WO2000058643A1

WO2000058643A1 - Flywheel

Info

Publication number: WO2000058643A1
Application number: PCT/JP2000/001408
Authority: WO
Inventors: Daisuke Shibata; Atsushi Inoue
Original assignee: Unisia Jecs Corporation
Priority date: 1999-03-29
Filing date: 2000-03-09
Publication date: 2000-10-05
Also published as: JP2000283236A; EP1083364A1

Description

明細書フライホイール技術分野

本発明は、内燃機関に施用して良好なフライホイールに関し、とりわけ、 2つの慣性体がダンバによって連繫されてなるフライホイールに関する。背景技術

内燃機関に使用されるフライホイールは、トルク変動の大きな回転軸系の回転を平滑化し、防振効果を得るために用いられる。この種のフライホイールとして、例えば特開平 3— 2 1 9 1 4 6号公報には、駆動軸に固定される第 1慣性体とこの第 1慣性体に対して相対回動可能な第 2慣性体との間が、円周方向に複数個配置されたダンバによって連繋されてなるフライホイールが開示されている。

前記ダンパは、第 1慣性体と第 2慣性体との相対回動に抵抗を与える減衰装置と、第 1慣性体と第 2慣性体とを相対回動位置から中立位置に戻すばね部材とを備え、減衰装置としてはダッシュポッ卜が用いられている。

前記従来のフライホイールは、第 1慣性体と第 2慣性体とが相対回動の中立位置から相対回動するとき及びその相対回動位置から中立位置に戻るとき、減衰装置としてのダッシュポット及びばね部材によって相対回動に抵抗を与え、防振効果を得るようになつている。即ち、前記ダッシュポット内の作動流体がピストンに設けたオリフィスから逃げるとき、ピストンの両面に生じる圧力差によって運動抵抗を得ると共に、ばね部材のばね力によって、吸振効果を得るようになっている。

ところで、前記従来のフライホイールは、ダンバの両端が第 1慣性体と第 2慣性体とにそれぞれ直接連繋されている。即ち、半径方向内方側に位置するダンバの端部が第 1慣性体にボルトによって取付けられ、半径方向外方側に位置するダンパの端部が第 2慣性体にボルトによって取付けられている。

このため、前記ダンバの端部を第 1慣性体に取付けるボルトと、第 2慣性体に取付けるボルトとが互いに逆方向を向くことになり、ダンバの取付け作業が困難となる虞がある。発明の開示

本発明は前記従来の実状に鑑みて案出されたもので、ダンバの取付け作業を容易に行うことが可能なフライホイールを提供することを目的とする。

そこで、請求項 1記載の発明は、第 1慣性体とこの第 1慣性体に対して相対回動可能な第 2慣性体との間が、円周方向に複数個配置されたダンバによって連繋されてなるフライホイールにおいて、記第 1慣性体または第 2慣性体の何れか一方に、第 1慣性体または第 2慣性体の何れか他方に連結されるボス部材を相対回動可能に取付け、前記第 1慣性体または第 2慣性体の何れか一方及びボス部材のそれぞれに、ダンバに対応して、略軸方向で同一方向に延びるシャフトを設け、前記シャフトのそれぞれに、ダンバの両端をそれぞれ連繋すると共に、前記第 1 慣性体または第 2慣性体の何れか他方とボス部材とを連結してなる構成にしてある。

また、請求項 2記載の発明は、請求項 1記載の発明の構成において、前記ダンパが、第 1慣性体と第 2慣性体との相対回動に抵抗を与える減衰装置と、第 1慣性体と第 2慣性体とを相対回動位置から中立位置に戻すばね部材とを備え、前記減衰装置が、一方のシャフトに連繋され、作動流体が充填された一端封止のシリンダと、このシリンダの他端側を封止的に貫通して抜き差し可能に突出し、他方のシャフトに連繋されるビストンロッドと、このピストンロッドに連繋されてシリンダ内を 2つの流体室に区画して摺動自在なビストンと、このピストンに付属して設けられた減衰力発生手段とを備えてなり、前記ばね部材がシリンダ内に配置されてなる構成にしてある。

