WO1986002143A1

WO1986002143A1 - High-frequency heater

Info

Publication number: WO1986002143A1
Application number: PCT/JP1985/000542
Authority: WO
Inventors: Okihiko Nakano; Junzo Tanaka; Yukio Abe; Kazumi Hirai
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co. Ltd.
Priority date: 1984-10-02
Filing date: 1985-10-01
Publication date: 1986-04-10
Also published as: JPS6186520A; CN85108199A

Description

明細書

発明の名称

髙周波加熱装置

技術分野

本発明は電子レンジ等の高周波加熱装置における加熱室の構成に関するものである。

背景の技術

従来の高周波加熱装置にける加熱室の一般的な構成は、電子レンジを例にとると第 1図に示すように加熱室左右側壁ならびに底面を、一体に形成した断面 U字状の胴板 1 , その胴板 1の上面開口を覆う上板 2，またその前方胴板 1の U字状開口にほぼ等しい大きさの開口を有する表板 3 ·, ならびにその後面を塞する裏板 4とを各々金属板（通常は鑲板）にて形成し、それぞれを溶接またはかしめ等の手段にて一体に接合される。更にその後防蝕のため塗装処理もしくはホ一口一処理を施される。これら後処理工程を省くためステンレズ鎖板を用いる場合もある。

このような加熱室にはその側壁の外面 (通常右側面）に高周波発生装置や他の電気制御部品等を取付けたのち、床板 5上にねじ締め等によって固定され、更にこれら全体を覆う逆 U字状の外郭材 6が取付けられる。図示していないが、裏板 4の背後に更に熱風循環ファン等の別部品を取付ける場合もあり、それを覆うため裏板を 2重とする構成も見受けらける。また、電気部品等の収納部を加熱室下部もしくは上部に配置した形態のものも見受けられるが、基本構成は上記の例と同様である。

以上のような筐体構成であるから、装置はいわば加熱室とそれを取巻く外郭材の 2重構造となっており、外形寸法にくらべ加熱室の有効容積を狭めている。このことは設置面稜もしくは占拠空間を必要以上に大きくとることとなる。また加熱室に収納できる被加熱物の大きさも制限され、所望の量の被加熱物を加熱するに際し、場合によつては 2回ある t、はそれ以上に分割して加熱することを余儀なくされ、結果的には加熱時間を長びかせ、かつ投入電気エネルギーの消費量も大きくなる。

以上のように設置スペースが大きいこと、加熱時間が長くかかること、消費電気量が多いことなどの欠点があった。

更に 2重構造の筐体は、外郭材ならびに加熱室、ともに金属材料であって重量軽減も困難で、運搬に支障をきたし、かつ包装部材等も丈夫なものを必要とする等コスト面でも髙いものになっていた。

また、加熟室を形成する際にスポット溶接等の接合手段を用いることは、加工条件の不備による部分的な溶接不良を生じ易く、その場合には高周波の漏洩に結びつく危険性があった。

上記の欠点を解消するものとして、外郭材と加熱室を一枚構造にし、一重壁としたものが見受けられる。その顕著な例がヨーロッパパテント 0 1 1 0 3 6 4号公報に示される構成であって、第 2図に示すように加熱室を構成する天面、左右側面、ならびに床面を一枚の金属板にて断面四角状に形成した胴板 7と、高周波発生装置ならびにその制御部品等を収納する断面コ字状に形成した電気室 8とからなり、加熱室胴板 7の右側面 7 aの外側が電気室 8 の左側壁となるようにこれらを隣合せにスポット溶接等の手段を用いて接合したのち、前板 9ならびに裏板 10を各々全周巻締め加工によつて接合するものである。接合後箱状態で加熱室内壁ならびに外表面の塗装を行なう。なお電気室 8の右側面の開口部は各種電気制御部品の取付作業や配線作業を行なうためのもので、組立後別の蓋（図示せず)が取付けられる。

