復号装置及び復号方法 技術分野
この発明は、 例えば、 MP E G 2の復号を行なう復号装置及び復号方 法に関するもので、 特に、 動き予測で用いられる画像メモリ のメモリ容 量の削減に係わる。 背景技術 ― 明
衛星を使ってディジタル映像信糸号を放送する衛星ディジタルテレビジ ヨ ン放送が開始されている。 また、 地上波を使ってディジタル映像信号 を放送する地上波ディジタルテレビジョン放送の開発が進められている 。 ディジタルテレビジョ ン放送では、 高品位テレビジョ ン放送や多チヤ ンネル放送、 マルチメディア放送等、 種々のサービスを行なうことが期 待されている。
ディジタルテレビジョ ン放送では、 画像圧縮方式として、 例えば、 M P E G (Moving Picture Experts Group) 2が用いられる。 MP EG 2 方式は、 動き補償予測符号化と D C T (Discrete Cosine Transform ) とにより映像信号を圧縮符号化するもので、 MP E G 2方式では、 I ( Intra ) ピクチャと、 P (Predicti) ピクチャと、 B (Bidirectionall y Predictive) ピクチャと呼ばれる 3種類の画面が送られる。 I ピクチ ャでは、 同一のフレームの画素を使って D C T符号化が行なわれる。 P ピクチャでは、 既に符号化された I ピクチャ又は Pピクチャを参照して 、 動き補償予測を用いた D C T符号化が行なわれる。 Bピクチャでは、 その前後の I ピクチャ又は Pピクチャを参照して、 動き予測を用いた D
C T符号化が行なわれる。
このような M P E G 2方式を用いて伝送されてく るディジタルテレビ ジョ ン放送を受信するためのディジタルテレビジョ ン受像機には、 M P E G 2のデコード回路が備えられている。 M P E G 2のデコード回路は 、 例えば、 第 1図に示すようにして構成できる。
第 1図において、 入力端子 1 0 1に、 M P E G 2のビッ トス トリーム が供給される。 このビッ トス ト リ ームは、 ノ ッファメモリ 1 0 2にー且 蓄えられる。
バッファメモリ 1 0 2の出力が可変長複号化回路 1 0 3 に供給される 。 可変長復号化回路 1 0 3で、 マクロブロック単位の復号が行なわれる 。 可変長複号化回路 1 0 3からは、 D C Tの係数データと、 動きべク ト ルが出力される。 更に、 可変長復号化回路 1 0 3からは、 映像信号のフ レーム周波数を示す各種コ ン ト ロールデータや、 予測モー ド、 量子化ス ケール等のデータが出力される。
( 8 X 8 ) 画素からなる D C T係数データは、 逆量子化回路 1 0 4に 供給される。 逆量子化回路 1 0 4 の量子化スケールは、 可変長復号化回 路 1 0 3からの量子化スケール情報に応じて設定される。 動きべク トル 情報及び予測モー ド情報は、 動き補償回路 1 0 7に供給される。
逆量子化回路 1 0 4により、 D C T係数データが逆量子化される。 こ の逆量子化回路 1 0 4の出力が I D C T回路 1 0 5に供給される。 I D C T回路 1 0 5の出力が加算回路 1 0 6に供給される。 加算回路 1 0 6 には、 動き補償回路 1 0 7の出力が供給される c
画像メモ リ 1 0 8は、 参照画面のをための 2 フ レーム分の映像と、 B ピクチャを出力する際にマクロブロック內のフ レーム画像をフィール ド に変換するための 1枚分のフィ一ルド画像を保持するものである。
I ピクチャでは、 同一のフレームの画素を使って D C T符号化が行な