斯かる構成において、前記第 1慣性体と第 2慣性体の何れか一方、例えば第 1 慣性体が入力部材に連繋され、何れか他方、例えば第 2慣性体が出力部材に連繋される。前記入力部材から第 1慣性体に入力されるトルクは、ダンバを介して第 2慣性体に伝達され、出力部材に出力される。このとき、前記ダンバが防振作用を発揮する。

詳しくは、請求項 2記載の発明によれば、ばね部材が吸振作用を発揮すると共に減衰装置が減衰作用を発揮し、入力トルクに重畳する振動を吸振及び減衰する。ここで、前記第 1慣性体と第 2慣性体とを連繋するダンバは、第 1慣性体または第 2慣性体の何れか一方及びボス部材のそれぞれに設けられたシャフトを介して取付けられる。

ここに、前記第 1慣性体または第 2慣性体の何れか一方及びボス部材のそれぞれに設けられるシャフトは、略軸方向で同一方向に延びているから、ダンパはー方向から容易にシャフ卜に連繋される。

前記シャフ卜のそれぞれにダンバの両端をそれぞれ連繋した後、第 1慣性体と第 2慣性体の何れか他方とボス部材とを連結することによって、ダンバは第 1慣性体と第 2慣性体とを連繋することになる。

これによつて、前記ダンパは第 1慣性体及び第 2慣性体に対して、容易に取付けられる。

したがって、ダンバの取付け作業を容易に行うことが可能なフライホイールが得られる。

また、請求項 2記載の発明においては、前記ダンバが、第 1慣性体と第 2慣性体との相対回動に抵抗を与える減衰装置と、第 1慣性体と第 2慣性体とを相対回動位置から中立位置に戻すばね部材とを備え、前記減衰装置が、一方のシャフトに連繋され、作動流体が充填された一端封止のシリンダと、このシリンダの他端側を封止的に貫通して抜き差し可能に突出し、他方のシャフ卜に連繋されるビストンロッドと、このピストンロッドに連繋されてシリンダ内を 2つの流体室に区画して摺動自在なピストンと、このビストンに付属して設けられた減衰力発生手段とを備えてなり、前記ばね部材がシリンダ内に配置されてなる構成にしてあるから、減衰力の調節が容易で、構成が簡単となる。図面の簡単な説明

図 1は、本発明の実施の形態を示すフライホイールの一部を切除して示す部分的な平面図で、図 2は、図 1の A— O— A線断面図、図 3は、図 2に示すフライホィールを分解して示す図面、図 4は、本発明の別の実施の形態を示す図 2と同様な図面、図 5は、図 4に示すフライホイールを分解して示す図面である。発明を実施するための最良の形態

以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳述する。すなわち、図 1は本発明の実施の形態を示すフライホイールの一部を切除して示す部分的な平面図、図 2は図 1の A—〇一 A線断面図、図 3は図 2に示すフライホイールを分解して示す図面である。

図において、 1は入力部材としての内燃機関のクランクシャフトである。 2は第 1慣性体で、この第 1慣性体 2は軸受けホルダ 3と共にボルト 4によってクランクシャフト 1に連結されている。 5は第 2慣性体で、この第 2慣性体 5は第 1 慣性体 2に対して回動可能に支持されており、また、出力部材としての図外のクラッチ装置に連結可能である。 6は前記第 1慣性体 2と第 2慣性体 5との間を導繋するダンパである。

前記第 1慣性体 2は，略平板状に形成され、その外周側に、第 2慣性体 5側に向かって軸方向に延びる環状のボス部 7が形成されており、このボス部 7に補助部材 8がポルト 9によって固定されている。また、前記第 1慣性体 2には、第 2 慣性体 5に面する側に、環状の窪み 1 0が形成されており、この窪み 1 0の内周縁には、この窪み 1 0に開口する切欠き溝 1 1が円周方向等間隔に複数個、この実施の形態では 3個形成してある。また、前記第 1慣性体 2の外周にはリングギャ 1 3が固定してある。

