JPWO2022044387A5 - - Google Patents

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紙の特性を生かしつつ、上記要求特性の実現を図った育苗鉢体用原紙の加工方法として種々の提案がなされている。
例えば特許文献1及び特許文献2には、鉢体製造に耐える強度と、育苗条件に耐えかつ移植後において自然に崩壊する程度の耐腐性の付与を目指して、紙のセルロースの水酸基をジメチロールジヒドロキシエチレン尿素(DMDHEU)などの尿素N-置換誘導体であるホルムアルデヒド系薬剤を用いて、化学的に架橋封鎖する方法が開示されている。
また特許文献3及び特許文献4には、育苗期間中や育苗終了後の土壌への移植の際には育苗ポットとしての形態と強度を維持すると共に、圃場に植付け後に速やかに分解する性質の実現を目指した、紙基材上に熱可塑性生分解性樹脂層を設けた積層シートを用いて作製された育苗ポットや、該分解期間を制御するべく、該生分解性樹脂層の構成成分の検討を図った育苗ポットが提案されている。
<実施例1>クエン酸処理及びアルカリ処理後の引張強度測定(1)(酵素処理)
〈クエン酸処理〉
原料となる紙(未晒クラフト紙(薬剤未処理):坪量53g/mの未漂白のクラフトパルプ紙、以下「原紙1」と称する)を、クエン酸(カルボン酸架橋剤)と次亜リン酸ナトリウム(架橋触媒)を下記表1に示す濃度となるように調整した加工液に、3分間浸漬した(温度:常温(20℃~30℃))。浸漬後、しぼりローラーに通して薬剤をしぼった。なお、加工液浸漬前後の原紙1の質量を測定し、加工液の塗布量(浸漬塗布量)並びに有効成分量(クエン酸量)を算出した(表1参照)。
その後、乾燥ローラーで浸漬した原紙1を乾燥させた後に、220℃に調整した加熱ロ
ーラーにて4.5秒間の接触加熱処理を行い、クエン酸加工紙を得た。
〈DMDHEU処理〉
ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素(DMDHEU)系薬剤(有効成分:DMDHEU、濃度3.6質量%)を用いて、上記クエン酸処理と同様の処理を行い、DMDHEU架橋原紙を得た。加工液の塗布量(浸漬塗布量)並びに有効成分量(DMDHEU量)を表1に示す。
<実施例2>クエン酸処理及びアルカリ処理後の引張強度測定(2)(酵素処理)
〈クエン酸処理〉
原料となる紙(未晒クラフト紙(薬剤未処理):坪量53g/m2の化学繊維を混抄した未漂白のクラフトパルプ紙、以下「原紙2」と称する)を、クエン酸(カルボン酸架橋剤)と次亜リン酸ナトリウム(架橋触媒)を下記表3に示す濃度となるように調整した加工液に、3分間浸漬した(温度:常温(20℃~30℃))。浸漬後、しぼりローラーに通して薬剤をしぼった。なお、加工液浸漬前後の原紙2の質量を測定し、加工液の塗布量(浸漬塗布量)並びに有効成分量(クエン酸量)を算出した(表3参照)。
その後、乾燥ローラーで浸漬した原紙2を乾燥させた後に、220℃に調整した加熱ローラーにて4.5秒間の接触加熱処理を行い、クエン酸加工紙を得た。
〈DMDHEU処理〉
ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素(DMDHEU)系薬剤(有効成分:DMDHEU、濃度7.2質量%を用いて、上記クエン酸処理と同様の処理を行い、DMDHEU架橋原紙を得た。加工液の塗布量(浸漬塗布量)並びに有効成分量(DMDHEU量)を表3に示す。
<実施例3>クエン酸処理及びアルカリ処理後の引張強度測定(3)(酵素処理)
〈クエン酸処理〉
前記原紙2を、クエン酸(カルボン酸架橋剤)と次亜リン酸ナトリウム(架橋触媒)を下記表5に示す濃度となるように調整した加工液に、3分間浸漬した(温度:常温(20℃~30℃))。浸漬後、しぼりローラーに通して薬剤をしぼった。なお、加工液浸漬前後の原紙2の質量を測定し、加工液の塗布量(浸漬塗布量)並びに有効成分量(クエン酸量)を算出した(表5参照)。
その後、乾燥ローラーで浸漬した原紙2を乾燥させた後に、(i)220℃に調整した加熱ローラーにて4.5秒間の接触加熱処理、又は(ii)190℃に調整した乾燥器(オーブン)にて3分間の熱源に非接触の加熱処理を行い、クエン酸加工紙を得た。
