WO2000038902A1 - Procede de moulage du fond d'un recipient evase utilisant le soufflage bi-oriente - Google Patents

Description

明 細 書 延伸ブロー成形による広口容器の底部成形方法 技術分野

この発明は、 延伸プロ一成形による広口容器の底部成形方法に 関し、 特に、 射出成形した広口のプリ フ ォームを延伸ブロー成形 して製造される合成樹脂製の広口容器の底部成形方法に関する も のである。 背景技術

延伸ブロー成形により胴部及び底部が薄肉に形成された広口容 器では、口部の外径と胴部の外径との差が余りない。そのために、 ボ トルなどの細口容器に比べて、 径方向への延伸倍率が小さい。 このためプリ フ ォームを円錐台形状に形成して、 径方向の延伸倍 率を大き く したり、 またプリ フ ォ一ムを器形状 （力 ップ状） に形 成して胴部を軸方向にできるだけ長く延伸するなどして胴部の延 伸倍率を大き く している。

上記円錐台形状のプリ フ ォームの延伸は、 底部中央に延伸ロ ッ ド先端の押圧部材を当接して行う。 器形状のプリ フ ォームの延伸 は、 胴部下端と底部の境界に形成された隅部を円盤状に形成した 押圧部材を当接して行う。

上記底部の中央部を押圧して延伸する場合の課題は、 延伸ロ ッ ドの伸長による延伸応力が中央部に集中して、 中央部の樹脂温度 が胴部の樹脂温度と同じ程度であると、 ロッ ド先端の押圧部材に より 中央部が突き破れてしま う。 これを防止するために底部の中 央部を他の部分より も薄肉に形成して樹脂温度を低く維持し、 こ れにより底部中央部が押圧力に充分に耐えるようにしている。 し かし、 このために中央部は他の部分より延伸されず、 エアブロー による径方向への延伸も不充分となり、 この部分が広口容器の底 部中央にレンズ状の厚肉部と して残り易い。 この中央部は殆ど延 伸されていないことから衝撃強度に劣り、 また充分に延伸された 他の部分より も耐熱性に劣る、 という課題があった。

また底部周囲の隅部を円盤状の押圧部材により押圧して延伸す る場合の課題は、 底部の延伸が殆ど行われず、 広口容器の底部と しては射出成形された状態のままであった。 このような延伸方法 は、 樹脂自体が可撓性を有するポリ プロ ピレンやポ リエチレンに は適合しても、 二軸配向によって諸々の物性が向上するポ リェチ レンテレフ夕 レー ト （ P E T ) やポリエチレンナフタレー ト （ P E N ) 等のポリエステル樹脂には応用し難いものであった。

また広口容器の殆どは、 ノくタ一、 ジャム、 ピーナッツバター、 蜂蜜等の粘稠性を有する加工食品の包装用容器と して使用され、 それらの加工食品は加熱状態で広口容器に充填される。 このため 底部の延伸不足は充填時の熱変形を招き、 それが底部であっても 商品のイメージダウンとなる。

また加熱充填後に容器の密閉を行う と、 内容物の冷却に伴う減 圧によつて胴部が変形することが多々ある。

この減圧変形は、 広口容器胴部を多面形に形成するこ とによつ て目立たな く するこ とができる。 しかし、 胴部が円筒形の広口容 器には採用することが出来ないために、 加熱充填を要する広口容 器の形状は、 その殆どが円筒形容器との比較において、 ラベル貼 りに手数を要し、 また内容物の透視状態の点でも劣る多面形の胴 部のものであった。

そこで、 広口容器の底部を減圧時に変形し易いような形状に成 形する試みも行われている。 例えば、 底部を同心円に多重成形さ れた凹凸面による蛇腹状に形成して、 減圧にともない底部を底部 周縁より も内側に大き く 四入変形させることにより、 胴部の減圧 変形を防止する。 これにより円筒形の広口容器でも加熱充填がで きる。

