JPWO2020158415A1 - オレキシン受容体拮抗阻害用組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、オレキシンのその受容体へ結合を阻害することができる新規なオレキシン受容体拮抗阻害用組成物及びオレキシンのその受容体への結合を阻害する方法を提供することを目的とする。本発明は、ピロロキノリンキノン又はその塩を有効成分として含むオレキシン受容体拮抗阻害用組成物等に関する。

Description

本発明は、オレキシン受容体拮抗阻害用組成物に関する。また本発明は、オレキシンのその受容体(オレキシン受容体)への結合を阻害する方法等に関する。
オレキシンは、視床下部外側野に存在する神経細胞によって産生される神経ペプチドである。オレキシン受容体は、オレキシン特異的受容体であり、オレキシンがオレキシン受容体に作用すると、動物の覚醒レベルを高める、摂食量を増加させる等の作用が発揮される。従ってオレキシンのその受容体への結合を阻害する作用(オレキシン受容体拮抗阻害作用)を有する物質は、覚醒状態を抑制する作用等があると期待される。
特許文献1には、オレキシン受容体アンタゴニストとして使用される化合物が記載されている。また、オレキシン受容体拮抗阻害剤としてスボレキサントが知られている。しかしながら、天然由来化合物でオレキシン受容体拮抗阻害作用を持つ化合物は知られていない。
特開2018−135349号公報
本発明は、オレキシンのその受容体への結合を阻害することができる新規なオレキシン受容体拮抗阻害用組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、オレキシンのその受容体への結合を阻害する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、ピロロキノリンキノン又はその塩が、優れたオレキシン受容体拮抗阻害作用を有することを見出した。ピロロキノリンキノンは、種々の食用植物にも含まれる化合物であり、長期間摂取しても安全性が高いと考えられる。
すなわち、本発明は、以下のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物等に関する。
〔1〕ピロロキノリンキノン又はその塩を有効成分として含むオレキシン受容体拮抗阻害用組成物。
〔2〕ピロロキノリンキノンの塩が、ピロロキノリンキノンのナトリウム塩である上記〔1〕に記載のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物。
〔3〕飲食品である、上記〔1〕又は〔2〕に記載のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物。
〔4〕オレキシン受容体拮抗作用により発揮される機能の表示を付した、上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物。
〔5〕ピロロキノリンキノン又はその塩を投与する、オレキシンのその受容体への結合を阻害する方法。
〔6〕オレキシンのその受容体への結合を阻害するための、ピロロキノリンキノン又はその塩の使用。
本発明によれば、オレキシンのその受容体へ結合を阻害することができる新規なオレキシン受容体拮抗阻害用組成物を提供することができる。本発明のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物は、優れたオレキシン受容体拮抗阻害作用を有し、かつ、安全性が高い物質を有効成分として含有することから、飲食品、医薬品等として有用である。また、本発明によれば、オレキシンのその受容体への結合を阻害する方法が提供される。
図1は、ネガティブコントロール群(N.C.)、ポジティブコントロール群(P.C.)及びピロロキノリンキノン二ナトリウム塩添加群(PQQ)における酵素活性を示すグラフである。 図2は、ネガティブコントロール群(N.C.)、ポジティブコントロール群(P.C.)及びピロロキノリンキノン二ナトリウム塩添加群(PQQ)における脱水素酵素活性を示すグラフである。
本発明のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物は、ピロロキノリンキノン又はその塩を有効成分として含む。
オレキシンは、オレキシンAとオレキシンBが同定されており、視床下部外側野において産生される。オレキシン受容体には、オレキシン1受容体及びオレキシン2受容体の2種類のサブタイプが存在している。本発明におけるオレキシン受容体には、いずれのサブタイプも含まれ、好ましくはオレキシン2受容体である。一態様において、本発明のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物は、オレキシンAのオレキシン2受容体への結合を阻害するために好適に使用される。
ピロロキノリンキノンは、酸化還元補酵素である。ピロロキノリンキノン又はその塩は、植物、細菌、動物等の種々の生物体内に存在するため、種々の生物から抽出して調製することができる。ピロロキノリンキノン又はその塩は、市販品を使用することもできる。本発明においては、本発明の効果を奏することになる限り、ピロロキノリンキノン又はその塩を豊富に含む植物由来原料等を本発明の組成物に含有させてもよい。
ピロロキノリンキノンの塩として、飲食品、医薬品等に使用可能な塩が好ましく、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。塩の中では、ナトリウム塩が好ましい。
