JPWO2020171139A1 - 着色樹脂組成物、カラーフィルタ、及び画像表示装置 - Google Patents

着色樹脂組成物、カラーフィルタ、及び画像表示装置 Download PDF

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Abstract

輝度が高く、残渣の発生が抑制された着色樹脂組成物を提供する。本発明の着色樹脂組成物は、(A)着色剤、(B)溶剤、(C)アルカリ可溶性樹脂、及び(D)光重合開始剤を含有する着色樹脂組成物であって、前記(A)着色剤が、下記一般式(1)で表される化学構造を有するフタロシアニン化合物を含み、前記(B)溶剤が、1013.25hPaにおける沸点が160℃以上の高沸点溶剤を含む。[化1](式(1)中、A1〜A16は各々独立に、水素原子、フッ素原子、又は下記一般式(2)で表される基を表す。ただし、A1〜A16のうち1つ以上はフッ素原子を表し、かつ、A1〜A16のうち1つ以上は下記一般式(2)で表される基を表す。)[化2](式(2)中、Xは2価の連結基を表す。式(2)中のベンゼン環は任意の置換基を有していてもよい。*は結合手を表す。)

Description

本発明は、着色樹脂組成物、カラーフィルタ、及び画像表示装置に関する。
2019年2月22日に日本国特許庁に出願された日本国特願2019−030548の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容、2019年6月27日に日本国特許庁に出願された日本国特願2019−119240の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容、並びに、本明細書で引用された文献等に開示された内容の一部又は全部をここに引用し、本明細書の開示内容として取り入れる。
従来、液晶表示装置等に用いられるカラーフィルタを製造する方法としては、顔料分散法、染色法、電着法、印刷法が知られている。中でも、分光特性、耐久性、パターン形状及び精度等の観点から、平均的に優れた特性を有する顔料分散法が最も広範に採用されている。
近年、カラーフィルタに対して、より高輝度、高コントラスト且つ高色域化が要求されている。カラーフィルタの色を決める着色剤としては、耐熱性、耐光性等の観点から一般には顔料が用いられているが、顔料では特に高輝度については市場要求を満たすことが出来なくなってきており、着色剤として顔料に替えて染料を用いる検討が盛んにおこなわれている。緑色画素については染料として特定のフタロシアニン化合物を用いる検討が行われている(例えば、特許文献1〜3参照)。
日本国特開2009−051896号公報 国際公開第2014/157387号 日本国特開2014−43556号公報
本発明者が検討を行ったところ、特許文献1や特許文献2に記載されている着色樹脂組成物では、実用上輝度が十分ではないことが見出された。また、特許文献3に記載されている着色樹脂組成物では、カラーフィルタ製造時のアルカリ現像工程におけるアルカリ現像性が十分ではなく、ガラス基板上に着色樹脂組成物由来の残渣が発生してしまうことが見出された。
そこで本発明は、輝度が高く、残渣の発生が抑制された着色樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者が鋭意検討を行った結果、着色剤として特定のフタロシアニン化合物を用い、さらに、溶剤として特定の沸点以上の溶剤を用いることで、上記課題を解決することができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下の構成を有する。
[1] (A)着色剤、(B)溶剤、(C)アルカリ可溶性樹脂、及び(D)光重合開始剤を含有する着色樹脂組成物であって、
前記(A)着色剤が、下記一般式(1)で表される化学構造を有するフタロシアニン化合物を含み、
前記(B)溶剤が、1013.25hPaにおける沸点が160℃以上の高沸点溶剤を含むことを特徴とする着色樹脂組成物。
Figure 2020171139
(式(1)中、A1〜A16は各々独立に、水素原子、フッ素原子、又は下記一般式(2)で表される基を表す。ただし、A1〜A16のうち1つ以上はフッ素原子を表し、かつ、A1〜A16のうち1つ以上は下記一般式(2)で表される基を表す。)
Figure 2020171139
(式(2)中、Xは2価の連結基を表す。式(2)中のベンゼン環は任意の置換基を有していてもよい。*は結合手を表す。)
[2] 着色樹脂組成物中の前記(B)溶剤の含有割合が50質量%以上である、[1]に記載の着色樹脂組成物。
[3] 前記(B)溶剤中の前記高沸点溶剤の含有割合が0.5質量%以上である、[1]又は[2]に記載の着色樹脂組成物。
[4] 前記フタロシアニン化合物の含有割合が全固形分中に5質量%以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載の着色樹脂組成物。
[5] 前記(D)光重合開始剤が、オキシムエステル系光重合開始剤を含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の着色樹脂組成物。
[6] [1]〜[5]のいずれかに記載の着色樹脂組成物を用いて作成した画素を有する、カラーフィルタ。
[7] [6]に記載のカラーフィルタを有する、画像表示装置。
本発明によれば、輝度が高く、残渣の発生が抑制された着色樹脂組成物を提供することができる。
図1は、本発明のカラーフィルタを有する有機EL表示素子の一例を示す断面概略図である。
以下に、本発明の構成要件等について詳細に説明するが、これらは本発明の実施態様の一例であり、これらの内容に限定されるものではない。
本発明において、「重量平均分子量」とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)を意味する。
また本発明において、「アミン価」とは、特に断りのない限り有効固形分換算のアミン価を意味し、分散剤の固形分1gあたりの塩基量と当量のKOHの質量で表される値である。
また本発明において、「C.I.」とはカラーインデックスを意味する。
また本発明において、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリレート」等は、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」等を意味し、例えば「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」を意味する。
また本発明において、「全固形分」とは、顔料分散液又は着色樹脂組成物に含まれる、溶剤成分以外の全成分を意味する。
また本発明において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を含む範囲を意味する。
[1]着色樹脂組成物の構成成分
以下に本発明の着色樹脂組成物の各構成成分を説明する。本発明に係る着色樹脂組成物は、(A)着色剤、(B)溶剤、(C)アルカリ可溶性樹脂、及び(D)光重合開始剤を必須成分とし、さらに要すれば、上記成分以外の他の添加物等が配合されていてもよい。
以下、各構成成分を説明する。
[1−1](A)着色剤
本発明の着色樹脂組成物に含まれる(A)着色剤は、下記一般式(1)で表される化学構造を有するフタロシアニン化合物(以下、「フタロシアニン化合物(1)」と称する場合がある。)を含む。
Figure 2020171139
式(1)中、A1〜A16は各々独立に、水素原子、フッ素原子、又は下記一般式(2)で表される基を表す。ただし、A1〜A16のうち1つ以上はフッ素原子を表し、かつ、A1〜A16のうち1つ以上は下記一般式(2)で表される基を表す。
Figure 2020171139
式(2)中、Xは2価の連結基を表す。式(2)中のベンゼン環は任意の置換基を有していてもよい。*は結合手を表す。
本発明の着色樹脂組成物に含まれる(A)着色剤は、フタロシアニン化合物(1)を含む。フタロシアニン化合物(1)は前記一般式(2)で表される基を有することで、溶剤に対する溶解度が高く分散処理工程を必要としない、もしくは、分散処理工程において必要となる分散剤等の量を非常に少なくできる。そのため、着色樹脂組成物中において、フタロシアニン化合物(1)の周囲には、分散剤やアルカリ可溶性樹脂が存在しない、もしくは、非常に少量しか存在しておらず、着色樹脂組成物中でフタロシアニン化合物(1)とアルカリ可溶性樹脂との親和力が弱くなっていると考えられる。
特に、フタロシアニン化合物(1)は、フタロシアニン環同士のπ−π相互作用、前記一般式(2)で表される基同士のπ−π相互作用によって分子同士が会合しやすく、さらに、原子半径が小さいフッ素原子を有することで分子同士のパッキングがより密となり、輝度が高くなるとともに、アルカリ可溶性樹脂との親和力が弱くなっていると考えられる。
溶剤に対する溶解度が高いことで高輝度となる一方で、アルカリ現像工程中に、アルカリ現像液とフタロシアニン化合物(1)との相互作用が小さく、フタロシアニン化合物(1)がアルカリ現像液に十分に溶解されず、ガラス基板上に残存しやすくなる傾向があると考えられる。
そこで本発明の着色樹脂組成物では、1013.25hPaにおける沸点が160℃以上の高沸点溶剤を含むことで、アルカリ現像工程時の塗膜の乾燥が抑制され、十分に湿潤な状態となり、アルカリ現像液が塗膜内部にまで十分に浸透して中和反応が促進されて、ガラス基板上に着色樹脂組成物由来の残渣が発生しにくくなると考えられる。
(A1〜A16
前記式(1)中、A1〜A16は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は下記一般式(2)で表される基を表す。ただし、A1〜A16のうち1つ以上はフッ素原子を表し、かつ、A1〜A16のうち1つ以上は下記一般式(2)で表される基を表す。
Figure 2020171139
式(2)中、Xは2価の連結基を表す。式(2)中のベンゼン環は任意の置換基を有していてもよい。*は結合手を表す。
(X)
前記一般式(2)中のXは2価の連結基を表す。2価の連結基としては特に限定されないが、酸素原子、硫黄原子、又は−N(Ra1)−基(Ra1は水素原子、又は炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基を表す。)が挙げられる。これらの中でもフタロシアニン化合物(1)のベーク時における安定性の観点から、酸素原子又は硫黄原子が好ましく、酸素原子がより好ましい。
(ベンゼン環が有していてもよい置換基)
また、式(2)中のベンゼン環は任意の置換基を有していてもよい。置換基としては特に限定されないが、ハロゲン原子、アルキル基(−RA基(ただし、RAはアルキル基を表す。))、アルコキシ基(−ORA基(ただし、RAはアルキル基を表す。))、アルコキシカルボニル基(−COORA基(ただし、RAはアルキル基を表す。))、アリール基(−RB基(ただし、RBはアリール基を表す。))、アリールオキシ基(−ORB基(ただし、RBはアリール基を表す。))、アリールオキシカルボニル基(−COORB基(ただし、RBはアリール基を表す。))が挙げられ、これらの基に含まれるアルキル基(−RA基)やアリール基(−RB基)が、さらにこれらの置換基で置換されていてもよい。これらの中でも、溶剤への溶解性や輝度の観点から、アルコキシカルボニル基が好ましい。
なおこれらの基に含まれるアルキル基は、直鎖状でも、分岐鎖状でも、環状でもよいが、溶剤への溶解性の観点から直鎖状であることが好ましい。
アルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常1以上、2以上が好ましく、また、6以下が好ましく、5以下がより好ましく、4以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで、親油性が向上し、フタロシアニン化合物(1)の溶剤への溶解性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで、親水性が向上し、フタロシアニン化合物(1)を含む着色樹脂組成物のアルカリ現像液への溶解性が向上する傾向がある。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、親油性と親水性の両立、つまり、フタロシアニン化合物(1)の溶剤への溶解性とフタロシアニン化合物(1)を含む着色樹脂組成物のアルカリ現像液への溶解性を両立する観点からメチル基又はエチル基が好ましく、エチル基がより好ましい。
またこれらの基に含まれるアリール基は、芳香族炭化水素環基であってもよく、芳香族複素環基であってもよい。
アリール基の炭素数は特に限定されないが、通常4以上、6以上が好ましく、また、12以下が好ましく、10以下がより好ましく、8以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)の溶剤への溶解性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアリール基起因の色相変化が抑制される傾向がある。
芳香族炭化水素環基における芳香族炭化水素環としては、単環であっても縮合環であってもよい。芳香族炭化水素環基としては、例えば、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、ペンタレン環、インデン環、アズレン環、ヘプタレン環等の基が挙げられる。
また、芳香族複素環基における芳香族複素環としては、単環であっても縮合環であってもよい。芳香族複素環基としては、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、チオフェン環、ピロール環、2H−ピラン環、4H−チオピラン環、ピリジン環、1,3−オキサゾール環、イソオキサゾール環、1,3−チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、1,3,5−トリアジン環、ベンゾフラン環、2−ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、2−ベンゾチオフェン環、1H−ピロリジン環、インドール環、イソインドール環、インドリジン環、2H−1−ベンゾピラン環、1H−2−ベンゾピラン環、キノリン環、イソキノリン環、4H−キノリジン環、ベンゾイミダゾール環、1H−インダゾール環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、フタラジン環、1,8−ナフチリジン環、プリン環、プテリジン環等の基が挙げられる。
式(2)中のベンゼン環が任意の置換基を有する場合、その置換数は特に限定されないが、フタロシアニン化合物(1)の極性、つまり、フタロシアニン化合物(1)の溶剤への溶解性に影響する親油性と、フタロシアニン化合物(1)を含む着色樹脂組成物のアルカリ現像液への溶解性に影響する親水性の両立の観点から、ベンゼン環1つに対して置換数が1であることが好ましい。
また、式(2)中のベンゼン環が任意の置換基を有する場合、その置換位置は、o−位でも、m−位でも、p−位でもよいが、フタロシアニン化合物(1)の極性、つまり、フタロシアニン化合物(1)の溶剤への溶解性に影響する親油性と、フタロシアニン化合物(1)を含む着色樹脂組成物のアルカリ現像液への溶解性に影響する親水性の両立の観点から、p−位が好ましい。
1〜A16のうち1つ以上はフッ素原子を表すが、輝度や、フタロシアニン化合物(1)の溶剤への溶解性に影響する親油性とフタロシアニン化合物(1)を含む着色樹脂組成物のアルカリ現像溶解性に影響する親水性の両立の観点から、2つ以上がフッ素原子であることが好ましく、4つ以上がより好ましく、6つ以上がさらに好ましく、また、14以下が好ましく、12以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。例えば、A1〜A16のうち、フッ素原子が1〜14が好ましく、2〜14がより好ましく、4〜12がさらに好ましく、6〜10が特に好ましい。
1〜A16のうち1つ以上はフッ素原子を表すが、輝度や、フタロシアニン化合物(1)の極性、つまり、フタロシアニン化合物(1)の溶剤への溶解性に影響する親油性と、フタロシアニン化合物(1)を含む着色樹脂組成物のアルカリ現像溶解性に影響する親水性の両立の観点から、A1〜A4のうち1つ以上がフッ素原子であり、A5〜A8のうち1つ以上がフッ素原子であり、A9〜A12のうち1つ以上がフッ素原子であり、かつ、A13〜A16のうち1つ以上がフッ素原子であることが好ましく、A1〜A4のうち2つ以上がフッ素原子であり、A5〜A8のうち2つ以上がフッ素原子であり、A9〜A12のうち2つ以上がフッ素原子であり、かつ、A13〜A16のうち2つ以上がフッ素原子であることがより好ましい。
1〜A16のうち1つ以上は前記一般式(2)で表される基を表すが、溶剤への溶解性の観点から、2つ以上が好ましく、4つ以上がより好ましく、6つ以上がさらに好ましく、また、14以下が好ましく、12以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。例えば、A1〜A16のうち、前記一般式(2)で表される基が1〜14が好ましく、2〜14がより好ましく、4〜12がさらに好ましく、6〜10が特に好ましい。
また、A1〜A16のうち1つ以上は前記一般式(2)で表される基を表すが、溶剤への溶解性の観点から、A1〜A4のうち1つ以上が前記一般式(2)で表される基であり、A5〜A8のうち1つ以上が前記一般式(2)で表される基であり、A9〜A12のうち1つ以上が前記一般式(2)で表される基であり、かつ、A13〜A16のうち1つ以上が前記一般式(2)で表される基であることが好ましく、A1〜A4のうち2つ以上が前記一般式(2)で表される基であり、A5〜A8のうち2つ以上が前記一般式(2)で表される基であり、A9〜A12のうち2つ以上が前記一般式(2)で表される基であり、かつ、A13〜A16のうち2つ以上が前記一般式(2)で表される基であることがより好ましい。
特に、カラーフィルタで求められる色目、輝度、溶剤への溶解性の観点から、A2、A3、A6、A7、A10、A11、A14、及びA15が前記一般式(2)で表される基であり、かつ、A1、A4、A5、A8、A9、A12、A13、及びA16がフッ素原子であることが特に好ましい。
フタロシアニン化合物(1)の具体例としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2020171139
式中のEtはエチルを表す。
Figure 2020171139
Figure 2020171139
Figure 2020171139
フタロシアニン化合物(1)の製造方法としては公知の方法を採用することができ、例えば、日本国特開平5−345861号公報に記載の方法を採用することができる。
(A)着色剤は、フタロシアニン化合物(1)以外に、その他の着色剤を含んでいてもよい。その他の着色剤としては、顔料や染料が挙げられる。これらの中でも、本発明の着色樹脂組成物を緑色画素用途に用いる場合には、緑色顔料、緑色染料、黄色顔料、黄色染料等を用いることが好ましい。
緑色顔料としては、C.I.ピグメントグリーン7、36、58、59、62、63等が挙げられ、輝度の観点からC.I.ピグメントグリーン58が好ましい。
緑色染料としては、カラーインデックスで染料に分類されているものの中で、C.I.ソルベント染料としてC.I.ソルベントグリーン1、3、4、5、7、28、29、32、33、34、35が挙げられ、またC.I.アシッド染料としてC.I.アシッド・グリーン1、3、5、9、16、25、27、50、58、63、65、80、104、105、106、109、C.I.モーダント染料としてC.I.モーダント・グリーン1、3、4、5、10、15、19、26、29、33、34、35、41、43、53等が挙げられる。これらの中でも、熱焼成時の染料分解抑制の観点からC.I.ソルベントグリーン1、3、4、5、7、28、29、32、33、34、35が好ましい。
黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75、81、83、86、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、125、126、127、127:1、128、129、133、134、136、137、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208、及び下記式(i)で表されるアゾバルビツール酸のニッケルとの1:1錯体又はその互換異性体に、他の化合物が挿入されてなる化合物(以下、「式(i)で表されるニッケルアゾ錯体」と称する場合がある。)等が挙げられる。
Figure 2020171139
また、上記式(i)で表されるアゾバルビツール酸のニッケルとの1:1錯体又はその互換異性体に、挿入される他の化合物としては、下記式(ii)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2020171139
この中でも、高輝度および高色域の観点から、C.I.ピグメントイエロー83、117、129、138、139、154、155、180、185、及び式(i)で表されるニッケルアゾ錯体が好ましく、C.I.ピグメントイエロー83、138、139、180、185及び式(i)で表されるニッケルアゾ錯体がより好ましい。
黄色染料としては、バルビツール酸アゾ系染料、ピリドンアゾ系染料、ピラゾロンアゾ系染料、キノフタロン系染料、シアニン系染料等が挙げられる。その具体例としては、日本国特開2010−168531号公報に記載の具体的化合物が挙げられる。
カラーインデックスで染料に分類されているものの中で、C.I.ソルベント染料として、C.I.ソルベント・イエロー4、14、15、23、24、38、62、63、68、79、82、94、98、99、162、163等が挙げられる。またC.I.アシッド染料としてC.I.アシッド・イエロー1、3、7、9、11、17、23、25、29、34、36、38、40、42、54、65、72、73、76、79、98、99、111、112、113、114、116、119、123、128、134、135、138、139、140、144、150、155、157、160、161、163、168、169、172、177、178、179、184、190、193、196、197、199、202、203、204、205、207、212、214、220、221、228、230、232、235、238、240、242、243、251やその誘導体が挙げられる。またC.I.ダイレクト染料としてC.I.ダイレクト・イエロー2、33、34、35、38、39、43、47、50、54、58、68、69、70、71、86、93、94、95、98、102、108、109、129、136、138、141等の染料が挙げられる。さらに、C.I.モーダント染料としてC.I.モーダント・イエロー5、8、10、16、20、26、30、31、33、42、43、45、56、61、62、65等の染料が挙げられ、好ましくは、C.I.ソルベント・イエロー4、14、15、23、24、38、62、63、68、82、94、98、99、162、C.I.アシッド・イエロー1、3、7、9、11、17、23、25、29、34、36、38、40、42、54、65、72、73、76、79、98、99、111、112、113、114、116、119、123、128、134、135、138、139、140、144、150、155、157、160、161、163、168、169、172、177、178、179、184、190、193、196、197、199、202、203、204、205、207、212、214、220、221、228、230、232、235、238、240、242、243、251、23、25、29、34、40、42、72、76、99、111、112、114、116、163、243やその誘導体が挙げられる。
