JPWO2021124795A1 - 脳波検出用電極及び脳波検出システム - Google Patents

脳波検出用電極及び脳波検出システム Download PDF

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Abstract

脳波検出用電極(10)は、人間の頭部の形状に追随して装着されるゴム状の弾性体のバンド部材(11)と、バンド部材(11)の一面に、バンド部材(11)と一体に設けられた、複数の弾性体の突起部(12)と、を有し、突起部(12)の少なくとも先端部が、導電部材からなる電極(13)を構成している。

Description

本発明は、脳波検出用電極及び脳波検出システムに関する。
これまで脳波検出用電極において様々な開発がなされてきた。この種の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1に開示の脳波検出用電極は、導電性の複数の櫛歯を並べた櫛歯列を有し、被験者の頭髪の間に分け入って頭皮に到達するようになっている。
特開2018−175287号公報
しかしながら、頭の形状によっては、脳波検出用電極を装着できないという課題があった。また、装着できる場合でも、電極部分に圧力が集中し、人によっては不快感を持つ場合もあった。特に、頭の形状によっては一部の電極部分に圧力が過度に集中し、非常に不快感を持つ人もいた。特許文献1に開示の技術では、それらの対策がなされておらず新たな技術が求められていた。
本発明はこのような状況に鑑みなされたものであって、装着する人の頭の形状によらず装着可能な脳波検出用電極およびそのような脳波検出用電極を備える脳波検出システムを提供することを目的とする。
本発明によれば、人間の頭部の形状に追随して装着されるゴム状の弾性体のバンド部材と、
バンド部材の一面に、バンド部材と一体に設けられた、複数の弾性体の突起部と、
を有し、
前記突起部の少なくとも先端部が、導電部材からなる電極を構成している、
脳波検出用電極を提供できる。
また本発明によれば、上記脳波検出用電極を備える、脳波検出システムが提供される。
本発明によれば、装着する人の頭の形状によらず装着可能な脳波検出用電極およびそのような脳波検出用電極を備える脳波検出システムを提供することができる。
第1の実施形態に係る、頭部に脳波検出用電極を装着した状態の脳波検出システムを示す模式図である。 第1の実施形態に係る、頭部から取り外した状態の脳波検出用電極を示す模式図である。 第1の実施形態に係る、脳波検出用電極の正面図である。 第1の実施形態に係る、脳波検出用電極の平面図である。 第1の実施形態に係る、図3の一部領域X1の拡大図である。 第1の実施形態に係る、図4のX2−X2断面図である。 第1の実施形態に係る、図4のX2−X2断面図の別の例を示す図である。 第2の実施形態に係る、脳波検出用電極の平面図である。 第3の実施形態に係る、脳波検出用電極の平面図である。 第4の実施形態に係る、脳波検出用電極の平面図である。 第5の実施形態に係る、脳波検出用電極の平面図である。 第6の実施形態に係る、脳波検出用電極の平面図である。 第7の実施形態に係る、脳波検出用電極の平面図である。 第8の実施形態に係る、脳波検出用電極の平面図である。 第9の実施形態に係る、脳波検出用電極の平面図である。 第10の実施形態に係る、脳波検出用電極の平面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
本実施の形態では図示するように前後左右上下の方向を規定して説明する。しかし、これは構成要素の相対関係を簡単に説明するために便宜的に規定するものである。従って、本発明を実施する製品の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。
≪第1の実施形態≫
図1は人の頭部99に脳波検出用電極10を装着した状態の脳波検出システム1を示す模式図である。図2は、頭部から取り外した状態の脳波検出用電極10を示す模式図である。図示のように、脳波検出システム1は、脳波検出用電極10と脳波表示装置20とを備える。
脳波検出用電極10は、人の頭部99に装着され、脳波を生体からの電位変動として検出し、検出した脳波を脳波表示装置20に出力する。脳波表示装置20は、脳波検出用電極10が検出した脳波を取得して、モニタ表示したり、データ保存したり、周知の脳波解析処理(測定処理)を行う。
<脳波検出用電極10の概略構造>
図1や図2に示すように、脳波検出用電極10は、人間の頭部99の形状に追随して装着されるゴム状の弾性体のバンド部材11と、バンド部材11の一面に、バンド部材11と一体に設けられた、複数の弾性体の突起部12と、を有する。
突起部12の少なくとも先端部が、導電部材からなる電極13を構成している。
<脳波表示装置20のシステム概要構成>
脳波検出用電極10は、コネクタや電子部品等を備えて、脳波表示装置20と接続する。なお、脳波検出用電極10と脳波表示装置20とが一体に構成されてもよい。また、脳波表示装置20がスマートデバイス(スマートホン、タブレット端末)及びそれらで機能する所定のアプリケーションにより構成されてもよい。この場合、脳波検出用電極10は、検出した脳波を無線で送信する通信機能を有する。
脳波表示装置20は、例えば、制御部と、記憶部と、ユーザIFと、出力部と、脳波処理データ処理部と、を有する。これらは、CPU等の演算装置、ROMやRAM等のメモリや、HDD、SSD等の記憶装置、モニタ、通信IF等を備え、所定のプログラムにより、脳波検出用電極10から取得した脳波を利用可能なデータ形式に変換し、また周知の脳波解析機能を実行する。
<脳波検出用電極10の具体的構成>
図3〜図6を参照して、脳波検出用電極10の具体的な構造について説明する。
図3は脳波検出用電極10の正面図である。図4は脳波検出用電極10の平面図である。ここでは、図1、2で湾曲していたバンド部材11を平らな状態にして示している。なお、各図の説明において、便宜的に、バンド部材11の厚さ方向をZ方向(上方向が+Z)、矩形形状の長手方向をX方向(右方向が+X)、短手方向をY方向(奥方向が+Y)として説明する。また奥側(+Y側)を前、手前側(―Y側)を後として説明する。
<バンド部材11の形状>
脳波検出用電極10のバンド部材11は、所定厚さtの板状体である。具体的には、バンド部材11は、上面視(平面図)で帯状の矩形形状を呈する。
バンド部材11の厚さtは、例えば、0.1mm〜30mmである。
矩形形状の長手方向の長さL1は、例えば20cm〜65cmである。
矩形形状の短手方向の長さL2は、例えば0.5cm〜5cmである。
なお、バンド部材11の形状は、帯状の矩形形状に限る趣旨ではない。例えば、矩形形状の代わりに長細い楕円形状であってよい。また、バンド部材11の厚さtが一定に限る趣旨ではなく、一部の厚さが薄くなったり厚くなったりしてもよい。いずれにせよ、バンド部材11は、脳波検出用電極10が頭部99に装着された際に、その頭部99の形状に追従する。
<突起部12の配置>
突起部12は、バンド部材11の一面に、バンド部材11と一体に複数設けられる。例えば図4の平面図に示すように、複数の突起部12は、上面視で一列に所定ピッチPで並んで設けられる。突起部12(すなわち電極13)のピッチPは、例えば、1mm〜20mmである。ピッチPは、脳波の検知に必要とされる電極13の数及び頭部99へのバンド部材11の追従性の観点から定まる。
<突起部12の形状>
図5および図6に突起部12を手前側(後側)から見た図を示す。図5は、図3の正面図の領域X1を拡大して一つの突起部12を示した図である。図6は、図4のX2−X2断面図であり、図6の突起部12の断面図でもある。
突起部12は、バンド部材11の一面(ここではバンド内面11a)から突出するようにバンド部材11と一体に形成されている。
三角錐の突起部12の高さh1は、例えば、0.5mm〜20mmであり、好ましくは3mm〜15mmであり、より好ましく4mm〜10mmである。
突起部12が呈する三角錐の具体的な形状として、例えば、図4に示すように、三角錐の底面(すなわち、バンド内面11aとの境界部分)の形状が頂点を鋭角とする二等辺三角形であって、向きが揃っている。ここでは、二等辺三角形の頂点が矩形形状の短手方向の一方側(図示では前側(+Y側))にあり、底辺が他方側(図示では後側(−Y側))にある。また、三角錐の頂点(すなわち突起部12の先端)は、図示の例では、上面視で、二等辺三角形の重心に位置する。言い換えると、突起部12は、図示で前側(+Y側)がなだらかな辺で、後側(−Y側)が急になる面となった向きで設けられている。なお、本実施形態および後述の第2〜第10の実施形態において、「突起部12の向き」とは、上記「二等辺三角形の頂点が向いている方向」を意味する。
脳波検出用電極10を頭部99に取り付けるときに、なだらかな側(+Y側)から突起部12を頭部99に当てることで、被験者に不快感(痛み等)等を与えること無く、また、頭髪からの抵抗が少なくスムーズに脳波検出用電極10と取り付けることができる。
<電極13の形状および材料>
突起部12の少なくとも先端部には導電部材からなる電極13が、突起部12の表面を覆うように設けられている。ここでは、突起部12の三角錐の頂点から所定高さh2の範囲の表面に電極13が設けられている。
電極13が形成される所定高さh2は、突起部12の高さh1にもよるが、例えば、1mm〜10mmである。
電極13の導電部材は、例えば、良導電性金属を含むペーストである。良導電性金属は、銅、銀、金、ニッケル、錫、鉛、亜鉛、ビスマス、アンチモン、或いはこれらの合金からなる群から選択される一種以上を含む。特に、入手性や導電性の観点から、銀や塩化銀、銅が好適である。
良導電性金属を含むペーストで電極13を形成する場合は、ゴム状の弾性体でできた突起部12の頂部を、良導電性金属を含むペースト状の導電性溶液にディップ(浸漬塗布)する。これにより、突起部12の先端部の表面に電極13が形成される。