ピロロキノリンキノンの塩における塩の置換数は、1〜3であり、好ましくは2である。ピロロキノリンキノンの塩は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。ピロロキノリンキノンの塩として、ピロロキノリンキノンの二ナトリウム塩が好ましい。
後記の実施例に示すように、ピロロキノリンキノン又はその塩は、オレキシンのオレキシン受容体への結合を阻害する作用を有した。従ってピロロキノリンキノン又はその塩は、オレキシン受容体アンタゴニストとして作用する。ピロロキノリンキノン又はその塩は、対象においてオレキシンのその受容体への結合を阻害するために使用することができる。
ピロロキノリンキノン又はその塩は、天然物や飲食品に含まれ、食経験がある化合物である。このため安全性の観点から、ピロロキノリンキノン又はその塩は、例えば毎日摂取することにも問題が少ないと考えられる。本発明によれば、安全性が高い成分を有効成分として含むオレキシン受容体拮抗阻害用組成物を提供することができる。
本発明のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物は、治療的用途(医療用途)又は非治療的用途(非医療用途)のいずれにも適用することができる。非治療的とは、医療行為、すなわち人間の手術、治療又は診断を含まない概念である。
本発明のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物は、飲食品、医薬、医薬部外品、飼料等の形態とすることができる。本発明のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物は、それ自体が、オレキシン受容体拮抗阻害のための飲食品、医薬、医薬部外品、飼料等であってもよく、これらに配合して使用される素材又は製剤等であってもよい。
本発明のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物は、一例として、剤の形態で提供することができるが、本形態に限定されるものではない。当該剤をそのまま組成物として、又は、当該剤を含む組成物として提供することもできる。一態様において、本発明のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物は、オレキシン受容体拮抗阻害剤ということもできる。
本発明の効果を充分に得る観点から、本発明のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物は、好ましくは経口用組成物である。経口用組成物としては、飲食品、経口用の医薬、医薬部外品、飼料が挙げられ、好ましくは飲食品又は経口用医薬であり、より好ましくは飲食品である。
本発明のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物は、本発明の効果を損なわない限り、本発明における有効成分(ピロロキノリンキノン又はその塩)に加えて、任意の添加剤、任意の成分を含有することができる。これらの添加剤及び成分は、組成物の形態等に応じて選択することができ、一般的に飲食品、医薬、医薬部外品、飼料等に使用可能なものが使用できる。本発明のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物を、飲食品、医薬、医薬部外品、飼料等とする場合、その製造方法は特に限定されず、一般的な方法により製造することができる。
例えば本発明のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物を飲食品とする場合、本発明における有効成分に、飲食品に使用可能な成分(例えば、食品素材、必要に応じて使用される食品添加物等)を配合して、種々の飲食品とすることができる。飲食品は特に限定されず、例えば、一般的な飲食品、健康食品、健康飲料、機能性表示食品、特定保健用食品、病者用飲食品等が挙げられる。上記健康食品、機能性表示食品、特定保健用食品等は、例えば、細粒剤、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、チュアブル剤、シロップ剤、液剤、流動食等の各種製剤形態として使用することができる。
本発明のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物を医薬又は医薬部外品とする場合、例えば、本発明における有効成分に、薬理学的に許容される担体、必要に応じて添加される添加剤等を配合して、各種剤形の医薬又は医薬部外品とすることができる。そのような担体、添加剤等は、医薬又は医薬部外品に使用可能な、薬理学的に許容されるものであればよく、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、抗酸化剤、着色剤等の1又は2以上が挙げられる。医薬又は医薬部外品の投与(摂取)形態としては、経口又は非経口(経皮、経粘膜、経腸、注射等)が挙げられるが、本発明の効果をより充分に得る観点から、経口投与が好ましい。本発明のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物を医薬又は医薬部外品とする場合、経口用医薬又は医薬部外品とすることが好ましい。経口投与のための剤型としては、液剤、錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、糖衣錠、カプセル剤、懸濁液、乳剤、チュアブル剤等が挙げられる。医薬は、非ヒト動物用医薬であってもよい。
