WO2003056798A1

WO2003056798A1 - Systeme commutateur et procede d'enregistrement de communications

Info

Publication number: WO2003056798A1
Application number: PCT/JP2002/013496
Authority: WO
Inventors: Sachiko Takeshita; Junichi Morita; Maki Amishima; Hiroshi Uranaka; Gou Nakano
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.
Priority date: 2001-12-27
Filing date: 2002-12-25
Publication date: 2003-07-10
Also published as: JPWO2003056798A1; KR20040068332A; EP1460825A4; EP1460825A1; US20060215822A1; CN1618228A; EP1460825B1; CN100438541C

Description

明細書交換システム及び通話録音方法

技術分野

本発明は、例えば、インターネットや L A N等を介して通信端末間で行われる音声通話を交換する交換システム及びその通話内容を録音する通話録音方法に関し、特に、音声データの受信遅延を生じることなく通話録音を行うことができるものである。背景技術

近年、パソコンのみならず、電話端末のような家庭用機器からもインターネットへのアクセスが可能になり、ィンターネットは急速に普及している。従来、インターネットは、文字.情報及び画像情報を送受信するネットヮークとして利用されてきたが、最近では、インターネットを利用して音声情報を伝送するインターネット電話が注目されている。それは、従来の距離に比例した料金体系に拘束されずに、例えば、低料金で海外にいる相手と通話ができるなどの利点を有しているためである。

し力、し、電話網は音声データ伝送の専用ネットワークであつたが、 I P (Internet Protocol) ネットワークは音声データのみならず、他のデータの伝送も担っているため、 I Pネットワークを介して電話端末間で通話するような場合、音声データの伝送遅延により会話が不自然になることもある。そのため、通話の音声データをリアルタイムで伝送できるように、音声データの受信遅延の回避が求められている。

また、従来のオフィスでは、 P B X (Private Branch Exchange) を導入して、電話網での様々な電話サービスを実現している。 I Pネットワークを利用する場合でも、 P B Xが担ってきた様々な電話サービスを実現することが求められる。

P B Xのサービスの一つに通話録音がある。従来の通話録音では、呼接続された電話端末間の通話の音声データを P B X内または P B Xに接続された外部の記憶媒体へ録音している。

一方、インターネット電話の通話録音を行うシステムが特開 2 0 0 0— 2 0 1 2 3 7号公報に開示されている。このシステムでは、 I Pネットワーク及び P S T N (Public Switched Telephone Network) ネットワークに接続されたインターネット電話装置が、 I Pネットワークから伝送された下り方向の音声データを p S T Nネットワークに送信し、 P S T Nネットワークから伝送された上り方向の音声データを I Pネットワークに送信するとともに、付属する通話録音装置に、 I Pネットワークから伝送された下り方向の音声データと P S T Nネットワークから伝送された上り方向の音声データとを合成して蓄積する。

このインターネット電話装置を呼制御装置に用いることにより、図 1に示す交換システムを構成することができる。このシステムは、音声蓄積データベース（D B ) 7を備える呼制御装置 6と、通信端末 2、 4と、インターネットゃ L A Nなどのネットワーク 8と、'受信したパケットを送信先 I Pアドレスに従って送出するスィツチ 1、 3、 5とを備えている。

スィッチ 1、 3、 5は、受信したバケツトの送信先 I Pァドレスを内部のアドレステーブルと照合し、送信先の通信端末がつながつているポートへパケットを送出する。

通信端末 2、 4は、ネットワークに接続されたインターネット電話や I P 電話などの電話端末である。

呼制御装置 6は、ネットワークに接続された通信端末の通話中などの呼接続状況を管理し、呼接続中の通信端末間における通話の双方向の音声データを交換する。例えば、通信端末 2からの音声データを通信端末 4へ、また、その逆に、通信端末 4からの音声データを通信端末 2へ交換する。そして、その双方向の音声データをミキシングして、音声蓄積データベース 7 へ蓄積する。

ネットワーク 8は、インターネットや L A N (Local Area Network) _N I P— V P N (Internet Protocol- Virtual Private Network) などの I Pネットワークである。

スィッチ 1 、 3 、 5は、ネットワーク 8の種類により、 I Pアドレスによりルーティングを行うルータ機能を持つ装置であってもよい。

図 1中の符号「9」、「1 0」は、この交換システムにおいて、呼接続された場合の通信端末 2、 4間の音声パスを示しており、音声パス 9は通信端末 4から送信された音声データが呼制御装置 6で交換され、通信端末 2へ受信されるまでの音声パスを示しており、音声パス 1 0はその逆の音声パスを示している。

このシステムでは、通信端末 2が相手先通信端末 4へのダイヤリングなどを行うことにより、呼接続装置 6へ呼接続要求が送られる。呼接続装置 6は、通信端末 4が受信可能であると判断すると、通信端末 4へ通信端末 2からの呼接続要求を通知する。これにより、通信端末 2と通信端末 4との間で呼接続に必要な準備が行われ、例えば、音声コーデックなどの端末能力のネゴシエーシヨンや設定を行った後、呼接続状態、つまり、通話が可能な状態になる。

呼制御装置 6は、各通信端末 2 、 4間の双方向の音声データを交換することで（音声パス 9 、 1 0参照）通信端末間の通話を可能にするとともに、その交換時に音声ミキシングを実施し、音声蓄積データベース 7へ通話の音声データを蓄積し、通話録音を行う。

しかしながら、このような従来の交換システムでは、通話録音を実現する上で、双方向の音声パスが呼制御装置 6を必ず経由するように構成されているため、次のような問題が生じる。

ネットワーク 8が大規模な場合には、呼制御装置 6から各通信端末 2 、 4 までの間のネットワーク 8に多数のルータゃスィツチが介在することになり、呼制御装置 6から送信された音声データが各通信端末 2、 4で受信されるまでに相当な時間が掛かることになる。そのため、音声データの送信とその音声データの受信との時間間隔が長くなり、各通信端末 2、 4間の通話は、相手側の音声が遅れて聞こえるなどの不自然な状態になる。なお、これを回避するべく、ネットワーク運用者がネットワーク 8内の最適な経路を設計したとしても、その改善には一定の限界がある。

また、上記のように呼制御装置 6が音声データの交換を行うことにより、呼制御装置 6のパフォーマンス（処理能力）の関係から、呼制御装置 6で管理できる通信端末の数が少なくなる。発明の開示

本発明の目的は、通信データの受信遅延を生じることなく通話録音を行うことができる交換システム及び通話録音方法を提供することである。

本発明の一形態によれば、交換システムは、ネットワークを介して、通話録音機能を持つ呼制御装置の仲介により複数の通信端末を接続する交換システムであって、前記複数の通信端末は、おのおの、呼接続中に同一の音声デ一タを複数生成する生成手段と、生成された複数の同一音声データのうちの一を通話用の音声データとして相手の通信端末に送信するとともに、他の一を通話録音用の音声データとして前記呼制御装置に送信する送信手段とを有し、前記呼制御装置は、前記複数の通信端末に対して通話録音用の音声データの送信先ァドレスを通知する通知手段と、前記複数の通信端末のおのおのから前記送信先ァドレスに送信されて来る通話録音用の音声データをミキシングして蓄積するミキシング蓄積手段とを有する。

本発明の他の形態によれば、通話録音方法は、ネットワークを介して、通話録音機能を持つ呼制御装置の仲介により複数の通信端末を接続する交換システムにおける通話録音方法であって、前記呼制御装置が、前記複数の通信端末に対して通話録音用の音声データの送信先ァドレスを通知する通知ステップと、前記複数の通信端末が、おのおの、呼接続中に同一の音声データを複数生成する生成ステップと、前記複数の通信端末が、おのおの、前記生成ステップで生成した複数の同一音声データのうちの一を通話用の音声データとして相手の通信端末に送信するとともに、他の一を通話録音用の音声データとして前記呼制御装置に送信する送信ステップと、前記呼制御装置が、前記複数の通信端末のおのおのから前記送信先ァドレスに送信されて来る通話録音用の音声データをミキシングして蓄積するミキシング蓄積ステツプとを有する。

