明 細 書 ラップフィルム供給器 技術分野
この発明はラップフィルム供給器に関し、 特に食品などを包装したり、 貯蔵し たり、 又は調理をする際に、 容器からラップフィルムを必要な分だけ切り取って 用いる場合などに適用して好適なものである。 背景技術
従来、 この種のラップフィルムは、 例えば図 2 2に示すように、 紙製であって 箱型の容器 2 0に、 ラップフィルム本体 1 1が収容されており、 使用に際して蓋 2 2をあけ、 指でラップフィルム 1 1 aのほぼ中央部分 Aを指でつまみ、 必要量 引き出した後、 蓋 2 2の前端に下方に向って折曲形成された前板片 2 3に取り付 けられた鋸歯状の切断刃 2 4を介して切断していた。
このような構造の従来のラップフィルム容器には、 次のような問題がある。
( 1 )ュ一ザが、 うっかりラップフィルム 1 1 aの右又は左側の端部のみをつま んで引き出そうとすると、 ラップフィルム 1 1自体の材質に起因する同材質の親 和性 (同じ材質のため、 いわゆる材質相互のなじみが良く、 くっつき易い意味) により、 上層のラップフィルム 1 1 aは下層のラップフィルム 1 1 aと付着して いるため、 うまく引き出すことができず、 仮に引き出しても一方の端部側のみが 引き出されてしわができたりして、 幅全体にわたってバランス良く引き出すこと ができず、 いちいち目で確認してほぼ中央部 Aをつまみ出すようにしなければな らず、 煩雑である。
( 2 ) 不使用時においても切断刃 2 4の先端が外部に露出しているため、 誤って 怪我をするおそれがあり、 何でも口にしたり、 ォモチヤにする習性がある幼児に とっては特に危険であり、 P L対策に欠けている。
( 3 ) 手でつまんでラップフィルム 1 1 aを引き出して使用するため、 手が汚れ ていたような場合、 雑菌がラップフィルム 1 1 aや容器 2 0に汚染するおそれが あり、 0— 1 5 7対策などが叫ばれている昨今、 衛生的観点からすると余り好ま しくない。 発明の開示
この発明は以上の点を考慮してなされたもので、 その目的とするところは、 ラ ップフィルムを容易かっしわができないようにバランス良く引き出すことができ 、 また安全性に優れ、 かつ衛生的なラップフィルム供給器を提供することにある かかる課題を解決するため本発明においては、 上方に開口 6を有しかつロール 状にラップフィルム 1 1 aを卷回してなるラップフィルム本体 1 1を収納する箱 部 (2、 3、 4、 5 ) と、 開口 6を開閉自在に覆うように箱部 ( 2、 3、 4、 5 ) に取り付けられた板状の蓋 7と、 蓋 7の先端部又は箱部 (2、 3、 4、 5 ) の 前面板部 2に取り付けられた切断刃 1 0とを有し、 ラップフィルム 1 1 aの先端 部分を開口 6及び蓋 7間の隙間から箱部 (2、 3、 4、 5 ) の前面板部 2の前面 側を通って外部に引き出した状態で先端部分の根元部分を切断刃 1 0に押し付け ることにより先端部分をラップフィルム本体 1 1から切り離すラップフィルム容 器 1と、 箱部 (2、 3、 4、 5 ) の前面板部 2の前面側にあるラップフィルム 1 1 aの先端部分に剥離できるように付着した状態で、 当該先端部分をほぼ幅全体 について一体に引き出すと共に、 根元部分を切断刃 1 0に押し付けて切り離すこ とができる板状のラップフィルムガイ ド 1 3とを設けるようにする。
これにより、 ラップフィルム 1 1 aをラヅプフイルムガイ ド 1 3によって容易 かっしわができないようにバランス良く引き出すことができる。
また、 蓋 7の先端部分は、 箱部 (2、 3、 4、 5 ) の前面板部 2と対向するよ うに下方に折れ曲り、 当該折曲り部の先端に切断刃 1 0が設けられていると共に 、 当該切断刃 1 0の前面側位置において回動自在の保護用覆い板 1 2を設けるよ
うにする。
これにより、 切断刃 1 0をユーザに危険にならないように保護し得る。
さらに、 蓋 7の先端部分は、 箱部 (2、 3、 4、 5 ) の前面板部 2と対向する ように下向に折れ曲り、 当該折曲り部の先端に切断刃 1 0が取り付られると共に 、 ラップフィルムガイ ド 1 3の上端面には切断刃 1 0を下方から挿入できる保護 用の凹部 aが形成され、 不使用時、 ラップフィルムガイ ド 1 3の凹部 aを切断刃 1 0に挿入することにより、 切断刃 1 0が外部に露出しないようにする。
