JPWO2020174592A1 - フライアッシュ及びそれを含むセメント組成物 - Google Patents

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Abstract

未燃カーボンの含有量が多いフライアッシュであっても、コンクリートまたはモルタルの材料の一つとして用いた場合に、硬化前のコンクリート等の流動性を向上させてワーカビリティを改善することができ、かつ、硬化後のコンクリート等の表面の色むらの発生を抑制することができるフライアッシュを提供する。強熱減量が5.0〜20質量%で、かつ、BET比表面積(単位:m2/g)/強熱減量(単位:質量%)の比が0.3未満であるフライアッシュ。

Description

本発明は、フライアッシュ及びそれを含むセメント組成物に関する。
セメントの一部をフライアッシュで置換してなるフライアッシュ混合セメントは、セメントの水和時に生じる水酸化カルシウムと、フライアッシュのポゾラン反応によって、安定なケイ酸カルシウム水和物等の化合物を生成して、緻密な組織を形成する。そのため、フライアッシュ混合セメントは、水密性、化学抵抗性、及び、長期強度発現性に優れている。
また、上述のポゾラン反応による発熱量は、ポルトランドセメントの水和による発熱量に比べて少ない。そのため、フライアッシュ混合セメントの水和熱は、ポルトランドセメントの水和熱よりも少なくなる。
また、フライアッシュは、それ自体、球状の微粒子であるから、ボールベアリング作用によってコンクリート等の流動性を向上させることができる。それゆえ、フライアッシュ混合セメントは、コンクリート等の製造における単位水量を少なくすることができ、コンクリート等の硬化体の乾燥収縮を小さくすることができる。
さらに、フライアッシュ混合セメントは、セメント製造時の二酸化炭素の排出量や、原料(石灰石等)及び化石燃料(例えば、重油)などの天然資源の使用量を少なくすることができる点や、火力発電所における微粉炭の燃焼の副産物であるフライアッシュを有効活用できる点などで、環境負荷の低減効果を有している。
フライアッシュには、球形粒子と未燃カーボンが含まれている。
このうち、球形粒子は、ボイラー内で燃焼した微粉炭の燃え殻(浮遊物)が、高温によって溶融し、その後、冷却される過程で表面張力によって球状化したものである。該球形粒子の表面は、その形成の過程で溶けて、ガラス化している。
未燃カーボンは、比較的粗大でポーラスな形状を有するものである。該未燃カーボンは、大きな粒度を有するため、燃え殻の燃焼が進まず、球状粒子にならないと考えられる。該未燃カーボンは、球形粒子のボールベアリング効果を阻害し、流動性を低下させ、強度の低下を引き起こす。
また、未燃カーボンの含有量が多いフライアッシュをコンクリートまたはモルタルの材料の一つとして用いた場合には、コンクリート等の打設時に、フライアッシュ中に含まれていた未燃カーボンが、ブリーディング水と共にコンクリート等の表面に浮いて、黒色の色むらを発生させるおそれがあると考えられる。
このような黒色の色むらの発生を抑制するための方法として、例えば、以下の特許文献1〜2に記載された方法が提案されている。
特許文献1に、フライアッシュを未燃カーボンが1重量%以下となるまで灰化した後、50%通過径5μm乃至15μmに微粉砕すること、または、フライアッシュを50%通過径5μm乃至15μmに微粉砕した後、未燃カーボンが1重量%以下となるまで灰化することを特徴とするフライアッシュの改質方法が、記載されている。
特許文献2に、未燃炭素を含む石炭灰を、乾式の粉砕機に投入して、当該石炭灰中のフライアッシュに凝集・付着している上記未燃炭素を解砕および微粉砕した後に、これらフライアッシュおよび未燃炭素を乾式の分級機に投入して、微粉砕した上記未燃炭素を上記フライアッシュから分離することを特徴とする石炭灰の未燃炭素分の低減方法が、記載されている。
なお、特許文献2中の「石炭灰」、「フライアッシュ」、「未燃炭素」の各語は、各々、上述の「フライアッシュ」(球形粒子と未燃カーボンを含むもの)における「フライアッシュ」、「球形粒子」、「未燃カーボン」に対応する。
特開平11−11999号公報 特開2010−30885号公報
