明
2 , 3, 6—トリアルキル一 8—フルオロー 4—キノリン誘導体の製造法
[発明の背景]
発明の分野
本発明は、 農薬として有用な 2, 3 , 6—トリアルキル一 8—フルオロー 4— キノリン誘導体または薬学的に許容されるその塩の製造法に関する。
1糸
背景技術 田
2, 3, 6—トリアルキル— 8—フルオロー 4—キノリン誘導体は、 WO 0 1 / 9 2 2 3 1号公報に記載されるように農圜芸用病害に対する防除活性を有する 化合物である。 この化合物の製造法として、 同国際公開公報には、 次の反応式に したがつた方法が開示されている。
Selectfluor
上記方法では、 出発原料の t—プチルァニリンのァミノ基を適当な保護基で保 護した後、 フッ素化試剤であるセレクトフルォロ(卜(Chloromethyl ) - 4- f luor o-l , 4-diazoniabicyclo [2.2.2Joctane bis( tetraf luoroborate ) )を反 、させ ァミノ基の隣接位置にフッ素原子を導入する。 保護基を脱保護して中間体である 4 - t—プチル— 2—フルォロア二リンを得て、 次いでこれを 2—メチルァセト 酢酸ェチルとのェナミン化、 続く加熱による環化反応によりキノリノール体を得 て、 最後にキノリノール体の水酸基のァセチル化により目的とする化合物を得る この方法におけるェナミン化—環化工程は Conrad- Limpach合成として知られて いる。 しかしながら、 この製造法は、 6段階の工程を必要とするため製造工程が 煩雑になる上、 Conrad- Limpach合成収率が低く、 全収率は 4 %程度と低い。 ま た、 この方法では、 セレクトフルォロなどに代表される高価なフヅ素化試剤を使 用しなければならず、 これは刺激性が強くかつ腐食性があることから、 工業的な 製造法としては経済的にも効率的にも望ましいものではない。
芳香環の目的の位置に選択的にフッ素原子を導入できる汎用性のある工業的製 造法は少なく、 芳香族ァミノ基のジァゾ化、 フッ化ホウ素ナトリウム塩との脱ジ ァゾフッ素化を行う Balz-Schiemann反応が知られている。 しかし、 これら方法 にあっては、 不安定で毒性の高い芳香族テトラフルォロボラート塩を経由するこ とから、 工業的には問題点が多い。 W O 0 1 / 9 2 2 3 1号公報に開示されてい る 4一アルキルァニリンの 2位フルォロ化には、 一般的に刺激性が強くかつ腐食 性のあるセレクトフルォ口に代表されるフッ素化試剤を用いる必要がある。 これ
を大量に使用する場合には、 金属またはガラスの反応器表面を腐食するため、 特 殊な反応装置が必要であり、 工業的な取り扱いが難しいといえる。
従って、 フッ素化試剤を使うことなく 2, 3, 6—トリアルキル— 8—フルォ ロー 4ーキノリン誘導体を効率的に製造する方法の開発が望まされているといえ る o
[発明の概要]
本発明らは、 今般、 既にフッ素が導入された安価な 2—フルォロア二リンを出 発原料とし、 基本的に二工程からなる、 安全かつ高収率で 2, 3, 6—トリアル キル— 8—フルオロー 4—キノリン誘導体を得ることができる製造方法を確立し た。
従って、 本発明は、 2, 3, 6—トリアルキル— 8—フルオロー 4—キノリン 誘導体を収率よくかつ安全に得ることができる製造方法の提供をその目的として いる。
そして、 本発明による 2, 3, 6—トリアルキル一 8—フルオロー 4ーキノリ ン誘導体の製造方法は、 下記の (i) および (ii) を少なくとも含んでなる、 下式 (I) で表される化合物またはその塩の製造法である :
(【)
[式中、
R1は、 置換基を有してもよい C卜 i。アルキル基、 または C3~6シクロアルキ ル基を表し、
R2は、 置換基を有してもよい C 。アルキル基、 または C3〜6シクロアルキ ル基を表し、
: R3は、 置換基を有してもよい C卜丄。アルキル基、 C2~6アルケニル基、 フエ ニル C ^ 6アルキル基、 または C3~6シクロアルキル基を表し、
R4は水素原子または水酸基の保護基を表す。 ] '
(«) で表される化合物を、 塩化亜鉛の存在下、 加圧条件で、 Ri— X (ここで、 R1 は前記と同義であり、 Xは水酸基またはハロゲン電子を表す) または!?:1 ' (こ こで R 1 'は R1と同一炭素数のォレフィンを表す) によってアルキル化して式 (III) :
[式中、 は前記と同義である。 ]
で表される 4一アルキル— 2—フルォロア二リン誘導体を得る工程 c
工程 (ii) :式 (III) で表される化合物を式 (IV) :
[式中、 R2および R3は前記と同義であり、 R5は アルキル基を表す。 ]
で表されるひ—アルキル一 ?ーケトエステルと反応させて式 (V) :
[式中、 R R\ R3および R5は前記と同様の意味を表す。 ]
で表されるェナミン中間体を生成させ、 これを環化反応に付して式 (I) で表さ れる化合物 (但し、 R4が水素原子である) を得て、 さらに必要により 4位の水 酸基を保護基で保護する工程。
