WO2000043795A1 - Detecteur de courant - Google Patents

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Description

明 細 書 電流センサ装置 技術分野
本発明は、 比較的大きな電流を非接触で測定するための電流センサ装置に関す る。 背景技術
磁気センサ装置およびそれを利用した非接触型の電流センサ装置は、 産業上有 用なため古くから多くの方式のものが開発されている。 しかし、 その利用分野は 特殊であり、 これまであまり大きな市場ではなかった。 従って、 コスト面での開 発は十分になされていないのが現状である。
ところが、 最近、 環境問題に端を発した廃ガス規制により、 電気自動車や太陽 光発電の開発が盛んに行われている。 電気自動車や太陽光発電では、 数 k W〜数 1 0 k Wの直流電力を扱うため、 数 1 0〜数 1 0 0 Aの直流電流を測定する非接 触型の電流センサ装置が不可欠となっている。 このような電流センサ装置は需要 量が膨大なため、 特性もさることながら、 極めて安価でなくては、 電気自動車や 太陽光発電そのものの普及を妨げることになる。 また、 電気自動車のような過酷 な環境で使用される電流センサ装置では、 1 0年以上の長期にわたる信頼性が求 められる。 このように、 電流センサ装置には、 特性が良く、 安価で、 長期にわた つて信頼性が高いことが、 社会的に要請されている。
電流を非接触で測定する場合、 交流成分はトランスの原理で簡単に測定するこ とができる。 しかし、 直流成分は、 この方法では測定できないので、 電流の発生 する磁界を磁気センサで測定する方法が採られる。 このための磁気センサとして は、 ホール素子が多く用いられ、 磁気抵抗効果素子やフラックスゲート素子の利 用例もある。
従来技術で最も開発が進んでいるホール素子を用いた電流センサ装置では、 例 えば、 以下のような問題点があった。 ( 1 ) 感度が低いこと。
( 2 ) 感度ばらつきが大きいこと。
( 3 ) 温度特性が悪いこと。
( 4 ) オフセット電圧の処理が厄介なこと。
磁気抵抗効果素子では、 上記問題点に加え、 リニアリティが悪いという問題点 がある。
日本特開平 7— 2 1 8 5 5 2号公報には、 ホール素子を用いた電流センサ装置 において、 環状のコア部材の切離し端に、 異なるギャップ長の 2つのギャップを 形成し、 各ギャップ中にそれぞれホール素子を設けることによって、 電流の測定 範囲を拡大する技術が示されている。
また、 日本特開平 1 0— 2 6 6 3 9号公報には、 磁気抵抗効果素子を用いた電 流センサ装置の例が示されている。
ホール素子の問題点に関しては、 いくつかの解決手段が開発されてはきた。 そ れら手段の一つとして、例えば、素子出力に比例した磁界を反転して素子に加え、 素子出力が常に一定になるように負帰還をかけることにより、 感度ばらつき、 温 度特性、 リニアリティを改善する方法、 いわゆる負帰還法がある。
しかしながら、 負帰還法を用いる場合には、 被検出磁界と同じ大きさの逆磁界 を素子に加える必要がある。そのため、電気自動車や太陽光発電の用途のように、 数 1 0 0アンペアもの電流を検出する場合には、 帰還磁界発生コイルの巻数を 1 0 0ターンとしても帰還電流は数アンペアとなる。 従って、 実際にこの方法で電 流センサ装置を構成したとすると、 きわめて大型で高価なものとなってしまう。 磁気センサ素子が高感度であれば被検出磁界の一部だけ (例えば 1 Z 1 0 0 ) を素子に加え、 帰還電流を減少させることも考えられるが、 磁気センサ素子とし てのホール素子は、 感度が低いため、 これは困難である。
フラックスゲート素子は、 主に微小磁界検出用に開発されており、 大電流検出 のための技術開発があまりなされていない。 しかし、 フラックスゲート素子は簡 単な構成で高感度であるという特徴があり、 工夫次第では大電流用電流センサ装 置の磁気検出部として有効である。
ここで、 第 1 7図を用いて、 最も簡単なフラックスゲート素子の動作原理を説 明する。 第 1 7図は、 磁芯に巻かれたコイルのインダク夕ンスとコイル電流との 関係を示す特性図である。 磁芯は磁気飽和特性を有するため、 コイル電流が増大 すると、 磁芯の実効透磁率が低下し、 コイルのインダク夕ンスは減少する。 従つ て、 マグネット等で磁芯にバイアス磁界 Bをかけておけば、 外部磁界 H。 がバイ ァス磁界に重畳された場合、 外部磁界 H。 の大きさは、 コイルのインダクタンス の変化として測定することができる。 これが最も簡単なフラックスゲ一ト素子の 動作原理である。 なお、 第 1 7図では、 バイアス磁界 Bおよび外部磁界 H。 は、 共に、 コイル電流に換算した大きさで表している。
しかし、 この方法ではマグネットの発生する磁界の強さや、 マグネットと磁芯 との位置関係等でバイアス点 Bの位置が変わるため、 外部磁界がゼロのときのィ ンダクタンス値を一定値に調整しておく必要がある。 ところが、 この値の温度変 化や他の外乱に対しての不安定性の補償は極めて困難である。 そのため、 上記の 方法は、 実用には適していない。
ところで、 棒状磁芯では開磁路となるためヒステリシスの影響は通常かなり小 さい。 そこで、 磁芯のヒステリシスを無視すれば、 磁芯の飽和特性はコイル電流 の向きによらないので、 コイル電流を正の向きにしたときと、 負の向きにしたと きとのィンダクタンスの変化特性は同一である。例えば、第 1 7図における P +点 と P—点は、 互いに絶対値の等しい正の向きのコイル電流と負の向きのコイル電 流を表すものとする。 これらの点の近傍において、 コイル電流の絶対値の変化に 対するインダクタンスの変化特性は同一である。 従って、 コイルに、 ピーク時に は磁芯が飽和領域に入るような交流電流を印加し、 電流の正負の各ピーク値での インダクタンスの減少分の差を測定すれば、 外部磁界がゼロのときには、 この差 は常にゼロである。 そして、 これは、 温度変化や外乱によって磁芯の特性が変化 しても変わらない。 なお、 本出願において、 磁芯の飽和領域とは、 磁界の絶対値 が、 磁芯の透磁率が最大透磁率となるときの磁界の絶対値よりも大きい領域を言 う。
一方、 磁芯に外部磁界が印加された場合、 例えば、 第 1 7図に示したように、 外部磁界 H。 が電流の正の向きに印加されたとすると、 電流の正のピーク (例え ば第 1 7図における Q +点) ではインダクタンス値は減少し、 負のピーク (例え ば第 1 7図における Q—点) ではインダクタンス値は増加するから、 その差がゼ 口以外の値を持つ。 このインダク夕ンス値の差は外部磁界に依存するので、 この ィンダクタンス値の差を測定することによって、 外部磁界を測定することができ る。
このように、 コイルに、 ピーク時には磁芯が飽和領域に入るような交流電流を 印加し、 電流の正負の各ピーク値でのィンダクタンスの減少分の差を測定する方 法を、 本出願において、 大振幅励振法と言う。
このような大振幅励振法を用いた磁気センサ装置は、 例えば、 日本特公昭 6 2 一 5 5 1 1 1号公報や、 日本特公昭 6 3— 5 2 7 1 2号公報、 日本特開平 9一 6 1 5 0 6号公報に示されている。 また、 日本実公平 7— 2 3 7 5 1号公報には、 2つのバイアス用マグネットを用いることにより、 大振幅励振法と同様の測定を 可能にした技術が示されている。
大振幅励振法は、 温度変化や外乱の影響を除去できるので、 非常に優れたもの である。 しかし、 磁芯を飽和させるに足る交流電流をコイルに与えることはそれ ほど簡単ではない。 そのため、 従来は、 飽和磁界の小さなアモルファス磁芯等を 用いた小磁界検出用の磁気センサ装置に用途が限られていた。
ところで、 直流電流を非接触で検出するには、 一般に、 電流の作る磁界を磁気 センサ素子で検出する方法が採られる。 この方法では、 例えば、 電流経路の周り に、 空隙をもつ磁気ヨークを設け、 空隙中に磁気センサ素子を設置し、 この磁気 センサ素子によって空隙での磁界を測定する。 電流値を I、 空隙の長さを gとす ると、 空隙中での磁界の強さ Hは、 H = l Z gである。 よって、 磁界 Hを磁気セ ンサ素子で測定することによって、 電流値 I を求めることができる。
ここで、 磁気センサ素子として、 フラックスゲート素子を用いる場合について 考える。 フラックスゲート素子には、 磁界印加方向の長さが比較的長いという特 徴がある。 従って、 空隙長さ gは比較的長くなる。 実際に、 フラックスゲート素 子の磁界印加方向の長さは、 短いものでも 1〜 5 m m程度である。 また、 フラッ クスゲート素子は高感度であるから、 あまり大きな磁界を必要としないため、 空 隙長さは長くてもよい。 つまり、 フラックスゲート素子を用いた電流センサ装置 では、 磁気ヨークの空隙長さは、 ホール素子等、 他の磁気センサ素子を用いる場 合に比べて長くなる。 実際に設計してみると、 1 0 0 A級の電流センサ装置で空 隙長さは 5〜: I 0 m mとなる。
このことは、 磁気ヨークに囲まれた電流経路の位置が空隙に近いとき、 電流経 路より発生し、 磁気ヨークを通らない磁束による磁界によって、 空隙内の磁界が 変動することを示している。 電流経路から半径 rの位置での磁界は、 Iノ 2 ;c r であるから、 rく g / 2 πとなる場合には、 磁気ヨークを通る磁束による磁界よ りも、 磁気ヨークを通らない磁束による磁界の方が大きくなつてしまう。 このよ うに、 ホール素子の場合のように空隙長さ gが 1〜 2 mmのときは問題とならな い電流経路の位置の変動が、 フラックスゲート素子の場合には大きな測定誤差要 因となることが分かる。
上述の問題を避ける方法としては、 電流経路を固定するという方法と、 大きな 磁気ヨークを用い、電流経路と空隙の距離を大きくするという方法が考えられる。 しかしながら、 電流経路を固定する方法は、 磁気ヨークの内側の孔に電線を貫通 させるだけで電流の測定ができるという使用上の簡便さを失わせることとなると いう問題点がある。 また、 大きな磁気ヨークを使用するという方法は、 電流セン サ装置の大型化と重量の増加をまねくという問題点がある。
従来は、 フラックスゲート素子を用いた電流センサ装置はあまり検討されてこ なかったため、 電流経路の位置の変動によって発生する測定誤差の軽減方法に関 しては、 先例が見当たらない。 しかし、 フラックスゲート素子を用いた電流セン サ装置は、他の磁気センサ素子を用いたものより信頼性等で優れた点が多いので、 唯一の欠点と思われる電流経路の位置の変動による誤差を軽減することは、 産業 上非常に有意義である。
なお、 日本特開平 5— 9 9 9 5 3号公報には、 磁気ヨークの外側を通る電線に よる検出電流値の誤差を小さくするための技術が示されているが、 磁気ヨークの 内側の孔を通過する電線の位置変動による誤差は考慮されていない。 また、 日本 特開平 8— 1 5 3 2 2号公報には、 被測定導体から発生する磁界やその他の外部 磁界による磁気検出素子に対する磁気的な影響を少なくする技術が示されている, この技術では、 磁気コアを、 帰還巻線が施されていない環状型コア部と、 この環 状型コア部が有する空隙部のもれ磁束を検知する、 帰還巻線が施された H型コア 部とに分割し、 H型コア部を、 その近傍に配置される磁気検出素子と共に磁気シ —ルド部材によって覆うようにしている。 しかしながら、 この技術では、 構成が 複雑になると共に、 電流センサ装置が大型化してしまうという問題点がある。 ところで、 大振幅励振法は、 温度変化や外乱の影響を除去できるので、 非常に 優れたものであり、 特に負帰還法と組み合わせた場合には、 原理的には優れた特 性が期待される。 なお、 日本特開昭 6 0— 1 8 5 1 7 9号公報、 日本特開平 9— 2 5 7 8 3 5号公報には、 フラックスゲート素子を用いた磁気センサ装置におい て負帰還法を採用した例が記載されている。
しかし、 フラックスゲート素子を用いたフラックスゲ一ト電流センサ装置は、 その測定原理に起因して、 以下のような弱点を内包している。 それは、 フラック スゲ一卜電流センサ装置は、 サンプリング系であることから、 測定の周波数帯域 が制限されるということである。 すなわち、 フラックスゲート電流センサ装置で は、 被測定電流の変動に対して応答可能な周波数帯域である応答周波数帯域は、 応答の限界周波数であるナイキスト周波数により、 フラックスゲ一ト素子のコィ ルに印加する交流電流すなわち励振電流の周波数である励振周波数を超えること ができない。 なお、 フラックスゲート電流センサ装置では、 励振電流の 1サイク ルに対し、 正負の 2点でサンプリングするため、 サンプリング周波数は励振周波 数の 2倍となる。 ナイキスト周波数は、 サンプリング周波数の 1ノ 2である。 しかも、フラックスゲート電流センサ装置で負帰還法を採用する場合において、 十分大きなループゲインを持つ負帰還系を広帯域化することは、 発振対策等を十 分考慮する必要があることから、 それほど簡単ではない。
このように、 従来のフラックスゲート電流センサ装置では、 応答周波数帯域が 通常の用途では十分広帯域であるが、 応答周波数帯域のさらなる広帯域化が困難 であるという問題点があった。
これに対し、 フラックスゲート電流センサ装置に限らないが、 電流センサ装置 において応答周波数帯域の広帯域化を可能とする技術として、 例えば日本特開平 1 - 2 6 5 1 6 8号公報や日本特開平 4— 9 3 7 7 2号公報に示されるような方 法が知られている。 この方法は、 被測定電流が通過する電流経路に対して交流磁 気結合されたコイルによって、 被測定電流のうちの高周波成分を検出し、 一方、 被測定電流のうちの直流を含む低周波成分を磁気センサ素子で検出し、 これらの 2つの検出信号を合成する方法である。 本出願において、 この方法を交流結合法 と言う。
