JP2005333930A - 加圧殺菌装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 カバーの載置状態に拘わらず、被殺菌物を常に均一に加圧殺菌することができる加圧殺菌装置を提供する。
【解決手段】 チャンバー5内の底部から所定高さの位置の側壁に配設され、当該チャンバー5内の温度を検出する温度センサー32と、チャンバー5内の圧力を検出する圧力センサー40と、制御手段としての制御ユニット33を備え、制御ユニット33により、チャンバー5内で蒸気を発生させて被殺菌物3・・を加圧殺菌した後、給水手段によりチャンバー5内に冷却水を供給し、且つ、加圧空気を供給して被殺菌物3・・を加圧下で冷却する加圧殺菌装置において、ヒータカバー7は、ヒータ6の上方を覆う上面部と、この上面部の周囲から下方に突出する複数の脚部を有し、各脚部には通気孔を形成して、ヒータカバー7の全周から略均等に蒸気が上昇する構造とする。
【選択図】図1
【解決手段】 チャンバー5内の底部から所定高さの位置の側壁に配設され、当該チャンバー5内の温度を検出する温度センサー32と、チャンバー5内の圧力を検出する圧力センサー40と、制御手段としての制御ユニット33を備え、制御ユニット33により、チャンバー5内で蒸気を発生させて被殺菌物3・・を加圧殺菌した後、給水手段によりチャンバー5内に冷却水を供給し、且つ、加圧空気を供給して被殺菌物3・・を加圧下で冷却する加圧殺菌装置において、ヒータカバー7は、ヒータ6の上方を覆う上面部と、この上面部の周囲から下方に突出する複数の脚部を有し、各脚部には通気孔を形成して、ヒータカバー7の全周から略均等に蒸気が上昇する構造とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば未調理食材或いは調理済食品を軟質の包装容器に収納した食品等の被殺菌物を加熱殺菌する加圧殺菌装置に関するものである。
従来この種加圧殺菌装置は、プラスチック等の軟質の包装容器に密閉した加工済みの未調理食材や調理済み食品等の被殺菌物を加熱殺菌するものであり、被殺菌物を収容して殺菌を行うチャンバーと、このチャンバー内の底部に配設され、当該チャンバー内に貯留した蒸気発生用の水を加熱して蒸気を発生させるヒータ等の加熱手段と、チャンバー内の底部に載置されて加熱手段を覆うカバーと、チャンバー内に給水するための給水手段と、チャンバー内に加圧空気を供給するための加圧手段と、チャンバー内から排気するための排気手段と、チャンバー内の側壁に設置され、当該チャンバー内の温度を検出するための温度センサーと、チャンバー内の圧力を検出するための圧力センサーと、上記各手段を制御する制御手段等により構成されている。
上記カバーは、図7に示す如く前記被殺菌物を載置するための上面部107Aと、この上面部107Aの周囲から下方に突出した脚部107Bにより構成されている。そして、係るカバー107は、矩形状の板材の4角を切断して略八角形の板材とした後、当該略八角形の板材の辺を一つおきに所定の幅で直角に折り曲げるという簡単な加工で形成されていた。
ここで、当該加圧殺菌装置における被殺菌物の殺菌処理動作を説明する。尚、カバー107は脚部107Bが前記温度センサーの略真下の方向に向くようにチャンバー内底部に載置しておく。加圧殺菌装置の電源をONし、チャンバー内に蒸気発生用の水を注水した後、被殺菌物をカバー107の上面部107Aに設置して、チャンバーの蓋を閉めると、加圧殺菌装置の運転が開始される。
制御手段は、先ずヒータ(加熱手段)に通電して、上記チャンバー内に注水した水を加熱すると共に、排気手段によりチャンバー内の空気を排出する。即ち、排気手段の排気用電磁弁を開いて、水の加熱により発生した蒸気によりチャンバー内の空気を外部に排出しながらチャンバー内に飽和蒸気を発生させる。この場合、発生した蒸気はカバー107の脚部107Bが存在しない通気部(脚部107Bの間)から立ちのぼっていくことになる。
