JPWO2020213023A1 - 熱交換器及び空気調和機 - Google Patents

熱交換器及び空気調和機 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2020213023A1
JPWO2020213023A1 JP2021514666A JP2021514666A JPWO2020213023A1 JP WO2020213023 A1 JPWO2020213023 A1 JP WO2020213023A1 JP 2021514666 A JP2021514666 A JP 2021514666A JP 2021514666 A JP2021514666 A JP 2021514666A JP WO2020213023 A1 JPWO2020213023 A1 JP WO2020213023A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat transfer
transfer tube
heat exchanger
header
insertion hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2021514666A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7086278B2 (ja
Inventor
達郎 永山
智嗣 上山
満貞 早川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Publication of JPWO2020213023A1 publication Critical patent/JPWO2020213023A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7086278B2 publication Critical patent/JP7086278B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K1/00Soldering, e.g. brazing, or unsoldering
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B39/00Evaporators; Condensers
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F1/00Tubular elements; Assemblies of tubular elements
    • F28F1/02Tubular elements of cross-section which is non-circular
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F9/00Casings; Header boxes; Auxiliary supports for elements; Auxiliary members within casings
    • F28F9/02Header boxes; End plates
    • F28F9/04Arrangements for sealing elements into header boxes or end plates
    • F28F9/16Arrangements for sealing elements into header boxes or end plates by permanent joints, e.g. by rolling

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Geometry (AREA)
  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)
  • Details Of Heat-Exchange And Heat-Transfer (AREA)

Abstract

熱交換器は、冷媒が流れる伝熱管と、前記伝熱管の端部が挿入された挿入孔が形成され、前記伝熱管に流入する冷媒及び前記伝熱管から流出する冷媒のうちの少なくとも一方が流れるヘッダと、前記伝熱管の外周部に取り付けられたフィンと、を備え、前記伝熱管と前記ヘッダとがロウ付けにより接合され、前記伝熱管と前記フィンとがロウ付けにより接合された熱交換器であって、前記伝熱管には、前記ヘッダと前記フィンとの間となる位置に、前記ヘッダから前記フィンに向かって延びる少なくとも1つの溝が形成されている。

