明 細 書 ヒト ADAMTS— 1タンパク質、 それをコードする遺伝子、 医薬組成物、 及び ヒト ADAMTS— 1タンパク質の免疫学的分析方法 技術分野
本発明は、 ヒト ADAMTS— 1タンパク質、 それをコードする遺伝子、 医薬 組成物、 及びヒト ADAMTS— 1タンパク質の免疫学的分析方法に関する。 背景技術
マウス ADAMTS (A _d_i s i n t e g r i n _a n d me t a 1 1 o p r o t e i n a s e w i t h 丄 h r omb o p o n d i n mo t i f s) 一 1遺伝子は、 マウスに移植すると癌悪疫質を引き起こすマウス大腸癌細胞 株から、 c DN Aとして単離された遺伝子であり、 この遺伝子にコードされるマ ウス AD AMT S— 1夕ンパク質は、 マトリ ックスメタロプロテア一ゼドメイン 、 デイスインテグリンドメイン、 及び 3個のトロンボスボンジンドメインを有す るユニークなタンパク質である [j. B i o l . C h em. , 272. 556 - 562 ( 1 997) ] o
マウス AD AMT S— 1タンパク質の生理学的機能は未だに不明である力 ?、 前 記タンパク質に含まれている個々の機能ドメィンについては、 すでに種々の報告 がある。
例えば、 へビ毒のディスインテグリンは、 システィ ンに富み、 抗血液凝固作用 を有する夕ンパク質のファミリーに属する [S em i n. Hema t o し , 丄, 289— 300 (1994) ] 。
また、 例えば、 マトリ ックスメ夕口プロテア一ゼドメインとディスィンテグリ ンドメインとを有するタンパク質ファミリ一としては、 従来から、 ADAM (A
_ii s i n t e g r i n _a^n d e t a l l o p r o t e i n a s e) フ ァミリ一が知られている [Na t u r e, 377. 652— 656 ( 1995) ; Na t u r e G e n e t. , _5 , 151 - 157 (1993) ; N a t u r
e, 356, 248 - 2 52 ( 1 992 ) ] 0
これまでに ADAMファミ リーとして知られるタンパク質としては、 例えば、 、 ファーティ リ ン (f e r t i 1 i n) 、 ェピダ一マルアピカルプ口ティン (e p i d e rma l p i c a l p r o t e i n) 、 シリテスチン (c y r i t e s t i n) 、 MDC (システィン含有量の高いメタロプロテア一ゼ様ディス インテグリン様タンパク質; me t a l l o p r o t e a s e— l i k e, d i s i n t e g r i n— l i k e a n d c y s t e i n— r i c h p r o t e i n) 、 メルトリ ン (me l t r i n) 、 MS 2、 及びメ夕一ジディ ン (m e t a r g i d i n) を挙げることができる [N a t u r e, 377. 652 -6 56 ( 1 995 ) ; N a t u r e G e n e t . 5_, 1 5 1— 1 57 ( 1 993 ) ; N a t u r e , 356. 248 - 2 52 ( 1 992 ) ; B i o c h em. J . , 286, 67 1 - 675 ( 1 992 ) ; D e v. G r ow t h. D i f f e r . , 3_6, 49 - 58 ( 1 994 ) ; I n t . I mmu n o l . , , 585 一 59 1 ( 1 990) ; J . B i o l . C h em. , 2 7 1. 4 593— 4 59 6 ( 1 996 ) ] o
ファーティ リンは、 ィンテグリンを介する精子と卵子の結合に関与していると の報告 [Na t u r e, 3 56. 248 - 252 ( 1 992 ) ] があり、 メルト リンは、 筋間形成に関与しているとの報告 [N a t u r e, 3 77. 6 52 -6 56 ( 1 995) ] がある。 主として中枢神経などで発現している MDCは、 ヒ ト乳癌の抑制に働く候補タンパク質である [N a t u r e G e n e t. 5., 1 5 1 - 1 57 ( 1 993 ) ] 。 また、 MS 2は、 マクロファージの 1つの抗原と して働いている [I n t. I mmu n o l . , ^, 585 - 59 1 ( 1 990) ] o しかし、 これら AD AMファミリーに属するタンパク質の生理学的役割は依 然として多くは不明である。
マウス AD AMT S— 1タンパク質は、 マトリ ックスメタ口プロテア一ゼドメ ィン及びディスィンテグリ ン ドメィンを有するので、 ADAMファ ミ リーに属す る力 ί、 トロンボスボンジンドメインを有する点で、 従来公知の ADAMファミリ —に属するタンパク質とは異なる。
マトリ ックスメタロプロテア一ゼドメィン及びディスィンテグリ ン ドメィンを
有する A DAMファミリーには、 先に述べたように、 骨や筋肉代謝、 癌増殖抑制 、 又は受精に関与する各種タンパク質が含まれ、 また、 トロンボスボンジンには 血管新生阻害作用、 及び癌抑制作用があることから、 マウス A D A M T S— 1タ ンパク質には特徴的生理機能があると思われる。
本発明者は、 未知のヒト ADAMTS— 1タンパク質を取得することを目指し て、 既知のマウス ADAMTS— 1遺伝子の塩基配列を基に設計した各種プロ一 ブを用いて、 ヒト腎臓 c DNAライブラリーからプラークハイプリダイゼーショ ン法によりヒト ADAMTS— 1遺伝子を取得しょうと試みたところ、 目的の遺 伝子を取得することはできなかった。 また、 既知のマウス ADAMTS— 1遺伝 子の塩基配列を基に設計した各種プライマ一を用いて、 ヒト腎臓 c DNAライブ ラリーを铸型とする P C R法を通常の条件で実施することによって目的遺伝子の 取得を試みた力、 成功しなかった。 そこで、 本発明者は、 前記のプライマ一を用 いて、 通常よりも緩い条件、 すなわち、 アニーリング温度を通常よりも低い条件 で、 ヒト腎臓 c DN Aライブラリーを铸型とする PC R法を実施することにより 、 新規のヒト ADAMTS— 1遺伝子を単離することができた。 こうして得られ た遺伝子を大腸菌で産生させ、 得られた組換えヒト ADAMTS— 1タンパク質 の生物活性を検討したところ、 驚くべきことに、 新規のヒト ADAMTS— 1夕 ンパク質が、 白血球及び血小板の数を低下させ、 同時に、 赤血球の数を増加させ る活性を有することが判明した。 このような造血機能に影響を与える活性は、 プ ライマ一を設計するのに参照したマウス A D A M T S— 1遺伝子の由来からは予 想することができず、 また、 ヒト AD AMT S— 1タンパク質に含まれる各ドメ インの機能からも予想することができないものである。 本発明は、 このような知 見に基づくものである。 発明の開示
本発明は、 配列表の配列番号 1の配列:
Met Asp He Cys Arg He Arg Leu Arg Lys Lys Arg Phe Val Ser Ser
Pro Arg Tyr Val Glu Thr Met Leu Val Ala Asp Gin Ser Met Ala Glu
Phe His Gly Ser Gly Leu Lys His Tyr Leu Leu Thr Leu Phe Ser Val
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His Glu Ser Cys Asp Pro Leu Lys Lys Pro Lys His Phe He Asp Phe
Cys Thr Leu Thr Gin Cys Ser
で表わされるアミノ酸配列を含むことを特徴とするタンパク質に関する。
また、 本発明は、 配列表の配列番号 1の前記配列で表わされるァミノ酸配列を 含むタンパク質と機能的に等価な改変体に関する。
また、 本発明は、 マトリ ックスメタ口プロテアーゼドメイン、 デイスインテグ リンドメイン、 及びトロンボスボンジンドメィンを有することを特徴とするタン パク質 (但し、 マウス A D AM T S— 1タンパク質を除く) に関する。
また、 本発明は、 これらの新規タンパク質をコードすることを特徴とする遺伝 子に関する。
また、 本発明は、 前記遺伝子を含むことを特徴とするベクタ一に関する。 また、 本発明は、 前記ベクターにより形質転換されたことを特徴とする形質転 換体に関する。
また、 本発明は、 ( 1 ) 配列表の配列番号 1の前記配列で表わされるアミノ酸 配列を含むタンパク質、 (2 ) 配列表の配列番号 1の前記配列で表わされるアミ ノ酸配列を含むタンパク質と機能的に等価な改変体、 又は (3 ) マトリックスメ タロプロテア一ゼドメイン、 デイスインテグリンドメイン、 及びトロンボスポン
ジンドメインを有するタンパク質を含有することを特徴とする医薬組成物に関す る。
また、 本発明は、 前記の新規タンパク質と特異的に反応することを特徴とする 免疫反応性物質 (例えば、 ポリクローナル抗体若しくはモノクローナル抗体、 若 しくはこれらの抗体フラグメント、 又は抗血清など) に関する。
また、 本発明は、 前記免疫反応性物質と、 被検試料とを接触させ、 ヒ ト ADA MT S— 1タンパク質と前記免疫反応性物質との結合体を検出することを特徴と する、 前記ヒト ADAMTS— 1タンパク質の免疫学的分析方法に関する。 また、 本発明は、 配列表の配列番号 1の配列で表わされるアミノ酸配列からな るヒト ADAMTS— 1タンパク質の mRN Aの塩基配列に相補的な塩基配列を 含むポリヌクレオチドと、 被検試料とを接触させ、 ヒ ト ADAMTS— 1タンパ ク質の mRN Aと前記遺伝子との結合体を検出することを特徴とする、 前記ヒト ADAMTS- 1タンパク質の mRNAの分析方法に関する。
また、 本発明は、 ヒト ADAMT S— 1タンパク質、 又はその mRN Aを分析 することを特徴とする、 免疫状態の体外検出方法に関する。
更に、 本発明は、 ヒト ADAMTS— 1タンパク質と免疫学的に反応すること のできる免疫反応性物質、 又はヒト ADAMTS— 1タンパク質の mRN Aの塩 基配列に相補的な塩基配列を含むポリヌクレオチドを含有することを特徴とする 、 免疫状態の分析試薬に関する。 図面の簡単な説明
図 1は、 PCR法により得られた F 1 a g. 1 DNA断片の電気泳動の結果を 示す図面である。
図 2は、 マウス ADAMTS— 1遺伝子と F 1 a g. 1 DNA断片との相同性 を示す説明図である。
図 3は、 F l a g. 1 DNA断片のドッ トハイブリダィゼ一シヨンの結果を示 す説明図である。
図 4は、 RACE法により得られた F 1 a g. 2 D N A断片の電気泳動の結果 を示す図面である。
図 5は、 本発明のヒト ADAMTS— 1遺伝子とマウス ADAMTS— 1遺伝 子とのホモロジ一 (第 1番目〜第 480番目の塩基配列) を示す説明図である。 図 6は、 本発明のヒト ADAMTS— 1遺伝子とマウス ADAMTS— 1遺伝 子とのホモロジ一 (第 48 1番目〜第 960番目の塩基配列) を示す説明図であ る。
図 7は、 本発明のヒト ADAMTS— 1遺伝子とマウス ADAMTS— 1遺伝 子とのホモロジ一 (第 96 1番目〜第 1440番目の塩基配列) を示す説明図で ある。
図 8は、 本発明のヒ ト AD AMT S一 1遺伝子とマウス ADAMT S― 1遺伝 子とのホモロジ一 (第 144 1番目〜第 1920番目の塩基配列) を示す説明図 である。
図 9は、 本発明のヒト ADAMTS— 1遺伝子とマウス AD AMT S _ 1遺伝 子とのホモロジ一 (第 1 92 1番目〜第 2 184番目の塩基配列) を示す説明図 である。
図 10は、 本発明のヒト ADAMT S— 1タンパク質とマウス ADAMT S - 1タンパク質とのホモロジ一 (第 1番目〜第 240番目のアミノ酸配列) を示す 説明図である。
図 1 1は、 本発明のヒト ADAMT S— 1タンパク質とマウス AD AMTS— 1タンパク質とのホモロジ一 (第 24 1番目〜第 510番目のアミノ酸配列) を 示す説明図である。
図 12は、 本発明のヒト ADAMT S— 1夕ンパク質とマウス A D AMT S - 1タンパク質とのホモロジ一 (第 51 1番目〜第 727番目のアミノ酸配列) を 示す説明図である。