このような構成によれば、加熱室の壁面や天井面がそのまま本体外部となり、設置スペースの削減となるが、外郭面の一部に溶接等の接合跡が残り、かつ加熱室と電気との接合境界面が、.比較的良く目立つ天面上に前後に走る溝状として残り、外観的に見苦しいものとなって商品価値を低下させ、加えて埃や汚れ、液体等がたまりやすいという欠点も有する。

更に加熱室前板の開口は胴板の内部断面より小さくなる。これは前記開口を覆う扉の周縁に設た高周波減衰装置と対向する金属壁面を必要とするためであって、そのため加熱室内部塗装の際、例えば吹き付け塗装の場合には前記前板開口周辺の内側に塗料が付きにくく、また浸漬塗装の場合には逆に塗料もしくは溶剤の排出が困難で、結果的に塗装不良を生じ易いという製造工法上の欠点があった。また加熱室内外の塗装に際し、内と外との色彩の区別を行なうことが極めて困難であり、従って内外同色塗装とせざるをえず、意匠上の著し t、制約となるものであつた。'

さらに加熱室と電気室との仕切壁 7 aと前板 9ならびに裏板 10との接合は、ねじ止めもしくはスポッ卜溶接等が必要となり、ねじ止め等は作業工数を大幅に増加させることとなり、スポット溶接等は第 1の従来例と同様に高周波漏洩の危険性を有するものであった。

発明の開示

本発明は上記従来の欠点を解消し、装置の全容積に対する加熱室の有効面積を極めて大きくしうる構成の高周波加熱装置を提供することを目的とし、併せて新しい接合方式と使用材料の組合せにより筐体部分を簡素化、軽量化してコス卜の引下げを狙いとするものである。

上記目的を達するため本発明の高周波加熱装置は、被加熱物を加熱するための加熱室と、高周波加熱装置等の電気制御部品を収納する電気室とを、各々別個に加工、組立てを行なったのち、両者を連結することによって高周波加熱装置として完成させるもので、かつ前記加熱室は開閉自在の扉を備えた被加熱物出し入れ用開口部を有する前板と、本体裏板と、本体外郭の上下左右を一枚の金属板より形成する胴板とからなり、この前端部と前記前板の周辺部、ならびに後端部と前記裏板周辺部の各々を巻締めによって接合する構成としたもので、これらを構成する金属板はいずれも塗装または合金メツキ等によりあらかじめ表面処理された材料を使用するもので、単純でかつ堅牢な筐体となり、小形な外部容積に比して極めて大きな加熱室有効容積を確保できるとともに、表面処理済みの金属板の使用により、後処理なしで済ませるか、もしくは極めて簡単な作業で後処理することができ更に加熱室からの髙周波漏洩の危険性もな等の効果を有するものである。

また上記胴板と前板ならびに裏板との巻締めは外向きに巻き締めすることによって、巻締めの加工設備を簡素化し、使用材料に無理のない構成とすることができ、逆に内向きにすることによって巻き部分の凹凸を胴板の内側にして、外表面の突出を少なくし、美観向上^役立てられるという効果を有するものとなる。

図面の簡単な説明

第 1図は従来例の高周波加熱装置の加熱室の分解斜視図、第 2図は他の従来例の加熱室の分解斜視図、第 3図は本発明の第 1の実施例の髙周波加熱装置の外観斜視図、第 4図は同加熱の分解斜視図、第 5図は第 3図における A - A都の巻締前の部分断面を含む斜視図、第 6図は第 5図の巻締後の部分断面を含む斜視図、第 7図は第 3図における中央側断面図、第 8図は胴板部の分解斜視図、第 9図ははぜ折り部のかしめ前の部分断面図、第 10図ははぜ折り部のかしめ後の部分断面図、第 11図 (a)，（b)〜第 16図 (a)，（b)は各々巻締め前後の各種構成を示す部分断面図、第 17図は第 2の実施例の中央断面図、第 18図は第 3の実施例の分解斜視図、第 19図は同中央断面図、第 20図は同巻締め部の部分断面図である。