これにより、 切断刃 1 0をユーザに危険にならないように保護し得る。
さらに、 箱部 (2、 3、 4、 5 ) の前面板部 2の下端部に切断刃 1 ◦が設けら れると共に、 蓋 7の先端部分は箱部 (2、 3、 4、 5 ) の前面板部 2と対向する ように下方に折れ曲ってその下端部が切断刃 1 0の前面側位置にまで延長して切 断刃 1 0を保護するようにする。
これにより、 切断刃 1 0をュ一ザに危険にならないように保護し得る。
さらに、 ラヅプフィルム容器 1を透明又は半透明の材料によって構成し、 又は 一部に窓を形成することにより内部に収納されたラップフィルム本体 1 1の残量 を確認できるようにする。
さらに、 ラップフィルム容器 1及び又はラップフィルムガイ ド 1 3は抗菌処理 がなされているようにする。
これにより、 ラップフィルム 1 1 aを衛生的に切り取ることができる。
以上のように本発明によれば、 ラップフイルム 1 1 aに付着できるラップフィ ルムガイ ド 1 3、 1 3 A、 1 3 B、 1 3 C、 1 3 Dを有し、 このラップフィルム ガイ ド 1 3、 1 3 A、 1 3 B、 1 3 C、 1 3 Dによってラップフィルム 1 1 aを 引き出すようにしたことにより、 ラップフィルム 1 1 aの引き出しないし切り取 り作業が容易で、 かつユーザが直接に手で触れずにラップフィルム 1 l aを切り 取ることができるのでラップフィルム 1 1 aを汚染せずに済むような、 ラップフ ィルム供給装置を得ることができる。
また、 ラップフィルム容器 1を、 透明若しくは半透明にし、 又は窓を設けるよ
うにすることにより、 内部にあるラップフィルム本体 1 1の残量を事前に知るこ とができる。
また、 不使用時、 切断刃 1 0の刃部 1 0 aは覆い板 1 2、 又はラップフィルム ガイ ド 1 3の切断刃収納部 a、 ラップフィルムガイ ド 1 3 A、 1 3 Bの凹部 1 3 a、 1 3 bによって覆われているため、 ユーザの怪我を防止でき、 安全性に優れ ている。
また、 ラップフィルム容器 1、 ラップフィルムガイ ド 1 3、 1 3 A、 1 3 Bが 抗菌処理されていることにより衛生的である。
また、 ラップフィルムガイ ドを 2枚用意することにより、 1枚目の第 1のラッ プフィルムガイ ド 1 3 Cを取り外せば、 2枚目のセットされている第 2のラップ フィルムガイ ド 1 3 Dの表面に自動的にラップフィルム 1 1 aが付着し、 第 1又 は第 2のラヅプフィルムガイ ド 1 3 C又は 1 3 Dを交互に使用できる。 また、 何 れか一方を紛失又は破損しても、 残った他方によって使用できる。 図面の簡単な説明
図 1は、 本発明の第 1の実施の形態を示す斜視図である。
図 2は、 図 1の側断面図である。
図 3は、 図 1の内部構造の一部を破断して示す斜視図である。
図 4は、 図 1の内部構造の一部を破断して示す斜視図である。
図 5は、 背板片に対する蓋の可動構造を示す略線的断面図である。
図 6は、 前板片に対する覆い板の可動構造を示す略線的断面図である。
図 7は、 可動構造の他の例を示す略線的断面図である。
図 8は、 可動構造のさらに他の例を示す略線的断面図である。
図 9は、 使用状態の説明に供する略線的断面図である。
図 1 0は、 使用状態の説明に供する略線的断面図である。
図 1 1は、 使用状態の説明に供する略線的断面図である。
図 1 2は、 本発明の第 2の実施の形態を示す側断面図である。
図 1 3は、 図 1 2のラップフィルムガイ ドを示す部分的斜視図である。
図 1 4は、 本発明の第 3の実施の形態を示す側断面図である。
図 1 5は、 本発明の第 4の実施の形態を示す側断面図である。
図 1 6は、 本発明の第 5の実施の形態を示す正面図である。
図 1 7は、 図 1 6において丸で囲んだ C部の構成を示す拡大断面図である。 図 1 8は、 図 1 6において A _ A線上にとった側断面図である。
