明 細 書
胃内滞留製剤、 膨化成形体及び製法 ίχ, wr 分. 野
本発明は、 胃内滞留製剤に関するものである。 詳しく は本発明は, 多軸型ェクス トルーダーを用いて製造し得る膨化成形体、 及びこれ を含有する胃内滞留製剤に関するものである。
胃内滞留製剤は、 胃内で胃液又は胃内容物の上部に浮遊し薬物を 徐々に放出することができる効果を有する製剤である。
ここで 「膨化成形体」 とは、 熱や圧力、 化学変化等によって膨張 し、 内部に空隙を有するに到らしめた物体をいう。
背 景 技 術
胃内滞留製剤は、 徐放性製剤の一つであるこ とから、 徐放性製剤 が一般にもつ服用回数の減少、 有効濃度の持铙、 副作用の軽減等と いった利点を有する。 これに加え胃内滞留製剤は、 胃内排出速度の 影響を受け難く、 吸収部位で薬物を十分に放出させることができる < 従って、 胃内滞留製剤は、 医療上極めて有用な製剤であり、 特に胃 内又は小腸上部での直接作用を期待する薬物等に対して有用な製剤 であるということができる。
胃内滞留製剤としては、 これまで親水コロイ ドを利用したもの ( 特開昭 58-57315号公報) 、 中空に成型し外層に活性物質をコーティ ングしたもの (特開昭 55-12411号公報) 、 発泡性微小カプセルを用 いたもの (特開昭 52-76418号公報) 、 水溶性高分子と油脂との混合 物から全体の比重を 1 以下にしたもの (特開昭 61 -43108号公報、 PC
T W091 /06281 ) 、 発砲ェチルセルロースから構成されるもの (特開 昭 62- 145014 号公報) 等が知られている。 これらの中には優れた胃 内滞留製剤もあるが、 構造が複雑で胃内における蟪動運動により破 壊され浮遊性を十分に確保することができないものが多い。
一方、 多軸型ェクス トルーダーは、 1軸型ェクス トルーダーとは 性能、 用途等を全く異にするスク リ ユー式混練押出機の一つである, 多軸型ェクス トルーダーは、 1軸型ェクス トルーダーのような単純 な混練押出機ではなく、 複数のスク リ ユーが互いに絡み合い干渉し あって物理的に高いエネルギーを発生させることができるネジ型ボ ンブに似た機構を有するので、 1軸型ェクス トルーダーでは得られ ない処理を原料に施すことができる。 多軸型ェクス トルーダ一は、 主に食品分野やブラスチック分野で発達し、 食品 (穀類、 タンパク, 畜肉、 魚肉等) の加工やブラスチッ クの射出成形等に広く利用され ている。
医薬品分野でェクストルーダーを利用した技術としては、 PCT W0 92/18106、 PCT W093/01472. 特開平 5-1 94197号公報等に開示がある c これらは胃内滞留製剤に関するものではなく、 胃内滞留製剤とは構 造、 効果等を異にする製剤形態に関するものである。
食品分野においては、 多軸型ェクス トルーダーを用いて食品原料 (例えば、 澱粉質原料) を処理することにより膨化成形体を得る技 術が知られている (特開平 5-284926号公報、 特開平 5- 1 92083号公報、 特開平 5- 23125 号公報、 特開平 4-51849 号公報、 特開平 1 -252267号 公報、 特開昭 61 -9253 号公報など) 。 しかし、 いずれの技術も食品 分野特有の課題 (食感改善、 見栄え改良など) を解決するものであ
り、 技術分野を異にするものである。
その他、 スク リ ュー式押出機を用いて乳酸系ポリマー (例えば、 ポリ乳酸) を主体とした高分子網状体といわれる膨化成形体を得る 技術が知られている (特開平 5- 177734号公報) 。 しかし、 この膨化 成形体は、 油、 体液等の吸収材やろ過材等の素材としての利用を目 的とするものである。 また、 これら膨化成形体は、 水に馴染みやす いため、 胃内滞留製剤に応用することができるようなものではない, 発 明 の 開 示
本発明の主な目的は、 従来の胃内滞留製剤とは全く異なる形態の 胃内滞留製剤を提供することにある。
本発明者らは、 医薬品分野における多軸型エタス トルーダー (以 下、 単に 「ェクス トルーダー」 という) の利用を種々検討する中で, 上記目的を達成しうる胃内滞留製剤を見出し、 本発明を完成した。 本発明に係る胃内滞留製剤 (以下、 「本発明製剤」 という) は、 本発明に係る膨化成形体 (以下、 「本発明膨化体」 という) を含有 するものである。 好ま しい本発明製剤は、 見掛け密度が 1未満のも のである。
本発明膨化体は、 見掛け密度が 1未満であって、 耐酸性高分子化 合物を主体として含有し、 その他少なく とも膨化補助剤及び薬物を 含有する断面が網状の膨化成形体である。 断面が網状であることか ら本発明膨化体は、 内部に多数の微細な空隙を連続又は不連続に保 有する。
ェクス トルーダーを用いて胃内滞留製剤を製造したのは本発明者 らが初めてである。
まず、 本発明膨化体について詳述する。
本発明膨化体は、 耐酸性高分子化合物を主体とするものであるこ とから、 中性水及び酸性水に実質的に不溶であり、 胃内での耐酸性 能を有する。 ここで 「主体」 とは、 全構成成分中、 最も含有量の多 い構成成分であることをいう。
耐酸性高分子化合物としては、 通常医薬品の製剤化で使用される pH依存性及び pH非依存性の皮膜剤を挙げることができる。 具体的に は、 ヒ ドロキシブ口ピルメチルセルロースァセテ一トサクシネー ト (Aqoat-L, M, H、 登録商標) 、 ヒ ドロキシブ口 ピルメチルセルロース フタ レー ト (HP - 50. 55. 55S) 、 メ タアク リ ル酸コポリマー L. S
C Eudragi t-L30D55, L100. L100-55. S100 、 登録商標) 、 カルボキシ メチルェチルセルロース (CMEC、 登録商標) 、 酢酸フタル酸セル口 ース (CAP 、 登録商標) 、 ェチルセルロース、 ア ミ ノアルキルメタ ァク リ レー トコボリマー RS ( Eudragi t-RS. RN100L. RN100. RSP L.