これらの中でも、熱焼成時の染料分解抑制の観点から、C.I.ソルベント・イエロー4、14、15、23、24、38、62、63、68、79、82、94、98、99、162及び163からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
顔料の平均一次粒子径は、通常0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.04μm以下である。顔料の微粒化に際しては、ソルベントソルトミリングのような手法が好適に用いられる。
本発明の着色樹脂組成物における(A)着色剤の含有割合は特に限定されないが、着色樹脂組成物の全固形分中に5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、30質量%以上がよりさらに好ましく、35質量%以上が特に好ましく、また、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましく、45質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで輝度や色域等の色特性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでパターン形成性が良好となる傾向がある。例えば、(A)着色剤の含有割合は、5〜70質量%が好ましく、10〜60質量%がより好ましく、20〜50質量%がさらに好ましく、30〜45質量%がよりさらに好ましく、35〜45質量%が特に好ましい。
本発明の着色樹脂組成物におけるフタロシアニン化合物(1)の含有割合は特に限定されないが、着色樹脂組成物の全固形分中に5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、30質量%以上がよりさらに好ましく、35質量%以上が特に好ましく、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましく、45質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで輝度や色域等の色特性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでパターン形成性が良好となる傾向がある。
その他の着色剤を含む場合、その含有割合は特に限定されないが、着色樹脂組成物の全固形分中に0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましく、5質量%以上がよりさらに好ましく、10質量%以上が特に好ましく、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下がさらに好ましく、30質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで輝度や色域等の色特性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでパターン形成性が良好となる傾向がある。
[1−2](B)溶剤
(B)溶剤は、本発明の着色樹脂組成物において、着色剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合開始剤、その他の成分を溶解又は分散させ、粘度を調節する機能を有する。
係る(B)溶剤としては、各成分を溶解または分散させることができるものであればよい。
本発明の着色樹脂組成物において、(B)溶剤は、1013.25hPaにおける沸点が160℃以上の高沸点溶剤(以下、「高沸点溶剤」と称する場合がある。)を含有する。このように高沸点溶剤を含むことにより、アルカリ現像工程時の塗膜の乾燥が抑制され、十分に湿潤な状態となり、アルカリ現像液が塗膜内部にまで十分に浸透して中和反応が促進され、フタロシアニン化合物(1)を含む塗膜であってもガラス基板上にその残渣が発生しにくくできると考えられる。
前記高沸点溶剤の1013.25hPaにおける沸点(以下、特に断りがない限りは単に「沸点」と略記する。)は、通常160℃以上、好ましくは165℃以上、より好ましくは170℃以上、さらに好ましくは180℃以上、よりさらに好ましくは190℃以上、特に好ましくは200℃以上、最も好ましくは220℃以上であり、また、好ましくは340℃以下、より好ましくは300℃以下、さらに好ましくは280℃以下である。前記下限値以上とすることでアルカリ溶解性が向上し、カラーフィルタ製造工程中のVCD(減圧乾燥)時の突沸発生が抑制される傾向があり、また、前記上限値以下とすることでカラーフィルタ製造工程中のVCD(減圧乾燥)の効率が向上する傾向がある。例えば、前記高沸点溶剤の沸点は、160〜340℃が好ましく、165〜340℃がより好ましく、170〜300℃がさらに好ましく、180〜300℃がよりさらに好ましく、190〜300℃がことさら好ましく、200〜280℃が特に好ましく、220〜280℃が最も好ましい。高沸点溶剤は1種類単独でもよく、2種類以上を併用してもよい。
また、前記高沸点溶剤の20℃における蒸気圧は特に限定されないが、好ましくは1Pa以上、より好ましくは5Pa以上、さらに好ましくは10Pa以上、また、好ましくは2000Pa以下、より好ましくは1500Pa以下、さらに好ましくは1000Pa以下、特に好ましくは500Pa以下である。前記下限値以上とすることでカラーフィルタ製造工程中のVCD(減圧乾燥)の効率が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ溶解性が向上し、カラーフィルタ製造工程中のVCD(減圧乾燥)時の突沸発生が抑制される傾向がある。例えば、前記高沸点溶剤の20℃における蒸気圧は、1〜2000Paが好ましく、1〜1500Paがより好ましく、5〜1000Paがさらに好ましく、10〜500Paが特に好ましい。
前記高沸点溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル(沸点:171℃)、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル(沸点:170℃)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(沸点:188℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(沸点:202℃)、3−エトキシプロピオン酸エチル(沸点:170℃)、3−メトキシブチルアセテート(沸点:171℃)、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート(沸点:187℃)等のグリコールエーテル類;
エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート(沸点:192℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点:217℃)、ジエチレングリコールモノモノブチルエーテルアセテート(沸点:245℃)、等のグリコールエーテルアセテート類;
エチレングリコールジアセテート(沸点:191℃)、1,3−ブチレングリコールジアセテート(沸点:232℃)等のグリコールジアセテート類;
N−メチルピロリドン(沸点:202℃)等のアミド類;が挙げられ、フタロシアニン化合物(1)の着色樹脂組成物中での溶解性の観点から、グリコールエーテル類やグリコールエーテルアセテート類が好ましく、グリコールエーテル類がより好ましい。
これら高沸点溶剤の中でも、適度な残渣抑制と、カラーフィルタ製造工程中のVCD(減圧乾燥)の効率向上の観点から、沸点が160℃以上200℃未満の高沸点溶剤(以下、「高沸点溶剤A」と称する場合がある。)を用いることが好ましい。
高沸点溶剤Aの沸点は160℃以上200℃未満であれば特に限定されないが、165℃以上が好ましく、170℃以上がより好ましく、175℃以上がさらに好ましく、また、195℃以下が好ましく、190℃以下がより好ましく、185℃以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることでアルカリ溶解性が向上し、カラーフィルタ製造工程中のVCD(減圧乾燥)時の突沸発生が抑制される傾向があり、また、前記上限値以下とすることでカラーフィルタ製造工程中のVCD(減圧乾燥)の効率が向上する傾向がある。例えば、高沸点溶剤Aの沸点は、165℃〜195℃が好ましく、170℃〜190℃がより好ましく、175℃〜185℃がさらに好ましい。高沸点溶剤Aは1種類単独でもよく、2種類以上を併用してもよい。
高沸点溶剤Aの具体例としては、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル(沸点:171℃)、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル(沸点:170℃)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(沸点:188℃)、3−エトキシプロピオン酸エチル(沸点:170℃)、3−メトキシブチルアセテート(沸点:171℃)、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート(沸点:187℃)等のグリコールエーテル類;
エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート(沸点:192℃)等のグリコールエーテルアセテート類;
エチレングリコールジアセテート(沸点:191℃)等のグリコールジアセテート類;が挙げられ、フタロシアニン化合物(1)の着色樹脂組成物中での溶解性の観点から、グリコールエーテル類やグリコールエーテルアセテート類が好ましく、グリコールエーテル類がより好ましい。
これら高沸点溶剤の中でも、効率的な残渣抑制と、カラーフィルタ製造工程中のVCD(減圧乾燥)時の突沸発生抑制の観点から、沸点が200℃以上340℃以下の高沸点溶剤(以下、「高沸点溶剤B」と称する場合がある。)を用いることが好ましい。
高沸点溶剤Bの沸点は200℃以上340℃以下であれば特に限定されないが、210℃以上が好ましく、220℃以上がより好ましく、230℃以上がさらに好ましく、また、320℃以下が好ましく、300℃以下がより好ましく、280℃以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることでアルカリ溶解性が向上し、カラーフィルタ製造工程中のVCD(減圧乾燥)時の突沸発生が抑制される傾向があり、また、前記上限値以下とすることでカラーフィルタ製造工程中のVCD(減圧乾燥)の効率が向上する傾向がある。例えば、高沸点溶剤Bの沸点は、210℃〜320℃が好ましく、220℃〜300℃がより好ましく、230℃〜280℃がさらに好ましい。高沸点溶剤Bは1種類単独でもよく、2種類以上を併用してもよい。
高沸点溶剤Bの具体例としては、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(沸点:202℃)等のグリコールエーテル類;
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点:217℃)、ジエチレングリコールモノモノブチルエーテルアセテート(沸点:245℃)、等のグリコールエーテルアセテート類;
1,3−ブチレングリコールジアセテート(沸点:232℃)等のグリコールジアセテート類;
N−メチルピロリドン(沸点:202℃)等のアミド類;が挙げられ、フタロシアニン化合物(1)の着色樹脂組成物中での溶解性の観点から、グリコールエーテル類やグリコールエーテルアセテート類が好ましく、グリコールエーテルアセテート類がより好ましい。
高沸点溶剤の中でも、適度な残渣抑制と、カラーフィルタ製造工程中のVCD(減圧乾燥)の効率向上の観点から、高沸点溶剤Aを単独で用いることが好ましい。また、効率的な残渣抑制と、カラーフィルタ製造工程中のVCD(減圧乾燥)時の突沸発生抑制の観点から、高沸点溶剤Bを単独で用いることが好ましい。一方で、残渣を抑制しつつ、カラーフィルタ製造工程中の、VCD(減圧乾燥)の効率向上とVCD(減圧乾燥)時の突沸発生抑制を両立する観点から、高沸点溶剤Aと高沸点溶剤Bを併用することが好ましい。
また、本発明の着色樹脂組成物において、(B)溶剤は、沸点が160℃未満の低沸点溶剤(以下、「低沸点溶剤」と称する場合がある。)を含有することが好ましい。低沸点溶剤を含むことにより、カラーフィルタ製造工程中のVCD(減圧乾燥)の効率が向上したり、VCDや加熱乾燥で塗膜が乾燥しやく塗膜の厚さが薄くなることにより、紫外線露光時に紫外光が塗膜内部まで届くことで塗膜硬化性が上がり、パターン形成が有利になったりする傾向がある。
前記低沸点溶剤の沸点は160℃未満であれば特に限定されないが、150℃以下が好ましく、140℃以下がより好ましく、130℃以下がさらに好ましく、120℃以下が特に好ましく、また、80℃以上が好ましく、好ましくは90℃以上がより好ましく、100℃以上がさらに好ましい。前記上限値以下とすることでカラーフィルタ製造工程中のVCD(減圧乾燥)の効率が向上する傾向があり、また、前記下限値以上とすることでアルカリ溶解性が向上する傾向がある。
低沸点溶剤の具体例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2−ペプタノン、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸i−ペンチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチルピルベート、n−ブチルアセテート、イソブチルアセテート、アミルアセテート、イソアミルアセテート、ブチルプロピオネート、エチルブチレート、プロピルブチレート、メチル−3−メトキシイソブチレート、メチルグリコレート、メチルラクテート、メチル−2−ヒドロキシイソブチレート、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、ジブチルエーテル、シクロペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、5−メチル−2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、1−メトキシ−2−プロパノール等を挙げることができる。これらの中でも、溶剤以外の着色樹脂組成物の構成成分に対する、溶解性や保存安定性の観点から、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートがより好ましい。
本発明の着色樹脂組成物における(B)溶剤の含有割合は特に限定されないが、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質量%以上、また、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは88質量%以下である。前記下限値以上とすることで着色樹脂組成物の保存安定性や塗布性を向上できる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで塗布時の膜厚を一定以下にできる傾向がある。例えば、溶剤の含有割合は、50〜95質量%が好ましく、60〜95質量%がより好ましく、70〜90質量%がさらに好ましく、80〜88質量%が特に好ましい。
また、本発明の着色樹脂組成物において、(B)溶剤中における前記高沸点溶剤の含有割合は特に限定されないが、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上、よりさらに好ましくは5質量%以上、ことさら好ましくは10質量%以上、特に好ましくは15質量%以上、最も好ましくは20質量%以上であり、また、好ましくは80質量%以下、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下、特に好ましくは30質量%以下である。前記下限値以上とすることでアルカリ溶解性が向上し、カラーフィルタ製造工程中のVCD(減圧乾燥)時の突沸発生が抑制される傾向があり、また、前記上限値以下とすることでカラーフィルタ製造工程中のVCD(減圧乾燥)の効率が向上する傾向がある。例えば、(B)溶剤中における前記高沸点溶剤の含有割合は、0.5〜80質量%が好ましく、1〜80質量%がより好ましく、2〜60質量%がさらに好ましく、5〜60質量%がよりさらに好ましく、10〜40質量%がことさら好ましく、15〜40質量%が特に好ましく、20〜30質量%が最も好ましい。
本発明の着色樹脂組成物が前記低沸点溶剤を含む場合には、(B)溶剤中における前記低沸点溶剤の含有割合は特に限定されないが、好ましくは20質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上、特に好ましくは70質量%以上、また、好ましくは99質量%以下、より好ましくは98質量%以下、さらに好ましくは95質量%以下である。前記下限値以上とすることでカラーフィルタ製造工程中のVCD(減圧乾燥)の効率が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ溶解性が向上し、カラーフィルタ製造工程中のVCD(減圧乾燥)時の突沸発生が抑制される傾向がある。例えば、(B)溶剤中における前記低沸点溶剤の含有割合は、20〜99質量%が好ましく、40〜98質量%がより好ましく、60〜95質量%がさらに好ましく、70〜95質量%が特に好ましい。
本発明の着色樹脂組成物における(B)溶剤が、前記高沸点溶剤A及び前記低沸点溶剤を含む場合、(B)溶剤中における前記高沸点溶剤Aの含有割合は特に限定されないが、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、15質量%以上が特に好ましく、また、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましく、20質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることでアルカリ溶解性が向上し、カラーフィルタ製造工程中のVCD(減圧乾燥)時の突沸発生が抑制される傾向があり、また、前記上限値以下とすることでカラーフィルタ製造工程中のVCD(減圧乾燥)の効率が向上する傾向がある。例えば、(B)溶剤中における前記高沸点溶剤Aの含有割合は、1〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、10〜30質量%がさらに好ましく、15〜20質量%が特に好ましい。
本発明の着色樹脂組成物における(B)溶剤が、前記高沸点溶剤A及び前記低沸点溶剤を含む場合、(B)溶剤中における低沸点溶剤の含有割合は特に限定されないが、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましく、80質量%以上が特に好ましく、また、99質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、90質量%以下がさらに好ましく、85質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることでカラーフィルタ製造工程中のVCD(減圧乾燥)の効率が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ溶解性が向上し、カラーフィルタ製造工程中のVCD(減圧乾燥)時の突沸発生が抑制される傾向がある。例えば、(B)溶剤中における前記低沸点溶剤の含有割合は、50〜99質量%が好ましく、60〜95質量%がより好ましく、70〜90質量%がさらに好ましく、80〜85質量%が特に好ましい。
本発明の着色樹脂組成物における(B)溶剤が、前記高沸点溶剤B及び前記低沸点溶剤を含む場合、(B)溶剤中における前記高沸点溶剤Bの含有割合は特に限定されないが、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、2質量%以上が特に好ましく、また、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましく、5質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることでアルカリ溶解性が効率よく向上し、カラーフィルタ製造工程中のVCD(減圧乾燥)時の突沸発生が抑制される傾向があり、また、前記上限値以下とすることでカラーフィルタ製造工程中のVCD(減圧乾燥)の効率が向上する傾向がある。例えば、(B)溶剤中における前記高沸点溶剤Bの含有割合は、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましく、1〜10質量%がさらに好ましく、2〜5質量%が特に好ましい。
本発明の着色樹脂組成物における(B)溶剤が、前記高沸点溶剤B及び前記低沸点溶剤を含む場合、(B)溶剤中における低沸点溶剤の含有割合は特に限定されないが、80質量%以上が好ましく、85質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、95質量%以上が特に好ましく、また、99.9質量%以下が好ましく、99.5質量%以下がより好ましく、99質量%以下がさらに好ましく、98質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることでカラーフィルタ製造工程中のVCD(減圧乾燥)の効率が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ溶解性が向上し、カラーフィルタ製造工程中のVCD(減圧乾燥)時の突沸発生が抑制される傾向がある。例えば、(B)溶剤中における前記低沸点溶剤の含有割合は、80〜99.9質量%が好ましく、85〜99.5質量%がより好ましく、90〜99質量%がさらに好ましく、95〜98質量%が特に好ましい。
