 理由は必ずしも明らかではないが、 1 ) I L一 2、 I F N— α、 βヽ ァ、 E G F の分解、 2 ) I L— 2、 I F N—ひ、 βヽ ァ、 E G F同士の凝集、 3 ) I L— 2、 I FN— α、 β、 ァ、 E G Fの容器への吸着等を抑制したためと考えられる。 特 に、 製剤中の薬物濃度が低い場合、 容器壁への薬物吸着の影響が大きいが、 本発 明処方であれば、 乾燥時における容器への I L一 2、 I F N— α、 βヽ ァ、 E G Fの吸着等を抑制することが可能である。 また、 組成物製造直後の I L一 2、 I F N— α、 βヽ ァ、 E G Fの含量は経時保存後、 例えば 4 0 、 3 0日間程度保 存してもほとんど低下しない。 I L一 2の容器への吸着をさらに抑制するために は、 種々の方法が考えられるが、 その一つの方法と して内壁をシリコーンでコ ー ティ ングされた容器に I L— 2、 I F N— ひ、 βヽ ァ、 E G Fを含む組成物を収 容すればよい。
本発明 I L一 2組成物の製法は、 特に限定されないが、 好ましくは以下のような
方法で製造する。 糖および/または糖アルコールならびに安定化剤であるァミノ酸 の必要量を蒸留水に溶解した溶液に、 I L一 2原液および要すれば更に界面活性剤 の適当量を加える。 次いで塩基の適当量 (アミノ酸として、 塩基性アミノ酸を添加 した場合、 塩基を添加しない場合がある) を添加して p H約 8〜 1 1、 好ましくは p H約 9 ~ 1 1、 さらに好ましくは p H約 9. 5〜 1 0. 5とし、 緩衝液を加えた 後、 速やかに酸を加えて pH約 7〜 7. 5とする。 残りの蒸留水を加えて液量を調 節し、 組成物の溶液を製造後、 無菌濾過、 容器へ分注、 次いで凍結乾燥させる。 ま た、 別法として、 糖および/または糖アルコールならびに安定化剤あるアミノ酸の 必要量を蒸留水に溶解した溶液に、 I L一 2および要すれば更に界面活性剤の適当 量を加える。 次いで酸の適当量 (アミノ酸として、 酸性アミノ酸を添加した場合、 酸を添加しない場合がある) を添加して、 一旦 p H約 2〜 6、 好ま しくは pH約 2 〜4、 さ らに好ましくは p H約 2〜 3とし、 緩衝液を加えた後、 速やかに塩基を加 えて p H約?〜 7. 5と し、 以下上記と同様の方法で組成物を製造する。 該製造法 のうち、 I L— 2の安定性の面から、 前者の製造方法が好ましい。 凍結乾燥は、 上 記調製した組成物の溶液を約一 6 0 °C〜約一 1 0 °C、 好ま しくは約一 5 0 °C〜約一 4 0 °Cで急速凍結した後、 要すれば、 昇華熱を供給しながら、 好ま しくは 48〜 7 2時間、 0. 0 0 5〜 1 mbに保って所定含水量になるまで水分を昇華、 除去し、 要すれば窒素など不活性気体または乾燥空気を充填して、 密栓する。
上記製造法中、 塩基または酸を添加して所要の P Hと した後、 「速やかに」 酸ま たは塩基を添加し p Hを約?〜 7. 5とするが、 この 「速やかに」 酸または塩基を 添加しはじめ、 p Hを約?〜 7. 5とするまでの時間は、 組成物の製造量によって も異なるが、 約 6 0分間、 好ましくは約 4 5分間、 より好ましくは約 3 0分間以内 であればよい。
本発明 I F N— α、 β ァ、 E G F組成物の製法は、 特に限定されないが、 好ま しくは以下のような方法で製造する。 糖および/または糖アルコールならびに安定 化剤であるアミノ酸の必要量を蒸留水に溶解した溶液に、 I FN—ひ、 β ァ、 Ε G Fの原液および要すれば更に界面活性剤の適当量を加える。 I F Ν—ァについて