本発明のさらに他の形態によれば、交換システムは、ネットワークを介して、通話録音機能を持つ呼制御装置の仲介により複数の通信端末を接続する交換システムであって、前記複数の通信端末は、おのおの、マルチキャストのァドレスを取得する第 1取得手段と、取得されたマルチキャストアドレスに基づいて、相手の通信端末との間に音声データを送受信するためのマルチキャストによる音声パスを形成する形成手段とを有し、前記呼制御装置は、前記複数の通信端末に対して前記マルチキャストァドレスを通知する通知手段と、前記複数の通信端末のおのおのからマルチキャストにより送信された音声データをマルチキャストに参加して取得する第 2取得手段と、取得された音声データをミキシングして蓄積するミキシング蓄積手段とを有する。本発明のさらに他の形態によれば、通話録音方法は、ネットワークを介して、通話録音機能を持つ呼制御装置の仲介により複数の通信端末を接続する交換システムにおける通話録音方法であって、前記呼制御装置が、前記複数の通信端末に対してマルチキャストのァドレスを通知する通知ステップと、前記複数の通信端末が、おのおの、前記呼制御装置から通知されたマルチキャストアドレスを取得する第 1取得ステップと、前記複数の通信端末が、おのおの、前記第 1取得ステップで取得したマルチキャストアドレスに基づいて、相手の通信端末との間に音声データを送受信するためのマルチキャストによる音声パスを形成する形成ステップと、前記呼制御装置が、前記複数の通信端末のおのおのからマルチキャストにより送信された音声データをマルチキャストに参加して取得する第 2取得ステップと、前記呼制御装置が、前記第 2取得手段で取得した音声データをミキシングして蓄積するミキシング蓄積ステップとを有する。

本発明のさらに他の形態によれば、交換システムは、ネットワークを介して、通話録音機能を持つ呼制御装置の仲介により複数の通信端末を接続する交換システムであって、前記複数の通信端末は、おのおの、呼接続中に相手の通信端末に送信する音声データまたは相手の通信端末から受信した音声データを一時的に記憶するバッファ手段と、呼接続の切断後に、前記バッファ手段に記憶された音声データを通話録音用の音声データとして前記呼制御装置に送信する送信手段とを有し、前記呼制御装置は、前記複数の通信端末に対して、通話録音用の音声データの送信先ァドレスおよび通話用の音声データの送信先となる通信端末ァドレスを通知する通知手段と、前記複数の通信端末のおのおのから前記送信先ァドレスに送信されて来る通話録音用の音声データをミキシングして蓄積するミキシング蓄積手段とを有する。

本発明のさらに他の形態によれば、通話録音方法は、ネットワークを介して、通話録音機能を持つ呼制御装置の仲介により複数の通信端末を接続する交換システムにおける通話録音方法であって、前記呼制御装置が、前記複数の通信端末に対して、通話録音用の音声データの送信先アドレスおよび通話用の音声データの送信先となる通信端末ァドレスを通知する通知ステップと、前記複数の通信端末が、おのおの、呼接続中に相手の通信端末に送信する音声データまたは相手の通信端末から受信した音声データをバッファ手段に一時的に格納する格納ステップと、前記複数の通信端末が、おのおの、呼接続の切断後に、前記格納ステップで前記バッファ手段に格納した音声データを通話録音用の音声データとして前記呼制御装置に送信する送信ステップと、前記呼制御装置が、前記複数の通信端末のおのおのから前記送信先ァドレスに送信されて来る通話録音用の音声データをミキシングして蓄積するミキシング蓄積ステップとを有する。 ' 本発明のさらに他の形態によれば、交換システムは、ネットワークを介して、通話録音機能を持つ呼制御装置の仲介により複数の通信端末を接続する交換システムであって、前記複数の通信端末は、おのおの、呼接続中に相手の通信端末に送信する音声データおよび相手の通信端末から受信した音声データを一時的に記憶するバッファ手段と、呼接続の切断後に、前記バッファ手段に記憶された音声データをミキシングするミキシング手段と、ミキシングされた音声データを通話録音用の音声データとして前記呼制御装置に送信する送信手段とを有し、前記呼制御装置は、前記複数の通信端末の一に対して、通話録音用の音声データの送信先ァドレスおよび通話用の音声データの送信先となる通信端末ァドレスを通知する通知手段と、前記一の通信端末から前記送信先ァドレスに送信されて来る通話録音用の音声データを蓄積する蓄積手段とを有する。

本発明のさらに他の形態によれば、通話録音方法は、ネットワークを介して、通話録音機能を持つ呼制御装置の仲介により複数の通信端末を接続する交換システムにおける通話録音方法であって、前記呼制御装置が、前記複数の通信端末の一に対して、通話録音用の音声データの送信先ァドレスおよび通話用の音声データの送信先となる通信端末ァドレスを通知する通知ステツプと、前記一の通信端末が、呼接続中に相手の通信端末に送信する音声データおよび相手の通信端末から受信した音声データをバッファ手段に一時的に格納する格納ステップと、前記一の通信端末が、呼接続の切断後に、前記バッファ手段に記憶された音声データをミキシングするミキシングステップと、前記一の通信端末が、前記ミキシングステップでミキシングした音声データを通話録音用の音声データとして前記呼制御装置に送信する送信ステップと、前記呼制御装置が、前記一の通信端末から前記送信先ァドレスに送信されて来る通話録音用の音声データを蓄積する蓄積ステップとを有する。図面の簡単な説明

図 1は、従来の交換システムにおける音声パスを示す図、

図 2は、本発明の実施の形態 1における交換システムの構成図、

図 3は、本発明の実施の形態 1におけるアドレス管理テーブルを示す図、図 4は、本発明の実施の形態 1におけるユーザデータ音声蓄積データべ一スが保持するテーブルを示す図、

図 5は、本発明の実施の形態 1における交換システムの動作を示すシーケンス図、

図 6 Aは、本発明の実施の形態 1における接続要求メッセージのデータ構造を示す図、

図 6 Bは、本発明の実施の形態 1における接続応答メッセージのデータ構造を示す図、

図 7は、本発明の実施の形態 1における交換システムの音声パスを示す図、図 8は、本発明の実施の形態 2における交換システムの構成図、

図 9は、本発明の実施の形態 2におけるマルチキャストアドレス管理テーブルを示す図、

図 1 0は、本発明の実施の形態 2におけるユーザデータ音声蓄積データべースが保持するテーブルを示す図、

図 1 1は、本発明の実施の形態 2における交換システムの動作を示すシーケンス図、

図 1 2 Aは、本発明の実施の形態 2における接続要求メッセージのデータ構造を示す図、

図 1 2 Bは、本発明の実施の形態 2における接続応答メッセージのデータ構造を示す図、

図 1 3は、本発明の実施の形態 2における交換システムの音声パスを示す図、図 1 4は、本発明の実施の形態 3における交換システムの構成図、図 1 5は、本発明の実施の形態 3における交換システムの動作を示すシーケンス図、

図 1 6は、本発明の実施の形態 3における交換システムの音声パスを示す図、

図 1 7は、本発明の実施の形態 3におけるユーザデータ音声蓄積データべ一スが保持するテ一ブルを示す図、

図 1 8は、本発明の実施の形態 4における交換システムの構成図、図 1 9は、本発明の実施の形態 4における交換システムの動作を示すシーケンス図、

図 2 0は、本発明の実施の形態 4における交換システムの音声パスを示す図、

図 2 1は、本発明の実施の形態 4におけるユーザデータ音声蓄積データべ一スが保持するテーブルを示す図である。発明を実施するための最良の形態

以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、さまざまな態様で実施し得る。

(実施の形態 1 )

本実施の形態では、通信端末が同じ音声パケットを二つ作成し、一方を呼制御装置に伝送し、もう一方を通話相手の通信端末へ直接伝送するシステムについて説明する。

この交換システムは、図 2に示すように、ユーザデータ及び音声を蓄積するデータベース（以下「ユーザデータ音声蓄積データベース」という） 1 6 0を備えた呼制御装置 1 5 0と、ネットワーク 1 7 0を介して通話を行う通信端末 1 1 0、 1 3 0と、受信したパケットをそのアドレスに従って送出するスィッチ 1 00、 1 20、 1 40とを備えており、呼制御装置 1 50及び通信端末 1 1 0、 1 30は、スィッチ 1 00、 1 20、 140を介してネットワーク 1 70に接続されている。

スィッチ 1 00、 1 20、 1 40は、受信したパケットの送信先 I Pアドレスを内部のアドレステーブルと照合し、送信先の通信端末がつながつているポー卜へバケツトを送出する。

通信端末 1 1 0、 1 30は、音声データの送受信（通信）に関するすべての処理を担う通信手段 1 1 1、 1 3 1と、蓄積した通話の音声データの再生に関するすべての処理を担う再生手段 1 1 2、 1 3 2と、送信用の同じ音声バケツトを二つ作成して呼制御装置と通話相手とに送信する処理を管理する音声パス管理手段 1 丄 ₃、 1 3 3と、通信端末全体の制御を行う通信端末全体制御手段 1 14、 1 34とを備えている。 '

