JPWO2020165983A1 - 車間距離制御装置 - Google Patents

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Abstract

車間距離制御装置(100)は遅延距離演算部(103)及び遅延距離補償部(107)を具備し、先行車LVの速度が変化する走行シーンにおいて、車速制御部(12)の遅延に起因して発生する遅延距離Ddelayを演算し、車速指令V*にこの遅延距離Ddelayを補償するための遅延距離補償車速指令VFF_delay*を考慮して、車間距離の初期値から先行車の加減速後の目標車間距離に到達するまでの目標軌道Dtrk*に対し、実際の車間距離を一致させるように制御する。

Description

本願は、車間距離制御装置に関する。
車間距離制御装置(Adaptive Cruise Control)は、先行車両と自車両との車間距離を一定に保ちつつ定速走行を制御する装置である。最近では単に、先行車との車間距離を維持した走行を制御するだけでなく、あらゆる走行状況に応じてドライバのフィーリングに合うような走行制御が求められている。例えば、特許文献1では、フィルタにより車間距離が車間距離目標値へ収束するまでの車間距離の時間的推移を定義し、フィードバック制御およびフィードフォワード制御により、先行車に対して追従するように制御する技術が提案されている。そして、目標車間偏差(車間距離検出値と目標車間距離の偏差)および相対速度検出値に応じて車間距離制御系の応答特性(フィルタの周波数・減衰係数)を設定することで、ドライバの操作特性を模擬した車間距離制御系が実現できるとしている。
特許第3661495号公報
車間距離制御装置は、減速して停車する先行車に追従するシーンなど、先行車速が変動するシーンにも対応する必要がある。上記の追従シーンでは、先行車の減速に伴って、目標車間距離も減少する。そのため、車間距離制御装置は減少した目標車間距離に対して「車間距離を詰めるための加速」と、「先行車速の減速に合わせた減速」の合成により先行車に追従する必要がある。
特許文献1では、車間距離に対するフィードバック制御(第1項)およびフィードフォワード制御(第2項)と、先行車速(第3項)の3つの項の和で車速指令を生成し、車速制御部は自車速が車速指令に一致するように制御する。そのため、先行車が減速した場合において、第2項のフィードフォワード制御の項は先行車減速に伴い小さくなる目標車間距離に追従するため加速する指令を生成し、第3項の先行車速の項は先行車に追従して減速する指令を生成する。しかし、第3項の先行車速の項は後段の車速制御部の応答遅れを考慮したものでないため、第2項の指令が支配的になる。その結果、先行車が減速した場合に、車間距離が目標車間距離より小さく、先行車に接近してしまう。特に、先行車が減速して停車する場合、停車時の目標車間距離である停車距離より接近すると先行車に衝突する懸念がある。
本願は、上記の課題を解決するための技術を開示するものであり、先行車が減速する走行シーンにおいて、先行車速に追従して減速しながら目標車間距離を維持する車間距離制御装置を提供することを目的としている。
本願に開示される車間距離制御装置は、自車と先行車との車間距離、前記先行車との相対速度及び前記自車の速度に基づいて前記自車の車速指令を演算する車速指令演算部を有し、前記車速指令演算部で演算された前記車速指令により車速制御部で前記自車の速度を制御し、前記車間距離の制御を行う車間距離制御装置であって、前記自車の速度及び前記先行車との相対速度から前記先行車の速度を演算する先行車速演算部、前記先行車の速度に基づいて、前記車間距離を制御する目標値である目標車間距離を設定する目標車間設定部、前記先行車速演算部で演算された前記先行車の速度に基づいて、前記車速制御部の応答遅れに起因する前記車間距離の変動量である遅延距離を演算する遅延距離演算部、前記車間距離の初期値から前記目標車間距離に収束するまでの応答特性を定義する第1のフィルタと前記遅延距離を補償してゼロに収束させるまでの応答特性を定義する第2のフィルタとを有し、前記車間距離の初期値から前記目標車間距離に到達するまでの車間距離の時間履歴である目標軌道を生成する目標軌道生成部、前記車間距離、前記先行車との相対速度、及び前記目標軌道の偏差にゲインを積算してフィードバック車速指令を演算するFB制御部、前記目標軌道生成部の前記第1のフィルタで定義された応答特性の伝達関数と、前記車速制御部の応答特性の伝達関数とを用いて、前記目標車間距離に対応するフィードフォワード車速指令を演算するFF制御部、及び前記目標軌道生成部の前記第2のフィルタで定義された応答特性の伝達関数と、前記車速制御部の応答特性の伝達関数とを用い、前記遅延距離に対応する遅延距離補償車速指令を演算する遅延距離補償部を備え、前記車速指令演算部では、前記先行車の速度、前記フィードバック車速指令、前記フィードフォワード車速指令及び前記遅延距離補償車速指令に基づいて前記車速指令を演算するものである。
本願に開示される車間距離制御装置によれば、先行車に追従する走行シーンにおいて、先行車との車間距離の初期値から先行車の速度変更後の目標車間距離に到達するまでの車間距離の時間履歴を定義する目標軌道を生成し、生成した目標軌道と実際の車間距離が一致するように制御するので、先行車が減速するシーンであっても車間距離を維持可能な車間距離制御装置を提供することができる。
実施の形態1に係る車間距離制御装置の構成を示す機能ブロック図である。 実施の形態1に係る遅延距離演算部の構成を示す制御ブロック図である。 実施の形態1に係る目標軌道生成部の構成を示す制御ブロック図である。 実施の形態1に係るFF制御部の構成を示す制御ブロック図である。 実施の形態1に係る遅延距離補償部の構成を示す制御ブロック図である。 実施の形態1に係る車間距離制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る車間距離制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る車間距離制御装置の制御対象となる走行シーンの例を示す図である。 実施の形態1の比較例としてのシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態1に係る車間距離制御装置による制御動作のシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態2に係る車間距離制御装置の構成を示す機能ブロック図である。 実施の形態2に係る遅延距離演算部の構成を示す制御ブロック図である。 実施の形態2に係る車間距離制御装置による制御動作のシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態3に係る車間距離制御装置の構成を示す機能ブロック図である。 実施の形態3に係る車間距離制御装置による制御動作のシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態4に係る車間距離制御装置の構成を示す機能ブロック図である。 実施の形態4に係る目標軌道生成部の構成を示す制御ブロック図である。 実施の形態4に係る第1FF制御部の構成を示す制御ブロック図である。 実施の形態4に係る第2FF制御部の構成を示す制御ブロック図である。 実施の形態4に係る車間距離制御装置の制御対象となる走行シーンの例を示す図である。 実施の形態4に係る車間距離制御装置の制御対象となる走行シーンの別の例を示す図である。 実施の形態4に係る車間距離制御装置による制御動作のシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態4に係る車間距離制御装置による制御動作のシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態4に係る別の車間距離制御装置の構成を示す機能ブロック図である。 実施の形態4に係る別の車間距離制御装置の構成を示す機能ブロック図である。
以下、本実施の形態について図を参照して説明する。なお、各図中、同一符号は、同一または相当部分を示すものとする。
実施の形態1.
