JPWO2020149381A1 - プレス成形品の製造方法、及びプレスライン - Google Patents

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Abstract

プレス成形品の製造方法は、プレス対象の板材の反り量を、板材ごとに個別に取得すること、ダイ6と、パンチ7と、可動金型9により板材をプレス成形品にプレス成形することを、含む。プレス成形では、板材の反り量に基づき、可動金型9のダイ6又はパンチ7に対する初期位置を制御する。

Description

本開示は、プレス成形品の製造方法、及びプレスラインに関する。
プレス成形において、金型の一部を可動とし、プレス成形品の寸法精度を向上させる技術がある。例えば、特許第6179696号公報(特許文献1)には、ダイパッドを備えたダイと、ダイと対向して配置され且つインナパッドを備えたパンチと、を含んで構成されたプレス装置が開示されている。
特許第6179696号公報
プレス成形では、予め設定されたプレス条件で同一の製造ロット内の全ての板材がプレス成形される。すなわち、最初のプレス成形品の形状の狙い形状からのずれが公差内に入っていれば、最初のプレス成形品のプレス条件と同じプレス条件で後続のプレス成形も行われる。
発明者らは、複数の板材の特性にばらつきがある場合、最初にプレス成形したプレス成形品の形状が所望の形状であったとしても、後にプレス成形するプレス成形品が所望の形状にならない場合があることに気づいた。
本明細書は、複数のプレス成形品の形状の狙い形状からのずれ又はばらつきを小さくできるプレス成形品の製造方法、及びプレスラインを開示する。
本発明の実施形態におけるプレス成形品の製造方法は、1又は複数のプレス対象の板材の反り量を、板材ごとに個別に取得すること、ダイと、パンチと、前記ダイ及び前記パンチの両方に対して相対位置を変更可能な可動金型により前記板材をプレス成形品にプレス成形することを、含む。前記プレス成形では、前記板材の反り量に基づき、前記可動金型の前記ダイ又は前記パンチに対する初期位置を制御する。
本開示によれば、複数のプレス成形品の形状の狙い形状からのずれ又はばらつきを小さくできる。
本実施形態におけるプレスラインの構成例を示す図である。 プレス装置の構成例を示す斜視図である。 プレス対象板の反り量の測定方向と、パンチ稜線の方向との関係の一例を説明するための図である。 図3Aにおいて、x方向におけるプレス対象板の反り量の測定例を説明するための図である。 プレス対象板の反り量の他の測定例を説明するための図である。 プレス成形の例を示す図である。 プレス成形の例を示す図である。 プレス成形の例を示す図である。 プレス成形の例を示す図である。 プレス成形品の一例を示す断面図である。 コントローラーの動作例を示すフロー図である。 インナパッドの突出し量とプレス成形品の形状との相関関係の一例を示すグラフである。 インナパッドの適切突出し量とブランクの幅方向の反り量との関係の一例を示すグラフである。 インナパッドの適切突出し量とブランクの長手方向の反り量との関係の一例を示すグラフである。 反り量に基づくフィードフォワード制御をした場合の、反り量及びフランジの位置精度のヒストグラムである。 反り量に基づくフィードフォワード制御をしない場合の、反り量及びフランジの位置精度のヒストグラムである。
プレス成形前の板材は、微妙に反っている場合がある。例えば、同じ製造ロットに含まれる複数の板材の反り量は、異なることが多い。発明者は、この板材の反り量に着目した。プレス成形前の板材の反り量と、プレス成形後のプレス成形品の形状との関係を調べた結果、複数の板材の反り量のばらつきが、プレス成形品の形状のばらつきの原因となり得ることがわかった。特に、プレス成形により、溝型部材を形成する場合に、プレス成形前の板材の反り量が、プレス成形後の溝型部材の形状に影響を与えやすいことがわかった。
