JP6668241B2 - 予測可能で、一貫性のある、且つ再現可能な糖型特性を示すFc含有分子 - Google Patents

予測可能で、一貫性のある、且つ再現可能な糖型特性を示すFc含有分子 Download PDF

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Description

関連出願に対する相互参照
本出願は、参照によって本明細書に組み入れられる2013年9月5日に出願されたUS61/874,222号の利益を主張する。
配列表
本出願は、ASCII形式で電子的に提出されており、その全体が参照によって本明細書に組み入れられる配列表を含有する。2014年9月5日に作成された前記ASCIIコピーはA−1859−WO−PCT_SL.txtと名付けられ、98,304バイトのサイズである。
バイオ医薬品業界では、たとえば、組換えモノクローナル抗体(mAb)のような治療用糖タンパク質は主として哺乳類細胞の培養系で製造される。ヒトmAb及び組換えmAbを含む抗体は、Fc CH2ドメインにおける高度に保存されたAsn297にてN結合型でグリコシル化される。N結合型グリコシル化の構造は、抗体の三次元構造、生成物の安定性及びIgG1やIgG2の生体内クリアランスに影響を与える。加えて、グリカンの構造は、抗体依存性細胞介在性の細胞傷害性(ADCC)及びIgG1クラスの補体依存性細胞傷害性(CDC)の活性を含むFcが介在する抗体のエフェクター機能に影響を与える。
グリコシル化の重要な特徴の1つは、種々の高マンノース形態(Man5〜9)、シアル酸、ガラクトース及びN−アセチルグルコサミン、及びコアフコースを含む様々な末端糖残基の存在または非存在によって反映されるN結合型Fcグリカンの不完全なプロセッシングによる不均一性である(図1)。mAbの主要な種はIgG−G0(ガラクトース無し)、IgG−G1(一方の腕部にガラクトース)及びIgG−G2(双方の腕部にガラクトース)である。G1及びG2はさらにシアル化することができる成熟型の糖型である(G2FSA1及びG2FSA2)(図1)。たとえば、高マンノース(HM)のグリコール形態(Man5〜9、2〜35%で変動する)のようなCHOに由来するIgGの未成熟型の糖型は、複合体グリカンに結合するmAb分子に比べてHMを含有するmAbの高い血漿クリアランス速度のために主な懸念であり、それは有効性への潜在的な影響をもたらす(Jonesら,(2007)、Glycobiology、17,529−540;Goetzeら,(2011)、Glycobiology、21,949−959)。別の未成熟型の糖型は末端のガラクトースがないG0の糖型(G0及びG0F)であり、それはCHOに由来するIgGの大半(30〜60%で変動する)である。末端ガラクトースのないIgGは疾患の活動に連鎖することが見いだされており、血清移行試験はそれが疾患を誘導し得ることを示した(Arnoldら,(2007)、Annu.Rev.Immunol.25,21−50)。また、これらの糖型は、たとえば、補体依存性の細胞傷害性(CDC)のようなIgGの特定の重要な特徴を欠く。
グリコシル化の変動が生成物の効能に影響し得るので、それは、規制当局が協調する重要な製品品質特性である。従って、治療用抗体製品で一貫した糖型特性を得ることが高度に望まれる。しかしながら、たとえば、宿主細胞、培地成分及び工程条件(pH、浸透圧、温度)のような細胞培養及び発現系はグリカンのプロセッシングに有意に影響を与える。従って、固有のグリカンの不均一性の課題に加えて、同一分子の異なる製造工程間でのmAbのグリカン特性の相当なロット間変動性も一般的な状況であった。mAbのグリコシル化を制御するために製造工程及び比較可能性の課題を最適化することに十分な量の資力が費やされる。CHO細胞の産生系の複雑さのために、哺乳類細胞株の開発、培地の最適化及び上流の操作を含むが、これらに限定されない産生条件は通常実験的に導き出される必要がある。さらに、所望のグリカン組成を実現する場合、たとえば、タンパク質力価、上流のロバスト性及び工程内管理のような他の産生開発の目標は犠牲にされることが多い。たとえば、タンパク質生成物における高マンノース形成を出来るだけ抑えるために上流の産生の間でグルコースの供給を制御する必要があってもよく、それはさらに遅い細胞の代謝速度、細胞増殖及び低下した生産性をもたらす。
Jonesら,(2007)、Glycobiology、17,529−540 Goetzeら,(2011)、Glycobiology、21,949−959 Arnoldら,(2007)、Annu.Rev.Immunol.25,21−50
従って、バイオ医薬品業界では、予測可能で、一貫した且つ再現可能な糖型特性を示すCHO及び他の哺乳類細胞の発現系からのmAbの産生に対するニーズがある。
本明細書で記載されるのは、Fc含有分子、たとえば、Fc融合分子及び抗体のグリコシル化の成熟を改善し、且つその培養工程に依存した影響を出来るだけ抑える組成物及び方法である。高マンノースのプロセッシング及びグリコシル化の成熟を改善することを目的としてFcドメイン内で単一及び複数のアミノ酸置換を作ることは、驚くべきことに、さらに良好な製品品質管理と同様に所望の治療有効性の達成を提供するさらに成熟し、且つ不均一性の低いグリカン特性を示すmAbを細胞が一貫して産生するようにした。
第1の態様では、本発明は、239位、241位、262位、264位、265位、296位、または301位にてアミノ酸配列を含む、たとえば、抗体またはFc融合分子のようなFc含有分子に関する。239位における好まれる置換にはS239D、S239E、及びS239Kが挙げられるが、これらに限定されない。241位における好まれる置換はF241Aである。262位における好まれる置換はV262Aである。264位における好まれる置換にはV264D、V264L、V264A、及びV264Sが挙げられるが、これらに限定されない。265位における好まれる置換にはD265A、D265V、及びD265Sが挙げられるが、これらに限定されない。296位における好まれる置換はF296Aである。301位における好まれる置換はF301Aである。
一実施形態では、Fc含有分子はS239Dの置換を含む。
一実施形態では、Fc含有分子はF241Aの置換を含む。
一実施形態では、Fc含有分子はV262Aの置換を含む。
別の実施形態では、Fc含有分子はV264Dの置換を含む。
別の実施形態では、Fc含有分子はV264Lの置換を含む。
別の実施形態では、Fc含有分子はD265Aの置換を含む。
別の実施形態では、Fc含有分子はD265Vの置換を含む。
別の実施形態では、Fc含有分子はD265Sの置換を含む。
別の実施形態では、Fc含有分子はF296Aの置換を含む。
一実施形態では、Fc含有分子はF301Aの置換を含む。
本発明の範囲内に含まれるのは、239位、241位、262位、264位、265位、296位、または301位にて置換の組み合わせを有するFc含有分子である。好まれる組み合わせには、239位及び264位での置換(たとえば、S239D及びV264DまたはS239D及びV264L)、239位及び265位での置換(たとえば、S239D及びD265A)、264位及び296位での置換(たとえば、V264D及びF296A)、並びに264位及び265位での置換(たとえば、V264L及びD265A)が挙げられるが、これらに限定されない。
第1の態様の特定の実施形態では、Fc含有分子は抗体である。他の実施形態では、Fc含有分子はFc融合タンパク質である。
第1の態様の好まれる実施形態では、Fc含有分子はグリコシル化される。Fc含有分子は、たとえば、CHO細胞のような哺乳類の宿主細胞における発現を介してグリコシル化されてもよい。
第2の態様では、本発明は、Fc含有分子の40%を超えるものが成熟N結合型のグリコシル化(G1、G1F、G2、G2F、G2 FSA1、及びG2 FSA2)を含む、第1の態様のFc含有分子を含む組成物に関する。好まれる実施形態ではFc含有分子の45%を超える、50%を超える、55%を超える、60%を超える、65%を超える、70%を超える、75%を超える、または80%を超えるものが成熟N結合型のグリコシル化を含む。特定の実施形態では、成熟N結合型のグリコシル化を含むFc含有分子の比率は、40%〜85%、45%〜85%、50%〜85%、55%〜85%、60%〜85%、65%〜85%、70%〜85%、75%〜85%、または80%〜85%の間である。第2の態様の特定の実施形態では、成熟N結合型のグリコシル化は90%未満である。
第3の態様では、本発明は、Fc含有分子の50%未満が未成熟のN結合型グリコシル化(G0及びG0F)を含む、第1の態様のFc含有分子を含む組成物に関する。好まれる実施形態では、Fc含有分子の45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、または5%未満が未成熟のN結合型グリコシル化を含む。
第3の態様では、本発明は、Fc含有分子の50%未満の未成熟のN結合型グリコシル化(G0及びG0F)を含む、第1の態様のFc含有分子を含む組成物に関する。好まれる実施形態では、Fc含有分子の45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、または5%未満が未成熟のN結合型グリコシル化を含む。
第4の態様では、本発明は、Fc含有分子の5%未満がマンノース5(M5)N結合型グリコシル化を含む、第1の態様のFc含有分子を含む組成物に関する。好まれる実施形態では、Fc含有分子の4%未満、3%未満または2%未満がマンノース5(M5)N結合型グリコシル化を含む。
第5の態様では、本発明は、Fc領域が239位、241位、262位、264位、265位、296位、または301位にてアミノ酸置換を含む前記Fc領域を含むポリペプチドに関する。239位における好まれる置換にはS239D、S239E、及びS239Kが挙げられるが、これらに限定されない。241位における好まれる置換はF241Aである。。262位における好まれる置換はV262Aである。264位における好まれる置換にはV264D、V264L、V264A、及びV264Sが挙げられるが、これらに限定されない。265位における好まれる置換にはD265A、D265V、及びD265Sが挙げられるが、これらに限定されない。296位における好まれる置換はF296Aである。301位における好まれる置換はF301Aである。
一実施形態では、ポリペプチドはFc領域にてS239Dの置換を含む。
一実施形態では、ポリペプチドはFc領域にてF241Aの置換を含む。
一実施形態では、ポリペプチドはFc領域にてV262Aの置換を含む。
別の実施形態では、ポリペプチドはFc領域にてV264Dの置換を含む。
別の実施形態では、ポリペプチドはFc領域にてV264Lの置換を含む。
別の実施形態では、ポリペプチドはFc領域にてD265Aの置換を含む。
一実施形態では、ポリペプチドはFc領域にてD265Vの置換を含む。
別の実施形態では、ポリペプチドはFc領域にてD265Sの置換を含む。
別の実施形態では、ポリペプチドはFc領域にてF296Aの置換を含む。
一実施形態では、ポリペプチドはFc領域にてF301Aの置換を含む。
第6の態様では、本発明は第5の態様のポリペプチドをコードする核酸に関する。
第7の態様では、発現ベクターはプロモータに作動可能に連結された第6の態様の核酸を含む。
第8の態様では、宿主細胞は1以上の第6の態様の核酸を含む。好まれる実施形態では、宿主細胞は1以上の第7の態様の発現ベクターを含む。
第9の態様では、本発明はFc含有分子を産生させる方法に関する。Fc含有分子の発現を引き起こす条件下で第8の態様の宿主細胞を培養することと、培養物からFc含有分子を単離することとを含む方法。好まれる実施形態では、Fc含有分子は宿主細胞によって分泌され、増殖培地から単離される。
第10の態様では、本発明は第2、第3または第4の組成物を製造する方法に関する。Fc含有分子の発現を引き起こす条件下で第8の態様の宿主細胞を培養することと、培養物からFc含有分子を単離してFc含有分子組成物を得ることとを含む方法。好まれる実施形態では、Fc含有分子は宿主細胞によって分泌され、増殖培地から単離される。
哺乳類細胞に由来するIgGで見いだされるN−グリカンの構造を示す図である。 mAbのグリコシル化に潜在的な影響を有するIgG2のFcドメインの残基を示す図である。標識したオリゴ糖と生体内でのグリカンのプロセッシングに潜在的な影響を有する残基を伴ったIgG2の結晶構造。 Fc領域におけるアミノ酸の変異は%マンノース5を減らすことを示す図である。10日間の流加産生培養によってFc変異体mAbを生成した。3つの独立した形質移入プールのグリカンマッピングの結果を示す。示されたデータは標準偏差を伴った3つ組の値の平均を表す。(A)増幅せず;(B)150nMのMTXで増幅した。 グリコシル化の成熟を増やすアミノ酸の変異を示す図である。10日間の流加産生培養によってFc変異体mAbを生成した。3つの独立した形質移入プールのグリカンマッピングの結果を示す。示されたデータは標準偏差を伴った3つ組の値の平均を表す。(A)増幅せず;(B)150nMのMTXで増幅した。 未成熟の糖型を減らすアミノ酸の変異を示す図である。10日間の流加産生培養によってFc変異体mAbを生成した。3つの独立した形質移入プールのグリカンマッピングの結果を示す。示されたデータは標準偏差を伴った3つ組の値の平均を表す。(A)増幅せず;(B)150nMのMTXで増幅した。 Fc変異体mAbの示差走査熱量測定を示す図である。 サイトカイン受容体に対する野生型抗体及びFc変異体抗体の結合親和性を示す図である。 野生型抗体及びFc変異体抗体のFcγRIIA(H131)への結合を示す図である。 野生型抗体及びFc変異体抗体のFcRnへの結合を示す図である。 ヒトFcRnのトランスジェニックマウスにおける薬物動態試験を示す図である。 野生型抗体及びFc変異体抗体のM5レベルを示す図である。 野生型抗体及びFc変異体抗体の高マンノースグリカン(M6、M7、M8及びM9)を示す図である。 野生型抗体及びFc変異体抗体の未成熟種G0及びG0Fのレベルを示す図である。 野生型抗体及びFc変異体抗体のガラクトシル化された及びシアル化されたグリカン構造のレベルを示す図である。 野生型抗体及びFc変異体抗体のシアル化のレベル(SA1及びSA2)を示す図である。 野生型抗体及びFc変異体抗体の親水性相互作用クロマトグラフィ(HILIC−MS)によるグリカンのマッピングを示す図である。
本明細書で使用される節の見出しは構成する目的のみのためのものであり、記載される主題を限定すると解釈されるべきではない。本明細書の本文内で引用される参考文献はすべてその全体が参照によって明らかに組み入れられる。
組換えDNA、オリゴヌクレオチドの合成、組織培養及び形質転換、タンパク質の精製等には標準の技法が使用されてもよい。酵素反応及び精製法は、製造元の仕様書に従って、または当該技術で一般に達成されるようにまたは本明細書で記載されるように実施されてもよい。以下の手順及び技法は一般に、当該技術で周知の従来の方法に従って、及び本明細書全体にわたって引用され、議論される種々の一般的な及びさらに特定の参考文献に記載されたように実施されてもよい。たとえば、任意の目的で参照によって本明細書に組み入れられるSambrookら,2001,Molecular Cloning:A Laboratory Manuel,第3版,Cold Spring Harbor Laboratory Press,cold Spring Harbor,N.Y.を参照のこと。特定の定義が提供されない限り、本明細書で記載される分析化学、有機化学、及び医化学及び製薬化学に関連して使用される命名法、並びにそれらの実験室手順及び技法は、当該技術で周知であり、一般に使用されるものである。標準の技法が化学合成、化学分析、医薬の調製、製剤化及び送達及び患者の治療に使用されてもよい。
定義
用語「高マンノース」(「HM)」)は本明細書で使用されるとき、5以上のマンノース残基を伴った2つのN−アセチルグルコサミンを指す。
用語「M5」は本明細書で使用されるとき、5つのマンノシル残基を伴ったマンノース5、N結合型オリゴ糖、ManGlcNacを指す。
用語「G0」は本明細書で使用されるとき、ガラクトースまたはフコースを伴わない複合体二分岐オリゴ糖、GlcNAcManGlcNAcを指す。
用語「G0F」は本明細書で使用されるとき、コアフコースを含有し、且つガラクトースを伴わない複合体二分岐オリゴ糖、GlcNAcManGlcNAcFucを指す。
用語「G1」は本明細書で使用されるとき、フコースを伴わず、且つガラクトシル残基1つを含有する複合体二分岐オリゴ糖、GalGlcNAcManGlcNAcを指す。
