JPWO2022004300A5 - - Google Patents

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JPWO2022004300A5
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本開示は、一般にコイルユニット、モータ及びコイルユニットの製造方法に関し、より詳細には、複数回巻かれた導線を備えるコイルユニット、コイルユニットを備えるモータ、コイルユニットの製造方法に関する。
特許文献1には、エッジワイズコイルの端子部を残して樹脂モールドされた分割固定子が記載されている。特許文献1に記載の分割固定子では、エッジワイズコイルの端子部を残して樹脂モールドを行うことで、エッジワイズコイルの絶縁性を実現することが記載されている。
特開2009-072055号公報
しかし、特許文献1に記載のエッジワイズコイル(巻かれた導線)が樹脂モールドされた分割固定子では、エッジワイズコイルを樹脂モールドする際の圧力によって、積層されたエッジワイズコイルにおける複数の層(巻回軸方向において隣接する部分)同士が接触する可能性があった。
そこで、エッジワイズコイルが樹脂モールドされる際に、エッジワイズコイルの複数の層同士が接触する可能性を低減することが望まれていた。
本開示は上記事由に鑑みてなされており、複数回巻かれた導線のうち巻回軸方向において隣接する部分同士が接触する可能性を低減することができるコイルユニット、モータ及びコイルユニットの製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係るコイルユニットは、導線と、絶縁体と、保持部材とを備える。前記導線は複数回巻かれている。前記絶縁体は、前記導線と一体に成形されており、前記導線の表面を覆う。前記保持部材は、前記絶縁体と一体に成形されており、前記導線の巻回軸方向に並んで配置されている複数のスペーサを有する。前記保持部材は、前記導線を支持することで、前記導線のうち前記巻回軸方向において隣接する部分同士の隙間を保持する。
本開示の一態様に係るモータは、前記コイルユニットと、ステータとを備える。前記ステータは、前記コイルユニットが装着される。
本開示の一態様に係るコイルユニットの製造方法は、保持部材を準備する工程を有する。前記保持部材は、複数回巻かれた導線の巻回軸方向において配置される複数のスペーサを有する。前記コイルユニットの製造方法は、前記導線を前記保持部材で支持することで隙間が前記保持部材によって保持された状態で、前記導線の表面を覆うように絶縁体を前記導線及び前記保持部材と一体に成形する工程を更に有する。前記隙間は、前記導線のうち前記巻回軸方向において隣接する部分同士の隙間である。
図1は、一実施形態に係るコイルユニットの外観斜視図である。 図2は、同上のコイルユニットにおける導線の外観斜視図である。 図3は、図2のA-A線における断面図である。 図4は、図2のB-B線における断面図である。 図5は、同上のコイルユニットの平面図である。 図6は、同上のコイルユニットにおける保持部材の外観斜視図である。 図7は、同上のコイルユニットにおける巻回される前の導線の平面図である。 図8は、同上のコイルユニットを備えるモータの側面図である。 図9は、同上のコイルユニットを備えるモータを第1方向から見た平面図である。 図10は、同上のコイルユニットを備えるモータを第2方向から見た平面図である。 図11Aは、変形例に係るコイルユニットにおける保持部材の外観斜視図である。図11Bは、異なる変形例に係るコイルユニットにおける保持部材の外観斜視図である。
以下、本開示に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態において互いに共通する要素には同一符号を付しており、共通する要素についての重複する説明は省略する。
(実施形態)
(1)概要
まず、本実施形態に係るコイルユニット1の概要について、図1及び図2を参照して説明する。
本実施形態に係るコイルユニット1は、導線2と、複数(図1の例では4つ)の保持部材3と、導線2及び複数の保持部材3と一体に成形されている絶縁体4とを備えている。なお、図1では、絶縁体4を想像線(2点鎖線)で示している。
本実施形態の導線2は、断面が矩形状の平角導線であり、いわゆるエッジワイズ巻きされたエッジワイズコイルである。本実施形態の導線2は、例えば後述するモータ10(図8参照)に使用されるコイルである。
導線2は、所定の方向(図1中のZ軸方向)に複数回巻かれている。言い換えると、導線2は、巻回軸方向に積層されるように巻回されている。以下の説明では特に断りがない限り、図1~図7においてZ軸方向を上下方向と規定し、Z軸方向の正の向き(Z軸矢印の向き)を上向きと規定する。また、以下の説明では特に断りがない限り、図1~図7においてX軸方向及びY軸方向を水平方向と規定する。ただし、これらの方向は一例であり、コイルユニット1の使用時の方向を規定する趣旨ではない。また、図面中の各方向を示す矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。なお、上下方向は、導線2の巻回軸方向である。
