JP2000283237A - フライホイール - Google Patents

フライホイール

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JP2000283237A
JP2000283237A JP11087265A JP8726599A JP2000283237A JP 2000283237 A JP2000283237 A JP 2000283237A JP 11087265 A JP11087265 A JP 11087265A JP 8726599 A JP8726599 A JP 8726599A JP 2000283237 A JP2000283237 A JP 2000283237A
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JP
Japan
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inertial body
flywheel
damper
inertial
mounting portion
Prior art date
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JP11087265A
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English (en)
Inventor
Onori Shibata
大典 柴田
Atsushi Inoue
敦 井上
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Valeo Kapec Japan KK
Original Assignee
Valeo Unisia Transmission KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第1慣性体と第2慣性体との相対回動量を可
及的に増大させることが可能なフライホイールを提供す
る。 【解決手段】 第1慣性体2とこの入力部材2に対して
相対回動可能な第2慣性体5との間を、円周方向に複数
個配置されたダンパ6によって連繋する。前記第1慣性
体2に形成したボス部(取付け部)7及び第2慣性体5
に形成した取付け部16のそれぞれに、ダンパ6のそれ
ぞれの両端部を連繋する。前記第2慣性体5に形成した
取付け部16を、第1慣性体2の対応する取付け部7に
近づくように突出して形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関に施用し
て良好なフライホイールに関し、とりわけ、2つの慣性
体がダンパによって連繋されてなるフライホイールに関
する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関に使用されるフライホイール
は、トルク変動の大きな回転軸系の回転を平滑化し、防
振効果を得るために用いられる。この種のフライホイー
ルとして、例えば特開平3−219146号公報には、
駆動軸に固定される第1慣性体とこの第1慣性体に対し
て相対回動可能な第2慣性体との間が、円周方向に複数
個配置されたダンパによって連繋されてなるフライホイ
ールが開示されている。
【0003】前記ダンパは、第1慣性体と第2慣性体と
の相対回動に抵抗を与える減衰装置と、第1慣性体と第
2慣性体とを相対回動位置から中立位置に戻すばね部材
とを備え、減衰装置としてはダッシュポットが用いられ
ている。
【0004】また、前記従来のフライホイールは、ダン
パの両端が第1慣性体と第2慣性体とにそれぞれ連繋さ
れており、半径方向内方側に位置するダンパの端部が第
1慣性体にボルトによって取付けられ、半径方向外方側
に位置するダンパの端部が第2慣性体にボルトによって
取付けられている。
【0005】詳しくは、前記ダンパのそれぞれの両端が
連繋される第1慣性体の取付け部及び第2慣性体の取付
け部は、第1慣性体及び第2慣性体の周方向に連続して
環状に形成されており、ダンパのそれぞれの両端は、第
1慣性体に形成した取付け部及び第2慣性体に形成した
取付け部の所定位置にそれぞれ連繋されている。
【0006】これによって、前記従来のフライホイール
は、第1慣性体と第2慣性体とが相対回動の中立位置か
ら相対回動するとき及びその相対回動位置から中立位置
