JPWO2022024776A5 - - Google Patents
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Description
本開示は、基板処理装置および基板処理方法に関する。
半導体デバイスの製造においては、半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」と称する)等の基板を水平に保持した状態で鉛直軸線周りに回転させ、当該基板の周縁部に薬液等の処理液を供給することで、当該周縁部に存在する酸化膜等の薄膜を局所的に取り除くベベルカット処理が行われる。
特許文献1には、基板の周縁部におけるベベルカット処理のカット幅の変動を抑制することができる基板処理装置が開示されている。基板処理装置は、変動幅取得部と吐出制御部とを備えている。変動幅取得部が、基板の周縁部の歪み量の変動幅に関する情報を取得する。変動幅取得部が取得した上記の情報に応じて、吐出制御部が、処理液吐出部からの処理液の周縁部に対する吐出角度及び吐出位置を制御する。
本開示は、周縁部の膜を液処理するにあたり、所望のプロセス性能を達成することができる基板処理技術を提供する。
本開示の一実施形態によれば、基板の表面の周縁部を処理液により液処理する基板処理装置であって、基板を保持する基板保持部と、前記基板保持部を回転軸線回りに回転させる回転駆動部と、前記基板の表面の周縁部に設定された着液点に向けて前記処理液を吐出する吐出部と、を備え、前記着液点から前記回転軸線に引いた垂線の足を中心とし、前記垂線の足と前記着液点とを結ぶ線分を半径とし、かつ前記回転軸線に直交する平面上にある円を定義し、前記着液点における前記円の接線を定義し、前記処理液の吐出点から前記基板の表面に引いた垂線の足と前記着液点とを結ぶ直線と、前記着液点における前記円の接線とが成す角度を第1角度θとし、前記処理液の吐出点から前記基板の表面に引いた前記垂線の足と前記着液点とを結ぶ直線と、前記吐出点と前記着液点とを結ぶ直線とが成す角度を第2角度φとしたときに、前記吐出部は、前記処理液として、同じ第1処理液を吐出することができる複数のノズルを含み、前記複数のノズルのうちのある一つのノズルと他の一つのノズルは、前記第1角度θおよび前記第2角度φのうちの少なくとも一方が互いに異なるように構成されている、基板処理装置が提供される。
上記実施形態によれば、周縁部の膜を液処理するにあたり、所望のプロセス性能を達成することができる。
基板処理装置の一実施形態を、添付図面を参照して説明する。
以下に、基板処理装置の一実施形態としてのベベルエッチング装置について、添付図面を参照して説明する。ベベルエッチング装置とは、半導体装置が形成される円形の基板である半導体ウエハW(以下単に「ウエハ」と呼ぶ)の周縁部にある不要な膜を、ウエットエッチング処理により除去する装置である。ベベルエッチング処理におけるエッチング対象である周縁部とは、通常は、ウエハWのAPEX(エッジ湾曲部の最外周)から概ね5mm程度内側までの領域を意味している(但し、この範囲に限定されるわけではない)。
図1に示すように、ウエットエッチング装置(以下、単に「エッチング装置」と呼ぶ)1は、スピンチャック(基板保持回転部)2と、処理カップ4と、処理流体吐出部6(以下、単に「吐出部」と呼ぶ)とを備えている。スピンチャック2は、処理対象の基板ここではウエハWを水平姿勢で保持して、鉛直軸周りに回転させる。処理カップ4は、スピンチャック2に保持されたウエハWの周囲を囲み、ウエハWから飛散した処理液を受ける(回収する)。吐出部6は、スピンチャック2により保持されたウエハWに処理液、処理ガス等の処理流体を吐出する。
スピンチャック2、処理カップ4および吐出部6は1つのハウジング10内に収容されている。ハウジング10の天井部付近には清浄ガス導入ユニット12(以下、「FFU(ファンフィルタユニット)」と呼ぶ)が設けられている。処理カップ4の底部には、回収した処理液をエッチング装置1の外部に排出するための排液口41と、処理カップ4の内部空間を排気するための排気口42が設けられている。排気口42を介して処理カップ4の内部空間を排気することによりFFU12から導入された清浄ガス(例えばクリーンエア)が処理カップ4内に引き込まれる。清浄ガスはウエハWの周縁部付近を概ね半径方向外向きに通過しながら処理カップ4内に引き込まれ、これによりウエハWから飛散した処理液の液滴のウエハWへの再付着が抑制されている。
スピンチャック2は、バキュームチャックとして構成されたチャック部(基板保持部)21と、チャック部21を鉛直軸線周りに回転させる回転駆動部22とを有する。チャック部21の上面にウエハWの下面(裏面)が吸着される。
吐出部6は、処理流体を吐出するノズル61と、ノズル61を移動させるノズル移動機構62と、ノズル61に処理流体を供給する処理流体供給機構(処理液供給機構)63とを有している。処理流体供給機構63は、タンク、工場用力等の処理流体供給源と、処理流体供給源からノズル61に処理流体を供給する管路、管路に設けられた流量計、開閉弁、および流量制御弁等の流量調節機器などから構成することができる。処理流体としては、薬液(エッチング液)、リンス液、乾燥補助用の有機溶剤例えばIPA(イソプロピルアルコール)、低湿度ガス(例えばドライエア、窒素ガス等)が例示される。しかしながら、以下においては、ノズル61から吐出される処理流体として液体(特に薬液、リンス液)のみについて説明を行うものとする。