しかしながら、 交流結合法を用いた従来の電流センサ装置では、 上記各公報に 示されるように、 磁気ヨーク自体に高周波成分検出コイルを設けている。 また、 負帰還法を用いる場合には、 多くの場合、 高周波成分検出コイルが帰還磁界発生 コイルを兼ねる。 そのため、 交流結合法を用いた従来の電流センサ装置では、 磁 気ヨークに対するコイルの巻線加工が難しかったり、 コイルの巻数が多く電流セ ンサ装置が大型になったりして、 電流センサ装置の製造コス卜が増大するという 問題点があった。
さらに、 交流結合法を用いた従来の電流センサ装置では、 次のような本質的な 問題点があった。 従来の交流結合法を用いた技術は、 主として、 磁気センサ素子 としてホール素子を用いた電流センサ装置に対して開発されている。 ホール素子 を用いた電流センサ装置では、 磁気ヨークの空隙は小さくて済む。 しかし、 磁気 センサ素子としてフラックスゲート素子を用いた電流センサ装置では、 ホール素 子を用いる場合に比べて、 磁気ヨークの空隙が大きくなる。 そのため、 フラック スゲート素子を用いた電流センサ装置では、 以下で述べる理由から、 高周波成分 検出コィルが大型化したり、 高価格になったりするという問題点が発生する。 磁気ヨークに巻かれた高周波成分検出コイルのィンダク夕ンス Lは、 磁気ョー クの A L値 (コイル 1ターンあたりのインダク夕ンス値) を Kとし、 コイルの巻 数を Nとすると、 L = K ' N 2 と表される。
ここで、 磁気ヨークとして断面積 5 X 5 m m程度の高透磁率フェライ ト材を用 いる場合を考える。 磁気ヨークの空隙の長さを、 ホール素子を用いた電流センサ 装置における代表的な長さである 1 mmとすると、 磁気ヨークの A L値 Kは、 1 H Z T程度である。 一方、 磁気ヨークの空隙の長さを、 フラックスゲート素子 を用いた電流センサ装置における代表的な長さである 1 0 mmとすると、 磁気ョ 一夕の A L値 Kは、 0 . l ^ H Z T程度となり、 ホール素子を用いる場合の 1 Z 1 0となる。
高周波成分検出コイルの直流抵抗を rとすると、このコイルの遮断周波数 f は、 f = r / 2 ;r K * N 2 である。 従って、 フラックスゲ一卜素子を用いる場合には、 同一の遮断周波数を得ようとすると、 ホール素子を用いる場合に比べて、 例えば 断面積が約 3倍の導線を用い、卷数を約 3倍としたコイルにしなければならない。 このように、 フラックスゲ一ト素子を用いた電流センサ装置に従来の交流結合 法をそのまま適用すると、 高周波成分検出コイルの大型化と高価格化をまねく。 また、 従来の交流結合法を用いた技術では、 サンプリング系特有の問題である 高周波成分検出コイルの遮断周波数と励振周波数に対する配慮がなされていない 従って、 フラックスゲ一ト素子を用いた電流センサ装置に従来の交流結合法をそ のまま適用すると、 被測定電流の変動成分の周波数と励振周波数とによるビート が発生するおそれがある。 発明の開示
本発明の第 1の目的は、 使用上の簡便さを失わせず、 且つ電流センサ装置の大 型化や重量の増加をまねかずに、 磁気ヨークの内側の孔を貫通する電流経路の位 置の変動に起因して発生する測定誤差を軽減できるようにした電流センサ装置を 提供することにある。
本発明の第 2の目的は、 被測定電流の変動成分の周波数と励振周波数とによる ビートの発生や、 装置の製造の困難化や大型化を抑えながら、 応答周波数帯域の 広帯域化を可能にした電流センサ装置を提供することにある。
本発明の第 1の電流センサ装置は、
電流経路を囲うように配置され、 一部に空隙部を有し、 前記電流経路を流れる 電流によって発生する磁束を通過させる環状の磁気ヨークと、
前記磁気ヨークの前記空隙部内に配置され、 前記電流経路を流れる電流によつ て発生する前記空隙部内における磁界を検出する磁気センサ素子と
を備え、
前記磁気ヨークを通過する磁束の磁路は、主として前記磁気センサ素子を通り、 前記磁気ヨークを通過する磁束の一部が通過する第 1の磁路と、 前記磁気ヨーク を通過する磁束の他の一部が通過する第 2の磁路とを含むものである。
本発明の第 1の電流センサ装置では、 磁気センサ素子によって、 第 1の磁路を 通過する磁束に基づいて、 電流経路を流れる電流によって発生する空隙部内にお ける磁界が検出される。 第 2の磁路は、 磁気センサ素子による磁界検出以外の他 の機能のために使用可能である。
本発明の第 1の電流センサ装置は、 更に、 前記電流経路と前記空隙部との間に 配置され、 前記磁気センサ素子に対して、 前記電流経路を流れる電流によって発 生し前記磁気ヨークを通らない磁束による磁界を遮断する磁界遮断部を備え、 前 記第 2の磁路は、 前記磁界遮断部によって形成されるようにしてもよい。 この電 流センサ装置では、 電流経路を流れる電流によって発生し磁気ヨークを通らない 磁束による磁界は、 磁界遮断部によって、 磁気センサ素子に対して遮断される。 磁界遮断部を備えた本発明の第 1の電流センサ装置において、 磁界遮断部は、 磁気ヨークに対して分離されていてもよいし、 磁気ヨークと一体化されていても よい。 また、 磁界遮断部は、 一部に空隙部を有していてもよい。 また、 磁界遮断 部の空隙部の中心の位匱は、 電流経路の中心と磁気ヨークの空隙部の中心とを結 ぶ直線から外れた位置に配置されていてもよい。 また、 磁界遮断部は、 例えば磁 性体によって形成されていてもよい。 磁気センサ素子は、 例えばフラックスゲー ト磁気センサ素子であってもよい。
本発明の第 1の電流センサ装置は、 更に、 前記電流経路を流れる電流の高周波 成分を検出する高周波成分検出コイルを備え、 前記高周波成分検出コイルは前記 第 2の磁路に配置されていてもよい。
この電流センサ装置では、 磁気センサ素子によって、 電流経路を流れる電流に よって発生する空隙部内における磁界が検出され、 高周波成分検出コイルによつ て、 電流経路を流れる電流の高周波成分が検出される。 また、 この電流センサ装 置では、 磁気センサ素子と高周波成分検出コイルは、 それぞれ異なる磁路に配置 されているので、 磁気センサ素子と高周波成分検出コイルに対して、 遮断周波数 の設定等を独自に行うことが可能となる。
高周波成分検出コイルを備えた本発明の第 1の電流センサ装置は、 更に、 第 1 の磁路に配置され、 第 1の磁路を通過する磁束における所定の遮断周波数を越え る周波数成分を減衰させる減衰手段を備えていてもよい。
また、高周波成分検出コイルを備えた本発明の第 1の電流センサ装置において、 磁気センサ素子は、 例えば、 第 1の磁路に配置された磁芯と、 磁芯に巻回された、 第 1の磁路を通過する磁束による磁界を検出するためのセンサコイルとを有して いてもよい。 この場合、 電流センサ装置は、 更に、 磁芯が飽和領域に達するよう な交流の励振電流をセンサコイルに供給してセンサコイルを駆動する駆動手段と, センサコイルのインダクタンスの変化を検出することにより、 電流経路を流れる 電流を測定する測定手段とを備えていてもよい。 なお、 本出願において、 磁芯と は、 磁気飽和特性を有する磁性体からなり、 コイルが巻回される芯を言う。 また、 センサコイルを駆動するとは、 センサコイルに交流電流を供給することを言う。 上記駆動手段と測定手段を備えた電流センサ装置は、 更に、 第 1の磁路に配置 され、 第 1の磁路を通過する磁束における所定の遮断周波数を越える周波数成分 を減衰させる減衰手段を備え、 遮断周波数は、 励振電流の周波数から定まるナイ キスト周波数以下の周波数であるように構成されていてもよい。 また、 駆動手段 と測定手段を備えた電流センサ装置において、 駆動手段は、 センサコイルを一部 に含む直列共振回路を有し、 励振電流として、 直列共振回路に流れる共振電流を センサコイルに供給するものであってもよい。 また、 駆動手段と測定手段を備え た電流センサ装置は、 更に、 センサコイルに、 直流を含めた、 励振電流の周波数 以外の周波数の電流を供給する電流供給手段を備えていてもよい。 この場合、 電 流供給手段は、 測定手段の出力をセンサコイルに負帰還するための負帰還電流を センサコイルに供給するものであってもよい。 また、 高周波成分検出コイルは、 負帰還電流をセンサコイルに供給するための経路を形成するものであってもよい t また、 駆動手段と測定手段を備えた電流センサ装置において、 測定手段は、 セ ンサコイルに対して直列に接続されたインダク夕ンス素子と、 このインダクタン ス素子の両端に発生する電圧を微分して、 電流経路を流れる電流に応じた信号を 出力する微分回路とを有していてもよい。
また、高周波成分検出コイルを備えた本発明の第 1の電流センサ装置において、 第 2の磁路は空隙を含んでいてもよい。
また、高周波成分検出コイルを備えた本発明の第 1の電流センサ装置において、 第 2の磁路は、電流経路と第 1の磁路との間に配置されていてもよい。 この場合、 電流センサ装置は、 更に、 第 2の磁路に配置され、 磁気センサ素子に対して、 電 流経路を流れる電流によって発生し磁気ヨークを通らない磁束による磁界を遮断 する、 磁性体からなる磁界遮断部材を備え、 高周波成分検出コイルは、 磁界遮断 部材に巻回されていてもよい。
本実施の形態の第 2の電流センサ装置は、
電流経路を囲うように配置され、 一部に空隙部を有し、 前記電流経路を流れる 電流によって発生する磁束を通過させる環状の磁気ヨークと、
前記磁気ヨークの前記空隙部内に配置され、 前記電流経路を流れる電流によつ て発生する前記空隙部内における磁界を検出する磁気センサ素子と、
前記電流経路と前記空隙部との間に配置され、 前記磁気センサ素子に対して、 前記電流経路を流れる電流によって発生し前記磁気ヨークを通らない磁束による 磁界を遮断する磁界遮断部と
を備えたものである。
本実施の形態の第 2の電流センサ装置では、 電流経路を流れる電流によって発 生し磁気ヨークを通らない磁束による磁界は、 磁界遮断部によって、 磁気センサ 素子に対して遮断される。
本発明の第 2の電流センサ装置において、 磁界遮断部は、 磁気ヨークに対して 分離されていてもよいし、 磁気ヨークと一体化されていてもよい。 また、 磁界遮 断部は、 一部に空隙部を有していてもよい。 また、 磁界遮断部の空隙部の中心の 位置は、 電流経路の中心と磁気ヨークの空隙部の中心とを結ぶ直線から外れた位 置に配置されていてもよい。 また、 磁界遮断部は、 例えば磁性体によって形成さ れていてもよい。 磁気センサ素子は、 例えばフラックスゲート磁気センサ素子で あってもよい。
本発明のその他の目的、 特徴および利益は、 以下の説明を以つて十分明白にな るであろう。 図面の簡単な説明
第 1図は、 本発明の第 1の実施の形態に係る電流センサ装置の断面図である。 第 2図は、 第 1図に示した電流センサ装置の斜視図である。
第 3図は、 第 1図に示した電流センサ装置の等価回路を示す回路図である。 第 4図は、 本発明の第 1の実施の形態の効果を確認するためのコンピュータシ ミュレ一ションの設定条件について説明するための説明図である。
第 5図は、 本発明の第 1の実施の形態の効果を確認するためのコンピュータシ ミュレ一ションの結果を示す特性図である。
第 6図は、 本発明の第 1の実施の形態の効果を確認するためのコンピュータシ ミュレ一ションの結果を示す特性図である。
第 7図は、 本発明の第 2の実施の形態に係る電流センサ装置の断面図である。 第 8図は、 本発明の第 3の実施の形態に係る電流センサ装置の構成を示す回路 図である。
第 9図は、 本発明の第 4の実施の形態に係る電流センサ装置の構成を示す説明 図である。
第 1 0図は、 第 9図に示した電流センサ装置の要部を示す断面図である。
第 1 1図は、 第 9図に示した電流センサ装置の要部の等価回路を示す回路図で ある。
第 1 2図は、 本発明の第 5の実施の形態に係る電流センサ装置の要部を示す断 面図である。
第 1 3図は、 本発明の第 6の実施の形態に係る電流センサ装置の要部を示す断 面図である。
第 1 4図は、 本発明の第 7の実施の形態に係る電流センサ装置の構成を示す回 路図である。
第 1 5図は、 本発明の第 8の実施の形態に係る電流センサ装置の構成を、 磁気 ヨークを含めて示す回路図である。
第 1 6図は、 本発明の第 8の実施の形態に係る電流センサ装置の構成を、 磁気 ヨークを除いて示す回路図である。
第 1 7図は、フラックスゲート素子の動作原理を説明するための説明図である。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第 1の実施の形態] 第 1図は、 本発明の第 1の実施の形態に係る電流センサ装置の断面図、 第 2図 は、 第 1図に示した電流センサ装置の斜視図である。 本実施の形態に係る電流セ ンサ装置は、 電流経路 1を囲うように配置され、 一部に空隙部 3を有する環状の 磁気ヨーク 2と、 この磁気ヨーク 2の空隙部 3内に配置され、 電流経路 1を流れ る電流を測定するために、 電流経路 1を流れる電流によって発生する空隙部 3内 における磁界を検出する磁気センサ素子 4と、 電流経路 1と空隙部 3との間に配 置され、 磁気センサ素子 4に対して、 電流経路 1を流れる電流によって発生し磁 気ヨーク 2を通らない磁束による磁界を遮断するための磁界遮断部 5とを備えて いる。
本実施の形態では、 磁気ヨーク 2は、 角を丸めた矩形の環状に形成されている が、 これに限られるわけではない。 磁界遮断部 5は、 板状に形成されている。 ま た、 磁界遮断部 5は、 その両端部が磁気ヨーク 2の内周面に対して所定の間隔を 空けて対向し、 磁気ヨーク 2に対して分離されている。 磁気ヨーク 2と磁界遮断 部 5は、 共に磁性体によって形成されている。 また、 磁気センサ素子 4は、 例え ばフラックスゲート磁気センサ素子であるが、 これに限られるわけではない。 次に、 本実施の形態に係る電流センサ装置の作用について説明する。 この電流 センサ装置では、 電流経路 1を流れる電流によって、 磁気ヨーク 2を通る磁束が 発生し、 この磁束による空隙部 3内における磁界が磁気センサ素子 4によって検 出される。 そして、 この磁気センサ素子 4の出力によって、 電流経路 1を流れる 電流の値が求められる。