に戻るとき、減衰装置としてのダッシュポット及びばね
部材によって相対回動に抵抗を与え、防振効果を得るよ
うになっている。即ち、前記ダッシュポット内の作動流
体がピストンに設けたオリフィスから逃げるとき、ピス
トンの両面に生じる圧力差によって運動抵抗を得ると共
に、ばね部材のばね力によって、吸振効果を得るように
なっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記第1慣
性体と第2慣性体とが相対回動の中立位置から相対回動
するとき、ダンパのそれぞれは、両端側の連繋点を支点
として揺動することになる。
【0008】前記ダンパが揺動するとき、前記従来例に
あっては、第1慣性体及び第2慣性体の取付け部が周方
向に連続して環状に形成されているから、ダンパの外周
端部が取付け部の内周縁または外周縁に干渉し、第1慣
性体と第2慣性体との相対回動量が制限される虞があ
る。
【0009】とりわけ、外形寸法の大きなダンパを使用
する場合に相対回動量が制限され易くなり、第1慣性体
と第2慣性体との相対回動量が制限されると、所期する
防振効果が得られなくことになる。
【0010】本発明は前記従来の実状に鑑みて案出され
たもので、第1慣性体と第2慣性体との相対回動量を可
及的に増加させることが可能なフライホイールを提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1記載の
発明は、第1慣性体とこの第1慣性体に対して相対回動
可能な第2慣性体との間が、円周方向に複数個配置され
たダンパによって連繋されてなるフライホイールにおい
て、前記ダンパのそれぞれの両端部が、第1慣性体に形
成した取付け部及び第2慣性体に形成した取付け部にそ
れぞれ連繋されてなり、前記第1慣性体に形成した取付
け部及び第2慣性体に形成した取付け部の一方または両
方が、対応する取付け部が互いに近づくように突出して
形成されてなる構成にしてある。
【0012】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明の構成において、前記取付け部はフライホイー
ルの軸方向に突出して形成されてなる構成にしてある。
【0013】また、請求項3記載の発明は、請求項1記
載の発明の構成において、前記ダンパが、第1慣性体と
第2慣性体との相対回動に抵抗を与える減衰装置と、第
1慣性体と第2慣性体とを相対回動位置から中立位置に
戻すばね部材とを備え、前記減衰装置が、一方の取付け
部に連繋され、作動流体が充填された一端封止のシリン
ダと、このシリンダの他端側を封止的に貫通して抜き差
し可能に突出し、他方の取付け部に連繋されるピストン
ロッドと、このピストンロッドに連繋されてシリンダ内
を2つの流体室に区画して摺動自在なピストンと、この
ピストンに付属して設けられた減衰力発生手段とを備え
てなり、前記ばね部材がシリンダ内に配置されてなる構
成にしてある。
【0014】斯かる構成において、前記第1慣性体と第
2慣性体の何れか一方、例えば第1慣性体が入力部材に
連繋され、何れか他方、例えば第2慣性体が出力部材に
連繋される。前記入力部材から第1慣性体に入力される
トルクは、ダンパを介して第2慣性体に伝達され、出力
部材に出力される。このとき、前記ダンパが防振作用を
発揮する。詳しくは、請求項3記載の発明によれば、ば
ね部材が吸振作用を発揮すると共に減衰装置が減衰作用
を発揮し、入力トルクに重畳する振動を吸振及び減衰す
る。
【0015】また、前記第1慣性体2と第2慣性体5と
が相対回動の中立位置から相対回動するとき、ダンパ6
のそれぞれは、両端側の連繋点を支点として揺動するこ
とになる。
【0016】ここで、前記ダンパのそれぞれの両端は、
第1慣性体に形成した取付け部及び第2慣性体に形成し
た取付け部に連繋されており、これら第1慣性体に形成
した取付け部及び第2慣性体に形成した取付け部の一方
または両方は、対応する取付け部が互いに近づくように
突出して形成されている。つまり、前記取付け部は、第
1慣性体及び第2慣性体の内周または外周からそれぞれ
半径方向に突出している。
【0017】このため、前記第1慣性体と第2慣性体と
が相対回動の中立位置から相対回動し、ダンパのそれぞ
れが両端側の連繋点を支点として揺動するとき、ダンパ
の外周端部が取付け部に干渉することが可及的に防止さ
れる。これによって、前記第1慣性体と第2慣性体との
相対回動量が可及的に増加することになる。