発明を実施するための最良の形態以下に本発明の実施例を図面をもとに説明する。

第 3図にお、て、加熱室 11と高周波発生装置等の電気制御部品を収納した電気室 12とは上下に分割されており、加熱室 11の構成は胴板 13の前面に前板 14を取付け、これに (ま被加熱物出入れ用開口部 15を有し、これを覆う開閉自在の扉 '（図示せず）が穴 16を利用して取付けられる。胴板 13の背後には加熱室裏板 17が取付けられる。

第 4図に示すように、加熱室前板 14と加熱室裏板 17の外形寸法ほ胴板 13の内寸とほぼ等しい。胴板 1 は略四角断面を有し、その前後端部には例えば各々外向きに延びるフランジ部 18を備え、前記加熱室前板 14ならびに加熱室裏板 17には前記フランジ部 18より更に外側にのびるフランジ部 19 , 20をそれぞれ全周にわたって設け、第 5図に示すように組合わせたのち、第 6図に示すように全周にわたって均一な巻締め加工を行なう.。第 6図の切断面から明らかなように、この巻締め構成の場合には胴板 13と加熱室前板 14<加熱室裏板 1 7の場合も同じ）とは 5層になるように重ね合わされており、この部分が加熱室 13内からの高周波のシールとなる。

第 7図において、電気室 12には、高周波を生するマグネトロン 21 , 冷却用ファン 22，加熱時間を制御するタイマ 23，その他図示しないが髙圧トランスゃコンデンサその他電気制御部品が収納，配置され、相互に結線されている。マグネトロン 21は、アンテナ 24を胴板 13の底扳 25の中央部に下方から貫通させて挿入後、底板 25にねじ等によって結合し、さらに電気室 12も同様にねじ等によって底板 25に取付ける。これらの作業は加熱室前板 14の開口部 15 より行なう。髙周波の撹拌装置 26はマグネトロンァンテナ 24に軸支持されており、風の力によって回転しやすいように一方向に曲げられたブレード 27ならびにそのボス部分 28にフィン 29を傭えている。

風の流れは冷却用ファン 22の回転により、電気室 12の後面の開口 i2aより電気室 12内へ導かれ、マグネトロン 21ならびに髙圧トランスを冷却する。 'マグネトロン 21を冷却した風は案内板 30によって、底板 25に設けられた小孔 31 を通り、撹拌装置のブレード 27に当たる。また冷却ファン 22の直上にもまた別な小孔 32を設け、冷.却ファン 22の半径方向に分流する風を導入して、同じく撹拌装置のブレード 27に当てる。このようにして撹拌装置 26は風の力によつて回転することができる。またこれら加熱室底板 25から流入する風の流れを、撹拌装置 26における風の力を回転力に転換するのに最も効果のある部分に向ける案内 33を設けることに'より、回転をより円滑かつ確実ならしめることができる。図では案内 33による風の向きは撹拌装置のボス部 28のフィン 29に当るようになっている。

撹拌装置 26を回転させた風は、加熱室裏板 17の下方に設けられた第 1の小孔群 34专通り、前記裏板の背後に設けられた排気ガイド 35によって、その上方の第 2の小孔群 36によって再び加熱室内に入る。なお撹拌装置 26の上部に低誘電率の材料，例えば強化された特殊ガラス，セラミックあるいは耐熱性プラスチック等からなる台板 37が設けられており、その上下間での風の流通は前記第 1ならびに第 2の小孔群 34 , 36を通す以外にはない。台板 37上に第 2の小孔群 36より流入した風は直進して扉（破線にて示す)の裏面に当り、第 3の小孔群 38を通り、また排気ガイドの排気孔 39より外部へ排出される。扉裏に風を当てるのは、加熱中に水蒸気が扉裏に結露して、内部透視を妨げるくもりを発生させるのを軽減するためのものである。あるいは第 2の小孔群 36を設けず、第 1の小孔群 34から排気ガイド 35中に出てきた風の流れを直接排気穴 39から抜いてやれば、加熱室内の水蒸気等はその排気ガイド 35中の流れに吸いこまれて同時に排気させる構成としてもよい。なお排気ガイド 35は加熱室裏板 17の全面を覆う形状とすることにより、装置の外観上の価値を高めうるとともに、前記加熱室裏板 17に設けられた各小孔からの異物侵入を防止する役割をももたせられる。また、その覆われた部分内に加熱室 11内用の照明灯を設けたり、あるいは排気経路中に温度スィツチ等を設けて温度の過昇に対する安全装置とすることもできる。