そこで、複数の板材の反り量のばらつきに起因するプレス成形品の形状のばらつきを抑える方法を検討した。鋭意検討の結果、プレス成形前の板材の反り量と、プレス成形に用いる可動金型のダイ又はパンチに対する初期位置との間に相関関係があることを見出した。この知見を基に、板材の反り量に応じてプレス成形における可動金型のダイ又はパンチに対する初期位置を制御することを試みた。この反り量に基づく可動金型の初期位置の制御により、プレス成形品の形状のばらつきを抑えられることを見出した。具体例として、下記の実施形態に想到した。
(方法1)
本発明の実施形態におけるプレス成形品の製造方法は、1又は複数のプレス対象の板材の反り量を、板材ごとに個別に取得すること、ダイと、パンチと、前記ダイ及び前記パンチの両方に対して相対位置を変更可能な可動金型により前記板材をプレス成形品にプレス成形することを、含む。前記プレス成形では、前記板材の反り量に基づき、前記可動金型の前記ダイ又は前記パンチに対する初期位置を制御する。
上記製造方法によれば、板材の反り量に応じて、プレス成形時の可動金型のダイ又はパンチに対する初期位置が制御される。この初期位置の制御によって、プレス成形品の形状が板材の反り量に応じて調整される。そのため、複数の板材の反り量のばらつきに起因する複数のプレス成形品の形状の狙い形状からのずれ又はばらつきを抑制することができる。
可動金型の初期位置は、複数のプレス成形の各々の初期における可動金型のダイ又はパンチに対する相対位置である。各プレス成形において、初期位置にある可動金型が板材に接した状態からダイとパンチを相対的に近づけることで、プレス成形が行われる。可動金型の初期位置は、ダイとパンチを相対的に近づける動作の前の可動金型の位置である。
例えば、可動金型は、プレス成形中に、プレス成形品(完成品)の製品となる部分に接してもよい。この場合、可動金型は、プレス成形品(完成品)の製品の形状をコントロールすることになる。可動金型の初期位置により、プレス成形品の製品の部分の微妙な形状をコントロールできる。
可動金型は、1回のプレス成形中に、ダイ又はパンチに対して相対移動するものであってもよい。このタイプの可能金型の例として、パンチパッド(インナパッド)、ダイパッド、ブランクホルダ等が挙げられる。或いは、可動金型は、1回のプレス成形中にダイ又はパンチに対する相対位置が固定されるものであってもよい。すなわち、可動金型は、1回のプレス成形中に、ダイ又はパンチに対して移動しない(動作しない)ものであってもよい。なお、1回のプレス成形は、1つのプレス成形品を作るために1組のダイ、パンチ及び可動金型のセットによって行われるプレス成形である。
(方法2)
上記方法1において、前記プレス成形は、複数の板材を連続してプレス成形することを含んでもよい。連続する複数のプレス成形の少なくとも1回において、前記板材の反り量に基づき、前記可動金型の前記ダイ又は前記パンチに対する初期位置を制御してもよい。これにより、連続する複数のプレス成形で作製される複数のプレス成形品において、反り量のばらつきに起因するプレス成形品の形状のばらつきを抑えることができる。
(方法3)
本発明の実施形態における溝型部材の製造方法は、天板と、前記天板の両端から延びる縦壁と、前記天板と前記縦壁の間にある稜線とを備えた溝型部材の製造方法である。前記製造方法は、板材の反り量を取得すること、前記板材を、ダイと、頂部にインナパッドを備えたパンチの間に配置すること、前記インナパッドの前記パンチに対する初期位置を、取得した前記反り量に基づいて設定すること、前記インナパッドの前記パンチに対する初期位置が設定された状態で、前記ダイと前記パンチを相対的に近づけて、前記ダイのダイ肩が前記板材を摺動しながら前記縦壁を成形すること、前記インナパッドを収納した前記パンチの頂部と前記ダイとで前記板材を挟圧して前記天板を成形すること、を含む。