特許文献1に記載されているように、フライアッシュを灰化して未燃カーボンの量を低減する方法では、灰化工程においてエネルギーが必要となること、灰化に手間がかかり、製造が煩雑となること、などの問題がある。
特許文献2に記載されているように、粉砕機内での解砕および微粉砕と、分級機による未燃炭素の分離を組み合わせる方法では、解砕および微粉砕においてエネルギーが必要となること、粉砕機と分級機を用いた各工程において手間がかかり、製造が煩雑となること、などの問題がある。
本発明の目的は、未燃カーボンの含有量が多いフライアッシュであっても、コンクリートまたはモルタルの材料の一つとして用いた場合に、硬化前のコンクリート等の流動性を向上させてワーカビリティを改善することができ、かつ、硬化後のコンクリート等の表面の色むらの発生を抑制することができるフライアッシュ、及び、該フライアッシュを含むセメント組成物を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、強熱減量が5.0〜20質量%で、かつ、強熱減量に対するBET比表面積の比が、特定の範囲内であるフライアッシュを用いれば、上述の本発明の目的を達成しうることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、以下の[1]〜[6]を提供するものである。
[1] 強熱減量が5.0〜20質量%で、かつ、BET比表面積(単位:m/g)/強熱減量(単位:質量%)の比が0.3未満であるフライアッシュ。
[2] ブレーン比表面積が2,000〜5,000cm/gである上記[1]に記載のフライアッシュ。
[3] SiOの含有率が40質量%以上で、かつ、Alの含有率が16〜30質量%である上記[1]または[2]に記載のフライアッシュ。
[4] 上記[1]〜[3]のいずれかに記載のフライアッシュ、及び、ポルトランドセメントを含むセメント組成物であって、上記フライアッシュと上記ポルトランドセメントの合計量(100質量%)中の上記フライアッシュの割合が、1〜40質量%であるセメント組成物。
[5] 石灰石粉末、高炉スラグ微粉末、及び、天然ポゾラン粉末からなる群より選ばれる一種以上の粉末を含む上記[4]に記載のセメント組成物。
[6] 上記[1]〜[3]のいずれかに記載のフライアッシュを選別するための方法であって、一種類以上のフライアッシュを準備する準備工程と、上記一種類以上のフライアッシュの各々について、強熱減量及びBET比表面積を測定する測定工程と、上記測定工程で得られた上記強熱減量及び上記BET比表面積に基いて、上記一種類以上のフライアッシュの各々について、上記BET比表面積(単位:m/g)/上記強熱減量(単位:質量%)の比を算出する算出工程と、上記測定工程で得られた上記強熱減量及び上記算出工程で得られた上記比に基いて、上記一種類以上のフライアッシュから、上記強熱減量が5.0〜20質量%でかつ上記比が0.3未満であるフライアッシュを選別する選別工程、を含むフライアッシュの選別方法。
本発明のフライアッシュは、未燃カーボンの含有量が多くても、コンクリートまたはモルタル(以下、「コンクリート等」と略すことがある。)の材料の一つとして用いた場合に、硬化前のコンクリート等の流動性を向上させてワーカビリティを改善することができ、かつ、硬化後のコンクリート等の表面の色むらの発生を抑制することができる。
本発明のフライアッシュは、強熱減量が5.0〜20質量%で、かつ、BET比表面積(単位:m/g)/強熱減量(単位:質量%)の比が0.3未満のものである。
以下、本発明のフライアッシュを詳しく説明する。
本発明のフライアッシュの強熱減量は、5.0〜20質量%、好ましくは5.5〜19質量%、より好ましくは6.0〜18質量%、特に好ましくは6.0〜16質量%である。
強熱減量が5.0質量%未満の場合、または、強熱減量が20質量%を超える場合には、硬化前のコンクリート等の流動性が低下し、また、硬化後のコンクリート等の表面の色むらの発生の抑制が不十分となる。
本発明における「BET比表面積(単位:m/g)/強熱減量(単位:質量%)」の比は、0.3未満、好ましくは0.01〜0.28、より好ましくは0.02〜0.25、特に好ましくは0.03〜0.20である。本明細書中、該比は、単位を省略して表している。
該値が0.3を超えると、硬化前のコンクリート等の流動性が低下し、また、硬化後のコンクリート等の表面の色むらの発生の抑制が不十分となる。該値が0.01以上であると、このようなフライアッシュの選別が、より容易となる。