なお、導電性フィラーおよび溶剤を含む導電性溶液を、突起部12の先端部分に塗布することにより、導電性樹脂層としての電極13を形成してもよい。このとき、溶剤を突起部12と同じ系統の材質(シリコーンゴム)とすることで、電極13(導電性樹脂層)の密着性を高められる。
突起部12の内部には、電極13に接続する導電性の信号線14が設けられている。信号線14の材料や太さ、配置位置については特に限定せず、接続される脳波表示装置20等で適切に脳波の測定が可能であればよい。電極13が突起部12の先端部の表面に設けられる場合、例えば、図6に示すように、突起部12の頂部部分の電極13内面(すなわち突起部12と接する側の面)に信号線14が接続される。
本実施形態の脳波検出用電極10に好適な信号線14の具体的態様について以下に説明する。
信号線14は、突起部12の先端を覆う電極13と電気的に接続するとともに、先端からバンド部材11に向かって突起部12の内部に配置される。
信号線14は、公知のものを使用することができるが、例えば、導電繊維で構成され得る。
導電繊維としては、金属繊維、金属被覆繊維、炭素繊維、導電性ポリマー繊維、導電性ポリマー被覆繊維、および導電ペースト被覆繊維からなる群から選択される一種以上を用いることができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記金属繊維、金属被覆繊維、の金属材料は、導電性を有するものであれば限定されないが、銅、銀、金、ニッケル、錫、鉛、亜鉛、ビスマス、アンチモン、ステンレス、アルミニウム、銀/塩化銀およびこれらの合金等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、導通性の観点から、銀を用いることができる。また、金属材料は、クロム等の環境に負荷を与える金属を含まないことが好ましい。
上記金属被覆繊維、導電性ポリマー被覆繊維、導電ペースト被覆繊維の繊維材料は、特に限定されないが、合成繊維、半合成繊維、天然繊維のいずれでもよい。これらの中でも、ポリエステル、ナイロン、ポリウレタン、絹および綿等を用いることが好ましい。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記炭素繊維は、例えば、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等が挙げられる。
上記導電性ポリマー繊維および導電性ポリマー被覆繊維の導電性ポリマー材料は、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレンビニレン、ポリナフタレン、及びこれらの誘導体等の導電性高分子およびバインダ樹脂の混合物、あるいは、PEDOT−PSS((3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸))等の導電性高分子の水溶液が用いられる。
上記導電ペースト被覆繊維の導電ペーストに含まれる樹脂材料は特に限定されないが伸縮性を有することが好ましく、例えばシリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、スチレンゴム、クロロプレンゴム、およびエチレンプロピレンゴムからなる群から選択される一種以上を含むことができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記導電ペースト被覆繊維の導電ペーストに含まれる導電性フィラーは特に限定されないが、公知の導電材料を用いてもよいが、金属粒子、金属繊維、金属被覆繊維、カーボンブラック、アセチレンブラック、グラファイト、炭素繊維、カーボンナノチューブ、導電性ポリマー、導電性ポリマー被覆繊維および金属ナノワイヤーからなる群から選択される一種以上を含むことができる。
上記導電性フィラーを構成する金属は、特に限定はされないが、例えば、銅、銀、金、ニッケル、錫、鉛、亜鉛、ビスマス、アンチモン、銀/塩化銀、或いはこれらの合金のうち少なくとも一種類、あるいは、これらのうちの二種以上を含むことができる。この中でも、導電性の高さや入手容易性の高さから、銀または銅が好ましい。
上記信号線14が、線状の導電繊維を複数本撚り合わせた撚糸で構成されてもよい。これにより、変形時における信号線14の断線を抑制できる。
本明細書において、導電繊維における被覆とは、単に繊維材料の外表面を覆うことのみならず、単繊維を撚り合わせた撚糸などの場合は、その撚糸の中の繊維間隙に金属、導電性ポリマー、または導電ペーストが含浸し、撚糸を構成する単繊維を1本毎に被覆するものを含む。
上記信号線14の引張破断伸度は、例えば、1%以上〜50%以下、好ましくは1.5%以上〜45%である。このような数値範囲内とすることで、変形時の破断を抑制しつつも、突起部12の過度な変形を抑制できる。
信号線14は、突起部12の内部を導通する態様であれば各種の配置構造を採用し得る。
例えば、信号線14の先端は、突起部12の先端あるいは先端部の傾斜面に対して、突出した構造、略同一面上となる構造、埋没した構造のいずれでもよい。電極13との接続安定性の観点から、突出した構造を用いてもよい。信号線14の先端の突出部分は、一部または全体が電極13で覆われている。
信号線14の先端の突出構造は、折り返し無し、折り返し有り、突起部12の先端部の表面に巻き付ける構造が採用し得る。また、信号線14は、突起部12の先端(頂点)から延びる垂線と一致せず、垂線に対して傾斜してもよい。
また、図7の断面図に示すように、信号線14が電極13の下側(バンド部材11側)の端部に接続され、突起部12の斜面(表面)に沿って延び、所定の位置から突起部12の内部へ引き込まれる形態であってよい。
なお、信号線14において、電極13と接続される側の端部と反対側の端部は、それぞれが個別にバンド部材11の外部に引き出されてもよい。また、複数の信号線14について、バンド部材11のバンド外面11bに設けられたコネクタ等にバンド部材11内部から接続され取りまとめられてもよい。
<脳波検出用電極10の材料>
バンド部材11及び突起部12は、ゴム状の弾性体であり、より具体的にはゴムや熱可塑性エラストマー(単に「エラストマー(TPE)」ともいう)である。ゴムとしては、例えばシリコーンゴムがある。熱可塑性エラストマーとして、例えば、スチレン系TPE(TPS)、オレフィン系TPE(TPO)、塩化ビニル系TPE(TPVC)、ウレタン系TPE(TPU)、エステル系TPE(TPEE)、アミド系TPE(TPAE)などがある。
脳波検出用電極10のバンド部材11及び突起部12がシリコーンゴムである場合、37℃、JIS K 6253(1997)に準拠して測定される、バンド部材11の表面(バンド内面11aやバンド外面11b)におけるタイプAデュロメータ硬さをゴム硬度Aとしたとき、ゴム硬度Aが、例えば、15以上55以下である。
ここで、上記シリコーンゴム系硬化性組成物について説明する。
上記シリコーンゴムは、シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物で構成することができる。シリコーンゴム系硬化性樹脂組成物の硬化工程は、例えば、100〜250℃で1〜30分間加熱(1次硬化)した後、100〜200℃で1〜4時間ポストベーク(2次硬化)することによって行われる。
絶縁性シリコーンゴムは、導電性フィラーを含まないシリコーンゴムであり、導電性シリコーンゴムは導電性フィラーを含むシリコーンゴムである。
本実施形態に係るシリコーンゴム系硬化性組成物は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)を含むことができる。ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)は、本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物の主成分となる重合物である。
絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、同種のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサンを含んでもよい。同種のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサンとは、少なくとも官能基が同じビニル基を含み、直鎖状を有していればよく、分子中のビニル基量や分子量分布、あるいはその添加量が異なっていてもよい。
なお、絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、互いに異なるビニル基含有オルガノポリシロキサンをさらに含んでもよい。
上記ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)は、直鎖構造を有するビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)を含むことができる。
上記ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)は、直鎖構造を有し、かつ、ビニル基を含有しており、かかるビニル基が硬化時の架橋点となる。
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)のビニル基の含有量は、特に限定されないが、例えば、分子内に2個以上のビニル基を有し、かつ15モル%以下であるのが好ましく、0.01〜12モル%であるのがより好ましい。これにより、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)中におけるビニル基の量が最適化され、後述する各成分とのネットワークの形成を確実に行うことができる。本実施形態において、「〜」は、その両端の数値を含むことを意味する。