図 1 9は、 図 1 8の状態に続く使用状態の変化の説明に供する側断面図である ο
図 2 0は、 図 1 8の状態に続く使用状態の変化の説明に供する側断面図である ο
図 2 1は、 図 2 0の他の実施の形態を示す側断面図である。
図 2 2は、 従来の構成を示す斜視図である。 発明を実施するための最良の形態
以下図面について、 本発明の一実施の形態を詳述する。
( 1 ) 第 1の実施の形態
図 1〜図 3において、 1は、 箱型をしたラップフィルム容器で、 このラップフ イルム容器 1は前板 2、 底板 3、 左右の側板 4、 背板 5によって上部が開口部 6 を有する箱状に形成され、 かつ背板 5に対し基端 7 aが回動自在に設けられた蓋 7を有す。 そして蓋 7の長さ方向の両端には各側板 4の外側に対向して位置する 側板片 8がそれぞれ設けられている。 また、 蓋 7の前端には下方向に向かって直 角に折り曲げられた前板片 9が設けられている。 この下方に向かって延びる前板 片 9の寸法は前板 2の寸法に対しほぼ 1 / 2前後になっている。
かかる構成の容器は例えば合成樹脂を射出成形して成型される。 合成樹脂材料 としては、 例えばエポキシ樹脂、 アクリル樹脂などのプラスチックが考えられる 。 このような成型品は従来の紙性のものに比べ堅牢なため、 ラップフィルム 1 1 aがなくなった場合、 新しいものに詰め替えて再使用ができる。 ここで、 1枚板
を接着材を用いたり超音波溶着などにより箱型に貼り合わせることも可能であが 、 労力的、 生産性から成型品の方が優れている。
前板片 9の内側に鋸歯状の切断歯 1 0がー体成型により設けられ、 この細長い 帯状の切断歯 1 0の先端の刃部 1 0 aは前板片 9の前端から僅かに露出し、 引き 出されたラップフィルム 1 1 aを切断可能になっている。
また、 前板片 9の下方向の前端には、 前板片 9に対し、 図 4に示すように外側 に向って回動自在でかつ下方向に延びる長さ寸法の短い切断刃先端の刃部 1 0 a を覆う覆い板 1 2が設けられ、 誤って刃部 1 0 aによって幼児等のユーザが怪我 をしないように (保護するように) 構成されている。
ラップフィルム 1 1 aは平滑面同士は互いに付着し合うという自己付着性を有 している。 従って、 ラップフィルム容器 1の表面がラップフィルム 1 1 aとくつ つく程平滑であり、 容器の材質がラップフィルム 1 1 aとくつっき易い材質の場 合、 ラップフィルム 1 1 aを外部へ引き出しにくくなる。 このため、 ラップフィ ルム容器 1の材料としてそのようなプラスチックは避けることが好ましい。 ラッ プフィルム 1 1 aがくつつき易い材料の場合、 それを防止するため、 容器内部の 表面を凹凸仕上げにし、 ラップフィルム 1 1 aと容器表面との接合状態を少なく して付着度を落とせば良い。 勿論、 表面が平滑であってもくつっきにくい材質で あればそれを用いれば良い。 くっつきにくい材料としては、 例えばカチオン界面 活性剤若しくはフッ素樹脂によって表面処理された板状体、 又は例えば商標名べ —クライ ト (B a k e l i t e ) でなる板状体を適用できる。
また、 ラップフィルム容器 1は、 透明又は半透明の材料が用いられ、 これによ り内部にあるラップフィルム本体 1 1の残量が見えるようになつている。
背板 5に対し蓋 7を回動自在にしたり、 前板片 9に対し覆い板 1 2を回動自在 にする手段としては、 図 5及び図 6に示すように、 例えば可撓性を有するテープ 1 3で相方の部材、 つまりこの場合、 蓋 7と背板 5若しくは前板片 9と覆い板 1 2とを連結したり、 又は折曲させたい連結部となる部分を、 図 7に示すように、 成形時に裏側に凹部 Bを形成し薄肉状の薄肉部 aとすれば可撓性を有する樹脂は
屈曲性があるため、 容易に実現し得る。 また、 図 7とは逆に、 図 8に示すように 、 表面に凹部 Bを形成すれば、 前板片 9に対し覆い板 1 2を折曲させた場合、 相 互のコーナ部 Aを折曲範囲のストヅパとして機能させることができる。