そして、温度センサーにて検出されるチャンバー内の温度が所定の設定温度に達すると、制御手段は前記排気用電磁弁を閉じ、その後、予め設定した殺菌設定温度に到達すると、制御手段はヒータの通電を制御することで当該殺菌設定温度に維持して所定時間殺菌処理を行う。
殺菌処理時間が終了すると、加圧手段によりチャンバー内を殺菌処理時より高い圧力に加圧すると共に、給水手段によりチャンバー内に給水して被殺菌物を加圧冷却していた(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−253141号公報
ここで、前述する如くカバー107は略八角形の板材を所定の幅で一つおきに直角に折り曲げたものを脚部107Bとしているため、当該脚部107Bの横幅が大きくなる関係上、カバー107を載置したときの向きにより温度センサーにて検出されるチャンバー内の温度に大きな相違が生じてくる。即ち、カバー107の脚部107Bが温度センサーの真下の方向に向くように載置した場合には、立ちのぼる蒸気は脚部107Bによりせき止められ、温度センサーに直接当たる量が少なくなるため、当該温度センサーにて検出されるチャンバー内の温度上昇は緩やかになる。
一方、温度センサーの直下の方向に脚部107Bが位置しないようにカバー107を載置した場合には、脚部107Bの間から立ちのぼる蒸気が温度センサーに直接多量にあたるようになるため、温度センサーが検出するチャンバー内の温度上昇が急峻となる。
そこで、従来カバー107を温度センサーが脚部107Bの直上に位置するように底部に載置した状態を正規な載置状態とし、制御手段はこの場合の温度センサーにて検出されるチャンバー内の温度に基づき温度及び圧力等を制御するものとすると、当該カバー107が正規な状態で載置されなかった場合(温度センサーの直下の方向に脚部107Bが位置しないようにカバー107が載置された場合)、温度センサーに想定しているより多くの蒸気があたるため、温度センサーが検出するチャンバー内の温度上昇が早くなり、被殺菌物が充分に加熱されていないにも拘わらず、加圧殺菌動作が開始されてしまうようになる。
そのため、被殺菌物の温度上昇が不十分となって、被殺菌物の加圧殺菌を良好に行うことができなくなると云う問題が生じていた。
本発明は、係る技術的課題を解決するために成されたものであり、カバーの載置位置に拘わらず、被殺菌物を常に均一に加圧殺菌することができる加圧殺菌装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明の加圧殺菌装置は、被殺菌物を収容して殺菌を行うチャンバーと、このチャンバー内の底部に配設され、当該チャンバー内に貯留した加熱用水を加熱して蒸気を発生させるための加熱手段と、チャンバー内の底部に載置されて加熱手段を覆うカバーと、チャンバー内に給水するための給水手段と、チャンバー内に加圧空気を供給するための加圧手段と、チャンバー内の底部から所定高さの位置の側壁に配設され、当該チャンバー内の温度を検出するための温度センサーと、チャンバー内の圧力を検出するための圧力センサーと、各手段を制御する制御手段とを備え、制御手段により、チャンバー内で蒸気を発生させて前記被殺菌物を加圧殺菌した後、給水手段によりチャンバー内に冷却水を供給し、且つ、加圧空気を供給して被殺菌物を加圧下で冷却するものであって、カバーは、加圧手段の上方を覆って側方には通気部を有すると共に、この通気部は当該カバーの全周から略均等に蒸気が上昇する構造であるものである。
請求項2の発明の加圧殺菌装置では、上記発明においてカバーは、加熱手段の上方を覆う上面部と、この上面部の周囲から下方に突出する複数の脚部を有し、各脚部には通気孔が形成されているものである。