【0018】したがって、前記第1慣性体と第2慣性体
との相対回動量を可及的に増加させることが可能なフラ
イホイールが得られる。
【0019】加えて、前記取付け部が第1慣性体及び/
または第2慣性体の外周または内周側から突出している
から、第1慣性体及び/または第2慣性体の表面積が増
加することになり、第1慣性体及び/または第2慣性体
が有利に冷却される。つまり、前記第1慣性体または第
2慣性体にはクラッチ装置が取付けられ、このクラッチ
装置の摩擦板が摩擦摺動することによって発熱する虞が
あるところ、この発熱に対して、冷却効果が有利に発揮
される。
【0020】また、請求項2記載の発明においては、前
記取付け部はフライホイールの軸方向に形成されている
から、取付け部の表面積が更に増加することになり、冷
却効果が更に有利に発揮される。
【0021】また、請求項3記載の発明においては、前
記ダンパが、第1慣性体と第2慣性体との相対回動に抵
抗を与える減衰装置と、第1慣性体と第2慣性体とを相
対回動位置から中立位置に戻すばね部材とを備え、前記
減衰装置が、一方の取付け部に連繋され、作動流体が充
填された一端封止のシリンダと、このシリンダの他端側
を封止的に貫通して抜き差し可能に突出し、他方の取付
け部に連繋されるピストンロッドと、このピストンロッ
ドに連繋されてシリンダ内を2つの流体室に区画して摺
動自在なピストンと、このピストンに付属して設けられ
た減衰力発生手段とを備えてなり、前記ばね部材がシリ
ンダ内に配置されてなる構成にしてあるから、減衰力の
調節が容易で、構成が簡単となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて詳述する。
【0023】図1は本発明の実施の形態を示すフライホ
イールの一部を切除して示す部分的な平面図、図2は図
1のA−O−A線断面図、図3は図1に示す第2慣性体
の一部を切除して示す部分的な平面図、図4は図1に示
すボス部材の平面図、図5は図4のA−O−A線断面
図、図6はダンパが揺動する状態を説明する図面であ
る。
【0024】図において、1は入力部材としての内燃機
関のクランクシャフトである。2は第1慣性体で、この
第1慣性体2は軸受けホルダ3と共にボルト4によって
クランクシャフト1に連結されている。5は第2慣性体
で、この第2慣性体5は第1慣性体2に対して回動可能
に支持されており、また、出力部材としての図外のクラ
ッチ装置に連結可能である。6は前記第1慣性体2と第
2慣性体5との間を連繋するダンパである。
【0025】前記第1慣性体2は略平板状に形成され、
その外周側に、第2慣性体5側に向かって軸方向に延び
る環状のボス部7が形成されており、このボス部7に補
助部材8がボルト9によって固定されている。これによ
って、前記補助部材8は第1慣性体2と一体になってこ
の第2慣性体2の一部を構成することになる。また、前
記ボス部7は後に詳述するように、ダンパ6の取付け部
となっており、フライホイールの半径方向外方側に位置
するダンパ6の端部が連繋されるようになっている。
【0026】また、前記第1慣性体2には、第2慣性体
5に面する側に、環状の窪み10が形成されており、こ
の窪み10の内周縁には、この窪み10に開口する切欠
き溝11が円周方向等間隔に複数個、この実施の形態で
は3個形成してある。また、前記第1慣性体2の外周に
はリングギヤ13が固定してある。
【0027】前記第2慣性体5は略平板状に形成され、
その内周側に、第1慣性体2側に向かって軸方向に延び
る環状のボス部15が形成されている。
【0028】前記ボス部15の外周側には、このボス部
15に連続して、ボス部15の外周から半径方向外方に
突出する取付け部16が6個形成してある(図3参
照)。前記取付け部16には後に詳述するように、フラ
イホイールの半径方向内方側に位置するダンパ6の端部
が連繋されるようになっている。したがって、前記取付
け部16は半径方向外方に突出するように形成されてい
るから、対応する取付け部としてのボス部7に近づくよ
うに突出して形成されていることになる。
【0029】前記ボス部15には環状のボス部材17が
ボルト18によって固定されており、このボス部材17
の内周側が軸受けホルダ3に取付けられた軸受け19に
よって支持されている。これによって、前記ボス部材1
7は第2慣性体5と一体になってこの第2慣性体5の一
部を構成することになり、軸受けホルダ3に対して回動