本発明のフライアッシュのBET比表面積は、好ましくは0.1〜5m/g、より好ましくは0.15〜4m/g、さらに好ましくは0.2〜3m/g、特に好ましくは0.2〜2.5m/gである。
該値が0.1m/g以上であると、このようなフライアッシュの選別が、より容易となる。該値が5m/g以下であると、「BET比表面積(単位:m/g)/強熱減量(単位:質量%)」の比が0.3未満となる場合が多く、本発明に該当するフライアッシュの選別が、より容易となる。
本発明のフライアッシュのブレーン比表面積は、好ましくは2,000〜5,000cm/g、より好ましくは2,100〜4,500cm/g、さらに好ましくは2,200〜4,000cm/g、特に好ましくは2,250〜3,800cm/gである。
該値が2,000cm/g以上であると、強度発現性が、より向上する。該値が5,000cm/g以下であると、このようなフライアッシュの選別が、より容易となる。
ブレーン比表面積は、例えば、「JIS R 5201:2015 セメントの物理試験方法」に記載されている方法によって測定することができる。
本発明のフライアッシュ中のSiO(シリカ)の含有率は、好ましくは40質量%以上、より好ましくは41〜70質量%、さらに好ましくは42〜65質量%、さらに好ましくは43〜60質量%、さらに好ましくは44〜56質量%、特に好ましくは45〜55質量%である。
該含有率が40質量%以上であると、ポゾラン反応による緻密な組織の形成等が、より促進される。該含有率が70質量%以下であると、このようなフライアッシュの選別が、より容易となる。
本発明のフライアッシュ中のAlの(アルミナ)の含有率は、好ましくは16〜30質量%、より好ましくは17〜28質量%、さらに好ましくは18〜27質量%、特に好ましくは19〜26質量%である。
該含有率が16質量%以上であると、ポゾラン反応による緻密な組織の形成等が、より促進される。該含有率が30質量%以下であると、このようなフライアッシュの選別が、より容易となる。
本発明のセメント組成物は、上記フライアッシュ、及び、ポルトランドセメントを含む。
ポルトランドセメントの例としては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント等が挙げられる。
ポルトランドセメントのブレーン比表面積は、特に限定されないが、入手の容易性等の観点から、好ましくは2,500〜5,000cm/g、より好ましくは2,800〜4,700cm/gである。
本発明のセメント組成物において、上記フライアッシュとポルトランドセメントの合計量(100質量%)中の上記フライアッシュの割合は、好ましくは1〜40質量%、より好ましくは2〜38質量%、さらに好ましくは5〜35質量%、さらに好ましくは10〜33質量%、さらに好ましくは15〜31質量%、特に好ましくは20〜30質量%である。
該割合が1質量%以上であると、フライアッシュの配合の効果(具体的には、流動性を向上させてワーカビリティを改善すること)をより高めることができる。該割合が40質量%以下であると、硬化前のコンクリート等の表面に、微細な未燃カーボン粒子や嵩比重の小さい粗粒が、ブリーディング水と共に浮き上がることがなく、色むらの発生をより効果的に抑制することができる。
本発明のセメント組成物は、さらに、石灰石粉末、高炉スラグ微粉末、天然ポゾラン粉末等の粉末(以下、「他の粉末」と略す。)を含むことができる。
他の粉末は、一種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
他の粉末の好ましいブレーン比表面積は、コンクリート等の混練時の作業性や、硬化後のコンクリート等における緻密な組織の形成等の観点から、好ましくは2,500〜12,000cm/g、より好ましくは2,800〜11,000cm/g、さらに好ましくは3,000〜10,000cm/gである。
他の粉末の種類毎の好ましいブレーン比表面積は、以下のとおりである。
石灰石粉末の好ましいブレーン比表面積は、好ましくは3,000〜11,000cm/g、より好ましくは4,000〜10,000cm/g、さらに好ましくは5,000〜9,500cm/g、特に好ましくは6,000〜9,000cm/gである。
