結合組織増殖因子に対するモノクロ一ナル抗体及びその医薬用途 技術分野
本発明は、 哺乳動物の結合組織増殖因子 (Connective Tissue Growth Factor、 CTGF) に反応性を有するモノクローナル抗体若しくはその一部、 該モノクロ ーナル抗体を産生する細胞、 該モノクローナル抗体若しくはその一部を固定化し てなる抗体固定化不溶性担体、 該モノクローナル抗体を標識物質で標識してなる 標識抗体、 哺乳動物の CTGFの検出、 定量、 分離または精製に用いられるキッ ト、 哺乳動物の CTGFを検出、 定量、 分離または精製する方法、 該モノクロ一 ナル抗体を含んでなる医薬組成物、 ヒト C T G F遺伝子導入トランスジヱニック マウス、ラッ卜の CTGFポリペプチド、ラヅトの CTGFをコードする DNA、 及びラヅ卜の CTGFに反応性を有する抗体に関する。 背景技術
組織傷害における組織の再生は、 傷害部位に移入したマクロファージ等の貪食 細胞等による不用の組織片ゃ細胞片あるいは細菌等の除去、 血管系の復元、 並び にそれに続く新しい組織との置換を経て行われる。 この組織の再生、 修復の過程 においては、 該再生 ·修復の過程で出現するマクロファージゃ好中球が産生する トランスフォーミング増殖因子/? (Transforming Growth Factor β (TGF- ?)) が最初の調節因子として働くことが明らかとなってきている。
TGF— /?の機能は多彩であり、 間葉細胞の増殖誘導、 血管内皮細胞及び上皮 細胞の増殖抑制だけでなく、 結合組織細胞からの細胞外マ ト リ ックス
(Extracellular Matrix (ECM)) の産生を調節する機能を有することが知られて いる。
前記 TGF— ?で刺激し増殖誘導が見られる間葉細胞の培養上清においては、 血小板由来増殖因子 (Platelet- derived Growth Factor (PDGF)) や結合組織成長 因子 (Connective Tissue Growth Factor (CTGF); H c s 24とも呼ぶ) の産生 の増加が観察されることから、 TGF— ?による細胞増殖誘導活性は、 それらの 他の制御因子により間接的に発揮されるものであると考えられている。
CTGFについては、 ヒト及びマウスの CTGFが既に同定されており (なお、 ラットの CTGFの同定については、 未だ何ら報告されていない。)、 それらの物 理化学的及び生物学的性状の解析が進められてきている([ヒト C T G F] J. Cell Biology, Vol.114, No.6, p.1285-1294, 1991; Int. J. Biochem. Cell Biol., Vol.29, No.l, p.153-161, 1997; Circulation, Vol.95, No.4, p.831-839, 1997; Cell Growth Differ., Vol.7, No.4, p.469-480, 1996; J. Invest. Dermatol., Vol.106, No.4, p.729-733, 1996 ; J. Invest. Dermatol., Vol.105, No.2, p.280-284, 1995; J. Invest. Dermatol., Vol.105, No.l, p.128-132, 1995;及 び国際特許出願公開 W096/38172号公報。 [マウス CTGF (Fispl2)] 特開平 5 - 255397号公報、 Cell Growth Differ., Vol.2, No.5, p.225-233, 1991 ;FEBS Letters, Vol.327, No.2, p.125-130, 1993;及び DNA Cell Biol. , Vol.10, No.4, p.293-300, 1991)。
CTGFは、 分子量約 38 kDを有するシスティン残基に富んだ分泌型糖タン パクであり、 その生合成及び分泌は T G F— ^より誘導されることが明らかにさ れている。 CTGFは、 TGF— ?による産生誘導を受ける点、 PDGF受容体 に結合する点、 間葉細胞系の増殖を誘導する点、 線維芽細胞や上皮細胞から産生 されるという点等で P D G Fと類似の性質を有するが、 アミノ酸配列相同性はほ とんど有さない全く異なる分子である (The Journal of Cell Biology, Vol.114, No.6, p.1287-1294, 1991及び Molecular Biology of the Cell, Vol.4, p.637- 645, 1993)。
また、 最近の研究により、 ヒト及びマウス繊維芽細胞の培養上清中、 並びにブ
夕の子宮由来分泌液中には、 38¾:0&の( 丁0?の分解物と考ぇられる生物学 的に活性な分子量約 10乃至 12kDaの低分子量 CTGFが同定されている (Growth Factors, Vol.15, No.3, p.199-213, 1998; J. Biol. Chem. , Vol.272, No.32, p.20275-20282, 1997)。
CTGFの生理学的機能及び疾患との関連性についての詳細は未だ完全に明ら かにされてはいないものの、 CTGFの による産生誘導、 種々の疾患患 者の組織及び細胞における CTGFの mRNAの有意な発現 (Int. J. Biochem. Cell. Biol., Vol.29, No.l, p.153-161, 1997; Circulation, Vol.95, No.4, p.831-839, 1997; J. Invest. Dermatol., Vol.106, No.4, p.729-733, 1996; J. Invest. Dermatol., Vol.105, No.2, p.128-132, 1995;J. Cell Physiol. , Vol.165, No.3, p.556-565, 1995及び Kidney Int., Vol.48, No.2, p.5001-5009, 1995な ど)、並びに C T G Fの血管内皮細胞の遊走及び増殖の促進に関する知見 (J. Cell. Biol., Vol.114, No.6, p.1285-1294, 1991; Exp. Cell Res., Vol.233, p.63-77, 1997;歯科基礎医学会誌、 第 38卷、 増刊、 第 463頁、 PD0187、 1996及び第 69 回日本生化学会要旨、 第 683頁、 1P0535、 1996など) 等から、 CTGFが種々疾 患の発症及び/または進行に関与する可能性が示唆され初めてきている。
具体的疾患の特定については、 今後の研究展開及び研究結果を待たなければな らないが、 CTGFは、 例えば、 癌、 動脈硬化症、 皮膚疾患 (例えば、 乾癬、 強 皮症、 アトピー、 ケロイ ド)、 腎疾患、 関節炎 (例えば、 慢性関節リウマチ)、 各 種線維症 (動脈硬化、 肝硬変、 関節炎、 強皮症、 ケロイド、 腎線維化、 及び肺線 維症等で見られる組織線維化) 等の幅広い範囲の疾患の発症及び/または進行に 関与するのではないかと推測される。
このような各種疾患と C T G Fとの係わりの解明においては、 種々の疾患に罹 患している患者及び疾患哺乳動物の体液 (血清など) 中に含まれる CTGF及び /またはその断片を検出及び定量し、 その値を、 正常な生体 (健常人、 正常マウ ス、 正常ラット、 及び正常ゥサギ等の哺乳動物) における測定値と比較すること
が、 有効な一般的な手段である。
CTGFのような分泌性タンパクの検出あるいは定量には、 検出しょうとする 分泌性タンパクに対する抗体 (特には、 モノクローナル抗体) を用いた抗原抗体 反応に基づく免疫学的測定方法、 具体的には、 ラジオィムノアッセィ (RIA) あるいはェンザィムィムノアッセィ (E IA、 ELI S A)等のィムノアッセィ が、 最も簡便で有用な方法として汎用されている。
同様に、 CTGFの検出及び定量においても、 このようなィムノアッセィによ る検出方法及び定量方法、 該定量方法の確立に必要とされる C T G Fに対するモ ノクロ一ナル抗体の作製、 開発が必要となる。 しかしながら、 CTGFに対する 抗体については、 抗血清の作製についての報告はあるものの (Exp. Cell Res., Vol.233, p.63-77, 1997; Cell Growth Differ., Vol.8, No.l, p.61-68, 1997; 及び第 69回日本生化学会要旨、 第 683頁、 1P0534、 1996)、 モノクローナル抗体、 とりわけ CTGFに対する高い親和性及び Zまたは C T G Fの活性を中和する能 力を有する機能的なモノクローナル抗体については未だ報告されておらず、 ィム ノアッセィによる CTGFの定量系も全く提供されていない。
また、 前記のような CTGFの活性を中和する能力を有するモノクロ一ナル抗 体は、 そのようなィムノアッセィにおける構成要素としてだけでなく、 前述のよ うな C T G Fの分泌に起因する各種疾患の治療及び/または予防における抗体医 薬品として有用であるが、 該抗体医薬品として使用可能なモノクローナル抗体に ついても、 全く報告されていない。 発明の開示
従って、 前記のような種々疾患の発症及び/または進行に関連する可能性を有 する C T G Fの生物学的機能及び該 CTGFと各種疾患との因果関係の解明、 並 びに CTGFに起因する疾患の治療及び予防における医薬品の有効成分として使 用可能な、 ヒト、 マウス、 ラット及びゥサギ等の各種哺乳動物の CTGFに反応
性を有するモノクローナル抗体の開発が望まれている。 特に、 CTGFの機能及 び C T G Fと各種疾患との関係の解明において必要な手段である C T G Fのィム ノアッセィにおいて用いられるモノクローナル抗体としては、 該 CTGFに対す る所望の親和性、 CTGFの生物学的活性を中和する能力、 及び/または種々の 哺乳動物に対する所望の交叉反応性 (cross reactivity) を有するモノクロ一ナ ル抗体の開発が求められている。
さらに、 該種々疾患に罹患している患者の治療及び/または予防に用いられる モノクローナル抗体としては、 該中和活性に加え、 該患者に対する抗原性を低減 または消失させたモノクローナル抗体の開発が求められている。
本発明者らは、 上述のような社会的ニーズを満たすために、 各種哺乳動物の C TGFに対するモノクローナル抗体に関して鋭意研究した結果、 種々の哺乳動物 に由来する C T G Fを免疫原として用いることにより、抗原特異性、抗原親和性、 中和活性、 及び交叉反応性等の性質の点で、 各々異なる特性を有する種々の哺乳 動物の C T G Fに対する種々のモノクロ一ナル抗体を作製することに成功した。 また、 遺伝子組換え技術を用いてヒトの抗体を産生するように作製したトラン スジエニックマウスをヒトの CTGFで免疫することによって、 ヒト CTGFに 対する種々のヒトモノクロ一ナル抗体を作製することに世界に先んじて初めて成 功した。
さらに、 前者の種々のモノクローナル抗体を用いて構築した種々のィムノアヅ セィ系により、 種々哺乳動物 (ヒト、 マウス、 ラット及びゥサギ等) の体液 (血 清等) 中の CTGFを、 イン夕クトな状態で簡便かつ高感度で定量できることを 見出し本発明を完成するに到った。
また、 後者のヒト抗体が、 ヒト CTGFの活性を有意に中和するのみならず、 例えば、 組織繊維症(例えば、 賢繊維症など)の治療効果を有することを見出し、 本願発明を完成するに到った。 これらのヒト抗体は、 マウス由来の抗体等の非ヒ ト哺乳動物由来の抗体からなる抗体医薬品の治療上の大きな問題点 (副作用) で
あったヒトに対する抗原性を全く有しないことから、 抗体の医薬品としての価値 を劇的に増大させるものである。
即ち、 本発明は、 患者の治療及び予防における医薬品として、 またヒ ト、 マウ ス及びラット等の各種哺乳動物の体液中に含まれる C T G Fを検出及び定量する ためのィムノアヅセィにおける構成要素として有用な種々の特性を有する各種哺. 乳動物に対するモノクローナル抗体を、 本発明の分野において初めて提供するも のである。
さらに、 本発明は、 そのような CTGFに対する種々のモノクローナル抗体を 用いることによる CTGFのィムノアッセィ方法及びァッセィキットを初めて提 供するものである。
本発明のヒト CTGFに対するモノクローナル抗体は、 ヒ卜に対する抗原性を 惹起することなく、 CTGFに起因する種々の疾患の治療及び予防するための医 薬品として極めて有用である。
また、 本発明のモノクローナル抗体を用いたィムノアッセィにより、 ヒトは勿
B誠RB、、 種々哺乳動物 (ヒト、 マウス、 ラヅト及びゥサギなど) の正常な生体並びに 疾患に罹患している生体の体液中に存在する CTGFを、 イン夕クト (intact) な状態で簡便かつ高感度で検出及び定量できる。
即ち、 本発明の下記のとおりの発明である。
(1) 下記の (a)乃至 (g) のいずれかに記載の性質を有することを特徴 とするモノクローナル抗体またはその一部:
(a) ヒト、 マウス及びラッ トの結合組織増殖因子 (CTGF) のいずれ にも反応性を有する ;
(b) ヒト及びマウスの CTGFのいずれにも反応性を有し、 且つラット の CTGFに反応性を有しない;
(c) マウス及びラヅ トの CTGFのいずれにも反応性を有し、 且つヒト の CTGFに反応性を有しない;
(d) ヒト腎臓由来線維芽細胞株 293- T (ATCC CRL1573) とヒトの CTG Fとの結合、 または該細胞株 293- Tとマウスの CTGFとの結合を阻害する ;
(e) ラット腎臓由来線維芽細胞株 NRK-49F (ATCC CRL- 1570)、 ヒト骨肉 腫由来細胞株 MG- 63 (ATCC CRL-1427) またはヒト肺由来繊維芽細胞のいずれかと ヒ卜の CTGFとの結合を阻害する ;
(f ) ヒ卜の CTGFまたはマウスの CTGFの刺激によるラット腎臓由 来線維芽 NRK- 49F (ATCC CRL- 1570) の細胞増殖を阻害する ; または
(g) ヒドロシキプロリンの生成が上昇的傾向を示している腎臓における 該ヒドロキシプロリンの上昇を抑制する。
(2) モノクローナル抗体が、 下記の (a) 乃至 (c) のいずれかに記載の 性質を有することを特徴とする前記 ( 1) に記載のモノクローナル抗体またはそ の一部:
(a) ヒ卜の CTGFまたはその一部をマウスに免疫して得られるモノク 口一ナル抗体またはその一部であって、 ヒト、 マウス及びラヅトの CTGFのい ずれにも反応性を有する;
(b) マウスの CTGFまたはその一部をハムスターに免疫して得られる モノクローナル抗体またはその一部であって、 ヒト、 マウス及びラットの CTG Fのいずれにも反応性を有する ;または
(c) マウスの CTGFまたはその一部をラヅ卜に免疫して得られるモノ クロ一ナル抗体またはその一部であって、 ヒト、 マウス及びラットの CTGFの いずれにも反応性を有する。
(3) モノクローナル抗体が、 下記の (a) 乃至 (c) のいずれかに記載の 性質を有することを特徴とする前記 ( 1) に記載のモノクローナル抗体またはそ の一部:
(a) ヒ卜の CTGFまたはその一部をマウスに免疫して得られるモノク 口一ナル抗体であって、 ヒト、 マウス及びラットの CTGFのいずれにも反応性
を有し、 且つヒト腎臓由来線維芽細胞株 293- T (ATCC CRL1573) とヒ トの CTG Fとの結合を阻害する ;
(b) マウスの CTGFまたはその一部をラッ 卜に免疫して得られるモノ クロ一ナル抗体であって、 ヒト、 マウス及びラヅ トの CT GFのいずれにも反応 性を有し、 且つヒト腎臓由来線維芽細胞株 293- T (ATCC CRL1573) とマウスの C TGFとの結合を阻害する ; または
(c) マウスの CTGFまたはその一部をハムスターに免疫して得られる モノクローナル抗体であって、 ヒ卜、 マウス及びラッ トの CTGFのいずれにも 反応性を有し、 且つヒト腎臓由来線維芽細胞株 293-T (ATCC CRL1573) とマウス の CTGFとの結合を阻害する
(4) 該モノクローナル抗体が、 国際寄託番号 FERMBP- 6208で識別される融 合細胞から産生されるモノクローナル抗体であることを特徴とする前記 ( 1) に 記載のモノクローナル抗体またはその一部。
(5) 該モノクローナル抗体が、 国際寄託番号 FERM BP- 6208で識別される融 合細胞から産生されるモノクローナル抗体と実質的に同一の性質を有するモノク 口一ナル抗体であることを特徴とする前記 ( 1) に記載のモノクローナル抗体ま たはその一部。
(6) 該モノクローナル抗体が、 国際寄託番号 FERM BP- 6209で識別される融 合細胞から産生されるモノクローナル抗体であることを特徴とする前記 ( 1) に 記載のモノクローナル抗体またはその一部。
(7) 該モノクローナル抗体が、 国際寄託番号 FERMBP-6209で識別される融 合細胞から産生されるモノクローナル抗体と実質的に同一の性質を有するモノク 口一ナル抗体であることを特徴とする前記 ( 1) に記載のモノクローナル抗体ま たはその一部。
(8) ヒト、 マウス、 またはラットの CTGFのいずれかに反応性を有する ヒトモノクローナル抗体またはその一部。
(9) ヒトモノクローナル抗体が、 ヒトの CTGFに反応性を有するモノク 口一ナル抗体であることを特徴とする前記 (8) に記載のヒトモノクロ一ナル抗 体またはその一部。
( 10) 下記の (a) 乃至 (d) のいずれかに記載の性質を有するヒトの C TGFに反応性を有するヒトモノクローナル抗体またはその一部:
(a) ヒト腎臓由来線維芽細胞株 293- T (ATCC CRL1573) とヒトの CTG Fとの結合を阻害する ;
(b) ラッ ト腎臓由来線維芽細胞株 NRK-49F (ATCC CRL- 1570)、 ヒト骨肉 腫由来細胞株 MG- 63 (ATCC CRL-1427) またはヒト肺由来繊維芽細胞のいずれかと ヒトの CTGFとの結合を阻害する ;
(c) ヒ卜の CTGFまたはマウスの CTGFの刺激によるラッ 卜腎臓由 来線維芽 NM- 49F (ATCC CRL-1570) の細胞増殖を阻害する; または
(d) ヒドロシキプロリンの生成が上昇的傾向を示している腎臓における 該ヒドロキシプロリンの上昇を抑制する。
( 1 1) ヒトモノクローナル抗体が、 ヒト抗体を産生する能力を有するトラ ンスジエニック非ヒト哺乳動物に由来するモノクローナル抗体であることを特徴 とする前記 (8) 乃至前記 ( 10) のいずれかに記載のヒトモノクローナル抗体 またはその一部。
( 12) ヒトモノクローナル抗体が、 ヒトの CTGFを、 ヒト抗体を産生す る能力を有するトランスジエニック非ヒト哺乳動物に免疫することにより得られ るモノクローナル抗体であることを特徴とする前記 ( 1 1) に記載のヒトモノク ローナル抗体またはその一部。
( 13) トランスジエニック非ヒト哺乳動物が、 トランスジエニックマウス であることを特徴とする前記 (8) 乃至前記 ( 12) のいずれかに記載のヒトモ ノクローナル抗体またはその一部。
( 1 ) 該ヒトモノクローナル抗体の重鎖可変領域をコ一ドする V領域の D
NAが、 DP- 5、 DP- 38、 DP- 65及び DP- 75からなる群から選ばれるいずれかの遺伝 子セグメントに由来することを特徴とする前記 (8) 乃至前記 ( 13) のいずれ かに記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
( 15) 該ヒトモノクローナル抗体の軽鎖可変領域をコ一ドする V領域の D NAが、 DPK1、 DPK9、 DPK12及び DPK24からなる群から選ばれるいずれかの遺伝 子セグメントに由来することを特徴とする前記 (8) 乃至前記 ( 13) のいずれ かに記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
( 16) 該ヒトモノクローナル抗体の重鎖可変領域をコードする V領域の D NAが、 DP-5、 DP-38s DP-65及び DP- 75からなる群から選ばれるいずれかの遺伝 子セグメントに由来し、 且つ該ヒトモノクローナル抗体の軽鎖可変領域をコ一ド する V領域の DNAが、 DPK1、 DPK9、 DPK12及び DPK24からなる群から選ばれる いずれかの遺伝子セグメン卜に由来することを特徴とする前記( 8 )乃至前記( 1 5) のいずれかに記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部。
( 17) 該ヒトモノクローナルの重鎖可変領域が、 下記 (a) 乃至 (j ) の いずれかのアミノ酸配列を含むアミノ酸を有することを特徴とする前記 (9) に 記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部:
(a) 配列番号 6に記載されるアミノ酸配列のアミノ酸番号 21乃至 12 0番目のアミノ酸配列;
(b) 配列番号 6に記載されるアミノ酸配列のアミノ酸番号 21乃至 12 0番目のアミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸が欠失、 置換、 挿入 若しくは付加されたアミノ酸配列;
(c) 配列番号 8に記載されるアミノ酸配列のアミノ酸番号 21乃至 1 1 8番目のアミノ酸配列;
(d) 配列番号 8に記載されるアミノ酸配列のアミノ酸番号 21乃至 1 1 8番目のアミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸が欠失、 置換、 挿入 若しくは付加されたアミノ酸配列;
(e) 配列番号 10に記載されるアミノ酸配列のアミノ酸番号 21乃至 1 16番目のアミノ酸配列;
(f ) 配列番号 10に記載されるアミノ酸配列のアミノ酸番号 2 1乃至 1 16番目のアミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸が欠失、 置換、 揷 入若しくは付加されたァミノ酸配列;
(g) 配列番号 12に記載されるアミノ酸配列のアミノ酸番号 21乃至 1 16番目のアミノ酸配列;
(h) 配列番号 12に記載されるアミノ酸配列のアミノ酸番号 21乃至 1 16番目のアミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸が欠失、 置換、 揷 入若しくは付加されたアミノ酸配列;
(i) 配列番号 14に記載されるアミノ酸配列のアミノ酸番号 21乃至 1 17番目のアミノ酸配列; または
( j) 配列番号 14に記載されるアミノ酸配列のアミノ酸番号 21乃至 1 17番目のアミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸が欠失、 置換、 挿 入若しくは付加されたァミノ酸配列。
( 18) 該ヒトモノクローナルの軽鎖可変領域が、 下記 (a) 乃至 (j ) の いずれかのアミノ酸配列を含むアミノ酸を有することを特徴とする前記 (9) に 記載のヒトモノクローナル抗体またはその一部:
(a) 配列番号 16に記載されるアミノ酸配列のアミノ酸番号 2 1乃至 1 20番目のアミノ酸配列;
(b) 配列番号 16に記載されるアミノ酸配列のアミノ酸番号 2 1乃至 1 20番目のアミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸が欠失、 置換、 挿 入若しくは付加されたアミノ酸配列;
(c) 配列番号 18に記載されるアミノ酸配列のアミノ酸番号 2 1乃至 1 21番目のアミノ酸配列;
(d) 配列番号 18に記載されるアミノ酸配列のアミノ酸番号 2 1乃至 1
21番目のアミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸が欠失、 置換、 挿 入若しくは付加されたアミノ酸配列;
(e) 配列番号 20に記載されるアミノ酸配列のアミノ酸番号 23乃至 1 17番目のアミノ酸配列;
(f ) 配列番号 20に記載されるアミノ酸配列のアミノ酸番号 23乃至 1 17番目のアミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸が欠失、 置換、 揷 入若しくは付加されたァミノ酸配列;
(g) 配列番号 22に記載されるアミノ酸配列のアミノ酸番号 17乃至 1 11番目のアミノ酸配列;
(h) 配列番号 22に記載されるアミノ酸配列のアミノ酸番号 17乃至 1 11番目のアミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸が欠失、 置換、 揷 入若しくは付加されたアミノ酸配列;
( i ) 配列番号 24に記載されるァミノ酸配列のァミノ酸番号 23乃至 1 18番目のアミノ酸配列; または
( j) 配列番号 24に記載されるアミノ酸配列のアミノ酸番号 23乃至 1 18番目のアミノ酸配列において、 1若しくは数個のアミノ酸が欠失、 置換、 挿 入若しくは付加されたアミノ酸配列。
(19) ヒトの CTGFに反応性を有するモノクローナル抗体であって、 国 際寄託番号 FERM BP- 6535で識別される融合細胞から産生されるモノクローナル抗 体またはその一部。
(20) ヒトの CTGFに反応性を有するモノクローナル抗体であって、 国 際寄託番号 FERM BP-6535で識別される融合細胞から産生されるモノクロ一ナル抗 体と実質的に同一の性質を有するモノクローナル抗体またはその一部。
(21) ヒトの CTGFに反応性を有するモノクローナル抗体であって、 国 際寄託番号 FERM BP- 6598で識別される融合細胞から産生されるモノクロ一ナル抗 体またはその一部。
(22) ヒトの CTGFに反応性を有するモノクローナル抗体であって、 国 際寄託番号 FERM BP-6598で識別される融合細胞から産生されるモノクローナル抗 体と実質的に同一の性質を有するモノクローナル抗体またはその一部。
(23) ヒトの CTGFに反応性を有するモノクローナル抗体であって、 国 際寄託番号 FERM BP- 6599で識別される融合細胞から産生されるモノクローナル抗 体またはその一部。
(24) ヒ卜の CTGFに反応性を有するモノクローナル抗体であって、 国 際寄託番号 FERM BP- 6599で識別される融合細胞から産生されるモノクロ一ナル抗 体と実質的に同一の性質を有するモノクローナル抗体またはその一部。
(25) ヒトの CTGFに反応性を有するモノクローナル抗体であって、 国 際寄託番号 FERM BP-6600で識別される融合細胞から産生されるモノクロ一ナル抗 体またはその一部。
(26) ヒトの CTGFに反応性を有するモノクローナル抗体であって、 国 際寄託番号 FERM BP-6600で識別される融合細胞から産生されるモノクローナル抗 体と実質的に同一の性質を有するモノクローナル抗体またはその一部。
(27) ヒ卜の CTGFに反応性を有するモノクローナル抗体またはその一 部であって、 該モノクローナル抗体が、 該モノクローナル抗体をヒトの CTGF に反応性を有する前記 ( 17) 若しくは前記 ( 18) に記載のいずれかのモノク 口一ナル抗体とヒ卜の CTGFからなる抗原抗体複合体に反応させた時、 該抗原 抗体複合体に反応性を有しないことを特徴とするモノクローナル抗体またはその 一部。
(28) 該モノクローナル抗体が、 ヒトモノクローナル抗体であることを特 徴とする前記 (27) に記載のモノクローナル抗体またはその一部。
(29) ラヅトの CTGFに反応性を有するモノクローナル抗体またはその 一部。
(30) 可変領域が前記 ( 2 ) 乃至前記 ( 7 )、 前記 ( 27 ) または前記 ( 2
9) のいずれかに記載のモノクローナル抗体由来の可変領域であり、 かつ定常領 域がヒトイムノグロブリン由来の定常領域であることを特徴とするヒトの C T G Fに反応性を有する組換えキメラモノクローナル抗体。
(31) 超可変領域の相補性決定領域の一部または全部が前記 ( 2 ) 乃至前 記 (7)、 前記 (27) または前記 (29)のいずれかに記載のモノクローナル抗 体由来の相補性決定領域であり、 超可変領域の枠組領域がヒトイムノグロプリン 由来の枠組領域であり、 かつ定常領域がヒトイムノグロブリン由来の定常領域で あることを特徴とするヒ卜の CTGFに反応性を有する組換えヒト型モノクロ一 ナノレ几体。
(32) 前記 ( 1) 乃至前記 (29) のいずれかに記載のモノクロ一ナル抗 体を産生する細胞。
(33) 前記 (30) または前記 (3 1) に記載の組換えモノクローナル抗 体を産生する細胞。
(34) 該細胞が、 該モノクローナル抗体を産生する能力を哺乳動物由来の B細胞と哺乳動物由来のミエローマ細胞とを融合して得られる融合細胞であるこ とを特徴とする前記 (32) に記載の細胞。
(35) 該細胞が、 該モノクローナル抗体の重鎖をコードする DNA若しく はその軽鎖をコードする DNAのいずれか一方の DNA、 または両方の DNAが 細胞内に導入されることにより形質転換された遺伝子組換え細胞であることを特 徴とする前記 (32) または前記 (33) に記載の細胞。
(36) 該融合細胞が、 国際寄託番号 FERM BP- 6535で識別される融合細胞で あることを特徴とする前記 (34) に記載の融合細胞。
(37) 該融合細胞が、 国際寄託番号 FERMBP- 6598で識別される融合細胞で あることを特徴とする前記 (34) に記載の融合細胞。
(38) 該融合細胞が、 国際寄託番号 FERMBP- 6599で識別される融合細胞で あることを特徴とする前記 (34) に記載の融合細胞。
(39) 該融合細胞が、 国際寄託番号 FERM BP-6600で識別される融合細胞で あることを特徴とする前記 (34) に記載の融合細胞。
(40) 該融合細胞が、 国際寄託番号 FERMBP-6208で識別される融合細胞で あることを特徴とする前記 (34) に記載の融合細胞。
(41) 該融合細胞が、 国際寄託番号 FERM BP- 6209で識別される融合細胞で あることを特徴とする前記 (34) に記載の融合細胞。
(42) 前記 ( 1) 乃至前記 (31) のいずれかに記載のモソクローナル抗 体が固定化されていることを特徴とする抗体固定化不溶性担体。
(43) 不溶性担体が、 プレート、 試験管、 チューブ、 ビーズ、 ボール、 フ ィルター及びメンブレンからなる群から選ばれる不溶性担体であることを特徴と する前記 (42) に記載の抗体固定化不溶性担体。
(44) 不溶性担体が、 フィル夕一若しくはメンブレン、 またはァフィニテ ィーカラムクロマトグラフィーに用いられる不溶性担体であることを特徴とする 前記 ( 42 ) に記載の抗体固定化不溶性担体。
(45) 前記 (1) 乃至前記 (31) のいずれかに記載のモノクローナル抗 体を、 単独でまたは他の物質と反応することにより検出可能なシグナルをもたら すことができる標識物質で標識してなる標識抗体。
(46) 標識物質が、 酵素、 蛍光物質、 化学発光物質、 ピオチン、 アビジン、 または放射性同位体であることを特徴とする前記 (45) に記載の標識抗体。
(47) 前記 ( 1) 乃至前記 (31) のいずれかに記載のモノクローナル抗 体、 前記 (42) 若しくは前記 (43) に記載の抗体固定化不溶性担体、 及び前 記 (45) 若しくは前記 (46) に記載の標識抗体からなる群から選ばれる少な くともいずれか 1つのモノクローナル抗体、 抗体固定化不溶性担体または標識抗 体を含んでなることを特徴とする哺乳動物の CTGFの検出または定量に用いら れるキッ ト。
(48) 前記 ( 42 )若しくは前記 (43) に記載の抗体固定化不溶性担体、