台板 37は撹拌装置 2βなどの構造物を覆し、隠すとともに被加熱物の載置台ともなる。台板 37の表面は加熱室前板 14の開口部 15の下辺と一致させ、被加熱物の出入れや内部の掃除の際、曆ゃ水等の除去を容易にしている。

撹拌装置 26はマグネトロンアンテ士 24を回転中心とする。風の力によって回転力を容易に得るためには一点中心支持が望ましレ、が、本実旛例ではアンテナ 24の先端部に突起を有する軸受 40を設け、これに撹捽装置のボス部 28の中心を載置する構成とした。

上記のような加熱室の構成によれば、'加熱室 11の外表面が装置の外郭面となる。従ってその構成材の外面は商品として成立しうる色彩，.美観，耐蝕性等を必要とし、またその裏面（内面）は被加熱物の加熱室壁面として必要な耐熱性，耐蝕性，食品衛生上での安全性等を満足することが要求される。

巻締め加工の場合には箱状態にした後に塗装することも可能であるが、上記のように加熱室内外で要求される性能が異なる場合には、加工前に表裏とも塗装もしくはメツキ等の表面処理をあらかじめ実施することによって、要求性能を満足させることができ、同時に巻締め接合を終えた状態が加熱室 11 として完成状態となり、後処理を省くことができる。本実施例では、あらかじめ表裏とも塗装された金属板を用いて構成している。塗装は、例えば鉄板に亜鉛メツキ等を施した後、両面ともアクリル系、ポリエステル系あるいはェポキシ系の塗料を塗布または印刷したものであつて、両面同色の場合もまた異色の場合も塗装が可能である。

電子レンジ等にお t、ては外部表面を赤や綠ゃ白等の種々の色調のものが市場に出ているが、本実施例によればこれと同様の色を実現し、かつ加熱室内部は白色系に統一する等の方法をとることが可能となる。

また他の実施例では亜鉛メツキや亜鉛 ·ニッケルメツキを施した鉄板に、その片面にのみ上記と同様の塗装を行ない、この塗装面が外部面となるよう構成し、メツキ面を加'熱室側となるように.して上記要求性能を満足することができる。

通常この様なメツキ板では、例えば亜鉛による白鐯防止のため更にその上にクロメート処理を行なってメツキ層の保護をしている材料もあり、また近年は更にこの上に無機あるいは有機の複合材料からなる保護被膜を形成し、耐蝕性を著しく向上させたものであって、加熱室の壁面材料として好適のものとなつている。

なお一般にはメツキは素材の両面に同時に行なわれるので、片面塗装はそのメツキ層の上に塗膜を形成することになり、塗装面の耐蝕性は更に向上するという副次的効果を得られる。

前記の複合材料による皮膜形成した材料を用、れぱ表.面の光沢も良いものを選択でき、かつ塗装も片面だけで済み安価なものとなるという効果を有する。素材の塗装は加工前の平板状態であるから印刷手法による塗装が可能であるが、その際種々の模様を印刷したり、塗膜表面に凹凸を与えて、木目調や皮革調の外観とすることもでき、商品価値を更に高めうるという効果もあまた上記の如き材料と、加熱室を構成したのちに後塗装する方法とを組合わせることもできる。