可能である。ここに、前記軸受けホルダ3はボルト4に
よって第1慣性体2と一体になって駆動軸1に連結され
ると共に、第2慣性体5はボス部材17と一体になって
いるから、結局、第2慣性体5は第1慣性体2に対して
回動可能に支持されていることになる。
【0030】前記ボス部材17の軸方向端部20は、第
1慣性体2に形成した環状の窪み10内に延びており、
この軸方向端部20の外周側には放射方向の突起21が
円周方向等間隔に複数個、切欠き溝11に対応して形成
してある。前記突起21は第1慣性体2の窪み10の内
周側に形成した切欠き溝11内に延びており、この切欠
き溝11の側面に当接することによって、第1慣性体2
と第2慣性体5との相対回動量を制限するようになって
いる。また、前記ボス部材17の軸方向端部20には、
第2慣性体5のボス部15及び取付け部16にそれぞれ
対応して、ボス部22及び取付け部23がそれぞれ形成
してある。
【0031】また、前記第2慣性体5には、図外のクラ
ッチ装置のクラッチディスクが接するクラッチ摺動面2
4形成してある。
【0032】前記第1慣性体2と第2慣性体5との間を
連繋するダンパ6は、第1慣性体2と第2慣性体5との
間に配置され、円周方向に複数個、この実施の形態にお
いて6個配置されている。また、前記ダンパ6は、第1
慣性体2と第2慣性体5との相対回動に抵抗を与える減
衰装置25と、第1慣性体2と第2慣性体5とを相対回
動位置から中立位置に戻すばね部材26とを備えてい
る。
【0033】前記減衰装置25は、第1慣性体2または
第2慣性体5の何れか一方、この実施の形態において第
2慣性体5に連繋され、作動流体が充填された一端封止
のシリンダ27と、このシリンダ27の他端側を封止的
に貫通して抜き差し可能に突出し、第1慣性体2または
第2慣性体5の何れか他方、この実施の形態において第
1慣性体2に連繋されるピストンロッド28と、このピ
ストンロッド28に連繋されてシリンダ27内を摺動自
在なピストン29と、このピストン29に付属して設け
られた減衰力発生手段30とを備えており、ピストン2
9によってシリンダ27内が2つの流体室31,32に
区画されている。
【0034】前記シリンダ27は一端側が封止され、そ
の内部に所定量の作動流体(後に詳述する)が充填され
ている。前記シリンダ27の一端側には、貫通孔35を
備えた取付け部材36が取付けられており、この取付け
部材36を介して、シリンダ27の一端側が第2慣性体
5に連繋してある。
【0035】詳しくは、前記第2慣性体5の取付け部1
6とこの取付け部16に対応するボス部材17の取付け
部23との間に、ダンパ6に応じてシャフト37を跨設
し、このシャフト37を、対応するダンパ6のシリンダ
27に取付けた取付け部材36の貫通孔35に挿通させ
ることによって連結してある。
【0036】前記シャフト37は、一端がボス部材17
の取付け部23に形成した取付け穴37aに圧入固定さ
れることによってフライホイールの略軸方向に設けられ
ており、他端が第2慣性5の取付け部16に形成した取
付け穴37bに対して嵌合されている。
【0037】また、前記取付け部材36の貫通孔35と
シャフト37との間にはブッシュ38が設けられてお
り、取付け部材36のシャフト37周りの回動が可能と
なっている。
【0038】前記ピストンロッド28は、シリンダ27
の他端側に設けたガイド部材39を封止的に貫通して抜
き差し可能に突出している。前記ピストンロッド28の
突出端には貫通孔41を備えた取付け部材42が取付け
られており、この取付け部材42を介して、ピストンロ
ッド28の突出端が第1慣性体2に連繋してある。
【0039】詳しくは、前記第1慣性体2の取付け部と
してのボス部7とこのボス部7に取付けた補助部材8と
の間に、ダンパ6に対応してシャフト43を跨設し、こ
のシャフト43を、対応するダンパ6のピストンロッド
28に取付けた取付け部材42の貫通孔41に挿通させ
ることによって連結してある。
【0040】前記シャフト43は、一端が第1慣性体2
取付け部としてのボス部7に形成した取付け穴43aに
圧入固定されることによってフライホイールの略軸方向
に設けられており、他端が補助部材8に形成した取付け
孔43bに対して嵌合されている。また、前記シャフト
43は、ボス部材17に設けられたシャフト37と互い
に同一方向に延びている。なお、前記補助部材8に形成
した取付け孔43bは、この実施の形態において軸方向