実施の形態1に係る車間距離制御装置について図1から図10を用いて説明する。
図1は、本実施の形態1に係る車間距離制御装置の構成を示す機能ブロック図である。車間距離制御装置100は、車間距離センサ10により検出された自車と先行車との車間距離D及び先行車との相対速度dVと、車速センサ11により検出された自車速(自車の速度、以下自車速と称す)Vに基づいて、先行車との車間距離を維持して走行するための車速指令Vを生成し、車速制御部12に出力する。車速制御部12は、自車速Vが車速指令Vに一致するように加速度指令または駆動トルク指令を車両駆動部13に出力する。車両駆動部13は加速度指令または駆動トルク指令に従い、エンジンまたは駆動モータ、または油圧ブレーキを制御し、車両に制動力または駆動力を与える。
図1に示すように車間距離制御装置100は、先行車速演算部101、目標車間設定部102、遅延距離演算部103、目標軌道生成部104、FB制御部105、FF制御部106、遅延距離補償部107及び車速指令演算部108を備えている。
車間距離センサ10で検出された自車と先行車との車間距離Dは目標軌道生成部104、FB制御部105及びFF制御部106に入力される。先行車との相対速度dVは先行車速演算部101、目標軌道生成部104、FB制御部105及びFF制御部106に入力される。
車速センサ11で検出された自車速Vは、先行車速演算部101及び車速制御部12に入力される。
先行車速演算部101は、車間距離センサ10で検出された先行車との相対速度dVと車速センサ11で検出された自車速Vに基づいて先行車速(先行車の速度、以下先行車速と称す)Vleadを演算して、目標車間設定部102、遅延距離演算部103及び車速指令演算部108に出力する。
目標車間設定部102は、先行車速演算部101から入力された先行車速Vleadに基づいて、車間距離制御の目標値である目標車間距離Dを設定して、目標軌道生成部104、FF制御部106へ出力する。
遅延距離演算部103は、先行車速Vleadに基づいて後述する遅延距離Ddelayを演算して、目標軌道生成部104および遅延距離補償部107に出力する。
目標軌道生成部104は、目標車間距離D、遅延距離Ddelayに基づいて、車間距離Dが初期値である車間距離初期値D0から目標車間距離Dに収束するまでの時間履歴である目標軌道Dtrkを生成して、FB制御部105に出力する。
FB制御部105は、車間距離D、相対速度dV、目標軌道Dtrkに基づいてフィードバック車速指令VFBを生成して、車速指令演算部108に出力する。
FF制御部106は、車間距離D、相対速度dV、目標車間距離Dに基づいてフィードフォワード車速指令VFFを生成して、車速指令演算部108に出力する。
遅延距離補償部107は、遅延距離Ddelayに基づいて遅延距離補償車速指令VFF_delayを生成して、車速指令演算部108に出力する。
車速指令演算部108は、先行車速Vlead、フィードバック車速指令VFB、フィードフォワード車速指令VFF及び遅延距離補償車速指令VFF_delayに基づいて車速指令Vを演算して、車速制御部12に出力する。
次に、車間距離制御装置100の各部の動作について詳細に説明する。
先行車速演算部101において、先行車速Vleadは相対速度dVと自車速Vを用いて、次の式(1)により求めることができる。
Figure 2020165983
目標車間設定部102において、目標車間距離Dは先行車速Vleadを用いて、次の式(2)により求めることができる。
Figure 2020165983
上記式(2)において、τTHWは係数、Dstopはオフセットすなわち先行車が停車している場合の目標車間距離である。係数τTHWおよびオフセットDstopは、複数の値の組み合わせを予め準備しておくことで、ドライバは目標車間距離を複数の車間設定、例えばLong(長距離)、Middle(中距離)及びShort(短距離)などの複数の段階から選択し、車間距離制御装置100の目標車間設定部102に設定、入力することができる。
遅延距離演算部103は、先行車速Vleadを用いて遅延距離Ddelayを算出する。車間距離制御装置100において、例えば車速指令V=先行車速Vleadと設定した場合、車速制御部12の応答特性だけ自車速の追従に遅れが発生し、車間距離に変動が発生する。遅延距離演算部103では、車速制御部12の応答特性に起因する距離の変動量である遅延距離Ddelayを次の式(3)により求める。
Figure 2020165983
上記式(3)において、sはラプラス演算子(以下同様)、1/sは積分要素、伝達関数GV(s)は車速制御部12の応答特性を表す。式(3)では、車速制御部12の応答特性GV(s)に起因する車速の差を積分することで、遅延距離Ddelayを求めている。
上記式(3)の車速制御部12の応答特性GV(s)は、例えば次の式(4)ように定義する。式(4)は時定数τVの1次の伝達関数である。
Figure 2020165983
図2は遅延距離演算部103の構成を示す制御ブロック図である。図2に示すように遅延距離演算部103は、数式(4)で示された車速制御部12の伝達関数GV(s)1031と積分器1/s1032を用いて表わされる。伝達関数GV(s)1031に先行車速Vleadが入力され、その結果と先行車速Vleadとのその差分である Vlead―Vlead×GV(s) を入力とした積分器1/s1032の出力が上記式(3)の遅延距離Ddelayである。
目標軌道生成部104は、目標軌道Dtrkをフィルタにより生成する。先行車速が一定と仮定すると、目標軌道Dtrkは目標車間距離DとフィルタFd(s)を用いて、次の式(5)により求めることができる。
Figure 2020165983
上記式(5)において、フィルタFd(s)の入力を車間距離Dの初期値D0から目標車間距離Dへのステップ入力と設定することで、車間距離初期値D0から目標車間距離Dに収束するまでの時間履歴を生成することができる。このフィルタFd(s)は、例えば次の式(6)に示す目標車間距離Dに対応する周波数ωd、減衰係数ζdの2次の伝達関数として応答特性を定義する。
Figure 2020165983
先行車速が変動する場合、車速制御部12の応答特性の起因する遅延距離Ddelayを考慮し、補償する必要がある。先行車速の変動を考慮した目標軌道生成部104の処理を以下の数式(7)に示す。
Figure 2020165983
上記式(7)の第2項は遅延距離Ddelayによる距離変動量、第3項は遅延距離DdelayをフィルタFdelay(s)の応答特性に従って補正する項である。このフィルタFdelay(s)は、フィルタFd(s)と同様に、例えば以下の数式(8)の遅延距離Ddelayに対応する周波数ωdelay、減衰係数ζdelayの2次の伝達関数として応答特性を定義する。
Figure 2020165983
図3は目標軌道生成部104の構成を示す制御ブロック図である。図3に示すように、目標軌道生成部104は、数式(7)で示された第1のフィルタであるフィルタFd(s)1041と第2のフィルタであるフィルタFdelay(s)1042を用いて表わされる。このとき、フィルタFd(s)1041に対しては入力が目標車間距離D、初期値が車間距離Dの初期値D0とする。そして、フィルタFdelay(s)1042に対しては入力、初期値ともに遅延距離Ddelayとする。
すなわち、フィルタFd(s)1041により、式(6)の伝達関数で定義され、設定された応答特性に従って車間距離Dの初期値D0は目標車間距離Dに収束するように処理が実行される。また、フィルタFdelay(s)1042により、式(8)の伝達関数で定義され、設定された応答特性に従って遅延距離Ddelayがゼロになるように処理が実行される。これら2つのフィルタにより処理が実行され、目標軌道Dtrkが生成されることになる。
FB制御部105は、目標軌道生成部104から出力される目標軌道Dtrkを入力し、次の式(9)に示すように車間距離Dと目標軌道Dtrkとの偏差に対してPD(比例微分)制御を行い、フィードバック車速指令VFBを生成して車速指令演算部108に出力する。
Figure 2020165983
上記式(9)において、Kdpは比例ゲイン、Kddは微分ゲインであり、車間距離Dと目標軌道Dtrkとの偏差に対して両ゲインの和を乗じてフィードバック車速指令VFBを生成する。
