JPWO2020170362A1 - 極端紫外光生成システム及び電子デバイスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本開示の一観点に係る極端紫外光生成システムは、プリパルスレーザ装置とビームコンバイナとの間のプリパルスレーザ光の光路に配置された第1の光学素子から出射するプリパルスレーザ光の進行方向を変更する第1のアクチュエータと、集光光学系から出射するプリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光の照射位置を変更する第2のアクチュエータと、メインパルスレーザ光がターゲットに照射されることにより所定領域から放射される光を検出する複数のセンサと、コントローラとを備え、コントローラは、1つのバースト期間内において、複数のセンサの出力から算出される評価値が目標値に近づくように第1のアクチュエータを制御した後に、評価値が目標値に近づくように第2のアクチュエータを制御する。

Description

本開示は、極端紫外光生成システム及び電子デバイスの製造方法に関する。
近年、半導体プロセスの微細化に伴って、半導体プロセスの光リソグラフィにおける転写パターンの微細化が急速に進展している。次世代においては、20nm以下の微細加工が要求されるようになる。このため、波長13nm程度の極端紫外(EUV:Extreme Ultra Violet)光を生成するための装置と縮小投影反射光学系とを組み合わせた露光装置の開発が期待されている。
EUV光生成装置としては、ターゲット物質にレーザ光を照射することによって生成されるプラズマが用いられるLPP(Laser Produced Plasma)式の装置と、放電によって生成されるプラズマが用いられるDPP(Discharge Produced Plasma)式の装置と、軌道放射光が用いられるSR(Synchrotron Radiation)式の装置との3種類の装置が提案されている。
国際公開第2018/131146号 米国特許第8569722号明細書
概要
本開示の1つの観点に係る極端紫外光生成システムは、チャンバと、チャンバ内の所定領域に向けてターゲットを出力するターゲット供給部と、ターゲットに照射されるプリパルスレーザ光を出力するプリパルスレーザ装置と、プリパルスレーザ光が照射されたターゲットに照射されるメインパルスレーザ光を出力するメインパルスレーザ装置と、プリパルスレーザ光の光路とメインパルスレーザ光の光路とを実質的に一致させるビームコンバイナと、ビームコンバイナから出射されたプリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光の光路に配置され、プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光を所定領域の付近に集光する集光光学系と、プリパルスレーザ装置とビームコンバイナとの間のプリパルスレーザ光の光路に配置された第1の光学素子と、第1の光学素子から出射するプリパルスレーザ光の進行方向を変更する第1のアクチュエータと、集光光学系から出射するプリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光の進行方向に対して直交する面内のプリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光の照射位置を変更する第2のアクチュエータと、メインパルスレーザ光がターゲットに照射されることにより所定領域から放射される光を検出する複数のセンサと、複数のセンサの出力に基づいて第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータを制御するコントローラであって、1つのバースト期間内において、複数のセンサの出力から算出される評価値が目標値に近づくように第1のアクチュエータを制御する第1の制御と、第1の制御の後に、評価値が目標値に近づくように第2のアクチュエータを制御する第2の制御と、を実施するコントローラと、を備える。
本開示の他の1つの観点に係る電子デバイスの製造方法は、電子デバイスの製造方法であって、チャンバと、チャンバ内の所定領域に向けてターゲットを出力するターゲット供給部と、ターゲットに照射されるプリパルスレーザ光を出力するプリパルスレーザ装置と、プリパルスレーザ光が照射されたターゲットに照射されるメインパルスレーザ光を出力するメインパルスレーザ装置と、プリパルスレーザ光の光路とメインパルスレーザ光の光路とを実質的に一致させるビームコンバイナと、ビームコンバイナから出射されたプリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光の光路に配置され、プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光を所定領域の付近に集光する集光光学系と、プリパルスレーザ装置とビームコンバイナとの間のプリパルスレーザ光の光路に配置された第1の光学素子と、第1の光学素子から出射するプリパルスレーザ光の進行方向を変更する第1のアクチュエータと、集光光学系から出射するプリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光の進行方向に対して直交する面内のプリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光の照射位置を変更する第2のアクチュエータと、メインパルスレーザ光がターゲットに照射されることにより所定領域から放射される光を検出する複数のセンサと、複数のセンサの出力に基づいて第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータを制御するコントローラであって、1つのバースト期間内において、複数のセンサの出力から算出される評価値が目標値に近づくように第1のアクチュエータを制御する第1の制御と、第1の制御の後に、評価値が目標値に近づくように第2のアクチュエータを制御する第2の制御と、を実施するコントローラと、を備える極端紫外光生成システムを用いてターゲットにプリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光を照射することにより、ターゲットをプラズマ化して極端紫外光を生成し、極端紫外光を露光装置に出力し、電子デバイスを製造するために、露光装置内で感光基板上に極端紫外光を露光することを含む。
本開示のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して以下に説明する。
図1は、例示的なLPP式のEUV光生成システムの構成を概略的に示す図である。 図2は、EUV光センサの配置例を示す図である。 図3は、図2の側面図である。 図4は、EUV重心制御を実施しない場合における各バースト期間のEUVエネルギの変化とEUV重心位置の変化の様子を例示的に示すグラフである。 図5は、EUV重心制御を実施した場合の各バースト期間のEUVエネルギの変化とEUV重心位置の変化の様子を例示的に示すグラフである。 図6は、実施形態1に係るEUV光生成システムの構成を概略的に示す図である。 図7は、プリパルスレーザ光とCO2レーザ光との相対位置ずれ量と、EUV重心位置との関係を例示的に示す図である。 図8は、プリパルスレーザ光とCO2レーザ光との相対位置ずれ量と、EUV重心位置との関係を例示的に示す図である。 図9は、実施形態1に係るEUV光生成システムの動作を示すグラフである。 図10は、図9中の(i)で示す初バースト照射前のタイミングの様子を模式的に示す図である。 図11は、図9中の(ii)で示すバースト先頭部のタイミングの様子を模式的に示す図である。 図12は、図9中の(iii)で示すドロップレットシフトの定常状態におけるタイミングの様子を模式的に示す図である。 図13は、図9中の(iv)で示すバースト後半部のタイミングの様子を模式的に示す図である。 図14は、図9中の(v)で示すバースト後半部のタイミングの様子を模式的に示す図である。 図15は、図9中の(vi)で示すバースト休止期間のタイミングの様子を模式的に示す図である。 図16は、図9中の(vii)で示すバースト先頭部のドロップレットシフト定常状態のタイミングの様子を模式的に示す図である。 図17は、図9中の(viii)で示すバースト後半部のタイミングの様子を模式的に示す図である。 図18は、図9中の(ix)で示すバースト休止期間のタイミングの様子を模式的に示す図である。 図19は、図9中の(x)で示すバースト先頭部におけるドロップレットシフト定常状態のタイミングの様子を模式的に示す図である。 図20は、図9中の(xi)で示すバースト後半部におけるタイミングの様子を模式的に示す図である。 図21は、実施形態1における制御動作の例を示すフローチャートである。 図22は、実施形態2に係るEUV光生成システムの構成を概略的に示す。 図23は、第2のプリパルスレーザ光及びCO2レーザ光の照射位置に対する第1のプリパルスレーザ光の相対位置ずれ量ΔPPL1とEUV重心位置との関係を模式的に示す図である。 図24は、実施形態3に係るEUV光生成システムの構成を例示的に示す図である。 図25は、実施形態4に係るEUV光生成システムの構成を例示的に示す図である。 図26は、プリパルスレーザ光とCO2レーザ光の照射位置の相対位置ずれ量ΔPPL1_2とEUV重心位置との関係を模式的に示す図である。 図27は、EUV光生成システムと接続された露光装置の概略構成を示す図である。
実施形態
−目次−
1.用語の説明
2.極端紫外光生成システムの全体説明
2.1 構成
2.2 動作
2.3 EUV光センサの配置例
2.4 EUV重心制御の概要
3.課題
4.実施形態1
4.1 概要
4.2 構成
4.3 EUV重心値の計算式
4.4 プリパルスレーザ光の相対位置ずれ量ΔPPLとEUV重心位置との関係
4.5 動作
4.6 EUV重心値の目標値について
4.7 作用・効果
5.実施形態2
5.1 構成
5.2 EUV重心値の計算式
5.3 動作
5.4 作用・効果
5.5 その他
6.実施形態3
6.1 構成
6.2 動作
6.3 作用・効果
7.実施形態4
7.1 構成
7.2 EUV重心値の計算式
7.3 動作
7.4 作用・効果
8.EUV光生成システムを用いた電子デバイスの製造方法の例
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。以下に説明される実施形態は、本開示のいくつかの例を示すものであって、本開示の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本開示の構成及び動作として必須であるとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
1.用語の説明
「ターゲット」は、チャンバに導入されたレーザ光の被照射物である。レーザ光が照射されたターゲットは、プラズマ化してEUV光を放射する。液状のターゲット物質によって形成されるドロップレットは、ターゲットの一形態である。ターゲットはプラズマの発生源となる。
「ターゲット軌道」は、チャンバ内に出力されたターゲットが進行する経路である。ターゲット軌道は、プラズマ生成領域において、チャンバ内に導入されたレーザ光の光路と交差する。
「プラズマ生成領域」は、チャンバ内に出力されたターゲットに対してレーザ光が照射され、ターゲットがプラズマ化される領域である。プラズマ生成領域はEUV光を出力するためのプラズマの生成が開始される領域に相当する。
「プラズマ光」は、プラズマから放射される放射光である。プラズマ化したターゲットから放射される放射光はプラズマ光の一形態であり、この放射光にはEUV光が含まれている。
「EUV光」という表記は、「極端紫外光」の略語表記である。「極端紫外光生成システム」は「EUV光生成システム」と表記される。
