WO2004021387A1 - 平面型表示装置 - Google Patents

Description

明 細 書

平面型表示装置

技術分野

この発明は、 平坦な形状の平面型表示装置に係 り 、 特に、 対向配置され封着部を介 して互いに封着された前面基板およ び背面基板を備えた平面型表示装置に関する。

背景技術

近年、 陰極線管 （以下、 C R T と称する） に代わる次世代 の軽量、 薄型の表示装置と して様々な平面型表示装置が開発 されている。 このよ う な平面型表示装置には、 液晶の配向を 利用 して光の強弱を制御する液晶ディ スプレイ （以下、 L C D と 称する）、 プラズマ放電の紫外線によ り 蛍光体を発光さ せる プラズマディ ス プ レイ パネル （以下、 P D P と称する）、 電界放出型電子放出素子の電子 ビームによ リ 蛍光体を発光さ せる フ ィ ール ドェ ミ ッ シ ョ ンディ スプレイ （以下、 F E D と 称する）、 表面伝導型電子放出素子の電子 ビームによ り 蛍光 体を発光させる表面伝導電子放出ディ スプレイ （以下、 S E D と称する） などがある。

例えば F E Dや S E D では、 一般に、 所定の隙間を置いて 対向配置された前面基板および背面基板を有 し、 これらの基 板は、 矩形枠状の側壁を介 して周辺部同士が接合され真空の 外囲器を構成 している。 前面基板の内面には蛍光体スク リ ー ンが形成され、 背面基板の内面には蛍光体を励起 して発光さ せる電子放出源と して多数の電子放出素子が設け られている。 背面基板および前面基板に加わる大気圧荷重を支えるために、 これら基板の間には複数の支持部材が配設されている。 背面 基板側の電位はほぼアース電位であ り 、 蛍光面にはァ ノ 一 ド 電圧 V a が印加される。 蛍光体スク リ ーンを構成する赤、 緑 青の蛍光体に電子放出素子から放出 された電子ビームを照射 し、 蛍光体を発光させる こ と によ って画像を表示する。

このよ う な F E Dや S E Dでは、 表示装置の厚さ を数 m m 程度にまで薄 く する こ とができ、 現在のテ レ ビやコ ンビユー 夕 のディ ス プレイ と して使用されている C R T と比較して、 軽量化、 薄型化を達成する こ とができる。

上記のよ う な表示装置は、 例えば、 以下の文献に開示され ている。

K.Sakai'et al., Euro Display, 18.3L,pp 569 -572, 1996

M - Ya maguchi,et al. , SID Intl. Symp. Digest

Tech.Papers,P52-55,1997

F E Dや S E Dでは、 外囲器の内部を高真空に維持する こ とが必要と なる。 P D P において も外囲器内部を一度真空に してから放電ガスを充填する必要がある。 L C Dにおいても 外囲器内部を液晶で満たす必要がある。 従って、 このよ う な 外囲器は、 前面基板と背面基板との周辺を気密に封着 した構 成を有 している。

一方、 外囲器には種々の外力が作用する。 例えば、 平面型 表示装置を搬送、 転倒、 落下させた場合、 ある いは、 表示装 置に寄 り 掛かった場合等には、 外囲器に捩 じれゃ撓みの応力 が発生する。 表示装置を駆動 した際の熱による歪みや、 ス ト ーブの熱などによ る急激な熱衝撃が外囲器に作用する場合も 考え られる。 従って、 外囲器には、 これらの外力によ って破 壊されないだけの耐性が求められる。

外囲器を構成する 2枚の基板については、 基板の厚さ を増 した り 、 基板に補強フ ィ ルムや補強フ レームを付加する こ と で比較的安易にその耐性を上げる こ とができる。 封着部につ いては、 硬いフ リ ツ 卜ガラスの使用や封着幅の増加にょ リ 耐 性を上げる こ とができる。

また、 近年では、 平面型表示装置の特性向上や低コス ト化 鉛 レス化を図る 目 的で、 高融点のフ リ ツ トガラスではな く 、 接着剤や低融点金属材料を封着材料と して用いる提案がなさ れている。 しか しながら、 このよ う な封着材料を用いた外囲 器では、 フ リ ッ トガラスやガラス製基板などに比べて封着部 が柔らか く なって しま う 。 そのため、 外囲器に作用する応力 によ り 封着部がずれた り 、 ある いは封着性が劣化する恐れが 大き く なる。 特に、 基板の板厚が大き く 頑強な平面型表示装 置や、 2枚の基板の隙間が大きい F E Dや S E Dなどの平面 型表示装置では、 外囲器のたわみによ り 、 封着部に作用する 応力が大き く なる。

