明 細 書
アルキレン化合物の製造方法 技術分野
本発明は、 感染タ正 (sepsis)、 敗血 ¾E (septicemia)、 内毒素症 (endotoxemia) 及び種々の形の敗血症性ショックを含むェンドトキシン露出の予防 ·治療に有用 なリピッ ド A (Lipid A) 類縁体 (E5564) の合成中間体として重要なアルキレン 化合物の新規製造方法に関する。 背景技術
米国特許第 5750664号、 及び第 5935938号公報に開示されているリピッド A類 縁体の E5564は、 以下の構造式で表される化合物であり、
グラム陰性菌外膜のリポ多糖類(LPS)成分が引き起こす致死率の高いグラム陰性 菌血症、 特にェンドトキシンショ ックの予防 ·治療などに優れた効果を有する。 リピッド Aは、 この細菌性リポ多糖分子が示す毒性において、 中心的な役割を 果たしていると考えられており、 2リン酸化された 2糖類が、 長鎖脂肪酸により ァシル化された構造を有している。
〈従来の技術〉
E5564は、 このリピッド Aの毒性を押さえるべく、 その類縁体として開発され
た化合物であり、 上記式で示されるように 2リン酸化された 2糖類から 4本の側 鎖がのびた構造を有している。
この 4本の側鎖の内、 右から 4番目の側鎖 (以下 「第 4側鎖」 という) である 3-メ トキシデカノール誘導体は、 特徴的な構造を有する側鎖であり、 これまでェ 業的に満足のいく製造方法は提供されていなかった。
上記、 米国特許第 5750664号、 及び第 5935938号公報には、 以下のルート 〔式 中、 Tsはトシル基を示す〕 により、 第 4側鎖を合成する方法が開示されている。
A B C
OCH3 OCH3
TsO '(CH2)6CH3 ■(CH2)6CH3
E
D 発明の開示
しかし、 このルートでは最終化合物の収率や、 高価な試薬を用いるための製造 コスト、 さらには製造工程での操作性などでの問題があった。
本発明の目的は、 上記問題を解消した優れた第 4側鎖の合成方法を提供するこ とにある。 本発明者らは、 鋭意研究を行った結果、 新規製造方法がこれらの条件 を満たし、 工業的に非常に有用.であることを見出した。 即ち、 本発明者らは、 以 下の < 1〉〜く 1 1 >を見出した。
< 1 > 一般式 (4 ) 〔式中、 Rは C 1— 6アルキル基を示す〕 で表される化合 物 (4 ) の水酸基を保護することを特徴とする、 一般式 (5 ) 〔式中、 Rは上記と 同じ定義を有し、 P G 2は水酸基の保護基を示す。 但し、 Rがメチル基であり、 かつ P G 2がトシル基である場合を除く〕 で表される化合物 (5 ) もしくはその 塩またはそれらの水和物の製造方法:
OR OR
5)
4π9 (4) (
OH OPG
< 2 > —般式 (3 ) 〔式中、 Rは C 1— 6アルキル基を、 P G 1は還元する
とにより脱保護される水酸基の保護基を、 式^は単結合、 二重結合または三重 結合をそれぞれ示す〕 で表される化合物 (3) を還元して一般式 (4) 〔式中、 R は上記と同じ定義を有する〕 で表される化合物 (4) とし、 次いで化合物 (4) の水酸基を保護することを特徴とする、 一般式 (5) 〔式中、 Rは上記と同じ定義 を有し、 PG 2は水酸基の保護基を示す。 但し、 Rがメチル基であり、 かつ PG2 がトシル基である場合を除く〕 で表される化合物 (5) もしくはその塩またはそ れらの水和物の製造方法:
OR
し 4 OPG 1 (3)
OR OR
し 4 Η (、4) ζ ν ν ν ν 、 (5)
Ό 、OPG2'
