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波形データの非調和分析および合成処¾ 式
技術分野
本発明は、 コンピュータを川いた波形解析、 波形 成、 雑? Υ抑〗 、 検 出、 伝送帯域圧縮の分野に関する。 背景技術
F F T (^速フーリエ変換) としてよく知られているフーリエ解析は調不 Ί1 解析の一つであり、 分析される周波数は与えられた波形の さを Τとすると、 η / Τ ( η =】, 2 , ··· ) なる ¾, 波の関係になる。 ビリォドグラムは周期 解析法の一つとして知られているが、 与えられる波 j の さは分析される l 期よりも十分長いことが必要であり、 また周期波形が比較的顕著なものでな いと分析の精度が得られない。 相関法の場合も同様である。 時系列の分析で 用いられる自己回帰モデル、 ΰ己回帰移動平均モデル (A R M A ) は、 デジ タルフィル夕における低域フィルタあるいは帯域フィル夕に相当するもので あり、 与えられる波形の長さは上記と同様に十分なものであることが求めら れる。 また、 非調和解析の一つであるプロニ一法は雑音があると正しい分析 が行なえない。
本発明の目的は、 比較的短い波形から、 必ずしも一つの周期とは調和しな い正弦波の周期と振幅を高い精度で検出する方法およびその合成処理方式を 提供することにある。 発明の開示
上記課題を解決するために、 本発明は、 ある値の時間変化を表わす波形デ —夕に、 所定周期の一定振幅正弦波形および一定振幅余弦波形をそれぞれ掛 けて前記所定周期の整数倍で定められるところの所定区間にわたつて加算し て得られる 2つの値を少なくとも用いて、 前記波形データの前記所定区間に
^まれている前記所^周期の 弦波形の振幅および余弦波 の振幅を求め、 前記波形データから前^正弦波形の振幅をもつた前^所定周期の ^弦波形お よび前記余弦波形の振幅をもつた前 ii所定周期の余弦波形を差しリ Iいた残^ 波形データを求め、 該残差波形データの二乗もしくは絶対値を一定区問にわ たって加算して得られるところの残差 に関して、 前記所定周期を変数とし たときに前記残差 が極小となる周期と振幅をもった第〗の正弦波形および 余弦波形を求め、 前記波形データから前記n〗の正弦波形および余弦波形を 除いて第 1の残差波形を求め、
1の残差波形に所定周期の- -定振幅 弦波形および一定振幅余弦波形をそれぞれ掛けて前記所定周期の整数倍で^ められるところの所定区問にわたって加 -して られる 2つの値を少なくと も用いて、 前記第 1の残差波形の前記所定区 liUに含まれている前記所定周期 の正弦波形の振幅および余弦波形の振幅を求め、 前記第 1の残差波形から前 記正弦波形の振幅をもつた前記所定周期の正弦波形および前記余弦波形の振 幅をもつた前記所定周期の余弦波形を差し iいた残差波形デ一タを求め、 該 残差波形データの二乗もしくは絶対値を一定区問にわたって加算して得られ るところの残差量に関して、 前記所定周期を変数としたときに前記残差量が 極小となる周期と振幅をもつた第 2の正弦波形および余弦波形を求め、 前 第 1の残差波形から前記第 2の正弦波形および余弦波形を除いて第 2の残差 波形を求め、 以下同様にして、 一般に nを〗より大きい整数とすると、 第 n の残差波形から第 (n + ] ) の正弦波形および余弦波形を除いて第 (n + 1 ) の残差波形を求め、 前記第 (n + ] ) の残差波形に所定周期の一定振幅正弦 波形および一定振幅余弦波形をそれぞれ掛けて前記所定周期の整数倍で定め られるところの所定区間にわたつて加算して得られる 2つの値を少なくとも 用いて、 前記第 (n + 1 ) の残差波形の前記所定区間に含まれている前記所 定周期の正弦波形の振幅および余弦波形の振幅を求め、 前記第 (n + ] ) の 残差波形から前記正弦波形の振幅をもつた前記所定周期の正弦波形および前 記余弦波形の振幅をもった前記所定周期の余弦波形を差し引いた残差波形の
データを求め、 該残差波形データの二乗もしくは絶対俯を- -定区問にわたつ て加算して得られるところの残差 irtに 1¾して、 前記所定周期を変数としたと きに前記残差 :が極小となる周期と扳幅をもった第 ( n + 2 ) の正弦波形お よび余弦波形を求め、 前記第]の正弦波形および余弦波形の振幅と周期ある いは周波数、 前記第 2の正弦波形および余弦波形の振幅と周期あるいは周波 数、 一般に前記第 (n + 2 ) の正弦波形および余弦波形の振幅と周期あるい は周波数を少なくとも分析値として求め用いることを特徴とする波形データ の非調和分析および合成処理方式法をその手段とするものであり、 特に前 波形データの非調和分析および合成処理方式は、 前記第 1ないし第 (n + 2 ) の正弦波形および余弦波形、 あるいは前記 ¾ ]ないし笫 (n + 2 ) の正弦波 形および余弦波形の中から選択した正弦波形および余弦波形、 による合成波 形もしくは該合成波形を外挿して^られるところの予測波形を求めるもので ある波形デ一タの非調和分析および合成処理方式を提供する。