前記第 2慣性体 5は、略平板状に形成され、その内周側に、第 1慣性体 2側に向かって軸方向に延びる環状のボス部 1 5が形成されている。前記ボス部 1 5には環状のボス部材 1 7がボルト 1 8によって固定されており、このボス部材 1 7 の内周側が軸受けホルダ 3に取付けられた軸受け 1 9によって支持されている。これによつて、前記ボス部材 1 7は、軸受けホルダ 3に対して回動可能である。ここに、前記軸受けホルダ 3はボルト 4によって第 1慣性体 2と一体になつて駆動軸 1に連結されると共に、第 2慣性体 5はボス部材 1 7と一体になつているから、結局、第 2慣性体 5は第 1慣性体 2に対して回動可能に支持されていることになる。

前記ボス部材 1 7の軸方向端部 2 0は、第 1慣性体 2に形成した環状の窪み 1 0内に延びており、この軸方向端部 2 0の外周側には、放射方向の突起 2 1が切欠き溝 1 1に対応して円周方向等間隔に複数個形成してある。前記突起 2 1は第 1慣性体 2の窪み 1 0の内周側に形成した切欠き溝 1 1内に延びており、この切欠き溝 1 1の側面に当接することによって、第 1慣性体 2と第 2慣性体 5との相対回動量を制限するようになっている。

また、前記第 2慣性体 5には、図外のクラッチ装置のクラッチディスクが接するクラッチ摺動面 ₂ 2が形成してある。

前記第 1慣性体 2と第 2慣性体 5との間を連繋するダンバ 6は、第 1慣性体 2 と第 2慣性体 5との間に配置され、円周方向に複数個、この実施の形態において 6個配置されている。また、前記ダンバ 6は、第 1慣性体 2と第 2慣性体 5との相対回動に抵抗を与える減衰装置 2 5と、第 1慣性体 2と第 2慣性体 5とを相対回動位置から中立位置に戻すばね部材 2 6とを備えている。

前記減衰装置 2 5は、第 2慣性体 5に連繋され、作動流体が充填された一端封止のシリンダ 2 7と、このシリンダ 2 7の他端側を封止的に貫通して抜き差し可能に突出し、第 1慣性体 2に連繫されるピストンロッド 2 8と、このピストン口ッド 2 8に連繫されてシリンダ 2 7内を摺動自在なピストン 2 9と、このピストン 2 9に付属して設けられた減衰力発生手段 3 0とを備えており、ピストン 2 9 によってシリンダ 2 7内が 2つの流体室 3 1， 3 2に区画されている。

前記シリンダ 2 7は、一端側が封止され、その内部に所定量の作動流体（後に詳述する）が充填されている。前記シリンダ 2 7の一端側には、貫通孔 3 5を備えた取付け部材 3 6が取付けられており、この取付け部材 3 6を介して、シリンダ 2 7の一端側が第 2慣性体 5に連繋してある。

詳しくは、前記第 2慣性体 5のボス部 1 5とこのボス部 1 5に取付けたボス部材 1 7の軸方向端部 2 0との間に、ダンパ 6に応じてシャフト 3 7を跨設し、このシャフト 3 7を、対応するダンパ 6のシリンダ 2 7に取付けた取付け部材 3 6 の貫通孔 3に挿通させることによって連結してある。

前記シャフト 3 7は、一端がボス部材 1 7の軸方向端部 2 0に形成した取付け穴 3 7 aに圧入固定されることによってフライホイールの略軸方向に設けられており、他端が第 2慣性体 5のボス部 1 5に形成した取付け穴 3 7 bに対して嵌合されている。

また、前記取付け部材 3 6の貫通孔 3 5とシャフト 3 7との間にはブッシュ 3 8が設けられており、取付け部材 3 6のシャフト 3 7周りの回動が可能となっている。

前記ピストンロッド 2 8は、シリンダ 2 7の他端側に設けたガイド部材 3 9を封止的に貫通して抜き差し可能に突出している。前記ピストンロッド 2 8の突出端には貫通孔 4 1を備えた取付け部材 4 2が取付けられており、この取付け部材 4 2を介して、ピストンロッド 2 8の突出端が第 1慣性体 2に連繋してある。詳しくは、前記第 1慣性体 2のボス部 7とこのボス部 7に取付けた補助部材 8 との間に、ダンバ 6に対応してシャフト 4 3を跨設し、このシャフト 4 3を、対応ずるダンバ 6のピストンロッド 2 8に取付けた取付け部材 4 2の貫通孔 4 1に挿通させることによって連結してある。