しかしながら、 先にも述べたように、 延伸ブロー成形ではプリ フ ォーム底部が最も延伸し難い箇所である。 底部は胴部に比べて 肉厚分布が不均一になり易 く 、 高圧のプロ一エアの圧力をもって しても、 底型の型面に形成した凹凸面を型面通りに底部に転写す るこ とが困難で、 底部に形成される蛇腹は折曲部分が厚肉の凹凸 断面となる。 このため減圧時の変形が乏しく 、 胴部の減圧変形を 防止するまでには至らぬものであった。

この発明は、 上記広口容器の底部成形における従来の課題を解 決するために考えられたものであって、 その目的は、 胴部と底部 とをそれぞれ別個に段階的に延伸するこ とによって、 プリ フ ォー ムの底部を胴部と同様に薄肉で肉厚分布が整った状態に成形でき、 また広口容器の用途に応じて、 底部を同心円に多重成形された鋭 角な凹凸面による蛇腹状に成形することもできる延伸ブロー成形 による広口容器の底部成形方法を提供することである。 発明の開示

上記目的を達成するために、本発明は、短筒形で厚肉の胴部と、 胴部下端に連なる板状で薄肉の底部とを、 その境界を隅部と して 一体形成したプリ フ ォームを射出成形し、 そのプリ フ ォームを広 口容器に延伸ブロー成形する際のブロー金型と して、 底型をキヤ ビティ 内に進退自在に備えたプロ一金型を用い、 延伸ロ ッ ドと し て上記底部の中央部を押圧するコア部材と、 そのコア部材の周囲 に位置して上記隅部を押圧するスカ一 ト部材の両方を備えた延伸 ロッ ドを用い、 その延伸ロ ッ ドにより上記プリ フ ォームの胴部と 底部の延伸を個々に何れかを先行して、 その延伸を胴部がキヤ ビ ティ 底縁に達するとともに、 底部がキヤ ビティ底縁より も下方へ 突出して、 キヤ ビティ底面に没入した底型上に位置するところま で行い、 しかるのち上記底型をプリ フォームがエアブローされて いる状態の下にキヤ ビティ 内に突出して、 一次的に延伸された底 部をキヤ ビティ底縁から上方に更に延伸して、 肉厚分布が整った 薄肉の容器底部に形成する、 という延伸ブロー成形による広口容 器の底部成形方法を提供するものである。

本発明による底部成形方法では、 プリ フ ォームの底部と胴部の 縦方向延伸が上記コア部材とス力一 ト部材によ り別個に行われ、 また底部は延伸ロッ ドによる一次的延伸の後に底型によ り再度延 伸されて広口容器の底部が形成される。 よって、 従来の底部中央 を押圧して、 底部と胴部の延伸を同時に行う場合より も底部の延 伸が確実に行われて、 底部の肉厚分布が整つたものとなる。

また本発明の別の態様と しては、上記ブロー金型の底型と して、 上記キヤ ビティ に臨む型面が同心円に多重成形された鋭角な凹凸 面からなる底型を用い、 上記延伸ロ ッ ドとして上記スカー ト部材 を延伸ロ ッ ドに遊嵌してばね部材により常時下方へ弾圧してコア 部材の周囲に設けた延伸口 ッ ドを用い、 そのスカ一 ト部材によ り プリ フ ォームの胴部下端をキヤ ビティ底縁に抑えた状態で底型を キヤ ビティ 内に突出し、 一次的に延伸された底部をキヤ ビティ 底 縁から上方に押し戻すように更に延伸するとともに、 底部を上記 型面により同心円に多重成形された鋭角な凹凸面による蛇腹状に 形成してなる、 という ものである。