発明の開示

この発明は、 上述 した問題に鑑みなされたもので、 その目 的は、 封着部のずれや封着性劣化を防止 し、 信頼性の向上 し た平面型表示装置を提供する こ と にある。

上記課題を解決するため、 本発明の態様に係る平面型表示 装置は、 対向配置された前面基板および背面基板と 、 上記前 面基板および上記背面基板の周縁部間に位置 し これらの周縁 部同士を封着材料で封着 した封着部と 、 上記封着部の少な く と も一部の外側に設けられている と と もに上記封着材料よ リ も硬い芯材を有 した補強部と、 を備えている。

この発明の態様に係る平面型表示装置によれば、 上記補強 部は、 前面基板と背面基板との間に接着材料を介 して芯材を 埋め込んだ構造、 あるいは、 前面基板あるいは背面基板の一 方に芯材を接着材料で固定 し、 背面基板ある いは前面基板の 他方の端面を芯材で受け止める構造と している。

上記のよ う に構成された平面型表示装置によれば、 封着部 の外側で前面基板および背面基板の周縁部に補強部を設ける こ と によ り 、 基板の周縁部に作用する外力を上記補強部で受 け止め、 封着部に作用する外力 を大幅に低減する こ と可能と なる。 これによ り 、 外力が作用 した場合でも封着部のずれや 封着性劣化を防止 し、 信頼性および表示特性の向上 した平面 型表示装置を得る こ とができる。

図面の簡単な説明

図 1 は の発明の第 1 の実施形態に係る F E D を示す斜 視図。

図 2 は 図 1 の線 II一 I I に沿った上記 F Dの断面図。 図 3 は 上記 F E Dの平面図。

図 4 は この発明の第 2 の実施形態に係る F E Dの一部を 模式的に示す平面図。

図 5 は、 この発明の第 3 の実施形態に係る F E Dの一部を 模式的に示す平面図。

図 6 は、 図 5 の線 VI— VI に沿った F E Dの断面図。 図 7 は の発明の第 4 の実施形態に係る F E D を示す平 面図。

図 8 は、 図 7 の線 VIII— VIII に沿つた断面図。

図 9 は、 この発明の更に他の実施形態に係る F E D を示す 断面図。

発明を実施するための最良の形態

以下、 図面を参照 しながら、 この発明を平面型表示装置と しての F E D に適用 した実施の形態について詳細に説明する 図 1 および図 2 に示すよ う に、 F E Dは、 それぞれ透明な 矩形状の絶縁基板、 例えば、 ガラス板からなる背面基板 1 1 および前面基板 1 2 を備え、 これらの基板は所定の隙間を置 いて対向配置されている。 背面基板 1 1 および前面基板 1 2 は封着部 1 3 によ り 周縁部同志が封着され、 偏平な矩形状の 真空外囲器 1 0 を構成 している。 封着部 1 3 は矩形枠状に形 成され、 背面基板 1 1 および前面基板 1 2 の周縁部間に位置 している と も もに、 これら基板の全周に渡って延びている。 前面基板 1 2 の内面には蛍光体スク リ ーン 1 6 が形成され ている。 この蛍光体スク リ ーン 1 6 は、 赤、 青、 緑の蛍光体 層、 および遮光層を並べて構成されている。 これらの蛍光体 層はス ト ライ プ状あるいは ドッ 卜状に形成されている。 蛍光 体スク リ ーン 1 6上には、 アル ミ ニウム等か らな リ アノ ー ド 電極と して機能するメ タ ルバッ ク 1 7 が形成されている。 背 面基板 1 1 の内面上には、 多数の電子放出素子 1 8 がマ ト リ ッ ク ス状に設けられ、 蛍光体スク リ ーン 1 6 と対向 している 背面基板 1 1 と前面基板 1 2 との間には、 これら基板間の 間隔を維持するため、 それぞれ板状あるいは柱状に形成され た多数のスぺーサ 1 4 が配置されている。 スぺーサ 1 4 は、 その両端がそれぞれ背面基板 1 1 および前面基板 1 2 に当接 する こ と によ り 、 これらの基板に作用する大気圧荷重を支持 し、 基板間の間隔を所定値に維持 している。

