JP2988637B2 - グルタチオン誘導体 - Google Patents

グルタチオン誘導体

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JP2988637B2
JP2988637B2 JP3504281A JP50428191A JP2988637B2 JP 2988637 B2 JP2988637 B2 JP 2988637B2 JP 3504281 A JP3504281 A JP 3504281A JP 50428191 A JP50428191 A JP 50428191A JP 2988637 B2 JP2988637 B2 JP 2988637B2
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晋爾 大森
一美 緒方
享宏 阪上
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Senju Pharmaceutical Co Ltd
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Senju Pharmaceutical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 【技術分野】
本発明は、新規かつ有用なグルタチオン誘導体に関す
る。さらに詳しくは、グルタチオン(またはそのエステ
ル)−S−コハク酸またはその誘導体、それらの製造法
並びにそれらを有効成分として含有してなる抗炎症剤、
抗アレルギー剤または肝障害抑制剤に関する。
【背景技術】
従来種々のグルタチオン誘導体が知られている。その
1つであるS−(α、β−ジカルボキシエチル)グルタ
チオンはD.H.CalamおよびS.G.Waley(Biochem.J.86 226
(1963))によって牛水晶体から発見された生体内化合
物であるが、その薬理作用については殆ど知られていな
いのが現状であるが、本発明者らはさきに本化合物が血
小板凝集抑制作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用、抗
腫瘍作用並びに肝障害抑制作用があることなどを見出し
ている(特開昭63−8337、特願平1−79956、特願平1
−183484、特願平1−251534、特願平1−256370)。 本発明者らは、さらに選れた組織吸収性を有するグル
タチオン誘導体を求めて、グルタチオン(またはそのモ
ノエステル)とマレイン酸、イタコン酸、そのエステ
ル、アミドまたはイミド等により各々対応した新規のグ
ルタチオン誘導体を合成し、これら化合物が優れた薬効
を有することを見出し、さらに種々検討の結果本発明を
完成するに至った。
【発明の開示】
すなわち、本発明は、 (1)次の式 〔式中、nは0または1、R1は水素またはアルキル基、
R2、R3は同一または異なって水酸基、低級アルコキシ
基、アミノ基またはイミノ基を示す。但し、n=0であ
ってR2、R3が同一または異なって水酸基、低級アルコキ
シ基であるときはR1はアルキル基を示す。〕で表される
化合物またはその薬理学的に許容できる塩、(2)それ
らの製造法(3)およびそれらの有効成分として含有し
てなる抗炎症剤、抗アレルギー剤または肝障害抑制剤に
関する。 式中のR1は水素または低級アルキル基を示し、アルキ
ル基の炭素数としては1ないし10が好ましい。アルキル
基における炭素鎖は、直鎖でも分岐鎖でも環状でもよく
さらに環状部分を含んでいてもよい。すなわちアルキル
基としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロ
ピル、シクロプロピル、n−ブチル、t−ブチル、sec
−ブチル、n−ペンチル、l−エチルプロピル、i−ペ
ンチルやベンジルなどの基が挙げられる。 式中のR2、R3は同一または異なって水酸基、低級アル
コキシ基、アミノ基またはイミノ基を示す。低級アルコ
キシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イ
ソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキ
シ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオ
キシ、tert−ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、2
−メチルブトキシ、1,2−ジメチルプロポキシ、1−エ
チルプロポキシなどが例示される。アミノ基およびイミ
ノ基はアルキル基などの基で置換されていてもよい。 本発明の製剤において、本化合物は遊離酸として、あ
るいは薬理学的に無毒の塩、たとえば、ナトリウム塩、
カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグ
ネシウム塩などのアルカリ土類金属塩として用いること
ができる。これらの塩は、本化合物中に存在するカルボ
キシ基のうち全部が塩を形成していてもよく、またその
一部のみが塩を形成しているものであってもよい。それ
らはいずれも本製剤調製のため適宜に使用することがで
きる。 本発明の化合物の製造法は次のとおりである。まず、
グルタチオン、またはグルタチオンを目的のエステル誘
導体に対応するアルコールと硫酸などの酸の存在下で反
応させて得られるグルタチオンモノエステル(γ−グル
タミルシステイニルグリシンエステル)を、水溶液また
は水性溶液中でマイレン酸、イタコン酸またはその誘導
体と好ましくはpH約4〜8程度で室温または加温下で攪
拌して反応させる。この反応は容易に終結する。この反
応液をカラムクロマトに付し、または適宜の溶媒による
再結晶により単離精製して目的化合物を得ることができ
る。マイレン酸またはイタコン酸を誘導体としては、そ
れらのジエステル、モノエステル、ジアミド、モノアミ
ド、イミドおよびN−アルキルアミンが挙げられ、それ
らの組合せでもよい。 このようにして得られるこれらの化合物はいずれも分
子中に不斉炭素原子を有するので、光学異性体が存在す
るが、いずれの光学活性を有するものも、またそれらの
混合物であっても、本発明の目的に適宜使用することが
できる。 本製剤によって治療しうる炎症性疾患としては、たと
えば慢性関節リウマチ、変形性脊椎症、変形性関節症、
腰痛症、痛風症発作、急性中耳炎、膀胱炎、前立腺炎、
歯痛、葡萄膜炎や副鼻腔炎などが挙げられる。 また、本発明の製剤を適用しうるアレルギー性疾患と
しては、たとえ気管支性喘息、花粉症、アレルギー性鼻
炎、食事性アレルギー性胃炎、アレルギー性下痢、潰瘍
性大腸炎、口内炎、結節性動脈周囲炎、閉塞性動脈内膜
炎、心内膜炎、蕁麻疹、湿疹、接触性皮膚炎、フリクテ
ン、交感性眼炎、アレルギー性結膜炎およびアレルギー
性角膜炎などの各種疾患があり、それらの疾患の治療に
有利に使用することができる。 さらに本製剤は急性および慢性の肝障害の発生を効果
的に抑制しGOT、GPT値の上昇を抑え、急性あるいは慢性
肝炎の予防・治療に有用であり、また肝硬変の予防・治
療にも有効に使用することが可能である。たとえばアセ
トアミノフェンのような薬物による肝障害にも有利に使
用することができる。 本発明の製剤は、前記したように抗炎症、抗アレルギ
ーまたは肝障害抑制剤として、経口的にあるいは非経口
的に適宜に使用される。製剤の形態としてはたとえば錠
剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤や軟膏等の固形製剤また
は点眼剤、点耳剤、点鼻剤や注射剤等の液剤などいずれ
の形にも公知の方法により疾患の種類や部位に応じて適
宜調製することができる。これらの製剤には通常用いら
れる結合剤、崩壊剤、増粘剤、分散剤、再吸収促進剤、
矯味剤、緩衝剤、界面活性剤、溶解補助剤、保存剤、乳
化剤、等張化剤、安定化剤やpH調整剤等の賦型剤を適宜
使用してもよい。 本活性成分の用量はその化合物の種類、疾患の種類、
患者の年令、体重、その剤型や適応症状等によって異な