RSPM、 登録商標) などを挙げることができる。
上記耐酸性高分子化合物は、 単独でも二種以上であつてもよい。 二種以上であっても十分に本発明の目的を達成することができる。 耐酸性高分子化合物の構成比率は、 選択する耐酸性高分子化合物, 膨化補助剤、 薬物、 目的とする本発明膨化体又は本発明製剤等によ つて異なるが、 25〜94% (w/w)が適当であり、 40〜80% ( w/w)が好 ましく、 50〜70% ( w/w)が更に好ましい。 25% ( w/w)より少ないも のは、 十分に耐酸性能及び強度を有しない場合がある。
膨化補助剤は、 膨化成形体の内部に多数の微細均一な空隙を与え るための添加剤である。 この膨化補助剤は、 後述するェクス トルー
ダ一で膨化成形体を製造する際に沸石作用に似た効果を原料に与え るものと考えられる。 この膨化補助剤がなければェクス トルーダー により本発明膨化体を得ることが困難である。 従って、 膨化補助剤 は、 本発明にとって極めて重要な構成要素である。
膨化補助剤としては、 乾燥水酸化アルミニウムゲル、 合成ケィ酸 アルミニウム、 リ ン酸水素カルシウム、 炭酸カルシウム、 沈降炭酸 カルシウム、 炭酸水素ナト リウム、 炭酸水素カルシウム、 タルクな どを挙げることができる。
上記膨化補助剤は、 単独でも二種以上であってもよい。 二種以上 であつても十分に本発明の目的を達成することができる。
膨化補助剤の構成比率は、 選択する耐酸性高分子化合物、 膨化補 助剤、 薬物、 目的とする本発明膨化体又は本発明製剤等によって異 なるが、 5〜40 % ( w/w)が適当であり、 10〜30 % ( w/w)が好ま しく, 15〜20 % ( w/w)が更に好ましい。 5 % ( w/w)より少ないものは、 十 分に微細均一な空隙を有しない場合がある。 40 ( w/w) %より多いも のは、 本発明膨化体の形態を有しうる場合があるが、 十分に耐酸性 能及び強度を有しない場合がある。
本発明に係る薬物は、 特に制限されないが、 熱に安定なものが好 ま しい。 具体的には以下の薬物を挙げることができる。
1 . 解熱 · 鎮痛 · 消炎剤
イン ドメタシン、 アスピリ ン、 ジクロフエナッ クナ ト リ ウム、 ケ トプロフヱ ン、 イブプロフェン、 メ フヱナム酸、 デキサメ タゾン、 デキサメタゾン硫酸ナ ト リウム、 ハイ ド口コーチゾン、 ブレ ドニゾ ロ ン、 ァズレン、 フエナセチン、 イ ソブロ ピルアンチピリ ン、 ァセ
トァ ミ ノ フェン、 塩酸べンジタ ミ ン、 フエニルブタブン、 フルフエ ナム酸、 サリチル酸ナ ト リ ウム、 サリチル酸コ リ ン、 サザピリ ン、 クロフェゾン、 エ ト ドラ ッ ク。
2 . 抗渙瘍剤
スルピリ ド、 塩酸セ トラキサー ト、 ゲファルナー ト、 マレイ ン酸 ィルソグラジン、 シメチジン、 塩酸ラニチジン、 ファモチジン、 二 ザチジン、 塩酸口キサチジンアセテー ト。
3 . 冠血管拡張剤
二フエジピン、 塩酸ジルチアゼム、 トラ ビジル、 ジビリ ダモール, 塩酸ジラゼブ、 メチル 2 , 6—ジメチルー 4 一 ( 2 —二 トロフエ ニル) 一 5 — ( 2—ォキソ一 1 , 3 , 2—ジォキサホスホリナン一 2—ィル) 一 1 , 4 ージヒ ドロ ピリ ジン一 3—カルボキシレー ト、 ベラノ、'ミ ル、 二カルジピン、 塩酸二カルジピン、 塩酸べラパミ ル。
4 . 末梢血管拡張剤
酒石酸ィフヱ ンブロジル、 マレイ ン酸シネパシ ド、 シクラ ンデレ ー ト、 シンナリ ジン、 ペン トキクフィ リ ン。
5 . 抗生物質
アンピシリ ン、 ァモキシリ ン、 セファ レキシン、 ェチルコハク酸 エリスロマイシン、 塩酸バカンピシリ ン、 塩酸ミ ノサイ ク リ ン、 ク 口ラムフエ二コール、 テ トラサイ ク リ ン、 エリスロマイシン。
6 . 合成抗菌剤
ナリ ジクス酸、 ピロ ミ ド酸、 ピぺミ ド酸三水和物、 エノキサシン、 シノキサシン、 オフロキサシン、 ノルフロキサシン、 塩酸シプロフ ロキサシン、 スルファ メ トキサゾール · ト リ メ トプリム、 6 —フル
オロー 1 ーメチルー 7 — [ 4 一 ( 5—メチルー 2—ォキソ一 1 , 3 一ジォキソ レン一 4一ィル) メチルー 1 ー ピペラジニル] 一 4 ーォ キソー 4 H [ 1 , 3 ] チアゼト [ 3 , 2 — a ] キノ リ ン一 3—カル ボン酸。
7 . 鎮けい剤
臭化プロパンテリ ン、 硫酸ア トロビン、 臭化ォキサビゥム、 臭化 チメ ビジゥム、 臭化プチルスコポラ ミ ン、 塩化トロスピウム、 臭化 ブ ト口 ピウム、 N—メチルスコポラ ミ ンメチル硫酸、 臭化メチルォ クタ 卜口 ピン。
8 . 鎮咳、 抗喘息剤