図 13は、 PCR法により得られた本発明によるヒト ADAMTS— 1遺伝子 の完全長の c DN Aの電気泳動の結果を示す図面である。
図 14は、 本発明のプラスミ ド p G/ ADAMTS— 1の構造を模式的に示す 説明図である。
図 15は、 プラスミ ド p GZADAMT S— 1により形質転換された形質転換 体の電気泳動の結果を示す図面である。
図 16は、 GST—ヒ ト ADAMTS— 1融合タンパク質の電気泳動の結果を 示す図面である。
図 17は、 GST—ヒ ト ADAMTS— 1融合タンパク質のマウス静脈単回投 与による血球細胞数に与える作用を示すグラフである。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明を詳細に説明する。
本発明によるヒト ADAMTS— 1タンパク質は、 アミノ酸残基 727個から なり、 配列表の配列番号 1の配列で表わされるァミノ酸配列からなる新規の夕ン パク質である。 本発明のヒト AD AMT S— 1タンパク質は、 図 10〜図 12に 示すように、 N末端アミノ酸残基であるメチォニンから数えて第 12番目〜第 2 30番目のアミノ酸残基からなるマトリックスメタ口プロテア一ゼ (以下、 MM Pと称することがある) ドメイン、 第 235番目〜第 305番目のァミノ酸残基 からなるデイスインテグリン (以下、 D Iと称することがある) ドメイ ン、 並び に第 322番目〜第 372番目、 第 6 18番目〜第 664番目、 及び第 672番 目〜第 727番目のアミノ酸残基からなる 3個のトロンボスボンジン (以下、 T S Pと称することがある) ドメインを有する。 また、 塩基性アミノ酸であるアル ギニン及びリジンが C末端領域に多く存在し、 このことから、 ヒト ADAMTS ― 1タンパク質は、 血液中においてへパリンやへパラン硫酸などの硫酸化多糖分 子と相互作用していると思われる。
本発明による新規タンパク質には、 配列表の配列番号 1の配列で表わされるァ ミノ酸配列を含むタンパク質、 又は配列表の配列番号 1の配列で表わされるアミ ノ酸配列を含むタンパク質の機能的に等価な改変体 (以下、 ヒト ADAMTS— 1タンパク質改変体と称する) が含まれる。
本明細書において、 「ヒト ADAMTS— 1タンパク質改変体」 とは、 そのァ ミノ酸配列が、 ヒト ADAMTS— 1タンパク質のアミノ酸配列、 すなわち、 配 列表の配列番号 1の配列で表わされるアミノ酸配列において、 1又はそれ以上 ( 特には 1又は数個) のアミノ酸が欠失、 置換、 又は付加されたアミノ酸配列であ つて、 かつヒト AD AMT S一 1活性を有するタンパク質を意味する。 前記のヒ
ト AD AMT S— 1タンパク質改変体としては、 ヒト AD AMT S— 1タンパク 質に対するアミノ酸配列におけるホモロジ一が 92 %以上である改変体が好まし い。 なお、 前記のヒト ADAMTS— 1タンパク質改変体には、 配列表の配列番 号 1の配列で表わされるアミノ酸配列を含む前記タンパク質の一部分であり、 力 っヒ ト ADAMTS— 1活性を有する断片、 あるいは、 或る改変体の一部分であ り、 かつヒト ADAMTS— 1活性を有する断片も含まれる。
また、 本明細書において、 「ヒト ADAMTS— 1活性」 とは、 造血機能に影 響を与える活性、 例えば、 白血球及び血小板の数を低下させ、 同時に、 赤血球の 数を増加させる活性を意味する。
本発明の新規タンパク質には、 マトリックスメタ口プロテア一ゼドメイン、 デ イスィンテグリンドメィン、 及びトロンボスポンジンドメインを有する夕ンパク 質 (以下、 「ADAMT Sタンパク質」 と称する) せ、 更に含まれる。 但し、 本 発明の新規タンパク質には、 マウス ADAMTS— 1タンパク質は含まれない。 本明細書において、 「マトリックスメタ口プロテア一ゼドメイン」 とは、 ヒト AD AMT S— 1タンパク質のマトリックスメタ口プロテア一ゼドメインのアミ ノ酸配列 (すなわち、 配列表の配列番号 1の配列における第 12番目〜第 230 番目のアミノ酸配列) に対するホモロジ一が 50%以上 (好ましくは 95%以上 ) であるアミノ酸配列を有するドメインを意味する。
また、 本明細書において、 「デイスインテグリンドメイン」 とは、 ヒ ト ADA MT S— 1タンパク質のディスィンテグリンドメィンのァミノ酸配列 (すなわち 、 配列表の配列番号 1の配列における第 235番目〜第 305番目のアミノ酸配 歹 IJ) に対するホモロジ一が 50%以上 (好ましくは 93%以上) であるアミノ酸 配列を有する ドメインを意味する。
更に、 本明細書において、 「トロンボスボンジンドメイン」 とは、 ヒ ト ADA MTS- 1タンパク質における 3種類のトロンボスボンジンドメインの内、 少な くともいずれか 1種類のトロンボスボンジンドメインのァミノ酸配列に対するホ モロジ一が 50%以上であるアミノ酸配列を有するドメインを意味する。 すなわ ち、
(1) ヒ ト ADAMTS— 1タンパク質における N末端から第 1番目のトロンボ
スポンジンドメイン (以下、 ヒ ト T S P— 1 ドメインと称することがある) のァ ミノ酸配列 (すなわち、 配列表の配列番号 1の配列における第 322番目〜第 3 72番目のァミノ酸配列) に対するホモ口ジ一が 50 %以上 (好ましくは 99 % 以上) であるか;
(2) ヒ ト ADAMTS— 1タンパク質における N末端から第 2番目のトロンボ スポンジンドメイン (以下、 ヒ ト T S P— 2 ドメインと称することがある) のァ ミノ酸配列 (すなわち、 配列表の配列番号 1の配列における第 6 1 8番目〜第 6 64番目のァミノ酸配列) に対するホモロジ一が 50 %以上 (好ましくは 88 % 以上) であるか; あるいは、
(3) ヒ ト ADAMTS— 1タンパク質における N末端から第 3番目のトロンボ スポンジン ドメイン (以下、 ヒ ト T S P— 3 ドメインと称することがある) のァ ミノ酸配列 (すなわち、 配列表の配列番号 1の配列における第 672番目〜第 7 27番目のアミノ酸配列) に対するホモロジ一が 50%以上 (好ましくは 88% 以上) である
アミノ酸配列を有する ドメインを意味する。
本発明の AD AMT Sタンパク質においては、 マトリ ックスメタ口プロテア一 ゼドメイン、 デイスインテグリン ドメイン、 及びトロンボスボンジン ドメインを それぞれ少なく とも 1個以上、 同時に含有するタンパク質である限り、 各ドメイ ンの含有数、 及び各ドメインの配置順序は特に限定されるものではない力5'、 マト リ ックスメタ口プロテアーゼドメイン 1個、 デイスインテグリンドメイン 1個、 及びトロンボスボンジンドメイン 3個を有することカ?好ましい。 また、 各ドメイ 、ノが、 タンパク質の N末端から C末端に向かう方向に沿って、 マトリ ックスメタ 口プロテア一ゼドメイン、 デイスインテグリンドメイン、 及びトロンボスポンジ ンドメインの順序で配置されていること力 子ましく、 トロンボスポンジンドメイ ンを 3個含む場合には、 マトリックスメタ口プロテアーゼドメイン、 デイスイン テグリンドメイン、 第 1の T S Pドメイン、 第 2の T S Pドメィン、 及び第 3の TS Pドメインの順序で配置されていることがより好ましい。
本発明による AD AMT Sタンパク質としては、
(1) 前記マトリ ックスメタ口プロテア一ゼドメイン力'、 ヒ ト ADAMTS— 1
タンパク質のマトリ ックスメタロプロテアーゼドメィンに対するアミノ酸配列に おけるホモロジ一が 95%以上であり ;
(2) 前記ディスインテグリンドメイン力 ヒ ト ADAMTS— 1タンパク質の ディスィンテグリンドメインに対するアミノ酸配列におけるホモロジ一が 93 % 以上であり ;そして、
( 3 ) 前記トロンボスポンジン ドメインの少なく とも 1個力;、、 ヒ ト ADAMTS ― 1夕ンパク質の T S P— 1 ドメインに対するアミノ酸配列におけるホモロジ一 が 99%以上であるか; ヒ ト ADAMTS— 1タンパク質の TS P— 2 ドメイン に対するアミノ酸配列におけるホモロジ一が 88 %以上であるか; あるいは、 ヒ ト AD AMT S— 1タンパク質の T S P— 3 ドメィンに対するアミノ酸配列にお けるホモロジ一が 88%以上であることが好ましい。
本発明による ADAMT Sタンパク質がトロンボスボンジン ドメインを 3個含 む場合には、 更に、
(3— 1) N末端から第 1番目のトロンボスボンジン ドメイン力、 ヒ ト AD AM T S_ 1タンパク質の T S Ρ- 1 ドメインに対するアミノ酸配列におけるホモ口 ジ一が 99%以上であり ;
(3-2) Ν末端から第 2番目のトロンボスボンジン ドメイン力 、 ヒ ト ADAM T S— 1タンパク質の T S P— 2 ドメインに対するアミノ酸配列におけるホモ口 ジ一が 88%以上であり ; そして、
(3 -3) N末端から第 3番目のトロンボスボンジン ドメイン力 ?、 ヒ ト AD AM T S _ 1タンパク質の T S Ρ— 3 ドメインに対するアミノ酸配列におけるホモ口 ジ一が 88%以上であることがより好ましい。
本発明によるタンパク質は、 種々の公知の方法によって得ることができる。 例 えば、 本発明による遺伝子を用いて公知の遺伝子工学的手法により調製すること もできるし、 あるいは、 公知のタンパク質化学的手法により天然由来の本発明の タンパク質を精製することもできる。
本発明の遺伝子には、 配列表の配列番号 1の配列で表わされるァミノ酸配列を 含むタンパク質 (特には、 ヒ ト ADAMTS— 1) 、 又はヒ ト ADAMTS— 1 タンパク質改変体をコードする遺伝子力含まれ、 更には、 ADAMTSタンパク
質 (但し、 マウス A D AMT S— 1タンパク質を除く) をコードする遺伝子が含 まれる。 なお、 前記遺伝子には、 D N A及び R N Aの両方が含まれる。 ヒ ト A D AMT S— 1タンパク質をコードする遺伝子としては、 例えば、 配列表の配列番 号 2の配列:
ATG GAT ATC TGC AGA Απ CGG θ AGG AAG AAG CGA ΠΤ GTG TCC AGC
CCC CGT TAT GTG GAA ACC ATG CTT GTG GCA GAC CAG TCG ATG GCA GAA TTC CAC GGC AGT GGT CTA AAG CAT TAC CTT CTC ACG TIG ΤΠ TCG GTG GCA GCC AGA πG TAC AAA CAC CCC AGC Απ CGT AAT TCA Gπ AGC CTG
GTG GTG GTG AAG ATC TTG GTC ATC CAC GAT GAA CAG AAG GGG CCG GAA GTG ACC TCC AAT GCT GCC CTC ACT CTG CGG AAC TTT TGC AAC TGG CAG AAG CAG CAC AAC CCA CCC AGT GAC CGG GAT GCA GAG CAC TAT GAC ACA GCA ATT θπ TTC ACC AGA CAG GAC TIG TGT GGG TCC CAG ACA TGT GAT
ACT θπ GGG ATG GCT GAT GTI GGA ACT GTG TGT GAT CCG AGC AGA AGC
TGC TCC GTC ATA GAA GAT GAT GGT πλ C GCT GCC TTC ACC ACA GCC
CAT GAA m GGC CAC GTG TTT AAC ATG CCA CAT GAT GAT GCA AAG CAG
TGT GCC AGC CTT AAT GGT GTG AAC CAG GAT TCC CAC ATG ATG GCG TCA ATG CTT TCC AAC CTG GAC CAC AGC CAG CCT TGG TCT CCT TGC AGT GCC TAC ATG Απ ACA TCA TTT CTG GAT AAT GGT CAT GGG GAA TGT TTG ATG
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TGC ACA CTG ACA CAG TGC AGT TAA
で表わされる塩基配列からなる遺伝子を挙げることができる。
本発明の遺伝子、 例えば、 配列表の配列番号 2の配列で表わされる塩基配列か らなる遺伝子は、 例えば、 本発明者が前記遺伝子を最初に取得する際に用いた以 下の方法により取得することができる。
すなわち、 マウス A D AMT S— 1遺伝子の塩基配列を参照して適当な各種 P C R用プライマ一を作製し、 通常よりも緩い条件、 すなわち、 アニーリング温度 を通常よりも低い条件で、 ヒト腎臓由来の c D N Aライブラリ一を錶型 D N Aと して P C R法を実行することにより、 D N A断片を得ることができる。 この D N