このような底部成形方法では、 プリ フ ォームの胴部の縦方向延 伸が上記スカー ト部材により行われる。 また、 スカー ト部材によ り底面周辺の隅部が支持された状態にて、 底部の中央部に当接さ れた延伸ロ ッ ドにより底面の延伸が行われるので、 底面が従来よ り も薄肉に延伸されることになる。 また底面の成形は薄肉に延伸 した後に底型をキヤ ビティ 内へ圧入し、 型面を薄肉の底面に押込 んで行う。 そのため、 底型の型面が鋭角な凹凸面であっても、 そ の凹凸面の底面への転写が確実に行われ、 減圧により容器内へ伸 長変形して、 胴部の変形を防止する蛇腹状底面と して成形するこ とができる。

本発明の上記プリ フ ォームは、 延伸ブロー成形が可能な熱可塑 性樹脂からなる ものであって、 底部は上記延伸ロッ ドのコア部材 が当接される中央部と、 その中央部と上記スカー ト部材が当接さ れる隅部との間の中間部位とからなり、 その中間部位を同心円の 隆起部分により中央部より も厚肉にして、 上記中央部より先に延 伸するように形成してなる、 という ものである。

上記構成のプリ フ ォームでは、 底部の中間部位が中央部より も 厚肉に形成されているので、 その両方の部分の樹脂が保有する熱 量は肉厚の差から中間部位の方が中央部より も高い。 コア部材に より中央部が押圧されると、 中間部位が先に延伸して隆起部分が 薄く 伸ばされ、 それにより中央部との肉厚がな く なって、 その後 は上記スカー ト部材が隅部に達するまでの間、 底部全体が延伸さ れるようになる。 従来技術においては、 延伸時における中央部への応力集中によ つて、 底部が突き破られるこ とを防止するために、 底部全体を胴 部より も薄肉に形成して胴部より も低温に設定し、 胴部が底部よ り も薄肉に延伸された後に底部が延伸されるようなプリ フ ォーム 温度に設定された底部であったために、 底部の肉厚分布が不均一 となってしまっていた。 しかし、 これが容易に改善され、 広口容 器の用途に応じた底部を成形することが可能となる。

また本発明は、 上記延伸ロ ッ ドのコア部材とスカー ト部材とを 一体形成すると共に、 プリ フ ォーム底部の延伸が先行するよう に コア部材をスカー ト部材よ り も所要寸法だけ突出形成し、 延伸口 ッ ドの伸長により底部が延伸されてから、 スカー ト部材が上記胴 部と底部との境界の隅部に当接されて、 胴部を上記キヤ ビティ底 縁まで延伸する、 という ものでもある。

このような延伸ロ ッ ドの採用により、 延伸ロ ッ ドの伸長をもつ て底部と胴部の延伸を段階的に行う ことができる。 底部と胴部と を個々に前後して延伸するものであっても、 延伸ロ ッ ドの一回の 伸長作動によって、 その両方が連続して行い得るという延伸工程 の簡素化を図ることが可能となる。

本発明の上記延伸ロ ッ ドは、 プロ一コアに上下動自在に挿通し て設けられ、 そのブローコアと上記プリ フォームの口部を挟持し たリ ップ型との嵌合により、 延伸ロ ッ ド先端の上記コア部材とス カー ト部材とがプリ フ ォーム内に挿入位置し、 その延伸ロ ッ ドの 伸長によ り コア部材又はスカー ト部材の何れかがプリ フ ォームの 上記底部又は隅部に当接して延伸を行う、 という ものである。 図面の簡単な説明

