WO2000038810A1

WO2000038810A1 - Tete de poupee en elastomere, procede de moulage et moule pour cette tete

Info

Publication number: WO2000038810A1
Application number: PCT/JP1999/007349
Authority: WO
Inventors: Kazuo Ohba; Takahiro Ueno; Akira Watanabe
Original assignee: Takara Co., Ltd.
Priority date: 1998-12-28
Filing date: 1999-12-27
Publication date: 2000-07-06
Also published as: GB0021104D0; KR100382379B1; US6464557B1; GB2350308A; TW445166B; EP1057506A4; EP1057506A1; CN1303311A; GB2350308B; KR20010052189A; HK1033287A1

Description

明細書弾性体人形用頭部、その成形方法及び成形金型技術分野

本発明はブロー成形によって成形される弾性体人形用頭部、その成形方法及び成形金型に関する。背景技術

従来、弾性を有する人形用頭部は塩化ビニルを溶融してスラッシュ成形法や回転成形法によって成形するのが一般的であった。上記両方法は、ブロー成形のような成形品の表面にパーティングラインが形成されることがないので、仕上りがよいという利点がある。また、後者の方法によれば安価に量産できるという利点がある。

ところで、塩化ビニルは塩素を含み、また、上記成形法では、成形品に弾性を付与するため塩化ビニルに可塑剤としてフ夕ル酸エステルを添加しなければならなかった。最近は塩化ビニルもフ夕ル酸エステルも安全性が疑問視され、各分野で塩化ビニルの使用を回避する傾向があることから、人形用頭部においても、より問題のない安全な成形材料によって成形する必要に迫られている。

しかしながら、塩化ビニル以外の成形材料を用いてスラッシュ成形や回転成形を行なおうとしても、素材がゲル化しないので成形が不可能である。ブロー成形によれば成形自体は可能であるが、この成形法ではパーティングラインが顔の表面に表われてしまうほか、パーティングラインから遠い部位には成形材料が回り込みにくいので、図 3 0に示すように全体に偏肉となり、凹凸の多い目、鼻、口等は他の部分よりも薄肉となって色が透けたり、簡単に窪みやすくなつて破損しやすくなつたりするなどの問題が発生する。人形用頭部に関しては、顔の表面の仕上り、すなわち表面の滑らかさと顔の各部の凹凸の精巧さのほかに、全体の肉厚が均一であることも重要であり、ブロー成形は上記の点に致命的な問題があつた。また、ブロー成形では、成形時に金型内に空気を吹き込むから空気を吹き込む穴が成形品に残ってしまう。空気を頭頂部から吹き込むのが一般的であり、その場合には、成形品の頭頂部に穴が開くのを避けることはできなかった。ところが、頭部にはその後植毛が施されるので、植毛時に上記の穴またはその周辺に植毛がなされると、植毛が抜けやすくなり、人形の髪の毛を櫛ですいたときなど簡単に毛が抜けてしまうという問題があった。

そして、一方の分割金型には目、鼻、耳などの複雑な凹凸のある顔部の形状に即した内面形状が形成され、他方の分割金型に凹凸の少ない滑らかな後頭部の形状に即した内面形状が形成される。このため、成形後に金型を開いたたときに、成形品は両分割金型から外れて落下するのが望ましいのであるが、成形品は顔部のある分割金型に残りやすい。金型開き後は成形品が急速に硬化するから、力加減や力の方向によく注意して成形品を引っ張り出さないと、顔に傷がつくことがあり、商品価値を損なってしまうことがあった。

また、人形用頭部は人の皮膚と同じような柔らかい感触の弾性を有するものでなければならず、この要求も満足しなければならない。

本発明の目的は、上記問題点を解消し、塩化ビニル以外の成形材料を用い、ブ口一成形によって肉厚に偏りが少なく、しかも弾性を有する弾性体人形用頭部及びその成形方法、並びにこの成形方法に供される成形金型を提供することにある。本発明の他の目的は、人形の頭部の主要な外観部分に成形時のパーティングラィンゃ空気注入口の穴を残すことなく、植毛処理を問題なく行なうことができる弾性体人形用頭部、その成形方法及び成形金型を提供することにある。

本発明のさらに他の目的は、金型開き時に成形品を確実に両金型から外すことができる弾性体人形用頭部、その成形方法及び成形金型を提供することにある。発明の開示

本発明に係る弾性体人形用頭部の成形方法は、人形用頭部の形状に即した内面形状が形成された分割金型を用意し、前記分割金型によるパーティングラインが人形用頭部をほぼ等分するように形成されるようにすることと、合成樹脂の熱可塑性エラストマ一及びシリコーン樹脂のいずれかを主成分とし、これを加熱して離間配置された前記分割金型の間にパリソンとして落し込んだ後、該分割金型を閉じて内部に空気を吹き込むことと、前記分割金型を開いて成形品を取り出すこととを含み、人形用頭部の額上部と両耳の裏側と首裏部とを結ぶパーティングラィンが形成されるように前記分割金型のキヤビティ及び合わせ面を形成し、前記分割金型の一方には首穴部成形手段を前記キヤビティ内へ出没可能に形成し、前記首穴部形成手段には前記キヤビティ内に空気を注入する空気注入ノズルを形成してブロー成形することを特徴とする。

また、本発明に係る弾性体人形用頭部の成形方法は、人形用頭部の形状に即した内面形状が形成された分割金型を用意し、前記分割金型によるパーティングラィンが人形用頭部をほぼ等分するように形成されるようにすることと、合成樹脂の熱可塑性エラストマ一及びシリコ一ン樹脂のいずれかを主成分とし、これを加熱して離間配置された前記分割金型の間にパリソンとして落し込んだ後、該分割金型を閉じて内部に気を吹き込むことと、前記分割金型を開いて成形品を取り出すこととを含み、前記パーティングラインの人形用頭部の耳部にかかる部分が、耳部の外縁に沿うように前記分割金型のキヤビティ及び合わせ面を形成することを特徴とする。

そして、本発明に係る弾性体人形用頭部の成形方法は、人形用頭部の形状に即した内面形状が形成された分割金型を用意し、前記分割金型によるパーティングラインが人形用頭部をほぼ等分するように形成されるようにすることと、合成樹脂の熱可塑性エラストマ一及びシリコーン樹脂のいずれかを主成分とし、これを加熱して離間配置された前記分割金型の間にパリソンとして落し込んだ後、該分割金型を閉じて内部に空気を吹き込むことと、前記分割金型を開いて成形品を取り出すこととを含み、前記パリソンを偏肉厚としたことを特徴とする。

本発明の好適な実施態様において、前記空気注入ノズルによって成形される穴は人形胴体部に係合するための係合穴である。

本発明の好適な実施態様においては、前記ブロー成形時にプリブローを行なう。あるいは、前記分割金型の間に固定ビンを配置し、前記分割金型の固定ピンに対応する部分には余肉部を形成する成形空間を形成し、成形時に前記成形空間内に回り込んだ余肉部内に前記固定ビンを埋め込んでもよい。本発明の好適な実施態様においては、前記分割金型に空気を吹き込むときに、人形用頭部の出張り部の少なくとも 1箇所から前記分割金型のキヤビティ内の空気を抜く。

本発明の好適な実施態様において、前記分割金型は多数の微細な空隙を備えて全体がポーラスな通気構造の金型である。

本発明の好適な実施態様においては、前記パリソンを偏肉厚とする。パリソンは横断面あるいは縦断面において偏肉厚としてもよく、また、横断面及び縦断面において偏肉厚としてもよい。パリソンは偏径ダイによって形成するのが好ましい。

本発明の好適な実施態様において、前記分割金型の首部に対応する部位には口ッドがキヤビティ内に出没可能に設けられ、空気吹き込み後に前記ロッドを該キャビティ内に突き出し、前記分割金型を開く前に前記口ッドを前記キヤビティから退避させる。