われるため、 I ピクチャの場合には、 I D C T回路 1 0 5からは、 1 フ レームの画面の画像データが得られる。 この画像データが加算回路 1 0 6、 バッファメモリ 1 1 0を介して、 出力端子 1 1 1から出力される。 そして、 このときの画像デ一タは、 参照画面のデータとして、 画像メモ リ 1 0 8に蓄えられる。
Pピクチャでは、 I ピクチャ又は Pピクチャを参照して、 動き補償予 測を用いた D C T符号化が行なわれる。 このため、 1 0〇丁回路 1 0 5 からは、 参照画面との差分データが出力される。 参照画面のデータは、 画像メモリ 1 0 8に蓄えられている。 また、 動き補償回路 1 0 7には、 可変長複号化回路 1 0 3から動きベク トルが供給されている。 Pピクチ ャを復号する場合には、 画像メモリ 1 0 8からの参照フレームの画像は 、 動き補償回路 1 0 7で動き補償され、 加算回路 1 0 6に供給される。 加算回路 1 0 6で、 動き補償された参照画像のデータと、 I D C T回路 1 0 5からの差分データとが加算される。 これにより、 1 フレームの画 面のデータが得られる。 そして、 このときの画像デ一タは、 参照画面の データとして、 画像メモリ 1 0 8に蓄えられる。
Bピクチャでは、 その前後の I ピクチャ又は Pピクチャを参照して、 動き予測を用いた D C T符号化が行なわれている。 このため、 I D C T 回路 1 0 5からは、 前後の参照画面との差分が出力される。 この'前後の 参照画面のデ一タは、 画像メモリ 1 0 8に蓄えられている。 Bピクチャ を復号する場合には、 画像メモリ 1 0 8からの前後の参照フレームの画 像は、 動き補償回路 1 0 7で動き補償され、 加算回路 1 0 6に供給され る。 加算回路 1 0 6で、 動き補償された前後の参照画像のデータと、 I D C T回路 1 0 5からの差分データとが加算される。 これにより、 1 フ レームの画面のデ一タが得られる。
このよ うに、 M P E G 2方式のディジタル映像信号は、 I ピクチャと
、 Pピクチャと、 Bピクチャ とがあり 、 Pピクチャや Bピクチヤでは、 画像メモリ 1 0 8に蓄えられている画像データが参照画像のデータと し て使用される。 したがって、 画像メモリ としては、 少なく とも、 2フレ —ム分必要であり、 更に、 Bピクチャの画像を出力する際にマクロプロ ック内のフレーム画像をフィールド画面に変換するために 1 フィール ド 分必要である。 したがって、 画像メモリの容量と しては、 少なく とも、 ( 2フ レーム + 1フィ一ルド) 分の容量が必要である。 例えば、 ( 1 9 2 0画素 X 1 0 8 0ライン) の高品位テレビジョン放送の画面をデコ一 ドすると場合には、 約 8 0Mb i t以上のメモリ容量が必要になってく る。 このように、 メモリ容量が増大するため、 コス トアップとなり、 小 型化が困難にある。
特に、 このような画像メモリ としては、 D RAMを用いることが考え られる。 DRAMとしては、 6 4Mb i tのものが普及しているが、 画 像メモリ として要求されるメモリ容量が 6 4Mb i tを越えているため 、 6 4Mb i tの DRAM 1枚では、 画像メモリを構成できない。 6 4 Mb i tの DRAMを 2枚使ったり、 1 2 8Mb i tの DRAMを使う と、 メモリ容量が無駄になる。
したがって、 この発明の目的は、 動き補償予測に使用する参照画面を 蓄えるための画像メモリ の容量を削減でき、 小型、 軽量化と、 コス トダ ゥンが図れるようにした復号装置及び復号方法を提供することにある。 発明の開示
この発明は、 動き補償予測符号化と D C T (Discrete Cosine Transf orm ) とにより圧縮された画像データが入力されるデータ入力手段と、 データ入力手段から各種パラメータや量子化 D C T係数を復号する可変 長復号化手段と、 量子化 D C T係数を逆量子化する逆量子化手段と、 逆
