明 細 書 .
【発明の名称】
グルタチオン誘導体
【技術分野】
本発明は、 新規かつ有用なグルタチオン誘導体に関する。 さら に詳しくは、 グルタチオン (またはそのエステル) 一 S —コハク 酸またはその誘導体、 それらの製造法並びにそれらを有効成分と して含有してなる抗炎症剤、 抗アレルギー剤または肝障害抑制剤 に関する。
【背景技術】
従来種々のグルタチオン誘導体が知られている。 その 1つであ る S— (な、 yS—ジカルボキシェチル) ダルタチオンは D. H. Cal amおよび S. G. Wa l ey ( B i ochem. J . 86 226 ( 1963 ) ) によって牛水 晶体から発見された生体内化合物であるが、 その薬理作用につい ては殆ど知られていないのか'現状であるが、 本発明者らはさきに 本化合物が血小板凝集抑制怍用、 抗炎症作用、 抗了レルギ一作用、 抗腫瘍作用並びに肝障害抑制作用があることなどを見出している (特開昭 6 3 — 8 3 3 7、 特願平 1 — 7 9 9 5 6、 特願平 1 一 1 8 3 4 8 4、 特願平 1 — 2 5 1 5 3 4、 特願平 1 一 2 5 6 3 7 0 ) o
本 明者らは、 さらに優れた組織吸収性を有するグルタチオン 誘導休を求めて、 グルタチオン (またはそのモノエステル) とマ レイン酸、 イタコン酸、 そめエステル、 アミ ドまたはイ ミ ド等に より 々対応した新規のグルタチオン誘導体を合成し、 これら化 合物が優れた薬効を有することを見出し、 さらに種々検討の結果 本発明を完成するに至った。
【発明の開示】
すなわち、 本発明は、
( 1 ) 次の式
HOOC一 CH一 CH2CH2CONH一 CH— CONH一 CH2一 COOR
NH CH2-S-(CH2)n-CH-COR2
2
CH2-COR3
〔式中、 nは 0または 1、 R,は水素またはアルキル基、 R2 、 R3は同一または異なって水酸基、 低級アルコキシ基、 アミノ基 またはイミノ基を示す。 但し、 n = 0であって R2 、 R3 が同一 または異なって水酸基、 低級アルコキシ基であるときは R,はァ ルキル基を示す。 〕 で表される化合物またはその薬理学的に許容 できる塩、 (2) それらの製造法 (3) およびそれらを有効成分 として含有してなる抗炎症剤、 抗アレルギー剤または肝障害抑制 剤に閲する。
式中の R ,は水素または低級アルキル基を示し、 アルキル基の 炭素数としては 1ないし 1 0が好ましい。 アルキル基における炭 素鎖は直鎖でも分岐鎖でも環状でもよくさらに環状部分を含んで いてもよい。 すなわちアルキル基としては、 メチル、 ェチル、 n —プロピル、 i—プロピル、 シクロプロピル、 n—ブチル、 t一 ブチル、 s e c—ブチル、 n—ペンチル、 1ーェチノレプロピル、 i—ペンチルやべンジルなどの基が挙げられる。
式中の R2 、 R 3は同一または異なって水酸基、 低級アルコキ シ基、 アミノ基またはイミノ基を示す。 低級アルコキシ基として は、 メ トキシ、 エトキシ、 プロボキン、 イソプロボキシ、 ブトキ
シ、 イソブトキシ、 s e c —ブトキシ、 t e r t —ブトキシ、 ぺ ンチルォキシ、 イソペンチルォキシ、 t e r t —ペンチルォキシ、 ネオペンチルォキシ、 2—メチルブトキシ、 1, 2—ジメチルプ ロボキシ、 1 _ェチルプロポキシなどが例示される。 ァミノ基お よびィ ミノ基はアルキル基などの基で g換されていてもよい。