用語「G1F」は本明細書で使用されるとき、コアフコースとガラクトシル残基1つを含有する複合体二分岐オリゴ糖、GalGlcNAcManGlcNAcFucを指す。
用語「G2」は本明細書で使用されるとき、フコースを伴わず、且つガラクトシル残基2つを含有する複合体二分岐オリゴ糖、GalGlcNAcManGlcNAcを指す。
用語「G2F」は本明細書で使用されるとき、コアフコースとガラクトシル残基2つを含有する複合体二分岐オリゴ糖、GalGlcNAcManGlcNAcFucを指す。
用語「G2S1F」は本明細書で使用されるとき、コアフコースとガラクトシル残基2つとN−アセチルノイラミン酸残基1つを含有する複合体二分岐オリゴ糖、NANAGalGlcNAcManGlcNAcFucを指す。
用語「G2S2F」は本明細書で使用されるとき、コアフコースとガラクトシル残基2つとN−アセチルノイラミン酸残基2つを含有する複合体二分岐オリゴ糖、NANAGalGlcNAcManGlcNAcFucを指す。
用語「抗体」は本明細書で使用されるとき、免疫グロブリン分子の可変領域に位置する少なくとも1つの抗原結合部位を介して特異抗原に結合する免疫グロブリン分子を指す。「免疫グロブリン」は四量体分子である。天然に存在する免疫グロブリンでは、各四量体は、各対が「軽」鎖1本(約25kDa)と「重」鎖1本(約50〜70kDa)を有するポリペプチドの2つの同一の対で構成される。各鎖のアミノ末端部分には、主として抗原認識に関与する約100〜110以上のアミノ酸の可変領域が含まれる。各鎖のカルボキシ末端部分は主としてエフェクター機能に関与する定常領域を定義する。ヒトの軽鎖は、κ軽鎖及びλ軽鎖として分類される。重鎖は、μ、δ、γ、αまたはεとして分類され、それぞれIgM、IgD、IgG、IgA及びIgEのような抗体のアイソタイプを定義する。軽鎖及び重鎖の範囲内で、可変領域及び定常領域は約12以上のアミノ酸の「J」領域によって連結され、重鎖はまた約10以上のアミノ酸の「D」領域も含む。一般的に、Fundamental Immunology、Ch.7(Paul、W.編,第2版.Raven Press,N.Y.(1989))を参照のこと。各軽鎖/重鎖の対の可変領域は、インタクトな免疫グロブリンが2つの結合部位を有するように抗体結合部位を形成する。
天然に存在する免疫グロブリン鎖は、相補性決定領域またはCDRとも呼ばれる3つの超可変領域によって連結される相対的に保存されたフレームワーク領域(FR)の同一の一般構造を示す。N末端からC末端に向かって、軽鎖及び重鎖の双方はドメイン、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3及びFR4を含む。各ドメインへのアミノ酸の割り当ては、Kabatら.in Sequences of Proteins of Immunological Interest,第5版,US Dept.of Health and Human Services,PHS,NIH,NIH Publication no.91−3242,1991の定義に従う。インタクトな抗体には、完全長の重鎖及び軽鎖を有するポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体及び完全なヒト抗体が含まれる。
抗体は1以上の結合部位を有してもよい。1を超える結合部位があるのならば、結合部位は互いに同一であってもよいし、または異なっていてもよい。たとえば、天然に存在するヒト免疫グロブリンは通常、2つの同一の結合部位を有する一方で、「二重特異性」または「二重官能性」の抗体は2つの異なる結合部位を有する。
用語「ヒト抗体」には、ヒトの免疫グロブリン配列に由来する1以上の可変領域及び定常領域を有する抗体すべてが含まれる。一実施形態では、可変領域及び定常領域のすべてがヒト免疫グロブリン配列に由来する(完全ヒト抗体)。これらの抗体は、ヒトの重鎖及び/または軽鎖をコードする遺伝子に由来する抗体を発現するように遺伝的に操作されるマウスの当該抗原による免疫を介することを含む、その例が以下で記載される種々の方法によって調製されてもよい。特定の実施形態では、ヒト抗体の重鎖をCH2ドメインで変化させて、たとえば、CHO細胞のような組換え細胞株で発現させる場合、抗体のグリコシル化特性を変化させる。
ヒト化抗体は1以上のアミノ酸の置換、欠失、及び/または付加によって非ヒト種に由来する抗体の配列とは異なる配列を有するので、ヒト対象に投与される場合、ヒト化抗体は、非ヒト種抗体に比べて、免疫応答を誘導する可能性が低く、及び/またはさほど重篤ではない免疫応答を誘導する。一実施形態では、非ヒト種抗体の重鎖及び/または軽鎖のフレームワークドメイン及び定常ドメインにおける特定のアミノ酸を変異させてヒト化抗体を作出する。別の実施形態では、ヒト抗体に由来する定常ドメインを非ヒト種の可変ドメインに融合させる。ヒト化抗体の作製の仕方の例はUS6,054,297号、同第5,886,152号及びUS同第5,877,293号にて見いだされ得る。
用語「キメラ抗体」は、1つの抗体に由来する1以上の領域と1以上の他の抗体に由来する1以上の領域を含有する抗体を指す。キメラ抗体の一例では、重鎖及び/または軽鎖の一部は特定の種の抗体または特定の抗体のクラス若しくはサブクラスに属する抗体と同一であり、それに対して相同であり、またはそれに由来する一方で、鎖の残りの部分は別の種の抗体または別の抗体のクラス若しくはサブクラスに属する抗体と同一であり、それに対して相同であり、またはそれに由来する。含められるのはまた、所望の生物活性を示すそのような抗体の断片である。
抗体の断片または類似体は、本明細書の教示に従って、当該技術で周知の技法を用いて当業者が容易に調製することができる。断片または類似体の好まれるアミノ末端及びカルボキシ末端は機能的なドメインの境界の近傍に存在する。ヌクレオチド及び/またはアミノ酸の配列データを公的なまたは独占所有権のある配列データベースと比較することによって構造的な及び機能的なドメインを特定することができる。コンピュータによる比較法を用いて既知の構造及び/または機能の他のタンパク質に存在する配列モチーフまたは予想されるタンパク質の構造ドメインを特定することができる。既知の三次元構造に折り畳むタンパク質配列を特定する方法が知られている。たとえば、Bowieら,1991,Science、253:164を参照のこと。
「CDR移植抗体」は特定の種またはアイソタイプの抗体に由来する1以上のCDRと同一または異なる種またはアイソタイプの別の抗体のフレームワークとを含む抗体である。
用語「Fcポリペプチド」または「Fc領域」には、本明細書で使用されるとき、抗体のFc領域に由来するポリペプチドのネイティブな形態及び変異タンパク質の形態が含まれる。二量体化を促進するヒンジ領域を含有するそのようなポリペプチドの切り詰め形態も含まれる。特定の実施形態では、Fc領域は抗体のCH2ドメイン及びCH3ドメインを含む。長い血清半減期と併せて、Fc部分を含む融合タンパク質(及びそれから形成されるオリゴマー)は、プロテインAカラムまたはプロテインGカラムでのアフィニティクロマトグラフィによる容易な精製という利点を提供する。好まれるFc領域は、IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4を含むヒトのIgGに由来する。本明細書では、Fc内での特定の残基は位置によって特定される。Fcの位置はすべてEU番号付け方式に基づく。
任意のペプチドまたはポリペプチドをFc領域に共有結合させて「Fc融合分子」または「Fc融合タンパク質」を作ってもよい。ポリペプチドまたはペプチドをFcのCH2ドメインまたはCH3ドメインの中の1以上のループに挿入してもよい。通常、ポリペプチドまたはペプチドはFcのN末端またはC末端に共有結合される。好まれる実施形態では、ペプチドまたはポリペプチドとFcは、遺伝子融合の産物、すなわち、単一のオープンリーディングフレーム内にコードされた産物として単一ポリペプチドとして発現される。
特定の実施形態では、Fc融合タンパク質は、Fcと目的のペプチドまたはポリペプチドとの間でリンカーを含む。多数の異なるリンカーポリペプチドが当該技術で既知であり、Fc融合タンパク質の文脈で使用されてもよい。好まれる実施形態では、Fc融合タンパク質は、Fcと目的のペプチドまたはポリペプチドとの間でGGGGS(配列番号47)、GGNGT(配列番号48)、またはYGNGT(配列番号49)から成るペプチドの1以上のコピーを含む。一部の実施形態では、Fc領域と目的のペプチドまたはポリペプチド領域との間のポリペプチド領域はGGGGS、GGNGT、またはYGNGTの単一コピーを含む。リンカーGGNGTまたはYGNGTは適当な細胞で発現される場合グリコシル化され、そのようなグリコシル化は溶液にて及び/または生体内で投与される場合、タンパク質を安定化するのに役立ち得る。従って、特定の実施形態では、Fc融合タンパク質は、Fc領域と目的のペプチドまたはポリペプチドとの間でグリコシル化されたリンカーを含む。
例となるヒトIgG1のFcのアミノ酸配列は、
YICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号1)である。
上記配列にて、YICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKP(配列番号2)はヒンジ領域に相当する。
CH2ドメインに相当するKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQ(配列番号3)及び
CH3ドメインに相当するVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号4)。
例となるヒトIgG2のFcのアミノ酸配列は、
YTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPVAGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVVHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPAPIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号5)である。
上記配列にて、YTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPVAGPSVFLFPPKP(配列番号6)はヒンジ領域に相当し、DTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREPQFNSTFRVVSVLTVVHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPAPIEKTISKTKGQPREPQ(配列番号7)はCH2ドメインに相当し、且つVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号8)はCH3ドメインに相当する。
Fc含有ポリペプチド
好まれるFc含有ポリペプチドには、EU位置、239位、241位、262位、264位、265位、296位、または301位にてアミノ酸置換を含むものが挙げられるが、これらに限定されない。以下で議論するように、そのようなポリペプチドはFc領域と共に、1以上の追加の欠失、付加または置換を有してもよい。従って、本発明の範囲内にあるのは、EU位置、239位、241位、262位、264位、265位、296位、または301位にてアミノ酸置換を有し、且つ、配列番号1または配列番号5に対して少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、及び少なくとも99%同一であるFc含有ポリペプチドである。
アミノ酸配列については、Smith及びWaterman,1981,Adv.Appl.Math.2:482のローカル配列同一性アルゴリズム、Needleman及びWunsch,1970,J.Mol.Biol.48:443の配列同一性配列比較アルゴリズム、Pearson及びLipman,1988,Proc.Nat.Acad.Sci.U.S.A.85:2444の類似性方法のための検索、これらのアルゴリズムのコンピュータ化した実施(the Wisconsin Genetics Software Package,Genetics Computer Group,575 Science Drive,Madison,WisにおけるGAP,BESTFIT,FASTA,及びTFASTA)、Devereuxら,1984,Nucl.Acid Res.12:387−395によって記載された、好ましくは初期設定を用いた、または調査によるBest Fit配列プログラムを含むが、これらに限定されない、当該技術で既知の標準法を用いて配列の同一性及び/または類似性が決定される。好ましくは、パーセント同一性は、以下のパラメータ:1のミスマッチペナルティ;1のギャップペナルティ;0.33のギャップサイズペナルティ;及び30の結合ペナルティ、“Current Methods in Sequence Comparison and Analysis”,Macromolecule Sequencing and Synthesis,Selected Methods and Applications,pp127−149(1988),Alan R.Liss,Incに基づいてFastDBによって算出される。
有用なアルゴリズムの例はPILEUPである。PILEUPは累進的な一対配列比較を用いて関連する配列の群から複数の配列の配列比較を作る。それはまた配列比較を作るために使用されるクラスター化関係を示す階層をプロットすることもできる。PILEUPはFeng及びDoolittle,1987,J.Mol.Evol.35:351−360の累進的配列比較法の単純化を用い;方法は、Higgins及びSharp,1989,CABIOS、5:151−153によって記載されたものに類似する。3.00の初期設定ギャップ加重、0.10の初期設定ギャップの長さ加重及び加重された末端ギャップを含む有用なPILEUPのパラメータ。
有用なアルゴリズムの別の例は、Altschulら,1990,J.Mol.Biol.215:403−410;Altschulら,1997,Nucleic Acids Res.25:3389−3402;及びKarinら,1993,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.90:5873−5787にて記載されたBLASTアルゴリズムである。特に有用なBLASTプログラムはAltschulら,1996,Methods in Enzymology、266:460−480から得られたWU−BLAST−2プログラムである。WU−BLAST−2は幾つかの検索パラメータを使用し、そのほとんどは初期設定値に設定される。調整可能なパラメータは以下の値:オーバーラップ距離=1、オーバーラップ分画=0.125、ワード閾値(T)=IIで設定される。HSPS及びHSPS2のパラメータは動的値であり、特定の配列の組成及び目的の配列が検索される特定のデータベースの組成に応じてプログラム自体によって確立されるが、値は感度を高めるように調整されてもよい。
追加の有用なアルゴリズムは、Altschulら,1993,Nucl.Acids Res.25:3389−3402によって報告されたようなギャップBLASTである。ギャップBLASTは、BLOSUM−62置換スコア;9に設定された閾値Tパラメータ;ギャップのない伸長を始動させる2ヒット法、kの電荷ギャップ長、10+kのコスト;16に設定されたX及びデータベース検索段階のための40に設定されたX及びアルゴリズムの出力段階のための67に設定されたXを使用する。ギャップアルゴリズムは約22バイトに相当するスコアで始動される。
アミノ酸置換は通常、単一残基のものであり;挿入は、かなり大きな挿入が認容されてもよいが、普通、約1〜約20のアミノ酸残基のオーダーであろう。欠失は、場合によってはかなり大きくてもよいが、約1〜約20のアミノ酸残基の範囲である。
置換、欠失、挿入またはそれらの任意の組み合わせを用いて最終的な誘導体または変異体に到達してもよい。一般に、これらの変化はわずかなアミノ酸で行って分子の変化、特に抗原結合タンパク質の免疫原性及び特異性の変化を出来るだけ抑える。しかしながら、特定の状況では大きな変化が認容されてもよい。保存的置換は、表1で描かれる以下のチャートに従って一般に行われる。
Figure 0006668241