及び前記 (45) 若しくは前記 (46) に記載の標識抗体を含んでなることを特 徴とする前記 (47) に記載の哺乳動物の CTGFの検出または定量に用いられ るキット。
(49) 前記 (1) 乃至前記 (31) のいずれかに記載のモノクローナル抗 体、 前記 (42) 若しくは前記 (43) に記載の抗体固定化不溶性担体、 及び前 記 (45)若しくは前記 (46) に記載の標識抗体からなる群から選ばれる少な くともいずれか 1つのモノクローナル抗体、 抗体固定化不溶性担体、 または標識 抗体を用いることを特徴とするィムノアッセィにより哺乳動物の CTGFを検出 または定量する方法。
(50) 少なくとも下記 (a)及び (b) の工程を含むィムノアッセィによ り哺乳動物の CTGFを検出または定量する前記 (49) に記載の方法:
(a)前記(42) または前記(43)に記載の抗体固定化不溶性担体に、 試料を反応せしめる工程;及び
( b ) 該抗体固定化不溶性担体と該試料中に含まれる哺乳動物の CTGF との結合により形成される抗原抗体複合体に、 前記 (45) または前記 (46) に記載の標識抗体を反応せしめる工程。
(51) 少なくとも下記 (a) 及び (b) の工程を含むィムノアッセィによ り哺乳動物の CTGFを検出または定量する前記 (49) に記載の方法:
(a)前記 (45) または前記 (46) に記載の標識抗体と、 試料を反応 せしめる工程;及び
( b ) 該標識抗体と試料中に含まれる哺乳動物の C T G Fとの結合により 形成される抗原抗体複合体に、 前記 (42) または前記 (43) に記載の抗体固 定化不溶性担体を反応せしめる工程。
(52) 少なくとも下記 (a) の工程を含むィムノアッセィにより哺乳動物 の CTGFを検出または定量する前記 (49) に記載の方法:
( a )前記( 42 )若しくは前記(43)に記載の抗体固定化不溶性担体、
前記 (45)若しくは前記 (46) に記載の標識抗体、 及び試料を含む混合物を 反応せしめる工程。
(53) 少なくとも下記 (a) の工程を含むィムノアヅセィにより哺乳動物 の CTGFを検出または定量する前記 (49) に記載の方法:
(a)前記(42) または前記(43)に記載の抗体固定化不溶性担体に、 試料、 並びに単独でまたは他の物質と反応することにより検出可能なシグナルを もたらすことができる標識物質で標識された哺乳動物の C T G Fの標準物質を反 応せしめる工程。
(54) 少なくとも下記 (a) 及び (b) の工程を含むィムノアヅセィによ り哺乳動物の CTGFを検出または定量する前記 (49) に記載の方法:
(a)試料、 並びに単独でまたは他の物質と反応することにより検出可能 なシグナルをもたらすことができる標識物質で標識された哺乳動物の C T G Fの 標準物質との混合物に、 前記 (1) 乃至前記 (31) のいずれかに記載のモノク 口一ナル抗体を反応せしめる工程;及び
( b)該試料中に含まれる哺乳動物の C T G F若しくは該標識された哺乳 動物の C T G Fの標準物質と、 該モノクローナル抗体との結合により形成される 抗原抗体複合体に、 該モノクローナル抗体に反応性を有する哺乳動物由来の抗血 清を反応せしめる工程。
(55) 少なくとも下記 (a) 乃至 (c) の工程を含むィムノアッセィによ り哺乳動物の CTGFを検出または定量する前記 (49) に記載の方法:
(a) 試料に、 前記 (1)乃至前記 (31) のいずれかに記載のモノクロ ーナル抗体を反応せしめる工程;
(b) (a)の工程を行った反応系に、単独でまたは他の物質と反応するこ とにより検出可能なシグナルをもたらすことができる標識物質で標識された哺乳 動物の CTGFの標準物質を反応せしめる工程;及び
( c ) 該試料中に含まれる哺乳動物の C T G F若しくは該標識された哺乳
動物の C T G Fの標準物質と、 該モノクロ一ナル抗体との結合により形成される 抗原抗体複合体に、 該モノクローナル抗体に反応性を有する哺乳動物由来の抗血 清を反応せしめる工程。
(56) 前記 ( 42 ) または前記 (44) に記載の抗体固定化不溶性担体を 含んでなる哺乳動物の C T G Fの分離または精製に用いられるキット。
(57) 前記 ( 42 ) または前記 (44) に記載の抗体固定化不溶性担体を 用いたァフィ二ティ一クロマトグラフィーを用いることを特徴とする哺乳動物の CTGFを分離または精製する方法。
(58) ァフィ二ティクロマトグラフィ一がァフィ二ティ一カラムクロマト グラフィ一である前記 (57) に記載の哺乳動物の CTGFの精製方法。
(59) ヒトの CTGFをコードする DNAが、 内在性遺伝子座に組み込ま れていることを特徴とするトランスジエニックマウス。
(60) 配列番号 2に記載されるァミノ酸配列または該ァミノ酸配列と実質 的に同一のアミノ酸配列を有するラッ卜の CTGF。
(61) 配列番号 2に記載されるアミノ酸配列を有するラッ卜の CTGFを コ一ドする DNA。
(62) DNAが、 配列番号 1に記載される塩基配列中の塩基番号 213乃至 1256迄の塩基配列を含むことを特徴とする前記 (61) に記載の DNA。
(63) 前記 (2) 乃至前記 (31) のいずれかに記載のモノクローナル抗 体若しくはその一部、及び薬学的に許容されうる担体とを含んでなる医薬組成物。
(64) 前記 ( 9 ) 乃至前記 (18) または前記 (28) のいずれかに記載 されるヒトモノクローナル抗体若しくはその一部、 及び薬学的に許容され得る担 体とを含んでなる医薬組成物。
(65) 前記 ( 14) 乃至前記 (18) または前記 (28) のいずれかに記 載されるヒトモノクローナル抗体若しくはその一部を含んでなる医薬組成物。
(66) 該医薬組成物が、 CTGFの刺激により増殖する能力を有する細胞
の増殖を抑制するために用いられることを特徴とする前記 (63) 乃至前記 (6 5) のいずれかに記載の医薬組成物。
(67) 該医薬組成物が、 CTGFの刺激により増殖する能力を有する細胞 の増殖を伴う疾患を治療または予防するための前記 (63) 乃至前記 (65) の いずれかに記載の医薬組成物。
(68) 該細胞の増殖が、 脳、 頸部、 肺、 心臓、 肝臓、 滕臓、 腎臓、 胃、 大 腸、 小腸、 十二指腸、 骨髄、 子宮、 卵巣、 精巣、 前立腺、 皮膚、 口腔、 舌、 及び 血管からなる群から選ばれる組織における細胞の増殖であることを特徴とする前 記 (66) または前記 (67) に記載の医薬組成物。
(69) 該組織が、 肺、 肝臓、 腎臓、 または皮膚であることを特徴とする前 記 ( 68 ) に記載の医薬組成物。
(70) 該組織が、 腎臓であることを特徴とする前記 (69) に記載の医薬 組成物。
(71) 該疾患が、 さらに組織の繊維化を伴う疾患であることを特徴とする 前記 (67) に記載の医薬組成物。
(72) 該組織の繊維化が、 肺、 肝臓、 腎臓または皮膚における繊維化であ ることを特徴とする前記 (71) に記載の医薬組成物。
(73) 該組織の繊維化が、 腎臓における繊維化であることを特徴とする前 記 ( 72 ) に記載の医薬組成物。
(74) CTGF阻害剤または CTGF産生阻害剤、 並びに薬学的に許容さ れ得る担体とを含んでなり、 腎臓における疾患を治療または予防するための医薬 組成物。
(75) 該阻害剤が、 CTGFに反応性を有するモノクローナル抗体である ことを特徴とする前記 (74) に記載の医薬組成物。
(76) 該阻害剤が、 前記 ( 9 ) 乃至前記 (31) のいずれかに記載のモノ クローナル抗体であることを特徴とする前記 (74) に記載の医薬組成物。
(77) 該阻害剤が、 前記 ( 14 ) 乃至前記 (18) または前記 ( 28 ) の いずれかに記載のヒトモノクローナル抗体であることを特徴とする前記 (76) に記載の医薬組成物。
(78) 該疾患が、組織の繊維化と伴う疾患であることを特徴とする前記( 7 4) 乃至前記 (77) のいずれかに記載の医薬組成物。
(79) CTGFの刺激により増殖する能力を有する細胞の C T G Fの刺激 による増殖を抑制する能力を有する物質、 及び薬学的に許容され得る担体とを含 んでなり、 腎臓における該細胞の増殖を抑制するための医薬組成物。
(80) 該物質が、 CTGFに反応性を有するモノクローナル抗体であるこ とを特徴とする前記 (79) に記載の医薬組成物。
(81) 該阻害剤が、 前記 ( 9 ) 乃至前記 (31) のいずれかに記載のモノ クロ一ナル抗体であることを特徴とする前記 (79) に記載の医薬組成物。
(82) 該阻害剤が、 前記 ( 14 ) 乃至前記 (18) または前記 ( 28 ) の いずれかに記載のヒトモノクローナル抗体であることを特徴とする前記 (81) に記載の医薬組成物。
以下、 本発明で用いる語句の意味を明らかにすることにより、 本発明を詳細に 説明する。
本発明における 「哺乳動物」 とは、 ヒト、 ゥシ、 ャギ、 ゥサギ、 マウス、 ラッ ト、 ハムスター、 及びモルモット等を意味し、 好ましくは、 ヒト、 ゥサギ、 ラッ ト、 ハムス夕一またはマウスであり、 特に好ましくは、 ヒト、 ラット、 ハムス夕 一またはマウスである。
本発明で用いられる 「ヒト以外の哺乳動物」 及び 「非ヒト哺乳動物」 なる用語 は各々同義であり、 前述に定義した哺乳動物におけるヒト以外のあらゆる哺乳動 物を意味する。
本発明において用いられる 「アミノ酸」 とは、 自然界に存在するあらゆるアミ ノ酸を意味し、 好ましくは、 アミノ酸を表記するために用いられるアルファべッ
トの三文字表記法または一文字表記法に従って各々下記のように表されるァミノ 酸を意味する。
グリシン (Gly/G)、 ァラニン (Ala/A)、 ノ リン (Val/V)、 ロイシン(Leu/L)、 イソロイシン (Ile/I)、 セリン (Ser/S)、 スレオニン (Thr/T)、 ァスパラギン 酸(Asp/D)、 グル夕ミン酸(Glu/E)、 ァスパラギン (Asn/N)、 グル夕ミン (Glu /Q)、 リジン (LysZK)、 アルギニン (Arg/R)、 システィン (Cys/C)、 メチォ二 ン (Met/M)、 フヱニルァラニン (Phe/F)、 チロシン (Tyr/Y)、 トリブトファン (Trp/W), ヒスチジン (His/H)、 プロリン (Pro/P)。
本発明でいう 「結合組織増殖因子 (Connective Tissue Growth Factor (CTGF))」 とは、 前記哺乳動物の CTGFであり、 例えば、 前述に記載したとおりの既報に 報告される構造及び機能を有するヒト及びマウスの CTGFを包含する(例えば、 The Journal of Cell Biology, Vol.114, No.6, p.1287-1294, 1991、 Molecular Biology of the Cell, Vol.4, p.637-645, 1993、及び Biochem. Biophys. Res. Comm., Vol.234, p.206-210, 1997など)。 また、 本願発明の 1つであるラッ 卜の CTG Fも包含することは言うまでもない。
また、 本発明で言う結合組織増殖因子には、 当該文献に記載された分子量約 38kDaの CTGF (例えば、ヒト C T G F )はもちろんのこと、当該分子量約 38kDa の全長 CTGF (例えば、 ヒト CTGF)の分解物と考えられる分子量約 10乃至 12kDaの低分子量 CTGF 蛋白をも包含する (Growth Factors, Vol.15, No.3, p.199-213, 1998; J. Biol. Chem. , Vol.272, No.32, p.20275-20282, 1997)。 こ の低分子量 CTGFの構造は未だ明らかにされていないものの、ヒト CTGFにあつ ては、 349アミノ酸からなる全長ヒト CTGFの 246番目のロイシン (Leu246) と 247番目のグルタミン酸 (Glu247) の間で切断されることにより生ずると考え られる 103個のアミノ酸からなる C末端蛋白 (分子量:約 ll,800Da)、 あるいは、 同全長ヒト CTGFの 247番目のグルタミン酸 (Glu247) と 248番目のグルタミ ン酸 (Glu248) との間で切断されることにより生ずると考えられる 102個のアミ
ノ酸からなる C末端蛋白 (分子量:約 ll,671Da) である可能性を有する。
さらに、 後述する本願発明に係る 「モノクローナル抗体」 が天然型のタンパク 一次構造 (アミノ酸配列) を有する CTGF (特には、 ヒト CTGF) またはそ の一部に反応性を有する限り、 本発明でいう該 CTGFには、 該天然型のタンパ クまたはその一部のアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有する CTG Fも包含する。
本発明において使用される、 「実質的に同一のアミノ酸配列を有する」なる用語 は、 天然型の CTGFと実質的に同等の生物学的性質を有する限り、 該アミノ酸 配列中の複数個のアミノ酸、 好ましくは 1乃至 10個のアミノ酸、 特に好ましく は 1乃至 5個のアミノ酸が置換、 欠失及び/または修飾されているァミノ酸配列 を有するタンパク、 並びに該アミノ酸配列に、 複数個のアミノ酸、 好ましくは 1 乃至 10個のアミノ酸、 特に好ましくは 1乃至 5個のアミノ酸が付加されたアミ ノ酸配列を有するタンパクをも包含することを意味する。 さらに、 そのような置 換、 欠失、 修飾及び付加の複数の組み合わせの場合であってもよい。
本発明における CTGFは、 遺伝子組換え技術のほか、 化学的合成法、 細胞培 養方法等のような当該技術的分野において知られる公知の方法あるいはその修飾 方法を適宜用いることにより製造することができる。
また、 本発明における CTGFには、 該 CTGFの 「一部」 も包含される。 こ こで「CTGFの一部」 とは、 前記に定義した CTGF (前述の分子量約 10乃至 12kDaの低分子量 CTGFを含む)のアミノ酸配列中の任意の部分配列を含むポ リペプチドを意味し、 具体的には 5乃至 100アミノ酸残基を有する CTGFぺ プチドフラグメント (例えば、 C末端側)、 より具体的には 5乃至 50アミノ酸残 基を有する C T G Fペプチドフラグメント、 さらに具体的には 5乃至 30ァミノ 酸残基を有するペプチドフラグメントが包含される。 好ましくは、 CTGFがそ の受容体と結合若しくは相互作用する部位 (受容体結合部位など) または CTG Fがその生物学的機能を発揮するために必要な部位 (活性部位など) を含む CT
GFの部分構造である。
これらのポリペプチド (部分構造、 フラグメント) は、 後述する当該技術的分 野において知られる公知の方法あるいはその修飾方法に従って、 遺伝子組換え技 術または化学的合成法により製造することもできるし、 また細胞培養方法により 単離した CTGFをタンパク分解酵素等を用いて適切に切断することにより製造 することができる。
本発明における「モノクローナル抗体」とは、哺乳動物の結合組織増殖因子( C TGF) またはその一部に反応性を有するモノクローナル抗体である。 具体的に は、 前記発明 (1)乃至前記発明 (31) のいずれかに記載される特徴を有する モノクローナル抗体である。 さらに具体的には、 後述の実施例並びに図面に記載 されるような様々な特性及び産業上の有用性を有する各種のモノクローナル抗体 である。
本発明のモノクローナル抗体における好ましい態様としては、 例えば、 下記① 乃至④のモノク口ーナル抗体が挙げられる。
① 前記 (1) に記載のモノクローナル抗体における (d) 乃至 (g) のいず れかの性質を有するモノクロ一ナル抗体。
② 前記 (2) に記載のモノクローナル抗体。
③ 前記 (4) 乃至前記 (7) のいずれかに記載されるモノクローナル抗体。
④ 前記(9)乃至前記(31)のいずれかに記載されるモノクローナル抗体。 本態様において、 種々疾患の治療または予防、 即ち医薬品としての適用の目的 における使用においては、 上記①乃至④に記載のモノクローナル抗体に包含され るヒトモノクローナル抗体が好ましい。
本態様において、本願発明の別の主題である哺乳動物の CTGFの定量、検出、 分離または精製の目的における使用においては、 上記①乃至④に記載のいずれの モノクローナル抗体をも使用し得る。
本願発明のモノクローナル抗体のさらに好ましい態様としては、 例えば、 下記
⑤または⑥のモノクローナル抗体が挙げられる。
⑤ 前記 (1) に記載のモノクローナル抗体における (d) 乃至 (g) のいず れかの性質を有するモノクローナル抗体。
⑥ 前記 (4) 乃至前記 (7) のいずれかに記載されるモノクローナル抗体。 ト) 前記( 10)、 前記( 14)乃至前記(28)のいずれかに記載されるモ ノクロ一ナル抗体。
本態様において、 種々疾患の治療または予防、 即ち医薬品としての適用の目的 における使用においては、 上記⑤乃至⑥に記載のモノクローナル抗体に包含され るヒトモノクローナル抗体が好ましい。
本態様において、本願発明の別の主題である哺乳動物の CTGFの定量、検出、 分離または精製の目的における使用においては、 上記⑤乃至⑥に記載のいずれの モノクローナル抗体をも使用し得る。
本願発明のモノクローナル抗体の特に好ましい態様としては、 例えば、 下記⑦ または⑧のモノク口一ナル抗体を挙げることができる。
⑦ 前記④乃至⑦に記載のモノクローナル抗体。
⑧ 前記 ( 14)乃至 (26) または前記 (28) のいずれかに記載のモノク 口一ナル抗体。
本態様において、 種々疾患の治療または予防、 即ち医薬品としての適用の目的 における使用においては、 上記⑧に記載のモノクローナル抗体が好ましい。
本態様において、本願発明の別の主題である哺乳動物の CTGFの定量、検出、 分離または精製の目的における使用においては、 上記⑦乃至⑧に記載のいずれの モノクローナル抗体をも使用し得る。
本願発明のモノクローナル抗体のとりわけ好ましい態様としては、 例えば、 下 記⑨乃至⑭のモノクローナル抗体を挙げることができる。
⑨ 前記 (4) または (6) に記載のモノクローナル抗体。
⑩ 前記 (14)乃至前記 (16) のいずれかに記載のモノクローナル抗体。
⑪ 前記(17)に記載のモノクローナル抗体における(a)、 (c)、(e)、 (g) または (i) に記載の特徴を有するモノクローナル抗体。
⑫ 前記( 18)に記載のモノクローナル抗体における(a)、(c)、(e)、 (g) または (i) に記載の特徴を有するモノクローナル抗体。
⑬ 前記 ( 19)、 前記 (21)、 前記 (23) または前記 (25) のいずれか に記載のモノクローナル抗体。
⑭ 前記 (28) に記載のモノクローナル抗体。
本態様において、 種々疾患の治療または予防、 即ち医薬品としての適用の目的 における使用においては、 上記⑩乃至⑭のいずれかに記載のモノクロ一ナル抗体 が好ましい。
本態様において、本願発明の別の主題である哺乳動物の CTGFの定量、検出、 分離または精製の目的における使用においては、 上記⑨乃至⑭に記載のいずれの モノクロ一ナル抗体をも使用し得るが、 特には上記⑨に記載のモノク口一ナル抗 体が好ましい。
本発明の 「モノクローナル抗体」 は、 前記に定義した結合組織増殖因子 (天然 体、 組換え体、 合成物、 細胞培養上清を含む)若しくはその一部を抗原 (免疫源) として用い、 マウス、 ラット、 ハムス夕一、 モルモットあるいはゥサギ等の哺乳 動物に免疫して得られる天然型抗体、 遺伝子組換え技術を用いて製造され得るキ メラ抗体及びヒト型抗体(CDR- grafted抗体)、 並びに例えば、 ヒト抗体産生トラ ンスジエニック動物等を用いて製造され得るヒトモノクローナル抗体も包含する。 さらには、 後述する本発明の 「組換えモノクローナル抗体を産生する細胞」 か ら産生されるような、 遺伝子組換えモノクローナル抗体も本発明のモノクロ一ナ ル抗体に包含される。
またモノクローナル抗体の場合には、 I gG、 I gM、 I gA (IgA IgA2)、 I gDあるいは I gE等のいずれのアイソタイプを有するモノクローナル抗体を も包含する。 好ましくは、 I gG (IgG IgG2、 IgG3、 IgG4、 好ましくは IgG2
または IgG4) または I g Mであり、 さらに好ましくは I g Gである。
本発明で言うポリクロ一ナル抗体 (抗血清) あるいはモノクローナル抗体は、 既存の一般的な製造方法によって製造することができる。即ち、 例えば、抗原を、 必要に応じてフロイントアジュバント (Freuruf s Adjuvant) とともに、 哺乳動物 (後述するヒト抗体産生トランスジヱニックマウスのような他の動物由来の抗体 を産生するように作出されたトランスジヱニック動物を含む)、好ましくは、マウ ス、 ラット、 ハムスター、 モルモッ ト、 ゥサギ、 ネコ、 ィヌ、 ブ夕、 ャギ、 ゥマ あるいはゥシ、 より好ましくはマウス、 ラット、 ハムス夕一、 モルモッ トまたは ゥサギに免疫する。 ポリクロ一ナル抗体は、 該免疫感作動物から得た血清から取 得することができる。 またモノクローナル抗体は、 該免疫感作動物から得た該抗 体産生細胞と自己抗体産生能のない骨髄腫系細胞 (ミエローマ細胞) から融合細 胞 (ハイプリ ド一マ) を調製し、 該ハイプリ ド一マをクローン化し、 哺乳動物の 免疫に用いた抗原に対して特異的親和性を示すモノクローナル抗体を産生するク ローンを選択することによって製造される。
また、 後述する本発明の 「組換えモノクローナル抗体を産生する細胞」 によつ ても製造できる。
モノクローナル抗体は、 具体的には下記のようにして製造することができる。 即ち、 前述の結合組織増殖因子 (C T G F ;天然体、 組換え体、 合成物、 細胞培 養上清を含む) 若しくはその一部を免疫原として、 該免疫原を、 必要に応じてフ ロイントアジュバント (Freund' s Ad juvant) とともに、 非ヒト哺乳動物、 具体的 には、 マウス、 ラット、 ハムスター、 モルモットあるいはゥサギ、 好ましくはマ ウス、 ラットあるいはハムスター (後述するヒト抗体産生トランスジエニックマ ウスのような他の動物由来の抗体を産生するように作出されたトランスジェニッ ク動物を含む) の皮下内、 筋肉内、 静脈内、 フッ ドパッド内あるいは腹腔内に 1 乃至数回注射するかあるいは移植することにより免疫感作を施す。 通常、 初回免 疫から約 1乃至 1 4日毎に 1乃至 4回免疫を行って、 最終免疫より約 1乃至 5日
後に免疫感作された該哺乳動物から抗体産生細胞が取得される。 免疫を施す回数 及び時間的インターバルは、 使用する免疫原の性質などにより、 適宜変更するこ とができる。
モノクローナル抗体を分泌する融合細胞 (ハイプリ ドーマ) の調製は、 ケーラ 一及びミルシュ夕インらの方法 (ネイチヤー (Nature)、 第 2 5 6卷、 第 4 9 5〜 第 4 9 7頁、 1 9 7 5年)及びそれに準じる修飾方法に従って行うことができる。 即ち、前述の如く免疫感作された非ヒト哺乳動物から取得される脾臓、 リンノ 節、 骨髄あるいは扁桃等、 好ましくは脾臓に含まれる抗体産生細胞と、 好ましくはマ ウス、 ラット、 モルモット、 ハムスター、 ゥサギまたはヒト等の哺乳動物、 より 好ましくはマウス、 ラヅトまたはヒト由来の自己抗体産生能のないミエ口一マ細 胞との細胞融合させることにより調製される。
細胞融合に用いられるミエローマ細胞としては、 例えばマウス由来ミエ口一マ P3/X63-AG8.653 (ATCC No. CRL1580), P3/NSI/l-Ag4-l ( N S— 1 )、 P3/X63-Ag8.Ul (P3U1)、 SP2/0-Agl4 (Sp2/0, Sp2)、 PAIヽ FOあるいは BW5147、 ラ ヅ ト由来ミエ口 一マ 210RCY3- Ag.2.3.、 ヒト由来ミエローマ U_266M1、 GM1500- 6TG- A 2、 UC729 - 6、 CEM-AGR, D1R11あるいは CEM- T15を使用することができる。
モノクローナル抗体を産生する細胞 (例えば、 ハイプリ ドーマ) のスクリ一二 ングは、 該細胞を、 例えばマイクロ夕イタ一プレート中で培養し、 増殖の見られ たゥ Xルの培養上清の前述のマウス免疫感作で用いた免疫抗原に対する反応性を、 例えば R I Aや E L I S A等の酵素免疫測定法によって測定することにより行な うことができる。
ハイプリ ドーマからのモノクローナル抗体の製造は、 ハイプリ ドーマをインビ トロ、 またはマウス、 ラット、 モルモット、 ハムスターまたはゥサギ等、 好まし くはマウスまたはラット、より好ましくはマウスの腹水中等でのインビボで行い、 得られた培養上清、 または哺乳動物の腹水から単離することにより行うことがで さる。
また、 該ハイプリ ドーマあるいは後述する本発明の 「組換えモノクローナル抗 体を産生する細胞」 からモノクローナル抗体をコ一ドする遺伝子をクロ一ニング し、 トランスジエニック動物作製技術を用いて当該遺伝子が内在性遺伝子に組み 込まれたトランスジェニヅクなゥシ、 ャギ、 ヒヅジまたはブ夕を作製し、 当該ト ランスジエニック動物のミルク中から当該抗体遺伝子に由来するモノクローナル 抗体を大量に取得することも可能である (日経サイエンス、 1997年 4月号、 第 7 8頁乃至 8 4頁)。
該細胞をインビトロで培養する場合には、 培養する細胞種の特性、 試験研究の 目的及び培養方法等の種々条件に合わせて、 ハイプリ ドーマを増殖、 維持及び保 存させ、 培養上清中にモノクローナル抗体を産生させるために用いられるような 既知栄養培地あるレ、は既知の基本培地から誘導調製されるあらゆる栄養培地を用 いて実施することが可能である。
基本培地としては、 例えば、 Ham' F12培地、 MCDB153培地あるいは低カルシウム MEM培地等の低カルシゥム培地及び MCDB104培地、 MEM培地、 D-MEM培地、 RPMI 1640 培地、 ASF104培地あるいは R D培地等の高カルシウム培地等が挙げられ、 該基本 培地は、 目的に応じて、 例えば血清、 ホルモン、 サイ トカイン及び/または種々 無機あるレ、は有機物質等を含有することができる。
モノクローナル抗体の単離、 精製は、 上述の培養上清あるいは腹水を、 飽和硫 酸アンモニゥム、 ユーグロブリン沈澱法、 力プロイン酸法、 力プリル酸法、 ィォ ン交換クロマトグラフィー(D E A Eまたは D E 5 2等)、抗ィムノグロプリンカ ラムあるいはプロティン Aカラム等のァフィ二ティカラムクロマトグラフィ一に 供すること等により行うことができる。
本発明のモノクローナル抗体には、 該抗体を構成する重鎖及び/または軽鎖の 各々のアミノ酸配列において、 1または数個のアミノ酸が欠失、 置換若しくは付 加されたァミノ酸配列を有する重鎖及び/または軽鎖からなるモノクロ一ナル抗 体も包含されるが、 ここで、 「数個のアミノ酸」 とは、複数個のアミノ酸を意味し、
具体的には 1乃至 1 0個のアミノ酸であり、 好ましくは 1乃至 5個のアミノ酸で める。
本発明のモノクローナル抗体のアミノ酸配列中に、 前記のようなアミノ酸の部 分的改変 (欠失、 置換、 挿入、 付加) は、 該アミノ酸配列をコードする塩基配列 を部分的に改変することにより導入することができる。 この塩基配列の部分的改 変は、 既知の部位特異的変異導入法 (Site specific mutagenesis ) を用いて常 法によ り導入することができる (Proc. Natl . Acsd. Sci. USA, Vol.81 , p.5662-5666, 1984)。
本発明における 「ヒトモノクローナル抗体」 とは、 前記に定義したような哺乳 動物の C T G F (好ましくはヒトの C T G F ) に反応性を有するヒトモノクロ一 ナル抗体である。 例えば、 後述の実施例及び図面に記載されるような様々な特性 を有する各種のヒトモノクローナル抗体を挙げることができる。
具体的には、 ィムノグロブリンを構成する重鎖 (H鎖) の可変領域 (Variable region) 及び H鎖の定常領域 (Constant Region) 並びに軽鎖 (L鎖) の可変領域 及び L鎖の定常領域を含む全ての領域がヒトイムノグロブリンをコードする遺伝 子に由来するヒトイムノグロブリンである。 L鎖としては、 ヒト Λ7鎖またはヒト え鎖が挙げられる。
本発明のヒトモノクローナル抗体は、 例えば、 既報の方法に従って製造するこ とができる 「ヒト抗体を産生する能力を有するトランスジエニックマウス」 に代 表されるような 「ヒト抗体を産生する能力を有するトランスジエニック非ヒト哺 乳動物」 を、 前記に定義した哺乳動物の C T G Fで免疫することによって製造す ることができる。 当該非ヒト哺乳動物への免疫及び抗体産生融合細胞 (ハイプリ ドーマ) の製造及びスクリーニング、 並びに当該ヒトモノクローナル抗体の大量 調製は、 前述の一般的な方法を用いて実施することができる (Nature Genetics, Vol .7, p. 13-21, 1994; Nature Genetics, Vol.15, p.146-156, 1997;特表平 4-504365号公報;特表平 7-509137号公報; 日経サイエンス、 6月号、 第 4 0〜
第 5 0頁、 1 9 9 5年;国際出願公開 W O 9 4 / 2 5 5 8 5号公報; Nature, Vol .368, p.856-859, 1994;及び特表平 6— 5 0 0 2 3 3号公報など)。
該ヒト抗体産生トランスジエニックマウスは、 具体的には、 例えば下記の工程 からなる手法を用いることにより作製できる。 他のヒト抗体産生トランスジェニ ック非ヒト哺乳動物も同様にして製造することができる。
( 1 ) マウス内在性ィムノグロプリン重鎖遺伝子座の少なくとも一部を相同組 換えにより薬剤耐性マーカ一遺伝子 (ネオマイシン耐性遺伝子など) で置換する ことにより該マウス内在性ィムノグロプリン重鎖遺伝子が機能的に不活性化され たノックァゥトマウスを作製する工程。
( 2 ) マウス内在性ィムノグロブリン軽鎖遺伝子座の少なくとも一部を相同組 換えにより薬剤耐性マーカ一遺伝子 (ネオマイシン耐性遺伝子など) で置換する ことにより該マウス内在性ィムノグロブリン軽鎖遺伝子 (特に 鎖遺伝子) が機 能的に不活性化されたノックァゥトマウスを作製する工程。
( 3 ) 酵母人工染色体 (Yeast artificial chromosome, YAC) ベクター等に代 表されるような巨大遺伝子を運搬可能なベクターを用いて、 ヒト免疫グロブリン 重鎖遺伝子座の所望の領域がマウス染色体中に組み込まれたトランスジエニック マウスを作製する工程。
( 4 ) YAC等に代表されるような巨大遺伝子を運搬可能なベクタ一を用いて、 ヒト免疫グロブリン軽鎖 (特に 鎖) 遺伝子座の所望の領域がマウス染色体中に 組み込まれたトランスジエニックマウスを作製する工程。
( 5 ) 前記 ( 1 ) 乃至 (4 ) のノックアウトマウス及びトランスジェニヅクマ ゥスを任意の順序で交配することにより、 マウス内在性免疫グ口ブリン重鎖遺伝 子座及びマゥス内在性免疫グ口ブリン軽鎖遺伝子座がともに機能的に不活性化さ れ、 且つヒト免疫グロブリン重鎖遺伝子座の所望の領域及ヒト免疫グロブリン軽 鎖遺伝子座の所望の領域がともにマウス染色体上に組み込まれたトランスジェニ ックマウスを作製する工程。
前記ノックァゥトマウスは、 マウス内在性ィムノグロプリン遺伝子座の適当な 領域を外来性マーカー遺伝子 (ネオマイシン耐性遺伝子など) で相同組換えによ り置換することにより該遺伝子座が再構成 (リアレンジメント) できないように 不活性化することにより作製できる。 該相同組換えを用いた不活性化には、 例え ば、 ポジティブ ·ネガテイブ ·セレクション(Positive Negative Selection; PNS) と呼称される方法を用いることができる (日経サイエンス, 5月号, p.52-62, 1994)。
