WO2003062412A1 - Fucane sulfate - Google Patents

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Description

明 細 書 硫酸化フカン 技術分野
本発明は糖鎖工学分野において有用な硫酸ィ匕フカンを分解する酵素、 該酵素の 製造方法、 並びに糖鎖工学用試薬として有用な硫酸ィ匕フカンオリゴ糖及びそれら の製造方法に関する。 背景技術
褐藻類には何種類もの硫酸化多糖が含まれている。 これらの硫酸ィ匕多糖は硫酸 化フカンあるいはフコィジンと総称されることが多いが、 その構造は由来となる 海藻により異なる。 例えば、 Fu c u s v e s i c u l O S U Sヽ 刃コメ、 マ コンブ、 ォキナヮモズク、 モズク、 ワカメメカブそれぞれから抽出される硫酸化 多糖は異なる構造を持つ (例えば、 酒井武、 他 1名、 「バイオサイエンスとイン ダストリー」 、 2002年 6月、 第 60卷、 第 6号、 p. 377— 380参 照。 ) 。 また、 一般に一種の海藻から硫酸ィ匕多糖画分を調製すると、 数種の分子 種の硫酸ィ匕多糖が混在してレ、る。
これまでに構造が決定された硫酸ィ匕多糖の分子種としては、 硫酸化フカン (例 えば、 国際公開第 99/41288号パンフレツト参照。 ) 、 硫酸ィ匕フコダルク ロノマンナン (例えば、 国際公開第 96/34004号パンフレット、 国際公開 第 02/0861 16号パンフレツト参照。 ) 、 硫酸化フコガラタタン (例えば、 国際公開第 00ノ 50464号パンフレット参照。 ) 、 硫酸化ダルクロノフカン (例えば、 国際公開第 01Z81560号パンフレツト参照。 ) 等が挙げられる。 硫酸化フカン画分には強い抗凝血活性 (例えば、 国際公開第 99/41288号 パンフレット参照。 ) 、 硫酸ィ匕フコグルクロノマンナン画分には癌細胞に対する アポトーシス誘導活性 (例えば、 国際公開第 97Z26896号パンフレット参 照。 ) が報告されている等、 硫酸ィヒ多糖は一般に何らかの生物活性を持つことが 多い。 そのため、 硫酸化多糖を医薬品として開発する試みがなされている。 JP03/00334
2 硫酸ィヒ多糖を医薬品として開発する際、 その構造を決定する必要が生じるが、 その硫酸ィ匕多糖を分解する酵素を用いれば構造を決定する際に非常に有利である。 しかし褐藻類の硫酸ィ匕多糖を分解する酵素は市販されておらず、 しかも褐藻類の 硫酸化多糖は海藻の種によつて異なるため、 硫酸ィヒ多糖の構造を決めるにはその 硫酸化多糖を特異的に分解する酵素が必要となる。
Fu c u s v e s i c u l o s u s由来硫酸ィ匕フカンは抗凝血作用、 クラミ ジァの子宮表皮細胞への定着阻害作用、 アレルギー反応抑制作用、 移植臓器の拒 絶抑制作用等を持つことが報告されている (例えば日本特許第 3042543号 公報参照) 。 これらの活性と構造の関係を解明するため Fu c u s v e s i c u 1 o s u sや A s c o p h y 1 1 urn n o d o s u m由来硫酸匕フカンの構 造が研究されている力 物理ィ匕学的な分析によりその平均的な構造が提唱されて いるものとして、 酸加水分解により一部のオリゴ糖を調製し構造を解明したもの (L i o n e l C h e v o 1 o t、 他 4名、 「C a r b o h y d r a t e R e s e a r c h」 、 2001年、 第 330卷、 p. 529— 535) が挙げられ る。 該文献には、 非還元末端糖の第 2位と第 3位の炭素に硫酸基が結合した硫酸 化フカンの構造式が開示されている。 しかしながら、 構造を決定したオリゴ糖画 分は全体の 2 %程度であり、 そのオリゴ糖画分は種々の分子量のォリゴ糖の混合 物であり、 還元性末端糖及び非還元性末端糖も一定ではない。 すなわち、 提唱さ れた構造が全フコィダンの主鎖構造であることが証明されていないばかり力 \ 生 産効率も低く、 構造の均一なオリゴ糖に分離することは困難である。
また、 Fu cu s v e s i c u l o s u sや A s c o p hy l l um n o d o s umから硫酸ィ匕フカン画分を調製すると、 数種の分子種の硫酸化多糖が混 在している。 一般に、 目的とする生物活性を担う分子種以外の硫酸ィ匕多糖は不必 要であり、 時には不必要な分子種が副作用を誘発させるだけの場合もある。
また、 構造的に均一な F u c s v e s i c u l o s u sや A s c o p h y
1 1 um n o d o s um由来硫酸化フカンのオリゴ糖を、 再現性よく調製でき れば生物活性と構造の関係を解明する際非常に有用である。 例えば、 褐藻類由来 硫酸化多糖画分に含まれる硫酸化フカンを分解してオリゴ糖を生成させる酵素 (例えば、 国際公開第 99/ 1288号パンフレツト参照) が知られているが、 この酵素はコンブ目褐藻類の硫酸ィ匕フカンによく作用して硫酸化フカンォリゴ糖 を生成させる力 ¾、 F u c u s v e s i c u l o s u sや A s c o p hy l 1 u m n o d o s um等のヒバマタ目褐藻類の硫酸ィ匕フカンには作用しない。 さら に、 国際公開第 96/34004号パンフレット、 国際公開第 02Z08611 6号パンフレツト記載の硫酸化フコダルク口ノマンナンを分解する酵素、 国際公 開第 00/50464号パンフレツト記載の硫酸ィ匕フコガラタタンを分解する酵 秦は、 Fu c u s v e s i c u l o s u sや A s c o p hy l l um n o d o s um等のヒバマタ目褐藻類の硫酸化フカンには作用しない。 発明の目的
以上のことから、 ヒパマタ目褐藻類由来硫酸ィ匕多糖画分に含まれる分子種のそ れぞれを特異的に分解する酵素、 酵素的に製造した構造が均一なオリゴ糖、 及び それらの製造方法が求められてレ、た。
すなわち、 本発明の目的は、 糖鎖工学的に有用なヒバマタ目褐藻類由来硫酸ィ匕 フカンを分解する酵素、 該酵素の製造方法、 及び硫酸ィ匕フカンに該酵素を作用さ せて得られるオリゴ糖及びその製造方法を提供することにある。 発明の概要
本発明者らは鋭意研究の結果、 フコフイラス属に属する細菌の 1菌株、 フコフ ィラス フコイダノリイティカス (Fu c o p h i l u s f c o i d a n o l y t i c u s) S I— 1234力 新規な硫酸ィ匕フカン分解酵素を生産するこ とを見出し、 該酵素の製造方法を見出した。 また、 該酵素を利用してヒバマタ目 褐藻類由来硫酸化多糖画分から構造の均一な新規な硫酸化フカンォリゴ糖を製造 できることを見出し、 本発明を完成させた。
すなわち、 本発明の第 1の発明は、 フコフイラス属細菌の培養物から得られた 硫酸化フカン分解酵素に関する。
本発明の第 1の発明において、 該酵素は、 硫酸化フカン分角酵素生産能を有す るフコフィラス属細菌を培養し、 その培養物から採取することができる。
本発明の第 1の発明において、 硫酸化フカン分解酵素は特に限定はされないが 例えば、 エンド型 α— (1-4) Lーフコシダーゼ、 ェキソ型 Lーフコシダーゼ、 硫酸化フカン低分子化酵素 Α、 硫酸化フカンデァセチラーゼおよびそれらの任意 の組み合わせが含まれる。
エンド型ひ一 (1-4) L—フコシダーゼとしては、 下記の理ィ匕学的性質を有 するものが例示される:
(I) 下記式 (V) で表される硫酸ィ匕フカンオリゴ糖に作用して、 α— (1— 4) L—フコシル結合をエンド的に切断する;
Figure imgf000005_0001
(I I) 約 6〜8の範囲に至適 ρΗを有する;
(I I I) 約 10〜40°Cに至適温度を有する;
(I V) 分子量:ゲルろ過法にて測定した場合、 約 11万〜 13万である。
ェキソ型 Lーフコシダーゼは、 下記の理化学的性質を有することを特徴とす る:
(I) 硫酸化フカンに作用して、 Lーフコース残基をェキソ的に切断する; 硫酸ィ匕フカン低分子化酵素 Aの理ィ匕学的性質は以下の通りである。
(I) 作用:硫酸化フカンに作用して、 硫酸基を切断し、 硫酸を遊離する (硫酸 化フカンスルファターゼ) 。 硫酸化フカンの低分子化を促進する。
硫酸ィ匕フカンデァセチラ一ゼの理ィ匕学的性質は以下の通りである。
(I) 作用:硫酸ィ匕フカンに作用して、 酢酸を遊離する。 硫酸化フカンの低分子 化を促進する。
本発明の第 2の発明は、 褐藻類由来硫酸化多糖に本発明の第 1の発明の硫酸化 フ力ン分解酵素を作用させて得られる硫酸化フカンオリゴ糖に関する。
本発明の第 2の発明の硫酸化フカンオリゴ糖は、 褐藻類由来硫酸化多糖に本発 明の第 1の発明の硫酸化フカン分解酵素を作用させて取得することを特徴とする 硫酸化フカンォリゴ糖の製造方法によって調製することができる。
本発明の第 3の発明は、 下記一般式 (I) で表される糖ィ匕合物又はその塩に関 する。
Figure imgf000006_0001
(式中、 Rは H又は S03 H又は CH3 CO又は下記一般式 (VI I) であり、 は H又は S03 H又は CH3 COである。 R、 Rェのうち少なくとも 1つは S03 Hである。 nは 1以上の整数である。 )
Figure imgf000006_0002
(式中、 Rは H又は SO3 H又は CH3 COである。 )
本発明の第 4の発明は、 下記一般式 (I) で表される硫酸化フカンオリゴ糖又 はその塩に関する。
Figure imgf000007_0001
(式中、 Rは H又は S03 H又は CH3 CO又は下記一般式 (VI I) であり、 は H又は S03 H又は CH3 COである。 R、 Rェのうち少なくとも 1つは S03 Hである。 nは:!〜 4の整数である。 )