機能または免疫的な独自性における実質的な変化は、表1で示すものより保存的ではない置換を選択することによって作られる。たとえば、変化の領域でのポリペプチド主鎖の構造、たとえば、α−らせんまたはβ−シートの構造;標的部位での分子の電荷若しくは疎水性;または側鎖の嵩高さにさらに有意に影響を与える置換が行われてもよい。一般に、ポリペプチドの特性にて最大の変化を生じることが期待される置換は、(a)親水性の残基、たとえば、セリルまたはスレオニルが疎水性の残基、たとえば、ロイシル、イソロイシル、フェニルアラニル、バリルまたはアラニルで(によって)置換されるもの;(b)システインまたはプロリンが他の残基で(によって)置換されるもの;(c)電気的陽性の側鎖を有する残基、たとえば、リシル、アルギニルまたはヒスチジルが電気的陰性の残基、たとえば、グルタミルまたはアスパルチル(によって)置換されるもの;または(d)嵩高の側鎖を有する残基、たとえば、フェニルアラニンが側鎖を有さないもの、たとえば、グリシン(によって)置換されるものである。
239位での好まれる置換にはS239D、S239E及びS239Kが挙げられるが、これらに限定されない。
変異体は必要に応じてFc含有タンパク質の特徴を改変するようにも選択されるが、変異体は、同じ性質上の生物活性を示すことが多く、天然に存在する類似体と同じ免疫応答を引き出すであろう。或いは、変異体はFc含有タンパク質の生物活性を変化させるように設計されてもよい。
239位の置換を有する例となるFc含有ポリペプチドには、
S239D
Figure 0006668241
Figure 0006668241
S239E
Figure 0006668241
Figure 0006668241
S239K
Figure 0006668241
Figure 0006668241
が挙げられる。
241位の置換を有する例となるFc含有ポリペプチドには、
F241A
Figure 0006668241
Figure 0006668241
が挙げられる。
262位の置換を有する例となるFc含有ポリペプチドには、
V262A
Figure 0006668241
Figure 0006668241
が挙げられる。
264位の置換を有する例となるFc含有ポリペプチドには、
V264D
Figure 0006668241
Figure 0006668241
V264L
Figure 0006668241
Figure 0006668241
V264A
Figure 0006668241
Figure 0006668241
V264S
Figure 0006668241
Figure 0006668241
が挙げられる。
265位の置換を有する例となるFc含有ポリペプチドには、
D265A
Figure 0006668241
Figure 0006668241
D265S
Figure 0006668241
Figure 0006668241
D265V
Figure 0006668241
Figure 0006668241
が挙げられる。
296位の置換を有する例となるFc含有ポリペプチドには、
F296AまたはY296A
Figure 0006668241
Figure 0006668241
Figure 0006668241
が挙げられる。
301位の置換を有する例となるFc含有ポリペプチドには、
R301A
Figure 0006668241
Figure 0006668241
が挙げられる。
特定の実施形態では、Fc含有ポリペプチドは、239位、264位、265位または296位での置換の組み合わせを有する。好まれる組み合わせには、239位と264位での置換(たとえば、S239DとV264DまたはS239DとV264L)、239位と265位での置換(たとえば、S239DとD265A)、264位と265位での置換(たとえば、V264LとD265A)、及び264位と296位での置換(たとえば、V264DとF296A)が挙げられるが、これらに限定されない。
置換の組み合わせを有する例となるFc含有ポリペプチドには、
S239DとV264D
Figure 0006668241
Figure 0006668241
S239DとV264L
Figure 0006668241
Figure 0006668241
Figure 0006668241
S239DとD265A
Figure 0006668241
Figure 0006668241
V264DとY296A/F296A
Figure 0006668241
Figure 0006668241
V264LとD265A
Figure 0006668241
Figure 0006668241
が挙げられる。
Fc含有ポリペプチドは自然にホモ二量体を形成する。しかしながら、Fc領域を操作してヘテロ二量体を形成することができる。本明細書で提供されるのは、本発明のFc含有ポリペプチドのホモ二量体またはヘテロ二量体を含むFc含有分子である。特定の実施形態では、抗体は、抗体の重鎖間で本発明のFc含有ポリペプチドの二量体を含む。他の実施形態では、Fc融合タンパク質は本発明のFc含有ポリペプチドの二量体を含む。Fc含有ポリペプチドは安定な単量体を形成するための操作であってもよい。従って、特定の実施形態では、Fc含有分子は本発明の単一のFc含有ポリペプチドを含む。
好まれる実施形態では、Fc含有分子はN結合型グリコシル化を含む。Fc含有分子のN結合型グリコシル化は哺乳類宿主細胞のような適当な宿主細胞における分子の発現によって得ることができる。特に好まれる実施形態では、宿主細胞はチャイニーズハムスターの卵巣(CHO)細胞である。
適当な宿主細胞におけるFc含有分子の発現は、所望のN結合型グリコシル化特性を有するFc含有分子の組成をもたらす。通常、宿主細胞によって抗体のようなFc含有分子が産生される場合、Fc含有分子のN結合型グリコシル化の解析は集団内のFc含有分子のグリコシル化の程度が不均一である(多数の異なるN結合型糖型を含有する)ことを示す。さらに、Fc含有分子の集団内での種々の糖型の比率は、同一のFc含有分子が産生される場合でさえ、バッチごとに有意に変化し得る。本発明のFc変異体は、Fc含有分子の大きな比率が野生型Fcと比べて成熟N結合型グリコシル化を含有する組成を提供し、その際、Fc含有分子の小さな比率は未成熟なN結合型グリコシル化を含有し、または糖型比率のバッチごとの変動が低下する。
たとえば、MALDI−TOF質量分光分析、または2−アミノ安息香酸(2−AA)標識親水性相互作用液体クロマトグラフィ(HILIC)のような、Fc含有分子のN結合型グリコシル化を解析する方法は当該技術で周知である。
好まれる実施形態では、組成物はFc含有分子を含み、その際、Fc含有分子の40%を超えるものが成熟N結合型グリコシル化(G1、G1F、G2、G2F、G2S1F、及びG2S2F)を含む。一部の実施形態では、Fc含有分子の45%を超える、50%を超える、55%を超える、60%を超える、65%を超える、70%を超える、75%を超える、または80%を超えるものが成熟N結合型グリコシル化を含む。特定の実施形態では、成熟N結合型グリコシル化を含むFc含有分子の比率は、40%〜90%、45%〜90%、50%〜90%、55%〜90%、60%〜90%、65%〜90%、70%〜90%、75%〜90%、または80%〜90%の間である。
特定の実施形態では、組成物はFc含有分子の50%未満が未成熟なN結合型グリコシル化(G0及びG0F)を含むFc含有分子を含む。好まれる実施形態では、Fc含有分子の45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、または5%未満が未成熟なN結合型グリコシル化を含む。
特定の実施形態では、組成物はFc含有分子の5%未満がマンノース5(M5)N結合型グリコシル化を含むFc含有分子を含む。好まれる実施形態では、Fc含有分子の4%未満、3%未満、または2%未満がマンノース5(M5)N結合型グリコシル化を含む。
本質的にどんな抗体も本明細書で記載されるグリコシル化を改善するFc変異体を組み込み得ることが熟考される。例となる抗体(及びそれらが特異的に結合する抗原)には、US7947809号及びUS20090041784号(グルカゴン受容体)、US7939070号、US7833527号、US7767206号、及びUS7786284号(IL−17受容体A)、US7872106号及びUS7592429号(セレロスチン)、US7871611号、US7815907号、US7037498号、US7700742号、及びUS20100255538号(IGF−1受容体)、US7868140号(B7RP1)、US7807159号及びUS20110091455号(ミオスタチン)、US7736644号、US7628986号、US7524496号、及びUS20100111979号(表皮増殖因子受容体の欠失突然変異体)、US7728110号(SARSコロナウイルス)、US7718776号及びUS20100209435号(OPGL)、US7658924号及びUS7521053号(アンギオポイエチン−2)、US7601818号、US7795413号、US20090155274号、US20110040076号(NGF)、US7579186号(TGF−βII型受容体)、US7541438号(結合組織増殖因子)、US7438910号(IL1−R1)、US7423128号(プロペルジン)、US7411057号、US7824679号、US7109003号、US6682736号、US7132281号、及びUS7807797号(CTLA−4)、US7084257号、US7790859号、US7335743号、US7084257号、及びUS20110045537号(インターフェロン−γ)、US7932372号(MAdCAM)、US7906625号、US20080292639号、及びUS20110044986号(アミロイド)、US7815907号及びUS7700742号(インスリン様増殖因子I)、US7566772号及びUS7964193号(インターロイキン−1β)、US7563442号、US7288251号、US7338660号、US7626012号、US7618633号、及びUS20100098694(CD40)、US7498420号(c−Met)、US7326414号、US7592430号、及びUS7728113号(M−CSF)、US6924360号、US7067131号、及びUS7090844号(MUC18)、US6235883号、US7807798号、及びUS20100305307号(表皮増殖因子受容体)、US6716587号、US7872113号、US7465450号、US7186809号、US7317090号、及びUS7638606号(インターロイキン−4受容体)、US20110135657号(BETA−KLOTHO)、US7887799号及びUS7879323号(線維芽細胞増殖因子−様ポリペプチド)、US7867494号(IgE)、US20100254975号(ALPHA−4BETA−7)、US20100197005号及びUS7537762号(アクチビン受容体−様キナーゼ−1)、US7585500号及びUS20100047253号(IL−13)、US20090263383号及びUS7449555号(CD148)、US20090234106号(アクチビンA)、US20090226447号(アンギオポイエチン−1及びアンギオポイエチン−2)、US20090191212号(アンギオポイエチン−2)、US20090155164号(C−FMS)、US7537762号(アクチビン受容体−様キナーゼ−1)、US7371381号(ガラニン)、US20070196376号(インスリン様増殖因子)、US7267960号及びUS7741115号(LDCAM)、US7265212号(CD45RB)、US7709611号、US20060127393号及びUS20100040619号(DKK1)、US7807795号、US20030103978号及びUS7923008号(オステオプロテゲリン)、US20090208489号(OV064)、US20080286284号(PSMA)、US7888482号、US20110165171号、及びUS20110059063号(PAR2)、US20110150888号(ヘプシジン)、US7939640号(B7L−1)、US7915391号(c−Kit)、US7807796号、US7193058号、及びUS7427669号(ULBP)、US7786271号、US7304144号、及びUS20090238823(TSLP)、US7767793号(SIGIRR)、US7705130号(HER−3)、US7704501号(アタキシン−1−様ポリペプチド)、US7695948号及びUS7199224号(TNF−α変換酵素)、US20090234106号(アクチビンA)、US20090214559号及びUS7438910号(IL1−R1)、US7579186号(TGF−βII型受容体)、US7569387号(TNF受容体−様分子)、US7541438号(結合組織増殖因子)、US7521048号(TRAIL受容体−2)、US6319499号、US7081523号、及びUS20080182976号(エリスロポイエチン受容体)、US20080166352号及びUS7435796号(B7RP1)、US7423128号(プロペルジン)、US7422742号及びUS7141653号(インターロイキン−5)、US6740522号及びUS7411050号(RANKL)、US7378091号(炭酸脱水酵素IX(CAIX)腫瘍抗原)、US7318925号及びUS7288253号(副甲状腺ホルモン)、US7285269号(TNF)、US6692740号及びUS7270817号(ACPL)、US7202343号(単球走化性タンパク質−1)、US7144731号(SCF)、US6355779号及びUS7138500号(4−1BB)、US7135174号(PDGFD)、US6630143号及びUS7045128号(Flt−3リガンド)、US6849450号(メタロプロテイナー阻害剤)、US6596852号(LERK−5)、US6232447号(LERK−6)、US6500429号(脳由来神経栄養因子)、US6184359号(上皮由来T−細胞因子)、US6143874号(神経栄養因子NNT−1)、US20110027287号(前駆体タンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9))、US20110014201号(IL−18受容体)、及びUS20090155164号(C−FMS)にて記載されたものが挙げられるが、これらに限定されない。上記の特許及び公開された特許出願は、抗体ポリペプチド、抗体をコードする核酸、宿主細胞、ベクター、抗体を作製する方法、医薬組成物、及び抗体の各標的に関連する疾患を治療する方法を開示する目的で、その全体が参照によって本明細書に組み入れられる。
任意のさらなる修飾
本明細書で記載される抗体及びFc融合タンパク質はさらに、1以上のFc受容体へのその結合に影響を与える1以上の突然変異を含んでもよい。抗体のFc部分の機能の1つは抗体が標的を結合する際、免疫系に連絡することである。これは一般に「エフェクター機能」と呼ばれる。連絡は、抗体依存性の細胞性細胞傷害性(ADCC)、抗体依存性の細胞性貪食作用(ADCP)及び/または補体依存性の細胞傷害性(CDC)につながる。ADCC及びADCPには、免疫系の細胞の表面上でのFc受容体へのFcの結合が介在する。CDCには補体系のタンパク質、たとえば、C1qとのFcの結合が介在する。
IgGのサブクラスはエフェクター機能に介在するその能力で異なる。たとえば、IgG1はADCC及びCDCへの介在でIgG2及びIgG4よりも優れる。Fcに1以上の突然変異を導入することによって抗体のエフェクター機能を高めることができ、または低下させることができる。本発明の実施形態にはエフェクター機能を高めるように操作されたFcを有する抗体及びFc融合タンパク質が含まれる(双方ともその全体が参照によって本明細書に組み入れられるUS7,317,091及びStrohl,Curr.Opin.Biotech.,20:685−691,2009)。高いエフェクター機能を有する例となるIgG1 Fc分子には以下の置換の1以上を有するものが挙げられる[EU番号付け方式に基づいた番号]:
S239D/I332E
S239D/A330S/I332E
S239D/A330L/I332E
S298A/D333A/K334A
P247I/A339D
P247I/A339Q
D280H/K290S
D280H/K290S/S298D
D280H/K290S/S298V
F243L/R292P/Y300L
F243L/R292P/Y300L/P396L
F243L/R292P/Y300L/V305I/P396L
G236A/S239D/I332E
K326A/E333A
K326W/E333S
K290E/S298G/T299A
K290N/S298G/T299A
K290E/S298G/T299A/K326E