[発明の具体的説明] 本発明細書において、 基または基の一部としてのアルキル部は、 直鎖であって も分岐鎖であってもよい。 また、 ハロゲン原子とは、 フッ素原子、 塩素原子、 臭 素原子、 ヨウ素原子を表す。
式 ( τ ) の化合物
本発明による製造法の目的物は、 上記式 (I) で表される 2 , 3, 6—トリア ルキル— 8—フルォロ一 4—キノリン誘導体である。 この式 (I) において、 R1および R2は独立して、 アルキル基 (好ましくは(^~6アルキル基) 、 または C3— 6シクロアルキル基を表す。 このアルキル基は一または二以上の置換 基で置換されていてもよく、 置換基としては、 ハロゲン原子、 水酸基、 および — 4アルコキシ基が挙げられる。
また、 式 (I) において、 R3は、 ( 卜 i。アルキル基 (好ましくは アル キル基) 、 C2— 6アルケニル基、 フエニル C 1— 6アルキル基、 または C3— C6シ クロアルキル基を表す。 上記 。アルキル基は置換されていてもよく、 置換 基の好ましい例としては、 R1および R 2について上述したものが挙げられる。 また、 式 (I ) で表される化合物は塩とされてもよく、 その例としてはアル力
リ金属塩、 アルカリ土類金属塩、 塩酸塩、 硫酸塩、 クェン酸塩、 シユウ酸塩、 パ ラトルエンスルホン酸塩、 メタンスルホン酸塩などが挙げられる。
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ェ稈 m
本発明における工程 (i) はアルキル化反応であり、 これは特開昭 58— 94 4号公報の記載に準じて行うことができる。 すなわち、 式 (II) のフルォロア 二リン塩酸塩とアルキル化剤とを、 酸性触媒の存在下、 好ましくは圧力容器を用 いて、 加圧加熱反応を行い、 フリーデル—クラフト型の反応を生じさせる。
アルキル化剤は、 Ri— X (ここで、 R1は式 (I) で定義したものと同義で あり、 Xは水酸基またはハロゲン原子を表す) であるか、 または R1と同一炭素 のォレフィンである。 R1— X (X = OH) の場合、 第二アルコールまたは第 三アルコールの利用が好ましい。 アルキル化剤の量は適宜決定されてよいが、 式 (II) の化合物に対して 1〜10当量程度が好ましく、 より好ましくは 1〜5 当量程度である。
フリーデル一クラフト反応の触媒として、 塩酸、 硫酸などに代表されるプロト ン酸と、 塩化亜鉛に代表されるルイス酸とを共触媒に用いて反応するのが好まし い。 塩化亜鉛の利用がより好ましい。 その量は適宜決定されてよいが、 0. 25 〜0. 5当量の範囲が好ましい。
反応温度は 150 °C以上の温度が効率的な反応の進行に好ましく、 150 °C;〜 200°Cの温度範囲がより好ましい。
本発明の方法にあっては加圧によりアルキル化反応速度を大きくし、 芳香璟 4 位へのアルキル化の位置選択性を高める。 実用的な圧力は 3気圧以上であるが、 4気圧〜 10気圧の範囲がより好ましい。
工程 (i) は、 通常無溶媒で行うことが出来るが、 二硫化炭素、 ニトロペンジ ルなどの不活性な溶媒中で行うことも出来る。 反応容器としては、 耐圧製のガラ ス容器ないしステンレス容器を用いることが好ましいが、 ステンレス容器の場合 酸性雰囲気下で金属表面が腐食するので、 ガラス容器を内封したステンレス容器 ないしはタンタル張りのステンレス容器の使用が望ましい。
以上の工程 (i) の反応により式 (III) の化合物を得る。 式 (III) の化合
物の精製は、 生成物と出発物質の脂溶性の違いを利用して、 へキサンや酢酸ェチ ルなどの適当な有機溶媒抽出にて生成物より水溶性の高い出発物質だけを選択的 に水層に残したまま有機溶媒抽出することができる。 また、 蒸留操作によっても 単離、 精製することができる。
上記工程 (i) に続く、 本発明における工程 (ii) は、 ェナミン化工程とこ れに続いて環化工程を行うものである。 本発明にあっては、 ェナミン化工程と璟 化工程をワンポットで行うこともでき、 また、 ェナミン化の後、 後処理をしてェ ナミン体 (V) を一旦取り出した後、 環化反応を行い本工程を完結することもで きる。
式 (V) で表される化合物は互変異性体であり、 下記の式 (V' ) で表される 化合物としても存在しうることは当然である。
(ν')
[式中 I 1、 R2、 R3および R5は前記と同義である。 ]
ェ稈 )
工程 (ii) では、 まず、 式 (III) の化合物と式 (IV) の化合物とを反応させ るェナミン化工程を行う。 式 (IV) で表される化合物の構造は R2および R3が 式 (I) の化合物に対応するものであることから、 目的物たる式 (I) の化合物 の構造を勘案して適宜決定されてよい。 また、 R5は C 4アルキル基を表すが、 メチルまたはェチルが好ましい。 式 (IV) の化合物の好ましい具体例としては、 2—メチルァセト酢酸メチル、 2—メチルァセト酢酸ェチル、 2—ベンジルァセ ト酢酸ェチル、 2—ェチルァセト酢酸ェチル、 2—イソプロピルァセト酢酸ェチ ル、 2—ァリルァセト酢酸ェチルが挙げられる。 式 (IV) で表される 一アル キル—/?ーケトエステルの量は反応条件等を勘案して適宜決定されてよいが、