るが、たとえば注射剤の場合、成人1日1回1〜500mg
程度、内服剤の場合は、成人1日数回、1回量約10〜20
00mg程度投与するのがよい。局所投与の場合は、0.1〜
5(W/V)%程度がよい。 本発明の薬剤には、目的と必要に応じて、本活性成分
のうち1種または2種以上を適宜組み合わせて含有させ
ることもできる。 本発明の薬剤には本発明の目的に反しないかぎり、そ
の他の同種または別種の薬効を奏する成分を適宜含有さ
せてもよい。 図面の簡単な説明 第1図はS−(1,2−ジカルボエトキシエチル)グル
タチオン−イソプロピルエステルのIR、第2図はS−
〔(1,2−ジカルボキシイミド)エチル〕グルタチオン
−イソプロピルエステルのIRおよび第3図はS(1,2−
ジカルボエトキシエチル)グルタチオンエチルエステル
のIRをそれぞれ示している。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、実施例および製剤実施例を挙げて本発明を詳細
に説明する。 〔実施例1〕γ−L−グルタミル−〔S−(1,2−ジカ
ルボエトキシエチル)〕−L−システイニルグリシンイ
ソプロピルエステル 〔S−(1,2−ジカルボエトキシエチル)グルタチオン
−イソプロピルエステル〕 〔R1=C3H7、R2=R3=OC2H5、n=0〕 γ−L−グルタミル−L−システイニルグリシンイソ
プロピルエステル硫酸塩(以下、「GS−イソプロピルエ
ステル硫酸塩」という。)4.0gを水50mlに懸濁して置き
これに2N−水酸化ナトリウムを徐々に滴下させ、pH7.0
として溶かす。次にこれにマイレン酸ジエチル2.0gを加
えて室温で3時間攪拌後、酢酸で1mlを加えて酸性とし
濃縮しこれにエタノールおよび酢酸エチルを加えて無機
塩を濾別後、溶媒留去、残差に酢酸エチルを加えて溶か
しこれにn−ヘキサンを加えて析出するコロイド状結晶
を濾取、これに酢酸エチル−n−ヘキサンから再結晶さ
せて3.8gを得る。 TLCシリサゲル Rf=0.55(n−ブタノール:酢酸:水
=4:1:1) 元素分析値 C21H35O10N3S・1/2H2Oとして 理論値(%) C,47.54,H,6.84,N,7.92 実測値(%) C,47.42,H,6.75,N,7.87 第I図にそのIRを示す。 〔実施例2〕S−(1,2−ジカルボ−n−ブトキシエチ
ル)グルタチオン−イソプロピルエステル 〔R1=C3H7、R2=R3=OC4H9、n=0〕 GS−イソプロピルエステル硫酸基4.0gを水50mlに懸濁
して置き実施例1と同様に2N−水酸化ナトリウムでpH7.
0とする。これにマイレン酸ジ−n−ブチル2.5gおよび
エタノール50mlを加えて室温で12時間攪拌後、溶媒を留
去酢酸エチルで抽出、水洗後これを留去させる。これに
石油ベンジンを加えて析出する白色結晶を濾取、酢酸エ
チル−石油ベンジンから再結晶させて白色結晶3.8gを得
る。 TLCシリカゲル Rf=0.60(n−ブタノール:酢酸:水
=4:1:1) 元素分析値 C25H43O10N3S・1/2H2Oとして 理論値(%) C,51.18,H,7.56,N,7.16 実測値(%) C,51.24,H,7.41,N,7.07 〔実施例3〕 S−(1,2−ジカルバモイルエチル)グルタチオン−イ
ソプロピルエステル 〔R1=C3H7、R2=R3=NH3、n=0〕 GS−イソプロピルエステル硫酸基4.0gおよびマイレン
酸ジアミド1.5gを用いて実施例1と同様に反応させ、反
応液を濃縮後、セファデックスG−10のカラム(溶離液
エタノール:水=1:1)で分離した結晶を水−エタノー
ルから再結晶させる白色コロイド状結晶3.7gを得る。 Rf=0.22(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:1) 元素分析値 C17H29O8N5S・1/2H2Oとして 理論値(%) C,43.21,H,6.40,N,14.82 実測値(%) C,43.12,H,6.39,N,14,66 〔実施例4〕 S−〔(1,2−ジカルボキシイミド)エチル〕グルタチ
