WO1991005098A1 - False twisting method and apparatus - Google Patents

Description

明 細 書

仮ヨ リ加工方法および仮ョ リ加工装置

技術分野

本発明は、 高速仮ヨ リ加工方法および高速仮ョ リ加工 装置に関し、 さ らに詳しく は、 糸速度 1 0 0 0 mノ分以 上の仮ョ リ加工を円滑に実施可能にする高速仮ョ リ加工 方法およびそれを円滑に実施するための高速仮ョ リ加工 装置に関するものである。

背景技術

従来、 熱可塑性マルチフィ ラメ ン ト糸の仮ヨ リ加工で は、 生産性の向上を目的と して、 業界では、

1 ) 仮ヨ リ加工用原糸と加工糸のラージパッケージ化と- パッケージのハン ドリ ングの自動化とにより省力化を図 2 ) 高効率な加熱、 冷却方法等を開発し、 省エネルギー 化を図る。

3 ) シンプルなコ ンパク ト設備を開発し、 省スペース化 を図る。

などの新規生産技術開発が進められてきた。

さ らに、 1 0 0 0 mノ分以上の超高速加工を目指すこ とが試みれるようになっている。 高速仮ヨ リ加工を行う ために、 従来から今日に至るまで採られてきた手段は、 1 ) 供給原糸と して、 高配向未延伸糸 （ P O Y ； P arti al ly O riented Y arns) 使つ ₀

2 ) ヒータは速度に応じて長尺化する。 こ こでいう ヒー 夕は、 一般にダウサム等の熱媒で、 平滑な表面を有する 金属製の接糸板を加熱する所謂乾熱板を言う。

3 ) 冷却装置と して金属製の接糸板を使い、 さ らには該 接糸板を冷却水で積極的に冷やす所謂冷却板を使う。

4 ) 仮ヨ リ ツイスタは、 高速加撚が可能なフ リ ク シ ョ ン 方式とする。

5 ) 糸条のバルーニングを抑制するために糸条がフ リー で走行する部分をできるだけ少なく する。

6 ) 糸条が接触するガイ ド等の糸道部分の磨きを良くす る。

などである。

しかし、 このような手段で 1 0 0 0 m Z分以上の糸速 度になると、 従来、 実際に使用されている乾熱板と冷却 板の長さでは、 加熱—冷却が不十分となり、 加工糸の品 質も従来の水準を維持できない。 また、 十分な加熱をす るために乾熱板や冷却板を長くすると加撚糸条にバル一 ニングが発生し、 さ らに長くすると糸が掛からなく なる, また、 糸速度を上げていく と、 加撚糸条にバルーニング が発生する。 バルーニングによって、 加撚糸条が乾熱板 や冷却板から離れやすく なり、 加熱一冷却が不十分にな る。 加工速度を速くすると発生するバルーニングは糸切 れを増加させる。 糸切れの増加で安定な生産を維持でき なく なる。 生産性が不安定であれば、 高速化により コス トダウンができなく なる。

そこで、 高速時の加工安定性を維持するため、 低速の 加工条件より もヨ リ数を少なく し、 加工張力、 特に加撚 張力を高く するなどしてバルーニングを押えることがあ るが、 当然良好な加工糸物性は得られない。

本発明者らは、 上記したような高速仮ョ リの問題点に 鑑み、 鋭意検討を重ねた結果、 本発明に到達した。

発明の開示

本発明の目的は、 1 0 0 0 m/分を越える高速仮ヨ リ であっても良好な加工糸特性を得るこ とができ、 しかも- 安定で高い生産性が維持できる仮ヨ リ加工方法および仮 ョ リ加工装置を提供せんとするものである。

上記した目的を達成するため、 本発明は、 以下の構成 力、らなる。

すなわち、 熱可塑性マルチフ ィ ラメ ン ト糸を仮ョ リ加 ェするに際し、 高品質の仮ヨ リ加工糸を得るために下記 第 1式を満す高い仮ヨ リ数のもとで仮ヨ リ加工し、 かつ 高い生産性を得るために下記第 2式を満す糸速度のもと で仮ヨ リ加工し、 更にかつ高い加工安定性を得るために 下記第 3式を満す短かい糸道長のもとで仮ョ リ加工する ことを特徴とする仮ョ リ加工方法および該仮ョ リ加工方 法を実施するための仮ョ リ加工装置に関するものである 第 1式 T≥ 0. 2 4