上記製造方法によれば、板材の反り量に基づいて、プレス成形時のインナパッドのパンチに対する初期位置が設定される。板材の反り量に応じた適切な初期位置が設定される。このようにインナパッドの初期位置を反り量に基づいて設定した状態でダイとパンチが相対的に近づき、ダイ型で板材を摺動しながら縦壁が成形される。さらに、インナパッドがパンチに収納された状態で、パンチとダイの間に板材を挟んで押すことで天板が成形される。これにより、板材の反り量に応じたインナパッドの初期位置の制御によって、プレス成形される溝型部材の形状が反り量に応じて調整されることになる。その結果、製造ロット内の複数の板材の反り量のばらつきに起因する複数のプレス成形品の形状の狙い形状からのずれ及びばらつきを抑制することができる。
一例として、パンチは、ダイに向かって突出する凸部を含む。ダイは、パンチの凸部に対応する凹部を含む。可動金型は、例えば、パンチの凸部及びダイの凹部の少なくとも一方に設けられる。可動金型の一例である。可動金型の一例であるインナパッドは、パンチの凸部の頂部に設けられる。インナパッドは、パンチの頂部からダイに向かって突出可能、且つパンチの頂部に収納可能に設けられる。インナパッドの初期位置は、例えば、インナパッドのパンチからの出し代で設定されてもよい。インナパッドの出し代は、パンチの頂部から突出するインナパッドの高さとする。可動金型の一例であるダイパッドは、ダイの凹部の底部に設けられる。ダイパッドは、ダイの凹部の底部からパンチに向かって突出可能に設けられる。
板材の反り量の測定は、少なくとも1つの方向における反り量を測定してもよい。板材の反りによるプレス成形品の狙い形状からのずれ及びばらつきを抑制する観点から、異なる2つ以上の方向において板材の反り量を測定することが好ましい。例えば、板材の面内における互いに異なる2つの方向について、板材の反り量を測定してもよい。
反り量が測定される板材は、ダイとインナパッド付きのパンチを用いてプレス成形される前の板である。板材として、例えば、ブランク(平らな板)の反り量が測定されてもよいし、ブランクを中間成形した中間成形品の反り量が測定されてもよい。板材の全体の反り量が測定されてもよいし、一部の反り量が測定されてもよい。例えば、板材の縦壁となる部分の反り量を測定してもよい。反り量は、本来、平面(すなわち反り量が0)であるべき板材又はその一部に対して、測定される。例えば、反り量は、平面に対するずれの量とすることができる。
(方法4)
上記方法3において、前記板材の反り量として、前記稜線の延在方向の第1反り量と、前記稜線に垂直な方向の第2反り量とを測定することが好ましい。これにより、溝型部材の形状への影響を及ぼしやすい方向の反り量に基づいて、インナパッドのパンチに対する初期位置を制御できる。複数のプレス成形品の形状の狙い形状からのずれ及びばらつきをより抑えることができる。
(方法5)
上記方法1〜4のいずれかは、板材の反り量と、前記可動金型の前記ダイ又は前記パンチに対する初期位置との相関関係を示す相関データを取得すること、及び、前記相関データを用いて、測定した前記板材の前記反り量に対応する前記可動金型の初期位置を設定することを、さらに含んでもよい。相関データを用いることで、板材の反り量に対応する可動金型の初期位置の設定値を効率よく決定することができる。
(方法6)
上記方法3又は4では、前記プレス成形において、前記ダイのダイ肩が、前記板材の板厚の25倍以上の長さにわたって前記板材を摺動しながら前記縦壁を成形してもよい。
溝型部材の縦壁を成形するプレス工程において、ダイ肩が板材と摺動する長さが、板材の板厚の25倍以上である場合に、板材の反りによる溝型部材の形状の変動が生じやすいことが発明者らによって見いだされている。縦壁の成形時のダイ肩の摺動距離が、板材の板厚の25倍である場合に、反り量に起因するプレス成形品の狙い形状からのずれ及びばらつきを抑える効果がより大きくなる。
上記方法1〜6のいずれかにおいて、前記板材で最も強度が高い部分の引張強さは、980MPa以上であってもよい。一般的に、板材が、980MPa以上の高強度である場合、反り量のばらつきが、低強度の場合に比べて大きくなる傾向にある。980MPa以上の強度を持つ板材に上記方法1〜6のいずれかを適用することにより、このような高強度のプレス対象材のプレス成形において、プレス成形品の狙い形状からのずれ又はばらつきを抑えることができる。板材は、金属板とすることができる。一例として、板材は鋼板であってもよい。