音声パス管理手段丄 1 3、 1 3 3は、呼接続されて通話が開始されたときに、自己の通信端末 1 1 0、 1 30の音声データをパケット化して通信手段 1 1 1、 1 3 1からネットワーク上に送信する際に、同じパケットを二つ作成し、一方を呼制御装置宛に、もう一方を通話相手側通信端末宛にそれぞれ送信するように所定の管理を行う。

なお、通信端末 1 1 0、 1 30は、ネットワークへの接続が可能な、通信機能を搭載した端末であればよく、例えば、パーソナルコンピュータ（P C) やインターネット電話、 I P電話などである。

呼制御装置 1 50は、呼接続中の通信端末から送信されるバケツト化された音声データをミキシングして蓄積する音声ミキシング手段 1 5 1と、通信端末からの再生要求に基づいてユーザデータ音声蓄積データベース 1 60に蓄積された音声データの再生処理を制御する音声再生制御手段 1 52と、通信端末との通信処理を行う通信手段 1 5 3と、通信端末 1 1 0、 1 30が呼制御装置 1 50へ音声データを送出する際のァドレスを設定し管理するアドレス付与手段 1 54と、呼制御装置全体の制御を行う呼制御装置全体制御手段 1 5 5とを備えている。

通信手段 1 5 3は、通信端末からのさまざまな要求（例えば、呼接続要求）の送受信を処理し、受信したパケットから音声データを生成したり、音声データをパケット化して送信したりする通信処理を行う。

呼制御装置全体制鉀手段 1 5 5は、少なくともネットワークに接続された通信端末の呼接続状況（通話中か否かなど）と通信端末のアドレスとを管理し、通信端末へ呼接続要求があった場合には、管理している呼接続状況から接続が可能かどうかを判断し、接続が可能な場合には、通信端末間の接続を可能にする。

呼制御装置 1 5 0に接続されたユーザデータ音声蓄積データベース 1 6 0 は、音声ミキシング手段 1 5 1から送信される、通話の内容を示す音声データのミキシング後の音声データを蓄積し、また、音声再生制御手段 1 5 2の指示に基づいて、蓄積した音声データを取り出す。また、ユーザデータ音声蓄積データベース 1 6 0は、通信端末 1 1 0、 1 3 0を利用するユーザのサ一ビスの登録状況（例えば、通話録音の登録 Z未登録などの情報）を管理する。

ネットワーク 1 7 0は、ィンターネットゃ L A N、 I P— V P Nなどの I Pネットワークである。また、スィツチ 1 0 0、 1 2 0、 1 4 0は、ネットワーク 1 7 0の種類により、 I Pァドレスによりルーティングを行うルータ機能を持つ装置であってもよい。

なお、通信端末 1 1 0、 1 3 0及び呼制御装置 1 5 0の各部の機能は、これらの装置が内蔵するコンピュータにプログラムで規定した処理を行わせることにより実現される。

図 3は、ァドレス付与手段 1 5 4が管理する、通信端末 1 1 0、 1 3 0からの音声データを受信するときに利用する受信用ァドレスの管理テーブル (受信用アドレス管理テーブル）を示している。図 3に示すように、この管理テーブルは、音声データ受信用アドレスと、それの利用状況とから成る。図 4は、ユーザデータ音声蓄積データベース 1 6 0で管理する内容の一例を示している。図 4に示すように、このユーザデータ音声蓄積データベース

1 6 0は、ネットワーク 1 7 0を介して呼制御装置 1 5 0に接続された通信端末の種別を示す端末種別と、通信端末を所有するユーザのサービス登録内容を示すサービス登録状況と、サービス登録状況において「通話録音あり」と登録されている場合に有効になる通話録音を蓄積する格納エリアとから成る。

ユーザデータ音声蓄積データベース 1 6 0内のサービス登録状況へサービスの登録を行う方法としては、ユーザがネットワーク 1 7 0を通じて随時通信端末を用いて設定することも可能であるし、通信端末がネットワーク 1 7 0へ収容されたときに契約することも可能であるし、さらに、ネットワーク

1 7 0の運用者により適宜設定されるなど、多様な方法が存在する。

次いで、以上のように構成された交換システムの動作について、図 5を用いて説明する。

図 5は、 I P電話で呼設定を行うためのプロトコルである S I P (Session Initiation Protocol) を用いて、通信端末 1 1 0から通信端末 1 3 0への呼接続が行われ、それが完了すると通話が開始され、呼切断が行われるまでの一連の処理シーケンスを示している。

まず、通信端末 1 1 0、 1 3 0の間で呼接続が行われ、通話録音が行われるまでの手順について説明する。

通信端末 1 1 0は、ユーザが呼接続要求先である通信端末 1 3 0のァドレスを入力すると、通信端末全体制御手段 1 1 4の制御の下で、音声データを送受信するためのァドレスを設定し、このァドレスと通信端末 1 3 0のアドレスとを含む S I Pの接続要求メッセージを作成し、このバケツ 1、の宛先を呼制御装置 1 5 0に設定して、通信手段 1 1 1を用いて、この接続要求メッセージを呼制御装置 1 5 0へ送信する（S 1 0 0 0 )。

そして、呼制御装置 1 5 0は、通信手段 1 5 3で通信端末 1 1 0からの接続要求メッセージを受信すると（S 1 0 0 0 )、呼制御装置全体制御手段 1 5 5の制御の下で、管理している通信端末 1 3 0の呼接続状況から、通信端末 1 3 0への接続が可能かどうかを判断し、接続が可能な場合にはァドレス解析を行う。

また、図 4に示す例では、ユーザデータ音声蓄積データベース 1 6 0で管理されている通信端末 1 1 0のサービス登録状況が「通話録音登録あり」であることから、アドレス付与手段 1 5 4で、図 3の受信用アドレス管理テープルにおける「空き」のアドレスの中から、通信端末が呼制御装置 1 5 0へ音声データを送出する際に使用するァドレスを取り出し、受信用ァドレス管理テーブル上でそのアドレスの状況を「利用中」に変える。

また、呼制御装置 1 5 0は、呼制御装置全体制御手段 1 5 5の制御の下で、通信端末 1 1 0から受信した接続要求メッセージの宛先を通信端末 1 3 0に変更し、図 6 Aに示すように、接続要求メッセージが記述されたエリア 1 8 1の後に、ァドレス付与手段 1 5 4が取り出したアドレスを付加して ( S 1 0 5 0 ) 接続要求メッセージを作成し、これを通信手段 1 5 3により通信端末 1 3 0へ送信する（S 1 1 0 0 )。

そして、通信端末 1 3 0は、通信手段 1 3 1で呼制御装置 1 5 0からの接続要求メッセージを受信すると（S 1 1 0 0 )、通信端末全体制御手段 1 3 4 の制御の下で、呼接続を開始する準備として、例えば、音声コーデックの設定ゃ、受信した接続要求メッセージに設定されている通信端末 1 1 0への音声データ送信先ァドレス及び呼制御装置 1 5 0への音声データ送信先ァドレスを音声パス管理手段 1 3 3に設定する処理などを行う。

そして、通信端末 1 3 0は、通信端末全体制御手段 1 3 4の制御の下で、通信端末 1 1 0から音声データを受信するためのァドレスを設定し、このァドレスを含む接続応答メッセージを作成し、この宛先を呼制御装置 1 5 0にして、通信手段 1 3 1を用いて、この接続応答メッセージを呼制御装置 1 5 0へ送信する（S 1 1 5 0 )。そして、呼制御装置 1 5 0は、通信手段 1 5 3で通信端末 1 3 0からの接続応答メッセージを受信すると（S 1 1 5 0 )、呼制御装置全体制御手段 1 5 5の制御の下で、通信端末からの音声データ受信を可能にする準備として、例えば、ポートの設定などを実施する。そして、通信端末 1 3 0から受信した接続応答メッセージの宛先を通信端末 1 1 0に変更し、図 6 Bに示すように、接続応答メッセージが記述されたエリア 1 8 3の後に、アドレス付与手段 1 5 4が図 3の受信用ァドレス管理テーブルから取り出したァドレスを付加して接続応答メッセージを作成し、これを通信手段 1 5 3により通信端末 1 1 0へ送信する（S 1 2 0 0 )。

そして、通信端末 1 1 0は、通信手段 1 1 1で呼制御装置 1 5 0からの接続応答メッセージを受信すると（S 1 2 0 0 )、通信端末全体制御手段 1 1 4 の制御の下で、通信端末 1 3 0の場合と同様に、呼接続を開始する準備として、例えば、音声コーデックの設定処理や、受信した接続応答メッセージに設定されている通信端末 1 3 0への音声データ送信先アドレス及び呼制御装置 1 5 0への音声データ送信先アドレスを音声パス管理手段 1 1 3に設定する処理などを行う。そして、呼制御装置 1 5 0を宛先とする接続完了メッセージを作成し、通信手段 1 1 1を用いて呼制御装置 1 5 0へ送信する（S 1 2 5 0 )。