< 3 > 一般式 (2) 〔式中、 PG1は還元することにより脱保護される水酸基 の保護基を、 式 は、 単結合、 二重結合または三重結合をそれぞれ示す〕 で表 される化合物 (2) をアルキル化して一般式 (3) 〔式中、 Rは C 1—6アルキノレ 基を示し、 PG1は上記と同じ定義を有する〕 で表される化合物 (3) とし、 次 いで化合物 (3) を還元して一般式 (4) 〔式中、 Rは上記と同じ定義を有する〕 で表される化合物 (4) とし、 次いで化合物 (4) の水酸基を保護することを特 徴とする、 一般式 (5) 〔式中、 Rは上記と同じ定義を有し、 PG2は水酸基の保 護基を示す。 但し、 Rがメチル基であり、 かつ PG 2がトシル基である場合を除 く〕 で表される化合物 (5) もしくはその塩またはそれらの水和物の製造方法:
OH
4门 9 OPG 1 (2)
OR
< 4> 一般式 (l) 〔式中、 PG
1は還元することにより脱保護される水酸基 の保護基を示す〕 で表される化合物 (1) のォキシランを開環反応に付して一般 式 (2) 〔式中、 PG
1は上記と同じ定義を有し、 式^は、 単結合、 二重結合ま
たは三重結合を示す〕 で表される化合物 (2) とし、 次いで化合物 (2) をアル キル化して一般式 (3) 〔式中、 Rは C 1— 6アルキル基を示し、 PG
1は上記と 同じ定義を有する〕 で表される化合物 (3) とし、 次いで化合物 (3) を還元し て一般式 (4) 〔式中、 Rは上記と同じ定義を有する〕 で表される化合物 (4) と し、 次いで化合物 (4) の水酸基を保護することを特徴とする、 一般式 (5) 〔式 中、 Rは上記と同じ定義を有し、 PG
2は水酸基の保護基を示す。 但し、 Rがメ チル基であり、 かつ PG
2がトシル基である場合を除く〕 で表される化合物 (5) もしくはその塩またはそれらの水和物の製造方法:
OH
4π9 OPG1 (2)
OR
4门 9 1 (3)
C4H9
< 5 > 前記化合物 (1) のォキシランの開環反応を、
1)一般式 C4H9— C≡C— M+ 〔式中、 Mは金属原子を示す〕 とで行う力、
2)—般式 C4H9— CH = CH— M+ 〔式中、 Mは金属原子を示す〕 とで行う力、 または
3)—般式 C4H9— CH2_CH2— M+ 〔式中、 Mは金属原子を示す〕 とで行う < 4 >記載の方法。
く 6 > Rがメチル基であるく 1 >〜く 5 >のいずれかに記載の方法。
< 7 > P G 1がべンジル基であるく 1 >〜< 6〉のいずれかに記載の方法。
< 8 > PG2がメシル基またはトシル基であるく 1〉〜く 7〉のいずれかに 記載の方法。
< 9 > 一般式 (1) 〔式中、 PG
1は還元することにより脱保護される水酸基 の保護基を示す〕 で表される化合物 (1) のォキシランを開環反応に付すことを 特徴とする、 一般式 (2) 〔式中、 PG
1は上記と同じ定義を有し、 式^は、 単
結合、 二重結合または三重結合を示す〕 で表される化合物 (2) もしくはその塩 またはそれらの水和物の製造方法:
ひ)
OH
4H9^\^ ^OPGi (2)
< 1 0 > 前記化合物 (1) のォキシランの開環反応を、
1) 一般式 C4H9_C≡C— M+ 〔式中、 Mは金属原子を示す〕 とで行う力、、
2) 一般式 C4H9_CH = CH— M+ 〔式中、 Mは金属原子を示す〕 とで行う力、 または
3) 一般式 C4H9_CH2— CH2— M+ 〔式中、 Mは金属原子を示す〕 とで行う < 9 >記載の方法。
< 1 1 > Mがリチウム原子またはマグネシウムハライ ドであるく 5〉〜< 8 〉及びく 1 0〉のいずれかに記載の方法。
< 1 2 > B F 3または C u I存在下、 化合物 ( 1 ) のォキシランの開環反応 を行う < 5 >〜< 8 >、 < 1 0 >および < 1 1〉のいずれかに記載の方法。 発明の実施の形態 '