即ち、後塗装の方法として箱状のものである場合には、内面より外面を塗装する方がより確実で、塗りむらをなくすことが容易であるから、前板の開口部を覆つて塗料の内部侵入を防止したのち外部面を後塗装するようにして加熱室の内壁面を上記のようなあらかじめ塗装された材料を用 L、ることができる。この時は外部面は鉄板の素地のま、か、あるいは亜鉛メツキ処理されたもので良い。

また両面メツキの材料を用い、外部面のみ後塗装することも可能である。ただし、第 7図の構成のように、加熱室の胴板の底板 25にマグネトロン 21 を直結する場合、底板 25の外面に塗装が施してあるとマグネトロンのアンテナ 24の根元部分が塗膜面と接触するため電気的導通を得ることができない。そこで第 8図に示すように、加熱室の胴板 13と底板 25を別部品とし、胴板 13 のみ上記の説明のようにあ'らかじめ塗装処理した材料を用い、底板 25は通常の非塗装の金属板とする。胴板 13ならびに底板 25の各々端部には前後方向に一様な折り曲げ部 13a , 25aを備え、第 9図のように組合せたのち第 10図のようなはぜ折りかしめを行って接合する。ナこヾ、底板 25の非塗装部分は外郭面としては不適当であるから、電気室 12を連結した際には電気室 12によって覆われるような大きさ'となるよう手法設定する。

巻締め接合方法の一実施例を第 5図，第 6図にて示したが、第 11図 (a) , (b) から第 16図 (a)，（b)までの図面で他の巻締め接合例を説明する。各図はいずれも (a)は巻締め前，（b)は巻締め後の断面図である。

第 11図は第 5図，第 6図の実施例を簡素化した構成で同第 11図 (a)にお、て加熱室前板 14は箱状底部を外 (前方）に向け胴板 13のフランジ部 18にかぶさるようフランジ部 41を設け、これを第 6図の場合と同様の手順で折り曲げを行なうものである。同図 (b)において明らかなように金属板は 4層になっており、第 6図の場合とくらベて接合強度も遜色のないものが得られるとともに加熱室前板 14の加工が比較的簡素にできる。なお加熱室裏板 17にお、ても同構造であり、説明は省略する。以下の実施例においても同様である。

第 12図 (a)においては、胴板 13と加熱室前板 14の重なる部分に複数個の穴 42 を設け、加熱室前板 14側には前記穴 42に係合する突起 43を設ける。加熱室前板 14の前方にはフランジ部 44を有し、これは胴板 13より外側へ延びている。このフランジ部 44を折り曲げ、胴板 13の端部を抱きこんで同図 (b)の形状となり、穴 42と突起 43の嚙み合 t、により加熱室前板 14が前方へ脱落する心配がない。この方法によれば胴板 13も加熱室前板 14の加工も搔めて容易であり、かつ材料にも無理な力がかからない。

第 13図以下の例は内側に向けて巻締めする場合を示す。第 13図 (a)は加熱室前板 14のフランジ部に傾斜部 45を設け、胴板 13側にはこれと同じ傾きをもつ傾斜部 46と更にその前方へ^平に延びる平行フランジ部 47を設ける。胴板 13 の平行フランジ部 47を内側に曲げて加熱室前板 14の傾斜部 45を抱きこみ、その後外側より傾斜部 46を押し倒すようにすれば同図 (b)の状態となる。即ち胴板 13の板厚分だけ加熱室前板 14に段が設けられる形となり、この段差によつて加熱室前板 14が内側に移動 ·艇落するのを防止している。この方法によれば外郭材としての胴板 13の表面の凹凸は極めて少なく、埃や水分の侵入する隙間もない。

第 14図の例では胴板 13の形状は第 13図の場合と同様であるが、前板 14の傾斜フランジ部 48を更に折返し部 49を設けて 2重にしたものである。同図 (b)に示すように巻き締め後の胴板 13の外周方向へのふくらみは、前板の板厚分が第 13図の場合にぐらべて増加しているので、前板 14の内側に向けての脱落をより強く防止できるものである。