Description

本発明は、耐食性の向上を図った熱交換器、及び該熱交換器が用いられた空気調和機に関する。
熱交換器は、例えば、空気調和機の室外熱交換器及び室内熱交換器として用いられる。室外熱交換器は、屋外で使用されるため、水分が付着する。室内熱交換器は、室内で使用されるが、蒸発器として機能する際には結露によって水分が付着する。熱交換器に水分が付着し、金属材料で形成された熱交換器が腐食すると、冷媒漏れによって熱交換性能が低下する。このため、熱交換器には、防食対策が施されることが多い。防食対策としては、例えば、熱交換器の伝熱管の表面等に、該伝熱管よりも酸化還元電位が卑である材料が設けられる。また例えば、防食対策として、熱交換器の伝熱管に接触する材料には、伝熱管よりも酸化還元電位が卑である材料が用いられる。以下、伝熱管よりも酸化還元電位が卑である材料を、単に、酸化還元電位が卑である材料と称する。
伝熱管と、該伝熱管と接触する部品とは、ロウ付けにより接合される。伝熱管と接触する部品とは、例えば、ヘッダ及びフィン等である。ロウ付け時、溶けて液状となったロウ材は、伝熱管の表面を流れて広がっていく。この際、酸化還元電位が卑である材料によって伝熱管と接触する部品が形成されている場合には、酸化還元電位が卑である材料は、溶けたロウ材中に含まれて、伝熱管の表面に拡散していく。また、ロウ材には、該ロウ材を構成する材料として、酸化還元電位が卑である材料が含まれている場合もある。ロウ材を構成する酸化還元電位が卑である材料もまた、溶けたロウ材中に含まれて、伝熱管の表面に拡散していく。ロウ付け時に、伝熱管の表面に拡散した酸化還元電位が卑である材料は、伝熱管を防食する効果を有する。
伝熱管の表面に凹凸又は析出物がある場合等、伝熱管の表面には、溶けたロウ材が流れやすい場所及び溶けたロウ材が流れにくい場所が存在することがある。このような場合、伝熱管の表面では、ロウ材が流れやすい場所に酸化還元電位が卑である材料が多く拡散し、ロウ材が流れにくい場所には酸化還元電位が卑である材料があまり拡散しない状態となる。その結果、伝熱管の表面には、酸化還元電位が卑である材料の濃い部分と、酸化還元電位が卑である材料の薄い部分とができることになる。すなわち、伝熱管の表面において、酸化還元電位が卑である材料の分布ムラが生じてしまう。このような場合、酸化還元電位が卑である材料の濃い部分が腐食し易くなり、結局は伝熱管の耐食性を低下させる可能性がある。
このような課題を解決する方法として、伝熱管に、特許文献1に記載の構成を採用することが考えられる。特許文献1に記載の熱交換器は、扁平管である伝熱管と、該伝熱管とロウ付け接合されたヘッダとを備えている。具体的には、ヘッダの側面部には、伝熱管が挿入される挿入孔が形成されている。また、挿入孔に伝熱管が挿入され、挿入孔周縁において、伝熱管とヘッダとがロウ付け接合されている。そして、伝熱管の表面には、挿入孔への伝熱管の挿入方向と略垂直な方向に延びる溝が形成されている。特許文献1に記載の熱交換器においては、ロウ付け時に溶けたロウ材が伝熱管の表面を流れる際、溝まで流れてきたロウ材が溝に留まる。これにより、特許文献1に記載の熱交換器は、ロウ材の留まる場所の制御を図っている。
特開2016−217587号公報
特許文献1に記載の熱交換器は、ロウ付け時、伝熱管とヘッダとのロウ付け部から溝までの範囲において、溶けたロウ材の流れを制御できない。このため、特許文献1に記載の熱交換器は、伝熱管とヘッダとのロウ付け部から溝までの範囲において、依然として、酸化還元電位が卑である材料の濃い部分と、酸化還元電位が卑である材料の薄い部分とができることになる。したがって、従来の熱交換器は、伝熱管の表面において、酸化還元電位が卑である材料の分布ムラを抑制できないという課題があった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、ロウ付け時に伝熱管の表面において発生する酸化還元電位が卑である材料の分布ムラを従来よりも抑制できる熱交換器を得ることを第1の目的とする。また、本発明は、このような熱交換器を備えた空気調和機を得ることを第2の目的とする。
本発明に係る熱交換器は、冷媒が流れる伝熱管と、前記伝熱管の端部が挿入された挿入孔が形成され、前記伝熱管に流入する冷媒及び前記伝熱管から流出する冷媒のうちの少なくとも一方が流れるヘッダと、前記伝熱管の外周部に取り付けられたフィンと、を備え、前記伝熱管と前記ヘッダとがロウ付けにより接合され、前記伝熱管と前記フィンとがロウ付けにより接合された熱交換器であって、前記伝熱管には、前記ヘッダと前記フィンとの間となる位置に、前記ヘッダから前記フィンに向かって延びる少なくとも1つの溝が形成されている。
また、本発明に係る空気調和機は、圧縮機、室外熱交換器、膨張弁及び室内熱交換器を有する冷凍サイクル回路を備え、前記室外熱交換器及び前記室内熱交換器のうちの少なくとも一方に、本発明に係る熱交換器が用いられている。
本発明に係る熱交換器は、ロウ付け時、伝熱管に形成された溝によって、伝熱管表面での溶けたロウ材の流れを制御することができる。このため、本発明に係る熱交換器は、ロウ付け時に伝熱管の表面において発生する酸化還元電位が卑である材料の分布ムラを従来よりも抑制できる。
実施の形態1に係る空気調和機を示す図である。 実施の形態1に係る室外熱交換器を示す正面図である。 実施の形態1に係る室外熱交換器におけるヘッダと伝熱管との接合部近傍を示す縦断面図である。 実施の形態1に係る室外熱交換器におけるヘッダと伝熱管との接合部近傍を示す分解斜視図である。 実施の形態1に係る室外熱交換器の伝熱管の別の一例を示す斜視図である。 実施の形態2に係る室外熱交換器のヘッダの挿入孔近傍を示す図である。 実施の形態3に係る室外熱交換器のヘッダの挿入孔近傍を示す図である。
以下の各実施の形態において、図面を参照しながら、熱交換器の一例及び空気調和機の一例について説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る空気調和機を示す図である。
空気調和機1は、冷媒が循環する冷凍サイクル回路10を備えている。また、冷凍サイクル回路10は、圧縮機11、四方弁12、室外熱交換器20、膨張弁13、及び室内熱交換器14を備えている。すなわち、圧縮機11、四方弁12、室外熱交換器20、膨張弁13、及び室内熱交換器14が冷媒配管で接続されて、冷凍サイクル回路10が構成されている。冷凍サイクル回路10のこれらの構成要素は、室外機2又は室内機3に収納されている。本実施の形態1では、室外機2には、圧縮機11、四方弁12、室外熱交換器20及び膨張弁13が収納されている。室内機3には、室内熱交換器14が収納されている。
空気調和機1の基本的な動作について説明する。まず暖房運転の場合、圧縮機11により圧縮された気体状態の冷媒は、四方弁12を通って室内熱交換器14に流入する。室内熱交換器14に流入した気体状態の冷媒は、室内熱交換器14の周囲の空気と熱交換を行うことで気体状態から凝縮して液体状態となり、その際の熱交換により周囲の空気を暖めることとなる。室内熱交換器14で液体状態となった冷媒は、膨張弁13で膨張されて気液二相状態となり、室外熱交換器20に流入する。室外熱交換器20に流入した気液二相状態の冷媒は、室外熱交換器20の周囲の空気と熱交換を行うことで蒸発して気体状態となり、その際の熱交換により周囲の空気を冷やすこととなる。室外熱交換器20で気体状態となった冷媒は、圧縮機11に吸入されて圧縮される。