ィムノグロブリン重鎖遺伝子座の機能的不活性化には、 例えば、 J領域または C領域 (例えば C〃領域) の一部に障害を導入することにより達成できる。 また ィムノグロブリン軽鎖 (例えば 鎖) に機能的不活性化は、 例えば、 J領域若し くは C領域の一部、 または J領域及び C領域にまたがる領域を含む領域に障害を 導入することにより達成可能である。
トランスジエニックマウスは、 トランスジエニック動物の製造において通常使 用されるような常法 (例えば、 最新動物細胞実験マニュアル、 エル 'アイ ·シ一 発行、 第 7章、 第 3 6 1〜第 4 0 8頁、 1 9 9 0年を参照) に従って作製するこ とが可能である。 具体的には、 例えば、 正常マウス胚盤胞(blastcyst) に由来す る HPRT陰性(ヒポキサンチングァニン ·フォスフオリボシルトランスフェラ一ゼ 遺伝子を欠いている) E S細胞 (embryonic stem cell) を、 該ヒトイムノグロブ リン重鎖遺伝子座または軽鎖遺伝子座をコ一ドする遺伝子またはその一部並びに HPRT遺伝子が挿入された YACベクタ一を含む酵母とスフエロプラスト融合法によ り融合する。 該外来性遺伝子がマゥス内在性遺伝子上にインテグレートされた E S細胞を HATセレクション法により選別する。 次いで、 選別した E S細胞を、 別 の正常マウスから取得した受精卵 (胚盤胞) にマイ^ロインジェクションする (Pro Natl. Acad. Sci . USA, Vol .77, No, 12, pp. 380-7384, 1980;米国特許 第 4,873, 191号公報)。該胚盤胞を仮親としての別の正常マウスの子宮に移植する。 そうして該仮親マウスかち、 キメラトランスジエニックマウスが生まれる。 該キ
メラトランスジエニックマウスを正常マウスと交配させることによりヘテロトラ ンスジエニックマウスを得る。 該ヘテロ (heterogeneic) トランスジエニックマ ウス同士を交配することにより、 メンデルの法則に従って、 ホモ (homogeneic) トランスジエニックマウスが得られる。
本発明における 「キメラモノクローナル抗体」 は、 遺伝子工学的に作製される モノクローナル抗体であって、具体的には、その可変領域が、非ヒト哺乳動物(マ ウス、 ラット、 ハムスターなど) のィムノグロブリン由来の可変領域であり、 か つその定常領域がヒトイムノグロブリン由来の定常領域であることを特徴とする マウス ヒトキメラモノクローナル抗体等のキメラモノクローナル抗体を意味す る。
ヒトイムノグロプリン由来の定常領域は、 I g G (IgGl, IgG2, IgG3, IgG4)、 I g U I g A、 I g D及び I g E等のアイソタイプにより各々固有のアミノ酸 配列を有するが、 本発明における組換えキメラモノクローナル抗体の定常領域は いずれのアイソタイプに属するヒトイムノグログリンの定常領域であってもよい 好ましくは、 ヒト I g Gの定常領域である。
本発明におけるキメラモノクローナル抗体は、 例えば以下のようにして製造す ることができる。 しかしながら、 そのような製造方法に限定されるものでないこ とは言うまでもない。
例えば、 マウス/ヒトキメラモノクローナル抗体は、 実験医学(臨時増刊号)、 第 1 . 6巻、 第 1 0号、 1 9 8 8年及び特公平 3— 7 3 2 8 0号公報等を参照し ながら作製することができる。 即ち、 マウスモノクローナル抗体を産生するハイ プリ ド一マから単離した該マウスモノクローナル抗体をコ一ドする D N Aから取 得した活性な VH遺伝子 ( H鎖可変領域をコードする再配列された V D J遺伝子) の下流に、 ヒトイムノグロムリンをコードする D N Aから取得した CH遺伝子(H 鎖定常領域をコードする C遺伝子) を、 また該ハイブリ ドーマから単離したマウ スモノクローナル抗体をコ一ドする D N Aから取得した活性な 遺伝子(L鎖可
変領域をコードする再配列された V J遺伝子) の下流にヒトイムノグロムリンを コ一ドする DN Aから取得した Ct遺伝子 (L鎖定常領域をコードする C遺伝子) を、 各々発現可能なように配列して 1つ又は別々の発現ベクターに挿入し、 該発 現べクタ一で宿主細胞を形質転換し、 該形質転換細胞を培養することにより作製 することができる。
具体的には、 まず、 マウスモノクローナル抗体産生ハイプリ ドーマから常法に より DNAを抽出後、 該 DNAを適切な制限酵素 (例えば EcoRI、 Hindlll等) を 用いて消化し、 電気泳動に付して (例えば 0.7%ァガロースゲル使用) サザンプロ ット法を行う。 泳動したゲルを例えばェチジゥムブ口マイ ド等で染色し、 写真撮 影後、 マーカ一の位置を付し、 ゲルを 2回水洗し、 0.25M HC1 溶液に 15分間浸 す。 次いで、 0.4Nの NaOH溶液に 10分間浸し、 その間緩やかに振盪する。 常法 により、 フィル夕一に移し、 4時間後フィル夕一を回収して 2 xSSC で 2回洗浄 する。 フィルターを十分乾燥した後、 ペイキング (75°C、 3時間) を行う。 ベ ィキング終了後に、 該フィル夕一を 0.1xSSCZ0.1%SDS溶液に入れ、 65°Cで 3 0分間処理する。 次いで、 3 XSSC/0.1%SDS溶液に浸す。得られたフィルターを プレハイブリダィゼ一シヨン液と共にビニール袋に入れ、 65°Cで 3〜4時間処 理する。
次に、 この中に 32P標識したプロ一ブ DN A及びハイブリダィゼ一シヨン液を 入れ、 65 °Cで 12時間程度反応させる。 ハイブリダイゼ一ション終了後、 適切 な塩濃度、 反応温度および時間 (例えば、 2 XSSC— 0.1%SDS溶液、 室温、 10分 間) のもとで、 フィル夕一を洗う。 該フィル夕一をビニール袋に入れ、 2 XSSC を少量加え、 密封し、 オートラジオグラフィーを行う。
上記サザンプロット法により、 マウスモノクローナル抗体の H鎖及び L鎖を 各々コードする再配列された VD J遺伝子及び V J遺伝子を同定する。 同定した DNA断片を含む領域をショ糖密度勾配遠心にて分画し、 ファージベクタ一 (例 えば、 Charon 4A、 Charon 28、 人 EMBL 3、 人 EMBL4等) に組み込み、 該
ファージベクターで大腸菌 (例えば、 LE392、 NM539等)を形質転換し、 イブラリーを作製する。 そのゲノムライブラリーを適当なプローブ (H鎖 J遺伝 子、 L鎖 ( ) J遺伝子等) を用いて、 例えばベントンデイビス法 (サイエンス (Science), 第 196卷、 第 180〜第 182頁、 1977年) に従って、 ブラ一 クハイブリダィゼ一シヨンを行 L、、 再配列された V D J遺伝子あるいは V J遺伝 子を各々含むポジティブクローンを得る。 得られたクローンの制限酵素地図を作 製し、 塩基配列を決定し、 目的とする再配列された VH(VDJ)遺伝子あるいは V L(VJ)遺伝子を含む遺伝子が得られていることを確認する。
一方、 キメラ化に用いるヒト CH遺伝子及びヒト 遺伝子を別に単離する。 例 えば、 ヒト I gGl とのキメラ抗体を作製する場合には、 CH遺伝子である C7l 遺伝子と CL遺伝子である C 遺伝子を単離する。これらの遺伝子はマウス免疫グ ロブリン遺伝子とヒト免疫グロプリン遺伝子の塩基配列の高い相同性を利用して ヒト C7L遺伝子及びヒト C 遺伝子に相当するマウス CT^遺伝子及びマウス C 遺伝子をプローブとして用い、 ヒトゲノムライブラリーから単離することによ つて得ることができる。
具体的には、 例えば、 クローン Igl46 (プロシ一ディングスナショナルァカデ ミーォブサイエンス(Proc. Natl. Acad. Sci. USA), 第 75卷、 第 4709〜第 47 13頁、 1978年) からの 3 k bの Hindlll— BEUIIHI断片とクローン MEP10
(プロシーディングスナショナルアカデミーォブサイエンス(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),第 78卷、第 474〜第 478頁、 1981年)からの 6.8kbの EcoRI 断片をプローブとして用い、 ヒトのラムダ Charon4Aの Haelll— Alulゲノムライ ブラリ一 (セル (Cell)、 第 15巻、 第 1 157〜第 1 174頁、 1978年) 中 から、 ヒト C 遺伝子を含み、 ェンハンサ一領域を保持している DNA断片を単 離する。 また、 ヒト Cy!遺伝子は、 例えばヒト胎児肝細胞 DNAを Hindlllで切 断し、 ァガロースゲル電気泳動で分画した後、 5.9Kbのバンドを λ778に挿入し、 前記のプロ一ブを用いて単離する。
このようにして単離されたマウス vH遺伝子とマウス vI ^遺伝子、 及びヒト cH 遺伝子とヒト C L遺伝子を用いて、プロモー夕一領域及びェンハンサ一領域などを 考慮しながらマウス VH遺伝子の下流にヒ b CH遺伝子を、またマウス 遺伝子の 下流にヒト Ct遺伝子を、 適切な制限酵素及び D N Aリガーゼを用いて、 例えば pSV2gptあるいは pSV2neo等の発現べクタ一に常法に従って組み込む。 この際、 マウス vH遺伝子/ヒト cH遺伝子とマウス 遺伝子/ヒト (^遺伝子のキメラ遺 伝子は、 一つの発現ベクターに同時に配置されてもよいし、 各々別個の発現べク 夕一に配置することもできる。
このようにして作製したキメラ遺伝子挿入発現べクタ一を、例えば P3X63 · Ag8 · 653細胞あるいは SP210細胞といった、 自らは抗体を産生していない骨髄腫細胞 にプロトプラスト融合法、 D E A E—デキストラン法、 リン酸カルシウム法ある いは電気穿孔法等により導入する。 形質転換細胞は、 発現べクタ一に導入された 薬物耐性遺伝子に対応する薬物含有培地中での培養により選別し、 目的とするキ メラモノクロ一ナル抗体産生細胞を取得する。
このようにして選別された抗体産生細胞の培養上清中から目的のキメラモノク ローナル抗体を取得する。
本発明における 「ヒト型モノクローナル抗体 (CDR- grafted抗体)」 は、 遺伝子 工学的に作製されるモノクローナル抗体であって、 具体的には、 その超可変領域 の相補性決定領域の一部または全部が非ヒト哺乳動物 (マウス、 ラット、 ハムス 夕一など)のモノクローナル抗体に由来する超可変領域の相補性決定領域であり、 その可変領域の枠組領域がヒトイムノグロプリン由来の可変領域の枠組領域であ り、 かつその定常領域がヒトイムノグロブリン由来の定常領域であることを特徴 とするヒト型モノクローナル抗体を意味する。
ここで、 超可変領域の相補性決定領域とは、 抗体の可変領域中の超可変領域に 存在し、 抗原と相補的に直接結合する部位である 3つの領域 (Complementarity- determining residue; CDR1、 CDR2、 CDR3) を指し、 また可変領域の枠組領域とは、
該 3つ相補性決定領域の前後に介在する比較的保存された 4つの領域 (Framework; FR FR2, FR3、 FR4) を指す。
換言すれば、 非ヒト哺乳動物由来のモノクローナル抗体の超可変領域の相補性 決定領域の一部または全部以外の全ての領域が、 ヒトイムノグロブリンの対応領 域と置き代わったモノクローナル抗体を意味する。
ヒトイムノグロブリン由来の定常領域は、 I gG (IgGl,IgG2,IgG3,IgG4)、 I gM、 I gA、 I gD及び I gE等のアイソタイプにより各々固有のアミノ酸配 列を有するが、 本発明におけるヒト型モノクローナル抗体の定常領域はいずれの アイソタイプに属するヒトイムノグログリンの定常領域であってもよい。 好まし くは、 ヒト I gGの定常領域である。 また、 ヒトイムノグロブリン由来の可変領 域の枠組領域についても限定されるものではない。
本発明におけるヒト型モノクローナル抗体は、 例えば以下のようにして製造す ることができる。 しかしながら、 そのような製造方法に限定されるものでないこ とは言うまでもない。
例えば、 マウスモノクローナル抗体に由来する組換えヒト型モノクローナル抗 体は、 特表平 4— 506458号公報及び特開昭 62 - 296890号公報等を 参照して、 遺伝子工学的に作製することができる。 即ち、 マウスモノクローナル 抗体を産生するハイプリ ドーマから、 少なくとも 1つのマウス H鎖 CDR遺伝子 と該マウス H鎖 CD R遺伝子に対応する少なくとも 1つのマウス L鎖 CD R遺伝 子を単離し、 またヒトイムノグロブリン遺伝子から前記マウス H鎖 C D Rに対応 するヒト H鎖 CDR以外の全領域をコードするヒト H鎖遺伝子と、 前マウス L鎖 C D Rに対応するヒト L鎖 C D R以外の全領域をコ一ドするヒト L鎖遺伝子を単 離する。
単離した該マウス H鎖 CDR遺伝子と該ヒト H鎖遺伝子を発現可能なように適 当な発現べクタ一に導入し、 同様に該マウス L鎖 CDR遺伝子と該ヒト L鎖遺伝 子を発現可能なように適当なもう 1つの発現べクタ一に導入する。 または、 該マ
ウス H鎖 C D R遺伝子/ヒト H鎖遺伝子とマウス L鎖 C D R遺伝子/ヒト L鎖遺 伝子を同一の発現べク夕一に発現可能なように導入することもできる。 このよう にして作製された発現ベクターで宿主細胞を形質転換することによりヒト型モノ クローナル抗体産生形質転換細胞を得、 該形質転換細胞を培養することにより培 養上清中から目的のヒト型モノクローナル抗体を得る。
本発明における 「モノクローナル抗体」には、 該モノクロ一ナル抗体の「一部」 も包含される。 該 「モノクローナル抗体の一部」 とは、 前述の本発明におけるモ ノクローナル抗体の一部分の領域を意味し、 具体的には F(ab,)2、 Fab\ Fab, F v (variable fragment of antibody) s F v、 d s F v (disulphide stabilised Fv) あるいは d A b (single domain antibody) である (エキスパート 'オビ二 オン 'オン 'テラビュ一ティヅク 'パテンッ(Exp. Op in. Ther. Patents) , 第 6 巻, 第 5号, 第 441〜456頁, 1996年)。
ここで、 「F(ab' )2」 及び 「Fab'」 とは、 ィムノグロブリン (モノクローナル抗 体) を、 蛋白分解酵素であるペプシンあるいはパパイン等で処理することにより 製造され、 ヒンジ領域中の 2本の H鎖間に存在するジスルフィ ド結合の前後で消 化されて生成される抗体フラグメントを意味する。 例えば、 I g Gをパパインで 処理すると、 ヒンジ領域中の 2本の H鎖間に存在するジスルフィ ド結合の上流で 切断されて VL ( L鎖可変領域) と (L鎖定常領域) からなる L鎖、 及び VH ( H 鎖可変領域) と CHァ 1 ( H鎖定常領域中のァ 1 領域) とからなる H鎖フラグメン トが C末端領域でジスルフイ ド結合により結合した相同な 2つの抗体フラグメン トを製造することができる。 これら 2つの相同な抗体フラグメントを各々 Fab'と いう。 また I g Gをペプシンで処理すると、 ヒンジ領域中の 2本の H鎖間に存在 するジスルフィ ド結合の下流で切断されて前記 2つの Fab,がヒンジ領域でつな がったものよりやや大きい抗体フラグメントを製造することができる。 この抗体 フラグメントを F(ab, )2という。
本発明の 「モノクローナル抗体を産生する細胞」 あるいは 「組換えモノクロ一
ナル抗体を産生する細胞」 とは、 前述した本発明のモノクローナル抗体を産生す る任意の細胞を意味する。 具体的には、 例えば、 下記 ( 1 ) 乃至 (3 ) のいずれ かに記載される細胞を挙げることができる。
( 1 ) 前記で定義した哺乳動物の C T G F (好ましくはヒ卜の C T G F ) 若し くはその一部または該 C T G Fを分泌する細胞等で、 前述のヒト以外の哺乳動物 または前述のヒト抗体を産生する能力を有するトランスジエニックマウス (若し くは他のトランスジヱニック非ヒト哺乳動物) を免疫することにより得られ、 該 C T G Fに反応性を有するモノクローナル抗体を産生する該動物から採取され得 るモノクローナル抗体産生 B細胞。
( 2 ) そのようにして得られた抗体産生 B細胞を哺乳動物由来のミエローマ細 胞と細胞融合して得られる前述の融合細胞 (ハイプリ ドーマ)。
( 3 ) 該モノク口一ナル抗体産生 B細胞またはモノクロ一ナル抗体産生融合細 胞 (ハイプリ ドーマ) から単離される該モノクローナル抗体をコードする遺伝子
(重鎖をコードする遺伝子若しくは軽鎖をコードする遺伝子のいずれか一方、 ま たは両方の遺伝子) で、 該 B細胞及びハイプリ ドーマ以外の細胞 (例えば、 CH0
(Chinese hamster ovarian) 細胞)、 BHK (Baby hamster kydney) 細胞など) を 形質転換して得られるモノクローナル抗体産生形質転換細胞 (遺伝子組換え細胞)。 ここで、 前記 (3 ) に記載のモノクローナル抗体産生形質転換細胞 (遺伝子組 換え細胞) は、 即ち、 前記 ( 1 ) の B細胞または (2 ) のハイプリ ドーマが産生 するモノクローナル抗体の遺伝子組換え体を産生する遺伝子組換え細胞を意味す る。 これらの抗体産生形質転換細胞は、 前述のキメラモノクローナル抗体及びヒ ト型モノクローナル抗体の製造において用いられる一般的遺伝子組換え技術を用 いて製造することができる。
本発明における 「実質的に同一の性質を有するモノクローナル抗体」 とは、 当 該モノクローナル抗体の生物学的性質が、 他のモノクローナル抗体の生物学的性 質と比較した場合に、少なくとも下記の点で有意な差を有しないことを意味する。
( 1 ) 当該モノクローナル抗体を作製するために、 非ヒト哺乳動物の免疫に用い た特定の動物由来の C T G Fに対する反応性。
( 2 ) 当該特定の動物種の C T G Fに対応する他の動物種の C T G Fに対する反 応性 (所謂、 交叉反応性)。
( 3 ) 後述の実施例に記載される種々の試験により求められる特性。
本発明における 「哺乳動物由来の抗血清」 とは、 該本発明のモノクローナル抗 体またはその一部に反応性を有する抗体を含む血清を意味する。 該抗血清は、 例 えば、 マウス、 ラッ ト、 モルモット、 ゥサギ、 ャギ、 ブ夕あるいはゥシ等の哺乳 動物、 好ましくはラッ ト、 モルモット、 ゥサギあるいはャギに、 前記本発明のモ ノクローナル抗体あるいはその一部を、 前述モノクローナル抗体の製造方法で述 ベたような方法で免疫して製造することができる。
本発明における 「不溶性担体」 とは、 本発明のモノクローナル抗体若しくはそ の一部 (抗体フラグメント)、 または試料 (例えば、 血漿等の体液試料、 培養上清 あるいは遠心上清等) 中に含まれる C T G Fを物理学的吸着あるいは化学的結合 等によって坦持させるための支持体を意味する。
例えば、 下記 (A) 並びに (B ) などを挙げることができる。
(A) ポリスチレン樹脂、 ポリカーボネート樹脂、 シリコン樹脂あるいはナイ ロン樹脂等からなるプラスチックや、 ガラス等に代表されるような水に不溶性の 物質からなるプレート、 試験管若しくはチューブ等の内容積を有するもの、 ビー ズ (特には、 マイクロビーズ)、 ボール、 フィル夕一、 あるいはメンブレン等。
( B ) セルロース系担体、 ァガロース系担体、 ポリアクリルアミ ド系担体、 デ キストラン系担体、 ポリスチレン系担体、 ポリビニルアルコール系担体、 ポリァ ミノ酸系担体ある ヽは多孔性シリ力系担体等のようなァフィ二ティ一クロマトグ ラフィ一に用いられる不溶性担体を挙げることができる。
本発明の 「抗体固定化不溶性担体」 とは、 前記のような不溶性担体上に、 本発 明のモノクロ一ナル抗体 (または該抗体の一部、 即ち抗体フラグメント) が、 物
理的吸着あるいは化学的結合等によって坦持された状態にある不溶性担体を意味 する。 これらの抗体固定化不溶性担体は、 試料 (例えば、 血清や血漿等の体液試 料、 培養上清あるいは遠心上清等) 中に含まれる C T G Fを検出、 定量、 分離ま たは精製するために用いることができる。
該検出または定量の目的においては、 前記 (A) に例示した不溶性担体を用い ることができ、 とりわけ定量に用いる不溶性担体としては、 操作の簡便性及び多 数検体の同時処理の観点を考慮すると、 例えば 9 6穴マイクロタイ夕一プレート あるいは 4 8穴マイクロタイ夕一プレート等の多数のゥエル (Well、 穴) を有す るプラスチヅク等で作製されたマルチウェルマィクロタイ夕一プレートを用いる のが好ましい。 また、 該分離または精製の目的においては、 前記 (A) に例示し たフィル夕一若しくはメンブレンまたは前記 (B ) に例示した不溶性担体を用い ることができる。
本発明における 「単独でまたは他の物質と反応することにより検出可能なシグ ナルをもたらすことができる標識物質」 とは、 それらを、 前述のようなモノクロ —ナル抗体若しくはその一部(抗体フラグメント)、あるいは C T G Fの標準物質 に物理化学的結合等により結合させることによりそれらの存在を検出可能にする ために用いられる物質を意味する。
具体的には、 酵素、 蛍光物質、 化学発光物質、 ピオチン、 アビジンあるいは放 射性同位体等であり、さらに具体的には、ペルォキシダーゼ(例えば、 horseradish peroxidase)^ アルカリフォスファタ一ゼ、 ?— D—ガラクトシダーゼ、 グルコ一 スォキシダ一ゼ、 グルコース— 6—ホスフエ一トデヒドロゲナ一ゼ、 アルコール 脱水素酵素、 リンゴ酸脱水素酵素、 ぺニシリナ一ゼ、 力タラ一ゼ、 アポグルコ一 スォキシダ一ゼ、 ゥレア一ゼ、 ルシフェラ一ゼ若しくはアセチルコリンエステラ —ゼ等の酵素、 フルォレスセインイソチオシァネート、 フィコピリタンパク、 希 土類金属キレート、 ダンシルク口ライ ド若しくはテトラメチル口一ダミンイソチ オシァネート等の蛍光物質、 3H、 14C、 125 1若しくは 131 1等の放射性同位体、 ビ
ォチン、 アビジン、 または化学発光物質が挙げられる。
ここで、 放射性同位体及び蛍光物質は、 単独で検出可能なシグナルをもたらす ことができる。 一方、 酵素、 化学発光物質、 ピオチン及びアビジンは、 単独では 検出可能なシグナルをもたらすことができないため、 さらに 1種以上の他の物質 と反応することにより検出可能なシグナルをもたらす。 例えば、 酵素の場合には 少なくとも基質が必要であり、 酵素活性を測定する方法 (比色法、 蛍光法、 生物 発光法あるいは化学発光法等) に依存して種々の基質が用いられる。 例えば、 ぺ ルォキシダーゼの場合には、 基質として過酸化水素を用いる。 また、 ピオチンの 場合には少なくともアビジンあるいは酵素修飾アビジンを反応させるのが一般的 であるが、 この限りではない。 必要に応じてさらに該基質に依存する種々の発色 物質が用いられる。
本発明における「標識抗体」及び「標識された哺乳動物の C T G Fの標準物質」 とは、 各々前記のような種々標準物質で標識されたモノクローナル抗体 (または 抗体フラグメント) 及び C T G Fを意味する。 これらの標識抗体及び標識標準物 質は、 試料 (例えば、 血清や血漿等の体液試料、 培養上清あるいは遠心上清等) 中に含まれる C T G Fを検出、 定量、 分離または精製するために用いることがで きる。 本発明においては、 上記のいずれの標識物質をも使用可能であるが、 検出 感度あるいは定量感度の高さ及び操作の利便性の点を考慮すると、 ペルォキシダ ーゼ等の酵素あるいはピオチンで標識するのが好ましい。
ここで 「C T G Fの標準物質」 とは、 試料中に含まれる濃度 (含量) 未知の C T G Fと対照的に、 あらかじめ単離されている C T G Fを意味し、 アツセィの目 的に応じて自由にその濃度をコント口一ルすることができる標品(スタンダード) を意味する。 該標準物質は、 例えば、 検量線の作成に用いることができる。
本発明における 「ィムノアツセィ」 とは、 抗原抗体反応の原理に基づき、 試料 (例えば、 血漿等の体液試料、 培養上清あるいは遠心上清等) 中に含まれる抗原 の検出あるいは定量を行う方法を意味し、 本発明においては、 該抗原抗体反応に
おける抗体が、 本発明の哺乳動物の C T G Fに反応性を有する前記のようなモノ ク口ーナル抗体(若しくはその抗体のフラグメント)、前記のような抗体固定化不 溶性担体(若しくは抗体フラグメント固定化不溶性担体)、 または前記のような標 識抗体 (若しくは標識抗体フラグメント) から選ばれる一つ以上の該モノクロ一 ナル抗体 (または抗体フラグメント) をであること、 及び抗原が哺乳動物の C T G Fであること以外は、 これまでに知られているィムノアツセィをも適用するこ とができる。
具体的には、 酵素免疫測定法 (第 3版、 石川榮治ら編集、 医学書院発行、 1 9 8 7年) に記載されているような、 例えば、 一抗体固相法、 二抗体液相法、 ニ抗 体固相法、 サン ドイ ッチ法、 E M I T法 ( Enzyme multiplied immunoassay technique)^ェンザィムチャネリングアツセィ (Enzyme channeling immunoassay)^ 酵素活性修飾物質標識ィムノアッセィ (Enzyme modulator mediated enzyme immunoassay^ E MM I A)、酵素阻害物質標識ィムノアヅセィ (Enzyme inhibitor immunoassay ) ィムノエンザィムメ ト リ ックアツセィ ( I腿 unoenzymometric assay)ヽ 酵素活性増強ィムノアッセィ (Enzyme enhanced immunoassay) あるいは プロキシマ一ノレリンケージィムノアッセィ (Proximal linkage immunoassay ) 等、 さらには、 特公平 2— 3 9 7 4 7号公報に記載されているようなワンポッ ト法を挙げることができる。
本発明においては、 このようなィムノアッセィを、 目的に応じて適宜選択して 用いることができるが、 操作上の簡便性及び/または経済的な利便性、 とりわけ 臨床上での汎用性の点を考慮すると、 サンドイッチ法、 ワンポット法、 一抗体固 相法または二抗体液相法を用いるのが好ましく、 より好ましくは、 サンドイッチ 法またはワンポヅト法である。特に好ましくは、本発明のモノクローナル抗体を、 9 6穴マイクロプレートに代表されるような多数のゥエルを有するマルチウエル マイクロプレートに固定化した抗体固定化不溶性担体と、 酵素あるいはピオチン により標識された標識抗体とを用いるサンドィツチ法、 あるいは本発明のモノク
口一ナル抗体を、 マイクロビーズ等のビーズまたは微小なボールに固定化した抗 体固定化不溶性担体と、 酵素あるいはピオチンにより標識された標識抗体とを用 いるワンポット法である。
特に好ましい態様において具体的な一例を挙げるならば、 図 1に記載のモノク ローナル抗体である 「8-64-6」 または「13-5卜 2」 をマイクロプレートまたはマイ ク口ビーズに固定化した抗体固定化不溶性担体と、 図 1に記載されるモノクロ一 ナル抗体である 「8-86-2」 を酵素またはピオチンで標識した標識抗体との組合わ せによるサンドィツチ法またはワンポット法である。
「8 - 64- 6」を固定化した抗体固定化不溶性担体と、 「8-86-2」を酵素またはピオ チンで標識した標識抗体との組合わせによるィムノアヅセィでは、 ヒト及びマウ スの C T G Fを高感度で検出、 定量することができる。 また、 「13- 5卜2」 を固定 化した抗体固定化不溶性担体と、 「8-86-2」を酵素またはビォチンで標識した標識 抗体との組合わせによるィムノアッセィでは、 ラット (本願において初めて開示 される) 及びマウスの C T G Fを高感度で検出、 定量することができる。
以下に、 サンドイッチ法、 ワンポット法、 一抗体固相法及び二抗体液相法につ いて詳述する。
サンドイッチ法は、 前述の本発明の前記 (5 0 ) で述べた方法、 即ち、 少なく とも下記 (a ) 及び (b ) の工程を含むィムノアッセィ法である。
( a ) 本発明の抗体固定ィ匕不溶性担体に、 試料を反応せしめる工程;及び
( b ) 該抗体固定化不溶性担体と該試料中に含まれる哺乳動物の C T G Fと の結合により形成される抗原抗体複合体に、 本発明の標識抗体を反応せしめるェ 程。
本発明に即して、 「抗体固定化不溶性担体」として図 1に記載のモノクローナル 抗体「8-64-6」をマイクロプレートに固定化した「抗体固定化マイクロプレート」 を用い、 また 「標識抗体」 として図 1に記載のモノクローナル抗体 「8-86-2」 を ペルォキシダ一ゼ等の酵素あるいはピオチンで標識した 「標識抗体」 を用いて、
ヒトまたはマウスの C T G Fを定量する方法について具体的に説明すると、 例え ば下記のような工程により構成されるが、 該具体例のみに限定されるものではな い o
また、 「抗体固定化不溶性担体」 として図 1に記載のモノクローナル抗体 「13- 51-2」をマイクロプレートに固定化した「抗体固定化マイクロプレート」を用い、 また 「標識抗体」 として図 1に記載のモノクローナル抗体 「8-86-2」 をペルォキ シダーゼ等の酵素あるいはピオチンで標識した 「標識抗体」 を用いて下記と同様 に操作することによって、 マウスの C T G Fだけでなくラット (本願において初 めて開示される) の C T G Fも定量することができる。
(工程 1 ) 本発明のモノクローナル抗体 「8-64-6」 をマイクロプレートに固定化 し、 抗体固定化マイクロプレートを作製する工程;
(工程 2 ) 該抗体固定化マイクロプレートにヒトまたはマウスの血清等の試料を 加え、 該マイクロプレート上に固定化されているモノクローナル抗体と試料とを 反応させる工程;
(工程 3 ) 該マイクロプレートを洗浄し未反応の試料を該マイクロプレートから 取り除く工程;
(工程 4 ) 本発明のモノクローナル抗体 「8-86-2」 をピオチンあるいはペルォキ シダ一ゼ等の酵素により標識し、 標識抗体を作製する工程;
(工程 5 ) 工程 3で洗浄されたマイクロプレートに、 該標識抗体を加え、 該マイ クロプレート上に固定化されたモノクローナル抗体と試料中に含まれるヒトまた はマウスの C T G Fとが反応して形成される抗原抗体複合体に該標識抗体を反応 させる工程;
(工程 6 ) マイクロプレートを洗浄し、 未反応の標識抗体を、 該マイクロプレー 卜から取り除く工程;
(工程 7 ) 工程 6で洗浄されたマイクロプレートに、 必要に応じて発色物質と共 に、 用いた酵素の種類に依存して種々の基質 (但し、 工程 5でペルォキシダ一ゼ
等の酵素で標識した標識抗体を用いた場合) またはアビジンあるいは酵素修飾ァ ビジン (但し、 工程 5でピオチンで標識した標識抗体を用いた場合) を加え、 該 基質、 アビジンまたは酵素修飾アビジンと標識抗体上の標識物質とを反応させる 工程;
(工程 8)工程 7で酵素修飾アビジンを加えた場合には、 該修飾に用いた酵素の 種類に依存して種々の基質を加え、 アビジンに結合した酵素と基質を反応させる 工程;
(工程 9) マイクロプレートに反応停止液を加え、 酵素反応及び発色反応を停止 させる工程;及び
(工程 10) 比色強度、 蛍光強度あるいは発光強度を測定する工程。
ワンポット法は、 前述の本発明の (50)、 (51) または (52) で各々述べ た方法である。