(構成1)
本発明の実施形態におけるプレスラインは、1又は複数のプレス対象の板材の反り量を、板材ごとに個別に取得する反り量取得装置と、ダイとパンチと前記パンチ及び前記ダイの両方に対して相対移動可能な可動金型を備えたプレス装置と、前記プレス装置を制御するコントローラーとを備える。前記コントローラーは、前記プレス装置の前記ダイ、前記パンチ及び前記金型による前記板材のプレス成形において、前記反り量取得装置が取得した前記板材の反り量に基づき、前記可動金型の前記ダイ又は前記パンチに対する初期位置を制御する。
上記構成1によれば、個々の板材の反り量に応じて、個々の板材のプレス成形時の可動金型のダイ又はパンチに対する初期位置が制御される。この初期位置の制御によって、プレス成形品の形状が板材の反り量に応じて調整される。そのため、複数の板材の反り量のばらつきに起因する複数のプレス成形品の形状の狙い形状からのずれ又はばらつきを抑制することができる。
(構成2)
構成1において、前記反り量取得部は、前記板材の反り量を測定する反り量測定装置であってもよい。これにより、プレス対象の板材の個別の反り量を効率よく取得することができる。
(構成3)
構成2において、前記パンチは、頂部と側壁と、前記頂部と前記側壁の間にあるパンチ稜線とを有し、前記反り量測定装置の反り測定方向は、前記パンチ稜線に平行な方向と、前記パンチ稜線に垂直な方向を含んでもよい。これにより、プレス成形品の形状への影響を及ぼしやすい方向の反り量に基づいて、可動金型の初期位置を制御できる。
(構成4)
上記構成1〜3のいずれかにおいて、前記パンチの側壁の高さは、前記パンチと前記ダイの間の最小ギャップの25倍以上であってもよい。この場合、可動金型の初期位置が固定された状態でダイとパンチを相対的に近づけて板材をプレス成形する際に、ダイ肩と板材との摺動距離が、板材の板厚の25倍以上となりやすい。そのため、反り量に起因するプレス成形品の狙い形状からのずれ及びばらつきを抑える効果がより大きくなる。最小ギャップは、成形下死点におけるダイとパンチの隙間のプレス方向における距離とする。プレス方向は、ダイのパンチに対する相対移動の方向である。
上記構成1〜4において、前記プレスラインは、前記反り量測定装置と前記プレス装置に接続されたコントローラーとをさらに備えてもよい。前記コントローラーは、前記板材の反り量と、前記可動金型の前記ダイ又は前記パンチに対する初期位置との相関関係を示す相関データを格納した記憶装置にアクセス可能である。
本発明の実施形態におけるプレスラインは、プレス装置と、反り量測定装置と、前記反り量測定装置と前記プレス装置に接続されたコントローラーとを備える。
前記プレス装置は、ダイと、パンチを備える。前記パンチは、頂部と側壁と、前記頂部と前記側壁の間にあるパンチ稜線と、前記頂部に設けられたインナパッドを有する。
前記反り量測定装置の反り測定方向は、前記パンチ稜線に平行な方向と、前記パンチ稜線に垂直な方向を含む。
前記コントローラーは、前記反り量測定装置で測定された板材の前記パンチ稜線に平行な方向の反り量及び前記パンチ稜線に垂直な方向の反り量と、前記パンチからの前記インナパッドの出し代との相関関係を示す相関データを格納した記憶装置を備える。
上記構成では、反り量測定装置の反り測定方向は、パンチ稜線に平行な方向と、前記パンチ稜線に垂直な方向を含む。反り量測定装置は、板材の反り量を測定することができる。反り量測定装置は、板材のパンチ稜線に相当する方向、及び、パンチ稜線と垂直な方向に相当する方向における反り量を測定するよう構成される。板材のパンチ稜線に相当する方向は、板材がプレス装置でプレス成形される時の、板材に対するパンチ稜線の方向である。プレス装置は、板材がプレス成形される際のパンチ稜線の方向及びパンチ稜線に垂直な方向における板材の反り量を測定することができる。
コントローラーは、反り量測定装置とプレス装置に接続されるため、反り量測定装置で測定された反り量を用いて、プレス装置のプレス成形における可動金型のダイ又はパンチに対する初期位置を制御できる。また、コントローラーは、記憶装置に格納された相関データを用いて、反り量測定装置で測定された板材の反り量に対応する可動金型の初期位置を決定することができる。