以下本発明の内容について詳細に説明する。
次に本明細書中で使用される語句について詳細に説明する。
本明細書中、 C 1一 6アルキル基とは、 炭素数 1〜 6の直鎖もしくは分枝鎖状 のアルキル基を示し、 具体的には例えばメチル基、 ェチル基、 n-プロピル基、 i- プロピル基、 n-ブチノレ基、 i-ブチル基、 sec-プチル基、 t-ブチル基、 n-ペンチル 基、 i -ペンチノレ基、 sec-ペンチノレ基、 t-ペンチル基、 ネオペンチル基、 1-メチノレ プチル基、 2-メチルブチル基、 1, 1-ジメチルプロピル基、 1, 2-ジメチルプロピル 基、 n -へキシル基、 i-へキシル基、 1-メチルペンチル基、 2 -メチルペンチル基、 3 -メチルペンチル基、 1, 1 -ジメチルブチル基、 1, 2-ジメチルブチル基、 2, 2 -ジメ チルブチル基、 1, 3-ジメチルブチル基、 2, 3 -ジメチルブチル基、 3, 3-ジメチルブ チル基、 1-ェチルブチル基、 2-ェチルブチル基、 1, 1, 2-トリメチルプロピル基、
1, 2, 2-トリメチルプロピル基、 1-ェチル- 1一メチルプロピル基、 1-ェチル -2—メ チルプロピル基などが挙げられ、 好ましくは、 メチル基、 ェチル基、 n-プロピル 基、 i -プロピル基、 n-ブチル基、 i-ブチル基、 sec-ブチル基、 t-ブチル基、 n -ぺ ンチル基、 i_ペンチル基、 sec-ペンチル基、 t-ペンチル基、 ネオペンチル基、 1 - メチルブチル基、 2-メチルブチル基、 1, 1 -ジメチルプロピル基、 1, 2-ジメチルプ 口ピル基、 n -へキシル基、 i -へキシル基であり、 より好ましくは、 メチル基、 ェ チル基、 n-プロピル基、 i-プロピル基、 n_ブチル基、 i-ブチル基、 sec-ブチル基、 t-プチル基、 n-ペンチノレ基、 i-ペンチノレ基、 sec-ペンチル基、 t-ペンチノレ基、 ネ ォペンチル基、 1 -メチルブチル基、 2 -メチルプチル基、 1, 1-ジメチルプロピル基、 1, 2-ジメチルプロピル基、 さらに好ましくはメチル基、ェチル基、 n -プロピル基、 i -プロピノレ基、 n-ブチル基、 i-ブチル基、 sec-ブチノレ基、 t-ブチル基であり、 も つとも好ましくはメチル基、 ェチル基、 n-プロピル基、 i-プロピル基である。 水酸基の保護基とは、 具体例を挙げると、 通常、 有機合成上水酸基の保護基と して知られている基であればレ、かなる基でもよく特に限定されないが、 例えばト リメチルシリル基、 t-ブチルジメチルシリル基等の低級アルキルシリル基;例え ばメ トキシメチル基、 2-メ トキシエトキシメチル基等の低級アルコキシメチル 基;例えばテトラヒ ドロビラニル基;例えばべンジル基、 P-メ トキシべンジル基、 2,·4-ジメ トキシベンジル基、 0-ニトロべンジル基、 ρ-ニトロべンジル基、 トリチ ル基等のァラルキル基;例えばホルミル基、 ァセチル基等のァシル基;例えば t - ブトキシカノレボニノレ基、 2 -ョードエトキシカルボ二ノレ基、 2, 2, 2-トリクロ口エト キシカノレボニル基等の低級ァノレコキシ力ノレボニル基;例えば 2-プロぺニルォキシ カルボニル基、 2-クロ口- 2-プロぺニルォキシカルボニル基、 3-メ トキシカルボ二 ル- 2-プロぺニルォキシカルボ-ル基、 2-メチル- 2-プロぺニルォキシカルボニル 基、 2-ブテュルォキシカルボニル基、 シンナミルォキシカルボニル基等のアルケ ニルォキシカルボ二ノレ基;例えばべンジルォキシカノレボニノレ基、 P-メ トキシベン ジルォキシカルボニル基、 0-ニトロペンジノレオキシカノレポニル基、 p -二トロベン ジルォキシカルボニル基等のァラルキルォキシカルボニル基等が挙げられる。 好 ましくはべンジル基である。