本発明の製剤においては、 本化合物は遊離酸として、 あるいは 薬理学的に無毒の塩、 たとえば、 ナトリウム塩、 カリウム塩など のアルカリ金属塩、 カルシウム塩、 マグネシウム塩などのアル力 リ土頌金属塩として用いることができる。 これらの塩は、 本化合 物中に存在するカルボキシ基のうち全部が塩を形成していてもよ く、 またその一部のみが塩を形成しているものであってもよい。 それらはいずれも本製剤調製のため灌宜に使用することができる。 本発明の化合物の製造法は次のとおりである。 まず、 グルタチ オン、 またはダルタチオンを目的のエステル誘導体に対応するァ ルコールと硫酸などの酸の存在下で反応させて得られるグルタチ オンモノエステル (ァ一グルタミルシスティニルグリシンエステ ル) を、 水溶液または水性溶液中でマレイン酸、 ィタコン酸また はその誘導体と好ましくは p H約 4〜 8程度で室温または加温下 で攪伴して反応させる。 この反応は容易に終結する。 この反応液 をカラムクロマトに付し、 または適宜の溶媒による再結晶により 単離精製して目的化合物を得ることができる。 マレイン酸または ィタコン酸の誘導体としては、 それらのジエステル、 モノエステ ル、 ジアミ ド、 モノアミ ド、 イミ ドおよび N—アルキルァミ ンが 挙げられ、 それらの組合せでもよい。
このようにして得られるこれら化合物はいずれも分子中に不斉 炭素原子を有するので、 光学異性体が存在するが、 いずれの光学
活性を有するものも、 またそれらの混合物であっても、 本発明の 目的に適宜使用することができる。
本製剤によって治療しうる炎症性疾患としては、 たとえば慢性 関節リウマチ、 変形性脊椎症、 変形性関節症、 腰痛症、 痛風症発 作、 急性中耳炎、 膀胱炎、 前立腺炎、 歯痛、 葡萄膜炎や副鼻腔炎 などが挙げられる。
また、 本発明の製剤を適用しうるアレルギー性疾患としては、 たとえば気管支性喘息、 花粉症、 アレルギー性鼻炎、 食事性ァレ ルギー性胃炎、 アレルギー性下痢、 潰瘍性大腸炎、 口内炎、 結節 性動脈周囲炎、 閉塞性動脈内膜炎、 心内膜炎、 蓴麻疹、 湿疹、 接 触性皮膚炎、 フリクテン、 交感性眼炎、 アレルギー性結膜炎およ びアレルギー性角膜炎などの各種疾患があり、 それらの疾患の治 療に有利に使用することができる。
さらに本製剤は急性および慢性の肝障害の発生を効果的に抑制 し G O T、 G P T値の上昇を抑え、 急性あるいは慢性肝炎の予防 •治療に有用であり、 また肝硬変の予防 ·治療にも有効に使用す ることが可能である。 たとえばァセトアミノフヱンのような薬物 による肝障害にも有利に使用することができる。
本発明の製剤は、 前記したように抗炎症、 抗アレルギーまたは 肝障 抑制剤として、 経口的にあるいは非経口的に適宜に使用さ れる。 製剤の形態としてはたとえば錠剤、 顆粒剤、 散剤、 カプセ ル剤ゃ軟膏等の固形製剤または点眼剤、 点耳剤、 点鼻剤や注射剤 等の液剤などいずれの形にも公知の方法により疾患の種類や部位 に応じて適宜調製することができる。 これらの製剤には通常用い られる結合剤、 崩壊剤、 増粘剤、 分散剤、 再吸収促進剤、 矯味剤、 緩衝剤、 界面活性剤、 溶解捕助剤、 保存剤、 乳化剤、 等張化剤、
安定化剤や P H調整剤等の賦形剤を適宜使用してもよい。
本活性成分の用量はその化合物の種類、 疾患の種類、 患者の年 令、 体重、 その剤型や適応症状等によって異なるが、 たとえば注 射剤の場合、 成人 1 日 1回 1〜 5 0 0 mg程度、 内服剤の場合は、 成人 1 日数回、 1回量約 1 0〜2 0 0 Omg程度投与するのがよい c 局所投与の場合は、 0.1〜5 (W/V) %程度がよい。
本発明の薬剤には、 目的と必要に応じて、 本活性成分のうち 1 種または 2種以上を適宜組み合わせて含有させることもできる。 本発明の薬剤には本発明の目的に反しないかぎり、 その他の同 種または別種の薬効を奏する成分を適宜含有させてもよい。
