JPWO2020196245A1 - 点火プラグ - Google Patents
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Abstract
Description
軸線方向に延びる軸孔を有し、前記軸孔内に後端向き面が形成される筒状の絶縁体と、
前記絶縁体の外周に配される筒状の主体金具と、
前記軸孔の先端側に配される中心電極と、
を備え、
前記中心電極は、外径が前記中心電極の中で最も大きい大径部を有し、前記大径部が、前記後端向き面に係止されており、
前記主体金具は、前記中心電極よりも後端側に、後端側に向かって内径が拡径する拡径部を有する点火プラグであって、
前記絶縁体は、前記後端向き面の後端から前記拡径部の先端までの領域における自身の一部分である第1部を有し、
前記第1部は、前記領域において厚みが最も大きく、少なくとも前記大径部の外周に配置され、
前記絶縁体は、前記第1部よりも先端側でパッキンを介して前記主体金具に係止されており、
前記絶縁体は、前記領域における前記第1部よりも後端側に、自身の外径が前記第1部の外径よりも小さい第2部を有する。
このような構成をなすため、貫通放電の対策がより求められる大径部の周囲において、貫通放電の抑制効果を高めることができる。
しかも、パッキンに近い側は、「絶縁体がより安定的に保持されて主体金具に対して位置ずれしにくい」という特徴があるため、第1部をパッキンに近い側に配置すれば、この特徴を効果的に利用することができる。つまり、パッキンに近い側では、外径が相対的に大きい第1部が配置されて絶縁体の外周面(第1部の外周面)と主体金具の内周面との間の隙間が相対的に小さくなっても、絶縁体の位置ずれが抑えられるため、絶縁体は主体金具に接触しにくくなる。よって、パッキンに近い側では、絶縁体が位置ずれしにくい構造と第1部との併用により、接触の防止と貫通放電の抑制とを両立することができる。
一方、パッキンから離れた側には、外径が相対的に小さい第2部が配置されるため、絶縁体の外周面(第2部の外周面)と主体金具の内周面との間の隙間がより大きく確保される。つまり、パッキンから離れた側では、絶縁体の位置ずれの許容量がより大きくなり、絶縁体が多少位置ずれしても主体金具に接触しにくくなるため、接触防止効果を高めることができる。
このように構成された点火プラグは、中心電極において上記領域(後端向き面の後端から拡径部の先端までの領域)に配置される部位の軸線方向全範囲を第1部によって囲むことができる。よって、貫通放電が懸念される上記部位において貫通放電をより効果的に抑えることができ、耐電圧性能をより高めることができる。
この点火プラグは、絶縁体の内径が第1部で最も小さくなるため、第1部の肉厚を稼ぎつつ、主体金具と中心電極の間の距離を大きく確保し、第1部付近の静電容量を抑えることができる。よって、中心電極及び接地電極の消耗を抑制できる。
この点火プラグでは、主体金具において上記領域(後端向き面の後端から拡径部の先端までの領域)に配置される部分のうちの内径が最大となる部分(内径部)が、少なくとも第1部の外周に配される。よって、第1部付近では、内径部の存在によって主体金具と中心電極の間の距離がより大きく確保され、静電容量がより抑えられる。ゆえに、中心電極及び接地電極の消耗を抑制できる。また、上記領域(後端向き面の後端から拡径部の先端までの領域)の全部に内径部(内径が最大となる部分)が設けられるのではなく、上記領域の一部分のみに選択的に設けられる。よって、上記領域の全範囲に上記内径部を設ける構成と比較して主体金具の強度の低下は抑えられる。
絶縁体と中心電極との間に導電性を有する先端側シール部材が充填されている点火プラグでは、先端側シール部材は電気を導通するため、中心電極からの放電を導通し、絶縁体まで達する。そのエネルギーが高い場合、絶縁体を貫通して放電が起こる虞がある。しかしながら、上記点火プラグは、中心電極と、先端側シール部材近傍において絶縁体が厚肉化されているから、貫通放電が生じることを抑制できる。
1.スパークプラグの全体構成
図1で示す第1実施形態の点火プラグ1は、図示しない内燃機関に取り付けられ、内燃機関の燃焼室内の燃焼ガスに着火するために用いられる。点火プラグ1は、絶縁体10と、主体金具30と、中心電極50と、端子金具60と、抵抗体61とを備えている。本明細書では、点火プラグ1の軸線X(中心軸線)の方向を軸線方向とする。この軸線方向において、接地電極42が設けられた側を先端側とし、それとは反対側(端子金具60が絶縁体10の外側に露出する側)を後端側とする。図1では、点火プラグ1の先端(前端)を符号Fで示し、点火プラグの後端を符号Rで示す。以下では、各構成部材において、図1の下側を先端側、上側を後端側として説明する。また、軸線方向を前後方向ともいい、先端側を前側、後端側を後ろ側ともいう。
次に、絶縁体等の詳細構成について詳述する。
絶縁体10は、先端側胴部14が特徴的な構成をなす。先端側胴部14は、軸線方向において段部13の後端位置から鍔部15の前端位置まで続くように配されるとともに少なくとも一部が主体金具30のねじ部34の内側に配される部分である。先端側胴部14は、外周面が第1の構造をなす第1部70と、外周面が第2の構造をなす第2部80と、を備える。