第 2式 V≥ l . 3 0 x 1 0 "³/ Γ

第 3式 L≤ 9 0ZV

こ こで Tは、 糸 l m当りに挿入する仮ヨ リ数 （n回ノ m ； nはヨ リ のター ン数） 。 Vは、 糸速度 （m //秒） 。

Lは、 仮ヨ リ域へ糸を供給するローラから仮ヨ リを揷 入するッイス夕までの糸道長 （m ) 。

Aは、 糸の断面積 （πθ であり、 糸の繊度 （単位長さ 当りの重さ） を糸の密度 （単位体積当りの重さ） で除し て求める。

また、 本発明の仮ヨ リ加工装置は、 熱可塑性マルチフ ィ ラメ ン ト糸の仮ョ リを実施するための仮ョ リ加工装置 が、 少なく とも仮ョ リ域へ糸を供給するフィ 一 ドローラ、 糸に直接蒸気を接触させる熱処理装置、 糸に直接水を接 触させる冷却装置、 仮ヨ リ ツイスタ、 およびデリベリ ロ ーラの順に配列した装置を含むことを特徴とする仮ヨ リ 加工装置である。

図面の簡単な説明

第 1図は、 本発明の延伸仮ヨ リ装置の一例を示す概略 図、 第 2図は、 比較例の延伸仮ヨ リ装置を示す概略図で ある。

発明を実施するための最良の形態

以下、 本発明をさ らに詳しく説明する。

第一に、 本発明は、 熱可塑性マルチフイ ラメ ン ト糸を 仮ヨ リ加工するに際し、 高品質の仮ヨ リ加工糸を得るた めに、 仮ヨ リ数 Τを 0 . 2 4 の値以上に限定する 仮ョ リ加工方法を提供せんとするものである。

すなわち、 1 0 0 0 mノ分以上の糸速度においても、 1 0 0 O m Z分未満の糸速度で得られた加工糸物性と同 等のものを維持するために、 仮ヨ リ数 Tは、 0. 2 4 の値以上に限定するのである。 好ま し く は、 0. 2

5 ΛΓ の値以上、 さ らに好ま しく は 0. 2 6 の値以 上であるように限定することが望ま しい。

なお、 本発明において、 かかる Αの値は、 得られる糸 の単位長さ当りの重さと、 該糸の比重とから計算により 求められるものである。

また、 仮ヨ リ数 Tは、 糸加工中に加工装置から、 加撚 糸をていねいにサンプリ ングし、 測定される値である。

第二に、 本発明は、 熱可塑性マルチフィ ラメ ン ト糸を 仮ヨ リ加工するに際し、 高品質の仮ヨ リ加工糸と高い生 産性を得るために、 糸速度 Vを、 1. 3 0 X 1 0—³ /" の値以上に限定する仮ョ リ加工方法を提供せんとす るものである。

すなわち、 高い生産性と従来の低速加工と同等の良好 な加工糸物性を維持するために、 糸速度 Vは、 1. 3 0

X 1 0— ³ノ^^の値以上に限定するのである。 好ま しく は、 1. 5 5 X 1 0— ³ノ ~¾"の値以上、 さ らに好ま しく は、 1. 8 1 X 1 0— ³の値以上が望ま しい。

第三に、 本発明は、 熱可塑性マルチフィ ラメ ン ト糸を 仮ヨ リ加工するに際し、 高い加工安定性を得るために、 仮ョ リ域へ糸を供給するフィ 一 ドロ一ラから、 仮ョ リを 挿入するツイスタまでの糸道の長さ Lを 9 0 ZVの値以 上に限定する仮ョ リ加工方法を提供せんとする ものであ る o すなわち、 仮ョ リ加工の糸速度を上げるために、 従来 は、 使用されている乾熱板や冷却板の長さを延長して対 処してきた。

その結果、 市販されている仮ョ リ加工機では、 最高機 械速度 1 2 0 0 m Z分で乾熱板と冷却板との合計が 5 m 以上にもおよぶものが出現した。

本発明では、 熱可塑性マルチフィ ラメ ン ト糸を仮ョ リ 加工し、 高い加工安定性、 高い生産性、 および、 良好な 加工糸物性を得るために、 仮ヨ リ域へ糸を供給するフィ 一 ドロ一ラから仮ヨ リを揷入するッイス夕までの糸道の 長さを限定したとき、 従来にく らベて低張力で、 バル一 ニングが加撚糸条に発生させず、 糸切れが起こ らない安 定した仮ョ リ加工が実現できることを確認したのである ₍ この場合、 仮ヨ リ域へ糸を供給するフィ ー ドローラから 仮ヨ リを揷入するッイス夕までの糸道の長さ Lは、 9 0 以下の値であり、 好ま しく は、 7 0 Z V以下の値、 さ らに好ま しく は、 5 0 以下の値に短かく保つのが 望ま しい。