Figure imgf000007_0002
(式中、 Rは H又は SO3 H又は CH3 COである。 )
本発明の第 5の発明は、 本発明の第 1の発明の硫酸化フカン分解酵素をヒバマ タ目褐藻類由来硫酸化多糖に作用させて下記一般式 (VI I I) で表される硫酸 化フカンオリゴ糖を製造する製造方法に関する。
Figure imgf000007_0003
(式中、 Rは H又は SO H又は CH3 CO又は下記一般式 (VI I) であり Rのうち少なくとも 1つは SO Hである。 nは 1以上の整数である。 )
Figure imgf000008_0001
(式中、 Rは H又は SO H又は CH3 COである) 図面の簡単な説明
図 1 :本発明により得られる硫酸化フカン分解酵素の pHと相対活性 (%) の 関係を表すグラフである。
図 2 :本発明により得られる硫酸化フカン分解酵素の温度 (°C) と相対活性 (%) の関係を表すグラフである。
図 3 :本発明により得られる硫酸化フカンオリゴ糖 1一 (1) の1 H— NMR スぺクト を示す図である。
図 4 :本発明により得られる硫酸ィ匕フカンオリゴ糖 1一 (1) の1 3 C-NM Rスぺク トルを示す図である。
図 5 :本発明により得られる硫酸ィ匕フカンオリゴ糖 1一 (1) の質量分析 (マ ス) スぺクトルを示す図である。
図 6 :本発明により得られる硫酸ィ匕フカンオリゴ糖 1一 (2) の1 Η— NMR スぺクトルを示す図である。
図 7 :本努明により得られる硫酸ィ匕フカンオリゴ糖 1一 (2) の1 3 C-NM Rスぺクトルを示す図である。
図 8 :本発明により得られる硫酸化フカンオリゴ糖 1一 (2) の質量分析 (マ ス) スぺクトノレを示す図である。 JP03/00334
8 図 9 :本発明により得られる硫酸化フカンオリゴ糖 1— (3) の1 H— NMR スぺクトルを示す図である。
図 10 :本発明により得られる硫酸ィ匕フカンオリゴ糖 1一 (3) の1 3 C-N MRスぺクトルを示す図である。
図 11 :本発明により得られる硫酸ィ匕フカンオリゴ糖 1一 (3) の質量分析
(マス) スぺクトルを示す図である。
図 12 :本発明により得られる硫酸ィ匕フカンオリゴ糖 1一 (4) の1 H— NM Rスぺク トルを示す図である。
図 13 :本発明により得られる硫酸ィ匕フカンオリゴ糠 1一 (4) の1 3 C-N MRスぺクトルを示す図である。
図 14 :本発明により得られる硫酸ィ匕フカンオリゴ糖 1一 (4) の質量分析 (マス) スぺク トルを示す図である。
図 15 :本発明により得られる硫酸ィ匕フカンオリゴ糖 1一 (5) の1 H— NM Rスぺク トルを示す図である。
図 16 :本発明により得られる硫酸ィ匕フカンオリゴ糖 1一 (5) の1 3 C-N
MRスぺクトルを示す図である。
図 17 :本発明により得られる硫酸ィ匕フカンオリゴ糖 1一 (5) の質量分析 (マス) スぺクト^"を示す図である。
図 18 :本発明により得られるエンド型 α— (1—4) L一フコシダーゼの ρ Ηと相対活性 (%) の関係を表すグラフである。
図 19 :本発明により得られるエンド型 α— (1-4) L—フコシダーゼの温 度 (°C) と相対活性 (%) の関係を表すグラフである。 発明の詳細な説明
以下本発明に関して具体的に説明する。
本発明の糖ィ匕合物を得るための原料としては、 特に限定されるものではないが、 例えば、 Fu c u s v e s i c u l o s u s、 As c o phy l l um n o d o s um等ヒバマタ目の褐藻類由来の硫酸化フカンが使用できる。 該ヒバマ タ目褐藻類は本発明の糖化合物の生産効率が高く原料として好適である。 本発明の硫酸ィ匕フカン分解酵素とは、 褐藻類由来硫酸化フカンに作用して還元 性末端にフコースを持つォリゴ糠を生成させる酵素である。
本発明の硫酸ィ匕フカン由来オリゴ糖は、 硫酸ィ匕フカンに本発明の硫酸ィ匕フカン 分解酵素を作用させて得られるオリゴ糖で、 還元性末端糖がフコースである。 本発明で使用する硫酸ィ匕フカンを製造する際にはまず、 褐藻類を水性溶媒で抽 出し、 硫酸化多糖画分を得る。 その際硫酸化フカンの低分子化を防ぐためには、 p Hは 4〜 9、 温度は 100 °C以下が好ましい。 また、 上記硫酸化多糖画分中の ァミノ酸や低分子性の色素等は限外ろ過で効率良く除去できる。 疎水性物質の除 去 ίこは活性炭処理等も有効である。
このようにして褐藻類の硫酸化多糖画分を得ることができる。 該硫酸化多糖画 分、 硫酸化フカンを含有する画分である硫酸化フカン画分、 硫酸化フカンのいず れもが本発明の硫酸ィ匕フカン分解酵素の基質として使用できる。 該画分を陰ィォ ン交換カラムで分離すればより純度の高い硫酸化フカンを得られる。 上記の硫酸 化多糖画分も陰イオン交換カラムで精製した硫酸ィヒフカンもともに本発明の硫酸 化フカン分解酵素を精製する際の活性測定用基質、 及び硫酸化フカンォリゴ糖製 造時の原料として使用できる。
本発明の硫酸化フカン分解酵素の製造に使用される細菌としては、 硫酸化フカ ン分解酵素を生産する細菌であれば特に限定はないが例えば、 フコフィラス フ コイタノリティカス (Fu c o p h i l u s f u c o i d a n o l y t i c u s) S I— 1234株が挙げられる。
なお、 上記のフコフィラス フコイダノリティカス S I _ 1234株はナマコ の腸内より本発明者らが新たに検索して得た細菌で、 その菌学的性質は次のとお りである。
a. 形態的性質
本菌は直径 1. 2〜: 1. 6 μπιの球菌である。
胞子の有無 なし
グラム染色性 陰性
b . 生理的性質
(1) 生育温度 25°Cで生育する。 (2) 酸素に対する態度 好気性
(3) カタラーゼ 陽性
(4) ォキシダーゼ 陰性
(5) 塩類要求性
0 %食塩培地での生育 陰性
1 %食塩培地での生育 陰性
海水培地での生育 陽性
(6) キノン系 メナキノン 7
(7) 菌体内 DNAの GC含量 52%
(8) OF—テスト 酸を生成しない
(9) 集落の色調 特徴的な集落色素を生成せず
(10) 運動性 陰性
(1 1) 滑走性 陰性
(12) 鞭毛 なし
本菌株は、 バージーズ マニュアル ォブ ディターミネイティブ バタテリ ォ口ンー ι,β e r g e y s M a n n u a 1 o f De t e rmi n a t i v e B a c t e l i o l o gy) , 第 9卷 (1994) に記載の基本分類によ ればグループ 4 (グラム陰性好気性桿菌及び球菌) に分類される。 しかし本菌株 は、 電子伝達鎖にメナキノン 7を有し、 G C含量が 52 %とレヽぅ点でグループ 4 に属する菌と大いに異なる。
そこで、 本菌株の 16 S r RN Aをコードする DN Aの塩基配列を決定し、 既知の細菌と相同性を比較したところ 16 S r RNAをコードする DNAの全 域 (約 1500塩基) にわたつて相同性の高い既知菌株は存在しなかった。 16 S r RNAをコードする DN Aの全配列の相同性が 90%以下の場合、 両細菌 の属が同じであることはない。 一方 DNAデータベースに登録されている 16 S r RNAをコードする DNAの配列をもとに、 系統樹を作成したところ、 本菌株 と類縁の細菌は総て V e r r u c omi c r o b i aに属するものであった。 そ こで、 本発明者らは、 遺伝子的分類において本菌株は V e r r u c omi c r o b i aの新属の細菌であると断定し、 フコフィラス フコイダノリティカス S 1 -1234と命名した。
なお、 上記菌株は Fucophilus fucoidanolyticus SI-1234と表示され、 日本国 茨城県つくば巿東 1丁目 1番地 1 中央第 6 (郵便番号 305— 8566) 独立 行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに FERM P-17517 として平成 1 1年 8月 18日 (原寄託日) より寄託され、 プダぺスト条約に基づ き上記独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに F E RM BP 一 7495として平成 13年 3月 7日 (移管日) より寄託されている。
本菌株の 1 6 S r RNAをコードする DN Aの配列を配列表の配列番号 1に 記載する。 従って、 16 S r RNAをコードする DNAの配列より、 フコフィ ラス フコイダノリティカス S I— 1234と同属と判断される細菌から得ら れた硫酸ィ匕フカン分解酵素も本発明の硫酸ィ匕フカン分解酵素に含まれる。 すなわ ち、 菌学的にフコフィラス フコイダノリティカス S I— 1234と同属と判 断される細菌に加え、 その 16 S r RNAをコードする DNAの配列がフコフ ィラス フコイダノリティカス S I— 1234と同属と判定できる細菌はフコ フィラス属細菌であると判断される。
本発明の硫酸ィ匕フカン分解酵素を生産する細菌を培養するにあたり、 培地に加 える栄養源は使用する微生物が利用し、 該酵素を生産するものであればよく、 炭 素源としては、 例えば、 硫酸化フカン、 Fu c u s v e s i c u l o s u sや A s c o p h y 1 urn n o d o s u m等の?毎藻、 アルギン酸、 ラミナラン、 フ コース、 グノレコース、 マンニトーノレ、 グリセ口一ノレ、 サッカロース、 マノレトース、 デンプン等が利用でき、 窒素源としては、 酵母エキス、 ペプトン、 カザミノ酸、 コーンスティープリカ一、 肉エキス、 脱脂大豆、 硫安、 塩化アンモニゥム、 尿素、 尿酸等が適当である。 その他にナトリウム、 カリウム、 マグネシウム、 カルシゥ ム、 亜鉛等の塩化物、 リン酸塩、 硫酸塩等を加えてもよい。 なお、 一般に海水か ら採取した微生物は、 海水あるいは市販の人工海水中で極めて生育し易い。