背面基板 1 1 および前面基板 1 2 は、 例えば、 それぞれ 3 0 〜 5 0 "サイ ズで厚さ約 3 m m弱のガラス板で構成され、 スぺ一サ 1 4 によ り約 1 m mの隙間を置いて対向 している。 封着部 1 3 は、 低融点金属材料、 例えば、 イ ンジウムによ リ 幅約 2 m mに形成されている。

図 2 および図 3 に示すよ う に、 封着部 1 3 の外側で、 背面 基板 1 1 および前面基板 1 2 の 4辺には、 封着部を補強する 補強部 2 0 がそれぞれ設け られている。 各補強部 2 0 は、 細 長い板状の芯材 2 2 と接着材料 2 4 と を有 している。 芯材 2 2 は、 接着材料 2 4 を介 して背面基板 1 1 および前面基板 1 2 の周縁部間に挟み込んで固定され、 封着部 1 3 の近傍で対 応する辺に沿って延びている。 こ こでは、 各補強部 2 0 は、 基板の各辺において、 角部を除 く ほぼ全長に渡って配置され ている。

各芯材 2 2 は、 例えば、 厚さ約 0 . 8 m m、 幅 6 m mの矩 形断面を有 したガラス製 リ ブによ り 形成されている。 接着材 料 2 4 と しては、 例えば、 無機系接着剤が用いられている。 接着材料 2 4 は、 芯材 2 2 の外面と 、 背面基板、 前面基板お よび封着部 1 3 との間に隙間に充填され、 層厚が約 0 . 1 m m程度となっている。 上記構成の F E D では、 背面基板 1 1 上に形成された配線 を介 して電子放出素子 1 8 に電圧を印加する こ と によ り 、 電 子放出素子は蛍光体スク リ ーン 1 6 に向けて電子を放出する これによ り 、 蛍光体スク リ ーン 1 6 の蛍光体層が励起されて 発光 し、 画像を表示する。

次に、 上記のよ う に構成された F E Dの製造方法について 説明する。

例えば、 3 6 イ ンチサイ ズの T V用 F E D を製造する場合 背面基板 1 1 および前面基板 1 2 と して、 板厚 3 m m弱のガ ラス板を用意する。 背面基板 1 1 上に電子放出素子 1 8 およ び種々の配線を形成する。 フ リ ツ トガラスある いはイ ンジゥ 厶等の低融点金属封着材を用いて、 背面基板 1 1 上に予めス ぺーサ 1 4 を固定する。 前面基板 1 2 には、 蛍光体スク リ 一 ン 1 6 およびアルミ ニウム膜からなるメ タ ルバッ ク 1 7 を形 成する。

続いて、 一方の基板、 例えば、 背面基板 1 1 の表面周縁部 に沿って幅 2 m m、 厚さ 1 . 0 m mのイ ンジウムを塗布 し、 封着部 1 3 を形成する。 こ こで、 イ ンジウムは、 融点が 1 5 6 °Cと低温である こ と に加えて、 真空中で加熱されてもガス 放出が極端に小さ く 、 F E Dの特性を劣化させる こ とが少な い優れた封着材料である。 封着部 1 3 を形成する封着材料と しては、 イ ンジウムの他、 イ ンジウムを含んだ合金、 ある い は、 無機系、 樹脂系の接着剤を用いる こ とができる。

次に、 上記のよ う に して用意 した背面基板 1 1 および前面 基板 1 2 を真空槽内で封着 し、 真空外囲器 1 0 を形成する。 すなわち、 背面基板 1 1 および前面基板 1 2 を加熱 して各部 材の表面吸着ガスを放出 させ、 更に、 これらの部材を電子線 洗浄する。 続いて、 背面基板 1 1 および前面基板 1 2 を互い に対向 した状態で真空槽内に配置 した後、 封着部 1 3 を形成 するイ ンジウムを通電加熱 し十分に溶融する。 この状態で、 背面基板 1 1 および前面基板 1 2 を互いに接近する方向に加 圧 し、 イ ンジウムかなる封着部 1 3 によ り 背面基板 1 1 およ ぴ前面基板 1 2 の周縁部同士を封着する。

その後、 背面基板 1 1 および前面基板 1 2 を冷却 し、 封着 部 1 3 を固化させる こ と によ り 、 F E Dの真空外囲器 1 0 が 形成される。 次に、 背面基板 1 1 および前面基板 1 2 の各辺 において、 基板の周縁部間に接着材料 2 4 を所定量充填 した 後、 芯材 2 2 を押 し込んで基板の周縁部間に挟み込む。 この 状態で、 接着材料 2 4 を硬化させ、 補強部 2 0 を形成する。 以上の工程によ り 、 補強部 2 0 を備えた F E Dが得られる。