テオフィ リ ン、 ア ミ ノ フィ リ ン、 塩酸メチルエフェ ドリ ン、 塩酸 プロ力テロール、 塩酸 ト リ メ トキノール、 リ ン酸コディ ン、 クロモ グリ ク酸ナ ト リ ウム、 トラニラス ト、 臭化水素酸デキス トロメ トル ファ ン、 リ ン酸ジメモルフア ン、 塩酸クロブチノ ール、 塩酸ホ ミ ノ ベン、 リ ン酸べンブロペリ ン、 ヒベンズ酸チぺピジン、 塩酸エブラ ジノ ン、 塩酸ク口フヱダノール、 塩酸エフエ ドリ ン、 ノス力 ピン、 クェン酸カルベタペンテン、 タ ンニン酸ォキセラジン、 クェン酸ィ ソァ ミニル。
9 . 気管支拡張剤
ジブロフィ リ ン、 硫酸サルブ夕モール、 塩酸クロルブレナリ ン、 フマル酸フ ォルモテロール、 硫酸オルシブレナリ ン、 塩酸ピルブテ ロール、 硫酸へキソブレナリ ン、 メシル酸ビ トルテロール、 塩酸ク レンブテロール、 硫酸テルブ夕 リ ン、 塩酸マブテロール、 臭化水素 酸フエノテロール、 塩酸メ トキシフエナミ ン。
1 0 . 利尿剤
フロセ ミ ド、 ァセタゾラ ミ ド、 ト リ クロルメチアジ ド、 メチクロ チアジ ド、 ヒ ドロクロ口チアジ ド、 ヒ ドロフルメチアジ ド、 ェチア ジ ド、 シクロペンチアジ ド、 スピロノ ラ ク ト ン、 ト リアムテレン、 フロロチアジ ド、 ピレタニ ド、 メ フルシ ド、 エタク リ ン酸、 ァゾセ ミ ド、 クロフエナミ ド。
1 1 . 筋弛緩剤
力ルバミ ン酸クロルフ ネシン、 塩酸トルぺリ ゾン、 塩酸エペリ ゾン、 塩酸チザニジン、 メフエネシン、 クロルゾキサゾン、 フェ ン ブロ ノくメー ト、 メ トカルバモール、 クロルメザノ ン、 メ シル酸ブリ ジノール、 アフロクァロン、 ノくクロフェン、 ダン トロ レンナ ト リ ウ ム。
1 2 . 脳代謝改善剤
塩酸メ クロフヱノキセー ト。
1 3 . マイナー トランキライザー
ォキサゾラム、 ジァゼパ厶、 クロチアゼパ厶、 メダゼパム、 テマ ゼバム、 フルジァゼバム、 メブロバメー ト、 ニ トラゼパム、 クロル ジァゼボキシ ド。
1 4 . メ ジャー トランキライザー
スルピリ ド、 塩酸クロカブラ ミ ン、 ゾテピン、 クロルプロマジン、 ノヽ ロペリ ドール。
1 5 . 3—ブロ ッカー
ピン ドロール、 塩酸プロブラノ ロール、 塩酸カルテオロール、 酒 石酸メ トプ口.ロール、 塩酸ラベ夕ロール、 塩酸ァセブ トロール、 塩
酸ブフ ヱ トロール、 塩酸アルブレノ ロール、 塩酸ァ口チノ ロール、 塩酸オクスブレノ ロール、 ナ ドロール、 塩酸ブクモロール、 塩酸ィ ンデノ ロール、 マレイ ン酸チモロール、 塩酸べフノ ロール、 塩酸ブ ブラノ ロール。
1 6 . 抗不整脈剤
塩酸プロ力イ ンア ミ ド、 ジソ ビラ ミ ド、 アジマリ ン、 硫酸キニジ ン、 塩酸アブリ ンジン、 塩酸プロパフヱノ ン、 塩酸メキシレチン。
1 7 . 痛風治療剤
ァロブリ ノール、 プロベネシ ド、 コルヒチン、 スルフィ ンピラゾ ン、 ベンズブロマロ ン、 プコローム。
1 8 . 血液凝固阻止剤
塩酸チクロ ピジン、 ジクマロール、 ヮルフア リ ンカ リ ウム。
1 9 . 抗てんかん剤
フエニ トイ ン、 バルブ口酸ナ ト リ ウム、 メタルビタール、 力ルバ マゼピン。
2 0 . 抗ヒスタ ミ ン剤
マレイ ン酸クロルフエ二ラ ミ ン、 フマール酸ク レマスチン、 メキ 夕ジン、 酒石酸ァ リ メマジン、 塩酸ザィ クロへブタジン。
2 1 . 鎮吐剤
塩酸ジフエ二 ドール、 メ ト クロブラ ミ ド、 ドンペリ ドン、 メ シル 酸べ夕 ヒスチン、 マレイ ン酸 ト リ メブチン。
2 2 . 降圧剤
塩酸レセルピン酸ジメチルア ミ ノエチル、 レシナ ミ ン、 メチル ド パ、 塩酸ブラゾシン、 塩酸ブナゾシン、 塩酸クロ二ジン、 ブ ドララ
ジン、 ゥラ ピジル。
2 3. 交感神経興奮剤
メ シル酸ジヒ ドロエルゴタ ン、 塩酸イ ソプロテレノ ール、 塩酸 ェチレフ リ ン。
2 4. 去たん剤
塩酸ブロムへキシン、 カルボシスティ ン、 塩酸ェチルシスティ ン 塩酸メチルシスティ ン。
2 5. 経口糖尿病治療剤
グリベングラ ミ ド、 トルプ夕 ミ ド グリ ミ ジンナ ト リ ウム
2 6 · 循環器用剤
ュビデ力 レノ ン、 AT P— 2 N a
2 7. 鉄剤
硫酸第一鉄、 乾燥硫酸鉄。
2 8. ビタ ミ ン剤
ビタ ミ ン B i 、 ビタ ミ ン B 2 、 夕 ミ ン B ビタ ミ ン B 1 2- ビ 夕 ミ ン C、 葉酸。
2 9. 頻尿治療剤
塩酸フラボキサー ト、 塩酸ォキシプチニン、 塩酸テロ リ ジン、 4 ージェチルア ミ ノ ー 1 , 1一ジメチルー 2—ブチニル (土) 一 α— シクロへキシルー 一フエニルグリ コ レー トノヽィ ドロクロライ ド モノハイ ドレイ ト。
3 0. アンジォテンシン変換酵素阻害剤
マレイ ン酸ェナラプリル、 ァラセブリル、 塩酸デラブリ ル。
薬物の構成比率は、 選択する耐酸性高分子化合物、 膨化補助剤、
薬物、 目的とする本発明膨化体又は本発明製剤等によって異なるが.