に貫通しているけれども、盲穴状でもよいものである。
【0041】また、前記取付け部材42の貫通孔41と
シャフト43との間にはブッシュ44が設けられてお
り、取付け部材42のシャフト43回りの回動が可能と
なっている。
【0042】前記ピストン29は、略円盤状に形成され
てシリンダ27内に摺動自在に収容され、このシリンダ
27内を軸方向に2つの流体室31,32に区画してい
る。また、前記ピストン29には、上下面に開口して、
2つの流体室31,32間を連通するオリフィス52が
形成してある。なお、前記ピストン29の外周にピスト
ンリングを付属させることは任意に可能である。
【0043】前記オリフィス52は2つの流体室31,
32間の作動流体の流通を制限的に許容しており、この
オリフィス52が2つの流体室31,32間を置換流動
する作動流体に流通抵抗を与えることになり、減衰力発
生手段30を構成している。
【0044】前記シリンダ27内に充填される作動流体
は、液状の作動油であり、この作動流体(作動油)はピ
ストン29によって区画された2つの流体室31,32
の最大容積よりも少ない量だけ充填されている。なお、
前記シリンダ27内の残余の容積には、空気または不活
性ガス等の加圧気体が封入されている。
【0045】また、前記第1慣性体2と第2慣性体5と
を相対回動位置から中立位置に戻すばね部材26は、シ
リンダ27内のピストン29とガイド部材39との間に
配置されている。
【0046】斯かる構成のフライホイールは、次のよう
にして組立てられる。
【0047】即ち、先ず、前記ボス部材17の取付け部
23に形成した取付け穴37aにシャフト37の一端を
圧入固定すると共に、ボス部材17の内周に軸受け19
を組付ける。また、前記ダンパ6の取付け部材36の貫
通孔35内にはブッシュ38を挿入し、取付け部材42
の貫通孔41内にはブッシュ44を挿入する。
【0048】次に、前記第1慣性体2の取付け穴43a
にシャフト43の一端を圧入固定し、このシャフト43
が圧入固定された第1慣性体2に対して、軸受けホルダ
3と共に軸受け19を介してボス部材17を組み付け
る。これによって、前記ボス部材17に設けられたシャ
フト37及び第1慣性体2に設けられたシャフト43
は、それぞれ略軸方向で同一方向に延びていることにな
る。
【0049】次に、前記シャフト37,43にダンパ6
を取付ける。即ち、前記シャフト37に取付け部材36
の貫通孔35を挿通し、シャフト43に取付け部材42
の貫通孔41を挿通する。なお、前記シャフト37,4
3に対する貫通孔35,41の挿通は、略同時に行われ
る。
【0050】次に、前記第1慣性体2に設けたシャフト
43の他端側に、補助部材8に形成した取付け孔43b
を嵌合すると共に、この補助部材8をボルト9によって
第1慣性体2のボス部7に取付ける。これによって、前
記シャフト43はその両端で支持されることになり、強
度向上が図れることになる。
【0051】次に、前記ボス部材17に設けたシャフト
37の他端側に、第2慣性体5の取付け部16に形成し
た取付け穴37bを嵌合すると共に、この第2慣性体5
をボルト18によってボス部材17に取付ける。これに
よって、前記シャフト37はその両端で支持されること
になり、強度向上が図れることになる。
【0052】これによって、前記ダンパ6は第1慣性体
2と第2慣性体5とを連繋し、フライホイールが組立て
られることになる。
【0053】斯かる構成において、前記クランクシャフ
ト1からのトルクは、このクランクシャフト1に連結さ
れた第1慣性体2に入力され、この第1慣性体2からダ
ンパ6を介して、即ち減衰装置25及びばね部材26を
介して第2慣性体5に伝達される。このとき、前記ばね
部材26が吸振作用を発揮すると共に減衰装置25が減
衰作用を発揮し、入力トルクに重畳する振動を吸振及び
減衰する。
【0054】詳しくは、前記ダンパ6は、シリンダ27
がシャフト37を介して第2慣性体5に連結され、ピス
トンロッド28がシャフト43を介して第1慣性体2に
連結されているから、第1慣性体2にトルクが入力さ
れ、第1慣性体2と第2慣性体5とが相対回動の中立位
置から相対回動することによって、ピストンロッド28
はシリンダ27内から抜け出す方向(延び方向)に移動
することになり、逆に相対回動位置から中立位置に戻る
ことによって、ピストンロッド28はシリンダ28内に
侵入する方向(圧縮方向)に移動することになる。