ノズル移動機構62は、ノズル61から吐出された処理液のウエハW表面における着液点の半径方向位置を少なくとも調節できるように構成されている。着液点とは、ノズル61から吐出された処理液の液柱の中心軸線とウエハWの表面との交点を意味し、図2では参照符号P
F で示されている。
吐出部6は、ウエハWの円周方向の異なる位置に設けられた2つ以上(例えば4つ)のノズル61から構成される。なお、図1においてノズル61から斜め下方に延びている矢印はノズル61から吐出されている処理液を意味している。
吐出部6の基本的構成では、1つのノズル61と、この1つのノズルに付設された1つのノズル移動機構62および1つの処理液供給機構63とからなる吐出機構セットが複数セット設けられている。後述するエッチング装置1の作用の説明は、この基本的構成が採用されている前提でなされる。しかしながら、後述した作用を実現する上で支障が無いのであれば、1つのノズル61に2つ以上の処理液供給機構63(例えば薬液供給用の処理液供給機構とリンス液供給用の処理液供給機構)が接続されていてもよい。具体的には、エッチング処理時に短スロープ幅を実現するために必要なノズル61からの処理液の吐出角度とおよびリンス処理時に良好なリンスパーティクル性能(詳細後述)を実現するために必要なノズル61からの処理液の吐出角度は同じである。この場合、同じノズル61からエッチング液とリンス液とを選択的に吐出する構成を採用してもよい。また同様に、後述する作用を実現する上で支障が無いのであれば、2つ以上のノズル61が共通の1つのノズル移動機構62により移動させられるようになっていてもよい。この場合、2つ以上のノズル61は共通の1つのノズルホルダにより保持される。なお、同じ処理液を供給する複数のノズル61に対して、共通の処理液供給源に接続された複数の処理液供給機構63を介して各ノズル61に同じ処理液を供給しても勿論構わない。
エッチング装置1の詳細な構成として、本件出願人の先行出願である日本国特許出願第2012-235974号の出願公開公報である特開2014-086638号(JP2014-086638A)に開示されたものを用いることが可能である。この先行出願では、3つのノズルは共通の1つのノズルホルダにより保持され共通の1つのノズル移動機構により移動させられるようになっているが、この先行出願において上記の基本的構成を採用してもよいことは勿論である。
次に、ノズル61が処理液として薬液CHM(エッチング液)を吐出する場合を例にとって、ノズル61からウエハWの表面への薬液CHMの吐出条件を説明するための各種パラメータについて、図2を参照して説明する。
図2において、各符号の定義は以下の通りである。
A X :ウエハWの回転軸線
WC:ウエハWの表面と回転軸線A X との交点(ウエハWの表面上におけるウエハWの回転中心)
P E :薬液CHMの吐出点(ノズル61の吐出口)
P F :薬液CHMのウエハW表面上の着液点(ノズル61から吐出された処理液により形成される液柱の中心軸線がウエハWの表面と交わる交点)
ω:ウエハWの角速度
r:回転中心WCから着液点P F までの距離
L T :回転中心WCを中心として半径「r」を有する円(これはウエハWの表面と同一平面上にある)の円周上の着液点P F における接線
V T :着液点P F におけるウエハWの接線方向速度(=ωr)
V C :吐出点P E から着液点P F に向かう薬液CHMの速度(速度ベクトルの大きさ)
F 1 :吐出点P E からウエハWの表面に引いた垂線L P1 の足
F 2 :足F 1 から接線L T に引いた垂線L P2 の足
第2角度φ:線分P E P F と線分F 1 P F とが成す角度(ウエハWの表面を含む平面と、ノズル61から吐出された処理液により形成される液柱とが成す角度。
第1角度θ:線分F 1 P F と線分F 2 P F とが成す角度
なお、薬液CHMの速度ベクトルの接線方向成分(V T 方向成分)の向きは、ウエハWの回転方向と同じであることが好ましい。ウエハWの回転方向と逆であると、薬液CHMの飛散(液はね)を制御するのが困難となる。但し、薬液CHMの飛散の制御に問題が生じないのならば、薬液CHMの速度ベクトルの接線方向成分とウエハWの回転方向とは逆であってもよい。
A X :ウエハWの回転軸線
WC:ウエハWの表面と回転軸線A X との交点(ウエハWの表面上におけるウエハWの回転中心)
P E :薬液CHMの吐出点(ノズル61の吐出口)
P F :薬液CHMのウエハW表面上の着液点(ノズル61から吐出された処理液により形成される液柱の中心軸線がウエハWの表面と交わる交点)
ω:ウエハWの角速度
r:回転中心WCから着液点P F までの距離
L T :回転中心WCを中心として半径「r」を有する円(これはウエハWの表面と同一平面上にある)の円周上の着液点P F における接線
V T :着液点P F におけるウエハWの接線方向速度(=ωr)
V C :吐出点P E から着液点P F に向かう薬液CHMの速度(速度ベクトルの大きさ)
F 1 :吐出点P E からウエハWの表面に引いた垂線L P1 の足
F 2 :足F 1 から接線L T に引いた垂線L P2 の足
第2角度φ:線分P E P F と線分F 1 P F とが成す角度(ウエハWの表面を含む平面と、ノズル61から吐出された処理液により形成される液柱とが成す角度。
第1角度θ:線分F 1 P F と線分F 2 P F とが成す角度