本発明に係る弾性体人形用頭部は、合成樹脂の熱可塑性エラストマ一及びシリコーン樹脂のいずれかを主成分とした成形材料でブロー成形によって成形され、額上部と両耳の裏側と首裏部とを結ぶパーティングラインが形成されており、首部にブロー成形時に形成された穴が形成されていることを特徴とする。

なお、前記穴は人形胴体部と係合するための係合穴として利用してもよい。また、本発明に係る弾性体人形用頭部は、合成樹脂の熱可塑性エラストマ一及びシリコーン樹脂のいずれかを主成分とした成形材料でブロー成形によって成形され、頭部をほぼ前後に等分するようにパーティングラインが形成されており、該パ一ティングラインの耳部にかかる部分は、耳部の外縁に沿うように形成されていることを特徴とする。

本発明の好適な実施態様において、頭部には首穴部が形成されており、前記パ —ティングラインが、耳部の外縁の下方から顎部の下面に沿って首穴部の前部を巻くように形成されている。そして、一例として、頭部の大きさが高さ約 4 0 m m、幅約 3 O mmであり、前記首穴部の開口端からその奥の段部までの長さが約 4 mmであるように形成されている。

さらに、本発明に係る弾性体人形用頭部の成形金型は、合成樹脂の熱可塑性ェラストマー及びシリコーン樹脂のいずれかを主成分とした成形材料で弾性体人形用頭部をブロー成形するための成形金型であって、該成形金型は 2個の分割金型から構成され、弾性体人形用頭部の額上部と両耳の裏側と首裏部とを結ぶパーテイングラインが形成されるようにキヤビティ及び合わせ面が形成されており、前記分割金型の一方は首部に対応する部位に貫通口が形成され、該貫通口には首穴部成形手段が摺動自在に嵌合され、該首穴部成形手段の先端には空気注入ノズルが配置されていることを特徴とする。

本発明の好適な実施態様においては、前記各分割金型にはプリブロー用のプリビンチ材を取り付け、パネで前記合わせ面から突出するように付勢するとともに、前記各分割金型のプリピンチ材と前記キヤビティとの間には前記パーティングラィンに薄肉部を介して連続する余肉部を形成するための成形空間が形成されてい

^ ο

本発明の好適な実施態様においては、前記 2個の分割金型の間に固定ビンを配置するとともに、各分割金型には前記固定ビンに対応する部位に余肉部を形成するための成形空間が形成されている。図面の簡単な説明

図 1は、本発明に係る弾性体人形用頭部の成形方法に供される成形装置を示す概要図である。

図 2は、図 1の成形装置に使用される人形用頭部の成形金型を示す断面図であ ο

図 3は、成形金型内にパリソンを落し込んだ状態を示す断面図である。

図 4は、成形金型に空気を吹き込む状態を示す断面図である。

図 5は、成形金型内に成形材料が密着した状態を示す断面図である。

図 6 A及び図 6 Bは、成形された人形用頭部を示す正面図及び側面図である。図 7は、成形された人形用頭部を示す縦断面図である。

図 8は、人形用頭部のパーティングラインの他の実施態様を示す底面図である。図 9 Aは、パリソンの肉厚を横断面において調整する態様を示す横断面図であ ο 図 9 Bは、パリソンの肉厚を上下方向において調整する態様を示す縦断面図である。

図 1 0は、成形金型内に成形材料が行き渡った状態を示す断面図である。

図 1 1 Aは、パリソンの肉厚を縦断面において調整した状態を示す縦断面図でめる。

図 1 1 Bは、パリソンの肉厚を横断面と縦断面ににおいて調整した状態を示す縦断面図である。

図 1 2は、本発明に係る人形用頭部の成形に供する成形金型の他の実施態様を示す断面図である。

図 1 3は、本発明に係る弾性体人形用頭部の成形方法に供される成形装置の他の例を示す概要図である。

図 1 4は、図 1 3の成形装置に使用されるの人形用頭部の成形金型の断面図であ o

図 1 5は、成形金型内にパリソンを落し込んだ状態を示す断面図である。図 1 6は、成形金型に空気を吹き込んだ状態を示す断面図である。

図 1 7は、首穴を成形する状態を示す断面図である。

図 1 8 A及び図 1 8 Bは、成形された人形用頭部を示す正面図及び側面図である。

図 1 9は、本発明に係る人形用頭部の成形に供する成形金型の他の実施態様を示す断面図である。

図 2 0 A、図 2 0 B及び図 2 0 Cは、それそれ本発明に係る弾性体人形用頭部を示す正面図、一部を断面で示した側面図及び底面図である。

図 2 1は、図 2 0 Aないし図 2 0 Cに示す人形用頭部を成形するための成形金型を示す断面図である。

図 2 2は、成形金型内にパリソンを落し込んだ状態を示す断面図である。図 2 3は、成形金型を閉じて空気を吹き込んだ状態を示す断面図である。図 2 4 A及び図 2 4 Bは、それそれ成形金型の他の例を示す縦断面図及び要部横断面図である。

図 2 5は、成形金型を閉じて空気を吹き込んだ状態を示す断面図である。図 2 6は、成形金型を開いた状態を示す断面図である。

図 2 7は、成形金型の他の例を示す断面図である。

図 2 8は、図 2 7の成形金型を閉じた状態を示す断面図である。

図 2 9は、図 2 7の成形金型を開いた状態を示す断面図である。

図 3 0は、通常のブロー成形によった場合の人形用頭部を示す縦断面図である。発明を実施するための最良の形態

以下本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。なお、図面中、同一符号は類似部分を示すものである。

まず、図 1ないし図 1 2を参照して、本発明の実施の形態の一例を説明する。図 1において符号 1は成形金型を示す。この成形金型 1はブロー成形法に供されるもので、 2個の分割金型 2， 3から構成されている。図 2に示されるように、一方の分割金型 2には人形の顔部の形状に即した内面形状 2 aが、他方の分割金型 3には該顏部を除いた人形の頭部後側部分（以下、『頭』と称す）の形状に即した内面形状 3 aが形成され、両内面形状 2 a及び 3 aにより成形空間であるキャビティが構成され、パーテイングラインが顔部に表われないよう、合わせ面 4 (パーテイングラインを構成する）は頭部を前後に分けるように、頭部の上部の略中心と左右両側の耳部 7の外縁に沿い、さらに首穴部の略中心を通って頭部をほぼ前後に等分するように形成されている。

また、上記分割金型 2， 3には、鼻部 5、顎部 6、耳部 7、頭 8を構成する出張り部に空気抜き用の空気抜き孔 9が形成されている。空気抜き孔 9の直径は 0 . l mn！〜 0 . 3 mmに形成するのが好ましい。鼻部 5と顎部 6と頭 8の空気抜き孔 9は分割金型 2 , 3の合わせ面 4に垂直になるように形成されている。空気の吹き込み孔 1 0は頭 8の最上部の合わせ面 4に開口形成されている。

なお、空気引き抜き用の空気抜き孔 9は分割金型 2， 3の出っ張り部に設けられるが、空気引き抜き箇所は 1箇所以上であればよい。通常は鼻部 5や口部に設けるのが好ましいが、実施態様には限定されない。出っ張り部とは鼻部 5、顎部 6のように表面から外方に突出する部分だけでなく、唇ゃ頰、額などのように、要するに窪んでいない部分を全て含む。したがって、頭 8や顎部 6の空気抜き孔 9の部分のように、分割金型 2 , 3の合せ目から遠くて空気が残留しやすい部分も含む。なお、耳部 7は分割金型 2， 3の合せ目に近いので、空気は残留しにくいため、必ずしも空気抜き孔 9を設ける必要はない。

