技術分野
本発明はスィツチング電源装置、 特に 2次側の負荷の状態を 1次側にて正確且 つ確実に検出すると共に変換効率を向上できるスイッチング電源装置に属する。
明
背景技術 田
公知の技術であるリンギングチヨ一クコンバータ (R C C ) 等の自励式フライ バック型スイッチング電源装置では、 負荷が軽い状態になると、 スイッチング素 子のオン期間が短くなり、 トランスの 2次卷線のフライバック電圧が発生する期 間が短くなるため、 スイッチング素子の発振周波数が増加する。 スイッチング素 子の発振周波数は、 概ね最大負荷時に 3 0〜7 0 [kHz] , 最小負荷時に 2 0 0〜 4 0 0 [kHz]程度である。 このため、 負荷が軽くなるにつれて、 スィツチング素 子のスィツチング回数が増加してスイッチング損失が増加し、 軽負荷時の変換効 率が低下する問題点があった。 したがって、 例えば最大負荷時の変換効率が 8 5 %のスイッチング電源装置でも、 最小負荷時は変換効率が 1 0 %以下に低下す ることも屡々である。
また、 P WM (パルス幅変調) 方式のフライバック型スイッチング電源装置で は、 待機状態等の最小負荷時及び通常状態等の最大負荷時の何れも発振周波数が 一定であるため、 スイッチング素子のスイッチング損失は変化しない。 しかしな がら、 軽負荷時においてはスイッチング損失以外の電力損失が減少するため、 ス ィツチング損失が占める割合が大きくなり、 変換効率は低下する。
上記の問題点を解決するため、 例えば特開平 9一 1 4 0 1 2 8号公報に開示さ れるスイッチング電源装置では、 図 2 6に示すように、 2次側に設置され且つ機 器の動作状態を認識又は制御するマイクロコンピュー夕(108)と、 マイクロコン ピュー夕(108)からの制御信号を 1次側へ伝達する伝達回路(109)とを備え、 動作 待機モード時にマイクロコンピュータ(108)によりスィツチング電源装置の発振
周波数を制御する。 図 2 6において、 (101)はトランス(106)の 1次巻線に流れる 電流をオン ·オフし且つ制御端子(101 a)の電圧がスレッシュホルド電圧に達した ときにオン状態となるスィツチ素子、 (102)はスィツチ素子(101)をオン ·オフす るスィツチ素子駆動回路、 (103)はスィツチ素子(101)のオン時間を制御して 2次 側出力電圧を安定させる 1次側スィツチ素子駆動制御回路、 (104)はトランス(10 6)の 2次卷線に接続された 2次側整流平滑回路、 (105)はトランス(106)の 1次側 補助巻線に接続された 1次側整流平滑回路、 (106)は 1次側と 2次側を絶縁し且 つ電磁結合によって 1次側入力電圧を所望の 2次側出力電圧に変換するトランス、 (107)は 2次側整流平滑回路(104)より出力される 2次側出力電圧を検知する検知 回路を示す。 このスイッチング電源装置では、 動作待機時、 即ち軽負荷時のスィ ツチング損失が減少して変換効率が大幅に改善されるが、 部品点数が大幅に増加 して製造コストが高騰する問題点がある。 また、 マイクロコンピュータ等の大規 摸な指令装置が必要であるため、 携帯型電話器 (P H S等) やノート型パーソナ ルコンピュータ等の小型電子機器用の A Cアダプタに適用することは極めて困難 である。
ところで、 2次側の負荷の状態を検出する場合、 2次側で負荷電流を検出して 1次側に伝達するか又は上記のように 2次側に設けられたマイク口コンピュータ 等からの指令信号により 1次側に伝達する方法が考えられるが、 何れにしても部 品点数が増加する欠点がある。 よって、 部品点数を最小限度に留めるには、 1次 側で 2次側の負荷の状態を正確に検出する必要がある。 1次側で 2次側の負荷の 状態を検出する方法としては、 スイッチング素子に流れるスイッチング電流、 2 次側からの電圧帰還信号、 又はトランスの巻線でのフライバック電圧の発生期間 等を計測する方法がある。 スィッチング素子に流れるスィッチング電流又はトラ ンスの卷線電流を計測する方法は、 一般的には過電流保護回路 (O C P : Over C urrent Pro t ec t or) として使用されることが多く、 電流検出用の抵抗及びコンパ レー夕 (比較器) 等により構成される。 しかしながら、 この方法ではスィッチン グ素子がターンオンすると、 スィツチング素子の構造上で形成される寄生容量、 ノイズ対策等でスィツチング素子の端子間に挿入されるスナパ回路 (スナバコン デンサ等) 又はノイズ対策及びスィツチング素子の保護のためにトランスの巻線
間に挿入されるスナバ回路等により、 図 2 7に示すようにスィツチング素子が夕 ーンオンした瞬間に過大な容量性の短絡電流が流れる場合がある。 この容量性の 短絡電流は、 軽負荷時及び重負荷時等の 2次側の負荷の状態のみでは決定されな いため、 特に軽負荷時は容量性の短絡電流による電流ピーク値が 2次側の負荷電 流による電流ピ一ク値よりも大きくなることがあり、 2次側の負荷の状態を正確 に検出することが困難であった。 以上の理由により、 前記の電流検出回路は、 2 次側の負荷の状態 (軽負荷か又は軽負荷より重い状態か) を検出するためではな く、 スイッチング素子が何らかの不具合 (例えば、 2次側回路の破損による過負 荷状態又は制御系の破損による無制御状態) の場合に、 スイッチング電流が流れ 過ぎないようにするための保護回路、 即ち過電流保護回路として使用するのがー 般的であった。 したがって、 最少の部品点数で 2次側の負荷の状態を 1次側にて 正確に検出し、 この検出結果に基づいて最適な発振動作に切り替えることにより、 スィツチング電源装置の変換効率を向上することは極めて困難であつた。
そこで、 本発明は 2次側の負荷の状態を 1次側にて正確且つ確実に検出すると 共に変換効率を向上できるスィツチング電源装置を提供することを目的とする。 発明の開示
本発明によるスイッチング電源装置は、 直流電源(1)と、 直流電源(1)に対して 直列に接続されたトランス(2)の 1次巻線(2a)及びスィツチング素子(3)と、 トラ ンス(2)の 1次巻線(2a)又はスィツチング素子(3)に流れる電流(ID)を検出する電 流検出手段(9)と、 トランス(2)の 2次巻線(2b)に接続され且つ直流出力電圧 (Vou τ)を発生する出力整流平滑回路(6)と、 直流出力電圧 (V )が略一定となるように スイッチング素子(3)のオン ·オフ期間を制御する駆動信号(ν^)を発生する制御 回路(8)とを備えている。 制御回路(8)は、 電流検出手段(9)の検出信号 (V P)の電 圧レベルと基準電圧 (VDT)のレベルとを比較して第 1の電圧 (L)レベル又は第 2の 電圧 (H)レベルの電流検出信号(VCP)を出力する電流比較手段(Π)と、 スィッチン グ素子(3)のオンからオフへの切り替え時にスィツチング素子(3)の制御端子に付 与される駆動信号 (VG)のエッジを検出するエッジ検出手段(28a)と、 エッジ検出 手段(28a)が駆動信号 Cgのエッジを検出したときに電流比較手段(27)から電流
検出信号 (VCP)を取り込んで出力信号(VLD)を発生する負荷判定手段(28b)とを有し、 負荷判定手段(28b)の出力信号 が第 1の電圧 (L)レベルのときに軽負荷状態 と判断し、 負荷判定手段(28b)の出力信号 が第 2の電圧 (H)レベルのときに 軽負荷より重い状態と判断する。 スイッチング素子(3)がオンからオフに切り替 わるときに負荷判定手段(28b)から出力される信号 0 )の電圧レベルにより負荷 状態の判断を行うため、 スイッチング素子(3)の夕一ンオン時に発生するサージ 電流等の容量性の短絡電流による誤検出がなく、 卜ランス(2)の 2次側に接続さ れる負荷の状態を 1次側にて正確且つ確実に検出することができる。 また、 負荷 状態の判断をスィツチング素子(3)がオンからオフに切り替わるタイミングで行 うため、 誘導ノイズ等の外来ノイズによる影響を受けにくい利点がある。
本発明の第 1の実施の形態での制御回路(8)は、 負荷判定手段(28b)の出力信号 (ViD)が第 1の電圧 (L)レベルのときに駆動信号 (Ve)の発振周波数を低下させ、 負 荷判定手段(28b)の出力信号 (V )が第 2の電圧 (H)レベルのときに駆動信号 (VG)の 発振周波数を増加させる発振制御手段(22)を有する。 トランス(2)の 1次巻線(2 a)又はスィッチング素子(3)に流れる電流(ID)が小さい軽負荷状態のときは、 負 荷判定手段(28b)の出力信号 ( )が第 1の電圧 (L)レベルとなるため、 発振制御 手段(22)によりスィツチング素子(3)の制御端子に付与される駆動信号 の発 振周波数が低下し、 スイッチング素子(3)のスイッチング回数が減少する。 これ により、 軽負荷時でのスイッチング損失が低減され、 広い負荷の範囲でスィッチ ング電源装置の変換効率を向上することができる。
本発明の第 2の実施の形態での制御回路(8)は、 負荷判定手段(28b)の出力信号 (VLD)の電圧レベルが切り替わるときに電流検出手段(9)の検出信号 (VQCP)の電圧 ピ一ク値が変動する方向と同一の方向に電流比較手段(27)の基準電圧 (VDT)のレ ベルを変更するか又は電流検出手段(9)の検出信号 (VQCP)の電圧ピーク値が変動す る方向とは逆の方向に前記の検出信号(VQ(;p)の電圧レベルを変更する電圧レベル 変更手段(31)を有する。 負荷が変動すると、 駆動信号 (VG)の発振周波数が変化し、
1次側に流れるスイッチング電流(ID)の最大値が変動する。 このとき、 電圧レべ ル変更手段(31)により、 電流検出手段(9)の検出信号 (V P)の電圧ピーク値の変動 方向と同一の方向に電流比較手段(27)の基準電圧 (VDT)のレベルが変更されるか
又は電流検出手段(9)の検出信号 (VfleP)の電圧ピ一ク値の変動方向とは逆の方向に 電流検出手段(9)の検出信号 (Vflep)の電圧レベルが変更されるので、 負荷変動時の スイッチング素子(3)の発振動作の切り替えを安定に行うことができる。
本発明の第 3の実施の形態での制御回路(8)は、 スィツチング素子(3)のオフ期 間中にスィツチング素子(3)の両主端子間電圧 (VDS)の最小電圧点を検出するポト ム検出手段(41)と、 負荷判定手段(28b)の出力信号 が第 2の電圧 (H)レベル のときにボトム検出手段(41)により検出された最初の最小電圧点でスィツチング 素子 (3)をターンオンさせ、 負荷判定手段(28b)の出力信号 ( が第 1の電圧(L) レベルのときにボトム検出手段(41)により検出された 2回目以降の最小電圧点で スィツチング素子(3)をターンオンさせるボトムスキップ制御手段(42)とを有す る。 軽負荷状態で且つ負荷判定手段(28b)の出力信号 (VLD)が第 1の電圧 (L)レべ ルのときは、 ボトムスキップ制御手段(42)によりスィツチング素子(3)の両主端 子間電圧(VDS)の 2回目以降の最小電圧点でスィッチング素子(3)がターンオンす るため、 スイッチング素子(3)のオフ期間が延長され、 スイッチング素子(3〉のス イッチング周波数が低下する。 したがって、 スイッチング素子(3)のスィッチン グ回数が減少するので、 軽負荷時でのスイッチング損失を低減でき、 広い負荷の 範囲でスイッチング電源装置の変換効率を向上することが可能となる。 即ち、 軽 負荷状態のときは、 スィッチング素子(3)がォフした後にトランス(2)のフライバ ックエネルギが比較的短期間のうちに 2次巻線(2b)から整流平滑回路(6)を介し て負荷に供給されるため、 スイッチング素子(3)の両主端子間に自由振動分を含 む狭幅の電圧パルスが発生する。 このため、 ボトム検出手段(41)が狭幅の電圧パ ルスの 2回目以降の最小電圧点を検出したとき、 ポ卜ムスキップ制御手段(42)に よりスィツチング素子(3)が夕一ンオンするので、 スィツチング素子(3)のオフ期 間が延長され、 スイッチング素子(3)のスイッチング周波数が低下する。 また、 軽負荷より重い状態のときは、 スィツチング素子(3)がオフした後にトランス(2) のフライバックエネルギが比較的長期間に亘り 2次卷線(2b)から整流平滑回路 (6)を介して負荷に供給されるため、 スィツチング素子(3)の両主端子間に広幅の 電圧パルスが発生する。 このため、 ボトム検出手段(41〉が広幅の電圧パルスの最 初の最小電圧点を検出したとき、 ボトムスキップ制御手段(42)によりスィッチン