なお、薬液CHMの速度ベクトルの接線方向成分(V T 方向成分)の向きは、ウエハWの回転方向と同じであることが好ましい。ウエハWの回転方向と逆であると、薬液CHMの飛散(液はね)を制御するのが困難となる。但し、薬液CHMの飛散の制御に問題が生じないのならば、薬液CHMの速度ベクトルの接線方向成分とウエハWの回転方向とは逆であってもよい。
上記の各パラメータは、ノズル61から吐出される処理液が薬液である場合に限らず、他の処理液、例えばリンス液である場合も同様に定義される。
着液点P
F が半径方向に沿って移動するようにノズル移動機構62がノズル61を移動させるのであれば、着液点P
F の半径方向位置に関わらず、第1角度θおよび第2角度φを実質的に一定にすることができる。
後述する具体例では、同じ処理液(ここではHF)を吐出するために少なくとも2つ、例えば4つのノズル61が用意される。好ましくは、複数のノズル61から選択された任意の2つのノズル61は、少なくとも第1角度θおよび第2角度φのうちの一方が互いに異なる。なお、ここで「同じ処理液」とは、濃度、温度も含め完全に同じ処理液であることを意味している。
処理液の着液点P
F およびその近傍の「ウエハWそれ自体またはウエハWの表面に形成された膜の属性(以下、簡便のため「着液部属性」と呼ぶ)」と、「重視するプロセス性能」とに基づいて、重視するプロセス性能を達成しうる第1角度θおよび第2角度φによる処理液の吐出を行うことができるノズル61が選択される。
上記の着液部属性として以下のものが例示される。例えば、ウエハWの表面に1層以上の膜が形成されている場合には、最表面側にある膜(例えばSiOx)それ自体またはその表面の性質ないし状態を意味する。「膜の表面の性質ないし状態」として、例えば、処理液に対する親和性(濡れ性)、表面粗さ(モフォロジー)などが例示される。また、「膜それ自体の性質」として、処理液がエッチング液である場合におけるエッチング液によるエッチングレートが例示される。ウエハ(シリコンウエハ)Wの表面に何も膜が形成されていないときには、ウエハWの表面の性質(上述した濡れ性など)、あるいはウエハWの自体の性質(上述したエッチングレートなど)が、着液部属性として考慮される。
プロセス性能としては、パーティクル量が少ないこと(少パーティクル)(これは「パーティクル性能」とよく呼ばれる)、高いカット精度でベベルエッチングがなされること(高カット精度)、ベベルエッチング時にエッチングされずに残された膜の最外周のスロープ幅が小さいこと(短スロープ幅)などが例示される。「重視するプロセス性能」としては、ここに例示列挙されたプロセス性能のうちから、最も重要と考えられるものを選択することができる。
なお、パーティクルに関しては、ベベルエッチング時に生じるもの(以下「薬液パーティクル」と呼ぶ)、リンス処理時に生じるもの(以下「リンスパーティクル」と呼ぶ)、ノッチスプラッシュに起因して生じるもの(以下「ノッチスプラッシュパーティクル」と呼ぶ)があるが、詳細は後述する。
ウエハWのベベル液処理(周縁部処理)において、プロセス性能同士はしばしばトレードオフの関係にあり、異なるプロセス性能を同時に達成できる第1角度θおよび第2角度φを決定することは難しい場合がある。ここでは、「重視するプロセス性能」を第一に満足するような第1角度θおよび第2角度φを決定する。
本実施形態では、例えば、第1角度θおよび第2角度φの組み合わせの標準値を(θ,φ)=(10°,20°)として、重視するプロセス性能以外のプロセス性能の劣化が許容範囲内に収まるように、第1角度θおよび第2角度φのうちの少なくとも一方を変更している。(θ,φ)=(10°,20°)は、評価対象であるプロセス性能の全ての項目において許容範囲内の結果が得られる条件である。
第1角度θおよび第2角度φを標準値から大幅に外れた値に設定すると、重視するプロセス性能以外のプロセス性能が許容範囲外となる可能性が高いため、本実施形態では第1角度θを標準値に対して-10°~+10°、第2角度φを標準値に対して-5°~0°の範囲で変更することとしている。しかしながら、プロセス性能上問題が無いのであれば(着液部属性に依存する)、角度変更範囲を広げてもよい。
ここで、図3~図5を参照して、処理液が着液するウエハWの表面(ウエハW自体の表面あるいはウエハWの表面に形成された膜の表面の両方を意味する。)が疎水面である場合と親水面である場合の着液直後の処理液の挙動について説明しておく。
ウエハWの表面が疎水面である場合には、図3に示すように、ノズル61から吐出された処理液は表面上に広がり難い。このため着液点P
F より半径方向内側および外側ともに、処理液により濡らされる領域の半径方向幅は狭い。なお、「着液点」とは、前述したようにノズル61から吐出された処理液の液柱(図3および図4では参照符号「L1」を付けた)の中心点を意味する。また、疎水面上に着液した処理液は、着液直後に液跳ねによりウエハWの表面から離脱するか、あるいは着液から短時間でウエハWの表面から離脱する傾向にある。このため、処理液の微小液滴が多数生じる傾向にある。ウエハWの周囲を浮遊する微小液滴は、パーティクルの発生原因になり得る。
ウエハWの表面が親水面である場合には、図4に示すように、ノズル61から吐出された処理液は表面上に容易に広がる。このため着液点P