A断片の塩基配列を決定し、 マウス ADAMTS— 1遺伝子の塩基配列と比較す ることにより、 目的遺伝子であることを確認することができる。 PCR法に用い るプライマ一の種類に応じて、 ヒト ADAMTS— 1遺伝子の全配列を取得する こともできるし、 あるいは、 ヒト ADAMTS— 1遺伝子の部分塩基配列を取得 し、 続レ、て、 RAし E法 (R. a p i d _a_m p 1 i f i c a t i o n o f _c_ DNA n d s) 法 [P r o c Na t l . Ac a d. S c に USA, 8_5 , 8998-9002 ( 1988 ) ] により残りの部分塩基配列を取得し、 これ らの部分塩基配列を遺伝子工学的手法により連結することにより全配列を取得す ることもできる。
なお、 本発明者が実施した前記遺伝子取得方法においては、 前記 PCRプライ マーの塩基配列を設計する際に、 ヒ ト ADAMTS— 1遺伝子の塩基配列が未知 であったので、 マウス ADAMTS— 1遺伝子とヒト ADAMTS— 1遺伝子と の間で完全な相同性を示す配列を選択することは実質的に不可能であった。
本発明者は、 マウス ADAMTS— 1遺伝子の塩基配列を基に設計したプライ マーを用いて、 通常の温度条件で PC R法を実施した力 ?、 目的の DNA断片を得 ることができなかった。 本発明者は、 同じプライマ一を用いて、 通常よりも緩い 条件下、 すなわち、 通常よりも低いアニーリング温度で PC R法を実施すること により、 目的とする DN A断片を得ることができた。 取得したヒト ADAMTS 一 1遺伝子の塩基配列と、 前記プライマーの塩基配列を比較した結果、 塩基配列 の相同性は、 充分なものではなかった。
本発明によってヒト ADAMTS— 1遺伝子の塩基配列が解明されたので、 P CR法におけるプライマ一の設計、 又はプラークハイプリダイゼ一ション法にお けるプローブの設計に、 このヒト ADAMTS— 1遺伝子の塩基配列を利用する ことができる。 このようなプライマ一又はプローブを用いると、 本発明の遺伝子 は、 本発明者がその遺伝子を最初に取得する際に用いた前記方法に限らず、 公知 の遺伝子取得方法、 例えば、 通常条件による PCR法、 又はプラークハイブリダ ィゼーション法などを用いても調製することができる。
なお、 本発明者は、 既知のマウス ADAMT S— 1遺伝子の塩基配列を基に設 計したプローブを用いて、 プラークハイプリダイゼ一ション法によりヒト腎臓 c
DNAライブラリーから未知のヒト AD AMTS— 1遺伝子を取得しょうと試み た力'、 目的とする遺伝子を取得することができなかった。 この原因として、 用い たプローブの塩基配列の相同性が充分でなかったことを挙げることができる力5'、 それ以外の原因として、 ノーザンハイブリダィゼーシヨン法を用いて、 ヒト AD AMTS- 1タンパク質の mRNA解析を行ったところ、 その発現量が非常に少 なく、 c DN Aライブラリーを作製しても、 そのライブラリ一中に含まれるヒト ADAMT S- 1遺伝子のコピー数が、 非常に少ないためであったことを確認し ている。 ヒト AD AMTS— 1遺伝子の塩基配列を基に設計したプローブを使用 することにより、 プラークハイブリダィゼーシヨン法によっても、 本発明の遺伝 子を取得することが可能である。
こうして得られた本発明の遺伝子を、 例えば、 真核生物又は原核生物を宿主と して用いて、 本発明のタンパク質を発現させることができる。
目的とする遺伝子を含む DN A断片を、 そのまま宿主細胞に入れても増殖しな いので、 プラスミ ドのような細胞内で複製可能な染色体外遺伝子をべクタ一とし て、 発現プラスミ ドを作製することができる。 使用することのできるベクタ一は 、 宿主細胞内での複製に必要な遺伝情報を含み、 自立的に複製することができ、 しかも、 宿主細胞からの単離精製が容易であり、 検出可能なマーカーを有するこ とが望ましい。
本発明による DNAを含む発現べクタ一は、 種々の市販のベクターを用いて、 宿主細胞に応じて適宜構築することができ、 これらの公知ベクターへの DN Aの 挿入方法も周知である。
原核生物の宿主としては、 大腸菌の菌株、 例えば、 XL 1— B l u e、 HB 1 01、 J M 109, DH5 AG— 1、 K 12株 294 (ATC C 3 1446 ) 、 B、 χ 1 776 (ATCC 3 1 537) 、 C600、 若しくは W 3 1 1 0 ( F―、 ス一、 プロト トロフィック ; ATCC 27375) を挙げることができる 。 また、 バチラス属の菌株 (例えば、 枯草菌) 、 腸内細菌 [例えば、 ネズミチフ ス菌若しくは霊菌 (S e r r a t i a ma r c e s c e n s) 等] 、 又はシュ ―ドモナス属の菌株等を挙げることができる。
前記の原核生物を宿主として使用する場合のベクターとしては、 本発明による
遺伝子を発現することができるように前記遺伝子の上流にプロモータ—及び S D 塩基配列、 更にタンパク質合成開始に必要な塩基配列 · ATGを付与した発現プ ラスミ ドを使用することができる。 大腸菌株等のベクタ一としては、 一般に、 p UC 19、 pBR322、 又は pBR 327等カ?広く用いられている。
プロモ一ターとしては、 例えば、 トリプトファン . プロモーター、 pL プロモ
—ター、 l a cプロモーター、 t a cプロモーター、 t r cプロモーター、 l p pプロモーター、 又は 一ラクタマーゼプロモータ一等を使用することができる 。 マ一力一遺伝子の例としては、 アンピシリン耐性遺伝子、 又はテトラサイクリ ン耐性遺伝子を挙げることができる。
真核微生物の宿主としては、 酵母が一般に広く用いられ、 その中でもサッカロ ミセス属酵母を有利に利用することができる。 酵母等の真核微生物の発現べクタ —としては、 例えば、 YR p 7等を用いることができる。
酵母発現用の発現ベクターのプロモーターの例としては、 アルコールデヒドロ ゲナーゼ (ADH) 、 G AL 10、 3—ホスホグリセレ一トキナ一ゼ、 エノラー ゼ、 グリセルアルデヒ ド一 3 _ホスフェートデヒ ドロゲナーゼ、 又はへキソキナ —ゼなどを利用することができる。 マーカー遺伝子としては、 t r p 1遺伝子等 を利用することができる。
酵母細胞中における転写や翻訳を制御するための複製起源や終止コドン及びそ の他の DN A配列としては、 酵母細胞に適している通常の公知の DN A配列を用 いることができる。
高等動物の培養細胞を宿主とする場合には、 例えば、 赤毛ザル腎臓細胞、 蚊幼 虫の細胞、 アフリカミ ドリザル腎臓細胞 (COS— 7又は COS— 1等) 、 マウ ス胎児繊維芽細胞、 チャイニーズハムスター卵巣細胞若しくはそのジヒドロ葉酸 レダクターゼ欠損株、 ヒト頸上皮細胞、 ヒト胎児腎臓細胞、 蛾卵巣細胞、 ヒト骨 髄腫細胞、 又はマウス繊維芽細胞等を用いることができる。
前記ベクターは、 一般に、 本発明の DN Aを宿主細胞内で発現させるための機 能配列、 例えば、 複製開始点、 本発明 DNAの上流に位置すべきプロモーター、 リボゾーム結合部位、 ポリアデニル化部位、 及び Z又は転写終止配列を含有して いる。 プロモータ一としては、 例えば、 アデノウイルス 2主後期プロモーター、
S V 40初期プロモーター、 SV40後期プロモータ一、 サイ トメガロウィルス 、 ラウスザルコ一マウィルス、 又は真核生物遺伝子からのプロモーター (例えば 、 エス トロゲン誘導ニヮトリ卵アルブミン遺伝子、 インターフヱロン遺伝子、 グ ルココルチコィ ド誘導チ口シンアミノ トランスフェラ一ゼ遺伝子、 チミジンキナ ーゼ遺伝子、 主初期及び後期アデノウイルス遺伝子、 ホスホグリセレートキナー ゼ遺伝子、 又は《因子遺伝子等) 力 ?好ましい。
複製開始点としては、 アデノウイルス、 SV40、 ゥシパピローマウィルス ( BPV) 、 水疱性口内炎ウィルス (VSV) 、 又はそれらの誘導体べクタ一由来 のものを用いることができる。 また、 この際のマ一力一遺伝子としては、 例えば 、 ネオマイシン耐性遺伝子、 メ ト トレキセート耐性ジヒドロ葉酸還元酵素 (DH R) 遺伝子、 又はブラス トサイアジン S耐性遺伝子等を用いることができる。 昆虫細胞の宿主としては、 例えば、 BmN4細胞、 S f 9細胞、 S f 2 1細胞 、 又は T r i c h o p l u s i a n iの卵巣細胞等を用いることができる。 また 、 カイコの幼虫個体も用いることもできる。 昆虫細胞への遺伝子導入のためには 、 ウィルス DN Aと目的遺伝子を組み込んだトランスファーべクタ一とを昆虫細 胞に共感染させて行うことができる。 ウィルス DNAとしては、 例えば、 B om b y x m o r l n u c l e a r p o l y h e d r o s i s v i r u s、 又は Au t o g r a p h i c a c a l i f o r n i c a m u 1 t i p 1 e n u c l e r p o l y h e d r o s i s v i r u s等を用レ、ることカ?でき る。 目的遺伝子を挿入するトランスファーベクタ一としては、 例えば、 ポリへド リンプロモータ一や p 1 0プロモータ一ベクタ一力 吏用可能であり、 これらのプ 口モーターの下流に目的遺伝子を組み込むことができる。 また、 トランスファ一 ベクターは大腸菌での複製は可能だが、 昆虫細胞等では複製はできない。 従って 、 大腸菌で大量に複製してから昆虫細胞等により発現させること力 ?好ましい。 こ の方法によると動物細胞の場合より発現物質を大量に回収することができる。 このようにして、 作製した発現プラスミ ドを適当な宿主細胞、 例えば、 大腸菌 若しくは酵母等の微生物細胞、 又は動物細胞などへ導入することにより、 本発明 の形質転換体を製造することができる。 DN Aの導入方法としては、 公知の手法 、 例えば、 塩化カルシウム処理したコンビテント細胞の利用、 プロトプラスト法
、 リン酸カルシウム法、 又は電気せん孔法などを用いることができる。
本発明による医薬組成物は、 その有効成分として、 (1 ) 配列表の配列番号 1 の配列で表わされるアミノ酸配列を含むタンパク質 (特には、 ヒト A D AMT S — 1タンパク質) 、 (2 ) ヒト A D AMT S— 1タンパク質改変体、 又は (3 ) A D AMT Sタンパク質を含む。 なお、 本発明の医薬組成物においては、 有効成 分として、 公知タンパク質であるマウス A D AMT S— 1タンパク質を用いるこ ともできる。 本発明による医薬組成物において有効成分として使用することので きるこれらのタンパク質は、 造血機能に影響を与える活性を有し、 例えば、 血管 中に投与すると、 白血球及び血小板の数を低下させ、 同時に、 赤血球の数を増加 させる活性を有する。
本発明の医薬組成物は、 配列表の配列番号 1の配列で表わされるァミノ酸配列 を含むタンパク質 (特には、 ヒト A D AMT S— 1タンパク質) 、 ヒト A D AM T S _ 1タンパク質改変体、 又は A D AMT Sタンパク質を、 それ単独で、 又は 好ましくは製剤学的若しくは獣医学的に許容することのできる通常の担体と共に 、 動物、 好ましくは哺乳動物 (特にはヒト) に経口投与又は非経口投与すること ができる。 投与剤型としては、 特に限定がなく、 例えば、 散剤、 細粒剤、 顆粒剤 、 錠剤、 カプセル剤、 懸濁液、 ェマルジヨン剤、 シロップ剤、 エキス剤、 若しく は丸剤等の経口剤、 又は注射剤、 外用液剤、 軟膏剤、 坐剤、 局所投与のクリーム 、 若しくは点眼薬などの非経口剤を挙げることができる。
これらの経口剤は、 例えば、 ゼラチン、 アルギン酸ナトリウム、 澱粉、 コーン スターチ、 白糖、 乳糖、 ぶどう糖、 マンニッ ト、 カルボキシメチルセルロース、 デキストリン、 ポリビニルピロリ ドン、 結晶セルロース、 大豆レシチン、 ショ糖 、 脂肪酸エステル (例えば、 グリセリン脂肪酸エステル、 ショ糖脂肪酸エステル 、 ソルビ夕ン脂肪酸エステル、 若しくはプロピレングリコール脂肪酸エステル) ] 、 タルク、 ステアリン酸マグネシウム、 ポリエチレングリコール、 ケィ酸マグ ネシゥム、 無水ケィ酸、 又は合成ケィ酸アルミニウムなどの賦形剤、 結合剤、 崩 壊剤、 界面活性剤、 滑沢剤、 流動性促進剤、 希釈剤、 保存剤、 着色剤、 香料、 矯 味剤、 安定化剤、 保湿剤、 防腐剤、 又は酸化防止剤等を用いて、 常法に従って製 造することができる。