なお、本明細書中において、ビニル基含有量とは、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)を構成する全ユニットを100モル%としたときのビニル基含有シロキサンユニットのモル%である。ただし、ビニル基含有シロキサンユニット1つに対して、ビニル基1つであると考える。
また、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)の重合度は、特に限定されないが、例えば、好ましくは1000〜10000程度、より好ましくは2000〜5000程度の範囲内である。なお、重合度は、例えばクロロホルムを展開溶媒としたGPC(ゲル透過クロマトグラフィー)におけるポリスチレン換算の数平均重合度(又は数平均分子量)等として求めることができる。
さらに、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)の比重は、特に限定されないが、0.9〜1.1程度の範囲であるのが好ましい。
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)として、上記のような範囲内の重合度および比重を有するものを用いることにより、得られるシリコーンゴムの耐熱性、難燃性、化学的安定性等の向上を図ることができる。
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)としては、特に、下記式(1)で表される構造を有するものであるが好ましい。
Figure 2021124795
式(1)中、Rは炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基等が挙げられ、中でも、ビニル基が好ましい。炭素数1〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基等が挙げられる。
また、Rは炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基が挙げられる。炭素数1〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
また、Rは炭素数1〜8の置換または非置換のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
さらに、式(1)中のRおよびRの置換基としては、例えば、メチル基、ビニル基等が挙げられ、Rの置換基としては、例えば、メチル基等が挙げられる。
なお、式(1)中、複数のRは互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。さらに、R、およびRについても同様である。
さらに、m、nは、式(1)で表されるビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)を構成する繰り返し単位の数であり、mは0〜2000の整数、nは1000〜10000の整数である。mは、好ましくは0〜1000であり、nは、好ましくは2000〜5000である。
また、式(1)で表されるビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)の具体的構造としては、例えば下記式(1−1)で表されるものが挙げられる。
Figure 2021124795
式(1−1)中、RおよびRは、それぞれ独立して、メチル基またはビニル基であり、少なくとも一方がビニル基である。
さらに、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)としては、ビニル基含有量が分子内に2個以上のビニル基を有し、かつ0.4モル%以下である第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1)と、ビニル基含有量が0.5〜15モル%である第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−2)とを含有するものであるのが好ましい。シリコーンゴムの原料である生ゴムとして、一般的なビニル基含有量を有する第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1)と、ビニル基含有量が高い第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−2)とを組み合わせることで、ビニル基を偏在化させることができ、シリコーンゴムの架橋ネットワーク中に、より効果的に架橋密度の疎密を形成することができる。その結果、より効果的にシリコーンゴムの引裂強度を高めることができる。
具体的には、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)として、例えば、上記式(1−1)において、Rがビニル基である単位および/またはRがビニル基である単位を、分子内に2個以上有し、かつ0.4モル%以下を含む第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1)と、Rがビニル基である単位および/またはRがビニル基である単位を、0.5〜15モル%含む第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−2)とを用いるのが好ましい。
また、第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1)は、ビニル基含有量が0.01〜0.2モル%であるのが好ましい。また、第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−2)は、ビニル基含有量が、0.8〜12モル%であるのが好ましい。
さらに、第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1)と第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−2)とを組み合わせて配合する場合、(A1−1)と(A1−2)の比率は特に限定されないが、例えば、重量比で(A1−1):(A1−2)が50:50〜95:5であるのが好ましく、80:20〜90:10であるのがより好ましい。
なお、第1および第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1)および(A1−2)は、それぞれ1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)は、分岐構造を有するビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(A2)を含んでもよい。
<<オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)>>
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、架橋剤を含んでもよい。架橋剤は、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)を含むことができる。
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)は、直鎖構造を有する直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と分岐構造を有する分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)とに分類され、これらのうちのいずれか一方または双方を含むことができる。
絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、同種の架橋剤を含んでもよい。同種の架橋剤とは、少なくとも直鎖構造や分岐構造などの共通の構造を有していればよく、分子中の分子量分布や異なる官能基が含まれていてもよく、その添加量が異なっていてもよい。
なお、絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、互いに異なる架橋剤をさらに含んでもよい。
直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)は、直鎖構造を有し、かつ、Siに水素が直接結合した構造(≡Si−H)を有し、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)のビニル基の他、シリコーンゴム系硬化性組成物に配合される成分が有するビニル基とヒドロシリル化反応し、これらの成分を架橋する重合体である。
直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)の分子量は特に限定されないが、例えば、重量平均分子量が20000以下であるのが好ましく、1000以上、10000以下であることがより好ましい。
なお、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)の重量平均分子量は、例えばクロロホルムを展開溶媒としたGPC(ゲル透過クロマトグラフィー)におけるポリスチレン換算により測定することができる。
また、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)は、通常、ビニル基を有しないものであるのが好ましい。これにより、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)の分子内において架橋反応が進行するのを的確に防止することができる。
以上のような直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)としては、例えば、下記式(2)で表される構造を有するものが好ましく用いられる。