グ素子(3)がターンオンするので、 トランス(2)のリセット期間の終了後のスィッ チング素子(3)の両主端子間電圧 (VDS)の最小電圧点 (ボトム点) のときにスイツ チング素子(3)をオフ状態からオン状態に切り換える擬似共振動作が行われる。 また、 図示の実施の形態でのボトム検出手段(41)は、 スイッチング素子 (3)のォ フ期間中にトランス(2)の駆動巻線(2c)に発生するリンギング電圧 (VBM)をパルス 列電圧 (VBD)に変換する波形整形手段を有し、 パルス列電圧 (VBD)の立ち下がりェ ッジをスイッチング素子(3)の両主端子間電圧 (VDS)の最小電圧点として検出する。 本発明の第 4の実施の形態では、 電流比較手段(27)、 エッジ検出手段(28a)及 び負荷判定手段(28b)が複数個設けられ、 複数の電流比較手段(27, 62)はそれぞれ 異なる基準電圧(VDT1, VDT2)のレベルで電流検出手段(9)の検出信号(VMP)の電圧を 比較し、 複数の負荷判定手段(28b, 63)からそれぞれ出力される第 1の電圧 (L)レ ベルの出力信号(V VLD2)により、 駆動信号 (VG)の発振周波数をそれぞれ異なる 複数の周波数で低下させる。 軽負荷時に、 スイッチング素子(3)の制御端子に付 与される駆動信号(Ve)の発振周波数が負荷の状態に応じてそれぞれ異なる複数の 周波数で低下するので、 軽負荷時におけるスィツチング素子(3)の駆動信号 (VG) の発振周波数をより細密に制御してスイッチング電源装置の変換効率を更に向上 することができる。
本発明の第 5の実施の形態での制御回路(8)は、 負荷判定手段(28b)の出力信号 (VJが第 1の電圧(L)レベルのとき、 駆動信号 (V (;)の発振周期よりも十分長い周 期で一定期間(tB)だけスイッチング素子(3)のオン ·オフ動作を停止させる間欠 発振制御手段(71)を有する。 トランス(2)の 1次巻線(2 a)又はスィツチング素子 (3)に流れる電流(ID)が小さい軽負荷状態のときは、 負荷判定手段(28b)の出力信 号 が第 1の電圧 (L)レベルとなるため、 間欠発振制御手段(71)により駆動信 号 (VG)の発振周期よりも十分長い周期で一定期間(tB)だけスィツチング素子(3) のオン■オフ動作が停止し、 スィツチング素子(3)のスィツチング回数が極端に 減少する。 これにより、 軽負荷時でのスイッチング損失が大幅に低減され、 広い 負荷の範囲でスィツチング電源装置の変換効率を向上することができる。
本発明の各実施の形態では、 エッジ検出手段(28a)及び負荷判定手段(28b)が D フリップフロップ(28)で構成され、 直流電源(1)に接続され且つ起動時に制御回
路(8)へ駆動用電力を供給する起動手段(10)と、 トランス(2)の 1次卷線(2a)及び 2次巻線(2b)と電磁的に結合する駆動巻線(2c)と、 駆動巻線(2c)に接続され且つ 前記制御回路(8)を駆動する直流電圧 (V1N)を出力する補助整流平滑回路(13)とを 備えている。 また、 直流電源(1)に接続され且つ制御回路(8)に駆動用電力を供給 する駆動電源回路を備えたスィツチング電源装置にも本発明を実施できる。 更に、 トランス(2)の 1次巻線(2a)側の閉回路に流れる電流(ID)を分流する分流手段(9 2)を有するスィツチング素子(91)を使用し、 分流手段(92)により分流した電流を 電流検出手段(9)により検出してもよい。 図面の簡単な説明
図 1は、 本発明によるスイッチング電源装置の基本概念を示すブロック回路図 図 2は、 本発明によるスィツチング電源装置を他励式フライバック型 D C— D
Cコンバ一夕に適用した第 1の実施形態を示す電気回路図
図 3は、 図 2の回路でのスイッチング電流に対する Dフリップフ口ップの入力 信号及び出力信号の波形を示すタイミングチャート
図 4は、 図 2の回路の各部の電流及び電圧を示すタイミングチャート
図 5は、 本発明の第 2の実施形態を示す電気回路図
図 6は、 図 5の電圧レベル変更回路の内部構成を示す電気回路図
図 7は、 図 5の電圧レベル変更回路の他の実施形態を示す電気回路図
図 8は、 図 5の回路の各部の電流及び電圧を示すタイミングチャート
図 9は、 本発明の第 3の実施形態の制御回路を示す電気回路図
図 1 0は、 図 9のボトム検出回路の内部構成を示す電気回路図
図 1 1は、 軽負荷時の M O S - F E Tのドレイン—ソース端子間電圧に対する 図 1 0のボトム検出回路の各部の信号の波形図
図 1 2は、 図 9のボトム検出回路の他の実施形態を示す電気回路図
図 1 3は、 軽負荷時の M O S - F E Tのドレイン一ソース端子間電圧に対する 図 1 2のボトム検出回路の各部の信号の波形図
図 1 4は、 図 9の回路の各部の電流及び電圧を示すタイミングチヤ一ト 図 1 5は、 図 9の負荷の割合に対する発振動作状態のヒステリシス特性を示す
グラフ
図 1 6は、 本発明の第 4の実施形態の制御回路を示す電気回路図
図 1 7は、 図 1 6の回路の各部の電流及び電圧を示す夕イミングチヤ一卜 図 1 8は、 本発明の第 5の実施形態を示す電気回路図
図 1 9は、 図 1 8の回路の各部の電流及び電圧を示すタイミングチヤ一卜 図 2 0は、 図 2の回路でのスイッチング電流を正電圧として検出する場合の実 施の形態を示す電気回路図
図 2 1は、 図 2 0の回路の各部の電流及び電圧を示すタイミングチャート 図 2 2は、 2次側の直流出力電圧を駆動巻線側で検出する場合の実施の形態を 示す電気回路図
図 2 3は、 センス M O S - F E Tを使用した場合の実施の形態を示す電気回路 図
図 2 4は、 図 1 6の回路にボトムスキップ制御回路を付加した場合の実施の形 態を示す電気回路図
図 2 5は、 図 2 4の回路の各部の電流及び電圧を示すタイミングチャート 図 2 6は、 従来のスイッチング電源装置を示す電気回路図
図 2 7は、 従来のスイッチング電源装置の重負荷時及び軽負荷時でのスィッチ ング電流を示す波形図 発明の実施するための最良の形態
以下、 本発明によるスイッチング電源装置の各実施の形態を図 1〜図 2 5に基 づいて説明する。
本発明の各実施の形態でのスィツチング電源装置の基本概念を示したブロック 回路図を図 1に示す。 図 1に示すスイッチング電源装置は、 直流電源(1)と、 直 流電源(1)に対して直列に接続されたトランス(2)の 1次巻線(2a)及びスィッチン グ素子としての M O S - F E T (M O S型電界効果トランジスタ) (3)と、 トラン ス(2)の 2次卷線(2b)に接続された出力整流ダイォード(4)及び出力平滑コンデン サ(5)から成り且つ直流出力電圧 VOUTを発生する出力整流平滑回路(6)と、 直流 出力電圧 VOUTを検出する電圧検出手段 (出力電圧検出回路) (7)と、 電圧検出手
段(7)からの検出信号 VFBを受信し且つ直流出力電圧 V OUTのレベルが略一定とな るように M〇 S - F E T (3)のオン ·オフ期間を制御する駆動信号 Veを発生する オン ·オフ信号発生手段(25)を有する制御回路(8)と、 トランス(2)の 1次巻線(2 a)又は M〇 S - F E T (3)に流れる電流 I Dを電圧として検出する電流検出手段 (電流検出用抵抗) (9)とを備えている。 制御回路(8)は、 電流検出手段(9)の検 出信号 νοαρの電圧が基準電圧 VDTのレベルに達しないときに低い電圧(L)レべ ルの電流検出信号 VCPを出力し、 電流検出手段(9)の検出信号 VQa>の電圧が基準 電圧 VDTのレベルを超えたときに高い電圧(H)レベルの電流検出信号 VCPを出力 する電流比較手段 (電流検出用コンパレータ) (27)と、 M O S - F E T (3)のオン からオフへの切り替え時に M O S - F E T (3)のゲート端子 (制御端子) に付与さ れる駆動信号 VGの立ち下がりエッジを検出するエッジ検出手段(28a)と、 エッジ 検出手段(28a)が駆動信号 VGの立ち下がりエッジを検出したときに電流比較手段 (27)から電流検出信号 VCPを取り込み出力信号 を発生する負荷判定手段(28 b)とを有する。 図 1に示すスイッチング電源装置では、 負荷判定手段(28b)の出 力信号 V LDが低い電圧(L )レベルのときに軽負荷状態と判断し、 負荷判定手段(2 8b)の出力信号 が高い電圧(H)レベルのときに軽負荷より重い状態、 即ち重 負荷〜通常負荷状態と判断する。 なお、 図 2以降に示す各実施の形態ではエッジ 検出手段(28a)及び負荷判定手段(28b)が Dフリップフロップ(28)で構成される。 本発明によるスィッチング電源装置を他励式フライバック型 D C— D Cコンパ 一夕に適用した実施の形態を図 2に示す。 図 2に示す実施の形態の他励式フライ バック型 D C— D Cコンバー夕は、 交流電源(l a)に入力フィル夕回路(lb)を介し て接続された整流プリッジ回路(l c)及び入力平滑コンデンサ(I d)で構成された直 流電源(1)と、 直流電源(1)に対して直列に接続されたトランス(2)の 1次巻線(2 a)及び M O S - F E T (3)と、 トランス(2)の 2次巻線(2b)に接続された出力整流 ダイォード(4)及び出力平滑コンデンサ(5)から成り且つ直流出力電圧 VOUTを発 生する出力整流平滑回路(6)と、 直流出力電圧 VOUTを検出する電圧検出手段とし ての出力電圧検出回路(7)と、 出力電圧検出回路(7)からの検出信号 VFBを受信し 且つ出力整流平滑回路(6)の直流出力電圧 VOUTが略一定となるように M O S - F E T (3)のオン ·オフ期間を制御する制御回路(8)と、 トランス(2)の 1次巻線(2
a)又は MO S- F E T (3)に流れる電流 I Dを負電圧として検出する電流検出手段 としての電流検出用抵抗(9)と、 直流電源(1)を構成する整流プリッジ回路(lc)に 接続され且つ起動時に制御回路(8)へ駆動用電力を供給する起動手段としての起 動抵抗(10)と、 トランス(2)の 1次巻線(2a)及び 2次卷線(2b)と電磁的に結合す る駆動巻線(2c)と、 駆動巻線(2c)に接続された整流ダイォード(11)及び駆動用平 滑コンデンサ(12)から成り且つ制御回路(8)を駆動する直流電圧 VINを出力する 補助整流平滑回路(13)とを備えている。 出力電圧検出回路(7)の検出出力は、 フ ォトカブラ(14)を構成する発光素子(14a)及び受光素子(14b)を介してトランス
(2)の 1次側に伝達され、 受光素子(14b)及び抵抗(15)の接続点に発生する電圧 V FBが出力電圧検出回路(7)からの検出信号として制御回路(8)に入力される。
制御回路(8)は、 トランス(2)の 1次巻線(2 a)又は MO S - F E T (3)に流れる最 大電流値を規定する基準電圧 VRCを発生する基準電圧発生手段としての基準電源 (16)と、 電流検出用抵抗(9)により検出された負電圧のレベルを変換するレベル シフト用抵抗(17, 18)と、 レベルシフトされた電流検出用抵抗(9)の検出信号 Voc Pの電圧レベルが基準電源(16)の基準電圧 VRCのレベルに達したときに MO S - F ET (3)をオフ状態にする高い電圧(H)レベルの信号 を出力する過電流制限用 コンパレータ(19)と、 レベルシフ卜された電流検出用抵抗(9)の検出信号 VOCPの 電圧レベルが出力電圧検出回路(7)からの検出信号 VFBの電圧レベルに達したと きに高い電圧(H)レベルの信号 V2を出力する電流モード制御用コンパレータ(2 0)と、 過電流制限用コンパレータ(19)の出力信号 と電流モード制御用コンパ レー夕(20)の出力信号 V2との論理和信号 V3を出力する ORゲート(21)と、 MO S - FET (3)がオフしてから一定の時間が経過する毎にパルス信号 V4を出力す るパルス発生器(22)と、 パルス発生器(22)のパルス信号 V4によりセット状態と なり MO S-F E T (3)のゲ一ト端子に高い電圧(H)レベルの駆動信号 VGを出力 し、 ORゲ一ト(21)の論理和信号 V3によりリセット状態となり MOS- FET
(3)のゲート端子に低い電圧(L)レベルの駆動信号 VGを出力する R-Sフリップ フロップ (23)と、 起動抵抗(10)又は補助整流平滑回路(13)からの直流電圧 V INが 駆動電圧に達したときに制御回路(8)を構成する各素子(16〜28)に駆動用直流電 力を供給し且つ直流電圧 VINが停止電圧まで低下したときに前記の各素子(16〜2