F より半径方向内側および外側ともに、処理液により濡らされる領域の半径方向幅が広い。また、処理液は、着液後に(疎水面である場合と比較して)比較的長時間にわたってウエハWの表面上に存在しつつAPEXの側に広がった後に、遠心力によりウエハWから離脱する傾向にある。このため、処理液の微小液滴はあまり生じない。一方、処理液の半径方向内側への広がりを十分に制御することは難しく、半径方向内側への広がりを抑制しないと、カット精度、スロープ幅等に問題が生じる可能性がある。処理液の半径方向内側への広がりを抑制するには、処理液の運動の半径方向外向き成分を増やせばよく、これは前述した第1角度θおよび第2角度φ(特に第1角度θ)を調節することにより実現することができる。
なお、図5に示すように、半径方向位置Qよりも外側が疎水性の表面で、内側が親水性の表面の場合には、半径方向外側への処理液の広がりが疎水性の表面により抑制されるので、半径方向内側領域への処理液の広がりがより大きくなる。
上記のことを踏まえて、重視するプロセス性能に対応する第1角度θおよび第2角度φの設定について説明する。
薬液パーティクル性能(薬液パーティクルが少ないこと)を重視する場合には、第1角度θは標準値のままで第2角度φを小さくする。薬液処理時(ベベルエッチング時)に生じるパーティクルは、主に、薬液(エッチング液)がウエハWの表面に着液した直後に液跳ねすることにより生じる。このため、液跳ねに影響を与える第2角度φを標準値より小さくすることにより、液跳ねを抑制する。特に、ウエハWの表面が液跳ねが生じ易い疎水面であるとき、第2角度φを小さくすることによる液跳ね抑制効果が大きい。第2角度φを小さくすることは、薬液が着液点よりも半径方向内側の領域に広がることを抑制する効果もある。
薬液パーティクル性能を重視する場合には、第1角度θを0°≦θ≦20°の範囲内で、第2角度φを5°≦φ≦20°の範囲内で適宜決定してもよい。
なお、処理液がリンス液である場合でも、処理液が着液する表面が疎水面である場合には、液跳ねが生じ得る。もし、リンス液の液跳ねが問題となるならば、リンス処理時にも第2角度φを標準値より小さくすることも考えられる。
リンスパーティクル性能(リンスパーティクルが少ないこと)を重視する場合には、第2角度φを標準値のままで第1角度θを大きくする。主に液跳ねを原因として生じる薬液パーティクルと異なり、リンスパーティクルは、リンス処理中のリンス液の気液界面(リンス液の液膜の最内周縁)にパーティクルが集まり、集まったパーティクルがウエハW表面に残留することにより生じる。
リンスパーティクル性能を評価するときには、特にエッジエクスクルージョン領域が考慮される。当該技術分野において周知の通り、エッジエクスクルージョン領域とは、パーティクル等の欠陥の評価の対象とならない領域であり、例えばAPEXから、APEXから半径方向内側に2mm離れた位置までの間に広がるリング状の領域である。薬液処理(エッチング処理)で用いられた薬液(エッチング液)を確実に洗い流すために、リンス液の着液点は薬液の着液点よりも0.5mm程度半径方向内側に設定される。上記の通り、リンスパーティクルが最も多く生じるのはリンス液の気液界面付近であるので、リンス処理時の気液界面の位置を可能な限り半径方向外側に位置させることが好ましく、さらにはエッジエクスクルージョン領域内に位置させることがより好ましい。なお、気液界面とは、図3~図5に示すように、着液直後の処理液の断面(図3~図5において参照符号L2が付けられた半楕円部分)の半径方向内側端を意味している。
先に図3~図5を参照して説明したように、リンス液が着液する表面が親水面である場合には、着液したリンス液が着液後直ちに平坦化して着液点の周囲に広がり易い。疎水面の場合には、表面張力によりリンス液が平坦化し難いので、着液点の周囲に広がり難い。第1角度θが小さい場合(ゼロ度に近い場合)には、ノズルから吐出されたリンス液の半径方向外向きの速度成分が小さくなるため、リンス液が着液する表面が親水面である場合には、リンス液が着液点よりも半径方向内側の領域に広がり易い。リンス液の半径方向内側への広がりを抑制するには、第1角度θを大きくして、リンス液の半径方向外向きの速度成分を大きくすることが効果的である。これにより、リンス処理中のリンス液の気液界面を着液点に近い位置に維持して、リンス液の気液界面をエッジエクスクルージョン領域内に位置させることが可能となる。ここでは、第1角度θを20°としている。
一方、リンス液が着液する表面が疎水面である場合には、リンス液はウエハWの中心側に向けては殆ど広がらず、着液後すぐに遠心力によってウエハWの周縁に向けて流れる。このため、表面が疎水面である場合には、リンス液の半径方向内側の領域への広がりの抑制の観点からは、第1角度θを大きくする意味は殆ど無い。
リンスパーティクル性能を重視する場合には、第1角度θを15°≦θ≦30°の範囲内で、第2角度φを5°≦φ≦30°の範囲内で適宜決定してもよい。
短スロープ幅を重視する場合には、第2角度φを標準値のままで第1角度θを大きくする。スロープ幅は、図6において参照符号「SW」で示す幅である。第1角度θが小さい場合、エッチング液が着液点よりも半径方向内側の領域に広がり易くなる。その理由は、リンスパーティクル性能のところで説明したものと同じである。エッチング液が着液点(図6における点P
F )よりも半径方向内側の領域に広がると、着液点よりも半径方向内側の膜が多少エッチングされる。このとき、エッチング量は着液点に近いほど大きく、着液点から半径方向内側に離れるほど小さくなる。従って、エッチング液の着液点から半径方向内側の領域への広がりが大きくなると、比較的なだらかなスロープが形成されやすい(つまりスロープ幅が大きくなる)。これに対して、第1角度θを大きくすることにより、着液後にエッチング液が殆ど半径方向内側の領域に広がらないため、スロープは殆ど形成されないか、されたとしてもスロープ幅は小さい(スロープの角度が90度に近い)。なお、第2角度φが多少変動してもスロープ幅は殆ど変化しない。