上記構成によれば、プレス成形品の形状に影響を及ぼしやすい方向の板材の反り量に基づいて、プレス成形における可動金型の初期位置(例えば、インナパッドのパンチからの出し代)を制御できる。そのため、複数の板材の反り量のばらつきに起因する複数のプレス成形品の狙い形状からのずれ及び形状のばらつきを抑制することができる。
反り量測定装置は、プレス装置の上流で板材の反り量を測定可能に構成される。コントローラーは、反り量測定装置で測定された板材の反り量に基づいて、当該板材又は当該板材を変形した加工品である中間成形品をプレス成形する際の可動金型のダイ又はパンチに対する初期位置を制御する。例えば、コントローラーは、インナパッドのパンチからの出し代(例えば、突出し量)を初期位置の設定量に固定した状態でダイ及びパンチを相対的に近づけて板材をプレス成形する際の、上記設定量を、反り量に基づいて決定してもよい。
なお、反り量測定装置は、プレス装置に配置される前の板材の反り量を測定するよう構成されてもよいし、プレス装置に配置された板材の反り量を測定するよう構成されてもよい。
コントローラーは、プロセッサ及び記憶装置を有してもよい。プロセッサは、記憶装置に格納されたプログラムを実行する。プログラムは、反り量測定装置で測定された板材の反り量に基づいて、板材をプレス成形する際の可能金型のパンチ又はダイに対する初期位置を制御する処理をプロセッサに実行させるプログラムであってもよい。
[実施形態]
(プレスライン)
図1は、本実施形態におけるプレスライン100の構成例を示す図である。図1に示すプレスライン100は、搬送装置4と、中間成形用プレス装置3と、プレス装置5と、反り量測定装置10と、コントローラー11を備える。反り量測定装置10は、プレス装置5及び中間成形用プレス装置3の上流に配置される。反り量測定装置10は、平らな板材であるプレス対象板(ブランク)Aの反り量を測定する。搬送装置4は、ブランクAを中間成形用プレス装置3へ搬送する。中間成形用プレス装置3は、ブランクAを変形加工して中間成形品とする。本例では、中間成形用プレス装置3でプレス成形された中間成形品が、プレス装置5で溝型部材にプレス成形される。搬送装置4は、中間成形用プレス装置3からプレス装置5へ中間成形品すなわちプレス対象板Bを搬送する。
搬送装置4は、例えば、中間成形用プレス装置3又はプレス装置5へ至る搬送路を有するコンベアであってもよい。この場合、搬送装置4の中間成形用プレス装置3への搬送路は、反り量測定装置10の測定領域を通るよう配置されてもよい。なお、搬送装置4は、コンベアに限られない。例えば、搬送装置4は、多関節ロボットで構成されたマニピュレータであってもよい。マニピュレータは、例えば、中間成形用プレス装置3又はプレス装置5の上流に配置された材料テーブル、あるいは金型上に載置された板材をプレス装置5へ搬送する。反り量測定装置10は、材料テーブル上、あるいはマニピュレータで搬送中のプレス対象板の反り量を測定可能に配置されてもよい。なお、搬送装置4は、無人運転又は有人運転のフォークリフトであってもよい。
プレス装置5は、プレス対象板Bをプレス成形してプレス成形品Cにする。以下、「プレス対象板A」、「プレス対象板B」を単に「板材A」、「板材B」と称する。本例では、プレス成形品Cは、溝型部材である。プレス装置5は、金型として、ダイ6、パンチ7、ダイ側パッド8、パンチ側インナパッド9を有する。ダイ側パッド8、パンチ側インナパッド9は、ダイ6及びパンチ7の両方に対して相対位置を変化させることができる。プレス装置5は、ダイ6とパンチ7の間に板材Bを配置して、ダイ6とパンチ7の両方から板材Bを押すことで、板材Bをプレス成形する。