以下、 本発明の作用を数式を用いて説明する。
波形データ W (m) ( 1 ≤m≤M) に所定周期 T、 振幅 ]の一定振幅正弦波 形 S (m) および一定振幅余弦波形 C (m) 、 すなわち
S (m) = s i n ( 2 π /Ί)
C (m) = c o s ( 2 nm/Ί) ··· ( 1 ) をそれぞれ掛けて所定区間、 たとえば m = M— Lから m = Mまで積分した俯 をそれぞれ X (T) および Y (T) とすれば、
X (T) = T W (m) s i n ( 2 πτη/Ύ)
m= し 1 Y (T) = Χ W (m) c o s (2 πτη/Ύ) - (2)
m = M-L1-|
で与えられる。 ここで、 It'i分は離散的な数 系列で示される W (m) , S (m) , C (m) のあ 'ίについて、 和 (サムメ一シヨン) の形で表わされてい る。
所定周期 Τの正弦波形の振幅 A (T) および余弦波 j|¾の振幅 B (T) は、 それぞれ、
A (T) =X (T) / (LZ2 )
Β (Τ) = Υ (Τ) / ( L / 2 ) ··· ( 3 ) で与えられ、 残差波形データ R (m) は、
R (m) =W (m) - A (T) S (m) — B (T) C (m) ··· (4) と表される。 これを二乗して一定区 filj Jから Mにわたつて加算した残差量 Q (T) は、
Q (T) = {R (m) } … (5) で与えられる。
ここで W (m) を振幅 V、 周期 (T+ d) 、 位相 Pをもった正弦波形とし て、 L = nT (n= l, 2, 3, …) とすれば、 A (T) および B (T) は- それぞれ、
A (T) = V {cos(P)cos(M,) +sin(P)sin(M2) }
B (T) = V {sin(P)cos(M3) -cos(P)sin(M4 ) } ··· (6)
= 2 d E j ZT, 0 < E j < 1
( j = ], 2, 3, 4)
となり、 d = 0すなわち前記所定周期と W (m) の TF.弦波形の周期が一致し たとき Q (T) は極小 (最小) となる。 これより第 1の正弦波形の振幅 A , および余弦波形の振幅 B , は、
A, - V c o s (P)
B , = V s i n (P) - ( 7 ) で与えられ、 第 1の正弦波形と余弦波形の和は、 上記の振幅 Vと位相 Pをも つた正弦波形と等価になる。 これを数式で表わすならば、 次のようになる。
= A i s i n ( 2 πιη/Ύ) + Β , c o s ( 2 π m/T) V= {A2 + B2 } 1/2
P= t a n 1 (B , /A, ) ··· ( 8 ) なお、 式 5において二乗して加算するところを、 絶対値をとつて加算する こともできる。 更に、 式 8から明らかなように、 波形データから正弦波形お よび余弦波形を除くことと、 その合成でなる正弦波形を除くことは全く同じ である。
W (m) が複数の異なる周期の正弦波形から成る場合は、 Q (T) が最小 もしくは極小となる Tを求め、 そのときの A (T) と B (T) を第 1の正弦 波形の振幅 A, と余弦波形の振幅 B , とし、 W (m) からこれら振幅をもつ た正弦波形と余弦波形を差し引いて第〗の残差波形を求めて、 この第〗の残 差波形についても同様にして分析を行ない、 新たな正弦波形および余弦波形 を求めるという手順をくり返す。
分析が十分になされたかどうかを判断するには、 残差波形の収束を次のよ うにして調べることができる。
W (m) からinないしi' nの iF-弦波形を除いたHnの残^波形と、 ¾に 第 (n + 1 ) の正弦波形を除いた (n + 1 ) の残差波形について、 その残 差量を比較して収束を見る。 if'inおよび (n +〗 ) の残差波形の二乗値を それぞれ一定区間 m= Jから m = Mまで稿 :分 (加 :) した iを I (n)およ び I (n+ ] ) とする。 一般には、 n= ], 2, 3, …となるに従って I (n) は小さくなるが、