また、 培養条件は使用する微生物、 培地組成等に応じ、 本発明の硫酸化フカン 分解酵素の生産量が最大になるように設定するが、 一般に培養温度は 15〜3
0 °C、 培地の pHは 5〜9がよく、 5〜72時間の通気攪拌培養で本発明の硫酸 化フカン分解酵素の生産量は最高に達する。 培養終了後、 遠心分離で菌体と培養 上清に分画し、 それぞれから本発明の硫酸ィ匕フカン分解酵素を得ることができる。 上記のフコフィラス フコイダノリィティカス S I— 1234を適当な培地 で培養し、 その菌体を集め、 通常の細胞破砕手段、 例えば超音波処理で菌体を破 砕すると無細胞抽出液が得られる。 次いでこの抽出液から通常の精製手段により、 硫酸ィ匕フカン分解酵素を精製することもできる。 例えば、 塩析、 イオン交換カラ ムクロマ ト、 疎水カラムクロマ ト、 ゲルろ過等により精製した本発明の硫酸ィ匕フ カン分解酵素を得られる。 また、 上述の培養上清中にも本発明の硫酸化フカン分 解酵素が存在するので、 菌体内酵素と同様の精製手段で精製できる。 本発明の硫 酸ィ匕フカン分解酵素は、 少なくとも以下の 4種類の酵素、 エンド型ひ一 l- 4) L—フコシダーゼ、 ェキソ型 L—フコシダーゼ、 硫酸化フカン低分子化酵素 A、 硫酸ィ匕フカンデァセチラーゼを含む。
本発明の硫酸ィ匕フカン分解酵素の理ィ匕学的性質は以下の通りである。
(I) 作用:硫酸化フカンに作用して、 フコースを還元性末端に持つオリゴ糖を 生成させる。
(I I) 至適 pH:本酵素の至適 pHは 7. 0〜8. 5付近にある (図 1 ) 。 すなわち図 1は本酵素の反応時の p Hと相対活性の関係を表すグラフであり、 縦軸は相対活性 (%) 、 横軸は pHを示す。
(I I I) 至適温度:本酵素の至適温度は約 30〜40°C付近にある (図 2) 。 すなわち、 図 2は本酵素の反応時の温度と相対活性の関係を表すグラフであり、 縦軸は相対活性 (%) 、 横軸は温度 (°C) を示す。
本発明の硫酸ィ匕フカン分解酵素の一例であるエンド型 α— (1-4) L—フコ シダーゼの理ィヒ学的性質は以下の通りである。
(I) 下記式 (V) で表される硫酸化フカンオリゴ糖に作用して、 ひ一 (1— 4) Lーフコシル結合をェンド的に切断する;
Figure imgf000014_0001
(I I) 至適 pH:本酵素の至適 pHは 6〜 8付近にある (図 18)。
すなわち図 18は本酵素の反応時の p Hと相対活性の関係を表すグラフであり、 縦軸は相対活性 (%) 、 横軸は pHを示す。
(I I I) 至適温度:本酵素の至適温度は約 10〜40°C付近にある (図 19) 。 すなわち、 図 18は本酵素の反応時の温度と相対活性の関係を表すグラフであ り、 縦軸は相対活性 (%) 、 横軸は温度 (°C) を示す。
(I V) ) 分子量:ゲルろ過法にて測定した場合、 約 11万〜 13万である。 本発明の硫酸化フカン分解酵素の一例であるェキソ型 L一フコシダーゼの理ィ匕 学的性質は以下の通りである。
(I) 作用:硫酸ィ匕フカンに作用して、 Lーフコース残基をェキソ的に切断する。 本発明の硫酸ィ匕フカン分解酵素の一例である硫酸ィヒフカン低分子化酵素 Aの理 化学的†生質は以下の通りである。
(I) 作用:硫酸ィ匕フカンに作用して、 硫酸基を切断し、 硫酸を遊離する (硫酸 ィ匕フカンスノレファターゼ) 。 硫酸化フカンの低分子化を促進する。
本発明の硫酸ィヒフカン分解酵素の一例である硫酸化フカンデァセチラ一ゼの理 化学的性質は以下の通りである。
(I) 作用:硫酸化フカンに作用して、 酢酸を遊離する。 硫酸化フカンの低分子 化を促進する。 本発明の硫酸化フカン分解酵素は、 硫酸ィ匕フカン分解活性を測定して確認でき、 生産菌の無細胞抽出液でも、 各種カラムクロマトで精製後の酵素溶液でも確認で さる。
フコブイラス フコイダノリティカス S 1 - 1 2 3 4株は硫酸ィ匕フカンを資ィ匕 する微生物であり、 硫酸化フカンを分解するために菌体内及び菌体外に本発明の 硫酸化フカン分解酵素を生産する。
本発明の硫酸化フカンオリゴ糖は、 本発明の硫酸化フカン分解酵素を硫酸化フ カン、 若しくは硫酸ィ匕フカン含有物に作用させて調製できる。 硫酸ィ匕フカン含有 物としては、 例えば硫酸ィ匕フカンの部分精製品、 褐藻類由来硫酸化多糖画分、 褐 藻類の水性溶媒抽出物、 若しくは褐藻類藻体が好適に使用できる。
本発明の硫酸化フカンオリゴ糖を調製する際、 硫酸化フカン、 若しくは硫酸ィ匕 フ力ン含有物の溶解は定法で行えばよく、 溶解液中の硫酸化フカン、 若しくは硫 酸ィ匕フカン含有物はその最高溶解濃度でもよいが、 通常はその操作性、 反応に使 用する本発明の硫酸ィ匕フカン分解酵素の量等を考慮して選定すればよい。 硫酸化 フカンの溶解液としては、 水、 緩衝液等より目的に応じて選択すればよい。 溶解 液の p Hは通常中性付近で、 酵素反応は通常 3 0 °C付近で行う。 反応に使用する 本発明の硫酸ィ匕フカン分解酵素の使用量、 反応液の組成、 反応時間等の調整によ り、 碎酸化フカンオリゴ糖の分子量を調整できる。 この様にして得られた本発明 の硫酸ィ匕フカンオリゴ糖を分子量分画あるいは陰イオン交換カラムで分画して、 更に均一な分子量の本発明の硫酸化フカンオリゴ糖を調製できる。 分子量分画は 定法、 例えばゲルろ過法や限外ろ過法を使用すればよい。 低分子化物は、 必要に 応じて更にイオン交換樹脂処理、 活性炭処理等の精製操作を行ってもよく、 必要 に応じて脱塩処理、 無菌処理、 凍結乾燥処理もできる。 これらの方法で、 後述の ごとく、 NMR分析で構造決定可能な均一な構造の本発明の硫酸化フカンオリゴ 糖を得られる。
本発明の硫酸化フカンオリゴ糖は、 硫酸基を分子中に有しており、 該基は種々 の塩基と反応し、 塩を形成する。 本発明の硫酸化フカンオリゴ糖は、 塩になった 状態が安定であり、 通常ナトリゥム及び Z又は力リゥム及び/又はカルシウム等 の塩の形態で提供される。 これらの物質の塩はダウエックス 5 O W等の陽イオン 交換樹脂を利用して遊離の本発明の硫酸ィ匕フカンオリゴ糖に導ける。 また、 これ らは、 必要に応じ公知慣用の塩交換を行い所望の種々の塩に交換できる。
本発明の硫酸ィ匕フカンオリゴ糖は、 薬学的に許容される塩、 例えばナトリウム、 カリウム等のアルカリ金属、 カルシウム、 マグネシウム、 亜鉛等のアルカリ土類 金属、 アンモニア等の塩とすることができる。
本発明の糖化合物、 硫酸化フカンオリゴ糖は、 その非還元末端糖の第 2位、 第 3位の炭素に水酸基が結合しているのが特徴である。 さらに、 本発明の糖化合物、 硫酸化フカンオリゴ糖においては、 ァセチル基、 フコシル基が結合していてもよ い。
本発明の硫酸化フカン分解酵素は硫酸ィ匕フカンを低分子化するため硫酸ィ匕フカ ンの構劍军析に使用できる。 また、 本発明の硫酸ィ匕フカンオリゴ糖は糖鎖工学用 試薬として使用できる。 例えば、 特公平 5— 6 5 1 0 8号公報記載の方法により 2—アミノビリジルイ匕 (P A化) を行い、 後述のごとく該オリゴ糖の P A化物を 調製すれば、 種々の硫酸化フカン分解酵素の基質として使用できるなど糖鎖工学 用試薬として極めて有用な物質を提供できる。 また、 本発明の硫酸化フカンオリ ゴ糖を抗原として、 抗体を作製することができ、 該抗体は硫酸化多糖の構造の特 定に使用できる。
実施例
以下に本発明を実施例をもって具体的に示すが、 本発明は以下の実施例の範囲 のみに限定されるものではない。
参考例 1 Fucus vesiculosus由来硫酸化多糖画分の調製
乾燥した Fucus vesiculosus藻体を粉碎し、 その l k gを 1 0リツトルの 8 0 %ェタノールに懸濁し、 2 5 DCで 3時間攪拌後ろ過、 洗浄し残さを得た。 その 残さを 3 0リットルの 1 0 O mM 塩ィ匕ナトリウムを含む 3 O mM リン酸緩衝 液 (p H 6 . 5 ) 中に懸濁し、 9 5 °Cで 2時間処理後、 3 0 °Cに冷却し、 1 0 0 gの活性炭、 3 0 0 0 Uのアルギン酸リアーゼ (ナガセ生化学工業製) 、 及ぴ 3 . 7 5リツトルのエタノールを添加し 2 4時間攪拌後、 遠心分離して上清を得た。 その上清を排除分子量 1 0万のホロファイバーを装着させた限外ろ過機で 4リッ トルに濃縮後、 1 0 O mM 塩化ナトリウムで溶媒を置換した。 この溶液を4。 C まで冷却し、 0 . 5 N 塩酸で p Hを 2 . 0とし、 生じた沈殿を遠心分離で除去 し、 上清を得た。 その上清の p Hを 1 N 水酸化ナトリウムで 8 . 0とし、 上記 の限外ろ過機で 2リットルに濃縮後、 2 O mM 塩化ナトリゥムで溶媒を置換し、 遠心分離で不溶物を除去後、 凍結乾燥して 8 0 gの Fucus vesiculosus由来硫酸 化多糖画分を得た。
参考例 2 Ascophyllum nodosum由来硫酸化多糖画分の調製
市販の Ascophyllum nodosum粉末 1 k g力 ら、 参考例 1の方法で 1 0 0 gの Ascophyllum nodosum由来硫酸化多糖画分を得た。
参考例 3 ガゴメコンブ由来硫酸ィヒ多糖画分の調製
市販の乾燥ガゴメコンブをカッターミル (増幸産業製) で破碎してチップとし、
1 k gのチップから、 参考例 1の方法で 3 8 gのガゴメコンプ由来硫酸化多糖画 分を得た。
参考例 4 Fucus vesiculosus由来硫酸化フカン画分の調製
7 gの参考例 1記載の Fucus vesiculosus由来硫酸化多糖画分を 7 0 0 m 1の 1 0 0 mM 塩化ナトリウムを含む 2 0 mM ィミダゾール塩酸緩衝液 ( p H 6 .
