明 細 書 フォ トクロミツク硬化体の製造方法 技術分野
本発明は、 フォ トクロミ ツク作用に優れた硬化体を製造す方法に関す
背景技術
フォ トクロミズムとは、 ここ数年来注目をひいてきた現象であって、 ある化合物に太陽光あるいは水銀灯の光のような紫外線を含む光を照射 すると速やかに色が変わり、 光の照射を止めて暗所に置く と元の色に戻 る可逆作用のことである。 この性質を有する化合物は、 フォ トクロミツ ク化合物と呼ばれ、 従来から種々の構造の化合物が合成されてきたが、 これらのフォトクロミック化合物は、 可逆的な耐久性に乏しいという欠 点 ¾:もっている。
新規な耐久性が改善されたフォ トクロミ ック化合物としてスピロォキ サジン系フォ トクロミック化合物 (以下、 単にォキサジン化合物と略す) 、 フルギミ ド系フォ トクロミック化合物 (以下、 単にフルギミ ド化合物と 略す) およびクロメン系フォ トクロミ ック化合物 (以下、 単にクロメン 化合物と略す) 等が種々知られている。 (米国特許第 4 ,882 ,438、 4,960 ,678、 5, 130 , 058および 5 , 106, 998号明細書、 特開昭 62 - 288830号、 特開平 2— 28154号、 特開平 3— 1 1074号および特開平 3— 133988号公報参照) 。
また、 特開平 5— 306392号公報では、 フルギド化合物の耐久性 をさらに向上させる成分として、 エポキシ基を有する化合物を""併用する ことが提案されている。
特開昭 62 - 187784号公報には、 ォキサジン化合物をラジカル 重合性単量体 (以下、 単に単量体と略す) に混合溶解し重合開始剤の存
在下硬化させる場合、 ォキサジン化合物が重合開始剤により劣化するの を防ぐ方法として、 高反応性の多官能性 (メタ) ァクリレート系単量体 を使用し、 重合開始剤濃度を規定するフォ トクロミック樹脂の製造方法 が提案されている。
前記フォ トクロミ ック化合物は、 優れた可逆的な耐久性を示すが、 こ の中でもォキサジン化合物は一般的に光による劣化を受けにく く、 太陽 光または太陽光に類似した光を連続的に照射する場合、 その初期発色性 能の低下が少なく、 耐光性において優れた性能を持つ化合物として知ら れる。 しかしながら、 これらの化合物と単量体とを混合溶解し、 重合硬 化 (以下、 単に練り混み法と略す) させることで簡便に硬化体を製造し、 その硬化体を各種の用途に使用するためには、 その化合物の特性を十分 に発揮できる硬化体の製造方法の開発が必要である。
例えば、 眼鏡レンズとして広く使用されているジエチレングリコール ビスァリルカーボネ一トを前記フォトク口ミ ック化合物と練り混み法で 硬化させた硬化体では、 フォ トクロミ ック化合物が硬化時のラジカル種 の作用により劣化し、 初期発色性能が低下するという問題点を有する。 また、 前記特開昭 6 2 - 1 8 7 7 8 4号公報記載の多官能性 (メタ) ァクリレート系単量体を用いォキサジン化合物を該公報記載の重合開始 剤濃度において練り混み法で硬化させる方法では、 十分に精製した多官 能性 (メタ) ァクリレート系単量体を用いた場合、 硬化体のフォ トク口 ミック性能が十分なものが得られるが、 一般に市販されている多官能性 (メタ) ァクリ レート系単量体とォキサジン化合物を混合すると、 その 混合溶液が著しく着色し、 さらに該公報記載の製造法に従い硬化すると、 硬化体の着色が著しいばかりでなく初期発色性能が著しく低下する現象 が見られる。
以上のように、 ォキサジン化合物と市販の精製が十分でない多官能性 (メ夕) ァクリ レート系単量体を用い、 練り混み法により製造したフォ トクロミ ック硬化体は、 満足のいく性能を発現しなかった。
発明の開示
本発明は、 ォキサジン化合物と市販多官能性 (メタ) ァクリ レート系 単量体を未精製のまま用い、 簡便な練り混み法でフォ トクロミ ック性能 に優れた硬化体の製造方法を提供するものである。
本発明者らは、 煩雑な精製をすることなく市販の多官能性 (メタ) ァ クリレート単量体をそのまま用い、 ォキサジン化合物との練り込み法で 硬化体を製造し、 フォ トクロミック性能が優れた眼鏡レンズに代表され るフォ トクロミ ック硬化体を製造することについて鋭意研究を続けた。 その結果、 多官能性 (メタ) ァクリレート単量体とォキサジン化合物か らなる組成物よりフォ トクロミ ック硬化体を製造する場合において、 そ の組成物中に分子中に少なく とも 1個のエポキシ基を有する化合物を含 有させることにより、 ォキサジン化合物を多官能性 (メ夕) ァクリレー ト単量体に混合しても著しい着色が起こらず、 なおかつ初期着色が少な く、 初期発色性能およびフォ トクロミ ック作用の耐久性に優れたフォト クロミック硬化体が得られることを見い出し、 本発明を完成させるに至
Oた 0
即ち本発明は、 多官能性 (メタ) ァクリレート系単量体、 フォ トクロ ミックスピロォキサジン化合物および重合開始剤を含む組成物を重合さ せてフォ トク口ミ ツク硬化体を製造する方法において、 当該組成物中に 分子中に少なく とも 1個のエポキシ基を有する化合物を含有させて重合 することを特徴とするフォ トク口ミ ック硬化体の製造方法である。
本発明において用いられる多官能性 (メタ) ァクリレート単量体は、 常圧における沸点が高く、 蒸留精製を行った場合、 重合反応を起こし、 工業的に蒸留精製することが困難な市販の多官能性 (メタ) ァクリレー ト単量体 (以下、 単に多官能性 (メタ) ァクリレートと略す) である。 通常の多官能性 (メタ) ァクリレートは、 原料であるポリアルコール由 来の、 或はエステル化反応由来の、 さらに重合禁止剤等の微量の不純物 を含有し、 ォキサジン化合物を混合溶解すると、 溶液が著しく着色する。 またその着色した混合溶液を硬化すると、 硬化体が著しく着色し初期発
色性能も低下する。 しかしながら、 その着色した溶液にエポキシ化合物 を添加し混合攪拌することで、 作用機構は不明であるが徐々に着色が減 少し、 硬化体の着色がなく、 発色性能が良好なものが得られる。 多官能 性 (メ夕) -ァクリレートと構造が類似する蒸留により精製された単官能 性 (メタ) ァクリレート単量体、 例えばメタクリル酸メチルおよびメタ クリル酸ベンジル、 または十分に精製した多官能性 (メタ) ァクリレー ト単量体では、 ォキサジン化合物を混合溶解した場合、 著しい着色がな いことおよび硬化体の初期フォトク口ミック性能が十分であることより、 多官能性 (メタ) ァクリ レート中に含まれる微量の不純物がォキサジン 化合物の溶液状態での着色および硬化中の劣化に作用しているものと推 定される。 また精製が完全でなく不純物の除去が十分でない場合、 溶液 状態で 着色はないが硬化体が着色し初期発色性能が十分得られないこ とから、 エポキシ化合物の存在なく して多官能性 (メ夕) ァクリレート からフォ トクロミ ック硬化体を製造する場合には、 多官能性 (メタ) ァ クリレート単量体の品質としては高純度のものが必要となる。
本発明の製造方法および各成分を混合して組成物とする際の順序とし ては、 各成分をどのような順番で混合して用いてもよいが、 ォキサジン 化合物と多官能性 (メタ) ァクリレートを先に混合すると混合溶液が着 色し、 光または混合溶液中に含まれる酸素等の不純物の影響により、 着 色状態のォキサジン化合物が劣化しやすいため、 多官能性 (メタ) ァク リレートとエポキシ化合物を予め十分混合攪拌した後、 ォキサジン化合 物を添加する方法が好ましい。 これによりォキサジン化合物が組成物中 で著しく着色することを防ぐことができる。