請求項3の発明の加圧殺菌装置は、被殺菌物を収容して殺菌を行うチャンバーと、このチャンバー内の底部に配設され、当該チャンバー内に貯留した加熱用水を加熱して蒸気を発生させるための加熱手段と、チャンバー内の底部に載置されて加熱手段を覆うカバーと、チャンバー内に給水するための給水手段と、チャンバー内に加圧空気を供給するための加圧手段と、チャンバー内の底部から所定高さの位置の側壁に配設され、当該チャンバー内の温度を検出するための温度センサーと、チャンバー内の圧力を検出するための圧力センサーと、各手段を制御する制御手段とを備え、制御手段により、チャンバー内で蒸気を発生させて被殺菌物を加圧殺菌した後、給水手段によりチャンバー内に冷却水を供給し、且つ、加圧空気を供給して被殺菌物を加圧下で冷却するものであって、カバーは、加熱手段の上方を覆って側方には通気部を有すると共に、制御手段は、温度センサーが検出するチャンバー内の温度の上昇度合いが急峻である場合、所定の警報動作を実行するものである。
請求項4の発明の加圧殺菌装置は、上記各発明において給水手段により冷却水を間欠的にチャンバー内に供給することを特徴とする。
請求項1の発明では、被殺菌物を収容して殺菌を行うチャンバーと、このチャンバー内の底部に配設され、当該チャンバー内に貯留した加熱用水を加熱して蒸気を発生させるための加熱手段と、チャンバー内の底部に載置されて加熱手段を覆うカバーと、チャンバー内に給水するための給水手段と、チャンバー内に加圧空気を供給するための加圧手段と、チャンバー内の底部から所定高さの位置の側壁に配設され、当該チャンバー内の温度を検出するための温度センサーと、チャンバー内の圧力を検出するための圧力センサーと、各手段を制御する制御手段とを備え、制御手段により、チャンバー内で蒸気を発生させて前記被殺菌物を加圧殺菌した後、給水手段によりチャンバー内に冷却水を供給し、且つ、加圧空気を供給して被殺菌物を加圧下で冷却する加圧殺菌装置において、カバーは、加圧手段の上方を覆って側方には通気部を有すると共に、この通気部は当該カバーの全周から略均等に蒸気が上昇する構造としたので、カバーの載置状態に拘わらず、温度センサーには略均一に蒸気が立ち上がるようになり、カバーの載置状態がチャンバー内の温度制御に悪影響を及ぼさなくなる。
これにより、カバーの載置状態に拘わらず、チャンバー内の被殺菌物を常に均一に加熱殺菌することが可能となる。
請求項2の発明では、上記発明に加えてカバーは、加熱手段の上方を覆う上面部と、この上面部の周囲から下方に突出する複数の脚部を有し、各脚部には通気孔が形成されているので、簡単な構造でカバー周囲から立ち上る蒸気を均一化できるようになる。
請求項3の発明では、被殺菌物を収容して殺菌を行うチャンバーと、このチャンバー内の底部に配設され、当該チャンバー内に貯留した加熱用水を加熱して蒸気を発生させるための加熱手段と、チャンバー内の底部に載置されて加熱手段を覆うカバーと、チャンバー内に給水するための給水手段と、チャンバー内に加圧空気を供給するための加圧手段と、チャンバー内の底部から所定高さの位置の側壁に配設され、当該チャンバー内の温度を検出するための温度センサーと、チャンバー内の圧力を検出するための圧力センサーと、各手段を制御する制御手段とを備え、制御手段により、チャンバー内で蒸気を発生させて被殺菌物を加圧殺菌した後、給水手段によりチャンバー内に冷却水を供給し、且つ、加圧空気を供給して被殺菌物を加圧下で冷却する加圧殺菌装置において、カバーは、加熱手段の上方を覆って側方には通気部を有すると共に、制御手段は、温度センサーが検出するチャンバー内の温度の上昇度合いが急峻である場合、所定の警報動作を実行するようにしたので、カバーが正規な状態で載置されておらず、温度上昇が急峻となっていることを使用者に報知することができるようになる。
これにより、カバーの載置状態が正規な状態でないことを使用者に報知し、早期の対応を促すことができるようになるので、不均一な加熱殺菌の発生を未然に防止することが出来るようになる。
また、請求項4の発明の如く給水手段により冷却水を間欠的にチャンバー内に供給すれば、被殺菌物の圧力の降下よりチャンバー内の圧力の降下を小さくすることができる。
以下、図面に基づき本発明の一実施形態を詳述する。