これらの保護基の脱離は、 使用した保護基の種類に応じ、 加水分解、 還元など
常法により行うことができる。
還元することにより脱保護される水酸基の保護基とは、 具体例を挙げると、 通 常、 有機合成上水酸基の保護基として知られている基であればいかなる基でもよ く特に限定されないが、 例えばべンジル基、 ベンジルォキシメチル基、 1-メチル - 1 -べンジノレォキシェチル基、 1-メチル- 1 -べンジノレォキシ -2-フノレオ口ェチノレ基、 ジフエニノレメチノレ基、 ρ, ρ ' -ジニトロべンズヒ ドリル基、 トリフエ二ルメチノレ基 などの基が挙げられ、 好ましくはべンジル基である。
マグネシウムハライ ドとは、 ノヽロゲン化されたマグネシウムをいう。 ここでハ ロゲン原子とは、 具体的には例えばフッ素原子、 塩素原子、 臭素原子、 ヨウ素原 子などをいう。 従って Μ+がマグネシウムハライ ドである場合、 具体的には M g B r +や M g I +などを表す。
本願発明において塩とは、 種類は特に限定されないが具体的に挙げると、 例え ばフッ化水素酸塩、 塩酸塩、 硫酸塩、 硝酸塩、 過塩素酸塩、 リン酸塩、 炭酸塩、 重炭酸塩、 臭化水素酸塩、 ヨウ化水素酸塩などの無機酸の付加塩;酢酸塩、 マレ イン酸塩、 フマール酸塩、 蓚酸塩、 乳酸塩、 酒石酸塩、 トリフルォロ酢酸塩など の有機カルボン酸の付加塩; メタンスルホン酸塩、 トリフルォロメタンスルホン 酸塩、 エタンスルホン酸塩、 ヒ ドロキシメタンスルホン酸塩、 ヒ ドロキシェタン スルホン酸塩、 ベンゼンスルホン酸塩、 トルエンスルホン酸塩、 タウリン塩など の有機スルホン酸の付加塩; トリメチルァミン塩、 トリェチルァミン塩、 ピリジ ン塩、 プロ力イン塩、 ピコリン塩、 ジシクロへキシルァミン塩、 N, N ' —ジベン ジルエチレンジァミン塩、 N—メチルダルカミン塩、 ジエタノールアミン塩、 ト リエタノールアミン塩、 トリス (ヒ ドロキシメチルァミノ) メタン塩、 フエネチ ルベンジルアミン塩などのアミンの付加塩;ナトリゥム塩、 力リゥム塩などのァ ルカリ金属の付加塩;マグネシウム塩、 カルシウム塩などのアルカリ土類金属の 付加塩;アルギニン塩、 リジン塩、 セリン塩、 グリシン塩、 ァスパラギン酸塩、 グルタミン酸塩などのアミノ酸の付加塩などを挙げることができる。 好ましくは 薬理学的に許容できる塩である。
本発明製造方法は下記の方法で実施することができる。
一般製造法
OH OR
OPG1 "OPG1
3
OR OR
CdHc
4 5
式中、 各記号は前記定義に同じ基を示す。
工程 1 (化合物 1から 2) は、 ォキシランの開環反応の工程である。 式 (1) のォキシラン化合物に、 一般式 C4H9_C≡C— M+、 一般式 C4H9— CH=C H— M+または一般式 C4H9_CH2— CH2- M+ 〔式中、 記号は前述と同じ意 である〕 で表される有機金属試薬を反応させることにより式 (2) の化合物を得 ることができる。
上記の有機金属試薬は、 通常窒素雰囲気下、 i ) 1-へキシン、 卜へキセン、 ま たはへキサンをテトラヒ ドロフラン、 ジェチノレエーテノレ、 t-プチルメチルエーテ ル、 またはジォキサンなどの非プロ トン性溶媒に溶解し、 次いで n-プチルリチウ ム、 カリウム t-ブトキサイ ド、 リチウム ジィソプロピルァミ ド、 リチウム へキ サメチルジシラザン、またはナトリウム へキサメチルジシラザンなどの塩基を反 応させる、 i i ) ハロゲン化ァノレキル、 例えば 1 -ブロモへキサンなどをエーテル 中金属マグネシウムと反応させる (グリニャール試薬)、 または i i i ) これらの 有機リチウムやマグネシウム試薬に銅類を添加することで有機銅試薬を調製し (例えばアルキルカッパ一リチウムなど) 反応に用いることで製造することがで きる。 通常 - 78°Cから室温で、 数十分から数時間程度反応させる。
