WO2004012533A1

WO2004012533A1 - レトルト殺菌用圧力容器並びにレトルト殺菌方法

Info

Publication number: WO2004012533A1
Application number: PCT/JP2002/013266
Authority: WO
Inventors: Seiji Seki
Original assignee: Seiji Seki
Priority date: 2002-08-02
Filing date: 2002-12-18
Publication date: 2004-02-12
Also published as: JP2004065033A; JP3450319B1

Abstract

安価に構成して設備可能なレトルト殺菌専用のレトルト殺菌用圧力容器並びにこのレトルト殺菌用圧力容器を用いた簡易なレトルト殺菌方法を提供するものである。容器本体の上部開口部に圧力蓋を開閉自在に設けると共に、この圧力蓋は閉塞ロック機構を介して容器本体の上部開口部を密閉閉塞し得るように構成し、この容器本体と圧力蓋とは、密閉閉塞状態で1.5気圧以上の内圧に耐え得るように強度を設定構成し、この容器本体若しくは圧力蓋に容器本体内の蒸気を容器本体外へ排出する安全弁装置を設け、この容器本体若しくは圧力蓋に、密閉閉塞された容器本体内が120℃以上になったことを報知する報知機能付温度計を設け、前記容器本体内にレトルト殺菌用の食品入り容体を収容する通気性を備えた収容体を配設したレトルト殺菌用圧力容器である。

Description

明細書レトルト殺菌用圧力容器並びにレトルト殺菌方法

技術分野

本発明は、レトルト殺菌用圧力容器並びにレトルト殺菌方法に関するものである。

背景技術

レトルト殺菌は、例えば袋詰め食品などを殺菌圧力釜内に入れて加圧加熱殺菌することで行われる。

しかし、このレトルト殺菌に使用される殺菌圧力釜は、非常に大型で数千万円もの設備投資を要するものであり、実質的に資金の豊富な大企業でなければ設備することは難しいという現状でめつ 7こ。

本発明は、このような現状に鑑みて発案されたもので、安価に構成して設備可能となる画期的なレトルト殺菌専用のレトルト殺菌用圧力容器並びにこのレトルト殺菌用圧力容器を用いた簡易なレトルト殺菌方法を提供するものである。発明の開示

添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。

容器本体の上部開口部に圧力蓋を開閉自在に設けると共に、この圧力蓋は閉塞口ック機構を介して容器本体の上部開口部を密閉閉塞し得るように構成し、この容器本体と圧力蓋とは、密閉閉塞状態にして加熱した際に容器本体内が 1 2 0 °C以上となる内圧に耐え得るように強度を設定構成し、この容器本体若しくは圧力蓋に容器本体内の蒸気を容器本体外へ排出する安全弁装置を設け、この容器本体若しくは圧力蓋に、密閉閉塞された容器本体内が 1 2 0 °C以上になったことを報知する報知機能付温度計を設け、前記容器本体内に収容するレトルト殺菌用の食品入り容体を、少なくとも容器本体内面との間に隙間を介在した状態で保持せしめる隙間介在具をこの容器本体内に配設したことを特徵とするレトルト殺菌用圧力容器に係るものである。また、前記隙間介在具は、レトルト殺菌用の前記食品入り容体を収容する通気性を備えた収容体に構成し、この収容体に食品入り容体を収容することで、この食品入り容体は少なくとも容器本体内面との間に隙間を介在した状態に保持せしめられる構成としたことを特徴とする請求項 1記載のレトルト殺菌用圧力容器に係るものである。

また、前記収容体は、この収容体の外周部が前記容器本体の内周面との間に隙間を介在した状態で容器本体内に配設する構成として、この収容体内に収容した前記食品入り容体が容器本体内周面との間に隙間を介在するようにしたことを特徴とする請求項 2記載のレトルト殺菌用圧力容器に係るものである。

また、前記収容体の外径寸法を、前記容器本体の内径寸法よりも小さく形成することで、この収容体の外周部が容器本体の内周面とに隙間を介在した状態で容器本体内に配設する構成としたことを特徵とする請求項 2， 3のいずれか 1項に記載のレトルト殺菌用圧力容器に係るものである。また、前記収容体は、この収容体の底部が容器本体内の底面との間に隙間を介在した状態で容器本体内に配設する構成として、この収容体内に収容した前記食品入り容体が容器本体内底面との間に隙間を介在するようにしたことを特徵とする請求項 2〜4のいずれか 1項に記載のレトルト殺菌用圧力容器に係るものである。