【図面の簡単な説明】
第 1図は S— ( 1, 2—ジカルボエトキンェチル) グルタチォ ン一イソプロピルエステルの I R、 第 2図は S— 〔 ( l, 2—ジ カルボキシイ ミ ド) ェチル〕 グルタチオン一イソプロピルエステ ルの i Rおよび第 3図は S— ( 1, 2—ジカルボエトキシェチル ) グルタチオンェチルエステルの I Rをそれぞれ示している。
【発明を実施するための最良の形態】 以下、 実施例および製剤実施例を挙げて本発明を詳細に説明す る
〔実施例 1〕 y— Lーグルタミル一 〔S— ( 1, 2—ジカルボェ トキシェチル) 〕 - L -システィ二ルグリ シンィソプロピルエス
〔S— ( 1, 2—ジカルボエトキンェチル) グルタチオン一イソ プロピルエステル〕
CR > = C , H7、 Rz =R3 =OC2 H5 、 n = 0〕
T一 L—グルタミルー L—システィ二ルグリシンィソプロピル
エステル硫酸塩 (以下、 「G S—イソプロピルエステル硫酸塩」 という。 ) 4.0 gを水 5 0 ^に懸濁して置きこれに 2 N—水酸化 ナトリウムを徐々に滴下させ、 pH7.0として溶かす。 次にこれ にマレイン酸ジェチル 2.0 gを加えて室温で 3時間攪拌後、 酢酸 で 1 を加えて酸性とし濃縮しこれにエタノールおよび酢酸ェチ ルを加えて無機塩を濾別後、 溶媒留去、 残査に酢酸ェチルを加え て溶かしこれに n—へキサンを加えて析出するコロイ ド状結晶を 濾取、 これに酢酸ェチル—n—へキサンから再結晶させて 3.8 g を得る。
T L Cシリカゲル R f = 0.5 5 ( n—ブタノ一ル:酢酸:水 = 4 : 1 : 1 )
元素分析値
C ■ H , 0 N;1 S · 1 X2 H2 0として
理論値 (%) C, 47.54, H, 6.84, N, 7.92
実測値 (%) C, 47.42, H, 6.75, N, 7.87
第 ί図にその I Rを示す。
例 2〕 S— (1, 2—ジカルボ一 η—ブトキシェチル) グ ル夕チオンーィソプロピルエステル
CR! =C;i H7、 Rz =R3 =O C, H9 、 n = 0 )
G S—イソプロピルエステル硫酸塩 4.0 gを水 5 に懸濁して 置き実施例 1と同様に 2 N—水酸化ナトリウムで p H7.0とする。 これにマレイン酸ジ一 n—ブチル 2.5 gおよびェタノ一ル 5 0 τπ£ を加えて室温で 1 2時間攪拌後、 溶媒を留去させ酢酸ェチルで抽 出、 水洗後これを留去させる。 これに石油ベンジンを加えて析出 する白色結晶を濾取、 酢酸ェチルー石油ベンジンから再結晶させ て白色結晶 3.8 gを得る。
TL Cシリカゲル R f 0.6 0 (n—ブタノール:酢酸:水 4 : 1 : 1)
元素分析値
C 25 H -I 30 , 0 N 3 S 1/2 H2 0として
理論値 (%) C, 51.18, H, 7.56, N, 7.16
実測値 (%) C, 51.24, H, 7.41, , 7.07
〔実施例 3〕
S - ( 1 , 2 グルタチオンーィソプロ ピルエステル
CR . = C:, H7、 R2 =R3 =NH n = 0〕
G S—イソプロピルエステル硫酸塩 4.0 gおよびマレイン酸ジ アミ ド 1.5 gを用いて実施例 1と同様に反応させ、 反応液を濃縮 後、 セフアデックス G— 1 0のカラム (溶離液エタノール:水 = 1 : 1 ) で分離した結晶を水一エタノールから再結晶させると白 色コロイ ド状結晶 3.7 gを得る。
R f = 0.2 2 ( n—ブタノ—ル:酢酸:水 = 4 : 1 : 1 ) 元素分析値