即ち、 第 1は、 少なくとも下記 (a)及び (b) の工程を含むィムノアヅセィ 法である。
(a) 本発明の抗体固定化不溶性担体に、 試料を反応せしめる工程;及び
( b )該抗体固定化不溶性担体と該試料中に含まれる哺乳動物の C T G Fと の結合により形成される抗原抗体複合体に、 本発明の標識抗体を反応せしめるェ 程。
第 2は、 少なくとも下記 (a)及び (b) の工程を含むィムノアッセィ法であ る。
(a) 本発明の標識抗体と、 試料を反応せしめる工程;及び
( b )該標識抗体と試料中に含まれる哺乳動物の C T G Fとの結合により形 成される抗原抗体複合体に、本発明の抗体固定化不溶性担体を反応せしめる工程。 第 3は、 少なくとも下記 (a) の工程を含むィムノアッセィ法である。
(a) 本発明の抗体固定化不溶性担体、 本発明の標識抗体、 及び試料を含む 混合物を反応せしめる工程。
本発明に即して、 「抗体固定化不溶性担体」として図 1に記載のモノクローナル 抗体 「8-64-6」 をマイクロビーズに固定化した 「抗体固定化マイクロビーズ」 を 用い、 また 「標識抗体」 として図 1に記載のモノクローナル抗体 「8-86-2」 をぺ ルォキシダ一ゼ等の酵素あるいはピオチンで標識した 「標識抗体」 を用いて、 ヒ トまたはマウスの C T G Fを定量する方法について具体的に説明すると、 例えば 下記のような工程により構成されるが、該具体例のみに限定されるものではない。 また、 「抗体固定化不溶性担体」 として図 1に記載のモノクローナル抗体 「13- 51 - 2」 をマイクロビーズに固定化した 「抗体固定化マイクロビーズ」 を用い、 ま た 「標識抗体」 として図 1に記載のモノクローナル抗体 「8-86-2」 をペルォキシ ダーゼ等の酵素あるいはピオチンで標識した 「標識抗体」 を用いて下記と同様に 操作することによって、 マウスの C T G Fだけでなくラット (本願において初め て開示される) の C T G Fも定量することができる。
第 1の方法は、 下記のような工程から構成される。
(工程 1 )本発明のモノクローナル抗体「8-64-6」をマイクロビーズに固定化し、 抗体固定化マイクロビーズを作製する工程;
(工程 2 ) 試験管、 マイクロプレートあるいはチューブ等のような内容積を有す る容器に緩衝液とともに該抗体固定化マイク口ビーズとヒトまたはマウスの血清 等の試料を加え、 該マイク口ビーズ上に固定化されたモノクロ一ナル抗体と試料 とを反応させる工程;
(工程 3 ) 容器中の内溶液を除去し、 ビーズを洗浄する工程;
(工程 4 ) 本発明のモノクローナル抗体 「8-86-2」 をピオチンあるいはペルォキ シダ一ゼ等の酵素により標識し、 標識抗体を作製する工程;
(工程 5 ) 工程 3で洗浄されたビーズを含有する容器に該標識抗体を加え、 該ビ ーズ上に固定化されたモノクローナル抗体と試料中に含まれるヒトまたはマウス の C T G Fとが反応して形成される抗原抗体複合体に該標識抗体を反応させるェ 程;
(工程 6 ) 容器中の内溶液の除去し、 ビーズを洗浄することにより、 未反応の標 識抗体を取り除く工程;
(工程 7 ) 工程 6で洗浄されたビーズを含む容器に、 必要に応じて発色物質と共 に、 用いた酵素の種類に依存して種々の基質 (但し、 工程 5でペルォキシダーゼ 等の酵素で標識した標識抗体を用いた場合) またはアビジンあるいは酵素修飾ァ ビジン (但し、 工程 5でピオチンで標識した標識抗体を用いた場合) を加え、 該 基質、 アビジンまたは酵素修飾ァビジンと標識抗体上の標識物質とを反応させる 工程;
(工程 8 ) 工程 7で酵素修飾アビジンを加えた場合には、 該修飾に用いた酵素の 種類に依存して種々の基質を加え、 アビジンに結合した酵素と基質を反応させる 工程;
(工程 9 ) 工程 7または工程 8の反応系に反応停止液を加え、 酵素反応及び発色 反応を停止させる工程;及び
(工程 1 0 ) 比色強度、 蛍光強度あるいは発光強度を測定する工程。
第 2の方法は、 下記のような工程から構成される。
(工程 1 ) 本発明のモノクローナル抗体 「8-86-2」 をピオチンあるいはペルォキ シダーゼ等の酵素により標識し、 標識抗体を作製する工程;
(工程 2 ) 試験管、 マイクロプレートあるいはチューブ等のような内容積を有す る容器に緩衝液とともに該標識抗体とヒトまたはマウスの血清等の試料を加え、 該標識抗体と試料とを反応させる工程;
(工程 3 )本発明のモノクローナル抗体「8-64-6」をマイクロビーズに固定化し、 抗体固定化マイクロビーズを作製する工程;
(工程 4 ) 工程 2の反応系に、 該ビーズを加え、 標識抗体と試料中に含まれるヒ トまたはマウスの C T G Fとが反応して形成される抗原抗体複合体と、 該ビーズ 上に固定化されたモノクローナル抗体とを反応させる工程;
(工程 5 ) 容器中の内溶液の除去し、 ビーズを洗浄することにより、 未反応の標
識抗体を取り除く工程;
(工程 6 ) 工程 5で洗浄されたビーズを含む容器に、 必要に応じて発色物質と共 に、 用いた酵素の種類に依存して種々の基質 (但し、 工程 2でペルォキシダ一ゼ 等の酵素で標識した標識抗体を用いた場合) またはアビジンあるいは酵素修飾ァ ビジン (但し、 工程 2でピオチンで標識した標識抗体を用いた場合) を加え、 該 基質、 アビジンまたは酵素修飾アビジンと標識抗体上の標識物質とを反応させる 工程;
(工程 7 ) 工程 6で酵素修飾アビジンを加えた場合には、 該修飾に用いた酵素の 種類に依存して種々の基質を加え、 アビジンに結合した酵素と基質を反応させる 工程;
(工程 8 ) 工程 6または工程 7の反応系に反応停止液を加え、 酵素反応及び発色 反応を停止させる工程;及び
(工程 9 ) 比色強度、 蛍光強度あるいは発光強度を測定する工程。
第 3の方法は、 下記のような工程から構成される。
(工程 1 )本発明のモノクローナル抗体「8-64-6」をマイクロビーズに固定化し、 抗体固定化マイクロビーズを作製する工程;
(工程 2 ) 本発明のモノクローナル抗体 「8-86-2」 をピオチンあるいはペルォキ シダーゼ等の酵素により標識し、 標識抗体を作製する工程;
(工程 3 ) 試験管、 プレートあるいはチューブ等のような内容積を有する容器に 緩衝液とともに、 工程 1で作製された抗体固定化マイクロビーズ、 工程 2で作製 された標識抗体、 及びヒトまたはマウスの血清等の試料を加え、 該ビーズ上に固 定化されたモノクローナル抗体、標識抗体、及び試料を同時に反応させる工程;(ェ 程 4 ) 容器中の内溶液を除去し、 該ビーズを洗浄することにより、 未反応の標識 抗体を取り除く工程;
(工程 5 ) 工程 4で洗浄されたビーズを含む容器に、 必要に応じて発色物質と共 に、 用いた酵素の種類に依存して種々の基質 (但し、 工程 3でペルォキシダーゼ
等の酵素で標識した標識抗体を用いた場合) またはアビジンあるいは酵素修飾ァ ビジン (但し、 工程 3でピオチンで標識した標識抗体を用いた場合) を加え、 該 基質、 アビジンまたは酵素修飾ァビジンと標識抗体上の標識物質とを反応させる 工程;
(工程 6 ) 工程 5で酵素修飾アビジンを加えた場合には、 該修飾に用いた酵素の 種類に依存して種々の基質を加え、 アビジンに結合した酵素と基質を反応させる 工程;
(工程 7 ) 工程 5または工程 6の反応系に反応停止液を加え、 酵素反応及び発色 反応を停止させる工程;及び
(工程 8 ) 比色強度、 蛍光強度あるいは発光強度を測定する工程。
一抗体固相法は、 前述の本発明の (5 3 ) で述べた方法、 即ち、 少なくとも下 記 (a ) の工程を含むィムノアッセィ法である。
( a ) 本発明の抗体固定化不溶性担体に、 試料、 並びに単独でまたは他の物 質と反応することにより検出可能なシグナルをもたらすことができる標識物質で 標識された哺乳動物の C T G Fの標準物質を反応せしめる工程。
本発明に即して、 「抗体固定ィ匕不溶性担体」として図 1に記載のモノクローナル 抗体「8-64-6」をマイクロプレートに固定化した「抗体固定化マイクロプレート」 を用い、 また 「標識物質」 として、 特に一般的であるペルォキシダーゼ等の酵素 あるいはビォチンを用いて、 ヒトまたはマウスの C T G Fを定量する方法につい て具体的に説明すると、 例えば下記のような工程により構成されるが、 該具体例 のみに限定されるものではない。
また、 「抗体固定化不溶性担体」 として図 1に記載のモノクローナル抗体 「13- 51-2」をマイクロプレートに固定化した「抗体固定化マイクロプレート」を用い、 また 「標識物質」 として、 特に一般的であるペルォキシダ一ゼ等の酵素あるいは ピオチンを用いて下記と同様に操作することによって、 マウスの C T G Fだけで なくラット (本願において初めて開示される) の C T G Fも定量することができ
る ο
(工程 1) 本発明のモノクローナル抗体 「8-64-6」 をマイクロプレートに固定化 し、 抗体固定化マイクロプレートを作製する工程;
(工程 2) ヒトまたはマウスの CTGFの標準物質をピオチンあるいはペルォキ シダーゼ等の酵素により標識し、 標識 CTGF標準物質を作製する工程;
(工程 3)該マイクロプレートにヒトまたはマウスの血清等の試料及び該標識 C TGF標準物質を加え、 該試料と標識標準物質とを、 該マイクロプレート上に固 定化されたモノクローナル抗体と競合的に反応させる工程;
(工程 4) マイクロプレートを洗浄し、 未反応の標識標準物質を、 マイクロプレ —卜から取り除く工程;
(工程 5) 工程 4で洗浄されたマイクロプレートに、 必要に応じて発色物質と共 に、 用いた酵素の種類に依存して種々の基質 (但し、 工程 3でペルォキシダ一ゼ 等の酵素で標識した標識標準物質を用いた場合) またはアビジンあるいは酵素修 飾アビジン (但し、 工程 3でピオチンで標識した標識標準物質を用いた場合) を 加え、 該基質、 アビジンまたは酵素修飾アビジンと標識標準物質上の標識物質と を反応させる工程;
(工程 6) 工程 5で酵素修飾アビジンを加えた場合には、 該修飾に用いた酵素の 種類に依存して種々の基質を加え、 アビジンに結合した酵素と基質を反応させる 工程;
(工程 7) マイクロプレートに反応停止液を加え、 酵素反応及び発色反応を停止 させる工程;及び
(工程 8)比色強度、 蛍光強度あるいは発光強度を測定する工程。
二抗体液相法は、 前述の本発明の (54)及び(55)に記載した方法である。 即ち、 第一は、 少なくとも下記 (a) 及び (b) の工程を含むィムノアヅセィ 法である。
(a)試料、 並びに単独でまたは他の物質と反応することにより検出可能な
シグナルをもたらすことができる標識物質で標識された哺乳動物の C T G Fの標 準物質との混合物に、 本発明のモノクローナル抗体を反応せしめる工程;及び
(b) 該試料中に含まれる哺乳動物の CTGF若しくは該標識された哺乳動 物の CTGFの標準物質と、 該モノクローナル抗体との結合により形成される抗 原抗体複合体に、 該モノクローナル抗体に反応性を有する哺乳動物由来の抗血清 を反応せしめる工程。
第 2は、 少なくとも下記 (a) 乃至 (c) の工程を含むィムノアヅセィ法であ る。
(a) 試料に、 本発明のモノクローナル抗体を反応せしめる工程;
( b ) ( a )の工程を行った反応系に、単独でまたは他の物質と反応すること により検出可能なシグナルをもたらすことができる標識物質で標識された哺乳動 物の CTGFの標準物質を反応せしめる工程;及び
( c ) 該試料中に含まれる哺乳動物の C T G F若しくは該標識された哺乳動 物の C T G Fの標準物質と、 該モノクローナル抗体との結合により形成される抗 原抗体複合体に、 該モノクローナル抗体に反応性を有する哺乳動物由来の抗血清 を反応せしめる工程。
本発明に即して、 「モノクローナル抗体」として図 1に記載のモノクロ一ナル抗 体 「8-64-6」 または 「8-86-2」 を用い、 また 「標識物質」 として、 特に一般的で あるペルォキシダ一ゼ等の酵素またはピオチンを用いて、 ヒトまたはマウスの C TGFを定量する方法について具体的に説明すると、 例えば下記のような工程に より構成されるが、 該具体例のみに限定されるものではない。
また、 「モノクローナル抗体」 として図 1に記載のモノクローナル抗体 「13 - 51-2」 を用い、 また 「標識物質」 としてペルォキシダ一ゼ等の酵素またはビォチ ンを用いて下記と同様に操作することによって、 マウスの CTGFだけでなくラ ヅ ト (本願において初めて開示される) の CTGFも定量することができる。 第 1の方法は、 下記のような工程から構成される。
(工程 1) ヒトまたはマウスの CTGFの標準物質をピオチンあるいはペルォキ シダーゼ等の酵素により標識し、 標識 CTGF標準物質を作製する工程;
(工程 2)試験管、 プレートあるいはチューブ等のような内容積を有する容器に、 マウスまたはヒトの血清等の試料と工程 1で作製された標識 C T G F標準物質と の混合物を加え、 次いで本発明のモノクローナル抗体「8-64-6」 または「8-86-2」 を加え、 該試料と標識 C T GF標準物質とを競合的に該モノクローナル抗体と反 応させる工程;
(工程 3) ャギ抗マウスァグロプリン血清等のようなマウス由来のモノクロ一ナ ル抗体に反応性を有するマウス以外の動物由来の抗血清を加え、 工程 2において 形成される試料中に含まれる哺乳動物 CTGF若しくは標識 CTGF標準物質と 該モノクローナル抗体との抗原抗体複合体に該抗血清を反応させ、 該複合体と抗 血清とからなる複合凝集物を凝集沈殿させる工程;
(工程 4) 工程 3の反応系を遠心分離して凝集沈殿した複合体を分離する工程; (工程 5) 工程 4で分離された複合凝集物に、 必要に応じて発色物質と共に、 用 いた酵素の種類に依存して種々の基質 (但し、 工程 2でペルォキシダーゼ等の酵 素で標識した標識標準物質を用いた場合) またはアビジンあるいは酵素修飾アビ ジン (但し、 工程 2でピオチンで標識した標識標準物質を用いた場合) を加え、 該基質、 アビジンまたは酵素修飾ァビジンと標識標準物質上の標識物質とを反応 させる工程;
(工程 6) 工程 5で酵素修飾アビジンを加えた場合には、 該修飾に用いた酵素の 種類に依存して種々の基質を加え、 アビジンに結合した酵素と基質を反応させる 工程;
(工程 7) 工程 5乃至工程 6の反応系に反応停止液を加え、 酵素反応及び発色反 応を停止させる工程;及び
(工程 8) 比色強度、 蛍光強度あるいは発光強度を測定する工程。
第 2の方法は、 下記のような工程から構成される。
(工程 1 ) ヒトまたはマウスの CTGFの標準物質をピオチンあるいはペルォキ シダーゼ等の酵素により標識し、 標識 CTGF標準物質を作製する工程;
(工程 2) 試験管、 プレートあるいはチューブ等のような内容積を有する容器に ヒトまたはマウスの血清等の試料を加え、 次いで本発明のモノクローナル抗体
「8-64-6」 または 「8-86-2」 を加え、 該試料と該モノクローナル抗体とを反応さ せる工程;
(工程 3) 工程 2の反応系に、 工程 1で作製した標識 CTGF標準物質を加え、 該標識 CTGF標準物質と、 工程 2で試料と未反応であった残余のモノクロ一ナ ル抗体とを反応させる工程;
(工程 4) ャギ抗マウス: グロプリン血清等のようなマウス由来のモノクロ一ナ ル抗体に反応性を有するマウス以外の動物由来の抗血清を加え、 工程 2において 形成される試料中に含まれる哺乳動物 CTGFと該モノクローナル抗体との抗原 抗体複合体、 及び/または工程 3において形成される標識 C T G F標準物質と該 モノクローナル抗体との抗原抗体複合体に、 該抗血清を反応させ、 該複合体と抗 血清とからなる複合凝集物を凝集沈殿させる工程;
(工程 5) 工程 4の反応系を遠心分離して凝集沈殿した複合体を分離する工程;
(工程 6) 工程 5で分離された複合凝集物に、 必要に応じて発色物質と共に、 用 いた酵素の種類に依存して種々の基質 (但し、 工程 3でペルォキシダーゼ等の酵 素で標識した標識標準物質を用いた場合) またはアビジンあるいは酵素修飾アビ ジン (但し、 工程 3でピオチンで標識した標識標準物質を用いた場合) を加え、 該基質、 アビジンまたは酵素修飾ァビジンと標識標準物質上の標識物質とを反応 させる工程;
(工程 7) 工程 6で酵素修飾アビジンを加えた場合には、 該修飾に用いた酵素の 種類に依存して種々の基質を加え、 アビジンに結合した酵素と基質を反応させる 工程;
(工程 8) 工程 6乃至工程 7の反応系に反応停止液を加え、 酵素反応及び発色反
応を停止させる工程;及び
(工程 9 ) 比色強度、 蛍光強度あるいは発光強度を測定する工程。
本発明における 「ァフィニティ一クロマトグラフィー」 とは、 抗原と抗体、 酵 素と基質、 あるいは受容体とリガンドといった物質間の相互作用 (親和性) を利 用することにより試料 (例えば、 血清及び血漿等の体液試料、 培養上清あるいは 遠心上清等) 中に含まれる目的物質を分離または精製する方法を意味する。 本発明発明の方法は、 抗原抗体反応、 即ち、 抗原としての哺乳動物の C T G F と、 哺乳動物の C T G Fに反応性を有する本発明のモノクロ一ナル抗体との親和 性を利用することにより、 試料 (例えば、 血清及び血漿等の体液試料、 培養上清 あるいは遠心上清等) 中に含まれる C T G Fを分離または精製する方法を意味す る。
具体的には、 ( 1 )前述のような不溶性担体であるフィル夕一あるいはメンブレ ン等に哺乳動物の C T G Fに反応性を有する本発明のモノクローナル抗体 (ある いは抗体フラグメント) を固定化した後、 該フィルターあるいはメンプレンに試 料を接触させることにより該試料中に含まれる C T G Fを分離する方法、 及び ( 2 ) 前述のようなセルロース系担体、 ァガロース系担体、 ポリアクリルアミ ド 系担体、 デキストラン系担体、 ポリスチレン系担体、 ポリビニルアルコール系担 体、 ポリアミノ酸系担体ある 、は多孔性シリ力系担体等のような不溶性担体上に 本発明の哺乳動物の C T G Fに反応性を有するモノクローナル抗体 (あるいは抗 体フラグメント) を常法により固定化 (物理的吸着、 架橋による高分子化、 マト リックス中への封印あるいは非共有結合等による固定化) し、 該不溶性担体をガ ラス製、プラスチック製あるいはステンレス製等のカラムに充填し、該カラム(例 えば、 円柱状カラム) に、 試料 (例えば、 血清若しくは血漿等の体液試料、 培養 上清あるいは遠心上清等) を通じて溶出させることにより、 該試料中に含まれる C T G Fを分離あるいは精製する方法である。 後者 (2 ) の方法を特にァフィ二 ティーカラムクロマトグラフィ一という。
該ァフィニティーカラムクロマトグラフィ一に用いられる前記不溶性担体とし ては、 本発明のモノクローナル抗体 (あるいは抗体フラグメント) を固定化でき 得るものであればどのような不溶性担体でも使用できるが、 例えば、 市販品であ る、 フアルマシア(Pharmacia)社製の Sepharose 2B、 Sepharose 4Bヽ Sepharose 6Bヽ CNBr - activated Sepharose 4B、 AH - Sepharose 4B、 CH-Sepharose 4B、 Activated CH-Sepharose 4B、 Epoxy - activated Sepharose 6B、 Activated thiol-Sepharose 4B、 SephadexN CM - Sephadex、 ECH - Sepharose 4B、 EAH - Sepharose 4B、 NHS - activated Sepharoseあるいは Thiopropyl Sepharose 6B等、 バイオラッド(Bio- Rad)社製の Bio-Gel Aヽ Cellex、 Cellex AE、 Cellex-CMヽ Cellex PAB、 Bio-Gel Pヽ Hydrazide Bio-Gel PsAminoethyl Bio-Gel P、 Bio-Gel CM. Aff i-Gel 10, Affi-Gel 15、Affi- Prep 10、 Affi-Gel Hzヽ Affi-Prep Hz、 Affi-Gel 102, CM Bio- Gel Aヽ Aff i-Gel heparinヽ Affi-Gel 501あるいは Affi- Gel 601等、 和光純薬工業社製のクロマゲル A、 ク ロマゲル P、 ェンザフィックス P- HZ、 ェンザフィックス P-SHあるいはェンザフ ィヅクス P- AB等、 セルバ(Serva)社製の AE-Cel lurose、 CM-Celluroseあるいは PAB Cellurose等を挙げることができる。
本発明における 「医薬組成物」 は、 有効成分としての本発明のモノクローナル 抗体若しくはその一部、 後述の 「C T G F阻害剤」、 「C T G F産生抑制剤」 また は 「 C T G Fの刺激の刺激により増殖する能力を有する細胞の C T G Fの刺激に よる増殖を抑制する能力を有する物質」 のいずれかと 「薬学的に許容され得る担 体」 とからなる医薬品として有用な組成物である。
ここで 「薬学的に許容され得る担体」 とは、 賦形剤、 希釈剤、 増量剤、 崩壊剤、 安定剤、 保存剤、 緩衝剤、 乳化剤、 芳香剤、 着色剤、 甘味剤、 粘稠剤、 矯味剤、 溶解補助剤あるいはその他の添加剤等が挙げられる。
そのような担体の一つ以上を用いることにより、 錠剤、 丸剤、 散剤、 顆粒剤、 注射剤、 液剤、 カプセル剤、 トロー剤、 エリキシル剤、 懸濁剤、 乳剤あるいはシ 口ップ剤等の形態の医薬組成物を調製することができる。
これらの医薬組成物は、 経口あるいは非経口的に投与することができる。 非経 口投与のためのその他の形態としては、 一つまたはそれ以上の活性物質を含み、 常法により処方される外用液剤、 腸溶内投与のための坐剤およびペッサリーなど が含まれる。
投与量は、 患者の年齢、 性別、 体重及び症状、 治療効果、 投与方法、 処理時間、 あるいは該医薬組成物に含有される活性成分 (前記タンパクや抗体など) の種類 などにより異なるが、 通常成人一人当たり、 一回につき 10〃gから lOOOmg (ある いは 10 zgから 500mg) の範囲で投与することができる。 しかしながら、 投与量 は種々の条件により変動するため、上記投与量より少ない量で十分な場合もあり、 また上記の範囲を越える投与量が必要な場合もある。
とりわけ注射剤の場合には、 例えば生理食塩水あるいは市販の注射用蒸留水等 の非毒性の薬学的に許容され得る担体中に 0.1 g抗体/ ml担体〜 10m 抗体/ ml 担体の濃度となるように溶解または懸濁することにより製造することができる。 このようにして製造された注射剤は、 処置を必要とするヒト患者に対し、 1回 の投与において 1 k g体重あたり、 1 g〜100mgの割合で、 好ましくは 50 /g〜 50mgの割合で、 1日あたり 1回〜数回投与することができる。投与の形態として は、 静脈内注射、 皮下注射、 皮内注射、 筋肉内注射あるいは腹腔内注射のような 医療上適当な投与形態が例示できる。 好ましくは静脈内注射である。
また、 注射剤は、 場合により、 非水性の希釈剤 (例えばプロピレングリコール、 ポリエチレングリコール、 オリ一ブ油のような植物油、 エタノールのようなアル コ一ル類など)、 懸濁剤あるいは乳濁剤として調製することもできる。
そのような注射剤の無菌化は、 バクテリア保留フィルターを通す濾過滅菌、 殺 菌剤の配合または照射により行うことができる。 注射剤は、 用時調製の形態とし て製造することができる。即ち、凍結乾燥法などによって無菌の固体組成物とし、 使用前に無菌の注射用蒸留水または他の溶媒に溶解して使用することができる。 本発明の医薬組成物は、 生体の種々の組織に由来する C T G Fの刺激により増
殖する能力を有する細胞(例えば、種々の繊維芽細胞、種々の血管内皮細胞、種々 の細胞など) の増殖を抑制するために有用である。該組織としては、 例えば、 脳、 頸部、 肺、 心臓、 肝臓、 滕臓、 腎臓、 胃、 大腸、 小腸、 十二指腸、 骨髄、 子宮、 卵巣、 精巣、 前立腺、 皮膚、 口腔、 舌、 及び血管が挙げられる。 好ましくは、 肺、 肝臓、 腎臓または皮膚を挙げることができる。
上述したとおり、 本発明の医薬組成物は、 上記のような C T G Fの刺激により 増殖する能力を有する細胞の増殖を抑制できることから、本発明の医薬組成物は、 また、 上記のような種々の組織における該細胞の増殖を伴う種々の疾患の治療ま たは予防のための医薬品として有用である。 当該疾患における細胞増殖を伴う組 織としては、 例えば、 脳、 頸部、 肺、 心臓、 肝臓、 脬臓、 腎臓、 胃、 大腸、 小腸、 十二指腸、 骨髄、 子宮、 卵巣、 精巣、 前立腺、 皮膚、 口腔、 舌、 及び血管が挙げ られる。 好ましくは、 肺、 肝臓、 腎臓または皮膚を挙げることができる。
該疾患としては、 例えば、 種々組織における繊維症 (腎繊維症、 肺繊維症、 肝 臓における繊維症、 皮膚における繊維症など)、 腎臓疾患 (例えば、 腎繊維症、 腎 炎、 腎不全など)、 肺における疾患(例えば、 肺繊維症、 肺炎など)、 皮膚疾患(例 えば、 乾癬、 強皮症、 アトピー、 ケロイ ドなど)、 肝臓疾患 (例えば、 肝臓での繊 維症、 肝炎、 肝硬変など)、 関節炎 (例えば、 慢性関節リウマチ)、 種々の癌、 あ る t、は動脈硬化症等の治療または予防への適用が可能である。
好ましくは、 腎臓疾患 (例えば、 腎繊維症、 腎炎、 腎不全など)、 肺における疾 患 (例えば、 肺繊維症、 肺炎など)、 皮膚疾患 (例えば、 乾癬、 強皮症、 アトピー、 ケロイ ドなど)、 あるいは肝臓疾患(例えば、肝臓での繊維症、肝炎、肝硬変など) を挙げることができる。
さらに好ましくは、 腎臓疾患 (例えば、 腎繊維症、 腎炎、 腎不全など) をあげ ることができる。
また、 本発明の医薬組成物には、 「C T G F阻害剤」、 「C T G F産生阻害剤」、 あるいは 「〇丁0 の刺激の刺激にょり増殖する能カを有する細胞の( 丁0 ?の
刺激による増殖を抑制する能力を有する物質」 を含んでなる医薬組成物も包含さ れる。
ここで、 該 「CTGF阻害剤」、 該 「CTGF産生阻害剤」 あるいは該 「物質」 とは、 CTGFの生物学的機能を抑制または阻害する活性を有する物質または各 種細胞からの C T G Fの産生を抑制若しくは阻害する活性を有する物質を意味す る。 例えば下記のいずれかの活性を有する物質を挙げることができる。
( 1) ヒト腎臓由来繊維芽細胞 (例えば、 細胞株 293-T (ATCC CRL1573)) とヒ 卜の C T G Fとの結合、 または該細胞とマウスの C TGFとの結合を抑制若しく は阻害する。
( 2 )ラット腎臓由来繊維芽細胞株(例えば、細胞株 NRK-49F (ATCC CRL- 1570))、 ヒト骨肉腫由来細胞株 MG-63 (ATCC CRL-1427) またはヒト肺由来繊維芽細胞のい ずれかとヒトの CTGFとの結合を抑制若しくは阻害する。
(3) ヒトの CTGFまたはマウスの CTGFの刺激によるラット腎臓由来繊 維芽細胞株 (例えば、 細胞株 NRK-49F (ATCC CRL-1570)) の細胞増殖を抑制若し くは阻害する。
(4) ヒドロキシプロリンの生成が上昇傾向を示している腎臓における該ヒド ロキシプロリンの生成の上昇を抑制若しくは阻害する。
上述の「物質」は具体的には、例えば下記のような物質を挙げることができる。
(a) 前述した本発明のモノクローナル抗体 (天然由来の抗体若しくは組換え 抗体に限らない。) または該抗体の一部。
(b) アンチセンス DNA。
(c) アンチセンス RNA。
(d) 上記 (a) 乃至 (c) 以外の低分子化学物質 (化学的合成物または天然 物)。
本発明におけるアンチセンス DNAとは、 哺乳動物 (好ましくはヒト) の CT GFタンパクをコードする DN Aの塩基配列中の部分塩基配列を含む DN A若し
くは該 DNAの一部が化学修飾されている DNA、 または該部分塩基配列に相補 的な塩基配列を含む DN A若しくは該 DN Aの一部が化学修飾されている DN A をあげることができる。
ここで、 「部分塩基配列」 とは、 哺乳動物(好ましくはヒト)の CTGFタンパ クをコードする DNAの塩基配列中に含まれる任意の部位における任意の数の塩 基からなる部分塩基配列を意味する。
該 DNAは、 該夕ンパクコードする DNAまたは RNAにハイプリダイズする ことにより、 該 DNAの mRNAへの転写あるいは該 mRNAの夕ンパクへの翻 訳を阻害することにより、 CTGFタンパクの産生を阻害することができる。 該部分塩基配列としては、 連続した 5乃至 100塩基の部分塩基配列が挙げら れ、 好ましくは、 連続した 5乃至 70塩基の部分塩基配列、 さらに好ましくは連 続した 5乃至 50塩基の部分塩基配列、 より好ましくは連続した 5乃至 30塩基 の部分塩基配列が挙げられる。
また、 この DNAをアンチセンス医薬として用いる場合には、 該 DNAが患者 の体内に投与された場合の血中半減期の増大(安定性)、細胞内膜の透過性の増大、 あるいは経口投与の場合の消化器官での分解耐性の増大若しくは吸収の増大など の目的のために、該 DN Aの塩基配列の一部に化学修飾を施すことが可能である。 化学修飾としては、 例えば、 オリゴヌクレオチドの構造中のリン酸結合、 リボー ス、 核酸塩基、 糖部位、 3' 及び/または 5' 末端等の化学修飾が挙げられる。 リン酸結合の修飾としては、 1以上の該結合を、 ホスホジエステル結合 (D-ォ リゴ)、 ホスホロチォェ一ト結合、 ホスホロジチォェ一ト結合 (S-オリゴ)、 メチ ルホスホネ一ト結合 (MP-オリゴ)、 ホスホロアミデート結合、 非リン酸結合及び メチルホスホノチォェ一卜結合のいずれかまたはそれらの組み合わせへの変更を 挙げることができる。 リボースの修飾としては、 2,-フルォロリボースあるいは 2' - 0-メチルリボースへなどへの変更を挙げることができる。核酸塩基の修飾とし ては、 5-プロピニルゥラシルまたは 2-アミノアデニンなどへの変更が挙げられる c
本発明におけるアンチセンス RNAとは、 哺乳動物 (好ましくはヒト) の CT GFタンパクをコードする RN Aの塩基配列中の部分塩基配列を含む RN A若し くは該 RNAの一部が化学修飾されている RNA、 または該部分塩基配列に相補 的な塩基配列を含む RN A若しくは該 RN Aの一部が化学修飾されている RN A をあげることができる。
ここで、 「部分塩基配列」 とは、 哺乳動物(好ましくはヒト)の CTGFタンパ クをコードする RNAの塩基配列中に含まれる任意の部位における任意の数の塩 基からなる部分塩基配列を意味する。
該 R N Aは、 該夕ンパクコードする D N Aまたは R N Aにハイブリダィズする ことにより、 該 DNAの mRNAへの転写あるいは該 mRNAのタンパクへの翻 訳を阻害することにより、 CTGFタンパクの産生を阻害することができる。 該部分塩基配列としては、 連続した 5乃至 1 00塩基の部分塩基配列が挙げら れ、 好ましくは、 連続した 5乃至 70塩基の部分塩基配列、 さらに好ましくは連 続した 5乃至 50塩基の部分塩基配列、 より好ましくは連続した 5乃至 30塩基 の部分塩基配列が挙げられる。