点火プラグ1は、パッキン45(主体金具30に支持されつつ絶縁体10を位置決めする部品)に近い側に第1部70が配置され、第1部70よりもパッキン45から離れた側に第2部80が配置される。そして、第1部70の径方向の厚みX1が、第2部80の径方向の厚みY1よりも大きくなっており、第1部70は、第2部80よりも厚肉化された形で大径部52の外周に配される。
このような構成をなすため、貫通放電の対策がより求められる大径部52の周囲において、貫通放電の抑制効果を高めることができる。
しかも、パッキン45に近い側は、「絶縁体10がより安定的に保持されて主体金具30に対して位置ずれしにくい」という特徴があるため、第1部70をパッキン45に近い側に配置すれば、この特徴を効果的に利用することができる。つまり、パッキン45に近い側では、外径が相対的に大きい第1部70が配置されて絶縁体10の外周面(第1部70の外周面)と主体金具30の内周面との間の隙間が相対的に小さくなっても、絶縁体10は主体金具30に接触しにくくなる。よって、パッキン45に近い側では、絶縁体10が位置ずれしにくい構造と第1部70との併用により、接触の防止と貫通放電の抑制とを両立することができる。
一方、パッキン45から離れた側には、外径が相対的に小さい第2部80が配置されるため、絶縁体10の外周面(第2部80の外周面)と主体金具30の内周面との間の隙間がより大きく確保される。つまり、パッキン45から離れた側では、絶縁体10の位置ずれの許容量がより大きくなり、絶縁体10が多少位置ずれしても主体金具30に接触しにくくなるため、接触防止効果を高めることができる。
このような構成であれば、点火プラグ1の使用中に振動等が加わった場合に、第1部70付近でも第2部80付近でも絶縁体10が主体金具30に接触するような事態は生じにくい。
次に、第2実施形態に係る点火プラグ201について、主に図3を参照して説明する。
次に、第3実施形態に係る点火プラグ301について、主に図4を参照して説明する。
本発明は、本明細書の実施形態の各態様や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現できる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、先述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、先述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことができる。特に、上述した実施形態や後述する実施形態の様々な技術的特徴は、矛盾のない範囲であらゆる組み合わせが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除できる。変更例としては、例えば、以下のようなものが該当する。
10,210,410,510…絶縁体
13…段部
20,220,520…軸孔
22A…後端向き面
30,330,630…主体金具
36…拡径部
45…パッキン
50…中心電極
52…大径部
70,270,470,570…第1部
80,480,580…第2部
X…軸線
AR…領域
Claims (5)
- 軸線方向に延びる軸孔を有し、前記軸孔内に後端向き面が形成される筒状の絶縁体と、
前記絶縁体の外周に配される筒状の主体金具と、
前記軸孔の先端側に配される中心電極と、
を備え、
前記中心電極は、外径が前記中心電極の中で最も大きい大径部を有し、前記大径部が、前記後端向き面に係止されており、
前記主体金具は、前記中心電極よりも後端側に、後端側に向かって内径が拡径する拡径部を有する点火プラグであって、
前記絶縁体は、前記後端向き面の後端から前記拡径部の先端までの領域における自身の一部分である第1部を有し、
前記第1部は、前記領域において厚みが最も大きく、少なくとも前記大径部の外周に配置され、
前記絶縁体は、前記第1部よりも先端側でパッキンを介して前記主体金具に係止されており、
前記絶縁体は、前記領域における前記第1部よりも後端側に、自身の外径が前記第1部の外径よりも小さい第2部を有する
点火プラグ。 - 前記第1部が、少なくとも前記領域における前記中心電極の前記軸線方向の全範囲の外周に配される請求項1に記載の点火プラグ。
- 前記領域において、前記絶縁体は、自身の内径が、前記第1部で最も小さい
請求項1又は請求項2に記載の点火プラグ。 - 前記主体金具は、前記領域における自身の一部分である内径部を有し、
前記内径部は、前記領域において内径が最大となり、少なくとも前記第1部の外周に配される
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の点火プラグ。 - 前記軸孔内には、前記後端向き面よりも後端側に、前記絶縁体の内周面と前記中心電極とに接触するとともに導電性を有する材料を含有する先端側シール部材が充填され、
前記第1部は、少なくとも前記後端向き面の後端から前記先端側シール部材の後端までの領域に配される請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の点火プラグ。
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