は、 さらに L一システィ ンを添加する。 次いで要すれば塩基 (アミノ酸と して、 塩 基性アミノ酸を添加した場合、 塩基を添加しない場合がある) および塩基を添加し た場合、 酸を添加して、 緩衝液を加え、 p H約?〜 7. 5とした後、 残りの蒸留水 を加えて液量を調節し、 組成物の溶液を製造後、 無菌濾過、 容器へ分注、 次いで凍 結乾燥させる。 また、 別法として、 糖および Zまたは糖アルコールならびに安定化 剤あるアミノ酸の必要量を蒸留水に溶解した溶液に、 I F N— α、 βヽ ァ、 E GF および要すれば更に界面活性剤の適当量を加える。 次いで酸 (アミノ酸と して、 酸 性アミノ酸を添加した場合、 酸を添加しない場合がある) および酸を添加した場合、 塩基を添加して、 緩衝液を加え、 ρΗ約?〜 7. 5とし、 以下上記と同様の方法で 組成物を製造する。 該製造法のうち、 I FN— α、 βヽ ァ、 E G Fの安定性の面か ら、 前者の製造方法が好ましい。 凍結乾燥は、 上記調製した組成物の溶液を約一 6 0°C〜約— 1 0°C、 好ま しくは約一 5 0°C〜約一 4 0°Cで急速凍結した後、 要すれ ば、 昇華熱を供給しながら、 好ま しくは 48〜 7 2時間、 0. 0 0 5 ~ 1 mbに保 つて所定含水量になるまで水分を昇華、 除去し、 要すれば窒素など不活性気体また は乾燥空気を充填して、 密栓する。
本発明組成物は、温血動物由来の血清アルブミ ンおよびカルニチンを配合せず、 かつ少なく とも I L— 2、 I F N— 、 βヽ ァ、 E G Fのいずれか 1種、 糖およ び/または糖アルコール、 アミノ酸、 要すれば酸および塩基の成分を配合し、 さ らに要すれば界面活性剤や緩衝剤等を配合することによって、 I L一 2、 I F N — α、 β、 ァ、 E G Fを長期間、 例えば 4 0 °C 3 0 日間程度にわたっても安定に 保存することが可能である。 さらに、 本発明製剤によって、 I L— 2、 I F N— ひ、 β、 ァ、 E G Fの容器壁面の吸着を抑制するこ とが可能である。
本発明組成物の使用方法は特に限定されるものではないが、 非経口的に用いるこ とが好ま しい。 注射剤と して用いる際には、 凍結乾燥された該組成物を注射用蒸留 水、 生理食塩水、 ブドウ糖液、 適当な点滴用輸液等に用時溶解して静脈内、 筋肉内、 皮下または皮内に投与する。 また、 本組成物に適当な担体、 賦形剤等を加えて口、 鼻、 耳腔内投与等の局所投与製剤としてもよい。 投与量と しては、 例えば I L一 2
として一日あたり、 3 5万〜 1 40万 111; (国内標準単位) である。 実施例
以下に本発明を実施例によ りさ らに具体的に説明するが、 これは単に例示であ つて、 本発明を制限するものではない。
なお、 本発明において用いる I L一 2の力価は、 I L一 2に依存的に増殖する NK細胞 (マウス細胞由来) の増殖を定量化の指標と し、 I L— 2の単位を算出 する方法を用いて、 測定した。 I L一 2活性を有する物質の量に比例して、 N K 細胞の一種である NK— 7細胞は増殖する。 N K— 7細胞に MT T〔臭化 3— (4 , 5—ジメチルチアゾールー 2—ィル)一 2, 5—ジフエ二ルー 2 H—テ トラゾリ ゥ ム〕 を与えると、 MT Tは NK— 7細胞に取り込まれ、 ミ トコン ド リァ内膜に存 在する呼吸鎖に関連する 2つの電子伝達体、 チ トクローム bおよびチ トクローム cによ り還元され、 細胞の増殖能に比例した量の色素ホルマザンが生成する。 こ のホルマザンの生成量と試料の希釈倍数の関係から、 I L一 2の力価を定量する。 生成したホルマザンはイソプロパノールによ り NK— 7細胞から溶出され、 紫色 に呈色した液を吸光度測定 (波長 5 6 O nm) することにより、 I L一 2の力価 を測定した。 また、 I F N—ひ、 β ァ、 E G Fについては、 高速液体クロマ ト グラフィ一 ( H P L C ) にて測定をおこなった。