本発明のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物を飼料とする場合には、本発明における有効成分を飼料に配合すればよい。飼料には飼料添加剤も含まれる。飼料としては、例えば、牛、豚、鶏、羊、馬等に用いる家畜用飼料;ウサギ、ラット、マウス等に用いる小動物用飼料;犬、猫、小鳥等に用いるペットフードなどが挙げられる。
本発明のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物に含まれるピロロキノリンキノン又はその塩の含有量は特に限定されず、その形態等に応じて設定することができる。
本発明のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物中のピロロキノリンキノン又はその塩の含有量は、ピロロキノリンキノンとして、例えば、組成物中に0.0001重量%以上が好ましく、0.001重量%以上がより好ましく、また、90重量%以下が好ましく、50重量%以下がより好ましい。一態様において、ピロロキノリンキノン又はその塩の含有量は、ピロロキノリンキノンとして、オレキシン受容体拮抗阻害用組成物中に0.0001〜90重量%が好ましく、0.001〜50重量%がより好ましい。また一態様において、ピロロキノリンキノン又はその塩の総含有量は、オレキシン受容体拮抗阻害用組成物中に0.0001〜97重量%であってよく、0.001〜55重量%であってよい。一態様において、本発明のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物を飲食品、医薬、医薬部外品、飼料等とする場合、ピロロキノリンキノン又はその塩の含有量を上記範囲とすることが好ましい。
本発明のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物は、その形態に応じた適当な方法で摂取又は投与することができる。本発明の効果を充分に得る観点から、本発明のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物は、好ましくは、経口摂取(経口投与)される。
本発明のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物の摂取量(投与量ということもできる)は特に限定されず、オレキシンのオレキシン受容体への結合を阻害する効果が得られるような量(有効量)であればよく、投与形態、投与方法に応じて適宜設定すればよい。
一態様において、オレキシン受容体拮抗阻害用組成物をヒト(成人)を対象に経口で摂取させる又は投与する場合、ピロロキノリンキノン又はその塩の摂取量は、ピロロキノリンキノンとして、1日当たり体重60kgで、好ましくは1〜200mgであり、より好ましくは5〜60mgである。上記量を、1日1回以上、例えば、1日1回〜数回(例えば2〜3回)に分けて、摂取させることが好ましい。
本発明のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物は、オレキシンのオレキシン受容体への結合を阻害することにより予防又は改善が期待できる症状又は疾患の予防又は改善に有用である。オレキシンは睡眠覚醒、摂食行動、情動に関連していることが知られている。またオレキシンは、不眠症、高血糖、アルツハイマー病等の症状又は疾患に関与すると報告されている。例えば、オレキシン受容体拮抗阻害剤であるスボレキサントの摂取により、睡眠潜時の短縮、客観的中途覚醒時間の短縮、総睡眠時間の増加、睡眠効率の増加が報告されている(Sleep. 2013 Feb 1; 36(2):259−267.)。また、スボレキサントには、糖負荷試験時の血糖値上昇抑制効果があることが知られている(Endocrinology. 2016 Nov;157(11):4146−4157. Epub 2016 Sep 15.)。また、マウスにおいて、睡眠不足およびオレキシンペプチド注入によりアミロイドβレベルが上昇することが報告されている(Science. 2009 Nov 13; 326(5955):1005−1007.)。一方、アミロイドβレベル、老人斑の形成は、アミロイド前駆体タンパク質遺伝子組み換えマウスにおいて、オレキシン受容体アンタゴニストであるアルモレキサントの注入で減少することが報告されている。また、これら以外にも、オレキシン受容体を拮抗阻害することによって、抗肥満、食欲抑制、抗うつ、抗不安作用が得られる可能性が示唆されている。従って本発明のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物を摂取又は投与すると、オレキシン受容体拮抗阻害作用により、例えば、睡眠改善(例えば、睡眠潜時の短縮、中途覚醒時間の短縮、中途覚醒回数の減少等の睡眠の質改善)、血糖値異常の予防又は改善、アルツハイマー病の予防又は改善等の効果が得られることが期待できる。睡眠改善により、例えば、睡眠障害の予防又は改善が可能となる。
本明細書で症状又は疾患の予防は、症状又は疾患の発症を防止すること、症状又は疾患の発症を遅延させること、症状又は疾患の発症率を低下させること、症状又は疾患の発症のリスクを軽減すること等を包含する。症状又は疾患の改善は、対象を症状又は疾患から回復させること、症状又は疾患を緩和すること、症状の悪化又は疾患の進行を遅延させること又は防止すること等を包含する。回復は、少なくとも部分的に回復させることを含む。
