明 細 発明 の 名称
遅溶性顆粒及びそ れを 用 い た 持続性複合顆粒 技術分野
本発明 は 、 良好 な物性 を 有 す る遅溶性顆粒及びそ れを 用 い た 持続性複合顆粒 に 関 す る も の で あ る 。
更 に 詳 し く は 、 薬 物 , ポ リ ビ ニル ピ ロ リ ド ン ( 以下 P
V P と 略す ) 系重合体等を 必須成分 と す る速溶性顆粒の 表面 に 、 ポ リ ア シ ッ ド ( 以下 P A と 略 す ) 腸溶性物質を 被覆 し て 、 そ の表面部分 に 、 P V P 系重合体 と P A 腸溶 性物質 と の錯体を形成せ し め た こ と を特徴 と す る遅溶性 顆粒 、 及び こ の遅溶性顆粒 と 、 腸溶性皮膜を施 さ れて い な い速溶性顆粒 と か ら な る持続性複合顆粒 に 関 す る も の で あ る 。
背景技術
薬効持続性製剤 の う ち 、 通常の速溶性製剤 の表面 に 、 い わ ゆ る腸溶性物質 を コ ー テ ィ ン グ な ど の 方法で 施 し 、 酸性の 胃 内消化液 中で は 溶解 す る こ と な く 安定 に 存在 す る が腸管内 に 移動 す る に つ れて 弱 ア ル カ リ 性 の 消化液 に 接 す る と 崩壊 · 溶 出 す る こ と ので き る 、 いわ ゆ る 腸溶性 製剤 を用 い る 方法 は 、 従来 よ り 種 々 研究 さ れ実用 化 さ れ て い る 。
例 え ばそ の よ う な方法 と し て 、 次 の よ う な方法 が あ る
ま ず速溶性 ( 胃 溶性 ) 製剤 を 、 (a)転動す る芯物質の ま わ り に 、 粉末状の薬物 を 、 各種賦形剤 , 結合剤, 崩壊剤 な ど と共に スプ レ ー コ ーテ ィ ングせ し-め て顆粒状の 製剤 を 製造する 方法 と か 、 又 は 、 ( 粉末状の薬物 と各種賦形剤 崩壊剤 , 結合剤 な どを アルコ ールな どの速乾性溶媒 と ね り 合わせ たも の をバス ケ ッ 卜 の細孔か ら 押 し 出 し て 円 筒 状の顆粒 と す る方法な ど に よ っ て製造す る 。
次 に 、 こ の速溶性製剤 を基材 と し て 、 そ の表面 に 腸溶 性物質の溶液を スプ レ ー法な どで均一 に コ ー テ ィ ン グ す る こ と に よ っ て遅溶性 ( 腸溶性 ) 製剤 と なす 。 か く し て得 ら れた速溶性及び遅溶性製剤 を 、 特定 の 比 率で混合 し て 複粒 と し 、 それを経口的 に投与す る 。 早期 の血中濃度は速溶性成分に よ り 、 後期 の 血中濃度 は遅溶 性成分 に よ り 達成せ し め る こ と に よ っ て 、 薬物 の血中濃 度を持続さ せ る こ の技術は、 特に抗生物質など の分野で 実用 化さ れ賞用 さ れて い る ( 例 えば特開 昭 5 2 - 1 3 9 7 1 3号 公報参照 ) 。
し か し な が ら 、 従来技術で は 、 腸溶性物質の溶液を コ — テ ィ ングする 時に し ば しば不均一 に皮膜が施さ れ、 場 所に よ っ て厚い部分, 薄い部分が形成さ れて し ま う こ と が多い 。 薄い部分が あ る と 、 当然そ の部分 が先ず溶解さ れ 、 こ の部分か ら 腸内消化液が浸入すれば 、 内容物 、 特 に崩壊剤ゃ賦形剤 な どの膨潤 に よ っ て 製剤 が崩壊す る た め に 、 内包さ れて い る薬物 は他の顆粒 に 比 し て 速や か に
放出 さ れ て し ま う 。
一 般 的 に 云 っ て 、 腸溶性皮膜 が コ 一 テ ィ ン グ さ れる速 溶性製剤 は粉体 を 結合剤で 固 め た も の で あ り 多孔質で あ る例 が多い 。 そ の た め 、 通常の方法 で コ ー テ ィ ン グ液を スプ レ ー し た 場合 に は 液が 内部 に ま で 不規則 に 浸入 し て し ま う こ と が多 く 、 不均質で かつ 過剰 コ ー テ ィ ングの原 因 に な る 例 が し ば し ば認め ら れる 。
皮膜の厚 さ の 均一性の み な ら ず 、 皮膜 に 亀裂な ど の欠 陥が あ ればそ の 顆粒の崩壊 , 溶出 挙動 は異常 に 早 ま り 、 均質で再現性 の あ る溶出特性 は絶対 に 得 ら れな い 。
従来の 技術 に お い て は 、 湿度の影響 , 機械的な応力 な ど が原因で あ る と 思わ れる が 、 製造直後 に お い て は 亀裂 の な い皮膜で あ っ て も 、 長期 間保存 す る と 皮膜 に 亀裂が 入 っ て し ま う 場合が し ば し ば認め ら れる 。
従来技術の 他 の欠点 と し て 、 製剤 を保存 し て い る 間 に 腸溶性皮膜 中 へ 内容物 が移行 す る 問題が あ る 。 内容物 の う ち 特 に 薬物 は 、 一 般的 に 云 っ て 低分子で あ る こ と が多 く 、 そ の外側 に 被覆 さ れて い る腸溶性皮膜中 に 比較的速 や か に 移行 す る 例 が多々 あ る 。
薬物 の移行 は 、 施さ れた 腸溶性皮膜の材質や 、 内 容物 と 皮膜 と の 相 溶性 ♦ 親和性 に よ っ て 異 な る も ので あ る が - こ れが結果 的 に は 「 腸溶性皮膜 に よ る 胃 内消化液か ら の 内容物 の保護効 果 」 を弱 め る こ と に な る 。 特 に こ の薬物 の移行が経 時 的 に 変化 す る よ う な場合 に は 、 持続性製剤
のパイ オアペイ ラ ビ リ テ ィ ( 以下 B A V と称する ) のば らつ きの大ぎな原因 になる 。
更に又、 従来技術の問題点と し て 、 遅溶性製剤の崩壊 力 の不足があげられる 。 腸溶性皮膜が腸内消化液に よ つ て溶出されても 、 若 し内容物 ( すなわち速溶性製剤 ) が 消化液中 に良好に溶出されないで外側から徐々 に溶け出 すよう な性質の場合に は、 腸溶性皮膜自身の溶出性, 破 裂性をいかに吟味 してみてち、 再現性の良い B A V は得 ら れない。 すなわち 、 腸管内から体内への吸収を律速す る段階が、 腸溶性皮膜の溶解で はな ぐ、 内容物が溶け出 す段階にある よ う な製剤では、 再現性のある B A V は期 待できない 。 従 っ て再現性のある B A Vを得るに は 、 上 に述ベた よ う に 、 ひ と たぴ皮膜が溶解した時に は 、 浸入 し て来る消化液に よ っ てその顆粒全体が短時間の う ち に 良好に崩壊 して し ま う よ う な性質が望ま しい 。
そのため 、 遅溶性顆粒中の内容物 ( すなわち速溶性顆 '粒 ) 中 に は、 強力な崩壊剤の存在が必要であるが 、 腸溶 性皮膜を施された速溶性顆粒中 に含有せ しめる強力な崩 壊剤の系統的な検討は殆ど成さ れて いない。
従来技術と して不完全でめ つ た 問題点、 すなわち本発 明が解決 し よ う とする問題点を列挙する と次の と お り で ある 。
ィ . 腸溶性皮膜の厚さが不均一で、 かつ過剰コ ー テ ィ ン グが起こ り 易い こ と
口 . 内容物 、 と り わ け薬物 が腸溶性皮膜を通 し て 外側 に 移行 し 、 B A V の ば ら つ き が 大 き く な る こ と
ハ . 腸溶性皮膜が 溶解 し た 後 は 、 浸入 す る消化液 に よ つ て 製剤 が短時間 の 中 に 強力 に 崩 壊 し な い た め に B A V の ば ら つ き が 大き く な る こ と
二 . 腸溶性皮膜 に 亀裂な ど の欠 陥 が 生ず る こ と
な どで あ り 、 こ れ ら の諸問題点を一挙 に 、 かつ 経済的 に 解決す る べ く 鋭意検討 を 行 っ た 。
発 明 の 開示
本発明 は 、 遅溶性顆粒 と 、 こ の遅溶性顆粒 と 腸溶性皮 膜を施 さ れ て い な い速溶性顆粒 を 含有 し て な る 持続性複 合顆粒 に 関 す る 。
す なわ ち 本発 明 の第 1 番 目 及び第 2番 目 の発明 は 、 (1) 薬物 , P V P系重合体及び崩壊剤 を必須成分 と し て 含有 す る顆粒で あ っ て 、 かつ 該 P V P系重合体が 該顆 粒の 表面部分 に 高濃度 に 分布 し て い る速溶性顆粒 の表 面 に 、 P A腸溶性物質を被覆 し 、 当該表面部分 に 該 P V P系重合体 と 該 P A腸溶性物質の錯体を形成せ し め た こ と を 特徴 と す る遅溶性顆粒 , 及び