【0055】前記ピストンロッド28が延び方向に移動
することによって、流体室31内の作動流体(作動油)
はオリフィス52を介して流体室32内に置換流動す
る。また、前記ピストンロッド28が圧縮方向に移動す
ることによって、流体室32内の作動流体(作動油)は
オリフィス52を介して流体室31内に置換流動するこ
とになる。
【0056】前記オリフィス52を介して作動流体(作
動油)が2つの流体室31,32間を置換流動すると
き、作動流体(作動油)はこのオリフィス52による流
通抵抗を受けることになる。このため、前記ピストン2
9の両面側に圧力差を生じることになり、この圧力差が
ピストンロッド28の運動への抵抗力となって所定の大
きさの減衰力が得られることになる。
【0057】なお、前記ピストンロッド28が延び方向
に移動したときまたは圧縮方向に移動したときのシリン
ダ27内の体積補償は、シリンダ27内の残余の容積に
封入された加圧気体の膨張または圧縮によって成就され
る。
【0058】また、前記第1慣性体2と第2慣性体5と
が相対回動の中立位置から相対回動するとき、ダンパ6
のそれぞれは、両端側の連繋点を支点として揺動するこ
とになる(図6参照)。
【0059】ここで、前記第1慣性体2と第2慣性体5
とを連繋するダンパ6のそれぞれの両端は、第1慣性体
2に形成した取付け部としてのボス部7と第2慣性体5
に形成した取付け部16とに、シャフト43,37を介
して取付けられている。また、前記第2慣性体5に形成
した取付け部16は、対応する取付け部としてのボス部
7に近づくように突出して形成してある。つまり、前記
第2慣性体5に形成した取付け部16は、第2慣性体5
のボス部15の外周から半径方向外方に突出している。
【0060】このため、前記第1慣性体2と第2慣性体
5とが相対回動の中立位置から相対回動し、ダンパ6の
それぞれが両端側の連繋点を支点として揺動するとき、
フライホイールの内周側に位置するダンパ6の端部が取
付け部16に干渉することが可及的に防止される(図6
参照)。これによって、前記第1慣性体2と第2慣性体
5との相対回動量が可及的に増加することになる。
【0061】したがって、前記第1慣性体2と第2慣性
体5との相対回動量を可及的に増加させることが可能な
フライホイールが得られる。
【0062】加えて、前記取付け部16が第2慣性体5
のボス部15の外周から突出しているから、第2慣性体
5の表面積が増加することになり、第2慣性体5が有利
に冷却される。つまり、前記第2慣性体5には図外のク
ラッチ装置が取付けられ、このクラッチ装置の摩擦板が
クラッチ摺動面24と摩擦摺動することによって第2慣
性体5が発熱する虞があるところ、この発熱に対して、
冷却効果が有利に発揮される。
【0063】また、前記取付け部16はフライホイール
の軸方向に形成されているから、取付け部16の表面積
が更に増加することになり、冷却効果が更に有利に発揮
される。
【0064】また、前記ダンパ6が、第1慣性体2と第
2慣性体5との相対回動に抵抗を与える減衰装置25
と、第1慣性対2と第2慣性体5とを相対回動位置から
中立位置に戻すばね部材26とを備え、減衰装置25が
所謂流体緩衝器によって形成され、ばね部材26がシリ
ンダ27内に配置されているから、減衰力の調節が容易
で、構成が簡単となる。
【0065】図7は本発明の別の実施の形態を示す図面
で、この実施の形態が前記実施の形態と変わるところ
は、前記第2慣性体5に半径方向外方に突出する取付け
部16を形成すると共に、第1慣性体2のボス部7の内
周に取付け部55を形成した点である。
【0066】即ち、前記第1慣性体2の外周側に、第2
慣性体5側に向かって軸方向に延びるボス部7が形成さ
れ、このボス部7の内周に、半径方向内方に突出する取
付け部55が6個形成してある。前記取付け部55には
取付け穴43aが形成してある。また、この実施の形態
においては、前記実施の形態に比較してボス部7の半径
方向の幅を狭くしてある。
【0067】また、この実施の形態の場合に、前記ボス
部7に固定される補助部材8にも、第1慣性体2の取付
け部55に対応して、取付け部が形成される。
【0068】なお、その他の構成については、前記実施
の形態と同様であるから、同一構成部分には同一符号を
付し、その重複する説明を省略する。
【0069】斯かる構成にあっては、前記第1慣性体2
と第2慣性体5とが相対回動の中立位置から相対回動
し、ダンパ6のそれぞれが両端側の連繋点を支点として