EUV光生成システムによる「バースト動作」とは、ある期間所定の繰返し周波数でEUV光を出力するバースト期間と、所定の期間EUV光を出力しない休止期間とを繰り返す動作である。バースト期間中は、レーザ装置からパルスレーザ光が出力され、ターゲットに照射される。休止期間中はパルスレーザ光の出力が停止されるか、又はプラズマ生成領域へのパルスレーザ光の伝搬が抑制される。
2.極端紫外光生成システムの全体説明
2.1 構成
図1に例示的なLPP式のEUV光生成システム100の構成を概略的に示す。EUV光生成装置11は、少なくとも1つのレーザ装置と共に用いられる。図1に示されたEUV光生成装置11は、レーザ装置としてのプリパルスレーザ装置12及びメインパルスレーザ装置14と共に用いられる。本開示においては、EUV光生成装置11とプリパルスレーザ装置12とメインパルスレーザ装置14とを含むシステムを、EUV光生成システム100と称する。
プリパルスレーザ装置12及びメインパルスレーザ装置14のいずれか又は両方は、MOPA(Master Oscillator Power Amplifier)システムであってよい。MOPAシステムは、レーザ発振器と、少なくとも1つのレーザ増幅器とを含む。プリパルスレーザ装置12として、例えば、波長1.06μmのパルスレーザ光を出力するYAGレーザ装置を用いることができる。「YAG」はイットリウム・アルミニウム・ガーネット(Yttrium Aluminum Garnet)の略称である。YAGレーザ装置は、発振器及び/又は増幅器に、レーザ媒質としてYAG結晶を用いる。YAG結晶は、ネオジム(Nd)などの元素をドープしたものであってよい。
メインパルスレーザ装置14は、例えば、CO2レーザ装置である。「CO2」は二酸化炭素を表す。CO2レーザ装置は、発振器及び/又は増幅器に、レーザ媒質としてCO2ガスを用いる。図1に示されたメインパルスレーザ装置14は、マスターオシレータ16と、図示せぬ光アイソレータと、CO2レーザ増幅器18とを含んで構成される。
マスターオシレータ16は、CO2レーザ増幅器18の増幅領域の波長を含むレーザ光を所定の繰り返し周波数で出力する。マスターオシレータ16には固体レーザ装置を採用することができる。マスターオシレータ16が出力するレーザ光の波長は例えば10.59μmであり、パルス発振の繰り返し周波数は例えば100kHzであってよい。
CO2レーザ増幅器18は、マスターオシレータ16から出力されるレーザ光の光路上に配置される。図1では3個のCO2レーザ増幅器18を備える形態が示されているが、メインパルスレーザ装置14はn個のCO2レーザ増幅器18を含む構成とすることができる。nは1以上の整数であってよい。
EUV光生成装置11は、第1のレーザ光伝送装置20と、第2のレーザ光伝送装置22と、ビームコンバイナ26と、チャンバ28と、コントローラ30と、を含んで構成される。
第1のレーザ光伝送装置20と第2のレーザ光伝送装置22の各々は、レーザ光の伝送状態を規定するための光学素子と、この光学素子の位置や姿勢等を調整するためのアクチュエータとを備えている。
第1のレーザ光伝送装置20は、プリパルスレーザ装置12から出力されるレーザ光の進行方向を規定するための光学素子として、第1の高反射ミラー31と第2の高反射ミラー32とを含む。プリパルスレーザ装置12から出力されるレーザ光をプリパルスレーザ光72と呼ぶ。第1のレーザ光伝送装置20はプリパルスレーザ光72をビームコンバイナ26へと導くレーザ光路を形成し得る。
第2のレーザ光伝送装置22は、メインパルスレーザ装置14から出力されるレーザ光の進行方向を規定するための光学素子として、第3の高反射ミラー33と第4の高反射ミラー34とを含む。メインパルスレーザ装置14から出力されるレーザ光をメインパルスレーザ光74と呼ぶ。第2のレーザ光伝送装置22はメインパルスレーザ光74をビームコンバイナ26へと導くレーザ光路を形成し得る。
ビームコンバイナ26は、第5の高反射ミラー36とダイクロイックミラー37と第6の高反射ミラー38とを含んで構成される。第5の高反射ミラー36は、第2のレーザ光伝送装置22を介して伝送されたメインパルスレーザ光74をダイクロイックミラー37に向けて反射する。
ダイクロイックミラー37は、プリパルスレーザ光72を反射し、かつ、メインパルスレーザ光74を透過する光学素子である。ダイクロイックミラー37は、ダイヤモンド基板に、プリパルスレーザ光72を高い反射率で反射し、かつ、メインパルスレーザ光74を高い透過率で透過する膜をコーティングしたものであってよい。ダイクロイックミラー37は、第5の高反射ミラー36によって反射されたメインパルスレーザ光74を透過させ、第1のレーザ光伝送装置20を介して伝送されたプリパルスレーザ光72を反射することにより、2つの光の光路を実質的に一致させる。「実質的に一致」とは、厳密に一致する場合に限らず、概ね一致しているものと見做して扱うことができる所定の許容範囲を含む「ほぼ一致」を意味する。複数の光の光路を実質的に一致させることを合波という。
第6の高反射ミラー38は、ダイクロイックミラー37によって合波されたパルスレーザ光76を反射してパルスレーザ光76の進行方向を規定する。パルスレーザ光76は、プリパルスレーザ光72及びメインパルスレーザ光74のいずれか又は両方である。ビームコンバイナ26はチャンバ28に固定されていてもよい。
チャンバ28は密閉可能な容器である。チャンバ28は、例えば、中空の球形状又は筒形状に形成されてもよい。チャンバ28は、ドロップレット生成器40と、ドロップレット検出センサ42と、ドロップレット回収器44と、を備える。チャンバ28の壁には、パルスレーザ光76をチャンバ28内に導入するためのウインドウ46が配置されている。ビームコンバイナ26から出力されるパルスレーザ光76はウインドウ46を透過する。
チャンバ28内には、レーザ集光ユニット50とEUV光集光ミラー52とが配置される。また、チャンバ28の壁には、EUV光センサ54a、54bを含む複数のEUV光センサが配置されている。図1では図示の都合上、EUV光センサ54a、54bを示すが、チャンバ28の壁には、図2に示すように、3つのEUV光センサ54a、54b、54cが配置される。
ドロップレット生成器40は、ターゲット物質のドロップレット58をチャンバ28内部に供給するよう構成され、例えば、チャンバ28の壁を貫通するように取り付けられる。ターゲット物質の材料は、スズ、テルビウム、ガドリニウム、リチウム、キセノン、又は、それらの内のいずれか2つ以上の組合せを含んでもよいが、これらに限定されない。
ドロップレット生成器40は、ターゲット物質を貯蔵するタンク60と、ターゲット物質を出力するノズル孔を含むノズル62と、ノズル62に配置された図示せぬピエゾ素子と、を含む。タンク60は、中空の筒形状に形成されてもよい。中空のタンク60の内部には、ターゲット物質が収容される。タンク60の少なくとも内部は、ターゲット物質と反応し難い材料で構成される。ターゲット物質の一例であるスズと反応し難い材料として、例えば、SiC、SiO、Al、モリブデン、タングステン、或いはタンタルなどを用いることができる。また、タンク60の外側側面部には図示せぬヒータと図示せぬ温度センサとが固定される。
EUV光生成装置11は、タンク60内の圧力を調節する圧力調節器64を備えている。圧力調節器64は不活性ガス供給部66とタンク60との間の配管68に配置される。不活性ガス供給部66は、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスが充填されているガスボンベを含んでいてもよい。不活性ガス供給部66は、圧力調節器64を介してタンク60内に不活性ガスを給気し得る。
圧力調節器64は図示せぬ排気ポンプに連結されている。圧力調節器64は排気ポンプを動作させてタンク60内のガスを排気することができる。圧力調節器64は給気及び排気用の図示せぬ電磁弁や図示せぬ圧力センサ等を内部に含んでいてよい。圧力調節器64は圧力センサを用いてタンク60内の圧力を検出し得る。圧力調節器64はコントローラ30と接続される。
ノズル62は、筒形状のタンク60の底面部に設けられている。ノズル62の中心軸方向の延長線上には、チャンバ28の内部にあるプラズマ生成領域80が位置する。図1において説明の便宜上、3次元のXYZ直交座標系を導入し、ノズル62の中心軸方向をY軸方向とする。チャンバ28から露光装置110に向かってEUV光を導出する方向をZ軸方向とし、図1の紙面に垂直な方向をX軸方向とする。
ノズル62のノズル孔は、溶融したターゲット物質をチャンバ28内へジェット状に噴出するような形状で形成されている。ノズル孔から出力させるターゲット物質の一例として、液体スズを採用し得る。
ドロップレット生成器40は、例えば、コンティニュアスジェット方式によりドロップレット58を形成する。コンティニュアスジェット方式では、ノズル62を振動させてジェット状に噴出したターゲットの流れに定在波を与え、ターゲット物質を周期的に分離する。分離されたターゲット物質は、自己の表面張力によって自由界面を形成してドロップレット58を形成し得る。
ノズル62には図示せぬピエゾ素子が配置される。ピエゾ素子は、ドロップレット58の形成に必要な振動をノズル62に与えるドロップレット形成機構を構成する要素となり得る。ピエゾ素子は、図示せぬピエゾ電源と接続される。ピエゾ電源はピエゾ素子に電力を供給する。ピエゾ電源はコントローラ30と接続され、コントローラ30によってピエゾ素子への電力供給が制御される。
ドロップレット検出センサ42は、チャンバ28内に出力されたドロップレット58の存在、軌跡、位置、及び速度のうちいずれか又は複数を検出するよう構成される。ドロップレット検出センサ42は、フォトダイオード、フォトダイオードアレイ、アバランシェフォトダイオード、光電子増倍管、マルチピクセルフォトンカウンター、CCD(Charge−coupled device)カメラ等のイメージセンサ、及びイメージインテンシファイアのうちのいずれかによって構成することができる。
ドロップレット検出センサ42として、例えば、光源部と受光部とを備える構成を採用することができる。光源部と受光部は互いにドロップレット58の軌道を挟んで対向する位置に配置することができる。図1ではドロップレット検出センサ42を1つのみ図示したが、チャンバ28には複数のドロップレット検出センサ42が配置され得る。
レーザ集光ユニット50は、ウインドウ46を介してチャンバ28に入射したパルスレーザ光76をプラズマ生成領域80に集光する集光光学系を含んで構成される。レーザ集光ユニット50は、高反射軸外放物面ミラー82と、高反射凹面軸外楕円ミラー83と、ミラー支持プレート84と、三軸ステージ85と、を含む。高反射軸外放物面ミラー82は図示せぬミラーホルダに保持されて、ミラー支持プレート84に固定される。高反射凹面軸外楕円ミラー83は図示せぬミラーホルダに保持されて、ミラー支持プレート84に固定される。
三軸ステージ85は、X軸、Y軸及びZ軸の互いに直交する三軸の方向にミラー支持プレート84を移動可能なステージである。三軸ステージ85は図示せぬアクチュエータを含み、コントローラ30からの指令に従い電動駆動される。
EUV光集光ミラー52は支持部材86に支持されている。支持部材86はチャンバ28の内壁に固定されている。EUV光集光ミラー52は、回転楕円面形状の反射面を有する。EUV光集光ミラー52は、第1の焦点及び第2の焦点を有する。EUV光集光ミラー52の反射面には、例えば、モリブデンとシリコンとが交互に積層された多層反射膜が形成されている。EUV光集光ミラー52は、例えば、その第1の焦点がプラズマ生成領域80に位置し、その第2の焦点が中間集光点(IF:Intermediate Focusing point)90に位置するように配置される。EUV光集光ミラー52の中央部には貫通孔53が設けられ、貫通孔53をパルスレーザ光76が通過する。