図2に示すように、導線2の上側から下側に向かう各層を、第1層L1、第2層L2、第3層L3、第4層L4という。第1層L1から第4層L4の隣接する2つの層の間には、隙間SP1~隙間SP3がある。具体的には、第1層L1と第2層L2の間には隙間SP1があり、第2層L2と第3層L3の間には隙間SP2があり、第3層L3と第4層L4の間には隙間SP3がある。言い換えると、導線2の上下方向において隣接する部分同士は接触していない。なお、以下の説明において、3つの隙間SP1~SP3の各々を特に区別しないときは、3つの隙間SP1~SP3の各々を隙間SP0という。
絶縁体4は、電気的絶縁性を有する樹脂などであり、導線2及び複数の保持部材3a~3dと一体的に成形される。また、絶縁体4は、導線2の表面を覆う。
保持部材3aは、導線2における複数(図1の例では4つ)の層の隙間SP1~SP3を保持する部材である。保持部材3aは、上下方向(図1中のZ軸方向)において配置される複数(図6の例では3つ)のスペーサ32a,32b,32cを有する(図6参照)。また、3つの保持部材3b~3dは、導線2における複数の層の隙間SP1,SP2を保持する部材である。3つの保持部材3b~3dは、上下方向(図1中のZ軸方向)において配置される複数(図1の例では2つ)のスペーサ32a,32bを有する。なお、以下の説明において、4つの保持部材3a~3dの各々を特に区別しないときは、4つの保持部材3a~3dの各々を保持部材3という。また、3つのスペーサ32a~32cの各々を特に区別しないときは、3つのスペーサ32a~32cの各々をスペーサ32という。
保持部材3は、導線2を支持することで、導線2の上下方向において隣接する部分同士の隙間SP0を保持する。そのため、本実施形態のコイルユニット1では、導線2の上下方向において隣接する部分同士が接触する可能性を低減することができる。
(2)詳細
以下、本実施形態に係るコイルユニット1の詳細な構成について、図1~図7を参照して説明する。
(2.1)導線の構成
まず、導線2の構成について、図2~図5を参照して説明する。導線2は、例えば、銅、アルミニウム、真鍮、鉄、マグネシウム、又はSUS(Steel Use Stainless)等の導電性材料で形成されている。導線2は、引き出し部21と、基部22と、引き出し部23とを有している。
引き出し部21は、導線2における第1層L1に位置し、外部からの電力供給を受けるため、又は外部に電力を供給するために、基部22から導線2の外周側に突出している。引き出し部21の断面は矩形状である。なお、引き出し部21は、「(5)モータ」の欄で後述するモータ10が備えるバスバー14a~14dのいずれかと、電気的に接続される。
基部22は、導線2のうち、積層されるように巻回される部位である。基部22は、第1層L1側(Z軸の正方向)から見て、引き出し部21を始点として時計回りに巻回されている。基部22は、複数(図2の例では12個)の屈曲部C1~C12を有している。屈曲部C1~C12は、基部22が上下方向(Z軸方向)から見て矩形枠状になるように約90度に屈曲している(図5参照)。以下の説明において、12個の屈曲部C1~C12の各々を特に区別しないときは、12個の屈曲部C1~C12の各々を、屈曲部C0という。基部22は、断面が台形状であり、いわゆるエッジワイズ巻きをされている。
具体的には、基部22は、引き出し部21側から図2中のX軸の負方向に延び、X軸の負方向に延びるにつれ下側に位置する。そして、基部22は、屈曲部C2で約90度屈曲する。次に、基部22は、図2中のY軸の正方向に向かって延び、屈曲部C3で約90度屈曲する。次に、基部22は、図2中のX軸の正方向に向かって延び、屈曲部C4で約90度屈曲する。次に、基部22は、図2中のY軸の負方向に向かって延び、屈曲部C1の下側において、基部22は、基部22の第1層L1と積層する。
基部22のうち、基部22の第1層L1の下側に積層する部分を、基部22の第2層L2とする。基部22の第1層L1と第2層L2の間には隙間SP1がある。基部22は、屈曲部C5で約90度屈曲する。そして、基部22は、図2中のX軸の負方向に延び、X軸の負方向に延びるにつれ下側に位置する。そして、基部22は屈曲部C6で約90度屈曲する。次に、基部22は、図2中のY軸の正方向に向かって延び、屈曲部C7で約90度屈曲する。次に、基部22は、図2中のX軸の正方向に向かって延び、屈曲部C8で約90度屈曲する。次に、基部22は、図2中のY軸の負方向に向かって延び、屈曲部C5の下側において、基部22は、基部22の第2層L2と積層する。
基部22のうち、基部22の第2層L2の下側に積層する部分を、基部22の第3層L3とする。基部22の第2層L2と第3層L3の間には隙間SP2がある。基部22は、屈曲部C9で約90度屈曲する。そして、基部22は、図2中のX軸の負方向に延び、X軸の負方向に延びるにつれ下側に位置する。そして、基部22は屈曲部C10で約90度屈曲する。次に、基部22は、図2中のY軸の正方向に向かって延び、屈曲部C11で約90度屈曲する。次に、基部22は、図2中のX軸の正方向に向かって延び、屈曲部C12で約90度屈曲する。次に、基部22は、図2中のY軸の負方向に向かって延び、屈曲部C9の下側において、基部22は、基部22の第3層L3と積層する。
基部22のうち、基部22の第3層L3の下側に積層する部分を、基部22の第4層L4とする。基部22の第3層L3と第4層L4の間には隙間SP3がある。以上のように、基部22の第1層L1~第4層L4は、互いに他の層と接触しないように巻回されている。なお、基部22の各層の始点は、任意に定めることができる。