また、 電流経路 1を流れる電流によって発生し磁気ヨーク 2を通らない磁束に よる磁界は、 磁界遮断部 5によって、 磁気センサ素子 4に対して遮断される。 こ れにより、 磁気ヨーク 2の内側の孔を貫通する電流経路 1の位置の変動に起因し て発生する測定誤差が軽減される。
次に、 磁界遮断部 5の作用について詳しく説明する。 第 1図に示したように、 磁気ヨーク 2を通過する磁束の磁路は、 主として空隙部 3および磁気センサ素子 4を通り、 磁気ヨーク 2を通過する磁束の一部が通過する第 1の磁路と、 主とし て磁界遮断部 5を通り、 磁気ヨーク 2を通過する磁束の他の一部が通過する第 2 の磁路とを含む。 いま、 第 1図に示したように、 第 1の磁路の磁気抵抗、 すなわ ち磁気ヨーク 2を通る磁束のうちの空隙部 3を通る磁束に対する磁気抵抗を R g とし、 第 2の磁路の磁気抵抗、 すなわち磁気ヨーク 2を通る磁束のうちの磁界遮 断部 5を通る磁束に対する磁気抵抗を R sとし、 磁気ヨーク 2のうち、 空隙部 3 を通る磁束と磁界遮断部 5を通る磁束とを合わせた磁束が通る部分の磁気抵抗を R。 とする。
また、 電流経路 1を流れる電流による起磁力を Fとすると、 第 1図に示した電 流センサ装置の等価回路は、 第 3図に示したようになる。 この等価回路は、 起磁 力 Fの発生源に対して、 磁気抵抗 R gと磁気抵抗 R sの並列回路と、 磁気抵抗 R 。 とが直列に接続された回路になっている。
ここで、 被測定電流を I (A) とすると、 起磁力 Fは、 F= I (A/m) で表 される。 このとき、 磁気センサ素子 4が設置される空隙部 3に印加される起磁力 F gは、 次の式で表される。
F g = F · (R g//R s /R g//R s + R0)
ただし、 R g〃R sは、 磁気抵抗 R gと磁気抵抗 R sの並列回路の磁気抵抗で あり、 R g//R s =R g · R s / (R g + R s ) である。
ここで、 磁気ヨーク 2のうち、 空隙部 3を通る磁束と磁界遮断部 5を通る磁束 とを合わせた磁束が通る部分の磁気抵抗 R。 が十分小さく、 R„ 《R g〃R sと すると、 F g = Fとなり、 磁気センサ素子 4が設置される空隙部 3に印加される 起磁力 F gは、 磁気抵抗 R sに無関係となることが分かる。 つまり、 電流経路 1 と空隙部 3との間に設置された磁界遮断部 5は、 その磁路の磁気抵抗が磁気ョー ク 2の磁気抵抗より十分大きければ、 磁気センサ素子 4が設置される空隙部 3に 印加される起磁力、 すなわち磁気センサ素子 4に印加される磁界に影響を与えな レ 。 このことは、電流経路 1と空隙部 3の間に設置された磁界遮断部 5によって、 磁気ヨーク 2を通る磁束によって磁気センサ素子 4に印加される磁界に影響を与 えることなく、 磁気ヨーク 2を通らずに電流経路 1から直接磁気センサ素子 4へ 印加される磁界を遮断することができることを示している。
ここで、 第 4図ないし第 6図を参照して、 磁界遮断部 5による効果を確認する ために行ったコンピュータシミュレーションの結果について説明する。 まず、 第 4図を参照して、 コンピュータシミュレ一ションの設定条件について説明する。 このコンピュータシミュレーションの設定条件では、 磁気ヨーク 2の空隙部 3内 に磁気センサ素子 4が配置され、 図示しないが、 磁気ヨーク 2の内側の空間に電 流経路が配置されている。 また、 磁気センサ素子 4と電流経路との間に磁界遮断 部 5が配置されている。 磁気ヨーク 2の内側の空間は、 図における左右方向の長 さが 2 0 mm、 上下方向の長さが 1 2 . 5 mmである断面が矩形の空間になって いる。 また、 磁気ヨーク 2の内側の空間内の位置は、 左右方向の中央で且つ空隙 部 3から上方向に 7 . 5 mm離れた位置を原点 0とし、 図における左右方向を x 方向とし、 上下方向を y方向として、 X座標および y座標で表す。 X座標では、 原点 0より右側を正、 左側を負とする。 y座標では、 原点 0より上側を正、 下側 を負とする。 また、 空隙部 3の長さは 1 5 mmであり、 磁界遮断部 5の長さは 1 0 mmである。
第 5図および第 6図は、 シミュレーションの結果を示す特性図である。 第 5図 は、 電流経路の位置が原点 0にあるときを基準として、 電流経路の位置の X座標 のみを変化させた場合における磁気センサ素子 4の中心位置での磁束密度の変動 の割合をパーセントで表している。 第 6図は、 電流経路の位置が原点 0にあると きを基準として、 電流経路の位置の y座標のみを変化させた場合における磁気セ ンサ素子 4の中心位置での磁束密度の変動の割合をパ一セン卜で表している。 な お、 磁気センサ素子 4はドラム型磁芯を有するものとし、 磁気センサ素子 4の中 心位置での磁束密度は、 磁芯の中央部分における磁束密度としている。 第 5図お よび第 6図において、 実線は磁界遮断部 5がない場合を表し、 破線は磁界遮断部 5がある場合を表している。 これらの図から、 磁界遮断部 5がない場合に比べて 磁界遮断部 5がある場合の方が、 電流経路の位置の変動に起因する磁束密度の変 動が小さくなり、 その結果、 測定誤差が小さくなることがわかる。
以上説明したように、 本実施の形態に係る電流センサ装置によれば、 磁気ョ一 ク 2の内側の孔に電線を貫通させるだけで電流の測定ができるという使用上の簡 便さを失わせず、 且つ電流センサ装置の大型化や重量の増加をまねかずに、 磁気 ヨーク 2の内側の孔を貫通する電流経路 1の位置の変動に起因して発生する測定 誤差を軽減することができる。
また、 本実施の形態において、 磁気センサ素子 4をフラックスゲート磁気セン サ素子とした場合には、 特に、 電流経路 1の位置の変動に起因して発生する測定 誤差を軽減する効果が顕著になり、 優れた電流センサ装置を実現することができ る。
[第 2の実施の形態]
第 7図は、 本発明の第 2の実施の形態に係る電流センサ装置の断面図である。 本実施の形態に係る電流センサ装置では、 第 1図に示した電流センサ装置におけ る磁界遮断部 5の代わりに、 磁界遮断部 1 0を設けている。 この磁界遮断部 1 0 は、 磁気ヨーク 2と一体化され、 磁気ヨーク 2と同じ磁性体によって形成されて いる。 磁界遮断部 1 0は、 板状をなし、 その両端部が磁気ヨーク 2の内周部に連 結されている。 また、 磁界遮断部 1 0は、 一部に空隙部 1 0 aを有している。 こ の空隙部 1 0 aは、 磁界遮断部 1 0の中央部からずれた位置 (第 7図では、 下側 にずれた位置) に配置されている。 また、 本実施の形態では、 磁気ヨーク 2の空 隙部 3は、 磁気ヨーク 2における一辺の中央部から、 空隙部 1 0 aとは逆方向に ずれた位置 (第 7図では、 上側にずれた位置) に配置されている。 そのため、 磁 界遮断部 1 0の空隙部 1 0 aの中心の位置は、 電流経路 1の中心と磁気ヨーク 2 の空隙部 3の中心とを結ぶ直線から外れた位置に配置されている。 これにより、 磁界遮断部 1 0の空隙部 1 0 aの中心の位置が、 電流経路 1の中心と磁気ヨーク 2の空隙部 3の中心とを結ぶ直線上に配置されている場合に比べて、 磁界遮断の 効果が大きくなる。 また、 磁界遮断の効果を大きくするためには、 磁界遮断部 1 0の空隙部 1 0 aの位置と磁気ヨーク 2の空隙部 3の位置とのずれ量は、 大きい 方が望ましい。
第 1の実施の形態に係る電流センサ装置では、 磁界遮断部 5が磁気ヨーク 2と は別体なので、 磁界遮断部 5を所定の位置に設置するためには何らかの加工作業 が必要となる。 これに対し、 本実施の形態に係る電流センサ装置では、 磁界遮断 部 1 0を磁気ヨーク 2と一体化したので、 磁界遮断部 1 0を設置するための作業 が不要となる。 また、 通常、 磁気ヨーク 2の材質はフェライ トであるので、 本実 施の形態によれば、 磁気ヨーク 2と磁界遮断部 1 0とを簡単に成形することがで さる。
本実施の形態におけるその他の構成、 作用および効果は、 第 1の実施の形態と 同様である。
なお、 日本特開平 8— 1 5 3 2 2号公報には、 磁気コアを、 帰還巻線が施され ていない環状型コア部と、 この環状型コア部が有する空隙部のもれ磁束を検知す る、 帰還卷線が施された H型コア部とに分割し、 H型コア部を、 その近傍に配置 される磁気検出素子と共に磁気シールド部材によって覆った電流センサ装置が示 されている。 ここで、 上記公報における H型コア部の水平部と磁気検出素子との 位置関係は、 本実施の形態における磁界遮断部 1 0と磁気センサ素子 4との位置 関係と似ている。 しかし、 上記公報に示された電流センサ装置は、 環状型コア部 の空隙部の外側に H型コア部を設け、 H型コア部の環状型コア部とは反対側の端 部に磁気検出素子を設けた構造になっており、 磁気ヨーク 2の空隙部 3内に磁気 センサ素子 4が配置された構造である本実施の形態に係る電流センサ装置とは全 く異なる構成になっている。 また、 H型コア部の水平部は、 帰還巻線が発生する 磁束が通過する磁路を形成するためのものと考えられ、 本実施の形態における磁 気ヨーク 2における磁界遮断部 1 0とは機能が異なるものである。
[第 3の実施の形態]
次に、 本発明の第 3の実施の形態に係る電流センサ装置について説明する。 第 8図は、 本実施の形態に係る電流センサ装置の構成を示す回路図である。 本実施 の形態に係る電流センサ装置は、 第 2の実施の形態に係る電流センサ装置におい て、 磁気センサ素子 4としてフラックスゲート磁気センサ素子を用いると共に、 この磁気センサ素子の周辺回路を付加したものである。
本実施の形態に係る電流センサ装置では、 第 2の実施の形態に係る電流センサ 装置における磁気ヨーク 2の空隙部 3内に、 磁芯 5 1とこの磁芯 5 1に巻回され たコイル 5 2とを有するフラックスゲート磁気センサ素子が設置されている。 以下、本実施の形態に係る電流センサ装置の回路構成について説明する。なお、 オペアンプ用の正、 負電源回路は、 習慣に従って、 図示していない。
コイル 5 2の一端には、 検出コイル 2 0の一端が接続されている。 検出コイル 2 0の他端は、 接地されている。 コイル 5 2の他端には、 コイル 5 2に後述する 負帰還電流を供給するための経路を形成する帰還電流経路用コイル 6の一端が接 続されている。 帰還電流経路用コイル 6の他端は、 コンデンサ 7を介して接地さ れている。
電流センサ装置は、 更に、 コイル 5 2を一部に含む直列共振回路を有し、 磁芯 5 1が飽和領域に達するような交流電流として、 直列共振回路に流れる共振電流 をコイル 5 2に供給する駆動回路と、 コイル 5 2のインダクタンスの変化に対応 する、 コイル 5 2に流れる共振電流の変化を検出することによって、 被測定磁界 を検出すると共に、 コイル 5 2に、 負帰還法のための負帰還電流を供給するため の検出 ·帰還回路とを備えている。
駆動回路は、 直列共振回路を含む発振回路を有する。 この発振回路は、 以下の ように構成されている。 すなわち、 発振回路は、 トランジスタ 1 1を有している。 トランジスタ 1 1のベースは、 共振用コンデンサ 1 2を介して、 コイル 5 2の他 端に接続されている。 トランジスタ 1 1のベースには、 帰還用コンデンサ 1 3の 一端が接続されている。 帰還用コンデンサ 1 3の他端には、 帰還用コンデンサ 1 4の一端とトランジスタ 1 1のエミッ夕が接続されている。 帰還用コンデンサ 1 4の他端は接地されている。 トランジスタ 1 1のェミッタは、 負荷用コイル 1 5 を介して接地されている。 トランジスタ 1 1のコレクタは、 電源入力端 1 6に接 続されていると共に、 バイアス抵抗 1 7を介してベースに接続されている。 この 発振回路は、 クラップ発振回路の構成となっている。 ただし、 コンデンサ 1 2 , 1 3, 1 4のキャパシタンスをそれぞれ C s , C b, C eとすると、 C sくく C b, C e である。
検出 '帰還回路は、 以下のように構成されている。 コイル 5 2と検出用コイル 2 0との接続点には、 コンデンサ 2 1の一端が接続され、 コンデンサ 2 1の他端 は、抵抗 2 2を介して接地されている。 これらコンデンサ 2 1および抵抗 2 2は、 検出用コイル 2 0の両端に発生する電圧を微分して、 被測定磁界に応じた信号を 出力する微分回路を構成している。
コンデンサ 2 1と抵抗 2 2との接続点には、 ダイオード 2 3のアノードとダイ オード 2 5の力ソードが接続されている。 ダイオード 2 3の力ソードは、 コンデ ンサ 2 4を介して接地されている。 ダイオード 2 5のアノードは、 コンデンサ 2 6を介して接地されている。 ダイオード 2 3とコンデンサ 2 4は、 正方向ピーク ホールド回路を構成し、 ダイオード 2 5とコンデンサ 2 6は、 負方向ピークホー ルド回路を構成している。
ダイォ一ド 2 3とコンデンサ 2 4との接続点には、 抵抗 2 7の一端が接続され ている。 ダイオード 2 5とコンデンサ 2 6との接続点には、 抵抗 2 8の一端が接 続されている。 抵抗 2 7, 2 8の各他端は、 抵抗 3 1の一端に接続されている。 抵抗 2 7, 2 8は、 正方向ピークホールド回路でホ一ルドされた正方向出力値と 負方向ピークホールド回路でホールドされた負方向出力値とを加算する抵抗加算 回路を構成している。 抵抗 3 1の一端には、 外部磁界に対応した検出信号が現れ る。