0. 01〜45% ( w/w)が適当であり、 1〜20% ( w/w)が好ま しく、 5〜 15% ( w/w)が更に好ましい。 0. 01 % ( w/w)より少ないものも薬物に よっては本発明膨化体の形態を有しうる場合があるが、 45% ( w/w) より多いものは、 十分に耐酸性能及び強度を有しない場合がある。 その他、 必要に応じて薬物放出調節剤、 可塑剤、 流動化剤等を適 宜配合することができる。
薬物放出調節剤としては、 酸若しくは水で溶解又は膨潤する物質 等を挙げることができ、 具体的には、 ヒ ドロキシブ口ピルセルロー ス、 ヒ ドロキシブ口ピルメチルセルロース、 メチルセルロース、 ボ リ ビニルァセタールジェチルァミ ノアセテー ト、 ボリ ビニルピロ リ ドン、 ポリ ビニルアルコール、 小麦粉、 コーンスターチ、 マンニッ ト、 乳糖、 微結晶セルロース、 低置換度ヒ ドロキシプロピルセル口 ースなどを挙げることができる。
上記薬物放出調節剤は、 単独でも二種以上であってもよい。 二種 以上であっても十分に本発明の目的を達成することができる。
薬物放出調節剤は、 構成比率の 45% (w/w) 程度までを配合するこ とができる。 45% (w/w) を超えるものは、 十分に耐酸性能及び強度 を有しない場合がある。 ここで薬物放出調節剤とは、 製剤からの薬 物放出速度をコ ン トロールする物質をいう。
可塑剤、 流動化剤は、 通常医薬品の製剤化で使用されるものであ れば特に制限はなく、 具体的には、 ボリエチレングリ コール、 プロ ピレングリ コール、 グリセリ ン、 高級脂肪酸 (ラウリ ン酸、 ト リデ 力酸、 ミ リスチン酸、 ペン夕デカン酸、 パルミチン酸、 マーガリ ン
酸、 ステア リ ン酸、 ノナデカ ン酸、 ァラキン酸、 ベヘン酸、 リ グノ セリ ン酸、 セロチン酸、 モンタン酸など) 、 高級脂肪酸エステル誘 導体 (先に掲げた高級脂肪酸のグリセリ ン、 ェチレングリ コール、 プロ ピレングリ コール、 ソルビトール、 ボリエチレングリ コール等 のエステル。 動物、 植物から得られる飽和脂肪酸のグリセライ ド、 およびその混合物、 及びこれら動植物由来のグリセライ ドの硬化油 脂。 ォレイ ン酸、 リノール酸、 リ ノ レン酸、 リ シノール酸等の不飽 和脂肪酸のグリセライ ド及びその混合物など) 、 高极アルコール ( ペンタデカノール、 へキサデカノ一ル、 セチルアルコール、 ヘプ夕 デカノール、 ステアリルアルコール、 ノナデ力ノール、 エイコサノ ール、 羊毛アルコール、 コレステロールなど) 、 高級アルコールェ ステル誘導体 (コレステリールパルミ テー ト、 植物ステロールのパ ルミテー トなど) 等を挙げることができる。
上記可塑剤、 流動化剤は、 単独でも二種以上であってもよい。 二 種以上であっても本発明の目的を十分に達成することができる。
可塑剤、 流動化剤は、 構成比率の 10 % (w/w) 程度までを配合する ことができる。 10 % (w/w) を超えるものは、 膨化不良なものとなる 場合がある。
可塑剤、 流動化剤によって、 バレル内で生ずる摩擦抵抗を軽減し. ェクス トルーダーによる処理を円滑に行うことができる。
次に、 本発明膨化体の製法について詳述する。
本発明膨化体は、 耐酸性高分子化合物、 膨化補助剤、 薬物及び水 を必須成分としてェクス トルーダーにより一括処理することによつ て製造することができる。
ここで 「一括処理」 とは、 全構成成分と水とを実質同時に剪断、 混合、 練合、 圧縮、 押出し処理等のェクス トルーダーが有する処理 を行うことをいう。
—般にェクス トルーダーは、 バレルと呼ばれる筒、 出口に相当す るダイ、 及びスク リ ューから主に構成されている。 バレルは通常複 数あり、 その中をスク リ ユーが貫通している。 スク リ ューには、 台 形スク リ ュー、 台形カッ トスク リ ュー、 台形リバースカッ ト、 ボー ルスク リ ュー、 ニーデイ ングパドル等の夕イブがあり、 その組合せ は任意に行うことができる。 ェクス トルーダーに送られた原料は、 スク リ ューによりバレル内を移動し、 ノくレル内でスク リ ューにより 剪断、 混合等の処理がなされ、 ダイの細孔から押し出される。 通常、 各バレル及びダイは独立して温度調節ができるようになつている。
本発明においては、 食品分野やブラスチッ ク分野等で一股に使用 されている高水分及び高油分原料の搬送機能、 混合 · 圧縮 · 粉砕 ' 加熱機能といった基本特性を備えたェクス トルーダーであればその まま使用することができる。 2本以上のスク リ ューを有するェクス トルーダーであれば、 いずれのェクストルーダーも本発明において 使用することができる。 なお、 2本のスク リ ューを有する 2軸型ェ クス トルーダーを用いれば十分に本発明膨化体を得ることができる。 ェクス トルーダーでの一括処理は、 ェクス トルーダーの全バレル 及びダイ内で必ずしも行われなければならないものではない。 ある バレル内以降において一括処理されれば、 本発明膨化体を得ること ができる。
ェクス トルーダーで一括処理する方法として、 ①全構成成分 (耐
酸性高分子化合物、 膨化補助剤、 薬物、 その他の構成成分) と水と を予め混練し、 これをェクス トルーダーの主供耠孔から供給して一 括処理する方法、 ②全構成成分を予め混合し、 これをェクス トルー ダ一の主供給孔から供耠し、 水を補助供耠孔から供給して一括処理 する方法、 ③構成成分中 「いくつかの構成成分」 を予め混合し、 こ れをェクス トルーダーの主供給孔から供給し、 「残りの構成成分」 及び水を補助供給孔から供辁して一括処理する方法、 ④構成成分中 Γ—つの構成成分 j をェクス トルーダーの主供給孔から供給し、 Γ 残りの構成成分」 を補助供給孔から供給して一括処理する方法など を挙げることができる。 これらの方法の中で、 ②③が好ましい。