オン−イソプロピルエステル 〔R1=C3H7、R2R3=HN、n=0〕 GS−イソプロピルエステル硫酸塩4.0gおよびマレイン
イミド1.3gを用いて実施例3と同様に反応処理して1.5g
の無定形(コロイド状)結晶を得る。 Rf=0.37(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:1) 元素分析値 C17H26O8N4Sとして 理論値(%) C,45.73,H,5.87,N,12.55 実測値(%) C,45.61,H,5.85,N,12.28 そのIRは第2図のとおりである。 〔実施例5〕 S−(1,2−ジカルボキシエチル)グルタチオン−イソ
プロピルエステル 〔R1=C3H7、R2=R3=OH、n=0〕 GS−イソプロピルエステル硫酸塩4.0gおよびマイレン
酸1.6gを用いて実施例3と同様にして反応処理する。Na
塩として3.4gを得る。 TLCシリカゲル Rf=0.25(n−ブタノール:酢酸:水
=4:1:1) 〔実施例6〕 S−〔1−(または2)カルボキシ−2−(または1)
カルボエトキシエチル〕グルタチオン−イソプロピルエ
ステル 〔R1=C3H7、R2=OHまたはOC2H5、R3=OC2H5またはOH、
n=0〕 GS−イソプロピルエステル硫酸塩4.0gおよびマレイン
酸モノエチル1.7gを用いて実施例3と同様にして反応処
理する。白色結晶2.7gを得る。TLCシリカゲル Rf=0.3
6(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:1) 〔実施例7〕 S−(1,2−ジカルボ−n−ブトキシエチル)グルタチ
オンエチルエステル 〔R1=C2H5、R2=R3=OC4H9、n=0〕 グルタチオン3.1gをエタノール20mlに懸濁して置き、
氷冷攪拌下に硫酸0.8mlを滴下して溶かし、3時間室温
で攪拌を続けた後、一夜冷所に放置する。次にこれに水
40mlを加え、さらに2N−水酸化ナトリウム液でpH7.0と
し、これにマレイン酸ジ−n−ブチル2.7gを加えて24時
間攪拌する。次に反応液を濃縮しエタノールを加えて無
機塩を濾別後、溶媒を留去する。以下実施例3と同様に
処理し酢酸エチル−イソプロピルエーテルから再結晶さ
せる。無定形無色結晶3.1gを得る。 TLCシリカゲル Rf=0.57(n−ブタノール:酢酸:水
=4:1:1) 元素分析値 C24H41O10N3S・1/2H2Oとして 理論値(%) C,50.34,H,7.39,N,7.34 実測値(%) C,50.36,H,7.35,N,7.25 〔実施例8〕 S−(1,2−ジカルボエトキシエチル)グルタチオンエ
チルエステル 実施例7のマイレン酸ジブチルの代わりにマイレン酸
ジエチルを用いて同様に行った。TLCシリカゲル Rf=
0.48(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:1) そのIRは第3図のとおりである。 〔実施例9〕 S−(1,2−ジカルバモイルエチル)グルタチオン 〔R1=H、R2=R3=NH2、n=0〕 グルタチオン9.2gを水150mlに溶かし、これに2N−水
酸化ナトリウムでpH6.5に調整した後、これにマイレン
酸ジアミド4.6gを加えて24時間攪拌する。次にこれに酢
酸銅6.6gを加えて溶かし、放置すると青白色の銅塩を析
出する。これを濾取し、水洗後200mlの水に懸濁して置
き、これに硫化水素ガスを導入して黒色の硫化銅を析出
させた後、これを濾別し、濾液を濃縮する。これにエタ
ノールを加えて固化する結晶を濾取、水−エタノールか
ら再結晶させる。白色結晶9.5gを得る。 TLCシリカゲル Rf=0.07(n−ブタノール:酢酸:水
=4:1:1) 元素分析値 C14H23O8N5S・H2Oとして 理論値(%) C,38.27,H,5,73,N,15.94 実測値(%) C,38.33,H,5.51,N,15.79 〔実施例10〕 S−〔(1,2−ジカルボキシイミド)エチル〕グルタチ
オン 〔R1=H、R2R3=NH、n=0〕 グルタチオン9.2gおよびマレインイミド3.5gを用いて