Figure 2021124795
式(2)中、Rは炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、これらを組み合わせた炭化水素基、またはヒドリド基である。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基等が挙げられる。炭素数1〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
また、Rは炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、これらを組み合わせた炭化水素基、またはヒドリド基である。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基等が挙げられる。炭素数1〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
なお、式(2)中、複数のRは互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。Rについても同様である。ただし、複数のRおよびRのうち、少なくとも2つ以上がヒドリド基である。
また、Rは炭素数1〜8の置換または非置換のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。複数のRは互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。
なお、式(2)中のR,R,Rの置換基としては、例えば、メチル基、ビニル基等が挙げられ、分子内の架橋反応を防止する観点から、メチル基が好ましい。
さらに、m、nは、式(2)で表される直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)を構成する繰り返し単位の数であり、mは2〜150整数、nは2〜150の整数である。好ましくは、mは2〜100の整数、nは2〜100の整数である。
なお、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、分岐構造を有するため、架橋密度が高い領域を形成し、シリコーンゴムの系中の架橋密度の疎密構造形成に大きく寄与する成分である。また、上記直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)同様、Siに水素が直接結合した構造(≡Si−H)を有し、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)のビニル基の他、シリコーンゴム系硬化性組成物に配合される成分のビニル基とヒドロシリル化反応し、これら成分を架橋する重合体である。
また、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)の比重は、0.9〜0.95の範囲である。
さらに、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、通常、ビニル基を有しないものであるのが好ましい。これにより、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)の分子内において架橋反応が進行するのを的確に防止することができる。
また、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)としては、下記平均組成式(c)で示されるものが好ましい。
平均組成式(c)
(H(R3−aSiO1/2(SiO4/2
(式(c)において、Rは一価の有機基、aは1〜3の範囲の整数、mはH(R3−aSiO1/2単位の数、nはSiO4/2単位の数である)
式(c)において、Rは一価の有機基であり、好ましくは、炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
式(c)において、aは、ヒドリド基(Siに直接結合する水素原子)の数であり、1〜3の範囲の整数、好ましくは1である。
また、式(c)において、mはH(R3−aSiO1/2単位の数、nはSiO4/2単位の数である。
分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は分岐状構造を有する。直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、その構造が直鎖状か分岐状かという点で異なり、Siの数を1とした時のSiに結合するアルキル基Rの数(R/Si)が、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)では1.8〜2.1、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)では0.8〜1.7の範囲となる。
なお、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、分岐構造を有しているため、例えば、窒素雰囲気下、1000℃まで昇温速度10℃/分で加熱した際の残渣量が5%以上となる。これに対して、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)は、直鎖状であるため、上記条件で加熱した後の残渣量はほぼゼロとなる。
また、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)の具体例としては、下記式(3)で表される構造を有するものが挙げられる。
Figure 2021124795
式(3)中、Rは炭素数1〜8の置換または非置換のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基、もしくは水素原子である。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。Rの置換基としては、例えば、メチル基等が挙げられる。
なお、式(3)中、複数のRは互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。
また、式(3)中、「−O−Si≡」は、Siが三次元に広がる分岐構造を有することを表している。
なお、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)において、Siに直接結合する水素原子(ヒドリド基)の量は、それぞれ、特に限定されない。ただし、シリコーンゴム系硬化性組成物において、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)中のビニル基1モルに対し、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)の合計のヒドリド基量が、0.5〜5モルとなる量が好ましく、1〜3.5モルとなる量がより好ましい。これにより、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)および分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)と、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)との間で、架橋ネットワークを確実に形成させることができる。
<<シリカ粒子(C)>>
本実施形態に係るシリコーンゴム系硬化性組成物は、非導電性フィラーを含む。非導電性フィラーは、必要に応じ、シリカ粒子(C)を含んでもよい。これにより、エラストマーの硬さや機械的強度の向上を図ることができる。
絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、同種の非導電性フィラーを含んでもよい。同種の非導電性フィラーとは、少なくとも共通の構成材料を有していればよく、粒子径、比表面積、表面処理剤、又はその添加量が異なっていてもよい。
なお、絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、互いに異なるシランカップリング剤をさらに含んでもよい。
シリカ粒子(C)としては、特に限定されないが、例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ等が用いられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリカ粒子(C)は、例えば、BET法による比表面積が例えば50〜400m/gであるのが好ましく、100〜400m/gであるのがより好ましい。また、シリカ粒子(C)の平均一次粒径は、例えば1〜100nmであるのが好ましく、5〜20nm程度であるのがより好ましい。
シリカ粒子(C)として、かかる比表面積および平均粒径の範囲内であるものを用いることにより、形成されるシリコーンゴムの硬さや機械的強度の向上、特に引張強度の向上をさせることができる。
<<シランカップリング剤(D)>>
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、シランカップリング剤(D)を含むことができる。
シランカップリング剤(D)は、加水分解性基を有することができる。加水分解基が水により加水分解されて水酸基になり、この水酸基がシリカ粒子(C)表面の水酸基と脱水縮合反応することで、シリカ粒子(C)の表面改質を行うことができる。
絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、同種のシランカップリング剤を含んでもよい。同種のシランカップリング剤とは、少なくとも共通の官能基を有していればよく、分子中の他の官能基や添加量が異なっていてもよい。