そして、呼制御装置 1 5 0は、通信手段 1 5 3で通信端末 1 1 0からの接続完了メッセージを受信すると（S 1 2 5 0 )、呼制御装置全体制御手段 1 5 5の制御の下で、受信した接続完了メッセージの宛先を通信端末 1 3 0に変更した接続完了メッセージを作成し、通信手段 1 5 3を用いて通信端末 1 3 0へ送信する（S 1 3 0 0 )。

そして、通信端末 1 3 0がこの接続完了メッセージを受信すると（S 1 3 0 0 )、呼接続が完了する。

このような S 1 0 0 0〜S 1 3 0 0のシーケンスにより、通信端末 1 1 0 と通信端末 1 3 0との間の呼接続が確立され、図 7に示すように、 4本の音声パス 1 9 1、 1 92、 1 93、 1 94が形成される。音声パス 1 9 1は、通信端末 1 30から呼制御装置 1 50への音声パスであり、音声パス 1 9 2 は、通信端末 1 1 0ら呼制御装置 1 5 0への音声パスであり、音声パス 1 9 3は、通信端末 1 10から通信端末 1 30への音声パスであり、音声パス 1 94は、通信端末 1 30から通信端末 1 1 0への音声パスである。

すなわち、通信端末 1 1 0は、自端末の音声データを通信手段 1 1 1でネットワーク上に送信する際の音声データをバケツト化する処理において、音声パス管理手段 1 1 3を用いて、同じパケットを二つ作成し、一方を音声パス 1 93により、呼制御装置 1 50から通信端末 1 1 0への接続応答メッセージで通知された通信端末 1 30のァドレスへ、もう一方を音声パス 1 9 2 により、呼制御装置 1 50のアドレスへそれぞれ送信する。

また、同様に、通信端末 1 30も、音声パス管理手段 1 33を用いて、音声データの同じパケットを二つ作成し、一方を音声パス 1 94により、呼制御装置 1 50から通信端末 1 30への接続要求メッセージで通知された通信端末 1 1 0のアドレスへ、もう一方を音声パス 1 9 1により、呼制御装置 1 50のァドレスへそれぞれ送信する。

なお、呼制御装置 1 50は、音声パス 1 9 1、 1 9 2で利用するァドレスとして同一のものを使用し、パケット内ヘッダの送信元のデータに基づいて、通信端末 1 1 0から送られた音声データであるか通信端末 1 30から送られた音声データであるかを区別するものとする。

また、図 5では、通信端末 1 1 0と通信端末 1 30との間の直接通話処理を S 1 3 50、 S 1400で表し、通信端末 1 1 0カゝら呼制御装置 1 50への音声データの送信処理を S 1 500で表し、通信端末 1 30から呼制御装置 1 50への音声データの送信処理を S 1 450で表している。

また、呼制御装置 1 50は、通信手段 1 5 3で通信端末 1 10、 1 30からの音声データを受信している間、つまり、通信端末 1 1 0、 1 30の呼が切断されるまでの間、呼制御装置全体制御手段 1 5 5の制御の下で、「通話録音登録あり」の通信端末 1 1 0からの音声データについて、音声ミキシング手段 1 5 1を用いて音声ミキシング処理を行い、ユーザデータ音声蓄積データベース 1 6 0内の通信端末 1 1 0の格納エリァにそのミキシングデータを蓄積する。

次に、通信端末 1 1 0、 1 3 0の間で呼切断が行われるまでの手順について説明する。

通信端末 1 1 0は、通信端末全体制御手段 1 1 4の制御の下で、ユーザによるオンフック動作などを契機に、接続中の呼を切断する準備として、例えば、音声パス管理手段 1 1 3に設定されている通信端末 1 3 0の音声データ送信先ァドレス及び呼制御装置 1 5 0の音声データ送信先ァドレスなどをクリアする。そして、呼制御装置 1 5 0を宛先とする切断要求メッセージを作成し、通信手段 1 1 1を用いて呼制御装置 1 5 0へ送信する（S 1 5 5 0 )。そして、呼制御装置 1 5 0は、通信手段 1 5 3で通信端末 1 1 0からの切断要求メッセージを受信すると（S 1 5 5 0 )、呼制御装置全体制御手段 1 5 5の制御の下で、受信した切断要求メッセージの宛先を通信端末 1 3 0に変更し、この切断要求メッセージを、通信手段 1 5 3を用いて通信端末 1 3 0 へ送信する（S 1 6 0 0 )。

そして、通信端末 1 3 0は、通信手段 1 3 1で呼制御装置 1 5 0からの切断要求メッセージを受信すると（S 1 6 0 0 )、通信端末全体制御手段 1 3 4 の制御の下で、接続中の呼を切断する準備として、例えば、音声パス管理手段 1 3 3に設定されている通信端末 1 1 0の音声データ送信先アドレス及び呼制御装置 1 5 0の音声データ送信先ァドレスなどをクリァする。そして、呼制御装置 1 5 0を宛先とする切断応答メッセージを作成し、通信手段 1 3 1を用いて呼制御装置 1 5 0へ送信する（S 1 6 5 0 )。

そして、呼制御装置 1 5 0は、通信手段 1 5 3で通信端末 1 3 0力ゝらの切断応答メッセージを受信すると（S 1 6 5 0 )、呼制御装置全体制御手段 1 5 5の制御の下で、受信した切断応答メッセージの宛先を通信端末 1 1 0に変更し、この切断応答メッセージを、通信手段 1 5 3を用いて通信端末 1 1 0 へ送信する（S 1 7 50)。また、このとき、ァドレス付与手段 1 54で、受信用アドレス管理テーブル（図 3参照）上、音声パス 1 9 1、 1 9 2用に設定したアドレスを「利用中」から「空き」に変更する（アドレス解放）（S 1 700)。

そして、通信端末 1 1 0は、通信手段 1 1 1で呼制御装置 1 50からの切断応答メッセージを受信する（S 1 7 5 0)。

このような S 1 5 50〜S 1 7 50のシーケンスにより、通信端末 1 1 0、 1 30間の呼切断が行われると同時に、呼制御装置 1 50を宛先とする両通信端末 1 1 0、 1 30の音声データも送信されなくなり、呼制御装置 1 50 は通話録音をストップする。

最後に、ユーザデータ音声蓄積データベース 1 60に蓄積された音声データを再生する手順について説明する（図示せず）。

ユーザデータ音声蓄積データベース 1 6 0に蓄積された音声データを再生する場合、通信端末 1 10は、ユーザが再生手段 1 1 2からキー入力、つまり、 PB (Push Button) 入力を行うと、これが契機となって、通信端末全体制御手段 1 14の制御の下で、蓄積した音声データを受信するための自端末アドレスを設定した再生要求メッセージを作成し、通信手段 1 1 1を用いて呼制御装置 1 50へ送信する。

そして、呼制御装置 1 50は、通信手段 1 5 3で通信端末 1 1 0からの再生要求メッセージを受信すると、呼制御装置全体制御手段 1 55の制御の下で、音声再生制御手段 1 5 2を用いて、再生要求した通信端末 1 1 0のユーザデータ音声蓄積データベース 1 60内の格納エリア（図 4参照）から音声データを取り出し、通信手段 1 5 3を用いて通信端末 1 1 0に送信する。そして、通信端末 1 10は、通信手段 1 1 1で呼制御装置 1 50からの音声データを受信すると、通信端末全体制御手段 1 14の制御の下で、再生手段 1 1 2で、受信した音声データを再生する。以上のように、本実施の形態の交換システムでは、呼接続中に通信端末 1 1 0 (又は 1 3 0 ) が自端の音声データをネットワーク上に伝送する際、同じ音声パケットを二つ作成し、一方を呼制御装置 1 5 0 へ、もう一方を通話相手側通信端末 1 3 0 (又は 1 1 0 ) へ直接伝送する音声パス管理手段 1 1 3 、 1 3 3を設け、呼制御装置 1 5 0には、自己を宛先として送られてくる音声データをミキシングしてユーザデータ音声蓄積データベース 1 6 0に蓄積する音声ミキシング手段 1 5 1を設けることで、通話録音を可能にしている。

これにより、呼接続中の通信端末の音声データは、呼制御装置を介さずに、直接、相手側通信端末へ送信されるため、音声データの送信とその音声データの受信との時間間隔が短い伝送が可能になり、また、呼制御装置で管理可能な通信端末の数が、呼制御装置が通信端末間の音声データの送受信に介在する場合に比べて、より多くなる。