(2) 薬物 , P V P系重合体及び強力 な崩壊剤 を必須成分 と し て 均一 に 含有す る速溶性顆粒 の表面 に 、 P A腸溶 性物 質 を 被覆 し て 、 当 該表面部分 に 、 該 P V P系重合 体 と 、 該 P A腸溶性物 質 の錯体を形成せ し め た こ と を 特徴 と す る遅溶性顆粒
であ る
本発明 の第 3 番 目 及び第 4 番目 の発明 は 、
(3) (a) 薬物 , P V P系重合体及び崩壊剤 を必須成分 と し て 含有する顆粒であ っ て、 かつ 該 P V P 系重合体が 顆粒の表面部分 に高濃度に 分布 し て い る速溶性顆 粒 と 、
(b) 該速溶性顆粒の表面に P A腸溶性物質を被覆 し 、 そ の表面部分 に該 P V P系重合体 と 該 P A 腸溶性物 の錯体を形成せ し め た遅溶性顆粒
とか ら なる持続性複合顆粒
(4) <a> 薬物 , P V P 系重合体及ぴ強力 な崩壊剤 を必須成 分 と し て 均一 に含有す る速溶性顆粒 と 、
(b) 該速溶性顆粒の表面に P A腸溶性物質を被覆 し て 該表面部分 に該 P V P系重合体 と該 P A 腸溶性物 の錯体を形成せ し め る こ とを特徴 と する遅溶性顆 粒
とか ら なる持続性複合顆粒
で あ る
本発明 に おけ る持続性複合顆粒 と は 、 速溶性顆粒及び 遅溶性顆粒か ら 構成さ れて お り 、 血中濃度が長時間持続 す る製剤を意味す る 。
発明を実施する た め の最良の形態
本発明 の第 Ί 番目 及び第 2 番目 の発明の遅溶性顆粒を 製す る に用 い る速溶性顆粒は 、 いず れもそ の必須成分 が
薬 物 . P V P系重合体及び崩 壊剤で あ る点で 共通 す る 。 本発明 の第 1 番 目 の発明 の遅溶性顆粒を 製す る に 用 い る速溶性顆粒 に おい て は 、 そ の表面部分 に 多量の P V P 系重合体を 分布せ し め る こ と が必須要件で あ る 。 本要件 は 、 芯物質 、 好 ま し く は グラ ニ ュ ー 糖の球形核剤 ( ノ ン パ レ ィ ル ) の周 囲 に 、 薬物 と 各種賦形剤及び崩壊剤 か ら な る微粉碎 さ れた 粉末を ふ り かけ な が ら 、 P V P系重合 体等の結合剤 の溶液を スプ レ ー し て 造粒 す る 時 に 、 そ の 最終過程 に お い て 多量の P V P系重合体を スプ レ ー す る こ と に よ っ て そ の 目 的を達す る こ と が で き る 。
通常結合剤 と し て は ヒ ド ロ キ シ プ ロ ピ ルセ ル ロ ー ス , ヒ ド ロ キ シ プ ロ ピルメ チルセル ロ ー ス , ェ チル セ ノレ ロ ー ス , カ ルポ キ シ メ チルセ ル ロ ー ス ♦ N a 等の セル ロ ー ス 類 : ヒ ド ロ キ シプ ロ ピルス タ ー チ等の殿粉類 : 才 リ ゴ糖 類 ; P V Pな ど の重合体が用 い ら れる が 、 本発明 の製剤 に お い て は最初 か ら P V P系重合体を結合剤 と し て 使用 し 、 そ の最終段階 に お い て 出来得 る 限 り 多量 の 該結合剤 を スプ レ ー す る こ と が最も経済的で効 率の 良い 方法 と い え る 。 当然の こ と と し て 、 初期 の造粒 時 に は P V P以外 の結合剤 を用 い て お き 、 最終段 階 に お い て P V Pの み を ス プ レ ー コ ー テ ィ ン グす る方 法も 、 本発明 の態様 の一 つ で あ る 。
使用 さ れる P V P系重合体 と し て は 、 例 え Ίま 、 米 国 ジ エ ネ ラ ル * ァ 二 リ ン ♦ ア ン ド ♦ フ ィ ル ム 社 、 西独 B A S
F 社な ど よ り 販売 さ れて いる各種重合度の P V P K 一
1 5 , P V P K 一 30 , P V P K 一 60 , P V P K - 90 な ど の ホ モポ リ マ 一 が使用 でぎる が 、 と り わ け重合度の 高い P V P K 一 60や P V P K - 90な どの グ レ 一 ド が 賞用さ れる 。 その他 P V P ♦ 酢酸 ビ二 一ル共重合体 , P
V P ♦ ス チ レ ン共重合体な ど の共重合体ち使用 さ れ得る 更に 又、 本発明 に おい て は 、 腸溶性皮膜が コ 一 テ ィ ン グ さ れる上記速溶性顆粒中 に 、 崩壊剤 を含有せ し め る必 要が あ る 。 崩壊剤 と し て は 、 低置換度 ヒ ド ロ キ シプ ロ ピ
¾fe A
ルセル ロ ー ス ( 信越化学 XV 2 社製 ; セル ロ ー ス の低置 換度 ヒ ド 口 キ シプ 口 ピルエ ー テルで あ り ヒ ド ロ キ シプ ロ ピル基を 5〜 1 6重量%程度含有 し て いる も ので 、 し 一 H P C と珞称さ れる に ク ロ ス 力ルメ ロ ー ス * ナ 卜 リ ウ ム ( 旭化成工業株式会社製 ; 部分架橋化さ れた 力 ルポ キ シ メ チルセル ロ ー ス ♦ ナ 卜 リ ウ ムで あ り商品名ァ ク デ イ ソ ル と 呼称さ れる ) , 力ルポ キシメチルセル ロ ー ス ♦ 力 ル シ ゥ ム , ヒ ド ロ キシプ ロ ピルス タ ー チ, 微結晶 セル ロ ー ス ( 旭化成工業株式会社製 ; ァ ビセル ) , P V P P ( 米 国 G A F 社製 ; N ー ビニル— 2 一 ピ 口 1; ド ン の ホ モ ポ リ マ ーであ り 、 商品名ポ リ プラス ド ン と呼称さ れる ) な ど が使用 でぎ る 。 こ れ ら の物質 は 、 速溶性製剤 の製 ?a時 に 薬 ゃ賦彤剤 ( 通常汎用 さ れる L » ョ糖 , D 一 ン ス タ ー チな ど ) と共に 、 こ れ ら 粉末を結合させ る上記結合剤 な ど の 中 に混入 し て用 い ら れる
こ れ ら の 中 で は 、 特 に 強力 な 崩 壊能力 を 有 す る L 一 H P C , ァ ク デ ィ ソ ル及び P V P Pな ど が好 ま し く 用 い ら れ得 る 。 こ れ ら 崩 壊剤 は 、 水分 と 接触 す る と 数分以 内 の 極め て 短時間 の 中 に 自 己 の 体積 の数倍程度 ま で 急激 に 膨 潤 し 、 従 っ て 周 囲 を 有効 に 崩壊さ せ る こ と がで き る 。 そ の 含有量 は 、 速溶性製剤 中 に 1〜 10%程度で あ れ ば十分 で あ る 。
本発明 の第 2 番 目 の発 明 の遅溶性顆粒 を 製 す る に 用 い る速溶性顆粒 に お い て は 前述 の 必須成分 の う ち 崩 壊剤 と し て 、 以下 に述 べ る強力 な 崩壊剤 を含有せ し め る必要 が あ る 。 強力 な崩壊剤 と し て は 、 前記例示さ れ た 崩 壊剤 の う ち L 一 H P C , ァ ク デ ィ ソ ル及び P V P Pの 3 品種 が 好適 に 使用 で き る 。
こ れ ら 崩壊剤 は 、 水分 と 接触す る と 数分以内 の極 め て 短時間 の 中 に 自 己の体積の数倍程度 ま で 急激 に 膨潤 し 、 従 っ て 周 囲 を有効 に 崩壊さ せ る こ と がで き る 。 そ の 含有 量 は 、 速溶性顆粒中 に 1〜 10%程度で あ れば十分で あ る 。
かか る速溶性顆粒 は 、 薬物 と 各種賦形剤及 び上述 の崩 壊剤 か ら な る粉末 に 、 こ れ ら の粉末 を結合さ せ る結合剤 を 混入 し て 造粒 さ れる が 、 芯物質 、 特 に ノ ン パ レ ィ ル の 周 囲 に こ の粉末 を 、 結合剤 を ス プ レ ー し つ つ コ ー テ ィ ン グ し て 造粒 す る の が 、 均一 な球形顆粒 が 得 ら れる の で 好 ま し い 。
結合剤 と し て 前述 の 如 き P V P系重 合体 は 必須で あ る
が 、 この他 、 ヒ ド ロ キシプ ロ ピル セルロ ー ス等前述 し た 通常結合剤 と し て 用 い ら れる物等も併用 し て も よ い 。
通常 P V P 系重合体は有機溶媒に溶解 し た溶液 と し て 、 粉末の量 に対 し て 0 . 5〜 1 0 %程度含有さ れる よ う に スプ レ ー さ れる 。
使用 さ れる P V P 系重合体 と し て は 、 例え ば P V P K 一 90等前述の よ う なホ モポ リ マ ー及び共重合体等が挙 げ ら れる 。
本発明の賦形剤 と し て は 、 通常汎用さ れる乳糖 , 白糖 , コ ー ンス タ ー チ等が挙げ ら れる 。