本発明に用いられる多官能性 (メタ) ァクリレートは、 ォキサジン化 合物を着色させうる化学物質を不純物として含有するものであり、 一般 に市販されている多官能性 (メタ) ァクリレートはこれにあてままり、 精製が十分でない公知の多官能性 (メタ) ァクリレートである。
代表的な多官能性 (メタ) ァクリレートとしては、 下記一般式 (1 )
(但し、 R 1は、 水素原子またはメチル基であり、 R 2は炭素数 2〜4の アルキレン基であり、 aは 1〜1 0の整数である。 )
で示される単量体、 或は下記一般式 (2 )
R1 R '
CH2=CCO- CH2CHCH20W R30 R4~f OR2)^〇CHゥ CHCH2)" OCC=CH2 (2) ) OH C OH 6 o
(但し、- R ま水素原子またはメチル基であり、 R 3はエチレン基または プロピレン基であり、 b、 c、 dおよび eはそれぞれ 0〜 1 0の整数で あり、 0の場合単結合手を示し、 R4は炭素数 3〜1 0のアルキレン基ま たは下記式 一
で示される基または下記式
{但し、 R
5、 R
6、 R
7および R
sは、 それぞれ同一または異なり、 水素 原子またはフッ素を除くハロゲン原子を示す。 } で示される基である。 ) で示される単量体、 或は下記一般式 (3)
(但し、 R1は水素原子またはメチル基であり、 はエチレン基または プロピレン基であり、 f は 0〜10の整数であり、 gは 0または 1であ り 0の場合は単結合手を示し、 hは 0〜2の整数であり、 R5は水素原子、 ヒ ドロキシメチル基またはメチル基、 ェチル基等のアルキレン基である。 ) で示される単量体を挙げることができる。
上記一般式 (1) 、 (2) および (3) で示される多官能性 (メタ) ァクリ レー トを具体的に例示すると、 エチレングリコールジ (メタ) ァ クリ レート、 ジエチレングリコールジ (メタ) ァクリ レー ト、 トリェチ レングリコールジ (メタ) ァクリ レート、 テトラエチレングリコールジ
(メタ) ァクリ レー ト、 ボリエチレングリコールジ (メタ) ァクリ レー ト、 プロピレングリコールジ (メタ) ァクリ レー ト、 ジブロピレングリ コールジ (メタ) ァクリ レー ト、 トリプロピレングリコールジ (メタ) ァク リ レー ト、 テトラブロビレングリコールジ (メタ) ァクリ レー ト、 ポリプロピレングリコールジ (メタ) ァクリ レート、 ポリブチレングリ コールジ (メタ) ァクリ レー ト、 1 , 6—へキサンジォ一ルジ (メタ) ァ クリ レー ト、 ネオベンチルグリコールジ (メ夕) ァクリ レート、 2 ,2 ' 一ビス ( 4—メタクリロイルォキシェトキシフヱニル) プロパンのァク リル酸およびメタクリル酸エステル化合物、 2 ,2 '—ビス (4—メタク リロイルォキシ · ポリエトキシフエニル) プロパンのァクリル酸および メタクリル酸エステル化合物、 2 ,2'—ビス (4一メ夕クリロイルォキ シブロポキシフエニル) プロパンのァクリル酸およびメタクリル酸エス
テル化合物、 2 , 2 '—ビス (4ーメタクリロイルォキシ . ボリプロポキ シフヱニル) プロパンのァクリル酸およびメタクリル酸エステル化合物、 2 , 2 '—ビス [ ( 3 , 5—ジブロモ一 4ーメタクリロイルォキシェ卜キシ) プロパン.のァクリル酸およびメタクリル酸エステル化合物、 水添加ビス フヱノール Aエチレンォキサイ ドまたはプロビレンォキサイ ド付加物の ァクリル酸およびメタクリル酸ェステル化合物、 ジメチロールトリシク ロデカンジ (メタ) ァクリレート、 ジメチロールトリシクロデカンポリ エトキシジ (メタ) ァクリレート、 トリメチロールプロパントリ (メタ) ァクリレート、 ペン夕エリスリ トールテトラ (メタ) ァクリレート、 ェ チレングリコールまたはポリエチレングリコールとグリシジル (メタ) ァクリレ一卜の反応生成物、 プロピレングリコールまたはポリプロビレ ングリコ-一ルとグリシジル (メタ) ァクリレートの反応生成物、 ビスフ ェノール Aエチレンォキサイ ドまたはプロピレンォキサイ ド付加物とグ リシジル (メタ) ァクリレートの反応生成物、 水素添加ビスフヱノール Aエチレンォキサイ ドまたはプロビレンォキサイ ド付加物とグリシジル (メタ) ァクリレートの反応生成物等が挙げられる。 これら多官能性 (メ夕) ァクリレートは一種または二種以上を一緒に使用することがで きる。 なお本発明において、 (メタ) ァクリ レートとはメタクリレート 化合物とァクリレート化合物の総称である。
本発明で用いられる分子中に少なくとも 1個のエポキシ基を有する化 合物 (以下、 エポキシ化合物という) としては、 公知の化合物が何ら制 限なく採用される。 例えば、 一価、 二価、 三価アルコール等のアルコー ル性水酸基含有化合物またはフヱノール、 ハイ ド口キノン等のフヱノー ル性水酸基含有化合物と、 ェビクロルヒドリンとの反応生成物、 あるい は安息香酸、 テレフタル酸等のカルボン酸とェピクロロヒ ドリ ンとの反 応生成物を挙げることができる。 代表的なエポキシ化合物は、—下記一般 式 (4 ) で表わすことができる。
R1
A十 OCH2C— CH ) (4)
(但し、 Aは n価のアルコール性水酸基含有化合物の残基、 n価のフエ ノ一ル性水酸基含有化合物の残基または n価のカルボン酸残基であり、 R 1は水素原子またはメチル基であり、 nは 1〜4の整数である。 ) 本発明におけるエポキシ化合物としては、 分子中にさらに少なく とも 1個の不飽和二重結合基を有するものが好ましい。 このような不飽和二 重結合基とエポキシ基とを有する化合物を使用し、 フォ トクロミ ック化 合物との組成物を重合してフォトクロミック硬化体を製造すれば、 分子 中に少なく とも不飽和二重結合基と少なく とも 1個のエポキシ基とを有 する化合物が重合して高分子マトリックスに固定されるために、 このよ うな化合物を大量に使用してもフォ トクロミ ック樹脂の物性を損なうこ とが防止できる。
不飽和二重結合基としては、 例えばビニル基、 ァリル基、 ァクリロイ ル基、 メタクリロイル基等を挙げることができる。 良好なフォ トクロミ ック物性を得るためにはァクリロイル基またはメタクリロイル基が好ま しい。
不飽和二重結合基を有さないエポキシ化合物としては、 前記した一般 式において、 nは 1または 2であり、 Aは nが 1のときは水酸基で置換 されていてもよい炭素数 2〜2 0のアルキル基、 一 R— (O R ) m— O H (但し、 Rは炭素数 2〜4のアルキレン基であり、 mは 1〜2 0の整数 である。 ) で示される基、 水酸基で置換されていてもよい炭素数 6〜7 のシクロアルキル基、 水酸基で置換されていてもよいフヱニル基または カルボキシル基で置換されていてもよいベンゾィル基であり ; nが 2の ときは水酸基で置換されていてもよい炭素数 2〜2 0のアルキレン基、 一 R— ( O R ) „, - (但し、 Rは炭素数 2〜4のアルキ.レン基であり、 m は 1〜2 0の整数である。 ) で示される基、 水酸基で置換されていても
よい炭素数 6〜 7のシクロアルキレン基、 水酸基で置換されていてもよ いフエ二レン基またはフタロイル基、 イソフタロイル基もしくはテレフ タロイル基、 または次式