(実施例 1 )凍結乾燥を可能とするァミノ酸および糖の検討( I L— 2を含まず) 以下に示す製造方法に準じて、 表 1に示す成分の組成物を製造し、 組成物の外 観を観察した。 なお、 本組成物には、 主薬である I L一 2を配合していない。 (実施例 1製剤の製造方法)
糖または糖アルコールと しては、 マルト一ス、 マンニ トール、 ラク ト一ス、 ス クロースを用いた。 アミノ酸と しては、 ァラニン、 塩酸リ ジン、 アルギニンを用 いた。 界面活性剤と してはポリソルべ一ト 8 0、 塩基としてはジエタノールアミ ン、 酸としてはクェン酸、 緩衝液としてはリ ン酸緩衝液を用いた。
1 2 0 m g/mLの糖または糖アルコール水溶液 5 mL、 1 O m g/mLのポ
リ ソルべ一 ト 8 0水溶液 0 . 5 m L、 1 0 0 m g / m Lのアミ ノ酸水溶液 2 m L を混合溶解した。 該溶液に 1 0 0 m g / m 1 のジエタノールァミ ン水溶液約 0 . 3 m Lを加え、 p H約 9 とした。 なお、 アルギニン添加処方では、 ジエタノール アミ ンを添加しない。 次いでリ ン酸緩衝液 1 4 . 6 m gおよびクェン酸約 1 . 4 8 m gを添加して、 該溶液の p Hを約 7に調整し、 注射用水で全量 1 0 m L とな るように調整した。 その後、 上記製造した組成物の溶液 1 m Lおよび上記製造し た組成物の溶液 1 m Lと注射用蒸留水 1 m L を混合した溶液 2 m Lをそれぞれ 3 m L容のガラスバイアルに分注し、 凍結乾燥を行った。 凍結乾燥は表 2の条件で 行った。
表 1
凍結乾燥直後の凍結乾燥品および 4 0 °C 1 0 日間保存後の凍結乾燥品の外観を目 視で観察した。 以下の表 3、 4で外観上問題を認めないとは白色で均質な凍結乾燥 品であり、 融解などを認めないものであることを示し、 また、 ケーキとは、 凍結乾 燥品のマ ト リ ックスであり、 このケーキが形成されていれば、 凍結乾燥品としては 安定である。
(試験結果)
凍結乾燥直後の凍結乾燥品および 4 0 °C 1 0 日間保存後の凍結乾燥品の外観 を表 3および 4に示す。 その結果、 4 0 °C 1 0 日間保存後において、 糖または糖 アルコールがマルト一スの場合、 アミ ノ酸がァラニン、 塩酸リ ジン、 アルギニン の組合せ、 糖または糖アルコールがマンニ トールの場合、 アミ ノ酸がァラニン、 塩酸リ ジン、 アルギニンの組合せ、 糖または糖アルコールがラク ト一スの場合、 アミノ酸がァラニン、 塩酸リ ジン、 アルギニンの組合せ、 糖または糖アルコール がスクロースの場合、 ァミノ酸がアルギニンの組合せの組成物における外観が特 に良好であった。 一方、 グリ シンを配合した製剤、 ソルビ トールを配合したほと んどの組成物、 ァラニンとスクロースを配合した組成物および塩酸リジンとスク ロースを配合した組成物は、 4 0 °C 1 0 日間保存において、 凍結乾燥品のケーキ は形成しなかった。
表 3 : ァミ ノ酸と糖または糖アルコールを組み合わせた凍結乾燥品の乾燥直後 の外観
〇 : 外観上問題なし、 X : ケーキはできず、 融解
表 4 : アミ ノ酸と糖または糖アルコールを組み合わせた凍結乾燥品の 4 0 °C 0 日間保存後の外観
〇 : 外観上問題なし、 X : ケーキはできず、 融解.