I (n + 1 ) - I (n ) - (9) となったとき、 あるいは近似的に式 9が成り立つとき、 その nが収束点にな る。
上記のようにして W (m) の正弦波形成分および余弦波形成分として振幅、 周期がそれぞれ A , , A2 , ···, A
k と , B , ···, B
k と T, , Τ
2 , …, Τκ なる値で求められたとすれば、 周期 Τη なる振動の振幅 V
n は、
(n = 1 , 2, ···, k ) で与えられる。 なお、 周波数は ] ΖΤ
Π で与えられ、 位相 Ρ
π は
で与えられる。
図 1は、 上記の分析手順を示すプロ、ソク図である。 図 1において、 D 1は 波形記憶部、 D2, D 3, D 4および D 7は演算部、 D 5は計算値記憶部、 D 6は比較判別および演算部、 D 8はパラメータ記憶部を表わす。 入力端子 aから被測定波形が D 1に送られ、 D 2で周期 Tなる正弦波形および余弦波
形の振幅 A (T) , Β (Τ) と、 それぞれの振幅をもった正弦波形および^ 弦波形が求められ、 A (T) , B (T) および Tは D 5に送られ、 波形は D 3へ送られて被測定波形から除かれ、 残差波形が求められ、 D 4で残差波形 のパワーに相当する残差 が求められ、 D 5に送られる。 Tを変 ¾ίして、 上 記 D 2からの手順が繰り返される。 こうして与えられた総ての Τについての 振幅と残差量が D 5に記憶され、 残差 Μの最小となるものが D 6で判別され、 その周期 Τ, と一対の振幅 Α, , Β, が D 8に記憶され、 これに応ずるとこ ろの第〗の正弦波形と余弦波形が D 7に送られ、 D 1に記憶された波 )Γίから これらが除去され、 第 ]の残差波形が求められる。 D ]に記憶されていた波 形は第 ]の残差波形に更新され、 上記被測定波形についてなされたと同様な 処理が行われ、 第 2の正弦波形と余弦波形を特定するパラメータである周期 Τ2 と一対の振幅 Α 2 , Β2 が D 8に記憶され、 第 2の残差波形が D 7で求 められる。 D〗の波形は第 2の残差波形に更新され、 以下同様にして与えら れた Τの範囲で、 指定された数、 例えば Ν回の繰り返し処理によって、 Ν糾 のバラメータ (TK , Ακ , BR ) が求められ、 これらは D 8に記憶される c D 8に記憶されたパラメ一タを用いれば、 被測定波形を合成することができ、 更に合成された波形を外揷して予測波形を求めることができる。 また、 周期 (あるいは周波数) をある範囲に制限して上記合成を行なえば、 理想的な帯 域通過波形を得ることもできる。 図面の簡単な説明
図 1は、 波形データの非調和分析および合成処理方式の分析手順を示すブ ロック図であり、 aは入力端子、 D 1は波形記憶部、 D 2, D 3, D 4, D 7はそれぞれ演算部、 D 5は計算値記憶部、 D 6は比較判別および演算部、 D 8はバラメータ記憶部を示す。
図 2は、 波形データと本方式により求まるスペク トルであり、 ( ] ) は波 形データ、 (2) はスペク トルを示す。
| 13は、 [¾12の波形データについてフーリエ解析により求まるスべク トル である。
¾4は、 波形データ (実線) と f'測波形 (点線) を小す Iであり、 ( ] ) は本方式による場合、 (2 ) はフーリエ解析による i¾合を示す。
m 5は、 波形データの分析、 合成、 予測の実験例を示す図であり、 ( a ) は被測定波形、 (b) は合成波形と予測波形、 (c) は残¾波形、 (d) は 被測定波形のスペク トル、 ( c ) は本方式で求まつたスペク トル、 ( ί ) は F FTで求まったスぺク トルを示す Iである。
図 6は、 波形データにランダム雑音が加わった場合の分析、 合成、 予測の 実験例を示す図であり、 (a) は被測定波 j 、 (b) は合成波形と予測波形、 ( c ) は残差波形、 ( d ) は ^号波形成分のスペク トル、 ( e ) は本方式で 求まったスペク トル、 ( ί ) は F F Τで求まったスペク トルをそれぞれ示す 図である。 発明を実施するための最良の形態
5 0 0個の数値系列からなる波形データ W (m) の非調和分析の実施例を 説明する。