第 15図は前板 14を平板状に、胴板 13の垂直部 50に当て、胴板 13の前方に延びるフランジ部 51を折曲げ、同図 (b)の如く巻きこむものであって、前板の加ェが極めて簡単であり、かつ巻締め作業も容易である。 - 第 16図は加熱室前板は前方にのびるフランジ部 52を設け、胴板 13は垂直部 53と前方へのび、かつ加熱室前板のフランジ部 52より長 t、フランジ部 54を設けたもので、加熱室前板 14の垂直部分が胴板 13の垂直部 53に当接し、胴板 13のフランジ部 54にて加熱室前板 14のフランジ部 52を抱きこむように内曲げして同図 (b)の如く巻締めを完了する。

第 17図は加熱室構成の第 2の実施例で、同図において加熱室 55を形成する胴板 56は、その天井面 57に非塗装部分を有し、マグネトロン 58はその天井面

57に下向きに取付けられ、撹拌装置 59は天井面カバー 60に軸支持されていて、その回転は第 1の実施例と同様にマグネトロン 58や高圧トランス 61の冷却用ファン（図示せず〉の風の力を利用する。台板 62は被加熱物の載置台としての役割だけであり、加熱室板の開口部 63(図中に破線で示す）の下端に一致させるため、例えば加熱室の脚 64の一部によって支えられている。胴板 56の上面にその他の電気部品を取付け、これら全体を覆うカバー 65が設けられる。

胴板 56の前後の構成は第 1の実施例と同様である。 '

第 18図,.第 19図は第 3の実施例を示すもので、胴板 66は加熱室 67と電気室 . 68を一体に覆う形となり、前板 69ならび裏板 70も前記胴板 66と同じ大きさとなる。加熱室 67と電気室 68を仕切る仕切板 71は左右側方に胴板 66の内面に沿つて下方へ延びる側壁 72と前板 69ならび裏板 70に沿って下方へ延びる壁面 73を有し、側壁 72の前後端 72aは前板 69ならび裏板 70と胴板 66との間に挾まれ、第 20図のように巻締めされる。また壁面 73の下端部 73aは胴板 66の他の部分と同形状のフランジ部となり、前板 69ならびに裏板 70と巻締めされる。側壁

72の下端 72bは胴板 66の下端を抱きこむように挾みこみ、かしめられる。仕切板 71は非塗装の金属板で、第 1の実施例と同様にマグネトロン 74がその中央に取付けられ、その上に撹拌装置 75，更にその上に台板 76が取付けられる。高圧トランス 77や高圧コンデンサ 78，冷却用ファン 79等の電気部品は底板 80 上に一括して取付けられ、相互に結線されたのち、胴板 66の下部開口より揷入されて固定される。

以上のように本発明によつて得られる効果を列挙すると次のようになる。 ( 1 ) 加熱室の天面ならびに側壁面（裏面も含めて）の外側が装置本体の外郭面となる一重構成であるから、装置本体内部に余分な空隙を必要とせず、設置面積ならびに占拠空間が極めて小さくて済む。あるいは従来と同じ設置面積ならび占拠空間とすれば加熱室容積が極めて大きくとれ、一度に加熱する量をふやし、結果として加熱時間の短縮を可能とする。

( 2 ) 一重構成であることは従来の 2重構成と比較すると装置本体の重量軽減となり、使用材'料コストの低減がはかれると共に運搬作業も容易となり、かつ運送用梱包費さらに輸送費用等も安くすることができる。

( 3 ) 加熱室を構成する各壁面と電気室を構成する各壁面を一枚の金属板もしくは極めて少数に分割された部品から構成されるので、加工作業が極めて簡素化され、生産工程を短縮できる。