上記成形金型 1には、図 1に示されるブロー成形機 1 1によって成形材料が供給される。ブロー成形機 1 1は、溶融された成形材料を押出し機 1 2によってチユーブ状のパリソン 1 3にして上記成形金型 1内に押し出すものであるが、プロ —成形機 1 1には外側のダイ 1 4と、スパイダ 1 5によって保持された内側のノズル 1 6と、ノズル 1 6の中心を通る空気吹き込み管 1 7とが設けられている。そして、ダイ 1 4とノズル 1 6との間からパリソン 1 3が押し出されるとともに、中央の空気吹き込み管 1 Ίから空気が吹き出される。ダイ 1 4とノズル 1 6とによってパリソン 1 3の肉厚が決められる。高さ約 4 0 mm, 幅約 3 0 mm程度の人形用頭部を作る場合、パリソン 1 3の外径は 1 4 mm、内径は 6 mm程度とし、肉厚を約 4 mmに設定すればよい。

次に、人形用頭部を成形する方法について説明する。

まず、成形材料であるが、これは成形品としての人形用頭部が人間の皮膚と同じょうな柔軟な弾性を備える必要があるから、合成樹脂の熱可塑性エラストマ一を主成分とし、これに可塑剤、着色剤等を加えて成るものを使用する。このような熱可塑性エラストマ一には、ォレフィン系エラストマ一、スチレン系エラストマ一、スチレン一ブタジエン系エラストマ一、ウレタン系エラストマ一、ポリエステル系エラストマ一、ポリエチレン系エラストマ一などがある。このような熱可塑性エラストマ一は可塑剤を加えても塩化ビニルのようにゲル状になることはないが、ブロー成形用の成形材料としては使用可能である。可塑剤の選択の幅も大きい。したがって、塩素系のエラストマ一は使用しない。また、可塑剤としてフタル酸エステルを使用しない。なお、成形材料としては、エラストマ一のほか、シリコーン樹脂を使用してもよい。

ここでは、上記成形材料中、三井化学株式会社製のォレフィン系エラストマ一である、タフマ一（商標）を使用した。

上記成形材料を加熱し、図 3のように離間された 2個の分割金型 2 , 3の間に筒状のパリソン 1 3として落し込み、図 4に示すように分割金型 2 , 3を閉じて吹き込み管 1 Ίと空気吹き込み孔 1 0から空気を吹き込む。分割金型 2 , 3によるパーティングラインは、ほぼ球形の頭部をほぼ前後にほぼ等分するように形成したから、パリソン 1 3は前後左右にバランスよく配置される。

なお、空気の吹き込みは頭頂部からに限定されない。首部から吹き込む構成であってもよい。

成形材料の温度は 1 4 0 ° C〜l 8 0 ° C (最適温度は 1 6 0 ° C ) とし、空気の吹き込み圧は 4 k g f / c m²〜5 k g f / c m²とする。空気を吹き込むことにより、パリソン 1 3は膨張し、金型 1の内面に張り付く。空気吹き込みとほぼ同時に、金型 1のキヤビティ内にもともと存在していた空気の一部を排除するため、空気抜き孔 9から上記残留空気を抜く。これにより、残留空気による一種の壁が形成されることがなく、図 5に示されるように、金型 1の内面全体に成形材料 1 3 aが密着する。

空気吹き込み後に金型 1を開いて内部の人形用頭部を取り出すことにより、図 6 A及び図 6 Bに示されるように、人形用頭部の成形が完了し、頭部成形品 Aを得ることができる。金型 1を開いて上記頭部を取り出す際、成形品の耳部 7が引つ掛かることはないので、成形品を破損することなくスムーズに取り出すことができる。しかも、型閉じしたときも、パーテイングラインに近い耳部 7には空気が残留しにくいので、必ずしも空気抜き孔 9を形成する必要がなく、空気抜き孔 9を形成しないときは、その分だけ成形時間を短縮することができる。

なお、上記成形品 Aの場合は、頭部の大きさが高さ約 4 0 mm、幅約 3 0 mm であり、図 7に示すように、首穴部 2 5の開口端からその奥の段部 2 6までの長さ寸法 Lが約 4 mmである。上記寸法 Lは従来は約 6 mmであった。これはスラッシュ成形によるもので、ブロー成形では空気注入後、首穴部 2 5を成形するので、従来のスラッシュ成形のように寸法 Lを 6 mm程度とすると、首穴部 2 5の周辺が肉薄になってしまうのを 4 mm程度にすることで解消された。

なお、図 8に示されるように、分割金型 2， 3によるパーテイングライン 1 8 は、耳部 7の外縁の下方から顎部 6の下面に沿って首部（首穴部 2 5として形成されている）の前部を巻くように形成するのが好ましい。この場合、ノリソンは凹凸の多い鼻 5や顎部 6側に寄るので、成形材料の回りがよく、他の部分との肉厚の均一性はさらに向上する。

ところで、上述の例はパリソンの肉厚がほぼ等しい場合であるが、このパリソンを偏肉厚として成形することにより、同様にして成形された人形用頭部の全体の肉厚を等しくなるように制御することができる。

次に、その例について詳しく説明する。

まず、図 1に示されたブロー成形機 11と同じものを使用する。上記パリソン 13は偏肉厚状態、つまり人形用頭部の前後に対応する部分を他に比べて厚肉として押し出されるように構成されている。

すなわち、上述の例と同様に、ダイ 14とノズル 16との間からパリソン 13 が押し出されるとともに、中央の空気吹き込み管 17から空気が吹き出されるが、ダイ 14とノズル 16とによってパリソン 13の肉厚が決められる。偏肉パリソン 13は、図 9Aのように、偏径ダイ 14、つまり内面形状を略楕円形にしたダィ 14によって得られる。同様に、ノズル 16の外面形状を略楕円形にすることによっても得られる。

このように、パリソン 13をその横断面において偏肉厚として供給するが、高さ 40 mm, 幅 30 mm程度の人形を作る場合は、パリソン 13の左右の寸法は 26mm〜32mm、前後の寸法は 28 mm〜 34 mm程度とし、左右方向における肉厚は約 1 Omn！〜 12mm、前後方向における肉厚は 1 1 mm~ 13 mm 程度にすることをおおよその基準とすればよい。

成形材料は上述に示したものを使用すればよい。ここでは、熱可塑性エラストマ一としてクラレ株式会社製のセプトン（商標）を使用した。

上記成形材料を加熱し、上述の図 3及び図 4の例と同様に、離間された 2個の分割金型 2, 3の間に筒状のパリソン 13として落し込み、分割金型 2， 3を閉じて吹き込み管 17から空気を吹き込む。分割金型 2, 3によるパ一ティングラインは、ほぼ球形の頭部をほぼ前後にほぼ等分するように形成したから、パリゾン 13は前後左右にパランスよく配置される。

成形材料の加熱温度は 170° C〜l 90° C (最適温度は 180。 C) とし、空気圧は 4kgf /cm²〜6 kg f /cm²とする。空気を吹き込むことにより、ノリソン 13は膨張し、金型 1の内面に張り付く。成形材料の温度は 170° C 〜1 9 0 ° Cに設定されているので、パリソン 1 3は均一に膨張する。ところで、パリソン 1 3と金型 1の内面との間にはキヤビティ内にもともと存在していた空気の一部が残留する。そこで、空気吹き込みとほぼ同時に空気抜き孔 9から上記残留空気を抜く。これにより、残留空気による一種の壁が形成されることがなく、金型 1の内面全体に成形材料 1 3 aが密着する。

また、分割金型 2 , 3内に落し込まれたパリソン 1 3は偏肉パリソンで、パーティングラインから離れた前後の部位にはパリソン 1 3の厚肉の部分が供給されるから、図 1 0に示すように、人形用頭部の前後に対応する鼻、顎、口、後頭部等を構成する部分に十分な量の成形材料 1 3 aが行き渡る。したがって、出っ張り部分の肉のみが薄くなるようなことがない。