0 . 8〜2 . 0当量程度が好ましく、 より好ましくは、 1 . 0〜 1 . 5当量程度 であり、 最も好ましくは 1 . 2〜 1 . 3当量程度である。
反応は、 酸性触媒または塩基性触媒の存在下行うことが好ましく、 酸性触媒の 利用がより好ましい。 酸性触媒としては、 酢酸、 トリフルォロ酢酸、 パラトルェ ンスルホン酸などのプロ トン酸、 三フッ化ホウ素ジェチルェ一テル錯体などのル イス酸が挙げられ、 塩基性触媒としてはピペリジンが挙げられる。 ピぺリジン使 用の場合にはエタノール溶媒の使用が望ましいが、 反応時間は酸性触媒の時に比 較して一般に長くなる傾向がある。
このェナミン化は無溶媒でも行うことが出来るが、 通常はトルエン、 キシレン、 エタノールなどの水と共沸混合物を作る不活性溶媒中で行う。 1 0 0 °C;〜 1 4 0 °Cに加熱して、 共沸作用により生成した水を効率的に除き反応を促進させるこ とが好ましい。 また、 生成する水を経時的に効率良く取り除く為に、 ディ一ンス ターク トラップ装置、 モレキュラーシーブスなどの適当な脱水剤を反応装置に組 み込み、 水を効率的に排除するよう反応容器を工夫することが好ましい。
反応はトルエンを溶媒に用いた場合、 還流条件下、 2時間〜 5時間撹拌しなが ら行う。 反応の進行は、 原料の 4—アルキル一 2—フルォロア二リン誘導体の残 存率を例えば高速液体クロマトグラフィーなどにより監視することにより、 知る ことができる。 この反応は平衡反応のため、 完全に原料が消失することは無く、 4—アルキル— 2—フルォロア二リン誘導体の減少がほぼ止まったときには反応 を停止するのが好ましい。 さらに時間を延長しても、 生成した式' (V) のェナミ ン体の再分解など好ましくない反応が起こり収率の低下を招く場合があるからで める。
なお、 得られたェナミン化合物は不安定であり、 シリカゲル中で速やかに分解 するためシリカゲルクロマトグラフィーでは単離することが難しい。 あえて精製、 単離するときには蒸留により単離するのが好ましい。 通常は単離することなく、 次の環化反応に用いてよい。
本発明において留意することが好ましい事項として、 原料の 4—アルキル— 2 —フルォロア二リンが残存していると環化反応において、 生成する後記式 ( I ) (但し、 R 4 = H ) の互変異性体である式 (VI ) で表されるキノリノール体の 4
位ケトン部位と、 4—アルキル一 2—フルォロアニリンのァミノ基が反応して副 成物を生じ、 収率を大きく低下させるおそれがあることが挙げられる。 そこで、 本発明の好ましい態様によれば、 ェナミン化反応が終了した後、 反応液の液性を、 ピペリジンゃトリエチルァミンなどの塩基を加えて塩基性とし安定化させた後、 無水酢酸や塩化ァセチルなどのァセチル化剤を加えて残存する 4一アルキル— 2 一フルォロア二リンのァミノ基のァセチル化を行い、 ァミノ基の求核性を抑えて、 副成物の生成を抑える。 ァミノ基の保護はァセチル基に限られたものではなく、 一般的に用いられるビバロイル基などのアミ ド型保護基、 ベンジルォキシカルボ ニル基、 t —ブトキシカルボニル基などのカーバメイ ト型保護基にて保護するこ ともできる。
工程 (ii) において、 続いて行われる式 (V ) の化合物の環化反応は、 加熱 により行われる。 反応は、 適当な溶媒中で加熱しながら、 好ましくは溶媒の還流 温度で実施されてよい。 溶媒の好ましい例としては、 ジフエ二ルェ一テル、 キシ レン、 ポリリン酸、 ジュレン、 ビフエニル、 ジメチルホルムアミ ド、 ジメチルス ルホキシド等が挙げられる。
本発明の好ましい態様によれば、 前記のェナミン反応に続いて環化反応をワン ポットで行う場合、 ェナミン反応液にジフエ二ルエーテルを加え、 トルエンを留 去しながらジフエ二ルェ一テルの沸点の 2 5 0 °Cまで加熱し反応させる。 この反 応は、 ェナミンのひ, ?—不飽和カルボニル部分であるジエノフィルと、 ベンゼ ン核とが分子内で熱による多中心反応を起こしたものと見ることができ、 これは 一般に Conrad- Limpachのキノリノール合成と称せられる反応である。 この反応 はキシレン溶媒で 1 4 0 °C〜還流条件においても行うこともできる。 また、 WO 0 0 / 4 7 5 7 7号公報の記載に準じてポリリン酸を溶媒にして 1 6 0 °Cに加熱 すると、 一気にェナミン化一環化反応が起こり、 式 ( I ) (但し、 H 4 = H ) の キノリノール体を得ることもできる。
式 (I)' (但し、 R4二 H) の化合物は互変異性体であり、 下記の式 (VI) と しても存在しうる。
(VI)
[式中、 II1、 R2、 および R3は前記と同様の意味を表す。 ]
環化反応は、 ェナミン反応混合物と溶媒とを混合した後、 反応系を加熱しても よく、 また沸騰した溶媒の中にトルエンを留去したェナミン反応混合物を滴下し てもよい。 反応の進行は速やかに進み、 反応液の温度が 245°C;〜 250°Cに達 したとき反応は完了する。 反応温度を室温に戻し通常 12時間程度ゆつくり撹拌 しながら結晶化操作を行うと、 ほぼ単一の式 (I) の化合物 (但し、 R4 = H) を得ることが出来る。