か く し て得 ら れる本発明 の速溶性顆粒は 、 特別 な持続 化処理又は腸溶性処理を施 し て い ない穎粒を意味す る も のであ り 、 常法 に従 っ て製造される細粒剤 , 顆粒剤 を い o 。
本発明 に お け る遅溶性顆粒は 、 上述の よ う に し て 造粒 さ れた速溶性顆粒を十分に 乾燥 し て から 、 腸溶性物質を コ ー テ ィ ン グ し て 造粒さ れる 。
本発明 における腸溶性物質 と しては、 その分子中 に 多 数の カ ルボキ シル基を保有する次の よ う な P A 物質 が用 い ら れる 。
' P A物質 と し て は 、 メ タ ア ク リ ル酸 * ア ク リ ル酸ェ チ ル共重合体 ( 西独 ロ ー ム ♦ フ ァ ーマネ土製, オ イ ド ラ ギ ッ 卜 ® L — 30 D ) , メ タ ア ク リ ル酸 ♦ メ タ ア ク リ ル酸メ チ ル共重合体 ( 同上会社製, オ イ ド ラ ギ ッ 卜 ® L 又 は オ イ
ド ラ ギ ッ 卜 ⑧ S ) , ヒ ド ロ キ シ プ ロ ピ ル メ チル セ ル ロ ー ス フ タ レ一 卜 ( 信越化学株式 会社製 , H P — 50, H P — 55, H P — 55 S な ど ) , ヒ ド ロ キ シプ ロ ピルメ チル セル ロ ー ス ♦ ァ セ テ一 卜 ♦ フ タ レ ー 卜 ( 信越化学株式会社製 , A S - し G , A S - L F , A S - M G , A S - M F . A S - H G , A S — H F な ど ) , カ ル ポ キ シ メ チルェ チル セル ロ ー ス ( フ ロ イ ン 卜 産業株式会社製 ) , 酢酸 フ タ ル 酸セ ル ロ ー ス , ポ リ メ チル ビ ニ ー ル エ ー テル ♦ 無水マ レ イ ン酸共重合物 ( 米国 G A F 社製 , A 'N — 139, A N — 169な ど ) が使用 さ れ得 る 。
こ れ ら の う ち 、 と り わ け 力 ル ポ キ シル基 の 含有量が高 く 、 安全性 に 優れ た オ イ ド ラ ギ ッ 卜 ® L , オ イ ド ラ ギ ッ 卜 ® S . H P — 55な ど が好 ま し い物質で あ る 。
こ れ ら は適当 な可 塑剤 , 分散分離剤 と 共 に コ ー テ ィ ン グさ れる 。 通常溶媒 に 溶解 さ れ た 溶液 が 、 ス プ レ ー 法な ど の公知 の方法で コ ー テ ィ ン グ さ れ る 。
< 作用 〉
本発 明 に お い て は 、 腸溶性皮膜を速溶性顆粒 の表面 に コ — テ ィ ン グ す る場合 の 塗膜の均一性の 向 上が先ず 問題 で あ る 。 通常 溶性顆粒 は 、 先 に 述べ た よ う に 粉末状 の 諸成分 を桔合剤 に よ っ て 結集せ し め た も の で あ り 、 本質 的 に き わ め て 多孔質 な性質 を 有 す る も ので あ る u かかる 基質 の 上 に 、 コ ー テ ィ ン グ剤 を 含む溶液を ス プ レ ー コ ー テ ィ ン グ す る-と 、 該溶液 は必然的 に 基質 の 中 に む ら の 多
い浸入過程を経る可能性がきわ め て 高い 。 又 、 コ ー テ ィ ング は通常 1 時藺以上に わ た っ て少 しずつ 厚さ を積み重 ね て 行 く 方法が と られるも ので あ り 、 乾燥 と コ ー テ ィ ン グの繰 り 返 しで厚さ を増 し て 行 く 。 従 つ て初期 の段階 に お い て は 、 折角形成さ れた皮膜が次々 に スプ レ ー さ れて く る コ ー テ ィ ング液の溶媒に よ っ て再溶解 し て し ま い 、 そ れが不均一な コ ー テ ィ ングの大き な原因 と な っ て い る 。 と り わ け、 基質で ある速溶性顆粒が円柱状な ど球形で な い場合に お い て は 、 表面全体 に わ た る均 一な皮膜形成に は細心の注意が必要 と な り 、 作業者に よ る個人差な ど が 出易 い大きな原因 と な っ て い る 。
本発明者 ら は 、 こ の点を先ず解決する手段を鋭意検討 し た
本発明 に お いて は 、 即 ち 第 Ί 番目 の発明に お い て は腸 溶性皮膜が コ ー テ ィ ングさ れる速溶性顆粒の表面部分 に 多量の P V P 系重合体を含 ま せ て おき、 又第 2 番 目 の発 明 に お い て は速溶性顆粒の 中 に均一 に P V P 系重合体が 含 ま せて お き 、 そ し て こ れら速溶性顆粒の上 に コ ー テ ィ ン グす る腸溶性物質は カ ルボキ シル基を分子 に大量 に 含有する P A化合物 に する こ と が第一の必須要件で あ る 。
P V P 系重合体は ピ ロ リ ドン環を側鎮に 多数有す る ビ ニ ール重合体で あ り 、 こ れ は P A 化合物、 例 え ばポ リ ァ ク リ ル酸共重合体, 無水マ レイ ン醆共重合体な ど と 接触 す る と ほぼ瞬間的に 反応 じ て有機溶媒に不溶性の錯体
( complex ) を形成 す る こ と は よ く 知 ら れ て い る ( ベ ン ク , ィ ー . ( B enk , E ) , ヒ エ ミ シ ェ ♦ ツ ァ イ 卜 ゥ ン グ ( C hem. Z tg ) 78_, 41 ( 1954 ) 参照 ) 。
本発明者 ら は 、 こ の現象 に 着 目 し 次の よ う な モ デル実 験 を実施 し た 。
P V P K — 90を イ ソ プ ロ ノく ノ ー ル * メ チ レ ン ク ロ ラ イ ド 混合溶媒中 に 溶解 し た 溶液 に 、 オ イ ド ラ ギ ッ 卜 ® L 一 100の同 上混合 溶媒を 用 い た 溶液を徐々 に 添加 し た と こ ろ 、 液が接触 し た 接界面 に 直 ち に 白 色 のゲル状物質が 生 成 し 、 こ のゲル は新 し い溶媒を加 え て も決 し て 再溶解 し な い こ と が確認 さ れ た 。
従 っ て 、 実際 に P A 化合物 を上記速溶性顆粒上 に ス プ レ ー コ ー 卜 す る と 、 そ の表面付近 に 於い て は同 じ よ う な ゲル化反応が起 こ り 、 先ず不溶性 の薄層 が均一 に 形成 さ れる 。 そ し て 、 こ の ゲル状物質 は 、 次の 段階で コ ー テ ィ ン グ さ れ て く る P A の コ ー テ ィ ン グ溶液 に よ っ て 再溶解 さ れる こ と が な い た め に 、 局部的 に 顆粒内 に コ ー テ ィ ン グ液が深 く 浸入 し て し ま う こ と を有効 に 阻止 す る こ と が で き 、 結果的 に 極 め て 均 一 な塗膜を得 る こ と が 可 能 と な つ た 。
実際 に 、 得 ら れた遅溶性顆粒 を 2 分割 し 、 そ の 断面の 電子顕微鏡写真を 撮影 し て みる と 、 表面 に 極 め て 均質な 皮膜が形成さ れ て い る こ と が判 明 し た 。
そ し て 、 比較の た め に P V P を全 く 使用 し て い な い速
溶性顆粒や 、 そ の表面 に オ イ ド ラ ギ ッ 卜 ® L — 1 00を コ 一テ ィ ン グ し て い わ ゆ る腸溶性顆粒を製造 し 、 周様 に し て 電子顕微鏡写真を撮影 し て観察 し た と こ ろ 、 腸溶性皮 膜の厚さ の均一性 は P V P を含む場合 に比 し て 相 当 に 悪 化 し て し ま っ た 。
か く し て 得 ら れた本発明の皮膜は 、 ゲル状錯体の層で 内面 が均質 に お おわ れて い るた め と 思わ れる が 、 薬物 の 移行が少な く 、 保存中 に亀裂を生ず る こ と あ な く 、 長期 にわ た つ て極め て 安定 し た 溶出特性を保持す る こ と がで ぎ た 。
本発明 の第 1 番目 の発明 の遅溶性顆粒 に お い て は 、 速 溶性顆粒の表面部分 に高濃度に分布 して い る P V P 系重 合体に よ っ て 、 P A化合物 の 内部へ の侵入が 防止さ れる 。 P A化合物 と P V P 系重合体のゲル状錯体は 、 上記の ご ' と く 有機溶媒に は溶解 しない が 、 弱 ア ルカ リ 性の水 に は 容易 に 再溶解さ れる た め に 、 腸溶性皮膜 と し て の機能 に は全 く 影響を与え ない 。