FF制御部106は、次の式(10)で表わされるように、目標車間距離Dを入力として、伝達関数CFF(s)を用いてフィードフォワード車速指令VFFを生成する。
Figure 2020165983
上記式(10)における伝達関数CFF(s)は、目標軌道生成部104のフィルタFd(s)と、車間距離制御装置100の制御対象の伝達関数P(s)を用いて、次の式(11)のように表わされる。
Figure 2020165983
上記式(11)における伝達関数P(s)は、車速制御部12の伝達関数GV(s)と、自車速から車間距離を演算する負の積分器(−1/s)を用いて、次の式(12)のように表わされる。
Figure 2020165983
上記式(11)、式(12)より、FF制御部106の伝達関数CFF(s)は次式(13)のように表わされる。
Figure 2020165983
図4はFF制御部106の構成を示す制御ブロック図である。図4に示すように、FF制御部106は、数式(10)で示された伝達関数CFF(s)1061を用いて表わされる。このとき、伝達関数CFF(s)1061に対して、入力は目標車間距離D、初期値が車間距離Dの初期値D0である。
遅延距離補償部107は、以下の数式(14)で表わされるように、伝達関数CFF_delay(s)を用いて遅延距離補償車速指令VFF_delayを演算する。なお、本項は、車速制御部12の応答特性に起因する距離の変動量である遅延距離Ddelayを、式(7)のフィルタFdelay(s)の応答特性で打ち消す役割をもつため、入力を遅延距離Ddelayの負値としている。
Figure 2020165983
上記式(14)における伝達関数CFF_delay(s)は、目標軌道生成部104のフィルタFdelay(s)と、車間距離制御装置100の制御対象の伝達関数P(s)を用いて、次の式(15)のように表わされる。
Figure 2020165983
上記式(12)、式(15)より、伝達関数CFF_delay(s)は次の式(16)のように表わされる。
Figure 2020165983
図5は遅延距離補償部107の構成を示す制御ブロック図である。図5に示すように、遅延距離補償部107は、数式(14)で示された伝達関数CFF_delay(s)1071を用いて表わされる。このとき、伝達関数CFF_delay(s)1071に対しては入力、初期値ともに遅延距離Ddelayとする。
車速指令演算部108は、次の式(17)に表わされるように、先行車速Vlead、フィードバック車速指令VFB、フィードフォワード車速指令VFF、遅延距離補償車速指令VFF_delayの和として、車速指令Vを演算して、車速制御部12に出力する。
Figure 2020165983
以上説明した車間距離制御装置100の各構成部はコンピュータを用いて構成することができ、これらの各構成部の機能はコンピュータがプログラムを実行することで実現される。すなわち、図1に示した車間距離制御装置100の先行車速演算部101、目標車間設定部102、遅延距離演算部103、目標軌道生成部104、FB制御部105、FF制御部106、遅延距離補償部107および車速指令演算部108は、それぞれ例えば図6に示す処理回路20により実現される。処理回路20には、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などのプロセッサが適用され、記憶装置に格納されるプログラムを実行することで上記各構成部の機能が実現される。
なお、処理回路20には専用のハードウェアが適用されてもよい。処理回路20が専用のハードウェアである場合、処理回路20は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASCI(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)またはこれらを組み合わせたものなどが該当する。
また、図7には、図1に示した車間距離制御装置100の各構成である先行車速演算部101、目標車間設定部102、遅延距離演算部103、目標軌道生成部104、FB制御部105、FF制御部106、遅延距離補償部107および車速指令演算部108がプロセッサを用いて構成されている場合におけるハードウェア構成を示している。この場合、車間距離制御装置100の各構成の機能は、ソフトウェア等(ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェア)との組み合わせにより実現される。ソフトウェア等はプログラムとして記述され、メモリ22に格納される。処理回路20として機能するプロセッサ21は、メモリ22(記憶装置)に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。メモリ22は、図示していないがランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)等の揮発性記憶装置と、フラッシュメモリ等の不揮発性の補助記憶装置とを具備する。また、フラッシュメモリの代わりにハードディスクの補助記憶装置を具備してもよい。プロセッサ21は、メモリ22から入力されたプログラムを実行する。この場合、補助記憶装置から揮発性記憶装置(EEPROM:Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)介してプロセッサ21にプログラムが入力される。また、プロセッサ21は、演算結果等のデータをメモリ22の揮発性記憶装置に出力してもよいし、揮発性記憶装置を介して補助記憶装置にデータを保存してもよい。
次に、本実施の形態1に係る車間距離制御装置100による走行シーンにおける制御動作について、シミュレーション結果に基づいて説明する。図8は走行シーンの例を示す図である。図において、自車OVと先行車LVが定常走行の状態から、先行車LVが減速した例を示している。初期状態では、自車速V=先行車速Vlead=V0であり、車間距離Dの初期値D0=目標車間距離Dの定常走行である。先行車が減速し、先行車速Vlead=V1<V0となった後、自車速Vは減速した先行車速Vlead=V1と等しくなり、車間距離Dは初期状態より小さくなった目標車間距離Dと等しくなるように制御される。
図9及び図10は、図8の走行シーンにおけるシミュレーション結果を示す図で、図9は従来技術に相当する比較例、図10は本実施の形態に係る車間距離制御装置100による結果である。なお、図9及び図10においては、何れも車間距離(Dist.)、速度(Vel.)および加速度(Accel.)のシミュレーション結果を示しており、1段目に車間距離(Dist.)[m]の時間変化を示し、2段目及び3段目に速度(Vel.)[km/h]の時間変化を示し、4段目に加速度(Accel.)[m/s]の時間変化を示している。ここで加速度は、上述した車速制御部12が車両駆動部13に出力する加速度指令をaとし、自車OVの加速度をaとしている。
まず、従来技術に相当する結果から説明する。
図9は、従来技術の車間距離制御装置を用いた場合のシミュレーション結果を示す図である。従来技術の車間距離制御装置とは、図1の車間距離制御装置100から遅延距離演算部103及び遅延距離補償部107と、それぞれの出力である遅延距離Ddelay及び遅延距離補償車速指令VFF_delayを除いた構成である。本実施の形態の動作との比較のため、図9にはVFF_delayをゼロとして表示している。
図9において、初期状態では、すなわち時刻0[s]では車間距離D=目標車間距離D=40[m]、自車速V=先行車速Vlead=60[km/h]である。この状態から2段目に示すように、時刻5[s]から先行車LVは減速を開始し、時刻13[s]で先行車速Vlead=0[km/h]まで減速する。そして、目標車間距離Dは先行車減速に伴い減少し、D=Dstop=5[m]となる。
従来技術の場合、背景技術の欄で述べたように、車間距離に対するフィードバック制御およびフィードフォワード制御と、先行車速の3つの項の和の演算により車速指令を生成し、車速制御部は自車速が車速指令に一致するように制御する。すなわち、車速指令Vは V=VFB+VFF+Vlead で演算される。第2項のフィードフォワード車速指令VFFは、減少する目標車間距離Dに追従するために、3段目に示すように加速を行う。そして、第3項は先行車速Vleadに合わせて減速する。これらを合わせると、2段目の車速指令Vは先行車速Vleadより約2[s]遅れて減速する波形となり、自車速Vはさらに車速制御部12の応答である伝達関数GV(s)だけ遅れる。