量子化された D C T係数を逆 D C T変換する逆 D C T手段と、 動き補償 予測値を求める動き補償予測手段と、 動き補償予測手段により動き補償 された参照データと逆 D C T手段の出力とを加算する演算手段と、 動き 補償予測で使用する参照データと表示用のデータとを蓄積する画像メモ リ と、 復号された画像データを出力するデータ出力手段とを備えた復号 装置において、 画像メモリの前段に画像メモリに格納するデータのデー タ量を圧縮するデ一タ圧縮手段を設けると共に、 画像メモリ の後段に画 像メモリから読み出された圧縮データを元に戻すためのデータ伸長手段 を設けるようにしたことを特徴とする復号装置である。
また、 ごの発明は、 動き補償予測符号化と、 動き補償予測符号化と D C T (Di screte Cos ine Transfom) とにより圧縮された画像デ一タを復 号する復号方法であって、 画像データから各種パラメータや量子化 D C T係数を可変長符号化することによって得て、 量子化 D C T係数を逆量 子化し、 逆量子化された D C T係数を逆 D C T変換し、 可変長複号化さ れた所定のパラメータに基づいて、 動き補償予測を行い、 参照データを 出力し、 出力された参照データと逆 D C T変換出力とを演算し、 演算し た結果を圧縮して参照画像メモリに記憶し、 参照画像メモリに記憶され たデータを伸長して動き補償を行うようにしたことを特徴とする復号方 法である。
動き補償予測に使用する画像メモリに参照画面のデータを蓄える際に 、 画像データが圧縮される。 これにより、 動き補償予測に使用する画像 メモリ のメモリ容量が削減でき、 回路規模の削減や、 コス トの削減が図 れる。 このとき、 画像データの圧縮は、 D C Tのブロック層を単位に独 立して行なわれるため、 D C Tブロックとのマッチングが図れると共に 、 逐次処理が可能である。
図面の簡単な説明
第 1図は従来の M P E G 2デコーダの一例のプロック図である。 第 2 図はこの発明が適用された M P E G 2デコーダの一例のプロック図であ る。 第 3図はこの発明が適用された M P E G 2デコーダにおける画像圧 縮回路の一例のブロック図である。 第 4図はこの発明が適用された M P E G 2デコーダにおける画像伸長回路の一例のプロック図である。 第 5 図は画像伸長回路の説明に用いる略線図である。 第 6図はこの発明が適 用された M P E G 2デコーダにおける画像圧縮回路の他の例のプロック 図である。 第 7図はこの発明が適用された M P E G 2デコーダにおける 画像伸長回路の他の例のブロ ック図である。 第 8図はこの発明が適用さ れた M P E G 2デコーダにおける画像圧縮回路の更に他の例のプロック 図である。 第 9図はこの発明が適用された M P E G 2デコーダにおける 画像伸長回路の更に他の例のプロック図である。 発明を実施するための最良の形態
以下、 この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。 第 2 図は、 この発明が適用された M P E G 2のデコ一ド回路の一例を示すも のである。 第 2図において、 入力端子 1に、 M P E G 2のビッ トス トリ ―ムが供給される。 このビッ トス ト リームは、 ノくッファメモリ 2に一旦 蓄えられる。
M P E G 2方式では、 I ピクチャと、 Pピクチャと、 Bピクチャと呼 ばれる 3種類の画面が送られる。 I ピクチャでは、 同一のフレームの画 素を使って D C T符号化が行なわれる。 Pピクチャでは、 既に符号化さ れた I ピクチャ又は Pピクチャを参照して、 動き補償予測を用いた D C T符号化が行なわれる。 Bピクチャでは、 その前後の I ピクチャ又は P ピクチャを参照して、 動き予測を用いた D C T符号化が行なわれる。