また、 図 1〜図 4において、 1 3はラップフィルムガイ ドで、 このラップフィ ルムガイ ド 1 3はほぼ 0 . 5 mm〜 2 mm程度の厚みを有する板形状に構成され 、 不使用時には前板 2と前板片 9との間に挟み込むように収納されている。 この 場合、 ラヅプフィルムガイ ド 1 3は薄いため、 かさばることはない。 このラップ フィルムガイ ド 1 3の内面又は外面の例えば上端部には引き出されたラップフィ ルム 1 l aが付着すると共に、 上端部が前板 2及び前板片 9間に挟持されること により、 ラップフィルムガイ ド 1 3は脱落することなく保持される。
なお、 図 2などの図示状態では、 前板 2、 ラップフィルムガイ ド 1 3、 前板片 9との間に隙間があるが、 これは各部材をわかり易く図示したもので、 実製品に おいては各部材は接合している。
またラップフィルムガイ ド 1 3は合成樹脂材料からなり、 表面が平滑面となつ ているため、 材質に起因して自己付着性を有するラップフィルム 1 1 aと親和性 がある。 また、 静電気の作用などにもより近づけたり、 接触させたりするだけで 簡単に付着させることができる。 前板 2や前板片 9の表面も平滑面となっている ため、 それらの付着力によってラップフィルムガイ ド 1 3は前板 2と前板片 9と の間にサンドィツチ状に挟み込んで保持させることができ、 振っても落ちること はない。
ラップフィルムガイ ド 1 3の材質としては、 アクリル系樹脂、 エポキシ系樹脂 等のプラスチックからなるものを用い、 これにより表面が平滑であるため、 ラッ プフィルム 1 l aとくつつき易い。 特にアクリル系樹脂は多官能で分子量が小さ く、 加熱成形時に表面が軟質のグロスコート層となるため、 ラップフィルム 1 1 aとの付着強度が良好である。
ラップフィルム本体 1 1は断面円形を有し、 紙製で、 かつ円筒状の芯剤 1 4の 外周にロール状に巻回されている。 このラップフィルム 1 l aは、 ポリ塩化ビニ
リデン、 ポリ塩化ビニル、 ポリブタジエン、 ポリエリレン等のプラスチックフィ ルムからなる。
この実施の形態の場合、 ラップフィルム容器 1及びラップフィルムガイ ド 1 3 は抗菌処理が施されている。
抗菌剤としては、 銀、 銅、 亜鉛、 錫等の金属及びそれを含有する有機又は無機 化合物を用い得る。 安全性、 効果の持続性を考慮して銀系、 銅系無機抗菌剤が好 ましい。 商品例としては日本国の会社である東亜合成化学社製の 「ノバロン」 が 挙げられる。 また、 低価格の面で、 銀イオン、 銅イオンにより抗菌剤を上述の樹 脂中に混入すれば良く、 又は、 成型品の表面に塗布しても良い。
その他の抗菌剤として、 植物系のニンニク、 ヮサビ、 日本茶のカテキンを粉末 状にして混入しても良い。 ヮサビからなる抗菌剤は、 0— 1 5 7に対しても優れ た効果があることが知られている。 この抗菌剤を用いると、 ヮサビの抗菌成分が 徐々に蒸発し、 大腸菌などの増殖を抑えることができる。 商品例としては、 商品 名 「ヮサビパワー」 と称される日本国の会社である積水化成工業株式会社製のも のがある。
以上の構成において、 使用にあたって、 図 1〜図 3の状態において、 ラップフ イルムガイ ド 1 3の下端部を指でつまんで、 前方に引けば、 先端部分に長さ方向 全体にわたってラップフィルム 1 1 aが自己付着性により付着しているため、 容 易かつバランス良くラップフィルム 1 1 aを図 9に示すように必要量引き出すこ とができる。
この場合、 図 9に示すように、 ラップフィルムガイ ド 1 3を、 ラップフィルム 1 1 aに対して水平方向に引き出すと、 このときラップフィルムガイ ド 1 3とラ ヅプフイルム 1 1 aとの間の摩擦係数は最大となり、 ラップフィルム 1 1 aはラ ヅプフィルムガイ ド 1 3の面に付着した状態を維持できる。 そして、 図 1 0に示 すように、 覆い板 1 2を持ち上げ、 刃部 1 O aを露出させ、 切断刃 1 0にラップ フィルム 1 1 aを押し付けることにより切断することができ、 かく して覆い板 1 2が切断時に邪魔になったり、 切断を妨げたりすることはない。