また、 この RNAをアンチセンス医薬として用いる場合には、 該 RNAが患者 の体内に投与された場合の血中半減期の増大(安定性)、細胞内膜の透過性の増大、 あるいは経口投与の場合の消化器官での分解耐性の増大若しくは吸収の増大など の目的のために、該 R N Aの塩基配列の一部に化学修飾を施すことが可能である。 化学修飾としては、 例えば、 オリゴヌクレオチドの構造中のリン酸結合、 リボー ス、 核酸塩基、 糖部位、 3' 及び/または 5' 末端等の化学修飾が挙げられる。 リン酸結合の修飾としては、 1以上の該結合を、 ホスホジエステル結合 (D -才 リゴ)、 ホスホロチォェ一ト結合、 ホスホロジチォェ一ト結合 (S-オリゴ)、 メチ ルホスホネート結合 (MP-オリゴ)、 ホスホロアミデート結合、 非リン酸結合及び メチルホスホノチォエート結合のいずれかまたはそれらの組み合わせへの変更を 挙げることができる。 リボースの修飾としては、 2,-フルォロリボースあるいは
2' -0-メチルリボースへなどへの変更を挙げることができる。核酸塩基の修飾とし ては、 5-プロビニルゥラシルまたは 2-アミノアデニンなどへの変更が挙げられる c また、 本発明の医薬組成物の種々疾患症状の治療効果については、 常法に従つ て、 既知の疾患モデル動物に投与することにより試験、 検討することができる。 例えば、 組織繊維症の一つであり、 また腎臓疾患の 1つでもある腎繊維症の治 療効果の検討の場合には、 マウスの一方の尿管を結紮し腎臓の血液等のろ過機能 を停止させることにより腎機能不全を惹起させたモデルマウス (UU0 モデル、 Unilateral ureteral obstruction) に、 本発明の医薬組成物を投与し、 該腎機能 不全により惹起される腎炎及び腎繊維症の発症の指標であるヒドロキシプロリン の生成の上昇を抑制する程度を測定する方法を用いることができる。 該ヒドロキ シプロリンの濃度の低減は、 該医薬組成物が該腎臓疾患の治療に有効であること を示すものである。
腎疾患、 例えば、 微小糸球体異常 (例えば、 ネフローゼ型微小変化群(MCNS) )、 巣状糸球体硬化症 (FGS)、 膜性糸球体腎炎 (膜性腎症、 丽)、 IgA腎症、 メサンギ ゥム増殖性腎炎、 溶連菌感染後急性糸球体腎炎(APSGN)、 半月体形成性(管外性) 腎炎、 間質性腎炎、 あるいは急性腎不全などについては、 既報に詳述されるモデ ル動物を用いることができる (「疾患別モデル動物の作製と新薬開発のための試 験 -実験法」、 p.34-46、 1993、 技術情報協会 (発行))。
皮膚疾患、 例えば、 創傷、 ケロイ ド、 アトピー、 皮膚炎、 強皮症あるいは乾癬 などについては、既報に詳述されるモデル動物を用いることができる(「疾患別モ デル動物の作製と新薬開発のための試験 ·実験法」、 p.229-235、 1993、 技術情報 協会 (発行))。
肝臓疾患、 例えば、 肝炎 (例えば、 ウィルス性肝炎 (A型、 B型、 C型、 E型 など)など)、肝硬変あるいは薬物肝障害などについては、既報に詳述されるモデ ル動物を用いることができる (「疾患別モデル動物の作製と新薬開発のための試 験 '実験法」、 p.119-129及び p.349-358、 1993、 技術情報協会 (発行))。
例えば、 動脈硬化症及び再狭窄への効果の検討の場合には、 ラット大動脈にバ ルーンカテーテルを挿入し PTCA を施し疑似的に作成した再狭窄モデルを使用す ることができる。
例えば、 腫瘍の増殖及び転移への効果の確認の場合には、 Balb/cマウス 等の正常マウス、 ヌードマウスもしくは S C I Dマウス等のモデルマウス等の巿 版のマウスの例えば皮下、 尾静脈、 脾臓内、 腎被膜下、 腹腔内あるいは盲腸壁内 等に、癌細胞を移植することにより作製した癌転移モデルを用いることができる。 本発明の「ラヅ 卜の CTGFj (具体的には、配列番号 2に記載されるアミノ酸 配列または該アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有する) 及び 「ラッ トの CTGFをコードする DNA」 (具体的には、配列番号 1に記載される塩基配 列中の塩基番号 213乃至 1256迄の塩基配列を含む DNA)は、下記のような意味 を以て定義されるとともに、 下記に述べるような常法に従って製造することがで ぎる。
なお、 「実質的に同一」 なる用語は前述のとおりの意味を有する。
本発明の 「ラッ 卜の CTGF」 は、 後述するような遺伝子組換え技術のほか、 化学的合成法、 細胞培養方法等のような当該技術的分野において知られる公知の 方法あるいはその修飾方法を適宜用いることにより製造することができる。
本発明の 「DNA」 は、 本発明のラヅ卜の C TGFをコ一ドする DNAであつ て、 本発明のラットの CTGFをコードし得るいかなる塩基配列をも包含する。 具体的には、 配列番号 2に記載されるァミノ酸配列を有するポリペプチドをコ一 ドする DN Aが挙げられる。 好適な態様としては、 配列番号 1に記載される塩基 配列中の塩基番号 213乃至 1256迄の塩基配列を含む D N A (例えば、配列番号 1 に記載の塩基配列を有する DNA) が挙げられる。
本発明におけるラッ卜の CTGFをコードする DN Aとしては、 cDNA及び ゲノミック DNAのいずれをも包含する。
本発明においては、 同一のアミノ酸をコードするコドンであればどのようなコ
ドンから構成される DNAを含む。
また、 本発明の DN Aは、 いかなる方法で得られるものであってもよい。 例え ば mRNAから調製される相補 DNA (cDNA)、ゲノム D N Aから調製される DNA、 化学合成によって得られる DNA、 RNAまたは DNAを錡型として P CR法で増幅させて得られる DN Aおよびこれらの方法を適当に組み合わせて構 築される DN Aをも全て包含するものである。
本発明におけるラヅ トの CTGFをコードする DNAは、 常法に従って、 該ラ ヅ トの CTGFをコ一ドする mRNAから cDN Aをクロ一ン化する方法、 ゲノ ム D N Aを単離してスプライシング処理する方法、 該 c D N A配列若しくは m R N A配列を鎵型として PCRにより調製する方法、 または化学合成する方法等に より取得することができる。
本発明のラットの CTGFをコ一ドする DNAは、 そのようにして調製した該 ラッ 卜の CTGFをコードする各々の DNAを適切な制限酵素による切断 (消化) し、 得られた DNA断片を、 必要に応じてリンカ一 DNAあるいはタグ(Tag) と共に、 適切な DN Aポリメラ一ゼ等を用いて連結することにより調製すること ができる。
該ラッ卜の CTGF (以下、 目的蛋白という) をコードする cDNAを mRN Aからクロ一ン化する方法としては、 以下の方法が例示される。
まず、 目的蛋白を発現 ·産生する組織あるいは細胞 (例えば、 ラット線維芽細 胞など) から目的蛋白をコードする mRNAを調製する。 mRNAの調製は、 例 えばグァニジンチオシァネート法 (チヤ一グウィン (Chirgwin) ら、 バイオケミ ストリー (Biochemistry), 第 18巻、 第 5294頁、 1979年)、 熱フエノ一 ル法もしくは AG P C法等の公知の方法を用いて調製した全 R N Aをォリゴ ( d T) セルロースやポリ U—セファロース等によるァフィ二ティクロマトグラフィ —にかけることによって行うことができる。
次いで得られた mRNAを錡型として、 例えば逆転写酵素を用いる等の公知の
方法、 例えばォカャマらの方法 (モレキュラーセルバイオロジー (Mol. Cell. Biol.)、 第 2卷、 第 16 1頁、 1982年及び同誌 第 3巻、 第 280頁、 198 3年) やホフマン (Hoffman) らの方法 (ジーン (Gene)、 第 25卷、 第 263頁、 1983年) 等により cDNA鎖を合成し、 c D N Aの二本鎖 c D N Aへの変換 を行う。 この cDNAをプラスミ ドベクター、 ファージベクタ一またはコスミ ド ベクターに組み込み、 大腸菌を形質転換して、 あるいはインビトロパッケ一ジン グ後、 大腸菌に形質移入 (トランスフエク卜) することにより cDNAライブラ リーを作製する。
ここで用いられるプラスミ ドベクタ一としては、 宿主内で複製保持されるもの であれば特に制限されず、 また用いられるファージベクターとしても宿主内で増 殖できるものであれば良い。 常法的に用いられるクローニング用ベクターとして pUC 19、 え gt l 0、 t 1 1等が例示される。 ただし、 後述の免疫学的 スクリーニングに供する場合は、 宿主内で目的蛋白をコ一ドする遺伝子を発現さ せうるプロモーターを有したベクターであることが好ましい。
プラスミ ドに c D NAを組み込む方法としては、 例えばマニアティス (Maniatis) らの方法 (モレキュラークローニング、 ァ 'ラボラトリ一 'マニュ アル (Molecular Cloning, A Laboratory Manual , second edition)^ コ——ノレドス プリングハーバーラボラトリ一 (Cold Spring Harbor Laboratory)^ 第 1.53頁、 1989年) に記載の方法などが挙げられる。 また、 ファージベクターに cDN Aを組み込む方法としては、 ヒユン (Hyunh) らの方法(D N Aクローニング、 プ ラクティカルァプロ一チ (DNA Cloning, a practical approach), 第 1卷、 第 49 頁、 1985年) などが挙げられる。 簡便には、 市販のクローニングキット (例 えば、 宝酒造社製等) を用いることもできる。 このようにして得られる組換えプ ラスミ ドゃファ一ジベクターは、 原核細胞(例えば、 E. c o l i : HB 101、 DH5ひ、 Y 1090、 DH l 0Bまたは MC 1061/P 3等) 等の適当な宿 主に導入する。
プラスミ ドを宿主に導入する方法としては、 (モレキュラークロ一ニング、ァ · ラボラ卜 U—— ·マ二ユアノレ (Molecular Cloning, A Laboratory Manual, second edition). コールドスプリングハ一バーラボラ ト リ一 (Cold Spring Harbor Laboratory), 第 1.74頁、 1989年) に記載の塩ィ匕カルシウム法または塩化力 ルシゥム /塩化ルビジウム法、エレクトロポレーシヨン法等が挙げられる。また、 ファージベクターを宿主に導入する方法としてはファージ DNAをインビトロパ ッケージングした後、 増殖させた宿主に導入する方法等が例示される。 インビト 口パッケージングは、 市販のインビトロパッケージングキット (例えば、 ストラ 夕ジーン社製、 アマシャム社製等) を用いることによって簡便に行うことができ る。
上記の方法によって作製された cDN Aライブラリーから、 目的蛋白をコード する cDNAを単離する方法は、 一般的な cDNAスクリーニング法を組み合わ せることによって行うことができる。
例えば、 別個に目的蛋白のァミノ酸配列に対応すると考えられるオリゴヌクレ ォチドを化学合成したのち、 これを 32Pでラベルしてプローブとなし、 公知のコ ロニ一ハイブリダィゼ一シヨン法(クランシュ夕イン (Crunstein) ら、 プロシ一 デイングスォブナショナルアカデミーォブサイエンス (Proc. Natl. Acid. Sci. USA)、 第 72卷、 第 3961頁、 1975年) またはプラークハイブリダィゼ一 シヨン i£ (Molecular Cloning, A Laboratory Manual , second edition, Cold Spring Harbor Laboratory, 第 2.108頁、 1989年) により、 目的の c D N A を含有するクローンをスクリーニングする方法、 PCRプライマーを作製し目的 蛋白の特定領域を P C R法により増幅し、 該領域をコードする D N A断片を有す るクローンを選択する方法等が挙げられる。
また、 cDNAを発現しうるべクタ一 (例えば、 人 g t 11等のファージべク 夕一) を用いて作製した cDNAライブラリ一を用いる場合には、 目的蛋白に反 応性を有する抗体を用いる抗原抗体反応を利用して、 目的のクローンを選択する
ことができる。 大量にクローンを処理する場合には、 PCR法を利用したスクリ —ニング法を用いることが好ましい。
この様にして得られた DNAの塩基配列はマキサム 'ギルバート法 (マキサム (Maxam) ら、 Pro Natl. Acad. Sci. USA.ヽ 第 74卷、 第 560頁、 1977 年) あるいはファージ Ml 3を用いたジデォキシヌクレオチド合成鎖停止の方法 (サンガ一 (Sanger) ら、 Proc. Natl. Acad. Sci. USA.、 第 74卷、 第 546 3
〜5467頁、 1977年) によって決定することができる。 目的蛋白をコード する遺伝子は、 その全部または一部を上記のようにして得られるクローンから制 限酵素等により切り出すことにより取得できる。
また、 前述のような目的蛋白を発現する細胞に由来するゲノム DN Aから目的 蛋白をコードする DNAを単離することによる調製方法としては、 例えば以下の 方法が例示される。
該細胞を好ましくは S D Sまたはプロテナーゼ K等を用いて溶解し、 フエノー ルによる抽出を反復して DN Aの脱蛋白質を行う。 RNAを好ましくはリボヌク レァ一ゼにより消化する。 得られる D N Aを適当な制限酵素により部分消化し、 得られる DN A断片を適当なファ一ジまたはコスミ ドで増幅しライブラリーを作 成する。 そして目的の配列を有するクローンを、 例えば放射性標識された DNA プローブを用いる方法等により検出し、 該クローンから目的蛋白をコードする遺 伝子の全部または一部を制限酵素等により切り出し取得する。
目的蛋白をコードする DN Aの P CRによる調製は、 該目的蛋白の既知の mR NAまたは c DNA等を錡型として常法により調製することができる(「遺伝子増 幅 PC R法 ·基礎と新しい展開」、 共立出版株式会社発行、 1992年など)。
また、 化学的合成による目的蛋白をコードする DNAの製造は、 目的蛋白の塩 基配列をもとにして、 常法に従って行うことができる。
本発明のラッ卜の CTGFは、 上述に例示した方法を用いて調製したラッ卜の CTGFをコ一ドするDNA (cDN Aあるいはイントロンを含むゲノミック D
NA) を、 各々適切な制限酵素で切断することにより、 該ラッ 卜の CTGFコ一 ドする DN A断片を得、 それらの断片を、 必要に応じてリンカ一 DN Aあるいは タグ (Tag) と共に、 適切な DN Aポリメラーゼ等を用いて連結させて得た D NAを用いて、 慣用される遺伝子組換え技術を用いて、 常法により組換え蛋白と して調製することができる。
具体的には下記の例示されるとおりである。 即ち、 上述のようにして調製した DNAを、 下記に詳述するようなべクタ一に挿入して発現ベクターを作成し、 該 発現ベクターで後述するような宿主細胞を形質転換して形質転換体を得る。 該形 質転換体を培養することにより、 培養上清中に該目的蛋白を産生させる。 培養上 清中の該目的蛋白は、 カラムクロマトグラフィー等を用いて容易に精製すること ができる。
本発明は、 また本発明のラット CTGFをコードする DNAを含有する発現べ クタ一に関する。 本発明の発現べクタ一としては、 原核細胞及び/または真核細 胞の各種の宿主内で複製保持または自己増殖できるものであれば特に制限されず、 プラスミ ドベクターおよびファージベクタ一が包含される (Cloning Vectors: A Laboratory Manual, エルスビュ—社、 ニューヨーク、 1985年)。
当該発現べクタ一は、簡便には当業界において入手可能な組換え用べクタ一(プ ラスミ ド DNAおよびバクテリアファージ DNA) に本発明のラヅト CTGFを コードする DN Aを常法により連結することによって調製することができる。 用 いられる組換え用べクタ一として具体的には、 大腸菌由来のプラスミ ドとして例 えば pBR322、 pBR325, pUC12、 pUC13、 pUC19など、 酵母由来プラスミ ドとして例 えば pSH19、 pSH15など、枯草菌由来プラスミ ドとして例えば pUB110、 pTP5、 pC194 などが例示される。 また、 ファージとしては、 人ファージなどのバクテリオファ —ジが、 さらにレトロウイルス、 ヮクシニヤウィルス、 核多角体ウィルスなどの 動物や昆虫のウィルス (pVL1393、 インビトロゲン社製) が例示される。
本発明のラット CTGFをコードする DN Aを発現させ該ラヅト CTGFを生
産させる目的においては、 プラスミ ドベクターが有用である。 プラスミ ドベクタ —としては、 原核細胞および/または真核細胞の各種の宿主細胞中で該ラッ ト C TGFをコードする遺伝子を発現し、 これらのポリべプチドを生産する機能を有 するものであれば特に制限されない。 例えば、 pMAL C2、 pcDNA3.1(- )、 pEF-BOS (ヌクレイヅクアシッドリサ一チ (Nucleic Acid Research), 第 18卷、 第 53 22頁、 1990年等) あるいは pME18S (実験医学別冊「遺伝子工学ハンドブッ ク」、 1992年等) 等を挙げることができる。
宿主細胞として細菌、 特に大腸菌を用いる場合、 一般に発現ベクターは少なく ともプロモー夕——ォペレ一夕一領域、 閧始コドン、 本発明のタンパクをコード する DNA、 終止コドン、 夕一ミネ一夕一領域および複製可能単位から構成され る。
宿主として酵母、 動物細胞または昆虫細胞を用いる場合、 発現べクタ一は少な くともプロモ一夕一、開始コドン、本発明のラッ ト CTGFをコードする DNA、 終止コドンを含んでいることが好ましい。 またシグナルぺプチドをコードする D NA、 ェンハンサー配列、 本発明のラッ ト CTGFをコードする遺伝子の 5, 側 および 35側の非翻訳領域、 スプライシング接合部、 ポリアデニレーシヨン部位、 選択マ一力一領域または複製可能単位などを含んでいてもよい。 また、 目的に応 じて通常用いられる遺伝子増幅遺伝子 (マ一力一) を含んでいてもよい。
細菌中で本発明のラット CTGFを発現させるためのプロモー夕一一オペレー 夕—領域は、 プロモ一夕一、 オペレータ一および Shine- Dalgarno(SD)配列 (例え ば、 AAGGなど) を含むものである。 例えば宿主がェシエリキア属菌の場合、 好適には T r pプロモ一夕一、 lacプロモー夕一、 re c Aプロモーター、 入 PLプロモーター、 lppプロモー夕一、 t a cプロモーターなどを含むものが 例示される。
酵母中で本発明のラヅト CTGFを発現させるためのプロモーターとしては、 PH05プロモーター、 PGKプロモー夕一、 GAPプロモー夕一、 ADHプロ
モ—夕—が挙げられ、 宿主がバチルス属菌の場合は、 SL 01プロモ一夕一、 S P 02プロモーター、 p e nPプロモ一夕一などが挙げられる。
また、 宿主が哺乳動物細胞等の真核細胞である場合、 SV40由来のプロモ一 夕一、 レトロウイルスのプロモー夕一、 ヒートショックプロモーターなどが挙げ られる。 好ましくは、 SV40、 レトロウイルスである。 しかし、 特にこれらに 限定されるものではない。 また、 発現にはェンハンサ一の利用も効果的な方法で ある。
好適な閧始コドンとしては、 メチォニンコドン (ATG) が例示される。
終止コドンとしては、 常用の終止コドン (例えば、 TAG、 TAA、 TGA) が例示される。
夕一ミネ一夕一領域としては、 通常用いられる天然または合成の夕一ミネ一夕 —を用いることができる。
複製可能単位とは、 宿主細胞中でその全 D N A配列を複製することができる能 力をもつ DN Aを言い、 天然のプラスミ ド、 人工的に修飾されたプラスミ ド (天 然のプラスミ ドから調製された DN Aフラグメント) および合成プラスミ ド等が 含まれる。 好適なプラスミ ドとしては、 E.coliではプラスミ ド pBR322、 も しくはその人工的修飾物 (pBR 322を適当な制限酵素で処理して得られる D NAフラグメント) が、 酵母では酵母 2〃プラスミ ド、 もしくは酵母染色体 DN Aが、また哺乳動物細胞ではプラスミ ド pRSVneo ATCC 37198、プラスミ ド pSV2dhfr ATCC 37145、プラスミ ド pdBPV-MMTneo ATCC 37224、プラスミ ド pSV2neoATCC 37149、 プラスミ ド pSV2bsr等があげられる。
ェンハンサー配列、 ポリアデ二レ一ション部位およびスブライシング接合部位 については、 例えばそれぞれ SV40に由来するもの等、 当業者において通常使 用されるものを用いることができる。
選択マ一カーとしては、通常使用されるものを常法により用いることができる。 例えばテトラサイクリン、 アンピシリン、 またはカナマイシン等の抗生物質耐性
遺伝子等が例示される。
遺伝子増幅遺伝子としては、 ジヒドロ葉酸レダク夕ーゼ (D H F R ) 遺伝子、 チミジンキナーゼ遺伝子、 ネオマイシン耐性遺伝子、 グルタミン酸合成酵素遺伝 子、 アデノシンデアミナーゼ遺伝子、 オル二チンデカルボキシラ一ゼ遺伝子、 ヒ グロマイシン一 B—ホスホトランスフェラーゼ遺伝子、 ァスパルラート トランス カルバミラーゼ遺伝子等を例示することができる。
本発明の発現べクタ一は、 少なくとも、 上述のプロモー夕一、 開始コドン、 本 発明のタンパクをコ一ドする D N A、 終止コドンおよび夕一ミネ一夕一領域を連 続的かつ環状に適当な複製可能単位に連結することによつて調製することができ る。 またこの際、 所望により制限酵素での消化や T 4 D N Aリガーゼを用いるラ ィゲーシヨン等の常法により適当な D N Aフラグメント (例えば、 リンカ一、 他 のリストリクシヨンサイ トなど) を用いることができる。
本発明の形質転換細胞は、 上述の発現ベクターを宿主細胞に導入することによ り調製することができる。
本発明で用いられる宿主細胞としては、 前記の発現ベクターに適合し、 形質転 換されうるものであれば特に限定されず、 本発明の技術分野において通常使用さ れる天然細胞あるいは人工的に樹立された組換え細胞など種々の細胞 (例えば、 細菌 (ェシヱリキア属菌、 バチルス属菌)、 酵母 (サッカロマイセス属、 ビキア属 など)、 動物細胞または昆虫細胞など) が例示される。
好ましくは大腸菌あるいは動物細胞であり、 具体的には大腸菌(DH5ひ、 DH10B, TB HB10 XL-2Blue 等)、 マウス由来細胞 (C O P、 L、 C127, Sp2/0、 NS-1 または NIH3T3等)、 ラット由来細胞、 ハムスター由来細胞 (BHKおよび CH0等)、 サル由来細胞 (C0S1、 C0S3、 C0S7、 CVl及び Velo等) およびヒト由来細胞 (Hela、 2倍体線維芽細胞に由来する細胞、 ミエローマ細胞および Namalwa等) などが例 示される。
発現ベクターの宿主細胞への導入(形質転換(形質移入))は従来公知の方法を
用いて行うことができる。
例えば、 細菌 (E.coli、 Bacillus subtilis等) の場合は、 例えば Cohenらの 方法 (Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 第 69卷、 第 21 10頁、 1972年)、 プロトプラス卜法 (Mol. Gen. Genet.、 第 168卷、 第 1 1 1頁、 1979年) やコンビテント法 (ジャーナルォブモレキュラーバイオロジー (J. Mol. Biol.)、 第 56卷、 第 209頁、 197 1年) によって、 Saccharomyces cerevisiaeの場 合は、 例えばハイネン (Hinnen) らの方法 (Proc. Natl. Acad. Sci. USA.ヽ 第 7 5卷、 第 1927頁、 1978年) やリチウム法 (J. Bacteriol.、 第 153卷、 第 163頁、 1983年)によって、動物細胞の場合は、例えばグラハム(Graham) の方法 (バイロロジ一 (Virology)、 第 52卷、 第 456頁、 1973年)、 昆虫 細胞の場合は、 例えばサマーズ (Summers) らの方法 (Mol. Cell. Biol.、 第 3卷、 第 2156〜第 2 165頁、 1983年) によってそれぞれ形質転換することが できる。
本発明のラット CTGFは、 上記の如く調製される発現ベクターを含む形質転 換細胞(以下、形質移入体を包含する意味で使用する。) を栄養培地で培養するこ とによって製造することができる。
栄養培地は、 宿主細胞 (形質転換体) の生育に必要な炭素源、 無機窒素源もし くは有機窒素源を含でいることが好ましい。炭素源としては、例えばグルコース、 デキストラン、 可溶性デンプン、 ショ糖などが、 無機窒素源もしくは有機窒素源 としては、 例えばアンモニゥム塩類、 硝酸塩類、 アミノ酸、 コーンスチ一プ ' リ カー、 ペプトン、 カゼイン、 肉エキス、 大豆粕、 バレイショ抽出液などが例示さ れる。 また所望により他の栄養素 (例えば、 無機塩 (例えば塩化カルシウム、 リ ン酸ニ水素ナトリゥム、 塩化マグネシウム)、 ビ夕ミン類、 抗生物質(例えばテト ラサイクリン、 ネオマイシン、 アンピシリン、 カナマイシン等) など) を含んで いてもよい。
培養は当業界において知られている方法により行われる。 培養条件、 例えば温
度、 培地の pHおよび培養時間は、 本発明のタンパクが大量に生産されるように 適宜選択される。
なお、 下記に宿主細胞に応じて用いられる具体的な培地および培養条件を例示 するが、 何らこれらに限定されるものではない。
宿主が細菌、 放線菌、 酵母、 糸状菌である場合、 例えば上記栄養源を含有する 液体培地が適当である。 好ましくは、 pHが 5~8である培地である。
宿主が E.coliの場合、好ましい培地として L B培地、 M 9培地(ミラー (Miller) ら、 Exp. Mol. Genetヽ Cold Spring Harbor Laboratoryヽ 第 431頁、 1972 年)、 YT培地等が例示される。 かかる場合、 培養は、 必要により通気、 撹拌しな がら、 通常 14〜43°C、 約 3〜24時間行うことができる。
宿主が Bacillus属菌の場合、 必要により通気、撹拌をしながら、通常 30〜4 0°C、 約 16〜96時間行うことができる。
宿主が酵母である場合、 培地として、 例えば Burkholder最小培地(ボスチアン
(Bostian)、 Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 第 77卷、 第 4505頁、 1980 年)が挙げられ、 pHは 5〜 8であることが望ましい。培養は通常約 20 ~ 35 °C で約 14〜144時間行なわれ、 必要により通気や撹拌を行うこともできる。 宿主が動物細胞の場合、 培地として例えば約 5〜 20 %の胎児牛血清を含む M EM培地 (サイエンス (Science), 第 122卷、 第 501頁、 1952年)、 DM EM培地 (バイロロジ一 (Virology)、 第 8卷、 第 396頁、 1959年)、 RP MI 1640培地 (J. Am. Med. Assoc.、 第 199巻、 第 519頁、 1967年)、 199培地(proc. Soc. Exp. Biol. Med.、第 73卷、第 1頁、 1950年)、 HamF12 培地等を用いることができる。 培地の pHは約 6〜8であるのが好ましく、 培養 は通常約 30〜40°Cで約 15〜72時間行なわれ、 必要により通気や撹拌を行 うこともできる。
宿主が昆虫細胞の場合、 例えば胎児牛血清を含む Grace's培地 (Pro Natl. Acad. Sci. USA, 第 82卷、 第 8404頁、 1985年) 等が挙げられ、 その p
Hは約 5〜 8であるのが好ましい。 培養は通常約 20〜40°Cで 15〜 100時 間行なわれ、 必要により通気や撹拌を行うこともできる。
本発明のラット CTGFは、 上述のような形質転換細胞 (特に動物細胞または 大腸菌) を培養することにより、 培養上清中に分泌させることにより製造するこ とができる。即ち、得られた培養物を濾過または遠心分離等の方法で培養濾液(上 清) を得、 該培養濾液から天然または合成蛋白質を精製並びに単離するために一 般に用いられる常法に従って該本発明のラット CTGFを精製、 単離する。
単離、 精製方法としては、 例えばァフィ二ティ一カラムクロマトグラフィーな どの特異的親和性を利用する方法、塩析、溶媒沈澱法等の溶解度を利用する方法、 透析、 限外濾過、 ゲル濾過、 ドデシル硫酸ナトリウム一ポリアクリルアミ ドゲル 電気泳動など分子量の差を利用する方法、 イオン交換クロマトグラフィーゃヒド ロキシルァパタイ トク口マトグラフィ一などの荷電を利用する方法、 逆相高速液 体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、 等電点電気泳動などの 等電点の差を利用する方法などが挙げられる。
一方、 本発明のラット CTGFが培養された形質転換体のペリブラズムまたは 細胞質内に存在する場合は、 培養物を濾過または遠心分離などの常法に付して菌 体あるいは細胞を集め、 適当な緩衝液に懸濁し、 例えば超音波ゃリゾチーム及び 凍結融解などの方法で細胞等の細胞壁および Zまたは細胞膜を破壊した後、 遠心 分離やろ過などの方法で本発明のラット CTGFを含有する膜画分を得る。 該膜 画分をトライ トン— X 100等の界面活性剤を用いて可溶化して粗溶液を得る。 そして、 当該粗溶液を先に例示したような常法を用いることにより、 単離、 精製 することができる。
本発明における 「トランスジエニックマウス」 は、 上述のような方法に従って 調製できるヒト CTGFをコードする DNA(cDNAまたはゲノミック DNA) がマウスの内在性遺伝子座上にインテグレート (integrate)されているトランス ジエニックマウスマウスであり、 該トランスジエニックマウスは、 体内にヒト C
TGFを発現、 分泌する。
該トランスジエニックマウスは、 前述したようなトランスジエニック動物の製 造において通常使用されるような常法 (例えば、 最新動物細胞実験マニュアル、 エル ·アイ ·シ一発行、 第 7章、 第 361〜第 408頁、 1990年を参照) に 従って作製することが可能である。 具体的には、 例えば、 正常マウス胚盤胞 (blastcyst) のから取得した ES細胞 (embryonic stem cell) を、 該ヒト CT GFをコードする遺伝子が発現可能なように挿入された発現べク夕一で形質転換 する。 ヒト CTGFをコードする遺伝子が内在性遺伝子上にィンテグレートされ た E S細胞を常法により選別する。 次いで、 選別した ES細胞を、 別の正常マウ スから取得した受精卵 (肺盤胞) にマイクロインジヱクシヨンする (Proc.Natl. Acad. Sci. USA, Vol.77, No.12, pp.7380-7384, 1980;米国特許第 4,873,191 号公報)。該胚盤胞を仮親としての別の正常マウスの子宮に移植する。そうして該 仮親マウスから、 キメラトランスジエニックマウスが生まれる。 該キメラトラン スジエニックマウスを正常マウスと交配させることによりヘテロトランスジェニ ックマウスを得る。 該ヘテロ (heterogeneic) トランスジエニックマウス同士を 交配することにより、 メンデルの法則に従って、 ホモ (homogeneic) トランスジ エニックマウスが得られる。 図面の簡単な説明
図 1は、 ヒト CTGFまたはマウス CTGFを各種哺乳動物に免疫して調製し た各種のモノクローナル抗体の特性を示す図である。
図 2は、 ヒト CTGFをヒト抗体産生トランスジエニックマウスに免疫して調 製した各種のヒトモノクローナル抗体の特性を示す図である。