なお、絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、互いに異なるシランカップリング剤をさらに含んでもよい。
また、このシランカップリング剤(D)は、疎水性基を有するシランカップリング剤を含むことができる。これにより、シリカ粒子(C)の表面にこの疎水性基が付与されるため、シリコーンゴム系硬化性組成物中ひいてはシリコーンゴム中において、シリカ粒子(C)の凝集力が低下(シラノール基による水素結合による凝集が少なくなる)し、その結果、シリコーンゴム系硬化性組成物中のシリカ粒子(C)の分散性が向上すると推測される。これにより、シリカ粒子(C)とゴムマトリックスとの界面が増加し、シリカ粒子(C)の補強効果が増大する。さらに、ゴムのマトリックス変形の際、マトリックス内でのシリカ粒子(C)の滑り性が向上すると推測される。そして、シリカ粒子(C)の分散性の向上及び滑り性の向上によって、シリカ粒子(C)によるシリコーンゴムの機械的強度(例えば、引張強度や引裂強度など)が向上する。
さらに、シランカップリング剤(D)は、ビニル基を有するシランカップリング剤を含むことができる。これにより、シリカ粒子(C)の表面にビニル基が導入される。そのため、シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化の際、すなわち、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)が有するビニル基と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)が有するヒドリド基とがヒドロシリル化反応して、これらによるネットワーク(架橋構造)が形成される際に、シリカ粒子(C)が有するビニル基も、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)が有するヒドリド基とのヒドロシリル化反応に関与するため、ネットワーク中にシリカ粒子(C)も取り込まれるようになる。これにより、形成されるシリコーンゴムの低硬度化および高モジュラス化を図ることができる。
シランカップリング剤(D)としては、疎水性基を有するシランカップリング剤およびビニル基を有するシランカップリング剤を併用することができる。
シランカップリング剤(D)としては、例えば、下記式(4)で表わされるものが挙げられる。
−Si−(X)4−n・・・(4)
上記式(4)中、nは1〜3の整数を表わす。Yは、疎水性基、親水性基またはビニル基を有するもののうちのいずれかの官能基を表わし、nが1の時は疎水性基であり、nが2または3の時はその少なくとも1つが疎水性基である。Xは、加水分解性基を表わす。
疎水性基は、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基等が挙げられ、中でも、特に、メチル基が好ましい。
また、親水性基は、例えば、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基またはカルボニル基等が挙げられ、中でも、特に、水酸基が好ましい。なお、親水性基は、官能基として含まれていてもよいが、シランカップリング剤(D)に疎水性を付与するという観点からは含まれていないのが好ましい。
さらに、加水分解性基は、メトキシ基、エトキシ基のようなアルコキシ基、クロロ基またはシラザン基等が挙げられ、中でも、シリカ粒子(C)との反応性が高いことから、シラザン基が好ましい。なお、加水分解性基としてシラザン基を有するものは、その構造上の特性から、上記式(4)中の(Y−Si−)の構造を2つ有するものとなる。
上記式(4)で表されるシランカップリング剤(D)の具体例は、次の通りである。
上記官能基として疎水性基を有するものとして、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシランのようなアルコキシシラン;メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシランのようなクロロシラン;ヘキサメチルジシラザンが挙げられる。この中でも、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、及びトリメチルエトキシシランからなる群から選択される一種以上を含むトリメチルシリル基を有するシランカップリング剤が好ましい。
上記官能基としてビニル基を有するものとして、例えば、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシランのようなアルコキシシラン;ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシランのようなクロロシラン;ジビニルテトラメチルジシラザンが挙げられる。この中でも、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ジビニルテトラメチルジシラザン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、及びビニルメチルジメトキシシランからなる群から選択される一種以上を含むビニル基含有オルガノシリル基を有するシランカップリング剤が好ましい。
またシランカップリング剤(D)がトリメチルシリル基を有するシランカップリング剤およびビニル基含有オルガノシリル基を有するシランカップリング剤の2種を含む場合、疎水性基を有するものとしてはヘキサメチルジシラザン、ビニル基を有するものとしてはジビニルテトラメチルジシラザンを含むことが好ましい。
トリメチルシリル基を有するシランカップリング剤(D1)およびビニル基含有オルガノシリル基を有するシランカップリング剤(D2)を併用する場合、(D1)と(D2)の比率は、特に限定されないが、例えば、重量比で(D1):(D2)が、1:0.001〜1:0.35、好ましくは1:0.01〜1:0.20、より好ましくは1:0.03〜1:0.15である。このような数値範囲とすることにより、所望のシリコーンゴムの物性を得ることができる。具体的には、ゴム中におけるシリカの分散性およびゴムの架橋性のバランスを図ることができる。
本実施形態において、シランカップリング剤(D)の含有量の下限値は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)の合計量100重量部に対して、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましい。また、シランカップリング剤(D)の含有量上限値は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)の合計量100重量部に対して、100質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下であることがさらに好ましい。
シランカップリング剤(D)の含有量を上記下限値以上とすることにより、エラストマーを含む柱状部と導電性樹脂層との密着性を高めることができる。また、シリコーンゴムの機械的強度の向上に資することができる。また、シランカップリング剤(D)の含有量を上記上限値以下とすることにより、シリコーンゴムが適度な機械特性を持つことができる。
<<白金または白金化合物(E)>>
本実施形態に係るシリコーンゴム系硬化性組成物は、触媒を含んでもよい。触媒は、白金または白金化合物(E)を含むことができる。白金または白金化合物(E)は、硬化の際の触媒として作用する触媒成分である。白金または白金化合物(E)の添加量は触媒量である。
絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、同種の触媒を含んでもよい。同種の触媒とは、少なくとも共通の構成材料を有していればよく、触媒中に異なる組成が含まれていてもよく、その添加量が異なっていてもよい。
なお、絶縁性シリコーンゴム系硬化性組成物および導電性シリコーンゴム系硬化性組成物は、互いに異なる触媒をさらに含んでもよい。
白金または白金化合物(E)としては、公知のものを使用することができ、例えば、白金黒、白金をシリカやカーボンブラック等に担持させたもの、塩化白金酸または塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とオレフィンの錯塩、塩化白金酸とビニルシロキサンとの錯塩等が挙げられる。
なお、白金または白金化合物(E)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態において、シリコーンゴム系硬化性組成物中における白金または白金化合物(E)の含有量は、触媒量を意味し、適宜設定することができるが、具体的にはビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)、シリカ粒子(C)、シランカップリング剤(D)の合計量100重量部に対して、白金族金属が重量単位で0.01〜1000ppmとなる量であり、好ましくは、0.1〜500ppmとなる量である。
白金または白金化合物(E)の含有量を上記下限値以上とすることにより、シリコーンゴム系硬化性組成物が適切な速度で硬化することが可能となる。また、白金または白金化合物(E)の含有量を上記上限値以下とすることにより、製造コストの削減に資することができる。
<<水(F)>>
また、本実施形態に係るシリコーンゴム系硬化性組成物には、上記成分(A)〜(E)以外に、水(F)が含まれていてもよい。
水(F)は、シリコーンゴム系硬化性組成物に含まれる各成分を分散させる分散媒として機能するとともに、シリカ粒子(C)とシランカップリング剤(D)との反応に寄与する成分である。そのため、シリコーンゴム中において、シリカ粒子(C)とシランカップリング剤(D)とを、より確実に互いに連結したものとすることができ、全体として均一な特性を発揮することができる。
(その他の成分)