非経口投与方法としては、 注射 (皮下、 静脈内等) 、 又は直腸投与等が例示さ れる。 これらのなかで、 注射剤が最も好適に用いられる。
例えば、 注射剤の調製においては、 配列表の配列番号 1の配列で表わされるァ ミノ酸配列を含むタンパク質 (特には、 ヒト ADAMTS— 1タンパク質) 、 ヒ ト ADAMT S— 1タンパク質改変体、 又は AD AMT Sタンパク質の他に、 例 えば、 生理食塩水若しくはリンゲル液等の水溶性溶剤、 植物油若しくは脂肪酸ェ ステル等の非水溶性溶剤、 ブドウ糖若しくは塩化ナトリウム等の等張化剤、 溶解 補助剤、 安定化剤、 防腐剤、 懸濁化剤、 又は乳化剤などを任意に用いることがで きる。
また、 本発明の医薬組成物は、 徐放性ポリマーなどを用いた徐放性製剤の手法 を用いて投与してもよい。 例えば、 本発明の医薬組成物をエチレンビニル酢酸ポ リマ一のペレツ トに取り込ませて、 このペレツ トを治療すべき組織中に外科的に 移植することができる。
本発明の医薬組成物は、 これに限定されるものではないが、 配列表の配列番号 1の配列で表わされるアミノ酸配列を含むタンパク質 (特には、 ヒト ADAMT S— 1タンパク質) 、 ヒト ADAMT S— 1タンパク質改変体、 又は ADAMT Sタンパク質を、 0. 0001〜99重量0 /0、 好ましくは 0. 01〜80重量% 、 より好ましくは 0. 01〜 50重量%の量で含有することができる。
本発明の医薬組成物を用いる場合の投与量は、 病気の種類、 患者の年齢、 性別 、 体重、 症状の程度、 又は投与方法などにより異なり、 特に制限はないが、 配列 表の配列番号 1の配列で表わされるアミノ酸配列を含むタンパク質 (特には、 ヒ ト ADAMT S— 1タンパク質) 、 ヒト ADAMT S— 1タンパク質改変体、 又 は ADAMT Sタンパク質量として通常成人 1人当り 0. 0001 g/k g〜 10, 000 gZk g、 好ましくは 0. 001 gZk g〜 l, 000 g/ k g、 より好ましくは 0. 01 g/k g〜 100 gZk g程度を、 1日 1〜 4回程度にわけて、 経口的に又は非経口的に投与する。
更に、 用途も医薬品に限定されるものではなく、 種々の用途、 例えば、 機能性 食品や健康食品として飲食物の形で与えることも可能である。 すなわち、 配列表 の配列番号 1の配列で表わされるアミノ酸配列を含むタンパク質 (特には、 ヒト
AD AMT S— 1タンパク質) 、 ヒト ADAMTS— 1タンパク質改変体、 又は ADAMT Sタンパク質を、 公知の食品添加剤と共に機能性食品や健康食品の形 で与えるカヽ あるいは、 配列表の配列番号 1の配列で表わされるアミノ酸配列を 含むタンパク質 (特には、 ヒト ADAMT S— 1タンパク質) 、 ヒト ADAMT S— 1タンパク質改変体、 又は ADAMTS夕ンパク質自体を食品添加剤として 公知の食品に含有させることも可能である。
本発明の医薬組成物は、 配列表の配列番号 1の配列で表わされるァミノ酸配列 を含むタンパク質 (特には、 ヒト ADAMT S— 1タンパク質) 、 ヒト ADAM T S— 1タンパク質改変体、 又は ADAMT Sタンパク質を含有するので、 例え ば、 白血球減少剤、 血小板減少剤、 又は赤血球増加剤として有用である。
一般に、 炎症時には、 白血球が血液中に動員され、 炎症部位に移行し、 病態を 進展 Z発症することが知られているので、 本発明のヒト ADAMTS— 1タンパ ク質は、 各種炎症疾患 [例えば、 リウマチ性関節炎、 乾癬、 喘息、 肝炎、 川崎病 、 痛風、 成人呼吸窮迫症候群 (ARDS) 、 クローン病、 潰瘍性大腸炎、 敗血症 、 又は腎炎など] の治療に有効であると考えられる。 また、 本発明のヒト ADA M T S— 1タンパク質には、 血小板数及び白血球数を減少させる作用があるので 、 例えば、 真性多血症の治療に有効である。 また、 本発明のヒト ADAMTS— 1タンパク質には血小板数を減少させる作用があることから、 本発明のヒト AD AMT S— 1タンパク質が抗血栓作用を有することが予想され、 例えば、 心筋梗 塞、 脳梗塞、 又は多臓器不全の治療にも有効であると考えられる。 更には、 ヒト ADAMTS— 1タンパク質には有意に赤血球数を上昇させる作用があることか ら、 エリスロポエチンのように、 貧血の治療にも有効であると考えられる。 免疫系刺激物質であるリポ多糖体 (L P S ;例えば、 10 g/マウス) をマ ウスに投与すると、 マウス ADAMT S— 1遺伝子の発現が、 心臓及び腎臓にお いて超誘導される [ J . B i o l . C h e m. , 272. 556 - 562 (19 97) ] ことから、 マウス AD AMT S— 1タンパク質は、 致死的な急性炎症時 (例えば、 エン ドトキシンショック) に、 心臓及び腎臓に対して防衛的に (p r 0 t e c t i v e) に機能している可能性がある。
トロンボスボンジン (TSP) は、 内皮細胞増殖を特異的に抑制する血管新生
抑制因子として知られており [J. C e 1 1. B i o l . , 1 1 1. 765— 7
72 ( 1990) ] 、 TS P遺伝子を導入した癌細胞において、 癌細胞の増殖 - 転移を抑制することが可能であるとの報告 [C a n c e r. R e s. , 5_4 , 6 504 - 651 1 ( 1994 ) ] がなされていることから、 ヒト ADAMTS— 1タンパク質も、 制癌作用や癌転移抑制作用を示す可能性がある。 また、 TSP やディスィンテグリンは骨代謝にも関与するとの最近の報告 [B i 0 c h e m. B i o p h y. Re s. C o mm u n . , 2 13. 1017— 1025 ( 199 5) ] から、 ヒト ADAMTS— 1タンパク質の骨粗鬆症などの代謝性骨疾患治 療への応用も考えられる。
本発明の免疫反応性物質は、 配列表の配列番号 1の配列で表わされるアミノ酸 配列を含むタンパク質 (特には、 ヒト ADAMTS— 1タンパク質) 、 ヒト AD AMT S _ 1タンパク質改変体、 又は ADAMT Sタンパク質と特異的に反応す る。 本発明の免疫反応性物質には、 例えば、 抗体 (モノクローナル抗体若しくは ポリクロ一ナル抗体) 、 これらの抗体のフラグメ ン ト [例えば、 F a b、 F b ' 、 F (a b, ) 2 、 又は Fv等] 、 又は抗血清などが含まれる。 本発明の免疫 反応性物質は、 ヒト ADAMTS— 1タンパク質と特異的に反応するので、 ヒト ADAMTS- 1タンパク質の免疫学的分析方法の試薬として有用である。 本発明のモノクローナル抗体は、 従来公知の方法、 例えば、 次のようにして調 製することができる。
抗原を含む生理食塩水を等量のフロイント氏完全アジュバンド若しくは不完全 アジュバンド、 又はその等価物、 例えば、 Hu n t e r' s T i t e r Ma x ™ (フナコシ; C a t. o. YT 001—00, 東京, 日本) と乳化混合して 、 常用する骨髄腫細胞との適性を考慮して選択された哺乳動物 (例えば、 マウス 、 ラッ ト、 ゥサギ、 又はハムスターなど) 、 特にはマウス (例えば、 BALB/ cマウス) の皮下、 腹腔内、 静脈内、 筋肉内、 又は皮内等のいずれかに投与する
(初回免疫) 。 以後、 2〜4週間の間隔で同様の操作を行い、 数回免疫する。 最 終免疫を抗原液のみで行い、 最終免疫から数日後に哺乳動物から脾臓を無菌的に 取り出し、 脾細胞を調製する。
この脾細胞を用いて、 細胞融合を行う。 細胞融合のもう一方の親細胞である骨
髄腫細胞は公知の細胞株、 例えば、 P 3X63— Ag 8 (X63) [Na t u r e, 256. 495 - 497 (1975) ] 、 P 3X63_Ag 8U l (P 3 U 1) [Cu r r e n t To p i c s i n M i c r o b i o l o g y a n d Immu n o l o g y, 81. 1—7 ( 1978) ] 、 P 3X63Ag 8. 653 (ATCC受託番号: CRL— 1 580) などを使用することができる。 細胞融合は、 公知の方法に従い、 例えば、 ミルシュタインらの方法 [Me t h o d s i n E n z ymo 1 o g y, 73. 3 - 47 (1981 ) ] 等に準じ て行うことができる。 得られたハイプリ ドーマを移植した哺乳動物 (例えば、 マ ウス) の腹水から目的とするモノクローナル抗体を分離精製する。 分離精製には 、 公知の方法、 例えば、 硫酸アンモニゥムによる透析イオン交換クロマトグラフ ィ一、 プロテイン A若しくはプロテイン G結合多糖類担体若しくは抗マウスィム ノグロプリン抗体結合多糖類担体を用いた親和性カラムクロマトグラフィー、 透 析、 又は凍結乾燥などを用いることができる。
また、 本発明のポリクロ一ナル抗体は、 従来公知の方法、 例えば、 以下に示す 方法により調製することができる。 すなわち、 抗原を含む生理食塩水を等量のフ 口イント氏完全アジュバンド若しくは不完全アジュバンド、 又はその等価物、 例 えば、 Hu n t e r' s T i t e r Ma x™ (フナコシ ; C a t. No. YT 001 - 00, 東京, 日本) と乳化混合して、 哺乳動物、 特にはゥサギ、 又はャ ギ等の皮下、 腹腔内、 又は筋肉内などのいずれかに投与する (初回免疫) 。 以後 、 2〜 4週間の間隔で同様の操作を行い、 数回免疫する。 最終免疫から 1〜 2週 間後に哺乳動物の頸動脈又は心臓から血液を採取して血清を硫酸ァンモニゥムに よって塩析することにより調製することができる。
本発明の抗体フラグメントは、 例えば、 本発明のポリクローナル抗体又はモノ クローナル抗体を常法によりタンパク質分解酵素によって消化し、 続いて、 タン パク質の分離 ·精製の常法に従って得ることができる。
免疫機能刺激物質である LPSなどによりヒト ADAMTS— 1タンパク質の 産生が亢進されることなどから、 ヒト ADAMTS— 1タンパク質を、 免疫状態 の体外検出方法において免疫状態の診断マ一力一と利用することができる。 すな わち、 被検対象者から採取した被検試料に関して、 本発明の体外検出方法を適用
することによって、 その被検対象者の生体防御系が、 種々の疾病、 例えば、 炎症 、 癌、 悪疫質 (例えば、 癌悪疫質若しくは感染症性悪疫質など) 、 感染症、 又は 白血病などにより変化している場合には、 その生体防御系に相当する免疫状態を 検出することができる。 一方、 前記被検対象者の生体防御系が正常である場合に は、 その生体防御系に相当する免疫状態を検出することができる。
本発明において用いることのできる被検試料としては、 ヒト ADAMTS— 1 タンパク質が含まれている可能性があれば特に限定されるものではなく、 生物学 的試料、 例えば、 ヒト (特には患者) から採取した細胞等の組織若しくはその抽 出物、 又は血液 (例えば、 血清又は血漿) 、 尿、 若しくは脳脊髄液等の体液など を例示することができる。 また、 通常の臨床検査等における被検試料であれば、 特に限定されず、 使用することが可能である。
被検試料中におけるヒト ADAMTS— 1タンパク質の分析工程では、 まず最 初に、 前記の被検試料を、 ヒト ADAMTS— 1タンパク質と免疫学的に反応性 のある免疫反応性物質と接触させる。 この際に、 もし被検試料内にヒ ト ADAM TS- 1タンパク質が存在しなければ、 前記免疫反応性物質との反応が生じない 力、 もし被検試料内にヒト ADAMTS— 1タンパク質が存在すると、 そのヒト ADAMT S— 1タンパク質と前記の免疫反応性物質とが結合して、 ヒト ADA MTS— 1タンパク質と免疫反応性物質との結合体が、 ヒト ADAMTS— 1夕 ンパク質の存在量に応じて生成する。 この結合体は、 公知の方法によって簡単に 検出することができるので、 結合体の存在や量から前記被検試料中のヒト ADA MTS— 1タンパク質の存在を検出したり、 その量を測定することができる。 被 検試料として組織切片又は細胞を用い、 蛍光抗体法又は酵素抗体法により、 組織 又は細胞中のヒト ADAMTS— 1タンパク質を測定することも可能である。 ヒト ADAMTS— 1タンパク質と免疫学的に反応することのできる免疫反応 性物質としては、 例えば、 抗ヒト ADAMT S— 1タンパク質抗血清、 抗ヒト A DAMTS- 1夕ンパク質ポリクローナル抗体、 若しくは抗ヒト ADAMTS— 1夕ンパク質モノクローナル抗体、 又はこれらの抗体のフラグメント等が挙げら れる。 これらは単独でも、 また組み合わせて同時に用いることもできる。 前記抗 体フラグメントには、 例えば、 31)、 ? 3 、 ? (313, ) 2 、 又は 等