揺動するとき、ダンパ6の内周側端部が取付け部16に
干渉することが防止されると共に、ダンパ6の外周側端
部が取付け部55に干渉することが有利に防止される。
これによって、前記第1慣性体2と第2慣性体5との相
対回動量が更に増大することになる。
【0070】したがって、この実施の形態においても、
前記第1慣性体2と第2慣性体5との相対回動量を可及
的に増大させることが可能なフライホイールが得られ
る。
【0071】以上、実施の形態を図面に基づいて説明し
たが、具体的構成はこの実施の形態に限られるものでは
なく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、前記第1慣性体2または第2慣性体5の何れか
一方及びボス部材17へのシャフト43,37の取付け
は、圧入に限らず、ねじによる結合や、キー結合とする
ことが可能である。
【0072】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、第1慣性体と第2慣性体との相対回動量を可及
的に増大させることが可能なフライホイールが得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すフライホイールの一
部を切除して示す部分的な平面図である。
【図2】図1のA−O−A線断面図である。
【図3】図1に示す第2慣性体の一部を切除して示す部
分的な平面図である。
【図4】図1に示すボス部材の平面図である。
【図5】図4のA−O−A線断面図である。
【図6】ダンパが揺動する状態を説明する図面である。
【図7】本発明の別の実施の形態を示す図面で、第1慣
性体及びボス部材の一部を切除して示す部分的な平面図
である。
【符号の説明】
2 第1慣性体 5 第2慣性体 6 ダンパ 7 ボス部(取付け部) 16 取付け部 17 ボス部材 25 減衰装置 26 ばね部材 27 シリンダ 28 ピストンロッド 29 ピストン 30 減衰力発生手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1慣性体とこの第2慣性体に対して相
    対回動可能な第2慣性体との間が、円周方向に複数個配
    置されたダンパによって連繋されてなるフライホイール
    において、前記ダンパのそれぞれの両端部が、第1慣性
    体に形成した取付け部及び第2慣性体に形成した取付け
    部にそれぞれ連繋されてなり、前記第1慣性体に形成し
    た取付け部及び第2慣性体に形成した取付け部の一方ま
    たは両方が、対応する取付け部が互いに近づくように突
    出して形成されてなることを特徴とする、フライホイー
    ル。
  2. 【請求項2】 前記取付け部はフライホイールの軸方向
    に突出して形成されてなることを特徴とする、請求項1
    記載のフライホイール。
  3. 【請求項3】 前記ダンパが、第1慣性体と第2慣性体
    との相対回動に抵抗を与える減衰装置と、第1慣性体と
    第2慣性体とを相対回動位置から中立位置に戻すばね部
    材とを備え、前記減衰装置が、一方の取付け部に連携さ
    れ、作動流体が充填された一端封止のシリンダと、この
    シリンダの他端側を封止的に貫通して抜き差し可能に突
    出し、他方の取付け部に連繋されるピストンロッドと、
    このピストンロッドに連繋されてシリンダ内を2つの流
    体室に区画して摺動自在なピストンと、このピストンに
    付属して設けられた減衰力発生手段とを備えてなり、前
    記ばね部材がシリンダ内に配置されてなることを特徴と
    する、請求項1記載のフライホイール。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010539396A (ja) * 2007-09-10 2010-12-16 マグナ パワートレイン アクツィエンゲゼルシャフト ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト デュアルマスフライホイール
JP2011522176A (ja) * 2008-05-30 2011-07-28 アストゥリア・オートモーティヴ・システムズ・アーゲー ねじり振動ダンパー

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