また、 少なく とも 1個の不飽和二重結合基を有するエポキシ化合物と しては、 本発明において好適に使用できる代表的な化合物として、 下記 一般式 (5 ) で示される化合物を挙げることができる。
(但し、 R 1および R 12はそれぞれ水素原子またはメチル基であり、 R 1 0および R 1 1はそれぞれ同種または異種のヒ ドロキシル基で置換されてい てもよい炭素数 1〜4のアルキレン基、 または下記式
で示される基であり、 mおよび nはそれぞれ 0または 1である。 ) 上記式中の R
10で示されるアルキレン基としては、 メチレン基、 ェチ レン基、 プロピレン基、 ブチレン基、 トリメチレン基、 テトラメチレン 基等を例示することができる。
エポキシ化合物として、 本発明において好適に使用できる化合物を具 体的に示すと次のとおりである。
分子中に少なく とも 1個のエポキシ基を有するが、 不飽和二重結合基
を有さない化合物としては、 例えばエチレングリコールグリシジルェ一 テル、 プロピレングリコールグリシジルエーテル、 グリセロールポリグ リシジルエーテル、 ジグリセロールポリグリシジルエーテル、 ソルビト —ルポリグリシジルエーテル、 ブチルグリシジルエーテル、 フエニルグ リシジルエーテル、 ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、 ポ リブロビレングリコールジグリシジルエーテル、 ネオベンチルグリコー ルジグリシジルエーテル、 1 , 6—へキサンジォ一ルジグリシジルエーテ ル、 ビスフエノール Aまたは水素化ビスフエノール Aのプロピレンォキ シド付加物、 テレフタル酸ジグリシジルエステル、 スビログリコールジ グリシジルエーテル、 ハイ ドロキノンジグリシジルエーテル等を挙げる ことができる。
また、 子中に少なく とも 1個の不飽和二重結合基と少なく とも 1個 のエポキシ基とを有する化合物としては、 例えばダリシジルァクリ レー ト、 グリシジルメタクリレート、 ーメチルグリシジルァクリレート、 ;9ーメチルグリシジルメタクリレート、 ビスフエノール A—モノグリシ ジルエーテル一メタクリレート、 4ーグリシジルォキシブチルメタクリ レート、 3— (グリシジルー 2—ォキシエトキシ) 一 2—ヒドロキシブ 口ピルメタクリレート、 3— (グリシジルォキシー 1—イソブロビルォ キシ) 一 2—ヒ ドロキシブ口ビルァクリレート、 3— (グリシジルォキ シー 2—ヒ ドロキシブ口ビルォキシ) 一 2—ヒ ドロキシブ口ビルァクリ レート等のメタクリ レート化合物またはァクリレート化合物を挙げるこ とができる。
本発明のエポキシ化合物の配合量は、 前記多官能性 (メタ) ァクリレ ート中の不純物の量によって異なるためー概に規定できないが、 一般に 市販されている多官能性 (メタ) ァクリレートを用いる場合、 全単量体
1 0 0重量部に対して 1重量部以上用いれば硬化体の着色を押-さえるこ とができ、 また通常 3 0重量部まで配合しても十分な強度を持つ硬化体 が得られる。 但し、 不飽和二重結合基を有さないエポキシ化合物を用い る場合、 全単量体に対し、 不飽和二重結合基を有さないエポキシ化合物
の量があまりにも多すぎると硬化体の硬化の妨げになるため、 全単量体
1 0 0重量部に対して 1〜 1 0重量部、 さらに 1〜 5重量部の範囲であ ることが好適である。
なお上記した全単量体とは、 ラジカル重合を起こしうるエポキシ基お よびノまたは不飽和二重結合基を有する化合物を示し、 多官能性 (メタ) ァクリレート、 エポキシ化合物および必要に応じて配合する後述する他 の単量体のすべてを云う。 以下に述べる場合も、 これに準じる。
本発明におけるォキサジン化合物としては、 スビロォキサジン骨格を 有し、 フォ トクロミ ック性を有する公知の化合物が何等制限なく採用で き、 下記式 (6 ) で示されるスビロォキサジン化合物が好適に使用され 。
ここで、 一般式 (6 ) において、 R
13、 R
14および R
1 5は、 それぞれ 同一または異なり、 アルキル基、 シクロアルキル基、 シクロアルアルキ ル基、 アルコキシ基、 アルキレンォキシアルキル基、 アルコキシカルボ ニル基、 アルコキシカルボニルアルキル基、 ァリール基、 ァラルキル基、 ァリ一ロキシ基、 アルキレンチォアルキル基、 ァシル基、 ァシロキシ基 またはアミノ基であり、 R
1 4および R
1 5は一緒になつて環を形成しても よく、 R
1 3、 R
14および R 'は置換基を有してもよく、 置換基としては 上記のような基の他に、 ハロゲン原子、 ニトロ基、 シァノ基または複素 環基等が挙げられる。 また、
で示される基は、 それぞれ置換されていてもよい二価の芳香族炭化水素
基または二価の不飽和複素環基であり、
で示される基は、 それぞれ置換されていてもよい二価の芳香族炭化水素 基または二価の不飽和複素環基である。 上記二価の芳香族炭化水素基ま たは二価の不飽和複素環基としては、 例えばベンゼン環 1個またはその
2〜 3個の縮合環から誘導される二価の基を挙げることができ、 また、 二価の不飽和複素環基としては、 例えば酸素原子、 窒素原子またはィォ ゥ原子を環構成原子として 1〜2個含む 5〜 7員環またはこれとベンゼ ン環との縮合環から誘導される二価の基を挙げることができる。
二価の芳香族炭化水素基を具体的に例示すると、 ベンゼン環、 ナフタ レン環、 フヱナントレン環、 アントラセン環等から誘導される炭素数 6 〜1 4の基を挙げることができる。 また、 二価の不飽和複素環基を具体 的に例示すると、 フラン環、 ベンゾフラン環、 ピリジン環、 キノ リ ン環、 イソキノ リ ン環、 ビロール環、 チォフェン環、 チォフェン環、 ベンゾチ オフヱン環等から誘導される炭素数 4〜9の基を挙げることができる。 置換基としては上記の R 13、 R 1 4および R 1 5で述べたものと同じ基を選 択できる力《、 中でも
-NR16R17
(但し、 R 1 6および R 17は置換されてもよい、 アルキル基、 アルコキシ 基またはァリル基等であり、 また R 1 6および R 17は互いに結合、 環化し、 含窒素複素環を形成していてもよい。 )
で示される基で置換されたォキサジン化合物が、 初期のフォ トク口ミ ツ ク性能においてその発色濃度が高い点で好適である。
本発明において、 好適に使用できるォキサジン化合物を具体的に示す と、 次のような化合物を例示することができる。
(1) : 6 ·—フルオロー 1 'ーメチルー 8 ' '—メ トキシー 6 ' '—モルホリノ
ジスピロ (シクロへキサン一 1 , 3 '— (3 Η) イン ドール一 2 '— (1 'Η) .3 ' '— (3 Η) ナフト (3 , 2— a) (1.4) ォキサジ ン)
(2): 1 ニメ トキシカルボニルメチルー 8 ' '—メ トキシー 6 ' '— (4— メチルビベラジノ) ジスピロ (シクロへキサン一 1 , 3 '— (3 H) イン ールー 2 '— (l 'H) ,3 (3H) ナフ ト (3 , 2— a) (1 ,4) ォキサジン)
(3): 5 '—フルォロー 1 '一メチルー 6 ''—ビベリジノジスピロ (シクロ へキサン一 1 ,3 '— (3 H) インド一ルー 2'— (1 'Η) , 3 "- (3H) ナフ ト (3, 2— a) (1 ,4) ォキサジン)