空気吹き込み後に金型 1を開いて内部の人形用頭部を取り出すことにより、上述の図 6 A及び図 6 Bに示されたように、頭部の成形が完了し、肉厚がほぼ均一な頭部成形品 Aを得ることができる。この場合も、成形品を破損することなくスムーズに取り出すことができる、耳部に空気抜き孔を形成する必要がない、等の効果が得られる。

なお、偏肉パリソン 1 3によって人形用頭部全体を略均一の肉厚にする方法としては、上述のように、パリソン 1 3を横断面において偏肉厚状態にするほか、図 9 Bに示されるように、ノリソンコントロールにより、パリソン 1 3を縦断面において偏肉厚状態にして供給するようにしてもよい。このような肉厚の調整は同図のように、ノズル 1 6を細かく上下に移動させて成形材料の通路の幅 P， Q を変えることによつても行なうことができる。上記コントロールによれば、図 1 1 Aのように例えば鼻部 5や顎部 6のパリソン部分を額部や口部のパリソン部分よりも肉厚にすることができる。

また、偏径ダイとパリソンコントロールにより、ノリソン 1 3を横断面と縦断面において偏肉厚状態にして供給するようにすれば、 1 1図 Bのように、前後左右における肉厚の調整だけでなく、上下の肉厚も微妙に調整することができるから、例えば前後の肉を厚くするとともに、さらに鼻部 5、耳部 7及び顎部 6に対応したパリソン部分を他の部分よりも肉厚にすることにより、肉厚が均一な人形用頭部を成形することができる。上述の人形用頭部の成形方法によれば、一方の分割金型 2には人形の顔部形状に即した内面形状 2 aが、他方の分割金型 3には人形の頭の形状に即した内面形状 3 aが形成されているので、人形用頭部として最も重要な顔の部分にパーティングラインが現われることがない。

パーテイングライン 1 8は頭部の上部から耳部 7と顎部 6の後を経て首下に至る部分に形成される。しかし、図 6に示すように、人形用頭部の上部と耳部 7から上の側頭部のパーティングライン 1 8 aは植毛やカツラによる頭髪で覆われることになるので、上記パーティングライン 1 8 aが外から視認できる部分に露出することはない。また、側頭部のパーテイングライン 1 8のうち耳部 7にかかる部分 1 8 bは、耳部 7の外縁に沿うように表われるので、ほとんど目につかない。また、顎部 6の後部分 1 8 cも、頭髪の長い人形の場合は頭髪で覆われる部分であり、頭髪が比較的短い人形の場合でも目につきにくい部分であるから、外観上は無視することができる程度である。したがって、パーテイングライン 1 8によつて人形の頭部外観が損なわれることはない。

成形時に空気吹き込みとほぼ同時に鼻部 5と顎部 6と耳部 7と頭 8に対応する部位に形成された空気抜き孔 9から空気が抜かれるので、これらの部分にも成形材料が良好に供給される。したがって、鼻部 5の先や鼻孔に金型の形状に忠実なシャープな形状を得ることができる。なお、高さが 4 0 mm、幅が 3 0 mm程度の寸法の人形の場合は、空気抜き孔 9の直径は 0 . 2 mm程度が最も好ましいことがわかった。なお、成形品に生じた無駄部分が 0 . 3 mm以上であれば、後処理作業も簡単であるから、大きい寸法の人形用頭部を成形するときは、空気抜き孔 9の直径を 0 . 3 mmより大きくし、生じた無駄部分をトリミングすればよい。なお、上記キヤビティから残留空気を抜く方法として、分割金型 2， 3に微小な空気抜き孔 9を形成することに代え、図 1 2に示すように、分割金型 2 , 3に多孔質体 2 4を貫通させ、この多孔質体 2 4のキヤビティ側の端面に前記鼻部 5 や耳部 Ί等の形状を形成するようにしてもよい。多孔質体 2 4の細孔の孔径は 0 . 0 3 mn！〜 0 . 1 mmにするのが好ましい。

同様に、金型全体を多数の微細な空隙を備えたポーラスな通気構造の金属材料、例えば新東工業株式会社製のポーセラックス（商標）を利用して作ってもよく、この場合にはわざわざ空気抜き孔を形成する必要がない。

上記構成によれば、成形時の空気吹き込みに伴いパリソンが膨張することによつて押し出されたキヤビティ内の空気は金型の空隙から外部に自然排気されるので、残留空気が壁を作るようなことがなく、金型に忠実な形状を有するとともに十分な弾性を有する成形品を得ることができる。多孔質体を使用する場合は、ここから強制的にキヤビティ内の空気を抜くようにしてもよい。

なお、熱可塑性エラストマ一は種類が多く、それそれにおいて成形温度、パリソンの厚みが変わってくることは言うまでもない。

この実施の形態によれば、パーティングラインは頭部の上部から側頭部と顎部の後を経て首下に至る部分に形成される。しかし、人形用頭部の頭部上部と耳部から上の側頭部のパーティングラインは植毛やカツラによる頭髪で覆われることになるので、上記パーティングラインが外から視認できる部分に露出することはない。また、側頭部のパーテイングラインのうち耳部にかかる部分は、耳部の外縁に沿うように表われるので、ほとんど目につかない。また、顎部の後部分も、頭髪の長い人形の場合は頭髪で覆われる部分であり、頭髪が比較的短い人形の場合でも目につきにくい部分であるから、外観上は無視することができる程度である。したがって、パ一ティングラインによって人形の頭部外観が損なわれることはない。

また、成形材料として塩化ビニルを使用しないので、最近問題視されている環境ホルモン等の心配がなく、人体により安全な人形用頭部を製造することができるとともに、人の皮膚と同じような柔らかい感触の弾性を有する人形用頭部を成形することができる。したがって、幼児や子供の遊びにおける擬似体験に供する道具として最適な人形を提供することができる。

加えて、成形材料が熱可塑性エラストマ一あるいはシリコ一ン樹脂であるため、成形された人形用頭部は人の皮膚と同じような柔らかい感触の弾性を有する。そして、成形時において、分割金型によるパ一ティングラインは、ほぼ球形の頭部をほぼ前後にほぼ等分するように形成したから、パリソンは前後左右にバランスよく配置される。したがって、成形時に成形材料が全体的によく回り込み、肉厚にあまりばらつきのない良好な人形用頭部を成形することができる。 1つの実施例においては、前記パ一ティングラインが、耳部の外縁の下方から顎部の下面に沿って首穴部の前部を巻くように形成されているので、ブロー成形をするときにパリソンは凹凸の多い鼻や顎部側に寄るので、成形材料の回りがよく、他の部分との肉厚の均一性はさらに向上する。

また、 1つの実施例によれば、頭部の大きさが縦約 4 0 mm、横約 3 0 mm程度の通常の着せ替え人形の頭部と同じ程度の大きさで、首穴部の開口端からその奥の段部までの長さが約 4 mmであるから、首穴部部分が肉薄になるのを防止することができる。

しかも、成形品が弾性を有するから、金型からスムーズに取り出すことができ、鼻部や顎などのアンダカット部が破損する等の問題がない。

1つの実施例においては、前記パリソンを偏肉厚としたので、成形時に全体の肉厚を均一に調整して通常のブロー成形では肉が簿くなりやすい、パーティングラインから遠い部分にも十分な量を行き渡らせることができる。したがって、成形された人形用頭部の肉厚を比較的均一な厚さとすることができ、色が透けたり、指などで表面を触ったときに一部のみが窪みやすいという不自然さがなく、人形用頭部としての商品性が損なわれることのない、ごく自然な人形用頭部を成形することができる。さらに、前記パリソンは偏径ダイによって形成することにより、容易かつ低コストで偏肉パリソンを得ることができる。