ドロップレット回収器44は、ドロップレット生成器40からチャンバ28内に出力されたドロップレット58が進行する方向の延長線上に配置される。図1ではドロップレット58の滴下方向がY軸と平行な方向であり、ドロップレット回収器44はドロップレット生成器40に対してY軸方向に対向する位置に配置される。
また、チャンバ28には図示せぬ排気装置と図示せぬ圧力センサとが設けられており、チャンバ28は図示せぬガス供給装置と接続される。
EUV光生成装置11は、チャンバ28の内部と露光装置110の内部とを連通させる接続部92を含む。接続部92の内部には、図示せぬアパーチャが形成された壁が設けられる。アパーチャはEUV光集光ミラー52の第2の焦点位置である中間集光点90に位置するように配置される。
露光装置110は露光装置制御部112を含んでおり、露光装置制御部112はコントローラ30と接続される。
コントローラ30は、EUV光生成システム100全体の制御を統括するよう構成される。コントローラ30は、プリパルスレーザ装置12、メインパルスレーザ装置14、ドロップレット生成器40、圧力調節器64、ドロップレット検出センサ42、EUV光センサ54a〜54c及び三軸ステージ85の各々と接続されている。さらにコントローラ30は、図示せぬ排気装置、圧力センサ及びガスの供給制御弁等と接続されている。
コントローラ30は、ドロップレット生成器40の動作を制御する。また、コントローラ30は、ドロップレット検出センサ42の検出結果に基づいて、プリパルスレーザ装置12及びメインパルスレーザ装置14の各々のレーザ光の出力タイミングを制御する。コントローラ30は、プリパルスレーザ装置12及びメインパルスレーザ装置14のそれぞれのレーザ光の出力タイミングを指定するトリガ信号の生成を行う。
コントローラ30は、ドロップレット検出センサ42の検出結果に基づいて、例えば、ドロップレット58が出力されるタイミング、ドロップレット58の出力方向、ドロップレット58の速度等を制御する。さらに、コントローラ30は、例えば、プリパルスレーザ装置12及びメインパルスレーザ装置14のそれぞれの発振タイミング、プリパルスレーザ光72及びメインパルスレーザ光74のそれぞれの進行方向、パルスレーザ光76の集光位置等を制御する。上述の様々な制御は単なる例示に過ぎず、必要に応じて他の制御が追加されてもよいし、一部の制御機能を省略してもよい。
本開示において、コントローラ30及び露光装置制御部112等の制御装置は、1台又は複数台のコンピュータのハードウェア及びソフトウェアの組み合わせによって実現することが可能である。コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)及びメモリを含んで構成され得る。ソフトウェアはプログラムと同義である。プログラマブルコントローラはコンピュータの概念に含まれる。コンピュータに含まれるCPUはプロセッサの一例である。コントローラ30及び露光装置制御部112その他の制御装置の処理機能の一部又は全部は、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)に代表される集積回路を用いて実現してもよい。
また、複数の制御装置の機能を1台の制御装置で実現することも可能である。さらに本開示において、コントローラ30及び露光装置制御部112等は、ローカルエリアネットワークやインターネットといった通信ネットワークを介して互いに接続されてもよい。分散コンピューティング環境において、プログラムユニットは、ローカル及びリモート両方のメモリストレージデバイスに保存されてもよい。
2.2 動作
図1を参照して、例示的なLPP式のEUV光生成システム100の動作を説明する。コントローラ30は、チャンバ28に取り付けられている圧力センサの検出値に基づいて、チャンバ28内の圧力が所定の範囲内となるように、排気装置による排気及びガス供給装置からのガス供給を制御する。チャンバ28内の圧力の所定の範囲とは、例えば、数パスカル[Pa]から数百パスカル[Pa]の間の値である。
コントローラ30は、タンク60に備えられたヒータを制御することにより、タンク60内のターゲット物質を融点以上の所定の温度まで加熱する。ターゲット物質として融点が232℃であるスズ(Sn)が用いられる場合、コントローラ30は、タンク60内のスズが、例えば、250℃から300℃の温度範囲の所定の温度になるようにヒータを制御する。その結果、タンク60内のスズは融解して液体となる。
また、コントローラ30は、タンク60内の圧力がノズル62から所定の速度で液体スズのジェットを出力し得る圧力となるように圧力調節器64を制御する。
次にコントローラ30は、ドロップレット58が生成されるように、ピエゾ素子に所定の波形の電圧を供給する信号を送信する。ピエゾ素子に所定の波形の電圧が供給されることによりピエゾ素子が振動する。その結果、ノズル孔から出力される液体スズのジェットに、規則的な振動が与えられる。これにより、ジェット状の液体スズがドロップレット58に分断され、周期的にほぼ同じ体積のドロップレット58が生成される。
こうして、ドロップレット生成器40から出力されたそれぞれのドロップレット58は、ノズル孔からプラズマ生成領域80までのドロップレット軌道に沿って移動する。
ドロップレット検出センサ42は、例えば、図示せぬ光源部と受光部とを備え、光源部から出力された照明光は、ドロップレット58が進行するドロップレット軌道の所定の位置を通過して受光部に受光される。
ドロップレット58が所定の位置を通過するのに同期して受光部に受光される光強度が低下する。この光強度の変化は受光部により検出され、その検出結果が受光部からコントローラ30に出力される。
ドロップレット58にパルスレーザ光76を照射する場合、コントローラ30は、ドロップレット検出センサ42から得られる検出信号が閾値電圧を下回ったタイミングでドロップレット検出信号を生成する。コントローラ30は、ドロップレット検出信号に対して所定の時間遅延させた発光トリガ信号をプリパルスレーザ装置12及びメインパルスレーザ装置14に出力する。なお、プリパルスレーザ装置12及びメインパルスレーザ装置14の各々に対して設定される遅延時間は、ドロップレット58がプラズマ生成領域80に到達した時にパルスレーザ光76がドロップレット58に照射されるように設定しておく。
プリパルスレーザ装置12に発光トリガ信号が入力されると、プリパルスレーザ装置12からプリパルスレーザ光72が出力される。メインパルスレーザ装置14に発光トリガ信号が入力されると、メインパルスレーザ装置14からメインパルスレーザ光74が出力される。メインパルスレーザ装置14から出力されるレーザ光のパワーは、数kWから数十kWに達する。プリパルスレーザ装置12から出力されたプリパルスレーザ光72は、第1のレーザ光伝送装置20とビームコンバイナ26を経由してウインドウ46を通過し、チャンバ28に入力される。メインパルスレーザ装置14から出力されたメインパルスレーザ光74は、第2のレーザ光伝送装置22とビームコンバイナ26を経由してウインドウ46を通過し、チャンバ28に入力される。
プリパルスレーザ光72及びメインパルスレーザ光74を含むパルスレーザ光76はレーザ集光ユニット50によって集光されて、プラズマ生成領域80に到達したドロップレット58に照射される。
ドロップレット58には、パルスレーザ光76に含まれる少なくとも1つのパルスが照射される。パルスレーザ光76が照射されたドロップレット58はプラズマ化し、そのプラズマから放射光116が放射される。放射光116に含まれるEUV光118は、EUV光集光ミラー52によって選択的に反射される。EUV光集光ミラー52によって反射されたEUV光118は、中間集光点90で集光され、露光装置110に出力される。
なお、1つのドロップレット58に対して、パルスレーザ光76に含まれる複数のパルスが照射されてもよい。本例の場合、1つのドロップレット58に対して、プリパルスレーザ光72のパルスと、メインパルスレーザ光74のパルスとが照射される。
1つのドロップレット58がプラズマ生成領域80に到達したタイミングで、プリパルスレーザ光72がドロップレット58に照射される。プリパルスレーザ光72が照射されたドロップレット58は膨張又は拡散して二次ターゲットとなる。二次ターゲットは、例えば、ミスト状に拡散した拡散ターゲットであってよい。二次ターゲットが所望の大きさに膨張又は拡散したタイミングで、メインパルスレーザ光74が二次ターゲットに照射される。メインパルスレーザ光74が照射された二次ターゲットはプラズマ化して、このプラズマからEUV光を含む放射光116が放射される。
ドロップレット回収器44は、パルスレーザ光76が照射されずにプラズマ生成領域80を通過したドロップレット58や、パルスレーザ光76の照射によっても拡散しなかったドロップレット58の一部分を回収する。
EUV光センサ54a、54b、54cは、チャンバ28内で生成したEUV光のエネルギを計測する。コントローラ30は、各EUV光センサ54a、54b、54cから得られる計測値から、プラズマの重心位置と、レーザ照射位置の補正に必要なレーザ集光ユニット50の駆動量とを計算し、三軸ステージ85に駆動指令を送る。コントローラ30からの駆動指令に従い三軸ステージ85が駆動され、パルスレーザ光76を所定の位置に集光させる。プラズマの重心位置とは、EUVエネルギの重心位置を意味する。
2.3 EUV光センサの配置例
図2及び図3は、EUV光センサの配置を例示的に示す図である。図2及び図3に示すように、複数のEUV光センサ54a、54b、54cがプラズマ生成領域80の周囲に配置される。
すなわち、複数のEUV光センサ54a、54b、54cのそれぞれは、互いに異なる方向からプラズマ生成領域80と対向するようにチャンバ28の壁に配置される。複数のEUV光センサ54a、54b、54cのそれぞれは、EUV光集光ミラー52によって反射されたEUV光118の光路を遮らないように配置される。複数のEUV光センサ54a、54b、54cのそれぞれは、EUV光集光ミラー52の外周縁に沿って配置される。複数のEUV光センサ54a、54b、54cのそれぞれは、受光口をプラズマ生成領域80に向けて配置される。
複数のEUV光センサ54a、54b、54cは、プラズマ生成領域80においてプラズマが生成された際に、各EUV光センサ54a、54b、54cによって計測されるエネルギの差が小さくなるよう、プラズマ生成領域80に対して互いに等距離に配置される。複数のEUV光センサ54a、54b、54cのそれぞれは、EUV重心位置を評価し易いような位置に配置されることが好ましい。
EUV重心位置とは、プラズマ生成領域80付近におけるEUV光118のエネルギ分布の重心位置をいう。EUV重心位置は、EUV光118のエネルギ分布における加重平均の位置である。具体的には、EUV重心位置は、複数のEUV光センサ54a、54b、54cで計測して得られた複数の計測値から特定される空間的な位置である。
EUV重心位置を評価し易くするため、例えば、複数のEUV光センサ54a、54b、54cは、図2に示されるような直角二等辺三角形の各頂点にそれぞれ配置される。図2に示された直角二等辺三角形は、その長辺の中点がプラズマ生成領域80を通過し、2つの短辺がX軸及びY軸にそれぞれ沿うように配置された直角二等辺三角形である。
ここでは、頂角の位置にEUV光センサ54cが配置され、EUV光センサ54cからY軸方向にEUV光センサ54aが配置され、EUV光センサ54cからX軸方向にEUV光センサ54bに配置される例が示されている。
なお、EUV光センサの個数はこの例に限らず、4個以上のEUV光センサを配置してもよい。EUV重心位置を適切に評価するために、少なくとも3個のEUV光センサをチャンバ28に配置することが好ましい。
2.4 EUV重心制御の概要
