明 細 書
プラズマエ ッチング装置 技術分野
本発明は、 半導体基板等の基板にプラ ズマ処理を施すブラ ズマエ ッチング装置に関する。 背景技術
半導体デバイ スの製造プロセス においては、 被処理基板で ある半導体ウェハに対 して、 プラ ズマによ り エ ッチングを施 すプラズマエ ッチングが多用 されている。 プラ ズマェ ッチン グ装置と しては、 種々 のものが用レ、 られているが、 その中で も容量結合型平行平板プラズマ処理装置が主流である。
容量結合型平行平板プラ ズマエ ッチング装置は、 チャ ンバ 一内に一対の平行平板電極 (上部お よび下部電極) を配置 し、 処理ガスをチャ ンバ一内に導入する と と も に、 電極の一方に 高周波を印加 して電極間に高周波電界を形成 し、 この高周波 電界によ り 処理ガスのプラ ズマを形成 して半導体 ウェハに対 してプラ ズマ処理を施す。
このよ う な容量結合型平行平板プラ ズマエ ッチング装置に よ り 半導体ウェハ上の膜、 例えば酸化膜をエ ツチングする場 合には、 チャ ンバ一内を中圧に して、 中密度プラ ズマを形成 する こ と によ り 、 最適ラ ジカル制御が可能であ り 、 それによ つ て適切なプラ ズマ状態を得る こ と ができ 、 高い選択比で、 安定性および再現性の高いエ ッチングを実現 している。
具体的には、 上部電極にプラ ズマ形成用の 2 7 . 1 2 M H z の高周波を印力 Π してプラ ズマを形成 し、 下部電極に 8 0 0
k H z の高周波を印加 して、 プラ ズマによ り 発生 されたィ ォ ンを下部電極に引 き込み、 2 0 〜 1 0 0 mTorr の圧力にて良 好なエ ッ チングが実現可能な こ と が 1997 DRY PROCESS SYMPOSIUM ( P385 ~ 390) に開示 されてレ、る。
し力、 しな力 S ら、 近年、 U S L I におけるデザイ ンルールの 微細化がますます進み、 ホール形状のァスぺク ト比も よ り 高 いものが要求 されてお り 、 従来の条件では必ず し も十分と は レ、えな く な り つつある。
ま た、 エ ッチングの際には、 図 7 に示すよ う に、 プラ ズマ シース S 近傍の レジス ト層 1 1 1 の部分はマイ ナスに帯電 し ているため、 プラズマ P か らの電子は横方向の運動量のほ う が大き く な り 、 ァ スぺク ト 比が大き レ、 コ ン タ ク ト ホールが形 成されている部分では電子はコ ンタ ク ト ホール 1 0 1 内に到 達しに く く なる が、 プラ ス のイ オンはプラ ズマシース に よ つ て加速されて コ ンタ ク ト ホールに到達する ため、 コ ンタ ク ト ホール 1 0 1 内の底部 1 0 3 がプラ ス に帯電する よ う になる。 一方、 コ ンタ ク ト ホールが形成 されていないスペース部分 1 0 5 には、 困難性を伴 う こ と な く 電子 と イ オン と が到達する。 こ の結果、 ゲー ト電極 1 1 6 の下方の薄い絶縁膜 1 1 7 に強 い電界がかか り 、 いわゆる シエーディ ングダメ ージと称され る絶縁破壊が生 じて しま う 。 なお、 図 7 中、 符号 1 1 2 , 1 1 4 は絶縁膜 ( S i O 2 ) であ り 、 1 1 3 はアル ミ ニ ウ ム配 線、 1 1 5 はゲー ト配線である。
本発の 目 的は、 適切なプラ ズマ状態を得る こ と ができ 、 力 つ微細化に対応可能であ り 、 しかも シヱ一ディ ングダメ ージ
が生 じ難いプラ ズマエ ッチング装置を提供する こ と である。 発明の開示
本発明者は、 要求 されている微細化に対応可能なプラ ズマ エ ッチングについて検討を重ねた結果、 上部電極および下部 電極にに印加する高周波の周波数を上昇させ、 例えば上部電 極に 6 0 M H z 、 下部電極に 2 M H z の周波数の高周波を印 加する こ と によ り 、 よ り 低圧の条件でプラ ズマを形成する こ と ができ 、 従来の容量結合型平行平板プラ ズマ処理装置 と 同 等の ラ ジカル解離制御性を維持 しつつ、 よ り 高密度のプラ ズ マを形成する こ と ができ 、 よ り 微細化に対応可能な こ と を見 出 した。
しか しなが ら、 この よ う に上部電極に印加する 高周波の周 波数を上昇 させる と 、 エ ッ チ ン グの均一性が劣る と い う 新た な問題が生 じる こ と が判明 した。 すなわち、 図 1 Aに示すよ う に、 上部電極 8 0 のプラ ズマシース が電極中央部で極めて 薄く な り 、 下部電極 8 1 のプラ ズマシースが電極中央部で厚 く なっ てプラズマの不均一が生 じる。
これは、 高周波を印加 した際に必ず生 じ る 高調波が上部電 極 8 0 の面内に定在波を形成する こ と に起因する。 つま り 、 定在波は電極の中央で振幅が大き く なるか ら 、 定在波が上部 電極近傍のプラ ズマに寄与する こ と に よ り 、 上部電極中央部 のシ一スが端部に比較 して薄 く な る。 しか し 、 上部電極に印 加する周波数が従来の よ う に比較的低い場合、 例えば 5 0 M H Z 未満の場合には、 プラ ズマ密度が高 く な く 、 したがっ て プラ ズマシ一スが厚いので、 定在波がプラ ズマの均一性に与