C l 7H2908 Nr, S · 1 /2 H2 Qとして
理論値 (%) C, 43.21, H, 6.40, N, 14.82
実測 (%) C, 43.12, H, 6.39, N, 14.66
〔爽施例 4〕
S - [ ( 1 , 2—ジカルボキシイ ミ ド) _ェチル〕 グルタチオン一 イソプロピルエステル
CR, = C:, ΗΤ R2 R3 =HN、 n 0〕
G S—イソプロピルエステル硫酸塩 4.0 gおよびマレインィ ミ ド 1.3 gを用いて実施例 3と同様に反応処理して 1.5 gの無定形 (
コロイ ド状) 結晶を得る。
R f = 0.3 7 (n—ブタノ一ル:酢酸:水 = 4 : 1 : 1) 元素分析値
C l 7H 2608 N4 Sとして
理論値 (%) C, 45.73, H, 5.87, N, 12.55
実測値 (%) C, 45.61, H, 5.85, N, 12.28
その I Rは第 2図のとおりである。
〔実施例 5 ]
S— (1, 2—ジカルボキシェチル) グルタチオン一イソプロピ ルエステル
CR, =C:, H7、 R2 =R3 =OH、 n = 0]
G S—イソプロピルエステル硫酸塩 4.0 gおよびマレイン酸 1.6 gを用いて実施例 3と同様にして反応処理する。 Na塩として 3. 4 gを得る。
TLCシリカゲル R f =0.2 5 ( n—ブタノール:酢酸:水 = 4 : 1 : 1)
〔実施例 6〕
S— 〔1— (または 2) カルボキシ一 2— (または 1 ) カルボェ トキシェチル〕 グルタチオン一イソプロピルエステル
[R, =C3 H7、 R2 =OHまたは OC2 H5 、 R3 =OC2 H5 または OH、 n= 0〕
G S—ィソプロピルエステル硫酸塩 4.0 gおよびマレイン酸モノ ェチル 1.7 gを用いて実施例 3と同様にして反応処理する。 白色 結晶 2.7 gを得る。 TL Cシリカゲル R f =0.3 6 (n—ブタ ノール:酢酸:水 = 4 : 1 : 1 )
〔実施例 7〕
S— ( 1, 2—ジカルボ一 ii—ブトキシェチル) グルタチオンェ チルエステル
[R, =C2 H5、 Rz =R3 =O C4 H8 、 n = 0〕
グルタチオン 3. 1 gをエタノール % 0 m 1 に懸濁して置き、 氷 冷攪忭下に硫酸 0. 8 m 1を滴下して溶かし、 3時間室温で攪拌を 続けた後、 一夜冷所に放置する。 次にこれに水 4 O m lを加え、 さらに 2 N—水酸化ナトリゥム液で p H7. 0とし、 これにマレイ ン酸ジ一 n—ブチル 2.7 gを加えて 2 4時間攪拌する。 次に反応 液を濃縮しエタノールを加えて無機塩を濾別後、 溶媒を留去する。 以下実施例 3 と同様に処理し酢酸ェチルーィソプロピルエーテル から再結晶させる。 無定形無色結晶 3. 1 gを得る。
T L Cシリカゲル R f =0. 5 7 (n—ブタノ一ル:酢酸:水 = 4 : 1 : 1 )
元素分析値
C 24 H 4iO 10N3 S · 1 /2 H2 0として
理論値 (%) C, 50.34, H, 7.39, N, 7.34
実測値 (%) C, 50.36, H, 7.35, N, 7.25
〔実施例 8〕
S— ( 1, 2—ジカルボエトキシェチル) グルタチオンェチルェ ステル
実施例 7のマレイン酸ジブチルの代わりにマレイン酸ジェチ ルを用いて同様に行った。 TL Cシリカゲル R f = 0.4 8 (n —ブタノール:酢酸:水 = 4 : 1 : 1 )
その I Rは第 3図のとおりである。
〔実施例 9〕
S— ( 1 , 2—ジカルバモイルェチル)—グルタチオン
CR , =Η、 Rz =R3 =ΝΗ2 、 η = 0 ]