図 3は、 ヒト、 マウス及びラットのいずれの CTGFにも反応性を有するモノ クロ一ナル抗体 8-86-2 を吸着させたァフィ二ティーカラムを用いて精製した組 換えヒト CTGF、 組換えマウス CTGF及び組換えラヅト CTGFの SDSポリ
ァクリルアミ ドゲルでの電気泳動の状態を示す図である。
図 4は、 ヒト、 マウス及びラットのいずれの C TGFにも反応性を有するモノ クローナル抗体 8-86-2 を吸着させたァフィ二ティ一カラムを用いて精製した組 換えヒト CTGF、 組換えマウス CTGF及び組換えラヅ ト CTGFの、 ラヅト 腎臓由来線維芽細胞 NRK-49Fの細胞増殖促進活性を示す図である。
縦軸は細胞増殖促進活性の強弱の指標としての [3H]チミジンの細胞内への取 込み量を示し、 横軸は各々の組換え C T G Fの濃度を示す。
図 5は、 ヒト CTGFまたはマウス CTGFを各種哺乳動物に免疫して調製し た各種のモノクロ一ナル抗体のヒト CTGFに対する反応性を示す図である。 縦軸は抗体の反応性の指標となる蛍光強度を示し、 横軸は各種濃度のヒト CT GFにおける ELISAで試験したモノクローナル抗体のクロ一ン名を示す。
図 6は、 ヒト CTGFまたはマウス CTGFを各種哺乳動物に免疫して調製し た各種のモノクローナル抗体のマウス CTGFに対する反応性を示す図である。 縦軸は抗体の反応性の指標となる蛍光強度を示し、 横軸は各種濃度のマウス C TGFにおける ELISAで試験したモノクローナル抗体のクローン名を示す。 図 7は、 ヒト CTGFまたはマウス CTGFを各種哺乳動物に免疫して調製し た各種のモノクローナル抗体のラット C T GFに対する反応性を示す図である。 縦軸は抗体の反応性の指標となる蛍光強度を示し、 横軸は各種濃度のラット C TGFにおける ELISAで試験したモノクローナル抗体のクローン名を示す。 図 8は、 ヒト CTGFをヒト抗体産生トランスジエニックマウスに免疫して調 製した各種のヒトモノクロ一ナル抗体のヒト C T G Fに対する反応性を示す図で める。
縦軸は抗体の反応性の指標となる蛍光強度を示し、 横軸は各種濃度のヒト CT GFにおける ELISAで試験したヒトモノクローナル抗体のクローン名を示す。 図 9は、 ヒト CTGFをヒト抗体産生トランスジエニックマウスに免疫して調 製した各種のヒトモノクロ一ナル抗体のマウス C T G Fに対する反応性を示す図
である。
縦軸は抗体の反応性の指標となる蛍光強度を示し、 横軸は各種濃度のマウス C TGFにおける ELISAで試験したヒトモノクローナル抗体のクローン名を示す。 図 10は、 ヒト CTGFをヒト抗体産生トランスジエニックマウスに免疫して 調製した各種のヒトモノクローナル抗体のラット C T G Fに対する反応性を示す 図である。
縦軸は抗体の反応性の指標となる蛍光強度を示し、 横軸は各種濃度のラット C TGFにおける ELISAで試験したヒトモノクローナル抗体のクローン名を示す。 図 1 1は、 ヒト腎臓由来線維芽細胞株 293-Tとヒト CTGFまたはマウス CT G Fとの接着に対する、 ヒト CTGFまたはマウス CTGFを各種哺乳動物に免 疫して調製した各種のモノクローナル抗体の阻害活性を示す図である。
縦軸は阻害活性の指標となる蛍光強度を示し、 横軸は試験した各種モノクロー ナル抗体のクローン名を示す。
図 12は、 ラッ ト腎臓由来線維芽細胞株 NRK-49Fとヒト C T G Fの接着に対す る、 ヒト CTGFをヒト抗体産生トランスジエニックマウスに免疫して調製した 各種のヒトモノクローナル抗体の阻害活性を示す図である。
縦軸は細胞結合率 (%) を示し、 横軸は試験した各種モノクローナル抗体のク ローン名を示す。 なお、 加えた細胞の総数を 100%とした。
図 13は、 ラット腎臓由来線維芽細胞株 NM-49F、 ヒト骨肉腫由来細胞株 MG-63 またはヒト肺由来繊維芽細胞の各々とヒト CTGFの接着に対する、 ヒト CTG Fをヒト抗体産生トランスジエニックマウスに免疫して調製した各種のヒトモノ ク口ーナル抗体の阻害活性を示す図である。
縦軸は細胞結合率 (%) を示し、 横軸は試験した各種モノクローナル抗体のク ローン名を示す。 なお、 加えた細胞の総数を 100%とした。
図 14は、 ヒト CTGFまたはマウス CTGFを各種哺乳動物に免疫して調製 した各種のモノクローナル抗体の動脈硬化症モデルゥサギ HHLの動脈硬化巣組
織切片への反応性を示す該組織の染色状態を示す図である。
分図 (a) は対照試験での染色状態を示し、 分図 (b) はモノクローナル抗体 B35.1での試験での染色状態を示し、 分図 (c) はモノクローナル抗体 B29.6で の試験での染色状態を示し、 分図 (d) はモノクローナル抗体 13-51- 2での試験 での染色状態を示し、 分図(e)はモノクロ一ナル抗体 A4.3での試験での染色状 態を示し、 分図(f )はモノクローナル抗体 C114.4での試験での染色状態を示し、 分図 (g)はモノクローナル抗体 All.1での試験での染色状態を示し、 分図 (h) はモノクローナル抗体 A29.6での試験での染色状態を示し、 また分図 (i) はモ ノクロ一ナル抗体 C26.llでの試験での染色状態を示す。
図 1 5は、 精製ヒト CTGF の刺激によるラット腎臓由来繊維芽細胞株 NRK-49F の細胞増殖に対する、 ヒト CTGFをヒト抗体産生トランスジエニックマウスに 免疫して調製した各種のヒトモノクローナル抗体の阻害活性を示す図である。 縦軸は細胞増殖促進活性の強弱の指標としての [3H]チミジンの細胞内への取 込み量を示し、 横軸は各種濃度の精製ヒト CTGFを用いて試験したヒトモノク 口一ナル抗体のクローン名を示す。
図 16は、 精製ヒト CTGF の刺激によるラット腎臓由来繊維芽細胞株 RK-49F の細胞増殖に対する、 ヒト CTGFをヒト抗体産生トランスジヱニックマウスに 免疫して調製した各種のヒトモノク口一ナル抗体の阻害活性を示す図である。 縦軸は細胞増殖促進活性の強弱の指標としての [3H]チミジンの細胞内への取 込み量を示し、 横軸は各種濃度の精製ヒト CTGFを用いて試験したヒトモノク 口一ナル抗体のクローン名を示す。
図 1 7は、 ヒト CTGFをヒト抗体産生トランスジエニックマウスに免疫して 調製した各種のヒトモノクローナル抗体の、 腎臓疾患及び組織繊維症に対する治 療効果を示す図である。
縦軸は、 疾患症状の進行の指標となるヒドキシプロリンの濃度を示し、 横軸は 投与したヒトモノクローナル抗体のクローン名を示す。
図 18は、抗ヒト CTGFヒトモノクローナル抗体の重鎖及び軽鎖の各々をコード する DNA配列の決定の手順を模式的に示す図である。
図 19は、モノクローナル抗体 8- 64- 6及び 8-86- 2を用いたサンドィツチ ELISA により定量した標準ヒト CTGF、 標準マウス CTGF及び標準ラット CTGF の検量線を示す図である。
縦軸は蛍光強度を示し、 横軸は標準 CTGFの濃度を示す。
図 20は、 モノクローナル抗体 13- 5卜 2及び 8- 86- 2 を用いたサンドイッチ
ELISAにより定量した標準ヒト CTGF、 標準マウス C T G F及び標準ラヅト C
TGFの検量線を示す図である。
縦軸は蛍光強度を示し、 横軸は標準 CTGFの濃度を示す。
図 21は、モノクローナル抗体 8-64-6及び 8- 86-2を用いたサンドィツチ ELISA により定量した胆道閉鎖症患者の各種血清検体中に含まれる C T G F濃度を示す 図である。
縦軸は定量値 (CTGF含量) を示し、 横軸は試験した検体群の種類を示す。 なお、 第 1群 (I)は臨床所見は正常な患者の検体であり、 第 2群 (II)は症状進 行中の患者の検体であり、 また第 3群(III)は肝臓移植を必要とする重症患者の 検体である。
図 22は、モノクローナル抗体 8-64- 6及び 8- 86-2を用いたサンドィツチ ELISA により定量した各種患者の血清検体中に含まれる CTGF濃度を示す図である。 縦軸は定量値 (CTGF含量) を示し、 横軸は試験した検体を採取した患者が 罹患している疾患名を示す。
図 23は、モノクローナル抗体 8- 64- 6及び 8- 86- 2を用いたサンドィツチ ELISA により定量した慢性関節リゥマチ患者及び変形性関節症患者の関節液検体中に含 まれる CTGF濃度を示す図である。
縦軸は定量値 (CTGF含量) を示し、 横軸は試験した検体を採取した患者が 罹患している疾患名を示す。
図 24は、 へパリンカラムで精製したヒト胎児皮膚由来繊維芽細胞由来のヒト CTGF画分のウエスタンブロッテイングを行つた結果を示す SDSポリアクリル アミ ドゲルでの電気泳動図である。
レーン 1、 2及び 3は、 各々 0.2、 0.6及び 2.0MNaClによる溶出画分のプレイ ミューン抗体 (正常ゥサギの免疫前血清) を用いた時の電気泳動図ならびにレー ン 4、 5及び 6は各々0.2、 0.6及び 2.0MNaClによる溶出画分の抗ヒト CTGF ポリクローナル抗体を用いた時の電気泳動図である。
図 25は、 へパリンカラムで精製したヒト胎児皮膚由来繊維芽細胞由来のヒト CTGF (0.6M NaCl溶出画分の 10、 30、 100及び 300倍希釈物) のラット腎臓 由来繊維芽細胞株 NRK-49Fに対する細胞増殖促進活性を示す図である。
図中、 PDGFは陽性対照試験として PDGFを用いた時の結果を、 NCは陰 性対照試験として C T G Fサンプルを添加しない時の結果を示す。 発明を実施するための最良の形態
以下、 実施例を以て本発明をさらに詳細に説明するが、 本発明が該実施例に記 載される態様のみに限定されるものではないことは言うまでもない。
実施例 1 ヒト CTGFに対するポリクロ一ナル抗体の調製
ヒト C T G Fの第 242乃至第 252番目のァミノ酸配列 (Cys-Glu- Ala- Asp-Leu - Glu-Glu-Asn-Ile-Lys) にあたるペプチドを、 ペプチドシンセサイザ一 (Applied Biosystems社製) を用いて常法に従って合成した。 免疫感作抗原としては、 該ぺ プチドをフロインド完全アジュバント (Freuind' s complete adjuvant) とともに ェマルジヨン化したものを用いた。該ペプチド (0.32mg/kg)を、 ニュージ一ラン ドホワイ トゥサギ (NZW、 Simunek, Inc.製) の皮下に 1日目 (0.8mg)、 14日 目 (0.8mg)、 35日目 (0.8mg) 及び 49日目 (0.8mg) という間隔及び量で投与 した。 該ペプチドを用いて、 適宜、 血清中の抗体価を測定した。 次いで、 常法に より血清を取得し、 該ペプチドをカヅプリングさせたァガロースを用いたァフィ
二ティ一クロマトグラフィーにより該血清から、 ヒト CTGFに対するポリクロ —ナル抗体 (I gG) を精製した。 ヒト CTGFに対する反応性を、 ELI SA (Enzyme- linked immunosorbent assay) 及びゥエスタンブロッティングにより確 認した。
実施例 2 組換えヒト CTGFの調製
<2— 1 >ヒト腎臓由来線維芽細胞株 293での一過性発現
ヒト CTGFをコ一ドする cDNAを PCR法を用いて常法により調製した。 具体的には、 ヒト軟骨腫細胞株 HC S 2/ 8から調製した cDNAを錡型とし、 ヒ ト CT GFの c DNA (The Journal of Cell Biology, Vol.114, No.6, p.1287-1294, 1991)を基に設計したプライマーを用いて合成した。得られた翻訳 領域を含むヒト CTGFの cDNAをプラスミ ド pcDNA3.1(-) (Invitrogen 社製) に挿入し発現ベクターを作成し、 エレクト口ポレーシヨンにより、 該べク 夕一でヒト腎臓由来線維芽細胞株 293-T (ATCC CRL1573) を形質転換した。 形質 転換細胞を、 無血清培地 ASF104 (味の素社製) 中で 3日間培養し、 組換えヒト C TGFを一過性に発現させた。 ヒト CTGFの発現を、 実施例 1で調製したポリ クローナル抗体を用いたゥヱスタンプロッティングにより確認した。
培養上清を回収し、 硫酸アンモニゥム沈澱法に供した後、 へパリンカラムクロ マトグラフィ一に供し、 0.3Mの NaCl/PBSで洗浄した後、 0.5Mの NaCl/PBSで溶出 し、 部分精製ヒト CTGF画分を得た。
<2— 2>ヒト上皮様細胞株 Helaでの安定発現
実施例く 2— 1 >と同様の方法により、 ヒト CTGFをコードする cDNAを PCR法を用いて常法により調製した。 得られた翻訳領域を含むヒト CTGFの cDNAをプラスミ ド pcDNA3.1(- ) (Invitrogen社製) に挿入し発現べクタ —を作成し、 エレク ト口ポレーシヨンにより、 該ベクタ一でヒト上皮様細胞株 Hela (ATCC CCL-2) を形質転換した。 形質転換細胞を、 Geneticin (0.8mg/ml; GIBCO-BRL社製) 及び 10%ゥシ胎児血清 (fetal calf serum)を含有する RPMI1640
培地中で約 2週間培養することにより、 Geneticin耐性形質転換細胞クローンを 選別した。 選別された形質転換細胞を、 無血清培地 ASF104 (味の素社製) 中で培 養し、 組換えヒト CTGFをに発現させた。 ヒト CTGFの発現を、 実施例 1で 調製したポリク口一ナル抗体を用いたウエスタンブロッテイングにより確認した 培養上清を回収し、 硫酸アンモニゥム沈澱法に供した後、 へパリンカラムクロ マトグラフィ一に供し、 0.3Mの NaCl/PBSで洗浄した後、 0.5Mの NaCl/PBSで溶出 し、 部分精製ヒト CTGF画分を得た。
実施例 3 組換えマウス CTGFの調製
既報のマウス CTGFをコードする cDNA配列 (特閧平 5-255397号公報、 Cell Growth Differ., Vol.2, No.5, p.225-233, 1991; FEBS Letters, Vol.327, No.2, p.125-130, 1993;及び DM Cell Biol., Vol.10, No.4, p.293-300, 1991 を参照。)に基づき、実施例 2と同様にして部分精製組換えマウス CTGFを調製 した。
実施例 4 抗ヒト CTGFモノクローナル抗体並びに抗マウス CTGFモノクロ ーナル抗体の調製
本実施例におけるモノクローナル抗体の作製は、 実験医学 (別冊) 細胞工学ハ ンドブック (黒木登志夫ら編集、 羊土社発行、 第 66〜第 74頁、 1992年) 及び単クローン抗体実験操作入門 (安東民衛ら著作、 講談社発行、 1991年) 等に記載されるような一般的方法に従って調製した。
免疫原としてのヒト CTGFは、 実施例 2で 2種類の方法を用いて調製した組 換えヒト CTGFのいずれか、 またはそれらの混合物を用いた。 またマウス CT G Fは、 実施例 3で調製した組換えマウス C T G Fを用いた。
被免疫動物としては、 ①正常マウス (BALB/cマウス、 雌、 4〜5週齢、 静岡研 究動物センター (製))、 ②正常ラッ ト (Wistarラット、 雌、 4〜5週齢、 静岡研 究動物セン夕一 (製))、 ③正常ハムスター (Armenianハムス夕一、 雄、 4〜5週 齢、 オリエンタル酵母(製))並びに④前述の方法を用いて製造したヒト抗体産生
トランスジエニックマウス (Nature Genetics, Vol.7, p.13-21, 1994; Nature Genetics, Vol .15, p.146-156, 1997;特表平 4-504365号公報;特表平 7- 509137 号公報; 日経サイエンス、 6月号、 第 4 0〜第 5 0頁、 1 9 9 5年等に記載の方 法に従って作製した。) を用いた。
特に断わりのない限り、 いずれの動物を用いた場合のモノクローナル抗体の作 製も同一の方法を用いた。 また、 細胞培養操作は、 マルチウェルマイク口プレー トを用いて行った。
< 4 - 1 > 抗ヒト C T G Fモノクローナル抗体産生ハイプリ ドーマの調製 前記の正常マウス及びヒト抗体産生トランスジエニックマウスの各々に、 実施 例 2で調製した部分精製組換えヒト C T G F (l〃g/匹) を、 完全フロインドァ ジュバント (Complete Freund' s Adjuvant) とともにフッドパッド内注射するこ とにより初回 (0日) 免疫した。 初回免疫から 1週間毎に同組換えヒト C T G F をフッドパッド内注射により 4回以上追加免疫し、 さらに以下に述べるリンパ節 細胞の取得の前々日にも同様にして最終免疫した。
各々の動物から採取したリンパ節細胞とマウスミエ口一マ細胞とを 5 : 1で混 合し、融合剤としてポリエチレングリコール 4000またはポリエチレングリコール 1500 (GIBC0社製) を用いて細胞融合させることによりハイプリ ドーマを作製し た。なお、正常マウスのリンパ節細胞の細胞融合は、マウスミエ口一マ P A I (JCR NO.B0113; Res. Disclosure Vol. 217, p.155, 1982) を用い、 ヒト抗体産生トラ ンスジエニックマウスのリンパ節細胞の細胞融合は、 マウスミエ口一マ P3/X63- AG8.653 (ATCC No.: CRL 1580) を用いた。
ハイブリ ド一マの選択は、 1 0 %のゥシ胎児血清 (Fetal Calf Serum、 F C S ) とアミノプテリンを含有する H A T含有 ASF104培地 (味の素 (製)) 中で培養す ることにより行った。
各々のハイプリ ドーマクローンの培養上清の、 免疫原として用いた組換えヒト C T G Fに対する反応性を、 後述する E L I S Aにより測定することにより各々
の動物種について多数の抗体産生ハイプリ ドーマを得た。
正常マウス (マウス抗ヒト C T G Fモノクローナル抗体)については、 8-64-6、 8-86-2、 8-97-3、 8-149- 3及び 15- 38- 1と命名したクローンを得た (図 1 )。 ハイプリ ドーマクローン 8-86- 2及び 8-64-6は共に、 平成 9年 1 2月 1 8日付 で通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所 (日本国茨城県つくば巿東一丁 目 1番 3号) に国際寄託した (クローン 8-86-2:国際寄託番号 FERM BP- 6208;ク ローン 8-64-6:国際寄託番号 FERM BP- 6209)。
ヒト抗体産生トランスジエニックマウス (ヒト抗ヒト C T G Fモノクローナル 抗体) については、 A4.3、 All . A15. A29.6, B13.7, Β22· 2、 B29.6、 B35.1, C2.1、 C26. ll, C59.1、 CI 14.4, M32.2、 M33.3、 M84.4、 M107.2, M122、 M124,6、 Ml 94.2, M244、 M255、 M268. 1、 M288.5, M291.2、 M295.2, M315、 M320.2, N45.2、 N50.1及び N60.1と命名したクローンを得た (図 1及び図 2 )。
ハイプリ ド一マクローン All.1は、 平成 1 0年 9月 2 5日付で通商産業省工業 技術院生命工学工業技術研究所 (日本国茨城県つくば巿東一丁目 1番 3号) に国 際寄託した (国際寄託番号 FERM BP-6535)。
また、 ハイプリ ドーマクローン B22.2、 M84.4及び M320.2は共に、 平成 1 0年 1 2月 1 5日付で通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所 (日本国茨城県 つくば巿東一丁目 1番 3号)に国際寄託した(クローン B22.2:国際寄託番号 FERM BP-6598; クロ一ン M84.4:国際寄託番号 FERM BP- 6599; クロ一ン M320.2: 国際寄託番号 FERM BP-6600) o
なお、 上記に示したとおり、 本実施例を含め以下のいずれの実施例中、 並びに 当該実施例における試験結果として示した図面または表中においては、 本発明の ヒトモノクローナル抗体を産生するハイプリ ドーマク口一ンを、 記号を用いて命 名した。
当該記号中のピリオド記号より前に記載したアルファべットと数字は合わせて 親クローンの名前を表す。 また、 上記各々の親クローンからサブクロ一ニングさ
れたハイブリ ドーマクローンは、 その親クローン名の直後のピリオド記号の次に さらなる番号を付加することによって命名した。
なお、 本実施例を含め以下のいずれの実施例中、 並びに当該実施例における試 験結果として示した図面または表中においては、 当該サブクロ一ニングによる番 号を省略して記載する場合があるが、 それらのいずれも図 1または図 2に記載し たクローンと同一の細胞である。
<4-2> 抗マウス CTGFモノクローナル抗体産生ハイプリ ドーマの調製 前記の正常ラッ ト及び正常ハムス夕一に、 実施例 3で調製した部分精製組換え マウス C TGF (2 /g/匹)を、完全フロインドアジュバント(Complete Freund, s Adjuvant) とともにフッドパッド内注射することにより初回 (0日) 免疫した。 初回免疫から一週間毎に 4回以上同組換えマウス CTGFをフッドパッ ド内注射 により追加免疫し、 さらに以下に述べるリンパ節細胞の取得の前々日にも同様に して最終免疫した。
各々の免疫感作動物の膝窩リンパ節細胞を常法に従って外科手術により採取し た ο
各々の動物から採取したリンパ節細胞とマウスミエ口一マ細胞 P A I (JC NO.B0113; Res. Disclosure Vol.217, p.155, 1982) とを 5 : 1で混合し、 融合 剤としてポリエチレングリコール 4000 またはポリエチレングリコ一ル 1500 (GIBC0社製) を用いて細胞融合させることによりハイプリ ドーマを作製した。 ハイプリ ドーマの選択は、 10%のゥシ胎児血清 (Fetal Calf Serum、 FCS) とアミノプテリンを含有する HAT含有 ASF104培地 (味の素 (製)) 中で培養する ことにより行った。
各々のハイプリ ドーマクローンの培養上清の、 免疫原として用いた組換えマウ ス C TGFに対する反応性を、 後述する E L I S Aにより測定することにより 各々の動物種について多数の抗体産生ハイプリ ドーマを得た。
正常ラット(ラヅト抗マウス CTGFモノクローナル抗体)については、 13- 5卜 2、
17 - 132、 23-96、 24-53、 24-67、 25-91、 25-101、 25-256、 25-338、 25-410及び 25- 463 と命名したクローンを得た (図 1)。
正常ハムス夕一 (ハムスター抗マウス CTGFモノクローナル抗体) について は、 2-228-1と命名したクローンを得た (図 1)。
<4 - 3 > モノクローナル抗体産生ハイプリ ドーマの ELISAによるスクリ一二 ング
実施例 <4_ 1 >及び <4— 2 >で行った ELISAは、 下記のとおりである。 実施例 2で調製した組換えヒト CTGF (042〃g/ゥエル) または実施例 3で 調製した組換えマウス CTGF (0.2〃g/ゥエル) を、 EL I SA用 96穴マイ クロプレート (コ一ニング (Corning)社製) の各ゥエルに加え、 室温で 2時間ィ ンキュベ一卜し、 組換えヒト CTGFまたは組換えマウス CTGFをマイクロプ レートに吸着させた。 次いで、 上清を捨て、 各ゥエルに、 ブロッキング試薬 (200 〃1、 3 %BS A含有リン酸緩衝液) を加え室温で 2時間インキュベートし、 C TGFが結合していない部位をブロックした。 各ゥエルを、 0.1%の Tween20を含 有するリン酸緩衝液 200 1で 3回洗浄した。このようにして、各ゥエルを組換え ヒト CT GFまたは組換えマウス CTGFでコ一ティングしたマイクロプレート を作製した。
各ゥエルに、 各々のハイプリ ドーマの培養上清 (100 /1) を加え、 40分間反 応させた後、各ゥヱルを、 0.1%の Tween20を含有するリン酸緩衝液 200 1で 3回 洗浄した。
次いで、 正常マウス由来のモノクローナル抗体産生ハイプリ ドーマの培養上清 を加えたゥエルにはピオチンで標識したヒヅジ抗マウスィムノグロプリン抗体 (50 1、 アマシャム社製) を、 正常ラット由来のモノクローナル抗体産生ハイブ リ ドーマの培養上清を加えたゥエルにはピオチンで標識したヒヅジ抗ラットイム ノグロブリン抗体 (50u アマシャム社製) を、 正常ハムスター由来のモノクロ —ナル抗体産生ハイプリ ドーマの培養上清を加えたゥヱルにはピオチンで標識し
たャギ抗ハムスターィムノグロブリン抗体(50〃1、 Cedarlane社製) を、 またヒ ト抗体産生トランスジエニックマウス由来のモノクロ一ナル抗体産生ハイブリ ド
—マの培養上清を加えたゥエルにはピオチンで標識したャギ抗ヒトイムノグロブ リン抗体(50〃1、 ァメリカンコーレックス社製) を加え、 室温下で 1時間ィンキ ュべ一トした。
マイクロプレートを、 0. 1%Tween20 を含有するリン酸緩衝液で洗浄後、 ゥシ血 清アルブミン (BSA、 lmg/ml ) を含有する 0.5Mの NaClと 20mMの HEPESからなる 溶液 (PH7. 0) で 1000倍に希釈したストレプトアビジン—/?—ガラクトシダ一ゼ ( Streptoavidin- β -galactosidase^ 50〃1、 Gibco BRL社製)) を各ゥエルに加 え、 室温下で 3 0分間インキュベートした。
次いで、 マイクロプレートを、 0. 1%Tween20を含有するリン酸緩衝液で洗浄後、 lmg/mlの BSAを含有する lOOmMの NaCl、 ImMの MgCl2及び lOmMのリン酸緩衝液か らなる溶液(pH7.0)で希釈した 1 %の 4—メチルーゥンベリフェリル一/?一 D— カラクトシド ( 4-Meth 1 -umbe 11 i f ery 1 - 3 -D-gal ac tos i de^ 50 / 1、シグマ (Sigma) 社製) を各ゥエルに加え、 室温下で 1 0分間インキュベートした。 各ゥエルに、 1Mの Na2C03 ( 100 z l) を加え、 反応を止めた。 波長 460nm (励起: 355nm) での蛍 光強度をフルォロスキャン I Iマイクロプレー卜フルォロメ一夕一(Fluoroscan I I microplate fluorometer、 フロー研究所 (Flow Laboratories Inc . ) (製) ) で、測 定した。
< 4 - 4 > モノク口一ナル抗体の大量調製
I C Rヌードマウス (雌、 7〜8週齢、チャールズリバ一社製)に、 前記の各々 のハイプリ ドーマクローン (各々 1 06〜 1 0 7個 /0.5ml/マウス) を、 腹腔内注 射した。 1 0〜2 0日後、 マウスを麻酔下で開腹し、 常法により採取した腹水か ら各々のモノクローナル抗体を大量に調製した。
< 4一 5〉 モノクローナル抗体の精製
前記 < 4一 4 >で取得した各々のモノクローナル抗体腹水を遠心して得た遠心
上清を、 0.06Mの酢酸緩衝液 (pH4.0)で 3倍に希釈し、 1Nの塩酸を加え pHを 4.8に調整した。 次いで、 力プリル酸 (Caprylicacid、 和光純薬工業製) を、 腹 水 lmlに対して 0.033mlになるように室温下で撹拌しながら少しずつ加え、 撹 拌しながら 30分間反応させた。 次いで、 遠心分離(10,000rpm、 20分間) し、 抗体以外の蛋白を沈殿させた。 遠心上清を回収し、 フィルター (ミリポア社製) で濾過し、 白沈を除いた。 得られた濾液を、 リン酸緩衝液で透析 (2時間) した。 透析後、 硫酸アンモニゥム (26.2g/100ml)を撹拌しながら少しずつ加え、撹袢 しながら 4°Cで 120分間反応させた。 次いで、 遠心分離 (10,000rpm、 20分 間) して、 沈殿物を回収した。 回収した沈殿物に、 リン酸緩衝液を加え、 リン酸 緩衝液で透析 (4°C、 24時間) し、 各々の精製モノクローナル抗体を得た。 <4 - 6 > アイソタイプの決定
マウスモノクローナル抗体アイソタイプ決定用キット (アマシャム社製) を用 い、 該キットに添付の実験操作プロトコールに従って操作を行い、 前述の正常マ ゥス由来の抗ヒト CTGFモノクローナル抗体(8-64-6、 8-86-2、 8-97-3、 8-149-3 及び 15-38-1) の各々のアイソタイプを決定した。 いずれも I gG である ことが確認された (図 1)。
ヒトモノクローナル抗体アイソタイプ決定用キット (ァメリカン ·コ一レック ス社製) を用い、 該キットに添付の実験操作プロトコ一ルに従って操作を行い、 前述のヒト抗体産生トランスジエニックマウス由来のヒト抗ヒト CTGFモノク 口一ナル抗体 (A4.3、 All.l、 A15.1, A29.6、 B13.7, B22.2, B29.6, B35.U C2.U C26.ll, C59.K C114.4, Μ32.2Ν Μ33.3、 Μ84.4、 Μ107.2、 Μ122、 Μ124,6、 Ml 94.2, Μ244、 Μ255、 Μ268.1、 Μ288.5, Μ291.2、 Μ295.2, Μ315、 Μ320.2、 Ν45.2, N50.1及 び N60.1) の各々のアイソタイプを決定した。 いずれも I gG2/A?であること が確認された (図 1及び図 2)。
<4 - 7 > ァフィ二ティ一カラムの作製
NHS活性化ハイ トラップカラム (HiTrap-NHS- activated Sepharose HPヽ 5ml、
フアルマシアバイオテク社製) を用い、 添付のプロトコールに従ってァフィニテ ィーカラムを作製した。 具体的には、 下記のとおりである。
0.5Mの NaClを含有する 0.2Mの炭酸水素ナトリウム溶液 (pH8.3) 中に溶解し た実施例 < 4一 5 >で調製したモノクローナル抗体 8-86- 2(10mg/mlセファロー ス) を、 NHS活性化ハイ トラヅプカラムに注入した。 20°Cで 45分間反応さ せ、 モノクローナル抗体 8- 86- 2を NHS活性化セファロ一スに固定化した。 モノクローナル抗体 8- 86- 2は、 ヒト CTGF、マウス CTGF及びラット CT GFのいずれにも高い反応性を有するため、 この抗体を用いたァフィ二ティ一力 ラムを作製することにより、 ヒト CTGF、 マウス CTGF及びラット CTGF のいずれも精製することが可能である。
<4 - 8 > ァフィ二ティークロマトグラフィ一による哺乳動物 CTGFの精製 ヒト CTGFを発現する形質転換 Hela細胞 (実施例 <2_ 2>)、 マウス CT G Fを発現する形質転換 Hela細胞(実施例 3 )及びラット C T G Fを発現する形 質転換 Hela細胞(実施例 < 1 1— 2>)の各々の培養上清を回収し、 へパリン力 ラムクロマトグラフィーに供し、 0.3Mの NaCl/PBSで洗浄した後、 0.7Mの NaCl/PBS で溶出し、 ヒト、 マウス及びラットの CTGF各々の粗精製画分を得た。
各々の粗精製物を、実施例 < 4— 7 >で作製した抗 C T G F抗体 8-86-2を固定 化したァフィ二ティ一カラムに加え、 リン酸緩衝液で洗浄した後、 0.1Mのグリシ ン緩衝液 (PH2.5) で溶出し、 0.75Mの Tris緩衝液 (pH9.0) で中和した。 集めた 溶出物をリン酸緩衝液で透析し、 高純度精製された組換えヒト CTGF、 マウス CTGF及びラッ ト CTGFを得た。
各々の精製組換え C T G Fを、 10乃至 20%の濃度勾配のドデシル硫酸ナトリゥ ムーポリアクリルアミ ドゲルを用いて電気泳動した。 分離したバンドを銀染色し た結果、 ヒト、 マウス及びラヅトの CTGFのいずれについても約 38kDa付近に バンドが検出された (図 3)。