抵抗 3 1の他端は、 オペアンプ 3 2の反転入力端に接続されている。 オペアン プ 3 2の非反転入力端は、 抵抗 3 3を介して接地されている。 また、 オペアンプ 3 2の出力端は、 抵抗 3 4を介して反転入力端に接続されている。 これら、 オペ アンプ 3 2、 抵坊 3 1, 3 3 , 3 4は、 反転アンプを構成している。
オペアンプ 3 2の出力端は、 出力検出用抵抗 3 5の一端に接続されている。 出 力検出用抵抗 3 5の他端は、 帰還電流経路用コイル 6とコンデンサ 7の接続点に 接続されている。 抵抗 3 5の一端は、 抵抗 3 6を介して、 オペアンプ 3 8の非反 転入力端に接続され、 抵抗 3 5の他端は、 抵抗 3 7を介して、 オペアンプ 3 8の 反転入力端に接続されている。 オペアンプ 3 8の非反転入力端は、 抵抗 3 9を介 して接地されている。 オペアンプ 3 8の出力端は、 抵抗 4 0を介して反転入力端 に接続されていると共に、 検出出力端 4 1に接続されている。 オペアンプ 3 8お よび抵抗 3 6 , 3 7, 3 9, 4 0は、 差動アンプを構成している。
なお、 検出用コイル 2 0、 帰還電流経路用コイル 6およびコンデンサ 7は、 駆 動回路としての発振回路の一部でもあるし、 検出 ·帰還回路の一部でもある。 次に、 本実施の形態に係る電流センサ装置の作用について説明する。 コイル 5 2には、 発振回路によって、 磁芯 5 1が飽和領域に達するような交流電流が供給 される。 この交流電流は、 電源電圧で制限される電流値に対して共振回路の Q値 倍となる共振電流である。 本実施の形態では、 コイル 5 2のインダクタンスの変 化を電流センサ装置の出力信号として取り出す方法として、 共振電流の波形変化 を検出する方法を用いる。 具体的には、 コイル 5 2に対して直列に接続された、 飽和電流値の大きな検出用コイル 2 0の両端の電圧を、 コンデンサ 2 1および抵 抗 2 2からなる微分回路で微分する。 そして、 ダイオード 2 3およびコンデンサ 2 4からなる正方向ピークホールド回路によって、 微分回路の出力の正方向出力 値をホールドし、 ダイオード 2 5およびコンデンサ 2 6からなる負方向ピークホ —ルド回路によって、 微分回路の出力の負方向出力値をホールドし、 抵抗 2 7, 2 8からなる抵抗加算回路によって正方向出力値と負方向出力値とを加算して、 外部磁界に対応した検出信号を得る。
外部磁界がないときには、 検出用コイル 2 0の両端の電圧波形の微分波形にお ける正の部分と負の部分は対称であり、 微分波形の正負の各ピーク値の和 (絶対 値の差) は、 ゼロである。 これに対し、 コイル 5 2に外部磁界が加わったときに は、 微分波形における正の部分と負の部分は非対称となる。 その結果、 微分波形 の正負の各ピーク値の和 (絶対値の差) は、 ゼロ以外の値となり、 これは外部磁 界に依存する。 このようにして、 本実施の形態によれば、 微分波形の正負の各ピ ーク値の和 (絶対値の差) より、 外部磁界を測定することができる。
このように、 検出 ·帰還回路は、 コイル 5 2に流れる共振電流のうちの磁芯 5 1が飽和領域に達する部分に基づいて、被測定磁界を検出する。あるいは、検出 · 帰還回路は、 コイル 5 2に流れる共振電流のうちの正負非対称成分に基づいて、 被測定磁界を検出するとも言える。
抵抗 2 7, 2 8からなる抵抗加算回路によって得られた検出信号は、 オペアン プ 3 2および抵抗 3 1, 3 3 , 3 4からなる反転アンプによって反転増幅され、 出力検出用抵抗 3 5を経て、 帰還電流経路用コイル 6とコンデンサ 7の接続点に 印加される。 これにより、 帰還電流経路用コイル 6を介して、 コイル 5 2に負帰 還電流が供給され、 コイル 5 2に、 外部磁界とは逆方向の起磁力が与えられる。 本実施の形態では、 反転アンプは正負両極性の出力を持つので、 外部磁界の正、 負 (一つの方向を正とする。) に対応した負、 正の帰還電流を反転アンプ出力端か らコイル 5 2に流すため、 コイル 5 2側の接地端は接地されている。
外部磁界の測定は、 次のようにして行われる。 出力検出用抵抗 3 5によって、 負帰還電流、 すなわち外部磁界に比例した電流が電圧に変換され、 この電圧が、 オペアンプ 3 8および抵抗 3 5 , 3 6, 3 9 , 4 0よりなる差動アンプによって 増幅され、 検出出力端 4 1に与えられる。 そして、 この検出出力端 4 1より、 外 部磁界に対応した検出出力信号が出力される。
外部磁界と負帰還電流による起磁力とのバランスは、 コイル 5 2のアンペア夕 —ンが変わらない限り、 変化しない。 従って、 本実施の形態に係る電流センサ装 置は、 感度ばらつきが僅少で、 リニアリティが極めてよく、 温度や電源電圧等の 変化に対して非常に安定である。 また、 大振幅励振法によりオフセットは原理的 にゼロであり、 外乱によるドリフトもない。
以下、 実際に製造した電流センサ装置の具体的な一例について説明する。 この 例では、 磁気ヨーク 2は、 短辺 (第 8図における左右方向の辺) の長さが 2 4 m m、 長辺 (第 8図における上下方向の辺) の長さが 3 2 m m、 厚みが 4 mmの矩 形の環状をなし、 M n— Z n系フェライ トで形成されている。 また、 磁気ヨーク 2の空隙部 3の長さは 6 mm、 磁界遮断部 1 0の空隙部 1 0 aの長さは 3 mmで ある。 また、 電流経路 1が貫通する磁気ヨーク 2の内側の孔の断面形状は、 第 8 図における左右方向の辺の長さが 1 6 mm、 第 8図における上下方向の辺の長さ が 1 4 mmの矩形になっている。
また、 磁気センサ素子としては、 N i — C u— Z n系フェライ トによって形成 された直径 0 . 8 mm、 長さ 2 . 5 mmの棒状の磁芯 5 1に、 コイル 5 2として、 直径 0 . 0 3 mmのウレタン被覆導線を 2 5 0ターン巻回して構成されたフラッ クスゲ一ト磁気センサ素子を使用している。
この例では、 電流経路 1として直径 6 mmの被覆電線を使用したときに、 電流 経路 1の位置が所定位置から各方向に土 2 mmまで変動した場合における電流セ ンサ装置の出力の変動は 1 %以下であった。
以上説明したように、 本実施の形態に係る電流センサ装置によれば、 電流セン サ装置の磁気センサ素子として優れた特徴を持つフラックスゲ一ト磁気センサ素 子を用いた電流センサ装置において、 唯一とも言うべき短所、 すなわち、 磁気ョ ークの空隙部が大きいことにより電流経路の位置の変動に起因して測定誤差が発 生するという欠点を解消することができる。 そのため、 本実施の形態に係る電流 センサ装置は、 電気自動車や太陽光発電等における直流電流を測定するための電 流センサ装置として、 極めて有用である。
また、 本実施の形態によれば、 共振回路の共振電流をコイル 5 2に供給するよ うにしたので、 磁芯 5 1が飽和領域に達するような交流電流をコイル 5 2に容易 に供給することができる。 また、 磁芯 5 1に、 コイル 5 2の他に、 励磁用のコィ ルを卷回する必要がないので、 構成が簡単である。
また、 本実施の形態によれば、 コイル 5 2に対して交流的に並列に接続された 帰還電流経路用コイル 6を経由して、 コイル 5 2に負帰還法のための負帰還電流 を供給するようにしたので、 共振電流の損失なく、 コイル 5 2に帰還電流を容易 に供給することができる。
また、 本実施の形態によれば、 共振回路に対して検出用コイル 2 0を挿入する ことによって、 共振回路の Q値を下げず、 すなわち、 コイル 5 2に供給する共振 電流の不足を生じることなく、 ポルトオーダ一の検出出力を簡単に得ることがで きる。 また、 ピークホールド回路も、 ダイオードとコンデンサを用いた簡単で安 価な回路を使用できる。 なお、 検出用コイル 2 0は、 そのインダクタンス値がコ ィル 2のインダクタンス値の数%でも、 十分大きな出力を得ることができる。 従 つて、 検出用コイル 2 0は、 巻数が少なく、 通常、 飽和電流値は十分大きいので、 コイル 5 2の駆動電流 (共振電流) によって飽和することはない。
これらの技術により、 フェライ ト磁芯等の飽和磁界が大きく、 非線形性の大き な磁芯を用いながら、 大振幅法や負帰還法を適用することが可能となり、 大きな 磁界または大きな電流の検出にフラックスゲ一ト素子を用いることが可能となる < 以下、 本実施の形態に係る電流センサ装置が有する特徴を列記する。
( 1 ) 被測定電流が通過する電流経路の位置変動による被測定電流の測定誤差が 小さい。
( 2 ) 負帰還法を用いることができるので、 感度ばらつきや温度特性を、 自動的 に改善することができる。
( 3 ) 従って、 感度調整や温度特性補正が不要である。
( 4 ) また、 オフセット調整も不要である。
( 5 ) 大振幅励振法を用いることができるので、 特性が良い。
( 6 ) センサ部に特殊な工法を必要としない。
( 7 ) 共振電流を利用するので、 低い電源電圧、 高い周波数でセンサコイルを駆 動することができる。 ( 8 ) 何らの特殊な材料や特殊な工法を用いることなく製造でき、 回路も非常に 簡単であるので、 きわめて安価に製造することができ、 大量の需要に応えること が可能である。
( 9 ) 周波数応答性が良い。
( 1 0 ) 共振電流を利用するので、 消費電力が少ない。
( 1 1 ) 構成が簡単なので、 小型軽量である。
なお、 第 8図に示した電流センサ装置における磁気ヨーク 2および磁界遮断部 1 0の代わりに、 第 1の実施の形態における磁気ヨーク 2および磁界遮断部 5を 用いてもよい。 また、 第 1ないし第 3の実施の形態において、 磁気センサ素子と しては、 フラックスゲート素子に限らず、 ホール素子等の他の素子を用いてもよ い。
第 1ないし第 3の実施の形態を含む本発明の電流センサ装置によれば、 電流経 路と磁気ヨークの空隙部との間に配置され、 磁気センサ素子に対して、 電流経路 を流れる電流によって発生し磁気ヨークを通らない磁束による磁界を遮断するた めの磁界遮断部を備えたので、 使用上の簡便さを失わせず、 且つ電流センサ装置 の大型化や重量の増加をまねかずに、 磁気ヨークの内側の孔を貫通する電流経路 の位置の変動に起因して発生する測定誤差を軽減することができる。
また、 磁界遮断部が、 磁気ヨークと一体化され、 一部に空隙部を有する場合に おいて、 磁界遮断部の空隙部の中心の位置を、 電流経路の中心と磁気ヨークの空 隙部の中心とを結ぶ直線から外れた位置に配置した場合には、 更に、 磁界遮断の 効果を高めることができる。
また、 磁気センサ素子をフラックスゲート磁気センサ素子とした場合には、 特 に、 電流経路の位置の変動に起因して発生する測定誤差を軽減する効果が顕著に なり、 優れた電流センサ装置を実現することができる。
[第 4の実施の形態]
第 9図は、 本発明の第 4の実施の形態に係る電流センサ装置の構成を示す説明 図である。 第 1 0図は、 本実施の形態に係る電流センサ装置の要部を示す断面図 である。 第 1 0図に示したように、 本実施の形態に係る電流センサ装置は、 電流 経路 1 0 1を囲うように配置され、 一部に空隙部 Gを有し、 電流経路 1 0 1を流 れる被測定電流によって発生する磁束を通過させるための環状の磁気ヨーク 1 0 2と、 この磁気ヨーク 1 0 2の空隙部 G内に配置されたセンサ磁芯 1 0 3と、 こ のセンサ磁芯 1 0 3に巻回されたセンサコイル 1 0 4とを備えている。 センサ磁 芯 1 0 3およびセンサコイル 1 0 4は、 フラックスゲ一ト磁気センサ素子を構成 し、 電流経路 1 0 1を流れる被測定電流を測定するために、 電流経路 1 0 1を流 れる被測定電流によって発生する空隙部 G内における磁界を検出する。
電流センサ装置は、 更に、 磁気ヨーク 1 0 2の空隙部 G内において、 電流経路 1 0 1とセンサ磁芯 1 0 3との間に配置された磁芯 1 5 1と、 この磁芯 1 5 1に 卷回され、 電流経路 1 0 1を流れる被測定電流の高周波成分を検出するための高 周波成分検出コイル 1 5 2とを備えている。 高周波成分検出コイル 1 5 2は、 こ のコイル 1 5 2を通過する磁束を介して、電流経路 1 0 1と交流磁気結合される。 上述のように、 磁気ヨーク 1 0 2の空隙部 G内に 2つの磁芯 1 0 3, 1 5 1が 並列に配置されていることから、 磁気ヨーク 1 0 2を通過する磁束の磁路は、 主 としてセンサ磁芯 1 0 3およびセンサコイル 1 0 4を通り、 磁気ヨーク 1 0 2を 通過する磁束の一部が通過する第 1の磁路 2 0 1と、 主として磁芯 1 5 1および 高周波成分検出コイル 1 5 2を通り、 磁気ヨーク 1 0 2を通過する磁束の他の一 部が通過する第 2の磁路 2 0 2とを含むようになつている。 言い換えると、 セン サ磁芯 1 0 3およびセンサコイル 1 0 4は第 1の磁路 2 0 1に配置され、 磁芯 1 5 1および高周波成分検出コイル 1 5 2は第 2の磁路 2 0 2に配置されている。 電流センサ装置は、 更に、 磁気ヨーク 1 0 2の空隙部 G内における第 1の磁路 2 0 1に配置されたシャントコイル 1 0 5を備えている。 このシャントコイル 1 0 5は、 1巻きのコイルであり、 第 1の磁路 2 0 1を通過する磁束における所定 の遮断周波数を越える周波数成分を減衰させるためのものである。