8)への駆動用直流電力の供給を停止する制御電源回路(24)と、 図示しない負荷の 状態を判定するための電圧レベルを規定する基準電圧 VDTを発生する基準電源(2 6)と、 レベルシフトされた電流検出用抵抗(9)の検出信号 VOCPの電圧レベルが基 準電源(26)の基準電圧 VDTのレベルに達しないときに低い電圧(L)レベルの電流 検出信号 VCPを出力し、 検出信号 VOCPの電圧レベルが基準電源(26)の基準電圧 VDTのレベルを超えたときに高い電圧(H)レベルの電流検出信号 VCPを出力する 電流比較手段としての電流検出用コンパレータ(27)と、 MO S- F ET (3)のオン からオフへの切り替え時にゲ一ト端子に付与される駆動信号 VEの立ち下がりェ ッジがク口ック入力端子(CLK)に入力されたとき、 電流検出用コンパレ一タ(27) から出力された電流検出信号 VCPを信号入力端子 (D)を介して取り込み、 電流検 出信号 VCPの電圧レベルと略同一の電圧レベルの出力信号 VLDを信号出力端子 (Q)から発生すると共に、 駆動信号 VGの立ち下がりエツジがク口ック入力端子 (C LK)に入力されてから再び入力されるまでの間、 出力信号 の電圧レベルを保 持する Dフリップフロップ(28)とを有する。 図 2に示す電流モード制御用コンパ レー夕(20)、 ORゲート(21)、 パルス発生器(22)及び R-Sフリップフロップ(2 3)は、 図 1に示すオン ·オフ信号発生手段(25)を構成する。 パルス発生器(22)は、 Dフリップフロップ(28)の出力信号 VLDが低い電圧(L)レベルのときにパルス信 号 V4の発生周期を長くすることにより、 : - Sフリップフロップ(23)から MO S - F ET (3)のゲ一ト端子に付与される駆動信号 VGのオフ時間を延長して駆動信 号 VGの発振周波数を低下させ、 Dフリップフロップ(28)の出力信号 VLDが高い 電圧(H)レベルのときにパルス信号 V4の発生周期を短くすることにより、 R - S フリップフロップ(23)から MO S - F E T (3)のゲート端子に付与される駆動信号 VGのオフ時間を短縮して駆動信号 VGの発振周波数を増加させる発振制御手段を 有する。 駆動信号 VGのオフ時間、 即ち低い電圧(L)レベルとなる期間は、 例え ば 1 0 [ is]〜5 0 [ S]程度の範囲で設定される。 また、 レベルシフトされた電 流検出用抵抗(9)の検出信号 νοαρの電圧レベル、 即ちレベルシフト用抵抗(17, 1 8)の接続点電圧 VOCPのレベルは、 例えば起動前の状態で 0 [V]、 起動後で MO S-F ET (3)に流れる電流 I Dがゼロのときに 1. 5 [V]となるように各抵抗(17, 18)の抵抗値を適宜選択することにより設定される。
図 3 (A)〜(E)は、 重負荷〜通常負荷状態から軽負荷状態に移行する際の MO S - F E T (3)のゲート端子に付与される駆動信号 VG、 MO S - F E T (3)のドレ イン電流 ID、 レベルシフト用抵抗(17, 18)の接続点の電圧 VOCP、 電流検出用コ ンパレ一夕(27)の電流検出信号 VCP及び Dフリップフ口ップ(28)の出力信号 VLD の各波形をそれぞれ示したものである。 即ち、 重負荷〜通常負荷状態において、 図 3 (A)に示すように時刻 t。にて MOS- FET(3)のゲート端子に付与される 駆動信号 Veの電圧レベルが低い電圧(L)レベルから高い電圧(H)レベルとなり、 MOS-F ET(3)が夕一ンオンすると、 容量性の短絡電流が MO S- F E T (3)に 瞬間的に流れ、 図 3 (B)に示すようにドレイン電流 IDが急激に増加する。 これ に伴って、 図 3 (C)に示すようにレベルシフト用抵抗(17, 18)の接続点の電圧 V。 cpが基準電源(26)の基準電圧 VDTのレベル以下まで低下するため、 図 3 (D)に示 すように電流検出用コンパレー夕(27)から高い電圧(H)レベルの電流検出信号 V OPが出力される。 その後、 時刻 t iにてレベルシフト用抵抗(17, 18)の接続点の電 圧 VOCPが基準電源(26)の基準電圧 VDTのレベルより高くなると、 電流検出信号 VCPの電圧レベルが高い電圧(H)レベルから低い電圧(L)レベルとなる。
MOS-FET (3)がオン状態になると、 図 3 (B)に示すようにドレイン電流 I Dが直線的に増加すると共に、 図 3 (C)に示すようにレベルシフト用抵抗(17, 18) の接続点の電圧 VQCPが直線的に低下する。 レベルシフト用抵抗(17, 18)の接続点 の電圧 νοαρが時刻 t 2にて基準電源(26)の基準電圧 VDTのレベル以下になると、 図 3 (D)に示すように電流検出用コンパレータ(27)の電流検出信号 VCPの電圧レ ベルが低い電圧(L)レベルから高い電圧(H)レベルに切り替えられる。 図 3 (A) に示すように、 MO S- F E T (3)のゲート端子に付与される駆動信号 VGの電圧 レベルが時刻 t 3にて高い電圧(H)レベルから低い電圧(L)レベルになると、 M OS- FET(3)がオン状態からオフ状態に切り替えられる。 このとき、 電流検出 用コンパレー夕(27)の電流検出信号 VCPの電圧レベルは図 3 (D)に示すように高 い電圧(H)レベルであるから、 時刻 t。以前の負荷の状態が軽負荷状態であった 場合は図 3 (E)の実線部に示すように Dフリツプフ口ップ(28)の信号出力端子 (Q)から出力される信号 V の電圧レベルが低い電圧(L)レベルから高い電圧 (H)レベルに切り替えられ、 時刻 t o以前の負荷の状態が重負荷〜通常負荷状態
であつた場合は図 3 (E)の破線部に示すように Dフリツプフ口ップ(28)の信号出 力端子(Q)から出力される信号 VLDの電圧レベルが高い電圧(H)レベルに保持さ れる。 したがって、 Dフリップフロップ(28)の信号出力端子(Q)から高い電圧 (H)レベルの出力信号 VtDが出力されたときは重負荷〜通常負荷状態と判断し、 パルス発生器(22)から短い周期のパルス信号 V4が発生する。
MOS-F ET(3)がオフ状態になると、 M〇S- FET(3)自身の応答遅れ又は MOS-FET (3)の浮遊容量によるミラー効果等により図 3 (B)に示すようにド レイン電流 IDが緩やかに減少すると共に、 図 3 (C)に示すようにレベルシフト 用抵抗(Π, 18)の接続点の電圧 νοαΡが緩やかに上昇する。 レベルシフト用抵抗(1 7, 18)の接続点の電圧 Vocpが時刻 t 4にて基準電源(26)の基準電圧 VDTのレベル より高くなると、 図 3 (D)に示すように電流検出用コンパレー夕(27)の電流検出 信号 VCPの電圧レベルが高い電圧(H)レベルから低い電圧(L)レベルに切り替え られ、 時刻 t 5にて図 3 (B)に示すようにドレイン電流 I!^が略ゼロとなる。
重負荷〜通常負荷状態から軽負荷状態に移行するとき、 図 3 (A)に示すように 時刻 t 6にて MOS- FET(3)のゲート端子に付与される駆動信号 の電圧レべ ルが低い電圧(L)レベルから高い電圧(H)レベルとなり、 MOS- FET(3)が夕 ーンオンすると、 前述の時刻 t。〜 t iのときと同様に容量性の短絡電流が MOS F E T (3)に瞬間的に流れ、 図 3 (B)に示すようにドレイン電流 I Dが急激に増 加する。 これに伴って、 図 3 (C)に示すようにレベルシフト用抵抗(Π, 18)の接 続点の電圧 VOCPが基準電源(26)の基準電圧 VDTのレベル以下まで低下するので、 図 3 (D)に示すように電流検出用コンパレータ(27)から高い電圧(H)レベルの電 流検出信号 VCPが出力される。 その後、 時刻 t 7にてレベルシフト用抵抗(17, 18) の接続点の電圧 V。CPが基準電源(26)の基準電圧 VDTのレベルより高くなると、 電流検出信号 VCPの電圧レベルが高い電圧(H)レベルから低い電圧(L)レベルと なる。 MOS- FET(3)がオン状態になると、 図 3 (B)に示すようにドレイン電 流 IDが直線的に増加すると共に、 図 3 (C)に示すようにレベルシフト用抵抗(17, 18)の接続点の電圧 VOCPが直線的に低下する。 軽負荷時は、 MOS- FET(3)の オン時間が重負荷〜通常負荷時のオン時間 t。〜 t 3よりも短くなるため、 図 3 (A)に示すように比較的早い時刻 t 8で駆動信号 VGの電圧レベルが高い電圧(H)
レベルから低い電圧(L)レベルとなり、 M〇S- FET (3)がオン状態からオフ状 態に切り替えられる。 このため、 図 3 (C)に示すようにレベルシフト用抵抗(Π, 18)の接続点の電圧 VOCPが基準電源(26)の基準電圧 VDTのレベルに到達せず、 電 流検出用コンパレ一夕(27)の電流検出信号 VCPは図 3 (D)に示すように低い電圧 (L)レベルを保持する。 これにより、 Dフリップフロップ(28)の信号出力端子 (Q)から出力される信号 の電圧レベルが図 3 (E)に示すように時刻 t 8にて高 い電圧(H)レベルから低い電圧(L)レベルに切り替えられる。 したがって、 Dフ リップフロップ(28)の信号出力端子(Q)から低い電圧(L)レベルの出力信号 VLD が出力されたときは軽負荷状態と判断し、 パルス発生器(22)から長い周期のパル ス信号 V 4が発生する。
次に、 図 2に示す他励式フライバック型 DC— DCコンパ一夕の動作を説明す る。 起動時に、 直流電源(1)から起動抵抗(10)を介して補助整流平滑回路(13)の 駆動用平滑コンデンサ(12)に充電電流が流れ、 駆動用平滑コンデンサ(12)の充電 電圧 VINが駆動電圧に達すると、 制御回路(8)内の制御電源回路(24)が駆動され、 制御回路(8)を構成する各素子(16〜28)に駆動用直流電力が供給される。 これに より、 パルス発生器(22)が駆動され、 パルス発生器(22)からのパルス信号 V4が R - Sフリップフロップ(23)のセット端子(S)に入力されると、 R- Sフリップフ ロップ(23)がセット状態となるので、 R- Sフリップフロップ(23)から MOS - F ET(3)のゲート端子に高い電圧(H)レベルの駆動信号 VGが付与され、 MO S- FET(3)がオン状態となる。 このとき、 MOS- FET(3)に流れるドレイン電 流 IDが直線的に増加すると共に、 電流検出用抵抗(9)の検出信号のレベルシフト 用抵抗(17, 18)の接続点での電圧 Vocpが直線的に低下する。 レベルシフト用抵抗 (17, 18)の接続点の電圧 V。CPが基準電源(16)の基準電圧 VRCのレベルに達すると、 過電流制限用コンパレータ(19)から高い電圧(H)レベルの信号 が出力される。 一方、 起動時の出力電圧検出回路(7)からの検出信号 VFBの電圧レベルは略ゼロ であるから、 電流モ一ド制御用コンパレー夕(20)から低い電圧(L )レベルの信号 V2が出力される。 これにより、 ORゲート(21)から高い電圧(H)レベルの論理 和信号 V3が出力され、 R- Sフリップフロップ(23)のリセット端子 (R)に入力さ れてリセッ卜状態となるので、 R-Sフリップフロップ(23)から MOS- FET
(3)のゲート端子に低い電圧(L)レベルの駆動信号 VGが付与されて MOS- FE T (3)がオフ状態となり、 M 0 S - F E T (3)に流れるドレイン電流 I Dが略ゼ口と なる。 MOS- FET(3)がオフしてから一定時間が経過すると、 パルス発生器(2 2)のパルス信号 V 4が再び R - Sフリップフロップ(23)のセット端子(S)に入力さ れてセット状態となり、 R- Sフリップフロップ(23)から MOS- FET(3)のゲ ―ト端子に高い電圧(H)レベルの駆動信号 VGが付与されて MO S- F E T (3)が 再びオン状態となる。 以上の MOS- FET(3)のオン ·オフ動作の繰り返しによ り、 2次側の出力整流平滑回路(6)の直流出力電圧 VOUTが直線的に上昇し、 これ に伴って駆動用平滑コンデンサ(12)の充電電圧 VINは直線的に低下するが、 トラ ンス(2)の 2次巻線(2b)の電圧に比例する電圧が駆動巻線(2c)に発生するため、 直流出力電圧 νουτの上昇に伴って補助整流平滑回路(13)からの直流電圧 V ΙΝが 直線的に上昇する。 このため、 制御回路(8)内の制御電源回路(24)に印加される 直流電圧 VINは停止電圧付近まで低下した後、 再び直線的に上昇する。 したがつ て、 起動時以降は補助整流平滑回路(13)からの直流電圧 V INにより制御回路(8) 内の制御電源回路(24)が駆動される。 2次側の出力整流平滑回路(6)の直流出力 電圧 VCKJTの上昇に伴って、 出力電圧検出回路(7)からの検出信号 VFBの電圧も 0 [V]から直線的に上昇する。