える影響は小 さ い。 ま た、 5 0 M H z 未満では、 高調波の波 長が上部電極の径に比べて大き いの で、 定在波の影響は小 さ く なる。
上部電極に印加する 高周波の周波数が高 く なっ てプラ ズマ 密度が上昇する と 、 プラ ズマシース の厚さ が全体的に薄 く な るか ら、 電極の中央部のプラ ズマシース が定在波の影響を受 ける と 、 極端な場合には図示する よ う に電極中央部のブラ ズ マシースが極めて薄 く な り 、 プラズマの均一性が悪く なる。
一方、 下部電極 8 1 のプラ ズマシース に関 しては、 上部電 極の中央部においてプラズマシース が薄く なる こ と 力ゝ ら、 そ の部分のキヤ ノ、。シタ ンス が大き く なっ て集中 して電流が 2 M H z フ ィ ルターに流れ、 結果と してプラズマシースが厚 く な る。 このため、 中央部のプラ ズマ中のイ オンが一層加速 され、 ウ エノ、中央部でのエ ッ チングレ一 ト が ウェハ周辺部よ り 高 く な り 、 エ ッ チ ン グの均一性が低下する。
そ こで、 この よ う な新たな欠点を解決する ために さ ら に検 討した結果、 両電極に特定の高周波を印加する こ と に よ り プ ラ ズマシース厚を厚 く する こ と ができ 、 プラ ズマシース厚の 変動を小 さ く する こ と が可能な こ と を見出 した。 そ して、 こ の よ う にプラズマシース厚を厚 く してその変動を小 さ く する ためには、 両電極に特定の周波数でかつ同周波数の高周波電 力を実質的に逆位相で、 ある いはその近傍の位相で印加すれ ばよい こ と を見出 し た。
ま た、 この よ う に両電極に特定の周波数でかつ同周波数の 高周波電力を実質的に逆位相で、 ある いはその近傍の位相で
印加すればシェーディ ングダメ ージも生 じ難 く な る こ と を見 出 した。
尚、 特開平 7 — 3 0 2 7 8 6 及び特開平 8 — 3 1 5 9 6 に おいて も 、 相互に逆位相の低周波を上部電極及び下部電極に 印加する と 共に上部電極に高周波を印加するプラ ズマ処理装 置が開示 されている。 しか し、 かかる装置は、 本発明の課題 を解決する ものではない。
本発明は、 これらの知見に基づレヽてな された も のであっ て、 本発明の第 1 の観点によれば、 被処理基板が収容 されるチ ヤ ンノく一 と 、
このチャ ンバ一内に所定間隔を有 して相対向する よ う に設 け られた第 1 お よび第 2 の電極 と 、
前記第 1 の電極に 5 0 M H z 以上の高周波電力 を印加する 第 1 の高周波印加手段 と 、
前記第 2 の電極に高周波電力を印加する第 2 の高周波印加 手段 と 、
前記チャ ンバ一内を所定の減圧状態に維持する排気手段と 、 前記チヤ ンバー内に処理ガス を導入する処理ガス導入手段 と
を具備 し、
前記第 2 の電極に被処理基板を支持 させた状態で、 前記第 1 お よび第 2 の電極間に高周波電界を形成する こ と によ り 処 理ガスのプラ ズマを形成 し、 こ のプラ ズマに よ り 被処理基板 にエ ッチング処理を施すこ と を特徴 とする プラ ズマエ ツチン グ装置であって、
前記第 2 の高周波印加手段は、 前記第 1 の電極に形成 され るプラズマシース の厚 さが厚く なる よ う に前記第 1 の電極に も高周波電力を印加する こ と を特徴 と する プラズマエ ツチ ン グ装置が提供される。
本発明の第 2 の観点によれば、 被処理基板が収容 されるチ ヤ ンノ 一 と 、
こ のチャ ンバ一内に所定間隔を有 して相対向する よ う に設 け られた第 1 お よび第 2 の電極 と 、
前記第 1 の電極に 5 O M H z 以上の高周波電力を印加する 第 1 の高周波印加手段 と 、
前記第 1 の電極お よび第 2 の電極に、 周波数が 2 M H Z 以 上でかつ前記第 1 の高周波印加手段よ り も低 く 、 互いに実質 的に逆位相で同周波数の高周波電力 を印加する第 2 の高周波 印加手段 と 、
前記チャ ンバ一内を所定の減圧状態に維持する排気手段と 前記チ ャ ンバ一内に処理ガス を導入する処理ガス導入手段 と
を具備 し、
前記第 2 の電極に被処理基板を支持 させた状態で、 前記第 1 および第 2 の電極間に高周波電界を形成する こ と に よ り 処 理ガスのプラ ズマを形成 し、 こ のプラ ズマに よ り 被処理基板 にェ ツチング処理を施 し、
前記第 2 の高周波印加手段か ら前記第 1 の電極に印加 され る高周波電力に よ り 、 前記第 1 の電極に形成 されるプラ ズマ シー ス の厚 さ が厚 く なる こ と を特徴 と する プラ ズマエ ツ チン
グ装置が提供される。