本発明の着色樹脂組成物における(B)溶剤が、前記高沸点溶剤A、前記高沸点溶剤B及び前記低沸点溶剤を含む場合、(B)溶剤中における前記高沸点溶剤Aの含有割合は特に限定されないが、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、15質量%以上が特に好ましく、また、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましく、20質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることでアルカリ溶解性が向上し、カラーフィルタ製造工程中のVCD(減圧乾燥)時の突沸発生が抑制される傾向があり、また、前記上限値以下とすることでカラーフィルタ製造工程中のVCD(減圧乾燥)の効率が向上する傾向がある。例えば、(B)溶剤中における前記高沸点溶剤Aの含有割合は、1〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、10〜30質量%がさらに好ましく、15〜20質量%が特に好ましい。
本発明の着色樹脂組成物における(B)溶剤が、前記高沸点溶剤A、前記高沸点溶剤B及び前記低沸点溶剤を含む場合、(B)溶剤中における前記高沸点溶剤Bの含有割合は特に限定されないが、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、2質量%以上が特に好ましく、また、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましく、5質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることでアルカリ溶解性が効率よく向上し、カラーフィルタ製造工程中のVCD(減圧乾燥)時の突沸発生が抑制される傾向があり、また、前記上限値以下とすることでカラーフィルタ製造工程中のVCD(減圧乾燥)の効率が向上する傾向がある。例えば、(B)溶剤中における前記高沸点溶剤Bの含有割合は、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましく、1〜10質量%がさらに好ましく、2〜5質量%が特に好ましい。
本発明の着色樹脂組成物における(B)溶剤が、前記高沸点溶剤A、前記高沸点溶剤B及び前記低沸点溶剤を含む場合、(B)溶剤中における低沸点溶剤の含有割合は特に限定されないが、30質量%以上が好ましく、45質量%以上がより好ましく、60質量%以上がさらに好ましく、75質量%以上が特に好ましく、また、98.9質量%以下が好ましく、94.5質量%以下がより好ましく、89質量%以下がさらに好ましく、83質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることでカラーフィルタ製造工程中のVCD(減圧乾燥)の効率が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ溶解性が向上し、カラーフィルタ製造工程中のVCD(減圧乾燥)時の突沸発生が抑制される傾向がある。例えば、(B)溶剤中における前記低沸点溶剤の含有割合は、30〜98.9質量%が好ましく、45〜94.5質量%がより好ましく、60〜89質量%がさらに好ましく、75〜83質量%が特に好ましい。
[1−3](C)アルカリ可溶性樹脂
本発明の着色樹脂組成物は、(C)アルカリ可溶性樹脂を含有する。(C)アルカリ可溶性樹脂を含有することで、光重合による膜硬化性と現像液による溶解性を両立することができる。
(C)アルカリ可溶性樹脂としては、例えば日本国特開平7−207211号公報、日本国特開平8−259876号公報、日本国特開平10−300922号公報、日本国特開平11−140144号公報、日本国特開平11−174224号公報、日本国特開2000−56118号公報、日本国特開2003−233179号公報等の各公報等に記載される公知の高分子化合物を使用することができるが、中でも好ましくは下記(C−1)〜(C−5)の樹脂等が挙げられる。
(C−1):エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いはその付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂(以下「樹脂(C−1)」と称する場合がある。)
(C−2)主鎖にカルボキシル基を含有する直鎖状アルカリ可溶性樹脂(以下、「樹脂(C−2)」と称する場合がある。)
(C−3)前記樹脂(C−2)のカルボキシル基部分に、エポキシ基含有不飽和化合物を付加させた樹脂(以下、「樹脂(C−3)」と称する場合がある。)
(C−4)(メタ)アクリル系樹脂(以下、「樹脂(C−4)」と称する場合がある。)
(C−5)カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(以下、「樹脂(C−5)」と称する場合がある。)
このうち特に好ましくは樹脂(C−1)が挙げられ、以下詳述する。
なお、樹脂(C−2)〜(C−5)は、アルカリ性の現像液によって溶解され、目的とする現像処理が遂行される程度に溶解性を有するものであれば限定されず、各々、日本国特開2009−025813号公報に同項目として記載されているものを好ましく採用することができる。
(C−1)エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いはその付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂
樹脂(C−1)の好ましい態様の1つとして、「エポキシ基含有(メタ)アクリレート5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体10〜95モル%との共重合体に対し、共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いはその付加反応により生じた水酸基の10〜100モル%に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂」が挙げられる。
エポキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等が挙げられる。中でもグリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。これらのエポキシ基含有(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エポキシ基含有(メタ)アクリレートと共重合させる他のラジカル重合性単量体としては、下記一般式(V)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
Figure 2020171139
式(V)中、R91〜R98は各々独立して、水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。なお、R96とR98、又はR95とR97とが、互いに連結して環を形成していてもよい。
式(V)において、R96とR98、又はR95とR97とが連結して形成される環は、脂肪族環であることが好ましく、飽和又は不飽和の何れでもよい。R95とR97とが連結して形成される環の炭素数は5〜6であることが好ましい。
中でも、一般式(V)で表される構造としては、下記式(Va)、(Vb)、又は(Vc)で表される構造が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂にこれらの構造を導入することによって、本発明の着色樹脂組成物をカラーフィルタ形成用に使用する場合に、着色樹脂組成物の耐熱性が向上し、着色樹脂組成物を用いて形成された画素の強度が増す傾向がある。
なお、一般式(V)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
Figure 2020171139
前記一般式(V)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートとしては、その構造を有する限り公知の各種のものが使用できるが、特に下記一般式(VI)で表されるモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
Figure 2020171139
式(VI)中、R89は水素原子又はメチル基を表し、R90は前記一般式(V)で表される構造を表す。
エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体において、前記一般式(VI)で表されるモノ(メタ)アクリレートに由来する繰り返し単位の含有割合は、前記他のラジカル重合性単量体に由来する繰り返し単位中、5〜90モル%が好ましく、10〜70モルがより好ましく、15〜50モル%がさらに好ましい。
なお、前記一般式(VI)で表されるモノ(メタ)アクリレート以外の、他のラジカル重合性単量体としては、特に限定されるものではないが具体的には、例えば、スチレン、スチレンのα−、o−、m−、p−アルキル、ニトロ、シアノ、アミド、エステル誘導体等のビニル芳香族類;ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸プロパギル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ナフチル、(メタ)アクリル酸アントラセニル、(メタ)アクリル酸アントラニノニル、(メタ)アクリル酸ピペロニル、(メタ)アクリル酸フリル、(メタ)アクリル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフリル、(メタ)アクリル酸ピラニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェネチル、(メタ)アクリル酸クレジル、(メタ)アクリル酸1,1,1−トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロ−n−プロピル、(メタ)アクリル酸パーフルオロイソプロピル、(メタ)アクリル酸トリフェニルメチル、(メタ)アクリル酸クミル、(メタ)アクリル酸3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジプロピルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジイソプロピルアミド、(メタ)アクリル酸アントラセニルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド;(メタ)アクリル酸アニリド、(メタ)アクリロイルニトリル、アクロレイン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、酢酸ビニル等のビニル化合物類;シトラコン酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等の不飽和ジカルボン酸ジエステル類;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド等のモノマレイミド類;N−(メタ)アクリロイルフタルイミド等が挙げられる。
これら他のラジカル重合性単量体の中でも、着色樹脂組成物に優れた耐熱性及び強度を付与させるとの観点からは、スチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、及びモノマレイミドからなる群から選ばれる1種以上を含有することが好ましい。特に他のラジカル重合性単量体に由来する繰り返し単位中に、これらスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、及びモノマレイミドからなる群から選ばれる1種以上に由来する繰り返し単位の含有割合が、1〜70モル%であるものが好ましく、3〜50モル%であるものがさらに好ましい。
なお、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、前記他のラジカル重合性単量体との共重合反応には、公知の溶液重合法が適用される。使用する溶剤はラジカル重合に不活性なものであれば特に限定されるものではなく、通常用いられている有機溶剤を使用することができる。
その溶剤としては、例えば、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類等の酢酸エステル類;エチレングリコールジアルキルエーテル類;メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;トリエチレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールジアルキルエーテル類;ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、オクタン、デカン等の炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等の乳酸エステル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。これらの溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの溶剤の使用量は、得られる共重合体100質量部に対し、通常30〜1000質量部、好ましくは50〜800質量部である。溶剤の使用量を前記範囲内とすることで共重合体の分子量の制御が容易となる傾向がある。
また、共重合反応に使用されるラジカル重合開始剤は、ラジカル重合を開始できるものであれば特に限定されるものではなく、通常用いられている有機過酸化物触媒やアゾ化合物触媒を使用することができる。その有機過酸化物触媒としては、公知のケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアリルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートに分類されるものが挙げられる。
その具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシル−3、3−イソプロピルヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジクミルヒドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、イソブチルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
また、アゾ化合物触媒としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスカルボンアミド等が挙げられる。
これらの中から、重合温度に応じて、適当な半減期のラジカル重合開始剤が1種又は2種以上使用される。ラジカル重合開始剤の使用量は、共重合反応に使用される単量体の合計100質量部に対して、通常0.5〜20質量部、好ましくは1〜10質量部である。
共重合反応は、共重合反応に使用される単量体及びラジカル重合開始剤を溶剤に溶解し、攪拌しながら昇温して行ってもよいし、ラジカル重合開始剤を添加した単量体を、昇温、攪拌した溶剤中に滴下して行ってもよい。又、溶剤中にラジカル重合開始剤を添加し昇温した中に単量体を滴下してもよい。反応条件は目標とする分子量に応じて自由に変えることができる。
本発明において、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと前記他のラジカル重合性単量体との共重合体としては、エポキシ基含有(メタ)アクリレートに由来する繰り返し単位5〜90モル%と他のラジカル重合性単量体に由来する繰り返し単位10〜95モル%とからなるものが好ましく、前者20〜80モル%と後者80〜20モル%とからなるものがさらに好ましく、前者30〜70モル%と後者70〜30モル%とからなるものが特に好ましい。
エポキシ基含有(メタ)アクリレートに由来する繰り返し単位の含有割合を前記下限値以上とすることで、後述する不飽和一塩基酸や多塩基酸無水物の付加量が十分となる傾向があり、一方で、他のラジカル重合性単量体に由来する繰り返し単位の含有割合を前記下限値以上とすることで、耐熱性や強度が十分となる傾向がある。
続いて、エポキシ樹脂含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体のエポキシ基部分に、不飽和一塩基酸(重合性成分)と、多塩基酸無水物(アルカリ可溶性成分)とを反応させる。
エポキシ基に付加させる不飽和一塩基酸としては、公知のものを使用することができ、例えば、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和カルボン酸が挙げられる。
具体例としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、α−位がハロアルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、又はシアノ基等で置換された(メタ)アクリル酸等のモノカルボン酸等が挙げられる。中でも好ましくは(メタ)アクリル酸である。これらの1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような成分を付加させることにより、樹脂(C−1)に重合性を付与することができる。
これらの不飽和一塩基酸は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは30〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%に付加させる。前記下限値以上とすることで、着色樹脂組成物の経時安定性が良好となる傾向がある。なお、共重合体のエポキシ基に不飽和一塩基酸を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
さらに、共重合体のエポキシ基に不飽和一塩基酸を付加させたときに生じる水酸基に付加させる多塩基酸無水物としては、公知のものが使用できる。
例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の三塩基以上の酸の無水物が挙げられる。中でも、テトラヒドロ無水フタル酸、及び/又は無水コハク酸が好ましい。これらの多塩基酸無水物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような成分を付加させることにより、樹脂(C−1)にアルカリ可溶性を付与することができる。
これらの多塩基酸無水物は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基に、不飽和一塩基酸を付加させることにより生じる水酸基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは20〜90モル%、より好ましくは30〜80モル%に付加させる。前記上限値以下とすることで、現像時の残膜率が良好となる傾向があり、また、前記下限値以上とすることで溶解性が十分となる傾向がある。なお、水酸基に多塩基酸無水物を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
さらに、光感度を向上させるために、前述の多塩基酸無水物を付加させた後、生成したカルボキシル基の一部にグリシジル(メタ)アクリレートや重合性不飽和基を有するグリシジルエーテル化合物を付加させてもよい。
また、現像性を向上させるために、生成したカルボキシル基の一部に、重合性不飽和基を有さないグリシジルエーテル化合物を付加させてもよい。
また、この両方を付加させてもよい。
重合性不飽和基を有さないグリシジルエーテル化合物の具体例としては、フェニル基やアルキル基を有するグリシジルエーテル化合物等が挙げられる。市販品として、例えば、ナガセケムテックス社製の商品名「デナコールEX−111」、「デナコールEX−121」、「デナコールEX−141」、「デナコールEX−145」、「デナコールEX−146」、「デナコールEX−171」、「デナコールEX−192」等がある。
なお、このような樹脂の構造に関しては、例えば日本国特開平8−297366号公報や日本国特開2001−89533号公報に記載されており、既に公知である。
樹脂(C−1)のGPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、3000〜100000が好ましく、5000〜50000が特に好ましい。前記下限値以上とすることで、耐熱性や膜強度が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像液に対する溶解性が良好となる傾向がある。また、分子量分布の目安として、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比は、2.0〜5.0が好ましい。
一方で、紫外線露光時の塗膜硬化性の観点から、(C)アルカリ可溶性樹脂の中でも、(c1)側鎖にエチレン性不飽和基を有するアクリル共重合樹脂(以下、「(c1)アクリル共重合樹脂」と称する場合がある。)が好ましい。
(c1)アクリル共重合樹脂が有する、エチレン性不飽和基を有する側鎖を含む部分構造は特に限定されないが、紫外線露光時の塗膜硬化性とアルカリ現像時のアルカリ溶解性の両立の観点から、例えば、下記一般式(I)で表される部分構造を有することが好ましい。
Figure 2020171139
式(I)中、R1及びR2は各々独立に、水素原子又はメチル基を表す。*は結合手を表す。
また、前記式(I)で表される部分構造の中でも、感度やアルカリ現像性の観点から、下記一般式(I’)で表される部分構造が好ましい。
Figure 2020171139
式(I’)中、R1及びR2は各々独立に、水素原子又はメチル基を表す。RXは水素原子又は多塩基酸残基を表す。
多塩基酸残基とは、多塩基酸又はその無水物からOH基を1つ除した1価の基を意味する。多塩基酸としては、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸から選ばれた1種又は2種以上が挙げられる。
これらの中でもパターニング特性の観点から、好ましくは、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸であり、より好ましくは、テトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸である。