その結果、先行車LVが減速して以降の車間距離Dは常に目標軌道Dtrkより小さく接近しすぎている状態となる。そして、2段目から時刻16[s]において自車速V=0となり停車するが、1段目の時刻15[s]より前に車間距離D=0となっていることから、自車速V=0の停車時において車間距離が確保できないことがわかる。これは、車速指令Vの演算において、車速制御部12の応答遅れが考慮されていないためである。
次に、図10を用いて本実施の形態に係る車間距離制御装置100による制御動作のシミュレーション結果について説明する。初期状態、すなわち時刻0[s]での自車OVと先行車LVの状態、及び2段目の先行車LVの減速波形であるVleadの推移は図9と同様である。本実施の形態では、車速制御部12の遅延に起因して発生する遅延距離Ddelayを演算している。そして、図10中3段目に示すように遅延距離補償車速指令VFF_delayは、遅延距離Ddelayを補償するための減速を行うので(式(17)の第3項)、2段目に示すように車速指令Vは先行車速Vleadより図9の遅れに対し、約半分の遅れで減速する波形となる。1段目の目標軌道Dtrkは、上記の式(7)に示すように、遅延距離Ddelayと、遅延距離補償車速指令VFF_delayにより補償した距離であるFdelay(s)Ddelayを考慮して求められる。
その結果、先行車減速時において、図10中1段目の車間距離Dは常に目標軌道Dtrkと等しくなり、自車速V=0の停車時においても、車間距離D=目標車間距離Dとなる。すなわち、減速してから停車に至るまで車間距離Dを目標軌道Dtrk通りに制御することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、車間距離制御装置において遅延距離演算部103及び遅延距離補償部107を具備し、先行車LVが減速する走行シーンにおいて、車速制御部12の遅延に起因して発生する遅延距離Ddelayを演算し、遅延距離補償車速指令VFF_delayは遅延距離Ddelayを補償するための減速を行うので、車間距離の初期値から先行車の減速後の目標車間距離に到達するまでの目標軌道Dtrkに対し、実際の車間距離を一致させるように制御することが可能となる。すなわち、先行車が減速するシーンであっても車間距離を維持可能な車間距離制御装置を提供することができる。
上記実施の形態1では先行車LVが減速する例で説明したが、加速の場合も同様に制御することができ、車間距離の初期値から先行車の加速後の目標車間距離に到達するまでの目標軌道Dtrkに対し、実際の車間距離を一致させるように制御することが可能である。
実施の形態2.
実施の形態2に係る車間距離制御装置について図11から図13を用いて説明する。
図11は、本実施の形態2に係る車間距離制御装置200の構成を示す機能ブロック図である。図11に示すように車間距離制御装置200は、図1に示した実施の形態1の車間距離制御装置100の構成に対し、先行車速演算部101と目標車間設定部102との間に第1先行車速フィルタ部109を備え、遅延距離演算部103の代わりに遅延距離演算部103Aを備えた構成となっている。
図11において、第1先行車速フィルタ部109には、先行車速演算部101から出力された先行車速Vleadが入力され、先行車速追従指令VFF_leadを演算し出力する。出力された先行車速追従指令VFF_leadは、目標車間設定部102、遅延距離演算部103A及び車速指令演算部108に入力される。なお、図11においては、図1を用いて説明した車間距離制御装置100と同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
実施の形態1の車間距離制御装置100では、式(17)に示す通り、車速指令Vは V=VFB+VFF+VFF_delay+Vlead を用いて演算され、第4項のVleadは先行車LVと同じように減速をしようとする。そのため、実施の形態1の図10の4段目からわかるように、時刻5[s]の先行車LVが減速タイミングにおいて、自車OVの加速度aは先行車LVの減速と合わせて即座に反応して負に振れている。このように先行車速の変動に過剰に反応することは好ましくない。
そこで、本実施の形態2では、第1先行車速フィルタ部109は次の式(18)に基づいて、フィルタFlead(s)の入力および初期値を先行車速Vleadと設定することで、先行車速Vleadに対して車速指令V*の応答が遅延した先行車速追従指令VFF_lead*を演算する。
Figure 2020165983
上記式(18)におけるフィルタFlead(s)は、例えば次の式(19)のような先行車速Vleadに対応する時定数τleadの1次の伝達関数で定義される。
Figure 2020165983
そして、目標車間設定部102と車速指令演算部108には、実施の形態1における先行車速Vleadの代わりに第1先行車速フィルタ部109で演算された先行車速追従指令VFF_leadが入力される。また、遅延距離演算部103Aでは、式(3)の代わりに、以下の式(20)を用いる。これを式(21)のように整理すると、車速制御部12の応答特性GV(s)および第1先行車速フィルタ部109のフィルタFlead(s)に起因する遅延距離を演算していることがわかる。
Figure 2020165983
Figure 2020165983
図12は遅延距離演算部103Aの構成を示す制御ブロック図である。図12に示すように遅延距離演算部103Aは、式(20)で示された車速制御部12の伝達関数GV(s)1032と積分器1/s1032を用いて表わされる。すなわち、伝達関数GV(s)1032に先行車速追従指令VFF_leadが入力され、その結果と先行車速Vleadとのその差分である Vlead―GV(s)×VFF_lead を入力とした積分器1/s1032の出力が上記式(20)の遅延距離Ddelayである。
次に、本実施の形態2に係る車間距離制御装置200による走行シーンにおける制御動作について、シミュレーション結果に基づいて説明する。走行シーンは実施の形態1で説明した図8と同様とする。
図13に本実施の形態2に係る車間距離制御装置200による制御動作のシミュレーション結果を示す。なお、図13のシミュレーション結果の表示は実施の形態1の図9及び図10と同様とする。
実施の形態1で説明した、車速指令Vを表す式(17)である V=VFB+VFF+VFF_delay+Vlead において、第2項から第4項はいずれも先行車速Vleadに対してフィードフォワードで演算される項である。本実施の形態2では、これらに対する入力を全て先行車速Vleadに対してフィルタ処理した先行車速追従指令VFF_leadに置き換える。これにより、図13中1段目の目標車間距離D、3段目のフィードフォワード車速指令VFF、遅延距離補償車速指令VFF_delayは、実施の形態1の図10と比較すると滑らかな波形となっている。結果として、4段目の加速度は緩やかに減速開始して緩やかに減速完了する波形となる。
また、上記の式(20)に示したように、遅延距離演算部103Aにおいて第1先行車速フィルタ部109に起因する遅延も考慮するため、減速してから停車に至るまで車間距離Dを目標軌道Dtrk通りに制御することができる。すなわち、本構成により、「緩やかな減速」と「目標軌道に従う車間距離制御」を両立することが可能となる。
以上のように、本実施の形態2によれば、先行車速演算部101の後段に第1先行車速フィルタ部109を備え、先行車速Vleadに対してフィルタ処理した先行車速追従指令VFF_leadを用いて車速指令Vを演算するようにしたので、実施の形態1の効果に加え、先行車LVの減速に対して自車OVは緩やかな減速で追従することができ、ドライバに快適な走行を提供可能となる。
上記実施の形態2では先行車LVが減速する例で説明したが、加速の場合も同様に制御することができ、実施の形態1の効果に加え、先行車LVの加速に対して自車OVは緩やかな加速で追従することができ、ドライバに快適な走行を提供可能となる。
実施の形態3.