本発明の第 3 の観点によれば、 被処理基板が収容 されるチ ヤ ンノ 一 と 、
このチャ ンバ一内に所定間隔を有 して相対向する よ う に設 け られた第 1 お よび第 2 の電極 と 、
前記第 1 の電極に 5 O M H z 以上の高周波電力 を印加する 第 1 の高周波印加手段 と 、
前記第 1 の電極お よび第 2 の電極に、 周波数が 2 M H z 以 上でかつ前記第 1 の高周波印加手段よ り も低い同周波数の高 周波電力 を 1 8 0 ± 4 5 ° の位相差で夫々 印加する第 2 の高 周波印加手段と 、
前記チ ャ ンバ一内を所定の減圧状態に維持する排気手段と 、 前記チヤ ンバー内に処理ガス を導入する処理ガス導入手段 と
を具備 し、
前記第 2 の電極に被処理基板を支持 させた状態で、 前記第 1 および第 2 の電極間に高周波電界を形成する こ と に よ り 処 理ガスのプラズマを形成 し、 こ のプラ ズマに よ り 被処理基板 にェ ツチング処理を施 し、
前記第 2 の高周波印加手段か ら前記第 1 の電極に印加 され る 高周波電力に よ り 、 前記第 1 の電極に形成される プラ ズマ シース の厚 さが厚く な る こ と を特徴 と する プラ ズマエ ツチン グ装置が提供される。
本発明においては、 第 1 の電極に 5 0 M H z 以上の周波数 の高周波を印加する 第 1 の高周波印加手段 と 、 第 1 の雷極に
形成 される プラ ズマシース の厚 さ が厚 く な る よ う に、 第 2 の 電極のみな らず第 1 の電極にも高周波電力を印加する第 2 の 高周波印加手段を備えてい る の で、 プラズマシース が定在波 の影響を受けて も、 その厚 さ の変動割合が相対的に小 さ く な り 、 プラ ズマを よ り 均一にする こ と ができ る。 具体的には、 第 2 の高周波印加手段は、 第 1 の電極および第 2 の電極に、 周波数が 2 M H z 以上でかつ第 1 の高周波印加手段よ り も低 く 、 互いに実質的に逆位相で同周波数の高周波を印加するの で、 第 1 の電極には、 第 1 の高周波印加手段によ る高周波の 他、 第 2 の高周波印加手段によ る比較的周波数が低い高周波 も印加 される。 したがって、 図 1 の ( b ) に示すよ う に、 上 部電極のプラズマシースは、 第 1 の高周波印加手段の周波数 (例えば 6 0 M H z ) に対応するプラ ズマシース に、 よ り 周 波数が低い第 2 の高周波印加手段の周波数 (例え ば 2 M H z ) に対応する プラ ズマシース が重畳 されて厚く な り 、 また 2 M H z に対応する プラ ズマシース の方が 6 0 M H z に対応 する プラ ズマ シース よ り も厚いので、 プラ ズマ シース が定在 波の影響を受けて もその厚さ の変動の割合は小 さ く 、 ブラズ マの均一性が低下する度合が小 さ く なる。 ま た、 こ の よ う に 上部電極のプラ ズマシースが厚 く な る こ と か ら 、 定在波の影 響に よ る キ ャ パシタ ンス の変化は小 さ く 、 下部電極に流れる 電流が均一にな り 、 図示する よ う に下部電極のプラ ズマシ一 スはほぼ均一になる。 したがっ て、 本発明に よれば、 高密度 のプラ ズマによ り 微細化に対応可能である と と も に、 均一な プラ ズマに よ り エ ッ チ ングの均一性を確保する こ と が可能 と
なる。 なお、 図 1 B は第 2 の高周波印加手段 と してパ ワ ース プ リ ッ ター 8 2 を用いて上部電極お よび下部電極に互いに逆 位相の高周波 (周波数 2 M H Z ) を印加 した状態を示すもの である。
また、 しかも 、 第 2 の高周波印加手段か ら第 1 および第 2 電極に印加 される高周波電力は実質的に逆位相である か ら、 シース部分の電界強度が常に一定値以上の高い値 と なる ため プラズマの空間電位を高 く する こ と ができ 、 かつ電離 レ一 ト が上昇 してプラ ズマ密度が高 く な り 、 イ オンおよび電子が高 エネルギー化 される。 また、 電極近傍における電離レー ト を 増加 させる こ と ができ 、 高速電子フ ラ ッ ク スが増加する。 し たがって、 プラ ズマ中の電子が コ ンタ ク ト ホールの底部に容 易に到達 しやす く な り 、 ホール内のプラ ス の電荷を中和する こ と ができ る ので、 シェ一ディ ングダメ ージを生 じ難 く する こ と が可能 と なる。
こ こ で、 上述 した よ う に第 1 および第 2 の電極に互いに実 質的に逆位相の高周波電力を印加する こ と に よ り 、 上述の よ う な効果が著 しいもの と なる が、 これらの効果は互いに逆位 相でな く て もそれに近い ものであれば奏する こ と が可能であ る。 具体的には、 両者の位相差が 1 8 0 ± 4 5 ° であれば、 所期の効果を得る こ と が可能である。