(c1)側鎖にエチレン性不飽和基を有するアクリル共重合樹脂に含まれる、前記一般式(I)で表される部分構造の含有割合は特に限定されないが10モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、30モル%以上がさらに好ましく、40モル%以上がよりさらに好ましく、50モル%以上が特に好ましく、また、95モル%以下が好ましく、90モル%以下がより好ましく、85モル%以下がさらに好ましく、80モル%以下がよりさらに好ましく、75モル%以下が特に好ましく、70モル%以下が最も好ましい。前記下限値以上とすることで紫外線露光時の塗膜硬化性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像時のアルカリ溶解性が向上する傾向がある。例えば、前記一般式(I)で表される部分構造の含有割合は、10〜95モル%が好ましく、20〜90モル%がより好ましく、30〜85モル%がさらに好ましく、40〜80モル%がよりさらに好ましく、50〜75モル%が特に好ましく、50〜70モル%が最も好ましい。
(c1)側鎖にエチレン性不飽和基を有するアクリル共重合樹脂に含まれる、前記一般式(I’)で表される部分構造の含有割合は特に限定されないが、10モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、30モル%以上がさらに好ましく、40モル%以上がよりさらに好ましく、50モル%以上が特に好ましく、また、95モル%以下が好ましく、90モル%以下がより好ましく、85モル%以下がさらに好ましく、80モル%以下がよりさらに好ましく、75モル%以下が特に好ましく、70モル%以下が最も好ましい。前記下限値以上とすることで紫外線露光時の塗膜硬化性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像時のアルカリ溶解性が向上する傾向がある。例えば、前記一般式(I’)で表される部分構造の含有割合は、10〜95モル%が好ましく、20〜90モル%がより好ましく、30〜85モル%がさらに好ましく、40〜80モル%がよりさらに好ましく、50〜75モル%が特に好ましく、50〜70モル%が最も好ましい。
(c1)側鎖にエチレン性不飽和基を有するアクリル共重合樹脂が前記一般式(I)で表される部分構造を含む場合、他に含まれる部分構造は特に限定されないが、アルカリ現像時のアルカリ溶解性の観点から、例えば、下記一般式(II)で表される部分構造を有することも好ましい。
Figure 2020171139
上記式(II)中、R3は水素原子又はメチル基を表し、R4は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族環基、又は置換基を有していてもよいアルケニル基を表す。
(R4
前記式(II)において、R4は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族環基、又は置換基を有していてもよいアルケニル基を表す。
4におけるアルキル基としては直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は、1以上が好ましく、3以上がより好ましく、5以上がさらに好ましく、8以上が特に好ましく、また、20以下が好ましく、18以下がより好ましく、16以下がさらに好ましく、14以下がよりさらに好ましく、12以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで親油性が向上し、溶剤への溶解性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで親水性が向上し、アルカリ溶解性が向上する傾向がある。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、ジシクロペンタニル基、ドデカニル基等が挙げられる。これらの中でも現像性の観点から、ジシクロペンタニル基又はドデカニル基が好ましく、ジシクロペンタニル基がより好ましい。
また、アルキル基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等が挙げられ、現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
4における芳香族環基としては、1価の芳香族炭化水素環基及び1価の芳香族複素環基が挙げられる。その炭素数は6以上が好ましく、また、24以下が好ましく、22以下がより好ましく、20以下がさらに好ましく、18以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで親油性が向上し、溶剤への溶解性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで親水性が向上し、アルカリ溶解性が向上する傾向がある。
芳香族炭化水素環基における芳香族炭化水素環としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環等の基が挙げられる。
また、芳香族複素環基における芳香族複素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環等の基が挙げられる。これらの中でも現像性の観点から、ベンゼン環基、又はナフタレン環基が好ましく、ベンゼン環基がより好ましい。
また、芳香族環基が有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシル基等が挙げられ、現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
4におけるアルケニル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルケニル基が挙げられる。その炭素数は、2以上が好ましく、また、22以下が好ましく、20以下がより好ましく、18以下がさらに好ましく、16以下がよりさらに好ましく、14以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで親油性が向上し、溶剤への溶解性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで親水性が向上し、アルカリ溶解性が向上する傾向がある。
アルケニル基の具体例としては、ビニル基、アリル基、2−プロペン−2−イル基、2−ブテン−1−イル基、3−ブテン−1−イル基、2−ペンテン−1−イル基、3−ペンテン−2−イル基、ヘキセニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル等が挙げられる。これらの中でも現像性の観点から、ビニル基又はアリル基が好ましく、ビニル基がより好ましい。
また、アルケニル基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシル基等が挙げられ、現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
このように、R4は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族環基、又は置換基を有していてもよいアルケニル基を表すが、これらの中でも現像性と膜強度の観点から、アルキル基又はアルケニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
(c1)側鎖にエチレン性不飽和基を有するアクリル共重合樹脂における前記一般式(II)で表される部分構造の含有割合は特に限定されないが、1モル%以上が好ましく、5モル%以上がより好ましく、10モル%以上がさらに好ましく、20モル%以上が特に好ましく、また、70モル%以下が好ましく、60モル%以下がより好ましく、50モル%以下がさらに好ましく、40モル%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることでアルカリ溶解性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで着色樹脂組成物の保存安定性が向上する傾向がある。前記一般式(II)で表される部分構造の含有割合は、1〜70モル%が好ましく、5〜60モル%がより好ましく、10〜50モル%がさらに好ましく、20〜40モル%が特に好ましい。
(c1)アクリル共重合樹脂が前記一般式(I)で表される部分構造を含む場合、他に含まれる部分構造として、フタロシアニン化合物(1)と(c1)アクリル共重合樹脂の親和性を向上させることによる、フタロシアニン化合物(1)のアルカリ溶解性の観点から下記一般式(III)で表される部分構造が含まれることが好ましい。
Figure 2020171139
上記式(III)中、R5は水素原子又はメチル基を表し、R6は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルコキシ基、チオール基、又は置換基を有していてもよいアルキルスルフィド基を表す。tは0〜5の整数を表す。
(R6
前記式(III)においてR6は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルコキシ基、チオール基、又は置換基を有していてもよいアルキルスルフィド基を表す。
6におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は、1以上が好ましく、3以上がより好ましく、5以上がさらに好ましく、また、20以下が好ましく、18以下がより好ましく、16以下がさらに好ましく、14以下がよりさらに好ましく、12以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで親油性が向上し、溶剤への溶解性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで親水性が向上し、アルカリ溶解性が向上する傾向がある。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、ジシクロペンタニル基、ドデカニル基等が挙げられる。これらの中でも耐熱性の観点から、ジシクロペンタニル基又はドデカニル基が好ましく、ジシクロペンタニル基がより好ましい。
また、アルキル基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等が挙げられ、現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
6におけるアルケニル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルケニル基が挙げられる。その炭素数は、2以上が好ましく、また、22以下が好ましく、20以下がより好ましく、18以下がさらに好ましく、16以下がよりさらに好ましく、14以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで親油性が向上し、溶剤への溶解性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで親水性が向上し、アルカリ溶解性が向上する傾向がある。
アルケニル基の具体例としては、ビニル基、アリル基、2−プロペン−2−イル基、2−ブテン−1−イル基、3−ブテン−1−イル基、2−ペンテン−1−イル基、3−ペンテン−2−イル基、ヘキセニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル等が挙げられる。これらの中でも紫外線露光時の露光感度の観点から、ビニル基又はアリル基が好ましく、ビニル基がより好ましい。
また、アルケニル基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシル基等が挙げられ、現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
6におけるアルキニル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキニル基が挙げられる。その炭素数は、2以上が好ましく、また、22以下が好ましく、20以下がより好ましく、18以下がさらに好ましく、16以下がよりさらに好ましく、14以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで親油性が向上し、溶剤への溶解性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで親水性が向上し、アルカリ溶解性が向上する傾向がある。
アルキニル基の具体例としては、1−プロピン−3−イル基、1−ブチン−4−イル基、1−ペンチン−5−イル基、2−メチル−3−ブチン−2−イル基、1,4−ペンタジイン−3−イル基、1,3−ペンタジイン−5−イル基、1−ヘキシン−6−イル基、等が挙げられる。
また、アルキニル基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシル基等が挙げられ、現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
6におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、これらの中でも(c1)アクリル共重合樹脂の保存安定性の観点からはフッ素原子が好ましい。
6におけるアルコキシ基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルコキシ基が挙げられる。その炭素数は、1以上が好ましく、また、20以下が好ましく、18以下がより好ましく、16以下がさらに好ましく、14以下がよりさらに好ましく、12以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで親油性が向上し、溶剤への溶解性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで親水性が向上し、アルカリ溶解性が向上する傾向がある。
アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、等が挙げられる。
また、アルコキシ基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等が挙げられ、現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
6におけるアルキルスルフィド基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキルスルフィド基が挙げられる。その炭素数は、1以上が好ましく、また、20以下が好ましく、18以下がより好ましく、16以下がさらに好ましく、14以下がよりさらに好ましく、12以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで親油性が向上し、溶剤への溶解性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで親水性が向上し、アルカリ溶解性が向上する傾向がある。
アルキルスルフィド基の具体例としては、メチルスルフィド基、エチルスルフィド基、プロピルスルフィド基、ブチルスルフィド基等が挙げられる。これらの中でも現像性の観点から、メチルスルフィド基又はエチルスルフィド基が好ましい。
また、アルキルスルフィド基におけるアルキル基が有していてもよい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、クロロ基、ブロモ基、フルオロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、オリゴエチレングリコール基、フェニル基、カルボキシル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等が挙げられ、現像性の観点から、ヒドロキシ基、オリゴエチレングリコール基が好ましい。
このように、R6は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、チオール基、又は置換基を有していてもよいアルキルスルフィド基を表すが、これらの中でも現像性の観点から、ヒドロキシ基又はカルボキシル基が好ましく、カルボキシル基がより好ましい。
前記式(III)においてtは0〜5の整数を表すが、製造容易性の観点からはtが0であることが好ましい。
(c1)側鎖にエチレン性不飽和基を有するアクリル共重合樹脂における前記一般式(III)で表される部分構造の含有割合は特に限定されないが、1モル%以上が好ましく、2モル%以上がより好ましく、5モル%以上がさらに好ましく、8モル%以上が特に好ましく、また、50モル%以下が好ましく、40モル%以下がより好ましく、30モル%以下がさらに好ましく、20モル%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることでフタロシアニン化合物(1)と(c1)アクリル共重合樹脂の親和性が向上し、アルカリ溶解性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでその他部分構造の含有割合が増え、アルカリ溶解性が向上する傾向がある。例えば、前記一般式(III)で表される部分構造の含有割合は、1〜50モル%が好ましく、2〜40モル%がより好ましく、5〜30モル%がさらに好ましく、8〜20モル%が特に好ましい。
(c1)側鎖にエチレン性不飽和基を有するアクリル共重合樹脂が前記一般式(I)で表される部分構造を有する場合、他に含まれる部分構造として、現像性の観点から下記一般式(IV)で表される部分構造を有することも好ましい。
Figure 2020171139
上記式(IV)中、R7は水素原子又はメチル基を表す。
(c1)側鎖にエチレン性不飽和基を有するアクリル共重合樹脂が前記一般式(IV)で表される部分構造を有する場合のその含有割合は特に限定されないが、5モル%以上が好ましく、10モル%以上がより好ましく、20モル%以上がさらに好ましく、また、80モル%以下が好ましく、70モル%以下がより好ましく、60%モル以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることでアルカリ溶解性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで着色樹脂組成物の保存安定性が向上する傾向がある。例えば、前記一般式(IV)で表される部分構造を有する場合のその含有割合は、5〜80モル%が好ましく、10〜70モル%がより好ましく、20〜60モル%がさらに好ましい。
一方で、(C)アルカリ可溶性樹脂の酸価は特に限定されないが、10mgKOH/g以上が好ましく、30mgKOH/g以上がより好ましく、40mgKOH/g以上がさらに好ましく、50mgKOH/g以上がよりさらに好ましく、60mgKOH/g以上が特に好ましく、また、300mgKOH/g以下が好ましく、250mgKOH/g以下がより好ましく、200mgKOH/g以下がさらに好ましく、150mgKOH/g以下がよりさらに好ましい。前記下限値以上とすることでアルカリ溶解性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで着色樹脂組成物の保存安定性が向上する傾向がある。例えば、(C)アルカリ可溶性樹脂の酸価は、10〜300mgKOH/gが好ましく、30〜300mgKOH/gがより好ましく、40〜250mgKOH/gがさらに好ましく、50〜200mgKOH/gがよりさらに好ましく、60〜150mgKOH/gが特に好ましい。
(C)アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、通常1000以上、好ましくは2000以上、より好ましくは4000以上、さらに好ましくは6000以上、よりさらに好ましくは7000以上、特に好ましくは8000以上であり、また、通常30000以下、好ましくは20000以下、より好ましくは15000以下、さらに好ましくは10000以下である。前記下限値以上とすることで耐熱性や塗膜硬化性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ溶解性が向上する傾向がある。例えば、(C)アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、1000〜30000が好ましく、2000〜30000がより好ましく、4000〜20000がさらに好ましく、6000〜20000がよりさらに好ましく、7000〜15000が特に好ましく、8000〜10000が最も好ましい。
本発明の着色樹脂組成物における(C)アルカリ可溶性樹脂の含有割合は特に限定されないが、着色樹脂組成物の全固形分中に、通常1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上、よりさらに好ましくは25質量%以上、特に好ましくは30質量%以上であり、また、通常80質量%以下、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である。前記下限値以上とすることにより、強固な膜が得られ、基板への密着性にも優れる傾向がある。また、前記上限値以下とすることにより、露光部への現像液の浸透性が低く、画素の表面平滑性や感度の悪化を抑制できる傾向がある。例えば、(C)アルカリ可溶性樹脂の含有割合は、1〜80質量%が好ましく、5〜80質量%がより好ましく、10〜60質量%がさらに好ましく、20〜60質量%がよりさらに好ましく、25〜50質量%が特に好ましく、30〜40質量%が最も好ましい。
[1−4](D)光重合開始剤
本発明の着色樹脂組成物は(D)光重合開始剤を含有する。(D)光重合開始剤を含有することで光重合による膜硬化性を得ることができる。
(D)光重合開始剤は、加速剤(連鎖移動剤)及び必要に応じて添加される増感色素等の付加剤との混合物(光重合開始系)として用いることもできる。光重合開始系は、光を直接吸収し、或いは光増感されて分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する成分である。
光重合開始剤としては、例えば、日本国特開昭59−152396号、日本国特開昭61−151197号各公報に記載のチタノセン化合物を含むメタロセン化合物や、日本国特開平10−39503号公報記載のヘキサアリールビイミダゾール誘導体、ハロメチル−s−トリアジン誘導体、N−フェニルグリシン等のN−アリール−α−アミノ酸類、N−アリール−α−アミノ酸塩類、N−アリール−α−アミノ酸エステル類等のラジカル活性剤、α-アミノアルキルフェノン系化合物、日本国特開2000−80068号公報に記載されているオキシムエステル系開始剤等が挙げられる。