本発明のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物を摂取させる又は投与する対象(投与対象ということもできる)は、特に限定されない。好ましくはヒト又は非ヒト哺乳動物であり、より好ましくはヒトである。
本発明のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物を摂取させる又は投与する対象として、オレキシンのその受容体への結合の阻害を必要とする又は希望する対象が好ましい。このような対象として、例えば、不眠、高血糖、アルツハイマー病等の症状を有するヒト等が挙げられる。本発明のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物は、例えば、オレキシンのその受容体への結合の阻害により予防又は改善が期待できる症状又は疾患の予防等を目的として、健常者に対して使用することもできる。
本発明のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物には、オレキシン受容体拮抗阻害作用により発揮される機能の表示が付されていてもよい。本発明のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物には、例えば、「睡眠を改善する」、「血糖値を改善する」及び「認知機能低下を予防する」等の1又は2以上の機能の表示が付されていてもよい。
本発明の一実施態様において、本発明のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物は、上記の表示が付された飲食品であることが好ましい。また上記の表示は、上記の機能を得るために用いる旨の表示であってもよい。
本発明は、以下の方法及び使用も包含する。
ピロロキノリンキノン又はその塩を投与する、オレキシンのその受容体への結合を阻害する方法。
オレキシンのその受容体への結合を阻害するための、ピロロキノリンキノン又はその塩の使用。
上記方法及び使用は、治療的な方法又は使用であってもよく、非治療的な方法又は使用であってもよい。ピロロキノリンキノン又はその塩を対象に投与する(又は摂取させる)と、対象においてオレキシンのその受容体(オレキシン受容体)への結合を阻害することができる。このような作用により、睡眠改善、血糖値改善、アルツハイマー病の予防等の効果が期待できる。一態様において、ピロロキノリンキノン又はその塩は、オレキシンのその受容体への結合を阻害することにより、睡眠障害を予防又は改善するために使用することができる。
上記の方法及び使用において、ピロロキノリンキノン又はその塩及びこれらの好ましい態様は、上述した本発明のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物の場合と同じである。
上記方法及び使用においては、1日に1回以上、例えば、1日1回〜数回(例えば2〜3回)、ピロロキノリンキノン又はその塩を対象に投与すればよい。
上記の使用は、好ましくはヒト又は非ヒト哺乳動物、より好ましくはヒトにおける使用である。
上記方法及び使用においては、オレキシン受容体拮抗阻害作用が得られる量(有効量ということもできる)のピロロキノリンキノン又はその塩を対象に投与すればよい。ピロロキノリンキノン又はその塩の好ましい投与量、投与対象、投与方法等は上述した本発明のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物の場合と同じである。ピロロキノリンキノン又はその塩は、そのまま投与してもよく、ピロロキノリンキノン又はその塩を含む組成物として投与してもよい。例えば、上述した本発明のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物を投与してもよい。
また、ピロロキノリンキノン又はその塩は、オレキシンのその受容体への結合阻害のために使用される飲食品、医薬、医薬部外品、飼料等の製造のために使用することができる。本発明は一態様において、オレキシン受容体拮抗阻害用組成物を製造するための、ピロロキノリンキノン又はその塩の使用も包含する。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、これにより本発明の範囲を限定するものではない。
<実施例1>
Orexin 2 Receptor Reporter Assay Kit(Cayman Chemical Company)付属品を用いて、被験物質のオレキシン受容体アンタゴニスト活性を測定した。
この評価系では、細胞表面にオレキシン受容体を発現させた細胞を使用する。このオレキシン受容体にアゴニスト(オレキシン)が結合すると、分泌型アルカリホスファターゼ(SEAP)が分泌される。分泌されたSEAPとアルカリホスファターゼ基質を反応させ、ルミノメーターを用いてSEAPの酵素活性を測定する。オレキシン受容体拮抗作用(オレキシン受容体アンタゴニスト作用)を有する物質は、酵素活性を減少させる。
(1)ウシ胎児血清(FBS)を終濃度10%となるように加えたダルベッコ改変イーグル培地(高グルコース)(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium−high glucose, With 4500 mg/L glucose, L−glutamine, sodium pyruvate, and sodium bicarbonate, liquid, sterile−filtered, suitable for cell culture)(Sigma−Aldrich社)を用いて、HEK293T細胞が2.5×10cells/mLとなるように調製した。