Y: 淡黄色に着色
(実施例 2 ) 凍結乾燥を可能とするアミノ酸および糖の検討 ( I L一 2を含む) 実施例 1において、 凍結乾燥品の外観が良好であったアミノ酸と糖または糖ァ ルコールの組合せの製剤を以下に示す製造方法に準じて、 各組成物を製造し、 製 造直後、 経時保存後の I L一 2含量および凍結乾燥品の外観を観察した。 なお、 本製剤には、 主薬である I L— 2を配合している。
(実施例 2製剤の製造方法)
表 5に本組成物の配合成分を示す。 糖または糖アルコールと しては、 マル ト一 ス、 マンニ トール、 ラク トース、 スクロースを用いた。 アミノ酸と しては、 ァラ ニン、 塩酸リ ジン、 アルギニンを用いた。 界面活性剤としてはポリ ソルベー ト 8 0、 塩基と してはジエタノールァミ ン、 酸と してはクェン酸、 緩衝液と してはリ ン酸緩衝液を用いた。
0. 0 4 m g ( 7 0万 J RU) の I L— 2を含んだ主薬原液 0. 6 m Lに 1 2 O m g/mLの糖または糖アルコール水溶液 5 mL、 1 O mg/mLのポリ ソル ベ一ト 8 0水溶液 0. 5 mL、 1 0 0 m g/m Lのアミノ酸水溶液 2 m Lを混合 溶解した。 該溶液に 1 0 O mg/mLのジェ夕ノールァミ ン水溶液約 0. 3 m L
(アミ ノ酸と してアルギニンを添加する場合は、 ジエタノールアミ ンを添加しな い) を加え、 p H約 9とする。 次いでリ ン酸緩衝液 1 4. 6 m gおよびクェン酸 を約 1 . 4 8 m g添加して、 該溶液の p Hを約 7に調整し、 注射用水を用いて溶 液全量を 1 0 m Lに調整した。 その後、 上記製造した組成物の溶液 1 m Lおよび 上記製造した組成物の溶液 1 m Lと注射用蒸留水 1 m Lを混合した溶液 2 m Lを 3 mL容ガラスバイアルに分注し、 凍結乾燥した。 凍結乾燥は実施例 1の条件と 同様である。
表 5
単位はいずれも m g
単位はいずれも m g
(試験方法)
凍結乾燥直後の凍結乾燥品および 4 0 °C 1 4日間保存後における凍結乾燥品の I L— 2含量を測定するとともに、 凍結乾燥品の外観 ( 4 0 °C 1 4日間保存後の 凍結乾燥品のみ) を目視で観察した。 I L— 2凍結乾燥品中の I L一 2含量は H P L C法にて測定した。 凍結乾燥品を 1 m Lの注射用水で再溶解し H P L C法の 測定検体と した。 カラムは C O S MO S I L 5 C 1 8 - 3 0 0 ( 1 5 0 x 4. 6 mm, カラム中樹脂の平均粒子径 5 m、 ナカライテスク社製) を、 I L一 2 の検出には波長 2 2 0 nmの UVを使用した。 移動相は A) 0. 1 %ト リ フルォ 口酢酸含有水/ァセ トニ ト リル ( 9 5 /5 ) 、 B ) 0. 0 7 % ト リ フルォロ酢酸 含有ァセ トニ ト リルであり、 表 6のような割合で A、 B移動相溶液を流した (グ ラジェン ト法) 。 浸透圧は、 日本薬局方第 1 4改正一般試験法 「浸透圧測定法」 に準じ測定した。
表 6
I L - 2の含量%は以下の式で算出した。
含量% = (凍結乾燥直後または 4 0 °C 1 4日保存後の I L一 2の濃度 [J R U] ノ調製直後の I L一 2の濃度 [J RU] ) X 1 0 0
(試験結果)
表 5処方の凍結乾燥直後の凍結乾燥品および 4 0 °C 1 4日間保存後における凍結 乾燥品の I L— 2含量、 凍結乾燥品の外観 (凍結乾燥品で 4 0 °C 1 4日間保存後の み) ならびに凍結乾燥品を水で溶解した場合 (溶解した蒸留水の容量 l mL) の 浸透圧、 溶液状態の pHを表 7に示す。