第 1 の高周波印加手段の周波数を 5 0 M H z 以上と したの は、 これよ り 低い と 、 所望の高密度プラズマ を得る こ と が困 難であ り 、 要求 されている微細化に対応する こ と ができ な く な り 、 また、 5 0 M H z 未満では本発明が解決 し よ う とする
課題 自 体が発生 しないか らである。
上記本発明の第 2 の観点において、 前記第 2 の高周波印加 手段は、 周波数が 2 M H Z 以上でかつ前記第 1 の高周波印加 手段よ り も低い高周波電源 と 、 該高周波電源の電力を前記第 1 および第 2 の電極に分配する ト ラ ンス と を有する構成 とす る こ と ができ る。
上記本発明の第 2 の観点および第 3 の観点において、 第 2 の高周波印加手段の周波数を 2 M H z 以上 と したのは、 周波 数が 2 M H z 以上になる と イ オンが追従 しに く く なる ので被 処理基板にイ オンが引 き込まれた際のダメ ージを小さ く する こ と ができ るカゝ らである。
上記本発明の第 2 の観点および第 3 の観点において、 前記 第 2 の高周波印加手段は、 周波数が 2 M H z 以上でかつ前記 第 1 の高周波印加手段よ り も低い高周波発振器と 、 こ の高周 波を増幅 して所定の高周波電力をそれぞれ前記第 1 および第 2 の電極に印加する増幅手段 と 、 前記第 1 の電極または第 2 の電極に印加 される 高周波の位相を シ フ ト させる位相シ フ ト 手段 と を有する構成 とする こ と ができ る。
また、 第 2 の観点お よび第 3 の観点において、 第 2 の高周 波印加手段の周波数は、 2 〜 2 7 M H z 以下である こ と が好 ま しい。 また、 第 1 および第 2 の高周波印加手段の周波数の 好ま しい例 と して、 第 1 の高周波印加手段の周波数が約 6 0 H z , 第 2 の高周波印加手段の周波数が約 2 M H z が挙げ られる。 さ らに、 前記第 2 の高周波印加手段は、 前記第 1 の 電極へ供給する電力 と 、 前記第 2 の電極へ供給する電力 と の
比力 6 : 4〜 4 : 6 である こ と が好ま しい。
図面の簡単な説明
図 1 A並びに図 1 B は、 本発明の原理を説明する ための図 であ り 、 図 1 Aは、 従来技術に係わ り 、 図 1 B は本発明に係 わる。
図 2 は、 本発明の一実施形態に係るエ ッ チング装置を概略 的示す断面図である。
図 3 は、 プラ ズマの電位分布をシ ミ ュ レーシ ョ ン した結果 を示す図である。
図 4 は、 プラ ズマの空間電位を示すグラ フ。
図 5 A並びに図 5 B は、 夫々 プラズマの電極近傍お よびバ ルク での電離レー ト を示すグラ フである。
図 6 は、 第 2 の高周波印加機構の他の例を示す図である。 図 7 は、 シエーディ ングダメ ージの概念を示す図である。 発明を実施する ための最良の形態
以下、 添付図面を参照 して本発明の実施の形態について説 明する。 図 2 は本発明の実施の形態に係るエ ツチング装置を 概略的に示す断面図である。 こ のエ ッチン グ装置 1 は、 電極 板が上下平行に対向 し、 一方にプラ ズマ形成用電源が接続さ れた容量型平行平板エ ッチング装置 と して構成 さ れている。
こ のエ ッ チ ン グ装置 1 は、 例 え ば内面がアルマイ ト 処理
(陽極酸化処理) されたアルミ ニ ゥ ムから なる 円筒形状に成 形 されたチャ ンバ一 2 を有 してお り 、 このチャ ンバ一 2 は保 安接地されている: 前記チャ ンバ一 2 内の底部にはセ ラ ミ ッ ク な どの絶縁板 3 を介 して、 被処理体、 例えば半導体 ウェハ
(以下、 単に ウェハ と 記す) Wを載置する ための略円柱状の サセプタ支持台 4 が設け られている。 こ のサセプタ支持台 4 の上には、 下部電極を構成する サセプタ 5 が設け られている。 こ のサセプタ 5 は、 ノヽ イ ノ、。ス フ ィ ルタ ー ( H P F ) 6 をて介 して接地 されている。
前記サセプタ支持台 4 の内部には、 冷媒室 7 が設け られて お り 、 こ の冷媒室 7 には、 液体窒素な どの冷媒が冷媒導入管 8 を介 して導入 され冷媒排出管 9 か ら排出 されて循環 し、 そ の冷熱が前記サセプタ 5 を介 して前記支持台上に支持 された ウェハ Wに対 して伝熱 され、 これに よ り ウェハ Wの処理面が 所望の温度に制御される。
前記サセプタ 5 は円板状をな してお り 、 その上に ウェハ W と略同形の静電チャ ッ ク 1 1 が設け られている。 静電チヤ ッ ク 1 1 は、 絶縁材の間に電極 1 2 が介在する よ う に して構成 されてお り 、 電極 1 2 に接続された直流電源 1 3 から例えば 1 . 5 k V の直流電圧が印カ卩 される こ と に よ り 、 ク ー ロ ン力 またはジ ョ ンセ ン · ラーベッ ク 力に よ っ て ウ エノヽ Wを上に静 電吸着する。