第 1 図は、 本発明の延伸ブロー成形による広口容器の底部成形 方法に用いられるプリ フォームの縦断面図である

第 2図は、 本発明の延伸ブロー成形による広口容器の底部成形 方法に用いられるプリ フォームの平面図である。

第 3 図は、 本発明により底部を薄肉に成形した第 1実施形態の 広口容器の縦断面図である。

第 4 図は、 本発明により底部を同心円の凹凸面による蛇腹状に 形成した第 2実施形態の広口容器の縦断面図である。

第 5 図は、 本発明による第 2実施形態の広口容器の減圧変形状 態を示す縦断面図である。

第 6図は、 第 1 実施形態の広口容器を延伸ブロー成形する前の 金型内の状態を示す縦断面図である。

第 7 図は、 第 1 実施形態による底部の先行延伸状態を示す縦断 面図である。

第 8 図は、 第 1 実施形態による底部延伸後の胴部の延伸状態を 示す縦断面図である。

第 9 図は、 底型をエアブロー状態にてキヤ ビティ 内に突出して 第 1実施形態の広口容器を完成した際の断面図である。

第 1 0図は、 第 2実施形態の広口容器を延伸ブロー成形する前 の金型内の状態を示す縦断面図である。

第 1 1 図は、 第 1 0図の A— A線におけるキヤ ビティ の平断面 図である。

第 1 2図は、 第 2実施形態による、 胴部を延伸したのちに底部 を延伸した状態を示す縦断面図である。

第 1 3図は、 底型をエアブロー状態にてキヤ ビティ 内に突出し て底部を蛇腹状に形成した第 2形態の広口容器を完成した際の断 面図である。 発明を実施するための最良の形態

以下、 本発明を添付の図面を参照して説明するが、 本発明はこ れに限定されない。 第 1 図及び第 2図は、 本発明の方法を採用し て製造し得るプリ フォームの 1実施形態を示すものである。

このプリ フ ォーム 1 は、ポ リ エチ レンテレフタ レ一 ト（ P E T )、 ポ リ エチ レ ンナフタ レー ト （ P E N )、 ポ リ エチ レン （ P E )、 ポ リ プロ ピレン （ P P )、 ポ リ カーボネー ト （ P C ) などの熱可塑性 樹脂からなる。

これらの樹脂によるプリ フ ォーム 1 は、 胴部 2 と底部 3 とから なる。 胴部 2は、 射出成形により短筒形で厚肉とされている。 底 部 3 は、 胴部下端に連なる板状で薄肉とされている。 これらの境 界を隅部 2 a として一体形成されている。

またプリ フ ォーム 1 の底部 3は、 中央部 3 b及び該中央部 3 b と上記隅部 2 a との間の中間部位 3 a とから形成されている。 そ の中間部位 3 aは、 同心円の隆起部分により中央部 3 b よ り も厚 肉にして、 その両方が保有する熱量を肉厚の差から中間部位 3 a を中央部 3 ょり も高く し、 中間部位 3 aが延伸してから底部全 体が延伸するように設計されている。

このようなプリ フ ォーム 1 における各部の肉厚は、 成形材料が ポ リ エチ レンテレフタ レー トの場合、 例えば、 胴部 3. 0 mm, 底 部の中央部 1. 5 mm、 中間部位 2. 5〜 3. 0 mmで、 プロ一成形 時には加熱された状態にある。 因にプリ フ ォームの表面温度と し て 9 0〜 1 1 0 °Cの範囲で延伸ブロー成形が行われる。 エアプロ 一時の空気圧としては、 例えば 1 8 〜 2 5 K g f Z c m ²である。 第 3図は、 第 1実施形態の広口容器 4を示すものであり、 上記 プリ フォーム 1 を延伸ブロー成形して製造した底部が通常構造の 広口容器 4である。 この広口容器 4は、 第 6図〜第 9図に示す成 形方法によって成形される。 そのため、 胴部 4 1 は勿論のこと底 部周縁 4 3から容器内に ドーム状に形成された底部 4 2の肉厚分 布も整い、 中央部がレンズ状に厚肉になるという これまでの現象 が解決されている。 底部全体がほぼ均一に薄肉に延伸成形されて いるので、 衝撃強度や耐熱性が向上するようになる。

第 4図は、 底部構造が蛇腹状の第 2実施形態の広口容器 5を示 すものである。 この広口容器 5は、 第 1 0図〜第 1 3図に示す成 形方法によ り成形される。 そのため、 胴部 5 1 と共に底部 5 2 も 肉厚が薄く均一に形成される。 これにより同心円に多重成形され た鋭角な凹凸面による型面の底面への転写も確実に行われて、 底 部 5 2の底面 5 4が底部周縁 5 3から同心円の蛇腹状に形成され る。 上記したように、 密閉容器とされた場合に、 その内部減圧に 伴い、 第 5 図に示すように、 蛇腹状の底面 5 4が容易に変形して 底部 5 2が容器内に引き込まれ、 これにより胴部 5 1 の減圧変形 を防止することが可能となる。