図1は本発明の加圧殺菌装置の構成図、図2は操作部の正面図である。各図において、1は本体の外ケースで、この外ケース1内に、上面に開口部2を有して未調理食材或いは調理済みの食品をプラスチック等の軟質の包装容器に密封した所謂レトルト食品等の被殺菌物3・・を内部に収納して殺菌処理を行う収納室4を設けた有底円筒状のチャンバー5を収納している。
6は上記収納室4内の内底部に配設されたシーズヒータ等の加熱手段であるヒータで、上方をヒータカバー7(カバー)により被覆し、かつこのヒータカバー7の上面には上記被殺菌物3・・を載置(実際には図示しない複数段のバスケットに収納された状態で載置)するように構成している。
ここで、本発明のヒータカバー7は、ヒータ6の上方を覆って側方には通気部を有すると共に、通気部は当該ヒータカバー7の全周から略均一に蒸気が上昇する構造としている。即ち、本実施例のヒータカバー7は、図3に示す如くヒータ6の上方を覆う上面部7Aと、この上面部7Aの周囲から下方に突出する複数の脚部7B・・を有し、各脚部7B・・には複数の通気孔7C・・が形成されている。
8は上記チャンバー5の側壁上部に連結した冷却水給水用の給水管で、逆止弁9、給水用電磁弁10と水ガバナ11を介して水道等の給水源に接続し、これらを主に給水手段を構成している。12は分岐管13により上記チャンバー5側壁上下に連結した加圧用空気を供給する空気供給管で、逆止弁14、給気用電磁弁15、空気用ガバナ16、エアタンク17、逆止弁18を介してコンプレッサ19に接続し、これらにて加圧手段を構成している。
尚、実施例では上記空気用ガバナ16やエアタンク17、コンプレッサ19等をユニットケース20内に収納しているが、上記本体の外ケース1内に一体的に収納する様に構成しても良い。
21は上記チャンバー5の底面に連結した排水管で、途中に排水用電磁弁22を接続していると共に、この排水用電磁弁に手動用排水弁23を並列接続し、これらにて排水手段を構成している。
24は上記開口部2を開閉自在に密閉する蓋で、内面中央部に略半球状の球面部25を形成していると共に、上記給水管8の先端に接続し、且つ、上記給水手段を構成する噴水ノズル26を上記球面部25の略中心に向けて設定している。
27は上記分岐管13の適所に接続した排気管で、管路の途中に排気用電磁弁28を接続していると共に、先端を復水容器29の底に開口し、これらにて排気手段を構成している。
尚上記排気管27の先端は復水容器29の底に貯められた水30中に位置し、この排気管より大気がチャンバー5内に逆流しない様に構成していると共に、排気用電磁弁28に並列に手動用排気弁31を接続している。
32は上記チャンバー5内の底部から所定の高さの位置の側壁に装着した収納室4内の温度検出用の温度センサーで、サーミスタ等により構成している。
33は上記外ケース1内の適所に装着された制御手段としての制御ユニットで、マイクロコンピュータ等により構成し、上記ヒータ6、水用電磁弁10、給気用電磁弁15、排水用電磁弁22、排気用電磁弁28等への通電を予め設定した所定のシーケンスに従って制御するものである。
34、35、36、37は上記給水管8、空気供給管12、分岐管13に各々接続した圧力計、38、39は上記分岐管13とエアタンク1に各々接続した圧力安全弁、40は上記分岐管13の適所に接続した上記チャンバー5内の圧力を計測する圧力センサーである。
次に、図2は上記外ケース1の上面適所に配置した操作部で、上記チャンバー5内の圧力を表示する圧力計36と、数字や記号を表示する表示器41、殺菌温度を設定する温度選択ボタン42、殺菌時間を設定する時間選択ボタン43、これら選択ボタンと組み合わせて殺菌温度や殺菌時間を設定する上昇ボタン44及び下降ボタン45、予め複数の標準的な殺菌温度と時間(例えば殺菌温度が120℃で殺菌時間が20分とか、殺菌温度が110℃で殺菌時間が30分等)を組み合わせたコースを選択するコースボタン46、殺菌の開始及び停止操作を行うスタート/ストップボタン47、電源スイッチ48、上記手動用排気弁31を開閉操作する排気ツマミ49を配置している。