その結果、 糖または糖アルコールがマルトース、 スクロースであり、 アミ ノ酸 がアルギニンの組合せであれば、 凍結乾燥直後および 4 0 °Cで 1 4日間保存後の I L - 2の含量はほぼ同じであり、 I L一 2は安定化していることが明らかとな つた。 また、 上記組合せの組成物であれば、 凍結乾燥品の着色等がないので、 メ イラ一 ド反応が生じていないことが推測された。 さらに、 上記組合せの場合、 浸 透圧はほぼ 1で、 また p Hも約 7付近と生理的 p H付近に調整されており、 注射 剤として適用しても、 肉体等に痛みは生じる恐れはないものと考えられる。 なお、 処方 1〜 8のいずれの凍結乾燥品も蒸留水等で再溶解した場合、 液状は無色澄明 であった。
表 7
(実施例 3 ) I L— 2組成物のバイオアツセィ
組成物中の I L一 2含量をバイオアツセィによって測定した。
(試験方法)
実施例 2に示す凍結乾燥品のうち、 経時保存後においても I L一 2含量の低下 が少なかった凍結乾燥品、 すなわち糖または糖アルコールと してマルト一ス、 マ ンニ トール、 ラク トース、 スクロース、 アミ ノ酸と してアルギニンを含有した凍 結乾燥品(実施例 2の処方 5〜 8 )中の I L— 2をバイオアツセィにて測定した。 凍結乾燥品の配合成分のうち、 I L一 2を 0. 0 2 m g ( 3 5万 J RU) と した 以外は、 実施例 2の処方成分および製造法で製造した。 供試した凍結乾燥品と し ては、 凍結乾燥直後の凍結乾燥品および 4 0 °Cで 3 0 日間保存後の凍結乾燥品を 用いた。
パイオアッセィは、 以下の方法で行った。 本方法は、 I L— 2に依存的に増殖 する N K— 7細胞 (マウス由来) を用い、 その増殖能から力価を測定する。 I L
一 2活性を有する物質の量に比例して、 N K— 7細胞は増殖する。 N K— 7細胞 に M T T 〔臭化 3—(4, 5 —ジメチルチアゾ一ルー 2 —ィル)一 2 , 5 —ジフ エ二 ルー 2 H —テ トラゾリ ゥム〕 を与える と、 M T Tは N K— 7細胞に取り込まれ、 ミ トコン ド リア内膜に存在する呼吸鎖に関連する 2 つの電子伝達体、 チ トクロ一 ム bおよびチ トクローム cにより還元され、 細胞の増殖能に比例した量の色素ホ ルマザンが生成する。 このホルマザンの生成量と試料の希釈倍数との関係から、 I L - 2の力価を定量する。 生成したホルマザンはイソプロパノールにより N K _ 7細胞から溶出され、 紫色に呈色した液を吸光度測定 (波長 5 6 0 n m ) する ことにより、 定量した。
(試験結果)
4 0 °C、 3 0 日間保存後の凍結乾燥品の外観およびバイオアッセィの結果を凍 結乾燥直後の I L— 2活性と 4 0 °C 3 0 日間経時保存後の I L— 2活性の比と し て表 8 に示す。 その結果、 いずれの処方でも I L— 2の活性の比はほぼ 1であり、 経時保存しても I L 一 2活性はほとんど変化しないことが明らかとなった。 表 8
a: 乾燥直後の I L 一 2活性 (%) 、 b: 4 0 °C , 3 0 日間保存後の I L 一 2活性 ( % )
(実施例 4 ) 組成物の収容容器を変更した場合の I L 一 2の含量測定
組成物を収容した容器をガラスバイアルから容器の内壁面がシリコーンでコ一 ティ ングされたバイアルに変更し、 I L 一 2の含量を測定した。
(試験方法)
実施例 2に示す凍結乾燥品のうち、 経時保存後においても I L 一 2の含量の低下 が少なかった凍結乾燥品、 すなわち糖または糖アルコールとしてマルトース、 マン 二トール、 ラク ト一ス、 スクロース、 アミノ酸としてアルギニンを含有した凍結乾
燥品 (実施例 2の処方 5〜 8) 中の I L— 2含量を測定した。 凍結乾燥品の配合成 分のうち、 I L— 2を 0. 02 m g ( 3 5万 J RU) とした以外は、 実施例 2の配 合成分および製造法で製造した。 該配合成分を含む溶液 I mLを 3 mL容のシリコ —ンコ一ティ ングされたバイアルおよび 3 mL容のガラスバイアルにそれそれ分注 し、 凍結乾燥を行った。 1回凍結乾燥後、 2回凍結乾燥後 ( 1回目の凍結乾燥後に 注射用蒸留水 1 mLで再溶解して凍結乾燥したものである) における凍結乾燥品中 の I L一 2含量を測定した。 含量測定法は、 実施例 2に示す通りである。