本発明にあっては、 得られた式 (I) の化合物 (但し、 R4 = H) を、 必要に 応じて常法により 4位水酸基において保護する。 水酸基の保護基は特に限定され ないが、 好ましい具体例としては、 アルキル基、 アルキルカルボ二 ル基、 C卜6アルキルォキシカルボニル基、 C アルキルォキシ C アルキ ルカルボニル基、 C卜6アルキルカルボニルォキシ C卜6アルキルカルボニル基、 C3~6シクロアルキルカルボニル基、 または C3~sシクロアルキルォキシカルボ ニル基が挙げられる。 その導入はその保護基に慣用されている方法により行われ てよい。 例えば保護基がァセチル基である場合、 反応はピリジンに溶解した基
(I) の化合物 (但し、 R4 = H) と適量の無水酢酸または塩化ァセチルを加え、 80°Cで 1時間反応することでほぼ定量的に目的の 2, 3, 6—トリアルキル一 8—フルオロー 4ーァセトキシキノリン誘導体を得ることができる。
式 (I) の化合物は、 反応終了後、 溶剤を濃縮し、 n—へキサンから再結晶す ることにより純粋な結晶として得ることができる。 また、 炭酸エステル保護型に
するためには、 式 (I) の化合物 (但し、 R4二 H) の 4位水酸基を、 水素化ナ トリウムなどの適当な塩基にてプロトンを引き抜き、 次いでクロ口ギ酸ェチルに 代表される炭酸エステル化試剤と反応させる。 また、 アルキルエーテル保護型に するためには、 炭酸力リゥムなどの塩基とともにヨウ化メチルに代表されるアル キル化剤を反応させればよい。
[実 施 例]
以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
卖施例 1 4一 t—ブチル一 2—フルォロア二リン
ガラス製の反応容器の中に、 撹拌子と、 36%塩酸 5. 50mLとを加え、 塩 化亜鉛 ( 5. 2 4 g, 0. 0383mo 1) を溶解した。 この溶液を撹拌しなが らヽ 2—フルォロア二リン ( 1 0. OmL, 0. 1 04mo 1 ) および t—ブ夕 ノール ( 9. 9 OmL, 0. 104mo 1 ) の順に加えて、 このガラス容器をス テンレス製の耐圧容器に格納し内部の圧力が漏れないように密封した後、 1 9 0°Cに加熱して撹拌しながら反応させた。 初期の圧力は約 5気圧であった。 この まま反応を 72時間続けた。 十分に温度の低下を確認した後、 圧力容器を開封し た。 酢酸ェチル (2 0 OmL) を加え、 攪拌して全体を均一にした後、 水 (2 0 OmL) を加え、 水酸化ナトリウムにて中和して pH 9に調整した。 大量に析出 した茶色の固体を濾別して、 濾過液を分液し、 有機層を再度水洗した。 得られた 有機層を濃縮して、 茶褐色のオイル状物質 1 6. 9 gを得た。 このものは標品を 基準とした絶対検量線法にて定量した。 その結果 79. 2%の収率を算出した。
EI-MS; m/z 170 (M+H)+ ; ^ NMR (CDC13) δ 1.26 (9Η, s, t - Bu), 3.56 (br, N¾), 6.74 (1H, t - like, J = 9.3Hz, H6), 6.95 (1H, ddd, J = 7.5, 2.1, 0.7Hz, H5), 7.94 (1H, dd5 J = 13.4, 1.9Hz, ¾)·
実施例 2 6— t一プチルー 8—フルオロー 2 , 3—ジメチル一 4一キノリノ —ル
4— t—プチル一 2—フルォロア二リン (5. 0 6 g, 30. 3mmo l) を トルエン ( 1 2 OmL) に溶解し、 2—メチルァセト酢酸ェチル ( 5. 7 5mL 40. 6 mmo 1 ) と、 パラトルエンスルホン酸 1水和物 (5 Omg) とを加え、
ディーンスターク装置を完備した反応装置にて 3時間加熱還流を行った。 反応液 を室温に戻し、 ジフエニルエーテル ( 50mL) 、 ピぺリジン (2. OmL) お よび無水酢酸 ( 1. OmL) を順に加え、 30分間撹拌した。 再び加温を行い、 溶媒のトルエンを留去した。 さらに反応温度を 250°Cまで昇温し、 10分間そ の温度で保ち、 環化反応を完結させた。 反応液を室温に放冷し、 ー晚静置して結 晶化した。 析出した白色結晶を濾別し、 n—へキサンで洗浄し、 得られた白色結 晶を減圧下室温にて、 3時間乾燥して 6— t—プチル— 8—フルオロー 2, 3 - ジメチルー 4—キノリノ一ル 4. 82 gを得た。 収率 64. 5 %
FAB-MS; m/z 248 (M+H)+ ; LH 丽 R (CDC13) δ 1.33 (9Η, s, t- Bu), 2.13 (3H, s, CH3 ) , 2.52 (3H, s, CH3), 7.34 (1H, dd, J = 12.9, 2.2Hz, H3-ar omatic), 8.10 (1H, d, J = 1.5Hz, H5-aromatic), 8.92(1H, bs, NH).