(4): 1 '一メチル一 8 ''—メ トキシジスピロ (シクロへキサン一 1 , 3 ' 一 -(3H) インドールー 2 '— (1 'Η) , 3 (3 H) ナフ ト (2 , 3— a) (1 ,4) ォキサジン)
(5): 6 '—フルオロー 1 '.7 '一ジメチルー 6 ' '—モルホリノジスピロ (シクロへキサン一 1 ,3'— (3H) インドールー 2 '— (1 'Η) ,
3'ノ一 (3H) ナフト (3,2— a) (1 ,4) ォキサジン)
(6): 6 '一フルオロー 1 ', 5 '—ジメチルー 6 ''—モルホリノジスピロ
(シクロへキサン一 1, 3 '— (3H) インドールー 2'— (1 'Η) , 3, '一 (3H) ナフト (3 ,2— a) (1 ,4) ォキサジン)
(7): 6 '一フルオロー 1 'ーィソブチルー 6 ''—モルホリノジスピロ (シ クロへキサン一 1.3 '— (3 H) インド一ルー 2'— (l 'H) ,3 "一 (3H) ナフ ト (3 ,2— a) (1 ,4) ォキサジン)
(8): 6 '一フルオロー 5 '—メチル一 1 'ーィソブチルー 6 ''—モルホリ ノジスピロ (シクロへキサン一 1 , 3 '― ( 3 H) インド一ルー 2 ' 一 (l 'H) , 3 ''— (3 H) ナフ ト (3, 2— a) (1 ,4) ォキサ ジン)
(9): 6 '一フルオロー 5 '—メチルー 1 '—ネオペンチルー 6 ' '—モルホ リノジスピロ (シクロへキサン一 1 , 3 '— (3 H) インドール一 2 '一 (l 'H) , 3''— (3H) ナフト (3 , 2— a) (1 ,4) ォキ
サジン)
(10): 1 ',3 ',3 '— トリメチルー 6 ''—ビベリ ジノジスピロ ( (3 H) インドールー 2'— (1 Ή) , 3 (3 H) ナフ ト (3,2— a) (1 ,4) ォキサジン)
(11): 3 ', 3 '—ジメチルー 1 '—イソプチルージスピロ ( (3 H) イン ドール一 2 '— (l 'H) , 3 (3 H) ナフ ト (3 , 2— a) (1 ,4) ォキサジン)
(12): 1 ' , 3 ' , 3 '—トリメチルージスピロ ( (3 H) インド一ル一 2 ' 一 (l 'H) , 3 ''— (3H) ナフト (3 , 2— a) (1 ,4) ォキ サジン)
本発明において、 エポキシ化合物の存在下ではォキサジン化合物の着 色が起こ-らず、 その組成物の着色が減少し、 なおかつ硬化体においても 初期発色性能が向上する。 従って、 ォキサジン化合物の配合量は、 広い 範囲から採用することができる。 しかし、 ォキサジン化合物の量があま りに少ないときには良好な初期発色性能が得られず、 あまりに多いとき にはォキサジン化合物の凝集が起き、 フォ トク口ミック性の耐久性が急 激に低下する。 このため全単量体 100重量部に対して、 ォキサジン化 合物は、 好ましくは 0.001〜10重量部の範囲で用いられ、 より好ま しくは 0.01〜5重量部、 特に好ましくは 0.01〜1重量部の範囲で 用いられる。
また本発明ではォキサジン化合物以外のフォ トクロミ ック化合物であ るクロメン化合物およびフルギド化合物の 3つの化合物を併用し、 各用 途に応じたより完成度の高いフォ トクロミ ック硬化体を製造できる。 例 えばォキサジン化合物は、 主として青系に発色する化合物が知られてい るが、 グレーまたはブラウンといった中間色を要求されるフォ トクロミ ック眼鏡用途に本発明で得られるフォ トクロミ ック硬化体を^する場合、 クロメン化合物とフルギミ ド化合物の併用によりニュートラルなグレー、 ブラゥンに発色し、 なおかつ耐久性に優れた硬化体を製造することがで きる。 このクロメン化合物は、 主に黄系に発色する化合物であって、 青
との組み合わせで中間色を作るには必要であり、 かつフルギミ ド化合物 はォキサジン化合物と同様に主として青系に発色するが、 発色時の可視 光の吸収において、 ォキサジンと比較して、 より幅広い吸収をもっため 深みのあ ^色を作ることができる。 上記のフルギド化合物およびクロメ ン化合物としては、 米国特許第 4 ,882 ,438、 4 ,960 ,678、 5, 130 ,058および 5 ,106.998号明細書等で公知の化合物を 好適に使用できる。
本発明において好適に使用できるフルギド系フォトク口化合物を一般 式で示すと 一般式 (7) で示すことができる。
で示される基は、 それぞれ置換基を有していてもよい二価の芳香族炭化 水素基または二価の不飽和複素環基であり、 R
15はアルキル基、 ァリ一 ル基、 置換基を有していてもよいシクロブ Dピル基または一価の複素環 基であり、 下記式
で示される基は、 ノルボル二リデン基またはァダマンチリデン基であり、
Xは、 酸素原子、 基 >N— R1 、 基 >N— A!— B!— (A2)k—(Β^!— R20、 基〉 N— A;— A4または基〉 N— Aョ:一 R-1である (ここで、 R1
9は水素原子、 アルキル基またはァリール基であり、 R 20はアルキル基、 ナフチル基またはナフチルアルキル基であり、 R = lはハロゲン原子、 シ ァノ基またはニトロ基であり、 A h A 2および A 3は、 同一もしくは異な り、 アル-キレン基、 アルキリデン基、 シクロアルキレン基またはアルキ ルシクロアルカン一ジィル基であり、 A4はナフチル基であり、 およ び B ;は、 同一もしくは異なり、 下記基
0 0 0
II II II 0 II 9 II II 一 0_ -C-, -0C- , -CO- , -0C0- , -CNH- または -NHC— であり、 kおよび 1は、 それぞれ独立して 0または 1を示すが、 kが 0 のときは 1は 0である) 〕
で示される二価の芳香族炭化水素基としては、 例えばベンゼン環 1個ま たはその 2〜3個の縮合環から誘導される二価の基を挙げることができ、 また、 二価の不飽和複素環基としては、 例えば酸素原子、 窒素原子また はィォゥ原子を環構成原子として 1〜 2個含む 5〜 7員環またはこれと ベンゼン環との縮合環から誘導される二価の基を挙げることができる。 二価の芳香族炭化水素基を具体的に例示すると、 ベンゼン環、 ナフタ レン環、 フヱナントレン環、 アントラセン環等から誘導される炭素数 6 〜1 4の基を挙げることができる。 また、 二価の不飽和複素環基を具体 的に例示すると、 フラン環、 ベンゾフラン環、 ピリジン環、 キノリン環、 イソキノ リン環、 ビロール環、 チォフェン環、 チォフェン環、 ベンゾチ ォフェン環等から誘導される炭素数 4〜 9の基を挙げること力、7できる。 該二価の芳香族炭化水素基または不飽和複素環基は置換基を有してもよ く、 これらの置換基としては、 特に制限されないが、 例えば塩素、 臭素、 ヨウ素等のハロゲン原子: メチル基、 ェチル基等の炭素数 1〜 4のアル
キル基: メ トキシ基、 ェトキシ基等の炭素数 1〜 4のアルコキシ基: フ ェ二ル基、 トリル基、 キシリル基等の炭素数 6〜 1 0のァリ一ル基:炭 素数 7〜1 4のアルコキシァリール基 (炭素数 1〜4のアルコキシ基で 置換された炭素数 6〜1 0のァリール基) : ァミノ基:ニトロ基: シァ ノ基等を例示することができる。
上記一般式 (7 ) 中、 R 1 Sで示されるアルキル基、 ァリール基および 複素環基としては、 上記置換基の場合と同じものが例示される炭素数 1 〜 4のアルキル基並びに炭素数 6〜1 0のァリール基、 および酸素原子、 窒素原子またはィォゥ原子を環構成原子として 1〜 2個含む 5〜 7員環 またはこれとベンゼン環との縮合環から誘導される一価の基を挙げるこ とができる。