ここで 「主供給孔 j とは、 バレル内へ原料を供給することができ る最も基本的な供耠孔をいい、 「補助供給孔 j とは、 水や添加剤等 を補助的にバレル内に供給しうる主供給孔以外の供給孔をいう。 上記①において、 必要に応じ、 任意の構成成分及び Z又は水を更 に補助供耠孔から供耠することができる。
上記②において、 必要に応じ、 任意の構成成分を更に補助供給孔 から供給することができる。
上記③において、 例えば、 耐酸性高分子化合物及び薬物を 「いく つかの構成成分」 とし、 膨化補助剤及びその他の構成成分を 「残り の構成成分」 とすることができる。 耐酸性高分子化合物を 「いくつ かの構成成分 J の中に含めることが好ましい。 「残りの構成成分 J は、 混合物として一つの補助供給孔から供給することもできるし、 個々の構成成分を又は任意の構成成分の混合物を複数の補助供給孔 から供給することもできる。 いずれも本発明膨化体を得ることがで
きる。 なお、 主供給孔から供給される 「いくつかの構成成分」 のう ちの一つ以上を Γ残りの構成成分 J の中に含めて補助供給孔から供 給することもできる。
上記④において、 「一つの構成成分」 は耐酸性高分子化合物とす るこ とが好ましい。 「残りの構成成分」 は、 混合物として一つの補 助供給孔から供給することもできるし、 個々の構成成分を又は任意 の構成成分の混合物を複数の補助供給孔から供給することもできる c いずれも本発明膨化体を得ることができる。 なお、 主供給孔から供 給される Γ一つの構成成分」 を 「残りの構成成分 J の中に含めて補 助供給孔から供給することもできる。
各構成成分と水、 又は各構成成分を予め混合又は練合するには、 ニーダー ミキサー、 V型混合機、 二重円錐型混合機、 立方体型混合 機、 リボン型混合機などの機械や手動によって行うことができる。
バレル内への各構成成分及び水の供給は、 手動により、 又は使用 するェクス トルーダーに一般に装備されている原料供給機によって 行う ことができるが、 一定速度で原料を供給しうる装置であれば特 に制限なく行うことができる。 かかる装置として、 例えば、 スク リ ユーフィーダ一、 テーブルフィーダ一、 ベル トコンベア式定量供給 機、 電磁フィーダ一などを挙げるこ とができる。
各構成成分のェクス トルーダーへの仕込み量は、 前述の各構成比 率の範囲内で適宜設定することができる。
水の使用量は、 構成成分、 ェクス トルーダーの機種や種類、 処理 条件、 目的とする本発明膨化体等によって異なるが、 全構成成分に 対して 5〜20% (w/w) の範囲で加えることができる。 5 % (w/w) よ
り少ないと、 膨化不良を起こ したり、 またバレル内での摩擦抵抗が 大き く なることによって過剰負荷がかかり、 排出されないおそれが ある。 20 % (w/w) を超えると、 膨化不良を起こすおそれがある。
ここでいう水には、 単なる水のほか、 生理食塩水等の等張化水、 中性若しく は酸性若しく は塩基性緩衝液、 又はアンモニア水なども 含まれる。
ェクス トルーダーの処理条件について説明する。
ェクス トルーダーのバレル及びダイの温度は、 構成成分、 ェクス トルーダーの機種や種類、 目的とする本発明膨化体等によって適宜 設定することができる。 具体的には、 70〜150 で、 好ましく は 100 〜120 でに設定することができる。 150 でより高い温度に設定して も本発明膨化体を得ることができるが、 あまり高い温度に設定する と薬物等が分解するおそれがある。 70eCより低い温度では、 本発明 膨化体が得られないおそれがある。
スク リ ューの回耘数 (処理速度) は、 ェクス トルーダーの機種や 種類、 構成成分、 スク リ ューの形状等によって適宜設定することが でき、 使用するェクス トルーダーの許容範囲内で設定することがで きる。 バレルの全長が長いェクス トルーダーほど回転数を上げるこ とができる。 バレルの全長が長いほど処理能力が高いからである。 具体的には 50rpm 以上が適当であり、 50〜300rpmが好ましい。
吐出圧力は、 10〜150kg/cm2 が適当であり、 30〜120kg/cm 2 が好 ましい。
使用しうるスク リ ユーの形伏及び組合せは、 特に制限なく選択す ることができる。 なお、 混練作用及び剪断作用の強いニーディ ング
パドル (練合羽根) という形状のパドルを 1つ以上使用することが 好ましい。
排出ダイは、 目的とする本発明膨化体又は本発明製剤によって適 宜変えることができる。 具体的には、 排出ダイの細孔の口径が 0. 5 〜 5 mm øのものを挙げることができる。
ェクス トルーダーによる膨化現象は、 バレル内において適当な熱 と高い圧力の下にあった原料混合物がダイから押し出されることに よって急激に常圧に戻されるために生ずるものと考えられる。 また その際、 原料混合物に存在する水分も同時に気化するため、 その水 蒸気もェクス トルーダ一による膨化現象の一役を担っているものと
れる 0
以下に本発明製剤について詳述する。
ェクス トルーダーで一括処理された全構成成分は、 本発明膨化体 となってダイの細孔から連続して押し出されてく る。 これを適当な 裁断機、 例えば、 ローラー型解砕機、 カッターミル、 ピン ミル等で 所望の長さに裁断することができる。 この裁断されたものは、 その まま顆粒状又は紬粒状の本発明製剤とすることができる。 また、 ダ ィの細孔から押し出されてきた本発明膨化体を、 例えばダイの先端 に装備した回転式カッター (例えば、 ロータ リーカッター、 型式 :