グルタチオン 9.2 gを水 1 5 0m lに溶かし、 これに 2 N—水 酸化ナトリウムで p H 6.5に調整した後、 これにマレイン酸ジァ ミ ド 6 gを加えて 2 4時間攪拌する。 次にこれに酢酸銅 6.6 g を加えて溶かし、 放置すると青白色の銅塩を析出する。 これを濾 取し、 水洗後 2 0 0 m 1の水に懸濁して置き、 これに硫化水素ガ スを導入して黒色の硫化銅を析出させた後、 これを瀘別し、 濾液 を濃縮する。 これにエタノールを加えて固化する結晶を瀘取、 水 一エタノールから再結晶させる。 白色結晶 9.5 gを得る。
TL Cシリカゲル R f =0.0 7 (n—ブタノール:酢酸:水-
4 : 1 : 1) ' 元素分析値
CH^Os N5 S · H2 0として
理論値 (%) C, 38.27, H, 5.73, N, 15.94
実測値 (%) C, 38.33, H, 5.51, N, 15.79
〔実施例 1 0〕
S - 〔 (1, 2—ジカルボキシイミ ド) ェチル〕 グルタチオン
CR, =H、 R2 R:! 二 NH、 n= 0]
グルタチオン 9.2 gおよびマレインィミ ド 3.5 gを用いて実施例 9と同様に反応処理して白色結晶 9.5 gを得る。
T L Cシリカゲル R f = 0. 1 5 ( n—ブタノール:酢酸:水二 4 : 1 : 1)
元紫分析値
C H20O8 Sとして
理論値 (%) C, 41.58, H, 4.99, N, 13.85
実測値 {%) C, 41.32, H, 4.95, N, 13.65
〔実施例 1 1〕
S - 〔N—ェチル一 2, 5—ジォキソピロリジン一 3—ィル〕 グ ルタチオン
CR, =H、 R2 R3 =N-C2 H5 、 n = 0
実施例 9のマレイン酸ジアミ ドの代わりに N—ェチルマレイン イ ミ ドを用いて同様に処理した。 白色結晶融点: 1 9 0〜 1 9 1 ° (分解) 。 収率 9 0 %。
〔実施例 1 2〕
S— 〔 1 — (または 2 ) カルボキシ一 2— (または 1 ) カルバモ ィルェチル〕 グルタチオン
〔R, =H、 R2 =OH (または NH2 ) 、 R3 =NH2 (また は OH) 、 n = 0〕
グルタチオン 9.2 gおよびマレイン酸モノアミ ド 4. 5 gを用い て実施例 9と同様に反応させた後同様に酢酸銅 6. 6 gを加えて溶 かし、 更にエタノールを加えて固化する銅塩を濾取し、 以下同様 に処理して得られた白色結晶を水に溶かしセフアデックス G_ 1
0のカラム (溶離液メタノール:水 = 1 : 1 ) で精製する。 白色 結晶 6. 9 gを得る。 TL Cシリカゲル R f =0. 0 5 (n—ブタ ノール:酢酸:水 = 4 : 1 : 1 )
〔実施例 1 3〕
S— ( 1, 2—ジカルボイソプロボキシェチル) グルタチオンィ ソプロピルエステル [R , =R2 =R3 = C 3 H7、 n = 0〕 G S—ィソプロピルエステル硫酸塩 4. 0 gおよびマレイン酸ジ ィソプロピル 2.4 gを用いて実施例 2と同様に反応させ、 同様に 処理し、 酢酸ェチル— n—へキサンから再結晶、 無定形結晶 2. 9 gを得る。
T L Cシリカゲル R f = 0.5 6 ( n—ブタノール:酢酸:水 = 4 : 1 : 1)
〔実施例 1 4〕
S— (1, 2—ジカルボイソブトキシェチル) グルタチオンイソ プロピルエステル [R, =C3 H7、 R2 =R3 =C4 H9、 n
= 0〕
G S—ィソプロピルエステル硫酸塩 4.0 gおよびマレイン酸ジ ィソブチルエステル 2.6 gを用いて実施例 2と同様に反応させ同 様に処理し酢酸ェチルー n—へキサンから再結晶、 無定形結晶 2. 5 gを得る。