また、前記収容体の底部に、この収容体を前記容器本体内底面に対して底上げ状態で載置し得る載置台を設け、この載置台により収容体の底部が容器本体内の底面との間に隙間を介在した状態で容器本体内に配設する構成としたことを特徴とする請求項 2 ~ 5のいずれか 1項に記載のレトルト殺菌用圧力容器に係るものである。

また、前記収容体内を、通気性を有する仕切部で複数区画に仕切り、この各区画部内に前記食品入り容体を収容し得るように構成したことを特徴とする請求項 2〜 6のいずれか 1項に記载のレトルト殺菌用圧力容器に係るものである。

また、前記容器本体は、直径が 4 2 0 mm程度、高さが 3 0 0 mm程度、内容量が 2 6 リットル程度の小型容器に構成したことを特徵とする請求項 1〜 7のいずれか 1項に記載のレトルト殺菌用圧力容器に係るものである。

また、前記報知機能付温度計は、前記圧力蓋によって密閉閉塞された前記容器本体内が 1 2 5 °Cになつたことを報知するように構成したことを特徴とする請求項 1〜 8のいずれか 1項に記載のレトル卜殺菌用圧力容器に係るものである。

また、殺菌する食品を容体に入れ、この食品を入れた容体を真空包装し、この真空包装した食品入り容体を、前記請求項 1 〜 9のいずれか 1項に記載のレトルト殺菌用圧力容器内に収容すると共に、この食品入り容体は隙間介在具により少なくとも容器本体内面との間に隙間を介在せしめ、この食品入り容体を容器本体内に収容する前若しくは後にこの容器本体内に水を入れ、容器本体の上部開口部を閉塞口ック機構を介して圧力蓋で密閉閉塞し、この密閉閉塞したレトルト殺菌用圧力容器を加熱し、報知機能付温度計により容器本体内が 1 2 0 °C以上になつたことが報知されると加熱を終了することを特徴とするレトルト殺菌方法に係るものである。

また、前記食品入り容体を収容して密閉閉塞した前記容器本体内が、加熱により 1 2 5でになったことが前記報知機能付温度計によって報知されると加熱を終了することを特徴とする請求項 1 0記載のレトルト殺菌方法に係るものである。図面の簡単な説明

図 1は本実施例を示す正面図である。図 2は本実施例の容器本体を一部省略した分解斜視図である。図 3は本実施例の収容体を示す斜視図である。図 4は本実施例の収容体を示す平面図である。図 5は本実施例の加熱状態を示す説明図である。発明を実施するための最良の形態

好適と考える本発明の実施の形態（発明をどのように実施するか）を、図面に基づいてその作用効果を示して簡単に説明する。容器本体 1内に、例えば、食品を真空包装した食品入り容体 6を収容すると共に、この食品入り容体 6を容器本体 1内に配設された隙間介在具 7により少なくとも容器本体 1内面との間に隙間 8を介在した状態で保持する。

次いで、例えば、この容器本体 1内に水 13を入れ、上部開口部 1 Aを圧力蓋 2で密閉閉塞し、閉塞ロック機構 3によりこの密閉閉塞状態を口ックしてこのレトルト殺菌用圧力容器を加熱する。尚、予め容器本体 1内に水 13を入れておいてから、この容器本体 1内に食品入り容体 6を収容しても良い。

すると、この容器本体 1内では加熱により水 13が蒸発して蒸気が発生するが、この蒸気は、少なくとも容器本体 1内面と食品入り容体 6との間にある隙間 8を介して容器本体 1内で良好に対流することになるため、この対流する蒸気により食品入り容体 6が良好に加熱され、しかも、この容器本体 1内は、閉塞口ック機構 3により高い密閉性が維持されているために内圧力が上昇して温度が上昇し、これにより食品入り容体 6内の食品は加圧加熱殺菌されることになる。

また、この際、安全弁装置 4により、容器本体 1内の蒸気は適度に外部へ排出されることになり、しかも、この容器本体 1 と圧力蓋 2とは、密閉閉塞状態で 1 2 0 °C以上となる内圧に耐え得るように強度を設定構成したため、加熱により容器本体 1 内が高圧となっても壊れることはない。