2枚羽根、 回転数 0〜1750rpm)にて所望する長さに裁断することで, 特別な整粒操作なしに直接顆粒状又は钿粒状の本発明製剤とするこ とができる。
裁断された顆粒状若しく は紬粒状の本発明膨化体のみを又は顆粒 状若しく は紬粒状の本発明膨化体と薬物、 薬物含有配合剤若しく は
賦形剤とをカブセル等に詰めれば、 本発明カブセル製剤とすること ができ、 圧縮成形すれば錠剤形の本発明製剤とすることができる。 更に、 ダイの細孔から押し出されてきた本発明膨化体、 又は裁断 された顆粒状、 若しく は細粒状の本発明膨化体にコーティ ング処理 などを施したものを、 そのまま又はカブセルに詰めるなどして本発 明製剤とすることもできる。 これにより、 本発明膨化体及び本発明 製剤の強度を更に向上させることができ、 また薬物の安定性を高め ることができる。
発 明 の 効 果
本発明製剤は、 強度及び浮遊能が高いため、 従来の胃内滞留製剤 よりも長時間、 胃内に滞留することができる。 また、 本発明製剤は, 安定した浮遊能と薬物放出能とを兼ね備えることができる。
本発明膨化体 (本発明製剤) は、 ェクス トルーダーにより、 簡便 大量に、 しかも基本的に連続して製造することができる。 従って、 本発明膨化体 (本発明製剤) の製法は、 工業的に優れたものである c
発明を実施するための最良の形態
以下に実施例、 比較例、 試験例を挙げて、 本発明を更に詳しく説 明する。
実施例 1
塩酸二カルジピン 2 0 g、 ヒ ドロキシブ口 ピルメチルセルロース アセテー トサクシネー ト (商品名 : A q o a t 、 A S— M F、 信越 化学工業社製、 以下同じ) 1 1 0 g、 乾燥水酸化アルミニゥムゲル 3 0 g、 小麦粉 9 0 gを混合し、 これを直径: 32mm φ、 有効 L/D : 20、 及びスク リューパターン: 1 6P, 12P. 9. 6P. 8P, 30deg, 8 t x 3枚 ' 30deg
(リバース) のスク リ ュー ( 2本とも) 、 口径 I mm 0 x 5穴のダ ィを装着した 2軸型ェクス トルーダー (1< £ 1^ー 3 0 3— 2 0型
; 栗本鉄工所製、 以下同じ) に 1分間あたり 3 0 gの速度でホッパ 一より主供給孔へ投入した。 処理温度は、 各バレル及びダイ部を
1 0 0でに設定し、 補助供給孔より精製水を 1 分間あたり 2 m 】 の 速度で添加しながらスク リ ュー回転数 8 0 r p mの押しだし速度で 処理を行い本発明膨化体を得た。
実施例 2
塩酸二カルジピン 2 0 g、 ヒ ドロキシプロ ピルメチルセルロース アセテー トサク シネー ト 2 0 0 g、 乾燥水酸化アルミニゥムゲル 2 0 g、 小麦粉 1 0 gを混合し、 これを実施例 1 と同様の条件で処 理を行い本発明膨化体を得た。
実施例 3
塩酸二カルジピン 2 0 g、 ヒ ドロキシブ口 ピルメチルセルロース アセテー トサクシネー ト 2 1 7. 5 g、 乾燥水酸化アルミニゥムゲ ル 1 2. 5 gを混合し、 これを実施例 1 と同様の条件で処理を行い 本発明膨化体を得た。
実施例 4
塩酸二カルジピン 2 0 g、 ヒ ドロキシブ口 ピルメチルセルロース フタレー ト (商品名 ; H PMC P、 H P— 5 5 Fグレー ド、 信越化 学工業社製、 以下同じ) 1 5 5 g、 乾燥水酸化アルミニゥムゲル 2 5 g、 小麦粉 5 0 gを混合し、 これを実施例 1 と同様の条件で処 理を行い本発明膨化体を得た。
実施例 5
塩酸二カルジピン 2 0 g、 ヒ ドロキシブ口ピルメチルセルロース ァセテ一トサクシネー ト 6 0 g、 ェチルセルロース (商品名 : エト セル、 3丁0— 4 5タィブ、 ダウケミ カル社製、 以下同じ) 6 0 無水リ ン酸水素カルシウム 3 0 g、 ポリ ビニルァセタールジェチル ァミ ノアセテー ト (商品名 : A E A、 三共薬品社製、 以下同じ) 8 0 gを混合し、 各バレル及びダイ部を 1 4 0 'Cに設定した他は、 実施例 1 と同様の条件で処理を行い本発明膨化体を得た。
実施例 6
塩酸ォキシブチニン 2 0 g、 ヒ ドロキシプロピルメチルセルロー スアセテー トサクシネー ト 1 5 0 g、 乾燥水酸化アルミニゥムゲル 3 0 g、 コーンスターチ 5 0 gを混合し、 これを実施例 1 と同様の 条件で処理を行い本発明膨化体を得た。
実施例 7
塩酸ォキシブチニン 2 0 g、 ェチルセルロース 1 0 0 g、 合成ケ ィ酸アルミニウム 5 0 g、 小麦粉 8 0 gを混合し、 これを実施例 1 と同様のスク リ ユ ー及びダイを装着した 2軸型ェクス トルーダーに 1分間あたり 3 0 gの速度でホッパーより主供給孔へ投入した。 処 理温度は、 各バレル及びダイ部を 1 2 0でに設定し、 捕助供給孔ょ り精製水を 1分間あたり 4 m 1 の速度で添加しながらスク リ ユ ー回 転数 1 0 0 r p mの押しだし速度で処理を行い本発明膨化体を得た c 実施例 8
塩酸ォキシプチニン 2 0 g、 ェチルセルロース 1 5 0 g、 炭酸力 ルシゥム 5 0 g、 コーンスターチ 3 0 gを混合し、 これを実施例 1 と同様のスク リ ユ ー及びダイを装着した 2軸型ェクス トルーダーに