上記のよ う に構成された F E D によれば、 封着部 1 3 の外 側で真空外囲器 1 0 の周縁部に補強部 2 0 を設ける こ と によ リ 、 真空外囲器 1 0 に外力が作用 した場合でも封着部 1 3 の ずれや封着性劣化を防止 し、 信頼性の向上を図る こ とができ る。

詳細に述べる と 、 補強部 2 0 における接着材料 2 4 である 無機系接着剤は、 接着剤の中では比較的硬い材料であるが、 剪断力に対する硬さ は、 同 じ接着面積であれば封着材である イ ンジウムと ほぼ同程度である。 このため、 封着材ゃ接着材 料よ り も硬いガラス製 リ ブの芯材 2 2が無い補強構造では、 封着部の封着幅を増大 した程度の補強効果 しか得られず、 ィ ンジゥムで形成された封着部 1 3 に作用する応力 も特に緩和 されない。

本実施形態によれば、 補強部 2 0 を構成する芯材 2 2 は、 剪断力に対する硬さが接着材料 2 4 に比較 して 2 〜 2 0倍程 度高い。 接着材料 2 4 の層厚は 0 . 1 m m程度と十分に薄い そのため、 補強部 2 0 全体の硬さは封着部 1 3 に対 して桁違 いに大き く なる。 従って、 背面基板 1 1 および前面基板 1 2 の周縁部に作用する剪断応力は、 そのほと んどが硬い補強部 2 0 にのみ集中 し、 補強部 2 0 に対 して柔 らかいイ ンジウム で形成された封着部 1 3 にはほとんど作用 しないこ と になる 上記のよ う に、 硬い補強部 2 0 には、 これまで封着部 1 3 に作用 していた応力の大部分が集中 して作用する。 そのため 補強部 2 0 は、 降伏 しない材料で構成され、 また、 ある程度 の接着面積を有 している こ とが望ま しい。 本実施形態によれ ば、 補強部 2 0 は、 基板の各辺に渡り 約 5 〜 6 m mの接着幅 を有 し、 結果と して実用上十分なたわみ強度を得る こ とがで きる。

以上の こ とから、 本実施形態に係る F E D によれば、 補強 部 2 0 を設けた簡単な構成によ り 封着部 1 3 を有効に補強す る こ とができ、 真空外囲器 1 0 に外力が作用 した場合でも封 着部 1 3 のずれや封着性劣化を防止する こ とができる。 これ によ り 、 封着部 1 3 の気密性が高 く 、 かつ、 背面基板 1 1 お よび前面基板 1 2 間の位置ずれを防止でき、 信頼性および表 示特性の向上 した F E D を得る こ とができる。 なお、 補強部 2 0 の芯材 2 2 は、 少な く と も封着部 1 3 お よび接着材料 2 4 よ り も硬い材料で形成されていれば補強効 果を得る こ とができ、 上述 したガラスに限らず、 金属やセラ ミ ックス等で構成 しても所望の硬さ を得る こ とができる。

補強部 2 0 の接着材料 2 4 は、 上述 した無機系接着剤に限 らず、 エポキシなど樹脂系の材料、 これにシ リ カやアルミナ のフ イ ラ一を加えた材料な どでも概ね所望の硬さや補強効果 を得る こ とができる。

補強部 2 0 の形成領域は上述 した実施の形態に限る もので はな く 、 封着部 1 3 の外側で基板の全周に渡って設けられて いても よい。 補強部 2 0 は、 背面基板および前面基板の 4 辺 に限らず、 少な く と も 1 辺に沿って設け られていれば、 補強 効果を得る こ とができる。

図 4 に示す第 2 の実施形態のよ う に、 背面基板 1 1 および 前面基板 1 2 の各辺において、 複数の補強部 2 0 が間欠的に 複数設けられた構成と して も よい。 この場合においても、 上 述 した第 1 の実施形態と 同様に作用効果を得る こ とができる。