が含まれる。
本発明のヒト A D AMT S— 1タンパク質の免疫学的分析方法では、 被検試料 と、 ヒト A D AMT S— 1タンパク質と免疫学的に反応することのできる免疫反 応性物質とを接触させ、 ヒト A D AMT S— 1 タンパク質一免疫反応性物質結合 体を生成させる。 そして、 免疫化学的測定法によ り、 抗体に結合したヒ ト A D A MT S _ 1タンパク質を検出し、 その量を測定することによって、 被検試料中の ヒト A D AMT S— 1タンパク質レベルを知ることができる。
免疫化学的測定法としては、 原則的には、 すべての慣用のィムノアツセィ、 例 えば、 E I A法、 E L I S A法、 又は R I A法等を用いることができる。 これら の免疫化学的測定法は、 一般に次の方法に大別することができる。
( 1 ) 競合法:未知量の抗原を含む被検試料と標識剤で標識した抗原の一定量と を対応する抗体の一定量に対して競合反応させ、 抗体と結合した標識抗原又は抗 体と結合しなかつた標識抗原の活性を測定する。
( 2 ) サン ドイ ッチ法:未知量の抗原を含む被検試料に、 担体上に保持された過 剰量の抗体を加えて反応させ (第 1反応) 、 次に標識剤で標識した過剰量の抗体 の一定量を加えて反応させる (第 2反応) 。 担体上に保持された標識抗体又は担 体上に保持されなかつた標識抗体の活性を測定する。 第 1反応及び第 2反応は同 時に行ってもよいし、 時間をずらして行ってもよい。
標識剤が放射性同位元素である場合には、 ゥエルカウンタ一又は液体シンチレ —シヨンカウンタ一で測定することができる。 標識剤が酵素である場合には、 基 質を加えて放置し、 比色法又は蛍光法で酵素活性を測定することができる。 標識 剤が蛍光物質や発光物質であつても、 それぞれ公知の方法に従つて測定すること ができる。
上記の方法以外に、 最近では、 電気泳動したタンパク質をニトロセルロース等 のフィルターに移し、 抗体を用いて目的のタンパク質を検出する、 ウェスタンブ ロット法が行われるようになつてきた力 ?、 本発明におけるヒト A D AMT S— 1 タンパク質の検出にももちろん利用することができる。
これらの測定法において用いる抗体は、 公知の抗体標識法によつて標識するこ とができ、 例えば、 放射性同位元素、 酵素、 蛍光物質、 又は発光性物質等の適当
なマーカ一で標識しておくことができる。
放射性同位元素としては、 例えば、 125 I、 131 I、 3H、 14C、 又は35 S などを用いることができる。
酵素としては、 安定で比活性の大きなものが好ましく、 例えば、 グリコシダ一 ゼ (例えば、 一ガラク トシダ一ゼ、 /3_グルコシダ一ゼ、 /3—グルクロニダ一 ゼ、 /?—フルク トシダーゼ、 ガラクトシダ一ゼ、 α—グルコシダ一ゼ、 若し くは "一マンノシダーゼ) 、 アミラーゼ (例えば、 "一アミラーゼ、 β—了ミラ ーゼ、 イソアミラーゼ、 グルコアミラーゼ、 若しくはタカアミラーゼ) 、 セルラ ーゼ、 若しくはリゾチーム等のカルボヒドラーゼ; ゥレア一ゼ、 若しくはァスパ ラギナーゼ等のアミダ一ゼ; コリンエステラーゼ (例、 アセチルコリンエステラ —ゼ) 、 ホスファターゼ (例、 アルカリホスファタ一ゼ) 、 スルファターゼ、 若 しくはリパーゼ等のエステラーゼ;デォキシリボヌクレアーゼ、 若しくはリボヌ クレアーゼ等のヌクレアーゼ;力タラーゼ、 ペルォキシダ一ゼ、 若しくはチトク 口一ムォキシダ一ゼ等の鉄 ·ポルフィリン酵素;チロシナ一ゼ、 若しくはァスコ ルビン酸ォキシダーゼ等の銅酵素;又はアルコール脱水素酵素、 リンゴ酸脱水素 酵素、 乳酸脱水素酵素、 若しくはイソクェン酸脱水素酵素等の脱水素酵素などを 用いることができる。
蛍光物質としてはフルォレスカミン、 又はフルォレツセンスィソチオシァネ一 トなどを、 発光性物質としてはルミノール、 ルミノール誘導体、 ルシフヱリン、 又はルシゲニンなどをそれぞれ挙げることができる。
前記の各種標識からの信号の検出は、 それ自体公知の方法で実施することがで きる。
また、 抗体と標識剤とを結合させる方法としては、 任意の常法、 例えば、 クロ ラミン丁法 「N a t u r e . 194. 495— 496, ( 1962 ) ] 、 過ヨウ 素酸法 [J o u r n a l o f H i s t o c h em i s t r y a n d C y t o c h em i s t r y, 2 L, 1084— 1091, ( 1974) ] 、 又はマ レイミ ド法 [J o u r n a l o f B i o c h em i s t r y, 79. 233 - 236, ( 1976) ] などを用いることができる。
上記測定方法のうち、 例えば、 E I A法は次のように行うことができる。 まず
、 担体 (例えば、 アツセィプレート) 上に固定された第 1抗ヒト ADAMTS— 1タンパク質抗体に被検試料を加え、 ヒト ADAMTS— 1タンパク質と抗ヒト ADAMTS— 1タンパク質抗体とを結合させて結合体を生成させ、 この結合体 に酵素標識剤 (例えばペルォキシダーゼ) を結合させた第 2抗ヒト ADAMTS 一 1タンパク質抗体を加え、 前記結合体に第 2抗体を更に結合させ、 「第 1抗体 ーヒト ADAMTS— 1タンパク質一第 2抗体」 結合体を生成させる。 得られた 「第 1抗体—ヒ ト ADAMTS— 1タンパク質—第 2抗体」 結合体に、 前記標識 酵素 (ペルォキシダ一ゼ) の基質を加え、 酵素反応による生成物の吸光度又は蛍 光強度を測定することにより前記の 「第 1抗体一ヒト ADAMT S— 1タンパク 質一第 2抗体」 結合体に付着する標識酵素の酵素活性を測定する。 上記の一連の 操作を既知量のヒト ADAMTS— 1タンパク質を含む標準溶液に関して予め実 施しておき、 ヒト ADAMTS— 1タンパク質と吸光度又は蛍光強度との関係を 標準曲線として作成しておく。 そして、 未知量のヒト ADAMTS— 1タンパク 質を含む被検試料について得られた吸光度又は蛍光強度を標準曲線にあてはめ、 被検試料中のヒ ト ADAMTS— 1タンパク質の量を測定することができる。 また、 以下に示す方法によって E I A法を行うこともできる。 すなわち、 まず 、 担体 (例えば、 アツセィプレート) と被検試料とを接触することにより、 被検 試料内のヒト ADAMTS— 1タンパク質を担体上に固定させ、 続いて抗ヒト A DAMTS— 1タンパク質抗体 (1次抗体) を加え、 ヒ ト ADAMTS— 1タン パク質と 1次抗体とを結合させて結合体を生成させ、 この結合体に酵素標識剤 ( 例えばペルォキシダ一ゼ) を結合させた抗 1次抗体抗体 (2次抗体) を加え前記 結合体に 2次抗体を結合させ、 「ヒト ADAMTS— 1タンパク質— 1次抗体— 2次抗体」 結合体を生成させる。 得られた 「ヒト ADAMTS— 1タンパク質一 1次抗体一 2次抗体」 結合体に、 前記標識酵素 (ペルォキシダーゼ) の基質を加 え、 酵素反応による生成物の吸光度、 又は蛍光強度を測定することにより、 前記 の 「ヒト ADAMTS— 1タンパク質一 1次抗体— 2次抗体」 結合体に付着する 標識酵素の酵素活性を測定する。 上記の一連の操作を既知量のヒト ADAMTS ― 1タンパク質を含む標準溶液に関して予め実施しておき、 ヒト ADAMTS— 1タンパク質と吸光度又は蛍光強度との関係を標準曲線として作成しておく。 そ
して、 未知量のヒト ADAMTS— 1タンパク質を含む被検試料について得られ た吸光度又は蛍光強度を標準曲線にあてはめ、 被検試料中のヒト ADAMTS— 1タンパク質の量を測定することができる。
また、 R I A法は、 例えば、 次のようにして行うことができる。 まず、 担体 ( 例えば、 試験管) に固定された第 1抗ヒト ADAMTS— 1タンパク質抗体に被 検試料を加え、 ヒト ADAMTS— 1タンパク質と抗ヒト ADAMTS— 1タン パク質抗体とを結合させて結合体を生成させ、 この結合体に放射性同位元素標識 剤 (例えば、 125 I) で標識された第 2抗ヒト ADAMTS— 1タンパク質抗体 を加え、 前記結合体に第 2抗体を更に結合させ、 「第 1抗体ーヒト ADAMTS — 1タンパク質—第 2抗体」 結合体を生成させる。 得られた 「第 1抗体—ヒ ト A DAMTS— 1タンパク質一第 2抗体」 結合体の放射能活性 (例えば、 ァー放射 能活性) を測定する。 上記の一連の操作を既知量のヒト AD AMT S— 1タンパ ク質を含有する標準溶液に関して予め実施しておき、 ヒト ADAMTS— 1夕ン パク質と放射能活性との関係を標準曲線として作成しておく。 そして、 未知量の ヒ ト ADAMTS— 1タンパク質を含む被検試料について得られた放射能活性を 標準曲線にあてはめ、 被検試料中のヒト ADAMTS— 1タンパク質の量を測定 することができる。
また、 以下に示す方法によって R I A法を行うこともできる。 すなわち、 まず 、 担体 (例えば、 試験管) と被検試料とを接触させて被検試料内のヒ ト ADAM TS- 1タンパク質を前記担体上に固定させ、 続いて抗ヒト ADAMTS— 1タ ンパク質抗体 (1次抗体) を加えてヒト ADAMTS— 1タンパク質と 1次抗体 とを結合させて結合体を生成させ、 この結合体に放射性同位元素標識剤 (例えば 、 125 I ) を結合させた抗 1次抗体抗体 ( 2次抗体) を加えて前記結合体に 2次 抗体を結合させ、 「ヒト ADAMTS— 1タンパク質一 1次抗体一 2次抗体」 結 合体を生成させる。 そして、 得られた 「ヒト ADAMTS— 1タンパク質一 1次 抗体一 2次抗体」 の放射能活性 (例えば、 7—放射能活性) を測定する。 上記の 一連の操作を既知量のヒト ADAMTS— 1タンパク質を含む標準溶液に関して 予め実施しておき、 ヒト ADAMTS— 1タンパク質と放射能活性との関係を標 準曲線として作成しておく。 そして、 未知量のヒ ト ADAMTS— 1タンパク質
を含む被検試料について得られた放射能活性を標準曲線にあてはめ、 被検試料中 のヒト ADAMTS— 1タンパク質の量を測定することができる。
被験試料中におけるヒト AD AMT S— 1夕ンパク質の mRN Aの分析では、 被験試料と、 ヒト ADAMTS— 1タンパク質 mRN Aの塩基配列に相補的な塩 基配列を含むポリヌクレオチドとを反応させ、 生成するヒト ADAMTS— 1タ ンパク質 mRN A—ポリヌクレオチド結合体の存在を検出、 又はその量を測定す ることにより、 ヒト ADAMTS— 1タンパク質の mRN Aを分析することがで きる。
上記ポリヌクレオチドは、 選択された遺伝子 (DNA) から転写された mRN Aの一部と相補的な又は実質的に相補的な配列を含み、 標的遺伝子から転写され た m R N Aとの間で二重鎖を形成する。 その標的 m R N Aと安定な複合体を形成 するために十分な相補性を有するいずれのポリヌクレオチドも適当であると考え られる。 本発明に用いることのできるポリヌクレオチドは、 実質的に標的 mRN A内のどの領域の範囲で相補的であってもよい。 ポリヌクレオチド分子は、 ヒト ADAMTS— 1タンパク質遺伝子に特異的な mRN A発現の増減を検出する D NAプローブとして用いることができる。 すなわち、 標的であるヒト ADAMT S— 1タンパク質の mRN Aに特異的に付着し、 分子ハイブリツ ドを形成するこ とにより、 細胞内のヒト ADAMTS— 1タンパク質の発現の程度を検出するこ とができる。
本発明で用いることのできるポリヌクレオチドは、 標的ヒト ADAMTS— 1 タンパク質の mRNAの特異的塩基配列と相補的な塩基配列を適宜選択し、 例え ば、 公知の DN A合成装置、 PCR装置、 又は遺伝子クローニング等を用いて調 製することができる。 種々の長さのポリヌクレオチドを使用することができるが 、 好ましくは 10塩基以上、 より好ましくは 1 7塩基以上を有するものが好適で ある。
前記のポリヌクレオチドは、 修飾されていないポリヌクレオチド又はポリヌク レオチド類似体であることができる。 適当な類似体として、 例えば、 ェチル一又 はメチルホスホネ一ト類似体、 ホスホロチォエート修飾されたポリデォキシヌク レオチド [Nu c l e i c Ac i d s R e s. , 14, 9081— 9093