そして、容器本体 1内がレトルト殺菌に必要な 1 2 0 °C以上になると、このことを報知機能付温度計 5が報知し、これにより殺菌終了となったことがわかるため、加熱を終了する。即ち、本発明のレトルト殺菌用圧力容器は、従来の市販の調理用圧力釜（鍋）と同様に、例えば単にコンロ 12などで加熱することにより、容器本体 1内の内圧が上昇し、この加圧加熱作用によりレトルト殺菌用の高圧釜と略同様な機能を発揮してレトルト殺菌が行われる構成である。

従って、本発明のレトルト殺菌用圧力容器は、全てが新規な構造ではなく、基本構造は市販の調理用圧力釜（鍋）などの構造を踏襲するものであり、これに加えて、容器本体 1と圧力蓋 2との耐久強度をレトルト殺菌が可能となる温度までの高圧力に耐え得る構造とすると共に、報知機能付温度計 5と隙間介在具 7とを追加するだけで構成できるため、この構成は簡易に設計実現可能な構成であり、量産性に秀れ安価な製品を提供可能となる。

従って、数千万円もする大型のレトルト殺菌用圧力釜を要せずとも、本発明のレトルト殺菌用圧力容器を使用することで十分に食品に対するレトルト殺菌を行うことが可能となり、この本発明のレトルト殺菌用圧力容器を用いたレトルト殺菌設備は、上記したように安価に構成可能であるため少額の投資で設備可能となる極めて実用性に秀れた従来にない画期的なレトルト殺菌用圧力容器並びにレトルト殺菌方法となる。

尚、過去十数年も前から行われてきているレトルト殺菌において、この本発明のような簡易なレトルト殺菌専用の加圧加熱容器はこれまでに全く考えられておらず、故に本発明のレトルト殺菌用圧力容器は、このレトルト殺菌の分野では極めて画期的となる。また、例えば、前記隙間介在具 7は、レトルト殺菌用の前記食品入り容体 6を収容する通気性を備えた収容体 17に構成し、この収容体 17に食品入り容体 6を収容することで、この食品入り容体 6は容器本体 1内面との間に隙間 8を介在した状態に保持せしめられる構成とすれば、単に、食品入り容体 6を収容体 17に収容するだけで食品入り容体 6と容器本体 1内面との間に隙間 8を介在することができ、しかも、この収容体 17は通気性を有するため、食品入り容体 6の周囲を蒸気が良好に対流して —層効率的に加熱殺菌がなされることになるなど、一層実用的となる。

また、例えば、前記収容体 17は、この収容体 17の外周部が前記容器本体 1の内周面との間に隙間 8を介在した状態で容器本体 1内に配設する構成としたり、この収容体 17の底部が容器本体 1内の底面との間に隙間 8を介在した状態で容器本体 1内に配設する構成としたりすれば、この収容体 17内に収容した前記食品入り容体 6の周囲や下方に隙間 8が生じるために、この隙間 8で蒸気が発生し易くなる上、この隙間 8で発生した蒸気が収容体 17の周囲や下方から収容体 17内に対流するために、食品入り容体 6が極めて効率良く且つむらなく加熱されて短時間でレトルト殺菌が行われることになる。

本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。本実施例は、容器本体 1の上部開口部 1 Aに圧力蓋 2を開閉自在に密閉閉塞し得るように設けている。

具体的に説明すると、容器本体 1は、ステンレス製の円筒形容器に構成している。圧力蓋 2も、同様にステンレス製とし、市販の調理用圧力釜 (鍋）の圧力蓋と同様に、安全弁装置 4と圧力逃がし弁 9とを設け、更に密閉閉塞した容器本体 1内が加熱により 1 2 5で以上になったことをアラーム音で報知する報知機能付温度計 5を設けている。

また、本実施例では、容器本体 1の直径が 4 2 0 mm程度，内容量が 2 6リットル程度とし、この容器本体 1に圧力蓋 2を閉塞した状態で、高さが 3 0 0 聽程度となる小型の容器に構成している。