図 5 および図 6 に示す第 3 の実施形態によれば、 各補強部 2 0 を構成する芯材 2 2 は、 接着材料 2 4 を接着面に充填す るための充填部 2 6 を備えている。 充填部 2 6 は各芯材 2 2 について複数設けられ、 芯材の長手方向に間隔をおいて配置 されている。 各充填部 2 6 は、 それぞれ芯材 2 2 の長手方向 と直交する方向に延びている と と もに互いに直交 した一対の 透孔 2 8 a 、 2 8 b を有 している。 芯材 2 2 は、 接着材料 2 4 を介 して背面基板 1 1 および前面基板 1 2 の周縁部間に挟 み込んで固定され、 封着部 1 3 の近傍で基板の辺に沿って延 びている。

上記構成の補強部 2 0 を形成する場合、 まず、 背面基板 1 1 および前面基板 1 2 の各辺において、 基板の周縁部間に芯 材 2 2 を装填する。 その後、 各充填部 2 6 の透孔 2 8 a 、 2 8 b から接着材料 2 4 を注入 し、 接着面に誘導する。 すなわ ち、 充填部 2 6 を通 して芯材 2 2 の外面と 、 背面基板、 前面 基板および封着部 1 3 との間の隙間に接着材料 2 4 を充填す る。 その後、 接着材料 2 4 を硬化させる こ と によ り 、 補強部 2 0が形成される。

上記構成の F E Dによれば、 補強部 2 0 の芯材 2 2 は充填 部 2 6 を備えているため、 芯材を背面基板 1 1 および前面基 板 1 2 の周縁部間に装填 した後、 充填部を通 して接着材料 2 4 を接着面に充填する こ とができる。 この場合、 芯材 2 2 の 外面と 、 背面基板、 前面基板および封着部 1 3 との間の隙間 に位置する接着材料 2 4 の層厚を、 前述 した第 1 の実施形態 に比較 して薄 く 形成する こ とが可能と なる。 そ して、 接着材 料層を薄 〈 できる分だけ、 芯材 2 2 を大き く する こ とができ、 補強部 2 0 による補強効果を一層向上する こ とができる。

なお、 第 3 の実施形態において、 他の構成は第 1 の実施形 態と 同一であ り 、 同一の部分には、 同一の参照符号を付 して その詳細な説明を省略する。 第 3 の実施形態においても、 第 1 の実施形態と 同様の作用効果を得る こ とができる。

補強部 2 0 の長さが短い場合、 充填部 2 6 は各補強部に少 な く と も 1 つ設けられていればよい。 各充填部 2 6 は、 芯材 2 2 の外面と、 背面基板、 前面基板および封着部 1 3 との間 の隙間に開口 した少な く と も 1 つの流出口 と 、 真空外囲器 1 0 の外方に開口 した少な く と も 1 つの注入口 と 、 を備えてい ればよい。 充填部 2 6 は、 上述 した透孔に限らず、 芯材 2 2 の表面に形成された溝によ って構成してもよい。

次に、 この発明の第 4 の実施形態に係る F E D について説 明する。 前述 した実施の形態では、 各補強部の芯材は、 接着 材料 2 4 を介 して背面基板 1 1 および前面基板 1 2 の周縁部 間に挟み込んで固定され、 封着部 1 3 の近傍で基板の辺に沿 つて延びている。 これに対 して、 第 4 の実施形態によれば、 補強部 2 0 は真空外囲器 1 0 の各角部にそれぞれ設けられて いる。 各補強部 2 0 はほぼ L字状に折れ曲がつた芯材 2 2 を 有 している。 この芯材 2 2 は、 封着部 1 3 の外側で、 背面基 板 1 1 の表面および前面基板 1 2 の角部側縁に対向 して配置 され、 これらの基板および封着部と芯材と の隙間に位置 した 接着材料 2 4 によ り 固定されている。 他の構成は、 前述 した 第 1 の実施形態と 同一であ り 、 同一の部分には、 同一の参照 符号を付 してその詳細な説明を省略する。

第 4 の実施形態によれば、 前面基板 1 2 と補強部 2 0 と の 関係は剪断ではな く 圧縮 （引張） の関係と なるため、 芯材 2 2 は、 前面基板との接着面積が基板の厚さ程度の面積でも十 分な降伏強さ を確保する こ とができる。 剪断と なる背面基板 1 1 と補強部 2 0 との強度については、 駆動配線な どが存在 しない背面基板 1 1 上面角部の大きな面積を活用する こ とで、 補強部 2 0 による基板角部のみの補強でも十分な補強効果を 得る こ とができる。 従って、 第 4 の実施形態においても、 第 1 の実施形態とほぼ同様の作用効果を得る こが可能と なる。 なお、 補強部 2 0 は、 一方の基板を間に挟んで少な く と も 2 つ対向 して設けられていればよ く 、 また、 角部に限らず、 基板の辺に隣接 して設けた場合でも補強効果を発揮する こ と ができる。 第 4 の実施形態においても、 接着材料を接着面に 充填するための前述した充填部を各芯材 2 2 に設け、 芯材を 基板に対 して所定位置に配置 した後、 接着材料を充填する構 成と しても良い。