切断されたラップフィルム 1 1 aは、 図 1 1に示すように、 食品 1 6等が入つ ている容器 1 5の上方開口部の容器外周上端面 1 5 aに付着させ、 かつ例えばラ ップフィルムガイ ド 1 3を矢印のように下方を支点として回動させれば、 内面に 付着したラップフィルム 1 1 aを指でつかんだりすることなく、 徐々に摩擦係数 は失われ、 しかも素早い動作で簡単に剥離させることができる。
その後、 ラップフィルムガイ ド 1 3の上方部を、 ラップフィルム容器 1から外 部に引き出されているラップフィルム 1 1 aを先端部分に付着させる。 この時ラ ップフィルム 1 1 aは前板 2に付着しているので、 図 1に示すように、 前板 2と 前板片 9との間にラップフィルムガイ ド 1 3を収納させれば良い。 付着は静電気 によってラップフィルムガイ ド 1 3をラップフィルム 1 1 aに近づけるだけで容 易に行い得る。 また接触させれば、 ラップフィルムの自己付着性とラップフィル ムガイ ド 1 3の親和性とによって付着させることができる。
以上の構成によれば、 次回の使用時には上端部分にラップフィルム 1 l aを付 着させた状態のラップフィルムガイ ド 1 3を再度前方に引けば、 ?び容易かつバ ランス良くラップフィルム 1 1 aをラップフィルム容器 1から引き出すことがで ぎる。
不使用時には、 図 1〜図 3に示すように、 覆い板 1 2によって刃部 1 0 aが覆 われているため、 ユーザが怪我をすることがないように安全に保護される。 さらに、 ラップフィルムカイ ド 1 3を介してラップフィルム 1 1 aを引き出す ようになされているので、 ラップフィルム 1 1 aを直接手で触れる機会は従来よ り少なくなり、 この分より衛生的である。
また、 ラップフィルム切れになった場合、 ラップフィルム容器 1、 ラップフィ ルムガイ ド 1 3の材料は堅牢なものからなり丈夫なため、 別途、 新しいラップフ イルム本体 1 1を補充し、 何回でも再使用可能であり、 経済的である。
( 2 ) 第 2の実施の形態
図 1 2及び図 1 3は本発明の第 2の実施の形態を示す。 この実施の形態は、 ラ ヅプフィルムガイ ド 1 3の一部を肉厚にし、 かつラップフィルムガイ ド 1 3をラ
ップフィルム容器 1に装着した場合、 切断刃 1 0を収納するほぼ凹状の切断刃収 納部 aを形成したことに特徴を有す。
このため、 図 1〜図 4の場合のように、 覆い板 1 2を設けなくても切断刃 1 0 が外部に露出することはなく、 従ってユーザが怪我をしないように切断刃 1 0を 保護できる。
( 3 ) 第 3の実施の形態
図 1 4は本発明の第 3の実施の形態を示す。 この場合は、 ラップフィルムガイ ド 1 3 Aでラップフィルム容器 1の前面を覆うことができるようにし、 かつ切断 刃 1 0は底板 3の前端部 3 aに設けられた点に特徴を有す。
ここで、 部材相互の関係をラップフィルム 1 1 aの両側に隙間があるように図 示しているが、 これはわかり易く図示したに過ぎない。 実際には、 ラップフィル ム 1 1 aはラップフィルムガイ ド 1 3 Aの内面にラップフィルム 1 1 aの自己付 着性により付着され、 またラップフィルム 1 1 aは底板 3の前端上面に立設され た前板 2の外面にも自己付着性により付着されるため、 軽量であって薄板状のラ ヅプフィルムガイ ド 1 3 Aをラップフィルム容器 1の前面側に保持させることが できる。
また、 ラップフィルムガイ ド 1 3 Aの下方内側には切欠状の凹部 1 3 aが形成 され、 この部分に切断刃 1 0の刃部 1 0 aが収納され、 不使用時に刃部 1 0 aが 外部に露出しないように保護する構成になっている。
図 1 4の構成において、 不使用時ラップフィルムガイ ド 1 3 Aは前板 2の前面 に引き出されたラップフィルム 1 l aに、 相互間に生ずる付着力によって付着さ れ、 このときラップフィルムガイ ド 1 3 Aの下方内側に設けられている凹部 1 3 a内に切断刃 1 0を収納することによりユーザに怪我させないように保護される 状態になる。
この状態において、 ユーザがラップフィルムガイ ド 1 3 Aを指でつまんで前方 に引けば、 ラヅプフィルムガイ ド 1 3に付着しているラップフィルム 1 1 aの先 端部分が前方に引かれることによりラップフィルム 1 1 aがラップフィルム容器