, ( 1986 ) ; J . Am. C h e m. S o c . , 106, 6077 - 6079 , ( 1984 ) ] 等が挙げられる。 更に、 近年のポリヌクレオチド類似体の製造 における進歩により、 例えば、 2,' 一0—メチルリボヌクレオチド [Nu c 1 e i c Ac i d s R e s. , J_5, 6 13 1—6148, (1987) ] 又は 複合 RN A— DN A類似体であるキメラポリヌクレオチド [FEB S L e t t . , 2 15. 327— 330, ( 1987 ) ] 等も使用することができる。
選択されたポリヌクレオチドは、 電荷をもつもの、 又は電荷をもたないものを 含め、 いかなる種類のものでもよい。 i n v i t r o又は i n v i v oでこ のような実験を行うために、 ポリヌクレオチドを公知の標識剤、 例えば、 放射性 同位元素又は蛍光物質等で常法によって標識することができる。 放射性同位元素 としては、 例えば、 125 I、 131 I、 3H、 14C、 32P、 又は35 S等がある。 なかでも、 放射性同位元素としてランダムプライマ一法 [An a l . B i 0 c h em. . 132. 6— 13, ( 1 983 ) ] を用いて32 Pで標識するのが好適で ある。 また、 より容易で危険性の少ない取扱が可能なものとして誘導体形成した 蛍光色素が挙げられる。 蛍光色素としては、 ポリヌクレオチドと結合するすべて の色素を用いることができる力、 例えば、 フルォレセイン、 ローダミン、 テキサ スレッ ド、 4—フルオロー 7—ニトロべンゾフラザン (NBD) 、 クマリン、 フ ルォレサミン、 スクシニルフルォレセイン、 又はダンシル等が好適に用いられる 例えば、 ヒト AD AMT S— 1夕ンパク質の c DN Aを用いたノーザンプロッ ト解析によるヒト ADAMTS— 1タンパク質 mRN A量の測定は、 以下のよう に行うことができる。 すなわち、 任意の体細胞又は組織から mRN Aを抽出、 単 離し、 単離した mRNAをァガロースゲルで電気泳動し、 ニトロセルロース又は ナイロンメンブランに転写した後、 標識ヒト ADAMTS— 1タンパク質 c DN Aプローブと反応させることにより、 ヒト ADAMTS— 1タンパク質 mRN A 量を測定する。 使用するヒト AD AMT S _ 1タンパク質 c DN Aプローブは、 ヒト ADAMTS— 1タンパク質 mRN Aに相補的な DN Aであり、 17塩基以 上の長さをもつことが望ましい。
本発明の免疫状態の分析試薬は、 主要成分として、 ヒ ト ADAMTS— 1タン
パク質と免疫学的に反応することのできる免疫反応性物質を含む。 ヒ ト ADAM TS— 1タンパク質と免疫学的に反応することのできる免疫反応性物質としては 、 例えば、 抗ヒト AD AMT S _ 1タンパク質抗血清、 抗ヒト ADAMTS— 1 タンパク質ポリクロ一ナル抗体、 若しくは抗ヒト ADAMTS— 1タンパク質モ ノクロ一ナル抗体、 又はこれらの抗体のフラグメント等が挙げられる。
また、 本発明の免疫状態分析試薬は、 主要成分として、 前記免疫反応性物質の 代わりに、 ヒト ADAMTS— 1タンパク質 mRN Aの塩基配列に相補的な塩基 配列を含むポリヌクレオチドを含む構成とすることもできる。
本発明の免疫状態分析試薬を用いることにより、 これまで述べてきた方法に従 つて、 被検試料中におけるヒト AD AMT S _ 1タンパク質それ自体、 又はヒト ADAMTS— 1タンパク質の mRNAを分析し、 その結果から、 種々の疾病に より生体防御系が変化した被験対象の免疫状態を判定することができる。 実施例
以下、 実施例によって本発明を具体的に説明する力、 これらは本発明の範囲を 限定するものではない。
実施例 1 : ヒト AD AMT S— 1 c DN Aの単離及び塩基配列の決定
PCR法用のプライマ一として、 マウス ADAMTS— 1タンパク質 [J . B i 0 1. C h e m. , 272. 556 - 562 ( 1 997 ) ] における 3個のト ロンボスボンジン (TS P) ドメインの内、 N末端から 1番目の TS P ドメイン 中のァミノ酸配列 (配列表の配列番号 3の配列: Arg Thr Cys Gly Gly Gly Val Gin Tyr Thr) に対応する塩基配列 (配列表の配列番号 4の配列: AGMCCTGTG GT GGTGGAGT TCAATACACA) からなる D N A [以下、 フォワードプライマ一 ( 1 ) と 称する] と、 マウス ADAMT S _ 1タンパク質の C末端のアミノ酸をコードす る塩基配列及びその周辺 (すなわち、 上流側及び下流側領域) の塩基配列に相補 的な塩基配列 (配列表の配列番号 5の配列: CCTCTTMCT GCACTGTGTC AGTGTGCAAA
AG) からなる DNA [以下、 バックプライマ一 (1) と称する] を化学合成し た。
0. 5 Mフォワードプライマー (1) 、 0. 5 Mバックプライマ一 (1)
、 o. 5ユニッ ト T a qポリメラ一ゼ (E x T a Qポリメラ一ゼ;宝酒造, 京 者 15, 日本) 、 4 O / M—4 dNTP、 及び P C R緩衝液 [組成: 1 0 mMトリス -HC 1 (p H 8. 3) , 5 OmM-KC 1 ] (E x T a qバッファー ;宝酒 造, 京都, 日本) を含む溶液 9 9 1に、 銬型 DNAとしてヒト腎臓 c DNAラ イブラリー (Ma r a t h o n—R e a d y c DNA ; C l o n t e c h L a b . I n c . , ノ、°口アルト, カリフォルニア州, 米国) 1 Λ 1を加え、 通常の P CR法に比べて低いアニーリング温度で P C R法を実施した。 すなわち、 変性 工程を 9 4 °Cで 3 0秒間実施し、 ァニーリング工程を 5 0 °Cで 3 0秒間実施し、 DN A合成工程を 7 2 °Cで 2分間実施するサイクルを、 4 0サイクル実施した。 得られた反応液から 5 1 を取り出し、 ァガロースゲル ( 1 %) 電気泳動を行 つたところ、 図 1に示すように、 1. 2 K bの単一の DNAバンドを認めた。 残 りの反応液を再泳動し、 1. 2 の1)^八断片 (以下、 F l a g. 1 DNA断 片と称する) を低融点ァガロースゲルから回収し、 p CRTM2. 1ベクタ一 (I n V i t r o g e n C o r p. , サンディエゴ, カリフォルニァ州, 米国) に クローニングした。
ォ一トマチック DNAシークェンサ一 (D S Q 1 0 0 0 ;島津製作所, 京都, 日本) により、 クローニングした F l a g. 1 DNA断片の塩基配列の一部 (3 0 3 b p) を決定し、 マウス AD AMT S— 1に対してホモロジ一検索を実施し た結果、 7 7. 4 %の相同性が認められた。 F l a g. 1 DNA断片の部分塩基 配列、 及びその配列と相同性が認められるマウス ADAMTS— 1遺伝子の部分 塩基配列を図 2に示す。 図 2において、 「:」 は、 F l a g. 1 DNA断片とマ ウス ADAMT S— 1遺伝子との間で、 対応する塩基が一致することを表わす。 更に、 ランダムプライムド DN A—ラベリングキッ ト (B 0 e h r i n g e r ma nmh e i m Gmb H, ドイツ) を用いて32 Pでラベルしたマウス A D AMT S- 1 c 01^八カ、 前記 F 1 a g. 1 DNA断片にハイプリダイズするこ とを、 ドッ トハイブリダイゼーション法 [B i o c h e m i s t r y, 1 6. 4 74 3— 4 74 9 ( 1 9 7 7) ] により確認した。 結果を図 3に示す。 コント口 —ルである p CRTM2. 1ベクターには、 32 Pでラベルしたマウス AD AMT S - 1 c DNAがハイプリダイズしなかったのに対して、 マウス ADAMT S— 1
c DNA及び F l a g. 1 DNA断片には、 32 Pでラベルしたマウス A D AMT S - 1 c D N Aがハイブリダイズした。
以上のホモロジ一検索及びドッ トハイブリダイゼーションの結果から、 この F 1 a g. 1 DNA断片がヒト ADAMT S— 1の一部であることが判明した。 前記 F l a g. 1 DN A断片の上流の DN A断片を得るために、 マラソン c D N A増幅キッ ト (Ma r a t h o n c DNA Am l i f i c a t i o n k i t ! C l o n t e c h L a b. I n c. , パロアルト, カリフォルニァ州 , 米国) を用いて、 RACE (且 a p i d imp 1 i f i c a t i o n o f DNA n d s ) 法を以下のように実施した。
F l a g. 1 DNA断片の塩基配列に関するバックプライマ一として、 F l a g. 1 DNA断片の 3' 末端領域の塩基配列に相補的な塩基配列 (配列表の配列 番号 6の配列: CCTCTTAACT GCACTGTGTC AGT) からなる DNA (以下、 G S P— 1プライマーと称する) と、 F l a g. 1 DNA断片の 5, 側の塩基配列に相補 的な塩基配列 (配列表の配列番号 7の配列: CAGGCCCACT CCCAAAGGAA GCTT) から なる DNA (以下、 G S P— 2プライマーと称する) とを化学合成した。
また、 フォヮ一ドプライマ一としては、 前記キッ トに含まれる AP 1プライマ —及び AP 2プライマーをそれぞれ使用した。 AP 1プライマーの塩基配列は、 配列表の配列番号 8の配列:
CCATCCTAAT ACGACTCACT ATAGGGC
で表わされる塩基配列であり、 A P 2ブライマ—の塩基配列は、 配列表の配列番 号 9の配列:
ACTCACTATA GGGCTCGAGC GGC
で表わされる塩基配列である。
ヒ ト腎臓 c DNAライブラリー (Ma r a t h 0 n— R e a d y c DNA; C 1 o n t e c h L a b . I n c . , ノ、°口アルト, カリフォルニァ州, 米国) μ I , A Ρ 1プライマー 1〃 1、 G S P— 1プライマ一 ( 1 0 M) 1 し T a qポリメラ一ゼ (E X T a qポリメラーゼ) (0. 5ユニッ ト) 1 1、 抗 T a qポリメラーゼ抗体 (T a q S t a r t A n t i b o d y ; C l o n t e c h L b. I n c. , パロアルト, カリフォルニァ州, 米国) 1 し
1 0倍濃度 PCRバッファ— [組成: 1 0 OmMトリス—HC 1 (p H 8. 3) , 5 0 OmM-KC 1 ] (C l o n t e c h L a b. I n c. , パロアルト, カリフォルニア州, 米国) 5 μ 、 及び蒸留水 3 6 1 を混合し、 PCR反応を 実施した。 前記 P CR反応は、 9 4°Cで 3 0秒間の工程と 6 8°Cで 4分間とから なるサイクルを 3 5サイクル実施した。 得られた反応液を 1 OmMトリシン一 E DTAバッファ一 (C l o n t e c h L a b. I n c. , パロアルト, カリフ オルニァ州, 米国) で 5 0倍に希釈した。
続いて、 前記希釈液 5 μ 1 , ΑΡ 2プライマー 1 し G S Ρ— 2プライマ一 ( 1 0 Μ) 1 し T a qポリメラ一ゼ (Ε X T a qポリメラ一ゼ) (0. 5ユニッ ト) 1 1、 抗 T a qポリメラ一ゼ抗体 (T a q S t a r t A n t i b o d y) 1 1、 1 0倍濃度 P CRバッファー (C l o n t e c h L a b . I n c. , パロアルト, カリフォルニア州, 米国) 5 1、 及び蒸留水 3 6 1を混合し、 P CR反応を実施した。 前記 P CR反応は、 9 4°Cで 3 0秒間のェ 程と 6 8°Cで 4分間の工程とからなるサイクルを 2 0サイクル実施した。
得られた反応液から 5 1 を取り出し、 1 %ァガロースゲル電気泳動を行った ところ、 図 4に示すように、 約 1. 2 Kbの単一の DN Aバンドを得た。 常法に 従って、 この DNA断片 (以下、 F l a g. 2 DNA断片と称する) を p CRTM 2. 1ベクターにクローニングし、 F 1 a g. 2 DNA断片の全塩基配列をダイ ターミネータ一サイクルシークェンス (D y e T e r m i n a t o r C y c 1 e s e q u e n c i n g) 法 (P e r k i n E l me r J a p a n, ? if 安, 日本) により決定した。