バッファメモリ 2の出力が可変長複号化回路 3に供給される。 可変長 複号化回路 3で、 マクロプロックの符号化情報が復号される。
可変長復号化回路 3からは、 D C Tの係数データと、 動きベク トルや 、 予測モード、 量子化スケール等のデータが出力される。 可変長複号化 回路 3からの ( 8 X 8 ) 画素の D C T係数データは、 逆量子化回路 4に 供給される。 逆量子化回路 4の量子化スケールは、 可変長復号化回路 3 からの量子化スケール情報に応じて設定される。 動きべク トル情報及び 予測モード情報は、 動き補償回路 1 0に供給される。
逆量子化回路 4により、 D C T係数データが逆量子化される。 この逆 量子化回路 4の出力が I D C T回路 5に供給される。 I D C T回路 5の 出力が加算回路 6に供給される。 加算回路 6には、 動き補償回路 1 0の 出力が供給される。 加算回路 6の出力が画像圧縮回路 7を介して画像メ モリ 8に供給される。 画像メモリ 8の出力が画像伸長回路 9を介して出 力端子 1 1に供給されると共に、 動き補償回路 1 0に供給される。
画像メモリ 8は、 参照画面をための 2フレーム分の映像と、 Bピクチ ャを出力する際にマクロブロック内のフレーム画像をフィールドに変換 するための 1枚分のフィールド画像を保持するものである。
I ピクチャでは、 同一のフレームの画素を使って D C T符号化が行な われる。 このため、 I ピクチャの場合には、 I D C T回路 5からは、 1 フレームの画面のデータが得られる。 この画像データが加算回路 6、 画 像圧縮回路 7、 画像メモリ 8、 画像伸長回路 9を介して、 出力端子 1 1 から取り出される。 また、 このときの画像データは、 参照画面のデータ として、 画像メモリ 8に蓄えられる。
Pピクチャでは、 I ピクチャ又は Pピクチャを参照して、 動き補償予 測を用いた D C T符号化が行なわれる。 このため、 I D C T回路 5から は、 参照画面との差分データが出力される。 参照画面のデータは、 画像
メモリ 8に圧縮して蓄えられている。 また、 動き補償回路 1 0には、 可 変長複号化回路 3から動きべク トルが供給されている。
P ピクチャを復号する場合には、 画像メモリ 8からの参照フレームの 画像は、 画像伸長回路 9で伸長され、 動き補償回路 1 0で動き捕償され 、 加算回路 6に供給される。 加算回路 6で、 動き捕償された参照画像の データと、 I D C T回路 5からの差分データとが加算される。 これによ り、 1フレームの画面のデータが得られる。 また、 このときの画像デ一 タは、 画像圧縮回路 7で圧縮され、 参照画面のデータとして、 画像メモ リ 8に蓄えられる。
Bピクチャでは、 その前後の I ピクチャ又は Pピクチャを参照して、 動き予測を用いた D C T符号化が行なわれている。 このため、 I D C T 回路 5からは、 前後の参照画面との差分データが出力される。 前後の参 照画面のデータは、 画像メモリ 8に圧縮されて蓄えられている。
Bピクチャを復号する場合には、 画像メモリ 8からの前後の参照フレ ームの画像は、 画像伸長回路 9で元の画像データに伸長され、 動き捕償 回路 1 0で動き補償され、 加算回路 6に供給される。 加算回路 6で、 動 き補償された前後の参照画像のデータと、 I D C T回路 5からの差分デ ータとが加算される。 これにより、 1 フレームの画面のデータが得られ る。