<4-9> 精製 CTGFの細胞増殖促進活性の試験
実施例く 4一 8 >で精製した各種組換え C T G Fが生物活性を保持しているか 否かを確認するため、 各々の精製 C T G Fの細胞増殖促進活性を調べた。
96マイクロプレートを用いて、 ラヅ ト腎臓線維芽細胞 N -49F (ATCC CRL- 1570; 2 X 103/ゥエル) を、 10%ゥシ胎児血清 (FCS)含有 DMEM培地 中で 3日間培養した。 培養上清を取り除き、 DMEM培地で 1回洗浄後、 DME M培地中で 1日培養した。 次いで、 各々の培養系に各種濃度 (100、 50、 25、 12.5、 6.3及び 3.1ng/ml) の精製組換え C T G Fを添加して 2日間培養した後、 [¾]- Thymidine (3.7kBq/ゥヱル) を添加してさらに 6時間培養した。 細胞を回収 (ハ —ベスト) して、 細胞内に取り込まれた [ ] -Thymidineの量を液体シンチレ一 シヨンカウンター (ベックマン社製) にて測定した。 なお、 対照として、 CTG Fを添カ卩せず同様にして培養した場合の [3H]-Thymidineの取込みを測定した。 結果を図 4に示す。 ヒト、マウス及びラッ卜のいずれの精製組換え CTGFも、 濃度依存的な細胞増殖促進活性を示し、 いずれの組換え C T G Fも生物学的機能 を保持していることが示された。
<4- 10> 交叉反応性
前述のようにして調製した種々の抗ヒト CTGFモノクローナル抗体 (10〃 g/ml)及び抗マウス CTGFモノクローナル抗体 (10〃g/ml)のヒト CTGF、 マ ウス C T G F及びラヅ ト C T G Fの各々に対する反応性を、 実施例く 4— 3 >に 述べた ELISAと同様にして調べた。
なお、 本試験では、 実施例く 4— 7>で作製したァフィ二ティーカラムを用い て精製したヒト、 マウス及びラヅ トの精製組換え CTGFの各々を、 (A) 100、 30及び 10ng/well、 または (B) 100、 10及び lng/wellの濃度でコ一ティングし たマクロプレートを用いた。
なお、 (B)の試験においては、 陰性対照試験として、 前述したヒト抗体産生ト ランスジエニックマウスに、 K L H (keyhole limpet hemocyanin、 ピアース (PIERCE)社製) を免疫して調製した抗 KLHヒトモノクローナル抗体を用いて、 前
記と同様にして試験を行った。
濃度 (A) での試験結果を図 5乃至図 7に、 また濃度 (B) での試験結果を図 8乃至図 10に示す。
また、 図 5乃至図 10に示した結果を、 図 1及び図 2の 「交叉反応性」 の欄に 簡略化して示した。
図 1の 「交叉反応性」 の欄においては、 左から順に、 コ一ティング濃度が、 1 00、 30及び 1 Ong/wellでの結果を示す。各濃度における反応性は、 蛍光 強度が 1000以上の場合は 「〇」 を、 500以上 1000未満の場合は 「△」 を、 また 500未満の場合は 「X」 を付した。
図 2の「交叉反応性」の欄においては、 左から順に、 コーティング濃度が、 100、 10及び lng/well での結果を示す。 各濃度における反応性は、 蛍光強度が 1000 以上の場合は「〇」 を、 500以上 1000未満の場合は 「△」 を、 また 500未満の場 合は 「X」 を付した。
本発明のモノクローナル抗体は、 様々な交叉反応性の特徴を有することが示さ れた。
<4-11> CTGFと種々細胞との結合の阻害活性
最近の研究により CTGFが細胞接着に関与することが明らかになつている (Exp. Cell. Res., Vol.233, p.63-77, 1997)。 そこで、 前記のようにして調製 した種々のモノクローナル抗体が CTGFの機能を阻害する活性 (中和活性) を 有するか否かを、 CTGFが媒介する細胞接着作用に対する阻害効果を指標に調 ベた。 試験は下記く 4-11-1〉乃至く 4-11-3〉に記載する 3種類の方法を用いた。
<4-11-1> ヒト腎臓由来線維芽細胞株 293- Tとの結合の阻害
実施例く 4— 3 >と同様にして作製した組換えヒト C T G F固定化マイクロプ レート (コーティング濃度: 0.5〃g/well)の各ゥエルに、前記のようにして調製 したヒ ト CTGFに反応性を有する各種のモノクローナル抗体(0.5〃g/well)を 加えた。 また、 実施例く 4— 3>と同様にして作製した組換えマウス CTGF固
定化マイクロプレート (コーティング濃度: 0.5〃g/well)の各ゥヱルに、 前記の ようにして調製したマウス C T G Fに反応性を有する各種のモノクローナル抗体 (0.5〃g/well) を加えた。
各プレー ト の上清を除いた後、 各ゥヱルに BCECF ( 2' , 7' -bis(2- carboxyethyl )-5(6 )-carDoxyf luorescein tetraacetoxymethyl ester、 モレキュ ラープローブ社)で標識したヒト腎臓由来線維芽細胞株 293- T (ATCC CRL1573) ( 5 x l O 4/ゥエル) を加え、 4 °Cで 1時間静置した。
浮遊細胞を除去し、 1 %NP- 40含有リン酸緩衝液 (100〃1) を加えて、 プレー 卜に接着している細胞を可溶化した。 細胞溶解により培養上清中に放出される BCECF の蛍光強度をフルォロスキャン I I マイクロプレートフルォロメ一夕一 (Fluoroscan I I microplate fluorometer、 フロ一研究戸 if (Flow Laboratories Inc. ) (製)) を用いて測定した。
なお、 対照試験として、 いずれの抗体も加えないで上記と同様にして試験を行 つた。
結果を図 1 1に示す。 また、 図 1 1の結果を図 1の「293細胞の結合阻害活性」 の欄に簡略ィ匕して示した。図 1の当該欄においては、 「〇」は有意差をもって細胞 の接着を阻害する活性を示したこと示し、 また 「X」 印は、 該活性を示さなかつ たことを示す。
<4-11-2> ラット腎臓由来線維芽細胞株 NRK-49Fとの結合の阻害
実施例 < 4— 3 >と同様にして作製した組換えヒト C T G F固定化マイクロプ レート (コーティング濃度: l〃g/wel l) の各ゥエルに、 前記のようにして調製 したヒト C T G Fに反応性を有する各種のヒトモノクローナル抗体 (最終濃度: 20、 6または 2 Aig/ml ) を加えた。
次いで、 各ゥエルに BCECF ( 2',7, -b i s ( 2-carboxyethy 1 ) -5 ( 6 ) -carboxy- fluorescein tetraacetoxymethyl ester、 モレキュラープロ一ブ社) で標識した ラット腎臓由来線維芽細胞株 NRK- 49F (ATCC CRL1570) ( l x l 04/ゥヱル) を
加え、 4 °Cで 1時間静置した。
浮遊細胞を除去し、 1 %NP-40含有リン酸緩衝液 (100〃1) を加えて、 プレー 卜に接着している細胞を可溶化した。 細胞溶解により培養上清中に放出される BCECF の蛍光強度をフルォロスキャン II マイクロプレートフルォロメ一夕一 (Fluoroscan I I microplate fluorometer、 フロ一研究所 (Flow Laboratories Inc. ) (製)) を用いて測定した。
なお、 対照試験として、 いずれの抗体も加えないで上記と同様にして試験を行 つた。陰性対照試験として、前述したヒト抗体産生トランスジエニックマウスに、 K L H (keyhole limpet hemocyanin、 ビアース(PIERCE)社製) を免疫して調製し た抗 KLHヒトモノクローナル抗体を用いて、 前記と同様にして試験を行った。 また、 別の対照試験として、 C T G Fをコーティングしないマイクロプレート ゥエルを用いて、且ついずれの抗体も加えないで前記と同様にして試験を行った。 結果を図 1 2に示す。 なお、 結果は、 求められた蛍光強度の値を基に、 細胞の 結合率 (%) に換算して示した。
また、 図 1 2の結果を図 2の 「皿 K- 49F 細胞の結合阻害活性」 の欄に簡略化し て示した。 図 2の当該欄における 「〇」 印は、 有意差をもって細胞の接着を阻害 したことを示し、 「X」印は、当該阻害活性が弱いかまたは阻害活性を示さなかつ たことを示す。
<4-11-3> 種々細胞との結合の阻害
実施例く 4一 3 >と同様にして作製した組換えヒト C T G F固定化マイクロプ レート (コーティング濃度: l〃g/well) の各ゥヱルに、 前記のようにして調製 したヒト C T G Fに反応性を有する各種のヒトモノクローナル抗体 (最終濃度: 20 zg/ml) を加えた。
6 0分静置後、 各プレートの上清を除いた後、 各ゥヱルに BCECF (2' ,7' - bis(2-carDoxyethyl )-b(6)-carboxyf luorescein tetra-acetoxymethyl ester、 モレキュラープローブ社) で標識した下記細胞(各々 1 X 1 04/ゥエル) を加え、
4°Cで 1時間静置した。 細胞は下記を用いた。
( 1 ) ヒト肺由来繊維芽細胞 (NHLF2837; Clonetics製)。
(2) ヒト骨肉腫由来細胞株 MG-63 (ATCC CRL1427)0
(3) ラッ ト腎臓由来線維芽細胞株 NRK- 49F (ATCC CRL1570)。
浮遊細胞を除去し、 1%ΝΡ-40含有リン酸緩衝液 (100〃1) を加えて、 プレー トに接着している細胞を可溶化した。 細胞溶解により培養上清中に放出される BCECF の蛍光強度をフルォロスキャン II マイクロプレートフルォロメ一夕一
(Fluoroscan II microplate fluorometer、 フロー研究戸 if (Flow Laboratories Inc.) (製)) を用いて測定した。
なお、 対照試験として、 いずれの抗体も加えないで上記と同様にして試験を行 つた。陰性対照試験として、前述したヒト抗体産生トランスジヱニックマウスに、 KLH(keyhole limpet hemocyanin, ビア一ス(PIERCE)社製) を免疫して調製し た抗 KLHヒ卜モノクローナル抗体を用いて、 前記と同様にして試験を行った。 また、 別の対照試験として、 CTGFをコーティングしないマイクロプレート ゥエルを用いて、且ついずれの抗体も加えないで前記と同様にして試験を行った。 結果を図 13に示す。 なお、 結果は、 求められた蛍光強度の値を基に、 細胞の 結合率 (%) に換算して示した。
<4- 12> ゥサギ組織への交叉反応性
高脂血症モデルゥサギ WHHL (オリエンタル酵母社製) の動脈硬化巣を外科的手 術により採取し、 常法により動脈硬化症部位の動脈の凍結切片を調製した。
各切片を、 下記に述べるようにべク夕スティンエリ一ト (Vectastain Elite) ABCキット (フナコシ株式会社製) を用いて染色した。
該切片をアセトンで 1〜2分間固定し、 乾燥後、 希釈血清(PBS (10ml) /血清
(150 zl))で 30分間湿潤させた。各切片を PBSで洗浄後、 1次抗体として前 述のようにして調製した正常マウス由来の抗ヒト CTGFモノクローナル抗体 (クロ一ン: 8-86-2及び 8-149-3)、正常ラッ ト由来の抗マウス C T G Fモノクロ
—ナル抗体(クローン: 13- 5卜 2)またはヒト抗体産生トランスジエニックマウス 由来の抗ヒト C T GFモノクローナル抗体(クローン: A4.3、 All. A29.6, B29.6, B35.1、 C26.ll及び C114.4) (各々 10 a g/m 1あるいはハイブリ ドーマ培養上 清) を加え、 40分間静置した。
次いで、 PBSで洗浄し、 ピオチン化二次抗体溶液 (100〃 1) を加え、 30分間 静置した。 なお、 一次抗体として正常マウス由来の抗ヒト CTGFモノクロ一ナ ル抗体を用いた場合は、 ピオチン標識ゥマ抗マウスィムノグロブリン抗体を、 一 次抗体として正常ラット由来の抗マウス CTGFモノクローナル抗体を用いた場 合は、 ピオチン標識ゥサギ抗ラヅトイムノグロブリン抗体を、 また一次抗体とし てヒト抗体産生トランスジヱニックマウス由来の抗ヒト CTGFモノクローナル 抗体を用いた場合にはピオチン標識ャギ抗ヒトイムノグロプリン抗体を用いた。 各切片を、 メタノール中に溶解した 3%過酸化水素溶液中で 10分間静置し、 PBSで洗浄した後、 100〃1のアビジン—ペルォキシダ―ゼ溶液 (PBS (5ml) / ペルォキシダーゼ標識アビジン DH (100 /1) /ピオチン化過酸化水素 H (100 を加え 30分間静置した。
PBSで洗浄後、 DAB溶液 (水 (5ml) /緩衝溶液 (100 1) /DAB (ジァ ミノべンジジンテトラヒドロクロライ ド)溶液(200 1) /過酸化水素溶液(100 \)) を加え、 2〜 10分間静置した。
冷水で 5分間洗浄した後、 ギムザ (Giemsa) 染色法に供し封入処理を行った。 なお、 1次抗体として、 CTGFに対する反応性を有さず、 且つアイソタイプの 一致したモノクローナル抗体を用いて前記と同様に染色したものを対照とした。 染色、 封入された各組織切片を 100及び 200倍の倍率にて顕鏡し、 結果を図 14 に示した。 また、 図 14の結果を図 1の 「WHHLゥサギの動脈硬化巣組織への反応 性」 の欄に簡略化して示した。 図 1の当該欄においては、 組織切片が染色された 場合は 「〇」 を、 組織切片の染色が弱いかまたは染色されなかった場合は 「X」 を付した。
ヒト抗体産生トランスジエニックマウス由来の抗ヒト CTGFヒトモノクロ一 ナル抗体であるクローン A4.3、 All.l, A29.6、 C26.11及び C114.4、 並びに正常 ラヅト由来の抗マウス CTGFモノクローナル抗体であるクローン 13-5卜 2は、 ゥサギの動脈硬化巣組織に反応性を示した。
<4- 13> CTG F刺激による細胞増殖の阻害活性
前記実施例 < 4— 9 >の試験で示されたように、 CTGFは、 各種細胞 (例え ば、 腎臓や肺等の種々組織に由来する繊維芽細胞、 各種腫瘍細胞、 及び血管内皮 細胞など) の細胞増殖を誘導する。
本試験では、 本発明のモノクローナル抗体の、 そのような CTGFの刺激によ る細胞増殖に対する阻害効果を下記のようにして調べた。
<4-13-1> CTGFを含む細胞培養液の調製
ヒト胎児皮膚由来繊維芽細胞(Neonatal human dermal fibroblast, NHDF;Becton Dickinson製) をシャーレで培養し、 ゥシ胎児血清 (FCS) を含まない DMEM培養 液で 2回洗浄後、ヒト TGF- ? (Transforming growth factor; 1 ng/ml,R&D Systems 製) を含有する DMEM培地を加えさらに 1日培養した。
培養上清を回収し、 へパリンカラム (HiTrap、 Pharmacia Biotech製) に添加 した。 カラムを 0.2Mの NaCl/PBSで洗浄後、 0.6Mの NaCl/PBSでカラムにトラヅ プされた因子を溶出させた。 溶出液を PBSで透析し、 以下の細胞増殖アツセィに 用いた。
CTGFはへパリン結合性であることから、 へパリンカラムを用いることによ り C T G Fを部分精製することができる。 実施例 1で調製したヒト C T G Fに対 するゥサギポリクローナル抗体を用いて、 常法に従ってウエスタンプロッティン グを行い、 上記で得たサンプル中に CTGFが含まれていることを確認した。 なお、 対照試験には、 ヒト CTGFで免疫する前に取得したゥサギ (実施例 1 に同じ) の血清を用いた。
結果を図 24に示す。
<4-13-2> 精製 CTGFによる細胞増殖活性
9 6穴マイクロ夕一夕一プレートにラッ ト腎臓由来繊維芽細胞株 NRK- 49F
(ATCC CRL-1570, 1 x 104個/ well) を加え、 1日培養した。 次いで、 プレート を FCSを含まない DMEM培地で 2回洗浄した後、 さらに 1日培養した。次いで、前 記く 4-13- 1>で調製した CTGFサンプル(DMEM培地による 10、 30、 100または 300 倍希釈物) を各ゥヱルに加え 18時間培養した。 次いで、 各ゥエルに、 [¾]- Thymidine (3.7kBq/ゥエル) を添加してさらに 6時間培養した。 細胞を回収 (ハ 一べスト) して、 細胞内に取り込まれた [ ]- Thymidine の量を液体シンチレ一 シヨンカウン夕一 (ベックマン社製) にて測定した。
なお、 陽性対照試験として、 PDGFを用いて、 同様にして試験を行った。 ま た、 陰性対照試験として、 CTGFサンプルを添加せず上記と同様にして試験を 行った。
結果を図 25に示す。
<4-13-3> 細胞増殖の阻害活性
前記く 4-13- 1>で調製した CTGFサンプル (DMEM培地による 20倍希釈物) 及 び前記で調製した本発明の抗ヒト CTGFヒトモノクローナル抗体 (最終濃度: 20、 2または 0.2〃g/ml) とを 30分間反応させた混合物を用いて、 く 4-13- 2>と 同様にして、 試験を行った。
なお、 陽性対照試験として、 いずれの抗体も加えないで同様にして試験を行つ た。 また、 陰性対照試験として、 CTGFサンプル及びいずれの抗体をも添加せ ず同様にして試験を行った。
結果を図 15及び図 16に示す。
また、 前記と同様の複数回の試験を行った結果 (図 15及び図 16に示した本 試験の結果を含む) を、 図 2の 「NM-49F 細胞の増殖阻害活性」 の欄に簡略化し て示した。 図 2の当該欄における 「〇」 は、 有意差をもって細胞の増殖を阻害す る活性を示したことを意味する。
本発明の抗ヒト CTGFヒトモノクローナル抗体は、ヒト繊維芽細胞の増殖を有意 に抑制または阻害することが示された。
< 4 - 1 4 > ェビトープマッピング
本発明の抗ヒト CTGF ヒトモノクローナル抗体が特異的に結合するヒト C T G Fの構造中の部位 (ェピトープ) を解析する目的で下記の試験を行った。
本試験は、 後述の実施例 5に詳述する 2種類のモノクローナル抗体を用いた本 発明のサンドィツチ ELISAを用いて行った。 具体的には下記の工程に従った。 (工程 1 )
後述の実施例く 5-1>と同様にして図 2に記載される各々の抗ヒト CTGFヒトモノ クローナル抗体(0.3〃g/50〃l/wel l)が固定化された抗体固定化マイクロプレー トを作製した。
(工程 2 )
後述の実施例く 5-2>と同様にして下記 A乃至 Dの各々の本発明のモノクロ一ナ ル抗体を標識し、 標識モノクローナル抗体を作製した。
[抗体 A]
ヒト CTGFに反応性を有するマウスモノクローナル抗体 8-64- 6 (国際寄託番 号 FERM BP-6209で識別されるハイプリ ドーマに由来する。)
[抗体 B ]
抗ヒ卜 CTGF ヒトモノクローナル抗体 A11. 1 (国際寄託番号 FERM BP- 6535 で識別されるハイプリ ドーマに由来する。)
[抗体 C ]
抗ヒト CTGF ヒトモノクローナル抗体 C26. 11 (配列番号 8に記載されるアミ ノ酸配列を含むアミノ酸配列を有する重鎖、 並びに配列番号 1 8に記載されるァ ミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有する軽鎖とからなる。)
[抗体 D ]
抗ヒト CTGFヒトモノクローナル抗体 C59. 1 (配列番号 1 0に記載されるアミ
ノ酸配列を含むアミノ酸配列を有する重鎖、 並びに配列番号 2 0に記載されるァ ミノ酸配列を含むァミノ酸配列を有する軽鎖とからなる。)
(工程 3 )
後述の実施例く 5-3>と同様にして ELISAを行った。即ち、工程 1で作製した抗体 固定化マイクロプレートの各々に、 前記実施例で調製した精製組換えヒト CTGF
(15ng/well)を加えて抗原抗体反応を進めた後、工程 2で調製した各々の標識モ ノクローナル抗体 (0.1 / l/50 z l/well) を加えて反応させた。 後述の実施例く 5 - 3>に記載の同様の操作の後、 各ゥエルに反応停止液を加えて反応を停止させ、 波 長 460m (励起: 355nm) での蛍光強度をフルォロメ一夕一により測定した。 求められる蛍光強度の値は、 マイクロプレートに固定化したモノクロ一ナル抗 体が結合するヒト CTGF上の部位(ェピトープ) と標識されたモノクローナル抗体 が結合するヒト CTGF上の部位(ェピトープ) の異同に依存して、 下言己 ( 1 )乃至
( 3 ) のような結果になるものと考えられた。
( 1 ) マイクロプレートに固定化したモノクローナル抗体が結合するヒト CTGF 上の部位 (ェピトープ) と標識されたモノクローナル抗体が結合するヒト CTGF上の部位 (ェピトープ) が同一であるならば、 マイクロプレートに固定化し たモノクローナル抗体とヒト CTGFとで形成される抗原抗体複合体に、後に加えた 標識モノクローナル抗体が結合し得ないことから、 工程 3で測定される蛍光強度 の値は極めてゼロに近いこととなる。
( 2 ) マイクロプレートに固定化したモノクローナル抗体が結合するヒト CTGF 上の部位 (ェピトープ) と標識されたモノクローナル抗体が結合するヒト CTGF上の部位 (ェピトープ) が近い位置に存在するならば、 マイクロプレートに 固定化したモノクローナル抗体とヒト CTGFとで形成される抗原抗体複合体への、 後に加えた標識モノクローナル抗体の結合が多少の立体障害を受けることから、 工程 3で測定される蛍光強度の値は低いこととなる。
( 3 ) マイクロプレー卜に固定化したモノクローナル抗体が結合するヒト
CTGF 上の部位 (ェピトープ) と標識されたモノクローナル抗体が結合するヒト CTGF上の部位 (ェピトープ) が異なるならば、 マイクロプレートに固定化したモ ノクローナル抗体とヒト CTGFとで形成される抗原抗体複合体に、後に加えた標識 モノクローナル抗体が結合し得えることから、 工程 3で測定される蛍光強度の値 は有意に高い値となる。
本試験の結果は、 上記の推定に合致するものであった。 結果を図 2の 「ェピト ―プマヅピング」 の欄に示した。
なお、 以下に図 2における当該欄に示した各々のアルファべットの意味を例示 的に示す。
「(八)」:前記で標識抗体として用いた 「抗体 A」 であることを意味する。 「(B )」:前記で標識抗体として用いた 「抗体 B」 であることを意味する。 「(〇)」:前記で標識抗体として用いた 「抗体 C」 であることを意味する。 「(D )」:前記で標識抗体として用いた 「抗体 D」 であることを意味する。 「A」:「抗体 A」 のェピト一プと同一またはほぼ同一のェビトープであること を意味する。
「B」:「抗体 B」 のェピト一プと同一またはほぼ同一のェピトープであること を意味する。
「Cj:「抗体 C」 のェピト一プと同一またはほぼ同一のェピトープであること を意味する。
「D」:「抗体 D」 のェピト一プと同一またはほぼ同一のェピト一プであること を意味する。
「一」:「抗体 A」、 「抗体 B」、 「抗体 C」 または 「抗体 D」 のいずれ抗体のェピ ト一プとも異なるェピト一プであることを意味する。
「B/ C」:「抗体 B」 のェビトープ及び/または 「抗体 C」 のェピトープと同 一またはほぼ同一のェピトープであることを意味する。
「A- /B」:「抗体 A」のェビトープに近い位置のェピト一プであり、 且つ「抗
体 B」 のェピトープと同一またはほぼ同一のェピトープであることを意味する。 上記以外の記載方法も、 上記と同様な意味を有するものである。
< 4一 1 5 > 腎臓疾患及び組織繊維症に対する治療効果
本発明の抗ヒト CTGF ヒトモノクローナル抗体の各種疾患に対する治療効果を 当該疾患のマウスモデルを用いて調べた。
本試験で用いたマウスモデルは、 下記の疾患あるいは病的状態のいずれにおい ても見られる病理学的特徴の一部または臨床所見の一部を呈する疾患モデルであ ることから、 本試験で得られる治療効果は、 下記全ての疾患または病的状態の治 療効果を代表するものである。
腎臓疾患 (腎不全、 腎炎、 腎繊維症など)、 各種組織繊維症 (賢繊維症、 肺繊維 症、 肝臓組織での繊維症、 皮膚組織での繊維症など、 関節リウマチに伴う滑膜組 織での繊維症、 各種癌に伴う繊維症)、 皮膚疾患 (強皮症、 乾癬、 アトピーなど)、 肝臓疾患 (肝硬変、 肝臓組織での繊維症、 肝炎など)、 肺疾患 (肺繊維症、 肺炎な ど)、 関節リウマチ、 及び動脈硬化症など。
く 4-15-1〉 疾患マウスモデルの作製
B6C3F1 マウス (雄、 7週齢、 各群 6匹、 SLC 製) を、 ペントバルビ夕一ル (Pentobarbital, 50mg/kg) による麻酔下で外科手術により左脇腹を開腹した。 次いで、 左腎から伸びる尿管の 2箇所を縫合糸で結紮し、 当該 2箇所の結紮部位 の間の尿管を切断した (mJ0、 Unilateral ureteral obstruction) 0 当該処置の後、 開腹部を縫合した。 この手術により、 当該左腎は、 正常な腎臓の最も重要な機能 である血液等の体液のろ過機能を失い、 種々の腎疾患に見られる様々な病理的症 状を発現するようになる。
<4-15-2> 抗 CTGFモノクローナル抗体による治療効果
上記で作製した各々のモデルマウスに、 リン酸緩衝液に溶解した抗ヒト CTGF ヒトモノクローナル抗体 M84または M320 (前記実施例で調製、 各々 5mg/kg) を 腹腔内投与した。 当該抗体投与は、 上記手術完了直後に初回投与し、 さらに初回
投与から 3日おきに合計 4回行った。最終投与の後(当該手術完了から 1 4日目)、 各々のマウスから当該左腎を外科手術により摘出した。 摘出した腎臓をァセトン で脱脂及び脱水した後、 6 N塩酸でタンパクを加水分解した。 次いで、 当該サン プルを温暖な条件下で窒素ガスを当て乾燥させたた後、 精製水に溶解して定量用 のサンプルとした。 得られた腎臓組織サンプル中のヒドロキシプロリン (0H- Proline) の濃度を既報の方法に従って測定した (Analytical Biochemistry, Vol.55, p .288-291, 1973; Kidney Int. , Vol .54, No. l, p .99-109, 1998)0 該ヒドロキシプロリンの生成の上昇は、 腎機能不全により惹起される腎炎及び 腎繊維症の発症の指標であり、 ヒドロキシプロリン濃度の低減は、 該モノクロ一 ナル抗体が該腎臓疾患の治療に有効であることを示すものである。
なお、 前記と同様にして下記の対照実験を行った。
( 1 ) 上述の UU0 (尿管結紮処置) を施したマウスにリン酸緩衝液のみ (いず れの抗体も含まない) を前記と同様にして腹腔内投与した。
( 2 ) 開腹のみ行い UU0を施さずに開腹部を縫合した正常マウスの場合。
( 3 ) UU0を施さない正常マウスの場合。
( 4 ) 前記抗体の代わりに腎繊維症などの繊維症治療薬として臨床試験中の Pirfenidone (Kidney Int. , Vol .54, No. l, p .99-109, 1998) (約 500mg/kg) を 餌に混入させて与えた場合 (陽性対照試験)。
結果を、 図 1 7に示した。
この結果、 本発明のモノクローナル抗体が、 腎臓疾患並びに組織繊維症に対し て有意な抑制及び治療効果を有していることが示された。
また驚くべきことに、 本発明のモノクローナル抗体による有効性は、 極めて高 用量で投与した陽性対照薬(例えば、 50kgの患者への 4回投与の場合に換算する と約 100g) の有効性と同様であった。
< 4 - 1 6 > 抗ヒト CTGF ヒトモノクロ一ナル抗体の遺伝子配列及びァミノ酸 配列の決定及び解析
前記実施例で作製された種々のヒト CTGF に対するヒトモノクローナル抗体を 構成する重鎖 (Heavy Chain) の可変領域をコードする c DNA配列、 並びに軽鎖
(Light Chain) の可変領域及び定常領域をコ一ドする cDNA配列を下記のように して決定するとともに、 該遺伝子の構造的特徴を解析した。 本実施例における配 列解析の手順を図 1 8に模式的に示した。
前記実施例で作製したヒト CTGF に対するヒトモノクローナル抗体を産生する ハイプリ ドーマ (クローン: A29、 C26、 C59、 C114及び M295 ; 各々約 5 x l07細 胞) を培養後、 遠心分離し、 沈殿物を回収し、 後述する PolyA+MAの抽出時まで — 80°Cで保存した。
各々のハイ プリ ド一マからの PolyA+MA の抽出、 精製は、 市販の FastTrack2.0kit( INVITR0GEN製) を用いて次のようにしてした。前記各々の凍結 細胞を、 細胞溶解緩衝液 (Lysis Buffer) に溶解し、 POLYTRONにより細胞を破壊 し、 可溶化させた。 該可溶化物を 45°Cでインキュベーションした後、 Oligo(dT) celluloseを加え約 1時間緩やかに振盪した。次いで、 Oligo(dT) celluloseを洗 浄後、 PolyA+RNAを Ellution Bufferで溶出させた。 溶出した PolyA+MAをェ夕ノ ール沈殿させ、 20 1の Tris- EDTA緩衝液に溶解した。 得られた PolyA+RNAの濃 度を、 260nmの波長での吸光度を測定することにより決定した。
得られた PolyA+RM を鍊型とし、 市販の Marathon cDNA Amplification Kit (CLONTECH製) を用いた RACE-PCR法により常法により cDNAを合成した (「遺伝 子増幅 PCR法 ·基礎と新しい展開」、 199Z 年第 2刷、 共立出版株式会社発行、 ρ.13-15)。 即ち、 各々のハイプリドーマから精製した PolyA+RNA (1乃至 5 zg) を铸型として、 1st strand cDM及び 2nd strand cDMを順次合成した。 該 cDNA を、 フエノール/クロ口ホルム/ィソァミノアルコール並びにクロ口ホルムを用 いて各々 1回ずつ抽出に供した。 次いで、 cMAをエタノール沈殿させ、 アダプタ — DNA (配列番号 25) に連結させた。 得られた DNA反応物を 1/250に希釈したも のを錄型とし、 合成プライマーを用いて常法により PCRを行い抗体重鎖及び抗体
軽鎖を各々コードする cDNAを調製した。 抗体重鎖に係る PCRには、 配列番号 26 に記載のブラィマーを用いた。抗体軽鎖に係る PCRには、配列番号 27に記載のプ ライマーを用いた。
各々の PCR産物をァガロースゲル電気泳動で分画し、 DNAを回収した。 得られ た各々の cDNAの塩基配列の決定を、 市販の DyeTerminator Cycle Sequencing FS Kit (PE-Applied Biosystems 製) 及び PRISM377 DNA Sequencer ( PE-Applied Biosystems製) を用いて行った。 なお、 本配列決定のための Sequencing Primer は、 前述の PCRにおいて使用したプライマ一を使用した。 さらに、 得られた配列 から適切な Sequencing Primerを作成しさらに反応を実施した。
前記の各々のハイプリドーマが産生するヒト CTGF に対するヒトモノクローナ ル抗体の重鎖の可変領域をコードする c DNA配列、 軽鎖 (Light Chain) の可変領 域をコードする c DNA配列、並びに該各々の cDNA配列から演繹されるァミノ酸配 列を下記のとおり配列表に示した。
<クローン A29〉
(重鎖の可変領域)
D N A配列 :配列番号 5 (シグナル配列:塩基番号 1乃至 57、 V領域:塩 基番号 58乃至 363)