実施の形態3に係る車間距離制御装置について図14及び図15を用いて説明する。
図14は、本実施の形態3に係る車間距離制御装置300の構成を示す機能ブロック図である。図14に示すように車間距離制御装置300は、図11に示した実施の形態2の車間距離制御装置200の構成に対し、第1先行車速フィルタ部109の前段にさらに第2先行車速フィルタ部110を備えた構成となっている。
図14に示されるように、先行車速Vleadに対して第2先行車速フィルタ部110、第1先行車速フィルタ部109の順にフィルタ処理が行われる。そして、遅延距離演算部103Aには、第2先行車速フィルタ部110の出力Vlead_ldfと第1先行車速フィルタ部109の出力VFF_leadが入力される。なお、図14において、図11を用いて説明した車間距離制御装置200と同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
上述の実施の形態2の車間距離制御装置200では、先行車速Vleadは第1先行車速フィルタ部109においてフィルタ処理を行うが、車間距離センサ10の相対速度dVまたは車速センサ11の自車速Vにノイズが含まれる場合、第1先行車速フィルタ部109の出力である先行車速追従指令VFF_leadからはノイズが除去された値が出力される。しかし、第1先行車速フィルタ部109のフィルタに起因する遅延は遅延距離演算部103Aで演算して補正するため、遅延距離Ddelay及び遅延距離Ddelayに基づいて演算する遅延距離補償車速指令VFF_delayには再びノイズの影響が表れる。したがって、実施の形態2の車間距離制御装置200では、相対速度dV及び自車速Vのノイズを除去することができない。
そこで、本実施の形態3において、第2先行車速フィルタ部110は次の式(22)に基づいて先行車速Vleadに対してフィルタ処理を行い、外乱除去を行う。
Figure 2020165983
上記式(22)におけるフィルタFlead2(s)は、例えば次の式(23)のような時定数τlead2の1次の伝達関数で定義される。
Figure 2020165983
以上のように、本実施の形態3の車間距離制御装置300には、先行車速Vleadに対して第1先行車速フィルタ部109と第2先行車速フィルタ部110の2つのフィルタとを備える。第2先行車速フィルタ部110は、相対速度dV及び自車速Vのノイズの除去の役割を持ち、第2先行車速フィルタ部110による遅延はFB制御部105にて補償される。そして、第1先行車速フィルタ部109は、車間距離制御装置300の先行車速Vleadの変動に対する応答特性を定義し、第2先行車速フィルタ部110による遅延は遅延距離演算部103Aで演算され、遅延距離補償部107により補償される。
次に、本実施の形態3に係る車間距離制御装置300による走行シーンにおける制御動作について、シミュレーション結果に基づいて説明する。走行シーンは実施の形態1で説明した図8と同様とする。
図15は本実施の形態3に係る車間距離制御装置300による制御動作のシミュレーション結果を示す図である。なお、図15のシミュレーション結果の表示は実施の形態1の図9及び図10と同様とする。
本実施の形態3では、先行車速Vleadに対して第2のフィルタである先行車速フィルタ部110を追加したことにより、図15中2段目の先行車速追従指令VFF_leadは実施の形態2の図13で示された先行車速追従指令VFF_leadより遅れのある波形となっている。そこで、図15中3段目のフィードバック車速指令VFBが示すように、FB制御部105が遅延を補償するための減速を行うことで、車間距離Dが目標軌道Dtrkに一致するように制御することができる。すなわち、「緩やかな減速」と「目標軌道に従う車間距離制御」に加え、「相対速度dV及び自車速Vのノイズ影響の抑制」が可能となる。
以上のように、本実施の形態3によれば、さらに先行車速演算部101と第1先行車速フィルタ部109との間に第2先行車速フィルタ部110を備え、自車OVと先行車LVとの相対速度dV及び自車速Vに起因するノイズを抑制するようにしたので、実施の形態1、2の効果に加え、車間距離Dが目標軌道Dtrkに一致するようにより精度よく制御することができる、車間距離制御装置の提供が可能となる。
上記実施の形態3では先行車LVが減速する例で説明したが、加速の場合も同様に自車OVと先行車LVとの相対速度dV及び自車速Vに起因するノイズを抑制でき、実施の形態1、2の効果に加え、車間距離Dが目標軌道Dtrkに一致するようにより精度よく制御することができる、車間距離制御装置の提供が可能となる。
実施の形態4.
実施の形態4に係る車間距離制御装置について図16から図23を用いて説明する。
図16は、本実施の形態4に係る車間距離制御装置400の構成を示す機能ブロック図である。図16に示すように車間距離制御装置400は、図14に示した実施の形態3の車間距離制御装置300の構成に対し、目標軌道生成部104の代わりに目標軌道生成部104Aを備え、FF制御部がFF制御部106の代わりに第1FF制御部111および第2FF制御部112を備え、さらに車速指令演算部108の代わりに車速指令演算部108Aを備えた構成となっている。
図16に示されるように、第1FF制御部111には車間距離センサ10から出力される車間距離Dおよび相対速度dV、目標車間設定部102から出力される目標車間Dが入力され、第1フィードフォワード車速指令VFF_initを演算し出力する。出力された第1フィードフォワード車速指令VFF_initは車速指令演算部108Aに入力される。
第2FF制御部112には目標車間設定部102から出力される目標車間Dが入力され、第2フィードフォワード車速指令VFF_drefを演算し出力する。出力された第2フィードフォワード車速指令VFF_drefは車速指令演算部108Aに入力される。
車速指令演算部108Aでは、入力されたフィードバック車速指令VFB、第1フィードフォワード車速指令VFF_init、第2フィードフォワード車速指令VFF_dref、遅延距離補償車速指令VFF_delay及び先行車速追従指令VFF_leadを用いて、次の式(24)により車速指令Vを演算し出力する。出力された車速指令Vは車速制御部12に入力される。
Figure 2020165983
なお、図16においては、図14の車間距離制御装置300と同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
次に、車間距離制御装置400の動作について説明する。
図17は目標軌道生成部104Aの構成を示す制御ブロック図である。図3に示した目標軌道生成部104と比較すると、図3の初期値が車間距離初期値D0、入力が目標車間距離DであるフィルタFd(s)1041が、図17では初期値が目標車間距離Dに対する車間距離初期値D0の偏差である目標車間偏差(D0−D)、入力が0であるフィルタFinit(s)1041aと、初期値および入力が目標車間距離DであるフィルタFdref(s)1041bの2つに分離されている。フィルタFinit(s)1041aは、例えば次の式(25)の目標車間偏差に対応する周波数ωinit、減衰係数ζinitの2次の伝達関数として定義される。
Figure 2020165983
フィルタFinit(s)1041aにおいては、目標車間偏差(D0−D)が0に収束するまで処理が実行される。入力の初期値が(D0−D)、その後の入力が0のため、収束後は0のまま維持される。したがって、フィルタFinit(s)の応答特性である周波数ωinit及び減衰係数ζinitを制御開始時に設定することにより、車間距離制御装置400は設定された応答特性に従って車間距離初期値D0から目標車間距離Dへ収束する。