0 ) に溶解し、 同緩衝液で平衡化させた 5リットルの D E A E—セル口ファイン A— 8 0 0にかけた。 試料を流した後、 1 0リツトルの同緩衝液で洗浄し、 1 0 0〜: 1 6 0 0 mMの塩化ナトリゥム濃度勾配で溶出させ、 分取 (5 0 0 m l ) し た。 各画分に含まれる総糠量をフエノール硫酸法で、 総ゥロン酸量を力/レバゾー ル硫酸法で測定した。 溶出塩化ナトリウム濃度 7 0 0〜 8 0 0 mMの画分を、 限 外ろ過 (排除分子量 1 0万) で濃縮、 脱塩後凍結乾燥し、 1 . O gの Fucus vesiculosus由来硫酸化フカン画分を得た。
参考例 5 Ascophyllum nodosum由来硫酸ィヒフカン画分の調製
7 gの参考例 2記載の Ascophyllum nodosum由来硫酸化多糖画分から、 参考例 4の方法で 1 . 1 gの Ascophyllum nodosum由来硫酸ィ匕フカン画分を得た。
参考例 6 硫酸化フカン分解酵素活性測定方法
本発明の硫酸ィ匕フカン分解酵素は硫酸化フカンに作用して硫酸ィ匕フカンを低分 子化させる。 これを利用して下記の方法で硫酸ィヒフカン分解酵素の活性を測定し た。 また、 本発明の硫酸化フカン分解酵素は Fucus vesiculosus及び Ascophylum nodosum由来硫酸化フカンに作用するが、 活性測定には Fucus vesiculosus由来硫 酸ィ匕フカンを基質に用いた。
すなわち、 2. 5%の濃度になるように溶解した参考例 4記載の Fucus vesiculosus由来硫酸化フカン画分溶液 4. 8 μ 1、 60 μ 1の 50 mM ィミ ダゾールー塩酸緩衝液 (pH7. 8) 、 6 μ 1の 1M 塩ィ匕カルシウム、 9 μ 1 の 4Μ 塩ィ匕ナトリウム、 28. 2 μ 1の水、 及ぴ 1 2 μ 1の本発明の硫酸化フ カン分解酵素とを混合し、 30°Cで 3時間反応させた後、 反応液を 1 00°Cで 1 0分間処理し、 H P L Cで分析した。 対照として、 本発明の硫酸化フカン分解酵 素の代わりに、 その酵素溶液の溶媒を用いて反応させたもの及び硫酸ィ匕フカン画 分の代わりに水を用いて反応させたものを同様に分析した。 HPLCの分析は下 記の様に行った。 カラム S h o d e X S B— 806 HQ
カラム温度 25°C
溶離液 5 mM ァジィ匕ナトリウムを含む 50 mM 塩化ナトリウム 流斑 1 m 1 Z分
検出 示差屈折率検出器
1単位の硫酸化フカン分解酵素活性は上記反応系において 1分間に 1 m o 1 eのフコシル結合を切断する酵素量とした。 切断したフコシル結合の量は下記式 により求めた。
F d X (Sm/Pm- 1) / (SmX 1 80 X 0. 01) =\J/ 1
F d :反応に用いた硫酸ィ匕フカン量 (Ai g)
Sm:基質硫酸化フカンの平均分子量
Pm:反応後の硫酸ィヒフカンの平均分子量
ISO:反応時間 (分)
0.01:酵素液量 (ml )
また、 タンパク質の定量は、 酵素液の 280 nmの吸光度を測定することによ り行い、 その際 lmgZmlのタンパク質溶液の吸光度を 1. 0として計算した。 実施例 1 硫酸化フカン分解酵素の調製
フコフィラス フコイダノリイティカス (Fu c o p h i 1 u s f c o i d a n o l y t i c u s) S I— 1234を、 参考例 1に記載の Fucus
vesiculosus由来硫酸化多糖画分 0. 2 %とペプトン 1 %を含む人工海水 (ジャ マリンラボラトリー製) pH8. 0からなる培地 600m 1を 120°C、 20分 間ォートクレーブ処理した培地に接種し、 24 °Cで 72時間培養して種培養液と した。 参考例 1に記載の Fucus vesiculosus由来硫酸ィヒ多糖画分 0. 2%、 ぺプ トン 1%、 及び消泡剤 (KM70、 信越化学工業製) を含む人工海水 (ジャマリ ンラボラトリー製) pH8. 0からなる培地 20リットルを 30リットルのジャ 一ファーメンターに入れ、 120° (、 20分間オートクレーブ処理した培地に、 上記の種培養液を接種し、 毎分 125回転の回転速度で、 24°Cで 48時間培養 した。 培養終了後、 培養液を遠心分離して菌体及び培養上清を得た。
この菌体を 700m 1の 25 OmM 塩化ナトリウムと 10mM 塩化カルシ ゥムを含む 10 mM イミダゾールー塩酸緩衝液 (pH7. 0 ) に懸濁し、 超音 波破碎後、 遠心分離して上清を得た。 この上清を同じ緩衝液で充分透析し、 遠心 分離して上清、 すなわち、 本発明の硫酸ィ匕フカン分解酵素粗酵素溶液を得た。 なお、 上記の培養上清と粗酵素溶液に含まれる、 硫酸ィ匕フカン分解酵素活性を 参考例 6記載の方法で測定した結果、 培養液上清には培地 1 m 1あたり 0. 05 mU、 菌体抽出液には培地 1mlあたり 0. 05 mUの活性が検出された。
上記の硫酸ィ匕フカン分解酵素粗酵素溶液を限外ろ過により溶媒を 10 mM 塩 化カルシウム、 3 OmM 塩化ナトリウム、 5mM アジィ匕ナトリウムを含む 1 0 mMのィミダゾール一塩酸緩衝液 ( p H 7. 0 ) に交換し、 同緩衝液で平衡化 させた 500mlの0£ £_セルロファィン _800にかけた。 すなわち、 酵素溶液を添加後、 上記緩衝液で充分洗浄し、 3 OmMから 35 OmMの塩ィ匕ナ トリゥムの濃度勾配により溶出させた。 分取は 1本あたり 51 m 1とした。
各フラクションの硫酸ィ匕フカン分解酵素活性を測定し、 活性画分のうち、 塩化 ナトリゥム濃度 60〜14 OmMで溶出された画分をDEAE—l画分、 塩ィ匕ナ トリゥム濃度 140〜230111^1で溶出された画分を0£八£ー2画分とした。 上記の DEAE— 1画分を 1 OmM 塩化カルシウム、 100 mM 塩化ナト リウム、 5 mM アジ化ナトリゥムを含む 10 mMのィミダゾールー塩酸緩衝液 (pH7. 0 ) で平衡ィ匕させた 200mlの硫酸ィ匕セル口ファイン (生化学ェ 業) にかけた。 すなわち、 酵素溶液を添加後、 上記緩衝液で充分洗浄し、 100 mMから 60 OmMの塩ィ匕ナトリゥムの濃度勾配により溶出させた。 分取は 1本 あたり 2 Om 1とした。
各フラクションの硫酸ィ匕フカン分解酵素活性を測定し、 活性画分のうち、 塩ィ匕 ナトリゥム濃度 290〜37 OmMで溶出された画分をDEAE—l S画分とし た。
上記の DEAE— 2画分を 1 OmM塩ィヒカルシゥム、 20 OmM 塩化ナトリ ゥム、 5 mM ァジィ匕ナトリウムを含む 10 mMのィミダゾールー塩酸緩衝液
(pH7. 0) で平衡ィ匕させた 20 Om 1の硫酸ィ匕ーセル口ファイン (生化学ェ 業) にかけた。 すなわち、 酵素溶液を添加後、 上記緩衝液で充分洗浄し、 200 mMから 1500 mMの塩化ナトリゥムの濃度勾配により溶出させた。 分取は 1 本あたり 2 Om 1とした。
各フラクションの硫酸化フカン分解酵素活性を測定し、 活性画分のうち、 塩ィ匕 ナトリゥム濃度 240〜35 OmMで溶出された画分を DEAE— 2 S画分とし た。
実施例 2 硫酸ィ匕フカン分解酵素粗酵素溶液を用いた硫酸ィ匕フカンオリゴ糖の 調製、 精製、 及び構造解析
(1) 基質の調製
乾燥した Fucus vesiculosus藻体 60 gを粉砕し、 1リツトルの 80%ェタノ ールに懸濁し、 2時間攪拌後、 ろ過し、 残さを充分洗浄した。 得られた残さに対 して上記の洗浄工程をさらに 2回行い、 洗浄残さを得た。 この洗浄残さに 4リツ トルの 5 OmM 塩化カルシウム、 40 OmMの塩化ナトリゥム、 及び 10% ェタノールを含む 20 mMのィミダゾールー塩酸緩衝液 ( p H 7 · 0 ) に懸濁後、 24時間攪拌し、 遠心分離により Fucus vesiculosus抽出液を得た。
得られた Fucus vesiculosus抽出液に上記の抽出用緩衝液を加えながら、 排除 分子量 10万のホロファイバーを装着させた限外ろ過機により限外ろ過し、 低分 子物質を除去した。 最終的に 32 Om 1とし、 遠心分離により沈殿を除去した。 こうして、 Fucus vesiculosus咼分子画分を得た。
( 2 ) 硫酸化フカンォリゴ糖の調製
実施例 2— (1) 記載の Fucus vesiculosa高分子画分全量に実施例 1記載の DEAE— 1 S画分 (硫酸化フカン分解酵素活性として 1. 78mU) 及び DE
AE—2 S画分 (硫酸化フカン分解酵素活性として 1. 97mU) を混合し、 2 5 °Cで 5日間反応させた後、 実施例 1記載の DEAE— 1 S画分 (硫酸化フカン 分解酵素活性として 1. 54 mU) 及ぴ D E A E— 2 S画分 (硫酸ィ匕フカン分解 酵素活性として 1. 70 mU) を混合し、 25 °Cで 13日間反応させた。
反応液を排除分子量 1万のホロフアイバーを装着させた限外ろ過装置にかけ、 分子量 1万以下のオリゴ糖画分を回収し、 硫酸ィ匕フカンオリゴ糖混合物 1とした。
(3) 硫酸ィ匕フカンオリゴ糖の精製
実施例 2— ( 2 ) で得られた硫酸化フカンォリゴ糖混合物 1に水を加え、 10 mMとなるようにイミダゾールを、 1 OmMとなるように塩ィ匕ナトリゥムを添加 し、 10 mM塩化ナトリゥムを含む 10 mM ィミダゾールー塩酸緩衝液 ( H
6. 0) で平衡化した 50 Om 1の DEAE—セル口ファイン A— 800のカラ ムにかけ、 1リツトルの同じ緩衝液で洗浄後、 10〜: 1200 mMの塩化ナトリ ゥム濃度勾配で溶出させ、 1本あたり 50 m 1で分取した。 各フラクションの総 糖量をフエノールー硫酸法で測定した。 その結果、 5種のピークが存在していた のでそれぞれのピーク部分を集めオリゴ糖 1一 (1) から 1一 (5) 画分とした。 オリゴ糖 1一 (1) 〜1一 (3) 画分をそれぞれ、 エバポレーターで 4 Om 1 に濃縮後、 1◦ %エタノールで平衡化させたセルロフアイン G C L— 25のカラ ム (4. 1 X 90. 5 cm) にかけ、 10 %エタノールで溶出して脱塩した。 オリゴ糖 1一 (1) 及び 1一 (2) はそのまま凍結乾燥により乾固した。 こうし て 15 m g及び 75 m gの本発明の硫酸ィ匕フカンオリゴ糖 1— ( 1 ) 及び 1一