ァミノ酸配列:配列番号 6 (シグナル配列:ァミノ酸番号 1乃至 19、 可変領 域:アミノ酸番号 21乃至 120を含む)
(軽鎖の可変領域)
D N A配列 :配列番号 15 (シグナル配列:塩基番号 1乃至 60、 V領域:塩 基番号 61乃至 365)
ァミノ酸配列:配列番号 16 (シグナル配列:ァミノ酸番号 1乃至 20、 可変領 域:アミノ酸番号 21乃至 120を含む)
<クローン C26>
(重鎖の可変領域)
D N A配列 :配列番号 7 (シグナル配列:塩基番号 1乃至 57、 V領域:塩 基番号 58乃至 357)
ァミノ酸配列:配列番号 8 (シグナル配列:ァミノ酸番号 1乃至 19、 可変領 域:アミノ酸番号 21乃至 118を含む)
(軽鎖の可変領域)
D N A配列 :配列番号 17 (シグナル配列:塩基番号 1乃至 60、 V領域:塩 基番号 61乃至 364)
ァミノ酸配列:配列番号 18 (シグナル配列:ァミノ酸番号 1乃至 20、 可変領 域:アミノ酸番号 21乃至 121を含む)
<クローン C59>
(重鎖の可変領域)
D N A配列 :配列番号 9 (シグナル配列:塩基番号 1乃至 57、 V領域:塩 基番号 58乃至 350)
ァミノ酸配列:配列番号 10 (シグナル配列:ァミノ酸番号 1乃至 19、 可変領 域:アミノ酸番号 21乃至 116を含む)
(軽鎖の可変領域)
D N A配列 :配列番号 19 (シグナル配列:塩基番号 1乃至 66、 V領域:塩 基番号 67乃至 353)
ァミノ酸配列:配列番号 20 (シグナル配列:ァミノ酸番号 1乃至 22、 可変領 域:アミノ酸番号 23乃至 117を含む)
<クロ一ン C114>
(重鎖の可変領域)
D N A配列 :配列番号 11 (シグナル配列:塩基番号 1乃至 57、 V領域:塩 基番号 58乃至 350)
ァミノ酸配列:配列番号 12 (シグナル配列:ァミノ酸番号 1乃至 19、 可変領 域:アミノ酸番号 21乃至 116を含む)
(軽鎖の可変領域)
D N A配列 :配列番号 21 (シグナル配列:塩基番号 1乃至 47を含む、 V 領域:塩基番号 48乃至 335)
ァミノ酸配列:配列番号 22 (シグナル配列:ァミノ酸番号 1乃至 16を含む、 可変領域:ァミノ酸番号 17乃至 111を含む)
<クロ一ン M295 >
(重鎖の可変領域)
D N A配列 :配列番号 13 (シグナル配列:塩基番号 1乃至 58、 V領域:塩 基番号 59乃至 353)
ァミノ酸配列:配列番号 14 (シグナル配列:ァミノ酸番号 1乃至 19、 可変領 域:アミノ酸番号 21乃至 117を含む)
(軽鎖の可変領域)
D N A配列 :配列番号 23 (シグナル配列:塩基番号 1乃至 66、 V領域:塩 基番号 67乃至 356)
ァミノ酸配列:配列番号 24 (シグナル配列:ァミノ酸番号 1乃至 22、 可変領 域:アミノ酸番号 23乃至 118を含む)
決定された各々の D N A配列を基に、遺伝子配列解析ソフトウエア一を用いて、 Toml inson らにより作成されたヒトイムノグロブリンの可変領域遺伝子のライブ ラリー V BASE Sequence ( Immunol. Today, Vol .16, No.5, p.237-242, 1995) を 検索した。
その結果、 上記ヒトモノクローナル抗体の重鎖及び軽鎖の各々の V領域遺伝子 は、 各々下記のセグメントから構成されていることが分かった。
<重鎖 V領域遺伝子〉
クローン A29 DP- 38
クローン C26 DP-75
クローン C59 DP-5
クロ一ン C114 : DP— 5
クローン M295 : DP- 65
<軽鎖 V領域遺伝子 >
クローン A29 : DPK24
クローン C26 : DPK12
クローン C59 : DPK1
クローン C114 : DPK1
クローン M295 : DPK9
なお、上記ヒトモノクローナル抗体の重鎖をコードする cDNA配列には、 V領域 と下流の D領域の間、 並びに D領域とさらに下流の J領域の間に N領域 (N- addition) を有しているものと考えられた。
実施例 5 ヒト CTGF及びマウス CTGFの定量のためのサンドィツチ EL I SA系確立
<5- 1 > 抗体固定化マイクロプレー卜の作製
本実施例においてマイクロプレートに固定化するモノクローナル抗体は、 前述 のようにして調製した正常マウス由来のモノクローナル抗体 8-64-6 (国際寄託番 号 FERM BP- 6209で識別されるハイプリ ドーマに由来する) を用いた。 このモノク 口一ナル抗体は、 ヒト CTGFに高い反応性を有するとともに、 マウス CTGF にも交叉反応性を示す。
モノクローナル抗体 8- 64- 6をリン酸緩衝液で希釈し、 1〃g/50〃l/ゥエルの 濃度で、 ELISA用 96穴マイクロプレ一ト (コ一二ング (Corning)社製) の各ゥ エルに加え、室温で 1時間ィンキュベ一トし、モノクローナル抗体 8- 64-6をマイ クロプレートに吸着させた。
次いで、 プレートをリン酸緩衝液で洗浄した後、 各ゥヱルに 3%のゥシ血清ァ ルブミン (BSA; Bovine serum alb蘭 in) を含有するリン酸緩衝液 ゥェ ル) を加え、 室温で 2時間インキュベーションすることにより抗体が結合してい
ない部位をブロックした。 次いで、 プレートをリン酸緩衝液で 3回洗浄した。 <5-2> 標識モノクローナル抗体の作製
本実施例において標識されるモノクローナル抗体は、 前述のようにして調製し た正常マウス由来のモノクローナル抗体 8-86-2 (国際寄託番号 FERM BP- 6208で 識別されるハイブリ ド一マに由来する) を用いた。 このモノクローナル抗体は、 ヒト CTGF、 マウス CTGF及びラッ ト CTGFのいずれにも高い反応性を有 する。
モノクローナル抗体 8-86- 2 (20mg/mlを 1ml)を、 0.1Mの NaHC03 (pH8.2〜8.3) 溶液で、 透析 (4° 24時間) した。 次いで、 NHS—ビォチン (2mg/ml を 100〃 1、 ピアス社製) を加え、 激しく撹拌した後、 室温下で 30分インキュべ一 卜した。 次いで、 リン酸緩衝液で透析 (4°C、 24時間) した。
<5-3> サンドイッチ EL I S Aによる定量法の確立
本発明で確立されたヒト CTGF及びマウス CTGFの定量のためのサンドィ ツチ EL I S A系は以下の通りである。
実施例く 5 - 1 >で作製した抗体固定化マイクロプレートの各ゥエルに、 測定 試料(50 /1/ゥエル) を加え、 室温で 1時間インキュベートした。 マイクロプレ —トを、 0.1% Tween20を含有するリン酸緩衝液で 3回洗浄後、各ゥエルに、 1 BSA、 0.1%Tween20を含有するリン酸緩衝液で希釈した実施例 < 5- 2 >で作製したビ ォチン標識モノクローナル抗体(0.3〃1/50 /1/ゥエル) を加え、 室温下で 1時 間ィンキュベ一卜した。
マイクロプレートを、 0.1% Tween20を含有するリン酸緩衝液で 3回洗浄後、 0.5M の NaClと 20mMの HEPESからなる溶液 (BSA( lmg/ml)を含有、 pH7.0) で 1000倍 に希釈したス トレプトアビジン一/?—ガラク トシダ一ゼ (Streptoavidin- - galactosidase、 50 /1、 ギブコ (Gibco BRL) 社製) を各ゥエルに加え、 室温 下で 30分間ィンキュベ一卜した。
マイクロプレートを、 0.1% Tween20 を含有するリン酸緩衝液で 3回洗浄後、
lOOmMの NaCl、 ImMの MgCl2及び lOmMのリン酸緩衝液 (Na及び Kを含有) からな る溶液 (BSA(lmgZml))を含有、 pH7.0) で希釈した 1 %の 4—メチルーゥンペリ フェリル—/?— D—ガラクトシド (4-Methy umbelliferyl-?- D-galactoside、 50〃1、 シグマ (Sigma)社製) を各ゥエルに加え、 室温下で 10分間インキュ ペートした。
各ゥヱルに、 1Mの Na2C 03 (100〃 1)を加え、 反応を止めた。波長 460nm (励起: 355nm) での蛍光強度をフルォロスキャン IIマイクロプレ一トフルォロメ一夕一
(Fluoroscan II microplate fluorometer、 フロ一研究戸斤 (Flow Laboratories Inc. ) (製))で測定した。測定試料中のヒト C T G Fまたはマウス C T G F量は、 下記実施例で作成した検量線から求めた。
<5-4> 検量線の作成
実施例 < 4一 8 >で調製したァフィ二ティ一精製した組換えヒト CTGFまた は組換えマウス CTGFを CTGF標準物質 (スタンダード) として用い、 実施 例 < 5— 3 >で確立したサンドィツチ ELISAを用いて検量線を作成した。 結果を 図 19に示す。
ヒト CTGFについては、極めて低濃度である 3ng/ml〜; I000ng/mlの濃度範囲 で有意差を持った検量線が得られた。 マウス CTGFについては、 30ng/ml〜 1000ng/ml の濃度範囲で有意差を持った検量線が得られた。 しかしながら、 実施 例く 5— 3 >で確立したサンドイッチ EL ISA系では、 ラヅト C T G Fは定量でき なかった。
実施例 6 マウス CTGF及びラッ ト CTGFの定量のためのサンドィツチ EL I S A系確立
<6- 1 > 抗体固定化マイクロプレートの作製
本実施例においてマイクロプレートに固定化するモノクローナル抗体は、 前述 のようにして調製した正常ラット由来のモノクローナル抗体 13- 5卜 2を用いた。 このモノクローナル抗体は、 マウス CTGFに高い反応性を有するとともに、 ラ
ット CTGFにも交叉反応性を示す。
モノクローナル抗体 13-51-2 をリン酸緩衝液 (PBS) で希釈し、 l〃g/50 〃1/ゥエルの濃度で、 ELISA用 96穴マイクロプレート (コ一二ング (Corning) 社製) の各ゥヱルに加え、 室温で 1時間インキュベートし、 モノクローナル抗体 13-51-2をマイクロプレートに吸着させた。
次いで、 プレートをリン酸緩衝液で洗浄した後、 各ゥヱルに 3%のゥシ血清ァ ルブミン (BSA; Bovine serum albumin) を含有するリン酸緩衝液 (200〃1/ゥェ ル) を加え、 室温で 2時間インキュベーションすることにより抗体が結合してい ない部位をプロックした。 次いで、 プレートをリン酸緩衝液で 3回洗浄した。 <6-2> 標識モノクローナル抗体の作製
実施例 < 5— 2 >で作製したピオチン標識モノクローナル抗体、 即ち、 ヒト C TGF、 マウス CTGF及びラヅト CTGFのいずれにも高い反応性を有するモ ノクロ一ナル抗体 8-86-2 (国際寄託番号 FERM BP- 6208で識別されるハイプリ ド 一マに由来する) をピオチンで標識した標識モノクローナル抗体を用いた。
<6-3> サンドイッチ EL I S Aによる定量法の確立
本発明で確立されたマウス CTGF及びラッ ト CTGFの定量のためのサンド ィツチ E L I S A系は以下の通りである。
実施例 < 6— 1 >で作製した抗体固定化マイクロプレートの各ゥエルに、 測定 試料(50〃1/ゥエル) を加え、 室温で 1時間ィンキュベ一卜した。マイクロプレ ートを、 0.1% Tween20を含有するリン酸緩衝液で 3回洗浄後、各ゥエルに、 1% BSA、 0.1%Tween20を含有するリン酸緩衝液で希釈した実施例 < 6— 2 >で作製したビ ォチン標識モノクローナル抗体(0.3〃1ノ50〃1/ゥエル) を加え、室温下で 1時 間インキュベートした。
マイクロプレートを、 0.1% Tween20を含有するリン酸緩衝液で 3回洗浄後、 0.5M の NaClと 20ιΜの HEPESからなる溶液 (BSA( lmg/ml)を含有、 pH7.0) で 1000倍 に希釈したス トレプトアビジン—/?—ガラク トシダ一ゼ (Streptoavidin- ?-
galactosidase, 50 1、 ギブコ (Gibco BRい 社製) を各ゥエルに加え、 室温 下で 30分間ィンキュベ一トした。
マイクロプレートを、 0.1% Tween20 を含有するリン酸緩衝液で 3回洗浄後、 lOOmMの NaCl、 ImMの MgCl2及び 10mMのリン酸緩衝液 (Na及び Kを含有) からな る溶液 (BSA(lmg/ml))を含有、 pH7.0) で希釈した 1 %の 4一メチル—ゥンベリ フエリル— 5— D—ガラクトシド (4-Methyl-umbel 1 if eryl- ? -D-galactosideN 50 1、 シグマ (Sigma)社製) を各ゥエルに加え、 室温下で 10分間インキュ ペートした。
各ゥエルに、 1Mの Na2C03 (100 zl)を加え、 反応を止めた。波長 460nm (励起: 355皿) での蛍光強度をフルォロスキャン IIマイクロプレートフルォロメ一夕一
(Fluoroscan II microplate fluorometer、 フロ一研究戸斤 (Flow Laboratories Inc.) (製)) で測定した。 測定試料中のマウス CTGFまたはラット CTGF量 は、 下記実施例で作成した検量線から求めた。
<6-4> 検量線の作成
実施例 <4一 8 >で調製したァフィ二ティ一精製した組換えマウス CTGFま たは組換えラット CTGFを CTGF標準物質 (スタンダード) として用い、 実 施例 < 6-3 >で確立したサンドィツチ ELISAを用いて検量線を作成した。 結果 を図 20に示す。
マウス CTGFについては、極めて低濃度である lng/ml〜; I000ng/mlの濃度範 囲で有意差を持った検量線が得られた。 ラヅ ト CTGFについては、 10ng/ml〜 1000ng/ml の濃度範囲で有意差を持った検量線が得られた。 しかしながら、 実施 例く 6— 3 >で確立したサンドィツチ ELISA系では、 ヒト CTGFは定量できな かった。
実施例 7 各種疾患に罹患している患者の血清中の CTGFの定量
実施例く 5— 3〉で確立されたサンドィツチ E L I S Aによる定量法を用いて 各種患者の血清中の CTGFを定量した。
< 7— 1 >胆道閉鎖症、 リゥマチ性血管炎、 悪性慢性関節リゥマチ、 乾癬及びァ トピー性皮膚炎
本試験で用いたヒト血清は、健常人(3 3検体)、 胆道閉鎖症に罹患し、 外科手 術を受けた患者の術後サンプル(<第 1群〉臨床所見は正常な患者( 1 7検体)、 <第 2群 >症状進行中の患者( 1 4検体)、及び <第 3群 >肝臓移植を必要とする 重症患者(8検体))、 リウマチ性血管炎に罹患している患者( 1 0検体)、 悪性慢 性関節リゥマチ (Malignant rheumatoid arthritis,MRA)に罹患している患者 ( 1 7検体)、 乾癬に罹患に罹患している患者 (2 4検体)、 及びアトピー性皮膚炎に 罹患している患者 (3 4検体) の各々から採取した血清である。
結果を図 2 1 (胆道閉鎖症) 及び図 2 2 (リウマチ性血管炎、 悪性慢性関節リ ゥマチ、 乾癬及びアトピー性皮膚炎) に示す。
胆道閉鎖症患者では、 C T G Fが第 2群 (症状進行期) で有意な発現すること が明らかとなった。 また、 リウマチ性血管炎、 悪性慢性関節リウマチでは、 健常 人に比べ有意に多くの C T G Fを発現していることが明らかとなった。
< 7 - 2 > 慢性関節リゥマチ及び変形性関節症
本試験で用いたヒト血清は、 慢性関節リウマチ (Rheumatoid arthritis, RA) に 罹患に罹患している患者 (3 6名) 及び変形性関節症 (Osteoarthritis, OA) に 罹患している患者 ( 1 9名) の各々から採取した関節液である。
結果を図 2 3に示す。
慢性関節リゥマチ患者の関節液中の CTGF濃度は、変形性関節症のそれに比べ有 意に高いことが明らかとなった。
この結果から、 本発明のアツセィ系は、 健常人のみならず種々の疾患患者での C T G Fの発現状態を高感度で定量することができ、 その病状の進行程度を的確 に把握するための臨床診断薬としての有用性を有していると言うことができる。 実施例 8 抗体フラグメント F(ab' )2及び Fabの調製
前述のようにして調製した各種モノクローナル抗体の抗体フラグメント
F(ab,)2及び Fabは、 下記のようにして調製する。
モノクローナル抗体 (5mg/nil) を、 20mMの酢酸ナトリウム緩衝液 (pH3.5) に 加え、 37°Cで 30分間ィンキュベ一トする。 次いで、 不溶化ペプシン ( lml、 ピアス社製) を加え、 ローテ一夕一で回転させながら 37 Cで 12時間インキュ ペートする。 反応液を回収し、 遠心分離 (3000rpm、 10分間) し、 上清を回収す る。
プロテイン Aァフィ二ティ一クロマトグラフィ一を、 プロテイン Aカラムキッ ト (アマシャム社製) のプロトコ一ルに従って以下のようにして行う。 遠心沈殿 物に結合緩衝液を加え、 遠心分離 (3000rpm、 10分間) し、 上清を回収する。 2 回の遠心分離で回収した上清を集め、 等量の結合緩衝液を加え、 さらに 1Nの水 酸化ナトリウムを加えて PH8.9に調整する。 該混合溶液を、 該結合緩衝液で平衡 化した該プロテイン Aカラムに添加した後、 該結合緩衝液(5ml)で 2回洗浄し、 溶出分画を回収する。 得られた溶出分画を、 5mMのリン酸緩衝液 (2 L、 pH6.8) で透析 (4°C、 24時間) する。
さらなる精製のためヒドロキシアパタイ トカラム (バイオラッド社製) を用い て、 高速液体クロマトグラフィー (HPLC) を行う。 透析により得られる溶液を、 該ヒドロキシァパタイ トカラムに添加し、 5mMのリン酸緩衝液を 15分間流した 後、 5mM〜0.4Mのリン酸緩衝液で直線濃度勾配溶出させる。 溶出液をフラクショ ンコレクタ一で分取し、 280nmでの吸光度を測定し、 F(ab' )2を含む分画を回収す る。 得られた分画をリン酸緩衝液 (2L) で透析 (4° 24時間) し、 モノク 口一ナル抗体の精製 F(ab,)2を得る。
実施例 9 ヒト CTGF発現トランスジエニックマウスの作製
実施例 2で取得したヒト CTGFをコードする cDNAを、 ニヮトリ^アクチ ンプロ一モ一夕一を有する発現ベクター pCAGGS (Gene, Vol.108, p.193-200, 1991) に、 DNA末端平滑化キッ 卜 (夕カラ社製) を用いて挿入し、 プラスミ ド phCTGFを得た。エレクト口ポレーシヨン法により、 phCTGFでヒト腎臓由来線維芽
細胞株 293-T (ATCC CRL1573) を形質転換した。 実施例 5で確立したサンドィッ チ ELI S Aにより、得られた形質転換細胞が培養上清中にヒト CTGFを発現、 分泌していることを確認した。
トランスジヱニックマウス作製のために、 phCTGFを制限酵素処理して直鎖状に した。
仮親マウスには、 白色 I CRマウス (雌、 日本エスエルシ一社製) と精管結紮 した白色 I CRマウス (雄、 日本エスエルシ一社製) とを交配して得られたブラ グ (または膣栓) を有する雌 I CRマウスを用いた。 また、 ヒ ト CTGF遺伝子 を導入するための受精卵を得るための採卵用マウスは、 PEAMEX ( 5ユニット、 三 共ゾーキ社製) 及びプレグニール (5ユニット、 オルガノン社製) を投与するこ とにより過剰排卵させた BDF- 1マウス (雌、 日本エスエルシ一社製) を BDF-1マ ウス (雄、 日本エスエルシ一社製) と交配させて作製した。 交配後、 BDF- 1マウ ス (雌) から卵管部を摘出し、 ヒアルロニダ一ゼ処理により受精卵のみを得、 培 地中で保存した。
受精卵へのヒ ト CTGF遺伝子の導入は、 顕微鏡下でマニピュレーターを用い て常法により行った。 受精卵を保定針で固定し、 37°C条件下、 トリス EDTA 緩衝液で希釈したヒト CTGFの前記直鎖状遺伝子を含有する溶液を、 DNA導 入針を用いて受精卵の雄性前核内に注入した。
遺伝子導入後、 正常な状態を保持する受精卵のみを選別し、 仮親マウス (白色 ICRマウス) の卵巣内にある卵管采に、 ヒト CTGF遺伝子導入受精卵を挿入 した。
仮親から生まれた子マウス (キメラマウス) の尾を切取りゲノム遺伝子を回収 し、 P CRによりマウスゲノム内にヒト CTGF遺伝子が導入されていることを 確認した。 また、 実施例 5で確立したサンドイッチ E LI SAにより、 該マウス の血清中にヒト CTGFが発現、 分泌されていることを確認した。 次いで、 この キメラマウスを正常マウスと交配させることによりヒト CTGF高発現へテロト
ランスジエニックマウスを作製した。 該ヘテロマウス同士を掛け合わせることに よりホモマウスを作製した。
実施例 1 1 ラット CTGFの調製
< 1 1 - 1 > cDNAのクローニング
( 1 ) ラット c D N Aライブラリ一及びプロ一ブの作製
ラット腎臓由来線維芽細胞株 NRK- 49F (ATCC CRL-1570, 約 l lOVml) を遠心
(23000xg, 5分間、 4°C) して、 沈殿した細胞を IS0GEN (二ヅポンジーン社製) を用いて懸濁させた後、 クロ口ホルムで振とう抽出して上清を回収した。 得られ た上清にイソプロパノールを添加して室温で 1 0分間放置した後、 遠心 (12,000 xg、 10分間、 4°C) し、 RNAを沈殿させた。 沈殿した RNAをエタノールで洗浄し た後、 TE緩衝液に溶解した。 得られた全 A から、 inMA Purification Kit
(Pharmacia社製) を用いて poly(A)+RNAを精製した。
poly(A)+RNA ( 5 j g) を錡型とし、 Superscript 1 system for cDNA Synthesis Kit (GIBCO- BRL社製) を用いて cDNAを合成した。 スクリーニングの効率を上げ るため、 Notl切断部位を有する oligodTプライマ一 (GIBC0- BRL社製) を用いた c Sailアダプタ一付加した後 Notl消化を行い、単一方向性を有する cDNAを得た。 さらに c DNAサイズ分画カラム (cDNA size fractionation column、 GIBCO-BRL 社製) を用いてサイズ分画を行った。
実施例 2で取得したヒト及びマゥス CTGFをコードする cDNA塩基配列を比較し ヒト 'マウス間で相同性の高い領域を利用して 5'プライマ一 (配列番号 3) 及び 3'プライマー (配列番号 4) を設計し、 合成した。
上記のようにして作製した cDNAラィブラリ一を銪型とし、前記両プライマ一及 び Ex Taq DNA ポリメラ一ゼ (宝酒造社製) を用いて PCR (Polymerase Chain Reaction) を行った。 反応は、 MAサ一マルサイクラ一 (Perkin Elmer Cetus社 製)を用いて、プライマー終濃度が 0.4〃M及び Mg2+濃度が 1.5mMの条件下で、 94°C で 1分、 55。Cで 1分及び 72°Cで 1分の反応を 1サイクルとして合計 35サイクル
行った。 増幅された MAを、 ァガロースゲル電気泳動した後、 QUIAEXDNA抽出キ ット (QUIAEX DNA Extraction Kitヽ QUIAGEN社製) を用いて精製した。
回収した MA断片を TAクローニングキット (Invitrogen社製) を用いてべク 夕一 pCRII (Inv rogen社製) に連結した後、 ォ一トリ一ドシークェンシングキ ット (Auto Read Sequencing Kitヽ Pharmacia社製) 及び A.L.F.DNAシークェン サ一 (Pharmacia社製) を用いてジデォキシ法により塩基配列を決定した。 得ら れた cDNA断片の塩基配列を、 実施例 2及び実施例 3で各々取得したヒト及び マウスの CTGFの塩基配列と比較した結果、 当該 cDNA断片はヒト及びマウ スの CTGFのラヅトホモログ (ラット CTGF) をコードする領域を含んでい ることが確認された。
該 cDNA断片 (約 0.8kb) を、 ECLランダムプライムラべリングキット (ECL random prime labelling system、 Amersham社製) を用いて FITC標識し、 プラ一 クハイプリダイゼーション用プローブとして使用した。
(2) cDNAライブラリーのベクターへの組み込み及びパッケージング 前記 ( 1 ) で得られた c D N A断片を、 ベクタ一 lZipLox Notl-Sall arm (GIBC0-BRL社製) に連結した。 連結反応には DNAライゲ一シヨンキット (DNA ligation Kit, 宝酒造社製) を用いた。 次いで、 GIGA PACK II GOLD (Stratagene 社製) を用いてインビトロパッケージングした後、 得られたファージ粒子を用い て、 大腸菌 Y1090 (GIBC0-BRL社製) を宿主として、 組み換えファージを含有する プラークからなる cDNAライブラリーを作製した。
(3) cDNAライブラリ一のスクリーニング
ラビッ ドハイブリダイゼ一ション緩衝液 (Rapid hybridization buffer Amershajn社製) を用いたプラークハイブリダィゼ一シヨン法 (マニアテイス (Maniatis) ら、 Molecular Cloning: A Labolatory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New York) に従い、 前記 (2) で調製した c DNAライブラリーのスクリーニングを下記のようにして行った。
前記 (2) で得られたライブラリ一 (lxlO4個プラーク) を寒天プレートに蒔 き、 ノヽィボンド- Nナイロンメンフラン (Hybond- N nylon menbraneヽ Amersham社 製) を用いてレプリカを作製した。 このレプリカと前記 (1) で作製した FITC 標識プローブを用いて、 ラピッ ドハイブリダィゼ一シヨン緩衝液 (Rapid hybridization buff er、 Amersham社製) 中でプラークハイブリダィゼ一シヨンを 行った。 1次スクリーニング及び 2次スクリーニングを行い、 13個のポジティ ブ ' クローンを得た。 各クローンをシングルプラークで単離した後、 GIBCO- BRL 社のマニュアルに従ってインビボェクサイジヨン (in vivo Excision) に供し、
13クローンをプラスミ ド DNAとして回収した。
( 4 ) 塩基配列決定
13個のクローンについてォートリ一ドシークェンシングキヅト (Auto Read Sequencing Kit, Pharmacia社製)と A.L.F.DNAシークェンサ一 (Pharmacia社製) を用いてジデォキシ法により塩基配列を決定した。 13個のクローンはすべて同 じ塩基配列を含んでいた。ヒト及びマウス CTGFの c D N A配列と比較した結果、 得られたクロ一ン r 311にはラヅ ト CTGFの全長をコードする cDNA領域 を含まれることが確認された。 なお、 得られらラット CTGFの全長 cDNA配 列 (5' 及び 35 末端塩基配列を含む) を配列番号 1に、 またその配列から演繹 されるアミノ酸配列を配列番号 2に示す。
< 11 -2> 組換えラヅ ト CTGFの調製
実施例く 11— 1>で取得したラット CTGFをコードする cDN Aを含むク ローン r 311を Sail- Dralで消化して、 ラヅト C T G Fをコードする c D N A を含む DNA断片を切りだした。 該 DNA断片をプラスミ ド pcDNA3.1( -) (Invitrogen社製) に揷入し発現べクタ一を作成した。 エレクト口ポレーシヨン により、 該ベクタ一でヒ ト上皮様細胞株 Hela (ATCCCCL- 2) を形質転換した。 形 質転換細胞を、 Geneticin(0.8mg/ml;GIBC0-BRL社製)及び 10%ゥシ胎児血清(fetal calf serum) を含有する RPMI1640 培地中で約 2週間培養することにより、
Geneticin耐性形質転換細胞クローンを選別した。 選別された形質転換細胞を、 無血清培地 ASF104 (味の素社製) 中培養し、 組換えラット CTGFを発現させた c ラット CTGFの発現を、 前記実施例 4で調製したラット CTGFに交叉反応性 を有するモノクローナル抗体を用いたウエスタンプロッティングにより確認した 培養培養上清を回収し、 硫化アンモニゥム沈澱法に供した後、 へパリンカラム クロマトグラフィーに供し、 0.3Mの NaCl/PBSで洗浄した後、 0.5Mの NaCl/PBS で溶出し、 部分精製ラット CTGF画分を得た。 産業上の利用可能性
本発明は、 未だ提供されていない、 ヒト、 マウス、 ラット及びゥサギ等の種々 の哺乳動物の CTGFに対して、 抗原特異性、 抗原親和性、 中和活性、 及び交叉 反応性等の性質の点で、 異なる特性を有する種々の哺乳動物由来の種々のモノク 口一ナル抗体を提供するものである。 特に、 遺伝子組換え技術を用いてヒトの抗 体を産生するように作製したトランスジエニックマウスを免疫動物として用いる ことにより、 ヒト CTGFに対する種々のヒトモノクローナル抗体を世界に先ん じて初めて提供するものである。
本発明のモノクローナル抗体の内、 ヒト CTGFに対するモノクローナル抗体 及びその医薬組成物は、 その発症が CTGFに起因することが予測される可能性 を有するような種々の疾患症状、 例えば、 腎疾患 (腎繊維症、 腎炎、 腎不全など)、 肺疾患 (例えば、 肺線維症、 肺炎など)、 肝臓疾患 (例えば、 肝臓組織繊維症、 肝 硬変、 肝炎など)、 皮膚疾患 (例えば、 創傷、 強皮症、、 乾癬、 ケロイ ドなど)、 関 節炎 (例えば、 慢性関節リウマチ、 変形性関節症など)、 血管疾患 (例えば、 リウ マチ性血管炎など)、 各種癌で併発する組織繊維症、 及び動脈硬化症(特にい、 併 発する組織繊維症) などの発症及び/または進行を抑制、 阻止し、 該疾患を治療 または予防するための医薬品として有用である。
特に、 ヒトモノクローナル抗体及びその医薬組成物は、 マウス由来の抗体等の
非ヒト哺乳動物由来の抗体からなる抗体医薬品の治療上の大きな問題点(副作用) であったヒ卜に対する抗原性を全く有しないことから、 医薬品としての価値を劇 的に増大させるものである。
さらに、 本発明の種々のモノクローナル抗体を用いることにより、 種々哺乳動 物 (ヒト、 マウス、 ラット及びゥサギ等) の体液 (血清等) 中の CTGFを、 ィ ン夕ク卜な状態で簡便かつ高感度で定量できる種々のィムノアツセィ系 (方法及 びキット) を提供することができる。 また、 該モノクローナル抗体を不溶性担体 の固定化したァフィ二ティーカラムを作製することにより、 種々の哺乳動物の C T G Fを高純度で容易に精製することが可能となる。
また、本発明のヒト CTGFを発現するトランスジエニック非ヒト哺乳動物(夕 ランスジエニックマウス等) は、 ヒト CTGFの生理学的機能を解明するための モデル動物として有用であるだけでなく、 ヒト CTGFの機能を制御 (阻害、 抑 制、 活性化、 刺激など) する可能性を種々の医薬 (低分子化合物、 抗体、 アンチ センス、 ヒト CTGF以外のポリペプチドなど) をスクリーニングするためのヅ —ルといして極めて有用である。 即ち、 そのような薬剤を該トランスジエニック 非ヒト哺乳動物に投与し、 該動物中でのヒト CTGFの発現の程度を、 本発明の アツセィ系 (サンドイイヅチ ELISAなど) を用いて定量することにより、 投与さ れた薬剤のヒト CTGFに対する効果を評価することが可能である。