実施例 ( 1 ) 所定区問を所定周期の 1周期分とした場合に関し、 T= 5 0 0における X (5 0 0) はW ( 1 ) S ( ] ) , W (2) S (2) , …, W (500) S ( 5 0 0 ) の和で与えられ、 Υ ( 5 0 0 ) は W ( 1 ) C ( ] ) , W (2) C (2) , …, W ( 5 0 0 ) C ( 5 0 0 ) の和で与えられる。 このと きの振幅は式 3で L= 5 0 0として与えられる。 同様にして、 T - 4 9 9に 対して X ( 4 9 9 ) が m= 2から 500 までの W (m) S (m) の積和で、 Y (499)が W (m) C (m) の積和で与えられ、 式 3で L= 4 9 9として振幅 が与えられる。 以下同様である。 ただし各周期 Tにおける S (m) , C (m) は式 1においてその Tの値を代入して求める。
Q (Τ) が極小となる周期を求める場合は、 ある周期における値がその前
後の周期の値よりも小さくなるものを選択することによつても求められる力 次のようにすることもできる。
所定周期 Tを 5 0 0力、ら ]までとした場 これらを分割して例えば第 ]の 周期帯域を T= 5 0 0から 4 0 0、 fi2の周期帯域を Τ= 4 0 ]から 3 0 0、 第 3の周期帯域を Τ= 3 0 〗から 2 0 0、 第 4の周期帯域を Τ= 2 0 1から ] 0 0、 第 5の周期帯域を Τ- 1 0 1から ] として、 各周期帯域 &に Q (Τ) が最小となる周期を求め、 その中から各帯域において帯域の端に当たるもの を除けばよい。 一定区問は例えば m=〗から 5 0 0までとする。
実施例 (2) 所定区間を所定周期の 2周期分とした場合に関し、 T= 2 5 0における X ( 2 5 0 ) は W ( 1 ) S ( 1 ) , W (2 ) S (2) , -", W (500) S ( 5 0 0 ) の和で与えられ、 Y ( 2 5 0 ) は W ( ] ) C ( 1 ) , W (2) C (2) , …, W ( 500 ) C ( 5 0 0 ) の和で与えられる。 振幅は 式 3で L= 5 0 0として与えられる。 同様にして T= 2 4 9に対して X (2
4 9 ) が m = 3から 5 0 0までの W (m) S (m) の積和で、 Y ( 2 4 9 ) が同じく W (m) C (m) の積和で与えられ、 振幅は式 3で L= 4 9 8とし て与えられる。 以下同様である。 ただし各周期 Tにおける S (m) , C (m) は式 1においてその Tの値を代入して求める。
Q (T) の極小となる周期を求める場合は上記 ( 1 ) で説明された方法を 用いることができる。
実施例 (3) 所定区間を所定周期の 3周期分とした場合に関し、 T= ] 6 6における X Ο 6 6 ) は W ( 3 ) S ( 3 ) , …, W ( 5 0 0 ) S (5 0 0) の和で与えられ Υ ( 1 6 6 ) は W ( 3 ) C ( 3 ) , ···, W ( 5 0 0 ) C (500)の和で与えられる。 振幅は式 3で L= 4 9 8として与えられる。 同様 にして T= 1 6 5に対して X ( 1 6 5 ) が m= 6から 5 0 0までの W (m)
5 (m) の積和で、 Y ( 1 6 5) が同じく W (m) C (m) の積和で与えら れ、 振幅は式 3で L= 4 9 5として与えられる。 以下同様である。 ただし各 周期 Tにおける S (m) , C (m) は式 1においてその Tの値を代入して求
める。
Q ( T ) の極小となる周期を求める i¾合は上 ii'd ( 1 ) で説明された方法を 用いることができる。
Q ( T ) が極小となる正弦波形を除いて残差波形を求めるごとに、 収¾状 態を判断するために残差波形の二乗値を所定区問にわたって積分 (加^) し、 式 9を用いて収束点を求めるが、 前述のように带域を分割して行なう場 r、 実施例 (〗) について述べるならば、 ¾ί分 (加 ) の区問は第 1の周期帯域 では m = ]から 5 0 0まで、 2の周期帯域では in = 1 0 0から 5 0 0まで、 第 3の周期帯域では m == 2 0 0から 5 0 0まで、 第 4の周期帯域では m = 3 0 0から 5 0 0まで、 第 5の周期帯域では m = 4 0 0から 5 0 0までとな る。 実施例 (2 ) について述べるならば、 第 1から^ 3の周期蒂域は実施例 ( 1 ) と同じで、 第 4の周期帯域では m = 1 0 0から 5 0 0まで、 第 5の周 期帯域では m = 3 0 0から 5 0 0までとなる。 同様に実施例 (3 ) の場合、 第 5の周期帯域では m = 2 0 0から 5 0 0までとなり、 他の周期帯域は実施 例 ( 1 ) に準ずる。