出力電圧検出回路(7)からの検出信号 V
FBの電圧レベルが基準電源(16)の基準 電圧 V
RCのレベルよりも高くなり、 レベルシフト用抵抗(17, 18)の接続点の電圧 Vocpが出力電圧検出回路(7)からの検出信号 V
FBの電圧レベルに達すると、 電流 乇一ド制御用コンパレ一夕(20)から高い電圧(H)レベルの信号 V
2が出力される。 一方、 過電流制限用コンパレータ(19)からは低い電圧(L)レベルの信号 V,が出 力されるので、 ORゲ一ト(21)から高い電圧(H)レベルの論理和信号 V
3が出力 され、 R-Sフリップフロップ(23)のリセット端子(R)に入力されてリセット状態 となる。 これにより、 R- Sフリップフロップ(23)から MOS- FET(3)のゲ一 ト端子に低い電圧(L)レベルの駆動信号 V
Gが付与されて MOS-FET(3)がォ フ状態となるため、 MO S- F E T (3)に流れるドレイン電流 I
Dが略ゼロとなる。 このとき、 トランス(2)の 2次巻線(2b)から出力整流平滑回路(6)を介して図示し ない負荷に出力電流 Ι
ουτが流れ、 直線的に増加して行く。 そして、 2次側の出
力整流平滑回路(6)の直流出力電圧 V。
UTが出力電圧検出回路(7)を構成する各素 子の諸定数で決定される検出電圧 (例えば、 出力端子間の分圧抵抗の分圧比を R
ツエナダイォ一ドのツエナ電圧を V
Z[V]、 NPNトランジスタ のべ一ス ·ェミッタ間の電圧を V
BE(0. 6〜0. 7程度) [V]とすると、 {(1^ + R
2)/R
2}X(V
Z+V
BE) [V]) に達したとき、 起動状態から通常動作状態に移行 し、 補助整流平滑回路(13)からの直流電圧 V
INが略一定になると共に、 2次側の 出力整流平滑回路(6)の直流出力電圧 V
OUT及び負荷へ流れる出力電流 I
ουτが略 一定となる。
通常の負荷状態において、 R- Sフリップフロップ(23)から MOS- FET(3) のゲ一ト端子に図 4 (B)に示す高い電圧(H)レベルの駆動信号 VGが付与され、 MOS- FET(3)がオン状態になると、 図 4 (A)に示すように MOS_FET(3) に流れるドレイン電流 I Dが直線的に増加すると共に、 レベルシフト用抵抗(Π, 1 8)の接続点の電圧 VOCPが図 4 (D)に示すように直線的に低下する。 ここで、 図 4 (D)に示すように通常負荷時の出力電圧検出回路(7)からの検出信号 VFBの電 圧レベルは基準電源(26)の基準電圧 VDTのレベルより低いため、 レベルシフト用 抵抗(17, 18)の接続点の電圧 V。ePは基準電源(26)の基準電圧 VDTのレベルを超え て出力電圧検出回路(7)からの検出信号 VFBの電圧レベルまで低下する。 このた め、 電流検出用コンパレータ(Π)から高い電圧(H)レベルの電流検出信号 VCPが 出力される。 そして、 図 4 (D こ示すようにレベルシフト用抵抗(Π, 18)の接続 点の電圧 V。CPが出力電圧検出回路(7)からの検出信号 VFBの電圧レベルに達する と、 電流モード制御用コンパレ一夕(20)から高い電圧(H)レベルの信号 V2が出 力される。 一方、 過電流制限用コンパレー夕(19)からは低い電圧(L)レベルの信 号 が出力されるため、 ORゲート(21)から高い電圧(H)レベルの論理和信号 V3が出力され、 R-Sフリップフロップ(23)のリセット端子 (R)に入力されてリ セット状態となる。 これにより、 図 4 (B)に示すように R-Sフリップフロップ (23)から MOS- F ET(3)のゲート端子に付与される駆動信号 VGの電圧レベル が高い電圧(H)レベルから低い電圧(L)レベルとなり、 MOS- FET(3)がオン 状態からオフ状態に切り替わるため、 図 4 (A)に示すように M〇 S - F E T (3)に 流れるドレイン電流 I Dが略ゼロとなる。 このとき、 Dフリップフロップ(28)の
ク口ック入力端子(CLK)に図 4 (B)に示す駆動信号 VGの立ち下がりエッジ (矢 印) が入力されると共に、 信号入力端子 (D)に電流検出用コンパレータ(27)から の高い電圧(H)レベルの電流検出信号 VCPが入力されるので、 信号出力端子(Q) から出力される信号 VLDの電圧レベルが図 4 (C)に示すように高い電圧(H)レべ ルに保持される。 したがって、 パルス発生器(22)から出力されるパルス信号 V4 の周期が短くなるので、 MOS-FET(3)のオフ期間が短縮され、 発振周波数が 増加する。
図示しない負荷が軽くなると、 2次側の出力整流平滑回路(6)の直流出力電圧 VOUTが上昇すると共に、 図 4 (D)に示すように出力電圧検出回路(7)からの検出 信号 VFBの電圧が直線的に上昇して基準電源(26)の基準電圧 VDTのレベルより高 くなる。 軽負荷状態において、 R-Sフリップフロップ(23)から M OS- FET (3)のゲ一ト端子に図 4 (B)に示す高い電圧(H)レベルの駆動信号 VGが付与され、 MO S-F ET (3)がオン状態になると、 図 4 (A)に示すように MO S- F E T (3) に流れるドレイン電流 IDが直線的に増加すると共に、 レベル フト用抵抗(17, 1 8)の接続点の電圧 VOCPが図 4 (D)に示すように出力電圧検出回路(7)からの検出 信号 VFBの電圧レベルまで直線的に低下する。 ここで、 図 4 (D)に示すように軽 負荷時の出力電圧検出回路(7)からの検出信号 VFBの電圧レベルは基準電源(26) の基準電圧 VDTのレベルより高いため、 レベルシフト用抵抗(17, 18)の接続点の 電圧 V。CPは基準電源(26)の基準電圧 VDTのレベルに到達しない。 このため、 電 流検出用コンパレータ(27)から低い電圧(L)レベルの電流検出信号 VCPが出力さ れる。 図 4 (D)に示すように、 レベルシフト用抵抗(Π, 18)の接続点の電圧 VOCP が出力電圧検出回路(7)からの検出信号 VFBの電圧レベルに達すると、 電流モー ド制御用コンパレータ(20)から高い電圧(H)レベルの信号 V2が出力される。 一 方、 過電流制限用コンパレー夕(19)からは低い電圧(L )レベルの信号 V Lが出力 されるため、 ORゲート(21)から高い電圧(H)レベルの論理和信号 V3が出力さ れ、 R- Sフリップフロップ(23)のリセット端子(R)に入力されてリセット状態と なる。 これにより、 図 4(B)に示すように R-Sフリップフロップ(23)から MO S- F ET (3)のゲ一ト端子に付与される駆動信号 VGの電圧レベルが高い電圧 (H)レベルから低い電圧(L)レベルとなり、 MOS- FET(3)がオン状態からォ
フ状態に切り替わるため、 図 4 (A)に示すように MOS- FET(3)に流れるドレ イン電流 IDが略ゼロとなる。 このとき、 Dフリップフロップ(28)のクロック入 力端子 (CLK)に図 4 (B)に示す駆動信号 VGの立ち下がりエッジ (矢印) が入力さ れると共に、 信号入力端子 (D)に電流検出用コンパレ一夕(27)からの低い電圧 (L)レベルの電流検出信号 VCPが入力されるので、 信号出力端子 (Q)から出力さ れる信号 VLDの電圧レベルが図 4 (C)に示すように高い電圧(H)レベルから低い 電圧(L)レベルとなる。 したがって、 パルス発生器(22)から出力されるパルス信 号 V4の周期が長くなるので、 MOS-F ET(3)のオフ期間が延長され、 発振周 波数が低下する。
本実施の形態では、 M O S - F E T (3)がオン状態からオフ状態に切り替わると きに Dフリップフロップ(28)から出力される信号 の電圧レベルにより負荷状 態の判断を行うため、 MOS-FET (3)のターンオン時に発生するサージ電流等 の容量性の短絡電流による誤検出がなく、 トランス(2)の 2次側に接続される負 荷の状態を 1次側にて正確且つ確実に検出することができる。 また、 負荷状態の 判断を M O S - F E T (3)がオン状態からオフ状態に切り替わるタイミングで行う ため、 誘導ノイズ等の外来ノイズによる影響を受けにくい利点がある。 更に、 ト ランス(2)の 1次巻線(2a)又は MOS- F ET(3)に流れる電流 I Dが小さい軽負荷 状態のときは、 Dフリップフロップ(28)の出力信号 VLDの電圧レベルが低い電圧 (L)レベルとなり、 パルス発生器(22)から出力されるパルス信号 V4の発生周期 が延長される。 このため、 MOS- FET(3)のオフ期間が長くなり、 M〇S - F ET(3)のゲート端子に付与される駆動信号 VCJの周波数が低下するので、 MO S -FET (3)のスイッチング回数が減少する。 これにより、 軽負荷時でのスィッチ ング損失が低減され、 広い負荷の範囲でスィツチング電源装置の変換効率を向上 することができる。
上記の実施の形態は変更が可能である。 例えば、 図 5に示す実施の形態の他励 式フライバック型 DC— DCコンバ一夕では、 Dフリップフロップ(28)の出力信 号 V の電圧レベルが切り替わるときにレベルシフト用抵抗(17, 18)の接続点電 圧 VOCPのピーク値が変動する方向と同一の方向に基準電源(26)の基準電圧 VDT のレベルを変更する電圧レベル変更手段としての電圧レベル変更回路(31)を図 2
W
19 に示す制御回路(8)内に設けている。 電圧レベル変更回路(31)は、 図 6に示すよ うに、 一端が基準電源(16)の正(+)側に接続された分圧抵抗(32)と、 分圧抵抗(3 2)の他端と基準電源(16)の負(-)側との間に直列に接続された分圧抵抗(33)及び N P Nトランジスタ(34)と、 Dフリップフロップ(28)の信号出力端子(Q)と N P Nトランジスタ(34)のベース端子との間に接続された反転器(35)とから構成され る。 このため、 図 8 (C)に示す Dフリップフロップ(28)の出力信号 VLDの電圧レ ベルが高い電圧(H)レベルのときは、 NPNトランジスタ(34)がオフ状態である から、 分圧抵抗(32, 33)の分圧点から図 8 (D)に示す高い値の基準電圧 VDTHを発 生する。 図 8 (C)に示す Dフリップフロップ(28)の出力信号 VLDの電圧レベルが 高い電圧(H)レベルから低い電圧(L)レベルに切り替わったときは、 NPNトラ ンジス夕(34)がオン状態となるので、 分圧抵抗(32, 33)の分圧点から図 8 (D)に 示す低い値の基準電圧 VDT]Lを発生する。 負荷が軽くなり、 図 8 (C)に示すよう に Dフリップフ口ップ(28)の出力信号 VLDの電圧レベルが高い電圧(H)レベルか ら低い電圧(L)レベルに切り替わると、 図 8 (B)に示すように駆動信号 VGの低 い電圧(L)レベルの期間が延長されて発振周波数が低下するため、 図 8 (A)に示 すように MO S- F E T (3)に流れる電流 I Dの最大値が若干高くなる。 これに伴 つて、 図 8 (D)に示すようにレベルシフト用抵抗(17, 18)の接続点電圧 VOCPのピ —ク値が若干下方へ移動する。 このとき、 電圧レベル変更回路(31)の NP Nトラ ンジス夕(34)がオン状態となり、 分圧抵抗(32, 33)の分圧点の電圧が図 8 (D)に 示すように高い値の基準電圧 VDTHカゝら低い値の基準電圧 VDTLに切り替わるので、 切替後の Dフリップフ口ップ(28)の出力信号 VJLDの電圧レベルが安定し、 負荷変 動時の MO S-FET (3)の発振動作の切り替えを安定に行うことができる。
図 7は、 Dフリップフロップ(28)の出力信号 VLDの電圧レベルが切り替わると きにレベルシフト用抵抗(17, 18)の接続点電圧 VOCPのピーク値が変動する方向と は逆の方向に同電圧 VOCPのレベルを変更する場合の電圧レベル変更回路(31)の 実施の形態を示す。 図 7に示す電圧レベル変更回路(31)は、 一方のレベルシフト 用抵抗(17)の両端に直列に接続された PNPトランジスタ(36)及び抵抗(37)から 構成され、 Dフリップフロップ(28)から PNPトランジスタ(36)のベース端子に 低い電圧(L)レベルの出力信号 VLDが付与されたときにレベルシフト用抵抗(Π,