而して、殺菌を開始する場合には、先ず蓋24を開いてチャンバー5内底部にヒータカバー7を載置し、ヒータ6の上側を覆う。次に、電源スイッチ48をオンし、収納室4内に所定量、例えばヒータカバー7の少し下迄殺菌用の蒸気発生用の水を注水(供給)した後、同じく収納室4内のヒータカバー7の上に被殺菌物3・・を収納した図示しないバスケットを収納載置して蓋24を閉じ、次いで、排気ツマミ49を操作して手動用排気弁31を閉じる。
このとき、上記電源スイッチ48をオンすると、上記表示器41に例えば標準的に最も多く使用される殺菌温度の+115℃と殺菌時間の30分が交互に表示され、スタンバイ状態を表示する。
次いで、例えば殺菌温度を+110℃とした場合の殺菌処理のシーケンスを図4に基づいて説明すると、制御ユニット33により先ず排気用電磁弁28を開いてチャンバー5内の空気を排出しながらヒータ6に通電してチャンバー5内の底に注水した加熱用水を加熱して蒸気を発生させる。これにより、発生した蒸気により分岐管13と排気管27を介してチャンバー5内の空気が外部に排出されると共に、チャンバー5内に飽和蒸気が発生する。
このとき、ヒータ6の加熱により発生した蒸気は前記ヒータカバー7の各脚部7B・・に形成された通気孔7C・・及び各脚部7B間から略均一に立ちのぼっていく。
この場合、前述の如く排気用電磁弁28を開いてチャンバー5内の空気を排気しながらヒータ6により加熱用水を加熱して蒸気を発生させることで、チャンバー5内の空気を追い出してチャンバー5内に飽和蒸気を迅速に発生させることができるようになる。
温度センサー32の検出温度が殺菌設定温度に到達すると殺菌タイマーの作動を開始し、かつヒータ6への通電を制御してチャンバー5内を殺菌設定温度に維持し、殺菌処理を行う。
ところで、従来のヒータカバーは図7に示す如く略八角形に切断された板材の辺を一辺おきに所定の幅で直角に折り曲げて、この折り曲げた部分を脚部107B・・としていた。このため、脚部107B・・の横幅と各脚部107B間の間隔が大きくなり、ヒータカバー107が載置された向きにより、チャンバー5内の当該ヒータカバー107の上方に位置する温度センサー32にて検出されるチャンバー5内の温度に著しい相違が生じてしまう。即ち、ヒータカバー107の脚部107Bが温度センサー32の真下の方向に向くように載置した場合には、温度センサー32に当たる蒸気は比較的少ないため、温度センサー32にて検出されるチャンバー内の温度は緩やかに上昇する。即ち、制御ユニット33はよりヒータ6を発熱させる方向で制御するようになる。
一方、温度センサー32が上記ヒータカバー107の各脚部107B間の間隔の直上に来るようにヒータカバー107を載置した場合には、温度センサー32に直接当たる蒸気量が多くなるため、温度センサー32にて検出されるチャンバー内の温度は急峻となり、制御ユニット33はより早めにヒータ6への通電を断つようになる。
従って、従来のヒータカバー107では載置位置の相違により温度センサー32にて検出されるチャンバー5内の温度が著しく相違するため、ヒータカバー7の載置状態が温度制御に大きく影響してしまう。
この場合、例えば温度センサー32が当該脚部107B・・の直上に位置するようにヒータカバー107を底部に載置した状態を正規の位置として制御ユニット33による制御を実行した場合には、当該正規な状態でヒータカバー107が載置されていれば、上述の如く温度センサー32にて検出されるチャンバー内の温度が緩やかに上昇するようになる(図8)。この際、図8に示すようにバスケットの収納場所(図8の上から2段目温度と11段目温度参照)により大きな温度変化は無く、当該バスケットの各段に収納された被殺菌物3・・は均一に加熱殺菌されることがわかる。