短スロープ幅を重視する場合には、第1角度θを10°≦θ≦40°の範囲内で、第2角度φを5°≦φ≦30°の範囲内で適宜決定してもよい。
ギザギザカット防止を重視する場合には、第2角度φを標準値のままで第1角度θを大きくする。「ギザギザカット」とは、エッチング対象面が粗い場合(すなわち、表面モフォロジーが大きいあるいは表面に凹凸がある場合)にカット界面(エッチング後に残る膜の最外周縁)がギザギザな形状となることを意味する。なお、ギザギザカット防止は、高カット精度の達成に含まれているとも言えるが、ここでは、後述の「高カット精度」と「ギザギザカット防止」とは別項目として記載することとする。
前述したように、第1角度θを大きくすると、着液直後にエッチング液が着液点よりも半径方向内側に広がり難くなる。粗い表面の場合、エッチング液が着液点よりも半径方向内側の領域に広がるときに、ミクロ的に見て広がりが不均一となる。つまり、ミクロ的に見ると、凹部に侵入するエッチング液が多くなるため凹部近傍のエッチング量が大きくなり、凸部に侵入するエッチング液の量は少なくなるため凸部近傍のエッチング量が小さくなり、その結果としてギザギザなカット界面が生じる。これに対して、第1角度θを大きくすることにより、着液直後のエッチング液の殆どが着液点よりも半径方向内側に広がらなくなる。つまり、エッチング液が直接着液するところがカット界面になるため、カット界面の形状が粗い表面の影響を受け難くなり、ギザギザなカット界面が形成され難くなる。
ギザギザカット防止を重視する場合には、第1角度θを10°≦θ≦40°の範囲内で、第2角度φを5°≦φ≦30°の範囲内で適宜決定してもよい。
なお、上述したリンスパーティクル性能、短スロープ幅およびギザギザカット防止については、いずれも、処理液が着液点よりも半径方向内側に広がることを防止ないし抑制することにより実現されている。これら3つのプロセス性能は両立させることができる。
ノッチスプラッシュパーティクル性能(ノッチスプラッシュに起因するパーティクルが少ないこと)を重視する場合には、第2角度φを標準値のままで第1角度θを大きくする。ノッチの深さ(半径方向長さ)は通常1~1.3mm程度であり、着液点の半径方向位置次第では、ノズルから吐出された処理液が直接的に(あるいは着液直後に)ノッチの縁に衝突する。この衝突に起因してスプラッシュが生じ、そしてこのスプラッシュに起因してパーティクルが生じ得るため、ノッチスプラッシュの抑制は、パーティクル性能の向上に寄与する。第1角度θを大きくした方が、ノッチの縁に対する処理液の入射角が小さくなるため、ノッチの縁との衝突による処理液の飛散を抑制することができる。なお、平面視で、ノッチの縁とノズルからの処理液の吐出方向との成す角度が90度付近のときノッチスプラッシュが特に抑制される傾向にあるため、通常の形状のノッチの場合には第1角度θは概ね20度~25度の角度であることが好ましい。
ノッチスプラッシュパーティクル性能を重視する場合には、第1角度θを20°≦θ≦25°の範囲内で、第2角度φを5°≦φ≦30°の範囲内で適宜決定しても構わない。
高いカット精度(ベベルエッチング時にエッチングされずに残された膜の最外周縁の位置精度)を重視する場合には、第2角度φを標準値のままで第1角度θを小さくする。ウエハWの裏面中心部をバキュームチャックにより保持した場合、ウエハWが回転すると、ウエハWの反りあるいはウエハWの垂直方向振動により、ウエハWの表面上のエッチング液の着液点の高さが変化する。このとき、第1角度θが標準値程度であるかそれよりも大きい場合には、図7に示すように、ウエハWの垂直方向振動(VO)に伴う処理液(L)の着液点(P
F )の半径方向位置が比較的大きく変化し、カット精度が低くなる。一方で、第1角度θがゼロ(または概ねゼロ)であるならば、図8に示すように、ウエハWの垂直方向振動(VO)に伴う処理液(L)の着液点(P
F )の半径方向位置の変化はわずかであり、高いカット精度が得られることになる。
なお、第2角度φを小さくすると、着液直後の着液点付近の処理液の広がり(平面視で吐出方向への広がり)が大きくなり、ウエハWの周縁部の垂直方向の変位またはノズルからの処理液の吐出流量の変動に起因して、カット精度は悪化する傾向にある。従って、上述したように、第2角度φは比較的大きな角度、例えば20度程度とすることが好ましい。
カット精度を重視する場合には、第1角度θを-10°≦θ≦10°の範囲内で、第2角度φを5°≦φ≦30°の範囲内で適宜決定しても構わない。
上述した6種類の異なる要求プロセス性能に対して(θ,φ)の組み合わせは必ずしも6種類必要ではなく、2種類以上の要求プロセス性能に対応する(θ,φ)の組み合わせが同じであってもよい。具体的には例えば、ノッチスプラッシュパーティクルの抑制に対応する(θ,φ)の組み合わせと、短いスロープ幅に対応する(θ,φ)の組み合わせとが同じであってもよい。