(試験結果)
I L一 2の含量を 1 m Lあたりの J R U単位で表 9に示した。 その結果、 いず れの凍結乾燥品においても、 ガラスバイアルにく らべ、 シリコーンコ一ティ ング されたバイアルに収容した凍結乾燥品の I L— 2含量はわずかに高く、 シリ コ一 ンコーティ ングされた容器に組成物を収容することによって、 I L一 2の含量低 下をわずかに抑制することが明らかとなった。
表 9
- : シリコーンコ一ティ ングなし、 + : シリ コーンコーティ ングあり
(実施例 5 ) I L— 2の容器壁面吸着性試験
ガラス製バイアルの壁面に、 組成物中の I L一 2がどれほど吸着するのかを調
ベるために、 凍結乾燥する前の調製液を用いて、 I L— 2の残存率を調べた。 な お、 対照例と して、 ヒ ト血清アルブミ ン (H S A) を配合した組成物を用いた。 (実施例 5製剤の製造方法)
表 1 0に本組成物の配合成分を示す。 糖または糖アルコールと してはマル トー スを、 アミノ酸としてはアルギニンを、 酸と しては塩酸を、 緩衝液と してはリ ン 酸緩衝液を用いた。 なお、 安定化剤の影響をみるために、 あえて界面活性剤は配 合しなかった。
0. 0 4 m g ( 7 0万 J R U) の I L一 2を含んだ主薬原液 0. 6 m Lに 1 2 O m gZmLの糖または糖アルコール水溶液 5 mL、 1 0 O m g/mLのアルギ ニン水溶液 2 m Lを混合溶解し、 p H約 9とする。 次いでリ ン酸緩衝液 1 4. 6 m gおよびクェン酸を約 1 . 4 8 mg添加して、 該溶液の p Hを約 7に調整し、 注射用水を用いて溶液全量を 2 O mLに調整した。 表 1 0
単位はいずれも mg
(試験方法)
3 m L容ガラスバイアルに表 1 0の組成物の調製液 2 m Lを移し替えた後、 水 溶液中の I L一 2濃度を測定した。 最初の I L一 2組成物溶液の含量に対するバ ィアルを移し替えた後の I L一 2残存率を調べた。 I L— 2の測定条件は、 実施 例 2と同様である。
I L一 2の残存率は以下の式で算出した。
残存率%= (液を移し替えた後の I L一 2の濃度 [J RU] /液調製直後の I L 一 2の濃度 [ J R U] ) X 1 0 0
(試験結果)
処方 9および比較処方 1の I L一 2の残存率 (%) を表 1 1に示す。 I L一 2 の残存率は、 H S Aを配合した比較処方 1に く らべ、 マル ト一スとアルギニンを 配合した処方 9において、 ほとんど変わらなかった。 したがって、 アミ ノ酸およ び糖を添加することによって、容器壁面への吸着を抑制することが可能であつた。
(実施例 6 ) I L - 2以外のタンパク成分を用いた容器壁面吸着性試験
薬物として、 I L一 2以外のタンパク成分を用いた場合、 容器にどれほど薬物 が吸着するのかを調べるために、 ガラスパイアルに凍結乾燥する前の調製液を加 え、 薬物の残存率を調べた。
(実施例 6製剤の製造方法)
表 1 0に本組成物の配合成分を示す。 糖または糖アルコールと しては、 マル ト ースを、 アミノ酸と しては、 アルギニンを、 酸と してはクェン酸、 緩衝液と して はリ ン酸緩衝液を用いた。 なお、 薬物としては、 I F N— αおよび I F N—ァを 用いた。 なお、 安定化剤の影響をみるために、 あえて界面活性剤は配合しなかつ た。 以下、 I F Ν— αの組成物の製法を示す。
0. 0 1 3 m gの I F Ν—ひを溶解したリ ン酸緩衝液 0. 4 m Lに 1 3 1 . 5 m g/m Lの糖または糖アルコール水溶液 0 · 4 mL、 そして水 0. 2 mLまた は 2 5 mg/m L 113 水溶液 0. 2 m Lまたは適当量の塩酸を加えて p Hを 約 7. 0に調整した 1 0 0 m g/m Lのアルギニン水溶液 0. 2 m Lを添加して、 試験用の溶液を調製した。
(試験方法)
上記で調製した溶液をガラスバイアルに 5回連続で移し替えた後、 水溶液中の