実施例9と同様に反応処理して白色結晶9.5gを得る。 TLCシリカゲル Rf=0.15(n−ブタノール:酢酸:水
=4:1:1) 元素分析値 C14H20O8N4Sとして 理論値(%) C,41.58,H,4.99,N,13.85 実測値(%) C,41.32,H,4.95,N,13.65 〔実施例11〕 S−〔N−エチル−2,5−ジオキソピロリジン−3−イ
ル〕グルタチオン 〔R1=H、R2R3=N−C2H5、n=0〕 実施例9のマレイン酸ジアミドの代わりにN−エチル
マレインイミドを用いて同様に処理した。白色結晶融
点:190〜191゜(分解)。収率90%。 〔実施例12〕 S−〔1−(または2)カルボキシ−2−(または1)
カルバモイルエチル〕グルタチオン 〔R1=H、R2=OH(またはNH2)、R3=NH2(またはO
H)、n=0〕 グルタチオン9.2gおよびマイレン酸モノアミド4.5gを
用いて実施例9と同様に反応させた後同様に酢酸銅6.6g
を加えて溶かし、更にエタノールを加えて固化する銅塩
を濾取し、以下同様に処理して得られた白色結晶を水に
溶かしセファデックスG−10のカラム(溶離液メタノー
ル:水=1:1)で精製する。白色結晶6.9gを得る。TLCシ
リカゲル Rf=0.05(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:
1) 〔実施例13〕 S−(1,2−ジカルボイソプロポキシエチル)グルタチ
オンイソプロピルエステル〔R1=R2=R3=C3H7、n=
0〕 GS−イソプロピルエステル硫酸塩4.0gおよびマイレン
酸ジイソプロピル2.4gを用いて実施例2と同様に反応さ
せ、同様に処理し、酢酸エチル−n−ヘキサンから再結
晶、無定形結晶2.9gを得る。 TLCシリカゲル Rf=0.56(n−ブタノール:酢酸:水
=4:1:1) 〔実施例14〕 S−(1,2−ジカルボイソブトキシエチル)グルタチオ
ンイソプロピルエステル〔R1=C3H7、R2=R3=C4H9、n
=0〕 GS−イソプロピルエステル硫酸塩4.0gおよびマレイン
酸ジイソブチルエステル2.6gを用いて実施例2と同様に
反応させ同様に処理し酢酸エチル−n−ヘキサンから再
結晶、無定形結晶2.5gを得る。 TLCシリカゲル Rf=0.60(n−ブタノール:酢酸:水
=4:1:1) 元素分析値 C25H43O10N3Sとして 理論値(%) C,51.98,H,7.50,N,7.27 実測値(%) C,51.79,H,7.46,N,7.20 〔実施例15〕 S−(2,3−ジカルボ−n−ブトキシプロピル)グルタ
チオンイソプロピルエステル〔R1=C3H7、R2=R3=C
4H9、n=1) GS−イソプロピルエステル硫酸塩4.0gおよびイタコン
酸ジ−n−ブチル2.8gを用いて実施例2と同様に反応さ
せ、同様に処理し、酢酸エチル−石油ベンジンから再結
晶させて白色結晶2.5gを得る。 TLCシリカゲル Rf=0.55(n−ブタノール:酢酸:水
=4:1:1) 元素分析値 C26H45O10N3Sとして 理論値(%) C,52.78,H,7.67,N,7.10 実測値(%) C,52.65,H,7.51,N,7.12 〔実施例16〕 カラゲニン結膜浮腫に対する効果 実験方法 動物は静岡実験動物農業協同組合より購入したウィス
ター系雄性ラット(体重約120g)を使用した。 まずラットへのペントバルビタール6mg/kgの腹腔内投
与による麻酔下、生理食塩液に溶解した試験物質を静脈
内注射(30mg/5ml/kg)し、その1分後に生理食塩液に
溶解した1%カラゲニンをラット眼瞼結膜下に50μl注
射した。そして、3時間後にラットを屠殺してカラゲニ
ン結膜浮腫を採取し重量測定を行った。 結果:グルタチオン誘導体9種についてカラゲニン結
膜浮腫に対する効果をみた(第1表)。その結果、N=
0、R1=C3H7であって、かつR2=R3がOH、OC2H5、NH2
いずれかまたはR2R3=NHの化合物に有意な効果が認めら