1 分間あたり 3 0 gの速度でホッパーより主供給孔へ投入した。 処 理温度は、 各バレル及びダイ部を 1 0 0てに設定し、 補助供給孔ょ りプロピレングリ コール 5 0 % (w/w) 水溶液を 1 分間あたり 2 m 1 の速度で添加しながらスク リ ユー回転数 1 0 0 r p mの押しだ し速度で処理を行い本発明膨化体を得た。
実施例 9
4 ージェチルア ミ ノー 1 , 1 一ジメチルー 2—プチニル (土) 一 α—シクロへキシルー α—フヱニルグリ コレー トノヽィ ドロクロライ ド モノハイ ドレー ト) 2 0 g、 ヒ ドロキシブ口ピルメチルセル口 ースアセテー トサクシネー ト 1 8 0 g、 乾燥水酸化アルミニゥムゲ ル 5 0 gを混合し、 これを実施例 1 と同様のスク リ ュー、 及び口径 0. 5 mm ø 1 5穴のダイを装着した 2軸型ェクス トルーダーに 1分間あたり 2 0 gの速度でホッパーより主供給孔へ投入した。 処 理温度は、 各バレル及びダイ部を 9 O 'Cに設定し、 補助供給孔より プロピレングリ コール 5 0 % (w/w) 水溶液を 1 分間あたり 2 m 1 の速度で添加しながらスク リ ユー回転数 1 0 0 r p mの押しだ し速度で処理を行い本発明膨化体を得た。
実施例 1 0
リボフラ ビン 2 0 g、 アミ ノアルキルメタアタ リ レー トコポリマ -R S (商品名 ; E u d r a g i t、 R S PM、 発売元 ; 株式会社 樋口商会) 1 5 0 g、 タルク 3 0 g、 ボリ ビニルピロ リ ドン ( P V P) 5 0 gを混合し、 これを実施例 1 と同様のスク リ ュー、 及び口 径 0. 7 mm 0 x 8穴のダイを装着した 2軸型ェクス トルーダ一に 1 分間あたり 2 0 gの速度でホッパーより主供給孔へ投入した。 処
理温度は、 各バレル及びダイ部を 1 0 0でに設定し、 補助供袷孔ょ りクェン酸ト リェチル 3 0 % ( /w) を 1分間あたり 2m l の速 度で添加しながらスク リ ユ ー回転数 1 ひ 0 r pinの押しだし速度で 処理を行い本発明膨化体を得た。
実施例 1 1
ジクロフヱナッ クナ ト リ ウム 5 0 g、 ヒ ドロキシブ口ピルメチル セルロースアセテー トサクシネー ト 1 0 0 g、 炭酸水素ナト リウム 6 0 g、 低置換度ヒ ドロキシブ口ピルセルロース 9 0 gを混合し、 これを実施例 1 と同様のスク リ ュー、 及び口径 2mm 0 x i穴のダ ィを装着した 2軸型ェクス トルーダーに 1分間あたり 3 0 gの速度 でホッパーより主供給孔へ投入した。 処理温度は、 各バレル及びダ ィ部を 1 2 0 'Cに設定し、 補助供給孔より精製水を 1分間あたり 2 m 1の速度で添加しながらスク リ ユ ー回転数 1 0 0 r p mの押しだ し速度で処理を行い本発明膨化体を得た。
実施例 1 2
塩酸ジフエ二ドール 5 0 g、 ヒ ドロキシプロピルメチルセルロ ー スアセテー トサクシネー ト 7 0 g、 炭酸水素ナ ト リ ウム 2 0 g、 低 置換度ヒ ドロキシプロピルセルロース 6 0 gを混合し、 これを実施 例 1 と同様のスク リ ュー、 及びダイを装着した 2軸型ェクス トルー ダ一に 1分間あたり 3 0 gの速度でホッパーより主供給孔へ投入し た。 処理温度は、 各バレル及びダイ部を 1 2 0でに設定し、 補助供 給孔より精製水を 1分間あたり 2m 1の速度で添加しながらスク リ ユ ー回転数 l O O r pmの押しだし速度で処理を行い本発明膨化体 を得た。
比較例 1
塩酸二カルジピン 2 0 g、 ヒ ドロキシブ口ピルメチルセルロース アセテー トサクシネー ト 2 3 0 gを混合し、 これを実施例 1 と同様 のスク リ ュー、 及びダイを装着した 2軸型ェクス トルーダーに 1 分 間あたり 3 0 gの速度でホッパーより主供給孔へ投入した。 処理温 度は、 各バレル及びダイ部を 1 2 0てに設定し、 補助供給孔ょり精 製水を 1分間あたり 2 m 1 の速度で添加しながらスク リ ュー回転数
8 0 r p mの押しだし速度で処理を行い成形体を得た。
比較例 2
塩酸二カルジピン 2 0 g、 ヒ ドロキシプロピルメチルセルロース ァセテ一トサクシネー ト 2 2 0 g、 乾燥水酸化アルミニゥムゲル 1 0 g ( 4 % ( / w ) ) を混合し、 これを比較例 1 と同様の条件 で処理を行い成形体を得た。
試験例 1
実施例 1、 2で得られた本発明膨化体及び比較例 1、 2で得られ た成形体の細孔分布を水銀圧入法 (使用機種 ; ボアサイザ一
9 3 2 0型、 島津製) によって測定した。 尚、 試料は約 8〜 1 2 m mの長さに切断し、 前処理 (弒圧約 5 0 'C、 1 5時間乾燥) した 後、 測定した。
表 1
(気孔率 : 細孔及び試料間空隙を含む試料の容積に対する細孔容積 の比を百分率で表したもの
細孔体積 : 測定時の水銀注入圧力から最大加圧圧力まで水銀が圧 入された細孔容積の積算値を試料重量で割った値
平均紬孔径 (メディアン細孔直径) : 積算細孔分布において、 細 孔容積の最小値と最大値の範囲の中央値に対する細孔径の値
カザ密度 : 試料重量と水銀注入圧力における試料容積とから求め た値) その結果、 表 1 に示すように実施例 1、 2で得られた膨化成形体 は、 内部の空隙量を表す気孔率、 細孔体積で大きな値を示したのに 対し、 膨化補助剤無添加又は添加量が不足している比較例 1、 2の 成形体は小さな値を示し、 成形体の内部空隙が少ないことが確認さ れた。 また、 実施例 1、 2はカザ密度も非常に小さかった。 これらのことから本発明膨化体は、 その内部に占める空隙量が多 く、 しかも平均細孔径は 1 0〜 2 0 mと微細なものであつた。 試験例 2 実施例 1、 2で得られた本発明膨化体及び比較例 1、 2で得られ た成形体の振とうに対する強度及び各時点における浮力の測定を行 つた。