一方、誤ってヒータカバー107を正規の位置でない状態で載置した場合、即ち、ヒータカバー107の各脚部107Bの間が温度センサー32の真下に向くように載置した場合には、図9に示す如く温度センサー32にて検出される温度上昇が急峻となる。従って、温度センサー32が検出するチャンバー5内の温度上昇が早まり、バスケット内が充分に加熱・加圧されること無く加圧殺菌が実行されるようになる。特に、バスケットの収納場所(図9の上から2段目温度と11段目温度参照)により大きく温度差が生じる。このため、被殺菌物3・・の加熱殺菌が不均一となっていた。
しかしながら、本発明によれば、ヒータカバー7をどうような向きに載置しても、ヒータ6の加熱により発生した蒸気はヒータカバー7の各脚部7B・・に形成された通気孔7C及び各脚部7Bの間から略均一的に立ち上るようになる。この場合、図5に示す如くバスケット内の上から2段目と11段目の温度が充分に上昇した状態で殺菌が実行されると共に、2段目と11段目で大きく温度差が生じること無く略均一に加熱殺菌されることがわかる。これにより、ヒータカバー7の載置状態に拘わらず、温度センサー32には略均一に蒸気があたるようになり、上述の如くヒータカバー7の載置状態がチャンバー5内の温度制御に悪影響を及ぼす不都合を回避することができるようになる。
これにより、チャンバー5内の被殺菌物3・・を常に均一に加圧殺菌することができるようになる。
特に、本実施例のヒータカバー7はヒータ6の上方を覆う上面部7Aと、この上面部の周囲から下方に突出する脚部7B・・を有し、この脚部7B・・に複数の通気孔7Cを形成するという簡単な構造で、ヒータカバー7の周囲から立ち上る蒸気を均一化することができるようになる。
これにより、生産コストを極力抑制して被殺菌物3・・を均一に殺菌することができるようになる。
他方、前述のような殺菌処理時間が終了すると、給気用電磁弁15を開いてチャンバー5内を殺菌処理時より高い圧力に加圧すると共に、給水用電磁弁10を開いて噴水ノズル26より給水し、吐出した冷却水を蓋24の球面部25に当てて拡散させ、被殺菌物3・・・に当ててこれらを効率的に加圧冷却する。
上記実施例では、水ガバナ11の設定圧力を例えば1.7kg/平方センチメートル、空気用ガバナ16の設定圧力を例えば1.4kg/平方センチメートルとしているので、上記加圧殺菌工程が終了して給水用電磁弁10を開いて冷却を開始すると、給水の進行に応じてチャンバー5内の圧力が上記空気ガバナ16の設定圧力を越えて上昇し、この圧力上昇に伴って噴水ノズル26から噴出する噴水量が抑制されるが、上記圧力センサー40によりチャンバー5内の圧力を検出して排気用電磁弁28を開き、このチャンバー5内の圧力を、一般に食材を密封した包装容器が破損しないとされる1.06kg/平方センチメートル以上(食材の温度を+121℃とした場合)に保持すれば、噴水ノズル26から噴出する噴水量を十分に確保することが出来、冷却時間を大幅に短縮出来る。また、冷却水による冷却によってチャンバー5内の圧力降下が大きいため、この場合の水の供給を間欠的に行い、被殺菌物内の圧力の降下よりチャンバー5内の圧力の降下を小さくする。
尚、上記実施例では、排気用電磁弁28の開閉によりチャンバー5内の圧力を制御する様に構成しているが、給気用電磁弁15を開閉制御する等して上記チャンバー5内の圧力を制御する様にしても良い。
また、上記実施例では排気停止設定温度に達してから所定時間(上記実施例では4分)当該温度となるようにヒータ6への通電を制御してから排気用電磁弁28を閉じて排気を停止するものとしたが、排気停止設定温度に達した時点で排気用電磁弁28を閉じるものとしても構わない。
更に、本発明は上記実施例のヒータカバー7の形状に限定されるものでなく、ヒータ6の上方を覆って側方に通気部を有し、この通気部がカバーの全周から略均等に蒸気が上昇する構造であればどのようなものであっても構わない。例えば、図6に示すように円形の上面部117Aとこの下方に横幅の狭い複数の脚部117B・・とを有した形状としても良い。この場合、各脚部117B・・の横幅を狭くして、各脚部117B・・の隙間(通気部)からカバー117の全周から略均等に蒸気が上昇する構造とすれば、上記実施例と同様な効果を得ることができるようになる。また、各脚部117B・・の横幅を狭くしたとしても、脚部117B・・の本数を増やすことでカバー117の耐久性を維持することが可能であると共に、各脚部117B間の間隔を同一とすることで、カバー117の載置状態に拘わらず、温度センサー32に略均一に蒸気が立ち上るようになる。