K290N/S298G/T299A/K326E
K334V
L235S+S239D+K334V
Q311M+K334V
S239D+K334V
F243V+K334V
E294L+K334V
S298T+K334V
E233L+Q311M+K334V
L234I+Q311M+K334V
S298T+K334V
A330M+K334V
A330F+K334V
Q311M+A330M+K334V
Q311M+A330F+K334V
S298T+A330M+K334V
S298T+A330F+K334V
S239D+A330M+K334V
S239D+S298T+K334V
L234Y+K290Y+Y296W
L234Y+F243V+Y296W
L234Y+E294L+Y296W
L234Y+Y296W
K290Y+Y296W
本発明のさらなる実施形態には、エフェクター機能を低下させるように操作したFcを有する抗体及びFc融合タンパク質が含まれる。低下したエフェクター機能を有する例となるFc分子には以下の置換の1以上を有するものが挙げられる[EU番号付け方式に基づいた番号]:
N297A(IgG1)
L234A/L235A(IgG1)
V234A/G237A(IgG2)
L235A/G237A/E318A(IgG4)
H268Q/V309L/A330S/A331S(IgG2)
C220S/C226S/C229S/P238S(IgG1)
C226S/C229S/E233P/L234V/L235A(IgG1)
L234F/L235E/P331S(IgG1)
S267E/L328F(IgG1)。
IgGのFc含有タンパク質のエフェクター機能を高める別の方法は、Fcのフコシル化を減らすことによる。Fcに結合した二分岐複合体型オリゴ糖からコアフコースを取り除くことは抗原結合またはCDCのエフェクター機能を変化させないでADCCのエフェクター機能を大きく高めた。Fc含有分子、たとえば、抗体のフコシル化を減らすまたは破壊する幾つかの方法が知られている。これらには、FUT8ノックアウト細胞株、変異体CHO株Lec13、ラットのハイブリドーマ細胞株YB2/0、FUT8遺伝子に特異的な小分子干渉RNAを含む細胞株、及びβ−1,4−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIIIとゴルジβ−マンノシダーゼIIを同時発現する細胞株を含む特定の哺乳類細胞株における組換え発現が含まれる。従って、特定の実施形態では、組成物は低下したフコシル化を有する、またはフコシル化を全く欠いている抗体を含む。
操作された抗体及びFc融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド
本発明の中に包含されるのは、本明細書で記載される変異体Fcを含む抗体重鎖またはFc融合タンパク質をコードする核酸である。本発明の核酸分子には、一本鎖及び二本鎖双方の形態でのDNA及びRNAと同様に相当する相補性の配列が挙げられる。DNAには、たとえば、cDNA、ゲノムDNA、化学合成したDNA、PCRによって増幅したDNA、及びそれらの組み合わせが挙げられる。本発明の核酸分子には、完全長の遺伝子またはcDNA分子と同様にその断片の組み合わせが含まれる。本発明の核酸はヒト供給源に優先的に由来するが、本発明には非ヒト種に由来するものも同様に含まれる。
「単離された核酸」は、天然に存在する供給源に由来する核酸の場合、該核酸が単離される生物のゲノムに存在する隣接する遺伝配列から分離されている核酸である。たとえば、PCR産物、cDNA分子またはオリゴヌクレオチドのような、鋳型から酵素的に、または化学的に合成された核酸の場合、そのような工程から生じる核酸は単離された核酸であることが理解される。単離された核酸分子は、別々の断片の形態での核酸分子を指し、または大きな核酸構築物の成分と呼ぶ。好まれる一実施形態では、核酸は混入する内在性の物質を実質的に含まない。核酸分子は好ましくは、実質的に純粋な形態で且つ標準の生化学の方法による成分ヌクレオチド配列の特定、操作及び回収を可能にする量または濃度で少なくとも1回単離されたDNAまたはRNAに由来している(たとえば、Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY(1989)にて概説されたもの)。そのような配列は、通常真核細胞の遺伝子に存在する内部非翻訳配列またはイントロンによって中断されないオープンリーディングフレームの形態で提供される及び/または構築される。非翻訳DNAの配列はオープンリーディングフレームから5’または3’に存在し、それはコーディング領域の操作または発現を妨害しない。
本発明にはまた、適度にストリンジェントな条件下で、さらに好ましくは高度にストリンジェントな条件下で、本明細書で記載されるようなポリペプチドをコードする核酸とハイブリッド形成する核酸も含まれる。ハイブリッド形成条件及び好適な条件を考案するための指針の選択に影響を与える基本的なパラメータは、Sambrook,Fritsch,及びManiatis(1989,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,9〜11章;及びCurrent Protocols in Molecular Biology,1995,Ausubelら編,John Wiley & Sons,Inc.,2.10節及び6.3−6.4節)によって言及されており、たとえば、DNAの長さ及び/または塩基組成に基づいて当業者が容易に決定することができる。適度にストリンジェントな条件を達成する方法の1つには、5×SSC、0.5%のSDS、1.0mMのEDTA(pH8.0)を含有する予備洗浄溶液、約50%ホルムアミド、6×SSCのハイブリッド形成緩衝液、及び約55℃のハイブリッド形成温度(または、たとえば、約42℃のハイブリッド形成温度を伴った約50%ホルムアミドを含有するもののような他の類似のハイブリッド形成溶液)、及び0.5×SSC、0.1%SDSにおける約60℃での洗浄条件の使用が関与する。一般に、高度にストリンジェントな条件は上記のようなハイブリッド形成条件として定義されるが、洗浄は約68℃にて0.2×SSC、0.1%のSDSである。ハイブリッド形成及び洗浄緩衝液にてSSPE(1×SSPEは0.15MのNaCl、10mMのNaHPO及び1.25mMのEDTA、pH7.4である)はSSC(1×SSCは0.15MのNaCl及び15mMのクエン酸ナトリウムである)で置き換えることができ;洗浄はハイブリッド形成が完了した後15分間行う。洗浄温度及び洗浄塩濃度を必要に応じて調整し、当業者に既知であるように且つ以下でさらに記載されるように、ハイブリッド形成反応及び二本鎖安定性を左右する基本原理を適用することによって所望の程度のストリンジェント性を達成することが理解されるべきである(たとえば、Sambrookら、1989を参照)。未知の配列の標的核酸と核酸をハイブリッド形成させる場合、ハイブリッドの長さがハイブリッド形成する核酸の長さであると仮定する。既知の配列の核酸とハイブリッド形成させる場合、ハイブリッドの長さは核酸の配列を並べ、最適な配列相補性の領域(単数)または領域(複数)を特定することによって決定することができる。長さが50塩基対未満であると予想されるハイブリッドについてのハイブリッド形成温度はハイブリッドの融点(Tm)よりも5〜10℃低くすべきであり、Tmは以下の方程式に従って決定される。長さ18塩基対未満のハイブリッドについては、Tm(℃)=2(A+T塩基の#)+4(#G+C塩基の#)。長さ18塩基対を超えるハイブリッドについては、Tm(℃)=81.5+16.6(log10[Na+])+0.41(%G+C)−(600/N)であり、その際、Nはハイブリッドにおける塩基の数であり、[Na+]はハイブリッド形成緩衝液(1×SSC=0.165Mについての[Na+])におけるナトリウムイオンの濃度である。好ましくは、そのようなハイブリッド形成する核酸はそれぞれ、少なくとも15ヌクレオチド(またはさらに好ましくは少なくとも18ヌクレオチド、または少なくとも20ヌクレオチド、または少なくとも25ヌクレオチド、または少なくとも30ヌクレオチド、または少なくとも40ヌクレオチド、または最も好ましくは少なくとも50ヌクレオチド)である長さを有し、または、それがハイブリッド形成する本発明の核酸の長さの少なくとも25%(さらに好ましくは少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、最も好ましくは少なくとも80%)である長さを有し、且つそれがハイブリッド形成する本発明の核酸に対して少なくとも60%(さらに好ましくは少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%、最も好ましくは少なくとも99.5%)の配列同一性を有し、その際、配列同一性は、上記でさらに詳述したように、配列のギャップを最少化する一方でオーバーラップと同一性を最大化するように並べたとき、ハイブリッド形成する核酸の配列を比較することによって決定される。
カセット変異誘発またはPCR変異誘発または当該技術で周知の他の技法を用いて変異体をコードするDNAを作出する、ポリペプチドをコードするDNAにおけるヌクレオチドの部位特異的変異誘発、及びその後、本明細書で概略されるように細胞培養にて組換えDNAを発現させることによって変異体は普通に調製される。しかしながら、変異体配列を含む抗体または抗体断片は確立された技法を用いて試験管内の合成によって調製されてもよい。本明細書でさらに完全に概略されるように修飾された特徴を有する変異体も選択できるけれども、変異体は通常、天然に存在する類似体と同じ性質の生物活性、たとえば、抗原への結合を示す。
当業者によって十分に理解されるように、遺伝子コードの縮重のために、本発明のポリペプチドをコードする、非常に多数の核酸が作られ得る。従って、特定のアミノ酸配列を特定して、当業者は、コードされたタンパク質のアミノ酸配列を変えない方法で1以上のコドンの配列を単に改変することによって任意の数の異なる核酸を作ればよい。
本発明はまた、少なくとも1つの上記のようなポリヌクレオチドを含むプラスミド、発現ベクター、転写カセットまたは発現カセットの形態での発現系及び構築物も提供する。加えて、本発明はそのような発現系または構築物を含む宿主細胞を提供する。
通常、宿主細胞で使用される発現ベクターはプラスミドの維持のための、及び外来性ヌクレオチド配列のクローニングと発現のための配列を含有するであろう。まとめて「フランキング配列」と呼ばれるそのような配列には、特定の実施形態では通常、以下のヌクレオチド配列:プロモータ、1以上のエンハンサ配列、複製開始点、転写終結配列、ドナー及びアクセプターのスプライス部位を含有する完全なイントロン配列、ポリペプチドの分泌のためのリーダー配列をコードする配列、リボソーム結合部位、ポリアデニル化配列、発現されるポリペプチドをコードする核酸を挿入するためのポリリンカー領域、及び選択可能なマーカー要素の1以上が挙げられるであろう。これらの配列のそれぞれが以下で議論される。
任意で、ベクターは、「タグ」をコードする配列、すなわち、ポリペプチドのコーディング配列の5’または3’末端に位置するオリゴヌクレオチド分子を含有してもよく;オリゴヌクレオチド配列は、そのための市販の抗体が存在する、ポリHis(たとえば、ヘキサHis)または、たとえば、FLAG、HA(血球凝集素インフルエンザウイルス)若しくはmycのような別の「タグ」をコードする。このタグは通常、ポリペプチドの発現の際、ポリペプチドに融合され、親和性精製または宿主細胞からのポリペプチドの検出のための手段として役立つ。親和性精製は、たとえば、親和性マトリクスとしてのタグに対する抗体を用いたカラムクロマトグラフィによって達成することができる。任意で、たとえば、切断のための特定のペプチダーゼを用いた種々の手段によって、タグを精製したポリペプチドからその後取り外すことができる。
フランキング配列は、同種であってもよく(すなわち、宿主細胞と同じ種及び/または株に由来する)、異種であってもよく(すなわち、宿主細胞の種または株以外の種に由来する)、ハイブリッドであってもよく(すなわち、1を超える供給源に由来するフランキング配列の組み合わせ)、合成でもよく、またはネイティブでもよい。そのようなものとして、フランキング配列の供給源は、フランキング配列が宿主細胞の装置で機能的であり、且つそれによって活性化することができるという条件で、原核生物または真核生物、脊椎生物または無脊椎生物、または植物であってもよい。
本発明のベクターで有用なフランキング配列は当該技術で周知の幾つかの方法のいずれかによって得られてもよい。通常、本明細書で有用なフランキング配列は、マッピング及び/または制限エンドヌクレアーゼ消化によって予め特定されているので、適当な制限エンドヌクレアーゼを用いて適正な組織供給源から単離することができる。場合によっては、フランキング配列の完全なヌクレオチド配列が知られてもよい。ここで、核酸の合成またはクローニングについて本明細書で記載される方法を用いてフランキング配列を合成してもよい。
フランキング配列の全部または一部のみが知られているかどうかは、同じ種または別の種に由来するオリゴヌクレオチドまたはフランキング配列の断片のような好適なプローブと共にポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて及び/またはゲノムライブラリをスクリーニングすることによって得られ得る。フランキング配列が知られていない場合、フランキング配列を含有するDNAの断片を、たとえば、コーディング配列またはさらに別の遺伝子(単数)若しくは遺伝子(複数)を含有し得るDNAの大きな片から単離してもよい。単離は、適正はDNA断片を生じる制限エンドヌクレアーゼ消化、その後の、アガロースゲル精製、Qiagen(登録商標)カラムクロマトグラフィ(Chatsworth,CA)または当業者に既知の他の方法を用いた単離によって達成されてもよい。この目的を達成するための好適な酵素の選択は当業者に容易に明らかであろう。
複製開始点は通常、商業的に購入された原核細胞発現ベクターの一部であり、開始点は宿主細胞におけるベクターの増幅に役立つ。選択のベクターが複製部位の開始点を含有しないのであれば、既知の配列に基づいて化学的に合成し、ベクターに連結してもよい。たとえば、プラスミドpBR322(New England Biolabs,Beverly,MA)に由来する複製開始点はほとんどのグラム陰性細菌に好適であり、種々のウイルス(たとえば、SV40、ポリオーマ、アデノウイルス、水疱口内炎ウイルス(VSV)、またはHPV若しくはBPVのようなパピローマウイルス)の開始点は哺乳類細胞にてベクターをクローニングするのに有用である。一般に、複製成分の開始点は哺乳類の発現ベクターには必要とされない(たとえば、SV40の開始点はそれがウイルスの初期プロモータを含有するためにのみ使用されることが多い)。
転写終結配列は通常、ポリペプチドをコードする領域の末端に対して3’に位置し、転写を終結するのに役立つ。普通、原核細胞における転写終結配列はG−Cリッチ断片にポリT配列が続く。配列はライブラリから容易にクローニングされ、またはさらにベクターの一部として商業的に購入される一方で、たとえば、本明細書で記載されるもののような核酸合成のための方法を用いて容易にそれを合成することができる。
選択可能なマーカー遺伝子は、選択培養培地で増殖する宿主細胞の生き残り及び増殖に必要なタンパク質をコードする。典型的な選択マーカー遺伝子は、(a)抗生剤または他の毒素、たとえば、原核宿主細胞のためのアンピシリン、テトラサイクリンまたはカナマイシンに耐性を付与する、;(b)細胞の相補体栄養要求性の欠乏を付与する;または(c)複合体培地または定義された培地から利用できない決定的な栄養を供給するタンパク質をコードする。特定の選択可能なマーカーは、カナマイシン耐性遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、及びテトラサイクリン耐性遺伝子である。有利なことに、ネオマイシン耐性遺伝子は原核宿主細胞及び真核宿主細胞の双方における選択に使用されてもよい。
他の選択可能な遺伝子を用いて発現されるであろう遺伝子を増幅してもよい。増幅は、増殖または細胞の生存に決定的なタンパク質の産生に必要とされる遺伝子が組換え細胞の連続する世代の染色体の中で並行して反復する工程である。哺乳類細胞のために好適な選択可能なマーカーの例にはジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)遺伝子及びプロモータのないチミジンキナーゼ遺伝子が挙げられる。ベクターに存在する選択可能な遺伝子のお蔭で形質転換体だけが生き残るように適応する選択圧のもとに哺乳類細胞の形質転換を置く。培地における選択剤の濃度が連続して高まる条件下で形質転換した細胞を培養することによって選択圧を負わせ、それによって選択可能な遺伝子と、別の遺伝子、たとえば、抗体の軽鎖または重鎖をコードするDNAの双方の増幅をもたらす。その結果、多量のポリペプチドが増幅したDNAから合成される。