また、 1つの実施例によれば、さらに、上記分割金型に空気を吹き込むときに、鼻部等の出張り部の少なくとも 1箇所からキヤビティ内の空気を抜いて金型の形状に忠実なシャープな形状を得るようにしたから、偏肉パリソンによって肉厚が比較的均一になる効果と相まって、意匠的に優れ、外観体裁も良好な弾性体人形用頭部を得ることができる。

1つの実施例によれば、さらに、前記分割金型が多数の微細な空隙を備えて全体がポーラスな通気構造の金型であるから、格別の空気抜き手段を設けなくても金型内に空気が残存することがないので、常に良好な成形が得られる。

1つの実施例によれば、前記パリソンを横断面において偏肉厚としたから、頭部の前後部分を左右部分よりも肉厚にすることができる。したがって、通常のブ口一成形では肉が薄くなりやすい、パーティングラインから遠い部分にも十分な量を行き渡らせることができ、全体として均一な肉厚の人形用頭部を成形することができる。

1つの実施例によれば、前記パリソンを縦断面において偏肉厚としたから、通常のブロー成形では肉が薄くなりやすい、鼻部や顎部などに対応する部分を額部や口部よりも肉厚にして全体として均一な肉厚の人形用頭部を成形することがでぎる。

1つの実施例によれば、パリソンを横断面と縦断面において偏肉厚にしたから、前後左右における肉厚の調整だけでなく、上下の肉厚も微妙に調整することができるから、さらに効率的に肉厚が均一な人形用頭部を成形することができる。次に、図 1 3ないし図 1 9を参照して本発明の他の実施の形態を説明する。図 1 3において符号 1は人形用頭部の成形金型、 1 1はブロー成形機を示す。成形金型 1はブロー成形法に供されるもので、 2個の分割金型 2 , 3から構成されている。一方の分割金型 2には人形の顔部の形状に即した内面形状 2 aが、他方の分割金型 2には頭の形状に即した内面形状 3 aが形成され、両内面形状 2 a及び 3 aにより成形空間であるキヤビティが構成され、パーティングラインが顔部に表われないよう、合わせ面 4が人形用頭部の頭髪の生え際かまたはその近傍になるように形成されている。

そして、図 1 4に詳しく示すように、上記分割金型 2 , 3には、鼻部 5、顎部 6、耳部 7、頭 8を構成する出張り部には空気抜き用の空気抜き孔 9が形成されている。空気抜き孔 9の直径は 0 . l mn！〜 0 . 3 mmに形成するのが好ましい。鼻部 5と顎部 6と頭 8の空気抜き孔 9は分割金型 2の合わせ面 4に垂直になるように形成されている。また、耳部 7の空気抜き孔 9は正面から見て中心となる面 (図示せず）に垂直になるように形成されている。空気の吹き込み孔 1 0は頭 8 の最上部の合わせ面 4に開口形成されている。

また、上記一方の分割金型 2には、首部に対応する部位に筒状の貫通口 2 0が形成され、この貫通口 2 0にはロッド 2 1が摺動して成形金型 1のキヤビティ内に出没可能に配置されている。ロッド 2 1の先端側の周面にはリング状の溝 2 2 が形成されている。上記ロッド 2 1は金型 1の外部に設置されたエアシリンダ装置、油圧シリンダ装置等（図示せず）によって作動するように構成すればよい。次に、ブロー成形機 1 1は、図 1 3に示されるように、溶融された成形材料を押出し機 1 2によってチューブ状のパリソン 1 3にして上記成形金型 1内に押し出すものであるが、上記パリソン 1 3は偏肉パリソンとして押し出されるように構成されている。この例では、人形用頭部の前後に対応する部分を他に比べて厚肉としているが、これに限定されるわけではない。

すなわち、ブロー成形機 1 1には外側のダイ 1 4と、スパイダ 1 5によって保持された内側のノズル 1 6と、ノズル 1 6の中心を通る空気吹き込み管 1 7とが設けられている。そして、ダイ 1 4とノズル 1 6との間からパリソン 1 3が押し出されるとともに、中央の空気吹き込み管 1 7から空気が吹き出される。ダイ 1 4とノズル 1 6とによってパリソン 1 3の肉厚が決められる。したがって、偏肉パリソン 1 3として、図 9 Aあるいは図 9 Bに示すように、偏径ダイ 1 4もしくは偏径ノズルを用いることによって、あるいは、パリソンコントロールにより、前後左右における肉厚及び/または、上下の肉厚を調整することにより、成形に最適のパリソンが得られる。

ところで、偏肉パリソン 1 3の肉厚は、高さ 4 0 mm、幅 3 0 mm程度の人形頭部を作る場合は、パリソンの左右の寸法は 1 3 . 5 mn！〜 1 4 . 5 mm、前後の寸法は 1 5 mn！〜 1 6 mm程度とし、左右方向における肉厚は約 4 mm、前後方向における肉厚は左右方向における肉厚よりも約 1 0〜3 0 % (好ましくは 2 0 %程度）増し程度にすることをおおよその基準とし、これを適宜増減すればよい。

次に、人形用頭部を製造する方法について説明する。

まず、成形材料であるが、前述の例と同様に、合成樹脂の熱可塑性エラストマ —を主成分とし、これに可塑剤、着色剤等を加えて成るものを使用する。本例では、クラレ株式会社製のセプトン（商品名）を使用した。また、成形材料としては、エラストマ一のほか、シリコーン樹脂を使用してもよい。

上記成形材料を加熱し、図 1 3及び図 1 5のように離間配置された 2個の分割金型 2， 3の間に筒状のパリソン 1 3を落し込み、図 1 6のように分割金型 2 , 3を閉じて吹き込み管 1 7及び吹き込み孔 1 0から空気を吹き込む。

成形材料の加熱温度は 2 1 0 ° C〜2 2 0 ° Cとし、空気圧は 4 k g f / c m ²〜6 k g f / c m²とする。空気を吹き込むことにより、ノリソン 1 3は膨張し、金型 1の内面に張り付く。成形材料の温度は 2 1 0 ° ( 〜 2 2 0 ° Cに設定されているので、パリソン 1 3は均一に膨張する。空気吹き込みとほぼ同時に、金型 1のキヤビティ内にもともと存在していた空気の一部を排除するため、空気抜き孔 9から該残留空気を抜く。これにより、金型 1の内面全体に成形材料 1 3 aが密着する。

また、分割金型 2 , 3内に落し込まれたパリソン 1 3は偏肉パリソンで、パーティングラインから離れた前後の部位にはパリソン 1 3の厚肉の部分が供給されるから、人形用頭部の前後に対応する鼻、顎、口、後頭部等を構成する部分に十分な量の成形材料 1 3 aが行き渡る。したがって、出っ張り部分の肉のみが薄くなるようなことがない。

次に、金型 1内に空気を吹き込み後、図 1 7に示したように上記ロッド 2 1をキヤビティ内に突き出し、分割金型 2 , 3を開く前にロッド 2 1を成形金型 1から退避させる。ロッド 2 1の突き出しにより、分割金型 2内に成形材料 1 3 aが部分的に押し出され、首穴 2 5が形成される。そして、ロッド 2 1を抜き出したとき、首穴 2 5の周面には突条リング 2 3が形成される。

ロッド 2 1を退避移動させた後、分割金型 2 , 3を開くと、成形品は両分割金型 2 , 3から外れて落下し、図 1 8 A及び図 1 8 Bに示したような弾性を有する人形用頭部 Aが取り出される。パーティングライン 1 8は髪の生え際に沿って現われる。

上述の人形用頭部の成形方法によれば、一方の分割金型 2には人形の顏部形状に即した内面形状 2 aが、他方の分割金型 3には頭の形状に即した内面形状 3 a が形成されているので、人形用頭部 Aとして最も重要な顔の部分にパーティングライン 1 8が現われることがない。