1から外部に引き出され、 その後ユーザがラヅプフィルムガイ ド 1 3 Aを底板 3 の下方に移動させることによりラップフィルム 1 1 aが切断刃 1 0に押し付けら れて切断される。
このとき前板 2の前面側には引き出されたラップフィルム 1 1 aが残っている ので、 ユーザが切断したラヅプを取りはずしてラップフィルムカイ ド 1 3 Aを付 着させることにより、 前述の不使用状態に戻る。
このようにすれば、 図 1〜図 4について上述したと同様の効果を得ることがで さる。
( 4 ) 第 4の実施の形態
図 1 5は本発明の第 4の実施の形態を示す。 この場合、 蓋 7の前部に下方に向 つて延びる前板片 9を設け、 この前板片 9の下端部は前板 2のほぼ半分の高さ位 置にまで延びている。 ラップフィルムガイ ド 1 3 Bを取り外しても前板 2の上端 とこれと対向する蓋 7の内面との間に形成されたラップフィルム 1 1 aを引き出 すための隙間の前方に前板片 9がある。
以上の構成によれば、 ユーザは図 1 4について上述した同様にしてラップフィ ルム 1 1 aの切断動作をなし得る。 かくするにっき、 前板片 9と前板 2とによつ てラップフィルム容器 1の内部に埃が侵入しにくいようにできる。 また、 ラップ フィルムガイ ド 1 3 Bの上端部を前板片 9の下端部に一段と容易に着脱自在に保 持し得る。
( 5 ) 第 5の実施の形態
図 1 6ないし図 2 1は本発明の第 5の実施の形態を示し、 この場合は、 2枚の ラヅプフィルムガイ ド 1 3 C、 1 3 Dを互いに重ね合わせてラップフィルム容器 1に用いる。
この場合、 図 1 6及び図 1 7に示すように、 前板 2の両側部に高さ方向に延び る棒状のリブ 1 7 (合成樹脂材料でなる) がそれぞれ設けられ、 各リブ 1 7の、 例えば上方内側の位置に、 内側方向に三角形状に突出して第 1及び第 2のラップ フィルムガイ ド 1 3 C及び 1 3 Dと係止可能なテ一パ部 1 8 aを有するフック部
1 8が設けられている。 フック部 1 8の反対側 (すなわち外側) には切欠き部 b が形成され、 これによりフック部 1 8が外側に橈むことができるようになされて いる。
各第 1及び第 2のラップフィルムガイ ド 1 3 C及び 1 3 Dの両端部にはフック 部 1 8とほぼ対応して三角形状に内側方向に凹むように、 フック部 1 8と係止可 能なテ一パ部 1 9 a有する切欠 1 9が形成され、 これによりラップフィルム容器 1の前部に第 1及び第 2のラップフィルムガイ ド 1 3 C及び 1 3 Dを保持できる ように構成されている。
2枚のラップフィルムガイ ド 1 3 C及び 1 3 Dが互いに重ね合う状態にあると き、 外側に位置する第 1のラップフィルムガイ ド 1 3 C又は 1 3 D (図 8の場合 1 3 C ) がラップフィルム 1 1 aの前面に付着する。
以上の構成において、 使用時、 まず、 図 1 6及び図 1 7に示すように、 ユーザ が外側に位置する第 1のラップフィルムガイ ド 1 3 Cを手でつまんでフック部 1 8から切欠 1 9が外れるように前方に動かして係合を外した後、 図 1 9に示すよ うに、 前方に移動させることによりラップフィルム 1 l aの先端部を所定量だけ ラップフィルム容器 1から引き出し、 当該引き出したラップフィルム 1 1 aの先 端部の根元部分を切断刃 1 0 aに押しつけることによりラップフィルム 1 1 aの 先端部を切断する。
この状態において、 図 1 9及び図 2 0に示すように、 当該内側にあった第 2の ラップフィルムガイ ド 1 3 Dの前面が、 ラップフィルム容器 1から引き出されて 切断されずに残っているラップフイルム 1 1 aに付着する。
その後、 第 1のラップフィルムガイ ド 1 3 Cは、 図 2 0に示すように、 ユーザ によって前板 2と第 2のラップフィルムガイ ド 1 3 Dとの間に矢印で示すように 押し込まれる。 この場合、 リブ 1 7のフック部 1 8とは反対側部分に切欠き bが 形成されているので、 図 1 7において矢印で示すように、 フック部 1 8は外側へ 橈むため、 ラップフィルムガイ ド 1 3 Cを容易に押し込むことができ、 これによ りフック部 1 8に切欠 1 9を第 2のラップフィルムガイ ド 1 3 Dの内側位置にお