基 X力窒素原子を含む基である場合の R 1 9で示されるアルキル基、 ァ リール基は R 1 Sと同じものが例示できる。 同じく A A 2および A 3で示 されるアルキレン基はメチレン基、 エチレン基、 プロピレン基、 トリメ チレン基、 テトラメチレン基等の炭素数 1〜4の基であることが好まし く、 アルキリデン基はェチリデン基、 ブロビリデン基、 イソプロビリデ ン基等の炭素数 2〜4の基であることが好ましく、 また、 シクロアルキ レン基はシクロへキシレン基が好ましく、 さらにアルキルシクロアルカ ンージィル基はジメチルシクロへキサン一ジィル基が好ましい。 さらに R 20で示されるアルキル基は上記 R 1 Sと同様であり、 ナフチルアルキル 基はナフチルメチル基、 ナフチルェチル基等の炭素数 1 1 ~ 1 4の基で あることが好ましい。
上記一般式 (7 ) で示されるフルギド系フォ トクロ化合物のなかでも、 フォ トクロミ ツク作用の耐久性等を勘案すると、 R
1 8がアルキル基およ びシクロブ口ビル基であり、 Xが〉 N— Rであり 〔Rは炭素数 1〜4の シァノアルキル基、 炭素数 1〜4の二トロアルキル基または^ "素数 3〜 9のアルコキシカルボニルアルキル基 (炭素数 1〜4のアルコキシ基と 炭素数 1〜4のアルキレン基を含む) 〕 、 下記式
で示され-る基はァダマンチリデン基であり、 下記式
で示される基は炭素数 6〜10のァリール基または炭素数 7〜 14のァ ルコキシァリール基 (炭素数 1〜4のアルコキシ基で置換された炭素数 6〜10のァリール基) で置換されていてもよい複素環基、 特にチオフ ェン環から誘導される基である化合物が好ましい。
本発明において好適に使用されるクロメ ン化合物は、 下記一般式 (8) で示すことができる。
R22
R23
: R24
(8)
、r25
〔但し、 R
22、 R
2S、 R
4および R
25は、 それぞれ同一または異なり、 水素原子、 アルキル基、 ァリール基、 置換アミノ基または飽和複素環基 であり、 R
24および は一緒になって環を形成していてもよく、 下記 式
で示される基は、 それぞれ置換されていてもよい二価の芳香族炭化水素 基または二価の不飽和複素環基である。 〕
上記一般式 (8) 中、 R 、 R23、 R24および R25で示されるアルキ
ル基、 ァリール基は、 前記一般式 (7) で説明したアルキル基およびァ リール基と同じものを採用でき、 置換アミノ基としては、 上記したアル キル基またはァリール基で水素原子の少なく とも 1つが置換されたァミ ノ基を举'げることができ、 また飽和複素環基としては、 ピロリジン環、 イミダゾリジン環、 ビべリジン環、 ビべラジン環、 モルホリン環等の窒 素原子、 酸素原子またはィォゥ原子を環構成原子として 1〜2個含む 5 〜 6員環から誘導される一価の基を挙げることができる。
一般式 (8) 中、 R24および R25が一緒になって形成する環としては、 ノルボル二リデン基、 ビシクロ 〔3.3.1〕 9一ノニリデン基等を挙げ ることができる。
で示される二価の芳香族炭化水素基または二価の不飽和複素環基として は、 前記一般式 (7) における基と同様のものが例示される。 さらにこ れらの基は置換基を有してもよく、 その置換基としては特に制限されな いが、 例えば塩素、 臭素、 ヨウ素等のハロゲン原子: メチル基、 ェチル 基等の炭素数 1〜20のアルキル基: メ トキシ基、 ェトキシ基等の炭素 数 1〜20のアルコキシ基: フエニル基、 トリル基、 キシリル基等の炭 素数 6〜10のァリール基: アミノ基:ニトロ基: シァノ基等を例示す ることができる。
上記クロメン系フォ トクロ化合物のなかで、 特に R
22および R
2Sは共 に水素原子であり、 R
24および R
25は、 それぞれ同一または異なり、 炭 素数 1〜 4のアルキル基であるか、 これらが一緒になって形成されたビ シクロ 〔3.3.1〕 9—ノニリデン基またはノルボル二リデン基であり、 下記式
で示される基は、 炭素数 1〜20のアルキル基または炭素数 1〜20の アルコキシ基で置換されていてもよいナフタレン環から誘導される基で ある化合物が好適に使用できる。
本発明-において好適に使用できるフルギド化合物およびクロメ ン化合 物を具体的に示すと、 次のような化合物を例示することができる。
フルギド化合物:
① N—シァノメチルー 6 , 7—ジヒ ドロー 4ーメチルー 2—フエニルスピ 口 (5 , 6—べンゾ 〔b〕 チォフエンジカルボキシィ ミ ドー 7 , 2—ト リ シクロ 〔3.3.1.1〕 デカン)
② N—シァノメチル一 6 , 7—ジヒ ドロー 2— (p -メ トキシフエ二ル) —4ーメチルスピロ (5 , 6—べンゾ 〔b〕 チォフェンジカルボキシィ ミ ドー 7 , 2—トリシクロ 〔3.3.1.1〕 デカン)
③ N—シァノメチルー 6 , 7—ジヒ ドロー 4ーメチルスピロ ( 5 , 6—べ ンゾ 〔 b〕 チオフェンジカルボキシイミ ドー 7 , 2—トリシクロ 〔 3. 3.1.1〕 デカン)
④ 6 , 7—ジヒ ドロー N—メ トキシカルボニルメチルー 4ーメチルー 2— フエニルスピロ (5, 6—べンゾ 〔b〕 チォフェンジカルボキシイ ミ ド 一 7 , 2—ト リシクロ 〔3.3.1.1〕 デカン)
⑤ 6.7—ジヒ ドロ一 4ーメチルー 2— (p—メチルフエニル) 一 N—二 トロメチルスピロ (5,6—べンゾ 〔b〕 チォフエンジカルボキシィ ミ ドー 7 , 2—トリ シクロ 〔3.3.1.1〕 デカン)
⑥ N—シァノメチルー 6 , 7—ジヒ ドロー 4ーシクロプロビル一 3—メチ ルスピロ ( 5 , 6—べンゾ 〔 b〕 チォフェンジカルボキシィ ミ ドー 7 , 2—トリ シクロ 〔3.3.1.1〕 デカン)
⑦ N—シァノメチルー 6 , 7—ジヒ ドロー 4ーシクロプロピルースピロ ( 5 , 6—べンゾ 〔 b〕 チォフェンジカルボキシイ ミ ドー 7 , 2— トリ シクロ 〔3.3.1.1〕 デカン)
クロメ ン化合物:
①スピロ 〔ノルボルナン一 2 ,2 '— 〔2H〕 ベンゾ 〔h〕 クロメ ン〕
②スビ口 〔ビシクロ 〔3.3.1〕 ノナン一 9 , 2 '— 〔2H〕 ベンゾ 〔h〕 クロメ ン〕
③ 7 '—メ トキシスピロ 〔ビシクロ 〔3.3.1〕 ノナン一 9 , 2 '— 〔2H〕 ベンゾ. ih〕 クロメン〕
④ 7 '—メ トキシスピロ 〔ノルボルナン一 2,2 '— 〔2H〕 ベンゾ 〔f 〕 クロメン〕
⑤ 2, 2—ジメチルー 7—ォク トキシ 〔2 H〕 ベンゾ 〔h〕 クロメン
本発明において、 全単量体 100重量部に対するクロメンまたはフル ギド化合物の配合量は、 通常 0.001〜10重量部の範囲で、 好ましく は 0.01〜1重量部の範囲で用いられ、 この範囲において最も良好なフ オトクロミ ック性能が得られる。