第 9図に示したように、 電流センサ装置は、 更に、 センサ磁芯 1 0 3が飽和領 域に達するような交流の励振電流をセンサコイル 1 0 4に供給してセンサコイル 1 0 4を駆動する励振回路 1 0 6と、 電流経路 1 0 1を流れる被測定電流を測定 するために、 センサコイル 1 0 4を流れる電流を検出することによってセンサコ ィル 1 0 4のィンダクタシスの変化を検出し、 ィンダク夕ンスの変化に対応した 信号を出力すると共に、 この信号をセンサコイル 1 0 4に負帰還するための負帰 還電流を生成し、 センサコイル 1 0 4に供給する検出 ·帰還回路 1 0 7と、 この 検出 ·帰還回路 1 0 7によって生成される負帰還電流を検出し、 この検出信号に 基づいて、被測定電流に対応した信号を生成する出力回路 1 0 8とを備えている。 励振回路 1 0 6は、 本発明における駆動手段に対応する。 検出 ·帰還回路 1 0 7 および出力回路 1 0 8は、 本発明における測定手段に対応する。
電流センサ装置は、 更に、 シャントコイル 1 0 5に接続されたシャント回路 1 0 9を備えている。 このシャント回路 1 0 9は、 シャントコイル 1 0 5の遮断周 波数を調整するための回路である。 シャント回路 1 0 9は、 例えば、 シャントコ ィル 1 0 5の両端間を、 ゼロを含む任意の抵抗値の抵抗を介して接続する回路で ある。 抵抗値がゼロの場合には、 シャントコイル 1 0 5の両端間は短絡される。 シャントコイル 1 0 5およびシャント回路 1 0 9は、 本発明における減衰手段に 対応する。
また、 高周波成分検出コイル 1 5 2の一端は、 出力回路 1 0 8の出力端に接続 されている。 高周波成分検出コイル 1 5 2の他端には、 被測定電流に対応した測 定信号を出力する出力端 1 5 4が接続されている。 また、 高周波成分検出コイル 1 5 2の両端間は、 シャント抵抗 (図では Rと記す。) 1 5 3を介して接続されて いる。 シャント抵抗 1 5 3は、 高周波成分検出コイル 1 5 2の遮断周波数および 検出信号のレベルを調整するためのものである。 高周波成分検出コイル 1 5 2の 検出信号では、 シャント抵抗 1 5 3によって設定される遮断周波数より低い周波 数成分が減衰される。 高周波成分検出コイル 1 5 2の遮断周波数は、 シャントコ ィル 1 0 5の遮断周波数以下の周波数に設定され、 例えば、 シャントコイル 1 0 5の遮断周波数と同一の周波数に設定される。
本実施の形態では、 シャントコイル 1 0 5の遮断周波数は、 励振電流の周波数 から定まるナイキスト周波数以下の周波数に設定される。 本実施の形態に係る電 流センサ装置では、 被測定電流のうちのシャントコイル 1 0 5の遮断周波数以下 の周波数成分は、 磁気センサ素子、 検出 ·帰還回路 1 0 7および出力回路 1 0 8 によって検出され、 被測定電流のうちのシャントコイル 1 0 5の遮断周波数を越 える周波数成分は、 高周波成分検出コイル 1 5 2によって検出される。 そして、 出力回路 1 0 8の検出信号と高周波成分検出コイル 1 5 2の検出信号が加算され て、 これが測定信号として出力端 1 54より出力される。
本実施の形態では、 磁気ヨーク 1 0 2を通過する磁束の磁路が、 第 1の磁路 2 0 1と第 2の磁路 2 02とに分割されている。 ここで、 このように磁路を分割し ても、 被測定電流を測定できることを説明する。 いま、 第 1の磁路 2 0 1を通過 する磁束と第 2の磁路 2 02を通過する磁束とが共通に通過する磁路 (以下、 共 通磁路と言う。) の磁気抵抗を R0とする。 本実施の形態では、 共通磁路は、 磁気 ヨーク 1 0 2である。 また、 第 1の磁路 2 0 1の磁気抵抗を R 01、 第 2の磁路 2 0 2の磁気抵抗を R 02とする。電流経路 1 0 1を流れる電流による起磁力を Fと すると、 第 1 0図に示した電流センサ装置の要部の等価回路は、 第 1 1図に示し たようになる。 この等価回路は、 起磁力 Fの発生源に対して、 磁気抵抗 R01 と磁 気抵抗 R02の並列回路と、磁気抵抗 R0とが直列に接続された回路になっている。 ここで、 被測定電流を I (A) とすると、 起磁力 Fは、 F= I (A/m) で表 される。 このとき、 第 1の磁路 1 0 1に印加される起磁力 F1 と、 第 2の磁路 1 02に印加される起磁力 F 2は次の式で表される。
F 1= F 2= F · (R01//R02) / ( R 01//R 02+ R 0)
ただし、 R01〃R02は、 磁気抵抗 R01 と磁気抵抗 R02 の並列回路の磁気抵抗 であり、 R01〃R02=R01 · R02 (R01 + R02) である。
ここで、 共通磁路の磁気抵抗 R0が十分小さく、 R0〈く R01〃R02とすると、 F 1= F2=Fとなる。 すなわち、 第 1の磁路 2 0 1の磁気抵抗 R 01 と第 2の磁路 2 02の磁気抵抗を R02が共通磁路の磁気抵抗 R0より十分大きければ、 第 1の磁 路 2 0 1に印加される起磁力 F1 と、 第 2の磁路 2 0 2に印加される起磁力 F2 は同一になる。 なお、 これは、 分割された磁路が 3つ以上の場合も同様であり、 分割された磁路の数によらない。 また、 本実施の形態では、 第 1の磁路 2 0 1と 第 2の磁路 2 0 2は、 それぞれ、 磁芯 1 0 3 , 1 5 1と磁気ヨーク 1 0 2との間 に空隙を有しているので、 それらの磁気抵抗 R01, R02は、 共通磁路の磁気抵抗 R0よりも十分大きい。
従って、 磁気ヨーク 1 0 2を通過する磁束の磁路を、 第 1の磁路 2 0 1と第 2 の磁路 20 2とに分割しても、 各磁路 2 0 1 , 2 0 2においてそれぞれ被測定電 流を測定することが可能である。 また、 A L値等の各磁路 2 0 1 , 2 0 2の特性 は、 磁気抵抗が下がり過ぎない範囲で、 独立に設定することができる。
次に、 シャン卜コイル 1 0 5の遮断周波数と高周波成分検出コイル 1 5 2の遮 断周波数の設定方法について説明する。 いま、 シャントコイル 1 0 5の遮断周波 数を f l、 インダクタンスを L l、 直流抵抗値を r lとする。 また、 シャント回 路 1 0 9中のシャント抵抗の直流抵抗値を R 1とすると、 シャントコイル 1 0 5 の遮断周波数 f 1は、 次の式で表される。
f 1 = ( r l +R l ) / 2 π · L 1
従って、 例えば、 L 1 = 0. 1 U, r 1 = 5 mQ, R 1 = 0とすると、 f l = 8 kH zとなる。 インダクタンス 0. 1 のコイルを直流抵抗値 5πιΩで作 成することは、 導体に銅箔を使用すれば困難なことではない。
一方、 高周波成分検出コイル 1 5 2の遮断周波数を f 2、 インダクタンスを L 2、 直流抵抗値を r 2とする。 また、 シャント抵抗 1 5 3の直流抵抗値を R 2と すると、 高周波成分検出コイル 1 52の遮断周波数 f 2は、 次の式で表される。
f 2 = ( r 2 + R 2 ) / 2 π · L 2
シャントコイル 1 0 5の遮断周波数 f 1に合わせて、 f 2 = 8 kH zとすると、 L 2 = 1 0 0 /^Hのとき、 ( r 2 +R 2) = 5 Qとする必要がある。インダクタン ス 1 0 0 Hのコイルを直流抵抗値 1 Ω以下で作成することは容易であるから、 R 2 = 4 Ω程度に選ぶことができる。
次に、 出力回路 1 08の検出信号と高周波成分検出コイル 1 5 2の検出信号と を加算できることについて説明する。 議論を簡単にするために、 電流経路 1 0 1 を通過する電流 I と高周波成分検出コイル 1 5 2との間の結合係数を 1とし、 高 周波成分検出コイル 1 5 2の卷数を Nとすると、 高周波成分検出コイル 1 52の 出力電圧 Eは、 次の式で表される。
E= { I · ( r 2 + R 2 ) /N2 } · R 2 / ( r 2 + R 2 )
= I · R 2/N2
ここで、 1 = 1 0 0 (A)、 R 2 = 4 Ω, N= 1 0とすると、 E = 4 (V) とな る。 従って、 高周波成分検出コイル 1 5 2の出力電圧 Eは、 そのまま出力回路 1 0 8の出力に加算することができる。
ただし、 このとき、 高周波成分検出コイル 1 5 2を通る第 2の磁路 2 0 2の A L値は 1 β Η Ζ Τとなる必要があるため、 磁芯 1 5 1 とヨーク 1 0 2との間の空 隙の長さは 1 m m程度となる。
次に、 本実施の形態に係る電流センサ装置の作用について説明する。 この電流 センサ装置では、 電流経路 1 0 1を流れる電流によって、 磁気ヨーク 1 0 2を通 る磁束が発生する。 磁気ヨーク 1 0 2を通る磁束は、 一部が第 1の磁路 2 0 1を 通り、 他の一部が第 2の磁路 2 0 2を通る。
第 1の磁路 2 0 1に設けられたセンサ磁芯 1 0 3およびセンサコイル 1 0 4を 含む磁気センサ素子は、 電流経路 1 0 1を流れる被測定電流を測定するために、 電流経路 1 0 1を流れる電流によって発生する空隙部 G内における磁界を検出す る。 より詳しく説明すると、 センサコイル 1 0 4には、 励振回路 1 0 6によって、 センサ磁芯 1 0 3が飽和領域に達するような交流の励振電流が供給される。 検 出 '帰還回路 1 0 7は、 センサコイル 1 0 4を流れる電流を検出することによつ てセンサコイル 1 0 4のィンダク夕ンスの変化を検出し、 ィンダク夕ンスの変化 に対応した信号を出力すると共に、 この信号をセンサコイル 1 0 4に負帰還する ための負帰還電流を生成し、センサコイル 1 0 4に供給する。出力回路 1 0 8は、 検出 ·帰還回路 1 0 7の検出信号に基づいて、 被測定電流に対応した信号を生成 する。 このように、 第 1の磁路 2 0 1に設けられた磁気センサ素子を用い、 大振 幅励振法と負帰還法を併用して、 被測定電流が測定される。
また、 第 1の磁路 2 0 1に設けられたシャントコイル 1 0 5は、 第 1の磁路 2 0 1を通過する磁束における所定の遮断周波数を越える周波数成分を減衰させる c 従って、 出力回路 1 0 8の出力信号は、 被測定電流のうちのシャントコイル 1 0 5の遮断周波数以下の周波数成分に対応したものとなる。
シャントコイル 1 0 5の遮断周波数は、 励振電流の周波数から定まるナイキス 卜周波数以下の周波数に設定される。 これにより、 センサコイル 1 0 2に、 ビ一 トを発生させるような、 ナイキスト周波数を越える周波数の磁界が印加されるこ とが防止される。
また、 第 2の磁路 2 0 2に設けられた高周波成分検出コイル 1 5 2は、 交流結 合法により、 電流経路 1 0 1を流れる被測定電流のうちの遮断周波数を越える周 波数成分を検出する。 そして、 出力回路 1 0 8の検出信号と高周波成分検出コィ ル 1 5 2の検出信号が加算されて、 これが測定信号として出力端 1 5 4より出力 される。
以上説明したように、 本実施の形態に係る電流センサ装置によれば、 センサ磁 芯 1 0 3とセンサコイル 1 0 4とを含む磁気センサと、 高周波成分検出コイル 1 5 2とを併用して、 被測定電流を測定するようにしたので、 応答周波数帯域の広 帯域化が可能になる。
ところで、 交流結合法を用いた従来の電流センサ装置では、 磁気センサ素子と 高周波成分検出コイルは、 同じ磁路に配置されていた。 そのため、 被測定電流の 変動成分の周波数と励振周波数とによるビートの発生を防止しょうとして、 高周 波成分を減衰させる手段を磁路に設けると、 高周波成分を測定できなくなつてし まうという不具合が発生する。
これに対し、 本実施の形態に係る電流センサ装置では、 磁気センサ素子と高周 波成分検出コイル 1 5 2が、 互いに異なる磁路に配置されている。 従って、 本実 施の形態によれば、 遮断周波数の設定等を、 各磁路毎に独自に行うことが可能と なる。 これにより、 被測定電流の変動成分の周波数と励振周波数とによるビート の発生を防止しながら、 応答周波数帯域を広帯域化することが可能となる。 また、 本実施の形態によれば、 磁気センサ素子と高周波成分検出コイル 1 5 2 が異なる磁路に配置されることから、 高周波成分検出コイル 1 5 2の加工や配置 の自由度が増し、 交流結合法を用いた電流センサ装置の製造が容易になる。 また、 本実施の形態では、 磁気センサ素子と高周波成分検出コイル 1 5 2が異 なる磁路に配置されることから、 高周波成分検出コイル 1 5 2が配置される第 2 の磁路 2 0 2における A L値を、 磁気センサ素子が配置される第 1の磁路 2 0 1 における A L値とは独立に設定することができる。 従って、 本実施の形態によれ ば、 高周波成分検出コイル 1 5 2の大型化や高価格化を防止することができる。 このように、 本実施の形態に係る電流センサ装置によれば、 被測定電流の変動 成分の周波数と励振周波数とによるビートの発生や、 電流センサ装置の製造の困 難化や大型化を抑えながら、 応答周波数帯域の広帯域化が可能になる。 このよう な電流センサ装置は、 電気自動車や太陽光発電装置等における直流大電流の測定 や制御に極めて有効に利用でき、 環境問題の解決等の社会的要請にも極めて大き く寄与する。
[第 5の実施の形態]
第 1 2図は、 本発明の第 5の実施の形態に係る電流センサ装置の要部を示す断 面図である。 本実施の形態に係る電流センサ装置では、 磁気ヨーク 1 0 2の空隙 部内に、 センサ磁芯 1 0 3およびセンサコイル 1 0 4を含む磁気センサ素子のみ を配置し、 高周波成分検出コイル 1 5 2を配置していない。