高炉スラグ微粉末の好ましいブレーン比表面積は、好ましくは2,500〜7,000cm/g、より好ましくは3,000〜6,000cm/g、特に好ましくは3,500〜5,000cm/gである。
天然ポゾラン粉末の好ましいブレーン比表面積は、好ましくは2,500〜7,000cm/g、より好ましくは3,000〜6,000cm/g、特に好ましくは3,500〜5,000cm/gである。
本発明のセメント組成物が石灰石粉末を含む場合、石灰石粉末とポルトランドセメントの合計量(100質量%)中の石灰石粉末の割合は、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、特に好ましくは15質量%以下である。該割合が25質量%を超えると、コンクリート等の強度発現性が低下する。
本発明のセメント組成物が高炉スラグ微粉末または天然ポゾラン粉末を含む場合、高炉スラグ微粉末または天然ポゾラン粉末と、ポルトランドセメントの合計量(100質量%)中の高炉スラグ微粉末または天然ポゾラン粉末の割合(ただし、高炉スラグ微粉末と天然ポゾラン粉末を共に含む場合、これら2種類の粉末の合計量の割合)は、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、特に好ましくは15質量%以下である。該割合が25質量%を超えると、コンクリート等の流動性が低下する。
本発明のセメント組成物は、上述の各材料に加えて、水、骨材(細骨材、粗骨材)等を含むことによって、モルタルまたはコンクリートとして用いることができる。
細骨材の例としては、川砂、山砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂、スラグ細骨材、軽量細骨材等が挙げられる。
粗骨材の例としては、川砂利、山砂利、陸砂利、海砂利、砕石、珪石、スラグ粗骨材、軽量粗骨材等が挙げられる。
骨材(細骨材、粗骨材)としては、天然骨材の他、再生骨材を用いてもよい。
水の例としては、水道水、下水処理水、生コンクリートの上澄水等が挙げられる
本発明のセメント組成物は、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤等の、水量を減らすための剤を含むことができる。これらの剤中の減水成分の例としては、ポリカルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、リグニンスルホン酸、またはこれらの塩等が挙げられる
本発明のセメント組成物は、硬化後のコンクリート等の収縮ひび割れを抑制するために、膨張材、収縮低減剤等を含むことができる。
本発明のセメント組成物は、種々の目的で、空気量調整剤、凝結遅延剤、消泡剤等を含むことができる。
本発明のフライアッシュの選別方法は、一種類以上(例えば、5〜20種類)のフライアッシュを準備する準備工程と、これら一種類以上のフライアッシュの各々について、強熱減量及びBET比表面積を測定する測定工程と、測定工程で得られた強熱減量及びBET比表面積に基いて、これら一種類以上のフライアッシュの各々について、BET比表面積(単位:m/g)/強熱減量(単位:質量%)の比を算出する算出工程と、測定工程で得られた強熱減量及び算出工程で得られた比に基いて、これら一種類以上のフライアッシュから、強熱減量が5.0〜20質量%でかつ上記比が0.3未満であるフライアッシュを選別する選別工程、を含む。
強熱減量は、例えば、「JIS A 6201:2015 コンクリート用フライアッシュ」に記載されている方法によって測定することができる。
BET比表面積は、例えば、「JIS R 1626:1996 ファインセラミックス粉体の気体吸着BET法による比表面積の測定方法」に記載されている方法によって測定することができる。
以下、実施例によって本発明を説明する。
本発明は、以下の実施例によって限定されるものではなく、特許請求の範囲に包含される限りにおいて、種々の実施形態を有することができる。
1.使用した材料(フライアッシュ以外)
(1)普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製);CS(エーライト):60.1質量%、CS(ビーライト):13.1質量%、CA(アルミネート相):9.0質量%、CAF(フェライト相):9.8質量%、石膏(SO換算):2.0質量%、ブレーン比表面積:3,250cm/g