なお、本実施の形態では、呼接続のための接続メッセージにおいて、音声コーデックなどの双方向通信を行うためのネゴシエーション情報が交換されることを前提としている。

また、呼制御装置 1 5 0の音声ミキシング手段 1 5 1における音声ミキシングの方法については、既存の技術を用いることができる。

また、本実施の形態の構成は、種々の変更が可能である。

すなわち、本実施の形態では、各通信端末及び呼制御装置が、それぞれ別個のスィッチを介してネットワークに接続されているが、通信端末及び呼制御装置のうち複数の装置が同じスィツチを介してネットワークに接続されるように構成することも可能である。

また、本実施の形態では、呼接続で利用するプロトコルが S I Pとして説明したが、他のプロトコルによっても本実施の形態の動作は可能である。また、本実施の形態では、通話録音の開始の契機が呼制御装置にあらかじめ登録されているものとして説明したが、呼接続中で音声データの送受信を行っている通信端末を利用しているユーザが、その通話中に必要に応じて、キー入力などの手段により通話録音を開始させ、また、同様の方法で、呼切断の前に通話録音を終了させるようにしてもよい。

また、本実施の形態では、通信端末 1 1 0のサービス登録状況が「通話録音あり」のとき、通信端末 1 0 0の格納エリアに音声ミキシング後の音声データを格納する場合について説明したが、これに限定されるわけではなく、例えば、通信端末 1 1 0、 1 3 0の両方が「通話録音あり」の場合には、ュ一ザデータ音声蓄積データベース内の一方の通信端末の格納エリアに音声ミキシング後の音声データを、もう一方の通信端末の格納エリアにそのデータの複製を格納するなどの方法も可能である。

(実施の形態 2 )

本実施の形態では、通信端末間の通話をマルチキャストの音声パスで行い、呼制御装置が、このマルチキャストの音声パスから通話音声を取得して録音する交換システムについて説明する。マルチキャストは、 L A Nやインターネットなどに接続されている一部の通信端末間での一斉同報であり、マルチキャストグループに参加している通信端末に対してのみ一斉同報が行われる。図 8は、本実施の形態の交換システムを示している。通信端末 2 1 0、 2

3 0は、図 2に示す実施の形態 1における通信端末 1 1 0、 1 3 0から音声パス管理手段を削除したものに相当している。また、呼制御装置 2 5 0は、図 2に示す実施の形態 1におけるアドレス付与手段 1 5 4に代えて、通信端末 2 1 0、 2 3 0間の通話用にマルチキャストのアドレスを設定し、そのマルチキャストァドレスを通話録音に利用するために管理するマルチキャストアドレス付与手段 2 5 1を備えている。また、スィッチ 2 0 0、 2 2 0、 2

4 0は、マルチキャスト対応のスィッチである。その他の構成は、実施の形態 1 (図 2参照）と変わりがない。

なお、通信端末 2 1 0、 2 3 0及び呼制御装置 2 5 0の各部の機能は、これらの装置が内蔵するコンピュータにプログラムで規定した処理を行わせることにより実現される。

図 9は、マルチキャストァドレス付与手段 2 5 1が管理するマルチキャストアドレス管理テーブルを示している。図 9に示すように、この管理テープルには、通信端末 2 1 0 , 2 3 0間の通話に利用するマルチキャストのァドレスと、その利用状況とが記述される。

ユーザデータ音声蓄積データベース 1 6 0には、実施の形態 1 (図 4参照）と同様に、図 1 0に示す内容が蓄積されている。

次いで、以上のように構成された交換システムの動作について、図 1 1を用いて説明する。

図 1 1は、 S I Pを用いて、通信端末 2 1 0から通信端末 2 3 0への呼接続が行われ、ぞの完了後に通話が開始され、呼切断が行われるまでの一連の処理シーケンスを示している。

まず、通信端末 2 1 0 , 2 3 0の間で呼接続が行われ、通話録音が行われるまでの手順について説明する。

通信端末 2 1 0は、通信端末全体制御手段 2 1 1の制御の下で、ユーザが呼接続要求先である通信端末 2 3 0のアドレスを入力したことなどを契機にして、呼制御装置 2 5 0を宛先とする接続要求メッセージを作成し、通信手段 1 1 1を用いて呼制御装置 2 5 0へ送信する（S 2 0 0 0 )。

そして、呼制御装置 2 5 0は、通信手段 1 5 3で通信端末 2 1 0からの接続要求メッセージを受信すると（S 2 0 0 0 )、呼制御装置全体制御手段 2 5 2の制御の下で、管理している通信端末 2 3 0の呼接続状況から、通信端末 2 3 0への接続が可能かどうかを判断し、接続が可能な場合にはァドレス解析を行う。

また、図 1 0に示す例では、ユーザデータ音声蓄積データベース 1 6 0で管理されている通信端末 2 1 0のサービス登録状況が「通話録音登録あり」であることから、マルチキャストァドレス付与手段 2 5 1で、図 9のマルチキャストアドレス管理テーブルにおける「空き」のアドレスの中から、通信端末が通話に使用するマルチキャストのァドレスを選択して取り出し、マルチキャストアドレス管理テーブル上でそのアドレスの状況を「利用中」に変：る。

また、呼制御装置 2 5 0は、呼制御装置全体制御手段 2 5 2の制御の下で、通信端末 2 1 0から受信した接続要求メッセージの宛先を通信端末 2 3 0に変更し、図 1 2 Aに示すように、接続要求メッセージが記述されたエリア 2 6 1の後のエリァ 2 6 2にそのマルチキャストァドレスを付加して（S 2 0 5 0 ) 接続要求メッセージを作成し、これを通信手段 1 5 3により通信端末 2 3 0へ送信する（S 2 1 0 0 )。また、呼制御装置 2 5 0は、そのマルチキャストアドレスが示すマノレチキャストグループへ参加する。

そして、通信端末 2 3 0は、通信手段 1 3 1で呼制御装置 2 5 0からの接続要求メッセージを受信すると（S 2 1 0 0 )、通信端末全体制御手段 2 3 1 の制御の下で、呼接続を開始する準備として、例えば、音声コーデックの設定ゃ、受信した接続要求メッセージに設定されているマルチキャストァドレスの設定、マルチキャストグループへの参加処理（S 2 1 5 0 )などを行う。このマルチキャストァドレスが通信端末 2 1 0への音声データ送信先ァドレス及び呼制御装置 2 5 0への音声データ送信先ァドレスとなる。

そして、通信端末 2 3 0は、通信端末全体制御手段 2 3 1の制御の下で、呼制御装置 2 5 0を宛先とする接続応答メッセージを作成し、通信手段 1 3 1を用いて呼制御装置 2 5 0へ送信する（S 2 2 0 0 )。

そして、呼制御装置 2 5 0は、通信手段 1 5 3で通信端末 2 3 0からの接続応答メッセージを受信すると（S 2 2 0 0 )、呼制御装置全体制御手段 2 5 2の制御の下で、通信端末からの音声データ受信を可能にする準備として、例えば、ポートの設定などを実施する。そして、通信端末 2 3 0から受信した接続応答メッセージの宛先を通信端末 2 1 0に変更し、図 1 2 Bに示すように、接続応答メッセージが記述されたエリア 2 6 3の後に、マルチキャストァドレス付与手段 2 5 1が図 9のマルチキャストァドレス管理テーブルから取り出したマルチキャストァドレスを付加して接続応答メッセージを作成し、これを通信手段 1 5 3により通信端末 2 1 0へ送信する（S 2 2 5 0)。そして、通信端末 2 1 0は、通信手段 1 1 1で呼制御装置 250からの接続応答メッセージを受信すると（S 2 2 5 0)、通信端末全体制御手段 2 1 1 の制御の下で、通信端末 2 30の場合と同様に、呼接続を開始する準備として、例えば、音声コーデックの設定を行ったり、受信した接続要求メッセ一ジに設定されているマルチキャストァドレスを通信端末 2 30の音声データ送信先ァドレス及び呼制御装置 250の音声データ送信先ァドレスとして設定したり、また、マルチキャストグループへの参加処理（S 2300) などを行う。そして、呼制御装置 2 50を宛先とする接続完了メッセージを作成し、通信手段 1 1 1により呼制御装置 2 50へ送信する（S 23 50)。

そして、呼制御装置 250は、通信手段 1 5 3で通信端末 21 0からの接続完了メッセージを受信すると（S 2 3 5 0)、呼制御装置全体制御手段 2 5 2の制御の下で、受信した接続完了メッセージの宛先を通信端末 2 30に変更した接続完了メッセージを作成し、通信手段 1 5 3を用いて通信端末 2 3 0へ送信する（S 2400)。