また、この圧力蓋 2が容器本体 1の上部開口部 1 Aを密閉閉塞した状態を維持する閉塞口ック機構 3を設けている。

この閉塞ロック機構 3について説明すると、容器本体 1の上部対向外側位置に取手部 10を突設する一方、容器本体 1の上部開口部 1 Aを圧力蓋 2で閉塞した際にこの取手部 10に上方から重合当接する重合部 11を圧力蓋 2の対向外側位置に突設し、この取手部 10と重合部 11との重合状態を口ックして容器本体 1と圧力蓋 2との密閉閉塞状態を維持する構成としている。

また、ステンレス製の容器本体 1 と圧力蓋 2とは、密閉閉塞状態にして加熱した際に、容器本体 1内が 1 2 0 °C以上となる内圧に耐え得るように強度を設定構成している。

具体的に説明すると、 0 . 1 5 M P a以上の内圧に耐え得るように容器本体 1と圧力蓋 2との強度を設定構成している。このような強度に設定すると、加熱時に容器本体 1や圧力蓋 2がこわれずに容器本体 1内がレトルト殺菌に必要な 1 2 0 °C以上になることが出願人の試作実験により確認されている。本実施例では、前記容器本体 1内に収容するレトルト殺菌用の食品入り容体 6を、少なくとも容器本体 1内面との間に隙間 8を介在した状態で保持する隙間介在具 7をこの容器本体 1内に配設している。

具体的に説明すると、隙間介在具 7は、食品入り容体 6を収容する通気性を備えた収容体 17に構成し、この収容体 17に食品入り容体 6を収容することで、この食品入り容体 6は容器本体 1内面との間に隙間 8を介在した状態に保持される構成としている。

この収容体 17について具体的に説明すると、図 2〜図 4に示すように、通気性のある金属網を平面視丸型の籠状に組んで構成し、更に、内部には中心部で十文字状に交差する金属網状の仕切部 17 Bを形成している。

また、この収容体 17は、その外径寸法を前記容器本体 1の内径寸法よりも径小となる寸法に設定構成して、容器本体 1内に収納配設した際に、この収容体 17の全周と容器本体 1の内周面全周とに隙間 8を生じた状態にして配設できるように構成している。

また、この収容体 17は、容器本体 1内底面より底上げ状態に配設して、この収容体 17底部と容器本体 1底面との間にも隙間 8を生じるように構成している。

この収容体 17の底上げ配設構造は、収容体 17の底部に載置台 17Aを設け、この載置台 17Aにより収容体 17の底部が容器本体 1内の底面との間に隙間 8を介した状態で容器本体 1内に配設する構成としている。 0 更に詳しく説明すると、本実施例では、図 2，図 5に示すように容器本体 1と載置台 17 Aとを別体とし、容器本体 1内底面に載置台 17 Aを載置し、この載置台 17 A上に収容体 17を載置することで、前記容器本体 1内底面より収容体 17が底上げ状態で配設するように構成している。

また、この載置台 17 Aは、断面コ字形のチヤンネル材を十文字状に組んで形成し、この十文字状の載置台 17 Aを容器本体 1 の内部底面に載置し、その上に前記収容体 17を載置すると、収容体 17が容器本体 1内底面より底上げ状態となり、且つ載置台 17Aのないところでは容器本体 1内底面と収容体 17の底部との間に隙間 8が生じるように構成している。

また、本実施例では、容器本体 1内に二体の収容体 17を積み重ね状態にして配設し得るようにこの収容体 17の高さを設定構成し、載置台 17 Aの上部に二段に積み重ねた収容体 17を載置し得る隙間介在具 7に構成した場合を示している。

次に、本実施例の具体的なレトルト殺菌方法を説明する。先ず、殺菌する食品をレトルト殺菌専用の容体に入れ、この食品を入れた容体を真空包装する。

次いで、この真空包装した食品入り容体 6を、収容体 17内の仕切部 17 Bで仕切られた各区画部に多数収容し、この食品入り容体 6を収容した収容体 17を二段に積み重ねて容器本体 1内に配設する。

この際、例えば、食品入り容体 6内で食品を一側に偏らせておき（例えば重力により下方へ偏らせておき）、図 4に示すようにこの食品が存している食品入り容体 6の一側を収容体 17の円周側（外側）に向けて複数の食品入り容体 6を並設状態に収容すると、非常に収まり良く食品入り容体 6を収容することができ、多量の食品入り容体 6を一度の加熱で殺菌することが可能となる。尚、前述のような大きさに構成した本実施例の容器本体 1内には、二体の収容体 17内に全部で 1 0 0個程度の食品入り容体 6を収容することができる。

