明 細 書
サーマルプリ ンタ
技術分野
この発明は、 例えば配送用伝票に文字、 バー コー ド等を印 字するサーマルプリ ンタに関する。
背景技術
宅配便等の物流業務においては、 .荷物に配送用伝票を貼 り付ける必要がある。 このよ う な配送用伝票は、 荷札と して の機能を果たす部分と伝票と しての機能を果たす部分と に大 別される。 荷札は、 荷物に貼られてその荷物の同一性情報を 表示する も のであ り 、 荷受人に荷物が渡された後も荷物に貼 り 付け られたままの状態に維持される。 伝票は、 宅配便を例 に挙げる とする と、 一般的には、 送り 状と業者管理票と から 構成されている。 送り 状は、 荷物を届けた事を知らせるため の伝票である。 業者管理票は、 荷受人に荷物を届けた後に、 宅配便業者が管理上の目的で持ち去る伝票である。 いずれに しても、 それらの送り 状及び業者管理票は、 荷受人又はその 代理人に荷物が配達された後、 配送用伝票から分離される。
こ こで、 荷物に貼り付け られる配送用伝票では、 伝票部分 における送り 状と業者管理票と の記入が略同一である こ と か ら、 伝票部分に複写紙が用いられる こ とが一般的である。 そこで、 荷札部分には、 複写可能な領域を有しない記録媒 体を用いておき、 伝票部分に複写可能な領域を有する記録媒 体が用いられている配送用伝票にサーマルプリ ンタでバーコ ー ドゃ文字を印刷させよ う と した場合に、 複写可能な領域を
有する記録媒体の部分に合わせて、 サーマルへッ ドに印加す るエネルギーを決定する と、 複写可能な領域ではない領域に おいては、 印加エネルギーが無駄に消費されて しま う とい う 問題がある。
さ ら に、 複写可能な領域に合わせて印字速度を決定して し ま う と、 複写可能ではない領域の印字速度は必要と なる印字 速度よ り 低下して しま う ため、 1 枚の配送用伝票を発行させ るための時間が長く なつてしま う とい う 問題があった。
本発明の 目 的は、 複写が不必要な印字領域と複写が必要な 印字領域を有する記録媒体に印刷を行う サーマルプリ ンタ に おいて、 印加エネルギー及び印字速度を最適なもの とする こ とができ るサーマルプリ ンタを提供する こ と にある。
発明の開示
この発明のサーマルプリ ンタ は、 複写が不必要な印字領 域と複写が必要な印字領域とが 1 頁中に存在する記録媒体に 印刷を行う サーマルプリ ンタにおいて、 サーマルへッ ドと、 複写が不必要な印字領域では複写が必要な印字領域よ り サー マノレへッ ドの印カロエネノレギーを下げて上記サー マ ノレへッ ドを 駆動するサーマルへッ ド駆動手段と を具備したこ と を特徴と する。
こ の発明では、 複写が不必要な印字領域と複写が必要な印 字領域を有する記録媒体に印刷を行う サーマルプリ ンタ にお いて、 印加エネルギー及び印字速度を最適なもの とする こ と ができ る。
図面の簡単な説明
図 1 は本発明の一実施の形態に係わるサーマルプリ ンタ のプロ ック図。
図 2 は同実施の形態の動作を説明するためのフローチヤ 一ト。
図 3 は同実施の形態の動作を説明するためのフローチヤ 一ト。
図 4 は同実施の形態に係わる配送先伝票の印字例を示す 図。
図 5 は本サーマルプリ ンタに供給される連続用紙の一例 を示す図。
図 6 は連続用紙の要部断面図。
発明を実施するための最良の形態
以下、 図面を参照 して本発明の一実施の形態について説明 する。 図 1 はサーマルプリ ンタのシステム構成図である。
図において、 1 1 はサーマルプリ ンタ を統括して制御する C P U (中央処理装置) である。 この C P U 1 1 力、らのシス テムバス 1 1 a には、 U A R T (非同期式レシーバ/ ト ラ ン ス ミ ッ タ) 1 2 、 ラベル 1 頁に印字するイ メ ージデータを記 憶するイ メ ージバ ッ フ ァ 1 3 、 図 2及び図 3 の よ う な制御プ ロ グラムを記憶する R O M (リ ー ド ' オン リ ' メ モ リ ) 1 4 各種作業エ リ アを記憶する R AM (ラ ンダム ■ アクセス ■ メ モ リ ) 1 5 、 印字速度制御手段と してのモータ ドライバ 1 6 サーマルへッ ド駆動手段と してのへッ ド ドライバ 1 7 が接続 されている。
モータ ドライバ 1 6 には 1 ライ ンを印字してから次の 1 ラ
イ ンを印字するまでに連続用紙を搬送する印字速度 Vを記憶 するメ モ リ 1 6 t を備えている。
モータ ドライ ノ 1 6 は、 図 5 に示した連続用紙を搬送する 搬送手段と しての紙送り モータ 1 8 の駆動をメ モ リ 1 6 t に 記憶されている印字速度 Vに基づいて制御する。 なお、 紙送 り モータ 1 8 は、 ステ ッ ピングモータ 力、 らな り 、 印字速度 V は、 ステ ッ ピングモータの回転速度で決定される。
へッ ド ドライ ノ 1 7 には、 サーマルへ ッ ド 1 9 が接続され ている。 このヘッ ド ドライ ノ 1 7 には 1 ライ ンを印字するた めに発熱素子に通電する通電時間である印加時間 Tを記憶す る メ モ リ 1 7 t を備えている。 ヘッ ド ドライバ 1 7 はメ モ リ 1 7 t に記憶された印加時間 Tに基づいてサーマルへッ ド 1 9への通電制御が行なっている。 .