以上の如く、 本発明では、 糸 l m当りに挿入する仮ョ リ数、 仮ヨ リ加工の糸速度、 仮ヨ リ域へ糸を供給するフ ィ 一 ドローラから仮ョ リを挿入するッイス夕までの糸道 の長さ、 および糸の実横断面積の関係を限定することに より、 高速で仮ヨ リ加工する場合でも安定した生産性と 良好な加工糸物性を得ることができる。

次に、 本発明では、 加撚糸条の熱処理方法は、 高温流 体の雰囲気中で行う ことが望ま しい。

すなわち、 仮ヨ リ域へ糸を供給するフィ ー ドローラか ら仮ョ リを揷入するッイス夕までの糸道の長さを仮ョ リ 加工の糸速度との関係で限定すると、 従来の乾熱板にく らベて、 短時間で高効率な加熱方法である高温加熱流体 の雰囲気中で加熱する方法を採用しなければ、 到底良好 な加工糸物性は得られならない。

本発明の仮ヨ リ加工に使用される高温流体は、 特に限 定されないが、 特に好ま しく は飽和水蒸気を使用する も のが良い。

この高温加熱流体の雰囲気中で加熱する方法に加え、 この方法と同時に赤外線加熱や誘電加熱などで加熱する 方法を用いることもできる。 また、 この高温加熱流体の 雰囲気中で加熱する方法は、 それ以外の加熱方法を併用 するこ ともできる。

さ らに、 本発明では、 加撚糸条の冷却方法は、 冷却流 体の雰囲気中で行う こ とが望ま しい。

すなわち、 仮ヨ リ域へ糸を供給するフィ ー ドローラか ら仮ョ リを揷入するツイスタまでの糸道の長さを仮ョ リ 加工の糸速度との関係で限定すると、 従来の冷却板にく らベて、 短時間で高効率な冷却方法である冷却流体の雰 囲気中で冷却する方法を採用しなければ、 到底良好な加 ェ糸物性は得られない。

本発明の仮ヨ リ加工に使用される冷却流体は、 特に限 定されないが、 特に好ま しく は室温の水を好ま しく使用 できる。

本発明では、 1 0 0 0 mノ分以上の糸速度で有効であ る。 好ま しく は、 1 2 0 0 mノ分以上の糸速度で効果的 であり、 さ らに好ま しく は、 1 4 0 0 mノ分以上の糸速 度で効力を発揮する。

本発明の仮ョ リ加工に適用される熱可塑性マルチフィ ラメ ン ト糸と しては、 特に限定されず、 仮ヨ リ加工可能 なものであればいずれも適用可能である。 特に、 ポリエ ステル繊維、 ポリア ミ ド繊維などには好適に適用可能で ある。

また、 本発明において仮ョ リ加工とは、 延伸糸や 5 0 0 0 mZ分程度以上もの高速度紡出糸 （0 S P y a r n s ; O n e— S t e p P r o c e s s y a r n s b a s e d o n h i g h— s p e e d s p i n n i n g ) を仮ヨ リ加工する場合は勿論のこと、 未延伸 糸や高配向未延伸糸 （P 0 Y) を延伸仮ヨ リする場合を 含 <U ₀

次に、 本発明の仮ヨ リ加工装置について述べる。

本発明では、 熱可塑性マルチフイ ラメ ン ト糸の仮ヨ リ 加工を実施する仮ョ リ加工装置が、 少なく とも仮ョ リ域 へ糸を供給するフィ 一 ドローラ、 糸に直接蒸気を接触さ せる加熱装置、 糸に直接水を接触させる冷却装置、 仮ョ リ ツイスタ、 およびデリベリ ローラの順に配列した装置 を含む仮ョ リ加工装置に限定することが肝要である。

すなわち、 本発明により、 熱可塑性マルチフイ ラメ ン ト糸の仮ョ リを実施する仮ョ リ加工装置が、 少なく とも 仮ヨ リ域へ糸を供給するフィ ー ドローラ、 糸に直接蒸気 を接触させる加熱装置、 糸に直接水を接触させる冷却装 置、 仮ヨ リ ツイスタ、 およびデリベリ ロ一ラの順に配列 するこ とで、 高速でしかも加工安定性に優れ、 良質の加 ェ糸が得られる仮ョ リ加工装置を提供せんとするもので める。