こ の事実は、 本発明 の構成にお いて極め て 有利な機能 であ る 。 従来技術の 中 にも 、 腸溶性皮膜 と速溶性製剤 の 中 間扈 と し て 、 本発明 と同一 の 目 的で 、 何等かの コ ー テ ィ ン グ膜を施す技術が開発さ れて いる 。 し か し な が ら 内 容薬物 の移行性を 阻止す る 目 的を達成する た め に は多量 の 中間膜が必要で あ り 、 そ のた め本発明 の場合 の よ う に 極め て短時間で崩 壊 し 溶出す る機能を同 時 に持 た せ る こ
と は極め て 困難で あ っ た 。
本発明 の 第 Ί 番 目 の発明 の 遅溶性顆粒 に お い て は 、 特 に し — H P C , ァ ク デ ィ ソ ル及び P V P P な ど の崩壊剤 を 用 い た 速溶性顆粒か ら 作 ら れた 遅溶性顆粒 に つ い て は そ れ ら の崩壊力 は極め て 優れて お り 、 速溶性顆粒を溶出 液中 に 加 え る と 顆粒 は は じ け る よ う に 崩 壊 し て い く 様子 か肉 眼で も 観察で き る ほ どで あ っ た 。 こ の特性 は本発明 の構成で得 ら れる腸溶性 コ ー テ ィ ン グ と 組み合わ さ れ た 時 に 十分威力 を発揮で き る も ので あ る 。
一 方 、 本発明 の第 2 番 目 の発明 の遅溶性顆粒 に お い て は 、 第 1 番 目 の発明 の場合 に 比較す る と 、 P A 化合物 が 速溶性顆粒中 に 侵入 し 易 く 、 出来た 錯体が ゲル状物質で し かもそ れが乾燥 さ れた状態 に な る た め に 、 遅溶性顆粒 剤 と し て の 機能 を再現性 よ く 十分 に 発揮さ せ る た め に は 、 強力 な崩壊剤 の併用 が必要で あ る 。
先 に 述 べ た と お り 、 P A 皮膜が ひ と た び溶解 し た 場合 に は 、 浸入 す る 消化液 に よ っ て そ の顆粒 が短時間 に 崩壊 す る こ と が必須で あ る 。
先 に 記 し た よ う に 、 強力 な 崩壊剤 と し て は L 一 H P C , ァ ク デ ィ ソ ル及び P V P P が好適 に 使用 で き る 。 通常の 製剤 に お い て 用 い ら れる各種崩壊剤 を 種々 検討 し た と こ ろ 、 上記 3 品 目 以外 に も カ ルポ キ シ メ チル セ ル ロ ー ス · カ ル シ ウ ム ( 例 え ば五徳薬品株式会社製 E C G 505 ) が比較的良好 な崩 壊性を有 し て い た が 、 そ の上 に 腸溶性
皮膜をコ ーテ ィ ング して遅溶性顆粒 と し 、 それを長期間 室温で保存 し た場合に 、 腸溶性皮膜に亀裂か入 っ て し ま う 欠点を有 して お り 、 本発明の 目 的に沿い得ない こ とが 判明 し た。
L — H P C , ァ クデ ィ ソル及び P V P Pを用いた速溶 性穎粒を基材とする遅溶性顥粒について は、 こ の よ う な 経時変化もな く 、 長期間 にわた っ てその特性を雑持する こ とができる 。 それら の崩壊力 は極めて優れて お り 、 速 溶性顆粒を溶出液中 に加える と顆粒はは じける よ う に崩 壊 してい く 様子が肉眼でも観察できるほどであ っ た 。
本発明の速溶性顆粒及び遅溶性顆粒は、 押 し 出 し造粒 法で得られる ご とき円筒状の顆粒で はな く 、 遠心流動 コ 一テ ィ ング機を用 いた真球に近い球形顆粒状のものが最 も好ま し いものである 。
球形顆粒になれば腸溶性皮膜の均一性は極めて優れた もの と なり 、 造粒を実施する作業者の技能差が品質を左 右する こ とがな く 、 目 的とする安定 し た品質を得る こ と ができる。 ま た 、 顆粒状であれば、 製剤の消化管内の偏 在が少な く 持続性と して最も好適な製剤の形態である 。
また本発明に おいて は上記の よ う な逮溶性顆粒 と遅溶 性顆粒のほかに 、 薬勒溶出挙動の異なる別の遅溶性顆粒 を組み合せて 、 3 種以上の複合顆粒とするこ とも可能で ある 。 この場合に用 いる第 3成分は、 周様に安定性 ♦ 再 現性の優れた顆粒でなければな ら ない こ と は言う ま で も
な い 。
本発明 の製剤技術 は 、 本質的 に 経 口 投与 が 可 能な あ ら ゆ る薬物 に 利用 で き る 。 冒頭 に 述 べ た よ う に 、 製剤 内 で の移行性 の大 き な薬物 に お い て は と り わ け 有用 な手段で あ る と い え る 。 1 例 と し て 利用 で き る薬物 を 列挙 す る と 、 セ フ ァ レ キ シ ン , セ フ ァ ロ グ リ シ ン , セ フ ラ ジ ン , セ フ ア ド ロ キ シル , ア ン ピ シ リ ン , ァ モ キ シ シ リ ン , シ ク ラ シ リ ン , セ フ ァ ク ロ ー ルな どで代表 さ れる抗生物質 ; ノ ル フ ロ キ サ シ ン , オ フ 口 キサ シ ン , エ ノ キサ シ ン , ピ ぺ ミ ド 酸 , ピ ロ ミ ド 酸な ど で代表 さ れる化学療法剤 : フ エ ン ブ フ I ン , ブ ラ ノ ブ ロ フ I ン , フ ルル ビプ ロ ェ ン な ど で代表 さ れる 解熱鎮痛消炎剤 ; ピ ン ド ロ ー ル , 塩酸ブ ラ ゾ シ ン , メ チ ク ラ ン , 塩酸 ラ ベ タ ロ ー ルな ど で代表さ れ る 血圧降下剤 ; ト ラ ニ ラ ス 卜 な ど で代表さ れる抗 ア レル ギ ー 用 剤 ; ニ フ I ジ ピ ン , 塩酸二 カ ル ジ ピ ン , 酒石酸 ィ フ ェ ン プ ロ ジル , ビ ン ポ セ チ ン . チ ク ロ ビ ジ ン な ど で代 表さ れ る循環器官用 剤 ; 塩酸 フ ラ ボ キ サ ー 卜 な ど で代表 さ れる泌尿生殖器官用 剤 ; ベ ンズブ ロ マ ロ ン , ァ ロ プ リ ノ ー ルな どで代表 さ れる痛風治療剤 な ど が挙 げ ら れる が 、 本発明 は こ れ ら 薬物 の種類 に 限定 さ れる も ので な い 。
持続性複合顆粒を得 る 最 も経済 的 な方法 は 、 遅溶性顆 粒の 製造 に 使用 し た 速溶性顆粒をそ の ま ま 利 用 し て そ の 表面 に 腸溶性皮膜を コ ー テ ィ ン グ し た 遅溶性顆粒を 製造 し 、 両者を混合 す る こ と で あ る が 、 速溶性顆粒 は 、 全 く
別 の構成の も の で あ っ て も さ し つ かえない。 本発明 の 持 続性複合顆粒に お いて は 、 速溶性顆粒 1 0〜 90部 に 対 し て 遅溶性顆粒 90〜 1 0部の割合で混合 し て用 い ら れ る 。 よ り 好 ま し く は 、 速溶性顆粒 20〜 60部 に対 し て 、 遅溶性顆粒 80〜 40部で あ る 。
< 実施例 >
以下、 実施例及び参考例 に よ っ て本発明を更 に 詳細 に 説明す る 。 以下の実施例 , 參考例 に お い て 「部 」 は 「 重 量部」 を又、 「 % 」 は 「重量% 」 を示す α 参考例 1
Ρ V Ρ - 90 ( 米国 G A F社製 ) を、 ィ ソ プ 口 ピルアル コ ール ♦ メ チ レ ン ク ロ ラ イ ド混合溶媒 ( 混合重量比 1 :
1 ) に溶解 し 、 濃度 1 . 5 % の溶液を作成 し た 。 こ の溶液 を ビー カ ー に取 り 、 その 中 に才 ィ ド ラ ギ ッ 卜 ® L — 1 00
( 独国 ロ ー ム . フ ァ ー マ社製、 メ タ ァ ク リ ル酸 と メ チル メ タ ァ ク リ レ ー 卜 の共重合体、 共重合モル比 1 : 1 ) を 同上混合溶媒 に 7 % の濃度で溶解 し た溶液を徐々 に 添加 し た 。 両液の接界面 に は 、 僅かに 白濁 し たゲル状物質 が 直ち に生成 し た 。 液全体を硝子棒で攛拌する と 、 液全体 がゲル状 に な つ た 。 こ の中に 、 周上混合溶媒を新た に 添 加 し て ¾ 、 均一 な 溶液に戻る こ と はなか つ た
又、 Ρ Α 重合体 と し て 、 H P - 5 5 ( 信越化学㈱製 ) の
5 %周上混合溶媒溶液を添加 し た と こ ろ全 く 周様の現象
が観察で き た 。 実施例 1 〜 3 , 比較例 1 〜 3 ( 強力 な崩 壊剤 を 含有す る 速溶性顆粒 の製法及び胃液中 へ の 溶 出性 〉
遠心流動型 コ ー テ ィ ン グ機 ( フ ロ イ ン 卜 産業㈱製 , C
F 一 360型実験機 ) 中 に 粒度 の揃 っ た グラ ニ ュ ー 糖 2 を入れ 、 そ れ を転動 さ せつ つ P V P K — 90の Ί %水溶 液を スプ レ ー し つ つ コ ー ン ス タ ー チをふ り かけ て 、 球形 核剤 ( ノ ンパ レ ィ ル ) を造粒 し た 。 50°C の 温風中で 乾燥 し 、 更 に 篩 に かけ て 整粒を行 っ た 。 得 ら れた ノ ンバ レ イ ル は 平均粒子径 が約 650 ^ mの 真球 に 近 い球形顆粒で あ つ た 。