基部22は、上面22aと、外周面22bと、下面22cと、内周面22dとを有している(図3参照)。上面22a、外周面22b、下面22c及び内周面22dは、矩形状の面である。基部22は、上下方向に直交する方向(水平方向)から見たときに、矩形状の形になるように巻回されている。導線2の同一の層では、上面22aの幅は下面22cの幅より広い。ここで、基部22の「幅」とは、基部22が延びる方向である延伸方向と直交する方向(水平方向)の幅をいう。また、基部22の「幅」は、内周面22dから外周面22bまでの幅ともいえる。また、導線2のうち上下方向において隣接する部分同士における上位の層の下面22cの幅と、下位の層の上面22aの幅とでは、上位の層の下面22cの幅のほうが、下位の層の上面22aの幅より広い。対向する上位の層の下面22cと下位の層の上面22aとが、導線2のうち上下方向において隣接する部分となる。
また、図3及び図4に示すように、導線2は、外周側の屈曲部C1に形成されている凹部A1を有している。また、導線2は、内周側の屈曲部C2~C12に形成されている凹部A2~A12を有している。以下の説明において、複数(図3及び図4の例では12個)の凹部A1~A12の各々を特に区別しないときは、12個の凹部A1~A12の各々を、凹部A0という。
凹部A0は、保持部材3の少なくとも一部が凹部A0に嵌まる形状をしている。具体的には、凹部A0は、保持部材3の軸部31の少なくとも一部が、凹部A0に嵌まる形状をしている。本実施形態の凹部A0は、上下方向から見て円弧状(C字状)である(図5参照)。また、凹部A2~A12は、基部22が巻回される際に、導線2の内周側における屈曲部C2~C12に加わる圧縮応力を低減する機能を有する。基部22が折り曲げられて屈曲部C2~C12が形成されるとき、導線2の内周側における屈曲部C2~C12は、圧縮されることになる。導線2の内周側における屈曲部C2~C12が圧縮され、潰れる等する可能性を低減するために、凹部A2~A12は形成されている。なお、導線2の内周側における屈曲部C1に凹部A0を形成するようにしてもよい。
図2に示すように、引き出し部23は、導線2における第4層L4に位置し、外部からの電力供給を受けるため、又は、外部に電力を供給するために、基部22から導線2の外周側に突出している。引き出し部23の断面は台形状である。
(2.2)保持部材の構成
次に、保持部材3の構成について、図6を参照して説明する。保持部材3は、例えば、電気的絶縁性を有する樹脂などで形成されている。本実施形態では、4つの保持部材3a~3dが、複数(図1の例では4つ)の屈曲部C1,C2,C3,C4に配置されている。具体的には、保持部材3aが屈曲部C1(C5,C9)に配置され、保持部材3bが屈曲部C2(C6,C10)に配置され、保持部材3cが屈曲部C3(C7,C11)に配置され、保持部材3dが屈曲部C4(C8,C12)に配置されている。保持部材3は、軸部31と、複数(図6の例では3つ)のスペーサ32とを有している。本実施形態では、軸部31と複数のスペーサ32とは、一体的に成形されている。
軸部31は、上下方向(Z軸方向)に沿う長手方向を有する棒状の部材である。本実施形態の軸部31は、円柱状又は円筒状である。軸部31の周面311は、軸部31の少なくとも一部が凹部A1~A12に嵌まるように形成されている。具体的には、保持部材3aにおける軸部31の周面311の少なくとも一部が、凹部A1,A5,A9(図4参照)の各々に嵌まっている。保持部材3bにおける軸部31の周面311の少なくとも一部が、凹部A2,A6,A10(図4参照)の各々に嵌まっている。保持部材3cにおける軸部31の周面311の少なくとも一部が、凹部A3,A7,A11(図3参照)の各々に嵌まっている。保持部材3dにおける軸部31の周面311の少なくとも一部が、凹部A4,A8,A12(図3参照)の各々に嵌まっている。軸部31の周面311の少なくとも一部が凹部A0に嵌まることで、保持部材3が導線2の各層の隙間SP0を保持する際の強度、安定度が増すという利点がある。また、軸部31の周面311の少なくとも一部が凹部A0に嵌まることで、上下方向から導線2を見たときの導線2の内周側の空間SP4の面積が広くなるという利点がある。
複数のスペーサ32は、軸部31の周面311から、上下方向に直交する方向(水平方向)に突出している。本実施形態のスペーサ32は、軸部31を中心とした円板状の形状をしている。スペーサ32が周面311の全周にわたって外側に突出する円板状の形状であるため、保持部材3を屈曲部C0に配置する工程において、軸部31の周方向の向きに関わらず各スペーサ32を対応する隙間SP0に配置することができる。導線2の複数の層の隙間SP0に配置されたスペーサ32は、導線2を支持することで、導線2のうち上下方向において隣接する部分同士の隙間SP0を保持する。本実施形態では、導線2の屈曲部C1(C5,C9)に配置される保持部材3aは3つのスペーサ32a~32cを有している。また、導線2の屈曲部C2(C6,C10)、C3(C7,C11)又はC4(C8,C12)に配置される保持部材3b~3dは2つのスペーサ32a,32bを有している。