このフィルタFinit(s)1041aは実質、図3の初期値が車間距離初期値D0、入力が目標車間距離DであるフィルタFd(s)1041と同様の動作である。
同様に、フィルタFdref(s)1041bは、例えば次の式(26)に示すように目標車間距離に対応する周波数ωdref、減衰係数ζdrefの2次の伝達関数として定義される。
Figure 2020165983
フィルタFdref(s)1041bは、制御開始後の目標車間距離Dの変動に対する応答特性を定義する第3のフィルタである。初期値と入力が目標車間距離Dのため、目標車間距離Dが変動しない場合、出力は常にDのまま保持される。そして、目標車間距離Dが変動した場合、設定された応答特性である周波数ωdref及び減衰係数ζdrefの2次の伝達関数に従って目標車間距離Dに追従する。
図17に示すように、3つのフィルタ1041a、1041b、1042の出力結果が演算されて、目標軌道生成部104Aから目標軌道Dtrkが出力される。
図18は第1FF制御部111の構成を示す制御ブロック図である。第1FF制御部111は、伝達関数CFF_init(s)1111を備える。伝達関数CFF_init(s)は、目標軌道生成部104AのフィルタFinit(s)と車速制御部12の応答特性GV(s)を用いて、次の式(27)のように表される。そして、伝達関数CFF_init(s)1111には初期値が(D0−D)、その後は0が入力される。
Figure 2020165983
図19は第2FF制御部112の構成を示す制御ブロック図である。第2FF制御部112は伝達関数CFF_dref(s)1121を備える。の伝達関数CFF_dref(s)は、目標軌道生成部104AのフィルタFdref(s)と車速制御部12の応答特性GV(s)を用いて、次の式(28)のように表される。そして、伝達関数CCFF_dref(s)1121には初期値及び入力ともに目標車間距離Dが入力される。
Figure 2020165983
次に、本実施の形態4に係る車間距離制御装置400による走行シーンにおける制御動作について、シミュレーション結果に基づいて説明する。図20、21は走行シーンの例を示す図である。図20において、自車OVと先行車LVの速度が等しく(V=Vlead=V0)、車間距離Dの初期値D0が目標車間距離Dより大きい状態から(D0>D)、自車OVが先行車LVに接近して車間距離Dと目標車間距離Dが等しくなる場合の例を示している。このとき、自車OVは車間距離Dと目標車間距離Dが等しくなるように先行車LVに接近するため、一度加速してその後先行車速Vleadに合わせるために再度減速する必要がある。
図21は自車OVと先行車LVの速度が等しく(V=Vlead=V0)、車間距離Dの初期値D0が目標車間距離Dより大きい状態から(D0>D)、先行車LVが減速して、車間距離Dと先行車の減速後の目標車間距離Dが等しくなる場合の例を示している。このとき自車OVは、図20と同様に車間距離Dと目標車間距離Dが等しくなるように先行車LVに接近するために一度加速してから減速する動作と、先行車LVの減速に合わせて減速する動作と、先行車の減速に伴い小さくなる目標車間距離Dまで接近する動作が必要となる。
図20、図21の走行シーン例に対する本実施の形態4のシミュレーション結果をそれぞれ図22、図23に示す。なお、図22、図23のシミュレーション結果の表示は実施の形態1〜3と同様とする。
図22において、初期状態では、すなわち時刻0[s]では車間距離初期値D0=50[m]、目標車間距離D=40[m]、自車速V=先行車速Vlead=60[km/h]、である。また、図22で示される期間先行車速Vleadは一定である。一方、自車OVは加速して車間距離を詰めた後、先行車速Vleadまで再度減速する。図22中1段目の車間距離において、目標軌道Dtrkは車間距離初期値D0=50[m]から目標車間距離D=40[m]へ収束するまでの時間履歴であり、目標軌道生成部104Aにおける数式(25)のフィルタFinit(s)により定義される。そして、このフィルタの応答特性に従うための車速指令Vは、上記式(24)により、図22中3段目の第1フィードフォワード車速指令VFF_initを用いて演算される。このとき、図22中3段目のフィードバック車速指令VFBおよび他のフィードフォワード指令はゼロである。本構成により、制御開始時の車間距離偏差(D0−D)を収束させる動作を、フィルタFinit(s)の応答特性のみに従って定義することができる。
次に、図21の走行シーンに基づくシミュレーション結果について図23を用いて説明する。図23の初期状態は図22と同様である。図23では、先行車LVが初期状態の先行車速Vlead=60[km/h]から0[km/h]まで減速する。このとき、図23中2段目の先行車速追従指令VFF_leadは、先行車LVの減速に合わせてフィルタFlead(s)の応答特性に従って減速する。そして、図23中3段目の第1フィードフォワード車速指令VFF_initはフィルタFinit(s)の応答特性に従って制御開始時の車間距離偏差(D0−D)を収束させるための加速を行い、第2フィードフォワード車速指令VFF_drefはフィルタFdref(s)の応答特性に従って減少する目標車間距離Dに追従するための加速を行い、遅延距離補償車速指令VFF_delayはフィルタFdelay(s)の応答特性に従って車速制御部12の遅延を補償するため減速を行う。
すなわち、本構成により、「先行車速の変動に追従する動作」と「制御開始時の車間距離偏差を収束させる動作」と「目標車間距離D変動に追従する動作」と「制御遅延を補償する動作」を個別に設計して、目標軌道Dtrkに追従する車間距離制御を実現することができる。
以上のように、本実施の形態4によれば、2つのFF制御部111、112を備え、目標車間距離Dに対応するフィードフォワード車速指令を、目標車間距離D変動時において制御開始時の車間距離偏差(D0−D)を収束させるための第1フィードフォワード車速指令VFF_initと目標車間距離Dに追従するための第2フィードフォワード車速指令VFF_drefの2種類とし、これらを用いて車速指令Vを演算するようにしたので、実施の形態1から3の効果に加え、先行車速Vleadの変動への追従、制御開始時の車間距離偏差(D0−D)の収束、目標車間距離D変動への追従及び制御遅延の補償の各制御を個別に精度よく行うことができる、車間距離制御装置の提供が可能となる。
上記実施の形態4の図21では先行車LVが減速する例で説明したが、加速の場合も同様に制御可能であることは言うまでもない。
また、本実施の形態4では2つのFF制御部111、112を備える構成について説明したが、本構成は実施の形態1および実施の形態2においても適用可能である。
図24は、実施の形態1に係る車間距離制御装置100のFF制御部106を、第1FF制御部111及び第2FF制御部112に置き換えた車間距離制御装置100Aの構成を示す機能ブロック図である。図において、目標軌道生成部104Aも上述した図17の制御ブロック図で説明した、初期値が目標車間距離Dに対する車間距離初期値D0の偏差である目標車間偏差(D0−D)、入力が0であるフィルタFinit(s)1041aと、初期値および入力が目標車間距離DであるフィルタFdref(s)1041bの2つのフィルタを備えている。また、車速指令演算部108Aには、入力されたフィードバック車速指令VFB、第1フィードフォワード車速指令VFF_init、第2フィードフォワード車速指令VFF_dref、遅延距離補償車速指令VFF_delay及び先行車速Vleadを用い、それらの和として、車速指令Vを演算し出力する。出力された車速指令Vは車速制御部12に入力される。