そして、通信端末 230がこの接続完了メッセージを受信すると（S 24 00)、呼接続が完了する。

このような S 2000〜S 2400のシーケンスにより、通信端末 2 1 0 と通信端末 230との間の呼接続が確立され、図 1 3に示すように、マルチキャストの音声パス 2 7 1、 272が形成される。なお、図 1 1では、マルチキャストの音声パス 27 1、 272による通話処理を S 2450、 S 2 5 00で表している。

また、呼制御装置 250は、通信手段 1 5 3で通信端末 2 10、 2 3 0からマルチキャストァドレスを用いて送信された音声データを受信している間、つまり、通信端末 2 1 0, 2 30の呼が切断されるまでの間、呼制御装置全体制御手段 25 2の制御の下で、「通話録音登録あり」の通信端末 2 1◦からの音声データについて、音声ミキシング手段 1 5 1を用いて音声ミキシング処理を行い、ユーザデータ音声蓄積データベース 1 6 0内の通信端末 2 1 0 の格納エリァにそのミキシングデータを蓄積する。

次に、通信端末 2 1 0、 2 3 0の間で呼切断が行われるまでの手順について説明する。

通信端末 2 1 0は、通信端末全体制御手段 2 1 1の制御の下で、ユーザによるオンフック動作などを契機に、接続中の呼を切断する準備として、例えば、マルチキャストグループ離脱（S 2 5 5 0 ) などを実施する。そして、呼制御装置 2 5 0を宛先とする切断要求メッセージを作成し、通信手段 1 1 1を用いて呼制御装置 2 5 0へ送信する（S 2 6 0 0 )。

そして、呼制御装置 2 5 0は、通信手段 1 5 3で通信端末 2 1 0からの切断要求メッセージを受信すると（S 2 6 0 0 )、呼制御装置全体制御手段 2 5 2の制御の下で、受信した切断要求メッセージの宛先を通信端末 2 3 0に変更し、この切断要求メッセージを、通信手段 1 5 3を用いて通信端末 2 3 0 へ送信する（S 2 6 5 0 )。

そして、通信端末 2 3 0は、通信手段 1 3 1で呼制御装置 2 5 0からの切断要求メッセージを受信すると（S 2 6 5 0 )、通信端末全体制御手段 2 3 1 の制御の下で、接続中の呼を切断する準備として、例えば、マルチキャストグループ離脱（S 2 7 0 0 ) などを実施する。そして、呼制御装置 2 5 0を宛先とする切断応答メッセージを作成し、通信手段 1 3 1を用いて呼制御装置 2 5 0へ送信する（S 2 7 5 0 )。

そして、呼制御装置 2 5 0は、通信手段 1 5 3で通信端末 2 3 0からの切断応答メッセージを受信すると（S 2 7 5 0 )、呼制御装置全体制御手段 2 5 2の制御の下で、受信した切断応答メッセージの宛先を通信端末 2 1 0に変更し、この切断応答メッセージを、通信手段 1 5 3を用いて通信端末 2 1 0 へ送信する（S 2 8 5 0 )。また、このとき、マルチキャストァドレス付与手段 2 5 1で、マルチキャストアドレス管理テーブル（図 9参照）から獲得していたマルチキャストアドレスを「利用中」から「空き」に変更し（ァドレス解放）（S 2 8 0 0 )、呼制御装置 2 5 0は、そのマルチキャストグループからの離脱を行う。

そして、通信端末 2 1 0は、通信手段 1 1 1で呼制御装置 2 5 0からの切断応答メッセージを受信する（S 2 8 5 0 )。

このような S 2 6 0 0 〜 S 2 8 5 0のシーケンスにより、通信端末 2 1 0 、 2 3 0間の呼切断が行われると同時に、呼制御装置 2 5 0を宛先とする両通信端末 2 1 0 , 2 3 0の音声データも送信されなくなり、呼制御装置 2 5 0 は通話録音をストップする。

なお、この交換システムにおいて、ユーザデータ音声蓄積データベース 1 6 0に蓄積された'音声データを再生する一連の処理は、実施の形態 1と同様である。

以上のように、本実施の形態の交換システムでは、呼制御装置 2 5 0が通話録音用のマルチキャストァドレスを管理し付与する手段 2 5 1を備えており、通信端末 2 1 0 (又は 2 3 0 ) から呼接続要求があると、マルチキャストァドレスを選定して、呼接続に関係するすべての通信端末 2 3 0 ( 2 1 0 ) へ通知するとともに、そのアドレスが示すマルチキャストグループへ呼制御装置 2 5 0が参加する。通信端末 2 1 0 (又は 2 3 0 ) は、呼接続中、通話のすベての音声データをそのァドレスを用いて伝送し、呼制御装置 2 5 0は、そのァドレスに送られてくる自己宛ての音声バケツトをミキシングしてユーザデータ音声蓄積データベース 1 6 0に蓄積する。こうして通話録音が実行される。

これにより、呼接続中の通信端末の音声データは、呼制御装置を介さずに、直接、相手側通信端末へ送信されるため、音声データの送信とその音声データの受信との時間間隔が短い伝送が可能になり、また、呼制御装置で管理可能な通信端末の数が、呼制御装置が通信端末間の音声データの送受信に介在する場合に比べて、より多くなる。なお、本実施の形態では、呼制御装置が、通信端末間の通話及び呼制御装置の通話録音の両方に利用するマルチキャストァドレスを指定する場合を示したが、発呼側となる通信端末が、利用可能なマルチキャストアドレスをあらかじめ保持して、着呼側の通信端末及び呼制御装置へそのマルチキャストアドレスを通知し、通信端末間の通話及びその通話録音を実現するようにしてもよく、また、同様に着呼側がそれを行うようにしてもよい。

また、実施の形態 1で示した各種の変形は、本実施の形態でも適用することができる。

(実施の形態 3 )

本実施の形態では、受信バッファを持つ通信端末が、相手端末と直接通話して、相手の音声データをその受信バッファに格納し、呼切靳後に、バッファ内の音声データを呼制御装置へ送って蓄積する交換システムについて説明する。

この交換システムは、図 1 4に示すように、通信端末 3 1 0、 3 3 0力受信した音声データを一時的に蓄積する受信バッファ 3 1 1、 3 3 1を備えている。その他の構成は、実施の形態 1 (図 2参照）と変わりがない。

なお、通信端末 3 1 0 , 3 3 0及び呼制御装置 3 5 0の各部の機能は、これらの装置が内蔵するコンピュータにプログラムで規定した処理を行わせることにより実現される。

次いで、この交換システムの動作について、図 1 5を用いて説明する。図 1 5は、 S I Pを用いて、通信端末 3 1 0から通信端末 3 3 0への呼接続が行われ、その完了後に通話が開始され、呼切断が行われるまでの一連の処理シーケンスを示している。

通信端末 3 1 0 , 3 3 0の間で呼接続が行われるまでの S 3 0 0 0〜S 3 2 5 0の処理は、図 5に示す実施の形態 1の S 1 0 0 0〜S 1 3 0 0と同様である。但し、図 1 5では、便宜上、呼制御装置 3 5 0.でのアドレス付与処理を省略している。このような S 3 0 0 0〜S 3 2 5 0のシーケンスにより、通信端末 3 1 0 と通信端末 3 3 0との間の呼接続が確立され、通話中は、図 1 6に示すように、 2本の音声パス 3 6 1、 3 6 2が形成される。音声パス 3 6 1は、通信端末 3 1 0から通信端末 3 3 0への音声パスであり、音声パス 3 6 2は、通信端末 3 3 0から通信端末 3 1 0への音声パスである。なお、図 1 5では、音声パス 3 6 1、 3 6 2による通話処理を S 3 3 0 0、 S 3 3 5 0で表している。

通話中、通信端末 3 1 0は、通信端末 3 3 0から送信された音声データを通信手段 1 1 1で受信すると、通信端末全体制御手段 3 1 2の制御の下で、その音声データを受信バッファ 3 1 1に蓄積するとともに、その音声データを通信端末 3 1 0に付属するスピーカや受話器などに出力する。また、通信端末 3 3 0でも同様な処理が行われる。

次に、通信端末 3 1 0、 3 3 0の間で呼切断が行われるまでの処理について説明する。

通信端末 3 1 0は、通信端末全体制御手段 3 1 2の制御の下で、ユーザによるオンフック動作などを契機に、接続中の呼を切断する準備を実施し、呼制御装置 3 5 0を宛先とする切断要求メッセージを作成し、通信手段 1 1 1 を用いて呼制御装置 3 5 0へ送信する（S 3 4 0 0 )。そして、呼接続の相手先通信端末 3 3 0から送信された音声データの受信を停止すると同時に、受信バッファ 3 1 1への蓄積も停止する。