前記シャフト 4 3は、一端が第 1慣性体 2のボス部 7に形成した取付け穴 4 3 aに圧入固定されることによってフライホイールの略軸方向に設けられており、他端が補助部材 8に形成した取付け孔 4 3 bに対して嵌合されている。また、前記シャフト 4 3は、ボス部材 1 7に設けられたシャフト 3 7と互いに同一方向に延びている。なお、前記補助部材 8に形成した取付け孔 4 3 bは、この実施の形態において軸方向に貫通しているけれども、盲穴状でもよいものである。

また、前記取付け部材 4 2の貫通孔 4 1とシャフト 4 3との間には、ブッシュ 4 4が設けられており、取付け部材 4 2のシャフト 4 3回りの回動が可能となつている。

前記ピストン 2 9は、略円盤状に形成されてシリンダ 2 7内に摺動自在に収容され、このシリンダ 2 7内を軸方向に 2つの流体室 3 1 , 3 2に区画している。また、前記ピストン 2 9には、上下面に開口して、 2つの流体室 3 1， 3 2間を連通するオリフィス 5 2が形成してある。なお、前記ピストン 2 9の外周にピストンリングを付属させることは任意である。

前記オリフィス 5 2は、 2つの流体室 3 1， 3 2間の作動流体の流通を制限的に許容しており、このオリフィス 5 2が 2つの流体室 3 1， 3 2間を置換流動する作動流体に流通抵抗を与えることになり、減衰力発生手段 3 0を構成している。前記シリンダ 2 7内に充填される作動流体は、液状の作動油であり、この作動流体（作動油）はピストン 2 9によって区画された 2つの流体室 3 1 , 3 2の最大容積よりも少ない量だけ充填されている。なお、前記シリンダ 2 7内の残余の容積には、空気または不活性ガス等の加圧気体が封入されている。

また、前記第 1慣性体 2と第 2慣性体 5とを相対回動位置から中立位置に戻すばね部材 2 6は、シリンダ 2 7内のピストン 2 9とガイド部材 3 9との間に配置されている。斯かる構成において、前記クランクシャフト 1からのトルクは、このクランクシャフト 1に連結された第 1慣性体 2に入力され、この第 1慣性体 2からダンバ 6を介して、即ち滅蓑装置 2 5及びばね部材 2 6を介して第 2慣性体 5に伝達される。このとき、前記ばね部材 2 6が吸振作用を発揮すると共に減衰装置 2 5が減衰作用を発揮し、入力トルクに重畳する振動を吸振及び減衰する。

詳しくは、前記ダンパ 6は、シリンダ 2 7がシャフト 3 7を介して第 2慣性体 5に連結さ一れ、ピストンロッド 2 8がシャフト 4 3を介して第 1慣性体 2に連結されているから、第 1慣性体 2にトルクが入力され、第 1慣性体 2と第 2慣性体 5とが相対回動の中立位置から相対回動することによって、ビストンロッド 2 8はシリンダ 2 7内から抜け出す方向（延び方向）に移動することになり、逆に相対回動位置から中立位置に戻ることによって、ピストンロッド 2 8はシリンダ 2 8内に侵入する方向（圧縮方向）に移動することになる。

前記ビストンロッド 2 8が延び方向に移動することによって、流体室 3 1内の作動流体（作動油）はオリフィス 5 2を介して流体室 3 2内に置換流動する。また、前記ピストンロッド 2 8が圧縮方向に移動することによって、流体室 3 2内の作動流体（作動油）はオリフィス 5 2を介して流体室 3 1内に置換流動することになる。

前記ォリフィス 5 2を介して作動流体（作動油）が 2つの流体室 3 1， 3 2間を置換流動するとき、作動流体（作動油）はこのオリフィス 5 2による流通抵抗を受けることになる。このため、前記ピストン 2 9の両面側に圧力差を生じることになり、この圧力差がピストンロッド 2 8の運動への抵抗力となって所定の大きさの減衰力が得られることになる。

なお、前記ピストンロッド 2 8が延び方向に移動したとき、または圧縮方向に移動したときのシリンダ 2 7内の体積補償は、シリンダ 2 7内の残余の容積に封入された加圧気体の膨張または圧縮によって成就される。