別 に 、 ペ ニ シ リ ン系抗生物質で あ る ァ モキ シ シ リ ン 80 部 と コ ー ン ス タ ー チ 20部 か ら 成 る 微粉砕 さ れた か け粉 を 周 口 し に 。
上記 ノ ンパ レ ィ ル を芯物質 と し て 、 そ の 周 囲 に かけ 粉 を散布 し つ つ 、 ス リ ッ ト エ ア ー 温度を 室温 と し て 、 P V
P K — 90の 1.5% イ ソ プ ロ ノ ノ ー ル溶液を スプ レ ー し て 造粒 を行 っ た 。 得 ら れた 顆粒 を 50°C の 温風中で 乾燥 し て 溶媒を 除去 し て 速溶性顆粒 を製造 し た 。 こ れを対照例 と し た 。 本顆粒中 に は 、 ァ モ キ シ シ リ ン が Ί 9= あ た り 470m ( 力 価 ) 含 ま れ て い た 。 ま た 、 P V P K — 90は 、 約 1 % 含 ま れ て い た 。 か く し て 得 ら れ た 顆粒を 日 本薬局 方で定 め る 溶 出 試験法 に 準 じ て 、 37°C の 胃 液シ ミ ュ レ一
シ ヨ ン液 ( 以下、 第 1 液 と い う 。 P H 1 , 2 ) を用 ぃ て 薬 物 の溶出挙動 を検討 し た 。
一方、 かけ粉の 中 に 、 下記第 1 表 に 示す 6 種類の崩壊 剤 を添加 し て対照例 と周様 に し て 造粒 し ( 実施例 1 〜 3 , 比較例 Ί 〜 3 ) 、 上記の溶出挙動 を比較検討 し た 。 そ の 添加割合 は 、 薬物 80部 , コ ー ン ス タ ー チ 1 5部 , 崩壊剤 5 部 と し た 。
薬物の半量及び全量が溶出 する に要 した 時間 を各々 T 50 , T wo ( 分 ). と し て 第 1 表に ま と め た 。
第 Ί 表
注) CM C - Ca :カルポキシメチルセルロース♦カルシウム
五徳薬品 β
アビセノレ :微結晶セルロース
旭化成ェ¾«
PV P P : ―ビニル— 2—ピロリドンの重合体
GA F社製
第 1 表 に 示 す ご と く 、 崩壊剤 の な い速溶性顆粒 ( 対照 例 〉 に お い て は 、 崩 壊 に 極め て 長時間 を要 し 、 こ れ か ら 得 ら れる遅溶性顆粒で は本発明 の 目 的を果 た し 得 な い こ と が判 明 し た 。 し か し な が ら 崩 壊剤 をかけ粉 中 に 5 % 含 有せ し め た も の は 、 程度の差 は あ る が いず れも 対照例 の 場合 よ り も速 く 崩壊 し た 。 特 に 本発明 の も の ( 実施例 1
〜 3 ) は、 T 50 が 1 分以内で 、 顆粒を溶出液中 に 入れる と直ち に崩壊が起 こ り 、 ち ょ う ど ポプ コ ー ン の よ う に 顆 粒が は じ けな が ら 崩壊す るのが 肉眼で観察で きた 。 実施例 4 〜 6 , 比較例 4 〜 6 ( 強力 な崩壊剤を含有す る 遅溶性顆粒の製造及び腸液中 ぺの 溶出性 )
実施例 1 〜 3 , 比較例 1 〜 3 で得 ら れた崩壊剤 5 % を 含むかけ粉で造粒 し た速溶性穎粒 6 種類を、 周 じ く C F - 360型 コ ー テ ィ ング機中で 、 各々 2 を用 い て 、 腸溶 性皮膜の コ ー テ ィ ングを実施 し た 。 腸溶性物質 と し て は 、 オイ ド ラ ギ ッ 卜 ® L — 1 00の イ ソ プ ロ ピルアル コ ー ル ♦ メ チ レ ン ク ロ ラ イ ド混合溶媒 ( 混合重量比 1 : 1 ) の 7 %溶液を用 い て コ ー テ ィ ングを実施 し た 。 こ の場合 ス リ ッ 卜 エア 一 温度 は 40 °G に 保 っ た 。 オ イ ド ラギ ッ 卜 ® L — 1 00中 に は約 1 0 % の可塑剤を添加 し た 。
いずれも 、 腸溶性物質が球形顆粒上 に 約 20 の 厚さ に塗布さ れる ま で コ ー テ ィ ングを続行 し た 。
得 ら れた穎粒を 5 0で の温風乾燥機中で十分 に 乾燥 し 、 更 に 篩過整粒を行 つ て粒度の揃 っ た遅溶性顆粒を得 た 。 本顆粒 1 g 中 に は 、 各々薬物が約 400δ¾ ( 力価 ) 含 ま れ て いた ( 実施例 4 〜 6 , 比較例 4 〜 6 ) 。
こ れ ら 遅溶性顆粒を 、 ポ リ エ チ レ ン製包装袋 に 入れ 、 40 °C; 湿度 75 % の恒温恒湿槽中で 6 ヶ月 間 の加速経 時変 化試験を実施 し た 。
そ し て 、 経 時変化試験前後の各顆粒 に つ い て 、 日 本薬 局 方で定 め る 溶出 試験法 に 準 じ て 、 37°C の腸液 シ ユ ミ レ ー シ ヨ ン 液 ( 以下 、 第 2 液 と い う 。 PH 6.8) を 用 い て 薬物 の溶出 挙動 を 測定 し た 。
実施例 Ί の場合 と 周 じ く 、 含有さ れて い る 薬物 の半量 が溶出 さ れる に 要す る 時間 ( Τ 分 ) を比較 す る と 、 第 2 表の ご と く で あ っ た 。
第 2 表
注) 各々 5回の測定値の範囲を示した。 第 2 表 よ り 明 ら か な ご と く 、 本発 明 の遅溶性顆粒 で L H P C 、 ァ ク デ ィ ソ ル及び P V P P を 崩壊剤 と し た も
の ( 実施例 4 〜 6 ) の T 50 値 は十分 に早く 、 且つ ば ら つ き が小さ く 安定 し た物性を示 し た 。
C M C— G a ( 比較例 5 ) につ い て は 、 経時変化試験 後のサンプル につ いて溶出 が異常 に早い場合があ り 、 そ の表面を顕微鏡で よ く 観察す る と 、 腸溶性皮膜に 亀裂が 入 っ て い るも の が ある こ と が確認さ れた 。 ア ビ セル 〈 比 較例 6 ) につ い て は、 恐 ら く P V P 結合剤 と の適合性が 悪いも の と 思わ れるが 、 速溶性顆粒の T a に比 し て 遅溶 性顆粒に し た場合に 溶出 が非常 に悪 く な り 、 し かも経時 変化が大きか っ た 。 実施例 7 〜 9 , 比較例 7 〜 9 ( 強力 な崩壊剤を含有す る 遅溶性顆粒の 胃液中ぺの溶出性 )
実施例 4 〜 6 , 比較例 4 〜 6 で得ら れた遅溶性顆粒 6 種類につ い て経時変化試験前後の第 1 液中で の薬物溶出 挙動 を観察 し た 。 37で の第 1 液中で 30分攬拌 し て 、 液中 へ の薬物 の溶出を測定 し た結果を第 3 表に示 し た 。 崩壊 剤 が C M C— C a 以外の場合 は 、 第 3 表の ご と く 腸溶性 皮膜か ら の洩れが僅か に 認め ら れるあの の経時変化が殆 ど な い こ と が判 明 し た 。 しか し な が ら C M 〇 一 C a を用 い た遅溶性顆粒 ( 比較例 8 ) に おい て は 、 特に経時後の 耐胃液性は非常 に悪 く な り 、 相当 量の薬剤が胃 の 中で 腸 溶性皮膜を通 し て 洩れて し ま う こ と が判 明 し た 。 こ れ は 比較例 5 で述べ た と お り 、 皮膜に亀裂が入る こ と に よ る
も の と 思わ れ た 第 3 表
注) 各々 5回の測定値の範囲を示した (
実施例 10 ( 強力 な崩壊剤 を含有す る遅溶性顆粒 の腸溶性 皮膜の膜厚の ば ら つ き )
実施例 4 ( 崩壊剤 : L 一 H P C ) で 得 ら れ た 遅溶性顆 粒 を 5個サ ンプ リ ン グ し 、 刃 物で半分 に 裁断 し 、 そ の 新 面を顕微鏡撮影 し て 、 腸溶性皮膜の膜厚を 測定 し た 。 測 定 は Ί 個 の顆粒 に つ い て 7 箇所実施 し た 。 そ の結果 、 膜 厚 の平均 は 23.7 ^ mで あ り 、 全測定値の ば ら つ き ( 標準 偏差値 ) は 2.5 ^ πιと な り 均一 な塗膜厚 さ と な っ て い た
一方、 実施例 1 で示 した方法で速溶性穎粒を製造す る 場合 に 、 結合剤 と し て P V P K — 90の代わ り に ヒ ド ロ キシプ ロ ピルセル ロ ー ス ( H P C — し 、 日 本曹達株式会 社製 ) を用 い て速溶性顆粒を製造 し た 。 得 ら れた速溶性 顆粒中 に は、 同 じ く 約 1 % の H P C — L が含有さ れて い る 。 .