パーティングライン 1 8は頭部の髪の生え際の近傍に形成されるが、人形用頭部の頭 8は植毛やカツラによる頭髪で覆われることになるので、パーティングライン 1 8が外から視認できる部分に露出することはない。このため、パーテイングライン 1 8を後処理する必要がなく、無視することができる。

成形時に空気吹き込みとほぼ同時に鼻部 5と顎部 6と耳部 7と頭 8に対応する部位に形成された空気抜き孔 9から空気が抜かれるので、これらの部分にも成形材料が良好に供給される。したがって、鼻部の先や鼻孔部あるいや耳殻に金型の形状に忠実なシャープな形状を得ることができる。しかも、空気を抜く空気抜き孔 9は直径が 0 . l mm〜0 . 3 mmと非常に小さく、空気抜き孔 9に成形材料が入り込むことはできないため、成形品に髭のような無駄な部分が発生することがない。したがって、微小な無駄部分をトリミングして除去する後処理作業が不要となる。なお、大きい寸法の人形用頭部を成形するときは、空気抜き孔 9の直径を 0 . 3 mm以上として、成形品に生じた無駄部分を後処理作業でトリミングしてもよい。

なお、空気抜き孔 9は分割金型 2 , 3の合わせ面 4に垂直に形成されているから、空気の引き抜き効率がよい。しかし、このことは本発明を限定するものではない。

また、本実施の形態では、成形時に空気を吹き込んでパリソン 1 3が膨張した後に、分割金型 2の筒状の貫通口 2 0にロッド 2 1を出没させることによって首穴 2 5を形成する構成であるから、首穴 2 5が他の部分の成形を損なうことがない。これに対し、ロッド 2 1を初めから金型 1の内部に突出させた状態で成形すると、ロッド 2 1が成形材料の回り込みの邪魔をして顎などの部分に十分に成形材料が供給されないおそれがある。

ロッド 2 1の先端側の周面にはリング状の溝 2 2が形成されているので、成形された人形用頭部 Aの首穴 2 5の周面には環状の突条 2 3が形成される。したがつて、首穴 2 5に胴体側の首部を嵌込むときの外れ止めとして有効である。なお、リング状の溝 2 2は螺旋状の溝を含むものとする。

なお、上記キヤビティから残留空気を抜く方法として、分割金型 2 , 3に微小な空気抜き孔 9を形成することに代え、図 1 9に示すように、分割金型 2 ( 3 ) に多孔質体 2 4を貫通させ、この多孔質体 2 4のキヤビティ側の端面に前記鼻部 5と耳部 7の形状を形成するようにしてもよい。多孔質体 2 4の細孔の孔径は 0 . 0 3 mm〜0 . 1 mmにするのが好ましい。

この実施の形態によれば、分割金型内に送り込まれるパリソンは偏肉パリソンであるから、通常のパリソンでは薄くなりやすい、パーテイングラインから遠い部分に十分な量の成形材料が行き渡る。したがって、成形された人形用頭部の肉厚を比較的均一な厚さとすることができ、色が透けたり、指などで表面を触ったときに一部のみが窪みやすいという不自然さがなく、人形頭部としての商品性が損なわれることがない。さらに、分割金型によるパーテイングラインは、外観を損なわない箇所に形成されているから、ブロー成形によっても人形用頭部としての商品価値が損なわれることがない。そして、成形時に空気を吹き込んでパリソンが膨張した後に、分割金型の筒状の貫通口にロッドを出没させることによって首穴を形成する構成であるから、首穴が他の部分の成形を損なうことがない。また、成形材料としてエラストマ一を使用し、塩化ビニルを使用しないので、環境を汚染する心配がなく、健康にも無害で無毒な安全な人形用頭部を製造することができるとともに、人の皮膚と同じような柔らかい感触の弾性を有する人形用頭部を成形することができる。したがって、幼児や子供の遊びにおける擬似体験に供する道具として最適な人形を提供することができる。

加えて、成形品が弾性体であるため、金型らスムーズに取り出すことができ、鼻部や顎などのアンダカット部が破損する等の問題がない。

また、上記分割金型に空気を吹き込むときに、鼻部等の出張り部の少なくとも

1箇所からキヤビティ内の空気を抜いて金型の形状に忠実なシャープな形状を得るようにしたから、偏肉パリソンによって肉厚が比較的均一になる効果と相まつて、意匠的に優れ、外観体裁も良好な弾性体人形用頭部を得ることができる。

1つの実施例によれば、さらに、前記パリソンは偏径ダイによって形成することにより、容易かつ低コストで偏肉パリソンを得ることができる。

図 2 O Aないし図 2 9を参照して本発明のさらに他の実施の形態を説明する。図 2 0 A〜図 2 0 Cは本発明に係る弾性体人形用頭部を示すもので、この頭部 A はォレフィン系熱可塑性エラストマ一から成り、後述のようにブロー成形によつて成形されたもので、パ一ティングライン 1 8は、額上部 2 7と両耳の裏側 2 8 と首裏部 2 9とを結ぶように形成されている。そして、首穴部 7 5にのみ穴 3 0 が貫通形成され、頭頂部を含む頭部には穴はない。

したがって、上記頭部 Aによれば、ォレフィン系熱可塑性エラストマ一から成るので、幼児が人形をなめても安全性に問題はなく、また人形が古くなつて廃棄処理や焼却処分をしても有害物質が発生するおそれがなく、安全である。さらに、パーティングライン 1 8は成形後に植毛処理するときに髪の毛によって隠されてしまい、外部には現われないので、パーテイングライン 1 8を後で除去処理しなくても商品価値が損なわれることがなく、後の植毛処理のガイドとすることができる。しかも、頭頂部を含む頭部には穴はないから、成形後の植毛処理を問題なく行なうことができる。

なお、成形材料はォレフィン系熱可塑性エラストマ一を使用するのが好ましいが、ウレタン系エラストマ一でもよい。

次に、上記頭部 Aは次のようにしてブロー成形すればよい。すなわち、図 2 1 に示されるように、成形金型 1は 2個の分割金型 2 , 3から構成されている。一方の分割金型 2には人形の顔部の形状に即した内面形状 2 aが、他方の分割金型 3には頭の形状に即した内面形状 3 aが形成され、弾性体人形用頭部 Aの額上部 2 7と両耳の裏側 2 8と首裏部 2 9とを結ぶパーティングライン 1 8が形成されるようにキヤビティ 3 1 , 3 2及び合わせ面 4が形成されている。

一方の分割金型 2の首穴部 7 5に対応する部位には貫通口 7 0が形成され、この貫通口 7 0には首穴部成形手段 7 1が摺動自在に嵌合され、首穴部成形手段 7 1の先端には空気注入ノズル 6 7が配置されている。空気注入ノズル 6 7は首穴部成形手段 7 1を通って外部の空気供給源（図示せず）に接続し、首穴部成形手段 7 1を摺動させることにより上記分割金型 2のキヤビティ 3 1内に出没するように設けられている。

なお、金型のキヤビティ 3 1， 3 2には、前述の例と同様に、耳部や鼻部、口部などに成形時に成形材料とキヤビティとの間の空気を排出する小孔を形成して空気抜きを行なってもよい。また、多数の細孔が形成された成形金型を用いてもよく、金型全体を多数の微細な空隙を備えたポーラスな通気構造の金属材料、例えば新東工業株式会社製のポ一セラックス（商標）を利用して作ってもよい。人形用頭部 Aを成形するにあたっては、図 2 2のように開いた分割金型 2， 3 の間に成形材料の熱可塑性エラストマ一を筒状にしたパリソン 1 3を降ろし、図 2 3のように分割金型 2 , 3を閉じるとともに、首穴部成形手段 7 1を摺動前進させ、首穴部 7 5を成形するための型内壁の一部を形成するとともに、空気注入ノズル 67をキヤビティ内に進入させ、最終的には空気注入ノズル 67の先端をパリソン 13を貫通させてその内部に入れる。そして、空気注入ノズル 67により空気を注入する。成形材料 13 aは膨張して金型のキヤビティ 31, 32の内壁に張り付く。そして、成形材料 13 aが冷却するのを待って分割金型 2, 3を分離して開き、内部の成形品（頭部） Aを取り出せばよい。なお、分割金型 2, 3が開く直前に首穴部成形手段 71を後退させて空気注入ノズル 67を成形された首穴部 75から退避させる。これにより、穴 30が成形される。