次いで、この容器本体 1内に八分目位まで水 13を入れ、この容器本体 1の上部開口部 1 Aを圧力蓋 2で密閉閉塞した上、閉塞ロック機構 3によりこの密閉閉塞状態を口ックする。

そして、この密閉閉塞したレトルト殺菌用圧力容器をコンロ 12で加熱する。すると、この容器本体 1内では水 13が蒸発して蒸気が発生するが、前記収容体 17は、載置台 ΠΑにより容器本体 1内底面より底上げ状態に配設し、且つ容器本体 1内周面より離れた状態で配設しているために、この収容体 17の底にも周囲にも内側にもある隙間 8から容器本体 1内で蒸気が発生し易く、しかもこの隙間 8で発生した蒸気は、この隙間 8を対流すると共に、収容体 17の周面部と底面部とを介して収容体 17内の食品入り容体 6の周囲にくまなく対流するため、食品入り容体 6が極めて効率良く且つむらなく加熱されることになる。

また、この際、容器本体 1の内圧が所定圧以上になると前記安全弁装置 4により、容器本体 1内の蒸気は適度に容器本体 1 外に排出されることになり、しかも、この容器本体 1と圧力蓋 2とは、密閉閉塞状態で 0 . 1 5 M P a以上の内圧に耐え得るように強度を設定構成したため、加熱により内圧が高圧となつても壊れることがなく、この強固に密閉されたステンレス製の 2 容器本体 1内の圧力が上昇し、これにより容器本体 1内の温度は 1 0 0で以上にまで高温化し、短時間で確実に加圧加熱殺菌が行われることになる。

そして、容器本体 1内がレトルト殺菌に必要な 1 2 5 °Cになると、報知機能付温度計 5からアラーム音が鳴り、これを合図に加熱を終了する。尚、容器本体 1内が 1 2 5 °Cにまでなると、食品入り容体 6内も 1 2 0 °C以上になり、確実に加熱殺菌処理がなされることが確認されている。従って、このアラーム音により殺菌処理が終わったことがわかる。

尚、本実施例の場合、殺菌終了後は、籠状の収容体 17ごと多数の食品入り容体 6を容器本体 1から簡単に取り出すことができる。

このようにしてレトルト殺菌したものを、実際に出願人が食品衛生法に基づいて無菌試験を行つた結果、陰性の成績が得られ、殺菌効果が実証された。

従って、数千万円もする大型のレトルト殺菌用圧力釜を要せずとも、本実施例の小型レトルト殺菌装置（容器）を使用することで十分に食品に対する加圧加熱殺菌を行うことができた。また、本実施例のレトルト殺菌用圧力容器は、基本的には市販の調理用圧力鍋と略同等の構成を有するものであり、この基本構造に加えて、容器本体 1 と圧力盞 2との耐久強度をレトルト殺菌に必要な 1 2 0 °C以上となるまでの圧力に耐え得る構造とし、更に報知機能付温度計 5と隙間介在具 7 (収容体 17) とを追加装備するだけで構成できる。出願人の試作品によれば、容器本体 1並びに圧力蓋 2の製造に 1 0万円程度の費用を要し、 3 更に収容体 17や載置台 17 Aを含めても 2 0万円程度で非常に安価に実現できた。

よって、事実上、総費用 2 0万円程度の資金で設備を整えて本実施例のレトルト殺菌方法を行うことが可能となり、これまではレトルト殺菌設備を導入できなかった小さな企業でも容易に導入することができる。

また、従来の大型で高価な殺菌釜によるレトルト殺菌方法においては、二人若しくは三人での作業であつたが、本実施例のレトルト殺菌装置を用いたレトルト殺菌方法によれば、一人で作業を行うごとができるため、人件費も削減することになる。

尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。産業上の利用可能性

本発明は上述のように構成したから、加熱時に高い密閉性を維持でき、これにより密閉された容器本体内は加熱によって内部の圧力が良好に上昇するために圧力釜と略同様な機能を発揮して加圧加熱殺菌が可能となり、また、レトルト殺菌する食品入り容体は、少なくとも容器本体内面との間に隙間を介在した状態で加熱されるために、この隙間を介して容器本体内では蒸気が良好に対流して食品入り容体が短時間で加熱殺菌されることになり、その上、報知機能付温度計により、レトルト殺菌が終わつたことをすぐに確認できるなど、極めて実用性に秀れた画期的なレトルト殺菌用圧力容器となる。

しかも、本発明は、基本構造が市販の調理用圧力釜と略同等 4 の構成で、これに加えて容器本体と圧力蓋との耐久強度をレ卜ルト殺菌に必要な温度となるまでの内圧力に耐え得るように構成すると共に、報知機能付温度計と隙間介在具とを追加装備するだけで構成できるため、この構成は簡易に設計実現可能な構成であり、量産性に秀れ安価な製品を提供可能となる。

従って、数千万円もする大型のレトルト殺菌用圧力釜を要せずとも、請求項 1 0載の発明のような、小型で安価な本発明のレトルト殺菌用圧力容器を使用した殺菌方法で十分に食品に対する殺菌処理を行うことが可能となり、このレトルト殺菌用の設備は、上記したように安価に構成可能であるため、少額の投資で設備可能であるなど極めて実用性に秀れた画期的なレトルト殺菌用圧力容器並びにレトルト殺菌方法となる。

また、請求項 2記載の発明においては、単に、食品入り容体を収容体に収容するだけで食品入り容体と容器本体内面との間に隙間を介在することができ、しかも、この収容体は通気性を有するため、食品入り容体の周囲を蒸気が良好に対流して一層効率的に加熱殺菌がなされることになるなど、一層実用性に秀れた構成のレトルト殺菌用圧力容器となる。

また、請求項 3記載の発明においては、容器本体内で収容体の周囲に隙間が生じるために、この隙間から蒸気が発生し易くなり、しかもこの隙間に発生した蒸気が収容体の側部を介しで食品入り容体の周囲に対流するため、効率良く食品入り容体が加熱されて一層短時間で加熱殺菌が行われることになる極めて実用性に秀れたレトルト殺菌用圧力容器となる。

また、請求項 4記載の発明においては、容器本体内で収容体 5 の周囲に隙間が形成される構成を簡易に設計実現可能となる一層実用性に秀れた構成のレトルト殺菌用圧力容器となる。

また、請求項 5記載の発明においては、容器本体内で収容体の下方に隙間が生じるために、この隙間から蒸気が発生し易くなり、しかもこの隙間に発生した蒸気が収容体の底部を介して食品入り容体の周囲に対流するため、効率良く食品入り容体が加熱されて一層短時間で加熱殺菌が行われることになる極めて実用性に秀れたレトルト殺菌用圧力容器となる。

また、請求項 6記載の発明においては、収容体の底部が容器本体内の底面に対して底上げされて収容体の底部と容器本体内底面との間に隙間が形成される構成を簡易に設計実現可能となる一層実用性に秀れた構成のレトルト殺菌用圧力容器となる。また、請求項 7記載の発明においては、収容体内を仕切る仕切部も通気性を有するためにこの仕切部を介して収容体の内部にも良好に蒸気が対流することになり、これによりくまなく蒸気が対流するため、食品入り容体を多数並べて殺菌する場合であっても加熱むらを生じにくく、極めて効率良く短時間で加熱殺菌が行われることになる極めて実用性に秀れたレトルト殺菌用圧力容器となる。

また、請求項 8記載の発明においては、小型でコスト安な製品を構成できる一層実用性に秀れたレトルト殺菌用圧力容器となる。

また、請求項 9記載の発明においては、確実に食品入り容体内が 1 2 0 °C以上になってレトルト殺菌が終了したことを報知機能付温度計が報知することになる極めて実用性に秀れたレト 6 ルト殺菌用圧力容器となる。

また、請求項 1 1記載の発明においては、確実に食品入り容体内が 1 2 0 °C以上になつてレトルト殺菌が終了したことがわかる極めて実用性に秀れたレトルト殺菌方法となる。