こ の顆粒を用 いて 、 実施例 4 の方法 と全 く 同様の方法 ' で オイ ド ラ ギ ッ 卜 ® L — 100の コ ー ティ ングを実施 し て 遅溶性顆粒を製造 し た 。 得 ら れた穎粒 5 個の切 断面の顕 微鏡写真を撮影 し て 、 皮膜の厚さ の平均値及びば ら つ き を測定 した 。 そ の結果、 厚さ の平均値は 22.2 mで あ り 、 標準偏差値は 4.2 7?1 と な り 、 上記本発明 の 2.5^ m と 比べる と厚さ の均一性は非常 に悪化 し て し ま っ た 。 実施例 11 ( 強力 な崩壊剤 を含有す る遅溶性顆粒の腸溶性 皮膜の膜厚のば ら つ き と腸液中へ の溶出性 )
実施例 Ί で得 ら れた ノ ンパ レ ィルを用 いて 、 次の組成 の速溶性顆粒を下記の方法で製造 し た 。
N - ( 3,4— ジ メ 卜 キシ シ ン ナモイ ル )
ア ン ト ラニル酸 ( 一般名 : ト ラ ニ ラ ス 卜 ) 5部 ト ウ モ ロ コ シデンプ ン 57部 ノ ンパ レ ィ ル 36部
P V P— K - 90 _ 一 一 一 2部
ム 計 100部
薬物 と 卜 ゥ モ ロ コ シ デ ン プ ン の 混合物 を ハ ン マ ー ミ ル を用 い て 十分 に 粉砕 し て か ら 、 P V P K — 90の 3 % ィ ソ プ ロ ピル ア ル コ ー ル溶液 を ス プ レ ー し つ つ 、 上記 かけ 粉 を ふ り か け な が ら 実施例 1 と 周様 に C F — 360型 コ一 テ ィ ン グ機中 で造粒を実施 し た 。 50°C 温風乾燥機中で十 分 に 乾燥 し た 。
' 乾燥後 、 顆粒 を 分級 し 12メ ッ シ ュ の ス ク リ ー ン を通過 し 24メ ッ シ ュ の ス ク リ ー ン を通過 し な い球形粒子 を 速溶 性顆粒 と し た 。
次 に 、 周様 な 方法で上記速溶性顆粒を製造 す る場 合 に 卜 ゥ モ ロ コ シデ ンプ ン の一 部を ァ ク デ ィ ソ ル に 変え て 造 粒を行 っ た 。 最終 的 に 得 ら れた 速溶性顆粒の組成 は 次 の と お り で あ っ た 。
N - ( 3 , 4— ジ メ 卜 キ シ シ ン ナ モ イ ル )
ア ン 卜 ラ ニル酸 ( 一般名 : 卜 ラ ニ ラ ス 卜 ) 5部 ト ウ モ ロ コ シデ ンプ ン 52部 ノ ンノ レ イ ル 36部 ァ ク デ ィ ソ ル 5部
P V P K 一 90 2部
合 計 100部 か く し て 得 ら れた 2 種類 の速溶性顆粒 の表面 に 、 周 じ く C F — 360型 コ ー テ ィ ン グ機 中 で 、 イ ソ プ ロ ピル ア ル コ ー ル ♦ メ チ レ ン ク ロ ラ イ ド等量混合溶媒 に 溶か し た 才 ィ ド ラ ギ ッ ト ® L — 100の 6 %溶液 の腸溶性物 質 を 各 々
コ ーテ ィ ング し た 。 なお、 本腸溶性物質中に は少量の可 塑剤及び軽質無水珪酸を混入分散せ しめた 。 65 °C の温風 を送 りつつ 、 口 - タ ーを O r p mで回転させて顆粒を転動 せ し めが ら一定の フ ィ ー ド量で コ ーテ ィ ングを実施 し た 。 コ ーテ ィ ング終了後、 50 の湿風乾燥機中で十分に溶媒 を除去 し 、 整粒を行つ て 1 2メ ッ シ ュ のスク リ ー ンを通過 し 、 24メ ッ シ ュ のスク リ ー ンを通過しない粒子を得た 。
かく して得ら れた 2種類の遅溶性穎粒の表面に コ ー テ イ ングされている皮膜の厚さを 、 実施例 1 0と周 じ方法で 測定 し た と こ ろ、 いずれも平均 25 ¾の厚さ に皮膜が コ —テ ィ ングされてお り 、 そのばらつぎは標準偏差で約 2 . 4 ιであ り極めて均一 に コ ーティ ングされて いる こ と が判明 し た。
更に 、 2種類の遅溶性顆粒を 、 各々日本薬局法に規定 する溶出試験法に準じて薬物の溶出挙動を測定 し た 。 溶 出液は腸液をシミ ュ レー ト し た Ρ Η 6 . 8のいわゆる第 2 液である 。
溶出曲線を繰り返 し測定 してグラフ化 し 、 それか ら薬 物の半分量が溶出する に要する時間 ( 50 ) を読み と つ た と ころ第 4 表の とお りであ っ た。 ―
第 4 表
ァ ク デ ィ ソ ルを 含有 す る顆粒 は 、 そ う で な い も の に 比 し て 約 1.5分 と T ∞ の短縮が認め ら れた 。 実施例 12 ( P V P 系重合体が速溶性顆粒表面部分 に 髙灑 度 に 分布 し て い る遅溶性顆粒の 製造 と 胃 液 中 へ の 溶出性 ) 実施例 1 で得 ら れた ノ ンパ レ ィ ルを用 い て 、 次 の組成 の速溶性顆粒を下記の方法で 製造 し た 。
ノ ル フ ロ キサシ ン 20部 卜 ゥ モ ロ コ シ デ ンプ ン 32部 し 一 H P C 8部 . ノ ンパ レ ィ ル 36部
Ρ V Ρ Κ - 90 4部 合 計 100部 ノ ル フ ロ キ サ シ ン と 卜 ゥ モ ロ コ シ デ ンプ ン と し 一 H P C の上記割合 の 混合物 を予 め ハ ンマ ー ミ ルで 微粉砕 し た 。
実施例 Ί と 周 じ く C F — 360型 コ ー テ ィ ン グ機中 に ノ ンパ レ ィ ル 1 を 入 れ 、 50°C の温風を送 り つ つ ロ ー タ ー
を 100rpmて 回転さ せ て顆粒を転動せ し め なが ら 、 上記の 微紛碎さ れたかけ粉を一定量ずつ フ ィ ー ド し た 。 か け粉 と周時に P V P K — 90の 3 % イ ソプ ロ ピル アル コ ー ル 溶液を ノ ズルか ら スプ レー し た 。 この場合 、 P V P溶液 の フ ィ ー ド量を時間 と共に増加 す る方法で行 っ た 。 す な わ ち 、 造粒に要する 60分の う ち 、 最初 の 20分で全スプ レ 一量の約 1/ 5 、 次の 20分で全スプ レ ー暈の約 1Z 5 、 最後の 20分で全スプ レ ー量の約 3Z 5 量が スプ レ ー さ れ る よ う に造粒を行 っ た 。 特に最後の 20分間 はかけ粉 の フ イ ー ド量に対す る結合剤のスプ レ ー 量が過大に な る傾向 があ る た め 、 ロ ー タ ー のス ピ ー ド と 温風温度を上昇さ せ る な ど 、 団粒が形成さ れない よ う な十分な配慮を行 っ た 。 得 ら れた顆粒を乾燥 し て か ら 篩にかけて分級 し 、 12メ ッ シ ュ の ス ク リ ー ン を通過し ない速溶性顆粒 2, 5 を得た 。
か く し て得 ら れた速溶性顆粒の 1 を 、 再び C F —
360型 コ ー テ ィ ング機 に入れ □ ー タ一を 100〜 250rpniで 回転 しつ つ ス リ ッ ト エ ア 一 を 400 J / m i η 、 温度 45°Cで 吹き込みな が ら 腸溶性物質を コ ー テ ィ ング し た 。 コ ー テ ィ ング条件は下記の と お り で あ る 。
少量の脂肪酸エ ス テルモ ノ グ リ セラ イ ド ( 可塑剤 〉 と 軽質無水ケィ 酸を含むオ イ ド ラギ, 卜 ® L - 100及び 才 ィ ドラ ギ ッ 卜 ® S — 100の混合物 ( 混合重量比 3 : 1 ) を 、 イ ソ プ ロ ピル アル コ ー ル * メ チ レ ン ク ロ ラ イ ド 混合 溶液 ( 混合重量比 1 : 1 ) に 6 % に なる よ う に 溶解 し た
溶液を 調 合 し た 。 本溶液 を転動 す る 速溶性顆粒上 に 5〜 30 / mi n の速度で スプ レ ー し 、 腸溶性皮膜組成物 が 25 部被覆さ れ た 遅溶性顆粒を得 た 。
比較の た め に 、 P V P K — 90溶液の スプ レ ー 量 を経 時的 に 変化さ せ な い方法 に よ っ て 速溶性顆粒を造粒 し 、 更 に 上記 と全 く 周様 の方法で腸溶性皮膜を コ ー テ ィ ン グ し て 遅溶性顆粒を製造 し た 。