串施例 3 6— t—プチルー 8—フルオロー 2, 3—ジメチル— 4一キノリノ ール (EMA滴下法)
4— t—プチル一 2—フルォロア二リン (5. 06 g, 30. 3 mmo 1 ) を トルエン (8 OmL) に溶解し、 パラトルエンスルホン酸 1水和物 (50mg) を加え、 ディーンスターク装置を完備した反応装置にて加熱還流を行った。 この 加熱溶液の中に、 トルエン (2 OmL) に溶解した 2—メチルァセト酢酸ェチル
(5. 75 mL, 40. 6 mm o 1 ) を 2時間で滴下する。 滴下終了後、 さらに 2時間加熱還流を行った。 反応液を室温に戻し、 ジフヱニルエーテル ( 5 0m L) 、 ピぺリジン (2. OmL) および無水酢酸 ( 1. OmL) を順に加え、 そ の後 30分間撹拌した。 再び加温を行い、 溶媒のトルエンを留去した。 さらに反 応温度を 250°Cまで昇温し、 10分間その温度で保ち環化反応を完結させた。 反応液を室温に放冷しー晚静置して結晶化を行った。 析出した白色結晶を濾別し、 n—へキサンで洗浄し、 得られた白色結晶を減圧下室温にて 3時間乾燥して、 6 —tーブチルー 8—フルオロー 2, 3—ジメチル一 4—キノリノール 5. 17 g を得た。 収率 6 9. 0%
卖施例 4 6— t—プチルー 8—フルオロー 2, 3—ジメチル— 4—キノリノ ール
ポリリン酸 ( 10. 8 g) を 160°Cにカロ熱し、 その中に 4— t _プチル一 2
—フルォロア二リン ( 1. 89 g, 1 1. 3mmo 1) と、 2—メチルァセト酢 酸ェチル ( 1. 96 g, 13. 5 mmo 1) との混合物を滴下し、 3時間同温度 で撹拌を行った。 反応液を放冷後、 水 (5 OmL) を加え、 酢酸ェチル (50m L) で 2回抽出を行った。 有機層を合一し水洗を行い、 有機層の溶媒を減圧下留 去して、 オイル状の濃縮残渣を得た。 酢酸ェチル—n—へキサンから再結晶を行 い、 0. 97 gの 6— t—プチルー 8—フルオロー 2 , 3—ジメチルー 4—キノ リノ一ル白色結晶を得た。 収率 34. 7%
FAB-MS; m/z 248 (M+H)+ ; l 腿 (CDC13) δ 1.33 (9H, s, t-Bu),2.13 (3H, s, CH3), 2.52 (3H, s, C¾), 7.33 (1H, dd, J二 12.9, 2.2Hz, H3- ar omatic), 8.10 (1H, d, J = 1.5Hz, - aromatic), 8.93 (1H, bs, NH).
卖施例 5 6— t—ブチル一 8—フルオロー 2 , 3—ジメチル一 4—キノリノ ール
4ー t—プチル一 2—フルォロア二リン (5. 06 g, 30. 3 mmo 1 ) を トルエン ( 12 OmL) に溶解し、 2—メチルァセト酢酸ェチル ( 5. 75 mL3 40. 6 mmo 1) とパラトルエンスルホン酸 1水和物 (5 Omg) とを加え、 ディーンスターク装置を完備した反応装置にて 3時間加熱還流を行った。 放冷後、 反応液を飽和重曹水中に投入し、 酢酸ェチル (5 OmL) で抽出した。 有機層を 無水硫酸マグネシウムで乾燥し、 固形物を濾別した後、 濾液を濃縮して 5. 99 gの茶色の油状物を得た。 これをキシレン ( 155mL) に溶解して、 160°C にて 1時間加熱撹拌を行った。 反応液を放冷後、 溶媒を濃縮し、 シリカゲルカラ ムクロマトグラフィ一 (酢酸ェチル一n—へキサン 1 : 1) にて精製して、 6— t—プチルー 8—フルオロー 2, 3—ジメチルー 4一キノリノール 845mgを 得た。 収率 1 1. 3%
FAB-MS; m/z 248 (M+H)+ ; 'Ε NMR (CDC13) δ 1.33 (9H, s, t - Bu), 2.13 (3H, s, CH3), 2.52 (3H, s, C¾), 7.33 (1H, dd, J = 12.9, 2.1Hz, H3 - ar omatic), 8.11 (1H, d, J二 1.5Hz, ¾- aromatic), 8.92 (1H, bs, NH).