いて、 これと一緒に係合させることができる。
このとき、 第 1及び第 2のラップフィルムガイ ド 1 3 C及び 1 3 Dの位置関係 は逆になつたことを除いて、 図 1 6及び図 1 8と同様にして、 互いに重なり合つ た 2枚のフィルムガイ ド 1 3 C及び 1 3 Dをセッ トすることができる。
次のラップフィルムの使用時には、 外側に位置する第 2のラップフィルムガイ ド 1 3 Dをラップフィルム容器 ( 1 ) から前方に移動させることにより、 以下、 同様の手順を繰り返す。
図 1 6ないし図 2 0の構成によればユーザは、 2枚のラップフィルムガイ ド 1 3 C及び 1 3 Dを交互に使用することにより、 一段と容易かつ確実にラヅプフィ ルム 1 1 aの引き出しないし切り取り作業をなし得る。
( 6 ) 第 6の実施の形態
上述の実施の形態の場合、 ラップフィルムガイ ド 1 3として、 ラップフィルム 1 1 aに付着し易い材質の合成樹脂材料を用いて、 ラップフィルムガイ ド 1 3を ラップフィルム 1 1 aに付着させるための付着力を得るようにしたが、 これに代 え、 又はこれに加え、 ラップフィルムガイ ド 1 3の表面にラップフィルム 1 1 a に対する付着力を有する仮留め部材を設けるようにすることができる。
すなわち、 ラップフィルム 1 1 aに対する付着性が大きい材料で構成されたラ ップフィルムガイ ド 1 3又はラップフィルム 1 1 aに対する付着性が小さい材料 で構成されたラップフィルムガイ ド 1 3に対して、 ラップフィルムガイ ド 1 3の 面全体又は適宜の箇所において部分的に、 例えば架橋性硬化ニスを塗布し平坦で あって薄膜状の塗布層 (図示せず) を設ければラップフィルム 1 l aに対する付 着力が向上する。 すなわち、 この塗布層は固く平滑なニス層であるため、 ラップ フィルム 1 1 aに対する付着性が向上する。
この種のニスとしては、 例えばエポキシ系ァクリレート、 ポリエステル系ァク リレート等のァクリル変性樹脂をベースレンジとしたもの、 又は不飽和ポリエス テル樹脂を用いれば良い。
ニス層に代え、 塩化ビニール基を含有する樹脂の組成物からなる貼着層を設け
ても付着、 剥離を繰り返し行うことができ、 同様の効果を得ることができるが、 塩素系のものはダイォキシン対策から極力避けることが望ましい。 貼着層として は例えば商品名 「T · Gシート」 と称される日本国の会社である持田商工株式会 社のものがある。
これはフィルム状のシール材料に粘着性のエラストマを設けて構成されている 。 この部材は表面に埃が付着して粘着力が低下した場合、 水洗いすることにより 甦り何度でも再使用可能である。
このように仮留め部材を用いれば、 ラップフィルム 1 1 aが付着しにくい、 ラ ップフィルムガイ ド 1 3の材質として従来のように厚紙や商標名 「ベークライ ト 」、 マグネシウム合金、 セラミック等からなる薄板を用いることも可能である。 ( 7 ) 他の実施の形態
( i ) 図 1ないし図 3において、 蓋 7の側板片 8は、 蓋 7を閉じた場合のラッ プフィルム容器 1の密閉度が高く、 かつ蓋 7及び前板片 9の強度が高ければ、 省 略しても良い。
( ϋ ) 上述の実施の形態においては、 切断刃 1 0を、 ラップフィルム容器 1と 一体に成形するようにしたが、 これに代え、 金属薄板製の切断刃を接着材ゃ、 留 め具によつてラヅプフィルム容器 1に取り付けるようにしても良い。
( iii ) 上述の実施の形態においては、 ラップフィルム容器 1として、 全体とし て透明又は半透明の樹脂材料を用いることにより、 内部のラップフィルム本体 1
1の残量の確認をできるようにしたが、 これに代え、 内部のラップフィルム本体
1 1の残量が確認できれば部分的、 例えば一方の側板 4のみであっても良く、 又 は例えば側板 4か蓋 7などに窓 (図示せず) を形成し、 中が見えるようにし、 他 は不透明とし、 商品説明などを記載する表示部としても良い。 この場合の材料と しては、 例えば色付きのプラスチック材料が考えられる。