か く し て 得 ら れた 2 種類の遅溶性顆粒 を ポ リ エ チ レ ン ♦ アル ミ ニ ウ ム ラ ミ ネ ー ト フ ィ ル ム 分包 に 包ん だ状態で 、 40 , 75 R H % で 6 ヶ月 経時変化さ せ た 。 経時変化前及 び後の合計 4 種類の顆粒 を 第 1 液 ( PH 1.2 ) 中 で 37°C で撹拌 し 、 60分経過 し た 時点で の 内容薬物 の第 1 液中 へ の 溶出率を測定比較 し た 結果を第 5 表 に示す 。 第 5 表
結合剤 の 分布を顆粒の 上層 面ほ ど 高 く し た 場合 ( 実施 例 12 ) の 方 が 、 耐第 Ί 液性が圧倒 的 に 改良 さ れ 、 かつ そ の 経時変化が小 さ い と い う 優秀な性能 を保有 し て い た 。
実施例 η ( ρ ν ρ系重合体が速溶性顆粒表面部分 に 高濃 度 に分布 し て い る遅溶性顆粒の製造 と 胃液及び腸液中 へ の溶出性 )
実施例 ^! に記述 した方法 と全 く 同一 の条件で平均粒子 径が約
mの真球に近い ノ ンパ レ ィ ルを先ず 製造 し た 。
ノ ンパ レィ ル 1 を C F — 360型 コ ー テ ィ ン グ機 に 入 れ、 実施例 1 の方法 に 準 じ て薬物及ぴ賦形剤 か ら な る か け粉をその表面に付着造粒 し た 。
かけ粉の成分 は 、 ァ モキシ シ リ ン 80部 コ ー ン ス タ ー チ 15部及び し — H P C 5 部の割合の微粉碎混合物で あ る 。
常法 に 従 っ て 、 結合剤 と し て P V P K— 90の イ ソ プ ロ パ ノ ール溶液を ノ ズルか ら スプ レ ー しつ つ 造粒を実施 し た 。
こ の場合、 最初 の 4Z 5 相 当両の造粒に お いて は 1 %
P V P K —-90溶液を 、 最終の Z 5 にお いて は 3 % P V P溶液をスプ レ ー し て 、 P V P の分布が表面 に な る程 高濃度に な る よ う に し た 。 十分 に乾燥 し て 得 ら れた 速溶 性顆粒中 に は P V P が平均約 1.5%含ま れて い た 。
か く し て得 ら れた速溶性顆粒を、 周 じ く C F — 360型 コ ー テ ィ ング機中 に入れて実施例 9 に 記載 し た方法で 、 オ イ ド ラ ギ ッ 卜 ® し一 100と 可塑剤 と軽質無水ケ ィ 酸を 含む腸溶性物質をその表面に均一 に コ ー テ ィ ン グ し た 。 該腸溶性物質 は 、 速溶性穎粒上に約 20 mの厚さ に 塗布
さ れ て い た 。 本実施例 に お い て も 、 実施例 12の 場 合 と 同 じ < 、 P V P の ス プ レ ー 量が全体 に 同一 で あ り 濃度勾 配 を持 た せ て い な い 比較用 の速溶性顆粒 を用 い た 遅溶性顆 粒を 製造 し た 。 得 ら れ た 2 種類の遅溶性顆粒を 、 第 Ί 液
( H 1.2 ) 及び第 2 液 ( PH 6.8) 中 に 入れ薬物 の 溶 出 試験を実施 し た 。 結果を第 6 表 に 示 し た 。 第 Ί 液中で 60分攛拌 し た場合の 内容薬物 の漏洩 は比較 顆粒 よ り も大幅 に 改良 さ れ 、 し か も第 2 液で の 薬物 50% 溶 出 時間 ( T a ) が 大幅 に 短縮 さ れた シ ャ ー プ な溶出挙 動 ¾: し 、 本実施例 の も の は遅溶性顆粒 と し て 満足 す ベ き ょ り 優秀な性能 を有す る も の で あ る こ と が判 明 し た 。
第 6 表
注 1 ) いずれの顆粒も、 13あたり約 400 (力価)の
ァモキシシリンを含んでいる。
注 2〉 数値は、 各々 5回の繰り返し測定値の範囲
実施例 14 ( P V Ρ系重合体が速溶性顆粒表面部分 に 高 ¾ 度に分布 し て いる遅溶性顆粒の腸溶性皮膜の膜厚の ば ら つ ぎ の測定 )
Να ) 実施例 13で得 ら れた遅溶性顆粒
No. 2 ) 周 じ く 実施例 13で用 い た 比較用遅溶性顆粒 Να 3 ) 実施例 1 で示 し た 方法で速溶性顆粒を製造 す る場合に 、 結合剤 どし て Ρ V Ρ Κ - 90 の代わ り に ヒ ド ロ キ シプ ロ ピルセル ロ ー ス ( Η Ρ C - L 、 日本曹達株式会社製 ) を用 い て得 ら れた速溶性顆粒の上に 、 才 ィ ド ラ ギ ッ 卜 ® L - 100皮膜を コ ー テ ィ ン グ し て 得 ら れた遅溶性顆粒
の 3 種類の遅溶性顆粒を各々 5 假サンプ リ ン グ し 、 刃物 で半分に 切 断 し 、 その断面を顕徴鏡撮影 し て 腸溶性皮膜 の膜厚を測定 し た 。 測定 は Ί 個 の顆粒に つ い て 7 箇所実 施 し た 。
全測定値の平均値及びその ば ら つ き ( 標準偏差値 〉 を 第 7 表 に ま と め た 。
7 表
穎粒 to. 膜厚の 平均値 ( 7JI ) ! 周 ば ら つ き ( m )
1 24.2 1.4
2 23.7 2.5
3 22.2 4.2
No. 1 の 遅溶性顆粒 ( 実施例 1 3 ) は皮膜の厚さ が 極 め て 均一 と な る よ う に コ ー テ ィ ン グ さ れ て い る こ と が確認 さ れ た 。 実施例 1 5 ( P V P 系重合体が速溶性顆粒表面部分 に 高濃 度 に 分布 し い る遅溶性顆粒の腸溶性皮膜の ば ら つ き と 腸 液中 へ の 溶出 性 )
実施例 2 の速溶性顆粒 ( 崩 壊剤 : ク ロ ス カ ルメ ロ ー ス N a ) を用 い て 、 更 に そ の表面 に 種々 の水溶性高分子物 質をプ レ コ ー テ ィ ン グ し た 顆粒 を 製造 し た 。 コ ー テ ィ ン グ直前の顆粒 は 、 1 4メ ッ シ ュ の ス ク リ ー ン上 に 残存 し た 過大な顆粒及び 2 4メ ッ シ ュ を通過 し た 微細 な顆粒 を 除い て 整粒 さ れ た も の を用 い た 。
プ レ コ ー テ ィ ン グの条件 は 第 8 表 に と お り で あ る 。
第 8 表
注 1 ) PVP K-90, TC-5 (R) ともにメチレンクロライド
♦イソプロピルアルコール 1 : 1 (体積比)混合溶媒中 2% に溶解した溶液をスプレーコー卜した。
注 2) TC-5 (R) :信越化^ ¾ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロースの商品名
すなわち 、 No. 2 の速溶性顆粒中 には薬物 と賦形剤を結 合するための P V P K — 90がこれらかけ粉の部分に均 —に分布 ( P V P K — 90量は速溶性顆粒重量の約 0.5 % ) して お り 、 No.3 〜 to.4 の速溶性顆粒に おいて は更に その表面に P V P K - 90皮膜が種々の厚みで コ ー テ ィ ングさ れている 。
3フ 又 、 to 5 の速溶性顆粒 は 、 P V P K — 90の代わ り に P A 系腸溶性物質 と何 ら コ ンプ レ ッ ク ス を形成 し 得 な い 水溶性高分子物質で あ る ヒ ド ロ キ シプ ロ ピル メ チルセ ル ロ ー ス を コ ー テ ィ ン グ し た 比較用 顆粒で あ る 。
プ レ コ ー テ ィ ン グさ れた 顆粒 は 、 いず れも 0 の 温風 乾燥機中で 十分 に 乾燥せ し め た 。
か く し て 得 ら れ た速溶性顆粒 の各々 Ί を 、 再び C F 一 360型 コ ー テ ィ ン グ機 に 入れ 、 実施例 2 に 記述 し た 方 法で オ イ ド ラ ギ ッ 卜 ® L — 100と 少量 の可塑剤 ( 脂肪酸 エ ス テ ルモ ノ グ リ セ ラ イ ド ) 及び軽質無水ケ ィ 酸を 含 む 腸溶性皮膜 を コ ー テ ィ ン グ し た 。 次 い で 、 40°C に 保 っ た 真空乾燥機中 で 十分 に 有機溶媒 を 除去乾燥 し た 。
腸溶性皮膜の付着量 は 、 いず れも乾燥重量 に対 し て 約15% で あ り そ の厚 さ は約 20 771で あ っ た 。 又 、 いず れの 遅溶性顆粒 も 、 1 g あ た り 約 400fflg ( 力 価 ) の ァ モ キ シ シ リ ン を含 んで い た 。