本発明において、 前記多官能性 (メタ) ァクリレートだけでなく、 公 知の他の不飽和単量体を必要に応じて配合して硬化体とすることができ る。 好適に用いられる他の単量体を例示すれば、 (メタ) アクリル酸メ チル、 (メタ) アクリル酸ェチル、 (メタ) アクリル酸ブチル、 イソボ ルニル (メタ) ァクリレート、 (メタ) アクリル酸ベンジル、 (メタ) アクリル酸フエニル、 トリブロモフエニル (メタ) ァクリレート、 2— ヒドロキシェチル (メタ) ァクリレート、 フエノキシェチル (メタ) ァ クリレート、 フエノキシポリエチレングリコール (メタ) ァク.リ レート、 アルコキシポリエチレングリコール (メタ) ァクリレート、 アルコキシ ポリプロピレングリコール (メタ) ァクリレート等の単官能 (メタ) ァ クリ レー ト、 スチレン、 クロロスチレン、 α—メチルスチレン、 α—メ チルスチレンダイマ一、 ピニルナフタレン、 イソブロベニルナフタレン、 プロモスチレン、 ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物等である。 これらの他の単量体は一種または二種以上を本発明の重合組成物中に混 合して使用できる。 その配合量は使用する用途に応じて、 決定—していけ ばよいが、 全単量体 100重量部に対し、 通常 0.5〜80重量部、 得ら れるフォ トクロミ ツク樹脂の耐熱性を考慮すると、 0.5~30重量部の 範囲で使用できる。
本発明で用いられる重合開始剤としては特に限定されず、 公知のもの が使用できるが、 代表的なものを例示すると、 ベンゾィルバーオキサイ ド、 p—クロ口ベンゾィルパーオキサイ ド、 デカノィルバ一オキサイ ド、 ラウロイ.ルパーォキサイ ド、 ァセチルバーォキサイ ド等のジァシルバー オキサイ ド; t一ブチルバーオキシー 2—ェチルへキサネート、 tーブ チルバ一ォキシネオデカネート、 クミルバーオキシネオデカネート、 t ーブチルバ一ォキシベンゾエート等のパーォキシエステル; ジイソプロ ビルバーオキシジカーボネート、 ジー s e c—ブチルバーオキシジカー ボネート等のパーカーボネート ; ァゾビスイソブチロニトリル等のァゾ 化合物等を挙げることができる。
重合開始剤の使用量は、 重合条件や開始剤の種類、 前記単量体の組成 によつで異なり、 一概に限定できないが、 一般的には全単量体 1 0 0重 量部に対して 0 . 0 0 1〜1 0重量部、 好ましくは 0 . 0 1〜5重量部の 範囲が好適である。
本発明の重合性組成物から硬化体を得る重合方法は特に限定的でなく、 公知のラジカル重合方法を採用できる。 重合開始手段は、 種々の過酸化 物ゃァゾ化合物等のラジカル重合開始剤の使用、 または紫外線、 α線、 ^線、 ァ線等の照射あるいは両者の併用によって行うことができる。 代 表的な重合方法を例示すると、 エラストマ一ガスケッ トまたはスぺ一サ —で保持されているモールド間に、 ラジカル重合開始剤を含む本発明の フォ トクロミック組成物を注入し、 加熱炉中で重合させた後、 取り外す 注型重合を採用することができる。
重合条件のうち、 特に温度は、 得られるフォ トクロミ ック硬化体の性 状に影響を与える。 この温度条件は、 開始剤の種類と量や単量体の種類 によって影響を受けるので一概に限定はできないが、 一般的に比較的低 温で重合を開始し、 ゆっく りと温度を上げていき、 重合終了 Bfに高温下 に硬化させる所謂テ一パ型の 2段重合を行うのが好適である。 重合時間 も温度と同様に各種の要因によって異なるので、 予めこれらの条件に応 じた最適の時間を決定するのが好適であるが、 一般に 2〜4 0時間で重
合が完結するように条件を選ぶのが好ましい。
勿論、 前記重合に際し、 離型剤、 紫外線吸収剤、 紫外線安定剤、 酸化 防止剤、 着色防止剤、 帯電防止剤、 蛍光染料、 染料、 顔料、 香料等の各 種安定剤、' 添加剤は必要に応じて選択して使用することができる。
本発明のフォ トクロミ ック組成物には、 上記した紫外線安定剤を混合 して使用することがフォ トクロミ ック化合物の耐久性をさらに向上させ ることができるために好適である。 特に、 フルギド化合物は、 紫外線安 定剤による耐久性向上の効果が大きいために、 前記したようなォキサジ ン化合物、 フルギド化合物とクロメン化合物を混合して使用する場合に、 これらの化合物の中間色の経時的な変化を良好に防止することができる。 紫外線安定剤としては、 ヒンダードアミ ン光安定剤、 ヒンダードフエ ノール光安定剤、 ィォゥ系酸化防止剤、 亜リン酸エステル化合物を好適 に使用することができる力 特に分子中にヒンダ一ドアミ ン構造を有す るヒンダ一ドアミ ン光安定剤が好適である。
上記した紫外線安定剤の使用量は特に制限されるものではないが、 通 常は全単量体 1 0 0重量部に対して 0 . 0 1〜5重量部、 さらに 0 . 0 2 〜1重量部の範囲であることが好適である。
さらにまた、 赤外線吸収剤を混合して使用すると、 フォ トクロミ ック 作用の他にも赤外線吸収能も有するフォトクロミ ック硬化体を得ること ができる。 赤外線吸収剤としてはポリメチン系化合物、 ジィモ二ゥム系 化合物、 シァニン系化合物、 アントラキノ ン系化合物、 アルミニウム系 化合物が使用できるが、 分子吸光係数が大きく、 少量の添加で効果を発 揮するジィモニゥム系化合物が好適である。
赤外線吸収剤の配合量は、 全単量体 1 0 0重量部に対して、 0 . 0 0 0 1〜1重量部、 さらに 0 . 0 0 1〜0 . 0 1重量部であることが好ましい。 上記の方法で得られるフォ トクロミ ック硬化体は、 その用途—に応じて 以下のような処理を施すこともできる。 即ち、 分散染料等の染料を用い る染色、 シランカツブリ ング剤ゃゲイ素、 ジルコニウム、 アンチモン、 アルミニウム、 スズ、 タングステン等のゾルを主成分とするハードコー
ト剤や、 S i 02、 T i 02、 Z r 02等の金属酸化物の薄膜の蒸着や有機 高分子の薄膜の塗布による反射防止処理、 帯電防止処理等の加工および
2次処理を施すことも可能である。
本発明-の製造方法を用いて、 フォ トクロミ ック硬化体を製造すること により、 初期着色が少なく、 初期発色性能およびフォ トク口ミ ック作用 の耐久性に優れたフォトクロミック硬化体を得ることができる。 本発明 により、 フォ トクロミックレンズ用途等に供する熱硬化性樹脂で、 ォキ サジン化合物を含むフォ トクロミ ック硬化体を、 簡便な方法である練り 混み法によって製造することが可能となった。 実施例
以下、-本発明を具体的に説明するために、 実施例を掲げて説明するが、 本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の例で使用した化合物は下記のものである。
[分子中に少なくとも 1個のエポキシ基を有する化合物]
GMA : グリシジルメタクリ レート
G A : グリ シジルァクリ レー ト
MGMA: —メチルグリシジルメタクリ レート
MG A : 9ーメチルグリシジルァクリレート
B PMGMA : ビスフエノール A—モノグリ シジルエーテルメタク リレート
GBMA: 4—グリ シジルォキシプチルメタクリ レー ト
G E H PMA: 3- (グリシジルー 2—ォキシエトキシ) 一 2—ヒ ドロキシブ口ビルメタクリ レート
G I H P A : 3— (グリ シジルォキシ一 1一イソプロビルォキシ)
— 2—ヒ ドロキシブ口ビルァクリレート
EGGE : エチレングリコールグリシジルエーテル
P G G E : プロピレングリコールグリシジルェ一テル
F D G E : テレフタル酸ジグリシジルエステル
HD G E : ハイ ドロキノンジグリシジルエーテル
BGE : ブチルダリ シジルエーテル