そして、呼制御装置 3 5 0は、通信手段 1 5 3で通信端末 3 1 0からの切断要求メッセージを受信すると（S 3 4 0 0 )、呼制御装置全体制御手段 3 5 1の制御の下で、受信した切断要求メッセージの宛先を通信端末 3 3 0に変更した切断メッセージを作成し、通信手段 1 5 3を用いて通信端末 3 3 0へ送信する（S 3 4 5 0 )。

そして、通信端末 3 3 0は、通信手段 1 3 1で呼制御装置 3 5 0からの切断要求メッセージを受信すると（S 3 4 5 0 )、通信端末全体制御手段 3 3 2 の制御の下で、接続中の呼を切断する準備を行い、呼制御装置 3 5 0を宛先とする切断応答メッセージを作成し、通信手段 1 3 1を用いて呼制御装置 3 5 0へ送信する（S 3 5 0 0 )。

そして、通信端末 3 3 0は、通信手段 1 3 1から上記切断応答メッセージを送信したことを契機に、呼接続の相手先通信端末 3 1 0から送信された音声データの受信と、受信バッファ 3 3 1への蓄積とを停止し、同時に、通信手段 1 3 1を用いて、受信バッファ 3 3 1内の音声データを、 S 3 0 5 0の接続要求メッセージで通知された呼制御装置 3 5 0のァドレスを宛先として送信する（バッファ内容転送）（S 3 5 5 0 )。この送信は、受信バッファ 3 3 1内に音声データが存在する間、継続される。

そして、呼制御装置 3 5 0は、通信手段 1 5 3で通信端末 3 3 0からの切断応答メッセージを受信すると（S 3 5 0 0 )、呼制御装置全体制御手段 3 5 1の制御の下で、受信した切断応答メッセージの宛先を通信端末 3 1 0に変更した切断応答メッセージを作成し、通信手段 1 5 3を用いて通信端末 3 1 0へ送信する（S 3 6 0 0 )。

そして、通信端末 3 1 0は、通信手段 1 1 1で呼制御装置 3 5 0からの切断応答メッセージを受信したことを契機に、通信手段 1 1 1を用いて、受信ノッファ 3 1 1内の音声データを、 S 3 1 5 0の接続応答メッセージで通知された呼制御装置 3 5 0のアドレスに送信する（バッファ内容転送）（S 3 6 5 0 )。この送信は、受信バッファ 3 1 1内に音声データが存在する間、継続される。

そして、呼制御装置 3 5 0は、通信手段 1 5 3で通信端末 3 1 0及び通信端末 3 3 0から送信された音声データの受信を開始すると、呼制御装置全体制御手段 3 5 1の制御の下で、音声ミキシング手段 1 5 1を用いてその二つの音声データをミキシング処理し、例えば、「通話録音登録あり」の通信端末 3 1 0からの音声データについて、ユーザデータ音声蓄積データベース 1 6 0内の通信端末 3 1 0の格納エリアに通話録音の音声データとして蓄積する (図 1 7参照）。また、通信手段 1 5 3で通信端末 3 1 0と通信端末 3 3 0の双方からの音声データの送信停止を確認すると、ユーザデータ音声蓄積データベース 1 6 0への蓄積を停止し、アドレス付与手段 1 5 4を用いて、図 3 のァドレス管理テーブルにおける、接続要求メッセージ及び接続応答メッセージ送信時に通信端末へ通知したアドレスを「空き」として設定する。

なお、この交換システムにおいて、ユーザデータ音声蓄積データベース 1 6 0に蓄積された音声データを再生する一連の処理は、実施の形態 1と同様である。

以上のように、本実施の形態の交換システムでは、通信端末 3 1 0 , 3 3 0に相手端末の音声データを蓄積する受信バッファ 3 1 1、 3 3 1を設け、呼接続中に通信端末は自端末の音声データを直接相手端末へ送信し、相手通信端末から同様に送信された音声データをその受信バッファに格納する。そして、呼切断後に各通信端末 3 1 0、 3 3 0の受信バッファ 3 1 1、 3 3 1 内の音声データを呼制御装置 3 5 0へパケット化して送信し、呼制御装置 3 5 0は、受信したバケツトをミキシングしてユーザデータ音声蓄積データべース 1 6 0に蓄積することで、通話録音を実現する。

なお、本実施の形態では、呼切断を契機に通信端末の受信バッファ内容を呼制御装置へ送信しているが、例えば、 1 日のうちネットワークのトラヒックが一番低い時間を利用して、この送信を行うなど、多数の変更が可能である。

また、本実施の形態では、通信端末の受信バッファに相手端末から受信した音声データを蓄積する場合について説明したが、通信端末の各々が自端末から送信した音声データを蓄積し、これを呼切断後に、それぞれ、呼制御装置へ送信するようにしてもよい。

また、呼接続中の通信端末を利用しているユーザが、その通話中に、キー入力により通話録音要求メッセージを呼制御装置に送信して通話録音の開始を指定する場合には、呼制御装置からの応答メッセージなどで、通話録音で利用するァドレスを通知するようにすればよい。

(実施の形態 4 )

本実施の形態では、受信バッファを持つ通信端末が、相手端末と直接通話して、相手と自分の音声データを受信バッファに格納し、呼切断後に、バッファ内の音声データをミキシングした後、呼制御装置へ送信して蓄積する交換システムについて説明する。

この交換システムは、図 1 8に示すように、通信端末 4 1 0、 4 3 0が、受信バッファ 3 1 1 a、 3 3 1 a内に蓄積された音声データをミキシングする音声ミキシング手段 4 1 1、 4 3 1と、ユーザから入力された音声データをコピーして、一方を受信バッファ 3 1 1、 3 3 1に蓄積し、もう一方を呼接続中の相手先通信端末へ送信する自音声受話手段 4 1 2、 4 3 2とを備えている。また、呼制御装置 4 5 0は、音声ミキシング手段を有していない。その他の構成は、実施の形態 3 (図 1 4参照）と変わりがない。

但し、受信バッファ 3 1 1 a、 3 3 1 aは、呼接続中に相手通信端末から送信された音声データを通信手段 1 1 1、 1 3 1で受信して一時的に蓄積するとともに、自音声受話手段 4 1 2、 4 3 2から送られた、自通信端末が相手通信端末へ送信する音声データのコピーを一時的に蓄積する。

なお、通信端末 4 1 0、 4 3 0及び呼制御装置 4 5 0の各部の機能は、これらの装置が内蔵するコンピュータにプログラムで規定した処理を行わせることにより実現される。次いで、この交換システムの動作について、図 1 9を用いて説明する。図 1 9は、 S I Pを用いて、通信端末 4 1 0から通信端末 43 0への呼接続が行われ、その完了後に通話が開始され、呼切断が行われるまでの一連の処理シーケンスを示している。

通信端末 4 10、 430の間で呼接続が行われるまでの S 4000〜S 4 2 50の処理は、図 5に示す実施の形態 1の S 1000〜S 1 300とほぼ同様であるが、ただ、 S 40 5 0で呼制御装置 450から通信端末 430に送られる接続要求メッセージに、ァドレス管理テーブルから獲得した音声データ受信用アドレスが付与されていない点だけが相違している。しカゝし、 S 41 50で呼制御装置 450から通信端末 4 1 0に送られる接続応答メッセージには、この音声データ受信用アドレスが付与されている。音声データ受信用ァドレスが知らされた通信端末 4 1 0は、相手と自分の音声データを受信バッファ 3 1 1 aに格納し、呼切断後に受信バッファ 3 1 1 a内の音声データをミキシングして呼制御装置 450へ送信する処理を行うが、音声データ受信用アドレスが知らされていない通信端末 430は、こうした処理を行わない。

このような S 4000〜S 42 50のシーケンスにより、通信端末 4 1 0 と通信端末 4 30との間の呼接続が確立され、通話中は、図 20に示すように、 2本の音声パス 46 1、 46 2が形成される。音声パス 46 1は、通信端末 41 0から通信端末 430への音声パスであり、音声パス 46 2は、通信端末 430から通信端末 4 1 0への音声パスである。なお、図 1 9では、音声パス 46 1、 46 2による通話処理を S 4 300、 S 43 5 0で表している。

通信端末 4 1 0は、呼制御装置 450宛てのァドレスを S 41 50の接続応答メッセージで通知されたことから、通話中に、通信端末 43 0から音声データを受信すると、通信端末全体制御手段 4 1 3の制御の下で、通信手段 1 1 1で受信した音声データを受信バッファ 3 1 1 aに蓄積するとともに、通信端末 4 1 0に付属するスピーカや受話器などに出力する。