また、 F l a g. 1 DNA断片についても、 ダイタ一ミネ一タ一サイクルシー ク工ンス (D y e T e r m i n a t o r C y c l e s e q u e n c i n g ) 法 (P e r k i n E l me r J a p a n, 浦安, 日本) により全塩基配列 を決定し、 F l a g. 1 DNA断片及び F 1 a g. 2 DNA断片の塩基配列を統 合することにより、 ヒ ト ADAMT S— 1 c DNAの全塩基配列を決定した。 ヒ ト ADAMT S _ 1 c DNAの全塩基配列 (停止コドンを含め、 2 1 8 4 b p) は、 配列表の配列番号 2の配列で表わされる塩基配列であり、 前記塩基配列から 推定されるヒト ADAMT S— 1 タンパク質のアミノ酸配列 (アミノ酸残基 7 2
7個) は、 配列表の配列番号 1の配列で表わされるアミノ酸配列である。 なお、 図 2に示す F l a g. I D N A断片の一部塩基配列と、 配列表の配列番号 2の配 列で表わされるヒト ADAMTS— 1 c DN Aの全塩基配列との間に、 一部、 塩 基配列が一致しない箇所がある力、 図 2に示す前記一部塩基配列は、 配列決定の 途中で得られた塩基配列であり、 配列表の配列番号 2の配列で表わされる塩基配 歹リが、 最終的に決定したヒ ト ADAMTS— 1 c DNAの正しい塩基配列である ヒト ADAMT S— 1タンパク質は、 システィンに富み、 C末端側領域に塩基 性アミノ酸であるリジン及びアルギニンが多く分布しており、 N—グリコシレ一 ション部位 (第 307番目〜第 309番目のアミノ酸、 及び第 524番目〜第 5 26番目のアミノ酸) が 2個存在する。
ヒ ト ADAMTS— 1遺伝子とマウス ADAMTS— 1遺伝子との塩基配列に おけるホモロジ一を図 5〜図 9に、 それぞれの塩基配列から予想されるアミノ酸 配列におけるホモロジ一を図 10〜図 12に示す。
図 5〜図 9において、 「*」 は、 ヒト ADAMT S— 1遺伝子とマウス ADA MTS— 1遺伝子との間で、 対応する塩基が一致することを表わす。
図 10〜図 12において、 「*」 は、 ヒト ADAMT S— 1タンパク質とマウ ス ADAMT S— 1タンパク質との間で、 対応するアミノ酸残基が一致すること を表わす。 また、 図 1 0〜図 1 2において、 「MMPドメィン」 は、 マトリック スメタ口プロテア一ゼドメインを意味し、 第 1 1番目及び第 12番目のアミノ酸 の間に引いた直線は、 その位置からマトリックスメタロプロテアーゼドメィンが 始まることを表わし、 「D I ドメィン」 は、 ディスィ ンテグリ ン ドメィンを意味 し、 第 234番目及び第 235番目のアミノ酸の間に引いた直線は、 その位置か らデイスインテグリンドメィンが始まることを表わす。 更に、 図 10〜図 12に おいて、 「TSPドメイン」 は、 トロンボスボンジンドメインを意味し、 トロン ボスボンジン ドメインを構成するアミノ酸配列 (3箇所) を四角形で囲んで示す ヒト ADAMTS— 1とマウス ADAMTS— 1とは、 塩基配列において 85 . 5%の相同性を示し、 アミノ酸配列において 90. 1 %の相同性を示し、 マウ
スとヒトとの間でその配列がよく保存されているタンパク質であることが判明し た。
実施例 2 :大腸菌によるヒト ADAMT S— 1融合タンパク晳の調製
( 1 ) 大腸菌発現ベクターの構築
ヒト AD AMT S— 1タンパク質の内、 MMPドメィンから下流の部分をすベ て含むヒト ADAMT S— 1部分夕ンパク質をコードする DN Aにおいて、 5, 側に制限酵素 S m a I切断部位を導入し、 3 ' 側に制限酵素 N o t I切断部位を 導入するために、 配列表の配列番号 1 0の配列:
CACCCCGGGA GGAAGAAGCG ATTTGTGTCC AGCCCCCG ATG
で表わされる塩基配列からなるフォワードプライマー (2) 及び配列表の配列番 号 1 1の配列:
GTGGCGGCCG CCCTOTMC TGCACTGTGT CAGTGTGCAA AA
で表わされる塩基配列からなるバックプライマ一 (2) を化学合成した。
フォヮ一ドプライマ一 (2) 5 し ノくックプライマー (2) 5 μ \ , ヒ ト腎 臓 c DNAライブラリ一 (Ma r a t h o n— R e a d y c DNA ; C 1 o n t e c h L a b. I n c . , ノ、°口アルト, カリフォルニア州, 米国) 1〃 1、
T a qポリメラ一ゼ (E X T a qポリメラ一ゼ) (0. 5ユニッ ト) 1〃 し 抗 T a qポリメラーゼ抗体 (T a q S t a r t A n t i b o d y ! C l o n t e c h L b. I n c. , パロアルト, カリフォルニァ州, 米国) 1〃 し 1 0倍濃度 P CRバッファー (C l o n t e c h L a b. I n c . , パロアル ト, カリフォルニア州, 米国) 1 0 1、 2. 5mM- 4 dNT P (宝酒造, 京 者^ 日本) 8 /^ し 及び蒸留水 6 9 μ 1を混合し、 P CR反応を実施した。 前記 P CR反応は、 94°Cで 1分間の工程、 5 5°Cで 4 5秒間の工程、 及び 7 2 で 2分間の工程からなるサイクルを 4 0サイクル実施した。
得られた反応液から 5 1を取り出し、 1 %ァガロースゲル電気泳動を行った ところ、 図 1 3に示すように、 約 2. 2 Kbの単一の DN Aバンドを得た。 常法 に従って、 約 2. 2 Kbの DNA断片を p CRTM2. 1ベクターにクロ一ニング し、 得られたプラスミ ドを大量調製 [Nu c l e i c A c i d s R e s . , 9, 2 9 8 9 - 2 9 9 8 ( 1 9 8 1 ) ] した。 大量調製したプラスミ ドを制限酵
素 Sma I (宝酒造, 京都, 日本) 及び N o t I (宝酒造, 京都, 日本) で処理 することにより得られる約 2. 2 Kbの DNA断片を、 大腸菌発現べクタ一 p G EX- 5 X- 1 [ I n f e c t I mmu n. , 5 8. 3 9 0 9— 3 9 1 3 ( 1 9 9 0 ) ] (P h a r m a c i a B i o t e c h, ウプサラ, スウェーデン) の Sm a I— N o t Iサイ トにクローニングした。 得られた発現プラスミ ドを p G/ADAMT S- 1 と命名した。 プラスミ Kp GZADAMT S— 1の構造を 図 1 4に模式的に示す。 ADAMT S— 1タンパク質は、 グルタチオン一 S—ト ランスフェラ一ゼ (以下、 G STと称することがある) (分子量 =約 2 6 K d) との融合タンパク質 (分子量 =約 9 6 K d) として発現されると思われる。 図 1 4において、 「O r i」 は、 複製開始点を意味し、 「AmpR 」 は、 アンピシリ ン耐性遺伝子を意味し、 「 1 a q I q 」 は、 1 a qリブレッサーを意味する。 (2) 大腸菌による G S T—ヒト ADAMT S— 1融合タンパク質の発現 タンパク質分解酵素活性の低い大腸菌株 B L— 2 1 (P h a r ma c i a B
1 0 t e c h, ウプサラ, スウェーデン) に、 プラスミ ド p GZADAMT S— 1を常法 [P r o c N a t l . A c a d. S c i . U SA, 6 9. 2 1 1 0 -
2 1 1 4 ( 1 9 7 2 ) ] により トランスフォームし、 そのプラスミ ドを保持する 大腸菌クローンをアンピシリン耐性株として単離した。 5つのアンピシリン耐性 クローン (以下、 クローン # 1〜クローン # 5と称する) を無作為に選び、 アン ピシリン ( 1 0 0 g/m 1 ) を含む 2 X YT培地 (トリプトン 1 6 g, 酵母抽 出物 1 0 g, 塩化ナトリウム 5 gを蒸留水 1リッ トルに溶解して調製; p H 7. 2) 2 m lに殖菌し、 3 7 °Cでー晚培養した。 次に、 1つのクローンに対して、 アンピシリン ( 1 0 0 g/m 1 ) を含む LB培養液 1 8 0 0 1の入った試験 管 2本を 1組とし、 それぞれの試験管に一晩培養した前記培養液 2 0 0 1を入 れた。 3 7 °Cで 2時間培養した後に、 2本 1組の試験管の内、 一方の試験管に発 現誘導剤であるイソプロピル一 ー D—チォ一ガラク トビラノシド (I PTG)
(宝酒造, 京都, 日本) 2 0 1 (最終濃度 1. OmM) を加え、 更に、 3 7°C で 2時間培養を続けた。 なお、 2本 1組の試験管の内、 残る一方は、 発現誘導剤 を入れないコントロールとした。
培養液 1 m 1をマイク口遠心機で遠心 ( 1 4 0 0 0 r p m, 1分間) すること
により菌体を集め、 リン酸緩衝溶液 (組成: 14 OmM— N a Cし 2. 7 mM -KC 1 , 1 OmM-N a 2 HP04 , 1. 8mM— ΚΗ2 Ρ〇4 , ρ Η 7. 2 ;以下、 PBSと称する) 1 00 1で懸濁した後、 2 Xサンプルバッファ一
(0. 25M—トリス _HC 1, 2 % S D S , 3%グリセロール, 10 % /?—メ ルカプトエタノール, 0. 01 %ブロモフエノールブルー ; p H 6. 8) 100 μ Iに溶解した。 得られた溶液 10 1を S D S _ポリアクリルアミ ドゲル電気 泳動 (以下、 SDS— PAGEと称する) にかけ、 クマシ一染色法によって目的 とするタンパク質の発現誘導を確認した。
結果を図 15に示す。 図 15において、 「十」 で示すレーンは、 発現誘導剤で ある I PTGを加えて培養した大腸菌を泳動したレーンであり、 「一」 で示すレ —ンは、 発現誘導剤である I P T Gを加えずに培養した大腸菌を泳動したレーン である。 いずれのクローンにおいても、 「十」 で示すレーンには、 「GST— A DAMTS— 1」 で示す位置に、 分子量約 1 00 K dのタンパク質が表われ、 こ の分子量は、 GST—ヒト ADAMTS— 1融合タンパク質の予想される分子量
(約 96 Kd) と一致した。 なお、 このタンパク質は、 いずれのクローンにおい ても、 「一」 で示すレーンには表われていなかった。
5種類のクローン (クローン # 1〜クローン # 5) の内、 最も高い発現量を示 したクローン # 2を以下の実施例に使用した。
(3) GST—ヒト ADAMTS— 1融合タンパク質の抽出 ·精製
クローン # 2の一晩培養した培養液 1 m 1を 2 X YT培養液 ( 100 g/m
1アンピシリン含有) 10 Om lに加え、 37 °Cで培養した。 600 nmにおけ る吸光度が約 0. 5になったところで、 前記培養液に 1 0 OmM— I PTG 1 m
1を加え、 更に、 2時間培養を続けた。
前記培養液を遠心 (3000 r pm, 30分間) することにより、 大腸菌を集 菌し、 得られた菌体を P B S 8 m 1に懸濁した。 懸濁液に、 0. 5 M— E D T A 溶液 1 m 1と 25 m g/m 1リゾチーム溶液 1 m 1とを加えて、 氷中に 30分間 静置した。 更に、 1 10 1のトライ ト ン X— 100を加えた後に、 超音波破砕 機 (TA I TEC, 越谷, 日本) により氷上で菌体を破砕した。 破砕液を遠心 (
8000 r pm, 4°C, 10分間) し、 得られた沈殿を 1. 0%トライ トン X—
100含有 PBS 30m lに懸濁し、 再び遠心 (8000 r pm, 4°C, 10分 間) した。
得られた沈殿を 1 OmM— EDTA溶液 2m 1に懸濁し、 8M尿素及び 1 %メ ルカプトエタノールを含有する 5 OmMト リスー HC 1ノ ッファー (pH8. 5 ) 5 Om 1を加えた。 充分に混合した後に、 遠心 (1 5000 r pm, 4 °C, 5 分間) し、 得られた上清を 10 mMト リス一 HC 1バッファー (pH8. 5) 5 リッ トルに対して 4 °Cで透析した。 透析を行った溶液を遠心 (1 5000 r pm , 4°C, 5分間) し、 得られた上清を陰イオンクロマ トグラフィー (E c o n o - P a c H i g h Q; B i o -R a d L a b. , ハ—キュルス, カリフ才 ルニァ州, 米国) に吸着させた後に、 0. 2〜0. 4 M塩化ナトリウム水溶液で 溶出される画分を、 P B S 3リッ トルに対して透析し、 続いて、 グルタチオンセ ファロース 4 B (P h a rma c i a B i o t e c h, ウプサラ, スウェーデ ン) 1 m 1に吸着させた [Nu c l e i c Ac i d s R e s. , _2_, 298 9 - 2998 ( 1981 ) ] 0