本実施の形態に係る電流センサ装置は、 電流経路 1 0 1と磁気ヨーク 1 0 2の 空隙部との間に配置され、 磁気センサ素子に対して、 電流経路 1 0 1を流れる電 流によって発生し磁気ヨーク 1 0 2を通らない磁束による磁界を遮断するための 磁界遮断部材 1 6 1を備えている。 磁界遮断部材 1 6 1の両端部と磁気ヨーク 1 0 2の内周面との間には、 所定の長さの空隙が設けられている。 磁界遮断部材 1 6 1は、 磁性体によって形成されている。 本実施の形態に係る電流センサ装置で は、 磁界遮断部材 1 6 1に、 高周波成分検出コイル 1 5 2が巻回されている。 本実施の形態では、 磁気ヨーク 1 0 2のうち、 磁界遮断部材 1 6 1よりも電流 経路 1 0 1側 (図における左側) の部分を通過する磁束の磁路は、 センサ磁芯 1 0 3およびセンサコイル 1 0 4を含む磁気センサ素子を通る第 1の磁路 2 0 1と, 磁界遮断部材 1 6 1を通る第 2の磁路 2 0 2とに分割される。 なお、 第 1の磁路 2 0 1は、 磁気ヨーク 1 0 2のうち、 磁界遮断部材 1 6 1よりも磁気センサ素子 側 (図における右側) の部分も含む。
また、 本実施の形態では、 シャントコイル 1 0 5は、 磁気ヨーク 1 0 2のうち、 磁界遮断部材 1 6 1よりも磁気センサ素子側の部分の周囲に巻回されている。 こ のようにして、 シャントコイル 1 0 5は第 1の磁路 2 0 1に配置される。
ところで、 電流経路 1 0 1の周囲に磁気ヨーク 1 0 2を配置し、 磁気ヨーク 1 0 2の空隙部内に磁気センサ素子を配置した構造の電流センサ装置では、 電流経 路 1 0 1の位置が変動すると、 電流経路 1 0 1を流れる電流によって発生し磁気 ヨーク 1 0 2を通らない磁束による磁界が磁気センサ素子に与える影響が変化す る。 そのため、 上記の構造の電流センサ装置では、 電流経路 1 0 1の位置の変動 に起因して測定誤差が生じるという問題点があつた。
これに対し、 本実施の形態では、 電流経路 1 0 1を流れる電流によって発生し 磁気ヨーク 1 0 2を通らない磁束による磁界は、 磁界遮断部材 1 6 1によって、 磁気センサ素子に対して遮断される。 従って、 本実施の形態によれば、 磁気ョー ク 1 0 2の内側の孔を貫通する電流経路 1 0 1の位置の変動に起因して発生する 測定誤差が軽減される。
以上説明したように、 本実施の形態に係る電流センサ装置によれば、 磁気ョ一 ク 1 0 2の内側の孔に電線を貫通させるだけで電流の測定ができるという使用上 の簡便さを失わせず、 且つ電流センサ装置の大型化や重量の増加をまねかずに、 磁気ヨーク 1 0 2の内側の孔を貫通する電流経路 1 0 1の位置の変動に起因して 発生する測定誤差を軽減することができる。
また、 本実施の形態では、 磁界遮断部材 1 6 1を備えた電流センサ装置におい て、新たに高周波成分検出コイル 1 5 2とシャントコイル 1 0 5を設けることで、 簡単に、 交流結合法を用いて応答周波数帯域を広帯域化することが可能となる。 本実施の形態におけるその他の構成、 作用および効果は、 第 4の実施の形態と 同様である。
[第 6の実施の形態]
第 1 3図は、 本発明の第 6の実施の形態に係る電流センサ装置の要部を示す断 面図である。 本実施の形態に係る電流センサ装置では、 第 5の実施の形態と同様 に、 磁気ヨーク 1 0 2の空隙部内に、 センサ磁芯 1 0 3およびセンサコイル 1 0 4を含む磁気センサ素子のみを配置し、 高周波成分検出コイル 1 5 2を配置して いない。
本実施の形態に係る電流センサ装置では、 電流経路 1 0 1と磁気ヨーク 1 0 2 の空隙部との間に磁芯 1 6 2が設けられ、 この磁芯 1 6 2に高周波成分検出コィ ル 1 5 2が巻回されている。 磁芯 1 6 2の両端部と磁気ヨーク 1 0 2の内周面と の間には、 所定の長さの空隙が設けられている。
本実施の形態に係る電流センサ装置では、 更に、 電流経路 1 0 1との間に高周 波成分検出コイル 1 5 2との間に、 高周波成分検出コイル 1 5 2に対して、 電流 経路 1 0 1を流れる電流によって発生し磁気ヨーク 1 0 2を通らない磁束による 磁界を遮断するための磁界遮断部材 1 6 3が設けられている。 磁界遮断部材 1 6 3の両端部と磁気ヨーク 1 0 2の内周面との間には、 所定の長さの空隙が設けら れている。 磁界遮断部材 1 6 3は、 磁性体によって形成されている。
本実施の形態では、 磁気ヨーク 1 0 2のうち、 磁界遮断部材 1 6 3よりも電流 経路 1 0 1側 (図における左側) の部分を通過する磁束の磁路は、 センサ磁芯 1 0 3およびセンサコイル 1 0 4を含む磁気センサ素子を通る第 1の磁路と、 磁芯 1 6 2および高周波成分検出コイル 1 5 2を通る第 2の磁路と、 磁界遮断部材 1 6 3を通る第 3の磁路とに分割される。 なお、 第 1の磁路は、 磁気ヨーク 1 0 2 のうち、 磁芯 1 6 2よりも磁気センサ素子側 (図における右側) の部分も含む。 本実施の形態では、 電流経路 1 0 1を流れる電流によって発生し磁気ヨーク 1 0 2を通らない磁束による磁界は、 磁界遮断部材 1 6 3によって、 高周波成分検 出コイル 1 5 2および磁気センサ素子に対して遮断される。 従って、 本実施の形 態によれば、 磁気ヨーク 1 0 2の内側の孔を貫通する電流経路 1 0 1の位置の変 動に起因して発生する測定誤差が軽減される。
また、 本実施の形態では、 磁気ヨーク 1 0 2は、 分離部 1 7 1 , 1 7 2におい て、 電流経路 1 0 1側の部分 1 0 2 Aと、 空隙部側の部分 1 0 2 B, 1 0 2 Cに 分離できるようになつている。 これにより、 第 1 3図に示した電流センサ装置の 要部の組み立てが容易になる。
分離部 1 7 1, 1 7 2は、 磁芯 1 6 2よりも磁気センサ素子側の部分、 すなわ ち第 1の磁路中に設けられている。 第 1の磁路における空隙は第 2の磁路および 第 3の磁路における空隙よりも大きいので、 第 1の磁路の磁気抵抗は第 2の磁路 および第 3の磁路の磁気抵抗よりも大きい。 従って、 本実施の形態のように、 分 離部 1 7 1 , 1 7 2を第 1の磁路中に設けることにより、 他の磁路中に設ける場 合に比べて、 分離部 1 7 1, 1 7 2における空隙が変動しても、 磁気センサ素子 が設けられる第 1の磁路の磁気抵抗の変動を少なくすることができる。
なお、 第 4または第 5の実施の形態においても、 高周波成分検出コイル 1 5 2 と電流経路 1 0 1の間に、 本実施の形態と同様の磁界遮断部材 1 6 3を設けても よい。
本実施の形態におけるその他の構成、 作用および効果は、 第 4の実施の形態と 同様である。
[第 7の実施の形態] 次に、 本発明の第 7の実施の形態に係る電流センサ装置について説明する。 第 1 4図は、 本実施の形態に係る電流センサ装置の構成を示す回路図である。 本実 施の形態に係る電流センサ装置では、 磁気ヨーク 1 0 2が分離可能となっていな い点を除き、 磁気ヨーク 1 0 2、 センサ磁芯 1 0 3、 センサコイル 1 0 4、 シャ ントコイル 1 0 5、 磁芯 1 6 2、 高周波成分検出コイル 1 5 2および磁界遮断部 材 1 6 3の配置は、 第 6の実施の形態と同様になつている。
以下、本実施の形態に係る電流センサ装置の回路構成について説明する。なお、 オペアンプ用の正、 負電源回路は、 習慣に従って、 図示していない。
励振回路 1 0 6は、 センサコイル 1 0 4を一部に含む直列共振回路を有し、 セ ンサ磁芯 1 0 3が飽和領域に達するような励振電流として、 直列共振回路に流れ る共振電流をセンサコイル 1 0 4に供給するようになっている。 励振回路 1 0 6 は、 具体的には、 以下のように構成されている。 すなわち、 励振回路 1 0 6は、 トランジスタ 1 1を有している。 トランジスタ 1 1のべ一スは、 共振用コンデン サ 1 2を介して、 センサコイル 1 0 4の一端に接続されている。 トランジスタ 1 1のベースには、 帰還用コンデンサ 1 3の一端が接続されている。 帰還用コンデ ンサ 1 3の他端には、 帰還用コンデンサ 1 4の一端と卜ランジス夕 1 1のエミッ 夕が接続されている。 帰還用コンデンサ 1 4の他端は接地されている。 トランジ ス夕 1 1のェミッタは、 負荷用コイル 1 5を介して接地されている。 卜ランジス 夕 1 1のコレクタは、 電源入力端 1 6に接続されていると共に、 バイアス抵坊 1 7を介してベースに接続されている。 この発振回路は、 クラップ発振回路の構成 となっている。 ただし、 コンデンサ 1 2 , 1 3 , 1 4のキャパシタンスをそれぞ れ C s, C b, C eとすると、 C s 《C b, C eである。
検出 ·帰還回路 1 0 7は、 以下のように構成されている。 すなわち、 検出 '帰 還回路 1 0 7は、 一端がセンサコイル 1 0 4の他端に接続された検出コイル 2 0 を有している。 検出コイル 2 0の他端は、 接地されている。 検出コイル 2 0は、 本発明におけるィンダクタンス素子に対応する。センサコイル 1 0 4の一端には、 センサコイル 1 0 4に負帰還電流を供給するための経路を形成する帰還電流経路 用コイル 8 1の一端が接続されている。 帰還電流経路用コイル 8 1の他端は、 コ ンデンサ 8 2を介して接地されている。 センサコイル 1 0 4と検出用コイル 2 0との接続点には、 コンデンサ 2 1の一 端が接続され、 コンデンサ 2 1の他端は、 抵抗 2 2を介して接地されている。 こ れらコンデンサ 2 1および抵抗 2 2は、 検出用コイル 2 0の両端に発生する電圧 を微分して、 電流経路 1 0 1を流れる被測定電流に応じた信号を出力する微分回 路を構成している。
コンデンサ 2 1と抵抗 2 2との接続点には、 ダイオード 2 3のァノ一ドとダイ オード 2 5の力ソードが接続されている。 ダイオード 2 3の力ソードは、 コンデ ンサ 2 4を介して接地されている。 ダイオード 2 5のアノードは、 コンデンサ 2 6を介して接地されている。 ダイオード 2 3とコンデンサ 2 4は、 正方向ピーク ホールド回路を構成し、 ダイオード 2 5とコンデンサ 2 6は、 負方向ピ一クホ一 ルド回路を構成している。
ダイオード 2 3とコンデンサ 2 4との接続点には、 抵抗 2 7の一端が接続され ている。 ダイオード 2 5とコンデンサ 2 6との接続点には、 抵抗 2 8の一端が接 続されている。 抵抗 2 7 , 2 8の各他端は、 抵抗 3 1の一端に接続されている。 抵抗 2 7, 2 8は、 正方向ピークホールド回路でホ一ルドされた正方向出力値と 負方向ピークホールド回路でホールドされた負方向出力値とを加算する抵抗加算 回路を構成している。 抵抗 3 1の一端には、 被測定電流に対応した検出信号が現 れる。
抵抗 3 1の他端は、 オペアンプ 3 2の反転入力端に接続されている。 オペアン プ 3 2の非反転入力端は、 抵抗 3 3を介して接地されている。 また、 オペアンプ 3 2の出力端は、 抵抗 3 4を介して反転入力端に接続されている。 これら、 オペ アンプ 3 2、 抵抗 3 1, 3 3 , 3 4は、 反転アンプを構成している。
オペアンプ 3 2の出力端は、 出力検出用抵抗 3 5の一端に接続されている。 出 力検出用抵抗 3 5の他端は、 帰還電流経路用コイル 8 1とコンデンサ 8 2の接続 点に接続されている。
なお、検出用コイル 2 0、 帰還電流経路用コイル 8 1およびコンデンサ 8 2は、 励振回路 1 0 6の一部でもある。
出力回路 1 0 8は、 以下のように構成されている。 すなわち、 出力検出用抵抗 3 5とオペアンプ 3 2の出力端との接続点は、 抵抗 3 6を介して、 オペアンプ 3 8の非反転入力端に接続され、 抵抗 3 5と帰還電流経路用コイル 8 1との接続点 は、 抵抗 3 7を介して、 オペアンプ 3 8の反転入力端に接続されている。 ォペア ンプ 3 8の非反転入力端は、 抵抗 3 9を介して接地されている。 オペアンプ 3 8 の出力端は、 抵抗 4 0を介して反転入力端に接続されていると共に、 シャント抵 抗 1 5 3の一端に接続されている。 オペアンプ 3 8および抵抗 3 6, 3 7 , 3 9 , 4 0は、 差動アンプを構成している。 なお、 出力検出用抵抗 3 5は、 検出 ·帰還 回路 1 0 7の一部でもある。
次に、 本実施の形態に係る電流センサ装置の作用について説明する。 センサコ ィル 1 0 4には、 励振回路 1 0 6によって、 センサ磁芯 1 0 3が飽和領域に達す るような交流の励振電流が供給される。 この励振電流は、 電源電圧で制限される 電流値に対して共振回路の Q値倍となる共振電流である。 本実施の形態では、 セ ンサコイル 1 0 4のィンダクタンスの変化を電流センサ装置の検出信号として取 り出す方法として、 共振電流の波形変化を検出する方法を用いる。 具体的には、 センサコイル 1 0 4に対して直列に接続された、 飽和電流値の大きな検出用コィ ル 2 0の両端の電圧を、 コンデンサ 2 1および抵抗 2 2からなる微分回路で微分 する。 そして、 ダイオード 2 3およびコンデンサ 2 4からなる正方向ピークホ一 ルド回路によって、 微分回路の出力の正方向出力値をホールドし、 ダイオード 2 5およびコンデンサ 2 6からなる負方向ピークホールド回路によって、 微分回路 の出力の負方向出力値をホールドし、 抵抗 2 7, 2 8からなる抵抗加算回路によ つて正方向出力値と負方向出力値とを加算して、 被測定電流に対応した検出信号 を得る。