保持部材3aのスペーサ32aは、上下方向(Z軸方向)から導線2を見たときの屈曲部C1の位置において(図5参照)、第1層L1の下面22cと第2層L2の上面22aとの間に配置され(図3参照)、導線2における第1層L1及び第2層L2の隙間SP1を保持する。また、保持部材3aのスペーサ32bは、上下方向から導線2を見たときの屈曲部C1の位置において、第2層L2の下面22cと第3層L3の上面22aとの間に配置され、導線2における第2層L2及び第3層L3の隙間SP2を保持する。また、保持部材3aのスペーサ32cは、上下方向から導線2を見たときの屈曲部C1の位置において、第3層L3の下面22cと第4層L4の上面22aとの間に配置され、導線2における第3層L3及び第4層L4の隙間SP3を保持する。
保持部材3b(3c,3d)のスペーサ32aは、上下方向から導線2を見たときの屈曲部C2(C3,C4)の位置において、第1層L1の下面22cと第2層L2の上面22aの間に配置され(図3参照)、導線2における第1層L1及び第2層L2の隙間SP1を保持する。また、保持部材3b(3c,3d)のスペーサ32bは、上下方向から導線2を見たときの屈曲部C2(C3,C4)の位置において、第2層L2の下面22cと、第3層L3の上面22aの間に配置され、導線2における第2層L2及び第3層L3の隙間SP2を保持する。
上述のように、導線2における複数の層の隙間SP0に配置された複数のスペーサ32が、導線2を支持することで、導線2の複数の層の隙間SP0を保持する。言い換えると、導線2の上下方向において隣接する部分の隙間SP0に配置された複数のスペーサ32が、導線2を支持することで、導線2の上下方向において隣接する部分の隙間SP0を保持する。そのため、導線2及び保持部材3と絶縁体4とが一体に形成される際に、導線2のうち上下方向において隣接する部分同士が接触する可能性を低減することができる。
(2.3)絶縁体の構成
次に、絶縁体4の構成について、図1を参照して説明する。絶縁体4は、例えばエポキシ樹脂などの電気的絶縁性を有する樹脂で形成される。絶縁体4は、導線2の複数の屈曲部C0に複数の保持部材3が配置された状態で、導線2及び複数の保持部材3と一体的にモールド成形される。モールド成形された絶縁体4は、導線2の基部22の表面(上面22a、外周面22b、下面22c及び内周面22d(図3参照))を覆う。絶縁体4が基部22の表面を覆うことにより、基部22における各層同士の絶縁性が確保される。その一方で、絶縁体4は、導線2の引き出し部21,23の表面の少なくとも一部は覆わない。
(3)コイルユニットの作用効果
上述のように、本実施形態に係るコイルユニット1は、導線2と、絶縁体4と、保持部材3とを備えている。導線2は、巻回軸方向(上下方向)に複数回巻かれている。絶縁体4は、導線2と一体に成形され、導線2の表面を覆う。保持部材3は、絶縁体4と一体に成形され、巻回軸方向(上下方向)において位置される複数のスペーサ32を有する。
コイルユニット1では、保持部材3が導線2を支持することで、導線2の上下方向において隣接する部分同士の隙間SP0を保持することができる。そのため、導線2の上下方向において隣接する部分同士が接触する可能性を低減することができる。
また、本実施形態に係るコイルユニット1では、保持部材3が導線2の内周側に配置されている。そのため、保持部材3は、導線2の内周側から、導線2の上下方向において隣接する部分同士の隙間SP0を保持することができる。なお、保持部材3が導線2の内周側に配置されることは、必須の構成ではない。
また、本実施形態に係るコイルユニット1では、導線2は、上下方向から見て複数の屈曲部C1~C4を有するように巻回されている。また、保持部材3は、屈曲部C1~C4に配置される。そのため、保持部材3は、導線2の上下方向において隣接する部分同士の隙間SP0をより強固に保持することができる。なお、保持部材3が複数の屈曲部C1~C4に配置されることは必須の構成ではない。
また、本実施形態に係るコイルユニット1は、保持部材3を複数備える。保持部材3が複数あるため、複数の保持部材3a~3dは、導線2における複数の層の隙間SP0をより強固に保持することができる。なお、コイルユニット1が保持部材3を備えることは必須の構成ではない。
また、本実施形態に係るコイルユニット1では、保持部材3は上下方向に沿う軸部31を更に有している。また、複数のスペーサ32は、軸部31の周面から突出し、導線2の上下方向において隣接する部分同士の隙間SP0に配置される。そのため、保持部材3は、導線2の上下方向において隣接する部分同士の隙間SP0をより強固に保持することができる。なお、保持部材3が上下方向に沿う軸部31を更に有し、複数のスペーサ32が軸部31の周面311から突出し導線2の上下方向において隣接する部分同士の隙間SP0に配置されることは必須の構成ではない。
また、本実施形態に係るコイルユニット1では、複数のスペーサ32の各々は円板状である。そのため、保持部材3の軸部31の周方向の向きに関わらず、スペーサ32を導線2の複数の層の隙間SP0に配置することができる。なお、複数のスペーサ32の各々が円板状であることは、必須の構成ではない。
また、本実施形態に係るコイルユニット1では、導線2は、保持部材3の少なくとも一部が嵌まる凹部A0を、導線2の内周側に有する。導線2の凹部A0に保持部材3の少なくとも一部が嵌まるため、導線2の内周側の空間SP4を上下方向から見たときの面積を広くすることができる。なお、導線2が、保持部材3の少なくとも一部が嵌まる凹部A0を導線2の内周側に有することは必須の構成ではない。