EUV重心制御とは、EUV光118の生成中に複数のEUV光センサ54a、54b、54cのそれぞれの計測結果に基づいてEUV重心位置が目標重心位置となるようレーザ光の照射位置をフィードバック方式で制御することである。レーザ光の照射位置とは、レーザ集光ユニット50からターゲットに向けて出射するレーザ光のプラズマ生成領域80付近における照射位置(すなわちレーザ光の集光位置)であり、特に、レーザ集光ユニット50から出射するレーザ光の進行方向に直交する面内の照射位置をいう。本例の場合、レーザ光の照射位置はX軸とY軸で規定されるXY平面内の位置として表される。
複数のEUV光センサ54a、54b、54cから得られる複数の計測値を基に算出されるEUV重心位置を評価するための評価値を「EUV重心値」という。
EUV重心制御の目標値(目標重心位置)は、EUV光生成装置のシーケンス動作によってあらかじめ設定される。コントローラ30は、複数のEUV光センサ54a、54b、54cのそれぞれの出力を基に、EUV重心値の計算式(式1A)及び(式1B)に従ってEUV重心値を算出する。
EUV Centroid_x =(E2−E3)/(E2+E3) (式1A)
EUV Centroid_y =(E1−E3)/(E1+E3) (式1B)
E1は、EUV光センサ54aの出力値である。E2は、EUV光センサ54bの出力値である。E3は、EUV光センサ54cの出力値である。
EUV Centroid_xは、EUV重心値のX軸座標成分である。EUV Centroid_xは、X軸に沿った方向におけるEUV光のエネルギ分布の偏在性を示す。EUV Centroid_yは、EUV重心値のY軸座標成分である。EUV Centroid_yは、Y軸に沿った方向におけるEUV光のエネルギ分布の偏在性を示す。
コントローラ30は、式1A及び式1Bから算出されるEUV重心値に従って、ドロップレット58とレーザ光の照射位置(集光位置)との相対位置関係を演算し、EUV重心値が目標値となる方向に三軸ステージ85を駆動することによってレーザ集光ユニット50を移動させる。
3.課題
EUV光生成装置11では、ドロップレット58に対してプリパルスレーザ光72及びメインパルスレーザ光74を位置的に正確に照射するために、各レーザ光の光軸をビームコンバイナ26の入口まで制御している。しかし、その後の光路、すなわちビームコンバイナ26の内部からレーザ集光ユニット50の出口までの間の光路中でずれが生じる。これは、プラズマ、若しくはレーザ光の熱により光路中の構成部品に歪みが生じるためである。その結果、レーザ光とドロップレット58とがずれた位置関係でレーザ光が照射され、EUVエネルギが不安定になり、不要な飛散物(デブリ)の量も増加する(図4参照)。
図4は、EUV重心制御を実施しない場合における各バースト期間のEUVエネルギの変化とEUV重心位置の変化の様子を例示的に示すグラフである。図4の最上段に示すグラフはバーストゲートの信号のタイミングを表す。バーストゲートonの期間がバースト期間であり、バーストゲートoffの期間がバースト休止期間である。バーストゲートの信号は、例えば、露光装置制御部112からコントローラ30に与えられる。
コントローラ30は、バーストゲートの信号に従い、ドロップレット58へのプリパルスレーザ光72及びメインパルスレーザ光74の照射を制御する。
図4の中段のグラフは、バースト期間ごとに生成されるEUV光のEUVエネルギを表す。1つのバースト期間内において、バースト先頭部はEUVエネルギが高く、バースト後半部はEUVエネルギが低くなる。また、バースト間で比較すると、最初のバースト期間のEUVエネルギが最も高く、バーストの数を経るにつれて、次第にEUVエネルギが低下している。
図4の下段のグラフは、各バースト期間内において算出されるEUV重心位置の推移を表している。1つのバースト期間内において、EUV重心位置は初期の設定位置から変化していく。また、バースト間で比較すると、バーストの数を経るにつれて、EUV重心位置のずれは大きくなっていく。
つまり、レーザ集光ユニット50のステージ位置の制御を含むEUV重心制御を実施しない場合、図4に示すようにEUV重心位置が初期の中心から離れていき、バースト間でEUVエネルギが減少していく。
図4に示すような課題に対して、バースト間でのEUVエネルギの安定化のために、EUV光センサ54a、54b、54cの出力から算出されるEUV重心値を用いてレーザ集光ユニット50のステージ位置を調整して、ドロップレット58に対するレーザ光の照射位置ずれを補償するフィードバック制御が行われる(図5参照)。
図5は、EUV重心制御を実施した場合の各バースト期間のEUVエネルギの変化とEUV重心位置の変化の様子を例示的に示すグラフである。図5の最上段のグラフは、バーストゲートの信号のタイミングを表す。図中の「Alg2」という表記は、バーストゲートonの期間に適用される制御のアルゴリズムの種類を表している。つまり、バースト期間においてアルゴリズムAlg2による制御が行われることを示している。なお、後述の実施形態1において説明する第1のアルゴリズムAlg1と区別するために、アルゴリズムAlg2のことを「第2のアルゴリズムAlg2」と呼ぶ。ここでの「Alg2」は、EUV重心値を基にレーザ集光ユニット50を動かしてプリパルスレーザ光72及びメインパルスレーザ光74を含むすべてのレーザ光の照射位置を制御するアルゴリズムを表す。
図5の中段に示すグラフは、バースト期間ごとに生成されるEUV光のEUVエネルギを表す。このグラフの矢印で示すタイミングは、第2のアルゴリズムAlg2によるレーザ集光ユニット50の駆動を指令するコマンドのタイミングを表す。つまり、バーストゲートonの期間に第2のアルゴリズムAlg2の処理が実行され、図5中の矢印で示すコマンドタイミングにおいてレーザ集光ユニット50のステージ位置の移動指令信号(コマンド)が発せられる。このタイミングで出力されるコマンドに従い、レーザ集光ユニット50の三軸ステージ85が動作する。これにより、各バースト期間の先頭パルスのエネルギ値はバースト間で概ね一定に保たれ、バースト期間ごとのEUVエネルギ平均値はバースト間で概ね一定に保たれる。
しかし、この第2のアルゴリズムAlg2による制御方法では図5の「コマンドタイミング」に示されるように制御速度が遅いため、バースト先頭部で顕著に生じるドロップレット位置変動(以下「ドロップレットシフト」という。)による急激なEUVエネルギ低下現象への補正が不十分となる。レーザ集光ユニット50のステージを動かす制御は動作が遅く、例えば、応答周波数が概ね10Hz程度であるため、バースト先頭部で生じるドロップレットシフトによるEUVエネルギの変動を補正することは困難である。
レーザ集光ユニット50は、数十kWに達する高出力CO2レーザ光を受光するためのミラー冷却構造を備えている。このミラー冷却構造の重量が大きく、ステージ付きのレーザ集光ユニット50の応答速度は、概ね100ms程度となってしまう。よって、図5に示すようにバースト先頭部のEUVエネルギ低下は残ったままとなる。
4.実施形態1
4.1 概要
バースト先頭部のドロップレットシフト、及び熱影響によるレーザ照射位置ずれを補償するために、実施形態1では、バーストONの期間内で、制御対象のアクチュエータ、及び制御のアルゴリズムを切り替える。具体的には、ビームコンバイナ26よりも上流のプリパルスレーザ光の光路に、プリパルスレーザ光72の進行方向を変更する高速アクチュエータ付きの光学素子を配置する。そして、各バースト期間において、バースト先頭部を含むバースト前半の一定期間は第1のアルゴリズムAlg1を適用して高速アクチュエータを制御し、バースト先頭部で発生するドロップレットシフトに対してプリパルスレーザ光72の照射位置を高速に追従させる。そして、一定期間経過後のバースト後半部は、制御のアルゴリズムを第2のアルゴリズムAlg2に切り替え、第2のアルゴリズムAlg2を適用してレーザ集光ユニット50を制御する。
また、実施形態1では、EUV重心値の計算式として、式1A及び式1Bに代えて、後述する式2A及び式2Bを用いる。
4.2 構成
図6は、実施形態1に係るEUV光生成システム101の構成を概略的に示す。図1との相違点を説明する。図6に示すEUV光生成システム101は、プリパルスレーザ装置12とビームコンバイナ26との間のプリパルスレーザ光72の光路上に、高速で動作するアクチュエータを備えた高速アクチュエータ付きミラーホルダ202が配置される。表記の簡略化のために、以後、高速アクチュエータ付きミラーホルダを「高速ACT」と表記する。
高速ACT202には、プリパルスレーザ光72の進行方向を変える光学素子としての第2の高反射ミラー32が保持される。また、図6に示すEUV光生成装置11Aは、第1のレーザ光伝送装置20における第1の高反射ミラー31と第2の高反射ミラー32との間の光路上に、高反射ミラー210、212が配置される。高反射ミラー210、212は、第1の高反射ミラー31で反射されたレーザ光を第2の高反射ミラー32に入射させるように配置される。
プリパルスレーザ光72とメインパルスレーザ光74を比較すると、EUVエネルギに大きく影響するのはプリパルスレーザ光72である。したがって、バースト先頭部で発生する高速現象であるドロップレットシフトに対してプリパルスレーザ光72を追従させるために、図6に示すように、プリパルスレーザ光72の光路に高速ACT202を配置することが好ましい。
高速ACT202は、プラズマ生成領域80におけるXY平面上でプリパルスレーザ光72の集光位置(照射位置)を移動できるよう構成される。高速ACT202はミラー冷却が不要となる程度のエネルギのプリパルスレーザ光72を受けるミラー(ここでは第2の高反射ミラー32)を保持するため、荷重が小さく高速な走査が可能である。高速ACT202の整定時間は、例えば、0.01ms以上10ms以下であってよい。
4.3 EUV重心値の計算式
EUV重心値に対して、プリパルスレーザ光72と、メインパルスレーザ光74(CO2レーザ光)のそれぞれが感度を有するため、プリパルスレーザ光72を単独でドロップレットシフトに追従させる際には、プリパルスレーザ光72とCO2レーザ光との相対位置変化に応じてEUV重心位置の評価値(EUV重心値)を補正する必要がある。このEUV重心値の補正にはプリパルスレーザ光とCO2レーザ光の照射位置の相対位置ずれ量ΔPPLを用いる必要があり、ΔPPLの算出には高速ACT202の駆動量を用いてもよい。
実施形態1においてEUV重心値の算出には、ΔPPLを変数に用いた補正式f(ΔPPL)を計算式(式1A)及び(式1B)の右辺に加えた下記の計算式(式2A)及び(式2B)を用いる。ここで補正式f(ΔPPL)は、ΔPPLを変数とした1次多項式でもよく、3次多項式などでもよい。
EUV Centroid_x ={(E2−E3)/(E2+E3)}+f(ΔPPLx)(式2A)
EUV Centroid_y ={(E1−E3)/(E1+E3)}+f(ΔPPLy)(式2B)
式中のΔPPLxはΔPPLのX軸方向の相対位置ずれ量の値を表し、ΔPPLyはΔPPLのY軸方向の相対位置ずれ量の値を表す。
4.4 プリパルスレーザ光の相対位置ずれ量ΔPPLとEUV重心位置との関係
プリパルスレーザ光72とCO2レーザ光との相対位置ずれ量(ΔPPL)が大きくなるほど、EUV重心値に基づくフィードバック制御が破綻しやすくなる。この理由を図7及び図8を用いて説明する。図中「DL」として示す灰色に塗りつぶした丸はドロップレット58の位置を表す。図中「PPL」として示す部分はプリパルスレーザ光72の照射位置を表す。図中「MST」として示す破線で囲まれる部分はプリパルスレーザ光72の照射によって生成される拡散ターゲット(二次ターゲット)のミスト生成範囲を表す。図中「CO2L」として示す二点鎖線で囲まれる部分はメインパルスレーザ光74であるCO2レーザ光の照射位置を表す。
図中二点鎖線で囲まれるCO2レーザ光の照射範囲と、破線で囲まれるミスト生成範囲との重なり部分が概ねEUV光の生成領域であり、EUV重心位置はこの領域の重心として模式的に示す。図中の「EUV_C」として示す円の中に十字を付したマークの位置はEUV重心位置を表す。