前記絶縁板 3 、 サセプタ支持台 4 、 サセプタ 5 、 さ ら には 前記静電チャ ッ ク 1 1 には、 被処理体である ウェハ Wの裏面 に、 伝熱媒体、 例えば H e ガス な どを供給する ためのガス通 路 1 4 が形成されてお り 、 こ の伝熱媒体を介 してサセプタ 5 の冷熱が ウェハ Wに伝達されウェハ Wが所定の温度に維持さ れる よ う になっ ている。
前記サセプタ 5 の上端周縁部には、 静電チャ ッ ク 1 1 上に
載置 された ウェハ Wを囲むよ う に、 環状の フ ォ ーカ ス リ ング 1 5 が配置 されてレ、る。 こ の フ ォーカ ス リ ング 1 5 はシ リ コ ンな どの導電性材料か らなっ てお り 、 エ ツチングの均一性を 向上 させる機能を有する。
前記サセプタ 5 の上方には、 こ のサセプタ 5 と 平行にかつ 所定間隔を有 して対向 して上部電極 2 1 が設け られている。 この上部電極 2 1 は、 絶縁材 2 2 を介 して、 チャ ンバ一 2 の 上部に支持 されてお り 、 サセプタ 5 と の対向面を構成 し、 多 数の吐出孔 2 3 を有する電極板 2 4 と 、 こ の電極板 2 4 を支 持する電極支持体 2 5 と によ っ て構成 されている。 電極板 2 4 を構成する材料と して は、 シ リ コ ンま た はアモルフ ァ ス 力 一ボンが例示 される。 また、 電極支持体 2 5 は導電性材料に よ っ て構成されてお り 、 その材料と しては表面がアルマイ ト 処理 されたアル ミ ニ ウ ムが例示 される。 なお、 サセプタ 5 と 上部電極 2 1 と は、 1 0 〜 6 0 m m程度離間 している。
前記上部電極 2 1 における電極支持体 2 5 の中央にはガス 導入 口 2 6 が設け られ、 さ ら に こ のガス導入 口 2 6 には、 ガ ス供給管 2 7 が接続されてお り 、 さ ら に こ の ガス供給管 2 7 には、 ノくルブ 2 8 、 並びにマ ス フ ロ ー コ ン ト ロ ー ラ 2 9 を介 して、 処理ガス供給源 3 0 が接続されている。 処理ガス供給 源 3 0 か ら、 エ ッチングのための処理ガスが供給 される。 こ のよ う な処理ガス と しては C F 4ガスが例示 される。
前記チャ ンバ一 2 の底部には排気管 3 1 が接続 されてお り 、 この排気管 3 1 には排気装置 3 5 が接続されている。 排気装 置 3 5 はターボ分子ポンプな どの真空ポンプを備えてお り 、
これに よ り チャ ンノく ー 2 内 を 1 mT o rr ( 0 . 1 3 3 P a ) 程 度の減圧雰囲気まで真空引 き 可能な よ う に構成 されている。 また、 チャ ンバ一 2 の側壁にはゲー トバルブ 3 2 が設け られ てお り 、 このゲー トバルブ 3 2 を開 に した状態で ウェハ Wが 隣接する ロ ー ドロ ッ ク 室 (図示せず) と の間で搬送される よ う になっ ている。
次に、 プラ ズマを形成する ための機構について説明する。 本実施形態では相対的に高い周波数の高周波を上部電極に 印加する第 1 の高周波印加機構 1 0 0 と 、 下部電極と しての サセプタ 5 と 上部電極 2 1 の両方に対 して互いに実質的に逆 位相の相対的に低い周波数の高周波を印加する第 2 の高周波 印加機構 2 0 0 と が設け られている。 第 2 の高周波印加機構 2 0 0 は、 サセプタ 5 と 上部電極 2 1 と に同周波数の高周波 を印加する よ う になっ てレ、る。
第 1 の高周波印加機構 1 0 0 は、 第 1 の高周波電源 5 0 を 有 してお り 、 こ の第 1 の高周波電源 5 0 は整合器 5 1 お よび ハ イ ノ ス フ ィ ルタ一 ( H P F ) 5 2 を介 して上部電極 2 1 に 接続されている。 こ の第 1 の高周波電源 5 0 は、 5 0 M H z 以上の周波数を有 してお り、 こ の よ う に高い周波数を印加す る こ と に よ り チャ ンバ一 2 内に低圧条件下で高密度のプラズ マを形成する こ と ができ る。 なお、 事実上の上限周波数は 2 0 0 M H z 程度である。 こ の第 1 の高周波電源 5 0 の周波数 および出力の好ま し い例は、 6 0 M I- I z、 2 0 0 0 Wである。
第 2 の高周波印加機構 2 0 0 は、 第 2 の高周波電源 4 0 を 有 してお り 、 こ の高周波電源 4 0 は整合器 4 1 を介 してパヮ