つま り、 本発明では、 熱可塑性マルチフィ ラメ ン ト糸 を仮ヨ リ加工した場合の安定した生産性と良好な加工糸 物性を得るために、 熱伝達速度の速い糸条に直接蒸気を 接触させる加熱装置と、 冷却速度の速い糸条に直接水を 接触させる冷却装置を用いることと、 仮ヨ リ域へ糸を供 給するフィ 一 ドローラから仮ョ リを挿入するツイスタま での間のフ リ 一ゾーンをできるだけなく し、 仮ヨ リ域へ 糸を供給するフィ ー ドローラから仮ヨ リを揷入するツイ ス夕までの糸道の長さを極力短く するこ とに努めた。 こ れにより、 従来にく らベて低張力で、 加撚部にバル一二 ングが発生させず、 糸切れが起こ らない安定した仮ョ リ 加工が実現できる仮ョ リ加工装置を確認したのである。 さ らに、 得られた加工糸物性も、 優れたものであった。 本発明では、 仮ヨ リ加工装置のうち、 糸に直接蒸気を 接触させる加熱装置が、 実質的に蒸気を装置外にほとん ど漏らさない糸道シール部分を有した加熱装置に限定す ることが、 高速でしかも安定した生産性と良好な加工糸 物性が得られる仮ョ リ加工装置を提供せんとするもので ある o

すなわち、 本発明の仮ヨ リ加工装置のうち加熱装置で 用いる蒸気の圧力は、 通常、 大気圧より高い。 大気圧よ り高い蒸気が加熱装置から漏れ逃げないように、 加熱す べき糸の出入り口にシール機構を設けた加熱筒からなる 加熱装置と した。 該シール機構がなければ、 ほぼ糸道に 沿って蒸気が漏れだし、 仮ヨ リ域の糸を乱し、 高速度で 安定した仮ヨ リ加工ができない。 さ らに該シール機構が なければ、 蒸気を供給した加熱装置から相当量の蒸気が 流れだし、 均一で安定した加熱ができず、 良好な加工糸 物性は得られない。

本発明では、 仮ヨ リ加工装置のうち糸に直接水を接触 させる冷却装置が、 実質的に水などを装置外にほとんど 漏らさないシール部分を有した冷却装置に限定すること が、 高速でしかも安定した生産性と良好な加工糸物性が 得られる仮ョ リ加工装置を提供せんとするものである。

すなわち、 水などが冷却装置からほとんど漏れ出さな いように、 冷却すべき糸の出入り口にシール機構を設け た浸水浴からなる冷却装置と した。 該シール機構がなけ れば、 仮ヨ リ域の糸の走行によつて水を冷却装置から水 を外に持ち出し、 仮ヨ リ域の糸の回転によって該冷却装 置外で水とともに糸からとれた油剤、 ポリ マー、 あるい は該ポリ マーが分解してできたォリ ゴマ一などが飛散す る。 この飛散したものが糸道部分に付着あるいは堆積す るものもある。 この糸道部分の堆積したものに糸 接触 8 01036

- 1 1 - し、 糸切れを起こすため、 高速度で安定した仮ヨ リ加工 ができない。

本発明では、 仮ョ リ加工装置において仮ョ リ域へ糸を 供給するフィ 一 ドローラから仮ョ リを揷入するッイ ス夕 までの糸道の長さを 2 m以下に限定することが肝要であ る o

すなわち、 仮ヨ リ加工の糸速度の高速化により、 仮ョ リ域へ糸を供給するフィ 一 ドローラから仮ョ リを揷入す るツイスタまでの間にある加熱装置や冷却装置の長さが それぞれ伸び、 該フィ ー ドローラから該仮ョ リ ツイ ス夕 までの糸道の長さ も全体に伸びた。 長い糸道のため仮ョ リ域の糸の回転と走行の運動は、 不安定になり、 該糸が バルーニングを起こ し安定加工ができなく なる。 したが つて、 仮ヨ リ域の糸を安定な回転と走行の運動を行うた めに該糸道の長さを 2 m以下に限定するのである。

本発明では、 仮ヨ リ加工装置のデリベリ ローラの糸速 度 1 0 0 0 m /分以上で正常運転できるこ とが有効であ る。 好ま しく は、 該糸速度 1 2 0 O m Z分以上で効果的 であり、 さ らに好ま しく は、 該糸速度 1 4 0 0 mノ分以 上で効力を発揮する。