冷房運転の場合は、四方弁12を切り替えることで冷媒の流れが暖房運転の場合と逆となる。詳しくは、圧縮機11により圧縮された気体状態の冷媒は、四方弁12を通って室外熱交換器20に流入する。室外熱交換器20に流入した気体状態の冷媒は、室外熱交換器20の周囲の空気と熱交換を行うことで気体状態から凝縮して液体状態となり、その際の熱交管により周囲の空気を暖めることとなる。室外熱交換器20で液体状態となった冷媒は、膨張弁13で膨張されて気液二相状態となり、室内熱交換器14に流入する。室内熱交換器14に流入した気液二相状態の冷媒は、室内熱交換器14の周囲の空気と熱交換を行うことで蒸発して気体状態となり、その際の熱交換により周囲の空気を冷やすこととなる。室内熱交換器14で気体状態となった冷媒は、圧縮機11に吸入されて圧縮される。
なお、空気調和機1を冷房専用機又は暖房専用機とする場合、四方弁12を設ける必要はない。また、圧縮機11の圧縮方式及び運転方式は特に限定しないが、例えば容量制御可能なインバータ圧縮機を圧縮機11として用いることができる。
次に、室外熱交換器20についてより詳しく説明する。
図2は、実施の形態1に係る室外熱交換器を示す正面図である。図3は、実施の形態1に係る室外熱交換器におけるヘッダと伝熱管との接合部近傍を示す縦断面図である。図4は、実施の形態1に係る室外熱交換器におけるヘッダと伝熱管との接合部近傍を示す分解斜視図である。
室外熱交換器20は、伝熱管30、ヘッダ40及びフィン50を備えている。伝熱管30、ヘッダ40及びフィン50は、金属製である。
本実施の形態1では、伝熱管30として、扁平管を用いている。詳しくは、扁平管である伝熱管30の外周部は、平面部31、平面部31と平行な平面部32、及び、平面部31と平面部とを接続する一対の端部33を備えている。そして、扁平管である伝熱管30には、冷媒の流れる冷媒流路34が、複数形成されている。また、本実施の形態1では、伝熱管30が水平方向に延びるように、室外熱交換器20が設置される。また、本実施の形態1では、複数の伝熱管30を備えている。これら複数の伝熱管30は、上下方向に規定の間隔を空けて配置されている。各伝熱管30の管軸方向の端部は、後述のように、ヘッダ40の側面部に形成された挿入孔41に挿入されている。
なお、以下では、室外熱交換器20の各構成の方向を説明する際、挿入方向X、第1方向Y、及び第2方向Zを用いて説明する場合がある。挿入方向Xは、伝熱管30がヘッダ40の挿入孔41に挿入される方向である。本実施の形態1では、挿入方向Xは、水平方向となっている。第1方向Yは、挿入方向Xと垂直で、伝熱管30の平面部31と平行な方向である。本実施の形態1では、第1方向Yは、挿入方向Xに対して垂直な水平方向となっている。第2方向Zは、挿入方向Xと垂直で、第1方向Yと垂直な方向である。本実施の形態1では、第2方向Zは、垂直方向となっている。
ヘッダ40は、例えば円筒形状をしている。ヘッダ40は、伝熱管30に流入する冷媒及び伝熱管30から流出する冷媒のうちの少なくとも一方が流れるものである。ヘッダ40の側面部には、伝熱管30の端部が挿入される挿入孔41が形成されている。上述のように、本実施の形態1では、複数の伝熱管30が上下方向に規定の間隔を空けて配置されている。このため、ヘッダ40の側面部にも、上下方向に規定の間隔を空けて、複数の挿入孔41が形成されている。ヘッダ40と伝熱管30とは、ヘッダ40の挿入孔41に伝熱管30の端部が挿入された状態で、挿入孔41の周縁と伝熱管30の外周部とがロウ付け接合されている。なお、上述のように、本実施の形態1に係る室外熱交換器20は、一対のヘッダ40を備えている。以下では、これらのヘッダ40を区別して示したい場合、一方のヘッダ40をヘッダ40aと称し、他方のヘッダ40をヘッダ40bと称することとする。
ヘッダ40aには、配管42及び配管43が設けられている。配管42には、図1に示す冷媒配管15が接続される。冷媒配管15は、四方弁12と室外熱交換器20とを接続する冷媒配管である。また、配管43には、図1に示す冷媒配管16が接続される。冷媒配管16は、膨張弁13と室外熱交換器20とを接続する冷媒配管である。このため、本実施の形態1に係るヘッダ40aの内部は、冷媒配管15と連通する流路と、冷媒配管16と連通する流路と、に仕切られている。
そして、本実施の形態1に係る室外熱交換器20においては、冷媒配管15及び冷媒配管16のうちの一方からヘッダ40aに流入した冷媒は、複数の伝熱管30のうちの一部を流れた後、ヘッダ40bへ流入する。ヘッダ40bへ流入した冷媒は、複数の伝熱管30のうちの残りの一部を流れた後、ヘッダ40aを通り、冷媒配管15及び冷媒配管16のうちの他方へ流出する。すなわち、本実施の形態1に係る室外熱交換器20は、パラレルフロー型の熱交換器となっている。
本実施の形態1では、フィン50として、コルゲート型のフィンを用いている。フィン50は、上下方向に隣接する伝熱管30の間に配置され、これら伝熱管30の外周部に取り付けられている。フィン50と伝熱管30とは、フィン50と伝熱管30とが対向する箇所でロウ付け接合されている。例えば、フィン50は、端部が折り曲げられ、伝熱管30と対向するロウ付け部51が形成されている。フィン50の端部では、伝熱管30とロウ付け部51とがロウ付け接合されている。
伝熱管30又はヘッダ40に腐食によって孔が空くと、その孔から冷媒が漏れ、室外熱交換器20の熱交換性能が低下してしまう。ここで、一般的に、室外熱交換器には多くの伝熱管が設けられる。また、一般的に、伝熱管は、冷媒と周囲の空気とを熱交換させるため、ヘッダと比べて肉厚が薄い。このため、室外熱交換器20の熱交換性能の低下を抑制するためには、伝熱管30の腐食を抑制することが重要である。このため、本実施の形態1では、次のように、伝熱管30の腐食を抑制している。
伝熱管30に接触するヘッダ40及びフィン50の材料には、伝熱管30よりも酸化還元電位が卑である材料が用いられる。以下、伝熱管30よりも酸化還元電位が卑である材料を、単に、酸化還元電位が卑である材料と称する場合がある。ヘッダ40及びフィン50は酸化還元電位が卑である材料であるため、伝熱管30より優先的に腐食する。その結果、伝熱管30の腐食が抑制されることとなる。
ただし、この防食方法が作用するためには、伝熱管30への水滴の付着形態が限定される。具体的には、伝熱管30とヘッダ40とに水滴が接触する状態で、あるいは、伝熱管30とフィン50とに水滴が接触する状態で、伝熱管30へ水滴が付着する必要がある。伝熱管30のみに接触する状態で水滴が付着した場合、この防食方法は作用せず、伝熱管30の腐食を抑制できない。ここで、上述のように、本実施の形態1では、伝熱管30として扁平管を用いている。このため、平面部31上に水滴が滞留しやすく、伝熱管30のみに接触する状態で水滴が付着しやすい。
したがって、本実施の形態1に係る室外熱交換器20では、伝熱管30の表面を酸化還元電位が卑である材料で覆い、伝熱管30の腐食のさらなる抑制を図っている。伝熱管30の表面は、伝熱管30、ヘッダ40及びフィン50をロウ付けにより接合する際、酸化還元電位が卑である材料で覆われる。
具体的には、ロウ付け時、溶けて液状となったロウ材は、伝熱管30の表面を流れて広がっていく。この際、ヘッダ40及びフィン50を形成する酸化還元電位が卑である材料は、溶けたロウ材中に含まれて、伝熱管30の表面に拡散していく。また、ロウ材には、該ロウ材を構成する材料として、酸化還元電位が卑である材料が含まれている場合もある。ロウ材を構成する酸化還元電位が卑である材料もまた、溶けたロウ材中に含まれて、伝熱管30の表面に拡散していく。これにより、伝熱管30の表面は、酸化還元電位が卑である材料で覆われる。