なお、首穴部成形手段 71により成形される首穴部 75は直径が約 10mm程度の大きさとなり、注入ノズル 67は成形時には首穴部 75の中心にくるように設定されている。ここで、前述したように、注入ノズル 67が中心部をずれたり、後述する角度が鋭角または鈍角すぎると、穴 30 (図 20参照）が中心部からずれたり、異形になる。もちろん、穴 30は後加工が可能であるが、その場合には一体成形にはならない。ノズル径は 2 mm程度に設定すればよいが、これに限定されない。また、注入ノズル 67はパリソン 13に対して直角に近くなればなるほどよい。通常の場合、注入ノズル 67の角度は、図 21に示されるように、貫通口 70の壁面に対する角度が 15° 〜25° (好ましくは 20° ) で、貫通口 70の水平に対する角度/?は 40° 〜50° (好ましくは 45° ) 程度が好ましい。

上述のブロー成形によれば、図 20に示した人形用頭部 Aが成形される。パーティングライン 18は、額上部 27と両耳の裏側 28と首裏部 29とを結ぶように形成されている。そして、成形された頭部 Aには、首穴部 75にのみ空気注入ノズル 67を抜いたときに穴 30が形成されるが、頭頂部を含む頭部には穴は形成されない。なお、穴 30は人形胴体部の上部に設けた首部に係合する係合穴となるが、ドリル加工等で後成形して穴の大きさを調整してもよい。

なお、上述のブロー成形にあたっては、高さが 40mm、幅が 30mm程度の人形用頭部を得るために、ォレフィン系熱可塑性エラストマ一の成形温度を 13 0° C〜170° Cとし、空気注入圧力を 4kgf/cm²〜5 kgf /cm²とし、さらに成形材料をパリソン 13として押し出すダイの直径は 14mn！〜 15 mmで、ダイの中央に配置されるノズルの直径は 9 mmとし、したがってパリソン 1 3の直径は 1 4 mm〜 1 5 mm、肉厚は 2 . 5 mm〜 3 mmとした。

なお、上記ブロー成形時にはプリブローを行なうのが好ましい。そのためには、図 2 4 A及び図 2 4 Bに示されるように、上記各分割金型 2 , 3のキヤビティ 3 1 , 3 2の下部に合わせ面に直角な方向に凹溝 3 3を形成し、この凹溝 3 3にプリブロー用のプリビンチ材 3 4を取り付ける。凹溝 3 3にはそれそれパネ 3 5が配置され、プリビンチ材 3 4を合わせ面から突出するように付勢している。

また、上記各分割金型 2， 3のプリビンチ材 3 4と頭部成形用のキヤビティ 3 1 , 3 2との間とは上記パーティングライン 1 8に簿肉部 3 9を介して連続する余肉部 3 8を形成するための成形空間 3 6 , 3 7を形成する。

上記構成によれば、成形時に分割金型 2， 3を閉じたときは、図 2 5に示すように余肉部用成形空間 3 6 , 3 7内にも成形材料が供給されて余肉部 3 8が成形される。そして、この成形材料 1 3 aの余肉部 3 8に互いに反対側から両金型のプリビンチ材 3 4が当たり、該ビンチ材 3 4はパネ 3 5のパネ力に抗して押し込まれている。成形後に分割金型 2 , 3を開くとき、図 2 6のように両金型 2 , 3 の合わせ面は直ちに分離するが、プリビンチ材 3 4はパネ 3 5による押圧力がなくなるまで互いに押し合っているので、プリビンチ材 3 4に挟まれた余肉部 3 8 は分割金型 2， 3が開く前の位置に保持される。このため、キヤビティ 3 1， 3 2内で成形された頭部 Aも、分割金型 2 , 3が開き移動するにも拘らず、余肉部 3 8により閉じ時の位置に保持される。したがって、分割金型 2 , 3内の成形品 Aは余肉部 3 8により分割金型 2， 3から引き出されるから、金型開き時に成形品 Aを両分割金型 2， 3から外すことができ、成形品 Aがー方の金型内に残ってしまうという問題を効果的に防止することができる。余肉部 3 8はパーティングラインの薄肉部 3 9を介して成形品 Aに連結されているので、成形後、引っ張ることにより簡単に成形品 Aから除去することができる。

なお、金型開き時に成形品 Aを両両分割金型 2， 3から外すための別の手段として、他にも図 2 7に示されるように、 2個の分割金型 2 , 3の間に固定ビン 4 0を配置しておくとともに、上述と同じ要領で、固定ビン 4 0に対応する部位に余肉部用の成形空間 4 1， 4 2を形成する。そして、図 2 8のように成形時に分割金型 2 , 3を閉じると、成形空間 4 1 , 4 2内にも成形材料が回り込んで余肉部 4 3が成形されるとともに、この余肉部 4 3の内部に固定ビン 4 0が埋め込まれる。この状態で、図 2 9のように分割金型 2， 3を開くと、固定ビン 4 0は分割金型 2 , 3の中間にあって動かないから、余肉部 4 3に接続した成形品 Aも中間位置に保持される。したがって、分割金型 2， 3内の成形品 Aは分割金型 2， 3から引っ張り出されるから、金型開き時に成形品 Aを確実に両分割金型 2， 3 から外すことができ、成形品 Aが一方の金型内に残ってしまうという問題を効果的に防止することができる。余肉部 4 3はパーティングラインの薄肉部 4 4を介して成形品 Aに連結されているので、成形後、引っ張ることにより簡単に成形品 Aから除去することができる。

なお、通常の場合、上記固定ビン 4 0は普通の成形材料押出しダイの中央に設けられている空気吹き込み管を利用すればよい。

ところで、上述のようにプリブロー用のプリビンチ材と固定ビンによって成形品を金型から引き出すことができるが、一方の手段のみによって成形品の金型からの分離が十分であれば、他方の手段を併用する必要はない。ただし、一方の手段だけでは十分でなければ、両方の手段を併用してもよい。

この実施の形態によれば、パーティングラインは成形後に植毛処理するときに髪の毛によって隠されてしまい、外部には現われないので、パ一ティングラインを後で除去処理しなくても商品価値が損なわれることがない。また、プロ一成形時に形成された穴は首部に形成されているから、頭頂部を含む頭部には穴はなく、外観を損なわず、成形後の植毛処理を問題なく行なうことができる。前記穴は人形胴体部と係合するための係合穴として利用することができるので、別途係合穴を加工形成する必要がない。

特に実施例においては、一方の金型に設けられた首穴部成形手段の空気注入ノズルにより空気を注入してブロー成形するものであるから、頭頂部を含む頭部には穴が形成されない。また、パーテイングラインも頭部の額上部と両耳の裏側と首裏部とを結ぶように形成される。また、空気注入ノズルはキヤビティ内に出没自在であるから、成形後に邪魔になることがない。また、人形胴体部に係合する係合穴が一体成形されるので、作業工程が省略でき、生産効率が向上する。

また、実施例によれば、熱可塑性エラストマ一製の頭部が成形できるから、幼児が人形をなめても安全性に問題はなく、また人形が古くなつて廃棄処理や焼却処分をしても有害物質が発生するおそれがなく、安全である。