本発明の仮ヨ リ加工装置の仮ヨ リ ツイスタには、 特に 限定されないが、 3軸外接式摩擦ツイスタゃベル ト式摩 擦ツイスタを好ま しく用いることができる。

以下に実施例を述べるが、 本発明は何等これに限定さ れる ものでない。 第 1図は、 本発明の延伸仮ヨ リ装置の一例を示す概略 図、 第 2図は、 比較例の延伸仮ヨ リ装置を示す概略図で あり、 1 はパッケージ、 2はフィ ー ドローラ、 3は乾熱 板、 4はシール機構、 5は高温流体による熱処理装置、 6は冷却流体による冷却装置、 6 ' は冷却板、 7はベル ト式摩擦ツイスタ、 8はデリべリ ロ一ラ、 9は卷取駆動 ローラ、 Yは高配向未延伸糸、 Pは加工糸である。 下記 の実施例と比較例は、 これら図に概略を示した装置によ り行なった。

実施例 1

複屈折 Δ η = 0. 0 3 7、 伸度 1 8 0 %、 丸断面の 1 3 9デニール、 3 6フィ ラメ ン トのポ リ エステルマルチ フ ィ ラメ ン ト糸条を、 第 1図に示す延伸仮ヨ リ装置によ り 2 0 0 0 mZ分の超高速仮ョ リ加工を行った。

また、 上記装置において熱処理装置の高温流体には飽 和蒸気を使用し、 冷却装置の冷却流体には水を使用した 条件 ：

デリベリ ローラの糸速度 = 2 0 0 O mZ分

ツイ スタベル トの表面速度 = 3 0 0 0 mZ分 フ ィ ー ドローラの速度 = 1 0 6 4 mZ分

乾熱板温度 = 2 2 0 °C

乾熱板長さ = 0. 5 m

蒸気熱処理装置内の温度 = 2 1 3 °C

(飽和蒸気の圧力 = 2 0 kg f /cnf G)

蒸気熱処理装置の長さ = 1 m 冷却装置内の水の温度 = 2 8 °C

延伸倍率 = 1. 8 8倍

ツイスタ直前の加撚張力 = 4 4 g

ツイスタ直前の単位長さ当りの仮ョ リ数- 3 3 0 0

0/m 仮ョ リ域へのフィ 一 ドローラと仮ョ リ ツイスタとの 間の糸道の長さ = 2 m

比較例 1、 2

第 2図に示す従来技術による延伸仮ョ リ装置により、 Lが 5 m (比較例 1 ) 、 Vが 1 0 mZ秒 （比較例 2 ) 以 外は、 上記実施例と同じ条件にして仮ョ リ加工を行った 本発明の実施例 1 と比較例 1， 2 とから得られた仮ョ リ加工糸の諸物性は、 第 1表の通りであった。

なお、 表中の特性のうち捲縮復元率は、 次の条件で前 処理したサンプルについて J I S L 1 0 9 0の試験方法 に基づいて求めた。

( 1 ) 小カセに表示デニール当たり 2 ノデニール の初荷重を掛ける。

( 2 ) 次に初荷重を垂下したままのカセを 9 8 ± 1 °Cの熱水中に 2 0分間浸す。

( 3 ) 浸したカセを取り出して初荷重を除き、 カセ が乱れないようにして整置状態で約 1 2時間以上放置し. 水分平衡とする。

(4 ) この糸条にデニール当たり 2呢ノデニールの 初荷重を掛けたときの長さ と、 この初荷重にさ らにデ ニール当たり 0. l gの荷重を掛けたときの長さ 1 を それぞれ長さを測定し、 次式より求める。

₌ & - £ )

捲縮復元率 （ ） また、 捲縮発現応力 （ g ) は、 R o t h s h i 1 d社製 のク リ ンプテスタ （C C T) を用い、 次の条件で測定し o

糸速 ： 1 6 m/分

初張力 ： 0. 1 gノデニール

オーバフィ ー ド率 ： 4 %

ヒータ温度 ： 1 5 0°C

第 1表から明らかなように、 実施例 1から得られた仮 ョ リ加工糸は、 比較例 1から得られた仮ョ リ加工糸に比 較して強度、 伸度、 捲縮復元率、 捲縮発現応力共に優れ た結果を示し、 従来の低速条件の比較例 2 と同等の糸物 性が得られた。