(2)石灰石粉末;ブレーン比表面積:8,500cm/g
(3)高炉スラグ微粉末;ブレーン比表面積:4,230cm/g
(4)天然ポゾラン粉末;ブレーン比表面積:3,980cm/g
(5)細骨材;「JIS R 5201:2015 セメントの物理試験方法」に記載されている標準砂
(6)水道水
2.使用した材料(フライアッシュ)
試験に用いた12種類のフライアッシュ(表1中、「FA1」〜「FA12」として表す。)の特性を、表1に示す。
「FA1」〜「FA8」は、本発明で規定するフライアッシュの条件をすべて満たすものである。「FA9」〜「FA12」は、本発明で規定するフライアッシュの条件の中の一つ以上を満たしていないものである。
Figure 2020174592
3.試験1
(1)モルタルの調製
普通ポルトランドセメントと各フライアッシュを、普通ポルトランドセメントとフライアッシュの合計量(100質量%)中のフライアッシュの割合が25質量%になるように混合して、セメント組成物(セメントにフライアッシュを添加してなる混合セメント)を調製した。
このセメント組成物(混合セメント)を用いて調製したモルタルについて、硬化前のフロー値の評価(フライアッシュを含まないモルタルを基準とした相対評価)、及び、モルタル硬化体の表面の色むらの評価を行った。その詳細は、以下のとおりである。
(2)モルタルのフロー値の評価
フライアッシュを含まない場合のフロー値を100とした場合における、各フライアッシュを含む場合のフロー値の大きさ(以下、「フロー比」という。)を算出した。
フロー比は、「各フライアッシュを含む場合のフロー値」×100÷「フライアッシュを含まない場合のフロー値」、として算出することができる。
フロー値は、「JIS A 6201:2015 コンクリート用フライアッシュ」に記載されている方法によって測定した。
結果を表2中に「フロー比」として示す。
(3)モルタル硬化体の表面の色むらの評価
各フライアッシュについて、フライアッシュ、ポルトランドセメント、細骨材、消泡剤、及び水を含むモルタルを調製し、このモルタルが硬化してなる硬化体の表面のハンターLab表色系におけるL値(以下、「L値」と略す。)を測定した。
フライアッシュの量は、フライアッシュとポルトランドセメントの合計量(100質量%)中のフライアッシュの割合が2.5質量%となる量に定めた。
モルタルの配合(ただし、消泡剤は除く。)は、「JIS R 5201:2015 セメントの物理試験方法」を参考にして、ポルトランドセメント及びフライアッシュの合計量である100質量部に対して、細骨材の量を300質量部、水の量を50質量部に定めた。
消泡剤の量は、モルタル中の空気量が2.5%未満となるように、フライアッシュ及びポルトランドセメントの合計量である100質量部に対して、0.03質量部に定めた。
モルタルの混練及び成形は、「JIS R 5201:2015 セメントの物理試験方法」に準拠して行った。混練に際して、消泡剤は、水と共にミキサーに投入した。成形の後、20℃の条件下で3日間湿空養生を行った後、得られたモルタル硬化体の表面のL値を測定した。
モルタル硬化体の表面のL値の測定は、以下のようにして行った。
まず、モルタルの表面に斑状に発生した黒い点のうち、黒色の程度が特に大きい黒い点を、目視観察によって15個選択した。次いで、選択した黒い点の略中心部分におけるL値を、分光色差計(日本電色工業社製、商品名「NR−3000」)を用いて測定した。最後に、15個の黒い点の測定値の平均値を算出した。得られた値を、表2中に「色むら(L値)」として示す。
(4)活性度指数(参考データ)
「JIS A 6201:2015 コンクリート用フライアッシュ」に準拠して、各フライアッシュの活性度指数(7日、28日、91日)を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2020174592