ここで、前記第 1慣性体 2と第 2慣性体 5とを連繋するダンバ 6は、第 1慣性体 2及びボス部材 1 7のそれぞれに設けられたシャフト 4 3 , 3 7を介して、次のように取付けられる。

すなわち、図 3に示すように、予め、前記ボス部材 1 7の取付け穴 3 7 aにシャフト 3 7の一端を圧入固定すると共に、ボス部材 1 7の内周に軸受け 1 9を組付ける。また、前記ダンパ 6の取付け部材 3 6の貫通孔 3 5内にはブッシュ 3 8 を挿入し、取付け部材 4 2の貫通孔 4 1内にはブッシュ 4 4を挿入する。

次に、前記第 1慣性体 2の取付け穴 4 3 aにシャフト 4 3の一端を圧入固定し、このシャフト 4 3が圧入固定された第 1慣性体 2に対して、軸受けホルダ 3と共に軸受け 1 9を介してボス部材 1 7を組み付ける。これによつて、前記ボス部材 1 7に設けられたシャフト 3 7及び第 1慣性体 2に設けられたシャフト 4 3は、それぞれ略軸方向で同一方向に延びていることになる。

次に、前記シャフト 3 7 , 4 3にダンバ 6を取付ける。すなわち、前記シャフト 3 7に、取付け部材 3 6の貫通孔 3 5を挿通し、シャフト 4 3に取付け部材 4 2の貫通孔 4 1を挿通する。なお、前記シャフ卜 3 7， 4 3に対する貫通孔 3 5 , 4 1の揷通は、略同時に行われる。

次に、前記第 1慣性体 2に設けたシャフト 4 3の他端側に、補助部材 8に形成した取付け孔 4 3 bを嵌合すると共に、この補助部材 8をポルト 9によって第 1 慣性体 2のボス部 7に取付ける。これによつて、前記シャフト 4 3は、その両端で支持されることになり、強度向上が図れることになる。

次に、前記ボス部材 1 7に設けたシャフト 3 7の他端側に、第 2慣性体 5に形成した取付け穴 3 7 bを嵌合すると共に、この第 2慣性体 5をボルト 1 8によつてボス部材 1 7に取付ける。これによつて、前記シャフト 3 7は、その両端で支持されることになり、強度向上が図れることになる。

これによつて、前記ダンバ 6は第 1慣性体 2と第 2慣性体 5とを連繋し、フラィホイールが組立てられることになる。

ここに、前記第 1慣性体 2及びボス部材 1 7のそれぞれに設けられるシャフト 4 3， 3 7は、略軸方向で同一方向に延びているから、ダンバ 6は一方向から容易にシャフト 4 3 , 3 7に連繋される。このため、前記ダンバ 6は、第 1慣性体 2及び第 2慣性体 5に対して、容易に取付けられることになる。

したがって、前記ダンパ 6の取付け作業を容易に行うことが可能なフライホイ —ルが得られる。

また、前記ダンバ 6が、第 1慣性体 1 と第 2慣性体 5との相対回動に抵抗を与える減衰装置 2 5と、第 1慣性体 1と第 2慣性体 5とを相対回動位置から中立位置に戻すばね部材 2 6とを備え、減衰装置 2 5が所謂流体緩衝器によって形成され、ばね部材 2 6がシリンダ 2— 7内に配置してあるから、減衰力の調節が容易で構成が簡単となる。

図 4及び図 5は本発明の別の実施の形態を示す図面で、この実施の形態が前記実施の形態と変わるところは、前記シリンダ 2 7の一端側がボス部材 1 7及びシャフト 3 7を介して第 1慣性体 2に連繋され、ピストン 2 8の突出端がシャフト 4 3を介して第 2慣性体 5に連繋されている点である。また、前記軸受けホルダ 3が廃止されている点である。

すなわち、前記第 1慣性体 2は、単独でボルト 4によってクランクシャフト 1 に連結されている。前記第 1慣性体 2は、略平板状に形成され、その内周側に、第 2慣性体 5側に向かって突出するボス部 1 5が形成されている。また、前記第 1慣性体 2の外周にはリングギヤ 1 3が固定してある。