さらに、本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、上記(A)〜(F)成分以外に、他の成分をさらに含むことができる。この他の成分としては、例えば、珪藻土、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、ガラスウール、マイカ等のシリカ粒子(C)以外の無機充填材、反応阻害剤、分散剤、顔料、染料、帯電防止剤、酸化防止剤、難燃剤、熱伝導性向上剤等の添加剤が挙げられる。
本実施形態に係る導電性溶液(導電性シリコーンゴム組成物)は、導電性フィラーを含まない上記シリコーンゴム系硬化性組成物に加えて、上記導電性フィラーおよび溶剤を含むものである。
上記溶剤としては、公知の各種溶剤を用いることができるが、例えば、高沸点溶剤を含むことができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記溶剤の一例としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカンなどの脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、トリフルオロメチルベンゼン、ベンゾトリフルオリドなどの芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタンなどのハロアルカン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのカルボン酸アミド類;ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド類などを例示することができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記導電性溶液は、溶液中の固形分量などを調整することで、スプレー塗布やディップ塗布等の各種の塗布方法に適切な粘度を備えることができる。
また、上記導電性溶液が上記導電性フィラーおよび上記シリカ粒子(C)を含む場合、電極13が含むシリカ粒子(C)の含有量の下限値は、シリカ粒子(C)および導電性フィラーの合計量100質量%に対して、例えば、1質量%以上であり、好ましくは3質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上とすることができる。これにより、電極13の機械的強度を向上させることができる。一方で、上記電極13が含むシリカ粒子(C)の含有量の上限値は、シリカ粒子(C)および導電性フィラーの合計量100質量%に対して、例えば、20質量%以下であり、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下である。これにより、電極13における導電性と機械的強度や柔軟性とのバランスを図ることができる。
導電性溶液を必要に応じて加熱乾燥することで、導電性シリコーンゴムが得られる。
導電性シリコーンゴムは、シリコーンオイルを含まない構成であってもよい。これにより、電極13の表面にシリコーンオイルがブリードアウトすることで導通性が低下することを抑制できる。
これにより、頭部99への良好な追従性と所望の強度の両立を実現できる。また、脳波検出用電極10を装着した際の突起部12による不快感の発生を回避できる。その結果、安定した脳波検出が可能となる。なお、脳波検出用電極10を装着する被験者の特性に応じて、例えば「大人」であるか「子供」であるか、頭皮が敏感であるかないか、頭髪が硬いか柔らかいか等に応じて、ゴム硬度Aが選択されてもよい。
バンド部材11をシリコーンゴムで成形する際に、シリコーンゴム系硬化性組成物等の硬化性エラストマー組成物を金型成形することで、バンド部材11と複数の突起部12とをシームレスで結合した成形体が得られる。これにより、柔軟性(すなわち頭部99に追従可能な可撓性)と強度に優れて、頭部99に良好に追従する脳波検出用電極10を実現できる。なお、シリコーンゴム系硬化性組成物中に含まれる各成分の種類や配合量、シリコーンゴム系硬化性組成物の調製方法等を適切に選択することにより、ゴム硬度Aすなわち柔軟性を制御できる。
<脳波検出用電極10の製造方法>
本実施形態の脳波検出用電極10の製造方法の一例は次の工程を含むことができる。
まず、金型を用いて、上記シリコーンゴム系硬化性組成物を加熱加圧成形し、バンド部材11および突起部12からなる成形体を得る。続いて、得られた成形体の各突起部12の内部に、縫い針を用いて、信号線14を通した。その後得られた成形体の突起部12の先端部分の表面(所定高さh2)に、ペースト状の導電性溶液をディップ塗布し、加熱乾燥後、ポストキュアを行う。これにより、突起部12の表面に電極13を形成できる。
以上により、脳波検出用電極10を製造することができる。
なお、上記成形工程時において、信号線14を配置した成形空間内に、上記シリコーンゴム系硬化性組成物を導入し、加圧加熱成形するインサート成形を用いてもよい。
<実施形態の効果>
実施形態の特徴および効果をまとめると次の通りである。
(1)脳波検出用電極10は、人間の頭部99の形状に追随して装着されるゴム状の弾性体のバンド部材11と、
バンド部材11の一面に、バンド部材11と一体に設けられた、複数の弾性体の突起部12と、
を有し、
突起部12の少なくとも先端部が、導電部材からなる電極13を構成している。
バンド部材11がゴム状の弾性体であることから、人の頭部99の形状に追従する。その結果、人の頭部99の形状によらず、脳波検出用電極10の装着が可能となる。また、複数の突起部12のバンド部材11の全体に配置することで、装着時の圧力を分散させることができる。さらに、装着した際に、頭部99の形状に追従する柔軟性を有することから、特定の突起部12(電極13)に圧力が集中することがなく、人に不快を感じさせることを回避できる。換言すると、不快に感じることで測定結果に影響を及ぼすことを回避できる。また、バンド部材11が弾性体であり可撓性を有するため、突起部12の電極13が、頭部99に適切な向きで、かつ適切な圧力で当接する。この観点でも、脳波検出を安定化できる。
(2)隣接する突起部12同士は1mm以上20mm以下のピッチPで構成されている。
このようなピッチPとすることで、頭部99への追従を良好にでき、頭部99への違和感を一層排除できる。
(3)導電部材(電極13)は良導電性金属を含むペーストからなる。すなわち、電極13の材料をペーストとすることで、突起部12の先端部分へ電極13を安定的に形成できる。また、上述のようにペースト状の導電性溶液にディップ(浸漬塗布)することで形成できるため、電極13を形成する厚さや範囲(所定高さh2)の制御が容易である。
(4)良導電性金属は、銅、銀、金、ニッケル、錫、鉛、亜鉛、ビスマス、アンチモン、或いはこれらの合金からなる群から選択される一種以上を含む。
これらの良導電性金属を選択することで、電極13の製造が容易になり、製造品質を安定させることができる。特に、脳波検出用電極10の電極13には、銀、塩化銀を含む良導電性金属のペーストが好適である。
(5)バンド部材11はシリコーンゴムである。
シリコーンゴムは、弾性の程度(柔軟性)や可撓性、耐久性(耐候性、耐薬品性)の観点から非常にバランスがとれており、かつ製造が容易でコストを抑えられる。すなわち、良好な装着性を実現しつつ耐用期限を大きくでき、また、使用毎の洗浄にも耐えることができ、清潔な状態で脳波検出用電極10を頭部99に装着できる。
(6)突起部12は一列に配置されている。
突起部12を一列に配置することで、頭部99へ適切に追従させ、突起部12(電極13)を安定して頭部99に当接させることができる。
≪第2の実施形態≫
<実施形態の構成>
図8に本実施形態の脳波検出用電極10Aの平面図を示す。第1の実施形態と異なる点は、主に、突起部12の配置にある。すなわち、第1の実施形態では、複数の突起部12が一列に同じ向きで配列していた。
一方、本実施形態では、複数の突起部12が二列に並んでいる。すなわち、第1の実施形態の突起部12の並びをもう一列追加した構成といえる。換言すると、複数の突起部12が格子状(正格子状)に配置されている。
<実施形態の効果>
本実施形態の脳波検出用電極10Aでは、複数の突起部12が格子状(正格子状)に配置されている。これによって、第1の実施形態の効果を実現できるとともに、脳波検出にとって好適な突起部12(すなわち電極13)の配置が可能となる。すなわち、安定した脳波検出を実現できる。
≪第3の実施形態≫
<実施形態の構成>
図9に本実施形態の脳波検出用電極10Bの平面図を示す。第1の実施形態と異なる点は、主に、突起部12の配置にある。すなわち、第1の実施形態では、複数の突起部12が一列に同じ向きで配列していた。
一方、本実施形態では、複数の突起部12が二列に並んでいる。ただし、第2の実施形態の脳波検出用電極10Aと異なり、突起部12の並びが互い違いになっている。換言すると、複数の突起部12が千鳥格子状に配置されている。
<実施形態の効果>
本実施形態の脳波検出用電極10Bでは、複数の突起部12が千鳥格子状に配置されている。これによって、第1の実施形態の効果を実現できるとともに、脳波検出にとって好適な突起部12(すなわち電極13)の配置が可能となる。すなわち、安定した脳波検出を実現できる。
≪第4の実施形態≫
<実施形態の構成>
図10に本実施形態の脳波検出用電極10Cの平面図を示す。本実施形態の特徴は、複数の突起部12が二列に並んでおり、前側の列(+Y側列)の突起部12の数(密度)が少なくなっている点にある。具体的には、図示で後側の列(−Y側列)の突起部12は、所定の第1のピッチPc1で配置されている。また、奥側の列(+Y側)の突起部12は、所定の第2のピッチPc2(例えば第1のピッチPc1の2倍)で配置されている。言い換えると、複数の突起部12が互い違いかつ密度違いに配置されているとも言える。
<実施形態の効果>