上述 した第 1 ない し第 4 の実施形態において、 背面基板 1 1 および前面基板 1 2 の周縁部同士を封着 した封着部 1 3 は、 封着材料のみによ り構成 したが、 これに限定される こ と はな い。 図 9 に示すよ う に、 封着部 1 3 は、 例えばガラスからな る枠状の側壁 3 0 、 および側壁と背面基板 1 1 との間および 側壁と前面基板 1 2 との間にそれぞれ設けた封着材料 3 2 を 組合わせて構成してもよい。

その他、 この発明は上述 した実施の形態に限定される こ と な く 、 この発明の範囲内で種々変形可能である。 例えば、 こ の発明は F E Dに限らず、 S E Dや P D P等の他の平面型表 示装置にも適用する こ とができる。 各構成部材の寸法、 形状 等は、 必要に応 じて種々変形可能である。 特に、 補強部を構 成する芯材の形状は、 矩形断面を有 した板状に限らず、 任意 の形状とする こ とができる。

産業上の利用可能性

以上詳述 したよ う に、 この発明によれば、 簡単な構成によ リ 封着部を有効に補強する こ とができ、 封着部のずれや封着 性劣化を防止 し、 信頼性の向上 した平面型表示装置を提供す る こ とができる。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 対向配置された前面基板および背面基板と 、 上記前面基板および上記背面基板の周縁部間に位置し これ らの周縁部同士を封着材料で封着 した封着部と 、

上記封着部の少な く と も一部の外側に設けられている と と もに上記封着材料よ り も硬い芯材を有 した補強部と 、

を備えた平面型表示装置。

2 . 上記補強部の芯材は、 上記前面基板および背面基 板の周縁部間に、 接着材料を介 して固定されている請求項 1 に記載の平面型表示装置。

3 . 上記補強部は、 上記前面基板および背面基板の少 な く と も 1 辺のほぼ全長に渡って設けられている請求項 2 に 記載の平面型表示装置。

4 . 上記補強部は、 上記前面基板および背面基板の少 な く と も 1 辺に沿って間欠的に複数設け られている請求項 2 に記載の平面型表示装置。

5 . 上記補強部の芯材は、 上記前面基板および背面基 板の一方の基板の表面および他方の基板の側縁に対向 し、 接 着材料を介 して上記表面および端縁に固定されている請求項 1 に記載の平面型表示装置。

6 . 上記補強部の芯材は、 上記他方の基板の側縁の複 数箇所にそれぞれ対向 して複数個設けられている請求項 5 に 記載の平面型表示装置。

7 . 上記芯材は、 上記前面基板および背面基板の外方 から供給される接着材料を、 上記前面基板および背面基板と 上記芯材との間の接着面に導く 充填部を有 している請求項 2 ない し 6 のいずれか 1 項に記載の平面型表示装置。

8 . 上記芯材は、 ガラス、 セラ ミ ッ クス、 金属のいず れかで形成されている請求項 1 ない し 6 のいずれか 1 項に記 載の平面型表示装置。

9 . 上記接着材料は、 無機系接着剤、 樹脂系接着剤の いずれかである請求項 1 ない し 6 のいずれか 1 項に記載の平 面型表示装置。

1 0 . 上記封着材料は、 接着剤、 低融点金属のいずれか である請求項 1 ない し 6 のいずれか 1 項に記載の平面型表示 装置。

1 1 . 上記封着材料は、 イ ンジウムまたはイ ンジウム合 金を含む低融点金属材料である請求項 1 ない し 6 のいずれか 1 項に記載の平面型表示装置。

1 2 . 上記前面基板と上記背面基板との隙間が 1 m m以 上である請求項 1 ない し 6 のいずれか 1 項に記載の平面型表 示装置。

1 3 . 上記前面基板の内面に形成された蛍光面と、 上記 背面基板上に設けられ上記蛍光面を励起する複数の電子放出 源と 、 上記前面基板と背面基板との間に設けられた複数のス ぺーサと 、 を備えた請求項 1 ない し 6 のいずれか 1 項に記載 の平面型表示装置。