18)の接続点電圧 VOCPのレベルを上昇させる。 即ち、 負荷が軽くなり、 図 8 (C) に示すように Dフリップフ口ップ(28)の出力信号 VLDの電圧レベルが高い電圧 (H)レベルから低い電圧(L)レベルに切り替わると、 PNPトランジスタ(36)が オン状態となり、 一方のレベルシフト用抵抗(17)と並列に抵抗(37)が接続された 状態となるため、 レベルシフト用抵抗(17, 18)の接続点電圧 VOCPのレベルが上昇 する。 したがって、 図 6の場合と同様に、 切替後の Dフリップフロップ(28)の出 力信号 VLDの電圧レベルが安定し、 負荷変動時の MOS- F ET(3)の発振動作の 切り替えを安定に行うことができる。
図 9は、 MOS_FET(3)のォフ期間中にMOS-FET(3)のドレィンーソー ス端子間電圧 VDSの最小電圧点を検出するポトム検出手段としてのボトム検出回 路(41)と、 Dフリップフロップ(28)の出力信号 が高い電圧(H)レベルのとき にボトム検出回路(41)により検出された最初の最小電圧点で M O S - F E T (3)を ターンオンさせ、 Dフリップフロップ(28)の出力信号 V LDが低い電圧( L )レベル のときにボトム検出回路(41)により検出された 2回目の最小電圧点で M O S-F ET (3)をターンオンさせるボトムスキップ制御手段としてのボトムスキップ制 御回路(42)とを図 5に示す他励式フライバック型 DC— DCコンパ一夕の制御回 路(8)に設けた実施の形態を示す。 ボトム検出回路(41)は、 図 10に示すように、 トランス(2)の駆動巻線(2c)の両端に直列に接続されたダイォード(43)及び分圧 抵抗(44, 45)と、 一方の分圧抵抗(45)と並列に接続されたコンデンサ(46)と、 閾 値電圧 VTHを発生する基準電源(47)と、 コンデンサ(46)の充電電圧 VBMが基準電 源(47)の閾値電圧 VTHのレベルより低いときに低い(L)レベルの出力電圧 VBDを 発生し、 コンデンサ(46)の充電電圧 VBMが基準電源(47)の閾値電圧 VTHのレベル より高いときに高い(H)レベルの出力電圧 VBDを発生するコンパレータ(48)とか ら構成される。 即ち、 図 10に示すボトム検出回路(41)は、 MOS- FET(3)の オフ期間中にトランス(2)の駆動巻線(2c)に発生する MO S -F E T (3)のドレイ ン—ソース端子間電圧 VDS (図 1 1 (A)に図示) と相似なリンギング電圧をダイ オード(43)、 分圧抵抗(44, 45)及びコンデンサ(46)により図 1 1 (C)に示すよう に波形整形し、 図 1 1 (C)に示すコンデンサ(46)の充電電圧 VBMと基準電源(47) の閾値電圧 VTHとをコンパレー夕(48)で比較することにより図 1 1 (D)に示すパ
ルス列電圧 VBDに変換する波形整形手段を構成する。 このため、 図 1 1 (A)〜 (D )に示すように、 コンパレ一夕(48)から出力されるパルス列電圧 V BDの立ち下 がりエッジを MO S- F E T (3)のドレイン一ソ一ス端子間電圧 VDSの最小電圧点 として検出することができる。
また、 ボトム検出回路(41)は図 12に示すように構成することもできる。 図 1 2に示すポ卜ム検出回路(41)は、 トランス(2)の駆動巻線(2c)の両端に接続され た分圧抵抗(44, 45)と、 閾値電圧 VTHを発生する基準電源(47)と、 分圧抵抗(44, 4 5)の分圧点の電圧 VBMが基準電源(47)の閾値電圧 VTHのレベルより低いときに低 レ (L)レベルの出力電圧 VBDを発生し、 分圧抵抗(44, 45)の分圧点の電圧 VBMが 基準電源(47)の閾値電 J£ VTHのレベルより高いときに高い(H)レベルの出力電圧 VBDを発生するコンパレータ(48)と、 コンパレー夕(48)の出力から形成されるパ ルス列電圧 VBDを一定時間 tDだけ遅延させる遅延回路(49)とから構成される。 即ち、 図 12に示すボトム検出回路(41)は、 MOS- FET(3)のオフ期間中にト ランス(2)の駆動巻線(2c)に発生する MOS- FET (3)のドレインーソース端子 間電圧 VDS (図 13 (A)に図示) と相似なリンギング電圧を分圧抵抗(44, 45)に より分圧し、 図 1 3 (C)に示す分圧抵抗(44, 45)の分圧点の電圧 VBMと基準電源 (47)の閾値電圧 VTHとをコンパレー夕(48)で比較することにより図 13 (D)に示 すパルス列電圧 VBDに変換し、 コンパレータ(48)からのパルス列電圧 VBDを遅延 回路(49)にて一定時間 tDだけ遅延させることにより、 図 13 (A)〜(D)に示す ようにコンパレ一夕(48)から出力されるパルス列電圧 VBDの立ち下がりエッジを MOS-F E T (3)のドレイン—ソ一ス端子間電圧 VDSの最小電圧点に一致させる。 これにより、 図 12に示すボトム検出回路(41)でもコンパレータ(48)から出力さ れるパルス列電圧 VBDの立ち下がりエッジを MOS- FET(3)のドレインーソ一 ス端子間電圧 VDSの最小電圧点として検出することができる。
ボトムスキップ制御回路(42)は、 図 9に示すように、 MOS- FET(3)の駆動 信号 V eの立ち上がりによってリセットされるリセット端子 (R)を有する第 1及び 第 2の Dフリップフロップ(50, 51)を有する。 ボトム検出回路(41)の出力信号 VB Dは第 1及び第 2の Dフリップフロップ(50, 51)のクロック入力端子(CLK)に入力 され、 第 1の Dフリップフロップ(50)の信号入力端子(D)は高い電圧(H)レベル
(REG) に保持され、 第 2の Dフリップフロップ(51)の信号入力端子 (D)は第 1の Dフリップフロップ(50)の信号出力端子(Q)に接続され、 ORゲ一ト(53)の 各入力端子は第 2の Dフリップフロップ (51)の信号出力端子 (Q)とパルス発生器 (22)及び ANDゲ一ト(52)の各出力端子に接続されている。 ANDゲート(52)の 一方の入力端子は第 1の Dフリップフロップ(50)の信号出力端子(Q)に接続され、 他方の入力端子は Dフリップフ口ップ(28)の信号出力端子(Q)に接続されている。 O Rゲート(53)の出力端子は R - Sフリップフロップ(23)のセット端子(S)に接続 されている。 クロック入力端子(CLK)に入力されるポトム検出回路(41)の 1回目 の出力信号 VBDの立ち下がりエッジに同期して第 1の Dフリップフ口ップ(50)の 出力信号 VDF1の出力レベルが高い電圧(H)レベルとなる。 クロック入力端子(CL K)に入力されるボトム検出回路(41)の 2回目の出力信号 VBDの立ち下がりエッジ に同期して第 2の Dフリップフロップ(51 )の出力信号 VDF2の出力レベルが高い 電圧(H)レベルとなる。 図 9に示すボトムスキップ制御回路(42)は、 重負荷〜通 常負荷時は Dフリップフ口ップ(28)の出力信号 が高い電圧(H)レベルであり、 クロック入力端子(CLK)に入力されるボトム検出回路(41)の 1回目の出力信号 VB Dの立ち下がりエッジに同期して出力される第 1の Dフリップフロップ(50)の出 力信号 VDF1が高い電圧(H)レベルであるから、 ANDゲート(52)の出力信号 VA Dは高い電圧(H)レベルとなる。 ANDゲ一ト(52)の出力信号 は ORゲート (53)を介して R-Sフリップフロップ(23)のセッ卜端子(S)に入力され、 MO S- FET(3)のゲート端子に付与される駆動信号 VGが高い電圧(H)レベルとなる。 これにより、 重負荷〜通常負荷時はボトム検出回路(41)により検出された最初の 最小電圧点で MOS-FET (3)をターンオンさせることができる。 また、 軽負荷 時は Dフリップフ口ップ(28)の出力信号 VLDが低い電圧(L)レベルであるから、 ANDゲート(52)の出力信号 は低い電圧(L)レベルとなり、 R- Sフリップ フロップ(23)をセット状態にすることができない。 一方、 クロック入力端子(CL )に入力されるボトム検出回路(41)の 2回目の出力信号 VBDの立ち下がりエッジ に同期して第 2の Dフリップフ口ップ(51)の出力信号 VDF2の出力レベルが高い 電圧(H)レベルとなるため、 ORゲート(53)を介して R- Sフリップフロップ(2 3)のセット端子(S)に入力され、 MOS- FET(3)のゲート端子に付与される駆
動信号 VGが高い電圧(H)レベルとなる。 これにより、 軽負荷時はボトム検出回 路(41)により検出された 2回目の最小電圧点で MOS-FET (3)をターンオンさ せることができる。
図 9に示す構成の制御回路(8)を有する他励式フライバック型 D C— D Cコン バー夕の動作は以下の通りである。 重負荷〜通常負荷状態のときは、 図 14 (D) に示すように Dフリップフロップ(28)の出力信号 VLDが高い電圧(H)レベルであ ると共に、 図 14 (C)に示すボトム検出回路(41)の出力信号 VBDの 1回目の立ち 下がりエッジに同期してボトムスキップ制御回路(42)の第 1の Dフリップフ口ッ プ(50)の信号出力端子 (Q)から単発パルス状の信号 VDF1が出力される。 このため、 ボトム検出回路(41)の出力信号 VBDの 1回目の立ち下がりエッジに同期して高い 電圧(H)レベルまで上昇する単発パルス状の論理積信号 が ANDゲート(52) から出力される。 また、 ボトムスキップ制御回路(42)の第 2の Dフリップフロッ プ(51)の信号出力端子(Q)からは低い電圧(L)レベルの信号 VDF2が出力されるた め、 ORゲート(53)からはボトム検出回路(41)の出力信号 VBDの 1回目の立ち下 がりエッジに同期して高い電圧(H)レベルまで上昇する単発パルス状の論理和信 号 VORが出力され、 R-Sフリップフロップ(23)がセット状態となる。 これによ り、 図 14 (C)及び(B)に示すようにボトム検出回路(41)の出力信号 VBDの 1回 目の立ち下がりエッジに同期して R-Sフリップフロップ(23)から MOS- FET (3)のゲ一ト端子に付与される駆動信号 が低い電圧(L)レベルから高い電圧 (H)レベルに切り替えられ、 M〇S- FET(3)がターンオンする。 このとき、 図 14 (八)に示すょぅに 03- £丁(3)に流れるドレイン電流 IDが直線的に増 加すると共に、 図 14 (E)に示すようにレベルシフ卜用抵抗(17, 18)の接続点の 電圧 V。CPが高い値の基準電圧 VDTHのレベルを越えて直線的に低下する。 レベル シフト用抵抗(17, 18)の接続点の電圧 VOCPが出力電圧検出回路(7)からの検出信 号 VFBの電圧レベルに達すると、 電流モ一ド制御用コンパレータ(20)から高い電 圧(H)レベルの信号 V2が出力され、 R-Sフリップフロップ(23)がリセット状態 となる。 これにより、 図 14 (B)に示すように R-Sフリップフロップ(23)から MOS-FET(3)のゲ一ト端子に付与される駆動信号 VGが高い電圧(H)レベル から低い電圧(L)レベルに切り替えられ、 MOS- FET(3)がオン状態からオフ
状態となる。 したがって、 重負荷〜通常負荷時はトランス(2)のフライバックェ ネルギの放出が終了して MO S - F E T (3)のドレインーソース端子間電圧 VDSの 最小電圧点 (ボトム点) に達すると同時に MOS- FET (3)がターンオン'する擬 似共振動作となる。
負荷が軽くなり、 図 1 4 (D)に示すように Dフリップフロップ(28)の出力信号 の電圧レベルが高い電圧(H)レベルから低い電圧(L)レベルに切り替わると、 図 1 4 (A)に示すように M〇S- F ET(3)に流れるドレイン電流 I Dの最大値が 若干高くなると共に、 図 1 4 (E)に示すようにレベルシフト用抵抗(17, 18)の接 続点電圧 νοα>のピーク値が若干下方へ移動する。 このとき、 電流検出用コンパ レー夕(27)の非反転入力端子(+)に入力される基準電圧が電圧レベル変更回路(3