2 0 0 m l の分液ロー トに日局第 1 液 1 0 0 m l を入れ、 この中 に各試料を投入し、 K Hシェーカー (M o d e l V . S . 振幅 5 c m、 振とう回数 3 0 0回/分、 イワキ社製) の条件で 6時間振と
う し、 一定時間後にサンプリ ングして浮力の測定及び形状の観察を ϊτつた。
浮力の測定は、 微少荷重変換器 (U L - 1 0 G R : Sh i nkoh ミ ネ ベア製) を利用し、 これに試料を固定するアタッチメ ン トを取り付 けて試料を装着した後、 これを日局第 1液中に沈めるのに要する力 を電気的に測定することによって行った。
なお、 各試料は 2 c mの長さに切断したものを用い、 更に浮遊性 カブセル (フローティ ングカブセル) として西独において市販され ているジァゼバムを主薬とするバルレリーゼ (登録商標、 2号サイ ズ) を対照として同様に試験した。
その結果、 図 1 に示すように実施例 1、 2で得られた本発明膨化 体は試験液投入直後より浮遊し、 また、 振とうによって幾分浮力は 低下するが、 実施例 1で 4時間、 実施例 2では 6時間後も浮遊する ことが観察された。
一方、 比較例 1、 2の成形体は、 試験液投入直後に沈降又は振と う後間もなく沈降する現象が見られた。 これらの浮遊性は試験例 1 の結果を裏付けるものであった。
更に、 対照品は、 振とう 1 時間後には完全に崩壊していたのに対 し、 実施例 1 の試料は振とう 4時間後、 実施例 2の試料は振とう 6 時間後も崩壊せず、 強度の高い膨化成形体であった。
試験例 3
日局溶出試験第 2法 (パドル法) に従い、 第 1 液 9 0 0 m 1、 パ ドル回転数 1 0 0 r p mの条件にて本発明膨化体の溶出試験を行つ た。
試料とする本発明膨化体は、 ロールグラニュレーター (G R N— 1 0 4 1型 ; 日本グラニユレ一夕一社製) を用いて解砕し、 1 6号 ( 1 0 0 0 a ) 〜3 0号 ( 5 0 0 ) 範囲の顆粒状としたものを溶 出試験用として用いた。
1 ) 実施例 1、 2、 3で得られた本発明膨化体の顆粒状試料から塩 酸二カルジビン 2 O m g相当量を秤取し、 溶出試験を行い各時間毎 にサンプリ ングして高速液体クロマ トグラフィーにより塩酸二カル ジピンの濃度を測定した。
本発明膨化体は、 浮遊しながら図 2に示すような緩やかな放出性 を示し、 また、 薬物放出調節剤の添加量を変化させることで任意の 放出性を与えることが示された。
2 ) 実施例 7、 8で得られた本発明膨化体の顆粒状試料から塩酸ォ キンプチニン 1 O m g相当量を抨取し、 溶出試験を行い各時間毎に サンプリ ングして高速液体クロマ トグラフィ 一により塩酸ォキシブ チニンの濃度を測定した。
本発明膨化体は、 浮遊しながら図 3に示すような緩やかな放出性 を示し、 また、 薬物放出調節剤の添加量を変化させることで任意の 放出性を与えることが示された。
3 ) 実施例 1 1 で得られた本発明膨化体の顆粒状試料からジクロフ ェナッ クナト リウム 2 5 m g相当量を秤取し、 溶出試験を行い各時 間毎にサンプリ ングして高速液体ク口マ トグラフィ一によりジクロ フエナッ クナ ト リ ウムの濃度を測定した。
本発明膨化体は、 浮遊しながら図 4に示すような緩やかな放出性 を示した。
4 ) 実施例 1 2で得られた本発明膨化体の顆粒状試料から塩酸ジフ ェニドール 2 5 m g相当量を秤取し、 溶出試験を行い各時間毎にサ ンブリ ングして高速液体クロマ トグラフィ一により塩酸ジフヱニド ールの濃度を測定した。
本発明膨化体は、 浮遊しながら図 5に示すような緩やかな放出性 を示した。
図面の簡単な説明
図 1 は、 浮力の測定結果を示す。 横軸は振とう時間 (時間) を、 縦軸は浮力 (m g ) を、 それぞれ表す。 一〇一は、 実施例 1 で得た 本発明膨化体の浮力を、 一□一は、 実施例 2で得た本発明膨化体の 浮力を、 一△ -は比較例 1 で得た成形体の浮力を、 一▽一は比較例 2で得た成形体の浮力を、 一 · -は対照品の浮力を、 それぞれ表す《 図 2は、 溶出試験の結果を示す。 横軸は溶出時間 (分) を、 縦軸 は塩酸二カルジピンの溶出率 (%) を、 それぞれ表す。 一〇一は、 実施例 1 で得た本発明膨化体の溶出曲線を、 一□ -は、 実施例 2で 得た本発明膨化体の溶出曲線を、 一△一は実施例 3で得た本発明膨 化体の溶出曲線を、 それぞれ表す。
図 3は、 溶出試験の結果を示す。 横軸は溶出時間 (分) を、 縦軸 は塩酸ォキシプチニンの溶出率 (%) を、 それぞれ表す。 一〇—は、 実施例 7で得た本発明膨化体の溶出曲線を、 —□一は、 実施例 8で 得た本発明膨化体の溶出曲線を、 それぞれ表す。
図 4 は、 溶出試験の結果を示す。 横軸は溶出時間 (分) を、 縦軸 はジクロフエナッ クナ ト リ ウムの溶出率 (%) を、 それぞれ表す。 -〇一は、 実施例 1 1 で得た本発明膨化体の溶出曲棣を表す。
図 5は、 溶出試験の結果を示す。 横軸は溶出時間 (分) を、 縦軸 は塩酸ジフユ二ドールの溶出率 (%) を、 それぞれ表す。 一〇一は. 実施例 1 2で得た本発明膨化体の溶出曲線を表す。