具体的には、プレス装置5は、ダイ6とパンチ7との相対的な移動によってダイ6の内側にパンチ7を押し込みながら、ダイ6とパンチ7との間で板材Bをプレス成形する。1つのプレス成形品を作るためのプレス成形工程には、パンチ側インナパッド9が板材Bに接し且つパンチ側インナパッドとパンチ7との相対位置を設定位置(初期位置)に固定した状態で、ダイ6とパンチ7を相対的に近づけて、ダイ6とパンチ7とにより板材Bを押す工程(第1プレス工程)が含まれる。また、プレス成形工程には、パンチ側インナパッド9をパンチ7に収納しながら、ダイ6及びパンチ7を相対的に近づけて板材Bをプレス成形する工程(第2プレス工程)が含まれる。プレス成形工程には、さらに、パンチ側インナパッド9をパンチ7に収納した状態で、パンチ7とダイ6で板材Bを挟圧して板材Bをプレス成形する工程(第3プレス工程)が含まれる。
プレス成形品Cの溝型部材は、天板と、天板に隣接する縦壁と、天板と縦壁の間にある稜線を備える。第1プレス工程及び第2プレス工程では、主に縦壁が形成される。第3プレス工程で、主に天板が形成される。
反り量測定装置10は、例えば、板材の側面から光学センサを用いて取得した板材の側面の画像から反り量を測定する構成であってもよい。或いは、反り量測定装置10は、カメラ又はレーザー変位計を用いて、板材の表面、裏面又はそれらの両面の形状を計測することで、板材の反り量を測定する構成であってもよい。板材の表面の形状の測定には、例えば、光切断法、位相シフト法、又は、ステレオマッチング法等を用いることができる。反り量測定装置10は、例えば、板材の表面の基準面からの変位量の最大値を、板材の反り量として測定してもよい。一例として、レーザー変位計で板材の片面側からのアクセスし、光切断法により、一定距離離れた2箇所の部分のある1つの方向における傾斜の角度を計測することができる。この角度を反り量に換算することができる。
反り量測定装置10は、板材の2以上の方向における反り量を測定するように構成される。反り量測定装置10は、例えば、板材の面内の互いに直交する2つの方向について、板材の反り量を測定するよう構成される。例えば、反り量測定装置10は、板材をプレス成形して溝型部材とした場合に溝型部材の稜線となる線の方向、及びその線に垂直な方向のそれぞれについて、板材の反り量を測定するよう構成されてもよい。
コントローラー11は、プレス装置5及び反り量測定装置10と接続される。ここで、コントローラー11とプレス装置5及び反り量測定装置10との接続は、有線であっても無線であってもよい。コントローラー11は、プレス装置5及び反り量測定装置10と通信可能である。なお、コントローラー11は、プレス装置5又は反り量測定装置10に内蔵されてもよいし、これらとは独立した機器であってもよい。
コントローラー11は、例えば、プロセッサ11a及び記憶装置11b(メモリ)を備えるコンピュータで構成することができる。プロセッサ11aが、記憶装置11bに格納されたプログラムを実行することにより、コントローラー11の機能を実現することができる。コントローラー11は、反り量測定装置10で計測された板材(ブランク)Aの反り量に関するデータを用いて、プレス成形における可動金型のダイ又はパンチに対する初期位置(例えば、パンチ側インナパッド9のパンチ7に対する相対位置、すなわちインナパッド9のパンチ7からの出し代)を制御する。具体的には、コントローラー11は、反り量測定装置10で計測された板材(ブランク)Aの反り量に関するデータに基づき、可動金型の初期位置を設定する。
ここで、コントローラー11により設定される可動金型の初期位置は、例えば、パンチ側インナパッド9のパンチ7からの出し代を設定値に固定した状態でダイ6及びパンチ7を相対的に近づけてプレス成形する際(上記第1プレス工程)の上記設定値とすることができる。すなわち、この第1プレス工程における出し代の設定値が、コントローラー11により制御される。