本発明で用いることができる光重合開始剤の具体的な例を以下に列挙する。
2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシカルボニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル化トリアジン誘導体;
2−トリクロロメチル−5−(2’−ベンゾフリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−〔β−(2’−ベンゾフリル)ビニル〕−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−〔β−(2’−(6’’−ベンゾフリル)ビニル)〕−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5一フリル−1,3,4−オキサジアゾール等のハロメチル化オキサジアゾール誘導体;
2−(2’−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダソール2量体、2−(2’−クロロフェニル)−4,5−ビス(3’−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(2’−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(2’−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、(4’−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体等のイミダゾール誘導体;
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類;
2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン誘導体;
ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、α−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、1,1,1−トリクロロメチル−(p一ブチルフェニル)ケトン等のアセトフェノン誘導体;
チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体;
p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体;
9−フェニルアクリジン、9−(p−メトキシフェニル)アクリジン等のアクリジン誘導体;
9,10−ジメチルベンズフェナジン等のフェナジン誘導体;
ベンズアンスロン等のアンスロン誘導体;
ジシクロペンタジエニル−Ti−ジクロライド、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニル、ジシクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジフルオロフェニル、ジシクロペンタジエニル−Ti−2,4−ジフルオロフェニル、ジメチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル、ジメチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニル、ジシクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジフルオロ−3−(ピロール−1−イル)−フェニル等のチタノセン誘導体;
2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、4−ジメチルアミノエチルベンゾエ−ト、4−ジメチルアミノイソアミルベンゾエ−ト、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、2−エチルヘキシル−1,4−ジメチルアミノベンゾエート、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4−(ジエチルアミノ)カルコン等のα−アミノアルキルフェノン系化合物;
1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)エタノン、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物。
これらの中でも、感度及び表面性状の観点から、オキシムエステル系化合物(オキシムエステル系光重合開始剤)であることが好ましい。
オキシムエステル系化合物は、その構造の中に紫外線を吸収する構造と光エネルギーを伝達する構造とラジカルを発生する構造を併せ持っているために、少量で感度が高く、かつ熱反応に対しては安定であり、少量で高感度な着色樹脂組成物の設計が可能である。特に、露光光源のi線(365nm)に対する光吸収性の観点から、置換基を有していてもよいカルバゾール環を有するオキシムエステル系化合物が好ましい。
オキシムエステル系化合物としては、例えば、下記一般式(I−1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020171139
上記式(I−1)中、R21aは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は、置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
21bは芳香環又はヘテロ芳香環を含む任意の置換基を表す。
22aは、置換基を有していてもよいアルカノイル基、又は、置換基を有していてもよいアリーロイル基を表す。
21aにおけるアルキル基の炭素数は特に限定されないが、溶剤への溶解性や露光に対する感度の観点から、通常1以上、好ましくは2以上、また、通常20以下、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは5以下である。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロペンチルエチル基等が挙げられる。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、芳香族環基、水酸基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アミド基、4−(2−メトキシ−1−メチル)エトキシ−2−メチルフェニル基又はN−アセチル−N−アセトキシアミノ基等が挙げられ、合成容易性の観点からは、無置換であることが好ましい。
21aにおける芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基が挙げられる。芳香族環基の炭素数は特に限定されないが、着色樹脂組成物への溶解性の観点から5以上であることが好ましい。また、現像性の観点から30以下が好ましく、20以下がより好ましく、12以下がさらに好ましく、8以下が特に好ましい。
芳香族環基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、フリル基、フルオレニル基等が挙げられ、これらの中でも現像性の観点から、フェニル基、ナフチル基又はフルオレニル基が好ましく、フェニル基又はフルオレニル基がより好ましい。
芳香族環基が有していてもよい置換基としては、水酸基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アミド基、アルキル基等が挙げられ、現像性の観点から水酸基、カルボキシ基が好ましく、カルボキシ基がより好ましい。また、置換基を有していてもよいアルキル基や置換基を有していてもよいアルコキシ基における置換基としては、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基が挙げられる。
これらの中でも、現像性の観点から、R21aが置換基を有していてもよいアルキル基であることが好ましく、無置換のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。
21bは芳香環又はヘテロ芳香環を含む任意の置換基であるが、溶剤への溶解性や露光に対する感度の観点から、置換基を有していてもよいカルバゾリル基、置換基を有していてもよいチオキサントニル基、置換基を有していてもよいジフェニルスルフィド基又は置換基を有してもよいフルオレニル基、これらの基とカルボニル基とを連結した基が好ましく挙げられる。これらの中でも、露光光源のi線(365nm)に対する光吸収性の観点から、置換基を有していてもよいカルバゾリル基、又は置換基を有していてもよいカルバゾリル基とカルボニル基を連結した基が好ましい。
22aにおけるアルカノイル基の炭素数は特に限定されないが、溶剤への溶解性や感度の観点から、通常2以上、好ましくは3以上、また、通常20以下、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは5以下である。アルカノイル基の具体例としては、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基等が挙げられる。
アルカノイル基が有していてもよい置換基としては、芳香族環基、水酸基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アミド基等が挙げられ、合成容易性の観点からは、無置換であることが好ましい。
22aにおけるアリーロイル基の炭素数は特に限定されないが、溶剤への溶解性や感度の観点から、通常7以上、好ましくは8以上、また、通常20以下、好ましくは15以下、より好ましくは10以下である。アリーロイル基の具体例としては、ベンゾイル基、ナフトイル基等が挙げられる。
アリーロイル基が有していてもよい置換基としては、水酸基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アミド基、アルキル基等が挙げられ、合成容易性の観点からは、無置換であることが好ましい。
前記一般式(I−1)で表される化合物の中でも、露光光源のi線(365nm)に対する光吸収性の観点から、下記一般式(I−2)又は(I−3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020171139
Figure 2020171139
上記式(I−2)又は(I−3)中、R21a及びR22aは、前記一般式(I−1)と同義である。
23aは、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
24aは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリーロイル基、置換基を有していてもよいヘテロアリーロイル基、又はニトロ基を表す。
カルバゾール環を構成するベンゼン環は、さらに芳香族環によって縮合されて多環芳香族環となっていてもよい。
23aにおけるアルキル基の炭素数は特に限定されないが、溶剤への溶解性の観点から、通常1以上、好ましくは2以上、また、通常20以下、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは5以下である。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、カルボキシ基、ヒドロキシ基、フェニル基、ベンジル基、シクロヘキシル基、又はニトロ基等が挙げられ、合成容易性の観点からは、無置換であることが好ましい。
これらの中でもR23aとしては、溶剤への溶解性と合成容易性の観点から、エチル基であることがより好ましい。
24aにおけるアルキル基の炭素数は特に限定されないが、溶剤への溶解性の観点から、通常1以上、好ましくは2以上、また、通常20以下、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは5以下である。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、カルボキシ基、ヒドロキシ基、フェニル基、ベンジル基、シクロヘキシル基、又はニトロ基等が挙げられ、合成容易性の観点からは、無置換であることが好ましい。
24aにおけるアリーロイル基の炭素数は特に限定されないが、溶剤への溶解性の観点から、通常7以上、好ましくは8以上、より好ましくは9以上、また、通常20以下、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは9以下である。アリーロイル基の具体例としては、ベンゾイル基、ナフトイル基等が挙げられる。
アリーロイル基が有していてもよい置換基としては、カルボキシ基、ヒドロキシ基、フェニル基、ベンジル基、シクロヘキシル基、又はニトロ基等が挙げられ、合成容易性の観点からは、エチル基であることが好ましい。
24aにおけるヘテロアリーロイル基の炭素数は特に限定されないが、溶剤への溶解性の観点から、通常7以上、好ましくは8以上、より好ましくは9以上、また、通常20以下、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは9以下である。ヘテロアリーロイル基の具体例としては、フランカルボニル基、チオフェンカルボニル基、ピロリルカルボニル基、ピリジンカルボニル基等が挙げられる。
ヘテロアリーロイル基が有していてもよい置換基としてはカルボキシ基、ヒドロキシ基、フェニル基、ベンジル基、シクロヘキシル基、又はニトロ基等が挙げられ、合成容易性の観点からは、無置換であることが好ましい。
これらの中でもR24aとしては、感度の観点から、置換基を有していてもよいアリーロイル基が好ましく、ベンゾイル基がより好ましい。
カルバゾール環を構成するベンゼン環は、さらに芳香族環によって縮合されて多環芳香族環となっていてもよい。
このようなオキシムエステル系化合物の市販品として、BASF社製のOXE−02、OXE−03、常州強力電子新材料社製のTR−PBG−304、TR−PBG−314又はADEKA社製のN−1919、NCI−930、NCI−831等がある。
オキシムエステル系化合物として、具体的には以下に例示されるような化合物が挙げられるが、何らこれらの化合物に限定されるものではない。
Figure 2020171139
Figure 2020171139
Figure 2020171139
これら光重合開始剤は、それぞれ1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また(D)光重合開始剤に加えて、さらに連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤とは、発生したラジカルを受け取り、受け取ったラジカルを他の化合物に受け渡す機能を有する化合物である。
連鎖移動剤としては、上記機能を有する化合物であれば種々のものを用いることができるが、例えば、メルカプト基含有化合物や、四塩化炭素等が挙げられ、連鎖移動効果が高い傾向があることからメルカプト基を有する化合物を用いることがより好ましい。S−H結合エネルギーが小さいことによって結合開裂が起こりやすく、水素引きぬき反応や連鎖移動反応を起こしやすいためであると考えられる。感度向上や表面硬化性に有効である。
メルカプト基含有化合物としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン等の芳香族環を有するメルカプト基含有化合物;へキサンジチオール、デカンジチオール、ブタンジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリスヒドロキシエチルトリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトプロピオネート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトブチレート)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン等の脂肪族系のメルカプト基含有化合物が挙げられ、特に表面平滑性の観点から、メルカプト基を複数有する化合物が好ましい。
このうち好ましくは、芳香族環を有するメルカプト基含有化合物の中では2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールが好ましく、脂肪族系のメルカプト基含有化合物の中では、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトブチレート)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンが好ましい。
また感度の面からは、脂肪族系のメルカプト基含有化合物が好ましく、具体的には、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトブチレート)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンが好ましく、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)がより好ましい。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の着色樹脂組成物において、(D)光重合開始剤の含有割合は特に限定されないが、着色樹脂組成物の全固形分中に1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましく、4質量%以上がよりさらに好ましく、5質量%以上が特に好ましく、また、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、8質量%以下がさらに好ましく、6質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像後のパターニング特性を確保できる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで光重合開始剤過剰添加による透過率低下が抑制される傾向がある。例えば、(D)光重合開始剤の含有割合は、1〜15質量%が好ましく、2〜15質量%がより好ましく、3〜10質量%がさらに好ましく、4〜8質量%がよりさらに好ましく、5〜6質量%が特に好ましい。
本発明の着色樹脂組成物が連鎖移動剤を含む場合、その含有割合は特に限定されないが、着色樹脂組成物の全固形分中に0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.2質量以上がさらに好ましく、0.5質量%以上がよりさらに好ましく、1質量%以上がよりさらに好ましく、1.5質量%以上が特に好ましく、また、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましい。前記範囲内とすることで保存安定性とアルカリ現像時のパターニング形成能が確保できる傾向がある。連鎖移動剤を含む場合、例えば、その含有割合は、0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましく、0.2〜3質量がさらに好ましく、0.5〜3質量%がよりさらに好ましく、1〜2質量%がよりさらに好ましく、1.5〜2質量%が特に好ましい。
[1−5]その他の固形分
本発明の着色樹脂組成物には、さらに、必要に応じ上記成分以外の固形分を配合できる。このような成分としては、光重合性モノマー、分散剤、分散助剤、界面活性剤等が挙げられる。
[1−5−1]光重合性モノマー
光重合性モノマーは、重合可能な低分子化合物であれば特に制限はないが、エチレン性二重結合を少なくとも1つ有する付加重合可能な化合物(以下、「エチレン性化合物」と称す)が好ましい。エチレン性化合物とは、本発明の着色樹脂組成物が活性光線の照射を受けた場合、光重合開始剤の作用により付加重合し、硬化するようなエチレン性二重結合を有する化合物である。なお、本発明における単量体は、いわゆる高分子物質に相対する概念を意味し、狭義の単量体以外に二量体、三量体、オリゴマーも含有する概念を意味する。
本発明においては、特に、1分子中にエチレン性二重結合を2個以上有する多官能エチレン性単量体を使用することが望ましい。多官能エチレン性単量体が有するエチレン性二重結合の数は特に限定されないが、通常2個以上であり、好ましくは4個以上であり、より好ましくは5個以上であり、また、好ましくは8個以下であり、より好ましくは7個以下である。前記下限値以上とすることで高感度となる傾向があり、前記上限値以下とすることで溶剤への溶解性が向上する傾向がある。
エチレン性化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸とモノヒドロキシ化合物とのエステル、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル、芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル、不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステル、ポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイル含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタン骨格を有するエチレン性化合物等が挙げられる。
脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、グリセロールアクリレート等のアクリル酸エステルが挙げられる。また、これらアクリレートのアクリル酸部分を、メタクリル酸部分に代えたメタクリル酸エステル、イタコン酸部分に代えたイタコン酸エステル、クロトン酸部分に代えたクロトン酸エステル、又は、マレイン酸部分に代えたマレイン酸エステル等が挙げられる。
芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、例えば、ハイドロキノンジアクリレート、ハイドロキノンジメタクリレート、レゾルシンジアクリレート、レゾルシンジメタクリレート、ピロガロールトリアクリレート等が挙げられる。