ここで、上記実施例ではヒータカバーの形状を工夫することによって本発明の目的を達成したが、それに限らず、制御ユニット33が、温度センサー32にて検出されるチャンバー5内の温度の上昇度合いが急峻である場合に所定の警報動作を実行するようにしても良い。即ち、従来のヒータカバー107を使用して当該ヒータカバー107が正規の位置に載置されていない等の場合に温度センサー32に蒸気が多く当たり温度センサー32にて検出されるチャンバー5内の温度上昇が急峻となる。
この温度上昇度合いを制御ユニット33が捉え、通常よりも急峻である場合に所定の警報動作を実行するようにすることで、使用者にヒータカバーが正規の位置に載置されていないことを報知することができる。従って、早期に対応することが可能となるので、加圧殺菌が不均一となる不都合を未然に回避することができるようになる。
そして、このように制御ユニット33が温度センサー32にて検出されるチャンバー5内の温度の上昇度合いが急峻である場合に所定の警報動作を実行するものとすれば、前記実施例(実施例1)の如くヒータカバーを工夫することなく、従来のカバー107を用いても支障無くなる。
1 外ケース
2 開口部
3 被殺菌物
4 収容室
5 チャンバー
6 ヒータ
7 ヒータカバー
7A 上面部
7B 脚部
7C 通気孔
8 給水管
10 給水用電磁弁
11 水ガバナ
12 空気供給管
13 分岐管
15 給気用電磁弁
16 空気用ガバナ
17 エアタンク
19 コンプレッサ
20 ユニットケース
21 排水管
22 排水用電磁弁
23 手動用排水弁
24 蓋
26 噴水ノズル
27 排気管
28 排気用電磁弁
30 水
31 手動用排気弁
32 温度センサー
33 制御ユニット
34、35、36、37 圧力計
38、39 圧力安全弁
40 圧力センサー
41 表示器
42 温度選択ボタン
43 時間選択ボタン
47 スタート/ストップボタン
48 電源スイッチ
2 開口部
3 被殺菌物
4 収容室
5 チャンバー
6 ヒータ
7 ヒータカバー
7A 上面部
7B 脚部
7C 通気孔
8 給水管
10 給水用電磁弁
11 水ガバナ
12 空気供給管
13 分岐管
15 給気用電磁弁
16 空気用ガバナ
17 エアタンク
19 コンプレッサ
20 ユニットケース
21 排水管
22 排水用電磁弁
23 手動用排水弁
24 蓋
26 噴水ノズル
27 排気管
28 排気用電磁弁
30 水
31 手動用排気弁
32 温度センサー
33 制御ユニット
34、35、36、37 圧力計
38、39 圧力安全弁
40 圧力センサー
41 表示器
42 温度選択ボタン
43 時間選択ボタン
47 スタート/ストップボタン
48 電源スイッチ
Claims (4)
- 被殺菌物を収容して殺菌を行うチャンバーと、該チャンバー内の底部に配設され、当該チャンバー内に貯留した加熱用水を加熱して蒸気を発生させるための加熱手段と、前記チャンバー内の底部に載置されて前記加熱手段を覆うカバーと、前記チャンバー内に給水するための給水手段と、前記チャンバー内に加圧空気を供給するための加圧手段と、前記チャンバー内の底部から所定高さの位置の側壁に配設され、当該チャンバー内の温度を検出するための温度センサーと、前記チャンバー内の圧力を検出するための圧力センサーと、前記各手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段により、前記チャンバー内で蒸気を発生させて前記被殺菌物を加圧殺菌した後、前記給水手段により前記チャンバー内に冷却水を供給し、且つ、加圧空気を供給して前記被殺菌物を加圧下で冷却する加圧殺菌装置において、