リボソーム結合部位は普通、mRNAの翻訳開始に必要であり、シャインダルガノ配列(原核細胞)またはコザック配列(真核細胞)を特徴とする。要素は通常、プロモータに対して3’且つ発現されるポリペプチドのコーディング配列に対して5’に位置する。特定の実施形態では、1以上のコーディング領域が内部リボソーム結合部位(IRES)に作動可能に連結されて、単一のRNA転写物からの2つのオープンリーディングフレームの翻訳を可能にしてもよい。
特定の実施形態では、種々のプレ配列またはプロ配列を操作してさらなるグリコシル化または収率を改善してもよい。たとえば、特定のシグナルペプチドのペプチダーゼ切断部位を変え、またはプロ配列を付加してもよく、それもグリコシル化に影響を与え得る。最終的なタンパク質生成物は−1位(成熟タンパク質の最初のアミノ酸に対して)にて発現に伴う1以上の追加のアミノ酸を有してもよく、それは全体として取り除かれてはならなかった。たとえば、最終的なタンパク質生成物はペプチダーゼ切断部位に見いだされ、アミノ末端に連結される1または2のアミノ酸残基を有してもよい。或いは、一部の酵素切断部位の使用は、酵素が成熟ポリペプチド内のそのような領域で切断するのであれば、所望のポリペプチドのやや切り詰めた形態を生じ得る。
本発明の発現ベクター及びクローニングベクターは通常、宿主生物によって認識され、且つポリペプチドをコードする分子に作動可能に連結されるプロモータを含有するであろう。プロモータは、構造遺伝子の転写を制御する構造遺伝子(一般に約100〜1000bp以内)の開始コドンに対して上流(すなわち、5’)に位置する転写されない配列である。プロモータは従来、2つのクラス:誘導性プロモータ及び構成的なプロモータの1つにグループ分けされる。誘導性プロモータは、たとえば、栄養素の存在若しくは非存在、または温度の変化のような培養条件の変化に応答してその制御下でDNAからの転写のレベルの上昇を開始する。一方、構成的なプロモータはそれらが作動可能に連結される遺伝子を均一に転写し、遺伝子発現に対する制御はほとんどない、またはない。種々の潜在的な宿主細胞によって認識される多数のプロモータが周知である。好適なプロモータは、制限酵素消化及び所望のプロモータ配列のベクターへの挿入により供給源DNAからプロモータを取り外すことによって、たとえば、重鎖または軽鎖をコードするDNAに作動可能に連結される。
酵母宿主とともに使用するのに好適なプロモータも当該技術で周知である。酵母プロモータと共に酵母エンハンサを有利に使用する。哺乳類の宿主細胞とともに使用するのに好適なプロモータは当該技術で周知であり、それには、たとえば、ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス、アデノウイルス(たとえば、アデノウイルス2)、ウシパピローマウイルス、トリ肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルス、最も好ましくはサルウイルス40(SV40)のようなウイルスのゲノムから得られるものが挙げられるが、これらに限定されない。他の好適な哺乳類プロモータには、異種哺乳類プロモータ、たとえば、熱ショックプロモータ及びアクチンプロモータが挙げられる。
関心があり得る追加のプロモータには、SV40早期プロモータ(Benoist及びChambon,1981,Nature、290:304−310);CMVプロモータ(Thornsenら,1984,Proc.Natl.Acad.U.S.A.81:659−663);ラウス肉腫ウイルスの3’長い末端反復に含有されるプロモータ(Yamamotoら,1980,Cell、22:787−797);ヘルペスチミジンキナーゼプロモータ(Wagnerら,1981,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.78:1444−1445);メタロチオニン遺伝子に由来するプロモータ及び調節配列(Prinsterら,1982,Nature、296:39−42);及びβラクタマーゼプロモータのような原核細胞プロモータ(Villa−Kamaroffら,1978,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.75:3727−3731);またはtacプロモータ(DeBoerら,1983,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.80:21−25)が挙げられるが、これらに限定されない。関心があるのはまた、以下の動物の転写制御領域であり、それは、組織特異性を示し、トランスジェニック動物で利用されている:膵臓腺房細胞で活性があるエラスターゼI遺伝子の制御領域(Swiftら,1984,Cell,38:639−646;Ornitzら,1986,Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.50:399−409;MacDonald, 1987,Hepatology,7:425−515);膵臓β細胞で活性があるインスリン遺伝子の制御領域(Hanahan,1985,Nature,315:115−122);リンパ系細胞で活性がある免疫グロブリン遺伝子の制御領域(Grosschedlら,1984,Cell,38:647−658;Adamesら,1985,Nature,318:533−538;Alexanderら.,1987,Mol.Cell.Biol.7:1436−1444);精巣細胞、乳腺細胞、リンパ系細胞及び肥満細胞で活性があるマウス乳腺腫瘍ウイルスの制御領域(Lederら,1986,Cell,45:485−495);肝臓で活性があるアルブミン遺伝子の制御領域(Pinkertら,1987,Genes and Devel.1:268−276);肝臓で活性があるα−フェトタンパク質遺伝子の制御領域(Krumlaufら,1985,Mol.Cell.Biol.5:1639−1648;Hammerら,1987,Science,253:53−58);肝臓で活性があるα1−アンチトリプシン遺伝子の制御領域(Kelseyら,1987,Genes and Devel.1:161−171);骨髄細胞で活性があるβ−グロビン遺伝子の制御領域(Mogramら,1985,Nature,315:338−340;Kolliasら,1986,Cell,46:89−94);脳の乏突起膠細胞で活性があるミエリン塩基性タンパク質遺伝子の制御領域(Readheadら,1987,Cell,48:703−712);骨格筋で活性があるミオシン軽鎖−2遺伝子の制御領域(Sani,1985,Nature,314:283−286);及び視床下部で活性がある性腺刺激放出ホルモン遺伝子の制御領域(Masonら,1986,Science,234:1372−1378)。
エンハンサ配列をベクターに挿入して本発明の軽鎖またはFc融合タンパク質をコードするDNAの高等真核生物による転写を高めてもよい。エンハンサは、プロモータで作用して転写を高める、普通長さ約10〜300bpの、DNAのシス作用性要素である。エンハンサは相対的に独立した配向及び位置にあり、転写単位に対して5’及び3’の双方の位置で見いだされている。哺乳類の遺伝子から利用可能な幾つかのエンハンサ配列が知られている(たとえば、グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α−フェトタンパク質、及びインスリン)。しかしながら、通常、ウイルス由来のエンハンサが使用される。当該技術で既知のSV40エンハンサ、サイトメガロウイルス早期プロモータエンハンサ、ポリオーマエンハンサ、及びアデノウイルスエンハンサは真核細胞プロモータの活性化のための例となる増強要素である。エンハンサはコーディング配列に対して5’または3’いずれのベクターに位置してもよい一方で、それは通常プロモータから5’の部位に位置する。適当なネイティブのまたは異種のシグナル配列(リーダー配列またはシグナルペプチド)をコードする配列を発現ベクターに組み込んで抗体の細胞外分泌を促進することができる。シグナルペプチドまたはリーダーの選択は、抗体が産生される宿主細胞の種類に左右され、異種のシグナル配列はネイティブなシグナル配列を置き換えることができる。哺乳類の宿主細胞で機能的であるシグナルペプチドの例には、以下:US4,965,195号に記載されたインターロイキン−7(IL−7)のためのシグナル配列;Cosmanら,1984,Nature,312:768に記載されたインターロイキン−2受容体のためのシグナル配列;EP0367566号に記載されたインターロイキン−4受容体のシグナルペプチド;US4,968,607号に記載されたI型インターロイキン−1受容体のシグナルペプチド;EP0460846号に記載されたII型インターロイキン−1受容体のシグナルペプチドが挙げられる。
ベクターは、ベクターが宿主細胞のゲノムに組み込まれる場合、発現を促進する1以上の要素を含有してもよい。例には、EASE要素(Aldrichら.2003,Biotechnol.Prog.19:1433−38)及びマトリクス結合領域(MAR)が挙げられる。MARは、クロマチンの構造的組織化に介在し、組み込まれたベクターを「位置」効果から隔離し得る。従って、MARはベクターが安定な形質転換体を作るのに使用される場合、特に有用である。多数の天然の及び合成のMAR含有核酸が当該技術、たとえば、US6,239,328号;同第7,326,567号;同第6,177,612号;同第6,388,066号;同第6,245,974号;同第7,259,010号;同第6,037,525号;同第7,422,874号;同第7,129,062号にて既知である。
本発明の発現ベクターは、たとえば、市販のベクターのような出発ベクターから構築されてもよい。そのようなベクターは所望のフランキング配列のすべてを含有してもよいし、または含有しなくてもよい。本明細書で記載されるフランキング配列の1以上がベクターに前から存在していない場合、それらを個々に入手し、ベクターに連結してもよい。フランキング配列のそれぞれを入手するのに使用される方法は当業者に周知である。
ベクターが構築され、重鎖またはFc融合タンパク質をコードする核酸分子がベクターの適正な部位に挿入された後、増幅及び/またはポリペプチドの発現のために、完成したベクターを好適な宿主細胞に挿入してもよい。選択した宿主細胞への発現ベクターの形質転換は、形質移入、感染、リン酸カルシウム同時沈殿、エレクトロポレーション、微量注入、リポフェクション、DEAEデキストランが介在する形質移入、または他の既知の技法を含む周知の方法によって達成されてもよい。選択される方法は部分的には使用される宿主細胞の種類の関数である。これらの方法及び他の好適な方法は技量の有る熟練者に周知であり、たとえば、上記Sambrookら、2001で言及されている。
宿主細胞は、適当な条件下で培養されると、その後培養培地から回収することができる(宿主細胞が培地にそれを分泌するのであれば)、またはそれを産生する宿主細胞から直接回収することができる(それが分泌されなければ)抗体またはFc融合タンパク質を合成する。適当な宿主細胞の選択は、たとえば、所望の発現レベル、活性(たとえばグリコシル化またはリン酸化)にとって望ましいまたは必要なポリペプチドの修飾、及び生物学的に活性がある分子への折り畳みの容易さのような種々の因子に左右されるであろう。宿主細胞は真核細胞であっても原核細胞であってもよい。
発現のための宿主として利用できる哺乳類の細胞株は当該技術で周知であり、それらには、American Type Culture Collection(ATCC)から入手可能な不死化した細胞株が挙げられるが、これらに限定されず、当該技術で既知の発現系で使用される任意の細胞株を用いて本発明の組換えポリペプチドを作ることができる。一般に、宿主細胞は所望のヘテロ二量体抗体をコードするDNAを含む組換え発現ベクターで形質転換される。採用されてもよい宿主細胞は原核生物、酵母または高等真核生物の細胞である。原核生物には、グラム陰性生物またはグラム陽性生物、たとえば、大腸菌または枯草菌が含まれる。高等な真核細胞には昆虫細胞及び哺乳類起源の樹立された細胞株が含まれる。例となる宿主細胞には、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株またはDHFRの欠損であるCHO株DXB−11(Urlaubら、1980、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、77:4216−20を参照)、無血清培地で増殖するCHO細胞株(Rasmussenら、1998、Cytotechnology、28:31を参照)、DXB−11CHO細胞の誘導体であるCS−9細胞、及びAM−1/D細胞(US6,210,924号にて記載された)を含むその誘導体が挙げられる。他のCHO細胞株にはCHO−K1(ATCC#CCL−61)、EM9(ATCC#CRL−1861)、及びUV20(ATCC#CRL−1862)が挙げられる。他の宿主細胞の例には、サル腎臓細胞のCOS−7株(ATCC CRL1651)(Gluzmanら、1981、Cell、23:175を参照)、L細胞、C127細胞、3T3細胞(ATCC CCL163)、HeLa細胞、BHK(ATCC CRL10)細胞株、アフリカミドリザルの腎細胞株CV1に由来するCV1/EBNA細胞株(ATCC CCL70)(McMahanら、1991、EMBO J.10:2821)、ヒト胚性腎臓細胞、たとえば、293、293EBNAまたはMSR293、ヒト表皮A431細胞、ヒトColo205細胞、他の形質転換した霊長類の細胞株、正常な2倍体細胞、一次組織、一次外植片の試験管内培養に由来する細胞株、HL60、U937、HakまたはJurkat細胞が挙げられる。
或いは、酵母のような下等真核生物または細菌のような原核生物でポリペプチドを産生させることが可能である。好適な酵母には、Saccharomyces cerevisiae、Schizosaccharomyces pombe、Kluyveromycesの株、Candida、または異種ポリペプチドを発現することが可能である酵母株が挙げられる。好適な細菌株には、Escherichia coli、Bacillus subtilis、Salmonella typhimurium、または異種ポリペプチドを発現することが可能である細菌株が挙げられる。しかしながら、好まれる細胞株は、本明細書で記載されるFc変異体の改善されたグリコシル化特性を示すもの、たとえば、チャイニーズハムスター卵巣細胞、ヒト胚性腎臓細胞株(HEK)−293(T)及びPerC6、マウス黒色腫細胞株NS0、マウスB細胞株SP2/0、たとえば、Schneider2(S2)及びSpodoptera frugiperda(SF)9のようなショウジョウバエ細胞株、幼若ハムスター腎臓線維芽細胞(BHK−21)、ハイブリドーマ細胞株、マウス乳腺腫瘍株C127、Saccharomyces cerevisiae等である。抗体または断片が酵母または細菌で作られるのであれば、機能的な生成物を得るために、たとえば、適当な部位のリン酸化またはグリコシル化によって、その中で産生された生成物を修飾することが望ましくてもよい。そのような共有結合は既知の化学法または酵素法を用いて達成することができる。1以上の昆虫発現系にて好適な制御配列に本発明の単離された核酸を作動可能に連結し、昆虫発現系を採用することによってもポリペプチドを作出することができる。バキュロウイルス/昆虫細胞の発現系のための材料及び方法は、たとえば、Invitrogen,San Diego,Calif.,U.S.A.(MaxBacキット)からキットの形態で市販されており、そのような方法は、Summers及びSmith,Texas Agricultural Experiment Station Bulletin No.1555(1987),並びにLuckow及びSummers,Bio/Technology 6:47(1988)にて記載されたように当該技術で周知である。無細胞翻訳系も、本明細書で記載される核酸構築物に由来するRNAを用いて抗体または断片のようなポリペプチドを作出するのに採用され得る。細菌、真菌、酵母及び哺乳類の細胞宿主と共に使用するための適当なクローニングベクター及び発現ベクターはPouwelsら.(Cloning Vectors:A Laboratory Manual,Elsevier,New York,1985)によって記載されている。好ましくは少なくとも1つの発現制御配列に作動可能に連結される、本発明の単離された核酸を含む宿主細胞は「組換え宿主細胞」である。