本実施形態の脳波検出用電極10Cでは、複数の突起部12が互い違いかつ密度違いに配置されている。これによって、第1の実施形態の効果を実現できるとともに、脳波検出にとって好適な突起部12(すなわち電極13)の配置が可能となる。すなわち、安定した脳波検出を実現できる。具体的には、人の頭部99は、共通する一定の形状を有する。また、脳波検出用電極10が装着され頭部99の位置、装着する際に触れる頭部99の位置の形状に一定の特徴がある。脳波検出用電極10Cによれば、そのような特徴に対しても良好に追従することができる。
≪第5の実施形態≫
<実施形態の構成>
図11に本実施形態の脳波検出用電極10Dの平面図を示す。本実施形態の脳波検出用電極10Dでは、複数の突起部12が一列に配置されている点では第1の実施形態と同じであるが、突起部12の向きが異なる。これにより毛髪の流れに適切に対応させる。
具体的には、図示で左側半分(左側の8個)の突起部12の向きが右向き(すなわちバンド部材11の長手方向中央向き)であり、図示で右側半分(右側の8個)の突起部12の向きが左向き(すなわちバンド部材11の長手方向中央向き)である。言い換えると、脳波検出用電極10を頭部99に装着したときに、それぞれの突起部12は、頭部99の頂部を向いていると言える。
<実施形態の効果>
本実施形態の脳波検出用電極10Dでは、上述のように脳波検出用電極10を頭部99に装着したときに、それぞれの突起部12は、頭部99の頂部を向いている。したがって、頭部99の毛髪の流れや量に対して適切に追従して脳波検出用電極10を装着することができる。特に、バンド部材11を平らな状態から湾曲させて状態で装着する場合に、突起部12のなだらかな辺から頭部99に接することになるため、不快感を与えることを回避できる。
≪第6の実施形態≫
<実施形態の構成>
図12に本実施形態の脳波検出用電極10Eの平面図を示す。本実施形態の脳波検出用電極10Eでは、複数の突起部12が一列に配置されている点では第1、5の実施形態と同じであるが、突起部12の向きが異なる。これにより毛髪の流れに適切に対応させる。
具体的には、図示で左側半分(左側の8個)の突起部12の向きが左向き(すなわちバンド部材11の長手方向の左端部側向き)であり、図示で右側半分(右側の8個)の突起部12の向きが右向き(すなわちバンド部材11の長手方向の右端部側向き)である。言い換えると、脳波検出用電極10を頭部99に装着したときに、それぞれの突起部12は、頭部99の頂部から下側(耳の位置側)に向いていると言える。
<実施形態の効果>
本実施形態の脳波検出用電極10Eでは、上述のように脳波検出用電極10を頭部99に装着したときに、それぞれの突起部12は、頭部99の頂部から下側を向いている。したがって、頭部99の毛髪の流れや量に対して適切に追従して脳波検出用電極10を装着することができる。特に、バンド部材11をバンド内面11aにある程度湾曲させた状態で装着する場合に、突起部12のなだらかな辺から頭部99に接することになるため、不快感を与えることを回避できる。
≪第7の実施形態≫
<実施形態の構成>
図13に本実施形態の脳波検出用電極10Fの平面図を示す。本実施形態の脳波検出用電極10Fでは、第5の実施形態の脳波検出用電極10Dにおける突起部12の配置に、さらに、バンド部材11の長手方向中央において、互いに向きを対向させた二つの突起部12を追加して設けている。
具体的には、追加した二つの対向する突起部12について、図示で前側(+Y側)の突起部12は後向き(−Y方向)であり、図示で後側(−Y側)の突起部12は前向き(+Y方向)である。すなわち、上面視でバンド部材11(バンド内面11a)の中心(長手方向及び短手方向の各中央)に向いた二つの対向する突起部12が設けられている。
<実施形態の効果>
本実施形態の脳波検出用電極10Fでは、第5の実施形態の脳波検出用電極10Dと同様の効果が得られる。さらに、上述の二つの対向する突起部12を追加したことで、脳波検出用電極10の頭部99への装着を安定させることができる。
≪第8の実施形態≫
<実施形態の構成>
図14に本実施形態の脳波検出用電極10Gの平面図を示す。本実施形態の脳波検出用電極10Gでは、第6の実施形態の脳波検出用電極10Eにおける突起部12の配置に、さらに、バンド部材11の長手方向中央において、互いに向きを背向させた二つの突起部12を追加して設けている。
具体的には、追加した二つの背向する突起部12について、図示で前側(+Y側)の突起部12は前向き(+Y方向)であり、図示で後側(−Y側)の突起部12は後向き(−Y方向)である。すなわち、上面視でバンド部材11(バンド内面11a)の中心(長手方向及び短手方向の各中央)で二つの背向した突起部12が設けられている。
<実施形態の効果>
本実施形態の脳波検出用電極10Gでは、第6の実施形態の脳波検出用電極10Eと同様の効果が得られる。さらに、上述の二つの背向する突起部12を追加したことで、脳波検出用電極10の頭部99への装着性、特に突起部12が毛髪を分け入って安定させる機能を向上させることができる。
≪第9の実施形態≫
本実施形態の脳波検出用電極10Hでは、第5の実施形態の脳波検出用電極10Dにおける複数の突起部12の列を前後2列としたものである。言い換えると第2の実施形態と第5の実施形態の特徴をあわせたものともも言える。
具体的には、前後のそれぞれの列において、図示で左側半分(左側の各列8個)の突起部12の向きが右向き(すなわちバンド部材11の長手方向中央向き)であり、図示で右側半分(右側の各列8個)の突起部12の向きが左向き(すなわちバンド部材11の長手方向中央向き)である。
<実施形態の効果>
本実施形態の脳波検出用電極10Hでは、第5の実施形態の脳波検出用電極10Dと同様の効果が得られる。さらに、複数の突起部12の配置を手前及び奥の2列としたことで、第2の実施形態の脳波検出用電極10Bと同様の効果、すなわち、脳波検出にとって好適な突起部12(すなわち電極13)の配置が可能となり、安定した脳波検出を実現できる。
≪第10の実施形態≫
本実施形態の脳波検出用電極10Iでは、第6の実施形態の脳波検出用電極10Eにおける複数の突起部12の列を前後2列としたものである。言い換えると第2の実施形態と第6の実施形態の特徴をあわせたものとも言える。
具体的には、前後のそれぞれの列において、図示で左側半分(左側の各列8個)の突起部12の向きが左向き(すなわちバンド部材11の長手方向の左端部側向き)であり、図示で右側半分(右側の各列8個)の突起部12の向きが右向き(すなわちバンド部材11の長手方向の右端部側向き)である。
<実施形態の効果>
本実施形態の脳波検出用電極10Iでは、第5の実施形態の脳波検出用電極10Eと同様の効果が得られる。さらに、複数の突起部12の配置を手前及び奥の2列としたことで、第2の実施形態の脳波検出用電極10Bと同様の効果、すなわち、脳波検出にとって好適な突起部12(すなわち電極13)の配置が可能となり、安定した脳波検出を実現できる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。例えば、突起部12の形状として、三角錐を例示したが、円錐や四角錐などの他の錐体や、錐体の頂部を取り除いた截頭錐体であってもよい。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。以下の実施例では、装着可能性および装着時の違和感について評価を行った。被験者の属性及び評価結果を表1に示す。
<装置構成及び被験者>
<脳波検出用電極の構成>
(1)実施例の構成として、実施形態で説明したバンド部材11と突起部12とがシリコーンゴムで一体に形成された脳波検出用電極10を用いた。突起部12の配置は図3及び図4と同等の一列の配置とした。バンド部材11と突起部12(電極13)の具体的仕様は次の通りで、高さh1、ピッチP、厚さt、幅L2は、図3及び図4で示したものに対応する。被験者は、同じ脳波検出用電極10を用いた。
バンド部材11
厚さt: 3mm
幅L2: 25mm
材質:シリコーンゴム
ゴム硬度:35
電極13(突起部12)
高さh1: 7mm
ピッチp: 5.5mm
(2)比較例では、湾曲した硬質のバンド部材にシリコーンゴム製の電極部(5ch)が取り付けられた脳波検出用電極を用いた。各電極部は、円柱状の基部から複数の電極突起が延出した構成であった。各電極部は、バンド部材から所定の突き出し量だけ内側に突き出した構成であった。具体的な仕様は次の通りである。被験者は、同じ脳波検出用電極を用いた。
バンド部材
直径: 120mm
厚み: 3mm
幅 : 25mm
材質: ポリアミド樹脂
電極部
突き出し量: 10mm
材質: シリコーンゴム
ゴム硬度: 35
ch位置: T3、C3、Cz、C4、T4(国際10−20電極配置法)
<脳波検出用電極の原料成分及び作製方法>
実施例のバンド部材11及び突起部12(電極13)と比較例の電極部に使用したシリコーンゴムの原料成分及び作製方法を以下に示す。
表1に示す原料成分は以下の通りである。
(ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A))
(A1−1):第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン:ビニル基含有量は0.04モル%、Mn=2,2×10、Mw=4,8×10)、下記の合成スキーム1により合成したビニル基含有ジメチルポリシロキサン(上記式(1−1)で表わされる構造)
(A1−2):第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン:ビニル基含有量は0.93モル%、下記の合成スキーム2により合成したビニル基含有ジメチルポリシロキサン(上記式(1−1)で表わされる構造でRおよびRがビニル基である構造)
(オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B))