以上の構成により、実施の形態1の効果に加え、2つのFF制御部により「制御開始時の車間距離偏差を収束させる動作」と「目標車間距離D変動に追従する動作」を個別に設計して、目標軌道Dtrkに追従する車間距離制御を実現する効果を得ることができる。
図25は、実施の形態2に係る車間距離制御装置200のFF制御部106を、第1FF制御部111、第2FF制御部112に置き換えた車間距離制御装置200Aの構成を示す機能ブロック図である。図24と同様に、目標軌道生成部104Aも図17の制御ブロック図で説明した構成である。また、車速指令演算部108Aには、入力されたフィードバック車速指令VFB、第1フィードフォワード車速指令VFF_init、第2フィードフォワード車速指令VFF_dref、遅延距離補償車速指令VFF_delay及び先行車速追従指令VFF_leadを用い、それらの和として、車速指令Vを演算し出力する。出力された車速指令Vは車速制御部12に入力される。
この構成により、実施の形態2の効果に加え、2つのFF制御部により「制御開始時の車間距離偏差を収束させる動作」と「目標車間距離D変動に追従する動作」を個別に設計して、目標軌道Dtrkに追従する車間距離制御を実現する効果を得ることができる。
本開示は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
10 車間距離センサ、11 車速センサ、12 車速制御部、13 車両駆動部、20 処理回路、21 プロセッサ、22 メモリ、100、100A、200、200A、300、400 車間距離制御装置、101 先行車速演算部、102 目標車間設定部、103、103A 遅延距離演算部、104、104A 目標軌道生成部、105 FB制御部、106 FF制御部、107 遅延距離補償部、108、108A 車速指令演算部、109 第1先行車速フィルタ部、110 第2先行車速フィルタ部、111 第1FF制御部、112 第2FF制御部、1041、1041b 第1のフィルタ、1041a 第3のフィルタ、1042 第2のフィルタ
本願に開示される車間距離制御装置は、自車と先行車との車間距離、前記先行車との相対速度及び前記自車の速度に基づいて前記自車の車速指令を演算する車速指令演算部を有し、前記車速指令演算部で演算された前記車速指令により車速制御部で前記自車の速度を制御し、前記車間距離の制御を行う車間距離制御装置であって、前記自車の速度及び前記先行車との相対速度から前記先行車の速度を演算する先行車速演算部、前記先行車の速度に基づいて、前記車間距離を制御する目標値である目標車間距離を設定する目標車間設定部、前記先行車速演算部で演算された前記先行車の速度に基づいて、前記車速制御部の応答遅れに起因する前記車間距離の変動量である遅延距離を演算する遅延距離演算部、前記車間距離の初期値から前記目標車間距離に収束するまでの応答特性を定義する第1のフィルタと前記遅延距離を補償してゼロに収束させるまでの応答特性を定義する第2のフィルタとを有し、前記車間距離の初期値から前記目標車間距離に到達するまでの車間距離の時間履歴である目標軌道を生成する目標軌道生成部、前記車間距離と前記目標軌道との偏差を用いてフィードバック車速指令を演算するFB制御部、前記目標軌道生成部の前記第1のフィルタで定義された応答特性の伝達関数と、前記車速制御部の応答特性の伝達関数とを用いて、前記目標車間距離に対応するフィードフォワード車速指令を演算するFF制御部、及び前記目標軌道生成部の前記第2のフィルタで定義された応答特性の伝達関数と、前記車速制御部の応答特性の伝達関数とを用い、前記遅延距離に対応する遅延距離補償車速指令を演算する遅延距離補償部を備え、前記車速指令演算部では、前記先行車の速度、前記フィードバック車速指令、前記フィードフォワード車速指令及び前記遅延距離補償車速指令に基づいて前記車速指令を演算するものである。
図12は遅延距離演算部103Aの構成を示す制御ブロック図である。図12に示すように遅延距離演算部103Aは、式(20)で示された車速制御部12の伝達関数GV(s)1031と積分器1/s1032を用いて表わされる。すなわち、伝達関数GV(s)1031に先行車速追従指令VFF_leadが入力され、その結果と先行車速Vleadとのその差分である Vlead―GV(s)×VFF_lead を入力とした積分器1/s1032の出力が上記式(20)の遅延距離Ddelayである。
実施の形態1で説明した、車速指令Vを表す式(17)である V=VFB+VFF+VFF_delay+Vlead において、第2項及び項はいずれも先行車速Vleadに対してフィードフォワードで演算される項である。本実施の形態2では、これらに対する入力を全て先行車速Vleadに対してフィルタ処理した先行車速追従指令VFF_leadに置き換える。これにより、図13中1段目の目標車間距離D、3段目のフィードフォワード車速指令VFF、遅延距離補償車速指令VFF_delayは、実施の形態1の図10と比較すると滑らかな波形となっている。結果として、4段目の加速度は緩やかに減速開始して緩やかに減速完了する波形となる。
以上のように、本実施の形態3の車間距離制御装置300には、先行車速Vleadに対して第1先行車速フィルタ部109と第2先行車速フィルタ部110の2つのフィルタとを備える。第2先行車速フィルタ部110は、相対速度dV及び自車速Vのノイズの除去の役割を持ち、第2先行車速フィルタ部110による遅延はFB制御部105にて補償される。そして、第1先行車速フィルタ部109は、車間距離制御装置300の先行車速Vleadの変動に対する応答特性を定義し、第先行車速フィルタ部109による遅延は遅延距離演算部103Aで演算され、遅延距離補償部107により補償される。
10 車間距離センサ、11 車速センサ、12 車速制御部、13 車両駆動部、20 処理回路、21 プロセッサ、22 メモリ、100、100A、200、200A、300、400 車間距離制御装置、101 先行車速演算部、102 目標車間設定部、103、103A 遅延距離演算部、104、104A 目標軌道生成部、105 FB制御部、106 FF制御部、107 遅延距離補償部、108、108A 車速指令演算部、109 第1先行車速フィルタ部、110 第2先行車速フィルタ部、111 第1FF制御部、112 第2FF制御部、1041、1041a 第1のフィルタ、1041b 第3のフィルタ、1042 第2のフィルタ

Claims (5)

  1. 自車と先行車との車間距離、前記先行車との相対速度及び前記自車の速度に基づいて前記自車の車速指令を演算する車速指令演算部を有し、前記車速指令演算部で演算された前記車速指令により車速制御部で前記自車の速度を制御し、前記車間距離の制御を行う車間距離制御装置であって、
    前記自車の速度及び前記先行車との相対速度から前記先行車の速度を演算する先行車速演算部、
    前記先行車の速度に基づいて、前記車間距離を制御する目標値である目標車間距離を設定する目標車間設定部、