また、 シス テムバス 1 1 a にはキャ ラ ク タ R O M 2 0 が接 続されている。 このキャ ラク タ R O M 2 0 は外部接続された パーソナルコ ンピュータ 1 2 a から送信される印字データ を イ メ ージデータ に変換する ビッ トマップデータ を備えている
U A R T 1 2 には、 パー ソナルコ ン ピュータ ( P C ) 1 2 a が接続される。
こ こで、 本サーマルプリ ンタ は図 5 に示すよ う な連続用紙 (記録媒体) が供給される。 この連続用紙には、 A部分と B 部分と で 1 頁を構成する配送用伝票が連続して張り付け られ ている。 こ こ で、 A部分は荷札部分、 B部分は伝票部分を示 してレヽる。
図 4 は配送用伝票の 1頁分の印字内容を示している。
また、 図 6 は図 5 の配送用伝票の A部分及び B部分の断面 図を示 している。 図 6 に示すよ う に、 A部分は複写が不必要 な印字領域、 B部分は複写が必要な印字領域である。 これは 荷札は 1 つの荷物に対して 1 つ荷札を貼り 付ければよいので 複写は必要ないためである。 一方、 伝票部分は、 少なく と も 送り 状と業務管理票が必要のため複写が必要である。 こ こで 複写が不必要な印字領域 A及び複写が必要な印字領域 Bはパ 一ソナルコ ンピュータ 1 2 a で設定される。
と こ ろで、 2 ケ口の荷物の場合には、 配送用伝票は 2頁分 印刷される。 つま り 、 荷札部分 Aは 2枚必要と なるためであ る。 例えば、 ノ ーソナノレコ ンピュ ータ の本体と キーボー ドの 2 つの荷物で 1 つの商品が構成されている場合には、 パーソ ナルコ ンピュータ及びキーボー ドのそれぞれに 1 枚ずつ、 荷 札を貼る必要があるためである。
しか し、 2 頁目 の配送用伝票を印刷する場合には、 B部分 は印字の複写が不必要な領域と して扱われる。 これは、 荷物 が 2 ケ ロ と なっても、 配送先のお客は 1 つであるためである ため、 2枚目 の伝票部分 B は複写は必要ないためである。 つ ま り 、 伝票部分については、 一枚目 の伝票部分 B のみを使用 すれば、 充分であるからである。
次に、 上記のよ う に構成された本発明の一実施の形態の動 作について図 2及ぴ図 3 のフ ロ ーチャー ト を参照 しながら説 明する。
まず、 外部接続されるパーソナルコ ンピュータ ( P C ) 1 2 a から本発明に係わる ラベルプリ ンタに印字指令が出力さ
れる と 、 その印字指令は U A R T 1 2 を介してラベルプリ ン 夕で受信される。 ラベルプリ ンタ は、 まず、 イ ニシャライズ される (ステ ップ S 1 ) 。 そ して、 パーソナルコ ンピュータ 1 2 a から送信された 1 頁分の印字データ、 および、 複写領 域か否かおよびその長さ (具体的にはミ リ メ ー トル) 、 さ ら には個口数があるか否か、 個口数がある場合にはその口数を ラベルプリ ンタで受信されて、 R AM I 5 に一次記憶される (ステ ップ S 2 ) 。 そ して、 R AM I 5 に一次記憶された印 字データ に対して受信データ の解析が行われる (ステ ップ S 3 ) 。
そ して、 受信された印字データ をキャ ラク タ R O M 2 0 に 記憶されている ビッ トマ ップデータに変換してイ メ ージパッ ファ 1 3 に記憶させている (ステップ S 4 ) 。
次に、 個 口分の印字であるかど う かが判定される (ステ ツ プ S 5 ) 。 こ こで、 個口が複数ある とい う こ と は、 複数の用 紙に配送用伝票を印刷する こ と を意味している。 つま り 、 個 口が複数ある とい う こ と は 1 つの商品が複数の荷物からな り たっている こ と を意味する。 このよ う な場合に、 各荷物に荷 札を付ける必要がある。 個口分の印字と は、 2枚目以降の配 送用伝票の印字を意味している。 この 2枚目以降の配送用伝 票の印字であるかは、 印字データが何頁目の印字データかで 判断している。
こ のステ ップ S 5 の判定で 「 N O」 と判定された場合には. 図 3 を参照 してその詳細な説明を後述する印字処理を行 う (ステ ップ S 6 ) 。