薬物含量を測定した。 最初の薬物の含量に対するバイアルを移し替えた後の薬物 残存率を調べた。
表 1 2
単位はいずれも m g
なお、 I F N— aおよびァの含量測定は、 高速液体ク口マ トグラフィ一 (H P L C) を用い、 以下の条件で測定した。
• カラム : コスモジル 5 C 1 8— 3 0 0 4. 6 $5 X 1 5 0 m m
• 移動相流量 : 1 . 0 m L/分
- 検出波長 : I F N—ひ : 24 0 nm、 I F N— ? : 2 2 0 n m
' 移動相 : A) 0. 1 % T F A—水/ァセ トニ ト リル ( 9 5ノ 5 )
B ) 0. 0 7 %T F A-ァセ トニ ト リル
移動相のグラジェン トプログラムは、 表 1 3に示す。 表 13
なお、 I F N—ァ と H S Aを組み合わせた製剤は、 H P L Cで I F N—ァを測 定するこ とはできなかった。
各薬物の残存率は、 以下の式で算出した。
残存率% = (液を 5回移し替えた後の各夕ンパク成分濃度/液調製直後の各夕ン
パク濃度) X 1 0 0
(試験結果)
各タンパク成分の残存率を表 1 4に示す。 I F N— αの残存率は、 H S Aおよび アルギニンを添加した場合においてもほぽ同じであった。 また、 I FN—ァについ て、 アルギニンを添加した場合において、 残存率は 8 0 %以上であった。 したがつ て、 I F N— α、 ァのようなタンパク成分においても、 アルギニンおよび糖の組合 せにおいて、 容器への吸着を抑制することができた。
表 1 4
(実施例 7 ) I L— 2以外のタンパク成分を含有した凍結乾燥品の安定性試験 (試験方法)
表 1 5に示す I F N— ひ、 β、 ァおよび E G Fを含む組成物溶液を凍結乾燥し、 凍結乾燥直後の凍結乾燥品および 4 0 °C 1 4日間保存後における凍結乾燥品の I FN— α、 β、 ァおよび E G Fの含量を測定した。 凍結乾燥品を 1 mLの注射用 水で再溶解し測定検体と した。
なお、 それぞれの薬物含量は、 実施例 6と同様に H P L Cで測定したが、 I F N— αの場合のみ、 測定波長を 2 4 0 nmと した。 また、 実施例 6 と同様、 I F N—ァ と H S Aを組み合わせた製剤は、 H P L Cで I FN—ァを測定するこ とは できなかった。
各タンパク成分の含量%は以下の式で算出した。
含量% = ( 4 0 °C 1 4日保存後の各タンパク成分濃度/製剤調製直後の各タンパ ク成分濃度) X 1 0 0
表 1 5
単位はいずれも m g
単位はいずれも m g
(試験結果)
各タンパク成分の含量を表 1 5に示す。 I F N— aおよび/?の含量は; H S A より もアルギニンを添加すると増大した。 また、 I F N—ァの含量は、 アルギニ ンを添加した場合、 ほぼ 1 0 0 %であった。 さ らに、 E G Fの含量は、 H S Aお よびアルギニンを添加した場合でもほぼ同じであった。
したがって、 I L— 2以外の夕ンパク成分でも、 糖およびアルギニンの組合せ によって、 安定化できることが明らかとなった。
表 1 6
本発明は、 上記のごと く調製して得られた I L— 2、 I F N— a、 β、 ァ、 Ε G F含有溶液、 得られた溶液を凍結乾燥して得た凍結乾燥製剤、 ならびに該凍結 乾燥製剤に注射用蒸留水等の適当な復元剤を添加して所要の濃度と した溶液製剤 等、 種々の形態の I L一 2組成物を提供する。 これらの本発明組成物は、 温血動 物由来の血清アルブミ ンや甲状腺阻害剤であるカルニチンを含有しなくても製造 工程および保存中における I L— 2、 I F N- a, βヽ ァ、 E G Fの実質的な損 失は少ない。 さ らに、 I L一 2、 I F N—ひ、 βヽ ァ、 E G Fの凍結乾燥製剤に おいては、 再溶解時の液状が透明であり、 容器壁への吸着が少ない等の優れた特 徴を有する。 しかも、 本発明組成物は生理的 ρ Η付近に調整され得るので、 注射 時疼痛、 注射部位の炎症等の好ま しくない局所作用も回避し得る。