まず、図7に示すようにΔPPLが小さい場合を考える。プリパルスレーザ照射位置PPLがドロップレット位置DLに対してX軸方向−側(マイナス側)にずれている場合、EUV重心値はX軸方向−側の値として算出される。したがって、これを補正するようにプリパルスレーザ照射位置PPLはX軸方向+側(プラス側)に補正される(図7の下図)。このように補正された位置でドロップレット58にプリパルスレーザ光72を照射して生成する二次ターゲットのミスト生成範囲MSTはCO2レーザ光の照射範囲でありEUV重心位置もドロップレット位置DLに近づく。
次に、図8の上段に示すようにΔPPLが大きい場合を考える。プリパルスレーザ照射位置PPLがドロップレット位置DLに対してX軸方向−側にずれている場合、これを補正するようにプリパルスレーザ照射位置PPLはX軸方向+側に補正される(図8の下図)。このように補正されると、ミスト生成範囲MSTのX軸方向−側の一部のみがCO2レーザ光の照射範囲と重なる。この場合EUV重心値は依然としてプリパルスレーザ照射位置PPLからX軸方向−側の値として算出される。よって次回の制御ではこれを補正するようにプリパルスレーザ照射位置PPLをさらにX軸方向+側に移動させてしまう。そうすると、ミスト生成範囲MSTがX軸方向+側に移動してCO2レーザの照射範囲から外れてしまう。
したがって、式2A及び式2Bのように、ΔPPLの関数としての補正式f(ΔPPL)によってEUV重心値を補正するようにすると、このような状況を回避することができる。
4.5 動作
図9は、実施形態1に係るEUV光生成システム101の動作を示すグラフである。図9の最上段に示す波形は、バーストゲートのタイミングを表す。バーストゲートの立ち上がり開始からバースト前半部分の一定期間τの間は、第1のアルゴリズムAlg1に従って高速ACT202が制御される。その後バースト後半部分では第2のアルゴリズムAlg2に切り替え、第2のアルゴリズムAlg2に従ってレーザ集光ユニット50の三軸ステージ85が制御される。第1のアルゴリズムAlg1による制御、及び、第2のアルゴリズムによる制御には、EUV重心値と目標値との偏差に基づくPID(Proportional−Integral−Differential)制御が適用される。
図9の中段に示すグラフは、バースト期間ごとに生成されるEUV光のEUVエネルギを表す。このグラフの三角マークで示すタイミングは、第1のアルゴリズムAlg1による高速ACT202の駆動を指令するコマンドのタイミングを表す。つまり、バースト開始から時間τの所定期間であるバースト先頭部において第1のアルゴリズムAlg1の処理が実行され、図9中の三角マークで示すコマンドタイミングにおいて高速ACT202の移動指令信号(コマンド)が発せられる。第1のアルゴリズムAlg1に基づく高速ACT202に対する移動指令信号を第1のコマンドという。第1のコマンドに従い、高速ACT202が動作する。
また、時間τの経過後のバースト後半部において、第2のアルゴリズムAlg2の処理が実行され、図9中の矢印で示すコマンドタイミングにおいてレーザ集光ユニット50の移動指令信号(コマンド)が発せられる。第2のアルゴリズムAlg2に基づくレーザ集光ユニット50に対する移動指令信号を第2のコマンドという。第2のコマンドに従い、レーザ集光ユニット50の三軸ステージ85が動作する。
第1のアルゴリズムAlg1によって第1のコマンドが出力されるタイミングの時間間隔は、第2のアルゴリズムAlg2によって第2のコマンドが出力されるタイミングの時間間隔よりも十分に短い。すなわち、高速ACT202の応答速度は、レーザ集光ユニット50の三軸ステージ85の応答速度よりも高速である。
図9中の(i)から(xi)で示す各タイミングにおけるプラズマ生成領域80付近の模式図を図10から図20に示す。図10は、図9中の(i)で示す初バースト照射前のタイミングの様子を模式的に示す。初バースト照射前の状態では、ドロップレット位置DLとプリパルスレーザ照射位置PPLとCO2レーザ照射位置CO2Lが一致するように、これらの位置関係が適切に調整されている。
図11は、図9中の(ii)で示すバースト先頭部のタイミングの様子を模式的に示す。バーストゲートonの直後のバースト先頭部においてドロップレットシフトが発生し、プリパルスレーザ照射位置PPLとドロップレット位置DLにずれが生じる。ここでは、X方向+側にドロップレット58がシフトし始めた様子が示されている。その結果、EUV重心値はX方向−側の値として算出される。
コントローラ30は、各EUV光センサ54a、54b、54cから得られるエネルギ値E1,E2、E3を用いて式2A及び式2BによってEUV重心値を算出し、算出したEUV重心値が一定になるように高速ACT202をフィードバック制御する。この制御アルゴリズムが第1のアルゴリズムAlg1である。
図12は、図9中の(iii)で示すドロップレットシフトの定常状態におけるタイミングの様子を模式的に示す。ドロップレットシフトに対して、第1のアルゴリズムAlg1によって高速ACT202が駆動されるため、プリパルスレーザ照射位置PPLがドロップレット58に追従する。
その後、バーストゲートonの先頭からの時間がτ経過後に、制御アルゴリズムを第2のアルゴリズムAlg2に切り替える。
制御アルゴリズムを切り替える際に、プリパルスレーザ光72とCO2レーザ光の同軸関係を復帰させてもよい。この復帰動作の際には、プリパルスレーザ照射位置PPLを大きく変化させずにCO2レーザ照射位置CO2Lとプリパルスレーザ照射位置PPLとの関係が最適な位置関係に近づくように、レーザ集光ユニット50の三軸ステージ85と高速ACT202とを同時に動かす。具体的には、レーザ集光ユニット50の三軸ステージ85を駆動するとプリパルスレーザ照射位置PPLとCO2レーザ照射位置CO2Lの両方のレーザ照射位置が移動するので、同時に高速ACT202を駆動してプリパルスレーザ照射位置PPLを現位置に残すように制御する。CO2レーザ照射位置CO2Lとプリパルスレーザ照射位置PPLとの「最適な位置関係」とは、例えばドロップレット58に対して適切にレーザ照射した場合にEUVエネルギが最も多く観測される位置関係である。
図13は、図9中の(iv)で示すバースト後半部のタイミングの様子を模式的に示す。この(iv)で示すタイミングでは、熱負荷によりレーザ照射位置が変動する。
コントローラ30は、EUV光センサ54a、54b、54cから得られるエネルギ値E1,E2、E3を基に、式2A及び式2Bによって算出したEUV重心値が一定になるようにレーザ集光ユニット50の三軸ステージ85を制御する。
図14は、図9中の(v)で示すバースト後半部のタイミングの様子を模式的に示す。図9中の(v)で示すタイミングは第2のアルゴリズムAlg2に基づくコマンドタイミングよりも後のタイミングである。すなわち、第2のアルゴリズムAlg2により、EUV重心値を制御量にレーザ集光ユニット50を駆動し、熱負荷によるレーザ照射位置の変動を補償する。本例の場合、さらに、レーザ集光ユニット50の集光位置をドロップレットシフト方向に移動させると共に、高速ACT202を元位置方向へ移動させて、ドロップレット位置DLとプリパルスレーザ照射位置PPLの相対位置関係を維持しながら、プリパルスレーザ照射位置PPLとCO2レーザ照射位置CO2Lの相対位置関係を修正する。これにより、プリパルスレーザ照射位置PPLとCO2レーザ照射位置CO2Lの相対位置関係を元の状態と近い状態に復帰させる。
ドロップレット位置DLとプリパルスレーザ照射位置PPLの相対位置関係を「DL−PPLの相対位置関係」と表記する。プリパルスレーザ照射位置PPLとCO2レーザ照射位置CO2Lの相対位置関係を「PPL−CO2Lの相対位置関係」と表記する。
図15は、図9中の(vi)で示すバースト休止期間のタイミングの様子を模式的に示す。バースト先頭部で生じるドロップレットシフトは、バーストゲートoffと同時に概ね1msから50ms程度の時定数で元の位置に復帰する。ここでの「元の位置」とは図10で説明した初バースト照射前の初期の位置をいう。このためコントローラ30は、高速ACT202をドロップレット位置(元位置)に合うように駆動させる。この時の駆動量はバースト休止直前のΔPPLに、プリパルスレーザ照射位置PPLとCO2レーザ照射位置CO2Lの相対位置修正量を加えたものとなる。また、このときの駆動方向はドロップレットシフトの方向と逆方向となる。
また、熱的な影響によるバースト間のレーザ照射位置ずれはバーストゲートoffの後、秒から分のオーダで元の状態に復帰する。一般的なバースト運転ではバースト休止期間が数十ms程度であるため、バーストゲートoffに応じて高速ACT202を用いて次バースト照射までにドロップレット58とプリパルスレーザ光72の相対位置関係を復帰させてもよい。また、例えば、1秒以上の長期的な運転休止中においては、制御アルゴリズムの切り替えのところで説明した「復帰動作」と同様でよい。
図16は、図9中の(vii)で示すバースト先頭部のドロップレットシフト定常状態のタイミングの様子を模式的に示す。第1のアルゴリズムAlg1に基づいて高速ACT202を駆動することにより、プリパルスレーザ照射位置PPLがドロップレットの位置に追従する。ここでは、(v)においてPPL−CO2Lの相対位置関係を復帰させた分、次バーストのCO2レーザ照射位置CO2Lはドロップレットシフト定常状態のドロップレット位置に近い。
図17は、図9中の(viii)で示すバースト後半部のタイミングの様子を模式的に示す。ここでの動作は図14で説明した(v)の動作と同様である。第2のアルゴリズムAlg2に基づく補償の効果により、ドロップレットシフトの定常状態におけるPPL−CO2Lの相対位置関係が改善される。
図18は、図9中の(ix)で示すバースト休止期間のタイミングの様子を模式的に示す。ここでの動作は図15で説明した(vi)の動作と同様である。バースト数を経るほど、PPL−CO2Lの相対位置関係が徐々に復帰してゆく。
図19は、図9中の(x)で示すバースト先頭部におけるドロップレットシフト定常状態のタイミングの様子を模式的に示す。ここでの動作は図12で説明した(iii)及び図16で説明した(vii)の動作と同様である。(x)のタイミングに至るまで、複数バースト経過したため、ドロップレットシフト定常状態におけるPPL−CO2Lの相対位置関係が完全に復帰する。
図20は、図9中の(xi)で示すバースト後半部におけるタイミングの様子を模式的に示す。ここでの動作は図14で説明した(v)及び図17で説明した(viii)の動作と同様である。ドロップレットシフト定常状態において、ドロップレット58とプリパルスレーザ照射位置とCO2レーザ照射位置との3者の相対位置関係を維持することができる。
図21は、実施形態1における制御動作の例を示すフローチャートである。図21に示す処理及び動作は、例えば、コントローラ30として機能するプロセッサがプログラムを実行することによって実現される。
図21中の(i)から(v)の各表示は図9に示した(i)から(v)の各表示に対応している。バーストゲートがonになると、図21のフローチャートがスタートする。
ステップS12において、コントローラ30はバーストゲートonの立ち上がり開始から所定の時間τが経過したか否かを判定する。時間τは、図9に示したように第1のアルゴリズムAlg1の制御を実施する期間を規定するために予め設定されている時間である。時間τは、ドロップレットシフトが定常状態に到達するまでの時間(以下、「ドロップレットシフト定常状態到達時間」という。)と概ね同等の時間に設定されることが好ましい。時間τは、ドロップレットシフト定常状態到達時間以上の時間に設定されてよい。
ステップS12の判定結果がNo判定である場合、コントローラ30はステップS14に進む。ステップS14において、コントローラ30は第1のアルゴリズムAlg1に従い高速ACT202を駆動し、プリパルスレーザ光の照射位置をドロップレット58に追従させる。