この防食方法は、酸化還元電位が卑である材料が伝熱管30の表面を均一に覆っていれば、伝熱管30への水滴の付着形態に影響されることなく、伝熱管30の腐食を抑制できる。室外熱交換器20が収納された室外機2の設置環境は様々であり、室外機2の設置後に室外熱交換器20への水滴の付着形態を制御することは困難である。このため、酸化還元電位が卑である材料が伝熱管30の表面を覆う防食方法は、伝熱管30の防食に有効な方法である。
しかしながら、伝熱管30の表面に凹凸又は析出物がある場合等、伝熱管30の表面には、溶けたロウ材が流れやすい場所及び溶けたロウ材が流れにくい場所が存在することがある。このような場合、伝熱管30の表面では、ロウ材が流れやすい場所に酸化還元電位が卑である材料が多く拡散し、ロウ材が流れにくい場所には酸化還元電位が卑である材料があまり拡散しない状態となる。その結果、伝熱管30の表面には、酸化還元電位が卑である材料の濃い部分と、酸化還元電位が卑である材料の薄い部分とができることになる。すなわち、伝熱管30の表面において、酸化還元電位が卑である材料の分布ムラが生じてしまう。このような場合、酸化還元電位が卑である材料の濃い部分が腐食し易くなり、結局は伝熱管30の耐食性を低下させる可能性がある。
そこで、本実施の形態1に係る室外熱交換器20においては、伝熱管30には、ヘッダ40とフィン50との間となる位置に、ヘッダ40からフィン50に向かって延びる少なくとも1つの溝35が形成されている。詳しくは、本実施の形態1では、伝熱管30の平面部31に、少なくとも1つの溝35が形成されている。また、本実施の形態1では、伝熱管30の平面部31に、2つの溝35が形成されている。ヘッダ40からフィン50に向かって延びる少なくとも1つの溝35が伝熱管30に形成されていることにより、ロウ付け時に溶けたロウ材は、溝35に沿って流れる。これにより、伝熱管30の表面におけるロウ材の流れを制御することができ、伝熱管30の表面において発生する酸化還元電位が卑である材料の分布ムラを従来よりも抑制できる。このため、伝熱管30の腐食を抑制でき、室外熱交換器20の耐食性を向上させることができる。
なお、本実施の形態1では、伝熱管30に2つの溝35が形成されていたが、溝35の数は2つに限定されない。例えば、伝熱管30に1つの溝35が形成されていてもよい。ロウ付け時に溶けたロウ材がこの溝35に沿って流れることにより、伝熱管30の表面におけるロウ材の流れを制御することができ、伝熱管30の表面において発生する酸化還元電位が卑である材料の分布ムラを従来よりも抑制できる。ただし、溝35にロウ材が溜まり過ぎると、ロウ材と伝熱管30の形成材料とが混ざり合うことで、伝熱管30の形成材料の融点が低下し、融点が低下した箇所で孔が空いてしまうという可能性もある。このため、伝熱管30に形成される溝35は、複数であることが好ましい。
また、伝熱管30に複数の溝35を形成する場合、3つ以上の溝35を形成してもよい。溝35の数が多い方が、伝熱管30の表面に溶けたロウ材がより均等に流れていくことができる。すなわち、溝35の数が多い方が、酸化還元電位が卑である材料が伝熱管30の表面に均等に拡散でき、伝熱管30の表面において発生する酸化還元電位が卑である材料の分布ムラをより抑制できる。
また、伝熱管30の平面部31に複数の溝35を形成する場合、これらの溝35を図5のように配置するのが好ましい。
図5は、実施の形態1に係る室外熱交換器の伝熱管の別の一例を示す斜視図である。
図5に示す室外熱交換器20の伝熱管30は、平面部31に、複数の溝35が形成されている。これら複数の溝35は、第1方向Yに間隔を空けて配置されている。ここで、平面部31において、第1方向Yの中央位置を含む範囲を第1範囲38とする。また、平面部31において、第1方向Yにおいて第1範囲38よりも端部33側となる範囲を第2範囲39とする。この場合、第1範囲38には、第2範囲39と比べ、溝35が密に配置されている。
伝熱管30として扁平管を用いる場合、ロウ付け時に溶けたロウ材は、扁平管の外周部を構成する平面部に供給されやすい。すなわち、図5に示す平面部31においては、第2範囲39と比べ、第1範囲38に溶けたロウ材が供給されやすい。このため、図5のように複数の溝35を配置することにより、ロウ材が多く供給される平面部31の第1範囲38のロウ材を溝35に沿って流れやすくすることができる。したがって、伝熱管30として扁平管を用いる場合、図5のように複数の溝35を配置することにより、伝熱管30の表面において発生する酸化還元電位が卑である材料の分布ムラをより抑制できる。
また、本実施の形態1では、伝熱管30の平面部31にのみ溝35を形成しているが、平面部32に溝35を形成してもよいし、端部33に溝35を形成してもよい。溝35には、溶けたロウ材が流れるため、酸化還元電位が卑である材料が多くなる。このため、伝熱管30の表面において腐食が発生しやすい箇所がある場合、当該箇所に溝35を設け、当該箇所の耐食性を向上させることも可能である。
また、本実施の形態1では、溝35の断面形状について特に言及しなかったが、溝35の断面形状は特に限定されない。なお、ここでいう断面形状とは、溝35が延びる方向と垂直な断面で該溝35を切断した際の断面形状である。例えば、溝35の断面形状は、半円形状であってもよいし、三角形状であってもよいし、四角形状であってもよいし、五角形以上の多角形状であってもよい。また、溝35の内部に突起があってもよいし、溝35の内部にさらに溝が形成されていてもよい。また、本実施の形態1では、溝35は挿入方向Xと平行に延びているが、溝35の延びる方向は、挿入方向Xと平行である必要はない。溝35は、ヘッダ40からフィン50に向かって延びていればよく、挿入方向Xに対して傾いていてもよい。
なお、溝35の断面積は、次の条件を満たしていることが好ましい。なお、溝35の断面積とは、溝35が延びる方向と垂直な断面で該溝35を切断した際の断面形状の面積である。また、溝35を複数有る場合、溝35の断面積は、各溝35の断面積の平均を示すものとする。ここで、挿入孔41の周縁と伝熱管30の外周部とのロウ付けに必要なロウ材の体積を、V1とする。挿入孔41の周縁と伝熱管30の外周部とのロウ付けに供給されるロウ材の体積を、V2とする。伝熱管30に形成されている溝35の本数を、Nとする。伝熱管30に形成されている溝35の長さの平均を、Lとする。このように定義した場合、溝35の断面積は、(V2−V1)/NLより小さいことが好ましい。このように溝35の断面積を規定することにより、挿入孔41の周縁と伝熱管30の外周部とのロウ付け時、ロウ材が不足して接合不良となることを防止できる。なお、溝35の断面形状が正方形状の場合、断面の各辺を(V2−V1)/NLの平方根よりも小さくすれば、溝35の断面積が(V2−V1)/NLよりも小さくなる。
また、溝35のヘッダ40側の端部36の位置も、図3に示す位置に限定されない。具体的には、図3に示すように、溝35のヘッダ40側の端部36は、ヘッダ40の挿入孔41の周壁と対向する位置に配置されている。換言すると、溝35は、挿入孔41の周壁と対向する位置まで延びている。しかしながら、挿入孔41の周縁と伝熱管30の外周部とがロウ付け接合される際、溝35にロウ材が流れ込むことができれば、溝35のヘッダ40側の端部36は、ヘッダ40の外周面よりもフィン50側に配置されていてもよい。ただし、溝35が挿入孔41の周壁と対向する位置まで延びているほうが、ロウ材が溝35に流れ込みやすい。すなわち、溝35が挿入孔41の周壁と対向する位置まで延びているほうが、伝熱管30の表面において発生する酸化還元電位が卑である材料の分布ムラを抑制しやすい。このため、少なくとも1つの溝35は、挿入孔41の周壁と対向する位置まで延びているのが好ましい。