か く し て 得 ら れた No. 1 〜 to 5 の遅溶性顆粒を 、 実施例 13の場合 と 周様 に 37°C の第 2 液 ( PH 6.8) 中 に 入 れ 、 攛拌 し な が ら 経時 的 に 溶液を サ ンプ リ ン グ し て ァ モ キ シ シ リ ン の溶出量を測定 し 、 T so ( 薬物 の 50 % が 溶 出 さ れ る に 要 す る 時間 、 分 ) を グ ラ フ 上か ら 読み と つ た 。
得 ら れ た 結果 は第 9 表 の と お り で あ っ た 。
9 表
注 1 ) 数値 は 、 各々 5 回 の繰 り 返 し 測定値の範 H この結果よ り 明 ら かな と お り 、 P V P K - 90を 1.5 %程度プ レ コ一 卜 し た場合 ( fto. 3 ) に 、 薬物 は最 ^)シ ャ ープな溶出挙動 を示 し た P V P K — 90のプ レ コ一 卜 が 0.5 % の場合 ( No. 2 ) は 、 その量が少なすぎる た め か 空試験の場合 ( No. 1 ) に 比 し て さ し た る改良 は認め ら れ なか っ た 。 逆に 、 P V P K — 90のプ レ コ一 卜 が 2.5% の場合 ( No. 4 ) はそ の量が多すぎる た め と考え ら れ る が プ レコ 一 卜 が第 2 液の溶解作甩を妨害 し薬物溶出挙動 は to 3 に比 し て鈍化 して し ま た 。
更 に 、 比較試験 と し て P A と錯体を形成 し な い T C 5 ( R ) をプ レ コ一 卜 し た場合 ( No.5 ) を検討 し た が 溶出挙動 は空試験 と何等変わ ら ないも のであ っ た 。
実施例 11 , 13及び 15な どで示 し た いわ ゆ る ί n vi tro の実験例 に み ら れる シミ ュ レー 卜 腸液 に よる溶出 時 間 の
短縮 は 、 実際 の人体内 に お い て は よ り 明 確 に 発現 さ れる こ と が分 っ て い る 。 従 っ て 、 本発 明 の顆粒を 用 い る こ に よ り 極め て 安定 な B A V 特性を得 る こ と が で き る 。 と り わ け 、 薬物 の吸収部位 が 十二指腸や小腸上部 の 暇 ら れ て い る薬物 に と っ て は 、 消化管内 に お け る 消化液の P H 上 昇 に 伴 っ た 可及 的速や かな る 溶出挙動 を持つ こ と は 、 遅 溶性顆粒の B A V を 高め る 必須要件で あ り 良好 な持続性 複合顆粒 と な り 得 る 。 実施例 16 ( 強力 な崩壊剤 を含有 す る速溶性顆粒 と P V P 系重合体が該速溶性顆粒表面部分 に 高濃度 に 分布 し て い る遅溶性顆粒か ら な る複合顆粒 )
実施例 2 の速溶性顆粒 ( 崩 壊剤 : ク ロ ス カ ルメ ロ ー ス N a ) と 、 実施例 15で述 べ た Ito. 3 の遅溶性顆粒 と の 2 種 の複合顆粒製剤 を 、 ァ モ キ シ シ リ ン の力 価含有比率 が上 記の順番で 3.5 : 6.5に な る よ う に 混合 し た 。
こ の 複合顆粒を 、 ァ モ キ シ シ リ ン の力 価の 500«g相 当 分 と な る よ う に 、 4 名 の男子成人 に 軽食後 に 投与 し た 。 投与後 1 時間 毎の ピ ッ チで 12時間 ま で 採血 し 、 血清中 の 薬物 濃度 を 円 筒平板法で測定 し た 。 被験菌 と し て は B . subt i I i s A T C C 6633を使用 し た 。
一 方対 照例 と し て 、 Ί 週間 の休薬期 間 を お い て か ら 周 じ 4 名 の ボ ラ ン テ ィ ア に 通常 の ァ モ キ シ シ リ ン カ プ セ ル 剤 ( 25 Ofl¾ , 力 価 ) Ί カ プ セ ル を投与 し 、 6 時間経過後
更に Ί カ プセルを投与 し た ( 合計 500 /^ ) 。 そ し て 、 同 じ く Ί 時間毎の ピ ッ チで 1 2時間 ま で採血を実施 し 、 血清 中 の薬物濃度を測定 し た 。
か く し て得 ら れた 2 群の 血清中濃度 ♦ 時間 曲線を 比較 し た 。
ァ モキ シシ リ ンの各疾患に対する有効血清中濃度の 目 安を 1 g Z と仮定 し 、 本濃度を持続 し て い る 時間 を グラ フ 上か ら 読み取 っ た 。 本発明の製剤 に お い て は連続 的 に 8 . 5時間持続 し得た の に対 し 、 対照例の カ プ セル製 剤 の場合 に は 、 第 Ί 回投与の血清中濃度が 6 時間後の第 2 回 目 の投与 ま で に ほ と ん どゼ α近く まで低下 し て し ま う た め に 、 上記濃度を持続 し て いる 時間 は第 1 回 目 の 力 プセル投与時に 3 . 2時圊 、 第 2 回 目 の カ プセル投与時 に 3 . 8時間 と 、 合計 7 時間 を間 けつ 的 に しか維持できな い こ と が判 明 し た 。 実施例 1 7 ( 強力 な崩壊剤 を含有す る速溶性顆粒 と 、 該速 溶性顆粒に腸溶性皮膜を施 し た遅溶性願粒か ら な る持続 性複合顆粒 )
実施例 1 で得 ら れた速溶性顆粒 ( 崩壊剤 : L一 H P C ) と 実施例 4 で得 ら れた遅溶性顆粒を混合 し て 、 各 々 の 中 に 含有さ れて い る ァ モキ シシ リ ンの力 価比率が 3 : 7 で あ り 全体中 の ァモ キシ シ リ ンの含有量が 500 /Bg ( 力 価 ) で あ る持続性複合顆粒製剤 を調合 し た 。 一方健康成人男
子 24名 の ポ ラ ン テ ィ ア を募集 し 経 口 投与実験 を 行 っ た 。 1 群 12名ずつ の 2 群 に 分 け て 、 遅効 性加 工 の施 さ れて い な い通常の ァ モ キ シ シ リ ン カ プ セ ル剤 を対照薬 と し た ク ロ ス 才 一 バ ー 法 に よ る B A V の 比較を 行 っ た 。 B A V の パ ラ メ ー タ 一 と し て は 、 得 ら れ た 血中薬物濃度 ♦ 時間 曲 線の 曲線下の面積 ( A U C ) を 計測 し 結果を 第 10表 に 示 し た 。
第 10 表
第 10表か ら 同一 の薬物投与量の条件 に お け る本発明製 剤 1 回投与 と カ プ セ ル剤 2 回投与 の A U C は殆 ど 同一 で あ り 、 極め て優秀 な薬効持続性 が 認 め ら れた 。
次 に 、 ポ リ エ チ レ ン ♦ ア ル ミ ニ ウ ム ラ ミ ネ ー 卜 フ ィ ル ム の 分包中 に 包装 さ れた 状態で 36ケ月 間 室温で保存 さ れ た 本発明製剤 を と り 出 し 、 全 く 同 じ 方法で対照薬 と A U C の 比較実験を繰 り 返 し た と こ ろ 、 第 11表 の ご と き 結果
と な っ た 第 1 1 表
す なわ ち 、 3 ケ年に及ぷ長期 間保存に お いて も本発明 の持続性複合顆粒 はその能力 を 完全に保持 し て お り 極め て安定 な製剤で あ る こ と が証明さ れた 。
産業上の利用可能性
本発明 は 、 腸溶性皮膜成分が過度に 速溶性顆粒内部 に ま で浸透する こ と がな く 、 極め て均一 な皮膜特性を有す る遅溶性顆粒及びそれを用 い た持続性複合顆粒 に 関 す る 腸溶性皮膜の 内側 に は内容物 の外表面へ の移行を 阻止 し得る有効なバ リ ヤ 一 層 が必然的 に形成さ れる 。 こ の パ り ヤ ー層 に よ つ て長期 間 に わ た つ て極めて 安定 な B A V 特性を維持 し 、 ま た 、 速溶性顆粒中に 存在する強力 な崩 壊剤 に よ っ て 、 腸溶性皮膜の溶解に 伴 つ た速や かな る薬 物 の溶出を実現させ良好な B A V 特性を与え る と い う 効 果が得 ら れる
従 つ て、 本発明 の遅溶性顆超及び持続性複合顆粒 は 、
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