1)により図 1 4 (Ε)に示すように高い値の基準電圧 VDTHから低い値の基準電圧 VDTLに切り替えられる。 これと共に、 図 1 4 (C)に示すボトム検出回路(41)の 出力信号 VBDの 2回目の立ち下がりエッジに同期してボトムスキップ制御回路(4
2)の第 2の Dフリップフ口ップ(51)の信号出力端子(Q)から単発パルス状の信号 VDF2が出力される。 また、 ANDゲート(52)からは低い電圧(L)レベルの信号 が出力されるため、 ORゲート(53)からはボトム検出回路(41)の出力信号 V BDの 2回目の立ち下がりエッジに同期して高い電圧(H)レベルまで上昇する単発 パルス状の論理和信号 VORが出力され、 R- Sフリップフロップ(23)がセット状 態となる。 これにより、 図 1 4 (C)及び(B)に示すようにボトム検出回路(41)の 出力信号 VBDの 2回目の立ち下がりエッジに同期して R-Sフリップフロップ(2
3)から:^03-? £丁(3)のゲ一ト端子に付与される駆動信号¥(;が低ぃ電圧( ) レベルから高い電圧(H)レベルに切り替えられ、 MOS- F ET(3)がターンオン する。 これにより、 図 1 4 (A)に示すように MO S- FET (3)に流れるドレイン 電流 I Dが直線的に増加すると共に、 図 1 4 (E)に示すようにレベルシフト用抵 抗(17, 18)の接続点の電圧 VOCPが直線的に低下する。 このとき、 図 1 4 (E)に示 すように出力電圧検出回路(7)からの検出信号 VFBの電圧レベルが低い値の基準 電圧 νϋΊ のレベルよりも高いため、 レベルシフト用抵抗(17, 18)の接続点の電圧 VOCPは低い値の基準電圧 VDT のレベルには到達しない。 レベルシフト用抵抗(1 7, 18)の接続点の電圧 V。CPが出力電圧検出回路(7)からの検出信号 VFBの電圧レ
ベルに達すると、 電流モード制御用コンパレータ(20)から高い電圧(H)レベルの 信号 V2が出力され、 R-Sフリップフロップ(23)がリセット状態となる。 これに より、 図 14 (B)に示すように R-Sフリップフロップ(23)から MOS-FET (3)のゲ一ト端子に付与される駆動信号 VGが高い電圧(H)レベルから低い電圧 (L)レベルに切り替えられ、 MOS- FET (3)がオン状態からオフ状態となる。 したがって、 軽負荷時は MOS- FET(3)のオフ期間中に発生するドレインーソ ース端子間電圧 VDSの 2回目の最小電圧点で MOS- FET(3)がターンオンする ポ卜ムスキップ動作となる。 '
図 9に示す制御回路(8)を有する他励式フライバック型 D C— D Cコンバータ の負荷の割合に対する発振動作状態の遷移図を図 15に示す。 ここで、 負荷の割 合とはコンバータが負荷に出力できる電力に対して負荷で消費される電力の割合 を示す。 負荷の割合が 50〜100 [%]のときは通常負荷〜重負荷状態であるこ とを示し、 擬似共振動作が行われる。 また、 負荷の割合が 0〜70 [%]のときは 通常負荷〜軽負荷状態であることを示し、 ボトムスキップ動作が行われる。 負荷 が軽くなり、 負荷の割合が 100 [%]から 50 [%]に低下すると、 擬似共振動作 からボトムスキップ動作に移行し、 負荷待機時等の無負荷状態、 即ち負荷の割合 が 0 [%]となるまでボトムスキップ動作が行われる。 負荷待機時等の無負荷状態 から負荷が重くなり、 負荷の割合が 0 [%]から 70 [%]まで増加すると、 ボトム スキップ動作から擬似共振動作に移行し、 重負荷状態、 即ち負荷の割合が 100 [%]となるまで擬似共振動作が行われる。 したがって、 上記の発振動作状態の遷 移の軌跡をグラフで表すと図 1 5に示すようにヒステリシス特性を描く。 なお、 図 1 5に示すボトムスキップ動作をスィッチング周波数低減動作に置き換えれば、 図 5に示す他励式フラィバック型 D C— D Cコンバータの発振動作状態の遷移図 となる。
図 9に示す実施の形態では、 軽負荷状態のとき、 ボトムスキップ制御回路(42) により MO S- F E T (3)のドレインーソース端子間電圧 VDSの 2回目の最小電圧 点で M 0 S - F E T (3)がターンオンするため、 M〇 S - F E T (3)のオフ期間が延 長され、 M〇S- FET(3)のスイッチング周波数が低下する。 したがって、 MO S - FET (3)のスイッチング回数が減少するので、 軽負荷時でのスィツチング損
失を低減でき、 広い負荷の範囲でスイッチング電源装置の変換効率を向上するこ とが可能となる。 即ち、 軽負荷状態のときは、 M〇S- FET(3)がオフした後に トランス(2)のフライバックエネルギが比較的短期間のうちに 2次巻線(2b)から 整流平滑回路(6)を介して図示しない負荷に供給されるため、 図 11 (A)又は図 13 (A)に示すように M OS -FET (3)のドレイン一ソ一ス端子間に自由振動分 を含む狭幅の電圧パルス VDSが発生する。 このため、 軽負荷時は、 ボトム検出回 路(41)が狭幅の電圧パルス VDSの 2回目の最小電圧点を検出したときにポトムス キップ制御回路(42)により M 0 S -F E T (3)が夕一ンオンするボトムスキップ動 作が行われるので、 MOS- FET (3)のオフ期間が延長され、 発振周波数が低下 する。 また、 重負荷〜通常負荷状態のときは、 MOS- FET(3)がオフした後に トランス(2)のフライバックエネルギが比較的長期間に亘り 2次巻線(2b)から整 流平滑回路(6)を介して図示しない負荷に供給されるため、 MOS- FET(3)の ドレイン—ソース端子間に広幅の電圧パルス VDSが発生する。 このため、 ボトム 検出回路(41)が広幅の電圧パルス VDSの最初の最小電圧点を検出したとき、 ポト ムスキップ制御回路(42)により MO S - F E T (3)がターンオンするので、 トラン ソース端子間電圧 VDSの最小電圧点 (ボトム点) に達した時点で M〇S- FET (3)をオフ状態からオン状態に切り替える通常の擬似共振動作が行われる。
図 16は、 図 2に示す制御回路(8)を構成する基準電源(26)、 電流検出用コン パレ一夕(27)及び Dフリップフロップ(28)に並行してもう一組の基準電源(61)、 電流検出用コンパレー夕(62)及び Dフリップフロップ(63)を設け、 2つの電流検 出用コンパレータ(27, 62)によりレベルシフト用抵抗(Π, 18)の接続点の電圧 Voc Pをそれぞれ異なる基準電源(26, 61)の基準電圧 VDT1, VDT2のレベルで比較し、 軽負荷時又は極軽負荷時に 2つの Dフリップフロップ(28, 63)からそれぞれ出力 される低い電圧(L)レベルの出力信号 VLm, VLD2でパルス発生器(22)のパルス 信号 V4の発生周期を可変することにより、 R- Sフリップフロップ(23)から出力 される駆動信号 Veの発振周波数をそれぞれ異なる 2つの周波数で低下させる他 励式フライバック型 D C— D Cコンバ一夕の制御回路(8)の実施の形態を示す。 ここで、 他方の基準電源(61)の基準電圧 VDT2は一方の基準電源(26)の基準電圧
VDT1よりも高い値に設定される。 図 1 6に示す実施の形態の他励式フライバッ ク型 D C— D Cコンバータでは、 重負荷〜通常負荷状態のときは、 図 1 7 (E)に 示すように出力電圧検出回路(7)からの検出信号 VFBの電圧レベルが一方の基準 電源(26)の基準電圧 VDT1よりも低いため、 レベルシフト用抵抗(17, 18)の接続点 の電圧 V。CPは 2つの基準電源(26, 61)の基準電圧 VDT 1, VDT2のレベルを超えて 出力電圧検出回路(7)からの検出信号 VFBの電圧レベルまで直線的に低下する。 このため、 2つの電流検出用コンパレータ(27, 62)からそれぞれ高い電圧(H)レ ベルの電流検出信号 VCP1, VCP2が出力される。 そして、 図 1 7 (E )に示すよう にレベルシフト用抵抗(17, 18)の接続点の電圧 VOCPが出力電圧検出回路(7)から の検出信号 VFBの電圧レベルに達すると、 図 1 7 (B )に示すように R- Sフリッ プフロップ(23)から M 0 S - F E T (3)のゲ一ト端子に付与される駆動信号 V Gの 電圧レベルが高い電圧(H)レベルから低い電圧(L )レベルとなり、 M〇S - F E T (3)がオン状態からオフ状態に切り替わるため、 図 1 7 (A)に示すように M O S - F E T (3)に流れるドレイン電流 I Dが略ゼロとなる。 このとき、 2つの Dフ リップフロップ(28, 63)のクロック入力端子(CLK)に図 1 7 (B )に示す駆動信号 V eの立ち下がりエッジ (矢印) が入力されると同時に、 それぞれの信号入力端子 (D)に各電流検出用コンパレ一夕(27, 62)からの高い電圧(H)レベルの電流検出信 号 VCP 1, VCP2が入力されるので、 それぞれの信号出力端子(Q)から出力される信 号 VLm, VLD2の電圧レベルが図 1 7 (C )及び(D)に示すように高い電圧(H)レ ベルに保持される。 したがって、 重負荷〜通常負荷時はパルス発生器(22)から出 力されるパルス信号 V4の周期が短くなるので、 M O S - F E T (3)のオフ期間が 短縮され、 発振周波数が増加する。
負荷が軽くなり、 軽負荷状態になると、 図 1 7 (E)に示すように出力電圧検出 回路(7)からの検出信号 VFBの電圧レベルが一方の基準電源(26)の基準電圧 VDT1 のレベルよりも高く且つ他方の基準電源(61)の基準電圧 VDT2のレベルよりも低 くなるため、 レベルシフト用抵抗(17, 18)の接続点の電圧 VOCPは他方の基準電源 (61)の基準電圧 VDT2のレベルを超えて直線的に低下するが、 一方の基準電源(2 6)の基準電圧 VDT1のレベルには到達しない。 このため、 一方の電流検出用コン パレー夕(27)から低い電圧(L )レベルの電流検出信号 VCP 1が出力されると共に、
他方の電流検出用コンパレ一夕(61)から高い電圧(H)レベルの電流検出信号 VCP 2が出力される。 図 1 7 (D )に示すように、 レベルシフト用抵抗(17, 18)の接続点 の電圧 Voc:Pが出力電圧検出回路(7)からの検出信号 VFBの電圧レベルに達すると、 図 1 7 (B )に示すように駆動信号 Veの電圧レベルが高い電圧(H)レベルから低 い電圧( L )レベルとなり、 M 0 S - F E T (3)がオン状態からオフ状態に切り替わ るため、 図 1 7 (A)に示すように M O S - F E T (3)に流れるドレイン電流 I Dが 略ゼロとなる。 このとき、 2つの Dフリップフロップ(28, 63)のクロック入力端 子 (CLK)に図 1 7 (B )に示す駆動信号 V Gの立ち下がりエッジ (矢印) が入力され ると同時に、 一方の Dフリップフ口ップ(28)の信号入力端子 (D)に一方の電流検 出用コンパレ一夕(27)からの低い電圧(L )レベルの電流検出信号 VCP1が入力さ れ、 他方の Dフリップフ口ップ(61)の信号入力端子(D)に他方の電流検出用コン パレ一タ(62)からの高い電圧(H)レベルの電流検出信号 VCP2が入力されるので、 一方の Dフリップフロップ(28)の信号出力端子 (Q)から出力される信号 VLD1の電 圧レベルが図 1 7 ( C)に示すように高い電圧(H)レベルから低い電圧(L )レベル に切り替えられると共に、 他方の Dフリップフ口ップ(63)の信号出力端子(Q)か ら出力される信号 VLD2の電圧レベルが図 1 7 (D)に示すように高い電圧(H)レ ベルに保持される。 したがって、 軽負荷時はパルス発生器(22)から出力されるパ ルス信号 V 4の周期が長くなるので、 M〇 S - F E T (3)のオフ期間が延長され、 発振周波数が低下する。
軽負荷状態よりも更に負荷が軽くなり、 極軽負荷状態になると、 図 1 7 (E)に 示すように出力電圧検出回路(7)からの検出信号 V
FBの電圧レベルが他方の基準 電源(61)の基準電圧 V
DT2のレベルよりも高くなるため、 レベルシフト用抵抗(17, 18)の接続点の電圧
に到達 しない。 このため、 2つの電流検出用コンパレータ(27, 62)からそれぞれ低い電 圧(L )レベルの電流検出信号 V
CP1, V