PB S 5 Om 1で前記グルタチオンセファロース 4 Bを洗浄した後に、 1 Om Mグルタチオン溶液 8m 1で溶出させ [Nu c 1 e i c Ac i d s R e s. , _9, 2989— 2998 ( 1981 ) ] 、 G S T検出キッ ト (P h a r m a c i a B i o t e c h, ウプサラ, スウェーデン) にて G S T活性の高い画分を プールした。
得られた画分の一部を SDS— PAGEにかけ、 クマシ一染色を行ったところ 、 図 16に示すように、 GST—ヒト ADAMTS— 1融合タンパク質であるこ とを、 その分子量から確認した。 大腸菌培養液 10 Om 1より目的タンパク質約
1 μ gを抽出 ·精製した。
得られた融合タンパク質には、 GSTとヒト ADAMTS— 1タンパク質との 間に F a c t 0 r X a等で切断することができる部位が存在するので、 前記プ 口テアーゼで消化することによりヒト ADAMTS— 1タンパク質を得ることが できる。 このヒト ADAMTS— 1タンパク質は、 例えば、 抗体を作製するため の抗原として使用することができる。
実施例 3 : GST—ヒ ト ADAMT S - 1 ¾合タンパク晳の诰 (ίπ機能に影響を与
える活件の検討
G S T—ヒト AD AMT S一 1融合タンパク質の造血機能に影響を与える活性 を検討するために、 実施例 2 (3) に記載の方法に基づいて、 大腸菌培養液 3リ ッ トルから GST—ヒト ADAMTS— 1融合タンパク質の大量調製を実施し、 目的タンパク質約 30 μ gを得た。
GST—ヒト ADAMTS— 1融合タンパク質の造血機能に影響を与える活性 として、 マウス尾静脈単回投与による血球系細胞数に与える作用を検討した。 こ の評価系は、 少量の目的タンパク質で実施することが可能であり、 しかも、 迅速 に生物活性を明らかにすることができる。 コントロールとしてベクター p GEX — 5 X— 1を導入した大腸菌から、 実施例 2 (3) に記載の方法に基づいて抽出 •精製した G S Tタンパク質を用いた。
8匹の C57BL/6Nマウス (チヤ一ルスリバ一, 横浜, 日本) (雄, 7週令 ) に、 G ST—ヒ ト ADAMTS— 1融合タンパク質 1 gを尾静脈より投与し 、 投与してから 3時間及び 24時間後に白血球、 赤血球、 及び血小板の数を算出 した。 コント口一ルとして、 8匹の C57BLZ6Nマウス (チヤ一ルスリバ一, 横浜, 日本) (雄, 7週令) に、 GSTタンパク質 1 gを尾静脈より投与し、 同様に、 投与してから 3時間及び 24時間後に白血球、 赤血球、 及び血小板の数 を算出した。 結果を図 1 7に示す。 図 1 7から明らかなように、 G ST—ヒト A DAMT S— 1融合夕ンパク質を投与したマウスでは、 白血球及び血小板の数が 、 コン トロールに比べて有意に低下し、 赤血球の数が、 コン トロールに比べて有 意に増加した。 産業上の利用可能性
本発明によるタンパク質によれば、 造血機能を調節することができ、 例えば、 白血球及び血小板の数を低下させ、 同時に、 赤血球の数を増加させることができ る。 以上、 本発明を特定の態様に沿って説明したが、 当業者に自明の変形や改良は 本発明の範囲に含まれる。
配列表 配列番号 : 1
配列の長さ : 7 2 7
配列の型 : アミノ酸
配列
Met Asp He Cys Arg l ie Arg Leu Arg Lys Lys Arg Phe Val Ser Ser
5 10 15
Pro Arg Tyr V l Glu Thr Met Leu Val Ala Asp Gin Ser Met Ala Glu
20 25 30
Phe His Gly Ser Gly Leu Lys Hi s Tyr Leu Leu Thr Leu Phe Ser Val
35 40 45
Ala Ala Arg Leu Tyr Lys Hi s Pro Ser l ie Arg Asn Ser Val Ser Leu
50 55 60
Val Val Val Lys He Leu Val l ie His Asp Glu Gin Lys Gly Pro Glu 65 70 75 80
Val Thr Ser Asn Ala Ala Leu Thr Leu Arg Asn Phe Cys Asn Trp Gin
85 90 95
Lys Gin Hi s Asn Pro Pro Ser Asp Arg Asp Ala Glu His Tyr Asp Thr
100 105 110
Ala l ie Leu Phe Thr Arg Gin Asp Leu Cys Gly Ser Gin Thr Cys Asp
115 120 125
Thr Leu Gly Met Ala Asp Val Gly Thr V l Cys Asp Pro Ser Arg Ser
130 135 140
Cys Ser Val l ie Glu Asp Asp Gly Leu Gin Ala Ala Phe Thr Thr Ala 145 150 155 160
Hi s Glu Leu Gly His Val Phe Asn Met Pro Hi s Asp Asp Ala Lys Gin
165 170 175
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Pro Ala Val Glu Trp l ie Pro Lys Tyr Ala Gly Val Ser Pro Lys Asp
405 410 415
Arg Cys Lys Leu l ie Cys Gin Ala Lys Gly lie Gly Tyr Phe Phe Val
420 425 430
Leu Gin Pro Lys Val Val Asp Gly Thr Pro Cys Ser Pro Asp Ser Thr
435 440 445
Ser Val Cys Val Gin Gly Gin Cys Val Lys Ala Gly Cys Asp Arg l ie
450 455 460
l ie Asp Ser Lys Lys Lys Phe Asp Lys Cys Gly Val Cys Gly Gly Asn 465 470 475 480
Gly Ser Thr Cys Lys Lys lie Ser Gly Ser Val Thr Ser Ala Lys Pro
485 490 495
Gly Tyr His Asp l ie Val Thr l ie Pro Thr Gly Ala Thr Asn l ie Glu
500 505 510
Val Lys Gin Arg Asn Gin Arg Gly Ser Arg Asn Asn Gly Ser Phe Leu
515 520 525
Ala l ie Lys Ala Ala Asp Gly Thr Tyr l ie Leu Asn Gly Asp Tyr Thr
530 535 540
Leu Ser Thr Leu Glu Gin Asp l ie Met Tyr Lys Gly Val Val Leu Arg 545 550 555 560
Tyr Ser Gly Ser Ser Ala Ala Leu Glu Arg l ie Arg Ser Phe Ser Pro
565 570 575
Leu Lys Glu Pro Leu Thr He Gin Val Leu Thr Val Gly Asn Ala Leu
580 585 590
Arg Pro Lys l ie Lys Tyr Thr Tyr Phe Val Lys Lys Lys Lys Glu Ser
595 600 605
Phe Asn Ala l ie Pro Thr Phe Ser Ala Trp Val l ie Glu Glu Trp Gly 610 615 620
Glu Cys Ser Lys Ser Cys Glu Leu Gly Trp Gin Arg Arg Leu Val Glu
625 630 635 640
Cys Arg Asp He Asn Gly Gin Pro Ala Ser Glu Cys Ala Lys Glu Val
645 650 655
Lys Pro Ala Ser Thr Arg Pro Cys Ala Asp His Pro Cys Pro Gin Trp
660 665 670
Gin Leu Gly Glu Trp Ser Ser Cys Ser Lys Thr Cys Gly Lys Gly Tyr
675 680 685
Lys Lys Arg Ser Leu Lys Cys Leu Ser His Asp Gly Gly Val Leu Ser
690 695 700
His Glu Ser Cys Asp Pro Leu Lys Lys Pro Lys His Phe l ie Asp Phe
705 710 715 720
Cys Thr Leu Thr Gin Cys Ser
725 配列番号 : 2
配列の長さ : 2 1 8 4
配列の型 : 核酸
配列
ATG GAT ATC TGC AGA Α CGG CTT AGG AAG AAG CGA TTT GTG TCC AGC 48 Met Asp l ie Cys Arg He Arg Leu Arg Lys Lys Arg Phe Val Ser Ser
5 10 15
CCC CGT TAT GTG GAA ACC ATG θπ GTG GCA GAC CAG TCG ATG GCA GAA 96 Pro Arg Tyr Val Glu Thr Met Leu Val Al a Asp Gin Ser Met Ala Glu
20 25 30
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625 630 635 640
TGC CGA GAC Απ AAT GGA CAG CCT GCT TCC GAG TGT GCA AAG GAA GTG 1968 Cys Arg Asp l ie Asn Gly Gin Pro Ala Ser Glu Cys Ala Lys Glu Val
645 650 655
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660 665 670
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675 680 685
AAA AAA AGA AGC TTG AAG TGT CTG TCC CAT GAT GGA GGG GTG ΊΊλ TCT 2112 Lys Lys Arg Ser Leu Lys Cys Leu Ser Hi s Asp Gly Gly Val Leu Ser
690 695 700
CAT GAG AGC TGT GAT CCT ΊΊΚ AAG AAA CCT AAA CAT TTC ATA GAC ΓΓΤ 2160 His Glu Ser Cys Asp Pro Leu Lys Lys Pro Lys Hi s Phe l ie Asp Phe 705 710 715 720
TGC ACA CTG ACA CAG TGC AGT TAA 2184 Cys Thr Leu Thr Gin Cys Ser
725 配列番号 : 3
配列の長さ : 1 0
配列の型 : アミノ酸
配列
Arg Thr Cys Gly Gly Gly Val Gin Tyr Thr
5 10
配列番号 : 4
配列の長さ : 3 0
配列の型 : 核酸
配列
AGAACCTGTG GTGGTGGAGT TCAATACACA 30 配列番号 : 5
配列の長さ : 3 2
配列の型 : 核酸
配列
CCTCTTMCT GCACTGTGTC AGTGTGCAAA AG 32 配列番号 : 6
配列の長さ : 2 3
配列の型 : 核酸
配列
CCTOTMCT GCACTGTGTC AGT 23 配列番号 : 7
配列の長さ : 2 4
配列の型 : 核酸
配列
CAGGCCCACT CCCAAAGGAA GCTT 24 配列番号 : 8
配列の長さ : 2 7
配列の型 : 核酸
配列
CCATCCTAAT ACGACTCACT ATAGGGC 27
配列番号 : 9
配列の長さ : 2 3
配列の型 : 核酸
配列
ACTCACTATA GGGCTCGAGC GGC 23 配列番号 : 1 0
配列の長さ : 4 3
配列の型 : 核酸
配列
CACCCCGGGA GGAAGAAGCG ATTTGTGTCC AGCCCCCG ATG 43 配列番号 : 1 1
配列の長さ : 4 2
配列の型 : 核酸
配列
GTGGCGGCCG CCCTCTTAAC TGCACTGTGT CAGTGTGCAA AA 42