1つの実施例においては、ブロー成形時にプリブローを行なうので、成形後に金型を開いたとき、プリピンチ材により成形品はより確実に金型から外れ、一方の金型に残ることがない。

また、 1つの実施例によれば、成形時に 2個の金型の間の固定ビンが余肉部内に埋め込まれるから、金型を開いたときに、成形品は固定された余肉部によって金型から引き出されるから、成形品はさらに確実に金型から外れ、一方の金型に残ることがない。

Claims

請求の範囲

1 . 人形用頭部の形状に即した内面形状が形成された分割金型を用意し、前記分割金型によるパーティングラインが人形用頭部をほぼ等分するように形成されるようにすることと、

合成樹脂の熱可塑性エラストマ一及びシリコ一ン樹脂のいずれかを主成分とし、これを加熱して離間配置された前記分割金型の間にパリソンとして落し込んだ後、該分割金型を閉じて内部に空気を吹き込むことと、

前記分割金型を開いて成形品を取り出すこととを含み、

人形用頭部の額上部と両耳の裏側と首裏部とを結ぶパーティングラインが形成されるように前記分割金型のキヤビティ及び合わせ面を形成し、

前記分割金型の一方には首穴部成形手段を前記キヤビティ内へ出没可能に形成し、

前記首穴部形成手段には前記キヤビティ内に空気を注入する空気注入ノズルを形成してブロー成形することを特徴とする弾性体人形用頭部の成形方法。

2 . 人形用頭部の形状に即した内面形状が形成された分割金型を用意し、前記分割金型によるパーティングラインが人形用頭部をほぼ等分するように形成されるようにすることと、

合成樹脂の熱可塑性エラストマ一及びシリコーン樹脂のいずれかを主成分とし、これを加熱して離間配置された前記分割金型の間にパリソンとして落し込んだ後、該分割金型を閉じて内部に空気を吹き込むことと、

前記分割金型を開いて成形品を取り出すこととを含み、

前記パーティングラインの人形用頭部の耳部にかかる部分が、耳部の外縁に沿うように前記分割金型のキヤビティ及び合わせ面を形成することを特徴とする弹性体人形用頭部の成形方法。

3 . 人形用頭部の形状に即した内面形状が形成された分割金型を用意し、前記分割金型によるパーティングラインが人形用頭部をほぼ等分するように形成されるようにすることと、

前記分割金型を開いて成形品を取り出すこととを含み、

前記パリソンを偏肉厚としたことを特徴とする弾性体人形用頭部の成形方法。

4 . 前記空気注入ノズルによって成形される穴は人形胴体部に係合するための係合穴である請求項 1記載の弾性体人形用頭部の成形方法。

5 . 前記ブロー成形時にプリブローを行なう請求項 1記載の弾性体人形用頭部の成形方法。

6 . 前記分割金型の間に固定ビンを配置し、前記分割金型の固定ビンに対応する部分には余肉部を形成する成形空間を形成し、成形時に前記成形空間内に回り込んだ余肉部内に前記固定ピンを埋め込む請求項 1記載の弾性体人形用頭部の成形方法。

7 . 前記分割金型に空気を吹き込むときに、人形用頭部の出張り部の少なくとも 1箇所から前記分割金型のキヤビティ内の空気を抜く請求項 1または 2記載の弾性体人形用頭部の成形方法。

8 . 前記分割金型に空気を吹き込むときに、人形用頭部の出張り部の少なくとも 1箇所から前記分割金型のキヤビティ内の空気を抜く請求項 3記載の弾性体人形用頭部の成形方法。

9 . 前記分割金型が多数の微細な空隙を備えて全体がポーラスな通気構造の金型である請求項 1ないし 3のいずれかに記載の弾性体人形用頭部の成形方法。

1 0 . 前記パリソンを偏肉厚とした請求項 1または 2記載の弾性体人形用頭部の成形方法。

1 1 . 前記パリソンは横断面において偏肉厚である請求項 3記載の弾性体人形用頭部の成形方法。

1 2 . 前記パリソンは横断面において偏肉厚である請求項 1 0記載の弾性体人形用頭部の成形方法。

1 3 . 前記パリソンは縦断面において偏肉厚である請求項 3記載の弾性体人形用頭部の成形方法。

1 4 . 前記パリソンは縦断面において偏肉厚である請求項 1 0記載の弾性体人形用頭部の成形方法。

1 5 . 前記パリソンは横断面及び縦断面において偏肉厚である請求項 3記載の弾性体人形用頭部の成形方法。

1 6 . 前記パリソンは横断面及び縦断面において偏肉厚である請求項 1 0記載の弾性体人形用頭部の成形方法。

1 7 . 前記パリソンを偏径ダイによって形成する請求項 3記載の弾性体人形用頭部の成形方法。

1 8 . 前記パリソンを偏径ダイによって形成する請求項 1 0記載の弾性体人形用頭部の成形方法。

1 9 . 前記分割金型によるパーテイングラインは、外観を損なわない任意の箇所に形成された請求項 3記載の弾性体人形用頭部の成形方法。

2 0 . 前記分割金型の首部に対応する部位にはロッドがキヤビティ内に出没可能に設けられ、空気吹き込み後に前記ロッドを該キヤビティ内に突き出し、前記分割金型を開く前に前記ロッドを前記キヤビティから退避させる請求項 3記載の弾性体人形用頭部の成形方法。

2 1 . 合成樹脂の熱可塑性エラストマ一及びシリコーン樹脂のいずれかを主成分とした成形材料でブロー成形によって成形され、額上部と両耳の裏側と首裏部とを結ぶパーティングラインが形成されており、

首部にブロー成形時に形成された穴が形成されていることを特徴とする弾性体人形用頭部。

2 2 . 前記穴は人形胴体部と係合するための係合穴として利用可能なものである請求項 2 1記載の弾性体人形用頭部。

2 3 . 合成樹脂の熱可塑性エラストマ一及びシリコーン樹脂のいずれかを主成分とした成形材料でブロー成形によって成形され、頭部をほぼ前後に等分するようにパーティングラインが形成されており、

該パ一ティングラインの耳部にかかる部分は、耳部の外縁に沿うように形成されていることを特徴とする弾性体人形用頭部。

2 4 . 頭部には首穴部が形成されており、前記パーテイングラインが、耳部の外縁の下方から顎部の下面に沿って首穴部の前部を巻くように形成されている請求項 2 3記載の弾性体人形用頭部。

2 5 . 頭部の大きさが高さ約 4 0 mm、幅約 3 0 mmであり、前記首穴部の開口端からその奥の段部までの長さが約 4 mmである請求項 2 4記載の弾性体人形用頭部。

2 6 . 合成樹脂の熱可塑性エラストマ一及びシリコーン樹脂のいずれかを主成分とした成形材料で弾性体人形用頭部をブロー成形するための成形金型であって、該成形金型は 2個の分割金型から構成され、弾性体人形用頭部の額上部と両耳の裏側と首裏部とを結ぶパーティングラインが形成されるようにキヤビティ及び合わせ面が形成されており、

前記分割金型の一方は首部に対応する部位に貫通口が形成され、該貫通口には首穴部成形手段が摺動自在に嵌合され、該首穴部成形手段の先端には空気注入ノズルが配置されていることを特徴とする弾性体人形用頭部の成形金型。

2 7 . 前記各分割金型にはプリプロ一用のプリビンチ材を取り付け、パネで前記合わせ面から突出するように付勢するとともに、前記各分割金型のプリビンチ材と前記キヤビティとの間には前記パーティングラインに薄肉部を介して連続する余肉部を形成するための成形空間が形成されている請求項 2 6記載の弾性体人形用頭部の成形金型。

2 8 . 前記 2個の分割金型の間に固定ピンを配置するとともに、各分割金型には前記固定ビンに対応する部位に余肉部を形成するための成形空間が形成されている請求項 8記載の弾性体人形用頭部の成形金型。