不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステルは、必ずしも単一物ではなく、混合物であってもよい。代表例としては、例えば、アクリル酸、フタル酸及びエチレングリコールの縮合物、アクリル酸、マレイン酸及びジエチレングリコールの縮合物、メタクリル酸、テレフタル酸及びペンタエリスリトールの縮合物、アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール及びグリセリンの縮合物等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタン骨格を有するエチレン性化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート等と、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシ(1,1,1−トリアクリロイルオキシメチル)プロパン、3−ヒドロキシ(1,1,1−トリメタクリロイルオキシメチル)プロパン等の(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物との反応物が挙げられる。
その他、本発明に用いられるエチレン性化合物としては、例えば、エチレンビスアクリルアミド等のアクリルアミド類;フタル酸ジアリル等のアリルエステル類;ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物等も有用である。
また、エチレン性化合物は酸価を有するモノマーであってもよい。酸価を有するモノマーとしては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであり、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシ基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせた多官能モノマーが好ましく、特に好ましくは、このエステルにおいて、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリスリトールであるものである。
これらのモノマーは1種を単独で用いてもよいが、製造上、単一の化合物を用いることは難しいことから、2種以上を混合して用いてもよい。また、必要に応じてモノマーとして酸基を有しない多官能モノマーと酸基を有する多官能モノマーを併用してもよい。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1〜40mgKOH/gであり、特に好ましくは5〜30mgKOH/gである。前記下限値以上とすることで現像溶解特性を良好なものとすることができる傾向があり、前記上限値以下とすることで製造や取扱いが良好になり光重合性能、画素の表面平滑性等の硬化性を良好にしやすい傾向がある。従って、異なる酸基の多官能モノマーを2種以上併用する場合、或いは酸基を有しない多官能モノマーを併用する場合、全体の多官能モノマーとしての酸基が上記範囲に入るように調整することが好ましい。
本発明において、より好ましい酸基を有する多官能モノマーは、東亞合成社製TO1382として市販されているジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートのコハク酸エステルを主成分とする混合物である。この多官能モノマーの他の多官能モノマーを組み合わせて使用することもできる。また、日本国特開2013−140346号公報の段落[0056]や[0057]に記載のものを使用することもできる。
また本発明において、画素の耐薬品性や画素のエッジの直線性を良好にするとの観点からは、日本国特開2013−195971号公報に記載の重合性モノマーを用いることが好ましい。塗布膜の感度及び現像時間の短縮を両立するとの観点からは、日本国特開2013−195974号公報に記載の重合性モノマーを用いることが好ましい。
本発明の着色樹脂組成物が光重合性モノマーを含む場合、光重合性モノマーの含有割合は特に限定されないが、着色樹脂組成物の全固形分中に、通常0質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上、特に好ましくは20質量%以上であり、また、通常70質量%以下、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下、特に好ましくは30質量%以下である。前記下限値以上とすることで塗膜の硬化性が高くなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでアルカリ現像性の低下が抑制される傾向がある。例えば、本発明の着色樹脂組成物が光重合性モノマーを含む場合、光重合性モノマーの含有割合は、0〜70質量%が好ましく、5〜60質量%がより好ましく、10〜50質量%がさらに好ましく、15〜40質量%が特に好ましく、20〜30質量%が最も好ましい。
[1−5−2]分散剤、分散助剤
本発明の着色樹脂組成物が(A)着色剤として顔料を含む場合、顔料を安定に分散させる目的で分散剤を含むことが好ましい。分散剤の中でも高分子分散剤を用いると経時の分散安定性に優れるので好ましい。
高分子分散剤としては、例えば、ウレタン系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレングリコールジエステル系分散剤、ソルビタン脂肪族エステル系分散剤、脂肪族変性ポリエステル系分散剤を挙げることができる。これら分散剤の具体例としては、商品名で、EFKA(登録商標、BASF社製)、DisperBYK(登録商標、ビックケミー社製)、ディスパロン(登録商標、楠本化成社製)、SOLSPERSE(登録商標、ルーブリゾール社製)、KP(信越化学工業社製)、ポリフロー(共栄社化学社製)、日本国特開2013−119568号公報に記載のもの等を挙げることができる。
高分子分散剤の中でも、分散性や保存安定性の観点から、窒素原子を含む官能基を有するブロック共重合体が好ましく、アクリル系ブロック共重合体がより好ましい。
窒素原子を含む官能基を有するブロック共重合体としては、側鎖に4級アンモニウム塩基及び/又はアミノ基を有するAブロックと、4級アンモニウム塩基及び/又はアミノ基を有さないBブロックとからなる、A−Bブロック共重合体及び/又はB−A−Bブロック共重合体が好ましい。
窒素原子を含む官能基としては、1〜3級アミノ基や、4級アンモニウム塩基が挙げられ、分散性や保存安定性の観点から、1〜3級アミノ基を有することが好ましく、3級アミノ基を有することがより好ましい。
前記ブロック共重合体における、3級アミノ基を有する繰り返し単位の構造は特に限定されないが、分散性や保存安定性の観点から、下記一般式(1)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
Figure 2020171139
上記式(1)中、R1及びR2は各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基であり、R1及びR2が互いに結合して環状構造を形成してもよい。R3は水素原子又はメチル基である。Xは2価の連結基である。
上記式(1)における、置換基を有していてもよいアルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常1以上であり、また、10以下が好ましく、6以下がより好ましく、4以下がさらに好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられ、これらの中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基がより好ましい。また、直鎖状、分枝状のいずれであってもよい。また、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基等の環状構造を含んでもよい。
上記式(1)における、置換基を有していてもよいアリール基の炭素数は特に限定されないが、通常6以上であり、また、16以下が好ましく、12以下より好ましく、8以下がさらに好ましい。アリール基の具体例としては、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジエチルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられ、これらの中でもフェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、又はジエチルフェニル基が好ましく、フェニル基、メチルフェニル基、又はエチルフェニル基がより好ましい。
上記式(1)における、置換基を有していてもよいアラルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常7以上であり、また、16以下が好ましく、12以下がより好ましく、9以下がさらに好ましい。アラルキル基の具体例としては、フェニルメチレン基、フェニルエチレン基、フェニルプロピレン基、フェニルブチレン基、フェニルイソプロピレン基等が挙げられ、これらの中でも、フェニルメチレン基、フェニルエチレン基、フェニルプロピレン基、又はフェニルブチレン基が好ましく、フェニルメチレン基、又はフェニルエチレン基がより好ましい。
これらの中でも、分散性、保存安定性、電気信頼性、現像性の観点から、R1及びR2が各々独立に置換基を有していてもよいアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。
上記式(1)におけるアルキル基、アラルキル基又はアリール基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、ベンゾイル基、水酸基等が挙げられ、合成の容易さの観点からは無置換であることが好ましい。
また、上記式(1)において、R1及びR2が互いに結合して形成する環状構造としては、例えば5〜7員環の含窒素複素環単環又はこれらが2個縮合してなる縮合環が挙げられる。含窒素複素環は芳香性を有さないものが好ましく、飽和環であればより好ましい。具体的には、例えば下記(IV)のものが挙げられる。
Figure 2020171139
これらの環状構造は、さらに置換基を有していてもよい。
上記式(1)において、2価の連結基Xとしては、例えば、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜12のアリーレン基、−CONH−R13−基、−COO−R14−基〔但し、R13及びR14は単結合、炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素数2〜10のエーテル基(アルキルオキシアルキル基)である〕等が挙げられ、好ましくは−COO−R14−基である。
また、前記ブロック共重合体の全繰り返し単位に占める前記式(1)で表される繰り返し単位の含有割合は、1モル%以上が好ましく、5モル%以上がより好ましく、10モル%以上がさらに好ましく、15モル%以上がよりさらに好ましく、20%以上が特に好ましく、25モル%以上が最も好ましく、また、90モル%以下が好ましく、70モル%以下がより好ましく、50モル%以下がさらに好ましく、40モル%以下が特に好ましい。前記範囲内の場合には分散安定性と高輝度の両立が可能となる傾向がある。例えば、前記ブロック共重合体の全繰り返し単位に占める前記式(1)で表される繰り返し単位の含有割合は、1〜90モル%が好ましく、5〜90モル%がより好ましく、10〜70モル%がさらに好ましく、15〜70モル%がよりさらに好ましく、20〜50%が特に好ましく、25〜40モル%が最も好ましい。
また前記ブロック共重合体は、分散剤の溶剤等のバインダー成分に対する相溶性を高め、分散安定性を向上させるとの観点から、下記式(2)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
Figure 2020171139
上記式(2)中、R10はエチレン基又はプロピレン基であり、R11は置換基を有していてもよいアルキル基であり、R12は水素原子又はメチル基である。
nは1〜20の整数である。
上記式(2)のR11における、置換基を有していてもよいアルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上が好ましく、また、10以下が好ましく、6以下がより好ましく、4以下がさらに好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられ、これらの中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基がより好ましい。また、直鎖状、分枝状のいずれであってもよい。また、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基等の環状構造を含んでもよい。有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、ベンゾイル基、水酸基等が挙げられ、合成の容易さの観点からは無置換であることが好ましい。
また、上記式(2)におけるnは溶剤等のバインダー成分に対する相溶性と分散性の観点から、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、また、10以下が好ましく、5以下がより好ましい。
また、前記ブロック共重合体の全繰り返し単位に占める前記式(2)で表される繰り返し単位の含有割合は、1モル%以上が好ましく、2モル%以上がより好ましく、4モル%以上がさらに好ましく、また、30モル%以下が好ましく、20モル%以下がより好ましく、10モル%以下がさらに好ましい。前記範囲内の場合には溶剤等のバインダー成分に対する相溶性と分散安定性の両立が可能となる傾向がある。例えば、前記ブロック共重合体の全繰り返し単位に占める前記式(2)で表される繰り返し単位の含有割合は、1〜30モル%が好ましく、2〜20モル%がより好ましく、4〜10モル%がさらに好ましい。
また、前記ブロック共重合体は、分散剤の溶剤等のバインダー成分に対する相溶性を高め、分散安定性を向上させるという観点から、下記式(3)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
Figure 2020171139
上記式(3)中、R8は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基である。R9は水素原子又はメチル基である。
上記式(3)のR8における、置換基を有していてもよいアルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常1以上であり、1以上が好ましく、また、10以下が好ましく、6以下がより好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられ、これらの中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基がより好ましい。また、直鎖状、分枝状のいずれであってもよい。また、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基等の環状構造を含んでもよい。
上記式(3)のR8における、置換基を有していてもよいアリール基の炭素数は特に限定されないが、通常6以上であり、また、16以下が好ましく、12以下がより好ましい。アリール基の具体例としては、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジエチルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられ、これらの中でもフェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、又はジエチルフェニル基が好ましく、フェニル基、メチルフェニル基、又はエチルフェニル基がより好ましい。
上記式(3)のR8における、置換基を有していてもよいアラルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常7以上であり、また、16以下が好ましく、12以下がより好ましい。アラルキル基の具体例としては、フェニルメチレン基、フェニルエチレン基、フェニルプロピレン基、フェニルブチレン基、フェニルイソプロピレン基等が挙げられ、これらの中でも、フェニルメチレン基、フェニルエチレン基、フェニルプロピレン基、又はフェニルブチレン基が好ましく、フェニルメチレン基、又はフェニルエチレン基がより好ましい。
これらの中でも、溶剤相溶性と分散安定性の観点から、R8がアルキル基、又はアラルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、又はフェニルメチレン基がより好ましい。
8における、アルキル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。また、アリール基又はアラルキル基が有していてもよい置換基としては、鎖状のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。また、R8で示される鎖状のアルキル基には、直鎖状及び分岐鎖状のいずれも含まれる。
また、前記ブロック共重合体の全繰り返し単位に占める前記式(3)で表される繰り返し単位の含有割合は、30モル%以上が好ましく、40モル%以上がより好ましく、50モル%以上がさらに好ましく、また、80モル%以下が好ましく、70モル%以下がより好ましい。前記範囲内の場合には分散安定性と高輝度の両立が可能となる傾向がある。例えば、前記ブロック共重合体の全繰り返し単位に占める前記式(3)で表される繰り返し単位の含有割合は、30〜80モル%が好ましく、40〜80モル%がより好ましく、50〜70モル%がさらに好ましい。
前記ブロック共重合体は、前記一般式(1)で表される繰り返し単位、前記一般式(2)で表される繰り返し単位、前記一般式(3)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位を有していてもよい。そのような繰り返し単位の例としては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸クロライド等の(メタ)アクリル酸塩系単量体; (メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系単量体;酢酸ビニル;アクリロニトリル;アリルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル;N−メタクリロイルモルホリン等の単量体に由来する繰り返し単位が挙げられる。
分散性をより高めるとの観点から、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するAブロックと、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有さないBブロックとを有する、ブロック共重合体であることが好ましい。ブロック共重合体は、A−Bブロック共重合体又はB−A−Bブロック共重合体であることが好ましい。また、Bブロックが前記一般式(2)で表される繰り返し単位及び前記一般式(3)で表される繰り返し単位を有することがより好ましい。
また、前記一般式(1)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位が、Aブロック中に含有されていてもよく、そのような繰り返し単位の例としては、前述の(メタ)アクリル酸エステル系単量体由来の繰り返し単位等が挙げられる。前記一般式(1)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位の、Aブロック中の含有量は、好ましくは0〜50モル%、より好ましくは0〜20モル%であるが、係る繰り返し単位はAブロック中に含有されないことが最も好ましい。
前記一般式(2)で表される繰り返し単位及び前記一般式(3)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位がBブロック中に含有されていてもよく、そのような繰り返し単位の例としては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸クロライド等の(メタ)アクリル酸塩系単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系単量体; 酢酸ビニル;アクリロニトリル;アリルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル;N−メタクリロイルモルホリン等の単量体に由来する繰り返し単位が挙げられる。前記一般式(2)で表される繰り返し単位及び前記一般式(3)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位の、Bブロック中の含有量は、好ましくは0〜50モル%、より好ましくは0〜20モル%であるが、係る繰り返し単位はBブロック中に含有されないことが最も好ましい。
また、前記ブロック共重合体の酸価は、分散性の点から、低い方が好ましく、特に0mgKOH/gであることが好ましい。ここで酸価とは、分散剤固形分1gを中和するのに必要なKOHのmg数を表す。
さらに、前記ブロック共重合体のアミン価は、分散性と現像性の観点から、30mgKOH/g以上が好ましく、50mgKOH/g以上がより好ましく、70mgKOH/g以上がさらに好ましく、90mgKOH/g以上がよりさらに好ましく、100mgKOH/g以上が特に好ましく、110mgKOH/g以上が最も好ましく、また、150mgKOH/g以下が好ましく、130mgKOH/g以下がより好ましい。ここでアミン価とは、有効固形分換算のアミン価を表し、分散剤の固形分1gあたりの塩基量と当量のKOHの質量で表される値である。例えば、前記ブロック共重合体のアミン価は、30〜150mgKOH/gが好ましく、50〜150mgKOH/gがより好ましく、70〜150mgKOH/gがさらに好ましく、90〜130mgKOH/gがよりさらに好ましく、100〜130mgKOH/gが特に好ましく、110〜130mgKOH/gが最も好ましい。
また、前記ブロック共重合体の分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」ということがある。)で1000〜30000の範囲が好ましい。前記範囲内である場合には、分散安定性が良好となり、また、スリットノズル方式による塗布時に乾燥異物がより発生しにくくなる傾向がある。
前記ブロック共重合体は、公知の方法により製造することができるが、例えば、上記各繰り返し単位を導入する単量体を、リビング重合することにより製造することができる。リビング重合法としては、日本国特開平9−62002号公報、日本国特開2002−31713号公報や、P.Lutz,P.Masson et al,Polym.Bull.12,79(1984),B.C.Anderson,G.D.Andrews et al,Macromolecules,14,1601(1981),K.Hatada,K.Ute,et al,Polym.J.17,977(1985),18,1037(1986),右手浩一、畑田耕一、高分子加工、36,366(1987),東村敏延、沢本光男、高分子論文集、46,189(1989),M.Kuroki,T.Aida,J.Am.Chem.Soc,109,4737(1987)、相田卓三、井上祥平、有機合成化学、43,300(1985),D.Y.Sogoh,W.R.Hertler et al,Macromolecules,20,1473(1987)等に記載されている公知の方法を採用することができる。