特定の実施形態では、どの細胞株が高い発現レベルを有し、所望のグリコシル化特性を持つ抗体またはFc融合タンパク質を産生するかを決定することを介して細胞株が選択され得る。
医薬組成物
一部の実施形態では、本発明は、薬学上有効な希釈剤、キャリア、溶解剤、乳化剤、保存剤及び/または補助剤と一緒に治療上有効な量の本発明の抗体またはFc融合タンパク質を含む医薬組成物を提供する。本発明の医薬組成物には、液状の、凍結された及び凍結乾燥された組成物が含まれるが、これらに限定されない。
好ましくは、製剤の材料は採用される投与量及び濃度で非毒性である。特定の実施形態では、治療上有効量の抗体またはFc融合タンパク質を含む医薬組成物が提供される。
一部の実施形態では、医薬組成物は、組成物のpH、浸透圧、粘性、透明性、色、等張性、臭い、無菌性、安定性、溶解または放出の速度、吸収または浸透を改変する、維持する、または保護するための製剤材料を含有してもよい。そのような実施形態では、好適な製剤材料には、アミノ酸(たとえば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、プロリン、またはリジン);抗菌剤;抗酸化剤(たとえば、アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウムまたは亜硫酸水素ナトリウム);緩衝液(たとえば、ホウ酸塩、重炭酸塩、Tris−HCl、クエン酸塩、リン酸塩または他の有機酸);増量剤(たとえば、マンニトールまたはグリシン);キレート剤(たとえば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA));錯化剤(たとえば、カフェイン、ポリビニルピロリドン、β−シクロデキストリンまたはヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン);充填剤;単糖類;二糖類;及び他の炭水化物(たとえば、グルコース、マンノースまたはデキストリン);タンパク質(たとえば、血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリン);着色剤、風味剤及び希釈剤;乳化剤;親水性ポリマー(たとえば、ポリビニルピロリドン);低分子量ポリペプチド;塩形成対イオン(たとえば、ナトリウム);保存剤(たとえば、塩化ベンザルコニウム、安息香酸、サリチル酸、チメロサール、フェネチルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロロヘキシジン、ソルビン酸または過酸化水素);溶媒(たとえば、グリセリン、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール);糖アルコール(たとえば、マンニトールまたはソルビトール);懸濁剤;界面活性剤または湿潤剤(たとえば、プルロニクス、PEG、ソルビタンエステル、ポリソルベート(たとえば、ポリソルベート20、ポリソルベート、トリトン、トロメタミン、レシチン、コレステロール、チロキサパル);安定性向上剤(たとえば、スクロースまたはソルビトール);等張性向上剤(たとえば、アルカリ金属ハロゲン化合物、好ましくは塩化ナトリウムまたは塩化カリウム、マンニトール、ソルビトール);送達ビヒクル;希釈剤;賦形剤及び/または医薬補助剤が挙げられるが、これらに限定されない。REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCES、第18版、(A.R.Gennaro、ed.)、1990、Mack Publishing Companyを参照のこと。
一部の実施形態では、たとえば、投与の意図される経路、送達形式及び所望の投与量に応じて、当業者によって最適な医薬組成物が決定されるであろう。たとえば、上記REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCESを参照のこと。特定の実施形態では、そのような組成物は、抗体またはFc融合タンパク質の物理的状態、安定性、生体内放出の速度及び生体内クリアランスの速度に影響を与え得る。特定の実施形態では、医薬組成物における主要なビヒクルまたはキャリアは事実上、水性であってもまたは非水性であってもよい。たとえば、好適なビヒクルまたはキャリアは、たぶん非経口投与のために組成物で共通する他の物質で補完される注射用水、生理的な生理食塩水溶液または人工の脳脊髄液であってもよい。中性の緩衝化された生理食塩水または血清アルブミンと混合した生理食塩水はさらなる例となるビヒクルである。特定の実施形態では、医薬組成物は、ほぼpH7.0〜8.5のTris緩衝液またはほぼpH4.0〜5.5の酢酸緩衝液を含み、さらに、ソルビトールまたは好適なその代替物を含んでもよい。本発明の特定の実施形態では、組成物は、凍結乾燥塊または水溶液の形態で、所望の程度の純度を有する選択された組成物を任意の製剤化剤(REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCES)と混合することによって保存のために調製されてもよい。さらに、一部の実施形態では、抗体またはFc融合タンパク質はスクロースのような適当な賦形剤を用いて凍結乾燥物として製剤化されてもよい。
本発明の医薬組成物は、非経口送達のために選択することができる。或いは、組成物は、吸入のために、または経口のような消化器を介した送達のために選択されてもよい。そのような薬学上許容可能な組成物の調製は当該技術の技量の範囲内である。製剤成分は好ましくは投与の部位に許容可能である濃度で存在する。特定の実施形態では、緩衝液を用いて生理的なpHまたはやや低いpH、通常約5〜約8の範囲のpHの範囲内で組成物を維持する。
非経口投与が企図される場合、本発明で使用するための治療用組成物は、薬学上許容可能なビヒクルにて所望の抗体またはFc融合タンパク質を含む、発熱物質を含まない、非経口で許容可能な水溶液の形態で提供され得る。非経口の注射用の特に好適なビヒクルは、抗体またはFc融合タンパク質が無菌の等張の溶液として製剤化され、適正に保存される無菌の蒸留水である。特定の実施形態では、調製には、デポー注射を介して送達することができる製品の制御されたまたは持続される放出を提供し得る、たとえば、注射用ミクロスフェア、生体浸食性粒子、高分子化合物(たとえば、ポリ乳酸またはポリグリコール酸)、ビーズまたはリポソームのような作用因子と共に所望の分子を製剤化することが関与する。特定の実施形態では、循環で長く続く持続時間を助長する効果を有するヒアルロン酸も使用してもよい。特定の実施形態では、埋め込み可能な薬剤送達用具を用いて所望の抗体またはFc融合タンパク質を導入してもよい。
本発明の医薬組成物は吸入用に製剤化することができる。これらの実施形態では、抗体またはFc融合タンパク質は乾燥した吸入可能な粉末として有利に製剤化される。特定の実施形態では、エアロゾル送達のための高圧ガスと共に抗体またはFc融合タンパク質の吸入溶液も製剤化されてもよい。特定の実施形態では、溶液を霧状にしてもよい。従って、肺投与及び製剤化方法は、参照によって組み入れられ、修飾されたタンパク質の肺送達を記載しているPCT/US94/001875にてさらに記載されている。
製剤を経口で投与することができることも企図される。この方法で投与される抗体またはFc融合タンパク質は、たとえば、錠剤またはカプセルのような固形剤形の配合で通例使用されるキャリアと共にまたはそれを伴わずに製剤化することができる。特定の実施形態では、カプセルは、生体利用効率が最大化され、前全身性分解を最少化する時点で消化管にて製剤の活性部分を放出するように設計されてもよい。抗体またはFc融合タンパク質の吸収を促進する追加の作用因子を含めることができる。希釈剤、風味剤、低融点ワックス、植物油、潤滑剤、懸濁剤、錠剤崩壊剤及び結合剤も採用されてもよい。
持続するまたは制御された送達製剤にて抗体またはFc融合タンパク質を含む製剤を含む追加の医薬組成物が当業者に明らかであろう。たとえば、リポソームキャリア、生体浸食性微粒子または多孔性ビーズ及びデポー注射のような種々の持続するまたは制御された送達手段を製剤化する技術も当業者に既知である。たとえば、参照によって組み入れられ、医薬組成物の送達のための多孔性高分子微粒子の制御放出を記載しているPCT/US93/00829を参照のこと。持続放出の調製には、成形物品、たとえば、フィルムまたはマイクロカプセルの形態での半透過性のポリマーマトリクスが含まれてもよい。持続放出マトリクスには、ポリエステル、ヒドロゲル、ポリラクチド(そのそれぞれが参照によって組み入れられるUS3773919号及びEP058481にて記載されたような)、L−グルタミン酸とγ−エチル−L−グルタミン酸のコポリマー(Sidmanら、1983、Biopolymers、2:547−556)、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)(Langerら、1981、J.Biomed.Mater.Res.15:167−277及びLanger、1982、Chem.Tech.12:98−105)、エチレンビニル酢酸(Langerら、1981、上記)またはポリ−D(−)−3−ヒドロキシ酪酸(EP133988)が含まれてもよい。持続放出組成物にはまた、当該技術で既知の幾つかの方法のいずれかによって調製することができるリポソームも含まれてもよい。たとえば、参照によって組み入れられるEppsteinら,1985,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.82:3688−3692;EP036676;EP088046及びEP143949を参照のこと。
生体内投与に使用される医薬組成物は通常無菌の調製物として提供される。無菌化は、無菌の濾過膜を介した濾過によって達成することができる。組成物が凍結乾燥される場合、この方法を用いた無菌化は凍結乾燥及び再構成に先立ってまたはそれに続いて実施されてもよい。非経口投与用の組成物は凍結乾燥された形態または溶液で保存することができる。非経口組成物は、無菌のアクセスポートを有する容器、たとえば、皮下注射用の針によって穴開け可能なストッパーを有する静脈内溶液用のバッグまたはバイアルに入れられる。
本発明の態様は、その全体が参照によって本明細書に組み入れられるWO2006/138181A2(PCT/US2006/022599)にて記載されたような、医薬組成物として使用することができる自己緩衝化するヘテロ二量体の抗体または断片の製剤を含む。
上記で議論したように、特定の実施形態は、抗体またはFc融合タンパク質以外にこの節及び本明細書のどこかで説明的に記載されているもののような1以上の賦形剤を含む、抗体またはFc融合タンパク質の組成物、特に抗体またはFc融合タンパク質の医薬組成物を提供する。賦形剤は、たとえば、製剤の物理的な、化学的なまたは生物学的な特性を調整すること、たとえば、粘度の調整、及び/または有効性を改善し、及び/またはそのような製剤を安定化する本発明の方法、及び、たとえば、製造、輸送、保存、使用前調製、投与の間に及びその後に生じるストレスによる分解及び損傷に対する処理のような種々の目的のためにこの点で本発明にて使用することができる。
特に、本発明に係る自己緩衝化するタンパク質製剤のためのその賦形剤及び方法に部分的に関する、特に獣医学での使用及び/またヒト医学での使用のためのタンパク質医薬品及び方法に関する、たとえば、そのそれぞれが全体として参照によって本明細書に組み入れられる、Arakawaら,“Solvent interactions in pharmaceutical formulations”,Pharm Res.8(3):285−91(1991);Kendrickら,“Physical stabilization of proteins in aqueous solution”,in:RATIONAL DESIGN OF STABLE PROTEIN FORMULATIONS:THEORY AND PRACTICE,Carpenter and Manning,eds.Pharmaceutical Biotechnology.13:61−84(2002),及びRandolphら,“Surfactant−protein interactions”,Pharm.Biotechnol.13:159−75(2002)のような種々の説明が、この点で有用なタンパク質の安定化及び製剤の材料及び方法に関して利用可能である。
本発明の特定の実施形態に従って塩を用いて、たとえば、製剤のイオン強度及び/または等張性を調整し、及び/または本発明に係る組成物のタンパク質または他の成分の溶解性及び/または物理的安定性を改善してもよい。
周知のように、イオンは、タンパク質の表面上の荷電した残基に結合することによって、且つタンパク質における荷電基及び極性基を遮蔽し、その静電相互作用、誘引相互作用及び反発相互作用を減らすことによってタンパク質のネイティブな状態を安定化することができる。イオンはまた、特にタンパク質の変性したペプチド結合(−−CONH)に結合することによってタンパク質の変性した状態を安定化することができる。さらに、タンパク質における荷電基及び極性基とのイオンの相互作用は分子間の静電相互作用を減らすこともでき、それによってタンパク質の凝集及び不溶性を防ぎ、または減らす。
イオン種はタンパク質に対するその効果で有意に異なる。本発明に従って医薬組成物を製剤化するのに使用することができる多数のイオンの分類上のランク分け及びタンパク質に対するその効果が開発されている。一例は、イオン性及び極性非イオン性の溶質を溶液におけるタンパク質の構造的安定性に対するその効果によってランク分けするHofmeisterシリーズである。安定化する溶質は「コスモトロピック」と呼ばれる。不安定化する溶質は「カオトロピック」と呼ばれる。コスモトロピックな物質は一般に高濃度(たとえば、>1モルの硫酸アンモニウム)で使用されて溶液からタンパク質を沈殿させる(「塩析」)。カオトロピックな物質は一般にタンパク質を変性させ及び/または可溶化させるのに使用される(「塩溶」)。「塩溶」及び「塩析」に対するイオンの相対的な有効性はHofmeisterシリーズにおけるその位置を定義する。
増量剤、安定剤及び抗酸化剤として、同様に他の標準の用途として、本発明の種々の実施形態に係る抗体またはFc融合タンパク質の製剤にて遊離のアミノ酸を使用することができる。リジン、プロリン、セリン及びアラニンは製剤におけるタンパク質を安定化するのに使用することができる。グリシンは正しい塊構造と特性を保証するのに凍結乾燥で有用である。アルギニンは液体製剤及び凍結乾燥製剤の双方でタンパク質の凝集を抑制するのに有用である。メチオニンは抗酸化剤として有用である。
ポリオールには、糖、たとえば、マンニトール、スクロース及びソルビトール及び多価アルコール、たとえば、グリセロール及びプロピレングリコール、及び本明細書での議論の目的でポリエチレングリコール(PEG)及び関連する物質が含まれる。ポリオールはコスモトロピックである。それらは液体製剤及び凍結乾燥製剤の双方でタンパク質を物理的な及び化学的な分解過程から保護するのに有用な安定剤である。ポリオールはまた製剤の等張性を調整するのにも有用である。
本発明の精選実施形態で有用なポリオールは、凍結乾燥製剤における塊の構造的な安定性を確保するのに一般に使用されるマンニトールである。それは塊に対して構造的な安定性を確保する。それは一般に凍結乾燥保護剤、たとえば、スクロースとともに使用される。ソルビトール及びスクロースは、等張性を調整するための、及び製造工程の間、原体の輸送または調製の間での凍結融解のストレスに対して保護する安定剤として好まれる作用因子である。たとえば、グルコース及びラクトースのような還元糖(遊離のアルデヒド基またはケトン基を含有する)は表面のリジン残基及びアルギニン残基を糖化することができる。従って、それらは一般に本発明に従って使用するには好まれるポリオールではない。加えて、酸性条件下でフルクトースとグルコースに加水分解され、その結果、糖化を生じるスクロースのような反応性種を形成する糖もこの点で本発明の好まれるポリオールではない。PEGはタンパク質を保護するのに、及び凍結乾燥保護剤として有用であり、この点で本発明にて使用することができる。
抗体またはFc融合タンパク質の製剤の実施形態はさらに界面活性剤を含む。タンパク質分子は、表面上に吸着し易く、且つ変性し易く、その結果、空気/液体、固体/液体及び液体/液体の界面での凝集を起こし易い可能性がある。これらの効果は一般にタンパク質の濃度と逆にスケールを変える。これらの有害な相互作用は一般にタンパク質の濃度と逆にスケールを変え、製品の輸送及び取り扱いの間に生じるもののような物理的な撹拌によって通常悪化する。