れた。 〔実施例17〕 ラット背部受動的アナフィラキシー反応に対する作用 方法:動物は静岡実験動物農業協同組合より購入した
ウィスター系雄性ラット(体重約130g)を使用した。ラ
ット背部の毛をバリカンにより剃り落とし、ラット抗血
清をラット背部皮内へ注射した。3日後試験物質を尾静
脈内より30mg/kgを投与し(対照には生理食塩液)、1
分後抗原である生理食塩液に溶解した1%卵白アルブミ
ンと2%エバンスブルーの等量混合液を1ml静脈内投与
し、受動的アナフィラキシー反応を惹起した。30分後ラ
ットを屠殺し、ラット背部の色素量部位を採取し、10ml
のホルムアミドで色素を抽出し色素量を求めた。 結果:グルタチオン誘導体9種について背部アナフィ
ラキシー反応に対する作用についてみた(第2表)。そ
の結果、n=0、R1がC3H7であって、かつR2=R3がOH、
OC2H5、OC4H9、NH2のいずれかの化合物並びにR1がHで
あってかつR2がOH(またはNH2)あるいはおよびR3=NH2
(またはOH)、R2R3=NHの化合物に有意な効果が認めら
れた。 〔実施例18〕 アセトアミノフェン肝障害に対する効果 方法:動物は静岡実験動物農業協同組合より購入した
SD系雄性ラット(体重約180g)を使用した。試験物質を
経口投与し(0.5mmole/kg)1時間後にアセトアミノフ
ェン300mg/kgを腹腔内投与した。24時間後にラット腹部
大動脈より採血し、血清を得た。そして、s−GOT、GPT
について測定した。 結果:グルタチオン誘導体7種についてアセトアミノ
フェン肝障害に対する効果を試した(第3表)。その結
果、n=0、R1がC3H7であって、かつR2がOH、OC2H5、O
C4H9またOC3H7のいずれかである化合物並びにR1がHで
あってかつR2=R3がNH2あるいはR2R3=NHの化合物に有
意な効果が認められた。さらにn=1、R1がC3H7かつR2
=R3がC4H9の化合物にも有意な効果が認められた。 〔製剤実施例1〕 内服錠 S−(1,2−ジカルボブトキシエチル)GS−イソプロ
ピル 100mg 乳糖 80mg デンプン 17mg ステアリン酸マグネシウム 3mg 以上を1錠分として常法により製造する。必要に応じ
て糖衣を付してもよい。 〔製剤実施例2〕 注射剤 S−(1,2−ジカルボエトキシエチル)GS−イソプロ
ピル 1.5g 塩化ナトリウム 0.6g 注射用蒸留水 100 ml 以上を混和し無菌濾過する。濾液を無菌的に2mlずつ
ガラスアンプルに充填し、溶閉して入射剤とする。 〔製剤実施例3〕 点眼剤 S−(1,2−ジカルボキシエチル)GS−イソプロピル
1.0(W/V)% ホウ酸 0.7 酢酸ナトリウム 0.2 塩化ナトリウム 0.5 P−オキシ安息香酸メチル 0.02 クロロブタノール 0.3 10(W/V)%水酸化ナトリウム液 適量 滅菌精製水 全量100ml pH6.5 〔製剤実施例4〕 軟膏 S−(1,2−ジカルボエトキシエチル)GS−エチル20g 白色ワセリン 250g ステアリルアルコール 200g プロピレングリコール 120g ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 60 40g モノステアリン酸グリセリン 10g パラオキシ安息香酸メチル 1g パラオキシ安息香酸プロピル 1g 精製水 適量 全量 1000g
【産業上の利用可能性】
本発明の新規なグルタチオン誘導体は、組織吸収性に
優れ、抗炎症作用、抗アレルギー剤作用または肝障害抑
制作用を有しているので、それら各種疾患治療剤として