表2から、本発明で規定する条件をすべて満たしているフライアッシュ(「FA1」〜「FA8」)は、強熱減量(未燃カーボン含有量)が5質量%を超えているにもかかわらず、モルタルの流動性(表2中の「フロー比」を参照)を向上させてワーカビリティを改善することができ、また、モルタル硬化体の表面の色むら(表2中の「色むら(L値)」を参照)の発生を抑制していることがわかる。一方、本発明で規定するフライアッシュの条件の中の一つ以上を満たしていないフライアッシュ(「FA9」〜「FA12」)は、硬化前のコンクリート等の流動性が低下し、また、硬化後のコンクリート等の表面の色むらの発生の抑制が不十分であることがわかる。
4.試験2
(1)モルタルの調製
普通ポルトランドセメントと、フライアッシュ(「FA6」または「FA10」)と、これら2種類の粉末以外の粉末(石灰石粉末、高炉スラグ微粉末、または天然ポゾラン粉末;以下、「他の粉末」ともいう。)を混合して、セメント組成物(セメントにフライアッシュ等を添加してなる混合セメント)を調製した。
各フライアッシュの量は、以下のように定めた。
モルタルのフロー値の評価においては、フライアッシュの量は、普通ポルトランドセメントとフライアッシュと他の粉末の合計量(100質量%)中のフライアッシュの割合が25質量%になる量に定めた。
モルタル硬化体の表面の色むらの評価においては、フライアッシュの量は、普通ポルトランドセメントとフライアッシュと他の粉末の合計量(100質量%)中のフライアッシュの割合が2.5質量%になる量に定めた。
他の粉末(石灰石粉末、高炉スラグ微粉末、または天然ポゾラン粉末)の量は、普通ポルトランドセメントと他の粉末の合計量(100質量%)中の他の粉末の割合が15質量%になる量に定めた。
(2)モルタルのフロー値及び色むらの評価
このセメント組成物(混合セメント)を用いて調製したモルタルについて、上述の試験1と同様にして、硬化前のモルタルのフロー値の評価、及び、モルタル硬化体の表面の色むらの評価を行った。
結果を表3に示す。
Figure 2020174592
表3から、本発明で規定する条件をすべて満たしているフライアッシュ(FA6)は、強熱減量(未燃カーボン含有量)が7.3質量%と大きいにもかかわらず、モルタルの流動性を向上させてワーカビリティを改善することができ、また、モルタル硬化体の表面の色むらの発生を抑制していることがわかる。
一方、本発明で規定する条件を満たしていないフライアッシュ(FA10)は、モルタルの流動性を低下させており、また、モルタル硬化体の表面に、顕著な色むらを発生させており、色むらの発生を抑制していないことがわかる。

Claims (6)

  1. 強熱減量が5.0〜20質量%で、かつ、BET比表面積(単位:m/g)/上記強熱減量(単位:質量%)の比が0.3未満であるフライアッシュ。
  2. ブレーン比表面積が2,000〜5,000cm/gである請求項1に記載のフライアッシュ。
  3. SiOの含有率が40質量%以上で、かつ、Alの含有率が16〜30質量%である請求項1又は2に記載のフライアッシュ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のフライアッシュ、及び、ポルトランドセメントを含むセメント組成物であって、上記フライアッシュと上記ポルトランドセメントの合計量(100質量%)中の上記フライアッシュの割合が、1〜40質量%であるセメント組成物。
  5. 石灰石粉末、高炉スラグ微粉末、及び、天然ポゾラン粉末からなる群より選ばれる一種以上の粉末を含む請求項4に記載のセメント組成物。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のフライアッシュを選別するための方法であって、
    一種類以上のフライアッシュを準備する準備工程と、
    上記一種類以上のフライアッシュの各々について、強熱減量及びBET比表面積を測定する測定工程と、
    上記測定工程で得られた上記強熱減量及び上記BET比表面積に基いて、上記一種類以上のフライアッシュの各々について、上記BET比表面積(単位:m/g)/上記強熱減量(単位:質量%)の比を算出する算出工程と、
    上記測定工程で得られた上記強熱減量及び上記算出工程で得られた上記比に基いて、上記一種類以上のフライアッシュから、上記強熱減量が5.0〜20質量%でかつ上記比が0.3未満であるフライアッシュを選別する選別工程、
    を含むフライアッシュの選別方法。
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