(B):オルガノハイドロジェンポリシロキサン:モメンティブ社製、「TC−25D」
(シリカ粒子(C))
(C):シリカ微粒子(粒径7nm、比表面積300m/g)、日本アエロジル社製、「AEROSIL300」
(シランカップリング剤(D))
(D−1):ヘキサメチルジシラザン(HMDZ)、Gelest社製、「HEXAMETHYLDISILAZANE(SIH6110.1)」
(D−2):ジビニルテトラメチルジシラザン、Gelest社製、「1,3−DIVINYLTETRAMETHYLDISILAZANE(SID4612.0)」
(白金または白金化合物(E))
(E):白金または白金化合物:モメンティブ社製、「TC−25A」
(水(F))
(F):純水
(金属粉(G))
(G1):銀粉、徳力化学研究所社製、商品名「TC−101」、メジアン径d50:8.0μm、アスペクト比16.4、平均長径4.6μm
(ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)の合成)
[合成スキーム1:第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1)の合成]
下記式(5)にしたがって、第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1)を合成した。
すなわち、Arガス置換した、冷却管および攪拌翼を有する300mLセパラブルフラスコに、オクタメチルシクロテトラシロキサン74.7g(252mmol)、カリウムシリコネート0.1gを入れ、昇温し、120℃で30分間攪拌した。なお、この際、粘度の上昇が確認できた。
その後、155℃まで昇温し、3時間攪拌を続けた。そして、3時間後、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン0.1g(0.6mmol)を添加し、さらに、155℃で4時間攪拌した。
さらに、4時間後、トルエン250mLで希釈した後、水で3回洗浄した。洗浄後の有機層をメタノール1.5Lで数回洗浄することで、再沈精製し、オリゴマーとポリマーを分離した。得られたポリマーを60℃で一晩減圧乾燥し、第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1)を得た(Mn=2,2×10、Mw=4,8×10)。また、H−NMRスペクトル測定により算出したビニル基含有量は0.04モル%であった。
Figure 2021124795
[合成スキーム2:第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−2)の合成]
上記(A1−1)の合成工程において、オクタメチルシクロテトラシロキサン74.7g(252mmol)に加えて2,4,6,8−テトラメチル2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン0.86g(2.5mmol)を用いたこと以外は、(A1−1)の合成工程と同様にすることで、下記式(6)のように、第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−2)を合成した。また、H−NMRスペクトル測定により算出したビニル基含有量は0.93モル%であった。
Figure 2021124795
<シリコーンゴム系硬化性組成物の調製>
次のようにしてシリコーンゴム系硬化性組成物を調製した。
まず、下記の表1に示す割合で、90%のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)、シランカップリング剤(D)および水(F)の混合物を予め混練し、その後、混合物にシリカ粒子(C)を加えてさらに混練し、混練物(シリコーンゴムコンパウンド)を得た。
ここで、シリカ粒子(C)添加後の混練は、カップリング反応のために窒素雰囲気下、60〜90℃の条件下で1時間混練する第1ステップと、副生成物(アンモニア)の除去のために減圧雰囲気下、160〜180℃の条件下で2時間混練する第2ステップとを経ることで行い、その後、冷却し、残り10%のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)を2回に分けて添加し、20分間混練した。
続いて、下記の表1に示す割合で、得られた混練物(シリコーンゴムコンパウンド)100重量部に、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)、白金または白金化合物(E)を加えて、ロールで混練し、シリコーンゴム系硬化性組成物A(エラストマー組成物)を得た。
Figure 2021124795
<ディップコート用の導電性溶液の調製>
得られた13.7重量部のシリコーンゴム系硬化性組成物Aを、31.8重量部のデカン(溶剤)に浸漬し、続いて自転・公転ミキサーで撹拌し、54.5重量部の金属粉(G1)を加えた後に三本ロールで混練することで、導電性ペースト(ディップコート用の導電性溶液)を得た。
<実施例のバンド部材11及び突起部12(電極13)と比較例の電極部の作製>
実施例のバンド部材11及び突起部12(電極13)を次の方法で作成した。
上記で得られたシリコーンゴム系硬化性組成物Aを、バンド部材11および三角錐の突起部12の成形空間(凹部)を複数有する金型を用いて、180℃、10MPaで10分間加熱して、硬化させ、それぞれの凹部内に、バンド部材11と突起部12とが一体化した成形体を得た(成形工程)。
得られた成形体の突起部12の内部に、縫い針を用いて、導電線A(ミツフジ社製、AGposs、太さ:100d/34f、引張破断伸度:29.3%)を通した(導電線挿入工程)。
続いて、成形体の突起部12の先端部の表面(所定高さh2)を、上記の<ディップコート用の導電性溶液>にディップし、120℃、30分間で加熱乾燥した(先端被覆工程)。
その後、140℃、2時間のポストキュアを行った(アニール工程)。
以上により、図1に示す、バンド部材11上に三角錐の突起部12を複数有する脳波検出用電極10を得た。
比較例の電極部についても、シリコーンゴム系硬化性組成物Aを用いて同様の工程を経て作製した。
<被験者の属性および評価>
表2に被験者の属性及び評価結果を示す。
<被験者>
評価は5名の被験者で行った。被験者の属性は表2の通りであり、年齢は20歳代〜50歳代、身長は160cm〜178cmであった。
<評価方法>
<<装着可否>>
複数の被験者に実施例の脳波検出用電極10及び比較例の脳波検出用電極を装着させ、国際10−20電極配置法に則った電極位置T3、C3、Cz、C4、T4(実施例の場合は、上記の5chの電極位置に相当する部位)の5chの電極が頭皮に接触しているか否かを判断した。接触している場合が「○」、接触していない場合が「×」である。
<<装着時違和感>>
複数の被験者に実施例の脳波検出用電極10及び比較例の脳波検出用電極を装着させ、下記の評価尺度(1〜4)で装着時快適性を評価した。
評価尺度
1:接触感はあるが、気にならない
2:痛みは感じないが、違和感がある
3:痛みを感じるが、短時間なら耐えられる
4:痛みを感じ、短時間でも耐えられない
<評価結果>
実施例では、装着可否について装着可能性:100%であり、かつ装着快適性平均:1で5名全員が「接触感はあるが、気にならない」と評価した。
比較例では、装着可否について装着可能性:40%(5名中2名のみ可)であり、装着快適性平均:2.1であった。具体的には、「4:痛みを感じ、短時間でも耐えられない」とした被験者はいなかったが、評価尺度2〜3が4名であった。このように、比較例の脳波検出用電極500では不特定の被験者に対応させるためには複数のサイズの脳波検出用電極10を容易する必要なことが明確となった。実施例(実施形態)の脳波検出用電極10では、一つのサイズの脳波検出用電極10で多様なタイプの被験者に対応できることが確認できた。
Figure 2021124795
この出願は、2019年12月16日に出願された日本出願特願2019−226175号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
1 脳波検出システム
10、10A、10B、10C、10D、10E、10F、10G、10H、10I 脳波検出用電極
11 バンド部材
11a バンド内面
12 突起部
13 電極
14 信号線
20 脳波表示装置

Claims (9)

  1. 人間の頭部の形状に追随して装着されるゴム状の弾性体のバンド部材と、
    前記バンド部材の一面に、前記バンド部材と一体に設けられた、複数の弾性体の突起部と、
    を有し、
    前記突起部の少なくとも先端部が、導電部材からなる電極を構成している、
    脳波検出用電極。
  2. 隣接する突起部同士は1mm以上20mm以下のピッチで構成されている、請求項1に記載の脳波検出用電極。
  3. 前記導電部材は良導電性金属を含むペーストからなる、請求項1または2に記載の脳波検出用電極。
  4. 前記良導電性金属は、銅、銀、金、ニッケル、錫、鉛、亜鉛、ビスマス、アンチモン、或いはこれらの合金からなる群から選択される一種以上を含む、請求項3に記載の脳波検出用電極。
  5. 前記バンド部材はシリコーンゴムからなる、請求項1から4までのいずれか一項に記載の脳波検出用電極。
  6. 前記突起部は一列に配置されている、請求項1から5までのいずれか一項に記載の脳波検出用電極。
  7. 前記突起部は格子状に配置されている、請求項1から5までのいずれか一項に記載の脳波検出用電極。
  8. 前記電極は前記突起部の先端部の表面に設けられ、前記突起部の内部を通る信号線に接続されている、請求項1から7までのいずれか一項に記載の脳波検出用電極。
  9. 請求項1から8までのいずれか一項に記載の脳波検出用電極を備える、脳波検出システム。
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