前記カバーは、前記加圧手段の上方を覆って側方には通気部を有すると共に、該通気部は当該カバーの全周から略均等に蒸気が上昇する構造であることを特徴とする加圧殺菌装置。 - 前記カバーは、前記加熱手段の上方を覆う上面部と、該上面部の周囲から下方に突出する複数の脚部を有し、各脚部には通気孔が形成されていることを特徴とする請求項1の加圧殺菌装置。
- 被殺菌物を収容して殺菌を行うチャンバーと、該チャンバー内の底部に配設され、当該チャンバー内に貯留した加熱用水を加熱して蒸気を発生させるための加熱手段と、前記チャンバー内の底部に載置されて前記加熱手段を覆うカバーと、前記チャンバー内に給水するための給水手段と、前記チャンバー内に加圧空気を供給するための加圧手段と、前記チャンバー内の底部から所定高さの位置の側壁に配設され、当該チャンバー内の温度を検出するための温度センサーと、前記チャンバー内の圧力を検出するための圧力センサーと、前記各手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段により、前記チャンバー内で蒸気を発生させて前記被殺菌物を加圧殺菌した後、前記給水手段により前記チャンバー内に冷却水を供給し、且つ、加圧空気を供給して前記被殺菌物を加圧下で冷却する加圧殺菌装置において、
前記カバーは、前記加熱手段の上方を覆って側方には通気部を有すると共に、前記制御手段は、前記温度センサーが検出する前記チャンバー内の温度の上昇度合いが急峻である場合、所定の警報動作を実行することを特徴とする加圧殺菌装置。 - 前記給水手段により前記冷却水を間欠的に前記チャンバー内に供給することを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3の加圧殺菌装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004159695A JP2005333930A (ja) | 2004-05-28 | 2004-05-28 | 加圧殺菌装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004159695A JP2005333930A (ja) | 2004-05-28 | 2004-05-28 | 加圧殺菌装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2005333930A true JP2005333930A (ja) | 2005-12-08 |
Family
ID=35488159
Family Applications (1)
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JP2004159695A Pending JP2005333930A (ja) | 2004-05-28 | 2004-05-28 | 加圧殺菌装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005333930A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010094051A (ja) * | 2008-10-15 | 2010-04-30 | Samson Co Ltd | 加熱殺菌装置 |
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2004
- 2004-05-28 JP JP2004159695A patent/JP2005333930A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010094051A (ja) * | 2008-10-15 | 2010-04-30 | Samson Co Ltd | 加熱殺菌装置 |
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