また、 実施例 1は、 糸切れ、 毛羽発生がなく、 操業も 安定していた。

比較例 1の仮ヨ リ加工糸は、 毛羽が多く、 かつ操業中 には糸切れが多発して長時間の安定した加工は不可能で あった o

一方、 比較例 2は糸物性も良好で、 かつ操業も安定し ていたが、 生産能率が著しく低く、 本発明の目的とする 高速仮ョ リ による高生産性が得られない。

L (m) 2. u o . υ 0 · u

V UX / Tノ 3 3 3. 3 1 0. 0

A (nf) 6. 0 X 6. O X 6. O x

1 0—⁹ 1 0 "⁹ 1 0 -⁹ 強度 （ g zァ- -ル） 5. 0 4. 2 5. 0 伸度 （％) 1 7. 8 1 4. 1 2 0. 1 ケ ン縮復元 3 1. 0 1 6. 0 3 1. 5 率 （％)

ケ ン縮発現 1. 9 5 1. 3 5 1. 9 0 応力 （ g )

[産業上の利用分野]

以上述べた通りの本発明の仮ョ リ加工方法およびその 仮ヨ リ加工装置によれば、 従来に比べて低張力でしかも 円滑に糸速度 1 0 0 0 mノ分以上の高速仮ョ リ加工を実 施可能にし、 糸切れ、 毛羽発生がなく、 操業も安定して かつ良好な物性をもつ加工糸を得ることができる。

Claims

請求の範囲

1. 熱可塑性マルチフィ ラメ ン ト糸を仮ヨ リ加工するに 際し、 高品質の仮ヨ リ加工糸を得るために、 下記第 1 式を満す高い仮ヨ リ数のもとで仮ヨ リ加工し、 かつ高 い生産性を得るために下記第 2式を満す糸速度のもと で仮ョ リ加工し、 更にかつ高い加工安定性を得るため に下記第 3式を満す短かい糸道長のもとで仮ョ リ加工 するこ とを特徴とする仮ョ リ加工方法。

式 T≥ 0. 2 4 / K

第 2式 V≥ l . 3 0 x 1 0 -³/y~ "

第 3式 L≤ 9 0 ZV

こ こで Tは糸 l m当りに挿入する仮ヨ リ数 （n回 m ； nはヨ リ のターン数） 。

Vは、 仮ヨ リ加工の糸速度 （mZ秒） 。

Lは、 仮ヨ リ域へ糸を供給するローラから仮ヨ リを 挿入するツイスタまでの糸道長 （m) 。

Aは糸の断面積 （nf ) であり、 糸の繊度 （単位長さ 当りの重さ） を糸の密度 （単位体積当りの重さ） で除 して求める。

2. 仮ヨ リ加工が、 加撚中の糸を高温流体中で加熱する 方式である請求項 1 に記載の仮ヨ リ加工方法。

3. 仮ヨ リ加工が、 加撚中の糸を冷却流体中で冷却する 方式である請求項 1 に記載の仮ョ リ加工方法。

4. 仮ヨ リ加工が、 糸速度 1 0 0 0 mZ分以上で行なわ れる請求項 1〜 3のいずれかに記載の仮ョ リ加工方法 _c

5 . 熱可塑性マルチフィ ラメ ン ト糸の仮ヨ リ加工を実施 する仮ヨ リ加工装置が、 少なく とも仮ヨ リ域へ糸を供 給するフィ ー ドローラ、 糸に直接蒸気を接触させる加 熱装置、 糸に直接水を接触させる冷却装置、 仮ョ リ ッ イスタおよびデリベリ ローラの順に配列した装置を含 むことを特徴とする仮ヨ リ加工装置。

6 . 糸に直接蒸気を接触させる加熱装置が、 実質的に蒸 気を装置外にほとんど漏らさない糸道シール部分を有 した加熱装置を含むことを特徴とする請求項第 5に記 載の仮ョ リ加工装置。

7 . 糸に直接水を接触させる冷却装置が、 実質的に水な どを装置外にほとんど漏らさないシール部分を有した 冷却装置を含むことを特徵とする請求項第 5に記載の 仮ヨ リ加工装置。

8 . 仮ヨ リ域へ糸を供給するフィ ー ドローラから仮ヨ リ を揷入するツイスタまでの糸道の長さが、 2 m以下で あることを特徵とする請求項第 5に記載の仮ョ リ加工

9 . 仮ヨ リ加工装置が、 デリべリ ローラの糸速度 1 0 0 0 m Z分以上で正常運転できることを特徵とする請求 項第 5〜 8のいずれかに記載の仮ヨ リ加工装置