ースプ リ ッ タ一を構成する ト ラ ンス 4 2 の一次側に接続され てお り 、 こ の ト ラ ンス 4 2 の二次側には、 接地端子 4 3 が設 け られている。 こ の ト ラ ンス 4 2 の二次側は、 それぞれロ ー ノ、 °ス フ ィ ルタ ( L P F ) 4 4 , 4 5 を介 してサセプタ 5 と 上 部電極 2 1 にそれぞれ接続されている。 したがっ て、 接地端 子 4 3 を移動させる こ と に よ り 、 高周波電源 4 0 のパワーは、 例えば 1 0 0 0 Wの出力の う ちサセプタ 5 へは 6 0 0 W、 上 部電極 2 1 には 4 0 0 Wと い う よ う に、 任意の比率で分配さ せる こ と が可能になっ ている。 またサセプタ 5 と 上部電極 2 1 には、 互いに実質的 に逆位相 の (位相が 1 8 0 ° 異な つ た) 高周波電力が印加 される。 第 2 の高周波電源 4 0 は第 1 の高周波電源 5 0 よ り も低 く 、 かつ 2 M H Z 以上の周波数を 有 してレヽる: こ のよ う に、 2 M H z 以上の周波数を有 してい れば、 サセプタ 5 に引 き込まれるイ オンが ウエノ、 Wに与える ダメ ージが小 さ い: 第 2 の高周波電源 4 0 の周波数は 2 7 M H z 以下である こ と が好ま し く 、 2 〜 : L 3 . 5 6 M H z の範 囲が特に好ま しい。 こ の第 2 の高周波電源 4 0 の周波数の好 ま しい例 と しては 2 M H z を挙げる こ と ができ る。 後述する よ う に、 シヱ一ディ ングダメ 一ジを有効に防止する観点か ら は、 上部電極 2 1 と 下部電極であるサセプタ 5 と の分配比は 4 : 6 〜 6 : 4 が好ま しレヽ。
こ の よ う に構成 されるエ ッチ ング装置 1 において、 例えば、 シ リ コ ン基板を有する ウェハ W上のシ リ コ ン酸化膜 ( S i O
2 ) のエ ッ チングを実施する場合には、 まず被処理体であ る ウェハ Wは、 ゲー トバルブ 3 2 が開放 された後、 図示 しない
口一 ドロ ッ ク 室カゝらチャ ンバ一 2 内へ と搬入 され、 静電チヤ ッ ク 1 1 上に載置 される。 そ して、 高圧直流電源 1 3 か ら直 流電圧が印加 される こ と に よ っ て、 ウェハ Wが静電チヤ ッ ク 1 1 上に静電吸着される。 次いで、 ゲー トバルブ 3 2 が閉 じ られ、 排気機構 3 5 に よ っ て、 チャ ンバ一 2 内が所定の真空 度まで真空引 き される。
その後、 バルブ 2 8 が開放されて、 処理ガス供給源 3 0 か ら例えば C F 4ガス力 、 マス フ ロ ー コ ン ト ロ ー ラ 2 9 に よ つ てその流量が調整されつつ、 処理ガス供給管 2 7 、 ガス導入 口 2 6 を通って上部電極 2 1 の中空部へと 導入され、 さ らに 電極板 2 4 の吐出孔 2 3 を通っ て、 図 2 の矢印に示すよ う に、 ウェハ Wに対 して均一に吐出 される。
チャ ンノ 一 2 内の圧力が、 例えば 2 0 m T o r r ( 2 . 6 6 P a ) に維持 された後、 第 1 の高周波印加機構 1 0 0 の高 周波電源 5 0 か ら例えば 6 0 M H z の高周波を上部電極 2 1 に印加する: これに よ り 、 上部電極 2 1 と 下部電極と しての サセプタ 5 と の間に高周波電界が生 じ、 処理ガスが解離 して プラ ズマ化する。 他方、 第 2 の高周波印加機構 2 0 0 の高周 波電源 4 0 力 らは、 ト ラ ンス 4 2 を介 してサセプタ 5 と 上部 電極 2 1 と に、 互いに実質的に逆位相の (位相が 1 8 0 ° 異 なつ た) 例えば 2 M H z の高周波電力が印加 される。
この第 2 の高周波印加機構 2 0 0 か ら上部電極 2 1 に印カロ された成分は、 第 1 の高周波印加機構 1 0 0 か ら上部電極に 供給 された例えば 6 0 M H z の高周波が上部電極 2 1 側に形 成する プラ ズマ シース を厚く する機能を有 してお り 、 これに
よ り 、 定在波を構成する高調波によ る 上部電極 2 1 表面での プラ ズマシース の不均一の影響を緩和 して、 均一なプラ ズマ を形成する こ と ができ る。
一方、 第 2 の高周波印加機構 2 0 0 か ら下部電極であるサ セプタ 5 に印加 された成分は、 プラ ズマ化 したガス分子中の 主にイ オンをサセプタ 5側へと積極的に引 き込む作用を有 し、 こ のイ オンア シス ト によっ て、 ウェハ Wの酸化膜に対 して、 よ り 異方性の高いエ ッチングを施すこ と が可能と なる。 こ の 場合に、 その周波数が 2 M H z 以上である こ と 力ゝ ら、 ウ エノ、 Wにダメ ージを与え る おそれは小さ い。
こ の よ う に、 上部電極 2 1 に例えば 6 0 M H z と い う 比較 的高い周波数の高周波を印加する こ と によ り 、 低圧で高密度 のプラ ズマを形成する こ と ができ 、 しかもサセプタ 5 に例え ば 2 M H z を印加する こ と によ り エ ッ チ ン グの選択性お よび 異方性を よ り 高める こ と ができ る の で、 微細加工が可能であ り 、 それにカ え、 上部電極 2 1 に例えば 6 0 M H z と い う 比 較的高い周波数の高周波を印加 した場合に生 じる プラ ズマの 不均一を解消する こ と ができ る ので、 プラ ズマ処理の均一性 を確保する こ と が可能 と なる。