(2) を得た。
脱塩したォリゴ糖 1一 (3) 画分を集め、 10 mMとなるようにイミダゾーノレ を、 20 OmMとなるように塩化ナトリウムを加え、 pHを 6とした。 このオリ ゴ糖溶液を 200 mM 塩化ナトリウムを含む 10 mM イミダゾールー塩酸緩 0300334
21 衝液 (pH6. 0) で平衡化した 10 Om 1の DEAE—セル口ファイン A— 8 00の力ラムにかけ、 300mlの同じ緩衝液で洗浄後、 200〜 700 mMの 塩化ナトリウム濃度勾配で溶出させ、 1本あたり 10 m 1で分取した。 各フラク シヨンの総糖量をフエノールー硫酸法で測定した。 その結果、 溶出塩濃度 430 mMから 48 OmMの画分に分子量が均一なオリゴ糖が存在していたのでその画 分を集めた。 この画分をエバポレーターで 4 Omlに濃縮後、 10%エタノール で平衡ィ匕させたセル口ファイン GCL— 25のカラム (4. 1 X 90. 5 c m) にかけ、 10 %ェタノ一ルで溶出して脱塩した。 脱塩したォリゴ糖溶液を凍 結乾燥により乾固した。 こうして3 5 m gの本発明の硫酸化フカンォリゴ糖 1— (3) を得た。
オリゴ糖 1— (4) 画分に水を加え、 30 OmMの塩化ナトリウムを含む 10 mM ィミダゾールー塩酸緩衝液、( p H 6 ) と導電率を同じにした。 このオリゴ 糖溶液を 300 mM 塩ィ匕ナトリウムを含む 10 mM ィミダゾールー塩酸緩衝 液 (pH6. 0) で平衡ィ匕した 5 Om 1の DEAE—セル口ファイン A— 800 の力ラムにかけ、 100 m 1の同じ緩衝液で洗浄後、 300〜 800 mMの塩ィ匕 ナトリウム濃度勾配で溶出させ、 1本あたり 4. 9mlで分取した。 各フラクシ ョンの総糖量をフエノ一ルー硫酸法で測定した。 その結果、 溶出塩濃度 450m Mから 63 OmMの画分に分子量が均一なオリゴ糖が存在していたのでその画分 を集めた。 この画分をェパポレーターで 4 Om 1に濃縮後、 10%エタノールで 平衡ィ匕させたセル口ファイン GCL— 25のカラム (4. 1 X 90. 5 cm) にかけ、 1◦ %ェタノ一ルで溶出して脱塩した。 脱塩したォリゴ糖溶液を凍結乾 燥により乾固した。 こうして 112m gの本発明の硫酸化フカンオリゴ糖 1— (4) を得た。
オリゴ糖 1一 (5) 画分に水を加え、 40 OmMの塩ィ匕ナトリウムを含む 10 mMイミダゾールー塩酸緩衝液 (pH 6) と導電率を同じにした。 このオリゴ糖 溶液を 400 mM塩化ナトリウムを含む 10 mMィミダゾールー塩酸緩衝液 ( H6. 0) で平後 匕した 10 Om 1の DEAE—セル口ファイン A— 800の力 ラムにかけ、 200 m 1の同じ緩衝液で洗浄後、 400〜 900 mMの塩化ナト リゥム濃度勾配で溶出させ、 1本あたり 10 m 1で分取した。 各フラクションの 総糖量をフヱノール一硫酸法で測定した。 その結果、 溶出塩濃度 64 OmMから 70 OmMの画分に分子量が均一なオリゴ糖が存在していたのでその画分を集め た。 この画分をエバポレーターで 40mlに濃縮後、 10 %ェタノールで平衡ィ匕 させたセル口ファイン GCL— 25のカラム (4. 1 X 90. 5 cm) にかけ、 10 %ェタノ一ルで溶出して脱塩した。 脱塩したォリゴ糖溶液を凍結乾燥により 乾固した。 こうして 44m gの本発明の硫酸ィ匕フカンオリゴ糖 1— (5) を得た。
(4) 構造解析
実施例 2— (3) で得られた本発明の硫酸ィ匕フカンオリゴ糖 1— (1) 〜
(5) を 2—アミノビリジンで蛍光標識し、 還元末端糖及び糖組成の分析を行つ たところ、 本発明の硫酸化フカンオリゴ糖 1_ (1) 〜 (5) の還元性末端糖は 総てフコースであった。 また、 中性糖組成も、 総てフコースのみからなるもので あった。 次に、 硫酸含量 (塩ィヒバリウムを用いた比濁法による) を測定し、 質量 分析装置 (AP I - I I I、 パーキンエルマ一 ·サイェクス社製) で質量を分析 した。 また、 J ΝΜ-α 500型核磁気共鳴装置 (日本電子社製) 及び D i g i t a 1 NMR ADVANCE 600 (B r u k e r An a 1 y t i k社 製) で NMR分析を行った。 分析試料は定法により重水で置換後、 構造解析を行 つた。 構成糖の結合様式は、 1 H—検出異種核検出法である HMBC法を用いて 行った。 1 H— NMRの帰属には DQF— COS Y法及ぴ HOHAHA法を、 1 3 C_NMRの帰属にはHSQC法を用ぃた。 以下に本発明の硫酸ィ匕フカンオリ ゴ糖 1一 (1) 〜 (5) の物性を示す。
(a) 本発明の硫酸ィヒフカンオリゴ糖 1一 (1) の物性
質量分析及ぴ NMR分析の帰属の結果を以下に示し、 1 H— NMRスぺクトル を図 3に、 1 3 C— NMRスペクトルを図 4に、 マススぺクトルを図 5にそれぞ れ示した。 図 3、 4において縦軸はシグナルの強度を、 横軸は化学シフト値 (p pm) を示す。 また、 図 5において、 縦軸は相対強度 (%) を、 横軸は、 mZz 値を示す。
分子量; 842
MS m/z ; 431. 1 , [M+Na+ - 2H+ ] 2 - ; 885. 2, [M + 2Na + — 3H+ ] — H— NMR及び1 3 C— NMRによる分析結果を表 1、 2に示す。 表 1
Figure imgf000024_0001
糖組成 L—フコース 4分子
硫酸基 3分子
なお、 1 H— NMR及び1 3 C— NMRにおけるピークの帰属の番号は下記式 (I I) の通りである。
(II)
OH H
(b) 本発明の硫酸ィ匕フカンオリゴ糖 1一 (2) の物性
質量分析及び NMR分析の帰属の結果を以下に示し、 1 H— NMRスぺク トル を図 6に、 1 3 C— NMRスペクトルを図 7に、 マススペクトルを図 8にそれぞ れ示した。 図 6、 7において縦軸はシグナルの強度を、 横軸は化学シフト値 (p pm) を示す。 また、 図 8において、 縦軸は相対強度 (%) を、 横軸は、 mZz 値を示す。
分子量; 922
MS m/z ; 482. 1, [M+ 2 N a + 一 4H+ ] 2 - ; 987. 1, [M + 3N a+ 一 4H+ ] 一 H— NMR及ぴ1 3 C— NMRによる分析結果を表 3、 4に示す。 表 3
Figure imgf000026_0001
糖組成 Lーフコース 4分子
硫酸基 4分子
なお、 1 H— NMR及ぴ1 3 C— NMRにおけるピークの帰属の番号は下記式 (I I I) の通りである。
(III)
OH H
(c) 本発明の硫酸ィ匕フカンオリゴ糖 1一 (3) の物性
質量分析及ぴ NMR分析の帰属の結果を以下に示し、 1 H— NMRスぺク トル を図 9に、 1 3 C— NMRスぺクトルを図 10に、 マススぺクトルを図 11にそ れぞれ示した。 図 9、 10において縦軸はシグナルの強度を、 横軸は化学シフト 値 (p pm) を示す。 また、 図 1 1において、 縦軸は相対強度 (°/。) を、 横軸は、 m/ z値を示す。
分子量; 1454
MS m/z ; 379. 1, [M+ 3 N a + — 7H+ ] 4 — ; 513. 2, [M + 4Na+ _7H+ ] 3 - ; 781. 1, [M+ 5 N a + -7H+ ] 2 1 H— NMR及ぴ1 3 C— NMRによる分析結果を表 5、 6に示す。 表 5
ケミカルシフト値 (p pm)
一 NMR 13C— NMR
ケミカルシフト値、 多重度、
結合疋'数
F1-1 5.43, d, 3.5 91.4
F1-2 4.47, m 74.25 or 74.3 or 74.4
F1-3 4.01, dd, 3.5, 10.0 74.25 or 74.3 or 74.4
F1-4 4.04, m 69.9
F1-5 4.17, m 66.8
F1-6 1.18, d, 6.5 16.3
F2-1 5.33, m 95.67 or 95.71
F2-2 4.58, dd, 3.5, 11.0 73.3 or 73.4
F2-3 4.70, dd, 2.5, 11.0 74.8 or 74.9
F2-4 4.22, m 80.5
F2-5 4.49, m 68.7
F2-6 1.34, d, 6.5 16.5
F3-1 5.24, d, 3.5 99.7
F3-2 4.52, m 74.25 or 74.3 or 74.4
F3-3 4.16, dd, 3, 5, 10.0 74.25 or 74.3 or 74.4
F3-4 4.06, d, 3.0 70.3
F3-5 4.35, m 67.9
F3-6 1.24, d, 6.5 16.19
表 6
Figure imgf000029_0001
糖組成 Lーフコース 6分子
7分子
なお、 1 H— NMR及び1 3 C—NMRにおけるピークの帰属の番号は下記式 (IV) の通りである。
(IV)
OH H (d) 本発明の硫酸化フカンオリゴ糖 1— (4) の物性
質量分析及ぴ NMR分析の帰属の結果を以下に示し、 1 H— NMRスぺクトル を図 12に、 1 3 C— NMRスぺク トルを図 13に、 マススぺク トルを図 14に それぞれ示した。 図 12、 13において縦軸はシグナルの強度を、 横軸は化学シ フト値 (p pm) を示す。 また、 図 14において、 縦軸は相対強度 (%) を、 横 軸は、 m/z値を示す。
分子量; 1986
MS m/ z ; 418. 3, [M+ 5Na+ — 10H+ ] 5 - ; 528. 5,
[M+ 6Na + — 10H+ ] 4 - ; 712. 4, [M+ 7Na + — 10H+ ] 3 - ; 1080. 6, [M+ 8Na + — 10H+ ] 2 - 1 H —NMR及ぴ1 3 C— NMRによる分析結果を表 7〜9に示す。 表 7