TL Cシリカゲル R f =0.6 0 (n—ブタノール:酢酸:水 = '. 4 : 1 : 1)
元素分析値
C 25H 43 O ,oN3 Sとして
理論値 (%) C, 51.98, H, 7.50, N, 7.27
実測値 (%) C, 51.79, H, 7.46, N, 7.20
〔実施例 1 5〕
S— (2, 3—ジカルボ一 n—ブトキンプロピル) グルタチォ ンィソプロピルエステル CR, =C3 H7、 R2 =R3 =C4 H
9、 n = 1 )
G S—イソプロピルエステル硫酸塩 4.0 gおよびィタコン酸ジ 一 n—ブチル 2.8 gを用いて実施例 2と同様に反応させ、 同様に 処理し、 酢酸ェチル—石油ベンジンから再結晶させて白色結晶 2. 5 gを得る。
TLCシリカゲル R f =0.5 5 ( n—ブタノ一ル:酢酸:水 = 4 : 1 : 1)
元素分析値
C26H 4501oN3 Sとして
理論値 (%) C, 52.78, H, 7.67, N, 7.10
実測値 (%) C, 52.65, H, 7.51, N, 7.12
〔実施例 1 6〕
力ラゲ二ン結膜浮腫に対する効果
実験方法
動物は静岡実験動物農業協同組合より購入したウィスター系雄 性ラッ 卜 (体重約 120g) を使用した。
まずラッ 卜へのペントバルビタール 6mg/kgの腹腔内投与による 麻酔下、 生理食塩液に溶解した試験物質を静脈内注射(30mg/5ml/ , kg) し、 その 1分後に生理食塩液に溶解した 1%力ラゲニンをラッ ト眼瞼結膜下に 50 z l 注射した。 そして、 3時間後にラッ トを屠 殺して力ラゲ二ン結膜浮腫を採取し重量測定を行った。
結果: グルタチオン誘導体 9種について力ラゲニン結膜浮腫に 対する効果をみた (第 1表) 。 その結果、 n = 0、 R , = C 3 H
7 であって、 かつ R2 =R3 が OH、 OC2 H5 、 ΝΗ2 のいず れかまたは R 2 R3 =NHの化合物に有意な効果が認められた。
〔以下余白〕
第 1表
力ラゲニン結膜浮腫に対する効果
例数は 1 0 , 生理食塩液に対する有意差 : * 1 ; pく 0. 0 5 , * 2 ; p < 0. 0 1
〔実施例 1 7〕
ラッ ト背部受動的アナフィラキシー反応に対する作用
方法:動物は静岡実験動物農業協同組合より購入したウイスタ 一系雄性ラッ ト (体重約 1 3 0 g) を使用した。 ラッ ト背部の毛 をバリカンにより剃り落とし、 ラッ ト抗血清をラッ ト背部皮内へ 注射した。 3日後試験物質を尾静脈内より 30mg/kg を投与し( 対 照には生理食塩液) 、 1分後抗原である生理食塩液に溶解した 1% 卵白アルブミ ンと 2%エバンスブルーの等量混合液を lml 静脈内投 与し、 受動的アナフィラキシー反応を惹起した。 30分後ラッ 卜を 屠殺し、 ラッ ト背部の色素量部位を採取し、 10mlのホルムアミ ド で色素を抽出し色素量を求めた。
結果: グルタチォン誘導体 9種について背部アナフィラキシー 反応に対する作用についてみた (第 2表) 。 その結果、 n = 0、 R,が C3 H7 であって、 かつ R2 =R3 が OH、 OC2 H5 、 0 C , H9、 NH2 のいずれかの化合物並びに R,が Hであって かつ R2 が OH (または NH2 ) あるいはおよび R3 =NH2 ( または OH) 、 R2 R3 =NHの化合物に有意な効果が認められ た。
〔以下余白〕
第 2表
ラ ッ 卜背部受動的ァナフィ ラキシ一反応に対する作用
Mean土 S. E. 例数は 5 , 生理食塩液に対する有意差 : * 1 ; ρ < 0. 0 5 .