ステップS16において、コントローラ30はバーストゲートがoffであるか否かを判定する。ステップS16の判定結果がNo判定である場合、コントローラ30はステップS12に戻る。時間τが経過するまで、ステップS12からステップS16が繰り返される。ステップS12の判定結果がYes判定である場合、すなわち、時間τが経過した場合、コントローラ30はステップS22に進む。
ステップS22において、コントローラ30は第2のアルゴリズムAlg2に従いレーザ集光ユニット50を駆動し、熱負荷に起因するレーザ照射位置変動を補償する。さらに、ステップS24において、コントローラ30はレーザ集光ユニット50の駆動と高速ACT202の駆動とを組み合わせてプリパルスレーザ光72とCO2レーザ光の相対位置関係の補償動作を行う。すなわち、レーザ集光ユニット50をドロップレットシフト方向に移動させ、かつ高速ACT202を元位置方向へ移動させて、ドロップレット58とプリパルスレーザ光72の相対位置関係を維持しながら、プリパルスレーザ光72とCO2レーザ光の相対位置関係を復帰させる(図14参照)。
次に、ステップS26において、コントローラ30はバーストゲートがoffであるか否かを判定する。ステップS26の判定結果がNo判定である場合、コントローラ30はステップS22に戻る。バーストゲートがoffになるまでステップS22からステップS26が繰り返される。ステップS26の判定結果がYes判定の場合、つまり、バーストゲートがoffになると、コントローラ30はステップS32に進む。また、ステップS16の判定結果がYes判定の場合もステップS32に進む。
ステップS32において、コントローラ30はバースト休止によって元位置に復帰するドロップレットの位置に合わせて高速ACT202を駆動し、ドロップレット58とプリパルスレーザ光72の相対位置関係を維持する。
次に、ステップS34において、コントローラ30はバーストゲートがonであるか否かを判定する。ステップS34の判定結果がno判定である場合、つまり、バースト休止期間中である場合、コントローラ30はステップS32に戻る。バーストゲートがonになるまでステップS32からS34が繰り返される。
ステップS34の判定結果がyes判定である場合、つまり、バーストゲートがonになると、コントローラ30はステップS12に戻り、上述したステップS12からステップS34を繰り返す。
4.6 EUV重心値の目標値について
EUV重心値の目標値は、ドロップレットの位置、プリパルスレーザ照射位置、及びメインパルス(CO2レーザ照射位置)の相対位置関係が最適な状態の時のEUV重心値に設定される。ここでいう最適な状態とは、バースト内のEUVエネルギばらつき(3σ)が小さく、EUV重心特性の線形中心などであってよい。EUV重心値の目標値の設定方法に関しては、例えば、国際公開第2017/164251号明細書に記載の技術を適用することができる。
バースト内におけるEUVエネルギのばらつきは、例えば、バースト発光するEUV光の各パルスのエネルギの標準偏差σを求め、「3σ」の値を用いて評価することができる。EUV重心特性とは、ターゲットに対するレーザ光の照射位置内でレーザ光を走査させた際のそれぞれ異なる複数の走査位置(走査水準)で計測されるEUV重心値と各走査水準との関係を示す特性をいう。
横軸に走査水準、縦軸にEUV重心値をとって、各走査水準にて計測されるEUV重心値をグラフにプロットすると、EUV重心特性のグラフ(評価値の分布)は、典型的には3次の多項式近似を用いてフィッティングし得る。この3次曲線において概ね線形の変化を示す部分の中心点(例えば、変曲点)などを目標値に定めることができる。
4.7 作用・効果
バースト先頭部で生じるドロップレットシフトに対して、第1のアルゴリズムAlg1によってプリパルスレーザ光72を追従させることでバースト内の急激なEUVエネルギ低下現象を補償することができる。また、EUV発光に伴う熱的な影響によるレーザ光の照射位置ずれに対して、第2のアルゴリズムAlg2によってプリパルスレーザ光72及びCO2レーザ光を含む全レーザ光をドロップレット58に追従させることで、バースト間のEUVエネルギ低下現象を補償することができる。これにより、EUV光生成システム101によるバースト運転の全稼動期間において安定なEUV発光を実現することができる。
実施形態1におけるドロップレット生成器40は本開示における「ターゲット供給部」の一例である。高速ACT202は本開示における「第1のアクチュエータ」の一例であり、高速ACT202により駆動される第2の高反射ミラー32は本開示における「第1の光学素子」の一例である。レーザ集光ユニット50は本開示における「集光光学系」の一例である。レーザ集光ユニット50の三軸ステージ85は本開示における「第2のアクチュエータ」の一例である。プラズマ生成領域80は本開示における「所定領域」の一例である。EUV光センサ54a、54b、54cは本開示における「複数のセンサ」の一例である。また、第1のアルゴリズムAlg1による制御は本開示における「第1の制御」の一例であり、第2のアルゴリズムAlg2による制御は本開示における「第2の制御」の一例である。
5.実施形態2
5.1 構成
図22は、実施形態2に係るEUV光生成システム102の構成を概略的に示す。EUV光生成システム102は、プリパルスレーザ装置としての第1のプリパルスレーザ装置12Aと第2のプリパルスレーザ装置12Bと、を含む。
第1のプリパルスレーザ装置12Aは、例えば、波長1.06μm、パルス幅1ns未満のレーザ光源である。第1のプリパルスレーザ装置12Aは、図6で説明したプリパルスレーザ装置12と同様の構成であってよい。第1のプリパルスレーザ装置12Aから出力されるプリパルスレーザ光を第1のプリパルスレーザ光72Aという。第2のプリパルスレーザ装置12Bは、例えば、第1のプリパルスレーザ装置12Aと同波長(波長1.06μm)、パルス幅1ns以上のレーザ光源である。第2のプリパルスレーザ装置12Bから出力されるプリパルスレーザ光を第2のプリパルスレーザ光72Bという。
図22に示すEUV光生成装置11Bは、第1のプリパルスレーザ光72Aの光路と第2のプリパルスレーザ光72Bの光路とを実質的に一致させるプリパルス合波素子230を含む。プリパルス合波素子230は、高速ACT202を備えた第2の高反射ミラー32と、ビームコンバイナ26との間の光路に配置される。
また、EUV光生成装置11Bは、第2のプリパルスレーザ装置12Bから出力された第2のプリパルスレーザ光72Bをプリパルス合波素子230へと導くレーザ光伝送光学系としての高反射ミラー221、222、223を含む。
第1のプリパルスレーザ装置12Aが出力する第1のプリパルスレーザ光72Aと、第2のプリパルスレーザ装置12Bが出力する第2のプリパルスレーザ光72Bとは、プリパルス合波素子230の表面における各レーザ光の偏光方向が互いに直交するように構成されてもよい。その場合、プリパルス合波素子230は偏光ビームスプリッタで構成し得る。
第1のプリパルスレーザ光72Aは、第1の高反射ミラー31及び第2の高反射ミラー32を介してプリパルス合波素子230に導かれる。第2のプリパルスレーザ光72Bは、高反射ミラー221、222、223を介してプリパルス合波素子230に導かれる。
プリパルス合波素子230によって光路が実質的に一致した第1のプリパルスレーザ光72Aと第2のプリパルスレーザ光72Bは、ビームコンバイナ26においてCO2レーザ光と、その光路が実質的に一致させられる。ビームコンバイナ26は、実施形態1と同様のダイクロイックミラー37を含む。
図22に示すように、複数のプリパルスレーザ装置を備える構成の場合、プラズマ生成領域80に供給されたターゲットに対して最初に照射するプリパルスレーザ光の光路に高速ACT202を配置する形態が好ましい。
高速ACT202は、ターゲットに最初に照射される第1のプリパルスレーザ光72Aの集光位置をプラズマ生成領域80におけるXY平面上で移動できるように構成される。
第1のプリパルスレーザ光72Aはドロップレット状のターゲットに照射され、ターゲット物質の微小液滴が空間に分散した状態の二次ターゲットを生成する。
第2のプリパルスレーザ光72Bは二次ターゲットに照射され、ターゲット物質の微粒子を空間的に分散させ、密度を最適化した三次ターゲットを生成する。
このように、1つのターゲットに対して複数のレーザ光を順次照射する場合、EUVエネルギに大きく影響するのは最初にターゲットに照射される第1のプリパルスレーザ光である。したがって、ミリ秒オーダの高速なドロップレットシフト現象を対象としたEUV重心制御は、第1のプリパルスレーザ光72Aの光路に配置した高速ACT202を用いた光軸制御を実施することが好ましい。
5.2 EUV重心値の計算式
実施形態2の場合、EUV重心値に対して第1のプリパルスレーザ光72A、第2のプリパルスレーザ光72B、及びメインパルスレーザ光74(CO2レーザ光)のそれぞれが感度を有する。したがって、第1のプリパルスレーザ光72Aを単独でドロップレットシフトに追従させる際には、第2のプリパルスレーザ光72B及びCO2レーザ光との相対位置変化に応じてEUV重心値を補正する必要がある。この補正には第1のプリパルスレーザ光72Aの相対位置ずれ量ΔPPL1を用いる必要があり、ΔPPL1の算出には高速ACT202の駆動量を用いてもよい。
実施形態2におけるEUV重心値の算出には、ΔPPL1を変数に用いた補正式g(ΔPPL1)を、計算式(式1A)及び(式1B)の右辺に加えた計算式(式3A)及び(式3B)を用いる。この補正式g(ΔPPL1)は、ΔPPL1を変数とした1次多項式でもよく、3次多項式でもよい。
EUV Centroid_x ={(E2−E3)/(E2+E3)}+g(ΔPPL1x)(式3A)
EUV Centroid_y ={(E1−E3)/(E1+E3)}+g(ΔPPL1y)(式3B)
式中のΔPPL1xはΔPPL1のX軸方向の相対位置ずれ量の値を表し、ΔPPL1yはΔPPL1のY軸方向の相対位置ずれ量の値を表す。
ΔPPL1に関する補正項の関数gは、実施形態1に適用されるΔPPLに関する補正項の関数fに対して変更する。これは第2のプリパルスレーザ光72Bの照射により、ΔPPL1と補正量の関係が実施形態1におけるΔPPLと補正量の関係に対して変化するからである。
図23は、第2のプリパルスレーザ光72B及びCO2レーザ光の照射位置に対する第1のプリパルスレーザ光72Aの相対位置ずれ量ΔPPL1とEUV重心位置との関係を模式的に示す図である。図中「PPL1」として示す部分は第1のプリパルスレーザ光72Aの照射位置を表す。図中「PPL2」として示す一点鎖線で囲まれる部分は第2のプリパルスレーザ光72Bの照射位置を表す。
図23に示す左図は、バースト先頭部のドロップレットシフトによって第1のプリパルスレーザ光72Aの照射位置がドロップレット58に対してずれている様子を表している。
図23の右図は、図23の状態から第1のアルゴリズムAlg1による制御を実施することにより、第1のプリパルスレーザ照射位置PPL1をドロップレット位置DLに一致させた様子を表している。
5.3 動作
実施形態2に係るEUV光生成システム102の動作を説明する。コントローラ30は、バーストゲートがonになると、EUV光センサ54a、54b、54cから得られるエネルギ値を基に、計算式(式3A)及び(式3B)によって算出したEUV重心値が一定になるように高速ACT202を制御する。この制御のアルゴリズムは第1のアルゴリズムAlg1に相当する。
コントローラ30は、バーストゲートonの先頭からの時間がτ経過後に、第2のアルゴリズムAlg2に切り替える。
アルゴリズムを切り替える際に、第1のプリパルスレーザ光72Aと第2のプリパルスレーザ光72Bと、メインパルスレーザ光74であるCO2レーザ光の同軸関係を復帰させてもよい。