HD G E : 1 , 6—へキサンジオールジグリ シジルエーテル
[多官能:性 (メタ) ァクリレート]
3 G : トリエチレングリコ一ルジメタクリ レート (商品名 : NKェ ステル 3 G、 新中村化学工業 (株) 社製)
4 G : テトラエチレングリコールジメタクリ レー 卜 (ポリエチレン グリコールの混合物で、 エチレンォキサイ ド鎖の平均モル数 が 4である単量体) (商品名: NKエステル 4 G、 新中村化 学工業 (株) 社製)
3 P G : トリプロピレングリコ一ルジメタクリレー卜 (商品名 : N
Kエステル 3 PG、 新中村化学工業 (株) 社製)
4 P G : テトラブロビレングリコールジメタクリ レー ト (ポリブロ ビレンダリコールの混合物で、 プロピレンオキサイ ド鎖の 平均モル数が 4である単量体) (商品名 : NKエステル 4
P G、 新中村化学工業 (株) 社製)
B P - 2 E M: 2 , 2 '—ビス ( 4ーメタクリロイルォキシポリエト キシフエニル) ブロパンのメタク リル酸エステル化 合物 (エチレンォキサイ ド鎖の平均モル数が 2.2で ある混合物) (商品名 : ライ トエステル B P— 2 E
M、 共栄社化学 (株) 社製)
BR-MA : 2 , 2 '—ビス [ (3 ,5—ジブ口モー 4—メタク リロイ ルォキシェトキシ) プロパンのメタクリル酸エステル 化合物 (商品名 : ライ トエステル BR— MA、 共栄社 化学 (株) 社製)
TEGDMA : トリエチレングリコールジメタクリ レート (商品名
: TEGDMA. 三菱瓦斯化学 (株) 社製)
3 E G : トリエチレングリコ一ルジメタクリ レー ト (商品名 : ラィ トエステル 3 EG、 共栄社化学 (株) 社製)
P R 0 - 631 : 2 , 2 '—ビス ( 4ーメタクリロイルォキシポリエ トキシフエ二ル) プロパンのメタクリル酸エステ ル化合物 (商品名: PRO— 631、 サートマ一 ' (株) 社製)
[他の単量体]
MM A: メタクリル酸メチル
MS : なーメチルスチレン
MS D : α—メチルスチレンダイマー
Β ζΜΑ : メタクリル酸べンジル
ΗΕΜΑ: 2—ヒ ドロキシェチルメタクリ レート
[精製した多官能性 (メタ) ァクリレート]
Ρ 1— 3 G : トリエチレングリコールジメタクリ レー ト (商品名 :
ΝΚエステル 3 G、 新中村化学工業 (株) 社製) を 1 規定の塩酸水溶液、 10重量%の炭酸ナトリウム水溶 液および精製水で各 2回づっ洗浄したもの。
P 2 - 3 G : トリエチレングリコールジメタクリ レート (商品名: NKエステル 3 G、 新中村化学工業 (株) 社製) 500 gをアルミ ナを充塡したカラムを通じ、 その初めに留出した 20 gのトリエチ レングリコールジメタクリレート。
[スビ口ォキサジン化合物]
S P 1 : 6 '一フルオロー 1 '一メチルー 8 ''—メ トキシー 6 ''—モ ルホリノジスピロ (シクロへキサン一 1 , 3 '— (3H) ィ ンドール一 2 '— (1 'Η) , 3 "- (3 H) ナフ ト (3,2 一 a) (1,4) ォキサジン)
S P 2 : 1 '—メ トキシカルボ二ルメチルー 8 ''—メ トキシー 6 ''—
(4ーメチルビベラジノ) ジスピロ (シクロへキ—サン一 1 , 3 (3 H) インドールー 2 '— (l 'H) ,3"- (3H) ナフ ト (3 , 2— a) (1.4) ォキサジン)
S P 3 : 5 '—フルォロー 1 'ーメチル一 6 ''—ビベリ ジノジスピロ
- 21 -
(シクロへキサン一 1 , 3 '— (3 Η) インドールー 2 '— (1 ^) ,3 ''- (310 ナフ ド (3,2— &) (1 ,4) ォキサジン)
S Ρ.4 : 1 'ーメチルー 8 ''—メ トキシジスピロ (シクロへキサン一
1 ,3 '- (3Η) インドール一 2 '— (1 'Η) , 3 "- (3 H) ナフト (2,3— a) (1 ,4) ォキサジン)
S P 5 : 6 '一フルオロー 1 ' , 7 '—ジメチルー 6 ' '—モルホリノジ スビロ (シクロへキサン一 1 , 3 '— (3 H) イン ド一ルー 2 (1 'Η) , 3 (3H) ナフ 卜 (3 , 2— a) (1 , 4) ォキサジン)
S P 6 : 6 '一フルオロー 1 ', 5 '—ジメチルー 6 ''—モルホリノジ スピロ (シクロへキサン一 1, 3 '— (3 H) インドールー 2 '— (1 'Η) ,3 ' '— (3H) ナフ ト (3 ,2— a) (1 , 4) ォキサジン)
S P 7 : 6 '一フルオロー 1 '―ィソブチル一 6 —モルホリノジス ピロ (シクロへキサン一 1.3 '— ( 3 H) インド一ルー 2 '一 (1 'Η) , 3 (3 H) ナフ ト (3,2— a) (1 ,4) ォキサジン)
S P 8 : 6 '一フルオロー 5 '—メチルー 1 'ーィソブチルー 6 ' '—モ ルホリノジスピロ (シクロへキサン一 1, 3 '— (3 H) ィ ン ドール一 2 '— (1 Ή) , 3 (3 H) ナフ ト (3 ,2 一 a) (1 ,4) ォキサジン)
S P 9 : 6 '—フルオロー 5 '―メチルー 1 '一ネオベンチルー 6 ''— モルホリノ ジスピロ (シクロへキサン一 1.3 '— (3 H) インドール一 2 '— (1 Ή) , 3 ' (3H) ナフト (3 , 2— a) (1.4) ォキサジン)
S P 10 : 1 ' , 3 ' , 3 '― トリメチルー 6 ' '—ピベリ ジノ ジスピロ
( (3H) インド一ルー 2 '— (1 'Η) , 3 (3H) ナフ ト (3 , 2— a) (1 ,4) ォキサジン)
S P 11 : 3 ' , 3 '—ジメチルー 1 'ーィソブチルージスピロ ( (3 H) イン ドールー 2 '— (l 'H) ,3 (3 H) ナフ ト (3 ,2-a) (1 ,4) ォキサジン)
S.P—'l 2 : 1 ', 3'.3 '— トリメチルージスピロ ( ( 3 H) インドー ルー 2'— (1 'Η) , 3 *'- (3 H) ナフ ト (3, 2— a)
(1 ,4) ォキサジン)
[フルギド化合物]
F 1 : N—シァノメチルー 6, 7—ジヒ ドロー 4ーメチルー 2—フエ ニルスピロ (5 , 6—べンゾ 〔b〕 チォフェンジカルボキシィ ミ ドー 7 ,2—トリ シクロ 〔3.3.1.1〕 デカン)
F 2 : N—シァノメチルー 6 ,7—ジヒ ドロー 2— (p—メ トキシフ ェニル) 一 4ーメチルスピロ (5 , 6—べンゾ 〔b〕 チォフエ ンジカルボキシィ ミ ドー 7,2— トリシクロ 〔3.3.1.1〕 デカン)
F 3 : N—シァノメチルー 6.7—ジヒ ドロー 4ーメチルスピロ (5,
6—べンゾ 〔 b〕 チォフェンジカルボキシイ ミ ドー 7 , 2—ト リシクロ 〔3.3.1.1〕 デカン)
[クロメン化合物]
C 1 : スピロ 〔ノルボルナン一 2 , 2 '— 〔2H〕 ベンゾ 〔h〕 クロ メン〕
C 2 : スビ口 〔ビシクロ 〔3.3.1〕 ノナン一 9 , 2 '— 〔2H〕 ベ ンゾ 〔h〕 クロメ ン〕
C 3 : 7'—メ トキシスピロ 〔ビシクロ 〔3.3.1〕 ノナン一 9 , 2
'― 〔2 H〕 ベンゾ 〔h〕 クロメ ン〕
実施例 1