CP2が出力される。 図 1 7 (D)に示すよう に、 レベルシフト用抵抗(17, 18)の接続点の電圧 V
OCPが出力電圧検出回路(7)か らの検出信号 V
FBの電圧レベルに達すると、 図 1 7 (B )に示すように駆動信号 V
eの電圧レベルが高い電圧(H)レベルから低い電圧(L )レベルとなり、 M O S - F E T (3)がオン状態からオフ状態に切り替わるため、 図 1 7 (A)に示すように M
OS-FET(3)に流れるドレイン電流 I
Dが略ゼロとなる。 このとき、 2つの D フリップフロップ(28, 63)のクロック入力端子(CLK)に図 1 Ί (B)に示す駆動信号 V
eの立ち下がりエッジ (矢印) が入力されると同時に、 それぞれの信号入力端 子 (D)に各電流検出用コンパレ一夕(27, 62)からの低い電圧(L)レベルの電流検出 信号 V
cpi, V
CP2が入力されるので、 一方の Dフリップフロップ(28)の信号出力 端子(Q)から出力される信号 V
Lmの電圧レベルが図 1 7 (C)に示すように低い電 圧(L)レベルに保持されると共に、 他方の Dフリップフロップ(63)の信号出力端 子 (Q)から出力される信号 V
LD2の電圧レベルが図 1 7 (D)に示すように高い電圧 (H)レベルから低い電圧(L)レベルに切り替えられる。 したがって、 極軽負荷時 はパルス発生器(22)から出力されるパルス信号 V
4の周期が軽負荷時よりも長く なるの.で、 MOS-FET(3)のオフ期間が更に延長されて発振周波数が軽負荷時 よりも更に低下する。
図 1 6に示す実施の形態では、 軽負荷時及び極軽負荷時において MOS- FE T (3)のゲート端子に付与される駆動信号 VGの発振周波数がそれぞれ異なる 2つ の周波数で低下するので、 MO S- F ET (3)の駆動信号 VGの発振周波数をより 細密に制御してスィツチング電源装置の変換効率を更に向上することができる。 図 1 8は、 Dフリップフロップ(28)の出力信号 VLDが低い電圧(L)レベルのと き、 駆動信号 の発振周期よりも十分長い周期で一定期間 t Bだけ MO S - F E T(3)のオン ·オフ動作を停止させる間欠発振制御手段としての間欠発振制御回 路(71)を図 2に示す制御回路(8)に設けた他励式フライバック型 D C— D Cコン バ一夕の実施の形態を示す。 なお、 図 1 8に示す実施の形態では、 セット端子 (S)及びリセット端子(R)の双方に高い電圧(Η)レベルの信号が同時に入力された とき、 リセット端子(R)の入力を優先して出力するリセット優先型 R- Sフリップ フロップ(72)が使用される。 間欠発振制御回路(71)は、 図 1 9 (C)及び(D)に示 すように Dフリップフ口ップ(28)から低い電圧(L)レベルの出力信号 VLDが入力 されたときに、 駆動信号 VGの発振周期 (例えば 1 0〜50.[ S]程度) よりも十 分長い周期 (例えば 1〜 1 00 [ms]程度) で一定期間 tBだけ高い電圧(H)レべ ルの出力信号 V5を ORゲート(21)に出力する。 このため、 間欠発振制御回路(7 1)から高い電圧(H)レベルの出力信号 V5を発生している期間 t Bは ORゲート(2
1)から出力される信号 V3が高い電圧(H)レベルとなるので、 リセット優先型 R - Sフリップフロップ(72)がリセット状態となり、 MOS- FET(3)のゲ一ト端子 に一定期間 t Bだけ低い電圧(L)レベルの駆動信号 VGが付与される。 これにより、 軽負荷時は駆動信号 Veの発振周期よりも十分長い周期で一定期間 t Bだけ MO S - F E T (3)がオフ状態となる間欠発振動作に切り替えることができる。
図 1 8に示す実施の形態の他励式フライバック型 D C— D Cコンバ一夕では、 重負荷〜通常負荷状態のときは、 パルス発生器(22)のパルス信号 V
4がリセット 優先型 R- Sフリップフロップ(72)のセット端子(S)に入力されたときに図 1 9 ( B )に示す駆動信号 V Gが高い電圧(H )レベルとなるので、 M O S - F E T (3)が オン状態となり、 図 19 (八)及び )に示すょぅに?^03-?£丁(3)に流れるド レイン電流 I
Dが直線的に増加すると共にレベルシフ卜用抵抗(17, 18)の接続点の 電圧
(26)の基準電圧 V
DTのレベルを超えて直線的に低下する。 このため、 電流検出用コンパレ一夕(27)から高い電圧(H)レベルの電流検出信号 V
CPが出力される。 そして、 図 19 (E)に示すようにレベルシフト用抵抗(17, 1 8)の
からの検出信号 V
FBの電圧レベル に達すると、 図 19 (B)に示すように駆動信号 V
Gが高い電圧(H)レベルから低 い電圧( L )レベルとなり、 M 0 S - F E T (3)がオン状態からオフ状態に切り替え られるため、 図 19 (A)に示すように MOS- FET(3)に流れるドレイン電流 I
Dが略ゼロとなる。 このとき、 Dフリップフロップ(28)のクロック入力端子(CLK) に図 1 9 (B)に示す駆動信号 V
Gの立ち下がりエッジ (矢印) が入力されると同 時に、 信号入力端子 (D)に電流検出用コンパレータ(27)からの高い電圧(H)レべ ルの電流検出信号 V
CPが入力されるので、 信号出力端子(Q)から出力される信号
19 (C)に示すように高い電圧(H)レベルに保持される。 したがって、 重負荷〜通常負荷時は、 間欠発振制御回路(71)が作動せず、 図 1 9 (D)に示すように低い電圧(L)レベルの出力信号 V
5を発生するので、 通常の発 振動作が連続的に行われる。
負荷が軽くなり、 軽負荷状態になると、 図 1 9 (E)に示すように出力電圧検出 回路(7)からの検出信号 VFBの電圧レベルが基準電源(26)の基準電圧 VDTのレべ ルより高くなるため、 レベルシフト用抵抗(.17, 18)の接続点の電圧 VOCPは基準電
源(26)の基準電圧 VDTのレベルに到達せず、 電流検出用コンパレータ(27)から低 い電圧(L)レベルの電流検出信号 VCPが出力される。 図 19 (E)に示すように、 レベルシフト用抵抗(Π, 18)の接続点の電圧 VOCPが出力電圧検出回路(7)からの 検出信号 VFBの電圧レベルに達すると、 図 1 9 (B)に示すように駆動信号 VGの 電圧レベルが高い電圧(H)レベルから低い電圧(L)レベルとなり、 MO S- F E T (3)がオンからオフに切り替わるため、 図 1 9 (A)に示すように MOS- FET (3)に流れるドレイン電流 IDが略ゼロとなる。 このとき、 Dフリップフロップ(2 8)のクロック入力端子(CLK)に図 1 9 (B)に示す駆動信号 VGの立ち下がりエッジ
(矢印) が入力されると同時に、 Dフリップフロップ(28)の信号入力端子 (D)に 電流検出用コンパレー夕(27)からの低い電圧(L)レベルの電流検出信号 VCPが入 力されるので、 Dフリップフロップ(28)の信号出力端子(Q)から出力される信号 の電圧レベルが図 1 9 (C)に示すように高い電圧(H)レベルから低い電圧 (L)レベルに切り替えられ、 間欠発振制御回路(71)が駆動される。 これにより、 図 19 (D)に示すように駆動信号 VGの発振周期よりも十分長い周期で一定期間 tBだけ高い電圧(H)レベルの信号 V5が間欠発振制御回路(71)から出力され、 O Rゲート(21)から出力される信号 V3が一定期間 tBだけ高い電圧(H)レベルとな るので、 リセット優先型 R- Sフリップフロップ(72)から MOS- FET(3)のゲ —ト端子に一定期間 tBだけ低い電圧(L)レベルの駆動信号 Veが付与される。 し たがって、 軽負荷時は駆動信号 の発振周期よりも十分長い周期で一定期間 tB だけ MOS- FET (3)のオン ·オフ動作が停止する間欠発振動作となる。
図 18に示す実施の形態では、 MO S- F E T (3)に流れるドレイン電流 I Dが 小さい軽負荷状態のときは、 Dフリップフ口ップ(28)の出力信号 VLDが低い電圧 (L)レベルとなり、 間欠発振制御回路(71)により駆動信号 の発振周期よりも 十分長い周期で一定期間 t Bだけ MO S- F E T (3)のオン ·オフ動作が停止する 間欠発振動作に切り替わるので、 M〇S_FET(3)のスィツチング回数が極端に 減少する。 これにより、 軽負荷時でのスイッチング損失が大幅に低減され、 広い 負荷の範囲でスィツチング電源装置の変換効率を向上することができる。
図 2〜図 18に示す各実施の形態の他励式フライバック型 DC— DCコンパ一 夕では、 トランス(2)の 1次卷線(2a)又は MO S-FET(3)に流れる電流 I Dを電 ,
流検出用抵抗(9)により負電圧として検出し、 レベルシフト用抵抗(17, 18)の接続 点の電圧 VOGPを過電流制限用コンパレー夕(19)、 電流モード制御用コンパレー 夕(20)及び電流検出用コンパレ一夕(27)の反転入力端子 (-)に入力する形態を示 したが、 図 20に示すようにトランス(2)の 1次巻線(2a)又は MOS- FET(3) に流れる電流 IDを電流検出用抵抗(9)により正電圧として検出し、 この検出電圧 VOCTを過電流制限用コンパレ一夕(19)、 電流モード制御用コンパレ一夕(20)及 び電流検出用コンパレータ(27)の非反転入力端子(+)に直接入力してもよい。 図 20に示す実施の形態の他励式フライバック型 DC— DCコンバータでは、 図 2 1 (B)に示すように MO S - F E T (3)のゲ一ト端子に付与される駆動信号 VGが 低い電圧(L)レベルから高い電圧(H)レベルとなり、 MOS- FET(3)がオン状 態になると、 図 21 (A)及び(D)に示すように MOS- F ET (3)に流れるドレイ ン電流 I Dが直線的に増加すると共に電流検出用抵抗(9)の検出電圧 V。CPも直線 的に上昇する。 重負荷〜通常負荷状態のときは、 図 21 (D)に示すように出力電 圧検出回路(7)からの検出信号 VFBの電圧レベルが基準電源(26)の基準電圧 VDT のレベルよりも高いため、 電流検出用抵抗(9)の検出電圧 Voceが基準電源(26)の 基準電圧 VDTのレベルを超えて直線的に上昇する。 このため、 電流検出用コンパ レー夕(27)から高い電圧(H)レベルの電流検出信号 VCPが出力される。 そして、 図 21 (D)に示すように電流検出用抵抗(9)の検出電圧 V。CPが出力電圧検出回路 (7)からの検出信号 VFBの電圧レベルに達すると、 図 21 (B)に示すように MO S - F E T (3)のゲ一ト端子に付与される駆動信号 VGが高い電圧(H)レベルから 低い電圧( L )レベルとなり、 M〇 S - F E T (3)がオン状態からオフ状態に切り替 えられるため、 図 21 (A)に示すように MOS- FET (3)に流れるドレイン電流 IDが略ゼロとなる。 このとき、 Dフリップフロップ(28)のクロック入力端子(CL K)に図 21 (B)に示す駆動信号 VGの立ち下がりエッジ (矢印) が入力されると 同時に、 信号入力端子 (D)に電流検出用コンパレー夕(27)からの高い電圧(H)レ ベルの電流検出信号 VCPが入力されるので、 信号出力端子 (Q)から出力される信 号 VLDの電圧レベルが図 2 1 (C)に示すように高い電圧(H)レベルに保持される。 したがって、 重負荷〜通常負荷時はパルス発生器(Π)から出力されるパルス信号 νΛの周期が短くなるので、 MOS- FET(3)のオフ期間が短縮され、 発振周波
数が増加する。
また、 軽負荷状態のときは、 図 2 1 (D)に示すように出力電圧検出回路(7)か らの検出信号 VFBの電圧レベルが基準電源(26)の基準電圧 VDTのレベルより低く なるため、 電流検出用抵抗(9)の検出電圧 V。CPは基準電源(26)の基準電圧 VDTの レベルには到達しない。 このため、 電流検出用コンパレ一夕(27)からは低い電圧 (L)レベルの電流検出信号 VCPが出力される。 図 2 1 (D)に示すように、 電流検 出用抵抗(9)の検出電圧 V。CPが出力電圧検出回路(7)からの検出信号 VFBの電圧 レベルに達すると、 図 2 1 (B)に示すように駆動信号 VGの電圧レベルが高い電 圧(H)レベルから低い電圧(L)レベルとなり、 MOS- FET(3)がオン状態から オフ状態に切り替わるため、 図 2 1 (A)に示すように MOS- FET(3)に流れる ドレイン電流 I Dが略ゼロとなる。 このとき、 Dフリップフロップ(28)のクロッ ク入力端子(CLK)に図 2 1 (B)に示す駆動信号 VGの立ち下がりエッジ (矢印) が 入力されると同時に、 Dフリップフロップ(28)の信号入力端子(D)に電流検出用 コンパレー夕(27)からの低い電圧(L)レベルの電流検出信号 VCPが入力されるの で、 Dフリップフロップ(28)の信号出力端子(Q)から出力される信号 VLDの電圧 レベルが図 21 (C)に示すように高い電圧(H)レベルから低い電圧(L)レベルに 切り替えられる。 したがって、 軽負荷時はパルス発生器(22)から出力されるパル ス信号 V4の周期が長くなるので、 MOS-FET(3)のオフ期間が延長され、 発 振周波数が低下する。