〈DMDHEU処理〉
ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素(DMDHEU)系薬剤(有効成分:DMDHEU、濃度3.6質量%)を用いて、上記クエン酸処理と同様の処理を行い、DMDHEU架橋原紙を得た。加工液の塗布量(浸漬塗布量)並びに有効成分量(DMDHEU量)を表5に示す。
以上の結果より、接触加熱処理では、10%以上のクエン酸濃度にて処理したクエン酸加工紙において一定の耐腐性を付与できること、一方でアルカリ処理(g):水酸化カルシウム飽和水溶液の24時間浸漬によりクエン酸架橋における脱エステル化が進行し、一度耐腐性を施した原紙に再度分解性を付与できることを示唆する結果となった。
また非接触加熱処理では5%以上のクエン酸濃度にて処理したクエン酸加工紙において一定の耐腐性を付与できること、一方でアルカリ処理(g):水酸化カルシウム飽和水溶液の24時間浸漬によりクエン酸架橋における脱エステル化が進行し、一度耐腐性を施した原紙に再度分解性を付与できることを示唆する結果となった。
これらの結果は、アルカリ処理で使用する液の種類によってクエン酸加工紙の分解レベルを制御できること、また、クエン酸架橋の強さと脱エステル化のしやすさに相関があることを示唆するものであった。
なお、非接触加熱処理によるサンプルは、接触加熱処理によるサンプルに比べ酵素処理後の引張強度・酵素耐腐指数ともに高く、またアルカリ処理(f):炭酸カリウム2質量%水溶液の24時間浸漬を経た後においても耐腐性を有しており、加熱処理方法によってもクエン酸加工紙の分解をコントロールできることを示唆する結果を得られた。
以上の結果より、接触加熱処理では、10%以上のクエン酸濃度にて処理したクエン酸加工紙において一定の耐腐性を付与でき、特にアルカリ処理(j):水酸化カルシウム飽和水溶液の24時間浸漬によりクエン酸架橋における脱エステル化が進行し、一度耐腐性を施した原紙に再度分解性を付与できることを示唆する結果となった。
また非接触加熱処理では5%以上のクエン酸濃度にて処理したクエン酸加工紙において一定の耐腐性を付与でき、特にアルカリ処理(j):水酸化カルシウム飽和水溶液の24時間浸漬によりクエン酸架橋における脱エステル化が進行し、一度耐腐性を施した原紙に再度分解性を付与できることを示唆する結果となった。
これらの結果は、土壌埋没試験においても、アルカリ処理で使用する液の種類によってクエン酸加工紙の分解レベルを制御できること、また、クエン酸架橋の強さと脱エステル化のしやすさに相関があることを示唆するものであった。
なお、非接触加熱処理によるサンプルは、接触加熱処理によるサンプルに比べ埋没処理後の引張強度・耐腐指数ともに高く、またアルカリ処理(h):炭酸カリウム2質量%水溶液の24時間浸漬を経た後においても耐腐性を有しており、加熱処理方法によってもクエン酸加工紙の分解をコントロールできることを示唆する結果を得られた。
また表8及び表9に示すように、DMDHEU架橋原紙を用いたサンプルは、水処理のみのサンプルと比べ、2週間の埋没処理を行ったサンプル、並びにアルカリ処理(h)~(j)と2週間の埋没処理を行ったサンプルのいずれにおいても、引張強度が多少低下していたものの、耐腐指数はおよそ8割以上を達成し、十分な耐腐性を有していた。従って
2週間の埋没試験では、DMDHEU架橋原紙においては、アルカリ種類や加熱処理方法の違いによる分解促進効果の差はほとんど確認されなかった。
また4週間の埋没処理を行った場合、水処理のみのサンプルと比べ、引張強度が多少低下していたものの、9割程度の耐腐指数を有し、十分な耐腐性を有していた。一方で、埋没前にアルカリ処理(h)又は(j)を行ったサンプルは、埋没後を2週間後と比べ、4週間経過後に引張強度及び耐腐指数が低下しており、DMDHEU架橋原紙においてもアルカリ処理によって若干の分解促進効果を確認できた。
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