その後、コントローラ30は、EUV光センサ54a、54b、54cから得られるエネルギ値E1、E2、E3を基に、計算式(式3A)及び(式3B)によって算出したEUV重心値が一定になるようにレーザ集光ユニット50の三軸ステージ85を制御する。
バースト先頭部で生じるドロップレットシフトは、バーストゲートoffと同時に元の位置に復帰する。また、熱的な影響によるバースト間のレーザ照射位置ずれは、バーストゲートoffの後、秒から分のオーダで元の状態に復帰する。
このような現象に対応する為に、バーストゲートoffに応じて高速ACTと、レーザ集光ユニット50とを駆動し、ドロップレット58と第1のプリパルスレーザ光72Aの相対位置関係を復帰させてもよい。
5.4 作用・効果
実施形態2によれば、バースト先頭部で生じるドロップレットシフトに対し、第1のアルゴリズムAlg1によって第1のプリパルスレーザ光72Aを追従させることで、バースト内の急激なEUVエネルギ低下現象を補償することができる。また、EUV発光に伴う熱的な影響によるレーザ光照射位置ずれに対しては、第2のアルゴリズムAlg2によって第1のプリパルスレーザ光72A、第2のプリパルスレーザ光72B、及びメインパルスレーザ光74(CO2レーザ光)の全レーザ光を追従させることで、バースト間のEUVエネルギ低下現象を補償することができる。これにより、バースト内及びバースト間においてEUVエネルギの安定化を実現でき、EUV光生成装置11Bのバースト運転の全稼動期間において安定なEUV発光を実現することができる。
実施形態2によれば、トリプルパルス構成のEUV光生成システム102でも実施形態1と同様の効果を奏することができる。
実施形態2おけるプリパルス合波素子230は本開示における「合波素子」の一例である。
5.5 その他
1つのターゲットに順次照射するレーザ光の数がいくつであっても、最初にドロップレットに照射するレーザ光を高速ACT202で制御し、他のレーザ光の少なくとも1つを他のアクチュエータ(例えば、レーザ集光ユニット50の三軸ステージ85)で制御する構成であれば本開示の内容が適用できる。
6.実施形態3
6.1 構成
図24は、実施形態3に係るEUV光生成システム103の構成を例示的に示す。図24において、図22に示した構成と同一又は類似の要素には同一の参照符号を付す。図22に示した実施形態2との相違点を説明する。
実施形態3に係るEUV光生成システム103は、第1のプリパルスレーザ光72A、第2のプリパルスレーザ光72B、及びメインパルスレーザ光74(CO2レーザ光)の各レーザ光を独立に走査(移動)可能なアクチュエータを備えている。
すなわち、図24に示すEUV光生成装置11Cは、第2のプリパルスレーザ光72Bの光路にアクチュエータ付きミラーホルダ252を備える。表記の簡略化のために、第2のプリパルスレーザ光72Bの伝播方向を変更するアクチュエータ付きミラーホルダ252を、以下「PPL2−ACT252」という。ここでは、高反射ミラー223がPPL2-ACT252に保持される。
PPL2−ACT252は、プラズマ生成領域80におけるXY平面上で第2のプリパルスレーザ光72Bの位置(照射位置)を移動できるように構成される。PPL2−ACT252は、第2のプリパルスレーザ照射位置PPL2の走査用アクチュエータとして機能する。
また、実施形態3におけるEUV光生成装置11Cは、CO2レーザ光の光路にアクチュエータ付きミラーホルダ254を備える。表記の簡略化のために、CO2レーザ光の伝播方向を変更するアクチュエータ付きミラーホルダ254を、以下「CO2L−ACT254」という。ここでは、第4の高反射ミラー34がCO2L−ACT254に保持される。
CO2L−ACT254は、プラズマ生成領域80におけるXY平面上でCO2レーザ光の位置(照射位置)を移動できるように構成される。
6.2 動作
実施形態3に係るEUV光生成システム103の動作について、実施形態1及び2の動作との相違点を説明する。実施形態1及び実施形態2においては、バースト後半部の第2のアルゴリズムAlg2により、全レーザ光をプラズマ生成領域80におけるXY平面上で移動させる際にレーザ集光ユニット50を移動させる構成を採用する。これに対し、実施形態3に示す構成の場合、レーザ集光ユニット50の駆動に代えて、高速ACT202、PPL2−ACT252、及びCO2L−ACT254を同期して駆動させる。
実施形態3において高速ACT202は、実施形態2と同様の制御とし、PPL2−ACT252とCO2L−ACT254との組み合わせによって、レーザ集光ユニット50の三軸ステージ85の機能を実現する。このため、実施形態3では三軸ステージ85を制御しなくてよい。その代わりに、実施形態3に係るEUV光生成システム103では、第2のプリパルスレーザ照射位置PPL2とCO2レーザ照射位置CO2Lとの位置関係を維持するように、PPL2−ACT252とCO2L−ACT254とを駆動する。なお、第2のプリパルスレーザ光72BとCO2レーザ光との照射時刻の差は僅かであるため、この間のターゲットの位置変動は考慮しなくてよい。したがって、バースト内におけるEUVエネルギ安定化の観点からは両者の照射位置を独立に制御する必要性は低い。
6.3 作用・効果
実施形態3に係るEUV光生成システム103の場合、CO2L−ACT254によって駆動される第4の高反射ミラー34は高出力CO2レーザ光に耐性を持つよう構成されるため、当該第4の高反射ミラー34は図示せぬミラー冷却構造を備える。したがって、CO2L−ACT254は高速ACT202ほどの応答速度は期待できない。
しかし、第4の高反射ミラー34は、レーザ集光ユニット50よりは軽く構成できるため、実施形態3は実施形態1や実施形態2と比較して、第2のアルゴリズムAlg2の制御周期を上げることができる。このため、実施形態3によればバースト内のEUVエネルギ安定性はさらに向上する。
実施形態3における高反射ミラー223は本開示における「第2の光学素子」の一例である。高反射ミラー223を動かすPPL2−ACT252は本開示における「第3のアクチュエータ」の一例である。第4の高反射ミラー34は本開示における「第3の光学素子」の一例である。第4の高反射ミラー34を動かすCO2L−ACT254は本開示における「第4のアクチュエータ」の一例である。
7.実施形態4
7.1 構成
図25は、実施形態4に係るEUV光生成システム104の構成を例示的に示す。図25において、図22に示した構成と同一又は類似の要素には同一の参照符号を付す。図22に示した実施形態2との相違点を説明する。
複数のプリパルスレーザ装置を備えるシステム構成の場合、複数のプリパルスレーザ光が合波された光路上に高速ACT202を配置してもよい。図25に示すEUV光生成装置11Dでは、プリパルス合波素子230とビームコンバイナ26との間の光路に高速ACT202が配置される。EUV光生成装置11Dは、プリパルス合波素子230から出射されたプリパルスレーザ光72Cをビームコンバイナ26に導く高反射ミラー240、242を備える。高反射ミラー242は高速ACT202に保持される。高速ACT202は、プリパルスレーザ光72Cの集光位置をプラズマ生成領域80におけるXY平面上で移動できるように構成される。
7.2 EUV重心値の計算式
実施形態4の場合、EUV重心値に対して第1のプリパルスレーザ光72A、第2のプリパルスレーザ光72B、及びCO2レーザ光のそれぞれが感度を有する。したがって、第1のプリパルスレーザ光72A及び第2のプリパルスレーザ光72Bを合波したプリパルスレーザ光72Cを、高反射ミラー242を用いてドロップレットシフトに追従させる際には、CO2レーザ光とプリパルスレーザ光72Cとの相対位置の変化に応じてEUV重心値を補正することが望ましい。
この補正には、CO2レーザ光とプリパルスレーザ光72Cとの相対位置ずれ量ΔPPL1_2を用いる。ΔPPL1_2の算出には高速ACT202の駆動量を用いてもよい。実施形態4におけるEUV重心値の算出には、ΔPPL1_2を変数に用いた補正式h(ΔPPL1_2)を、計算式(式1A)及び(式1B)の右辺に加えた下記の計算式(式4A)及び(式4B)を用いて行う。補正式h(ΔPPL1_2)は、ΔPPL1_2を変数とした1次多項式でもよく、3次多項式でもよい。
EUV Centroid_x ={(E2−E3)/(E2+E3)}+h(ΔPPL1_2x)(式4A)
EUV Centroid_y ={(E1−E3)/(E1+E3)}+h(ΔPPL1_2y)(式4B)
式中のΔPPL1_2xはΔPPL1_2のX軸方向の相対位置ずれ量の値を表し、ΔPPL1_2yはΔPPL1_2のY軸方向の相対位置ずれ量の値を表す。
図26は、プリパルスレーザ光とCO2レーザ光の照射位置の相対位置ずれ量ΔPPL1_2とEUV重心位置との関係を模式的に示す図である。図26の記載ルールは、図23と同様である。図26の左図は、バースト先頭部のドロップレットシフトによって第1のプリパルスレーザ光72A及び第2のプリパルスレーザ光72Bの照射位置がドロップレット58に対してずれている様子を表している。
図26の右図は、図26の左図の状態から第1のアルゴリズムAlg1による制御を実施することにより、第1のプリパルスレーザ照射位置PPL1及び第2のプリパルスレーザ照射位置PPL2をドロップレット位置DLに一致させた様子を表している。
7.3 動作
実施形態4に係るEUV光生成システム104の動作について、実施形態1及び2の動作との相違点を説明する。実施形態4に示す構成の場合、第1のアルゴリズムAlg1によって、高速ACT202を制御する。その後、第2のアルゴリズムAlg2によって実施形態2と同様の制御を行う。
7.4 作用・効果
実施形態4によれば、第1のプリパルスレーザ照射位置PPL1と第2のプリパルスレーザ照射位置PPL2の相対位置関係を維持したままドロップレットシフトに対してレーザ照射位置の追従可能である。実施形態4によれば、レーザ光の相対位置関係の崩れによるEUVエネルギ低下量を低減することができ、バースト内のEUVエネルギ安定性はさらに向上する。
実施形態4における高反射ミラー242は本開示における「第1の光学素子」の一例である。
8.EUV光生成システムを用いた電子デバイスの製造方法の例
図27は、EUV光生成システム100と接続された露光装置110の概略構成を示す図である。図27において、露光装置110は、マスク照射部462とワークピース照射部464とを含む。マスク照射部462は、EUV光生成システム100から入射したEUV光118によって、反射光学系463を介してマスクテーブルMTのマスクパターンを照明する。
ワークピース照射部464は、マスクテーブルMTによって反射されたEUV光118を、反射光学系465を介してワークピーステーブルWT上に配置された図示しないワークピース上に結像させる。
ワークピースはフォトレジストが塗布された半導体ウエハ等の感光基板である。露光装置110は、マスクテーブルMTとワークピーステーブルWTとを同期して平行移動させることにより、マスクパターンを反映したEUV光をワークピースに露光する。
以上のような露光工程によって半導体ウエハにデバイスパターンを転写することで半導体デバイスを製造することができる。半導体デバイスは本開示における「電子デバイス」の一例である。露光装置110に接続されるEUV光生成システム100は、各実施形態で説明したEUV光生成システム101〜104であってもよい。
上記の説明は、制限ではなく単なる例示を意図している。したがって、特許請求の範囲を逸脱することなく本開示の実施形態に変更を加えることができることは、当業者には明らかである。また、本開示の実施形態を組み合わせて使用することも当業者には明らかである。