(2)(1)で調製したHEK293T細胞を含む培地を、Orexin 2 Receptor Reporter Transfection Strip Plateに200μLずつ播種した。
(3)5%CO、37℃条件下にて16時間インキュベートした。
(4)上清を除いたのち、ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩(三菱ガス化学(株))を終濃度100μg/mLとなるように添加し、5%CO、37℃条件下にて1時間インキュベートした。溶媒には、ダルベッコ改変イーグル培地(高グルコース)(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium−high glucose, With 4500 mg/L glucose, L−glutamine, sodium pyruvate, and sodium bicarbonate, liquid, sterile−filtered, suitable for cell culture)(Sigma−Aldrich社)を用いた。
(5)オレキシンAを終濃度50nMとなるように添加し、5%CO、37℃条件下にて24時間インキュベートした。
(6)上清を回収した。
(7)上清の酵素(SEAP)活性をOrexin 2 Receptor Reporter Assay Kit(Cayman Chemical Company)付属のプロトコルに従い、測定した。
(8)本試験では、ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩の代わりにスボレキサント1μMを添加した群をポジティブコントロールとし、ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩の代わりにジメチルスルホキシド(DMSO)を添加した群をネガティブコントロールとした。各群n=3で試験を行った。
オレキシン受容体アンタゴニスト作用の指標として、上記の方法で酵素(SEAP)活性を測定した結果(平均±標準誤差)を図1に示す。図1は、ネガティブコントロール群(N.C.)、ポジティブコントロール群(P.C.)及びピロロキノリンキノン二ナトリウム塩添加群(PQQ)における酵素活性を示すグラフである。図1に示す結果は、ネガティブコントロール群の酵素活性を1とした、相対値で示した。
この評価系では、オレキシン受容体アンタゴニスト作用が強いほど酵素活性が低下する。
図1に示すように、ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩100μg/mL添加によって、スボレキサント1μMと同等のオレキシン受容体アンタゴニスト作用を示した。
<実施例2>
実施例1のピロロキノリンキノン二ナトリウム塩添加群について、WST−8 Cell Proliferation Assay Kit(Cayman Chemical Company)を用いて、ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩添加後の細胞増殖を測定した。測定方法は付属のプロトコルに従った。脱水素酵素活性は生細胞の数に比例することが知られている。このキットは、この原理を利用しており、細胞から培地中に放出された脱水素酵素活性を測定するキットである。実施例1のネガティブコントロール群及びポジティブコントロール群についても、同じ方法でDMSO又はスボレキサント添加後の細胞増殖を測定した。
図2は、ネガティブコントロール群(N.C.)、ポジティブコントロール群(P.C.)及びピロロキノリンキノン二ナトリウム塩添加群(PQQ)における脱水素酵素活性を示すグラフである。結果(平均±標準誤差)は、ネガティブコントロール群の脱水素酵素活性を1とした、相対値で示した。
図2に示すようにピロロキノリンキノン二ナトリウム塩添加群はポジティブコントロール、ネガティブコントロールと比較して、細胞数は減少していなかった。このことから、実施例1で観察されたピロロキノリンキノン二ナトリウム塩添加による酵素活性の低下は、細胞死によるものではなく、オレキシン受容体へのアンタゴニスト作用によるものだと考えられる。

Claims (6)

  1. ピロロキノリンキノン又はその塩を有効成分として含むオレキシン受容体拮抗阻害用組成物。
  2. ピロロキノリンキノンの塩が、ピロロキノリンキノンのナトリウム塩である請求項1に記載のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物。
  3. 飲食品である請求項1又は2に記載のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物。
  4. オレキシン受容体拮抗作用により発揮される機能の表示を付した、請求項1〜3のいずれか一項に記載のオレキシン受容体拮抗阻害用組成物。
  5. ピロロキノリンキノン又はその塩を投与する、オレキシンのその受容体への結合を阻害する方法。
  6. オレキシンのその受容体への結合を阻害するための、ピロロキノリンキノン又はその塩の使用。
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