ケミカルシフ H直 (p pm)
XH-NMR 13C— NMR
ケミカルシフト値、 多重
度、 結合定数
F1-1 5.43, d, 3.5 91.4
F1-2 4.47, dd, 4.0, 10.0 74.2 or 74.3 or 74.4
F1-3 4.01, dd, 3.5, 10.5 74.2 or 74.3 or 74.4
F1-4 4.04, d, 3.5 69.8 or 69.9
F1-5 4.18, m 66.8
F1 - 6 1.17, d, 7.0 16.3
F2-1 5.33, m 95.5 or 95.6 or 95.7
F2-2 4.58, dd, 3.5, 10.5 73.3 or 73.4
F2-3 4.70, dd, 2.5, 11.0 74.8 or 74.9
F2-4 4.23, m 80.6
F2-5 4.49, m 68.7
F2-6 1.33, m 16.5
F3-1 5.24, m 99.5 or 99.6 or 99.7
F3-2 4.52, ra 74.2 or 74.3 or 74.4
F3-3 4.16, dd, 3.0, 10.5 74.2 or 74.3 or 74.4
F3-4 4.06, m 70.2 or 70.27 or 70.32
F3-5 4.33, m 67.8
F3-6 1.23, m 16.2
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31 表 9
Figure imgf000032_0002
糖組成 Lーフコース 8分子
硫酸基 10分子
なお、 1 H— NMR及び1 3 C— NMRにおけるピークの帰属の番号は下記式 (V) の通りである。
Figure imgf000032_0001
(e) 本発明の硫酸ィ匕フカンオリゴ糖 1— (5) の物性
質量分析及ぴ NMR分析の帰属の結果を以下に示し、 1 H— NMRスぺクトル を図 1 5に、 1 3 C— NMRスぺクトルを図 1 6に、 マススぺクトルを図 1 7に それぞれ示した。 図 1 5、 1 6において縦軸はシグナルの強度を、 横軸は化学シ フト値 (p pm) を示す。 また、 図 1 7において、 縦軸は相対強度 (%) を、 横 軸は、 mZz値を示す。
分子量; 2 5 1 8
MS m/z ; 3 2 7. 6, [M+ 5 N a + — 1 3H+ ] 8 _ ; 37 7. 8,
[M+ 6 Na + - 1 3 H+ ] 7 - ; 444. 5, [M+ 7Na + - 1 3H+ ] 6 - ; 5 3 8. 0, [M+ 8Na + — 1 3H+ ] 5 - ; 6 78. 1, [M+ 9 Na + — 1 3H+ ] 4 - ; 9 1 2. 4, [M+ 1 0N a + _ 1 3+ ] 3 - 1 H— NMR及ぴ1 3 C— NMRによる分析結果を表 1 0〜1 3に示す。 表 10
ケミカノレシフト値 ( pm)
一 NMR 13C— NMR
ケミカルシフト値、 多重度、
結合定数
F1-1 5.43, d, 4.0 91.4
F1-2 4.47, dd, 4.0, 10.0 74.1 or 74.3 or 74.4
F1-3 4.01, dd, 3.5, 10.5 74.1 or 74.3 or 74.4
F1-4 4.04, d, 2.5 69.8 or 69.9
F1-5 4.17, m 66.8
F1-6 1.17, d, 6.5 16.3
F2-1 5.35, m 95.3 or 95.6 or 95.7
F2-2 4.60, m 73.3 or 73.4
F2-3 4.70, dd, 2.5, 11.0 74.8 or 75.0
F2-4 4.22, m 80.6
F2-5 4.50, m 68.6 or 68.7 or 68.75 or 68.81
F2-6 1.33, m 16.45 or 16.54
F3-1 5.23, m 99.3 or 99.5 or 99.7
F3-2 4.52, m 74.1 or 74.3 or 74.4
F3-3 4.16, dd, 3.0, 10.5 74.1 or 74.3 or 74.4
F3-4 4.06, m 70.3
F3-5 4.32, q, 7.0 67.8
F3-6 1.23, ra 16.2 表 1 1
ケミカルシフト値 (p p m)
一 NMR 1 3 C— NMR
ケミカルシフト値、 多重度、
結合疋数
F4-1 5. 35, m 95. 3 or 95. 6 or 95. 7
F4-2 4. 60, m 73. 3 or 73. 4
F4-3 4. 75, m 74. 8 or 75. 0
F4-4 4. 22, m 79. 8 or 80. 1 or 80. 2
F4-5 4. 55, m 68. 6 or 68. 7 or 68. 75 or 68. 81
F4-6 1. 33, m 16. 45 or 16. 54
F5-1 5. 23, m 99. 3 or 99. 5 or 99. 7
F5-2 4. 52, m 74. 1 or 74. 3 or 74. 4
F5-3 4. 16, dd, 3. 0, 10. 5 74. 1 or 74. 3 or 74. 4
F5-4 4. 06, m 70. 3
F5-5 4. 39, m 67. 8
F5-6 1. 23, m 16. 2
F6-1 5. 35, m 95. 3 or 95. 6 or 95. 7
F6-2 4. 60, m 73. 3 or 73. 4
F6-3 4. 75, m 74. 8 or 75. 0
F6-4 4. 22, m 79. 8 or 80. 1 or 80. 2
F6-5 4. 55, m 68. 6 or 68. 7 or 68. 75 or 68. 81
F6-6 1. 33, m 16. 45 or 16. 54
表 12
Figure imgf000035_0001
糖組成 Lーフコース 10分子
硫酸基 13分子
なお、 1 H— NMR及び1 3 C—NMRにおけるピークの帰属の番号は下記式 (VI) の通りである。
Figure imgf000036_0001
(5) 本発明の硫酸ィ匕フカン分解酵素に含まれる酵素種
実施例 2に示すオリゴ糖 1— (1) 〜 (5) は総て一般式 (I) で表すことが できる。 すなわち同じ骨格を持つ多糖から生成してきたと考えられる。 これらの ォリゴ糖の還元性末端糖が総て Lーフコースであることから、 硫酸化フカン分解 酵素にはエンド型 α— L一フコシダーゼが存在していることがわかった。 また、 これらのオリゴ糖は 2糖繰り返し構造を持っていることから、 上記のエンド型ひ 一 L一フコシダーゼは α (1-4) Lーフコシル結合を切断する酵素であること がわかった。 また、 上記のオリゴ糖を得たときの反応液には硫酸、 L—フコース、 酢酸が検出されたことから、 実施例 1で得られた硫酸ィ匕フカン分解酵素標品中に は、 スルファターゼ活性、 フコシダーゼ活性、 デァセチラーゼ活性が混在するこ とが示唆された。
(6) エンド型ひ一 (1-4) L一フコシダーゼ活性測定
実施例 2記載の硫酸化フカンオリゴ糖 1一 (4) を用いて、 エンド型 a— (1 一 4) L一フコシダーゼの活性測定系を確立した。 まず、 実施例 2— (4) 記載 の方法で本発明の硫酸化フカンオリゴ糖 1 _ (4) の還元性末端を 2—アミノビ リジンで蛍光標識した。 エンド型 α_ (1-4) L一フコシダーゼの活'[~生は以下 の様にして測定した。
すなわち、 75 μ 1の 10 OmMリン酸ナトリウム緩衝液 (ρΗ7. 0) 、 7. 5 1の 2mg/m 1の牛血清アルブミン溶液、 3. 75μ 1の 4M塩化ナトリ 4
36 ゥム、 50. 25 μ 1の水、 6 At 1の 10 pmo 1/μ 1の本発明の硫酸ィ匕フカ ンオリゴ糖 1一 (4) の還元性末端を 2—アミノビリジンで蛍光標識したもの、 及び 7. 5 μ 1の本発明のエンド型 a— (1 -4) L—フコシダーゼ溶液を混合 し、 30 °Cで 3時間反応させた後、 反応液を 100 °Cで 1 0分間処理し、 H P L Cで分析した。 対照として、 本発明のエンド型 α— (1-4) L一フコシダーゼ の代わりに、 その酵素の溶媒を用いて反応させたもの及ぴ基質の代わりに水を用 いて反応させたものを同様に分析した。 HP LCは下記の様に行った。
カラム TSK - gel 0ctyl-80Ts (4.6 x 250 mm, 東ソー製)
カラム温度 40°C 各溶離液の 200 mM酢酸トリェチルァミン緩衝液 pH5 5とァセトニトリ ルの比率を以下に記載する。
A液 95 5
B液 10 30
。液 40 60
H P L Cによる分析時の溶離液の組成を以下に記載する。
0〜 7分 A液
7〜25分 A液から Aと B液の混合液 (A: B = 1 0 : 90) へのグラジ ェント。
25〜26分 Aと B液の混合液 (A: B = 1 0 : 90) から Cへのグラジェ ント。
26〜34分 C液
流速 1 m 1 Z分
検出 蛍光 (励起波長 320 nm、 蛍光波長 400 nm)
1単位のェンド型 α— (1 -4) Lーフコシダーゼ活性は上記反応系におレ、て 1分間に l /zmo 1 eのフコシル結合を切断する酵素量とした。 切断したフコシ ル結合の量は下記式により求めた。
S/ (1 80 X 0. 0075 X 1 06 ) =U/m 1
S :分角军された基質のモル数 (pmo 1 e) 180 :反応時間 (分)
0. 0075 :酵素液量 (m 1 )
また、 タンパク質の定量は酵素液の 280 nmの吸光度を測定することにより 行い、 その際 lmgZmlのタンパク質溶液の吸光度を 1. 0として計算した。 実施例 3 エンド型 α_ (1—4) L—フコシダーゼ
(1) エンド型 α— (1-4) L一フコシダーゼの部分精製
実施例 1の方法でフコフィラス フコイダノリイティカス S 1—1234を 培養し、 培養液 60リツトルカ、ら、 遠心分離により菌体を回収した。 .