荬施例 6 6— t一ブチル— 8—フルオロー 2, 3—ジメチルー 4—ァセトキ シキノリン
実施例 5で得た 6— t—プチルー 8—フルオロー 2 , 3ージメチル— 4—キノ
リノール (3. 93 g, 15. 9 mmo 1) を、 ピリジン (13mL、 159m mo 1) に溶解し、 無水酢酸 ( 1 5mL, 159 mm o 1 ) を加え、 80°Cで 1 時間加熱撹拌を行った。 溶媒のピリジンと残存する無水酢酸とを減圧下留去して、 4. 90 gのオイル状残渣を得た。 これを n—へキサン (4. 5mL) に溶解し、 結晶種を入れて、 室温下、 緩やかに 12時間撹拌を行い、 白色の結晶が大量に得 た。 結晶を濾過し、 冷 n—へキサン (4. 5mL) で素早く洗浄し、 得られた結 晶を室温で 12時間乾燥して、 2. 53 gの 6— t一プチル— 8—フルオロー 2 , 3—ジメチル— 4ーァセトキシキノリン白色結晶を得た。 収率 90. 1 %
FAB-MS; m/z 290 (M+H)+ ; ^ NMR (CDC13) δ 1.38 (9Η, s, t-Bu), 2.26 (3H, s, Acetyl), 2.52 (3H, s, CH3), 2.75 (3H, s, CH3), 7.37 (1H, d, J 二 1.9Hz, H5- aromatic), 7.43 (1H, dd, J = 12.9, 1.9Hz5 H7- aromatic) . 串施例 1 4_ t—アミルー 2—フルォロア二リン
ガラス製の反応容器の中に、 撹拌子と、 36%塩酸 5. 50mLとを加え、 塩 化亜鉛 (5. 24 g, 0. 0383mo 1) を溶解した。 撹拌しながら 2—フル ォロアニリン ( 10. OmL, 0. 104mo 1 ) および t—ァミルアルコール
( 1 1. 4mL, 0. 1 04mo 1) を順に加え、 このガラス容器をステンレス 製の耐圧容器に格納し、 内部の圧力が漏れないように密封した後、 190°Cに加 熱して撹拌反応を行った。 初期の圧力は約 5気圧であった。 このまま反応を 72 時間続けた。 十分に温度の低下を確認した後、 圧力容器を開封した。 酢酸ェチル
(20 OmL) を加え、 攪拌して全体を均一にして水 (20 OmL) を加え、 水 酸化ナトリウムにて中和して pH 9に調整した。 大量に析出した茶色の固体を濾 別し、 濾過液を分液し、 有機層を再度水洗した。 得られた有機層を濃縮して、 茶 褐色のオイル状物質 17. 5 gを得た。 このオイル状物質をシリカゲルカラムク 口マトグラフィ一 (n—へキサン一酢酸ェチル 10 : 1) にて精製、 分離して 9. 22 gの 4— t—アミルー 2—フルォロア二リンを得た。 収率 49. 0%。 なお、 構造確認は一部をサンプリングしァミノ基のァセチル化を行ないァセチル体とし て行った。
4一 t—アミルー 2—フルオロー N—ァセチルァニリン
EI-MS; m/z 224 (M+H)+ ; ιΈ. NMR (CDC13) δ 0.67 (3H, t, J = 7.3Hz, am
yl-CH2£H3)5 1.25 (6H, s, amyl- CH3), 1.60 (2H, q, J二 7.5Hz, amyl-CH^CH 3), 2.21 (3H, s, Acetyl-CH3), 7.03 (1H, dd, J二 17.1, 1.9Hz, H3), 7.0 7 (1H, dd, J = 8.3, 2.0Hz5 ¾), 7.29 (1H, brs, NH), 8.16 (1H, dd, J = 8.5, 8.5Hz, ).
第施例 8 6— t—ァミル一 8—フルオロー 2, 3—ジメチル一 4—キノリノ ール
4— t—アミルー 2—フルォロア二リン ( 2. 00 g, 1 1. lmmo l) を トルエン ( 1 5 mL) に溶解し、 2—メチルァセト酢酸ェチル ( 1. 5 6mL, 1 1. lmmo l) と三フッ化ホウ素ジェチルエーテル錯体 ( 5 0 m 1 ) とを加 え、 モレキュラーシーブスをつめた還流管をフラスコ上部に完備した反応装置に て、 6時間加熱還流を行った。 反応液を室温に戻し、 ジフエニルエーテル ( 50 mL) 、 ピぺリジン (0. 7mL) および無水酢酸 ( 0. 3mL) を順に加えて、 30分間撹拌した。 再び加温を行い、 溶媒のトルエンを留去した。 さらに反応温 度を 2 50°Cまで昇温し、 1 0分間その温度で保ち、 環化反応を完結させた。 反 応液を室温に放冷し、 ー晚静置して結晶化を行った。 析出した褐色結晶を濾別し、 n—へキサンで洗浄し、 得られた褐色結晶を減圧下室温にて 3時間乾燥して、 6 —t—アミルー 8—フルオロー 2 , 3—ジメチルー 4—キノリノール 1. 1 8 g を得た。 収率 4 1. 0%
FAB-MS; m/z 263 (M+H)+ ; !H NMR (CDC13) δ 0.64 (3H, t, J = 7.6Hz, a my CH2GH3), 1.31 (6H, s, amyl-CH3), 1.65 (2H, q, J = 7.3Hz, amy卜 £¾C ¾), 2.14 (3H, s, 2 - C¾), 2.48 (3H, s, 3- CH3), 2.52 (3H, s, CH3)5 7.29
(1H, dd, J = 12.9, 1.9Hz, H7- aromatic), 8.05 (1H, d, J二 1.2Hz, ¾-a romatic), 8.51 (1H, bs, NH).