異なる要求プロセス性能ごとに最適の(θ,φ)の組み合わせを設定すると、組み合わせの数に応じた数のノズル61を設ける必要がある(ノズル姿勢変更機構(後述)が設けられていない場合)。そうすると、ベベルエッチング装置の部品点数が増大し、ベベルエッチング装置の製造コストが増大してしまう。このため、ある一つの要求プロセス性能に対応する最適の(θ,φ)値と、他の一つの要求プロセス性能に対応する最適の(θ,φ)値が近似している場合には、これらの要求プロセス性能に対して(θ,φ)の組み合わせを同じにしてもよい。言い換えれば、ある一つの要求プロセス性能を満足させることができる(θ,φ)値を用いた処理により、他の一つの要求プロセス性能をも満足させることができるのであれば、これらの要求プロセス性能に対して(θ,φ)の組み合わせを同じにしてもよい。具体的には例えば、ノッチスプラッシュパーティクルの抑制、短いスロープ幅、リンスパーティクルの抑制およびギザギザカット防止を重視する場合の第1角度θおよび第2角度φの最適値の組み合わせは比較的近似しているため、これらの要求プロセス性能に対応する(θ,φ)の組み合わせを互いに同じにしてもよい。そうすることにより、1つのノズル61により、複数の要求プロセス性能に対応させることができ、装置コストを低減することができる。装置構成および装置コストの観点から許容されるのであれば、要求プロセス性能ごとに(θ,φ)の組み合わせを個別に設定しても構わない。
ノズル61の姿勢を無段階または多段階に変更することができるノズル姿勢変更機構64を設けてもよい。具体的には例えば、図9に示すように、ノズル姿勢変更機構64は、ノズル61を保持するノズルホルダ621をノズル移動機構62の進退可能なロッド622に対して水平軸線回りに回転させる第1回転機構641と、ノズル61をノズルホルダ621に対して鉛直軸線周りに回転させる第2回転機構642とから構成することができる。第1回転機構641に代えて、ロッド631自体を水平軸線回りに回転させる機構を設けてもよい。ノズル移動機構62全体を、水平揺動軸線周りに揺動させる揺動機構を設けてもよい。このようなノズル姿勢変更機構64を設けることにより、第1角度θおよび第2角度φのうちの少なくとも一方を変更することができる。上述したようにノズル姿勢変更機構64が2軸の回転機構を有していれば、第1角度θおよび第2角度φの両方を変更することができる。ノズル姿勢変更機構64を設けることにより、ノズル61の数を減らすことが可能となる。なお、ノズル61から斜め下方に延びている矢印はノズル61から吐出される処理液を意味している。
次に、処理ユニット16を用いたベベルエッチングの具体例について説明する。以下に説明する具体例では、4つのノズル61を備えたエッチング装置1が用いられる。4つのノズル61を、ノズルA,ノズルB,ノズルC,ノズルDと呼び区別することとする。ノズルA,ノズルB,ノズルCおよびノズルDは、図10に概略的に示すように、ウエハWの周縁部の上方に位置している。
図10は、ノズルAから処理液が吐出されている状態を示しており、ウエハWの表面に着液した処理液の挙動が概略的に示されている。処理液はウエハWの表面に着液した後、半径方向に広がりながら流れ(親水性の場合)、最終的には遠心力によりウエハの外方に離脱する。この場合、ウエハW周縁と平行に延びる処理液の帯が観察される。ウエハWの表面が疎水性の場合は、処理液はウエハWの表面に着液直後あるいは着液後短時間でウエハWから離脱するので、ウエハW周縁と平行に延びる処理液の帯は観察されないか、観察されても非常にその長さは短い。
ノズルA,ノズルB,ノズルC,ノズルDにおいて、第1角度θおよび第2角度φの組み合わせは下記の通りである。
ノズルA:(θ,φ)=(5°,20°)
ノズルB:(θ,φ)=(10°,10°)
ノズルC:(θ,φ)=(25°,20°)
ノズルD:(θ,φ)=(25°,20°)
ノズルA:(θ,φ)=(5°,20°)
ノズルB:(θ,φ)=(10°,10°)
ノズルC:(θ,φ)=(25°,20°)
ノズルD:(θ,φ)=(25°,20°)
ノズル61(A~D)には、各々に付設されたノズル移動機構62により、各ノズル61を、当該ノズルから吐出された処理液の着液点P
F の位置がウエハWの半径方向に移動するように移動させることができるようになっている。各ノズル61は、ノズル61の半径方向位置に関わらず第1角度θおよび第2角度φの値が実質的に一定となるように、ノズル移動機構62により支持されている。
以下の説明では、ウエハWの表面上の点の半径方向位置(例えば処理液の着液点の半径方向位置)は、ウエハWのAPEXからその点までのウエハ半径方向(半径方向内向きが負)で表す。例えばある点のDr=-1.0mmと記載したら、その点はAPEXから半径方向内向きに1.0mm離れた位置にあることを意味している。
以下の具体例では、各ノズル61の姿勢は固定されており、第1角度θおよび第2角度φはノズル61に固有の値であるものとする。
[第1の具体例]
第1の具体例は、疎水面(例えばベアシリコンの表面)の上に、親水性膜(例えばシリコン酸化膜)が形成されている場合において、ウエハWの周縁部の親水性膜を薬液(フッ酸)により除去するものである。
第1の具体例は、疎水面(例えばベアシリコンの表面)の上に、親水性膜(例えばシリコン酸化膜)が形成されている場合において、ウエハWの周縁部の親水性膜を薬液(フッ酸)により除去するものである。
まず、ウエハWを回転させる。ウエハWの回転は処理の終了まで継続する。
次いで、ノズルAから、着液点P
F の位置Dr=-1.0mmとなるようにHF(フッ酸)の吐出を開始する。ノズルAでは(θ,φ)=(5°,20°)であり、これはカット精度重視の条件に合致する。なお、HFが着液する面が親水面の場合には第1角度θを変化させても液跳ね状況に殆ど変化は無く、薬液パーティクル性能については問題にならない。