有利に使用することができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−48626(JP,A) 特開 昭63−8337(JP,A) 特開 平3−118334(JP,A) 米国特許3984569(US,A) 国際公開89/427(WO,A1) Biochemistry,Vol. 15(19),p4228−4233(1976) Z.Nature.forach., C:Biosci.,Vol.42 (5),p603−612(1987) J.Clin.Chem.Clin. Biochem.,Vol.22(4), p285−290(1984) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07K 5/02,1/02 A61K 38/00 CA(STN) REGISTRY(STN) WPI(DIALOG)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の式 〔式中、nは0または1,R1は水素またはアルキル基、
    R2、R3は同一または異なって水酸基、低級アルコキシ
    基、NH2基またはR2R3でNH基若しくはN−C2H5基を示
    す。但し、nが0であってR2、R3が同一または異なって
    水酸基、低級アルコキシ基であるときは、R1はアルキル
    基を示す。で表される化合物またはその薬理学的に許容
    できる塩。
  2. 【請求項2】請求の範囲第1項記載の化合物であって、 (1)R1がイソプロピル基、R2がエトキシ基、R3がエト
    キシ基であり、nが0である化合物、 (2)R1がイソプロピル基、R2がn−ブトキシ基、R3
    n−ブトキシ基であり、nが0である化合物、 (3)R1がイソプロピル基、R2がNH2基、R3がNH2基であ
    り、nが0である化合物、 (4)R1がイソプロピル基、R2R3でNH基であり、nが0
    である化合物、 (5)R1がイソプロピル基、R2が水酸基、R3が水酸基で
    あり、nが0である化合物、 (6)R1がイソプロピル基であり、R2が水酸基でR3がエ
    トキシ基であるかまたはR2がエトキシ基でR3が水酸基で
    あり、nが0である化合物、 (7)R1がエチル基、R2がn−ブトキシ基、R3がn−ブ
    トキシ基であり、nが0である化合物、 (8)R1がエチル基、R2がエトキシ基、R3がエトキシ基
    であり、nが0である化合物、 (9)R1が水素、R2がNH2基、R3がNH2基であり、nが0
    である化合物、 (10)R1が水素、R2R3でNH基であり、nが0である化合
    物、 (11)R1が水素、R2R3でN−C2H5基であり、nが0であ
    る化合物、 (12)R1が水素であり、R2が水酸基でR3がNH2基である
    かまたはR2がNH2基でR3が水酸基であり、nが0である
    化合物、 (13)R1がイソプロピル基、R2がイソプロポキシ基、R3
    がイソプロポキシ基であり、nが0である化合物、 (14)R1がイソプロピル基、R2がイソブトキシ基、R3
    イソブトキシ基であり、nが0である化合物、 (15)R1がイソプロピル基、R2がn−ブトキシ基、R3
    n−ブトキシ基であり、nが1である化合物、 よりなる群より選ばれる化合物、またはその薬理学的に
    許容できる塩。
  3. 【請求項3】請求の範囲第1項又は第2項記載の化合物
    またはその薬理学的に許容できる塩を有効成分として含
    有してなる抗炎症又は抗アレルギー剤。
  4. 【請求項4】請求の範囲第1項又は第2項記載の化合物
    またはその薬理学的に許容できる塩を有効成分として含
    有してなる肝障害抑制剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US3984569A (en) 1971-09-20 1976-10-05 L'oreal Cosmetic compositions for treating the hair containing S-substituted derivatives of glutathione

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Title
Biochemistry,Vol.15(19),p4228−4233(1976)
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