また、溝35のフィン50側の端部37の位置も、図3に示す位置に限定されない。具体的には、図3に示すように、溝35のフィン50側の端部37は、フィン50のロウ付け部51と対向する位置に配置されている。換言すると、溝35は、フィン50と対向する位置まで延びている。しかしながら、フィン50と伝熱管30の外周部とがロウ付け接合される際、溝35にロウ材が流れ込むことができれば、溝35のフィン50側の端部37は、フィン50よりもヘッダ40側に配置されていてもよい。ただし、溝35がフィン50と対向する位置まで延びているほうが、ロウ材が溝35に流れ込みやすい。すなわち、溝35がフィン50と対向する位置まで延びているほうが、伝熱管30の表面において発生する酸化還元電位が卑である材料の分布ムラを抑制しやすい。このため、少なくとも1つの溝35は、フィン50と対向する位置まで延びているのが好ましい。
また、本実施の形態1では伝熱管30として扁平管を用いたが、伝熱管30は扁平管に限定されるものではない。例えば、円管の伝熱管、楕円形状の伝熱管、多角形状の伝熱管、凹凸のある伝熱管等、種々の伝熱管を伝熱管30として用いることができる。
また、本実施の形態1では円筒形状のヘッダ40を用いたが、ヘッダ40はこのような構成に限定されない。例えば、ヘッダ40を直方体形状としてもよい。また例えば、板状部材を積層して内部に流路を形成した積層ヘッダを、ヘッダ40として用いてもよい。
また、フィン50も、上述の構成に限定されない。例えば、フィン50に、ロウ付け部51を設けなくてもよい。フィン50と伝熱管30との対向箇所をロウ付け接合すればよい。例えば、フィン50がコルゲートフィンの場合、折り返し部が伝熱管30との対向箇所となる。このため、当該折り返し部で、フィン50と伝熱管30とをロウ付け接合すればよい。また例えば、開口部に伝熱管30が挿入される板状フィンを、フィン50として用いてもよい。
また、本実施の形態1では、伝熱管30、ヘッダ40、フィン50及びロウ材の具体的な材料について特に限定しなかった。伝熱管30、ヘッダ40、フィン50及びロウ材の具体的な材料として、例えば以下の材料を用いることができる。例えば、伝熱管30の材料として、アルミニウム又はアルミニウム合金を用いることができる。この場合、伝熱管30よりも酸化還元電位が卑である材料でヘッダ40及びフィン50を形成する場合、ヘッダ40及びフィン50の材料として、例えば、酸化還元電位を卑にする材料を純アルミニウムに添加したアルミニウム合金、亜鉛、亜鉛合金、マグネシウム、マグネシウム合金、リチウム、リチウム合金、シリコン、及び、シリコンにシリコン以外の材料を添加した材料等を用いることができる。ヘッダ40及びフィン50の材料として、これらの材料を組み合わせた材料を用いてもよい。また、ロウ材材料としては、例えば、シリコンを含むアルミニウム合金を用いることができる。ロウ材材料として、シリコンを含むアルミニウム合金以外の、伝熱管30よりも酸化還元電位が卑である材料を用いてもよい。また、伝熱管30、ヘッダ40及びフィン50のうちの少なくとも1つを、表面にロウ材が設けられたクラッド材料で形成してもよい。また、伝熱管30として、アルミニウム又はアルミニウム合金を母材とし、該母材の表面に該母材よりも酸化還元電位が卑である材料が設けられた伝熱管を用いてもよい。このような伝熱管30は、例えば、母材の表面に、該母材よりも酸化還元電位が卑である材料を溶射することにより得られる。また例えば、このような伝熱管30は、母材の表面に該母材よりも酸化還元電位が卑である材料が設けられたクラッド材料で形成することができる。なお、このような伝熱管30を用いる場合、伝熱管30よりも酸化還元電位が卑である材料とは、母材よりも酸化還元電位が卑である材料となる。
また、本実施の形態1では、伝熱管30が水平方向に設けられた室外熱交換器20を例示したが、室外熱交換器20の構成は当該構成に限定しない。例えば、室外熱交換器20は、伝熱管30を垂直に設けた構成としてもよい。また例えば、室外熱交換器20は、伝熱管30のそれぞれが異なる角度に設けられた構成であってもよい。また例えば、本実施の形態1では室外熱交換器20はパラレルフロー型の熱交換器となっていたが、室外熱交換器20は、伝熱管30のそれぞれを冷媒が直列に流れる熱交換器であってもよい。
また、本実施の形態1では、室外熱交換器20の伝熱管30に溝35を形成したが、室内熱交換器14を室外熱交換器20と同じ構成にしてもよい。室内熱交換器14の耐食性を向上させることができる。
以上、本実施の形態1に係る熱交換器は、冷媒が流れる伝熱管30と、伝熱管30の端部が挿入された挿入孔41が形成され、伝熱管30に流入する冷媒及び伝熱管30から流出する冷媒のうちの少なくとも一方が流れるヘッダ40と、伝熱管30の外周部に取り付けられたフィン50と、を備えている。また、本実施の形態1に係る熱交換器は、伝熱管30とヘッダ40とがロウ付けにより接合され、伝熱管30とフィン50とがロウ付けにより接合されている。そして、伝熱管30には、ヘッダ40とフィン50との間となる位置に、ヘッダ40からフィン50に向かって延びる少なくとも1つの溝35が形成されている。
本実施の形態1に係る熱交換器は、ロウ付け時、伝熱管30に形成された溝35によって、伝熱管30の表面での溶けたロウ材の流れを制御することができる。このため、本実施の形態1に係る熱交換器は、ロウ付け時に伝熱管30の表面において発生する酸化還元電位が卑である材料の分布ムラを従来よりも抑制できる。
実施の形態2.
伝熱管30として扁平管を用いる場合、ヘッダ40の挿入孔41を例えば以下のような形状に形成してもよい。なお、本実施の形態2において、特に記述しない項目については実施の形態1と同様とし、実施の形態1と同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図6は、実施の形態2に係る室外熱交換器のヘッダの挿入孔近傍を示す図である。この図6は、ヘッダ40の挿入孔41を挿入方向Xに観察した図となっている。
本実施の形態2に係るヘッダ40においては、挿入孔41の第2方向Zの開口幅Wを第1方向Yに見ていった際、端部から中央へ向かうにしたがって広くなっている。このため、本実施の形態2に係る室外熱交換器20においては、扁平管である伝熱管30と挿入孔41とを第1方向Yに見ていった際、伝熱管30の外周部と挿入孔41の周壁との間の距離が端部から中央へ向かうにしたがって広くなっている。したがって、挿入孔41の周縁と伝熱管30とをロウ付け接合する際、伝熱管30の第1方向Y側の端部近傍と比べ、伝熱管30の第1方向Yの中央付近で用いられるロウ材の量が多くなる。
例えば円筒形状のヘッダ40を用いた場合等には、ヘッダ40とフィン50との間の距離は、第1方向Yの中央位置に行くほど小さくなる。このような場合、伝熱管30として扁平管を用いると、ロウ付け時に溶けたロウ材は、伝熱管30の第1方向Yの中央付近に多く供給されやすい。すなわち、伝熱管30の第1方向Yの中央付近に、酸化還元電位が卑である材料が拡散しやすい。しかしながら、本実施の形態2のように挿入孔41を形成することにより、伝熱管30の第1方向Yの中央付近と挿入孔41の周縁とのロウ付けに必要なロウ材の量が多くなるため、溶けたロウ材が伝熱管30の第1方向Yの中央付近に流れることを抑制できる。すなわち、伝熱管30の第1方向Yの中央付近に酸化還元電位が卑である材料が拡散することを抑制できる。