第 6図以下は、 本発明による底部成形方法を示すものである。 第 6 図〜第 9図は上記第 1実施形態の成形工程を、 第 1 0図〜第 1 3図は上記第 2実施形態の成形工程をそれぞれ順に説明する も のである。 なお、 上記何れの成形工程において、 同一部分は同一 符号をもつて説明する。

[第 1実施形態の広口容器 4の底部成形 （第 6図〜第 9図）] 図中 1 1 は、 一対の分割型 1 1 a , 1 1 a による広口容器用の ブロー金型であり、 キヤ ビティ 1 2 に対し進退する底型 1 3を有 する。この底型 1 3のキヤ ビティ 1 2 に臨む型面 1 4 は球面状で、 底型 1 3の上昇によりキヤ ビティ底縁 1 1 bからキヤ ビティ 1 2 内に突出した位置となる。 また降下時にはキヤ ビティ底面の穴内 に没入した位置となり、 その上部に一次的に延伸されたプリ フ ォ —ム底部の挿入スペースを形成している。

1 5はブローコアで、 その内部に延伸ロッ ド 1 6が周囲にエア ブロー間隙 1 7を設けて昇降自在に挿通してある。 この延伸ロ ッ ド 1 6 の先端には、 上記プリ フォーム 1 の底部中央部 3 bを押圧 するコア部材 1 8 と、 上記隅部 2 aを押圧する大径のスカー ト部 材 1 9 とが一体形成してある。 またコア部材 1 8は底部 3 の延伸 が先行するようにスカー ト部材 1 9 より も所要寸法だけ突出形成 してある。

上記プリ フ ォーム 1 は、 口部を除く全体が延伸ブローされる状 態に必要な熱量を保持した状態にあって、 その口部をリ ップ型 2 2 に保持して型開したプロ一金型 1 1 の内に運び入れられる。 そ してプロ一金型 1 1 の型閉によりキヤ ビティ 1 2の上部中央にセ ッ 卜される。 さ らに上方から上記ブローコア 1 5が口部内に気密 に挿入されて、 リ ップ型 2 2 とによりプリ フ ォーム 1 の開口周縁 が挟持される共に、 上記延伸ロッ ド 1 6の先端のコア部材 1 8 と スカー ト部材 1 9 とをプリ フォーム 1 内に収める。

この際、 上記底型 1 3は型面 1 4が上記キャ ビティ底面より も 下方に引っ込んで、 プリ フ ォーム底面がキヤ ビティ 底縁 1 l b よ り も更に下方に位置し、 これにより胴部 2の延伸がキヤ ビティ底 縁 1 1 bまで行えるようにしておく。 かかる作業の後に、 延伸ロ ッ ド 1 6をエアシリ ンダ等による駆 動手段をもって伸長すると、 先ずコア部材 1 8のみがプリ フ ォー ム 1 の底部中央部 3 bを押圧して、 第 7図に示す状態まで延伸を 行う。 この延伸段階では、 スカー ト部材 1 9はコア部材 1 8 より 上方にあるので上記隅部 2 a に当接されず、 底部 3のみが設定寸 法だけ先に延伸されてゆく ようになる。

また中間部位 3 a より も中央部 3 bが薄肉の底部 3では、 肉厚 の差からその保有する熱量が中間部位 3 aの方が中央部より も高 い。したがって、コア部材 1 8 により中央部 3 bが押圧されると、 中間部位 3 aが先に延伸して隆起部分が薄く伸ばされ、 それによ り中央部 3 b との肉厚差がなく なる。 その後に中央部 3 b も延伸 されるようになる。 そして底部 3が全体的に設定された寸法まで 延伸すると、 第 7図のようにスカー ト部材 1 9が隅部 2 a に達し て当接され、 これにより底部周囲を均等に押圧して胴部 2の延伸 が生ずるようになる。