( 4 ) 加熱室と電気室とを分離して加工，組立，検査等の作業ができ、電気部品等の配置や配線の作業が極めて容易で、生産設備も簡素化でき、またアフターサービスもやり易い。

( 5 ) 全周巻締めによる前板，裏板の接合手段を用いることにより、筐体として極めて堅牢となり、かつ確実均一な接合となるので高周波濯洩の危険性が少なく、強固な構造体としての利点を生かして使用材料の板厚を更に薄くすることができる。

( 6 ) 電気室を加熱室下方に連結することにより、各種電気部品等の比較的重量の大きいものを下方に収納することとなり、装置の重心を下方に位置させて、小さな設置面積にもかかわらず転倒等の危険性が少なく、設置安定性が高く、持ち運びに際しても重心の傷りがないので容易める o

( 7 ) 被加熱物出入れ用開口部下端と台板表面とを一致させることにより、被加熱物の出入れや内部の掃除が支障なくでき、また高周波導入口もしくはマグネトロンアンテナならびに高周波撹拌装置等を台板下に隠すことができるため余分なカバー等を必要とせず、それだけ加熱室有効容積を大きく,とることができる。

( 8 ) 高周波導入口を加熱室中央に配置することによって加熱室内における前後左右の高周波分布の均一化が容易となる。

( 9 ) 巻締めに際し、外側に向けての巻締め加工は確実な接合を可能にし、素材に無理応力^かけずに加工ができる。また内側に巻けての巻締め加工は、外郭面として円滑な表面が得られ、埃や水分がたまって汚れることもなく、掃除もしゃすく、常に清潔な状態を維持できる。 < 10 ) あらかじめ両面塗装もしくはメツキ処理をした材料を用いることにより、後塗装処理が不要となるかあるいは極めて部分的な後処理にて済むため、製造工程の短縮化の製造コス卜の引下げに寄与すると共に、加熱室内外での異つた性能要求に対処でき、かつ色彩の区分けも可能で意匠上の自由度を高め、商品価値を高めることができる。

産業上の利用可能性

以上説明したように本発明によれば、高周波加熱装置たとえば電子レンジにおいて小形かつ軽量で持ち運びに便利な構成が得られ、巻締め接合、一重構成、塗装済金属板の利用等は一般の電熱加熱装置におけるオーブンや乾燥機、キャビネット等にも利用できるものである。

Claims

請求の範囲

. 前面に被加熱物出入れ用開口部を有する箱状金属製加熱室と髙周波発生装置ならびにその制御用部品等を収納する電気室とを、各々別々に構成し、前記電気室に髙周波発生装置を装着，結線したのち、前記加熱室と前記電気室を結合してなる高周波加熱装置。

. 請求の範囲第 1項において、加熱室直下に電気室を連結し、前記加熱室の底部中央を高周波導入口とし、前記加熱室内の導入口周辺に高周波の撹拌装置を設け、これを蔽するように低誘電率の材料からなる合板をその上方に設ける構成とした高周波加熱装置。

. 請求の範囲第 1項において、断面四角形状の箱状胴板と、前記断面とほ同寸であって、かつ被加熱物出入れ用開口部を有する前板と、前記前板とほ同寸で、かつ吸排気甩小孔を多数個 fする裏板とからなり、前記胴板の前後に前記前板ならびに裏板とを各々その全周にわたる均一な巻締め加工によって接合する金属製加熱室構成とした高周波加熱装置。

. 請求の範囲第 3項において、加熱室を形成する胴板，前板，ならびに裏板の材料を、あらかじめ両面塗装した金属板を用い、加熱室の外壁面が装置の外部面となるよう構成した髙周波加熱装置。

. 請求の範囲第 3項において、加熱室の高周波導入口に相当する部分を非塗装の金属板で、その他の部分を両面塗装済みの金属板にてそれぞれ形成し、前記 2種の金属板をはぜ折りかしめによって接合し、電気室と加熱室とを連結した際に前記非塗装金属板表面が外部に露出しな、構成とした髙周波加熱装置。