図 2は、 周期 Tの正弦波の ]周期半が波形データである場合の波形 ( ] ) と本方式によって分析して求めた場合のスぺク トル (2 ) を示したものであ る o
図 3は、 図 2の波形 (〗) を調和解析 (フーリエ解析) によって分析した 場合に得られるスペク トルを示したものである。
図 4は、 それぞれ実線で示された波形データを分析し、 合成波形を求めて 外挿して得た予測波形 (点線) を示したものであり、 (〗) は本方式による 場合、 (2 ) が調和解析 (フーリエ解析) による場合を示している。
本発明による波形データの非調和分析および合成処理方式によれば、 必ず しも一つの振動とは調和しない独立な振動波形の和で成るような変動波形、 典型的なものとして概周期波形について、 それを構成する正弦波形を特定す ることができる。 特に波形デ一夕長が短い場合でも、 1周期以上の長さがあ
れば部分的波形からでもスプリアスを生じることなくそれを検出することが できる。 従って、 この分析を物理的変動波形データに適用すれば、 その変動 の中にある実際の周期的変動成分を検出でき、 経済分野での時系列データに 適用すれば従来の方法よりも精度の高い分析を行なうことができ、 更に合成 波形から予測データを得ることもできる。 また、 信号伝送 (記録) において は、 本方式によって求まったバラメータ (A k , Β , T k ) を伝送 (記録) することによって、 帯域圧縮を行なうことができる。 この場合、 信号波形を 所定のデータ長ごとに区切つて分析を行ない、 各区 f ごとに上記バラメ一夕 を求めて、 これを逐次伝送 (記録) する。 受信側 (再生側) においては、 上 記バラメータを用いて各正弦波を得、 これらを加算して信号波形を復元する。 なお、 本方式により、 信号波形とランダム雑音が分離できることを、 その 分析、 合成、 予測の実験例によって示す。
図 5は、 本分析法による波形のスぺク トル推定と、 合成波形による波形予 測の実施例を示したものである。 同図において (a ) は被測定波形、 (d ) はそのスぺク トルを示している。 被測定波形の区間 〔0, 5 1 2〕 を分析し て推定したスぺク トルが (e ) 、 分析で得た正弦波の合成と、 5 1 2以後を 予測した波形が (b ) 、 区間 〔0, 5 1 2〕 における被測定波形と合成波形 の差が (c ) である。 スぺク トルの縦軸は相対振幅、 横軸は相対的な周波数 1 Z Tを示す。 また、 比較のために F F Tによるスペク トル推定結果を (ί ) に示す。
図 6は、 図 5の被測定波形にランダム雑音を加えた場合について図 5の場 合と同様な分析処理を行なつた結果を示したもので、 雑音の影響および雑音 抑圧効果が分る。 (a ) はランダム雑音を加えられた被測定波形、 (d ) は 被測定波形 (ノイズなし) のスぺク トルを示している。 以下の説明は図 5に 準じる。 なお、 図 5および図 6の分析は、 n = 4, N = 3 0とし、 Tは 1 0 から 1 2 8まで 1ずつ変化させた。
本発明による波形データの非調和分析および合成処理方式の効果を最も端
的に示すものは、 波形の周期性検出の精度と局所性に関するものである。 木 分析法によれば最低 1波長の部分波形によって周期検出ができるために、 例 えば指数関数的に減衰する複数の異なる周期をもつた正弦波形から成る減衰 波形について、 分析点を移動しつつ各正弦波の振幅を求めれば、 これら振幅 の変化から個々の正弦波の減衰量を精度よく求めることができる。 これによ つて減衰振動の複雑な変化を各周波数成分の振幅変化として観測することが できる。 これは楽器音の分析や地震波形の分析に応用できる。
なお、 本発明による波形デ一夕の非調和分析および合成処理方式における 分析においては、 分析周期 (あるいは周波数) を帯域に分けて低い周波数帯 域から順次分析を進めることができる。 この場合は帯域分割数を sとすると 演算時間は約〗 Z sになる。 また演算部 (例えば図 1の D 2〜D 3 ) を s組 並列に配置して、 s個の帯域をそれぞれ同時に演算するならば、 その部分の 演算時間は約 l Z s 2 になる。 これらはいずれも本発明に変更を加えるもの ではない。