Claims

7 請求の範囲

1 . 容器本体の上部開口部に圧力蓋を開閉自在に設けると共にこの圧力蓋は閉塞口ック機構を介して容器本体の上部開口部を密閉閉塞し得るように構成し、この容器本体と圧力蓋とは、密閉閉塞状態にして加熱した際に容器本体内が 1 2 0 °C以上となる内圧に耐え得るように強度を設定構成し、この容器本体若しくは圧力蓋に容器本体内の蒸気を容器本体外へ排出する安全弁装置を設け、この容器本体若しくは圧力蓋に、密閉閉塞された容器本体内が 1 2 0 °C以上になったことを報知する報知機能付温度計を設け、前記容器本体内に収容するレトルト殺菌用の食品入り容体を、少なくとも容器本体内面との間に隙間を介在した状態で保持せしめる隙間介在具をこの容器本体内に配設したことを特徴とするレトルト殺菌用圧力容器。

2 . 前記隙間介在具は、レトルト殺菌用の前記食品入り容体を収容する通気性を備えた収容体に構成し、この収容体に食品入り容体を収容することで、この食品入り容体は少なくとも容器本体内面との間に隙間を介在した状態に保持せしめられる構成としたことを特徴とする請求項 1記載のレトルト殺菌用圧力容器。

3 . 前記収容体は、この収容体の外周部が前記容器本体の内周面との間に隙間を介在した状態で容器本体内に配設する構成として、この収容体内に収容した前記食品入り容体が容器本体内周面との間に隙間を介在するようにしたことを特徴とする請求項 2記載のレトルト殺菌用圧力容器。

4 . 前記収容体の外径寸法を、前記容器本体の内径寸法よりも小さく形成することで、この収容体の外周部が容器本体の内周面とに隙間を介在した状態で容器本体内に配設する構成としたことを特徵とする請求項 2， 3のいずれか 1項に記載のレトルト殺菌用圧力容器。

5 . 前記収容体は、この収容体の底部が容器本体内の底面との間に隙間を介在した状態で容器本体内に配設する構成として、この収容体内に収容した前記食品入り容体が容器本体内底面との間に隙間を介在するようにしたことを特徵とする請求項 2 ~ 4のいずれか 1項に記載のレトルト殺菌用圧力容器。

6 . 前記収容体の底部に、この収容体を前記容器本体内底面に対して底上げ状態で載置し得る載置台を設け、この載置台により収容体の底部が容器本体内の底面との間に隙間を介在した状態で容器本体内に配設する構成としたことを特徴とする請求項 2〜 5のいずれか 1項に記載のレトルト殺菌用圧力容器。

7 . 前記収容体内を、通気性を有する仕切部で複数区画に仕切り、この各区画部内に前記食品入り容体を収容し得るように構成したことを特徴とする請求項 2〜 6のいずれか 1項に記載のレトルト殺菌用圧力容器。

8 . 前記容器本体は、直径が 4 2 O mm程度、高さが 3 0 0 ππη程度、内容量が 2 6 リットル程度の小型容器に構成したことを特徴とする請求項 1〜 7のいずれか 1項に記載のレトルト殺菌用圧力容器。

9 . 前記報知機能付温度計は、前記圧力蓋によって密閉閉塞された前記容器本体内が 1 2 5 °Cになつたことを報知するように 9 構成したことを特徴とする請求項 1〜 8のいずれか 1項に記載のレトルト殺菌用圧力容器。

1 0 . 殺菌する食品を容体に入れ、この食品を入れた容体を真空包装し、この真空包装した食品入り容体を、前記請求項 1〜 9のいずれか 1項に記載のレトル卜殺菌用圧力容器内に収容すると共に、この食品入り容体は隙間介在具により少なくとも容器本体内面との間に隙間を介在せしめ、この食品入り容体を容器本体内に収容する前若しくは後にこの容器本体内に水を入れ、容器本体の上部開口部を閉塞口ック機構を介して圧力蓋で密閉閉塞し、この密閉閉塞したレトルト殺菌用圧力容器を加熱し、報知機能付温度計により容器本体内が 1 2 0 °C以上になったことが報知されると加熱を終了することを特徴とするレトルト殺菌方法。

1 1 . 前記食品入り容体を収容して密閉閉塞した前記容器本体内が、加熱により 1 2 5 °Cになったことが前記報知機能付温度計によって報知されると加熱を終了することを特徴とする請求項 1 0記載のレトルト殺菌方法。