上記スカ一 ト部材 1 9が隅部 2 a に当接された後の底部 3は設 定寸法以上に延伸されることはな く 、 スカ一 ト部材 1 9 による胴 部 2の延伸によってそのままキヤ ビティ底部へと押し下げられて ゆき、 スカー ト部材 1 6がキヤ ビティ底縁 1 1 a に達するまで延 伸が行われる。

スカ一 ト部材 1 6がキヤ ビティ底縁 1 1 b に達した時点では、 上記隅部 2 a も押し伸ばされて薄肉化し、 底部 3はキヤ ビティ 底 面内に没入した上記底型 1 3の型面 1 4上の挿入スペースに収ま る。 この延伸作業に並行して上記ブローコア 1 5のエアブロー間 隙 1 7からエアがプリ フォームにブローされ、 胴部 2は軸方向に 延伸されながら半径方向に膨張してキヤ ビティ周壁面に圧接され、 広口容器 4 の胴部 4 1 の形態をなす。 また底部 3 も挿入スペース 内にて膨らんで薄肉化されるようになる （第 8図参照）。

上記延伸ロッ ド 1 6の伸長による延伸が完了したのち、 延伸口 ッ ド 1 6を自由状態にして、 プロ一エアによる加圧下で底型 1 3 を上昇し、 型面 1 4 により底部 3を押し上げる。 すると、 既に胴 部 4 1 ではキヤ ビティ周壁面との接触により冷却固化が進行して いるので、 その境界となるキヤ ビティ底縁 1 1 bの下側から、 底 部 3が型面 1 4 により上方へ折り返されるように押し伸ばされて 二次的に延伸されるようになる。

この型面 1 4 による延伸は、 位置的な関係から他の部位より も 肉厚に残った中央部 3 bから生じ易く 、 更に延伸は周辺へと波及 する。 底型 1 3が上昇を完了した時点では、 胴部 4 1 との境界を 底縁 4 3 とする薄肉の ドーム状の底部 4 2が成形される。 これに より、 胴部 4 1 と共に薄肉で全体的に肉厚分布が整った底部 4 2 を有する第 1 実施形態の上記広口容器 4が完成される （第 9図参 昭）。

[第 2実施形態の広口容器 5の底部成形 （第 1 0図〜第 1 3図）] 本実施形態により成形方法と、 上記広口容器 4の成形方法の相 違点は、 広口容器 5の底面を蛇腹状に形成するために、 上記延伸 ロ ッ ド 1 6 のコァ部材 1 8 とスカー ト部材 1 9 とを相対的に可動 自在に構成し、 また上記底型 1 3 の型面 1 4 を凹凸面に形成した と o

本実施形態による成形方法が採用する延伸ロ ッ ド 1 6は、 第 1 0図にも示されるように、 先端部が細軸部 1 6 a に形成され、 そ の細軸部 1 6 a にスカー ト部材 1 9がその上部に位置するコイル ばね 2 1 と共に遊嵌してある。 また細軸部 1 6 a の先端には、 該 細軸部 1 6 a より も大径で上縁に段部を形成されたコア部材 1 8 が取り付けてある。 このコア部材 1 8の段部によりスカ一 ト部材 1 9を係止して、 スカー ト部材 1 9が細軸部 1 6 aから脱落する ことを防止するととともに、 コイルばね 2 1 によりスカー ト部材 1 9を常時下方へ弾圧してある。

また上記底型 1 3のキヤ ビティ 1 2に臨む型面 1 4は、 同心円 に多重成形された鋭角な凹凸面が形成されている。

このような延伸ロ ッ ド 1 6 と底型 1 5を備えたブロー金型 1 1 による広口容器 5の底部成形も、 上記広口容器 4を成形する場合 と同様に、 上記プリ フ ォーム 1 を、 上記リ ップ型 2 2により 口部 を保持して型開状態のブロー金型 1 1 の中央部に通常のごと く セ ッ 卜 して行い得る。