また、本実施形態のコイルユニット1では、導線2は、凹部A0を複数有すると共に、上下方向からの平面視において複数の屈曲部C1~C4を有する。複数の凹部A0は、導線2の内周側であって複数の屈曲部C1~C4に形成されている。導線2の内周側における屈曲部C0に加わる圧縮応力を低減するための凹部と、保持部材3の少なくとも一部が嵌まる凹部A0とを兼用させることができるため、導線2が有する凹部の数を低減することができる。なお、導線2が、凹部A0を複数有すると共に、上下方向からの平面視において複数の屈曲部C1~C4を有することは必須の構成ではない。
また、本実施形態のコイルユニット1では、導線2は、エッジワイズ巻きの平角導線である。導線2がエッジワイズ巻きの平角導線であるため、導線2の占積率を増やすことができ、コイルユニット1をコンパクトにすることができる。なお、導線2がエッジワイズ巻きの平角導線であることは必須の構成ではない。
(4)コイルユニットの製造方法
次に、コイルユニット1を製造する方法の一例について説明する。本実施形態に係るコイルユニット1の製造方法は、帯状の導線2aを準備する工程と、帯状の導線2aを巻回する工程と、保持部材3を準備する工程と、保持部材3を配置する工程と、絶縁体4を導線2及び保持部材3と一体に成形する工程とを有する。
まず、図7に示すような上下方向(Z軸方向)からの平面視において帯状の導線2aを準備する。本実施形態の導線2aは、電気的絶縁性を有する絶縁被膜が被覆されていない状態である。帯状の導線2aを巻回することで、図2に示すような積層されるように巻回された導線2にする。なお、本実施形態の導線2aは、導線2における引き出し部21側から、導線2における引き出し部23側に延びるにつれて(図2参照)、幅が狭くなる。図7中の符号は、導線2aが図2に示すような導線2の形状になったときの各部位に対応するように付されている。例えば、帯状の導線2aには屈曲部C1は存在しないが、巻回された導線2の形状になったときに屈曲部C1となる部位に対して、屈曲部C1と同じ符号を付している。
帯状の導線2aを巻回する工程について説明する。まず、取り出し部21がY軸の負の方向を向くように、かつ、凹部A1が屈曲部C1における導線2の外周側に位置するように、導線2aを約90度屈曲させる。次に、凹部A2が屈曲部C2における導線2の内周側に位置するように導線2aを約90度屈曲させる。次に、凹部A3が屈曲部C3における導線2の内周側に位置するように導線2aを約90度屈曲させ、凹部A4が屈曲部C4における導線2の内周側に位置するように導線2aを約90度屈曲させる。この後も同様に、凹部A5~A12の各々が、屈曲部C5~C12の各々において導線2の内周側に位置するように(図2参照)、導線2aを第1層L1から時計回りに巻回していく。導線2aの巻回を完了すると、導線2aは、図2に示すような上下方向において積層されるように巻回された導線2になる。なお、導線2aを巻回する作業の順番は任意である。
次に、上下方向において配置される複数のスペーサ32を有する保持部材3(図6参照)を準備する。本実施形態では、複数(4つ)の保持部材3a~3dを準備する(図1参照)。
次に、図1~図6を参照して複数の保持部材3a~3dを配置する工程について説明する。4つの保持部材3a~3dを、屈曲部C1~C4に配置する。具体的には、保持部材3aを屈曲部C1(C5,C9)に配置する。このとき、保持部材3aの軸部31の少なくとも一部が、凹部A1、凹部A5及び凹部A9(図4参照)に嵌まるように配置する。また、スペーサ32aを導線2における第1層L1及び第2層L2の隙間SP1に配置し、スペーサ32bを第2層L2及び第3層L3の隙間SP2に配置し、スペーサ32cを第3層L3及び第4層L4の隙間SP3に配置する。保持部材3を屈曲部C0に配置する際、又は、配置した後に、接着剤等で保持部材3を導線2に仮固定するようにしてもよい。なお、仮固定に使用する接着剤等は電気的絶縁性を有することが望ましい。
次に、保持部材3bを屈曲部C2(C6,C10)に配置する。このとき、保持部材3bの軸部31の少なくとも一部が、凹部A2、凹部A6及び凹部A10(図3参照)に嵌まるように配置する。また、スペーサ32aを導線2における第1層L1及び第2層L2の隙間SP1に配置し、スペーサ32bを第2層L2及び第3層L3の隙間SP2に配置する。同様に、保持部材3cを屈曲部C3(C7,C11)に配置し、保持部材3dを屈曲部C4(C8,C12)に配置する。なお、4つの保持部材3a~3dを屈曲部C1~C4に配置する際の作業の順番は任意である。以上の作業により、上下方向に積層されるように巻回された導線2における複数の層の隙間SP0を、複数の保持部材3が保持した状態になる。
次に、導線2及び保持部材3と絶縁体4とを一体に成形する工程について説明する。導線2及び複数の保持部材3を金型などの型にセットする。このとき、複数の保持部材3は、導線2を支持することで、導線2の上下方向において隣接する部分同士の隙間SP0を保持している。そして、エポキシ樹脂などの電気的絶縁性を有する樹脂を金型に流し込み、導線2の表面を覆うように絶縁体4を導線2及び保持部材3と一体にモールド成形する。以上の工程により、コイルユニット1が製造される。