得られた菌体を 2360mlの 10 mM塩ィ匕カルシウムと 400 mMの塩化ナ トリウムと 5 mMのアジ化ナトリゥムを含む 10 mMのィミダゾールー塩酸緩衝 液 (pH7. 0) に懸濁し、 超音波破砕後、 遠心分離して上清を得た。 この上清 を 5 OmMの塩ィ匕ナトリゥムと 5 mMのアジ化ナトリゥムを含む 1 OmMのィミ ダゾールー塩酸緩衝液 (pH7. 0) で充分透析し、 生じた沈殿を遠心分離によ り除去して上清、 すなわち本発明のエンド型 α— (1— 4) L—フコシダーゼの 粗酵素溶液を得た。
上記のェンド型ひ一 (1-4) Lーフコシダーゼ粗酵素溶液を上記と同じ緩衝 液で平衡化させた、 3000mlの DEAE—セル口ファイン A— 800にかけ た。 すなわち、 本発明のエンド型 α— (1— 4) L—フコシダーゼの粗酵素溶液 を添加後、 上記緩衝液で充分洗浄し、 5 OmMから 60 OmMの塩ィ匕ナトリウム の濃度勾配により溶出させた。 分取は 1本あたり 6 Omlとした。
各フラクションの本発明のエンド型ひ一 (1-4) L—フコシダーゼ活性を測 定し、 活性画分を 20 OmMの塩ィ匕ナトリゥムと 20 mMのリン酸 2水素カリゥ ムを含む 10 mMのィミダゾールー塩酸緩衝液 ( p H 7. 0 ) で平衡化させた 1 5 Omlのヒドロキシルァパタイトカラムにかけた。 すなわち、 酵素溶液を添加 後、 平衡化用緩衝液で充分洗浄し、 20 mMから 400 mMのリン酸 2水素力リ ゥムの濃度勾配により溶出させた。 分取は 1本あたり 1 Omlとした。
各フラクションのエンド型 α— (1-4) L一フコシダーゼ活性を測定し、 活 性画分を排除分子量 1万の限外ろ過膜を装着させた限外ろ過機で濃縮し、 100 mMの塩化ナトリウムと 5 mMのアジ化ナトリゥムを含む 10 mMのィミダゾー P T/JP03/00334
38 ルー塩酸緩衝液 (pH7. 5) で平衡ィ匕させたセフアクリル S— 200のカラム
(4. 4X 100 cm) にかけた。 すなわち、 酵素溶液を添加後、 上記緩衝液 で溶出させた。 分取は 1本あたり 13 m 1とした。 以上の精製工程を表 14に示 す。 表 14
タンパク質 総活性 比活性 収率 工程 (mg) (mU) (mU/ m gノ (%) 抽出液 29, 430 3, 070 0.104 100 透析 21, 900 3, 330 0.152 108
DEAE—セノレ口ファイン 478 685 1.43 22.3 ヒ ドロキシノレアパタイ ト 20.7 219 10.6 7.13 セフアクリル S- 200 2.66 32.7 12.3 1.07 本発明のエンド型 α— (1-4) L—フコシダーゼがエンド的に <¾ 1ー4 L— フコシル結合を切断することを確認するため下記の実験を行った。
すなわち、 本発明のエンド型 α— (1-4) L一フコシダーゼを、 還元性末端 を 2—アミノビリジンで蛍光標識した本発明の硫酸化フカンオリゴ糠 1一 (4) に作用させた反応液を少量とり、 乾固後、 その中に存在するオリゴ糠を 2—アミ ノビリジンで蛍光標識し、 H P L Cにより分析した。 なお、 標準物質として本発 明の硫酸ィ匕フカンオリゴ糖 1一 (2) を 2—アミノビリジンで蛍光標識したもの を用いた。 その結果、 酵素反応により切断されて生じたオリゴ糖は総て本発明の 硫酸化フカンオリゴ糖 1一 (2) と同じ物質であることがわかった。 すなわち、 本発明のエンド型 α— (1-4) L—フコシダーゼが、 Fu c u s v e s i c u 1 o s u s由来硫酸化フカンに存在する a— (1-4) L—フコシル結合をェ ンド的に切断する酵素であることが確認された。 本発明のェンド型 a— ( 1一 4) L一フコシダーゼの至適 pHと至適温度をそれぞれ図 18、 図 19に示す。 し力 しながら、 本発明のエンド型 a— (1-4) L—フコシダーゼを単独で F u c u s v e s i c u l o s u s由来硫酸化フカン画分に作用させても低分子 化させることができなかった。 上述のように本発明の硫酸化フカン分解酵素を用 いて硫酸ィ匕フカンオリゴ糖を調製する際には、 反応液中に Lーフコース、 硫酸、 酢酸が生じることが分かっている。 このこと力 ら、 本発明のエンド型ひ一 (1一 4) L一フコシダーゼで硫酸化フカンを分解する際には、 フコシダーゼ、 スルフ ァターゼ、 デァセチラーゼ等が共存する必要があると考えられた。
そこで、 本発明のエンド型 α— (1-4) L一フコシダーゼと共存して F u c u s V e s i c u 1 o s u s由来硫酸ィ匕フカンを低分子ィ匕させる活性を探索し た。
( 2 ) 硫酸ィヒフ力ン低分子化酵素 A
本発明のエンド型ひ一 (1-4) L—フコシダーゼと共存して Fucus vesiculosus由来硫酸ィ匕フカンを低分子化させる酵素を調製するため、 まず該酵 素の活性測定系を以下の様に設定した。
すなわち、 12 μ 1の 500 mMィミダゾールー塩酸緩衝液 (pH7. 5) 、 4. 8 / 1の 2. 5%の Fucus vesiculosus由来硫酸化フカン画分、 6 1の 1 Mの塩ィ匕カルシウム、 9 μ 1の 4M塩ィ匕ナトリウム、 40. 2μ 1の水、 24μ 1の 0. 35— 0. 4mUZm 1の本発明のエンド型 a— (1—4) L—フコシ ダーゼ、 及ぴ 24 μ 1の本発明の硫酸化フカン低分子化酵素 A溶液を混合し、 3 0°Cで 3時間反応させた後、 反応液を 100°Cで 10分間処理し、 HPLCで分 祈した。 対照として、 本発明の硫酸化フカン低分子化酵素 A溶液の代わりに、 そ の酵素の溶媒を用いて反応させたものを同様に分析した。 H P L Cは下記の様に 打った。
カラム SB- 806HQ (4.6 X 250 mm, 昭和電工製)
カラム温度 25°C
溶離液 5 mMの了ジィ匕ナトリウムを含む 50 mMの塩化ナトリウム
速 1 m 1 Z分
検出 示差屈折率検出器
1単位の本発明の硫酸化フカン低分子化酵素 Aの酵素活性は上記反応系におレヽ て 1分間に 1 μπιο 1の割合で、 本発明のエンド型 α— (1-4) Lーフコシダ ーゼによるフコシル結合の切断を増加させる酵素量とした。 切断したフコシル結 合の量は下記式により求めた。
(120/SMr ) X (SMr/PMr - 1) X 1/180 X 0. 024=U 300334
40
/ml
120 :基質に使用した硫酸化フカン量 (At g)
SMr :基質の平均分子量
PMr :反応生成物の平均分子量
180 :反応時間 (分)
0. 024 :酵素液量 (m 1 )
また、 タンパク質の定量は酵素液の 280 nmの吸光度を測定することにより 行い、 その際 lmg/mlのタンパク質溶液の吸光度を 1. 0として計算した。 実施例 4 硫酸化フカン低分子化酵素 A
(1) 硫酸ィ匕フカン低分子化酵素 Aの部分精製
実施例 1の方法でフコフィラス フコイダノリィティカス S I— 1234を 培養し、 培養液 60リツトルから、 遠心分離により菌体を回収した。
得られた菌体を 278 Om 1の 1 OmM塩化カルシウムと 40 OmMの塩化ナ トリウムと 5 mMのアジ化ナトリウムと 5 mMの;8—メルカプトエタノールを含 む 10 mMのィミダゾールー塩酸緩衝液 (pH7. 0 ) に懸濁し、 超音波破枠後、 遠心分離して上清を得た。 この上清を 1 OmMの塩化カルシウムと 1 OmMの塩 化ナトリウムと 5mMの ]3—メルカプトエタノールと 5mMのアジ化ナトリウム を含む 10 mMのィミダゾールー塩酸緩衝液 (pH7. 0 ) で充分透析し、 生じ た沈殿を遠心分離により除去して上清を得た。
得られた上清を上記と同じ緩衝液で平衡化させた、 3000mlの DEAE— セル口ファイン A— 800にかけた。 すなわち、 上記の上清を添加後、 上記緩衝 液で充分洗浄し、 10 mMから 600 mMの塩化ナトリゥムの濃度勾配により溶 出させた。 分取は 1本あたり 60 m 1とした。
各フラクションの、 本発明の硫酸化フカン低分子化酵素 Aの酵素活性を測定し、 活性画分 (60—110 mM塩化ナトリゥム溶出画分) を 10 mMの塩化カノレシ ゥムと 8 OmMの塩化ナトリゥムと 5 mMの j3—メルカプトエタノールを含む 1 0 mMのィミダゾールー塩酸緩衝液 (pH7. 0 ) で平衡化させた 200 m 1の DEAE—セル口ファイン A— 800カラムにかけた。 すなわち、 該酵素溶液を 添加後、 平衡化用緩衝液で充分洗浄し、 80 mMから 240 mMの塩化ナトリウ ムの濃度勾配により溶出させた。 分取は 1本あたり 2 Om 1とした。
各フラクションの硫酸ィ匕フカン低分子化酵素 Aの酵素活性を測定し、 活性画分 を、 20 OmMの塩化ナトリウムと 1 OmMの塩ィ匕カルシウムと 5mMの ]3—メ ルカプトェタノールを含む 10 mMのィミダゾールー塩酸緩衝液 ( p H 7 · 0 ) で平衡ィ匕させた 2 Om 1の硫酸化セル口ファインのカラムにかけた。 すなわち、 酵素溶液を添加後、 上記緩衝液で充分洗浄し、 200から 70 OmMの塩化ナト リゥムの濃度勾配により溶出させた。 分取は 1本あたり 2m 1とした。 以上の精 製工程を表 15に示す。 表 15
タンノ ク質 総活性 比活性 収率 工程 (m (mU/ m g) (%)
U)
抽出液 33, 600 731 0.0218 100 透析 30, 900 736 0.0238 101
DEAE—セノレ口ファ^! ン 567 97.2 0.171 13.3
DEAE—セノレ口ファ rン 102 43.6 4.27 5.96 硫酸ィ匕セル口ファイン 9.66 8.40 0.870 1.14 本発明の硫酸化フ力ン低分子化酵素 Aの作用機作を確認するため下記の実験を 行った。
すなわち、 本発明の硫酸ィ匕フカン低分子化酵素 Aを、 Fucus vesiculosus由来 硫酸ィ匕フカンに作用させた反応液を少量とり、 その中に存在する遊離の硫酸の量 を HP LCにより分析した。 なお、 標準物質としては硫酸ナトリウムを用いた。 その結果、 酵素反応により遊離の硫酸が生じることがわかった。 すなわち、 本発 明の硫酸化フカン低分子化酵素 Aが、 Fucus vesiculosus由来硫酸化フカンに作 用して硫酸基を切断する酵素であり、 硫酸化フカンスルファターゼ活†生を有する ことが確認された。
しかしながら、 本発明のエンド型 一 (1-4) L一フコシダーゼと本発明の 硫酸化フカン低分子化酵素 Aだけを Fucus vesiculosus 由来硫酸ィ匕フカン画分に 作用させても実施例 2に記載したオリゴ糖を得られるほどには低分子化させるこ とができなかった。 上述のように本発明の硫酸ィ匕フカン分解酵素を用いて硫酸ィ匕 フカンオリゴ糖を調製する際には、 反応液中に L—フコース、 酢酸も生じること が分かっている。 このこと力 ら、 Fucus vesiculosus由来硫酸化フカンを分解す る際には、 本発明のエンド型 α— (1-4) L—フコシダーゼと本発明の硫酸ィ匕 フカン低分子化酵素 A以外に、 フコシダーゼやデァセチラーゼ等が共存する必要 があると考えられた。
そこで、 本発明のエンド型 一 (1-4) L一フコシダーゼ及び本発明の硫酸 ィ匕フカン低分子化酵素 Aと共存して Fucus vesiculosus 由来硫酸化フカンの低分 子化を促進させる活性を探索した。 なお、 探索する対象の酵素を以下、 ェキソ型 L一フコシダーゼという。
(2) ェキソ型 L一フコシダーゼ
本努明のェキソ型 L _フコシダーゼを調製するため、 まず該酵素の活性測定系 を以下の様に設定した。