卖施例 9 6— t—アミルー 8—フルオロー 2, 3—ジメチルー 4—ァセトキ シキノリン
実施例 8で得た 6— t—アミルー 8—フルオロー 2, 3—ジメチル— 4一キノ リノール ( 1. 1 0 g, 4. 2 1 mm 01 ) をピリジン ( 3. 4 m L , 42. 1 mmo 1) に溶解し、 無水酢酸 ( 6. OmL, 6 3. 6 mmo 1) を加え、 8
0 °Cで 2時間加熱撹拌を行った。 溶媒のピリジンと残存する無水酢酸を減圧下留
去し、 酢酸ェチル (10 OmL) を加えた後、 飽和食塩水、 10%クェン酸水お よび飽和食塩水の順に洗浄し、 有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、 固形物 を濾過した後、 濾液を減圧下濃縮した。 得られたオイル状の濃縮残査をシリカゲ ルカラムクロマトグラフィー (n—へキサン—酢酸ェチル 8 : 1) にて精製、 分 離して、 1. 22 gの 6— t—アミルー 8—フルオロー 2 , 3—ジメチル一 4一 ァセトキシキノリンを得た。 収率 95. 9 %
FAB-MS; m/z 304 (M+H)+ ; ¾ NMR (CDC13) δ 0.68 (3Η, t, J = 7.3Hz, a myl-CHgCis), 1.34 (6H, s, amyl-CH3), 1.69 (2H, q, J コ 7.6Hz3 amyl-CE^C ), 2.26 (3H, s, Acetyl-CH3), 2.52 (3H, s, 2 - CH3), 2.75 (3H, s, 3-CH 3), 7.32 (1H, d, J = 1.7Hz, H5- aromatic), 7.37 (1H, dd, J = 12.9, 2.0 Hz, H7 - aromatic ) .
赛施例 1 0 6— t—プチルー 8—フルオロー 2 , 3—ジメチルー 4—メ トキ シカルボニルォキシキノリン
実施例 5で得た 6— t—ブチル— 8—フルオロー 2, 3—ジメチル一 4一キノ リノ一ル ( 1. 00 g, 4. 05 mm o 1 ) を乾燥テトラヒドロフラン (20m L) に溶解し、 氷冷下、 アルゴン雰囲気下に 60%水素化ナトリウム ( 160m g) を加え、 室温に戻し、 ガスの発生が止むまで 1時間撹拌した。 再度氷冷した 後、 乾燥テトラヒドロフラン (5mL) に溶解したクロロギ酸メチル ( 376m L, 4. 86mmo 1) を滴下し、 さらに 3時間室温下で撹拌を続けた。 反応液 を氷水にあけ、 これを酢酸ェチル (5 OmL) で抽出した。 有機層を無水硫酸マ グネシゥムで乾燥し、 固形物を濾別した後、 濾液を減圧下濃縮した。 得られた濃 縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸ェチル一 n—へキサン 3 : 1) にて精製して、 6— t—プチル一 8—フルオロー 2 , 3—ジメチルー 4—メ トキシカルボニルォキシキノリン 784mgを得た。 収率 63. 5 %
FAB-MS; m/z 306 (M+H)+ ; LH NMR (CDC13) δ 1.38 (9H, s, t-Bu), 2.32 (3H, s, 2-CH3), 2.76 (3H, s, 3- C ), 4.00 (3H, s, 0CH3), 7.42 (1H, d,
J = 1.9Hz, H5- aromatic), 7.45 (1H, dd, J 二 12.9, 1.9Hz, H7- aromatic) .
実施例 1 1 6—t—プチルー 8—フルオロー 2 , 3—ジメチルー 4—ェトキ シメ トキシキノリン
実施例 5で得た 6— t—プチルー 8—フルオロー 2, 3—ジメチルー 4—キノ リノール ( 1. 00 g, 4. 0 5 mm o 1 ) を乾燥テトラヒドロフラン (20m L) に溶解し、 氷冷下、 アルゴン雰囲気下に 60 %水素化ナトリウム ( 32 0m g) を加え、 室温に戻してガスの発生が止むまで 1時間撹拌した。 再度氷冷した 後、 乾燥テトラヒドロフラン (5mL) に溶解したエトキシメチルクロリ ド (7 6 1mL, 8. l Ommo l) を滴下し、 さらに 6時間室温下で撹拌を続けた。 反応液を氷水にあけ、 これを酢酸ェチル ( 5 OmL) で抽出した。 有機層を無水 硫酸マグネシウムで乾燥し、 固形物を濾別した後、 濾液を減圧下濃縮した。 得ら れた濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸ェチルー n—へキサ ン 3 : 1) にて精製して、 6— t—プチルー 8—フルオロー 2 , 3—ジメチルー 4ーェトキシメ トキシキノリン 145mgを得た。 収率 1 1. 7%
FAB-MS; m/z 306 (M+H)+ ; ^ NMR (CDC13) δ 1.21 (3H, t, J = 7.1Hz ), 1.36 (9H, s, t-Bu), 2.17 (3H, s, 2 - CH3), 2.53 (3H, s, 3 - CH3), 3.51 (2H, q3J 二 7.1Hz ), 5.53 (ZH, s), 7.37 (1H, dd, J = 17.3, 2.4Hz, H7-a romatic),8.21 (1H, d, J = 2.4Hz, H5-aromatic).