界面活性剤は表面の吸着を防ぐ、最少化するまたは減らすのに日常的に使用される。この点で有用な本発明における界面活性剤には、ポリソルベート20、ポリソルベート80、ソルビタンポリエトキシレートの他の脂肪酸エステル、及びポロキサマー188が挙げられる。
界面活性剤はタンパク質の構造的な安定性を制御するのにも一般に使用される。この点で界面活性剤の使用は、所与の界面活性剤が通常一部のタンパク質を安定化し、他を不安定化するので、タンパク質特異的である。
ポリソルベートは酸化分解を起こし易く、供給されるとき、十分量の過酸化物を含有してタンパク質残基の側鎖、特にメチオニンの酸化を引き起こすことが多い。その結果、ポリソルベートは慎重に使用されるべきであり、使用する際、最低有効濃度で用いられるべきである。この点で、ポリソルベートは、賦形剤がその最低有効濃度で使用されるべきであるという原則を例示している。
抗体またはFc融合タンパク質の製剤の実施形態はさらに1以上の抗酸化剤を含む。周囲の酸素及び温度の適正なレベルを維持し、光への暴露を回避することによって医薬製剤においてタンパク質の有害な酸化をある程度防ぐことができる。抗酸化賦形剤を同様に用いてタンパク質の酸化的分解を防ぐことができる。この点で有用な抗酸化剤は、還元剤、酸素/遊離ラジカル捕捉剤、及びキレート剤である。本発明に従って治療用のタンパク質製剤で使用するための抗酸化剤は好ましくは水溶性であり、製品の保存可能期間全体にわたって活性を維持する。この点でEDTAは本発明に係る好まれる抗酸化剤である。
本発明に係る製剤は、タンパク質の補因子であり、タンパク質の配位錯体を形成するのに必要である、たとえば、特定のインスリン懸濁液を形成するのに必要である金属イオンを含んでもよい。金属イオンはタンパク質を分解する一部の工程を阻害することができる。しかしながら、金属イオンはタンパク質を分解する物理的な及び化学的な工程を触媒することもできる。
マグネシウムイオン(10〜120mM)を用いてアスパラギン酸からイソアスパラギン酸への異性体化を阻害することができる。Ca+2+イオン(100mMまで)はヒトのデオキシリボヌクレアーゼの安定化を高めることができる。しかしながら、Mg2+、Mn2+及びZn2+はrhDNA分解酵素を不安定化することができる。同様に、Ca2+及びSr2+は第VIII因子を安定化することができ、それはMg2+、Mn2+及びZn2+、Cu2+及びFe2+によって不安定化することができ、その凝集はAl+3イオンによって高めることができる。
抗体またはFc融合タンパク質の製剤の実施形態はさらに1以上の保存剤を含む。同一容器からの1を超える抽出を含む複数回投与の非経口製剤を開発する場合、保存剤が必要である。その主な機能は、微生物の増殖を阻害し、薬剤製品の保存可能期間または使用の期間の全体にわたって製品の無菌性を確保することである。一般に使用される保存剤には、ベンジルアルコール、フェノール及びm−クレゾールが挙げられる。保存剤は小分子非経口剤と共に使用する長い歴史を有するが、保存剤を含むタンパク質製剤の開発は難題であり得る。保存剤はほとんど常にタンパク質に対して不安定化効果(凝集)を有し、これが、複数回用量のタンパク質製剤での使用を限定する主要な因子になっている。今日まで、ほとんどのタンパク質薬剤は単回使用のみのために製剤化されてきた。しかしながら、複数回用量の製剤が可能である場合、それらは患者の利便性を可能にする追加の利点及び高い市場性を有する。良好な例は、保存される製剤の開発がさらに好都合な複数回使用の注射ペンの提示の商業化をもたらしたヒト成長ホルモン(hGH)のそれである。hGHの保存された製剤を含有する少なくとも4種のそのようなペン用具が現在市場で利用できる。Norditropin(液体、Novo Nordisk)、Nutropin AQ(液体、Genentech)及びGenotropin(凍結乾燥された−−二重チャンバーカートリッジ、Pharmacia & Upjohn)はフェノールを含有する一方で、Somatrope(Eli Lilly)はm−クレゾールと共に製剤化される。
保存される剤形の製剤化及び開発の間に幾つかの態様が考慮される必要がある。薬剤製品における有効な保存剤濃度が最適化されなければならない。これには、タンパク質の安定性を危うくすることなく、抗微生物有効性を付与する濃度範囲で剤形における所与の保存剤を調べることが求められる。
予想できるように、保存剤を含有する液体製剤の開発は凍結乾燥製剤よりも難題である。凍結乾燥製品は保存剤を含まずに凍結乾燥し、使用の時点で保存剤を含有する希釈剤で再構成することができる。これは保存剤がタンパク質と接触する時間を短縮し、関連する安定性のリスクを有意に最少化する。液体製剤に伴って、保存剤の有効性及び安定性は製品の保存可能期間(約18〜24ヵ月)の全体にわたって維持されるべきである。留意する重要な点は、保存剤の有効性が活性薬剤及びすべての賦形剤成分を含有する最終製剤にて明らかにされるべきであるということである。
抗体またはFc融合タンパク質の製剤は、とりわけ、投与の特定の経路及び方法について、特定の投与の投与量及び投与の回数について、特定の疾患の特定の治療について、生物利用効率及び持続性の範囲で一般に設計されるであろう。従って、製剤は、経口で、耳から、眼に、直腸に及び膣に投与を含むが、これらに限定されない好適な経路によって、及び静脈内や動脈内の注射、筋肉内注射及び皮下注射を含む非経口経路によって送達するために本発明に従って設計されてもよい。
いったん医薬組成物が製剤化されると、それは、溶液、懸濁液、ゲル、エマルジョン、固形物、結晶として、または脱水された若しくは凍結乾燥された粉末として無菌のバイアルに保存されてもよい。そのような製剤は、使用の準備ができた形態で、または投与に先立って再構成される(たとえば、凍結乾燥された)形態で保存されてもよい。本発明はまた単回用量の投与単位を生じるためのキットも提供する。本発明のキットはそれぞれ、乾燥タンパク質を有する第1の容器と水性製剤を有する第2の容器の双方を含有してもよい。本発明の特定の実施形態では、単回及び複数回に区分された事前に充填された注射器(たとえば、液体注射器及びリオシリンジ(lyosyringe)を含有するキットが提供される。
採用される抗体またはFc融合タンパク質の医薬組成物の治療上有効な量は、たとえば、治療の背景及び目的に左右されるであろう。当業者は、治療のための適当な投与量レベルが、部分的には、送達される分子、抗原結合タンパク質が使用される適応、投与の経路、及び患者の大きさ(体重、体表面または臓器サイズ)及び/または状態(年齢及び全身状態)に応じて変化することを十分に理解するであろう。特定の実施形態では、臨床医は、投与量を滴定し、投与の経路を改変して最適な治療効果を得てもよい。
キット
本明細書で記載される1以上の抗体またはFc融合タンパク質を含む医薬組成物を、そのような医薬組成物の使用に関する指示書を提供する包装材と共に、容器(たとえば、バイアルまたは注射器)の中に入れてもよい。一般に、そのような指示書には、抗体またはFc融合タンパク質の濃度を記載する具体的な表現、と同様に特定の実施形態の範囲内では、医薬組成物を再構成するのに必要であり得る賦形剤成分または希釈剤(たとえば、水、生理食塩水またはPBS)の相対的な量が含まれるであろう。
実施された実験及び達成された結果を含む以下の実施例は、説明目的のみのために提供されるのであって、本明細書での教示の際、限定として解釈されるべきではない。
実施例1
以下の実施例はFc変異体抗体の産生及びグリコシル化の解析を記載する。
[DNA構築物]製造元の指示書(Agilent)のとおりに部位特異的変異誘発キットでCH2ドメインの部位特異的変異誘発を行った。変異誘発には以下のオリゴヌクレオチドを使用した:5’−cctgtggcaggaccggacgtcttcctcttcccc−3’(配列番号37;S239D);5’−cacctgtggcaggaccgcaggtcttcctcttccc−3’(配列番号38;S239E);5’−cacctgtggcaggaccgcaggtcttcctcttccc−3’(配列番号39;S239K);5’−cacgtgcgtggtggacgacgtgagccacgaag−3’(配列番号40;V264D);5’−cacgtgcgtggtgctggacgtgagccac−3’(配列番号41;V264L);5’−cgtgcgtggtggtggcagtgagccacgaagac−3’(配列番号42;D265A);5’−cacgtgcgtggtggtgctcgtgagccacgaagac−3’(配列番号43;D265L);5’−cacgtgcgtggtggtgtccgtgagccacgaagac−3’(配列番号44;D265S);5’−gaagaccccgaggtccaggctaactggtacgtggacgg−3’(配列番号45;F296A);5’−gaggtcacgtgcgtggtggacgctgtgagccacgaagaccc−3’(配列番号46;V264D/D265A);上述の構築物はすべてDNA配列決定によって検証した。
[細胞の培養、形質移入、増幅及び製造]無血清培地でチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を維持した。CHO宿主細胞に形質移入し、その後、−GHT培地で選択することによって安定なCHO細胞の0nMプールを得た。0nMプールをさらに150nMのMTX含有培地で増幅させて150nMの安定なプールを生成した。化学的に定義された産生培地にて125mLの振盪フラスコで異なる安定なプールに由来するmAbを流加培養産生アッセイから生成した。供給日にグルコースのレベルを確認し、50%のグルコースのストック溶液(HyClone)を用いて10〜12g/Lで維持した。産生培養物はすべて10日目に回収した。
[MAbの精製及び定量]高処理能力プロテインAアッセイを用いて、分泌されたmAb濃縮物を精製し、定量した。プロテインA親和性カラムによって抗体の力価を測定した。不動化したプロテインAを詰めたカラムに抗体を含有する試料を注入し、流した。次いで結合した抗体を酸性条件下で溶出し、統合し、検量線を介して最終的に定量した。
[MAb生成物の質的解析]抗体凝集物をSECによって測定した。試料をHPLCにかけ、SECカラムを用いた流体力学サイズによって分離した。凝集物と単量体についてクロマト図を解析した。2−AA HILICグリカン解析によってN−グリカンを解析した。手短には、抗体N−グリカンをPNGaseFによって解放し、2−アミノ安息香酸で標識し、HILICクロマトグラフィによって分離した。種の比率についてクロマト図を解析した。
[示差走査熱量測定(DSC)]タンタル61セルを備え、それぞれ135μLの有効容量を備えたVPキャピラリーDSCシステム(Microcal Inc.,Northampton,MA)を用いてDSCの測定値を得た。100mMの酢酸を含有する緩衝液、pH5.0にてタンパク質試料を0.5mg/mLまで希釈する一方で、相当する緩衝液を参照として使用した。60℃/時間の比率で20℃から100℃まで試料を走査し、最初の15分は20℃での平衡化だった。16秒のフィルタリング時間を用い、Origin7.0ソフトウエア(OriginLab(登録商標)Corporation,Northampton,MA)を用いてデータを解析した。緩衝液のみのブランク走査を差し引くことによってサーモグラムを補正した。補正したサーモグラムをタンパク質の濃度に対して基準化した。Origin7.0ソフトウエアに組み込んだDSCの関数を用いて溶融温度Tを決定した。
結果
たとえば、HM及びG0のような未成熟のグリカン種が不均一性の主な原因である。従って、グリコシル化の成熟を改善することはmAbのグリカンの不均一性を減らすであろう。他の糖タンパク質とは異なって、オリゴ糖鎖は、IgG−Fcの「蹄鉄」形状の内部空間の中に埋め込まれるアスパラギン残基297を介して結合される。従って、Fc構造及び周辺のタンパク質残基は酵素や基質のようなグリカンのプロセッシング装置のアクセス性に影響を及ぼし、最終的にプロセッシングの効率に影響を与えるという仮説が立てられ得る。この仮説に基づいて、我々は、ヒトIgG2の結晶構造を用いて、コンセンサスN−グリコシル化部位に空間的に近いCH2ドメインにおける4つのアミノ酸残基と、オリゴ糖鎖も選択した。IgG2の結晶構造は、S239、V264、D265及びF296が、コアのN−アセチルグルコサミンを安定化すること、またはグリコシル化酵素のアクセス性を変化させることに決定的に関与することを示唆した(図2)。これらのアミノ酸残基に相当するヌクレオチド配列を表2に要約するように変異させてこの戦略がグリカンのプロセッシングを変化させるかどうかを調べた。
Figure 0006668241
[異なるグリカンのプロセッシング効率を持つFc変異体mAbの生成]
mAb構築物をCHO細胞に形質移入し、Amgenプラットフォーム手順を用いてFc変異体mAbを発現している安定なプールを生成した。Amgenプラットフォーム流加産生法を用いてFc変異体mAbを生成し、グリカンのマッピング(材料及び方法)によってmAbのグリコシル化を解析した。
図3に示すように、野生型mAbのマンノース5(M5)のレベルは未増幅(0nM)細胞(A)で3.5%であるが、150nMで増幅した細胞(B)では6.4%に増加し、それは、グリカンのプロセッシングが培養/発現系の変化に対して高度に影響を受け易いので、mAb産生細胞すべてに共通する所見である。一方、単一AA変異、S239D、V264D/L、D265A及びF296A並びにS239D/V264D、S239D/D265A、S239D/V264L、及びV264D/F296Aの二重変異は、野生型Fcに比べてM5レベルを84%まで低下させるのに十分であり、グリカンのプロセッシングがこれらの変異体ではさらに効率的であることを示している(図3)。重要なことに、V264D、D265A、F296A、及び二重変異S239D/V264D、S239D/D265Aに由来する高マンノースのプロセッシングは培養/発現系の差異によって影響されないと思われた。これらの変異体に由来する%M5のレベルは150nM(A)MTXの増殖を伴わなくても伴っても(B)同じままだった。
これらのFc変異体がグリコシル化の変異を改善することができるかどうかをさらに評価するために、たとえば、ガラクトース、フコース及びシアル酸のような末端糖を調べた。図4に示すように、シアル化を伴ってまたは伴わずに1または2のGal残基を含有するガラクトシル化mAbでは2.5倍までの増加がある(図4)。同じ傾向は0nM(A)及び150nM(B)双方のプールで一貫して見られた。一方、未成熟の糖型G0及びG0Fは相当する変異体で有意に低下した(図5)。これらのデータは、特定のCH2 Fcの変異を示すCHOに由来するmAbはCHO細胞におけるグリコシル化の間に完全に成熟することができることを示唆した。抗体へのこれらの変異体の組み込みは未成熟の糖型レベル、すなわち、高マンノースのG0及びG0Fの産生を、異なる培養/発現系によって影響されないことが一貫している十分に低いレベル(全体で<5%)に低下させる(図2及び4、V264D、S239D/V264D及びV264D/F296A)ことが言及された。従って、プロセス開発によるさらなる製品の品質管理に対する要件/ニーズが減る。加えて、これらの成熟糖型及び5%未満までの未成熟の糖型で見られるレベルまでガラクトシル化を高めるのを可能にする細胞操作またはプロセス技術のツールは今日まで記載されていないし/利用可能ではない。比較すると、たとえば、S239E、S239K及びD265Sのような調べた他のAA変異体は、グリカンのプロセッシングに対して反対の影響を有した(図3〜6)ということは変異の影響が設計によって特異的であることを明らかにしている。
[Fc変異体mAbは予想された折り畳みを示す]
DSCによってmAb変異体の折り畳みを検証した。野生型及び変異体のタンパク質は双方ともIgG分子の典型的な熱によるアンフォールド特性を示す。結果(図6)はこれらのFc変異体が構造的完全性を上手く維持する実行可能な生成物候補であることを示している。幾つかの変異はCH2ドメイン溶融の中点を反映する第1のTに影響を与えた。しかしながら、変異の大半はCH2溶融の開始温度に影響を与えなかった。これらの知見は、変異がグリコシル化部位の近傍の局所構造を変え、それによってグリカン修飾の成熟に影響を及ぼし得るという仮説に一致している。一般に、これらの変異の熱安定性は製品製造、保存、分布及び投与に対する追加の難題を提示し得ないが、DSCの結果は最も所望であるFc変異体を選択するための変異誘発戦略をさらに導き得る。
実施例2
以下の実施例は追加の変異及びFc変異体抗体のさらなる性状分析を記載する。
[N−グリコシル化操作のための位置の選択]。