図 20に示す実施の形態では、 図 2〜図 18の各実施の形態で示したレベルシ フト用抵抗(Π, 18)が不要となるので、 図 2〜図 18に示す各実施の形態に比較 して制御回路(8)の構成を簡略化できる利点がある。 なお、 スイッチング電流を 検出する手段としてはマイナス検出 (図 2〜図 18) とプラス検出 (図 20) が あり、 マイナス検出とプラス検出はスイッチング電源として一長一短がそれぞれ にあるが、 本発明の本質的なところではなく、 マイナス検出及びプラス検出の双 方に本発明を適用することが可能である。
本発明の実施態様は前記の各実施の形態に限定されず、 以下のように更に種々 の変更が可能である。
[1] 前記の各実施の形態では、 出力整流平滑回路(6)の直流出力電圧 VOUTの検
出信号 VFBを 2次側の出力電圧検出回路(7)からフォト力ブラ(14)の発光素子(14 a)及び受光素子(Ub)を介して 1次側に伝達する形態を示したが、 図 22に示す ように出力電圧検出回路(7)及びフォトカブラ(14)を省略し、 フォト力ブラ Q4) を構成する受光素子(14b)の代わりに制御回路(8)の駆動電圧以上のツエナ電圧を 有するツエナダイォ一ド(81)を接続してトランス(2)の駆動巻線(2c)側で出力整 流平滑回路(6)の直流出力電圧 VOUTの検出信号 VFBとして検出してもよい。 即ち、 図 22に示す実施の形態では、 トランス(2)の 2次巻線(2b)の電圧に比例する電 圧が駆動巻線(2c)に発生するため、 駆動巻線(2c)側に発生する直流電圧 VINは 2 次卷線(2b)側に発生する直流出力電圧 VOUTに比例する。 したがって、 2次卷線 (2b)側の直流出力電圧 VQUTの変化分を駆動巻線(2c)側で検出できるので、 出力 電圧検出回路(7)及びフォトカブラ(14)が不要となり、 2次側の回路構成を簡略 化することが可能となる。
[2] 前記の各実施の形態では、 トランス(2)の 1次巻線(2a)又は M OS- FET (3)と直列に電流検出用抵抗(9)を接続してトランス(2)の 1次巻線(2a)又は MO S-F ET(3)に流れる電流 I Dを負電圧又は正電圧として検出する形態を示した が、 図 23に示すようにトランス(2)の 1次巻線(2a)側の閉回路に流れる電流 ID を分流する分流手段としての電流検出端子(92)を有するセンス MO S-F E T (9 1)をスィツチング素子として使用し、 電流検出端子(92)に流れる電流を電流検出' 用抵抗(9)により電圧に変換して検出してもよい。
[3] 図 9に示す実施の形態では、 Dフリップフロップ(50, 51)を 2段直列に接 続し、 軽負荷時に MOS-FET (3)のドレイン一ソース端子間電圧 VDSの 2回目 の最小電圧点で M 0 S - F E T (3)をターンオンさせる形態を示したが、 Dフリツ プフ口ップ(50)を 3段以上直列に接続し、 軽負荷時に MO S - F E T (3)のドレイ ン—ソース端子間電圧 VDSの 3回目以降の最小電圧点で M〇 S- F E T (3)を夕一 ンオンさせてもよい。 この場合は、 軽負荷時に MOS- FET(3)のゲート端子に 付与される駆動信号 Veの発振周波数が更に低下するので、 軽負荷時でのスィッ チング損失を更に低減することが可能となる。
[4] また、 図 1 6に示す実施の形態についても同様に、 基準電源(26)、 電流検 出用コンパレー夕 ΪΊ)及び Dフリップフ口ップ(28)を並行して 3組以上設け、 軽
負荷時に MO S- F ET (3)のゲート端子に付与される駆動信号 VGの発振周波数 を負荷の状態に応じて更に細密に制御してもよい。
[5] 更に、 図 24に示すように、 図 1 6に示す実施形態の他励式フライバック 型 D C— D Cコンバ一夕に図 9に示す実施の形態のボトム検出回路(41)とボトム スキップ制御回路(42)を設けてもよい。 即ち、 図 24に示す実施の形態の他励式 フライバック型 DC— DCコンバータは、 MOS- FET(3)のオフ期間中にトラ ンス(2)の駆動巻線(2c)に発生するリンギング電圧により MOS- FET(3)のド レインーソース端子間電圧 V
DSの最小電圧点を検出するポトム検出回路(41)と、 双方の Dフリップフロップ(28, 63)の各出力信号 V
LD1, V
LD2 (図 2 5 (D)及び (E)に図示) が共に高い電圧(H)レベルのときにボトム検出回路(41)により検出 された最初の最小電圧点で MO S- F E T (3)を夕一ンオンさせ、 一方及び他方の Dフリップフロップ(28, 63)の各出力信号 V
LD1, V
LD2がそれぞれ低い電圧(L)レ ベル、 高い電圧(H)レベルのときにボトム検出回路(41)により検出された 2回目 の最小電圧点で M OS- FET (3)をターンオンさせ、 双方の Dフリップフロップ (28, 63)の各出力信号 VL
D1, VL
D2が共に低い電圧(L)レベルのときにボトム検出 回路(41)により検出された 3回目の最小電圧点で MO S- F ET (3)をターンオン させるボトムスキップ制御回路(42)とを図 1 6に示す実施の形態の制御回路(8) 内に設けたものである。 図 24に示すボトムスキップ制御回路(42)は、 直列に接 続された第 1〜第 3の Dフリップフロップ(50, 51, 54)と、 第 1の Dフリップフ口 ップ(50)の出力信号 V
DF1と一方の Dフリップフロップ(28)の出力信号 V
LD1との 論理積信号 を出力する第 1の ANDゲート(52)と、 第 2の Dフリップフロ ップ(51 )の出力信号 V
DF2と他方の Dフリップフロップ(63)の出力信号 V
LD2との 論理積信号 を出力する第 2の ANDゲート(55)と、 パルス発生器(22)のパ ルス信号 V
4と第 3の Dフリップフ口ップ(54)の出力信号 V
DF3と第 1及び第 2の ANDゲ一ト(52, 55)の論理積信号
との論理和信号 V
ORを出力する◦ Rゲート(53)とから構成される。 即ち、 図 24に示すボトムスキップ制御回路(4 2)は、 重負荷〜通常負荷時は、 図 2 5 (D)及び(E)に示すように双方の Dフリツ プフロップ(28, 63)から高い電圧(H)レベルの出力信号 V
LD1, V
LD2が出力される ので、 第 1及び第 2の ANDゲート(52, 55)から出力される論理積信号 Υ
Λ
D2はそれぞれ第 1及び第 2の Dフリップフロップ(50, 51)の各出力信号 V
DF1, V
D F2と同一となる。 一方、 第 1の Dフリップフロップ(50)からは図 25 (C)に示す ボトム検出回路(41)の出力信号 V
BDの最初の立ち下がりエッジに同期して高い電 圧(H)レベルまで上昇する単発パルス状の出力信号 V
DF1が発生するので、 第 2 及び第 3の Dフリップフロップ(51, 54)の出力信号 V
DF2, V
DF3は低い電圧(L)レ ベルを保持する。 したがって、 ORゲ一ト(53)から高い電圧(H)レベルの単発パ ルス状の論理和信号 V
ORがボトム検出回路(41)の出力信号 V
BDの最初の立ち下が りエッジに同期して出力されるので、 重負荷〜通常負荷時はボトム検出回路(41) により検出された最初の最小電圧点で MOS-FET (3)をターンオンさせること ができる。 また、 軽負荷時は、 図 2 5 (D)及び(E)に示すように一方及び他方の Dフリップフロップ(28, 63)からそれぞれ低い電圧(L)レベル、 高い電圧(H)レ ベルの出力信号 Vu^, V
LD2が出力されるので、 第 1の ANDゲート(52)から出 力される論理積信号 は低い電圧(L)レベルとなる。 一方、 第 2の Dフリツ プフ口ップ(51)からは図 2 5 (C)に示すボトム検出回路(41)の出力信号 V
BDの 2 回目の立ち下がりエッジに同期して高い電圧(H)レベルまで上昇する単発パルス 状の出力信号 V
DF2が発生し、 第 2の ANDゲート(55)の論理積信号 VAD2が出力 信号 V
DF2と同一となるので、 ORゲート(53)から高い電圧(H)レベルの単発パ ルス状の論理和信号 VCJ
Rがボトム検出回路(41)の出力信号 V
BDの 2回目の立ち下 がりエッジに同期して出力される。 これにより、 軽負荷時はボトム検出回路(41) により検出された 2回目の最小電圧点で MO S-F ET (3)をターンオンさせるこ とができる。 更に、 極軽負荷時は、 図 2 5 (D)及び(E)に示すように双方の Dフ リップフロップ(28, 63)から低い電圧(L)レベルの出力信号 V
LM, V
LD2が出力さ れるので、 第 1及び第 2の ANDゲ一ト(52, 55)から出力される論理積信号
VAD
2は共に低い電圧(L)レベルとなる。 一方、 第 3の Dフリップフロップ(54) からは図 2 5 (C)に示すボトム検出回路(41)の出力信号 V
BDの 3回目の立ち下が りエッジに同期して高い電圧(H)レベルまで上昇する単発パルス状の出力信号 V D
F3が発生するので、 ORゲート(53)から高い電圧(H)レベルの単発パルス状の 論理和信号 V
ORがポトム検出回路(41)の出力信号 V
BDの 3回目の立ち下がりエツ ジに同期して出力される。 これにより、 極軽負荷時はボトム検出回路(41)により
検出された 3回目の最小電圧点で MO S-FET (3)を夕一ンオンさせることがで きる。 したがって、 図 24に示す実施の形態でも図 16に示す実施の形態と同様 に、 軽負荷時及び極軽負荷時において図 25 (B)に示すように MOS- FET(3) のゲート端子に付与される駆動信号 V
Gの発振周波数がそれぞれ異なる 2つの周 波数で低下するので、 MO S- F E T (3)の駆動信号 V
Gの発振周波数をより細密 に制御してスイッチング電源装置の変換効率を更に向上することができる。 勿論、 基準電源(26)、 電流検出用コンパレータ(27)及び Dフリップフロップ(28)を並行 して 3組以上設けると共に、 Dフリップフロップ(50)を 4段以上直列に接続して、 駆動信号 V
eの発振周波数を軽負荷の程度に応じてそれぞれ異なる 3種類以上の 周波数で低下させることも可能である。
[6] 前記の各実施の形態では、 MOS- FET(3)のオン期間とオフ期間を個別 に制御する制御方式及びトランス(2)のフライバックエネルギの放出が完了した 時点で MOS- FET(3)をオンする擬似共振制御方式 (RCC方式) に本発明を 適用した形態を示したが、 オン ·デューティを制御する一般的な PWM (パルス 幅変調) 制御方式でも構わない。
[7] 更に、 他励式フライバック型 DC— DCコンバータに限定されず、 直流電 源に接続され且つ制御回路に駆動用電力を供給する駆動電源回路を備えた他励式 のフォワード型 DC— DCコンパ一夕や共振型 D C— D Cコンバ一タ等の他のス ィツチング電源装置にも本発明を適用できる。
本発明によれば、 スィッチング素子がオンからオフに切り替わる時点で 2次側 に接続される負荷の状態の判定を行うので、 誘導ノイズ等の外来ノイズの影響を 受けにくく、 最少の部品点数で 2次側の負荷の状態を 1次側にて正確且つ確実に 検出することができる。 したがって、 その検出出力に基づいて最適な発振動作に 切り替えることにより、 スィツチング電源装置の変換効率を向上することが可能 となる。 産業上の利用可能性
本発明は、 マイクロコンピュータ等の大規模な指令装置を備えた携帯型電話器 (PHS等) やノート型パーソナルコンピュータ等の小型電子機器用の ACァダ
プ夕に適用できる。