このよ うに、 この発明が適用された M P E G 2のデコード回路では、 画像圧縮回路 7が設けられ、 画像メモリ 8にデータを圧縮して蓄積する よう している。 このため、 画像メモリ として大容量のものを用いる必要 がなくなり、 例えば、 1 フレーム ( 1 9 2 0 X 1 0 8 0 ) 画素からなる 高品位テレ ビジョ ンの画面を扱う場合にも、 6 4 M b i t のメモリチッ プで画像メモリ 8を構成できる。
第 3図は、 データ圧縮回路の一例を示すものである。 第 3図において
、 入力端子 1 2に映像信号が供給される。 この映像信号が遅延回路 1 3 に供給されると共に、 加算回路 1 5に供給される。 遅延回路 1 3により 、 入力端子 1 2からの映像データは、 1サンプル遅延される。 遅延回路 1 3の出力が加算回路 1 5に供給される。 加算回路 1 5により、 入力端 子 1 2からとのデータと、 遅延回路 1 3を介して 1サンプル遅延された データとが加算される。
加算回路 1 5の出力が割算回路 1 6に供給される。 割算回路 1 6で、 加算回路 1 5の出力値が 1 / 2にされる。 これにより、 割算回路 1 6は 、 入力端子 1 2の隣合う 2つのデータを平均して連続的に出力する。 割算回路 1 6の出力が遅延回路 1 7に供給される。 遅延回路 1 7には 、 ク口ック入力端子 1 4からのクロックが 1 / 2分周回路 1 8を介して 供給される。 遅延回路 1 7で、 割算回路 1 6の出力データが、 クロック 入力端子 1 4からのクロックの半分の周波数のクロックで取り込まれる 。 これにより、 出力端子 1 9には、 入力端子 1 2のデータが 2つずつ平 均され、 データ量が半分となったデータが出力される。
第 4図は、 画像伸長回路 9の構成を示すものである。 第 4図において 、 データ入力端子 2 0に、 圧縮データが供給される。 この圧縮データは 、 遅延回路 2 1に供給される。 遅延回路 2 1には、 クロック入力端子 2 2からクロックが 1 / 2分周回路 2 4を介して供給される。 この'クロッ クにより、 データ入力端子 2 0からのデータが遅延される。
遅延回路 2 1 の出力が遅延回路 2 3に供給される 遅延回路 2 3には 、 クロ ック入力端子 2 2からのク ロ ックが供給される。 遅延回路 2 3の 出力が出力端子 2 5から出力される。
このよ う に、 遅延回路 2 1で、 ク ロ ック入力端子 2 2からのク ロ ック によりデータが取り込まれ、 このデータが、 遅延回路 2 3で、 1 Z 2分 周回路 2 4を介されたク ロ ックにより取り込まれる。 このため、 遅延回
路 2 3力 らは、 連続する同じデータが 2回出力されることになり、 デー タ量が 2倍となる。
第 5図は、 上述のように、 平均値を使ってデータ圧縮をしたときの処 理を示すものである。 第 5図に示すように、 8サンプルの入力データ D a l、 D a 2、 D a 3、 D a 4…は、 画像圧縮回路 7で、 隣接する 2サ ンプルのデータの平均値により 1 Z 2に圧縮される。 8サンプルの入力 データ D a l、 D a 2、 D a 3、 D a 4…は、 MP E G符号化ビッ トス ト リ一ムの (8 X 8) のブロック層単位に取り出される。 これにより、 (8 X 8 ) のブロック層単位で独立した処理が行なえる。 隣接する 2サ ンプルのデータの平均値のデータ d 1、 d 2、 d 3、 …が画像メモリ 8 に蓄積される。
伸長時には、 画像メモリ 8からの出力データ d 1、 d 2、 d 3、 …は 、 画像伸長回路 9に送られ、 画像伸長回路 9では、 2サンプルのデータ が連続して出力される。 これにより、 画像伸長回路 9からは、 元のデー タ0 1、 02、 03、 '"に対応するデータ D b l、 D b 2、 D b 3、 D b 4、 …が出力される。