セッ ト後に上記ブローコア 1 5を上方から口部に挿入して、 リ ップ型 2 2 とによりプリ フ ォーム 2 0を挟持すると共に、 上記延 伸ロ ッ ド 1 6のコア部材 1 8 とスカー ト部材 1 9 とを所定の個所 に当接し、プリ フ ォームの収縮を防止した状態で型閉じを行う（第 1 0図参照）。

型閉じ後、 エアシ リ ンダ等の駆動により上記延伸ロ ッ ド 1 6を 伸長して、 プリ フ ォーム 2 0の縦方向への延伸を行う。 この延伸 は上記コイルばね 2 1 により常時下方へ弾圧支持された上記スカ — ト部材 1 9 とコア部材 1 8の両方により行われる力く、 スカー ト 部材 1 9はキヤ ビティ底縁 1 1 bに達するところで停止する。

しかし、 延伸ロ ッ ド 1 6はコイルばね 2 1 に抗して、 コア部材 1 8が上記底型 1 3の型面 1 4に達するまで底面を延伸する。 こ のため底面の延伸は、 圧縮されたばね部材 2 1 によ り弾圧された スカー ト部材 1 9 とキヤ ビティ底縁 1 1 b とにより底部 3の周辺 を支持した状態で、 段階的に行われるこ とになるので、 従来より も薄肉に延伸されることになる （第 1 2図参照）。

このプリ フ ォーム 1 の縦方向への延伸は、 上記ブローコア 1 5 のエアブロー間隙 1 7からプリ フ ォーム内にエアをブローしなが ら行う。 エアブローによりプリ フ ォーム 1がキヤ ビティー杯に膨 張して上記広口容器 5 に形成されたのち、 エアブロー状態を維持 したまま延伸ロ ッ ド 1 6の駆動力を除いて上記底型 1 3を上昇移 動し、 底型上部を型面 1 4をャビティ 内に圧入する。

駆動力の除去により 自由状態となした延伸口 ッ ド 1 6は、 圧縮 されたばね部材 2 1 の復元力により、 コア部材 1 8 とと もに該コ ァ部材 1 8がスカー ト部材 1 9に受け止められるところまで上昇 するよう になる。 またコア部材 1 8は底型 1 3の上昇により、 上 方へ押し戻されるよう になるので、一次的に延伸された底部 3力 スカ一 ト部材 1 9 によ り上記キヤ ビティ底縁 1 1 b に支持された 状態で、 型面 1 4によりキヤ ビティ 内側へと押込められる。

これにより広口容器 5の底部周縁 5 3が成形されると同時に、 底型 1 3の押圧力とプロ一ェァによる内圧の両方によって、 型面 1 4の凹凸面が薄肉に形成された広口容器 5の底面 5 2 に強く 食 い込む。 その結果、 底面 5 2 に型面 1 4 と同一の鋭角な凹凸面が 転写されて同心円の蛇腹状底面となる （第 1 3図参照）。 産業上の利用可能性