本実施形態では、保持部材3が導線2を支持し、導線2の上下方向において隣接する部分の隙間SP0を保持した状態で、導線2及び保持部材3と絶縁体4とを一体に成形する。そのため、導線2と絶縁体4とを一体に成形する際の圧力などによって、導線2のうち上下方向において隣接する部分同士が接触する可能性を低減することができる。
(5)モータ
次に、上述したコイルユニット1を備えるモータ10の一例について、図8~図10を参照して説明する。図9は図8に示すモータ10を第1方向D1から見た平面図であり、図10は図8に示すモータ10を第2方向D2から見た平面図である。本実施形態に係るモータ10は、複数のコイルユニット1(U1~U4,V1~V4,W1~W4)と、シャフト11と、ロータ12と、ステータ13と、バスバー14a~14dとを備えている。なお、図8及び図9では、バスバー14a~14dの各々を区別しやすいように、バスバー14a~14dの各々に異なるパターンのドットを付している。
シャフト11は、図8中の第1方向D1及び第2方向D2に沿った長手方向を有する棒状の部材である。
ロータ12は、シャフト11の外周に接するように配置されている。ロータ12は、ステータ13に対向するように配置された複数(図10の例では10個)の磁石121を有している。複数の磁石121は、N極、S極がシャフト11の外周方向に沿って交互に配置されている。なお、本実施形態の磁石121は、例えばネオジム磁石である。
ステータ13は、円環状のステータコア131と、ステータコア131の内周に沿って等隙間に配置された複数(図10の例では12個)のティース132とを有している(図10参照)。ステータ13は、シャフト11の径方向において、ロータ12に対して所定の隙間を保持するように、ロータ12の外側に配置されている。
ステータ13は、複数(図10の例では12個)のコイルユニットU1~U4,V1~V4,W1~4を有している。以下の説明において、複数のコイルユニットU1~U4,V1~V4,W1~4の各々を特に区別しないときは、複数のコイルユニットU1~U4,V1~V4,W1~4の各々を、コイルユニット1という。
複数のコイルユニットU1~U4,V1~V4,W1~4の各々は、対応する1つのティース132に装着される。言い換えると、コイルユニット1は、ティース132に対して集中巻きにされている。また、コイルユニットU1~U4はバスバー14aに電気的に接続され、コイルユニットV1~V4はバスバー14cに電気的に接続され、コイルユニットW1~W4はバスバー14bに電気的に接続されている。
以上説明したモータ10では、上述のようにコイルユニット1における導線2の上下方向において隣接する部分同士が接触する可能性を低減することができため、安全性を確保しやすいといった利点がある。
(6)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。本開示において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
以下、上記実施形態の変形例を列挙する。以下の説明する変形例は、上記実施形態と適宜組み合わせて適用可能である。
導線2において延伸方向に延びつつ下側に位置する部分は、屈曲部C1(C5,C9)と屈曲部C2(C6,C10)との間の基部22に限られない。すなわち、導線2は、導線2における各層の少なくとも一部分が延伸方向に延びつつ下側に位置するようにし、積層するように巻回されていればよい。例えば、導線2の全ての部分で延伸方向に延びつつ下側に位置するように巻回すると仮定する。この仮定の場合、導線2が延伸方向に延びるにつれ下側に位置する割合(傾き)は、上記実施形態における屈曲部C1(C5,C9)と屈曲部C2(C6,C10)との間の基部22ほど急峻でなくてよい。なお、この仮定の場合、第4層L4である引き出し部23は、第3層L3より下側に位置することになる(図2参照)。
また、導線2の形状は、第1層L1における上面22aの高さが一定になる形状であってもよい。言い換えると、導線2における最も上側の層の上面22aの高さが、ほぼ一定になる形状である。具体的には、導線2の屈曲部C1から屈曲部C5の直前までの部分において、図2に示す屈曲部C1の上面22aの高さを維持したまま導線2が延びていき、屈曲部C5の直前で上面22aが下側に位置(屈曲)して屈曲部C5の上面22aと同じ高さになる形状である。なお、第1層L1の下面22cの形状は、図2に示す通りである。
また、導線2の形状は、導線2における最も下側の層(図2の例では第3層L3及び第4層L4である引き出し部23)の下面22cの高さが、ほぼ一定になる形状であってもよい。具体的には、導線2の形状は、屈曲部C9と屈曲部C10と間の基部22において、基部22の下面22cの高さが屈曲部C10及び引き出し部23の下面22cの高さと同じになる形状であってもよい。なお、屈曲部9と屈曲部C10との間の基部22の上面22aの形状は、図2に示す通りである。このとき、屈曲部C9と屈曲部C10との間の基部22は、Y軸方向からの平面視において台形状になる。
保持部材3の軸部31の形状は、円柱状又は円筒状に限らず、角柱状(三角柱、四角柱、五角形柱等を含む)等の適宜の形状であってもよい。
保持部材3の複数のスペーサ32の形状は、円板状に限らず、扇状(図11A参照)や、正方形状(図11B参照)、台形状、三角形状、多角形状(五角形状等)、楕円形状、L字状、U字状等の適宜の形状であってもよい。
保持部材3が巻回された導線2の内周側に配置されることは必須の構成ではなく、保持部材3は、導線2の外周側に配置されていてもよい。