—方、 ステ ップ S 5 の判定で 「 Y E S」 と判定された場合 には、 A部分と B部分いずれも非複写で行う こ と を設定する (ステ ップ S 7 ) 。 その後、 印字処理がなされる (ステ ップ S 6 ) 。
そ して、 指定枚数分の印字が終了 したかが判定される (ス テツプ S 8 ) 。
このステ ップ S 8 の判定で 「 N〇」 と判定された場合には 前述したステップ S 5 の処理に戻る。
一方、 ステ ップ S 8 の判定で 「 Y E S」 と判定された場合 には、 前述したステップ S 2の処理に戻る。
次に、 図 3 のフ ロ ーチャー ト を参照 して図 2 の印字処理 (ステップ S 6 ) について詳細に説明する。
まず、 印字を行 う場合に、 その領域が複写領域であるか否 かが判定される (ステップ S 1 1 ) 。
こ こで、 A部分は複写が必要ではない領域であるので、 こ の領域 Aを印字する場合には、 ステ ップ S 1 1 の判定で 「 N 〇 J と判定される。
する と、 通常感熱紙用印加時間がメ モ リ 1 7 t にセ ッ ト さ れる (ス テ ッ プ S 1 2 ) 。 さ らに、 通常感熱紙用印字速度が メモ リ 1 6 t にセッ ト される (ステ ップ S 1 3 ) 。
そ して、 1 ライ ンの印字を行う (ステップ S 1 4 ) 。
次に、 全ラ イ ンの印字が終了 したかが判定される (ステ ツ プ S 1 5 ) 。 こ のス テ ッ プ S 1 5 の判定で 「 N O」 と判定さ れた場合には、 前述したス テ ップ S 1 1 の判定に戻る。
と ころで、 ステ ップ S 1 1 の判定で 「 Y E S」 と判定され
た場合には、 複写用印加時間がメ モ リ 1 7 t にセ ッ ト される (ステ ップ S 1 6 ) '。 こ こで、 複写用印加時間は通常感熱紙 用印加時間よ り も長く 設定されている。
さ ら に、 複写用印字速度がメ モ リ 1 6 t にセ ッ ト される (ステ ップ S 1 7 ) 。 こ こで、 複写用印字速度は通常感熱紙 印字速度よ り も小さ く設定されている。
このよ う に、 複写が不必要な印字領域、 つま り A部分では 複写が必要な印字領域、 つま り B部分よ り 印加時間は短いの で、 複写が不必要な印字領域における印加工ネルギ一は下げ られる。 従って、 印加エネルギーを最適なもの とする こ と が でき る。
さ らに、 複写が不必要な印字領域、 つま り A部分では、 複 写が必要な印字領域、 つま り B部分よ り 印字速度を上げる よ う に したので、 印字速度を最適なもの、 つま り 高速印字を可 能とする こ とができる。
また、 図 3 に示すよ う に、 印字すべき領域が複写が必要な 領域であるかないかの判定 (ステ ップ S 1 1 ) は、 1 ライ ン の印字が終了する毎に行われる。 従って、 同一頁中に複写が 必要な領域と複写が不必要な領域とが散在する場合でも、 複 写が不必要な印字領域では印加エネルギーを下げる と共に、 印字速度を上げる よ う にするこ とができる。
さ らに、 配送用伝票の 口数が 「 2」 以上の場合には、 すべ ての印字領域を複写が不必要な領域である と強制的に設定す る よ う に したので、 無駄な印加エネルギーの印加や印字速度 の低下を未然に防止する こ とができ る。
なお、 上記実施の形態では、 複写が不必要な印字領域では 印加エネルギーを下げる と共に、 印字速度を上げる よ う にし たが、 印加工ネルギ一だけ下げた り 、 印字速度だけを上げる よ う に しても良い。 さ らに、 逆に、 複写が必要な印字領域で は印加エネルギーを上げた り 、 印字速度を下げた りする よ う にしても良い。
なお、 上記実施の形態では、 パーソナルコ ン ピュータ 1 2 a で複写が不必要な印字領域 A及び複写が必要な印字領域 B を設定する よ う に したが、 予めサーマルプリ ンタ内のメ モ リ 例えば R A M 1 5 に記憶させておいても良い。
以上説明 したよ う にこの発明によれば、 複写が不必要な印 字領域と複写が必要な印字領域を有する記録媒体に印刷を行 ぅ サーマルプリ ンタ において、 印加エネルギー及び印字速度 を最適なものとする こ とができる。
産業上の利用可能性
以上説明 したよ う にこの発明は、 宅配便の物流業務におい て配送用伝票を印刷するサーマルプリ ンタの技術分野に有効 である。