本発明の着色樹脂組成物が分散剤を含む場合、分散剤の含有割合は特に限定されないが、着色樹脂組成物の全固形分中に、0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましく、1質量%以上が特に好ましく、また、25質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましく、10質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで分散性や保存安定性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで電気信頼性や現像性が向上する傾向がある。例えば、分散剤の含有割合は、着色樹脂組成物の全固形分中に、0.001〜25質量%が好ましく、0.01〜20質量%がより好ましく、0.1〜15質量%がさらに好ましく、1〜10質量%が特に好ましい。
本発明の着色樹脂組成物が顔料及び分散剤を含む場合、分散剤の含有割合は特に限定されるものではないが、顔料100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは5質量部以上、さらに好ましくは10質量部以上、よりさらに好ましくは15質量部以上、特に好ましくは20質量部以上であり、また、好ましくは70質量部以下、より好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは40質量部以下、特に好ましくは30質量部以下である。前記範囲内とすることで、分散安定性に優れ、高輝度な着色性樹脂組成物を得ることができる傾向がある。例えば、顔料及び分散剤を含む場合、分散剤の含有割合は、顔料100質量部に対して、0.5〜70質量部が好ましく、5〜70質量部がより好ましく、10〜50質量部がさらに好ましく、15〜40質量部がよりさらに好ましく、20〜30質量部が特に好ましい。
また本発明の着色樹脂組成物が顔料を含む場合、顔料の分散性の向上、分散安定性の向上のために分散助剤として顔料誘導体等を含んでいてもよい。顔料誘導体としてはアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンツイミダゾロン系、キノフタロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ジオキサジン系、アントラキノン系、インダンスレン系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、ジオキサジン系顔料等の誘導体が挙げられる。顔料誘導体の置換基としてはスルホン酸基、スルホンアミド基及びその4級塩、フタルイミドメチル基、ジアルキルアミノアルキル基、水酸基、カルボキシ基、アミド基等が顔料骨格に直接またはアルキル基、アリール基、複素環基等を介して結合したものが挙げられ、好ましくはスルホンアミド基及びその4級塩、スルホン酸基が挙げられ、より好ましくはスルホン酸基である。またこれら置換基は一つの顔料骨格に複数置換していてもよいし、置換数の異なる化合物の混合物でもよい。顔料誘導体の具体例としてはアゾ顔料のスルホン酸誘導体、フタロシアニン顔料のスルホン酸誘導体、キノフタロン顔料のスルホン酸誘導体、イソインドリン顔料のスルホン酸誘導体、アントラキノン顔料のスルホン酸誘導体、キナクリドン顔料のスルホン酸誘導体、ジケトピロロピロール顔料のスルホン酸誘導体、ジオキサジン顔料のスルホン酸誘導体等が挙げられる。
[1−5−3]界面活性剤
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、非イオン系、両性界面活性剤等、各種のものを用いることができるが、諸特性に悪影響を及ぼす可能性が低い点で、非イオン系界面活性剤を用いることが好ましい。界面活性剤の含有割合は特に限定されないが、着色樹脂組成物の全固形分中に通常0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上、また、通常10質量%以下、好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下、特に好ましくは0.3質量%以下の範囲で用いられる。例えば、界面活性剤を含む場合、例えば、界面活性剤の含有割合は、着色樹脂組成物の全固形分に対して、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜1質量%がより好ましく、0.05〜0.5質量%がさらに好ましく、0.1〜0.3質量%がよりさらに好ましい。
[2]着色樹脂組成物の調製
次に、本発明に係る着色樹脂組成物(以下、レジストと称することがある)を調製する方法を説明する。
着色剤として顔料を含むものを調製する場合にはまず、顔料、溶剤および分散剤を各所定量秤量し、分散処理工程において、顔料を分散させて顔料分散液を調製する。この分散処理工程では、ペイントコンディショナー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザー等を使用することができる。この分散処理を行なうことによって顔料が微粒子化されるため、着色樹脂組成物の塗布特性が向上し、製品のカラーフィルタ基板における画素の透過率が向上する。
顔料を分散処理する際には、上述の通り、分散助剤又は分散樹脂等を適宜併用することが好ましい。
サンドグラインダーを用いて分散処理を行なう場合は、0.1から数mm径のガラスビーズ、又は、ジルコニアビーズを用いることが好ましい。分散処理する際の温度は、通常0℃以上、好ましくは室温以上、また、通常100℃以下、好ましくは80℃以下の範囲に設定する。なお、分散時間は、顔料分散液の組成、及びサンドグラインダーの装置の大きさ等により適正時間が異なるため、適宜調整すればよい。
上記分散処理によって得られた顔料分散液に、溶剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合開始剤、場合によっては上記以外の成分等を混合し、均一な分散溶液とする。なお、分散処理工程及び混合の各工程においては、微細なゴミが混入することがあるため、得られた顔料分散液をフィルタ等によって、ろ過処理することが好ましい。
着色剤として顔料を含まない場合には、着色剤、溶剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合開始剤、場合によっては上記以外の成分等を混合し、均一な溶液として得ることができる。得られた溶液をフィルタ等によってろ過処理することが好ましい。
[3]カラーフィルタ基板の製造
次に、本発明に係るカラーフィルタについて説明する。
本発明に係るカラーフィルタは、本発明の着色樹脂組成物を用いて形成した画素を有する。本発明の着色樹脂組成物は、カラーフィルタの画素形成用の着色樹脂組成物であることが好ましい。
[3−1]透明基板(支持体)
カラーフィルタの透明基板としては、透明で適度の強度があれば、その材質は特に限定されるものではない。材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスルホンの熱可塑性樹脂製シート、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂等の熱硬化性樹脂シート、又は各種ガラス等が挙げられる。この中でも、耐熱性の観点からガラスまたは耐熱性樹脂が好ましい。
透明基板及びブラックマトリクス形成基板には、接着性等の表面物性の改良のため、必要に応じ、コロナ放電処理、オゾン処理、シランカップリング剤や、ウレタン系樹脂等の各種樹脂の薄膜形成処理等を行なってもよい。透明基板の厚さは、通常0.05mm以上、好ましくは0.1mm以上、また、通常10mm以下、好ましくは7mm以下の範囲とされる。また、各種樹脂の薄膜形成処理を行なう場合、その膜厚は、通常0.01μm以上、好ましくは0.05μm以上、また、通常10μm以下、好ましくは5μm以下の範囲である。
[3−2]ブラックマトリクス
上述の透明基板上にブラックマトリクスを設け、さらに通常は赤色、緑色、青色の画素画像を形成することにより、本発明に係るカラーフィルタを製造することができる。上記着色樹脂組成物は、赤色、緑色、青色の画素のうち、緑色の画素(レジストパターン)形成用塗布液(以下、「緑色レジスト」と略記する場合がある)として使用することが好ましい。緑色レジストを用い、透明基板上に形成された樹脂ブラックマトリクス形成面上、又は、クロム化合物その他の遮光金属材料を用いて形成した金属ブラックマトリクス形成面上に、塗布、加熱乾燥、画像露光、現像及び熱硬化の各処理を行なって画素画像を形成する。
ブラックマトリクスは、遮光金属薄膜又はブラックマトリクス用着色樹脂組成物を利用して、透明基板上に形成される。遮光金属材料としては、金属クロム、酸化クロム、窒化クロム等のクロム化合物、ニッケルとタングステン合金等が用いられ、これらを複数層状に積層させたものであってもよい。
これらの金属遮光膜は、一般にスパッタリング法によって形成され、ポジ型フォトレジストにより、膜状に所望のパターンを形成した後、クロムに対しては硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸及び/又は硝酸とを混合したエッチング液を用い、その他の材料に対しては、材料に応じたエッチング液を用いて蝕刻され、最後にポジ型フォトレジストを専用の剥離剤で剥離することによって、ブラックマトリクスを形成することができる。
この場合、まず、蒸着又はスパッタリング法等により、透明基板上にこれら金属又は金属・金属酸化物の薄膜を形成する。次いで、この薄膜上に着色樹脂組成物の塗布膜を形成した後、ストライプ、モザイク、トライアングル等の繰り返しパターンを有するフォトマスクを用いて、塗布膜を露光・現像し、レジスト画像を形成する。その後、この塗布膜にエッチング処理を施してブラックマトリクスを形成することができる。
ブラックマトリクス用感光性着色樹脂組成物を利用する場合は、黒色の着色剤を含有する着色樹脂組成物を使用して、ブラックマトリクスを形成する。例えば、カーボンブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラック、シアニンブラック、チタンブラック等の黒色着色剤単独又は複数、もしくは、無機又は有機の顔料、染料の中から適宜選択される赤色、緑色、青色等の混合による黒色着色剤を含有する着色樹脂組成物を使用し、下記の赤色、緑色、青色の画素画像を形成する方法と同様にして、ブラックマトリクスを形成することができる。
[3−3]画素の形成
ブラックマトリクスを設けた透明基板上に、赤色、緑色、青色のうち一色の着色樹脂組成物を塗布し、乾燥した後、塗布膜の上にフォトマスクを重ね、このフォトマスクを介して画像露光、現像、必要に応じて熱硬化又は光硬化により画素画像を形成する。この操作を、赤色、緑色、青色の三色の着色樹脂組成物について各々行なうことによって、カラーフィルタ画像を形成することができる。
カラーフィルタ用の着色樹脂組成物の塗布は、スピナー法、ワイヤーバー法、フローコート法、ダイコート法、ロールコート法、スプレーコート法等によって行なうことができる。中でも、ダイコート法によれば、塗布液使用量が大幅に削減され、かつ、スピンコート法によった際に付着するミスト等の影響が全くなく、さらには異物発生が抑制される等、総合的な観点から好ましい。
塗布膜の厚さは、大き過ぎるとパターン現像が困難となるとともに、液晶セル化工程でのギャップ調整が困難となることがある一方で、小さ過ぎると顔料濃度を高めることが困難となり、所望の色発現が不可能となることがある。塗布膜の厚さは、乾燥後の膜厚として、通常0.2μm以上、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは0.8μm以上、また、通常20μm以下、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下の範囲である。
[3−4]塗布膜の乾燥
基板に着色樹脂組成物を塗布した後の塗布膜の乾燥は、ホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブンを使用した乾燥法によることが好ましい。通常は、予備乾燥の後、再度加熱させて乾燥させる。予備乾燥の条件は、前記溶剤成分の種類、使用する乾燥機の性能等に応じて適宜選択することができる。乾燥温度及び乾燥時間は、溶剤成分の種類、使用する乾燥機の性能等に応じて選択されるが、具体的には、乾燥温度は通常40℃以上、好ましくは50℃以上、また、通常80℃以下、好ましくは70℃以下の範囲であり、乾燥時間は通常15秒以上、好ましくは30秒以上、また、通常5分間以下、好ましくは3分間以下の範囲である。
再加熱乾燥の温度条件は、予備乾燥温度より高い温度が好ましく、具体的には、通常50℃以上、好ましくは70℃以上、また、通常200℃以下、好ましくは160℃以下、特に好ましくは130℃以下の範囲である。また、乾燥時間は、加熱温度にもよるが、通常10秒以上、中でも15秒以上、また、通常10分以下、中でも5分の範囲とすることが好ましい。乾燥温度は、高いほど透明基板に対する接着性が向上するが、高過ぎるとアルカリ可溶性樹脂が分解し、熱重合を誘発して現像不良を生ずる場合がある。なお、この塗布膜の乾燥工程としては、温度を高めず減圧チャンバー内で乾燥を行なう減圧乾燥法を用いてもよい。
[3−5]露光工程
画像露光は、着色樹脂組成物の塗布膜上に、ネガのマトリクスパターンを重ね、このマスクパターンを介し、紫外線又は可視光線の光源を照射して行なう。この際、必要に応じ、酸素による光重合性層の感度の低下を防ぐため、光重合性層上にポリビニルアルコール層等の酸素遮断層を形成した後に露光を行なってもよい。上記の画像露光に使用される光源は、特に限定されるものではない。光源としては、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプ等のランプ光源や、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミニウムレーザー、半導体レーザー等のレーザー光源等が挙げられる。特定の波長の光を照射して使用する場合には、光学フィルタを利用することもできる。
[3−6]現像工程
本発明に係るカラーフィルタは、本発明に係る着色樹脂組成物を用いた塗布膜に対し、上記の光源によって画像露光を行なった後、有機溶剤、又は、界面活性剤とアルカリ性化合物とを含む水溶液を用いて現像を行なうことによって、基板上に画像を形成して製造することができる。この水溶液には、さらに有機溶剤、緩衝剤、錯化剤、染料又は顔料を含ませることができる。
アルカリ性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、水酸化アンモニウム等の無機アルカリ性化合物や、モノ−、ジ−又はトリエタノールアミン、モノ−、ジ−又はトリメチルアミン、モノ−、ジ−又はトリエチルアミン、モノ−又はジイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ−、ジ−又はトリイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリン等の有機アルカリ性化合物が挙げられる。これらのアルカリ性化合物は、2種以上の混合物であってもよい。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類等のノニオン系界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類等のアニオン性界面活性剤、アルキルベタイン類、アミノ酸類等の両性界面活性剤が挙げられる。
有機溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。有機溶剤は、水溶液と併用して使用できる。
現像処理の条件には特に制限はないが、現像温度は通常10℃以上、中でも15℃以上、さらには20℃以上、また、通常50℃以下、中でも45℃以下、さらには40℃以下の範囲が好ましい。現像方法は、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法等の何れかの方法によることができる。
[3−7]熱硬化処理
現像の後のカラーフィルタには、熱硬化処理を施す。この際の熱硬化処理条件は、温度は通常100℃以上、好ましくは150℃以上、また、通常280℃以下、好ましくは250℃以下の範囲で選ばれ、時間は5分間以上、60分間以下の範囲で選ばれる。これら一連の工程を経て、一色のパターニング画像形成は終了する。この工程を順次繰り返し、ブラック、赤色、緑色、青色をパターニングし、カラーフィルタを形成する。なお、4色のパターニングの順番は、上記した順番に限定されるものではない。
[3−8]透明電極の形成
本発明に係るカラーフィルタは、このままの状態で画像上にITO等の透明電極を形成して、カラーディスプレー、液晶表示装置等の部品の一部として使用されるが、表面平滑性や耐久性を高めるため、必要に応じ、画像上にポリアミド、ポリイミド等のトップコート層を設けることもできる。また一部、平面配向型駆動方式(IPSモード)等の用途においては、透明電極を形成しないこともある。
[4]画像表示装置(パネル)
次に、本発明の画像表示装置について説明する。本発明の画像表示装置は、前述のカラーフィルタを有する。以下、画像表示装置として、液晶表示装置及び有機EL表示装置について詳述する。
[4−1]液晶表示装置
本発明に係る液晶表示装置の製造方法について説明する。本発明に係る液晶表示装置は、通常、上記本発明に係るカラーフィルタ上に配向膜を形成し、この配向膜上にスペーサを散布した後、対向基板と貼り合わせて液晶セルを形成し、形成した液晶セルに液晶を注入し、対向電極に結線して完成する。配向膜は、ポリイミド等の樹脂膜が好適である。配向膜の形成には、通常、グラビア印刷法及び/又はフレキソ印刷法が採用され、配向膜の厚さは数10nmとされる。熱焼成によって配向膜の硬化処理を行なった後、紫外線の照射やラビング布による処理によって表面処理し、液晶の傾きを調整しうる表面状態に加工される。
スペーサは、対向基板とのギャップ(隙間)に応じた大きさのものが用いられ、通常2〜8μmのものが好適である。カラーフィルタ基板上に、フォトリソグラフィ法によって透明樹脂膜のフォトスペーサ(PS)を形成し、これをスペーサの代わりに活用することもできる。対向基板としては、通常、アレイ基板が用いられ、特にTFT(薄膜トランジスタ)基板が好適である。
対向基板との貼り合わせのギャップは、液晶表示装置の用途によって異なるが、通常2μm以上、8μm以下の範囲で選ばれる。対向基板と貼り合わせた後、液晶注入口以外の部分は、エポキシ樹脂等のシール材によって封止する。シール材は、UV照射及び/又は加熱することによって硬化させ、液晶セル周辺がシールされる。
周辺をシールされた液晶セルは、パネル単位に切断した後、真空チャンバー内で減圧とし、上記液晶注入口を液晶に浸漬した後、チャンバー内をリークすることによって、液晶を液晶セル内に注入する。液晶セル内の減圧度は、通常1×10-2Pa以上、好ましくは1×10-3以上、また、通常1×10-7Pa以下、好ましくは1×10-6Pa以下の範囲である。また、減圧時に液晶セルを加温することが好ましく、加温温度は通常30℃以上、好ましくは50℃以上、また、通常100℃以下、好ましくは90℃以下の範囲である。
減圧時の加温保持は、通常10分間以上、60分間以下の範囲とされ、その後、液晶中に浸漬される。液晶を注入した液晶セルは、液晶注入口を、UV硬化樹脂を硬化させて封止することによって、液晶表示装置(パネル)が完成する。
液晶の種類には特に制限がなく、芳香族系、脂肪族系、多環状化合物等、従来から知られている液晶であって、リオトロピック液晶、サーモトロピック液晶等の何れでもよい。サーモトロピック液晶には、ネマティック液晶、スメスティック液晶及びコレステリック液晶等が知られているが、何れであってもよい。
[4−2]有機EL表示装置
本発明のカラーフィルタを有する有機EL表示装置を作成する場合、例えば図1に示すように、透明支持基板10上に、本発明の着色樹脂組成物により画素20が形成された青色カラーフィルタ上に有機保護層30及び無機酸化膜40を介して有機発光体500を積層することによって多色の有機EL素子を作製する。
有機発光体500の積層方法としては、カラーフィルタ上面へ透明陽極50、正孔注入層51、正孔輸送層52、発光層53、電子注入層54、及び陰極55を逐次形成していく方法や、別基板上へ形成した有機発光体500を無機酸化膜40上に貼り合わせる方法等が挙げられる。このようにして作製された有機EL素子100は、パッシブ駆動方式の有機EL表示装置にもアクティブ駆動方式の有機EL表示装置にも適用可能である。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
<フタロシアニン化合物A>
日本国特開平05−345861号公報の実施例30に基づいて合成した、以下の化学構造を有するフタロシアニン化合物Aを使用した。
Figure 2020171139
式中のEtはエチルを表す。
<フタロシアニン化合物B>
テトラクロロフタロニトリル5.00g(18.8mmol)、2−シクロヘキシル−5−メチルフェノール3.32g(18.8mmol)、炭酸カリウム3.89g(28.2mmol)及びアセトニトリル50mLを混合して70℃に加熱し、そのまま4時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し、反応液をろ過、濃縮した。得られた残留物をアセトニトリルで再結晶することにより中間体Aと中間体Bの混合物4.70g(収率59%、純度77.9%、中間体A/中間体B=73/23)を得た。なお、この純度は高速液体クロマトグラフィー分析の結果から算出した面積%の値である。
Figure 2020171139
中間体Aと中間体Bの混合物3.00g(7.15mmol)、ヨウ化亜鉛0.69g(2.14mmol)及びベンゾニトリル7.2gを混合し、170℃で6.5時間反応させた。反応終了後、反応液を冷却し、メタノール20mLに投入した。生成した固形分をろ過した後、メタノール及び水で洗浄し、50℃で減圧乾燥することにより、2.62g(収率84%)のフタロシアニン化合物Bを得た。
Figure 2020171139