被測定電流による外部磁界がないときには、 検出用コイル 2 0の両端の電圧波 形の微分波形における正の部分と負の部分は対称であり、 微分波形の正負の各ピ ーク値の和 (絶対値の差) は、 ゼロである。 これに対し、 センサコイル 1 0 4に、 被測定電流による外部磁界が加わったときには、 微分波形における正の部分と負 の部分は非対称となる。 その結果、 微分波形の正負の各ピーク値の和 (絶対値の 差) は、 ゼロ以外の値となり、 これは外部磁界に依存する。 この微分波形におけ る非対称成分は、 検出用コイル 2 0と微分回路によって励振電流波形を 2回微分 することにより、 電圧信号として検出される。 このようにして、 本実施の形態に よれば、 微分波形の正負の各ピーク値の和 (絶対値の差) より、 被測定電流を測 定することができる。
このように、 検出 ·帰還回路 1 0 7は、 センサコイル 1 04に流れる共振電流 のうちのセンサ磁芯 1 0 3が飽和領域に達する部分に基づいて、 被測定電流を検 出する。
抵抗 2 7, 2 8からなる抵抗加算回路によって得られた検出信号は、 オペアン プ 3 2および抵抗 3 1 , 3 3, 34からなる反転アンプによって反転増幅され、 出力検出用抵抗 3 5を経て、 帰還電流経路用コイル 8 1とコンデンサ 8 2の接続 点に印加される。 これにより、 帰還電流経路用コイル 8 1を介して、 センサコィ ル 1 04に負帰還電流が供給され、 センサコイル 1 04に、 外部磁界とは逆方向 の起磁力が与えられる。
被測定電流の測定は、 次のようにして行われる。 すなわち、 出力検出用抵抗 3 5によって、 負帰還電流、 すなわち外部磁界に比例した電流が電圧に変換され、 この電圧が、 オペアンプ 38および抵抗 3 5, 3 6, 3 9, 40よりなる差動ァ ンプによって増幅されて、 出力回路 1 08の検出信号として出力される。 この出 力回路 1 08の検出信号は、 高周波成分検出コイル 1 5 2の検出信号と加算され て、 測定信号として出力端 54より出力される。
以下、 実際に製造した電流センサ装置の具体的な一例について説明する。 この 例では、 磁気ヨーク 1 0 2および磁芯 1 6 2の断面形状は 5 mmX 5 mm、 磁界 遮断部材 1 6 3の断面形状は 5 mmX 3 mmであり、 磁気ヨーク 1 0 2、 磁芯 1 6 2および磁界遮断部材 1 6 3は、 いずれも Mn— Z n系フェライ 卜で形成され ている。 また、 磁芯 1 6 2の両端部と磁気ヨーク 1 0 2との間の空隙の長さは合 計で 1 mmであり、 磁界遮断部材 1 6 3の両端部と磁気ヨーク 1 0 2との間の空 隙の長さも合計で 1 mmである。 高周波成分検出コイル 1 5 2は、 直径 0. 3 m mのウレタン被覆導線を 1 0ターン巻回して構成されている。 また、 シャント抵 抗 1 5 3の抵抗値は 4 Ωであり、 シャントコイル 1 0 5は、 抵抗値ゼロで短絡さ れている。
また、 センサ磁芯 1 0 3は、 N i—Cu— Z n系フェライ ト材で形成され、 芯 径 0. 8mm、 芯長 1. 5mm、 鍔径 2mm、 鍔厚 0. 5mmの形状を有するド ラム型磁芯である。 センサコイル 1 0 4は、 直径 0 . 0 3 m mのウレタン被覆導 線を 1 8 0夕一ン巻回して構成されている。
また、 この例では、 センサコイル 1 0 4の励振周波数を 2 0 0 k H zとした。 シャン卜コイル 1 0 5の遮断周波数と高周波成分検出コイル 1 5 2の遮断周波数 は共に 8 k H zである。 シャントコイル 1 0 5によって高周波成分が遮断された センサコイル 1 0 4による出力信号では、 ナイキスト周波数よりも十分低い遮断 周波数 8 k H zを越える周波数成分が減衰されるので、 被測定電流の変動成分の 周波数と励振周波数とによるビートの発生が防止される。 また、 この例において、 出力端 5 4より出力される測定信号の応答周波数帯域は 0〜 1 0 0 k H zであつ た。 なお、 応答周波数の上限は、 磁気ヨーク 1 0 2の比抵抗が低いために発生す る渦電流損失による。
本実施の形態によれば、 共振回路の共振電流をセンサコイル 1 0 4に供給する ようにしたので、 センサ磁芯 1 0 3が飽和領域に達するような交流の励振電流を センサコイル 1 0 4に容易に供給することができる。
また、 本実施の形態によれば、 センサコイル 1 0 4に対して交流的に並列に接 続された帰還電流経路用コイル 8 1を経由して、 センサコイル 1 0 4に負帰還法 のための負帰還電流を供給するようにしたので、 共振電流の損失なく、 センサコ ィル 1 0 4に帰還電流を容易に供給することができる。
また、 本実施の形態によれば、 共振回路に対して検出用コイル 2 0を挿入する ことによって、 共振回路の Q値を下げず、 すなわち、 センサコイル 1 0 4に供給 する共振電流の不足を生じることなく、 ポルトオーダ一の検出出力を簡単に得る ことができる。 また、 ピークホールド回路も、 ダイオードとコンデンサを用いた 簡単で安価な回路を使用できる。 なお、 検出用コイル 2 0は、 そのインダクタン ス値がセンサコイル 1 0 4のインダク夕ンス値の数%でも、 十分大きな出力を得 ることができる。 従って、 検出用コイル 2 0は、 巻数が少なく、 通常、 飽和電流 値は十分大きいので、 センサコイル 1 0 4の励振電流 (共振電流) によって飽和 することはない。
これらの技術により、 フェライ ト磁芯等の飽和磁界が大きく、 非線形性の大き な磁芯を用いながら、 大振幅法や負帰還法を適用することが可能となり、 大きな 磁界または大きな電流の検出にフラックスゲート素子を用いることが可能となる < 以下、 本実施の形態に係る電流センサ装置が有する特徴を列記する。
( I) 被測定電流が通過する電流経路の位置変動による被測定電流の測定誤差が 小さい。
(2) 負帰還法を用いることができるので、 感度ばらつきや温度特性を、 自動的 に改善することができる。
(3) 従って、 感度調整や温度特性補正が不要である。
(4) また、 オフセット調整も不要である。
(5) 大振幅励振法を用いることができるので、 特性が良い。
(6) センサ部に特殊な工法を必要としない。
( 7) 共振電流を利用するので、 低い電源電圧、 高い周波数でセンサコイルを駆 動することができる。
(8) 何らの特殊な材料や特殊な工法を用いることなく製造でき、 回路も非常に 簡単であるので、 きわめて安価に製造することができ、 大量の需要に応えること が可能である。
(9) 周波数応答性が良い。
( 1 0) 共振電流を利用するので、 消費電力が少ない。
( I I ) 構成が簡単なので、 小型軽量である。
本実施の形態におけるその他の構成、 作用および効果は、 第 4または第 6の実 施の形態と同様である。
[第 8の実施の形態]
次に、 本発明の第 8の実施の形態に係る電流センサ装置について説明する。 第 1 5図は、 本実施の形態に係る電流センサ装置の構成を、 磁気ヨークを含めて示 す回路図である。 第 1 6図は、 本実施の形態に係る電流センサ装置の構成を、 磁 気ヨークを除いて示す回路図である。 本実施の形態に係る電流センサ装置では、 磁気ヨーク 1 02、 センサ磁芯 1 0 3、 センサコイル 1 04、 シャントコイル 1 05、 磁芯 1 6 2および磁界遮断部材 1 6 3の配置は、 第 7の実施の形態と同様 になっている。
以下、 本実施の形態に係る電流センサ装置の回路構成について説明する。 本実 施の形態では、 第 7の実施の形態における高周波成分検出コイル 1 5 2およびシ ヤン卜抵抗 1 5 3は設けられていない。 また、 出力端 5 4はオペアンプ 3 8の出 力端に接続されている。
本実施の形態では、 磁芯 1 6 2に、 第 7の実施の形態における高周波成分検出 コイル 1 5 2ではなく、 センサコイル 1 0 4に負帰還電流を供給するための経路 を形成する帰還電流経路用コイル 1 8 1が巻回されている。 この帰還電流経路用 コイル 1 8 1の一端は、 センサコイル 1 0 4の一端に接続され、 他端は出力回路 1 0 8における出力検出用抵抗 3 5と抵抗 3 7の接続点に接続されている。
本実施の形態では、 帰還電流経路用コイル 1 8 1は第 2の磁路に配置されてい るので、 この帰還電流経路用コイル 1 8 1には、 電流経路 1 0 1を流れる被測定 電流の高周波成分に対応する高周波電流が誘起される。 すなわち、 本実施の形態 における帰還電流経路用コイル 1 8 1は高周波成分検出コイルを兼ねている。 な お、 図 1 6に示したように、 帰還電流経路用コイル 1 8 1は、 帰還電流経路用コ ィル 1 8 1とセンサコイル 1 0 4の直列回路から見て、 外部磁界によって帰還電 流経路用コイル 1 8 1に誘起される電流の極性と外部磁界によってセンサコイル 1 0 4に誘起される電流の極性とがー致するように配置されている。 すなわち、 帰還電流経路用コイル 1 8 1とセンサコイル 1 0 4の直列回路において、 還電流 経路用コイル 1 8 1に誘起される電流の高周波成分とセンサコイル 1 0 4に誘起 される電流の高周波成分は加算されるようになっている。
帰還電流経路用コイル 1 8 1は、 出力回路 1 0 8における出力検出用抵抗 3 5 に接続されているので、帰還電流経路用コイル 1 8 1に誘起された高周波電流は、 出力検出用抵抗 3 5の両端に、 被測定電流の高周波成分に対応する電位差を生じ させる。 従って、 出力回路 1 0 8において、 フラックスゲ一ト磁気センサ素子に よる検出信号と被測定電流の高周波成分に対応した信号とが加算されて、 これが 測定信号として出力端 5 4より出力される。
本実施の形態によれば、 帰還電流経路用コイル 1 8 1が高周波成分検出コイル を兼ねているので、 簡単な構成で、 負帰還法を採用しながら応答周波数帯域の広 帯域化が可能になる。
本実施の形態におけるその他の構成、 作用および効果は、 第 7の実施の形態と 同様である。
第 4ないし第 8の実施の形態を含む本発明の電流センサ装置によれば、 磁気セ ンサ素子と高周波成分検出コイルを、 互いに異なる第 1の磁路と第 2の磁路に配 置したので、 磁気センサ素子と高周波成分検出コイルに対して遮断周波数の設定 等を独自に行うことが可能となり、 その結果、 被測定電流の変動成分の周波数と 励振周波数とによるピ一卜の発生や、装置の製造の困難化や大型化を抑えながら、 応答周波数帯域の広帯域化が可能になる。
また、 第 1の磁路を通過する磁束における所定の遮断周波数を越える周波数成 分を減衰させる減衰手段を備えた場合には、 更に、 ビ一卜を発生させるような周 波数の磁界が磁気センサ素子に印加されることを防止することが可能になる。 また、 磁芯とこの磁芯に巻回されたセンサコイルとを有する磁気センサ素子を 用い、 第 1の磁路を通過する磁束における所定の遮断周波数を越える周波数成分 を減衰させる減衰手段を備えると共に、 遮断周波数を、 センサコイルの励振電流 の周波数から定まるナイキスト周波数以下の周波数とした場合には、 更に、 ビー トを発生させるような、 ナイキスト周波数を越える周波数の磁界が磁気センサ素 子に印加されることを防止することができる。
また、 第 2の磁路を、 電流経路と第 1の磁路との間に配置し、 第 2の磁路に磁 界遮断部材を配置し、 この磁界遮断部材に高周波成分検出コイルを巻回した場合 には、 更に、 磁気センサ素子に対して、 電流経路を流れる電流によって発生し磁 気ヨークを通らない磁束による磁界を遮断することができ、 磁気ヨークの内側の 孔を貫通する電流経路の位置の変動に起因して発生する測定誤差を軽減すること ができる。
また、 第 2の磁路に、 センサコイルに対して負帰還電流を供給するための経路 を形成すると共に被測定電流の高周波成分を検出する高周波成分検出コイルを配 置した場合には、 更に、 簡単な構成で、 負帰還法を採用しながら応答周波数帯域 の広帯域化が可能になる。
以上説明したように、 第 1ないし第 8の実施の形態を含む本発明の電流センサ 装置によれば、 磁気ヨークを通過する磁束の磁路が、 主として磁気センサ素子を 通り、 磁気ヨークを通過する磁束の一部が通過する第 1の磁路と、 磁気ヨークを 通過する磁束の他の一部が通過する第 2の磁路とを含むようにしたので、 第 2の 磁路を用いて、 磁気センサ素子に対して磁気ョ一クを通らない磁束による磁界を 遮断する機能や、 電流の高周波成分を検出する機能等の他の機能を達成すること が可能となる。
なお、 本発明は、 上記各実施の形態に限定されず、 種々変更が可能である。 例 えば、 本発明は、 磁気センサ素子としてフラックスゲート素子を用いる電流セン サ装置に限らず、 磁気センサ素子としてホール素子等の他の素子を用いる電流セ ンサ装置にも適用することができる。
また、 上記各実施の形態では、 発振回路としてクラップ発振回路を例にとって 説明したが、 本発明は、 これに限らず、 コルピッツ発振回路やハートレー発振回 路等の他の発振回路を用いる場合にも適用することができる。
以上の説明に基づき、 本発明の種々の態様や変形例を実施可能であることは明 らかである。 従って、 以下の請求の範囲の均等の範囲において、 上記の最良の形 態以外の形態でも本発明を実施することが可能である。

Claims

請 求 の 範 囲
1 . 電流経路を囲うように配置され、 一部に空隙部を有し、 前記電流経路を流 れる電流によって発生する磁束を通過させる環状の磁気ヨークと、
前記磁気ヨークの前記空隙部内に配置され、 前記電流経路を流れる電流によつ て発生する前記空隙部内における磁界を検出する磁気センサ素子と
を備え、
前記磁気ヨークを通過する磁束の磁路は、主として前記磁気センサ素子を通り、 前記磁気ヨークを通過する磁束の一部が通過する第 1の磁路と、 前記磁気ヨーク を通過する磁束の他の一部が通過する第 2の磁路とを含む
ことを特徴とする電流センサ装置。
2 . 更に、 前記電流経路と前記空隙部との間に配置され、 前記磁気センサ素子 に対して、 前記電流経路を流れる電流によって発生し前記磁気ヨークを通らない 磁束による磁界を遮断する磁界遮断部を備え、