第 2 の高周波印加機構 2 0 0 か ら 、 上部電極 2 1 および下 部電極であるサセプタ 5 に、 2 M H z の高周波電力を互いに 実質的に逆位相 と なる よ う に印加する こ と に よ り シース幅の 変動が小 さ く な る結果、 シース部分の電界強度が常に一定値 以上の高い値と なる ためプラ ズマの空間電位を高 く する こ と がで き 、 かつ電離レー トが上昇 してプラ ズマ密度が高 く な り 、
イ オンおよび電子が高エネルギー化 される。 また、 電極近傍 における電離レ一 ト を増加 させる こ と ができ 、 高速電子フ ラ ッ ク スが増加する: したがっ て、 プラ ズマ中の電子が コ ンタ ク ト ホールの底部に容易に到達 しやすく な り 、 ホール内のプ ラ スの電荷を中和する こ と ができ る ので、 シエーディ ングダ メ ージを生 じ難く する こ と が可能 と なる。
さ らに、 第 2 の高周波電源 4 0 の ト ラ ンス 4 2 の二次側 と 、 サセプタ 5 および上部電極 2 1 と の間の印加経路には、 それ ぞれロ ーノ、。ス フ ィ ルタ ー ( L P F ) 4 4 , 4 5 が介在 してレヽ る ので、 この印加経路に第 1 の高周波電源 5 0 か らの高い周 波数、 例えば 6 0 M H z の高周波が侵入する おそれがない。 また、 第 1 の高周波電源 5 0 の印加経路にはハイ ノ、。ス フ ィル ター ( H P F ) 5 2 が介在 している ので、 こ の印加経路に第 2 の高周波電源 4 0 か らの低い周波数、 例えば 2 M H z の高 周波が侵入するおそれがない。 したがつ て、 安定 したプロ セ ス を実現する こ と ができ る。 なお、 こ のよ う なブロ ッ キング 機能に鑑みれば、 コ 一ノヽ。ス フ ィ ルタ 一 ( L P F ) 4 4 , 4 5 およびハイ ノ ス フ ィ ルター ( H P F ) 5 2 に限 らず、 他のブ 口 ッ キング手段を用いて も よい。
次に、 本発明に係る プラ ズマ処理装置に よ っ て形成 される プラ ズマをシ ミ ュ ンーシ ョ ン した結果について説明する。
図 3 は、 上部電極に 6 0 M H z の高周波電力を印カロ し、 力 つ上部電極 と 下部電極に 4 : 6 の分配比で 2 M H z の高周波 電力を印加 した本発明に対応する場合 と 、 上部電極に 6 0 M H z の高周波電力を印力 Π し下部電極に 2 M H z の高周波雷力
を印加 した比較例の場合と における ウェハ中心の上方におけ る空間の電位分布を示す図である。 なお、 こ の図において横 軸は電極に垂直な方向の距離を示 し、 縦軸は 2 M H z 高周波 の 1 周期分の時刻を示す。 こ の図に示すよ う に、 本発明の場 合には、 比較例の場合よ り も シース幅が安定 してお り 、 シー ス部分の電位の勾配で示 される電界の強度が一定以上の値を 示 している こ と がわかる。 ま た、 こ の際のプラ ズマ電位は図 4 に示すよ う に、 本発明のほ う が高 く 、 かつ変動量が少な く なっ ている。 さ らに、 こ の際の電離 レー ト は、 図 5 A並びに 図 5 B に示すよ う に、 バルタ において も電極近傍において も 本発明のほ う が高 く なつ てレヽる。 すなわち、 本発明の ほ う 力 S プラ ズマ密度が高 く なつている こ と がわかる。 ま た、 これに と も なつ てイ オンお よび電子が高エネルギー化 され、 高速電 子 フ ラ ッ ク ス が増加する こ と も シ ミ ュ レーシ ョ ン で示 された。 さ ら に、 電子がプラ ズマシースか ら ウェハに到達する 時間を シ ミ ュ レー シ ョ ン し た結果、 比較例の場合が 3 . 3 n s e c であっ たのに対 し、 本発明の場合には 3 . 2 n s e c であつ た。 すなわち、 本発明のほ う がプラ ズマシースカゝ ら ウ エノ、に 到達する時間が短く 、 電子が高速化 されている こ と がわかる。 したがっ て、 図 7 に示すコ ンタ ク ト ホール 1 0 1 内の底部 1 0 3 に到達する電子が増加 し、 その部分におけ る プラ ス の带 電が緩和 され、 シユ ーディ ングダメ 一ジが生 じに く く な る。
以上の こ と か ら、 本発明によ り 、 プラ ズマシース の厚 さ が 変動 しに く く 、 かつシェーディ ングダメ ージが生 じに く く な る こ と が確認された。
また、 実際にシェ一ディ ングダメ ージの加速実験を行っ た 結果、 比較の場合には歩留 り が 5 9 %であっ たのに対 し、 本 発明では 9 8 %であっ た。 さ ら に、 上部電極 と 下部電極の高 周波電力の分配比が 4 : 6 〜 6 : 4 の場合に、 特にシエーデ ィ ングダメ ージ防止効果が高い こ と が確認された。 さ ら にま た、 上部電極と 下部電極の高周波電力の分配比を 6 : 4 に し た場合には、 比較の場合および分配比を 4 : 6 に した場合よ り もエ ッチング選択比が高 く なつ た。 これは、 上部電極への 印加電力を高 く する こ と によ り ラ ジカル分布が ウェハ近傍で 高 く なる ため と 考え られる。