前記第 2慣性体 5は、略平板状に形成され、その外周側に、第 1慣性体 2側に向かって軸方向に延びるボス部 7が環状に形成されており、このボス部 7に補助部材 8がポルト 9によって固定されている。また、前記第 2慣性体 5には、第 1 慣性体 2に面する側に、環状の窪み 1 0が形成されており、この窪み 1 0の内周縁には、この窪み 1 0に開口する切欠き溝 1 1が円周方向等間隔に複数個形成してある。

前記第 1慣性体 2のボス部 1 5には、環状のボス部材 1 7がポルト 1 8によつて固定されており、このボス部材 1 7の内周側が、第 2慣性体 5に形成した窪み 1 0の内周に取付けられた軸受け 1 9によって支持されている。これによつて、前記ボス部材 1 7は第 2慣性体 5に対して回動可能である。ここに、前記第 1慣性体 2は、ボス部材 1 7と一体になつて駆動軸 1に連結されているから、結局、第 2慣性体 5は第 1慣性体 2に対して回動可能に支持されていることになる。前記ボス部材 1 7の軸方向端部 2 0は、第 2慣性体 5に形成した環状の窪み 1 0内に延びており、この軸方向端部 2 0の外周側には放射方向の突起 2 1が円周方向等間隔に複数個、切欠き溝 1 1に対応して形成してある。前記突起 2 1は第 1慣性体 2の窪み 1 0の内周側に形成した切欠き溝 1 1内に延びており、この切欠き溝 1 1の側面に当接することによって、第 1慣性体 2と第 2慣性体 5との相対回動量を制限するようになっている。

前記ダンバ 6のシリンダ 2 7は取付け部材 3 6を介して第 1慣性体 2に連繋してある。すなわち、前記第 1慣性体 2のボス部 1 5とこのボス部 1 5に取付けたボス部材 1 7の軸方向端部 2 0との間に、ダンバに応じてシャフト 3 7を跨設し、このシャフト 3 7を、対応するダンバ 6のシリンダ 2 7に取付けた取付け部材 3 6の貫通孔 3 5に挿通させることによって連結してある。

前記シャフト 3 7は、一端がボス部材 1 7の軸方向端部 2 0に形成した取付け穴 3 7 aに圧入固定されることによってフライホイールの略軸方向に設けられており、他端が第 1慣性体 2のボス部 1 5に形成した取付け穴 3 7 bに対して嵌合されている。

前記ビストンロッド 2 8の突出端は、取付け部材 4 2を介して第 2慣性体 5に連繫してある。すなわち、前記第 2慣性体 5のボス部 7とこのボス部 7に取付けた補助部材 8との間に、ダンバ 6に応じてシャフト 4 3を跨設し、このシャフト 4 3を、対応するダンパ 6のピストンロッド 2 8に取付けた取付け部材 4 2の貫通孔 4 1に挿通させることによって連結してある。

前記シャフ卜 4 3は、一端が第 2慣性体 5のボス部 7に形成した取付け穴 4 3 aに圧入固定されることによってフライホイールの略軸方向に設けられており、他端が補助部材 8に形成した取付け孔 4 3 bに対して嵌合されている。また、前記シャフト 4 3は、ボス部材 1 7に設けられたシャフト 3 7と互いに同一方向に延びている。なお、前記補助部材 8に形成した取付け孔 4 3 bは、この実施の形態において軸方向に貫通しているけれども、盲穴状でもよいものである。

なお、その他の構成は前記実施の形態と略同一であるから、対応する構成部分には同一符号を付し、その重複する説明を省略する。

斯かる構成においては、前記第 1慣性体 2と第 2慣性体 5とを連繋するダンバ 6は、第 2慣性体 5及びボス部材 1 7のそれぞれに設けられたシャフト 4 3， 3 7を介して、次のように取付けられる。