前記第 2の磁路は、 前記磁界遮断部によって形成されることを特徴とする請求 の範囲第 1項記載の電流センサ装置。
3 . 前記磁界遮断部は、 前記磁気ヨークに対して分離されていることを特徴と する請求の範囲第 2項記載の電流センサ装置。
4 . 前記磁界遮断部は、 前記磁気ヨークと一体化されていることを特徴とする 請求の範囲第 2項記載の電流センサ装置。
5 . 前記磁界遮断部は、 一部に空隙部を有していることを特徴とする請求の範 囲第 4項記載の電流センサ装置。
6 . 前記磁界遮断部の空隙部の中心の位置は、 前記電流経路の中心と前記磁気 ヨークの空隙部の中心とを結ぶ直線から外れた位置に配置されていることを特徴 とする請求の範囲第 5項記載の電流センサ装置。
7 . 前記磁界遮断部は、 磁性体によって形成されていることを特徴とする請求 の範囲第 2項記載の電流センサ装置。
8 . 前記磁気センサ素子は、 フラックスゲート磁気センサ素子であることを特 徴とする請求の範囲第 2項記載の電流センサ装置。
9 . 更に、 前記電流経路を流れる電流の高周波成分を検出する高周波成分検出 コイルを備え、
前記高周波成分検出コイルは前記第 2の磁路に配置されていることを特徴とす る請求の範囲第 1項記載の電流センサ装置。
1 0 . 更に、 前記第 1の磁路に配置され、 前記第 1の磁路を通過する磁束におけ る所定の遮断周波数を越える周波数成分を減衰させる減衰手段を備えたことを特 徵とする請求の範囲第 9項記載の電流センサ装置。
1 1 . 前記磁気センサ素子は、 前記第 1の磁路に配置された磁芯と、 前記磁芯に 巻回された、 前記第 1の磁路を通過する磁束による磁界を検出するためのセンサ コイルとを有することを特徴とする請求の範囲第 9項記載の電流センサ装置。
1 2 . 更に、 前記磁芯が飽和領域に達するような交流の励振電流を前記センサコ ィルに供給して前記センサコイルを駆動する駆動手段と、 前記センサコイルのィ ンダクタンスの変化を検出することにより、 前記電流経路を流れる電流を測定す る測定手段とを備えたことを特徴とする請求の範囲第 1 1項記載の電流センサ装 置。
1 3 . 更に、 前記第 1の磁路に配置され、 前記第 1の磁路を通過する磁束におけ る所定の遮断周波数を越える周波数成分を減衰させる減衰手段を備え、 前記遮断 周波数は、 前記励振電流の周波数から定まるナイキス卜周波数以下の周波数であ ることを特徴とする請求の範囲第 1 2項記載の電流センサ装置。
1 4 . 前記駆動手段は、 前記センサコイルを一部に含む直列共振回路を有し、 前 記励振電流として、 前記直列共振回路に流れる共振電流を前記センサコイルに供 給することを特徴とする請求の範囲第 1 2項記載の電流センサ装置。
1 5 . 更に、 前記センサコイルに、 直流を含めた、 前記励振電流の周波数以外の 周波数の電流を供給する電流供給手段を備えたことを特徴とする請求の範囲第 1 2項記載の電流センサ装置。
1 6 . 前記電流供給手段は、 前記測定手段の出力を前記センサコイルに負帰還す るための負帰還電流を前記センサコイルに供給することを特徴とする請求の範囲 第 1 5項記載の電流センサ装置。
1 7 . 前記高周波成分検出コイルは、 前記負帰還電流を前記センサコイルに供給 するための経路を形成することを特徴とする請求の範囲第 1 6項記載の電流セン サ装置。
1 8 . 前記測定手段は、 前記センサコイルに対して直列に接続されたインダクタ ンス素子と、 このインダク夕ンス素子の両端に発生する電圧を微分して、 前記電 流経路を流れる電流に応じた信号を出力する微分回路とを有することを特徴とす る請求の範囲第 1 2項記載の電流センサ装置。
1 9 . 前記第 2の磁路は、 空隙を含むことを特徴とする請求の範囲第 9項記載の 電流センサ装置。
2 0 . 前記第 2の磁路は、 前記電流経路と前記第 1の磁路との間に配置されてい ることを特徴とする請求の範囲第 9項記載の電流センサ装置。
2 1 . 更に、 前記第 2の磁路に配置され、 前記磁気センサ素子に対して、 前記電 流経路を流れる電流によって発生し前記磁気ヨークを通らない磁束による磁界を 遮断する、 磁性体からなる磁界遮断部材を備え、 前記高周波成分検出コイルは、 前記磁界遮断部材に巻回されていることを特徴とする請求の範囲第 2 0項記載の 電流センサ装置。
2 2 . 電流経路を囲うように配置され、 一部に空隙部を有し、 前記電流経路を流 れる電流によって発生する磁束を通過させる環状の磁気ヨークと、
前記磁気ヨークの前記空隙部内に配置され、 前記電流経路を流れる電流によつ て発生する前記空隙部内における磁界を検出する磁気センサ素子と、
前記電流経路と前記空隙部との間に配置され、 前記磁気センサ素子に対して、 前記電流経路を流れる電流によって発生し前記磁気ヨークを通らない磁束による 磁界を遮断する磁界遮断部と
を備えたことを特徴とする電流センサ装置。
2 3 . 前記磁界遮断部は、 前記磁気ヨークに対して分離されていることを特徴と する請求の範囲第 2 2項記載の電流センサ装置。
2 4 . 前記磁界遮断部は、 前記磁気ヨークと一体化されていることを特徴とする 請求の範囲第 2 2項記載の電流センサ装置。
2 5 . 前記磁界遮断部は、 一部に空隙部を有していることを特徴とする請求の範 囲第 2 4項記載の電流センサ装置。
2 6 . 前記磁界遮断部の空隙部の中心の位置は、 前記電流経路の中心と前記磁気 ヨークの空隙部の中心とを結ぶ直線から外れた位置に配置されていることを特徴 とする請求の範囲第 2 5項記載の電流センサ装置。
2 7 . 前記磁界遮断部は、 磁性体によって形成されていることを特徴とする請求 の範囲第 2 2項記載の電流センサ装置。
2 8 . 前記磁気センサ素子は、 フラックスゲート磁気センサ素子であることを特 徴とする請求の範囲第 2 2項記載の電流センサ装置。
補正書の請求の範囲
[ 1 9 9 9年 1 0月 2 5日 (2 5 . 1 0 . 9 9 ) 国際事務局受理:出願当初の 請求の範囲 1は補正された;他の請求の範囲は変更なし。 ( 5頁)]
1 . (補正後) 電流経路を囲うように配置され、 一部に空隙部を有し、 前記電流 経路を流れる電流によって発生する磁束を通過させる環状の磁気ヨークと、 前記磁気ヨークの前記空隙部内に配置され、 前記電流経路を流れる電流によつ て発生する前記空隙部内における磁界を検出する磁気センサ素子と
を備え、
前記磁気ヨークを通過する磁束の磁路は、主として前記磁気センサ素子を通り、 前記磁気ヨークを通過する磁束の一部が通過する第 1の磁路と、 前記磁気ヨーク を通過する磁束の他の一部が通過し、 磁界検出以外の他の機能のために使用され る第 2の磁路とを含む
ことを特徴とする電流センサ装置。
2 . 更に、 前記電流経路と前記空隙部との間に配置され、 前記磁気センサ素子 に対して、 前記電流経路を流れる電流によって発生し前記磁気ヨークを通らない 磁束による磁界を遮断する磁界遮断部を備え、
前記第 2の磁路は、 前記磁界遮断部によって形成されることを特徴とする請求 の範囲第 1項記載の電流センサ装置。
3 . 前記磁界遮断部は、 前記磁気ヨークに対して分離されていることを特徴と する請求の範囲第 2項記載の電流センサ装置。
4 . 前記磁界遮断部は、 前記磁気ヨークと一体化されていることを特徴とする 請求の範囲第 2項記載の電流センサ装置。
5 . 前記磁界遮断部は、 一部に空隙部を有していることを特徴とする請求の範 囲第 4項記載の電流センサ装置。
6 . 前記磁界遮断部の空隙部の中心の位置は、 前記電流経路の中心と前記磁気 ヨークの空隙部の中心とを結ぶ直線から外れた位置に配置されていることを特徴 とする請求の範囲第 5項記載の電流センサ装置。
7 . 前記磁界遮断部は、 磁性体によって形成されていることを特徴とする請求 の範囲第 2項記載の電流センサ装置。
8 . 前記磁気センサ素子は、 フラックスゲート磁気センサ素子であることを特
捕正された用紙 (条約第 19条) 徴とする請求の範囲第 2項記載の電流センサ装置,
捕正された用紙 (条約第 19^
9 . 更に、 前記電流経路を流れる電流の高周波成分を検出する高周波成分検出コ ィルを備え、
前記高周波成分検出コイルは前記第 2の磁路に配置されていることを特徴とす る請求の範囲第 1項記載の電流センサ装置。
1 0 . 更に、 前記第 1の磁路に配置され、 前記第 1の磁路を通過する磁束におけ る所定の遮断周波数を越える周波数成分を減衰させる減衰手段を備えたことを特 徴とする請求の範囲第 9項記載の電流センサ装置。
1 1 . 前記磁気センサ素子は、 前記第 1の磁路に配置された磁芯と、 前記磁芯に 巻回された、 前記第 1の磁路を通過する磁束による磁界を検出するためのセンサ コイルとを有することを特徴とする請求の範囲第 9項記載の電流センサ装置。
1 2 . 更に、 前記磁芯が飽和領域に達するような交流の励振電流を前記センサコ ィルに供給して前記センサコイルを駆動する駆動手段と、 前記センサコイルのィ ンダクタンスの変化を検出することにより、 前記電流経路を流れる電流を測定す る測定手段とを備えたことを特徴とする請求の範囲第 1 1項記載の電流センサ装 置。
1 3 . 更に、 前記第 1の磁路に配置され、 前記第 1の磁路を通過する磁束におけ る所定の遮断周波数を越える周波数成分を減衰させる減衰手段を備え、 前記遮断 周波数は、 前記励振電流の周波数から定まるナイキスト周波数以下の周波数であ ることを特徴とする請求の範囲第 1 2項記載の電流センサ装置。
1 4 . 前記駆動手段は、 前記センサコイルを一部に含む直列共振回路を有し、 前 記励振電流として、 前記直列共振回路に流れる共振電流を前記センサコイルに供 給することを特徴とする請求の範囲第 1 2項記載の電流センサ装置。
1 5 . 更に、 前記センサコイルに、 直流を含めた、 前記励振電流の周波数以外の 周波数の電流を供給する電流供給手段を備えたことを特徴とする請求の範囲第 1 2項記載の電流センサ装置。
1 6 . 前記電流供給手段は、 前記測定手段の出力を前記センサコイルに負帰還す るための負帰還電流を前記センサコイルに供給することを特徴とする請求の範囲 第 1 5項記載の電流センサ装置。
1 7 . 前記高周波成分検出コイルは、 前記負帰還電流を前記センサコイルに供給
補正された用紙 (条約第 19条) するための経路を形成することを特徴とする請求の範囲第 1 6項記載の電流セン サ装置。
1 8 . 前記測定手段は、 前記センサコイルに対して直列に接続されたインダクタ ンス素子と、 このインダク夕ンス素子の両端に発生する電圧を微分して、 前記電 流経路を流れる電流に応じた信号を出力する微分回路とを有することを特徴とす る請求の範囲第 1 2項記載の電流センサ装置。
1 9 . 前記第 2の磁路は、 空隙を含むことを特徵とする請求の範囲第 9項記載の 電流センサ装置。
2 0 . 前記第 2の磁路は、 前記電流経路と前記第 1の磁路との間に配置されてい ることを特徴とする請求の範囲第 9項記載の電流センサ装置。
2 1 . 更に、 前記第 2の磁路に配置され、 前記磁気センサ素子に対して、 前記電 流経路を流れる電流によって発生し前記磁気ヨークを通らない磁束による磁界を 遮断する、 磁性体からなる磁界遮断部材を備え、 前記高周波成分検出コイルは、 前記磁界遮断部材に卷回されていることを特徴とする請求の範囲第 2 0項記載の 電流センサ装置。
2 2 . 電流経路を囲うように配置され、 一部に空隙部を有し、 前記電流経路を流 れる電流によって発生する磁束を通過させる環状の磁気ヨークと、
前記磁気ヨークの前記空隙部内に配置され、 前記電流経路を流れる電流によつ て発生する前記空隙部内における磁界を検出する磁気センサ素子と、
前記電流経路と前記空隙部との間に配置され、 前記磁気センサ素子に対して、 前記電流経路を流れる電流によって発生し前記磁気ヨークを通らない磁束による 磁界を遮断する磁界遮断部と
を備えたことを特徴とする電流センサ装置。
2 3 . 前記磁界遮断部は、 前記磁気ヨークに対して分離されていることを特徴と する請求の範囲第 2 2項記載の電流センサ装置。
2 4 . 前記磁界遮断部は、 前記磁気ヨークと一体化されていることを特徴とする 請求の範囲第 2 2項記載の電流センサ装置。
2 5 . 前記磁界遮断部は、 一部に空隙部を有していることを特徴とする請求の範 囲第 2 4項記載の電流センサ装置。
捕正された用^ (条約第 19条)
2 6 . 前記磁界遮断部の空隙部の中心の位置は、 前記電流経路の中心と前記磁気 ヨークの空隙部の中心とを結ぶ直線から外れた位置に配置されていることを特徴 とする請求の範囲第 2 5項記載の電流センサ装置。
2 7 . 前記磁界遮断部は、 磁性体によって形成されていることを特徴とする請求 の範囲第 2 2項記載の電流センサ装置。
2 8 . 前記磁気センサ素子は、 フラックスゲート磁気センサ素子であることを特 徵とする請求の範囲第 2 2項記載の電流センサ装置。
補正された用紙 (条約第 19条) 条約 1 9条に基づく説明書 請求の範囲第 1項における 「前記磁気ヨークを通過する磁束の他の一部が通過 する第 2の磁路」 を 「前記磁気ヨークを通過する磁束の他の一部が通過し、 磁界 検出以外の他の機能のために使用される第 2の磁路」 に補正した。
この補正は、 請求の範囲第 1項記載の発明と引用文献記載の発明との差異を明 確にする。 すなわち、 磁気ヨークを通過する磁束の磁路が、 主として磁気センサ 素子を通り、 磁気ヨークを通過する磁束の一部が通過する第 1の磁路と、 磁気ョ ークを通過する磁束の他の一部が通過し、 磁界検出以外の他の機能のために使用 される第 2の磁路とを含むような構成の電流センサ装置は、 いずれの引用文献に も記載されていない。
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