その後、ノズルAを移動させて着液点P
F を徐々に半径方向外側に移動させてゆく。着液点P
F の位置Drが-0.8mmよりも半径方向外側に進んだら、ノズルBから着液点P
F の位置Dr=-0.8mmとなるようにHFの吐出を開始するとともにノズルAからのHFの吐出を停止する。位置Dr=-0.8mmの付近では、ノズルAから吐出されたHFにより親水性膜がすでに除去されているため、ノズルBから吐出されたHFは、疎水面に着液する。ノズルBでは(θ,φ)=(10°,10°)であり、これは薬液パーティクル性能(特に疎水面に対する薬液パーティクル性能)を重視する場合に対応している。疎水面に着液したHFの液跳ねが防止されるため、パーティクルの発生を抑制することができる。
その後、ノズルAを移動させて着液点を徐々に半径方向外側に移動させてゆく。所望の領域(APEXよりやや下側の位置まで)において疎水表面が露出したら、ノズルDから着液点P
F の位置Dr=-1.5mmとなるようにリンス液(DIW)の吐出を開始し、ノズルBからのHFの吐出を停止する。ノズルDでは(θ,φ)=(25°,20°)であり、これはリンスパーティクル性能を重視する条件に対応する。その後、ノズルDを移動させて着液点を徐々に半径方向外側に移動させてゆく。必要な領域のリンス処理が終了したら、ノズルDからのリンス液の吐出を停止して、ウエハWの振り切り乾燥を行う。
[第2の具体例]
第2の具体例は、ウエハWの表面に形成された親水性膜の上に、さらに疎水性膜が形成されている場合において、ウエハWの周縁部の親水性膜および疎水性膜を薬液(フッ酸)により除去するものである。
第2の具体例は、ウエハWの表面に形成された親水性膜の上に、さらに疎水性膜が形成されている場合において、ウエハWの周縁部の親水性膜および疎水性膜を薬液(フッ酸)により除去するものである。
まず、ウエハWを回転させる。ウエハWの回転は処理の終了まで継続する。
次いで、ノズルBから着液点P
F の位置Drが-1.0mmとなるようにHF(フッ酸)の吐出を開始する。ノズルBでは(θ,φ)=(10°,10°)であり、これは薬液パーティクル性能を重視する条件に対応する。疎水面に着液したHFの液跳ねが防止されるため、パーティクルの発生を抑制することができる。
その後、ノズルBを移動させて着液点P
F を徐々に半径方向外側に移動させてゆく。そして、所望の領域(APEXよりやや下側の位置まで)において疎水性膜が除去されたら、ノズルAから着液点の位置Drが-1.0mmとなるようにHF(フッ酸)の吐出を開始し、ノズルBからのHFの吐出を停止する。ノズルAでは(θ,φ)=(5°,20°)であり、これはカット精度重視の条件に合致する。ノズルAから吐出したHFは親水面に着液するため、液跳ねは考慮しなくてよい。
その後、ノズルAを移動させて着液点を徐々に半径方向外側に移動させてゆく。所望の領域(APEXよりやや下側の位置まで)において親水性膜が除去されたら、ノズルDから着液点の位置Drが-1.5mmとなるようにリンス液(DIW)の吐出を開始し、ノズルAからのHFの吐出を停止する。ノズルDでは(θ,φ)=(25°,20°)であり、これはリンスパーティクル性能重視の条件に合致する。その後、ノズルDを移動させて着液点を徐々に半径方向外側に移動させてゆく。必要な領域のリンス処理が終了したら、ノズルDからのリンス液の吐出を停止して、ウエハWの振り切り乾燥を行う。
[第3の具体例]
第3の具体例は、ウエハWの表面に形成された低エッチングレートの膜(「低ER膜」と呼ぶ)の上に、さらに高エッチングレートの膜(「高ER膜」と呼ぶ)が形成されている場合において、ウエハWの周縁部の低ER膜および高ER膜を薬液(フッ酸)により除去するものである。
第3の具体例は、ウエハWの表面に形成された低エッチングレートの膜(「低ER膜」と呼ぶ)の上に、さらに高エッチングレートの膜(「高ER膜」と呼ぶ)が形成されている場合において、ウエハWの周縁部の低ER膜および高ER膜を薬液(フッ酸)により除去するものである。
まず、ウエハWを回転させる。ウエハWの回転は処理の終了まで継続する。
次いで、ノズルCから、着液点P
F の位置Dr=-1.0mmとなるようにHF(フッ酸)の吐出を開始する。ノズルCでは(θ,φ)=(25°,20°)であり、これは短スロープ幅を重視する条件に対応する。低ER膜はわずかにエッチング液に触れただけでエッチングされるので、半径方向内側に広かったエッチング液によりスロープ幅が大きくなる傾向がある。スロープ幅の拡大を防止するため、上記条件を採用する。
その後、ノズルCを移動させて着液点を徐々に半径方向外側に移動させてゆく。そして、所望の領域(APEXよりやや下側の位置まで)において低ER膜が除去されたら、ノズルAから着液点P
F の位置Dr=-1.0mmとなるようにHF(フッ酸)の吐出を開始し、ノズルCからのHFの吐出を停止する。ノズルAでは(θ,φ)=(5°,20°)であり、これはカット精度重視の条件に対応する。高ER膜はスロープ幅が比較的小さくなる傾向があるため、スロープ幅を考慮しないで、カット精度を重視した条件でエッチングを行う。