保持部材3が導線2における屈曲部C0に配置されることは必須の構成ではなく、保持部材3は、導線2の屈曲部C0以外の部位に配置されていてもよい。
コイルユニット1が複数の保持部材3を備えることは必須の構成ではなく、コイルユニット1は1以上の保持部材3を備えていればよい。ここで、例えばコイルユニット1が2つの保持部材3を備える場合であれば、2つの保持部材3の各々を、導線2を上下方向から見たときの複数の屈曲部C0のうち対角に位置する2つの屈曲部C0に、配置することが好ましい。具体的には、2つの保持部材3a,3cが対角の屈曲部C1,C3に配置されるか、2つの保持部材3b,3dが対角の屈曲部C2,C4に配置されることが好ましい。ただし、これに限られず、1以上の保持部材3が配置される位置は、絶縁体4の成形時に、比較的圧力がかかりやすい位置に配置されることが好ましい。また、1以上の保持部材3が配置される位置は、絶縁体4の成形時に導線2の上下方向において隣接する部分の隙間SP0が保持可能な位置であればよい。
導線2が導線2の内周側に凹部A0を有することは必須の構成ではない。導線2は、導線2の外周側に凹部A0を有していてもよい。また、凹部A0が屈曲部C0に形成されることは必須の構成ではない。凹部A0は、屈曲部C0以外の部位に形成されていてもよい。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係るコイルユニット(1)は、導線(2)と、絶縁体(4)と、保持部材(3)とを備える。導線(2)は、複数回巻かれている。絶縁体(4)は、導線(2)と一体に成形されており、導線(2)の表面を覆う。保持部材(3)は、絶縁体(4)と一体に成形されており、導線(2)の巻回軸方向に並んで配置されている複数のスペーサ(32)を有する。保持部材(3)は、導線(2)を支持することで、導線(2)のうち巻回軸方向において隣接する部分同士の隙間(SP0)を保持する。
この態様によれば、複数回巻かれた導線(2)のうち巻回軸方向において隣接する部分同士の隙間(SP0)を保持部材(3)が保持し、導線(2)の表面は絶縁体(4)に覆われる。そのため、導線(2)のうち巻回軸方向において隣接する部分同士が接触する可能性を低減することができる。
第2の態様に係るコイルユニットでは、第1の態様において、保持部材(3)は、導線(2)の内周(内周面22d)側に配置されている。
この態様によれば、保持部材(3)は、導線(2)の内周(内周面22d)側から導線(2)を支持することができるため、コイルユニット(1)をコンパクトにすることができる。
第3の態様に係るコイルユニット(1)では、第1又は第2の態様において、導線(2)は、屈曲する複数の屈曲部(C0)を有する。複数の屈曲部(C0)は、巻回軸方向からの平面視において異なる位置に設けられている。保持部材(3)は、複数の屈曲部(C0)に配置されている。
この態様によれば、保持部材(3)が屈曲部(C0)に配置されているため、保持部材(3)は導線(2)のうち巻回軸方向において隣接する部分同士の隙間(SP0)をより強固に保持することができる。
第4の態様に係るコイルユニット(1)は、第1から第3のいずれかの態様において、保持部材(3)を複数備える。
この態様によれば、保持部材(3)が複数あるため、複数の保持部材(3)は導線(2)のうち巻回軸方向において隣接する部分同士の隙間(SP0)をより強固に保持することができる。
第5の態様に係るコイルユニット(1)では、第1から第4のいずれかの態様において、保持部材(3)は、巻回軸方向に沿う軸部(31)を更に有する。複数のスペーサ(32)は、軸部(31)の周面から突出し、隙間(SP0)に配置される。
この態様によれば、巻回軸方向に沿う軸部(31)の周面から突出する複数のスペーサ(32)が、導線(2)のうち巻回軸方向において隣接する部分同士の隙間(SP0)に配置される。そのため、保持部材(3)は、導線(2)の隣接する部分同士の隙間(SP0)をより強固に保持することができる。
第6の態様に係るコイルユニット(1)では、第5の態様において、複数のスペーサ(32)の各々は、円板状である。
この態様によれば、スペーサ(32)が周面(311)の全周にわたって外側に突出する円板状の形状である。そのため、保持部材(3)を屈曲部(C0)に配置する工程において、軸部(31)の周方向の向きに関わらず各スペーサ(32)を対応する隙間(SP0)に配置することができる。
第7の態様に係るコイルユニット(1)では、第1から第6のいずれかの態様において、導線(2)は、保持部材(3)の少なくとも一部が嵌まる凹部(A0)を有する。凹部(A0)は、導線(2)の内周(内周面22d)側に形成されている。
この態様によれば、導線(2)の凹部(A0)に保持部材(3)の少なくとも一部が嵌まるため、巻回軸方向から見た導線(2)の内周(内周面22d)側の空間面積を広くすることができる。
第8の態様に係るコイルユニット(1)では、第7の態様において、導線(2)は、複数の凹部(A0)と、屈曲する複数の屈曲部(C0)とを有する。複数の屈曲部(C0)は、巻回軸方向からの平面視において異なる位置に設けられている。複数の凹部(A0)は、導線(2)の内周(内周面22d)側であって、複数の屈曲部(C0)に形成されている。