このため、ロウ付け時に溶けたロウ材が伝熱管30の第1方向Yの中央付近に供給されやすい条件において、伝熱管30として扁平管を用いた場合であっても、本実施の形態2のように挿入孔41を形成することにより、伝熱管30の表面において発生する酸化還元電位が卑である材料の分布ムラを抑制できる。すなわち、ロウ付け時に溶けたロウ材が伝熱管30の第1方向Yの中央付近に供給されやすい条件において、伝熱管30として扁平管を用いた場合であっても、本実施の形態2のように挿入孔41を形成することにより、伝熱管30の腐食を抑制でき、室外熱交換器20の耐食性を向上させることができる。
ここで、本実施の形態2のように挿入孔41を形成することにより、伝熱管30の外周部への酸化還元電位が卑である材料の拡散量が不足し、伝熱管30の耐食性が低下すると考えられるかもしれない。しかしながら、伝熱管30の表面において酸化還元電位が卑である材料の分布ムラが顕著な場合は、酸化還元電位が卑である材料の濃い部分で局所的に腐食が発生する可能性が高い。また、局所的な腐食は、一旦発生すると、その箇所が腐食し続けることも多い。このため、伝熱管30の表面において酸化還元電位が卑である材料の分布ムラが顕著になりやすい場合は、伝熱管30の外周部への酸化還元電位が卑である材料の拡散量を本実施の形態2のように抑制することで、伝熱管30の腐食を抑制でき、室外熱交換器20の耐食性を向上させることができる。
また、酸化還元電位が卑である材料が多く溜まる箇所では、伝熱管30の形成材料の融点が低下し、融点が低下した箇所で孔が空いてしまうという可能性もある。この局所的な溶解を抑制する点でも、伝熱管30の外周部への酸化還元電位が卑である材料の拡散量を本実施の形態2のように抑制する構成は有効である。
なお、図6で示した挿入孔41の形状は、一例である。開口幅Wを第1方向Yに見ていった際に端部から中央へ向かうにしたがって広くなっていれば、挿入孔41の形状は任意である。例えば、図6で示した挿入孔41においては、第1方向Yの中央付近では、開口幅Wが一定となっている。しかしながら、第1方向Yの中央付近でも、開口幅Wの大きさを異ならせてもよい。また、図6で示した挿入孔41においては、第1方向Yの端部の開口幅Wはゼロとなっていないが、第1方向Yの端部の開口幅Wをゼロとしてもよい。また、図6で示した挿入孔41の外周縁は直線を組み合わせた構成となっているが、挿入孔41の外周縁の少なくとも一部が曲線であってもよい。
実施の形態3.
伝熱管30として扁平管を用いる場合、ヘッダ40の挿入孔41を例えば以下のような形状に形成してもよい。なお、本実施の形態3において、特に記述しない項目については実施の形態1又は実施の形態2と同様とし、実施の形態1又は実施の形態2と同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図7は、実施の形態3に係る室外熱交換器のヘッダの挿入孔近傍を示す図である。この図7は、ヘッダ40の挿入孔41を挿入方向Xに観察した図となっている。
本実施の形態3に係るヘッダ40においては、挿入孔41の第2方向Zの開口幅Wを第1方向Yに見ていった際、中央から端部へ向かうにしたがって広くなっている。このため、本実施の形態3に係る室外熱交換器20においては、扁平管である伝熱管30と挿入孔41とを第1方向Yに見ていった際、伝熱管30の外周部と挿入孔41の周壁との間の距離が中央から端部へ向かうにしたがって広くなっている。したがって、挿入孔41の周縁と伝熱管30とをロウ付け接合する際、伝熱管30の第1方向Y側の中央近傍と比べ、伝熱管30の第1方向Yの端部付近で用いられるロウ材の量が多くなる。
例えば、ヘッダ40とフィン50との間の距離が第1方向において変化しない直方体形状のヘッダ40を用いた場合、ヘッダ40とフィン50との間の距離が第1方向の中央位置から端部側に向かうにしたがって小さくなるヘッダ40を用いた場合等には、伝熱管30として扁平管を用いると、ロウ付け時に溶けたロウ材は、伝熱管30の第1方向Yの端部付近に多く供給されやすい。すなわち、伝熱管30の第1方向Yの端部付近に、酸化還元電位が卑である材料が拡散しやすい。しかしながら、本実施の形態3のように挿入孔41を形成することにより、伝熱管30の第1方向Yの端部付近と挿入孔41の周縁とのロウ付けに必要なロウ材の量が多くなるため、溶けたロウ材が伝熱管30の第1方向Yの端部付近に流れることを抑制できる。すなわち、伝熱管30の第1方向Yの端部付近に酸化還元電位が卑である材料が拡散することを抑制できる。
このため、ロウ付け時に溶けたロウ材が伝熱管30の第1方向Yの端部付近に供給されやすい条件において、伝熱管30として扁平管を用いた場合であっても、本実施の形態3のように挿入孔41を形成することにより、伝熱管30の表面において発生する酸化還元電位が卑である材料の分布ムラを抑制できる。すなわち、ロウ付け時に溶けたロウ材が伝熱管30の第1方向Yの端部付近に供給されやすい条件において、伝熱管30として扁平管を用いた場合であっても、本実施の形態3のように挿入孔41を形成することにより、伝熱管30の腐食を抑制でき、室外熱交換器20の耐食性を向上させることができる。
なお、図7で示した挿入孔41の形状は、一例である。開口幅Wを第1方向Yに見ていった際に中央から端部へ向かうにしたがって広くなっていれば、挿入孔41の形状は任意である。例えば、図7で示した挿入孔41においては、第1方向Yの中央付近では、開口幅Wが一定となっている。しかしながら、第1方向Yの中央付近でも、開口幅Wの大きさを異ならせてもよい。また、図6で示した挿入孔41の外周縁は直線を組み合わせた構成となっているが、挿入孔41の外周縁の少なくとも一部が曲線であってもよい。
1 空気調和機、2 室外機、3 室内機、10 冷凍サイクル回路、11 圧縮機、12 四方弁、13 膨張弁、14 室内熱交換器、15 冷媒配管、16 冷媒配管、20 室外熱交換器、30 伝熱管、31 平面部、32 平面部、33 端部、34 冷媒流路、35 溝、36 端部、37 端部、38 第1範囲、39 第2範囲、40 ヘッダ、40a ヘッダ、40b ヘッダ、41 挿入孔、42 配管、43 配管、50 フィン、51 ロウ付け部、X 挿入方向、Y 第1方向、Z 第2方向。
本発明に係る熱交換器は、冷媒が流れる伝熱管と、前記伝熱管の端部が挿入された挿入孔が形成され、前記伝熱管に流入する冷媒及び前記伝熱管から流出する冷媒のうちの少なくとも一方が流れるヘッダと、前記伝熱管の外周部に取り付けられたフィンと、を備え、前記伝熱管と前記ヘッダとがロウ付けにより接合され、前記伝熱管と前記フィンとがロウ付けにより接合された熱交換器であって、前記伝熱管には、前記ヘッダと前記フィンとの間となる位置に、前記ヘッダから前記フィンに向かって延びる少なくとも1つの溝が形成され、前記伝熱管は、少なくとも1つの前記溝が形成された平面部を前記外周部に有する扁平管であり、前記平面部には、複数の前記溝が形成されており、前記挿入孔への前記伝熱管の挿入方向と垂直で、前記平面部と平行な方向を第1方向とした場合、複数の前記溝は、前記第1方向に間隔を空けて配置されており、複数の前記溝を前記第1方向に見ていった際、前記平面部における前記第1方向の中央位置を含む第1範囲には、前記第1方向において該第1範囲よりも端部側となる第2範囲と比べ、前記溝が密に配置されている