従って具体的には、 式 (2) の化合物は、 a) 前記有機金属試薬の反応液に、 塩化アルミニウム、 三フッ化ホウ素ジェチルエーテラ一ト (B F3'E t 20)、 塩 化スズ(IV)、 塩化亜鉛、 塩化鉄(111)、 塩化水銀(11)、 または塩化アンチモンなど のルイス酸を加え、 通常 -78°Cから室温で、 数十分から数時間程度反応させた後、 式 (1) の(2-ベンジルォキシェチル)ォキシランを加え 1ないし数時間反応させ る、 または b) 前記グリニャール試薬を式 (1) の(2-ベンジルォキシェチル)ォ キシランと臭化銅(I)またはョゥ化銅(I)存在下、非プロ トン性溶媒中- 78°C〜室温 で数時間反応させることにより得ることができる。
工程 2 (化合物 2から 3 ) は、 水酸基のアルキル化の工程である。 式 (2 ) の アルコール化合物を水素化ナトリウム、 n-ブチルリチウム、カリウム t-ブトキサ イ ド、 リチウム ジイソプロピルアミ ド、 ピリジン、 水酸化カリウム、 水酸化ナト リウム、 炭酸カリウム、 炭酸水素カリウム、 炭酸ナトリウム、 または炭酸水素ナ トリゥムなどの塩基存在下、 ョードメタンなどのアルキル化試薬と反応させるこ とにより式 (3 ) の化合物を得ることができる。 反応は通常- 10° (:〜 100°Cで行わ れ、 溶媒としてはテトラヒ ドロフラン、 ジェチルエーテル、 t-ブチルメチルエー テル、 またはジォキサンなどの非プロ トン性溶媒を用いることができる。 反応時 間は通常数時間である。
工程 3 (化合物 3から 4 ) は、 還元の工程である。 式 (3 ) で表される化合物 をパラジウム一炭素、 水酸化パラジウム、 P t 0 2 (アダムス触媒)、 またはラネ 一ニッケルなどの触媒で接触水素添加することにより式 (4 ) で表される化合物 を得ることができる。 通常、 反応温度は 0〜100°Cで行われ、 溶媒はメタノール, エタノール, もしくはプロパノールなどのアルコール、 ジェチルエーテル、 t-ブ チ^^メチノレエーテノレ、テトラヒ ドロフラン、もしくはジォキサンなどのエーテ^^、 酢酸ェチル、 またはトルエンなどを用いることができる。 常圧、 または加圧下、 数時間から数日反応させる。
工程 4 (化合物 4から 5 ) は、 脱離基の導入の工程である。 式 (4 ) で表され るアルコール化合物を塩基存在下、 メシルク口ライ ドなどの試薬と反応させるこ とにより、 式 (5 ) で表される化合物を得ることができる。 塩基としては、 水酸 化力リゥム、水酸化ナトリゥム、炭酸水素ナトリゥム、 ピリジン、炭酸力リゥム、 炭酸水素カリウム、 炭酸カルシウム、 または水酸化リチウムなどを用いることが できる。 反応は通常- 20°C〜100°Cで行われ、 溶媒としてはテトラヒ ドロフラン、 ジェチルエーテル、 t-ブチルメチルエーテル、 またはジォキサンなどの非プロ ト ン性溶媒を用いることができる。
本願において R はメチル基などが好ましく、 P G 1はべンジル基などが好まし く、 P G 2はメシル基またはトシル基などが好ましい。 従って、 本願発明方法は 下記のようなスキームによっても実施することが可能である。
MsC I
H2 (1 atm) , cat. 10%Pd-C OMe Et,N OMe
MeOH/r. t. OH THF/0°C OMs
5a
4a
方法一 2
C6H13MgBr OH OMe H2 (1 atm) 一 Cu l一 Me l . KOH
2) C
6H, . C
6H
1 : cat. 20%Pd (OH);
THF/-30°C THF/r. t. MeOH/r. t.