1mgのフタロシアニン化合物BをDMSO(ジメチルスルホキシド)100mLに溶解させ、可視吸収スペクトルを紫外可視分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製U−4100)にて、1cm角の石英セルを用いて測定したところ、最大吸収波長は651.0nm、モル吸光係数(ε)は4.08×105であった。
<フタロシアニン化合物C>
テトラフルオロフタロニトリル4.00g(20mmol)、フッ化カリウム2.90g(5.0mmol)及びアセトン10mLを混合し、氷冷したのち、p−ヒドロキシ安息香酸エチル6.65g(40mmol)のアセトン(30mL)溶液を添加し、そのまま5時間撹拌した。反応終了後、反応液をろ過、濃縮し、エタノール60mLを加えて析出した沈殿を濾別、乾燥することにより、6.20g(収率63%、純度97.6%)の中間体Cを得た。なお、この純度は高速液体クロマトグラフィー分析の結果から算出した面積%の値である。
Figure 2020171139
式中のEtはエチルを表す。
3.01g(6.11mmol)の中間体C、塩化銅(II)0.246g(1.83mmol)及びベンゾニトリル7.2gを混合し160℃で7時間反応させた。反応終了後、反応液を冷却し、メタノール40mLに投入した。生成した固形分を濾過した後、メタノールで洗浄し、50℃で減圧乾燥した。得られた固体を中圧分取液体クロマトグラフィー(展開溶媒はクロロホルムとメタノールの混合溶媒、100:0〜92:8(体積比)のグラジエント)にて精製することにより1.13g(収率40%)のフタロシアニン化合物Cを得た。
Figure 2020171139
式中のEtはエチルを表す。
1mgのフタロシアニン化合物CをTHF(テトラヒドロフラン)100mLに溶解させ、可視吸収スペクトルを紫外可視分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製U−4100)にて、1cm角の石英セルを用いて測定したところ、最大吸収波長は695.0nm、モル吸光係数(ε)は1.11×105であった。
<フタロシアニン化合物D>
テトラフルオロフタロニトリル5.00g(25.0mmol)、炭酸カリウム6.90g(50.0mmol)及びアセトニトリル50mLを混合した。室温で4−t−アミルフェノール8.21g(50.0mmol)のアセトニトリル(30mL)溶液を添加し、5時間撹拌した後、80℃に加熱し、さらに2時間撹拌した。反応液を冷却した後、ろ過し、ロータリーエバポレーターでろ液からアセトニトリルを留去し、エタノールを加えて再結晶を行った。得られた固体をろ過し、真空乾燥により、7.20g(収率59%、純度91.4%)の中間体Dを得た。なお、この純度は高速液体クロマトグラフィー分析の結果から算出した面積%の値である。
Figure 2020171139
1H−NMR(CDCl3
δ:0.66(t,6H)、1.25(s,12H)、1.60(q,4H)、6.71(d,4H)、7.20(d,4H)
4.95g(10.5mmol)の中間体D、ヨウ化亜鉛1.00g(3.14mmol)及びベンゾニトリル10gを混合し、160℃で6時間反応させた。反応終了後、反応液を冷却し、メタノール100mLに投入した。生成した固形分をろ過した後、メタノール及び水で洗浄し、50℃で減圧乾燥することにより、4.46g(収率84%)のフタロシアニン化合物Dを得た。
Figure 2020171139
1mgのフタロシアニン化合物DをDMSO100mLに溶解させ、可視吸収スペクトルを紫外可視分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製U−4100)にて、1cm角の石英セルを用いて測定したところ、最大吸収波長は701.0nm、モル吸光係数(ε)は1.248×105であった。
<フタロシアニン化合物E>
テトラフルオロフタロニトリル5.00g(25.0mmol)、炭酸カリウム6.90g(50.0mmol)及びアセトン85mLを混合し氷冷した。2〜4℃でp−ヒドロキシ安息香酸メチル7.60g(50.0mmol)のアセトン(30mL)溶液を添加し、そのまま6時間撹拌した。反応液をろ過し、ロータリーエバポレーターでろ液からアセトンを留去し、エタノールを加えて再結晶を行った。得られた固体をろ過し、真空乾燥により、7.20g(収率62%、純度91.5%)の中間体Eを得た。なお、この純度は高速液体クロマトグラフィー分析の結果から算出した面積%の値である。
Figure 2020171139
式中のMeはメチルを表す。
1H−NMR(CDCl3
δ:3.91(s,6H)、6.80(d,4H)、7.97(d,4H)
5.00g(10.8mmol)の中間体E、ヨウ化亜鉛1.03g(3.23mmol)及びベンゾニトリル12mLを混合し、170℃で9時間反応させた。反応終了後、反応液を冷却し、メタノール20mLに投入した。生成した固形分をろ過した後、メタノール及び水で洗浄し、50℃で減圧乾燥することにより、4.46g(収率85%)のフタロシアニン化合物Eを得た。
Figure 2020171139
式中のMeはメチルを表す。
1H−NMR(DMSO−d6
δ:3.82(s,24H)、7.25(d,16H)、7.78(d,16H)
1mgのフタロシアニン化合物EをDMSO100mLに溶解させ、可視吸収スペクトルを紫外可視分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製U−4100)にて、1cm角の石英セルを用いて測定したところ、最大吸収波長は665.0nm、モル吸光係数(ε)は1.190×105であった。
<フタロシアニン化合物F>
テトラフルオロフタロニトリル3.02g(15.0mmol)、炭酸カリウム4.14g(30.0mmol)及びアセトン50mLを混合し氷冷した。2〜4℃でp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル5.40g(30.0mmol)のアセトン(30mL)溶液を添加し、そのまま5時間撹拌した。反応液をろ過し、ロータリーエバポレーターでろ液からアセトンを留去し、エタノールを加えて再結晶を行った。得られた固体をろ過し、真空乾燥により、4.0g(収率51%、純度95.9%)の中間体Fを得た。なお、この純度は高速液体クロマトグラフィー分析の結果から算出した面積%の値である。
Figure 2020171139
式中のn−Prはn−プロピルを表す。
1H−NMR(CDCl3
δ:1.03(t,6H)、1.78(m,4H)、4.29(t,4H)、6.82(d,4H)、7.98(d,4H)
1.00g(2.15mmol)の中間体F、ヨウ化亜鉛0.21g(0.65mmol)及びベンゾニトリル2.4mLを混合し、170℃で13時間反応させた。反応終了後、反応液を冷却し、メタノール20mLに投入した。生成した固形分をろ過した後、メタノール及び水で洗浄し、50℃で減圧乾燥することにより、0.33g(収率29%)のフタロシアニン化合物Fを得た。
Figure 2020171139
式中のn−Prはn−プロピルを表す。
1H−NMR(DMSO−d6
δ:0.94(t,24H)、1.88(m,16H)、4.16(t,16H)、7.25(d,16H)、7.78(d,16H)
1mgのフタロシアニン化合物FをDMSO(ジメチルスルホキシド)100mLに溶解させ、可視吸収スペクトルを紫外可視分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製U−4100)にて、1cm角の石英セルを用いて測定したところ、最大吸収波長は665.0nm、モル吸光係数(ε)は1.202×105であった。
<フタロシアニン化合物G>
テトラフルオロフタロニトリル2.00g(10mmol)、フッ化カリウム1.45g(2.5mmol)及びアセトン5mLを混合し、氷冷したのち、3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸メチル3.78g(21mmol)のアセトン(5mL)溶液を添加し、そのまま5時間撹拌した。反応終了後、反応液をクロロホルム−水で抽出、有機層を飽和食塩水で抽出し、濃縮したものを中圧分取液体クロマトグラフィー(展開溶媒はヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒、94:6〜73:27(体積比)のグラジエント)にて精製することにより3.00g(収率58%、純度97.8%)の中間体Gを得た。なお、この純度は高速液体クロマトグラフィー分析の結果から算出した面積%の値である。
Figure 2020171139
1H−NMR(CDCl3
δ:2.58(t,2H)、2.90(t,2H)、3.67(s,3H)、6.70(d,2H)、7.09(d,2H)
1.04g(2.00mmol)の中間体G、ヨウ化亜鉛0.19g(0.6mmol)及びベンゾニトリル2mLを混合し、160℃で8時間反応させた。反応終了後、反応液を冷却し、中圧分取液体クロマトグラフィー(展開溶媒はクロロホルムとメタノールの混合溶媒、100:0〜93:7(体積比)のグラジエント)にて精製することにより0.75g(収率70%)のフタロシアニン化合物Gを得た。
Figure 2020171139
1mgのフタロシアニン化合物GをDMSO100mLに溶解させ、可視吸収スペクトルを紫外可視分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製U−4100)にて、1cm角の石英セルを用いて測定したところ、最大吸収波長は700.0nm、モル吸光係数(ε)は2.278×105であった。
<分散剤A:ビックケミー社製分散剤「BYK−LPN6919」>
窒素原子含有官能基を有するAブロックと、親溶媒性基を有するBブロックとからなるメタクリル酸系ABブロック共重合体。下記式(2a)及び(3a)の繰り返し単位を有し、かつ、下記式(1a)の繰り返し単位を有さない。アミン価は120mgKOH/g、酸価は1mgKOH/g以下である。
全繰り返し単位中における下記式(2a)及び(3a)の含有割合はそれぞれ、33.3モル%及び6.7モル%である。
Figure 2020171139
<緑色顔料分散液1の調製>
C.I.ピグメントグリーン58を11.0質量部、分散剤Aを固形分換算で1.6質量部、後述のアルカリ可溶性樹脂Aを固形分換算で3.3質量部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを84.1質量部(分散剤A由来の溶剤及びアルカリ可溶性樹脂A由来の溶剤も含む)、直径0.5mmのジルコニアビーズ225質量部をステンレス容器に充填し、ペイントシェーカーにて6時間分散させた。分散終了後、フィルタによりビーズと分散液を分離して、緑色顔料分散液1を調製した。
<緑色顔料分散液2の調製>
C.I.ピグメントグリーン59を11.0質量部、分散剤Aを固形分換算で1.6質量部、後述のアルカリ可溶性樹脂Aを固形分換算で3.3質量部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを84.1質量部(分散剤A由来の溶剤及びアルカリ可溶性樹脂A由来の溶剤も含む)、直径0.5mmのジルコニアビーズ225質量部をステンレス容器に充填し、ペイントシェーカーにて6時間分散させた。分散終了後、フィルタによりビーズと分散液を分離して、緑色顔料分散液2を調製した。
<アルカリ可溶性樹脂A>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート145質量部を窒素置換しながら攪拌し120℃に昇温した。ここにスチレン20質量部、グリシジルメタクリレート57質量部およびトリシクロデカン骨格を有するモノメタクリレート(日立化成社製FA−513M)82質量部を滴下し、さらに120℃で2時間攪拌し続けた。次に反応容器内を空気置換に変え、アクリル酸27質量部にトリスジメチルアミノメチルフェノール0.7質量部およびハイドロキノン0.12質量部を投入し、120℃で6時間反応を続けた。その後、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)52質量部、トリエチルアミン0.7質量部を加え、120℃で3.5時間反応させた。室温まで冷却し、GPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが8000、酸価が80mgKOH/gのアルカリ可溶性樹脂Aを得た。
<光重合性モノマーA>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物(A−9550、新中村化学工業社製)
<光重合性モノマーB>
ジペンタエリスリトールとアクリル酸の反応物の無水コハク酸変性物
<光重合開始剤A>
以下の化学構造を有するオキシムエステル系化合物
(4−アセトキシイミノ−5−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−5−オキソペンタン酸メチル)
Figure 2020171139
式中のMeはメチルを表す。
<界面活性剤A>
メガファック(登録商標)F−559(DIC社製)
<着色樹脂組成物の調製>
各成分を表1及び2に記載の固形分中比率及び溶剤中比率となるよう混合し、全固形分の含有割合が15質量%の各着色樹脂組成物を調製した。「固形分中比率」は、各種成分の固形分量の全固形分中の比率(質量%)を意味する。また、「溶剤中比率」は、各種溶剤の全溶剤中の比率(質量%)を意味し、各種溶剤の量には、アルカリ可溶性樹脂や顔料分散液由来の溶剤も含まれる。
なお、比較例7及び8におけるC.I.ピグメントグリーン58及びC.I.ピグメントグリーン59の含有割合は全固形分中に40.0質量%となるようにした。
Figure 2020171139
Figure 2020171139
なお、表1及び表2に記載の各種溶剤の詳細は表3に記載のとおりである。表中の沸点(℃)は、1013.25hPaにおける値である。
Figure 2020171139
<アルカリ現像時間、ガラス基板上残渣の評価>
50mm角、厚さ0.7mmのガラス基板(AGC社製、AN100)上に、乾燥後の膜厚が2.3μmとなる様に、上記着色樹脂組成物をスピンコーターで塗布した後、80℃で3分間乾燥させて評価基板を得た。評価基板に対して23℃の0.4質量%水酸化カリウム水溶液を使用して現像処理を行い、塗膜が溶解して基板面が露出するまでの時間(溶解時間)を測定した。
次いで、同様の手順で得た評価基板に対して、23℃の0.4質量%水酸化カリウム水溶液を使用して、現像処理を溶解時間の2倍の時間行い、そして1kg/cm2の水圧で10秒間スプレー水洗処理を行い、残渣評価基板1を作製した。また、現像処理の時間を60秒間に変更した以外は同様の手順で、残渣評価基板2を作製した。
残渣評価基板1に対して、目視観察を行い、50mm角ガラス基板上で、残渣が見られない部分の面積(A)と、残渣が見られる部分の面積(B)を計測し、残渣発生面積比率(%)=(B)/{(A)+(B)}×100の評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 2020171139
次に、残渣評価基板2に対しても、目視観察を行い、残渣評価基板1と同様にして残渣発生面積比率(%)の評価を行ったところ、実施例1が1%、実施例2が0%、実施例3が1%、実施例4が0%、実施例5が0%、実施例6が0%、実施例7が0%、実施例8が0%、実施例9が0%、実施例10が0%、実施例11が1%、実施例12が0%、実施例13が0%、実施例14が0%、実施例15が1%、実施例16が1%であった。
<色特性評価>
50mm角、厚さ0.7mmのガラス基板(AGC社製、AN100)上に、実施例1、実施例4、実施例8、実施例13、実施例14、実施例15、実施例16、比較例5、比較例6、比較例7、及び比較例8の着色樹脂組成物をスピンコーターで塗布した後、80℃で3分間乾燥した。次いで、2kW高圧水銀灯により、40mJ/cm2の露光量で全面露光処理を行った。その後、23℃の0.4質量%水酸化カリウム水溶液を使用して現像処理を行った。次いで、3kg/cm2の水圧で10秒間スプレー水洗処理を行い、着色樹脂組成物塗布基板を作製した。その後、230℃で30分間の熱硬化処理を行い、膜厚が2.0μmの着色基板を作成した。得られた着色基板について、日立製作所社製分光光度計U−3310によりC光源にて透過スペクトルを測定し、色度(sx,sy)及び輝度を算出した。実施例1は、色度がsx=0.220、sy=0.460、輝度LYが58.7であり、実施例4は、色度がsx=0.220、sy=0.460、輝度LYが58.8であり、実施例8は、色度がsx=0.220、sy=0.460、輝度LYが58.7であった。また、実施例13は、色度がsx=0.249、sy=0.355、輝度LYが65.4であり、実施例14は、色度がsx=0.266、sy=0.341、輝度LYが79.9であり、実施例15は、色度がsx=0.224、sy=0.459、輝度LYが58.3であり、実施例16は、色度がsx=0.228、sy=0.466、輝度LYが57.3であった。比較例5は、色度がsx=0.219、sy=0.425であり、輝度LYが50.0であり、比較例6は、色度がsx=0.297、sy=0.428であり、輝度LYが47.3であり、比較例7は、色度がsx=0.238、sy=0.556、輝度LYが51.6であり、比較例8は、色度がsx=0.172、sy=0.483、輝度LYが38.5であった。
また同様の手順で作成した実施例1〜12の着色基板の表面を目視にて観察したところ、異物は観察されなかった。
表4から明らかなように、フタロシアニン化合物(1)を含む着色樹脂組成物において、比較例1〜4のように沸点160℃以上の高沸点溶剤を含まない場合には、ガラス基板上に多量の残渣が発生した。
フタロシアニン化合物(1)は溶剤に対する溶解度が高く分散処理工程を必要としないため、フタロシアニン化合物(1)の周囲には、分散剤やアルカリ可溶性樹脂がほとんど存在しておらず、着色樹脂組成物中でフタロシアニン化合物(1)とアルカリ可溶性樹脂との親和力が弱くなっていると考えられる。特にフタロシアニン化合物(1)は、フタロシアニン環同士のπ−π相互作用、前記式(2)で表される基同士のπ−π相互作用によって分子同士が会合しやすく、さらに、原子半径が小さいフッ素原子を有することで分子同士のパッキングがより密となり、アルカリ可溶性樹脂との親和力が弱く、アルカリ現像時にアルカリ現像液がフタロシアニン化合物(1)に浸透しづらくなることで、アルカリ溶解性が低下してガラス基板上に残渣が残存しやすくなっていると考えられる。
これに対して実施例1〜16のように、フタロシアニン化合物(1)を含む着色樹脂組成物において、沸点160℃以上の高沸点溶剤を含む場合には、ガラス基板上に残渣がほとんど発生せず、特に実施例6、8、9及び10のように、溶剤の沸点が高い場合や沸点160℃以上の溶剤の含有割合が高い場合においては、ガラス基板上残渣が全く発生しなかった。
これは、沸点160℃以上の高沸点溶剤を含むことで、アルカリ現像工程時の塗膜の乾燥が抑制され、十分に湿潤な状態となり、アルカリ現像液が塗膜内部にまで十分に浸透して中和反応が促進されて、フタロシアニン化合物(1)もアルカリ現像液に十分に溶解され、ガラス基板上に着色樹脂組成物由来の残渣が発生しにくくなったと考えられる。
一方で、表4の比較例1と比較例5及び6との比較から、前記式(1)を満足しないフタロシアニン化合物B及びCは、フタロシアニン化合物(1)よりも残渣面積の値が大きい。フタロシアニン化合物Bはフッ素原子ではなく塩素原子を有するものであり、それによってフタロシアニン化合物の極性が低くなっていることにより、極性の高い現像液(アルカリ水溶液)に対する溶解性が低くなったためと考えられる。また、フタロシアニン化合物Cは中心金属が銅であり、それによってフタロシアニン化合物のイオン化傾向が低くなり、現像液(アルカリ水溶液)に対する溶解性が低くなったためと考えられる。
また前述のように、比較例5及び比較例6に比べて、実施例1では輝度が高い。これは、実施例1に含まれるフタロシアニン化合物(1)が、フッ素原子を有することでフタロシアニン化合物の極性が高くなっていることにより、着色樹脂組成物中の溶剤に対する溶解性が高くなり、フタロシアニン化合物同士の凝集等が抑えられたためと考えられ、また、中心金属が亜鉛であることで結晶形が最適化されたためと考えられる。
また、比較例7及び8のように、フタロシアニン化合物(1)に代えて緑色顔料を含む着色樹脂組成物においては、着色樹脂組成物中で緑色顔料近傍に分散樹脂や分散剤が多く存在し、アルカリ可溶性樹脂との親和力が強くなっており、それによって緑色顔料のアルカリ溶解性が高く、沸点160℃以上の高沸点溶剤を含まないにも関わらずガラス基板上に残渣が残存しにくくなっていると考えられる。
10 透明支持基板
20 画素
30 有機保護層
40 無機酸化膜
50 透明陽極
51 正孔注入層
52 正孔輸送層
53 発光層
54 電子注入層
55 陰極
100 有機EL素子
500 有機発光体

Claims (7)

  1. (A)着色剤、(B)溶剤、(C)アルカリ可溶性樹脂、及び(D)光重合開始剤を含有する着色樹脂組成物であって、
    前記(A)着色剤が、下記一般式(1)で表される化学構造を有するフタロシアニン化合物を含み、
    前記(B)溶剤が、1013.25hPaにおける沸点が160℃以上の高沸点溶剤を含むことを特徴とする着色樹脂組成物。
    Figure 2020171139
    (式(1)中、A1〜A16は各々独立に、水素原子、フッ素原子、又は下記一般式(2)で表される基を表す。ただし、A1〜A16のうち1つ以上はフッ素原子を表し、かつ、A1〜A16のうち1つ以上は下記一般式(2)で表される基を表す。)
    Figure 2020171139
    (式(2)中、Xは2価の連結基を表す。式(2)中のベンゼン環は任意の置換基を有していてもよい。*は結合手を表す。)
  2. 着色樹脂組成物中の前記(B)溶剤の含有割合が50質量%以上である、請求項1に記載の着色樹脂組成物。
  3. 前記(B)溶剤中の前記高沸点溶剤の含有割合が0.5質量%以上である、請求項1又は2に記載の着色樹脂組成物。
  4. 前記フタロシアニン化合物の含有割合が全固形分中に5質量%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の着色樹脂組成物。
  5. 前記(D)光重合開始剤が、オキシムエステル系光重合開始剤を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の着色樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の着色樹脂組成物を用いて作成した画素を有する、カラーフィルタ。
  7. 請求項6に記載のカラーフィルタを有する、画像表示装置。
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