荬施例 1 2 4—シクロへキシル一 2—フルォロア二リン
ガラス製の反応容器の中に、 撹拌子と、 36%塩酸 5. 50mLとを加え、 塩 化亜鉛 ( 5. 24 g, 0. 0 383mo 1) を溶解した。 撹拌しながら 2—フル ォロア二リン ( 1 0. OmL, 0. 1 04 mo 1 ) およびシクロへキサノール ( 10. 4mL, 0. 1 04mo 1) を順に加え、 このガラス容器をステンレス 製の耐圧容器に格納し内部の圧力が漏れないように密封した後、 1 90°Cに加熱 して撹拌反応を行った。 初期の圧力は約 5気圧であった。 このまま反応を 7 2時 間続けた。 十分に温度の低下を確認した後圧力容器を開封した。 酢酸ェチル (2 0 OmL) を加え、 攪拌して全体を均一にして、 水 ( 20 OmL) を加え、 水酸 化ナトリウムにて中和して pH 9に調整した。 大量に析出した茶色の固体を濾別 し、 濾過液を分液し、 有機層を再度水洗した。 得られた有機層を濃縮して、 茶褐 色のオイル状物質 1 5. l gを得た。 このものはシリカゲルカラムクロマトグラ
フィ一 (酢酸ェチルー n—へキサン 1 : 5) にて精製して、 4—シクロへキシル 一 2 _フルォロア二リン 6. 63 gを得た。 収率 33. 0 %
EI-MS; m/z 194 (M+H)+ ; ^ NMR (CDC13) δ 1.34 (6H, m), 1.82 (4H, m), 2.39 (1H, m), 3.55 2H, (bs, NH2)3 6.73 (1H, dd, J = 17.1, 8.1Hz), 6.
78 (1H, dd, J = 8.0, 1.9Hz), 6.84 (1H, dd, J = 12.4, 1.7Hz).
荬施例 1 3 6—シクロへキシル一 8—フルオロー 2, 3—ジメチルー 4—キ ノリノール
4ーシクロへキシルー 2—フルォロア二リン ( 5. 0 0 g , 2 5. 9 mmo 1) をトルエン ( 10 OmL) に溶解し、 2—メチルァセト酢酸ェチル (4. 7 7mL, 33. 7 mmo 1) とパラ トルエンスルホン酸 1水和物 ( 5 Omg) と を加え、 ディ一ンスターク装置を完備した反応装置にて、 3時間加熱還流を行つ た。 反応液を室温に戻し、 ジフエニルエーテル (5 OmL) 、 ピぺリジン (2. OmL) および無水酢酸 ( 1. OmL) を順に加えて 30分間撹拌した。 再び加 温を行い、 溶媒のトルエンを留去した。 さらに反応温度を 2 50°Cまで昇温し、 10分間その温度で保ち、 環化反応を完結させる。 反応液を室温に放冷し、 ー晚 静置して結晶化を行った。 析出した白色結晶を濾別し、 n ^キサンで洗浄し、 得られた白色結晶を減圧下室温にて 3時間乾燥して、 6—シクロへキシルー 8— フルオロー 2, 3—ジメチル— 4—キノリノール 3. 5 6 gを得た。 収率 5 0. 4%
FAB-MS; m/z 274 (M+H)+ ; !H NMR (d6-DMS0) δ 1.40 (6H, m), 1.60 (4H, m), 2.41 (3H, s,), 7.41 (1H, d, J = 12.9), 7.68 (1H, s), 11.25 (1H, s).
卖施例 1 4 6—シクロへキシル _ 8—フルオロー 2 , 3—ジメチルー 4—ァ セトキシキノリン
実施例 5で得た 6—シクロへキシル— 8—フルオロー 2 , 3—ジメチルー 4— キノリノ一ル ( 3. 00 g , 1 1. 0 mm o 1) をピリジン (8. 7 OmL, 1 1 Ommo 1) に溶解し、 無水酢酸 ( 1 1. 2mL, l l Ommo l) を加え、
80°Cで 2時間加熱撹拌を行った。 溶媒のピリジンおよび残存する無水酢酸を減 圧下留去し、 酢酸ェチル ( 1 0 OmL) を加えた後、 飽和食塩水、 1 0 %クェン
酸水および飽和食塩水を順に洗浄し、 有機層を無水硫酸マグネシゥムで乾燥し、 固形物を濾過した後、 濾液を減圧下濃縮した。 得られたオイル状の濃縮残渣をシ リカゲルカラムクロマトグラフィー (n—へキサン一酢酸ェチル 8 : 1 ) にて精 製、 分離して、 3. 1 7 gの 6—シクロへキシル一 8 _フルオロー 2 , 3—ジメ チルー 4—ァセトキシキノリンを得た。 収率 9 1. 2 %
FAB-MS; m/z 317 (M+H)+ ; XE NMR (CDC13) δ 1.27 (2H, m), 1.45 (4H, m), 1.90 (4H, m), 2.26 (3H, s, Acetyl-CH3), 2.25 (3H, s), 2.52 (3H, s), 2.75(3H, s), 2.64 (1H, m), 7.25 (2H, m).