1 a 6a 7a
MsC I
OMe
Et,N OMe
CeH,:
OH THF/0°C OMs
4a 5a 上述したように、 本発明で使用しうる溶媒としては、 反応を阻害しないもので あって、 通常有機合成上用いられているものであればいかなる溶媒でもよく特に 限定されず、 例えば、 メタノール、 エタノール、 プロパノール、 ブタノールなど の低級アルコール類、エチレンダリコール、グリセリンなどのポリアルコール類、 アセトン、 メチルェチノレケトン、 ジェチルケトン、 シクロへキサノンなどのケト ン類、 ジェチルエーテル、 イソプロピルエーテル、 テトラヒ ドロフラン、 ジォキ サン、 2—メ トキシエタノール、 1 , 2—ジメ トキシェタンなどのエーテル類、 ァセトニトリル、プロピオ二トリルなどの二トリノレ類、酢酸メチル、酢酸ェチル、 酢酸イソプロピル、 酢酸ブチル、 フタル酸ジェチルなどのエステル類、 ジクロロ メタン、 クロ口ホルム、 四塩化炭素、 1 , 2—ジクロロエタン、 トリクロロェチ レン、テトラクロ口エチレンなどのハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、 トルエン、 キシレン、 モノクロルベンゼン、 ニトロベンゼン、 インデン、 ピリジン、 キノリ ン、 コリジン、 フエノールなどの芳香族類、 ペンタン、 シクロへキサン、 へキサ ン、 ヘプタン、 オクタン、 イソオクタン、 石油ベンジン、 石油エーテルなどの炭 化水素類、エタノールァミン、 ジェチルアミン、 トリエチルアミン、 ピロリジン、
ピぺリジン、 ピぺラジン、 モルホリン、 ァニリン、 ジメチルァニリン、 ベンジル ァミン、 トルィジンなどのアミン類、ホルムアミ ド、 N—メチルピロリ ドン、 N, N—ジメチルイミダゾロン、 N , N—ジメチルァセトアミ ド、 N, N—ジメチル ホルムアミ ドなどのアミ ド類、 へキサメチルリン酸トリアミ ド、 へキサメチル亜 リン酸トリアミ ドなどのリン酸アミ ド類、 水、 その他一般に使用される溶媒など の一種もしくは二種以上の混合溶媒を挙げることができ、 その混合比は特に限定 されない。
上述したように、 本発明で使用しうる塩基としては、 反応を阻害しないもので あって、 通常、 有機合成上塩基として知られているものであればいかなるもので もよく特に限定されず、具体的には例えば炭酸ナトリゥム、炭酸水素ナトリゥム、 炭酸カリウム、 水素化ナトリウム、 水素化カリウム、 t-ブトキシカリウム、 ピリ ジン、 ジメチルァミノピリジン、 トリメチルァミン、 トリェチルァミン、 N , N —ジイソプロピノレエチ^^アミン、 N [—メチノレモノレホリン、 N -メチノレピロリジン、 N—メチルビペリジン、 N, N—ジメチルァニリン、 1, 8 —ジァザビシク口 [ 5 , 4 , 0 ] ゥンデカー 7—ェン(D B U)、 ピリジン、 4ージメチルアミノビリジン、 ピコリン、 ルチジン、 キノリン、 イソキノリン、 水酸化ナトリウム、 水酸化力リ ゥム、 水酸化リチウム、 ブチルリチウム、 ナトリウムメチラート, カリウムメチ ラート, ナトリゥムェチラ一トなどのナトリゥムまたは力リウムアルコラート等 が挙げられる。
上述したように、 本発明で使用しうる還元剤としては、 反応を阻害しないもの であって、 通常有機合成に用いられているものであればよく特に限定されず、 具 体的には例えば NaBH4、 LiBH4、 Zn (BH4) 2、 Me4匪(OAc) 3、 NaBH3CN、 Selectride, Super Hydride (LiBHEt3)、 LiAlH4、 DIBAL、 LiAlH (t- Bu0) 3、 Red- al、 binapなどの 他、 白金、 パラジウム、 ロジウム、 ルテニウム、 ニッケルなどの接触水素添加触 媒などが挙げられる。
以上の反応終了後、 所望により通常の処理法によって、 例えばシリカゲルまた は吸着樹脂等を用いるカラムクロマトグラフィーゃ適当な溶媒から再結晶するこ とにより精製することが可能である。 '
実施例
以下の実施例により本発明を詳細に且つ具体的に説明するが、 本発明はこれら の実施例に限定されるものではない。
実施例 1. (3R)- 3 -メ トキシデカニル メタンスルフォネィ トの製造方法
実施例 1-1) (3R)_1-ベンジルォキシ -5-デシン- 3 -オール (2)