なお、 本発明 は上記実施の形態に限定 さ れる こ と な く 、 種々 変形可能である。 例えば、 上記実施の形態では第 2 の高 周波印加機構 2 0 0 にいわゆるパワ ー スプ リ ッ タ ーを用いた が、 これに限 らず、 両方の電極に互いに逆位相の高周波を印 加する こ と ができ る も のであればよい。 例えば、 図 6 に示す よ う に、 例えば 2 M H z の高周波を発振する 高周波発振機 6 0 を設け、 これを上部電極 2 1 には増幅器 6 1 、 整合器 6 2 、 および前述の口 一パス フ ィ ルタ ー 4 4 を介 して接続 し、 サセ プタ 5 には位相シフ ト 回路 6 3 、 増幅器 6 4 、 整合器 6 5 、 および上述のロ ーパ ス フ ィ ルタ ー 4 5 を介 して接続する よ う に し、 位相シフ ト回路 6 3 に よ り 位相 を 1 8 0 。 シ フ ト させ て逆位相 と して も よ い。 周波数が高 く なる と ト ラ ンス が機能 しな く なる ので、 図 6 の構成は高い周波数で特に有効である。 ま た、 上記実施形態では上部電極 と 下部電極 と で互いに逆 位相の高周波電力を印加 したが、 必ず し も逆位相でな く て も
その近傍の位相であればよい。 具体的には、 1 8 0 ± 4 5 ° の位相シフ ト であれば、 所期の効果を得る こ と ができ る。 こ の よ う な構成は、 上記図 6 の位相シ フ ト回路 6 3 の シフ ト量 を調整する こ と によ り 実現する こ と ができ る。
さ らに、 上記実施の形態では、 被処理基板 と して半導体ゥ ェハを用い、 これにエ ッチングを施す場合について説明 した が、 これに限 らず、 処理対象 と して は液晶表示装置 ( L C D ) 基板等の他の基板であっ て も よ い。
産業上の利用の可能性
以上説明 した よ う に、 本発明 によれば、 第 1 の電極に 5 0 M H z 以上の高周波電力を印加する第 1 の高周波印加手段 と 、 第 2 の電極に高周波電力を印加する 第 2 の高周波印加手段と を備え、 第 2 の高周波印加手段は、 第 1 の電極に形成 される プラ ズマシース の厚 さ が大き く なる よ う に第 1 の電極に も高 周波電力を印加する ので、 プラ ズマ シ一スが定在波の影響を 受けて も 、 その厚さ の変動割合が相対的に小 さ く な り 、 ブラ ズマを よ り 均一にする こ と ができ る。 具体的には、 第 1 の電 極に 5 0 M H Z 以上の周波数の高周波を印加する第 1 の高周 波印加手段 と 、 第 1 の電極および第 2 の電極に、 周波数が 2 M H z 以上でかつ第 1 の高周波印加手段よ り も低 く 、 それぞ れ互いに逆位相で同周波数の高周波を印加する第 2 の高周波 印加手段 と を備えてい る ので、 第 1 の電極には、 第 1 の高周 波印加手段によ る高周波の他、 第 2 の高周波印加手段に よ る 比較的周波数が低い高周波も印加 さ れる。 したがって、 上部 電極のプラ ズマシー スは、 第 1 の高周波印加手段の周波数に
対応する部分に、 よ り 周波数が低い第 2 の高周波印加手段の 周波数に対応する部分が重畳さ れて厚 く な り 、 プラズマシー スが定在波の影響を受けて も、 プラ ズマの均一性がほ と んど 悪化せず、 また これに よ つ て下部電極のプラ ズマシースはほ ぼ均一になる。 したがって、 高密度のプラ ズマに よ り 微細化 に対応可能である と と も に、 均一なプラ ズマによ り プラ ズマ 処理の均一性を確 ί呆する こ と が可能 と なる。
また、 このよ う に第 1 および第 2 の電極に、 上述の よ う な 高周波電力を印加する こ と に よ っ てプラズマシース厚の変動 が小 さ く なる こ と か ら、 シース部分の電界強度が常に一定値 以上の高い値と なる ためプラズマの空間電位を高 く する こ と ができ 、 かつ電離レー トが上昇 してプラズマ密度が高 く な り 、 イ オンおよび電子が高エネルギー化 される。 また、 電極近傍 における電離レー ト を増加 させる こ と ができ 、 高速電子フ ラ ッ タ スが増加する: したがっ て、 プラ ズマ中の電子が コ ンタ ク ト ホールの底部に容易に到達 しやす く な り 、 ホール内のプ ラ ス の電荷を中和する こ と がで き る ので、 シエーディ ングダ メ 一ジを生 じ難 く する こ と が可能 と な る。
上述 した よ う に第 1 および第 2 の電極に互いに実質的に逆位 相の高周波電力を印加する こ と によ り 、 上述の よ う な効果が 著 しいも の と な る 、 両者の位相差が 1 8 0 ± 4 5 ° であれ ば、 所期の効果を得る こ と が可能である。