このよう に、 本発明の成形方法では、 プリ フ ォーム 1 の胴部 2 の軸方向の延伸を上記スカー ト部材 1 9 によ り行い、 そのスカ一 ト部材 1 9 により底部 3の周辺を支持した状態で、 底部 3の中央 部 3 bを延伸ロ ッ ド 1 6により延伸を行う。 また、 広口容器 5の 底部 3を薄肉に延伸した底部 3に、 型面 1 4の押込みをもって、 その型面 1 4 に形成した凹凸面の転写を行う。 よって、 これまで 転写困難とされていた鋭角な凹凸面でも底面に転写が確実にでき 底面が同心円に多重成形された鋭角な凹凸面による蛇腹状で、 減 圧により容器内へ減圧変形し底部構造の広口容器 5を容易に成形 し得る。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 短筒形で厚肉の胴部と、 胴部下端に連なる板状で薄肉の底部 とを、 その境界を隅部として一体形成したプリ フ ォームを射出成 形し、 そのプリ フ ォームを広口容器に延伸ブロー成形する際のブ 口一金型と して、 底型をキヤ ビティ 内に進退自在に備えたプロ一 金型を用い、 延伸ロ ッ ドと して上記底部の中央部を押圧するコア 部材と、 そのコア部材の周囲に位置して上記隅部を押圧するスカ 一 ト部材の両方を備えた延伸ロッ ドを用い、 その延伸ロ ッ ドによ り上記プリ フォームの胴部と底部の延伸を個々 に何れかを先行し て、 その延伸を胴部がキヤ ビティ底縁に達するとともに、 底部が キヤ ビティ底縁より も下方へ突出して、 キヤ ビティ底面に没入し た底型上に位置するところまで行い、 しかるのち上記底型をプリ フ ォームがエアブローされている状態の下にキヤ ビティ 内に突出 して、 一次的に延伸された底部をキヤ ビティ底縁から上方に更に 延伸して、 肉厚分布が整った薄肉の容器底部に形成するこ とを特 徴とする延伸ブロー成形による広口容器の底部成形方法。

2 . 上記プロ一金型の底型と して、 上記キヤ ビティ に臨む型面が 同心円に多重成形された鋭角な凹凸面からなる底型を用い、 上記 延伸ロッ ドとして上記スカー ト部材を延伸ロ ッ ドに遊嵌してばね 部材によ り常時下方へ弾圧してコア部材の周囲に設けた延伸ロ ッ ドを用い、 そのスカー ト部材によりプリ フ ォームの胴部下端をキ ャ ビティ底縁に抑えた状態で底型をキヤ ビティ 内に突出し、 一次 的に延伸された底部をキヤ ビティ底縁から上方に押し戻すよう に 更に延伸するとともに、 底部を上記型面によ り 同心円に多重成形 された鋭角な凹凸面による蛇腹状に形成してなるこ とを特徴とす る請求の範囲第 1項記載の延伸ブロー成形による広口容器の底部 成形方法。

3 . 上記プリ フ ォームは、 延伸ブロー成形が可能な熱可塑性樹脂 からなり、 底部は上記延伸ロ ッ ドのコア部材が当接される中央部 と、 その中央部と上記スカー ト部材が当接される隅部との間の中 間部位とからなり、 その中間部位を同心円の隆起部分により中央 部より も厚肉にして、 上記中央部より先に延伸するよう に形成し てなるこ とを特徴とする請求の範囲第 1項又は第 2項記載の延伸 ブロー成形による広口容器の底部成形方法。

4 . 上記延伸ロ ッ ドのコア部材とスカー ト部材は一体形成されて おり、 底部の延伸が先行するようにコア部材をスカー ト部材よ り も所要寸法だけ突出形成し、 延伸ロ ッ ドの伸長によ り底部が延伸 されてから、 スカ一 ト部材が上記胴部と底部との境界の隅部に当 接されて、 胴部を上記キヤ ビティ底縁まで延伸することを特徴と する請求の範囲第 1項又は第 2項記載の延伸ブロー成形による広 口容器の底部成形方法。

5 . 上記延伸ロ ッ ドは、 ブローコアに上下動自在に挿通して設け られ、 そのブローコアと上記プリ フ ォームの口部を挟持したリ ッ プ型との嵌合により、 延伸ロ ッ ド先端の上記コア部材とスカー 卜 部材とがプリ フ ォーム内に挿入位置し、 その延伸ロ ッ ドの伸長に より コア部材又はスカ一 ト部材の何れかがプリ フ ォームの上記底 部又は隅部に当接して延伸を行う こ とを特徴とする請求の範囲第 1項又は第 2項記載の延伸ブロー成形による広口容器の底部成形 方法。