上述の例では、 データを平均値を使って圧縮したが、 単に、 データを 帯域制限を行なって間引く ようにして圧縮するようにしても良い。 この 場合、 データ伸長時には、 上述の平均値の場合と同様に、 同一データを 連続してに繰り返したり、 平均値によりデータが補完される。
更 、 上述の例では、 圧縮前データ量と圧縮 ¾データ量の比率が常に 一定の即ち固定圧縮方式であつたが、 データ量 変化する圧縮方式を用 いるようにしても良い。 このような例としては、 阿えばアダマール変換 を¾いるものがある。 第 6図は、 アダマール変換を使って画像メモリ 8 に蓄積されるデータを圧縮するようにしたものである。
第 6図において、 入力端子 3 0に入力された映像信号は、 MP E G方
式での (8 X 8 ) で構成される D C Tブロック内の各ラインの 8画素毎 に、 データ χ θから χ 7 と して、 アダマール変換回路 3 1に供給される アダマール変換回路 3 1は、 8次アダマール変換を 24個の加減算器 で構成している。 アダマール変換回路 3 1は、 画素データ χ 0〜χ 7を 入力として、 時間領域のデータを周波数領域のデ一ダに変換し、 出力デ ータ y 0〜y 7のうち、 y 0は直流成分に、 y l〜y 7には、 それぞれ 周波数及び位相の異なる交流成分とされる。 この場合、 一般的に、 y 0 の値は小から大まで一様に変化するが、 y l〜y 7は、 比較的小さな値 に集中する傾向がある。 特に、 高域成分は小さい値となる。
アダマール変換回路 3 1の出力がソ一ト回路 3 2に供給される。 ソ一 ト回路 3 2は、 アダマール変換回路 3 1の出力する交流成分の y 1〜 y 7の値の絶対値を比較し、 交流成分の y 1〜y 7を絶対値の大きい順に 順列付けを行なう。
ソート回路 3 2の出力が選択回路 3 3に供給される。 選択回路 3 3に は、 選択コン トロール入力端子 34から、 ソートデータを出力する数を 示すコン トロール信号が与えられる。
選択回路 3 3は、 ソート回路 3 2から出力されたデータ s 1〜 s 7の データのうち、 コント口一ル入力端子 3 4からのコント口一ル信号によ り指定された数に応じて、 大きい値から順にデータを選択し、 出力 c l 〜 c nとして出力する。
つまり、 この選択回路 3 3は、 交流成分 y 1〜 y 7のうち、 振幅が大 きいデータを優先的に選択する機能を提供する。 また、 選択回路 3 3か らは、 セレク ト信号が出力される。 このセレク ト信号は、 どのデータが 選択されたかを示す信号である。
選択回路 3 3の出力がガンマ回路 3 5に供給される。 ガンマ回路 3 5
は、 選択回路 3 3の出力するデータに対して、 所謂ガンマ処理をかける ことで、 データのダイナミ ックレンジを抑えてデータ量をさらに削減す るものである。
圧縮データ出力端子 3 6から、 ガンマ回路 3 5の出力 r l〜 r n及び 選択回路 3 3からのセレク ト信号が出力され、 これらが画像メモリ 8に 蓄積される。
このように、 アダマール変換回路 3 1により、 時間領域のデータは、 周波数領域のデータに変換され、 この周波数領域のデータのうち、 絶対 値の大きいものだけが取り出される。 これにより、 画像メモリ 8に蓄積 されるデータのデ一タ量を削減できる。 また、 アダマール変換は、 D C 丁の (8 X 8) ブロック内の各ラインの 8画素毎に行なっているため、 デコ一ド処理とのマッチングが取れる。
なお、 上述の例では、 D CTの (8 X 8 ) ブロック内の各ラインの 8 画素毎にアダマール変換を行なっているが、 DC丁の ( 8 X 8 ) ブロッ ク毎にアダマール変換を行なうようにしても良い。 また、 マクロプロッ ク単位にアダマール変換を行なうようにしても良い。