その後、ノズルAを移動させて着液点を徐々に半径方向外側に移動させてゆく。所望の領域(APEXよりやや下側の位置まで)において親水性膜が除去されたら、ノズルDから着液点の位置Dr=-1.5mmとなるようにリンス液(DIW)の吐出を開始し、ノズルAからのHFの吐出を停止する。ノズルDでは(θ,φ)=(25°,20°)であり、これはリンスパーティクル性能重視の条件に対応する。その後、ノズルDを移動させて着液点を徐々に半径方向外側に移動させてゆく。必要な領域のリンス処理が終了したら、ノズルDからのリンス液の吐出を停止して、ウエハWの振り切り乾燥を行う。
[第4の具体例]
第4の具体例は、ウエハWの表面に形成された表面モフォロジーが小さい膜(ミクロ的に見て表面が平坦な膜(平坦表面膜))の上に、さらに表面モフォロジーが大きい膜(ミクロ的に見て表面が粗い膜(粗表面膜))が形成されている場合において、ウエハWの周縁部の平坦表面膜および粗表面膜を薬液(フッ酸)により除去するものである。
第4の具体例は、ウエハWの表面に形成された表面モフォロジーが小さい膜(ミクロ的に見て表面が平坦な膜(平坦表面膜))の上に、さらに表面モフォロジーが大きい膜(ミクロ的に見て表面が粗い膜(粗表面膜))が形成されている場合において、ウエハWの周縁部の平坦表面膜および粗表面膜を薬液(フッ酸)により除去するものである。
まず、ウエハWを回転させる。ウエハWの回転は処理の終了まで継続する。
次いで、ノズルCから、着液点の位置Dr=-1.0mmとなるようにHF(フッ酸)の吐出を開始する。ノズルCでは(θ,φ)=(25°,20°)であり、これはギザギザカット防止を重視する条件に対応する。
その後、ノズルCを移動させて着液点を徐々に半径方向外側に移動させてゆく。そして、所望の領域(APEXよりやや下側の位置まで)において粗表面膜が除去されたら、ノズルAから、着液点の位置Dr=-1.0mmとなるようにHF(フッ酸)の吐出を開始し、ノズルCからのHFの吐出を停止する。ノズルAにおいて、(θ,φ)=(5°,20°)であり、これはカット精度を重視する条件に対応する。平坦表面膜は、ギザギザカットの問題は無いため、カット精度を重視した条件でエッチングを行う。
その後、ノズルAを移動させて着液点を徐々に半径方向外側に移動させてゆく。所望の領域(APEXよりやや下側の位置まで)において平坦表面膜が除去されたら、ノズルDから着液点の位置Dr=-1.5mmとなるようにリンス液(DIW)の吐出を開始し、ノズルAからのHFの吐出を停止する。ノズルDでは(θ,φ)=(25°,20°)であり、これはリンスパーティクル性能を重視する条件に対応する。その後、ノズルDを移動させて着液点を徐々に半径方向外側に移動させてゆく。必要な領域のリンス処理が終了したら、ノズルDからのリンス液の吐出を停止して、ウエハWの振り切り乾燥を行う。
上記の各具体例において、使用するノズルの選択は、予め定められたプロセスレシピに従い行うことができる。つまりこの場合、プロセスレシピでは、処理ステップごとに「ウエハ回転数:XXrpm; 使用ノズル:ノズルA; 吐出する処理液:HF; 着液点:Dr=-1.0mm~APEXまで移動; 移動速度:YYmm/sec」等の各種プロセス条件に対応するパラメータ値が予め定められている。そして、プロセスレシピに定義されたプロセス条件が実現されるように、制御部14が回転駆動部22、ノズル移動機構62、処理液供給機構63等を制御することによりベベル部の液処理が行われる。
全てのプロセス条件を予めプロセスレシピで定めておくことに代えて、プロセス条件の少なくとも一部をウエハWの処理対象面の状態の検査結果に応じて決定する機能を上述した基板処理装置1、あるいは処理ユニットとしての上記基板処理装置1を備えた基板処理システムが有していてもよい。具体的には例えば、ウエハWの処理対象面の状態を検査する検査部が設けられる。この検査部は、スタンドアローンの検査装置であってもよく、上述した基板処理システムのハウジング内に組み込まれた検査ユニットであってもよい。検査部が検査するウエハWの処理対象面の状態として、例えば表面モフォロジー、ノッチ形状、反り状態、接触角(これは液処理時に例えば高速度カメラ等により観察する)等が例示される。
検査部による検査結果は制御部14(図1を参照)に入力される。また、制御部14に、求められる処理結果(重視するプロセス性能)が入力される。制御部14への求められる処理結果の入力は、上位コンピュータからの通信を介して行ってもよく、オペレータが、基板処理装置1または基板処理システムのユーザーインターフェース(タッチパネル、キーボード等)を介して手動で行ってもよい。制御部14の演算部142は、例えば記憶部141に格納された角度テーブル(求められる処理結果に対応するノズルの吐出角度(第1角度θ、第2角度φ)が記憶されたデータベース)を参照して、第1角度θおよび第2角度φの適切な値を求め、その値を有するノズル61を選択する。ノズル61の選択以外は、プロセスレシピに従って実行することができる。
上述したように、ノズル61からの処理液の吐出角度(第1角度θ、第2角度φ)を適宜変更することにより、最も重視するプロセス性能が実現された望ましい処理結果を得ることができる。
なお、上記の説明では専らウエハWの表面側の処理についてだけ言及したが、ウエハWの裏面側の処理をウエハWの表面側の処理と同時に行っても構わない。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
6 吐出部
14 制御部
21 基板保持部
22 回転駆動部
14 制御部
21 基板保持部
22 回転駆動部
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