また、通信端末 4 1 0が当該通信端末 4 1 0を利用しているユーザの音声データを通信端末 4 3 0へ送信する場合には、自音声受話手段 4 1 2、 4 3 2が、ユーザから入力された音声データのコピーを作成し、通信端末全体制御手段 4 1 3の制御の下で、この音声データの一方を受信バッファ 3 1 1 a に蓄積するとともに、もう一方を、通信手段 1 1 1を用いて、音声パス 4 6 1により相手先通信末 4 3 0へ送信する。

一方、通信端末 4 3 0は、呼制御装置 4 5 0宛てのァドレスを S 4 0 5 0 の接続要求メッセージで通知されなかったことから、受信バッファ 3 3 1 a への音声データの蓄積は行わない。これ以外の処理は、通信端末 4 1 0と同様である。

次に、通信端末 4 1 0、 4 3 0の間で呼切断が行われるまでの処理について説明する。

通信端末 4 1 0は、通信端末全体制御手段 4 1 3の制御の下で、ユーザによるオンフック動作などを契機に、接続中の呼を切断する準備を実施し、呼制御装置 4 5 0を宛先とする切断要求メッセージを作成し、通信手段 1 1 1 を用いて呼制御装置 4 5 0へ送信する（S 4 4 0 0 )。そして、呼接続の相手先通信端末 4 3 0から送信された音声データの受信を停止すると同時に、受信バッファ 3 1 1 aへの蓄積もすベて停止する。

そして、呼制御装置 4 5 0は、通信手段 1 5 3で通信端末 4 1 0からの切断要求メッセージを受信すると（S 4 4 0 0 )、呼制御装置全体制御手段 4 5 1の制御の下で、受信した切断要求メッセージの宛先を通信端末 4 3 0に変更した切断メッセージを作成し、通信手段 1 5 3を用いて通信端末 4 3 0へ送信する（S 4 4 5 0 )。

そして、通信端末 4 3 0は、通信手段 1 3 1で呼制御装置 4 5 0からの切断要求メッセージを受信すると（S 4 4 5 0 )、通信端末全体制御手段 4 3 3 の制御の下で、接続中の呼を切断する準備を行い、呼制御装置 4 5 0を宛先とする切断応答メッセージを作成し、通信手段 1 3 1を用いて呼制御装置 4 5 0へ送信する（S 4 5 0 0 )。

そして、呼制御装置 4 5 0は、通信手段 1 5 3で通信端末 4 3 0からの切断応答メッセージを受信すると（S 4 5 0 0 )、呼制御装置全体制御手段 4 5 1の制御の下で、受信した切断応答メッセージの宛先を通信端末 4 1 0に変更した切断応答メッセージを作成し、通信手段 1 5 3を用いて通信端末 4 1 0へ送信する（S 4 5 5 0 )。 —

そして、通信端末 4 1 0は、.通信手段 1 1 1で呼制御装置 4 5 0からの切断応答メッセージを受信したことを契機に、受信バッファ 3 1 1 aに蓄積した 2種類の音声データを、音声ミキシング手段 4 1 1を用いてミキシングし、通信手段 1 1 1を用いて、 S 4 1 5 0の接続応答メッセージで通知された呼制御装置 4 5 0のアドレスに送信する（バッファ内容転送）（S 4 6 0 0 )。この送信は、受信バッファ 3 1 1 a内に音声データが存在する間、継続される。

そして、呼制御装置 4 5 0は、通信手段 1 5 3で通信端末 4 1 0から送信された音声データの受信を開始すると、呼制御装置全体制御手段 4 5 1の制御の下で、その音声データをユーザデータ音声蓄積データベース 1 6 0内の通信端末 4 1 0の格納エリアに通話録音の音声データとして蓄積する（図 2 1参照）。また、通信手段 1 5 3で通信端末 4 1 0からの音声データの送信停止を確認すると、ユーザデータ音声蓄積データベース 1 6 0への蓄積を停止し、アドレス付与手段 1 5 4を用いて、図 3のアドレス管理テーブルにおける、接続応答メッセージ送信時に通信端末 4 1 0へ通知したアドレスを「空き」として設定する。

以上のように、本実施の形態の交換システムでは、通信端末 4 1 0 , 4 3 0に受信バッファ 3 1 1 a、 3 3 1 aと音声ミキシング手段 4 1 1、 4 3 1 とを設け、呼接続中に、自端末の音声データを受信バッファ内の自端末用ェリァに格納するとともに直接相手端末へ送信し、相手通信端末から送信された音声データをその受信バッファの相手端末用エリアに格納する。そして、呼切断後に、受信バッファ 3 1 1 a、 3 3 1 a内の各エリアの音声データをミキシングし、ミキシングデータを呼制御装置 4 5 0へバケツト化して送信する。そして、呼制御装置 4 5 0がそのバケツトを受信し、ユーザデータ音声蓄積データベース 1 6 0に蓄積することで、通話録音を実現する。

これにより、呼接続中の通信端末の音声データは、呼制御装置を介さずに、直接、相手側通信端末へ送信されるため、音声データの送信とその音声データの受信との時間間隔が短い伝送が可能になる。また、呼制御装置は、通信端末により音声ミキシングされた通話録音内容を管理するだけでよく、通話録音に関係した音声ミキシングなどの処理が一切必要ないため、呼制御装置で管理可能な通信端末の数が、さらに多くなる。

なお、実施の形態 3で示した各種の変形は、本実施の形態でも適用することができる。

以上の説明から明らかなように、本発明の交換システムは、呼制御装置を介さずに、直接、通信端末間で音声データを送受信しながら、その通話内容を呼制御装置で録音することができる。そのため、通信端末間で送受信される音声データの遅延を減らすことができ、相手側の音声が遅れて聞こえるなどの不自然な通話を回避することができる。

また、呼制御装置の負担を軽減することができ、呼制御装置で管理可能な通信端末の数を増やすことができる。

本明細書は、 2 0 0 1年 1 2月 2 7日出願の特願 2 0 0 1— 3 9 7 2 6 5 に基づく。この内容はすべてここに含めておく。

産業上の利用可能性本発明は、例えば、インターネットや LAN等を介して通信端末間でリアルタイムで行われる音声通話等を交換する交換システムに適用することがでさる。

Claims

請求の範囲

1 . ネットワークを介して、通話録音機能を持つ呼制御装置の仲介により複数の通信端末を接続する交換システムであって、

前記複数の通信端末は、おのおの、

マルチキャストのァドレスを取得する第 1取得手段と、

取得されたマルチキャストァドレスに基づいて、相手の通信端末との間に音声データを送受信するためのマルチキャストによる音声パスを形成する形成手段と、を有し、

前記呼制御装置は、

前記複数の通信端末に対して前記マルチキャストァドレスを通知する通知手段と、

前記複数の通信端末のおのおのからマルチキャストにより送信された音声データをマルチキャストに参加して取得する第 2取得手段と、

取得された音声データをミキシングして蓄積するミキシング蓄積手段と、を有する交換システム。

2 . 前記ネットワークは、 I Pネットワークであり、前記複数の通信端末は、前記 I Pネットワークを介して相互にパケット通信を行う、請求の範囲 1記載の交換システム。

3 . ネットワークを介して、通話録音機能を持つ呼制御装置の仲介により複数の通信端末を接続する交換システムで用いられる前記通信端末であって、マルチキャストのァドレスを取得する取得手段と、

取得されたマルチキャストァドレスに基づいて、相手の通信端末との間に音声データを送受信するためのマルチキャストによる音声パスを形成する形成手段と、

を有する通信端末。

4 . ネットワークを介して、通話録音機能を持つ呼制御装置の仲介により複数の通信端末を接続する交換システムで用いられる前記呼制御装置であつて、

前記複数の通信端末に対してマルチキャストのァドレスを通知する通知手段と、

前記複数の通信端末のおのおのからマルチキャストにより送信された音声データをマルチキャストに参加して取得する取得手段と、

取得された音声データをミキシングして蓄積するミキシング蓄積手段と、を有する呼制御装置。

5 . ネットワークを介して、通話録音機能を持つ呼制御装置の仲介により複数の通信端末を接続する交換システムにおける通話録音方法であって、前記呼制御装置が、前記複数の通信端末に対してマルチキャストのァドレスを通知する通知ステップと、

前記複数の通信端末が、おのおの、前記呼制御装置から通知されたマルチキヤストアドレスを取得する第 1取得ステップと、

前記複数の通信端末が、おのおの、前記第 1取得ステップで取得したマルチキャストアドレスに基づいて、相手の通信端末との間に音声データを送受信するためのマルチキャストによる音声パスを形成する形成ステップと、前記呼制御装置が、前記複数の通信端末のおのおのからマルチキャストにより送信された音声データをマルチキャストに参加して取得する第 2取得ステツプと、

前記呼制御装置が、前記第 2取得手段で取得した音声データをミして蓄積するミキシング蓄積ステップと、

を有する通話録音方法。