表 1に示した各種のエポキシ化合物と単量体 〔多官能性 (メ—夕) ァク リレート、 他の単量体〕 を室温で 2時間混合攪拌した。 その混合溶液の 中に、 ォキサジン化合物 S Ρ 5 : 6 '—フルオロー 1 ',7 '—ジメチルー 6 ''—モルホリノジスピロ (シクロへキサン一 1 , 3 '— (3Η) インド
一ルー 2 '— (l 'H) , 3, '一 (3 H) ナフ ト (3 , 2— a) ( 1 , 4) ォ キサジン) を 0.04重量部、 ラジカル重合開始剤として tーブチルバ一 ォキシ一 2—ェチルへキサネートを 1重量部添加してよく混合した。 ォ キサジン化合物を溶解した後の混合溶液の色の変化はほとんどなかつた。 この混合液をガラス板とエチレン一酢酸ビニル共重合体からなるガスケ ッ トで構成された铸型の中へ注入し、 注型重合を行った。 重合は空気炉 を用い、 3 0てから 90°Cで 1 8時間かけ、 徐々に温度を上げていき、 90eCに 2時間保持した。 重合終了後、 銬型を空気炉から取り外し、 放 冷後、 硬化体を铸型のガラス型から取り外した。
得られたフォ トクロミ ック硬化体 (厚み 2 mm) のフォ トクロミ ック 特性を次の方法で測定し、 その結果を表 1に示した。
( 1 ) 色濃度
得られた硬化体 (厚み 2mm) に、 浜松ホトニクス製のキセノンラ ンブ L一 2 480 (30 OW) S H L— 1 00をエア口マスフィルター (コ一二ング社製) を介して 20。C± 1。C、 硬化体表面でのビーム強度 36 5 n m = 2.4 mW/c m2 245 n m= 24 zWZcm2で 30秒 間照射または 1 20秒照射して発色させた。 ε (30または 1 20) — ε (0) を求め、 発色濃度とした。 但し、 ε (30または 1 20) は、 上記条件にて光を 30秒または 1 20秒照射し、 発色させた時のフォ 卜 クロミ ック化合物の最大吸収波長における吸光度であり、 ε (0) は、 光を照射する前の発色時と同じ波長での吸光度である。 疲労寿命試験を 行う前の初期発色濃度および発色色調を T c.で示した。
(2) 初期着色
上記条件で測定した £ (0) を示した。 尚可視光の青色領域では、 通 常吸光度が 0.1を越えると目視で着色しているのがはつきりと認識でき 。
(3) 耐久性
スガ試験機 (株) 製キセノンフヱ一ドメ一ター FA— 25 ΑΧ— HC により疲労寿命を測定した。 疲労寿命は、 重合体をキセノ ンフユ一ドメ
一ターに 2 0 0時間照射した後、 上記 (1 ) 記載の方法にて硬化体を発 色させ、 その時のフオトクロミツク化合物の発色に基づく最大吸収波長 における吸光度を、 フエ一ドメーター照射前の発色での吸光度に対する 割合で表'した。 表 1中では T20C.項の A200ZA0 {%) がこれに相当する <
実施例 1において、 表 1中、 N 0 . 4に示す単量体およびエポキシ化合 物を用い、 ォキサジン化合物を表 2に示したォキサジン化合物に変えた 以外は実 例 1とまったく同様に実施した。 結果を表 2に示した。 表 2
*発色 «Sはキセノンランプ 3 0秒照射の時の値を示した。
実施例 3
実施例 1において、 表 1中、 N 0 . 4に示す単量体およびエポキシ化合 物を用い、 フォ トクロミ ック化合物を表 3に示したォキサジン化合物、 フルギミ ド化合物およびクロメン化合物に変えた以外は実施例 1とまつ たく同様に実施した。 結果を表 3に示した。
表 3
No ス t' am: ン フ M' ? Λ+' ク Πメン ク Βン To 200 初期港色 化合物 添加黡 化合物 添加量 化合物 添加鳳
(重扈部) (重扈部) ( 扈部) 発色濃度 発色色調 A200/A。 (%) e (0)
1 SP5 0. 03 F2 0. 1 C2 0. 04 0. 83 グレー 75. 2 0.03
2 SP6 0. 03 F2 0. 1 CZ 0. 02 0. 80 グレー 70. 5 0.03
3 SP8 0. 05 F1 0. 03 C1 0. 04 0. 70 ブラウン 77. 5 0.1
4 SP9 0. 03 F3 0. 05 C3 0. 05 0. 77 ブラウン 73. 5 0.11
*発色 »度はキセノンランプ 1 20秒照射の時の値を示した《
実施例 4
実施例 1において、 表 1中、 N 0 . 5に示す単量体およびエポキシ化合 物を用い、 フォ トクロミ ック化合物を表 4に示したォキサジン化合物、 フルギミ ド化合物およびクロメン化合物に変えた以外は実施例 1とまつ たく同様に実施した。 結果を表 4に示した。
表 4
色濃度はキセノンランプ 1 2 0秒照射の時の値を示した β
実施例 5
実施例 1において、 表 1中、 N 0 . 6に示す単量体およびエポキシ化合 物を用い、 フォ トクロミ ック化合物を表 5に示したォキサジン化合物、 フルギミ ド化合物およびクロメン化合物に変えた以外は実施例 1とまつ たく同様に実施した。 結果を表 5に示した。
表 5
CO CD
*発色 はキセノンランプ 1 2 0秒照射の時の健を示した。
比較例 1
実施例 1において、 エポキシ化合物を使用しなかったこと以外は表 6 に示したォキサジン化合物 0 . 0 4重量部を用いて実施例 1と全く同様に 実施した。 表 6中に例示した N o 1〜 7の組成物は、 ォキサジン化合物 と多官能性 (メタ) ァクリレートを混合溶解すると、 どれも著しく着色 した。 結果を表 6に示した。
表 6
N o it am: ン xt' am:/ '/ ラジカル霣合性単量体(重縁部) To 初期着色 化合物 添加囊
(重量部) 多官能性 (メタ) 他の単重体 発色澹度 発色色 is e (0) 初期 ft色 ァクリレート 色 la
1 SP5 0. 04 3G:100 IBS定不能 発色なし 0.85 赤紫色
2 SP5 0. 04 4G:100 測定不能 発色なし 0.90 i S色
3 SP5 0. 04 3PG:70 ΜΗΑ:30 測定不能 発色なし 1.0 紫色
4 SP9 0. 04 36:100 測定不能 発色なし 1.0 紫色
5 SP5 0. 04 3G:50,TEGDMA:50 測定不能 発色なし 0.90 赤紫色
6 SP5 0. 04 TEGDHA:50,3EG:50 測定不能 発色なし 0.95 赤 色
7 SP5 0. 04 BP-ZEM:50.PRO-63l:50 測定不能 発色なし 0.83 赤紫色
8 SP5 0. 04 NHA OO 0. 6 紫色 0.03 なし
9 SP5 0. 04 ΒζΜΛ ΟΟ 0. 6 紫色 0.04 なし
*発色 ¾度はキセノンランプ 30秒照射の時の链を示した,
比較例 2
実施例 1において、 精製した多官能性 (メタ) ァクリ レートを用い、 分子中に少なく とも 1個のエポキシ基を有する化合物を使用しなかった こと以外'は表 7に示したォキサジン化合物 0 . 0 4重量部を用いて実施例 1と全く同様に実施した。 表 7中に例示した N o 1の組成物は、 ォキサ ジン化合物と精製した多官能性 (メ夕) ァクリレートを混合溶解しても 着色はないが、 硬化物は着色した。 結果を表 7に示した。 港初期色官能製多精した/'m'ピ Mキサヒンス aンスン-- (加)トタリ添化合物メクレ量ァー
初痏濃度色発色期色色 »発重 (部)重量 (部)量 $1
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