Claims (9)

  1. 冷媒が流れる伝熱管と、
    前記伝熱管の端部が挿入された挿入孔が形成され、前記伝熱管に流入する冷媒及び前記伝熱管から流出する冷媒のうちの少なくとも一方が流れるヘッダと、
    前記伝熱管の外周部に取り付けられたフィンと、
    を備え、
    前記伝熱管と前記ヘッダとがロウ付けにより接合され、前記伝熱管と前記フィンとがロウ付けにより接合された熱交換器であって、
    前記伝熱管には、前記ヘッダと前記フィンとの間となる位置に、前記ヘッダから前記フィンに向かって延びる少なくとも1つの溝が形成されている
    熱交換器。
  2. 少なくとも1つの前記溝は、前記挿入孔の周壁と対向する位置まで延びている
    請求項1に記載の熱交換器。
  3. 少なくとも1つの前記溝は、前記フィンと対向する位置まで延びている
    請求項1又は請求項2に記載の熱交換器。
  4. 前記伝熱管には、複数の前記溝が形成されている
    請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の熱交換器。
  5. 前記伝熱管は、少なくとも1つの前記溝が形成された平面部を前記外周部に有する扁平管である
    請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の熱交換器。
  6. 前記平面部には、複数の前記溝が形成されており、
    前記挿入孔への前記伝熱管の挿入方向と垂直で、前記平面部と平行な方向を第1方向とした場合、
    複数の前記溝は、前記第1方向に間隔を空けて配置されており、
    複数の前記溝を前記第1方向に見ていった際、
    前記平面部における前記第1方向の中央位置を含む第1範囲には、前記第1方向において該第1範囲よりも端部側となる第2範囲と比べ、前記溝が密に配置されている
    請求項5に記載の熱交換器。
  7. 前記挿入孔への前記伝熱管の挿入方向と垂直で、前記平面部と平行な方向を第1方向とし、
    前記挿入孔への前記伝熱管の挿入方向と垂直で、前記第1方向と垂直な方向を第2方向とした場合、
    前記挿入孔の前記第2方向の開口幅を前記第1方向に見ていった際、端部から中央へ向かうにしたがって広くなっている
    請求項5又は請求項6に記載の熱交換器。
  8. 前記挿入孔への前記伝熱管の挿入方向と垂直で、前記平面部と平行な方向を第1方向とし、
    前記挿入孔への前記伝熱管の挿入方向と垂直で、前記第1方向と垂直な方向を第2方向とした場合、
    前記挿入孔の前記第2方向の開口幅を前記第1方向に見ていった際、中央から端部へ向かうにしたがって広くなっている
    請求項5又は請求項6に記載の熱交換器。
  9. 圧縮機、室外熱交換器、膨張弁及び室内熱交換器を有する冷凍サイクル回路を備え、
    前記室外熱交換器及び前記室内熱交換器のうちの少なくとも一方に、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の熱交換器が用いられている
    空気調和機。
JP2021514666A 2019-04-15 2019-04-15 熱交換器及び空気調和機 Active JP7086278B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2019/016103 WO2020213023A1 (ja) 2019-04-15 2019-04-15 熱交換器及び空気調和機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2020213023A1 true JPWO2020213023A1 (ja) 2021-10-14
JP7086278B2 JP7086278B2 (ja) 2022-06-17