また、 これに代え、 材料が厚紙、 商標名 「ベークライ ト」 の薄板、 マグネシゥ ム合金、 セラミックの薄板を用いるようにしても良い。
( iv) 上述の実施の形態において、 ラップフィルムガイ ド 1 3以外の部材にも
ラップフィルム 1 1 aに対する付着性がある場合には、 第 6の実施の形態につい て上述したと同様にして、 ラップフィルムガイ ド 1 3に仮留め部材を設け、 この 仮留め部材の付着力をも含めてラップフィルムガイ ド 1 3全体としての付着力を 決めるようにすれば良い。
例えば、 ラップフィルムガイ ド 1 3を用いてラップフィルム容器 1内のラップ フィルム本体 1 1から引き出したラヅプフィルム 1 1 aを切断刃 1 0によって切 断したとき、 ラップフィルム本体 1 1が全体としてラップフィルム容器 1の引出 口に引きつけられた状態からラップフィルム容器 1内に落ち込む (切断されて引 付力がなくなるため) 際に、 折角引き出したラップフィルム 1 l aの先端部分が ラップフィルム容器 1内に引き戻されるおそれがある。
これを防止するため、 ラップフィルム 1 1 aの引出口の周辺 (例えば前板 2の 上端部及び又は前板片 9の内側) に、 ラップフィルム 1 l aに対する付着力をも つ引戻し防止部材を設けることが考えられる。
このように場合には、 ラップフィルムガイ ド 1 3をラヅプフィルム容器 1から 取り出してラップフィルム 1 1 aを引き出そうとしても、 前板 2、 前板片 9の引 戻し防止部材にラップフィルム 1 1 aがくつつくことにより、 ラップフィルム 1 1 aをスムースに引き出すことができない。
この場合、 前板 2又は前板片 9に設けた引戻し防止部材の面積を小さくするこ とによりラップフィルム 1 1 aに対する付着力を弱く し、 かつラップフィルムガ ィ ド 1 3側の仮留め部材の面積を大きくすることにより付着力を強くなるように 相互の付着力を調整すれば良い。
また、 例えばラップフィルムガイ ド 1 3、 前板片 9及び前板 2を同じ材料に選 定した場合には、 例えば前板 2及び前板片 9の内表面の一部又は全面を凸凹状に し、 ラップフィルム 1 1 aとの接触面積をラップフィルムガイ ド 1 3より小さく するようにしても良い。
( V ) 図 1 4及び図 1 5の場合、 不使用時において、 ラヅプフィルムガイ ド 1 3 Aは、 前板 2の前側に引き出されているラップフィルム 1 l aに対する付着力
によってラップフィルム容器 1に保持されるが、 ラップフィルム 1 1 aへの保持 力を大きくするため、 保持用仮留め部材をラップフィルムガイ ド 1 3 Aの表面に 設けても良い。
また蓋 7、 底板 3にラップフィルムガイ ド 1 3 Aを保持する保持部を設けても 良い。 保持部としては、 例えば蓋 7の先端部内面にラップフィルムガイ ド 1 3 A が挟まる溝を形成した構造とすれば良い。
( vi ) 図 1 4及び図 1 5の場合、 ラップフィルム容器 1の前下端部 (特に底板 3の下面) に、 刃部 1 0 aを設けたが、 これに代え、 底板 3中に本体部分を埋設 し、 刃部 1 0 aを外部へ突出するようにしても良い。 また、 底板 3の上面と前板 2の下面との間に挟んでも良い。
(νϋ) 図 2 0の場合と同様に、 2枚のラヅプフィルムガイ ド 1 3 C及び 1 3 D を重ね合せるように用いる場合には、 図 2 1に示すように、 ラップフィルムガイ ド 1 3 C及び 1 3 Dの先端部の角部を予め面とり加工したような形状にしておく ことにより、 使用後の第 1のラップフィルムガイ ド 1 3 C (又は第 2のラップフ イルムガイ ド 1 3 D ) を押し込む際に、 各ラップフィルムガイ ド 1 3 C並びに 1 3 Dの上端部及び下端部表面のテ一パ部 tを互いに、 挿入し合うことができ、 そ の結果外部からのラップフィルムガイ ド 1 3 D (又は 1 3 C ) へのラップフィル ムガイ ド 1 3 C (又は 1 3 D ) の挿入を一段と容易にできる。 産業上の利用可能性
容器からラップフイルムを引き出して必要な分だけ切り取るラップフィルム供 給器に適用できる。