〔実施例 1 8〕
ァセ トアミノフニン肝障害に対する効果
方法:動物は静岡実験動物農業協同組合より購入した SD系雄 性ラッ 卜 (体重約 180g) を使用した。 試験物質を経口投与し(0.5 醒 ole/kg)l時間後にァセトァミノフエン 300mg/kgを腹腔内投与し た。 24時間後にラッ ト腹部大動脈より採血し、 血清を得た。 そし て、 s— GOT、 GPTについて測定した。
結果: グルタチオン誘導体 7種についてァセ トァミ ノフヱン肝 障害に対する効果を試した (第 3表) 。 その結果、 n= Q、 R, が C3 H7 であって、 かつ R2 が OH、 OC2 H5 、 OC4 H9 または OC3 H7 のいずれかである化合物並びに R,が Hであつ てかつ R2 = R3 が NH2 あるいは R2 R3 =NHの化合物に有 意な効果が認められた。 さらに n= l、 R,が C3 Hv かつ R2 =R3 が C4 Hflの化合物にも有意な効果が認められた。
〔以下余白〕
第 3毒
ァセ トア ミ ノ フェン肝障害に対する効果
OO
値は Mean土 S. E. は 6 , ( ) 内は抑制率を示す,
生理食塩液に対する : * 1 ; D < 0. 0 1 .
〔製剂実施例 1〕 内服錠
S— ( 1, 2—ジカルボブトキシェチル) G S—イソプロピル
100 mg
乳糖 80 mg
デンプン 17 mg
ステアリン酸マグネシゥム 3 mg
以上を 1錠分として常法により製造する。 必要に応じて糖衣を 付してもよい。
〔製剤実施例 2〕 注射剤
S— ( 1, 2—ジカルボエトキンェチル) G S—イソプロピル
1.5g
塩化ナトリウム 0.6g
注射用蒸留水 100 ml
以上を混和し無菌濾過する。 瀘液を無菌的に 2 mlずつガラスァ ンプルに充填し、 溶閉じて注射剤とする。
〔製剤実施例 3〕 点眼剤
S— ( 1, 2—ジカルボキシェチル) G S—イソプロピル
1.
ホウ酸 0.7
酢酸ナトリウム 0.2
塩化ナトリウム 0.5
P—ォキシ安息香酸メチル 0.02
クロロブタノ一ノレ 0.3
10(W/V) 水酸化ナトリウム液
滅菌精製水 全量 100ml
H 6.5
〔製剤実施例 4〕 軟膏
S— (1, 2—ジカルボエトキシェチル) G S—ェチル 20g 白色ヮセリン 250g
ステアリルアルコール 200g
プロピレングリコール 120g
ポリォキシェチレン硬化ヒマシ油 60 40g
モノステアリン酸グリセリン lOg
パラォキシ安息香酸メチル lg
パラォキシ安息香酸プロピル lg
精製水
1000 g
【産業上の利用可能性】
本発明の新規なグルタチオン誘導体は、 組織吸収性に優れ、 抗 炎症作用、 抗ァレルギ一剤作用または肝障害抑制作用を有してい るので、 それら各種疾患治療剤として有利に使用することができ る O