本明細書及び特許請求の範囲全体で使用される用語は、明記が無い限り「限定的でない」用語と解釈されるべきである。例えば、「含む」又は「含まれる」という用語は、「含まれるものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「有する」という用語は、「有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。また、不定冠詞「1つの」は、「少なくとも1つ」又は「1又はそれ以上」を意味すると解釈されるべきである。また、「A、B及びCの少なくとも1つ」という用語は、「A」「B」「C」「A+B」「A+C」「B+C」又は「A+B+C」と解釈されるべきである。さらに、それらと「A」「B」「C」以外のものとの組み合わせも含むと解釈されるべきである。

Claims (18)

  1. チャンバと、
    前記チャンバ内の所定領域に向けてターゲットを出力するターゲット供給部と、
    前記ターゲットに照射されるプリパルスレーザ光を出力するプリパルスレーザ装置と、
    前記プリパルスレーザ光が照射された前記ターゲットに照射されるメインパルスレーザ光を出力するメインパルスレーザ装置と、
    前記プリパルスレーザ光の光路と前記メインパルスレーザ光の光路とを実質的に一致させるビームコンバイナと、
    前記ビームコンバイナから出射された前記プリパルスレーザ光及び前記メインパルスレーザ光の光路に配置され、前記プリパルスレーザ光及び前記メインパルスレーザ光を前記所定領域の付近に集光する集光光学系と、
    前記プリパルスレーザ装置と前記ビームコンバイナとの間の前記プリパルスレーザ光の光路に配置された第1の光学素子と、
    前記第1の光学素子から出射する前記プリパルスレーザ光の進行方向を変更する第1のアクチュエータと、
    前記集光光学系から出射する前記プリパルスレーザ光及び前記メインパルスレーザ光の進行方向に対して直交する面内の前記プリパルスレーザ光及び前記メインパルスレーザ光の照射位置を変更する第2のアクチュエータと、
    前記メインパルスレーザ光が前記ターゲットに照射されることにより前記所定領域から放射される光を検出する複数のセンサと、
    前記複数のセンサの出力に基づいて前記第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータを制御するコントローラであって、1つのバースト期間内において、前記複数のセンサの出力から算出される評価値が目標値に近づくように前記第1のアクチュエータを制御する第1の制御と、前記第1の制御の後に、前記評価値が前記目標値に近づくように前記第2のアクチュエータを制御する第2の制御と、を実施するコントローラと、
    を備える極端紫外光生成システム。
  2. 請求項1に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記評価値は、前記所定領域から放射される光の重心位置を評価する値である、
    極端紫外光生成システム。
  3. 請求項2に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記評価値を算出する計算式は、前記プリパルスレーザ光の照射位置と、前記メインパルスレーザ光の照射位置との相対位置ずれ量を変数に用いた関数によって表される補正項を含んでいる、
    極端紫外光生成システム。
  4. 請求項1に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記第1のアクチュエータは、前記第1の光学素子を駆動するように配置される、
    極端紫外光生成システム。
  5. 請求項1に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記第2のアクチュエータは、前記集光光学系を駆動するように配置される、
    極端紫外光生成システム。
  6. 請求項1に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記コントローラは、前記第1の制御において、前記第1のアクチュエータを駆動させる指令信号である第1のコマンドを出力し、前記第2の制御において、前記第2のアクチュエータを駆動させる指令信号の第2のコマンドを出力するよう構成され、
    第1のコマンドが出力されるタイミングの時間間隔は、第2のコマンドが出力されるタイミングの時間間隔よりも短い、極端紫外光生成システム。
  7. 請求項1に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記第1のアクチュエータの応答速度は、前記第2のアクチュエータの応答速度よりも高速である、
    極端紫外光生成システム。
  8. 請求項1に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記コントローラは、前記バースト期間の先頭部の所定期間に、前記第1の制御を実施し、前記所定期間の経過後に前記第2の制御を実施する、
    極端紫外光生成システム。
  9. 請求項8に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記コントローラは、前記第2の制御を実施する際に、前記第1の制御にて駆動した前記第1のアクチュエータを元の位置の方向に駆動して、前記第1の制御によって実現された前記ターゲットと前記プリパルスレーザ光の照射位置との相対位置関係を維持しながら、前記第2のアクチュエータを駆動することにより、前記プリパルスレーザ光の照射位置と前記メインパルスレーザ光の照射位置との相対位置関係を修正する、
    極端紫外光生成システム。
  10. 請求項1に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記コントローラは、バースト休止期間中に、前記第1のアクチュエータを前記第1の制御による駆動の方向と逆方向に駆動させる、
    極端紫外光生成システム。
  11. 請求項1に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記プリパルスレーザ装置は、前記所定領域に供給された前記ターゲットに対して最初に照射される第1のプリパルスレーザ光を出力する第1のプリパルスレーザ装置と、前記第1のプリパルスレーザ光が照射された前記ターゲットに照射される第2のプリパルスレーザ光を出力する第2のプリパルスレーザ装置と、を含み、
    前記第1のプリパルスレーザ装置と前記ビームコンバイナとの間の前記第1のプリパルスレーザ光の光路に前記第1のアクチュエータを備えた前記第1の光学素子が配置される、
    極端紫外光生成システム。
  12. 請求項11に記載の極端紫外光生成システムであって、さらに、
    前記第1のプリパルスレーザ光の光路と前記第2のプリパルスレーザ光の光路とを実質的に一致させる合波素子、を含み、
    前記合波素子から出射される前記第1のプリパルスレーザ光及び前記第2のプリパルスレーザ光が前記ビームコンバイナに入射するよう構成され、
    前記第1のプリパルスレーザ装置と前記合波素子との間の光路に前記第1のアクチュエータを備えた前記第1の光学素子が配置される、
    極端紫外光生成システム。
  13. 請求項11に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記評価値を算出する計算式は、前記第1のプリパルスレーザ光の照射位置と、前記メインパルスレーザ光の照射位置との相対位置ずれ量を変数に用いた関数によって表される補正項を含んでいる、
    極端紫外光生成システム。
  14. 請求項11に記載の極端紫外光生成システムであって、さらに、
    前記第2のプリパルスレーザ装置と前記ビームコンバイナとの間の前記第2のプリパルスレーザ光の光路に配置された第2の光学素子と、
    前記メインパルスレーザ装置と前記ビームコンバイナとの間の前記メインパルスレーザ光の光路に配置された第3の光学素子と、を含み、
    前記第2のアクチュエータは、前記第2の光学素子を駆動する第3のアクチュエータと、
    前記第3の光学素子を駆動する第4のアクチュエータと、を含み、
    前記コントローラは、前記第2の制御において、前記第2のプリパルスレーザ光の照射位置と、前記メインパルスレーザ光の照射位置との相対位置関係を維持するように、前記第3のアクチュエータ及び前記第4のアクチュエータを駆動させる、
    極端紫外光生成システム。
  15. 請求項11に記載の極端紫外光生成システムであって、さらに、
    前記第1のプリパルスレーザ光の光路と前記第2のプリパルスレーザ光の光路とを実質的に一致させる合波素子を含み、
    前記合波素子と前記ビームコンバイナとの間の光路に前記第1のアクチュエータを備えた前記第1の光学素子が配置される、
    極端紫外光生成システム。
  16. 請求項15に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記評価値を算出する計算式は、前記合波素子から出射した前記第1のプリパルスレーザ光及び前記第2のプリパルスレーザ光を含むプリパルスレーザ光の照射位置と、前記メインパルスレーザ光の照射位置との相対位置ずれ量を変数に用いた関数によって表される補正項を含んでいる、
    極端紫外光生成システム。
  17. 請求項1に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記第1の制御及び第2の制御はともにPID制御である、極端紫外光生成システム。
  18. 電子デバイスの製造方法であって、
    チャンバと、
    前記チャンバ内の所定領域に向けてターゲットを出力するターゲット供給部と、
    前記ターゲットに照射されるプリパルスレーザ光を出力するプリパルスレーザ装置と、
    前記プリパルスレーザ光が照射された前記ターゲットに照射されるメインパルスレーザ光を出力するメインパルスレーザ装置と、
    前記プリパルスレーザ光の光路と前記メインパルスレーザ光の光路とを実質的に一致させるビームコンバイナと、
    前記ビームコンバイナから出射された前記プリパルスレーザ光及び前記メインパルスレーザ光の光路に配置され、前記プリパルスレーザ光及び前記メインパルスレーザ光を前記所定領域の付近に集光する集光光学系と、
    前記プリパルスレーザ装置と前記ビームコンバイナとの間の前記プリパルスレーザ光の光路に配置された第1の光学素子と、
    前記第1の光学素子から出射する前記プリパルスレーザ光の進行方向を変更する第1のアクチュエータと、
    前記集光光学系から出射する前記プリパルスレーザ光及び前記メインパルスレーザ光の進行方向に対して直交する面内の前記プリパルスレーザ光及び前記メインパルスレーザ光の照射位置を変更する第2のアクチュエータと、
    前記メインパルスレーザ光が前記ターゲットに照射されることにより前記所定領域から放射される光を検出する複数のセンサと、
    前記複数のセンサの出力に基づいて前記第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータを制御するコントローラであって、1つのバースト期間内において、前記複数のセンサの出力から算出される評価値が目標値に近づくように前記第1のアクチュエータを制御する第1の制御と、前記第1の制御の後に、前記評価値が前記目標値に近づくように前記第2のアクチュエータを制御する第2の制御と、を実施するコントローラと、
    を備える極端紫外光生成システムを用いて前記ターゲットに前記プリパルスレーザ光及び前記メインパルスレーザ光を照射することにより、前記ターゲットをプラズマ化して極端紫外光を生成し、
    前記極端紫外光を露光装置に出力し、
    電子デバイスを製造するために、前記露光装置内で感光基板上に前記極端紫外光を露光すること
    を含む電子デバイスの製造方法。
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