すなわち、図 5に示すように、予め、前記ボス部材 1 7の取付け穴 3 7 aにシャフト 3 7の一端を圧入固定すると共に、ボス部材 1 Ίの内周に軸受け 1 9を組付ける。また、前記ダンバ 6の取付け部材 3 6の貫通孔 3 5内には、ブッシュ 3 8を挿入し、取付け部材 4 2の貫通孔 4 1内には、ブッシュ 4 4を挿入する。次に、前記第 2慣性体 5の取付け穴 4 3 aにシャフト 4 3の一端を圧入固定し、このシャフ卜 4 3が圧入固定された第 2慣性体 5に対して、軸受け 1 9を介してボス部材 1 7を組み付ける。これによつて、前記ボス部材 1 7に設けられたシャフト 3 7双び第 2慣性体 5に設けられたシャフト 4 3は、それぞれ略軸方向で同一方向に延びていることになる。

次に、前記シャフト 3 7 , 4 3にダンバ 6を取付ける。すなわち、前記シャフト 3 7に取付け部材 3 6の貫通孔 3 5を挿通し、シャフト 4 3に取付け部材 4 2 の貫通孔 4 1を挿通する。なお、前記シャフト 3 7， 4 3に対する貫通孔 3 5， 4 1の挿通は、略同時に行われる。

次に、前記第 2慣性体 5に設けたシャフト 4 3の他端側に、補助部材 8に形成した取付け孔 4 3 bを嵌合すると共に、この補助部材 8をボルト 9によって第 2 慣性体 1 5のボス部 7に取付ける。これによつて前記シャフト 4 3は、両端で支持されることになり、強度向上が図られることになる。

次に、前記ボス部材 1 7に設けたシャフト 3 7の他端側に、第 1慣性体 2に形成した取付け穴 3 7 bを嵌合すると共に、この第 1慣性体 2をボルト 1 8によつてボス部材 1 7に取付ける。これによつて、前記シャフト 3 7は両端で支持されることになり、強度向上が図られることになる。

これによつて、前記ダンバ 6は、第 1慣性体 2と第 2慣性体 5とを連繋し、フライホイールが組立てられることになる。

ここに、前記第 1慣性体 2及びボス部材 1 7のそれぞれに設けられるシャフト 4 3 , 3 7は、略軸方向で同一方向に延びるているから、ダンバ 6は一方向から容易にシャフト 4 3， 3 7に連繋される。このため、前記ダンバ 6は、第 1慣性体 2及び第 2慣性体 5に対して、容易に取付けられることになる。

したがって、この実施の形態においても、前記ダンパ 6の取付け作業を容易に行うことが可能なフライホイールが得られる。産業上の利用可能性

本発明は、この実施の形態の構成に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。例えば、前記第 1慣性体 2または第 2慣性体 5の何れか一方及びボス部材 1 7へのシャフト 4 3 , 3 7の取り付けは、圧入に限らず、ねじによる結合ゃキ一結合とすることが可能である。

Claims

請求の範囲

1 . 第 1慣性体とこの第 1慣性体に対して相対回動可能な第 2慣性体との間が、円周方向に複数個配置されたダンバによって連繋されてなるフライホイールにおいて、

前記第 1慣性体または第 2慣性体の何れか一方に、第 1慣性体または第 2慣性体の何れか他方に連結されるボス部材を相対回動可能に取付け、

前記第 1慣性体または第 2慣性体の何れか一方及びボス部材のそれぞれに、ダンパに対応して、略軸方向で同一方向に延びるシャフトを設け、

前記シャフトのそれぞれにダンバの両端をそれぞれ連繋すると共に、前記第 1慣性体または第 2慣性体の何れか他方とボス部材とを連結してなることを特徴とする、フライホイール。

2 . 前記ダンバが、第 1慣性体と第 2慣性体との相対回動に抵抗を与える減衰装置と、第 1慣性体と第 2慣性体とを相対回動位置から中立位置に戻すばね部材とを備え、

前記減衰装置が、一方のシャフトに連繋され、作動流体が充填された一端封止のシリンダと、このシリンダの他端側を封止的に貫通して抜き差し可能に突出し、他方のシャフ卜に連繋されるピストンロッドと、このピストンロッドに連繋されてシリンダ内を 2つの流体室に区画して摺動自在なピストンと、このピストンに付属して設けられた減衰力発生手段とを備えてなり、

前記ばね部材がシリンダ内に配置されてなることを特徴とする、請求項 1記載のフライホイール。