    前記先行車速演算部で演算された前記先行車の速度に基づいて、前記車速制御部の応答遅れに起因する前記車間距離の変動量である遅延距離を演算する遅延距離演算部、
    前記車間距離の初期値から前記目標車間距離に収束するまでの応答特性を定義する第1のフィルタと前記遅延距離を補償してゼロに収束させるまでの応答特性を定義する第2のフィルタとを有し、前記車間距離の初期値から前記目標車間距離に到達するまでの車間距離の時間履歴である目標軌道を生成する目標軌道生成部、
    前記車間距離、前記先行車との相対速度、及び前記目標軌道の偏差にゲインを積算してフィードバック車速指令を演算するFB制御部、
    前記目標軌道生成部の前記第1のフィルタで定義された応答特性の伝達関数と、前記車速制御部の応答特性の伝達関数とを用いて、前記目標車間距離に対応するフィードフォワード車速指令を演算するFF制御部、及び
    前記目標軌道生成部の前記第2のフィルタで定義された応答特性の伝達関数と、前記車速制御部の応答特性の伝達関数とを用い、前記遅延距離に対応する遅延距離補償車速指令を演算する遅延距離補償部を備え、
    前記車速指令演算部では、前記先行車の速度、前記フィードバック車速指令、前記フィードフォワード車速指令及び前記遅延距離補償車速指令に基づいて前記車速指令を演算する、車間距離制御装置。
  2. 自車と先行車との車間距離、前記先行車との相対速度及び前記自車の速度に基づいて前記自車の車速指令を演算する車速指令演算部を有し、前記車速指令演算部で演算された前記車速指令により車速制御部で前記自車の速度を制御し、前記車間距離の制御を行う車間距離制御装置であって、
    前記自車の速度及び前記先行車との相対速度から前記先行車の速度を演算する先行車速演算部、
    前記先行車の速度に対して前記車速指令の応答が遅延するようにフィルタ処理を行い、先行車速追従指令を演算する第1先行車速フィルタ部、
    前記第1先行車速フィルタ部で演算された前記先行車速追従指令に基づいて、前記車間距離を制御する目標値である目標車間距離を設定する目標車間設定部、
    前記先行車速演算部で演算された前記先行車の速度及び前記第1先行車速フィルタ部で演算された前記先行車速追従指令に基づいて、前記車速制御部及び前記第1先行車速フィルタ部の応答遅れに起因する前記車間距離の変動量である遅延距離を演算する遅延距離演算部、
    前記車間距離の初期値から前記目標車間距離に収束するまでの応答特性を定義する第1のフィルタと前記遅延距離を補償してゼロに収束させるまでの応答特性を定義する第2のフィルタとを有し、前記車間距離の初期値から前記目標車間距離に到達するまでの車間距離の時間履歴である目標軌道を生成する目標軌道生成部、
    前記車間距離、前記先行車との相対速度、及び前記目標軌道の偏差にゲインを積算してフィードバック車速指令を演算するFB制御部、
    前記目標軌道生成部の前記第1のフィルタで定義された応答特性の伝達関数と、前記車速制御部の応答特性の伝達関数とを用いて、前記目標車間距離に対応するフィードフォワード車速指令を演算するFF制御部、及び
    前記目標軌道生成部の前記第2のフィルタで定義された応答特性の伝達関数と、前記車速制御部の応答特性の伝達関数とを用い、前記遅延距離に対応する遅延距離補償車速指令を演算する遅延距離補償部を備え、
    前記車速指令演算部では、前記先行車速追従指令、前記フィードバック車速指令、前記フィードフォワード車速指令及び前記遅延距離補償車速指令に基づいて前記車速指令を演算する、車間距離制御装置。
  3. 自車と先行車との車間距離、前記先行車との相対速度及び前記自車の速度に基づいて前記自車の車速指令を演算する車速指令演算部を有し、前記車速指令演算部で演算された前記車速指令により車速制御部で前記自車の速度を制御し、前記車間距離の制御を行う車間距離制御装置であって、
    前記自車の速度及び前記先行車との相対速度から前記先行車の速度を演算する先行車速演算部、
    前記先行車の速度に対して、前記自車の速度及び前記先行車との相対速度に含まれるノイズを除去するフィルタ処理を行い、先行車の第2速度を演算する第2先行車速フィルタ部、
    前記先行車の第2速度に対して前記車速指令の応答が遅延するようにフィルタ処理を行い、先行車速追従指令を演算する第1先行車速フィルタ部、
    前記第1先行車速フィルタ部で演算された前記先行車速追従指令に基づいて、前記車間距離を制御する目標値である目標車間距離を設定する目標車間設定部、
    前記第2先行車速フィルタ部で演算された前記先行車の第2速度及び前記第1先行車速フィルタ部で演算された前記先行車速追従指令に基づいて、前記車速制御部及び前記第1先行車速フィルタ部の応答遅れに起因する前記車間距離の変動量である遅延距離を演算する遅延距離演算部、
    前記車間距離の初期値から前記目標車間距離に収束するまでの応答特性を定義する第1のフィルタと前記遅延距離を補償してゼロに収束させるまでの応答特性を定義する第2のフィルタとを有し、前記車間距離の初期値から前記目標車間距離に到達するまでの車間距離の時間履歴である目標軌道を生成する目標軌道生成部、
    前記車間距離、前記先行車との相対速度、及び前記目標軌道の偏差にゲインを積算してフィードバック車速指令を演算するFB制御部、
    前記目標軌道生成部の前記第1のフィルタで定義された応答特性の伝達関数と、前記車速制御部の応答特性の伝達関数とを用いて、前記目標車間距離に対応するフィードフォワード車速指令を演算するFF制御部、及び
    前記目標軌道生成部の前記第2のフィルタで定義された応答特性の伝達関数と、前記車速制御部の応答特性の伝達関数とを用い、前記遅延距離に対応する遅延距離補償車速指令を演算する遅延距離補償部を備え、
    前記車速指令演算部では、前記先行車速追従指令、前記フィードバック車速指令、前記フィードフォワード車速指令及び前記遅延距離補償車速指令に基づいて前記車速指令を演算する、車間距離制御装置。
  4. 前記目標軌道生成部は、さらに制御開始後の目標車間距離の変動に対する応答特性を定義する第3のフィルタを有し、前記車間距離の初期値から前記目標車間距離に到達するまでの車間距離の時間履歴である目標軌道を生成し、
    前記FF制御部は、前記目標軌道生成部の前記第1のフィルタで定義された応答特性の伝達関数と、前記車速制御部の応答特性の伝達関数とを用いて、前記車間距離の初期値と前記目標車間距離との差に対応する第1フィードフォワード車速指令を演算する第1FF制御部と、
    前記目標軌道生成部の前記第3のフィルタで定義された応答特性の伝達関数と、前記車速制御部の応答特性の伝達関数とを用いて、前記目標車間距離に対応する第2フィードフォワード車速指令を演算する第2FF制御部とを有し、
    それぞれ演算された前記第1フィードフォワード車速指令及び前記第2フィードフォワード車速指令を前記車速指令演算部に出力する、請求項1から3のいずれか1項に記載の車間距離制御装置。
  5. 前記目標軌道生成部の前記第1のフィルタは、前記車間距離の初期値から前記目標車間距離に収束するように、前記車間距離に対応する周波数及び減衰係数の2次の伝達関数を用いて応答特性を定義し、
    前記第2のフィルタは、前記遅延距離をゼロに収束するように、前記遅延距離に対応する周波数及び減衰係数の2次の伝達関数を用いて応答特性を定義する、請求項1から4のいずれか1項に記載の車間距離制御装置。
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