完全なヒト抗体の高解像構造であるヒトIgG2のFcドメインの結晶構造。Chemical Computing Group(“Molecular Operating Environment (MOE); Chemical Computing Group Inc., 1010 Sherbooke St. West, Suite #910, Montreal, QC, Canada, H3A 2R7, 2011.,” n.d.)からのMolecular Operating Environment(MOE)を用いてグリコシル化の位置を視覚化した。自動視覚化に使用した構造は1HZH(Saphireら,2001)だった。抗体重鎖の双方を構造解析で利用した一方で、視覚化には主としてH鎖を使用した。直接原子距離測定及び糖の存在下及び非存在下での残基当たりの溶媒暴露差分計算を含む種々の方法によって、残基の位置決め及び糖との相互反応を行った。
[DNA構築物、細胞培養、形質移入、増幅及び産生]。
製造元の指示書(Agilent)のとおりに部位特異的変異誘発キットでCH2ドメインの部位特異的変異誘発を行った。構築物はすべてDNA配列決定によって検証した。
無血清培地でチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を維持した。CHO宿主細胞に形質移入し、その後、−GHT培地で選択することによって安定なCHO細胞の0nMプールを得た。0nMプールをさらに150nMのMTX含有培地で増幅させて150nMの安定なプールを生成した。化学的に定義された産生培地にて125mLの振盪フラスコで異なる安定なプールからのmAbを流加培養産生アッセイから生成した。供給日にグルコースのレベルを確認し、50%のグルコースのストック溶液(HyClone)を用いて10〜12g/Lで維持した。産生培養物はすべて10日目に回収した。
[MAbの精製及び定量]。
高処理能力プロテインAアッセイを用いて、分泌されたmAb濃縮物を精製し、定量した。社内のSEC及びHILICアッセイによってHMW及びグリコシル化を解析した。プロテインA親和性カラムによって抗体の力価を測定した。不動化したプロテインAを詰めたカラムに抗体を含有する試料を注入し、流した。次いで結合した抗体を酸性条件下で溶出し、統合し、検量線を介して最終的に定量した。
[MAb生成物の質的解析]。
抗体凝集物をサイズ排除クロマトグラフィ(SEC)によって測定した。試料をHPLCにかけ、SECカラムを用いた流体力学サイズによって分離した。凝集物と単量体についてクロマト図を解析した。2−AA HILICグリカン解析によってN−グリカンを解析した。手短には、抗体N−グリカンをPNGaseFによって解放し、2−アミノ安息香酸で標識し、HILICクロマトグラフィによって分離した。種の比率についてクロマト図を解析した。
[親水性相互作用クロマトグラフィ(HILIC−MS)−グリカンマッピング法]。
120μgのmAbのアリコートを1×消化緩衝液(1×PBS緩衝液)中の3μLのPNGaseFで処理した。最終容量は30μLであったが、最終pHは1×PBS緩衝液塩濃度によって約7.4であるべきである。混合物を37℃で2時間インキュベートした。グリカン混合物を解放するために、2−アミノ安息香酸(2−AA)蛍光標識溶液(0.04Mのシアノ水素化ホウ素ナトリウムを伴った12mg/mLの2−アミノ安息香酸)を加え、80℃で加熱した。Prozymeプロトコールに従って過剰の2−AA試薬を取り除いて乾燥させたグリカンを得た。15μLのミリQ水溶液における2−AA標識したグリカンをUPLCに負荷し、分離した。分離の間のHILICカラムの温度は50℃だった。標識したグリカンの注入容量は3μLだった。移動相Aは100mMのギ酸アンモニウム、pH3.0であり、移動相Bは100%アセトニトリルだった。分離は、0.4mL/分の流速及び40分間の22%から45%Aまでの勾配を使用し、その後の45分間の合計実行時間を生じる浄化と再平衡化を行った。360nmの励起と425nmの放射での蛍光検出器によって移動したグリカン種をモニターした。定量されたグリカン含量はHILICのグリカンマップにおける蛍光ピークから積分される一方で、これらのグリカンのピークの割り当ては質量分光分析(MS)によって確認される。
[示差走査熱量測定(DSC)]。
タンタル61セルを備え、それぞれ135μLの有効容量を備えたVPキャピラリーDSCシステム(Microcal Inc.,Northampton,MA)を用いてDSCの測定値を得た。100mMの酢酸を含有する緩衝液、pH5.0にてタンパク質試料を0.5mg/mLまで希釈する一方で、相当する緩衝液を参照として使用した。60℃/時間の比率で20℃から100℃まで試料を走査し、最初の15分は20℃での平衡化だった。16秒のフィルタリング時間を用い、Origin7.0ソフトウエア(OriginLab(登録商標)Corporation,Northampton,MA)を用いてデータを解析した。緩衝液のみのブランク走査を差し引くことによってサーモグラムを補正した。補正したサーモグラムをタンパク質の濃度に対して基準化した。Origin7.0ソフトウエアに組み込んだDSCの関数を用いて溶融温度Tを決定した。
[Fc変異体のFcγRIIAへの相対的な結合の測定]
AlphaLISA技術(Perkin Elmer,Waltham,MA)を用いて結合の相対的潜在力を測定した。GST−でタグを付けたFcγRIIAはAmgen社によって提供された。常温にて2〜4時間、AlphaLISAグルタチオンアクセプタービーズ(Perkin Elmer City,State)を1×免疫アッセイ緩衝液中の5nMのFcγRIIA(Perkin Elmer,Waltham,MA)でコーティングした。変異体Fc種を1nMのビオチン化抗体競合体分子と組み合わせ、10μg/mLのFcγRIIAでコーティングしたアクセプタービーズと共に常温で22〜26時間インキュベートした。10μg/mLのAlphaLISAストレプトアビジンドナービーズ(Perkin Elmer,Waltham,MA)を加え、反応物を常温で22〜26時間インキュベートした。Envisionプレートリーダー(Perkin Elmer,Waltham,MA)を用いて相対的な発光単位としてAlphaSignalを回収した。調べた抗体のFcγRIIAへの結合はビオチン化競合体分子とFcγRIIAの相互作用を壊し、それによってドナービーズとアクセプタービーズが近接するのを防ぎ、520〜620nMでの放射の低下を生じる。Softmax Pro v5.4.1(Molecular Devices,Sunnyvale,CA)にて野生型Fcと比べて結合の相対的な潜在力を算出した。
[FcRnのAlphaScreenに基づく結合アッセイ]。
本試験で利用されるFcRn(新生児Fc受容体)結合アッセイは穏やかに酸性の条件下(〜pH6)で行われて試験分子のFcRn結合を特徴付ける競合阻害アッセイである。それは、生体分子の相互作用を検出するビーズに基づく増幅発光近傍均質アッセイ(アルファ)形式であるAlphaScreen(登録商標)技術(Perkin Elmer,Waltham,MA)を利用した。この技術は、2つの型のビーズ、すなわち、アクセプタービーズとドナービーズを必要とした。アクセプタービーズはチオキセン誘導体と同様にニッケルキレート(Niキレート)を含有するヒドロゲルでコーティングした。ドナービーズはフタロシアニン、光増感剤及びストレプトアビジンを含有するヒドロゲルでコーティングした。アッセイでは、試験分子は、ヒスチジンで標識したヒト組換えFcRn(FcRn−his)の可溶性形態への結合について固定した濃度のビオチン化Fc(Fc−ビオチン)と競合した。溶液相でFcRn−hisがFc−ビオチンに結合した後、2つのビーズ型を反応混合物に加えた。この反応では、アクセプタービーズはNiキレートを介してFcRn−hisのヒスチジンタグに結合し、ドナービーズはストレプトアビジンを介してFc−ビオチンに結合した。これらの結合のお蔭で、それらを近接させる2つのビーズ型の間で架橋が形成された。レーザーをこの複合体に適用すると、ドナーによって周囲の酸素が一重項酸素に変換された。近接したビーズによって、アクセプタービーズへのエネルギー転移が生じ、発光反応が生じた。アッセイでは、試験分子は発光反応で用量依存性の低下を生じ、それはEnvision(登録商標)プレートリーダー(Perkin Elmer,Waltham,MA)によって測定された。変異体試料の活性レベルは、その用量反応曲線を野生型の反応曲線と比較することによって決定され、パーセント相対結合(%相対結合)として報告された。各試料(変異体)は3回の独立したアッセイで調べ、%相対結合の値はその3回の測定で平均した。
[マウスにおける薬物動態(PK)試験]
オスCD−1マウス(6〜8週齢)にて薬物動態試験を行った。静脈内投与を介して群当たり3匹のマウスが単回用量のmAb変異体の投与を受けた。用量は最近得た体重に基づいて0.25mg/kgだった。試験物品を0.125mg/mLに希釈して2mL/kgのおよその投与容量を生じた。PK分析のための試料は、投与後、0、0.5、2、4、8、24、48、72、168、240、336、504及び672時間で採取した。血液試料は、眼窩後方静脈叢穿刺(0.07mL)を介してMicrotainer(登録商標)Brand Serum Separator Tubesに採取した。GyrosLab(商標)自動化免疫アッセイ(Hall2013;Journal of Immunological Methods、393(2013)70−73)を用い、捕捉としてビオチン化マウス抗ヒトIgGFc特異的mAb及びAlexafluor647マウス抗ヒトFcのmAbを伴ったサンドイッチ免疫アッセイ方式を用いてmAb変異体の定量を行った。アッセイにおける定量の下限(LLOQ)は50ng/mLだった。生体分析データの解析をPhoenix WinNonlinで行った。
結果
表面プラスモン共鳴アッセイによって変異体はFab/抗原の結合に影響を与えなかった(図7)。これらの残基の変異は、たとえば、FcγR及びFcRnの結合のようなmAbの他の特性にほとんど影響を示さない(図8及び9)。ヒトFcRnトランスジェニックマウスによる薬物動態試験は、野生型に比べて変異体はすべて同じTmax及び類似のCmaxを有することを示した(図10)。
[mAbのグリカンのプロセッシングに影響を与える残基の選択]
ヒトIgG1の結晶構造を用いて、コンセンサスN−グリコシル化部位に空間的に近接するCH2ドメインにおける5つのアミノ酸残基と、オリゴ糖鎖も選択した。IgG2にて調べられているV264及びD265に加えて、追加の残基はV262、Q295及びR301である。これらのアミノ酸残基に相当するヌクレオチド配列を変異させ、得られたアミノ酸の変化を表3に要約してこれらの残基がグリカンのプロセッシングを変えるかどうか調べた。
Figure 0006668241
[異なるグリカンのプロセッシング効率を持つFc変異体mAbの生成]
mAb構築物をCHO細胞に形質移入し、Fc変異体mAbを発現している安定なプールを生成した。流加産生法を用いてFc変異体mAbを生成し、上述のグリカンのマッピングによってmAbのグリコシル化を解析した。
図11に示すように、野生型mAbのマンノース5(M5)のレベルは未増幅(0nM)の細胞では2.25%であり、増幅した(150nM)細胞では4%に増えた一方で、単一AA変異D265A、D265V及びR301Aは野生型Fcのそれに比べて67%までM5レベルを減らすのに十分である(図12)。D265A及びD265Vの効果はIgG2mAbからの以前の知見をさらに確認した。たとえば、F241A、V262A、R301及びV264L/D265Aのような他の変異も種々の程度でM5を減らした。図13は種々の他のHMグルカン(M6、M7、M8及びM9)のレベルでの低下を示すということは、高マンノース構造の改善されたプロセッシングを示唆している。
加えて、未成熟種、G0及びG0Fもこれらの変異体で減った(図14)。これらには、フコシル化された、ガラクトシル化された、及びシアル化された二分岐グリカン構造(G1F、G2F、G2FSA1及びG2FSA2)、主要な成熟複合体構造のレベルにおける上昇が伴った(図15及び17)。CHO由来のmAbでは普通非常に低い、シアル化(SA1及びSA2)はこれらの変異体、特にF241、V262A、V264L/D265A、D265V、R301Aで有意に上昇する(30〜68%)(図16及び17)。完全に成熟したグリカンのレベルの全体的な量は90%まで達したが、それはCHO由来のmAbでは全く稀である。これらのデータは、特定のCH2Fcの変異を示すCHO由来のmAbはCHO細胞におけるグリコシル化の間に完全に成熟することができることを示唆した。これらの変異体の抗体への組み込みは未成熟の糖型のレベル、すなわち、高マンノースのG0及びG0Fの産生を十分に低いレベル(全体で<10%)に低下させることが言及された。これらの構造は、G1F、G2F、G2FSA1及びG2FSA2のようなさらに成熟した構造の合成への経路の中間体なので、低下はコアフコース、ガラクトースまたはシアル酸の付加による成熟を反映する可能性がある。

Claims (20)

  1. Fc内で2以上のアミノ酸置換を含むFc含有分子であって、前記FcがS239D及びV264L、S239D及びV264D、又はS239D及びD265Aの置換の組み合わせを含み、及び、前記FcがヒトIgG1又はヒトIgG2に由来する、前記Fc含有分子。
  2. 前記Fcが、配列番号1又は配列番号5で示されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項に記載のFc含有分子。
  3. 前記Fc含有分子が抗体又はFc融合タンパク質である、請求項1〜のいずれか一項に記載のFc含有分子。
  4. 前記Fc含有分子がN結合型グリコシル化を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載のFc含有分子。
  5. 前記Fc含有分子が哺乳類宿主細胞における発現によってグリコシル化される、請求項に記載のFc含有分子。
  6. 前記哺乳類宿主細胞がチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株である、請求項に記載のFc含有分子。
  7. Fc含有分子の40%を超えるものが成熟N結合型グリコシル化を含む、請求項4〜6のいずれか一項に記載のFc含有分子を含む組成物。
  8. Fc含有分子の50%未満が未成熟のN結合型グリコシル化を含む、請求項4〜7のいずれか一項に記載のFc含有分子を含む組成物。
  9. Fc含有分子の5%未満がマンノース5(M5)N結合型グリコシル化を含む、請求項4〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 前記組成物が医薬組成物である、請求項7〜9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 請求項10に記載の医薬組成物を含むバイアル。
  12. 請求項10に記載の医薬組成物を含む注射器。
  13. Fc領域を含むポリペプチドであって、前記Fc領域がS239D及びV264L、S239D及びV264D、又はS239D及びD265Aの置換の組み合わせを含み、及び、前記Fc領域がヒトIgG1又はヒトIgG2に由来する、前記ポリペプチド。
  14. 請求項13に記載のポリペプチドをコードする核酸。
  15. プロモータに作動可能に連結されている請求項14に記載の核酸を含む発現ベクター。
  16. 請求項14に記載の1以上の核酸を含む宿主細胞。
  17. 前記核酸がプロモータに作動可能に連結される請求項16に記載の宿主細胞。
  18. 前記宿主細胞がチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株である、請求項16に記載の宿主細胞。
  19. Fc含有分子の産生方法であって、前記方法が
    (a)Fc含有ポリペプチドの発現を生じる条件下で請求項16〜18のいずれか一項に記載の宿主細胞を培養することと、
    (b)前記培養物から前記Fc含有分子を単離することと
    を含む、前記方法。
  20. Fc含有分子の組成物の製造方法であって、前記方法が
    (a)Fc含有ポリペプチドの発現を生じる条件下で請求項16〜18のいずれか一項に記載の宿主細胞を培養することと、
    (b)前記培養物から前記Fc含有分子を単離してFc含有分子の組成物を得ることと
    を含む、前記方法。
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