この態様によれば、屈曲部(C0)の内周(内周面22d)側の圧縮応力を低減する凹部(A0)と、保持部材(3)の少なくとも一部が嵌まる凹部(A0)とを兼用させることができるため、導線(2)が有する凹部(A0)の数を低減することができる。
第9の態様に係るコイルユニット(1)では、第1から第8のいずれかの態様において、導線(2)は、エッジワイズ巻きの平角導線である。
この態様によれば、導線(2)がエッジワイズ巻きの平角導線であるため、導線(2)の占積率を増やすことができ、コイルユニット(1)をコンパクトにすることができる。
第1の態様以外の構成については、コイルユニット(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
第10の態様に係るモータ(10)は、第1から第9のいずれかの態様のコイルユニット(1)と、ステータ(13)とを備える。ステータ(13)は、コイルユニット(1)が装着される。
この態様によれば、コイルユニット(1)において、複数回巻かれる導線(2)のうち巻回軸方向において隣接する部分同士の隙間(SP0)を保持部材(3)が保持し、導線(2)の表面は絶縁体(4)に覆われる。そのため、導線(2)のうち巻回軸方向において隣接する部分同士が接触する可能性を低減することができる。
第11の態様に係るコイルユニット(1)の製造方法は、保持部材(3)を準備する工程を有する。保持部材(3)は、複数回巻かれた導線(2)の巻回軸方向において配置される複数のスペーサ(32)を有する。コイルユニット(1)の製造方法は、導線(2)を保持部材(3)で支持することで隙間(SP0)が保持部材(3)によって保持された状態で、導線(2)の表面を覆うように絶縁体(4)を導線(2)及び保持部材(3)と一体に成形する工程を更に有する。隙間(SP0)は、導線(2)のうち巻回軸方向において隣接する部分同士の隙間である。
この態様によれば、コイルユニット(1)において、巻回軸方向に複数回巻かれる導線(2)のうち巻回軸方向において隣接する部分同士の隙間(SP0)を保持部材(3)が保持し、導線(2)の表面は絶縁体(4)に覆われる。そのため、導線(2)のうち巻回軸方向において隣接する部分同士が接触する可能性を低減することができる。
1 コイルユニット
2 導線
3 保持部材
31 軸部
311 周面
32 スペーサ
4 絶縁体
10 モータ
13 ステータ
A0 凹部
C0 屈曲部
SP0 隙間

Claims (11)

  1. 複数回巻かれた導線と、
    前記導線と一体に成形されており、前記導線の表面を覆う絶縁体と、
    前記絶縁体と一体に成形されており、前記導線の巻回軸方向に並んで配置されている複数のスペーサを有する保持部材と、
    を備え、
    前記保持部材は、前記導線を支持することで、前記導線のうち前記巻回軸方向において隣接する部分同士の隙間を保持する、
    コイルユニット。
  2. 前記保持部材は、前記導線の内周側に配置されている、
    請求項1に記載のコイルユニット。
  3. 前記導線は、
    屈曲する複数の屈曲部を有し、
    前記複数の屈曲部は、前記巻回軸方向からの平面視において異なる位置に設けられており、
    前記保持部材は、前記複数の屈曲部に配置されている、
    請求項1又は2に記載のコイルユニット。
  4. 前記保持部材を複数備える、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のコイルユニット。
  5. 前記保持部材は、前記巻回軸方向に沿う軸部を更に有し、
    前記複数のスペーサは、前記軸部の周面から突出し、前記隙間に配置されている、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のコイルユニット。
  6. 前記複数のスペーサの各々は、円板状である、
    請求項5に記載のコイルユニット。
  7. 前記導線は、
    前記保持部材の少なくとも一部が嵌まる凹部を有し、
    前記凹部は、前記導線の内周側に形成されている、
    請求項1から6のいずれか1項に記載のコイルユニット。
  8. 前記導線は、
    複数の前記凹部と、
    屈曲する複数の屈曲部と、
    を有し、
    前記複数の屈曲部は、前記巻回軸方向からの平面視において異なる位置に設けられており、
    前記複数の凹部は、前記導線の内周側であって前記複数の屈曲部に形成されている、
    請求項7に記載のコイルユニット。
  9. 前記導線は、エッジワイズ巻きの平角導線である、
    請求項1から8のいずれか1項に記載のコイルユニット。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載のコイルユニットと、
    前記コイルユニットが装着されるステータと、
    を備える、
    モータ。
  11. 複数回巻かれた導線の巻回軸方向に配置される複数のスペーサを有する保持部材を準備する工程と、
    前記導線を前記保持部材で支持することで、前記導線のうち前記巻回軸方向において隣接する部分同士の隙間を前記保持部材によって保持する状態で、前記導線の表面を覆うように絶縁体を前記導線及び前記保持部材と一体に成形する工程と、
    を有する、
    コイルユニットの製造方法。
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