窒素気流下、 一 78°Cに冷却した 1-へキシン: 2.90 g(34.2腿 ol)のテトラヒ ドロ フラン(60 ml)溶液に n-ブチルリチウム: 21.50 ml (34.2 mmol: 1.59 mmol/mlへキ サン溶液)を加え 40分撹拌し、次いで三フッ化ホウ素ジェチルエーテラート: 4.40 ml (34.7 mmol)を加えた。 同温度で 1時間撹拌後、 (S)- (2-ベンジルォキシェチル) ォキシラン: 3.00 g(16.8 mmol)のテトラヒ ドロフラン(20 ml)溶液を加え、 さら に 1時間撹拌した。反応液に塩化アンモニゥム水溶液を加えて酢酸ェチル(50 ml) で抽出し、抽出液を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。 濾過後溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-へキサン、 酢酸ェチル) で精製して標記化合物を 3.33g (12.8 mmol, 76.0%)得た。
'Η—丽 R(CDC1
3) δ :0.90(3H, t, J=7.5Ηζ), 1.35〜 1.50 (4H, m), 1.77〜 1.93 (2H, m) , 2.12〜2· 18(2H,m), 2.34〜2.38 (2Η, m) , 2.94(1Η, bs), 3.62〜3· 68 (1Η, m) , 3.70 〜3.76(1Η, m), 3.88〜3.95 (1Η, m) , 4.52 (2Η, s) , 7.25〜7· 38 (5Η, m) . 実施例 1-2) (3R)- 1-ベンジルォキシ _3-メ トキシ- 5-デシン (3)
窒素気流下、 氷冷した水素化ナトリウム: 490 mg(12.3 mmol: 60% dispersion in mineral oil)のテトラヒ ドロフラン(22 ml)溶液に (3R)- 1-ベンジルォキシ- 5 -デ シン- 3-オール: 3.18
§(12.2111]1101)のテトラヒ ドロフラン(10 ml)溶液を滴下した。 30分撹拌後、 ョードメタン: 0.92 ml (14.7謹 ol)のテトラヒ ドロフラン(5 ml)溶
液を加え、 その後室温で 2時間撹拌した。 反応液に塩化アンモニゥム水溶液を加 えて酢酸ェチル(50 ml)で抽出し、 抽出液を水、 飽和食塩水で洗浄後、 無水硫酸マ グネシゥムで乾燥した。 濾過後溶媒を留去し、 残渣をシリカゲルカラムクロマト グラフィー(n-へキサン、酢酸ェチル)で精製して標記化合物を 3.16g(ll.5mmol, 94.3%)得た。
麗 R(CDC13) δ:0.90 (3Η, t, J=7.5Hz) , 1.34〜 1.50(4H, m), 1.78〜 1.87 (1H, m) , 1.92〜2.01(lH,m), 2.12〜2.17 (2H, m) , 2.36〜2.41 (2H, m) , 3.36 (3H, s), 3.42〜 3.49(1H, m), 3.53〜 3.65 (2H, m), 4.49 (1H, d, J=12.2Hz), 4.53 (1H, d, J=12.2Hz), 7.25〜7.38 (5H, m) . 実施例 1-3) (3R)- 3-メ トキシ- 1-デカノール (4)
OMe
C4H9^^ ^0H (4) 室温下、 (3R)- 1-ベンジルォキシ- 3-メ トキシ- 5-デシン: 2.90 g(10.6 mmol)の メタノール(50 ml)溶液に 10%パラジウム -カーボン(水 〜50%) : 580 mgを加え一 晚水添 (常圧) した。 反応液をセライ ト濾過後溶媒を留去し 標記化合物を 1.99 g(10.6 mmol, quant. )得 7こ。
!H— NMR(CDC13) δ:0.88 (3Η, t, J=7.2Hz), 1.22〜1.35 (10H, m), 1.42〜1.51 (1H, m) , 1.55〜: 1.63(lH,m), 1.65〜1.82 (2H, m) , 2.61 (1H, bt, J=5.4Hz) , 3.36 (3H, s) , 3.38 〜3.43(lH,m), 3.70〜3.84 (2H, m) . 実施例 1-4) (3R)- 3 -メ トキシデカニル メタンスルフォネイ ト (5)
OMe
^ ^ ^ 0Ms ) 氷冷した(3R)- 3-メ トキシ- 1 -デカノール: 1.90 g(10, 1膽 ol)のテトラヒ ドロフ ラン(20 ml)溶液にトリェチルァミン: 1.60 ml (11.5匪 ol)を加え、 次いでメタン スルフォニル クロライ ド: 0.80 ml (10.3 醒 ol)を加えて 30分撹拌した。 反応液 に水を加えて酢酸ェチル(20 ral)で抽出し、 抽出液を水、 飽和食塩水で洗浄後、 無
水硫酸マグネシウムで乾燥した。 濾過後溶媒を留去し、 残渣をシリカゲルカラム クロマトグラフィー (n -へキサン、 酢酸ェチル) で精製して標記化合物を 2.68 g(10.1 mmol, 99.7%)得た。