第 7図は、 アダマール変換によりデータ圧縮をした場合の、 画像伸長 回路 9の構成を示すものである。 第 7図において、 入力端子 3 7に、 圧 縮データが供給される。 この圧縮データのうち、 直流分のデータ ' y Oは 、 逆アダマール変換回路 4 0に供給される。 データ r 1〜 r nは、 逆ガ ンマ回路 3 8に供給される。 セレク ト信号は、 アダマール係数のうちど のデータを選択したかを示すもので、 このセレク ト信号か補間回路 3 9 に供給される。
逆ガンマ回路 3 8は、 ガンマ回路 3 5 と逆特性の逆ガンマ処理をする ことで、 データのダイナミ ックレンジを元に戻すものである。 逆ガンマ 回路 3 8の出力が補完回路 3 9に供給される。
補完回路 3 9は、 圧縮データ入力端子 3 7から供給されるセレク ト信 号を基に、 選択回路 3 3で削除したアダマール係数に対して、 0を代入 して後段に供給する。 補完回路 3 9 の出力が逆アダマール変換回路 4 0 に供給される。
逆アダマール変換回路 4 0は、 補完回路 3 9より供給されたァダマー ル変換係数と、 圧縮データ入力端子 3 7より供給された直流成分 y 0を 入力値として、 逆アダマール変換をし、 出力端子 4 1に伸長したデータ を出力する。
上述のように、 隣接サンプルの平均値データを用いることにより、 或 いはアダマール変換を用いることにより、 画像メモリ 8に蓄積されるデ —タのデータ量を削減することができ、 画像メモリ 8 として、 小容量の ものを用いることが可能になる。 これにより、 回路規模の削減、 コス ト ダウンを図ることができる。
なお、 アダマール変換によりデータを圧縮して画像メモリ 8に蓄積す るようにした場合、 アダマール変換と逆変換を行なう回路が必要になり 、 回路規模が増大することが危惧される。 しかしながら、 アダマール変 換は、 単純な加減算で行なえるため、 著しい回路規模の増大にならない 。 特に、 アダマール変換回路及び逆変換回路は、 他のデコード回路と共 に集積回路化することが可能であるから、 物理的な回路規模の増加には ならない。
また、 上述の例ではアダマール変換を使用しているが、 他の直交変換 符号、 例えは、 ウエーブレッ ト変換や D C T変換、 高速フーリエ変換等 を用いること も可能であろう。
また、 上述の例では、 隣接サンプルの平均値データを用いることによ り、 或いはアダマール変換を用いることによ り、 画像メモリ に蓄積され るデータのデータ量を削減しているが、 これらを組み合わせるようにし
ても良い。 すなわち、 第 8図に示すように、 アダマール変換によるデ一 タ圧縮回路 5 1 の前段に、 平均値によるデータの圧縮回路 5 2を設ける ようにしても良い。 この場合、 伸長回路は、 第 9図に示すように、 ァダ —マル変換によりデータの伸長回路 5 3 と、 データの平均値によるデ一 タの伸長回路 5 4 との組み合わせとなる。
また、 第 8図及び第 9図のスィツチ 5 5 とスィ ッチ 5 6を連動して切 り替えることで、 帯域制限による圧縮回路をバイパスすることが可能と なり、 画像メモリ 8の容量に応じて圧縮画像の解像度を及び品質を調整 することが可能である。
この発明によれば、 動き補償予測に使用する画像メモリに参照画面の データを蓄える際に、 画像データが圧縮される。 これにより、 動き補償 予測に使用する画像メモリのメモリ容量が削減でき、 回路規模の削減や 、 コス トの削減が図れる。 このとき、 画像データの圧縮は、 D C Tのブ 口ック層を単位に独立して行なわれるため、 D C T変換とのマツチング が図れると共に、 逐次処理が可能である。 産業上の利用可能性
以上のように、 この発明にかかわる復号装置及び復号方法は、 M P E G 2の復号を行なう復号装置に用いて好適なものであり、 特に、 動き予 測で用いられる画像メモリのメモ リ容量の削減するのに適している。