すなわち、 12 μ 1の 500 mMィミダゾール一塩酸緩衝液 (pH7. 5) 、 4. 8/ lの 2. 5%の Fucus vesiculosus由来硫酸ィ匕フカン画分、 6 μ 1の 1
Μの塩化カルシウム、 9 μ 1の 4Μ塩ィ匕ナトリウム、 16. 2 μ 1の水、 24 μ 1の 0. 35— 0. 4mU/m 1の本発明のエンド型 α— (1—4) L—フコシ ダーゼ、 24μ 1の 0. 04— 0. 05 mU/m 1の本発明の硫酸ィヒフカン低分 子化酵素 A、 及び 24μ 1の本発明のェキソ型 L一フコシダーゼを混合し、 3 0 °Cで 3時間反応させた後、 反応液を 100 °Cで 10分間処理し、 HPLCで分 析した。 対照として、 本発明のェキソ型 L一フコシダーゼ溶液の代わりに、 その 酵素の溶媒を用いて反応させたものを同様に分析した。 HPLCは下記の様に行 つた。
カラム SB- 806HQ (4.6 x 250 mm, 昭和電工製)
カラム温度 25°C
溶離液 5 mMのアジィ匕ナトリウムを含む 50 mMの塩化ナトリウム 流速 1 m 1 Z分
検出 示差屈折率検出器
1単位のェキソ型 L—フコシダーゼ活性は上記反応系において 1分間に 1 m 300334
43 o 1 eの割合でフコシル結合の切断を増加させる酵素量とした。 増加したフコシ ル結合の量は下記式により求めた。
(120/SMr) X (SMr/PMr— 1) X 1/180 X 0. 024=U /m 1
120 :基質に使用した硫酸ィヒフカン量 g)
SMr :基質の平均分子量
PMr :反応生成物の平均分子量
180 :反応時間 (分)
0. 024 :酵素液量 (m 1 )
また、 タンパク質の定量は酵素液の 280 nmの吸光度を測定することにより 行い、 その際 lmgZm lのタンパク質溶液の吸光度を 1. 0として計算した。 実施例 5 ェキソ型 Lーフコシダーゼの部分精製
実施ィ列 2の方法でフコフィラス フコイダノリィティカス S I— 1234を 培養し、 培養液 60リツトルから、 遠心分離により菌体を回収した。
得られた菌体を 2780mlの 10 mM塩化カルシウムと 400 mMの塩化ナ トリウムと 5 mMのアジ化ナトリウムと 5 mMの —メルカプトエタノールを含 む 1 OmMのイミダゾールー塩酸緩衝液 (pH7. 0) に懸濁し、 超音波破碎後、 遠心分離して上清を得た。 この上清を 1 OmMの塩化カルシウムと 1 OmMの塩 ィ匕ナトリゥムと 5 mMの —メルカプトエタノールと 5mMのアジ化ナトリゥム を含む 10 mMのィミダゾールー塩酸緩衝液 ( p H 7. 0 ) で充分透析し、 生じ た沈殿を遠心分離により除去して上清を得た。
得られた上清を上記と同じ緩種 ί液で平衡化させた、 3000mlの DEAE— セル口ファイン A— 800にかけた。 すなわち、 上記の上清を添加後、 上記緩衝 液で充分洗浄し、 10 mMから 600 mMの塩化ナトリゥムの濃度勾配により溶 出させた。 分取は 1本あたり 60 m 1とした。
各フラクションのェキソ型 L一フコシダーゼ活性を測定し、 活性画分 (170 〜 205 mM塩化ナトリゥム溶出画分) を 10 mMの塩化カルシウムと 50 mM の塩化ナトリウムと 5 mMの 一メルカプトエタノールを含む 1 OmMのィミダ ゾール一塩酸緩衝液 (pH7. 0 ) で充分透析し、 同緩衝液で平衡化させた 50 m 1の硫酸ィ匕セル口ファインカラムにかけた。 すなわち、 該酵素溶液を添加後、 平衡化用緩衝液で充分洗浄し、 50 mMから 1 Mの塩化ナトリゥムの濃度勾配に より溶出させた。 分取は 1本あたり 5 m 1とした。
各フラクションの本発明のェキソ型 L—フコシダーゼ活性を測定し、 活性画分 を、 1 0 OmMの塩化ナトリウムと 1 OmMの塩ィ匕カルシウムと 5mMの j3—メ ルカプトエタノールと 5 mMのアジィ匕ナトリゥムを含む 1 OmMのィミダゾール 一塩酸緩衝液 (ρ Η7. 5) で平衡化させた 20m lの硫酸化セル口ファインの カラムにかけた。 すなわち、 酵素溶液を添加後、 上記緩衝液で充分洗浄し、 1 0 0から 7 0 OmMの塩ィヒナトリゥムの濃度勾配により溶出させた。 分取は 1本あ たり 2. 3 m 1とした。 以上の精製工程を表 1 6に示す。 表 16
タンパク 総活性 比活性 収率 工程 (mg) (m KmU// m g (%)
U)
抽出液 33, 600 12, 400 0.369 100 透析 30, 900 11,900 0.385 96.0
DEAE—セノレ口ファ 'ン 231 778 3.37 6.27 硫酸ィヒセル口ファイン 42.7 1, 180 27.6 9.52 硫酸ィヒセル口: 7ァイン 8.32 1,090 131 8.79 本発明のェキソ型 L一フコシダーゼの作用機作を確認するため下記の実験を行 つた。
すなわち、 本発明のェキソ型 L一フコシダーゼを、 Fucus vesiculosus由来硫 酸ィ匕フカンに作用させた反応液を少量とり、 その中に存在する遊離の L一フコー スの量を遊離型 Lーフコース定量用キットにより測定した。 その結果、 酵素反応 により遊離の Lーフコースが生じることがわかった。 すなわち、 本発明のェキソ 型 L—フコシダーゼが、 Fucus vesiculosus由来硫酸化フカンに作用して Lーフ コース残基を切断する酵素であり、 ェキソ型 Lーフコシダーゼであることが確認 された。
本発明のエンド型ひ一 (1 -4) L一フコシダーゼと本発明の硫酸ィ匕フカン低 分子化酵素 Aと本発明のェキソ型 L一フコシダーゼを Fucus vesiculosus 由来硫 酸化フカン画分に作用させると、 硫酸化フカンを低分子化させ実施例 2に記載し たオリゴ糖とほぼ同等の分子量のオリゴ糖が生成した。 しかしながら、 上述のよ うに本発明の硫酸ィ匕フカン分解酵素を用いて硫酸ィ匕フカンオリゴ糖を調製する際 には、 反応液中に酢酸も生じることが分かっている。
そこで、 Fucus vesiculosus由来硫酸化フカンを 1 Nの水酸化ナトリゥムで処 理することにより O—ァセチル基を加水分解したもの及ぴ未処理の Fucus vesiculosus由来硫酸ィ匕フカンを基質に用いて、 本発明のエンド型 α _ ( 1— 4 ) Lーフコシダーゼ及ぴ本発明の硫酸化フカン低分子化酵素 Αを作用させたと ころ、 明らかに O—ァセチル基を除去した、 Fucus vesiculosus由来硫酸ィ匕フカ ンのみ低分子ィ匕が進むことがわかり、 硫酸化フカンの脱ァセチル化が、 Fucus vesiculosus由来硫酸ィ匕フカンの酵素的低分子化に必要な反応であることが確認 できた。
また、 この結果力、ら、 本発明のエンド型 α— ( 1 - 4 ) L一フコシダーゼと本 発明の硫酸ィヒフカン低分子化酵素 Αと本発明のェキソ型 Lーフコシダーゼの中に 硫酸ィヒフカンデァセチラーゼの混入が考えられたので、 以下の反応系により該酵 素活性を測定した。
すなわち、 6 1の 5 0 0 mMィミダゾールー塩酸緩衝液 ( p H 7 . 5 ) 、 7 . 2 μ 1の 2 . 5 %の Fucus vesiculosus由来硫酸ィ匕フカン画分、 3 μ 1の 1 Μの 塩ィ匕カルシウム、 4 . 5 μ 1の 4 Μ塩ィ匕ナトリウム、 3 3 . 3 μ 1の水、 及ぴ 6 μ 1の硫酸ィ匕フカンデァセチラーゼ含有酵素溶液を混合し、 3 0 °Cで 3時間反応 させた後、 反応液を 1 0 0 °Cで 1 0分間処理し、 市販の酢酸定量用キットを用い て酢酸量を定量した。 対照として、 硫酸化フカンデァセチラーゼ含有酵素溶液の 代わりに、 その酵素溶液の溶媒を用いて反応させたものを同様に分析した。 この 結果、 実施例で部分精製した本発明の硫酸ィ匕フカン低分子化酵素 A及ぴ本発明の ェキソ型 L一フコシダーゼにはともに硫酸ィ匕フカンデァセチラーゼが含まれてい ることがわかった。
このこと力 ら、 Fucus vesiculosus由来硫酸ィ匕フカンを分解する際には、 本発 明のエンド型 α— ( 1 - 4 ) L—フコシダーゼ、 本発明の硫酸化フカン低分子化 酵素 A、 本発明のェキソ型 L—フコシダーゼ及び硫酸化フカンデァセチラーゼが 関与していることがわかった。 産業上の利用の可能性
本発明により硫酸ィ匕フカンの構 军析や硫酸ィヒフカンオリゴ糖の再現性よい製 造に用いることができる新規の硫酸ィ匕フカン分解酵素及ぴ該酵素の製造方法が提 供される。 また、 該酵素を使用することにより製造できる、 糖鎖工学用試薬とし て有用な硫酸化フカンオリゴ糖及びそれらの製造方法が提供される。

Claims

請 求 の 範 囲
1. フコフィラス (Fu c o p h i 1 u s) 属細菌の培養物から得られたヒパ マタ目褐藻由来硫酸化フカン分解酵素。
2. 下記の理化学的性質を有することを特徴とするエンド型ひ一 (1-4) L ーフコシダーゼである請求項 1記載の硫酸化フ力ン分解酵素:
(I) 下記式 (V) で表される硫酸ィ匕フカンオリゴ糖に作用して、 ひ一 (1— 4) Lーフコシル結合をエンド的に切断する;
Figure imgf000048_0001
(I I ) 約 6〜 8の範囲に至適 p Hを有する;
(I I I) 約 10〜40°Cに至適温度を有する。
3. フコフイラス属細菌を培養し、 その培養物から該酵素を採取することを特 徴とする請求項 1記載の硫酸化フカン分解酵素の製造方法。
4 - 褐藻類由来硫酸ィヒ多糖に請求項 1記載の硫酸ィヒフカン分解酵素を作用させ て得られる硫酸ィ匕フカンオリゴ糖。
5 · 褐藻類由来硫酸化多糖に請求項 1記載の硫酸化フカン分解酵素を作用させ て取得することを特徴とする硫酸ィ匕フカンオリゴ糖の製造方法。
6. 下記一般式 (I) で表される糖化合物又はその塩。
Figure imgf000049_0001
(式中、 Rは H又は S03 H又は CH3 CO又は下記一般式 (VI I) であり、 R1はH又はSO3H又はCH3COでぁる。 R、 R丄のうち少なくとも 1つは S O3 Hである。 nは 1以上の整数である。 )
Figure imgf000049_0002
(式中、 Rは H又は S03 H又は CH3 COである。 )
7. 下記一般式 (I) で表される硫酸ィ匕フカンオリゴ糖又はその塩。
Figure imgf000049_0003
(式中、 Rは H又は S〇3 H又は CH3 CO又は下記一般式 (VI I) であり、 1^は H又は S03H又は CH3COである。 R、 R iのうち少なくとも 1つは S 0。 Hである。 nは:!〜 4の整数である。 )
Figure imgf000050_0001
(式中、 Rは H又は S〇3 H又は CH3 COである。 )
8. 請求項 1記載の硫酸化フカン分解酵素をヒバマタ目褐藻類由来硫酸ィ匕多糖 に作用させて下記一般式 (V I I I) で表される硫酸ィ匕フカンオリゴ糖を製造す る製造方法:
Figure imgf000050_0002
(式中、 Rは H又は SO3 H又は CH3 CO又は下記一般式 (V I I) であり、 Rのうち少なくとも 1つは S〇3 Hである。 nは 1以上の整数である) : (VII)
OR H
(式中、 Rは H又は S03 H又は CH3 COである) 。
9. ヒ/ マタ目褐藻類が F u c u s v e s i c u 1 o s u s又は A s c o p hy l l um n o d o s umである、 請求項 8記載の硫酸化フカンオリゴ糖の 製造方法。
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