Ή-NMR (CDC13) δ 0.88 (3Η, t, J=7.2Hz) , 1.29 (10H, bs) 1.40 1.48 (1H, m) , 1.51 1.59(lH m), 1.78 1.87(lH,m), 1.90 1.99 (1H, m) 3.01 (3H, s) , 3.29 3.36 (1H, m), 3.33 (3H, s), 4.28 4.39 (2H, m) . 実施例 2. (3R)-3 -メ トキシデカニル メタンスルフォネィ 卜の製造方法
実施例 2-1) (3R)-1-ベンジルォキシデカン- 3_オール (6)
窒素気流下、 一 30°Cに冷却したヨウ化銅(I) 2.22 g(ll.1 mmol)のテトラヒ ド 口フラン(25 ml)溶液にへキシルマグネシウム ブロマイ ド: 11.10 ml (22.4 ol: 2.0Mジェチルエーテル溶液)を加え 30分撹拌後、(S)- (2-ベンジルォキシェチル) ォキシラン: 1.97 g(ll.1 ol)のテトラヒ ドロフラン(5 ml)溶液を加えた。 1時 間撹拌後、 室温にしてさらに 1時間撹拌した。 反応液に塩化アンモニゥム水溶液 を加えて酢酸ェチル(50 ml)で抽出し、 抽出液を水、 飽和食塩水で洗浄後、 無水硫 酸マグネシウムで乾燥した。 濾過後溶媒を留去し、 残渣をシリカ.ゲルカラムクロ マトグラフィー (n-へキサン、酢酸ェチル) で精製して標記化合物を 2.74 g(10.4 mmol, 93.8%)得た。
Ή-NMR (CDC13) δ 0.88 (3Η, t, J=7. OHz) , 1.28 (10H, bs) , 1.36 1.52 (2H m) , 1.72 1.78(2H,m), 2.87(lH,bs), 3.62 3.68 (1H, m) , 3.70 3.76 (1H m) , 3.77 3.83(1H, m), 4.51(2H s), 7.26 7.37 (5H m) . 実施例 2- 2) (3R)- 1-ベンジルォキシ _3-メ トキシデカン (7)
O e
C6n13 0,丫 (7)
室温下、 (3R)- 1-ベンジルォキシデカン- 3-オール: 1.80 g(6.8 mmol)のテトラ ヒ ドロフラン(2 ml)溶液に水酸化カリウム: 895 mg(13.6 匪 ol)、 ョードメタン: 0.55 ml (8.8 mmol)を加え 4 日間撹拌した。 反応液に水を加えて n-へキサンで抽 出し、 抽出液を水、 飽和食塩水で洗浄後、 無水硫酸マグネシウムで乾燥した。 濾 過後溶媒を留去し、 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (n-へキサン、 酢酸ェチル) で精製して標記化合物を 1.52 g(5.5 mmol, 80.2%)得た。
-丽 R(CDC1
3) δ: 0.88 (3Η, t, J=7. OHz), 1.27 (10H, bs) , 1.40〜1.52 (2H, m) , 1.72 〜1.80(2H,m), 3.32 (3H, s), 3.27〜3.36 (1H, m) , 3.50〜3.62 (2H, m) , 4.50 (2H, s), 7.26〜7.37 (5H, m) . 実施例 2- 3) (3R) - 3-メ トキシ- 1-デカノール (4)
室温下—、 (3R)- 1-ベンジルォキシ -3-メ トキシデカン: 1.30 g(4.7 mmol)のメタ ノール(20 ml)溶液に 20%水酸化パラジウム(水 〜50%): 260 mgを加え一晚水添(常 圧) した。反応液をセライ ト濾過後溶媒を留去し、標記化合物を 880 mg(4.7 mmol, quant. )得7こ
0 実施例 2 - 4) (3R)_3-メ トキシデカニル メタンスルフォネィ ト (5)
実施例 1-4と同様にして標記化合物を合成した。
上記のようにして得られた(3R)_3-メ トキシ- 1-デカノール (4)や(3R)- 3-メ ト キシデカニル メタンスルフォネイ ト (5)は、 グラム陰性菌血症、特にエンドトキ シンショックの予防 ·治療などに有用なリピッ ド A類縁体の下記構造式で表され る E5564の製造中間体として有用である。
この E5564は、米国特許第 5750664号、第 5935938号公報、又は特表平 11-506793 号公報などに開示されているように、 例えば下記スキームで表される方法により 製造することができる。
HQ
4. MeONa
5. ¾2-DMP 7セトン /CSA
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差替え用紙(規則 26)
この方法において 6 . の反応で使用されている式で表される化合物
Tsc
17/1
差替え用紙 (規則 2
の代わりに本願で合成される下記式を用いることによつても、 同様にして E5564 を製造することができる。
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