Family

ID=72837087

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021514666A Active JP7086278B2 (ja) 2019-04-15 2019-04-15 熱交換器及び空気調和機

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7086278B2 (ja)
WO (1) WO2020213023A1 (ja)

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08145591A (ja) * 1994-11-24 1996-06-07 Zexel Corp 熱交換器
JPH10137877A (ja) * 1996-11-05 1998-05-26 Zexel Corp 熱交換器用チューブの製造方法
JPH10246592A (ja) * 1997-03-07 1998-09-14 Furukawa Electric Co Ltd:The 熱交換器のろう付け部材用押出偏平多穴チューブとその製造方法
JPH10318695A (ja) * 1997-05-19 1998-12-04 Zexel Corp 熱交換器
JP2001071177A (ja) * 1999-09-08 2001-03-21 Mitsubishi Alum Co Ltd ろう材被覆管の製造方法と製造装置
JP2001194080A (ja) * 2000-01-07 2001-07-17 Zexel Valeo Climate Control Corp 熱交換器
JP2001263860A (ja) * 2000-03-23 2001-09-26 Denso Corp ろう付け製品およびろう付け方法
JP2002103027A (ja) * 2000-09-22 2002-04-09 Mitsubishi Alum Co Ltd 熱交換器の製造方法
JP2002181480A (ja) * 2000-12-12 2002-06-26 Zexel Valeo Climate Control Corp 熱交換器
US20050067142A1 (en) * 2003-09-26 2005-03-31 Lg Cable Ltd. Heat exchanger
JP2013015233A (ja) * 2011-06-30 2013-01-24 Daikin Industries Ltd 熱交換器

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08145591A (ja) * 1994-11-24 1996-06-07 Zexel Corp 熱交換器
JPH10137877A (ja) * 1996-11-05 1998-05-26 Zexel Corp 熱交換器用チューブの製造方法
JPH10246592A (ja) * 1997-03-07 1998-09-14 Furukawa Electric Co Ltd:The 熱交換器のろう付け部材用押出偏平多穴チューブとその製造方法
JPH10318695A (ja) * 1997-05-19 1998-12-04 Zexel Corp 熱交換器
JP2001071177A (ja) * 1999-09-08 2001-03-21 Mitsubishi Alum Co Ltd ろう材被覆管の製造方法と製造装置
JP2001194080A (ja) * 2000-01-07 2001-07-17 Zexel Valeo Climate Control Corp 熱交換器
JP2001263860A (ja) * 2000-03-23 2001-09-26 Denso Corp ろう付け製品およびろう付け方法
JP2002103027A (ja) * 2000-09-22 2002-04-09 Mitsubishi Alum Co Ltd 熱交換器の製造方法
JP2002181480A (ja) * 2000-12-12 2002-06-26 Zexel Valeo Climate Control Corp 熱交換器
US20050067142A1 (en) * 2003-09-26 2005-03-31 Lg Cable Ltd. Heat exchanger
JP2013015233A (ja) * 2011-06-30 2013-01-24 Daikin Industries Ltd 熱交換器

Also Published As

Publication number Publication date
JP7086278B2 (ja) 2022-06-17
WO2020213023A1 (ja) 2020-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10627175B2 (en) Heat exchanger and refrigeration cycle apparatus
US20130292098A1 (en) Heat exchanger and air conditioner
WO2016009713A1 (ja) 冷凍サイクル装置及びこれに使用されるクロスフィンチューブ型熱交換器の製造方法
JP6074648B2 (ja) 管部材の接合体、及び冷凍サイクル装置の熱交換器
WO2015045105A1 (ja) 熱交換器及びそれを用いた空気調和機
US11002489B2 (en) Heat exchanger and air conditioning apparatus
JP6980117B2 (ja) 熱交換器、熱交換器ユニット、及び冷凍サイクル装置
JP6826133B2 (ja) 熱交換器及び冷凍サイクル装置
WO2020012549A1 (ja) 熱交換器、熱交換装置、熱交換器ユニット及び冷凍サイクル装置
JP7086278B2 (ja) 熱交換器及び空気調和機
JP6318371B2 (ja) 室外ユニットおよびそれを用いた冷凍サイクル装置
JP2011112315A (ja) フィンチューブ型熱交換器及びこれを用いた空気調和機
US20220299246A1 (en) Heat exchanger, indoor unit for air-conditioner, and refrigeration device
EP3699538B1 (en) Heat exchanger and refrigeration cycle device
WO2012098915A1 (ja) 熱交換器および空気調和機
KR100893746B1 (ko) 공기조화기
WO2021234961A1 (ja) 熱交換器、空気調和装置の室外機及び空気調和装置
JP5664272B2 (ja) 熱交換器及び空気調和機
WO2021014603A1 (ja) 熱交換器およびそれを用いた空気調和装置
JP5573698B2 (ja) 熱交換器および空気調和機
JP6873252B2 (ja) 熱交換器、空気調和装置の室外機及び空気調和装置
JP7038892B2 (ja) 積層型ヘッダ、熱交換器、及び熱交換器の製造方法
CN221055293U (zh) 一种微通道换热器及空调器
JP7313529B1 (ja) 熱交換器及びこれを備える空気調和機
JP2018009742A (ja) 冷凍サイクル装置の熱交換器

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210422

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210422

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220510

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220607

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7086278

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150