コントローラー11は、例えば、予め記憶装置11bに記録された反り量と可動金型の初期位置との相関関係を示す相関データを用いて、測定された反り量に応じた可動金型の初期位置(パンチ側インナパッドのパンチからの出し代)の制御を決定することができる。相関データは、可動金型の初期位置(例えば、プレス成形時(例えば、第1プレス工程における)のパンチ側インナパッド9のパンチ7からの出し代)と、板材の反り量との対応関係を示すデータである。具体的には、相関データは、測定により得られる板材の反り量を示す値と、プレス成形における可動金型の初期位置を制御する値との相関関係(対応関係)を示すデータであってもよい。相関データのデータ形式は、特に限定されない。相関データは、板材の反り量を示す値と、可動金型の初期位置を制御するための値とを対応付けるデータ(例えば、テーブルデータ、マップデータ等)であってもよい。又は、相関データは、板材の反り量を示す値を用いて、可動金型の初期位置を制御するための値を算出するプロセッサの処理手順を示すデータ(例えば、関数、プログラム又はこれらのパラメータ等)であってもよい。相関データは、例えば、過去に測定された複数の板材(例えば、テストブランク)の反り量とそれらの板材をプレス成形した時の可動金型の初期位置と、プレス成形により得られたプレス成形品の形状とに基づいて、作成することができる。
例えば、コントローラー11は、反り量測定装置10から、測定された板材(ブランク)Aの反り量を示すデータを取得する。コントローラー11は、相関データを用いて、板材(ブランク)Aの反り量を示す値を、可動金型の初期位置を示す制御値に変換する。コントローラー11は、プレス成形時の可動金型の初期位置が、制御値の示す位置になるようにプレス装置5を制御する。
プレス装置5は、例えば、製造ロットに含まれる複数のブランクAを加工した複数の板材Bに対して、プレス成形を繰り返し、複数のプレス成形品を製造する。複数の板材Bそれぞれのプレス成形において、コントローラー11が、可動金型の初期位置を設定してもよい。コントローラー11は、ある1つの板材Bのプレス成形における可動金型の初期位置を設定するのに、その板材Bの元のブランクAの反り量を示すデータを用いる。これにより、ブランクAの反り量に応じた、可動金型の初期位置のフィードフォワード制御が可能になる。なお、反り量測定装置10は、ブランクAの代わりに中間成形品である板材Bの反り量を測定してもよい。この場合、コントローラー11は、中間性製品である板材Bの反り量に応じて可動金型の初期位置を設定する。
(プレス装置及び反り量測定装置の構成例)
図2は、可動金型を有するプレス装置5の構成例を示す斜視図である。図2に示す例では、可動金型は、凹部を有するダイ6と、ダイ6の凹部に対応する凸部を有するパンチ7と、ダイ6及びパンチ7に対して相対的に移動可能なダイ側パッド8及びパンチ側インナパッド9を含む。ダイ側パッド8は、ダイ6の凹部の一部を形成し、ダイ6の凹部に対して、パンチ7側へ突出可能である。パンチ側インナパッド9は、パンチ7の凸部の一部を形成し、パンチ7の凸部に対してダイ6側へ突出可能である。
パンチ7の凸部は、頂部7cと、頂部7cに隣接する側壁7dと、頂部7cと側壁7dの間のパンチ稜線7bを含む。図2に示す例では、パンチ側インナパッド9は複数設けられる。複数のパンチ側インナパッド9は、パンチ稜線7bの延在方向に互いに間隔をあけて配置される。なお、パンチ側インナパッド9は、パンチ7において、パンチ稜線7bの延在方向の全体にわたって設けられてもよい。
ダイ6の凹部は、底部6aと、底部6aに隣接する側壁6bと、凹部の縁であるダイ肩6cを含む。ダイ肩6cは、ダイ稜線を形成する。ダイ稜線の延在方向は、パンチ稜線7bの延在方向と略同じである。ダイ側パッド8は、複数設けられる。複数のダイ側パッド8は、複数のパンチ側インナパッド9に対応する位置にそれぞれ設けられる。複数のダイ側パッド8は、板材の搬送方向に垂直な方向に互いに間隔をあけて配置される。なお、ダイ側パッド8は、ダイ6において、パンチ稜線7bの延在方向の全体にわたって設けられてもよい。
板材Bは、ダイ6とパンチ7の間に搬送される。板材Bの搬送方向Fは、パンチ稜線7b及びダイ肩6cの延在方向に対して略垂直である。板材Bは、ダイ6とパンチ7の間に配置され、ダイ6とパンチ7から押されてプレス成形される。プレス成形により板材Bは、溝型部材となる。プレス成形の工程では、ダイ肩6cが板材Bと摺動しながら、板材Bを押して成形する。また、パンチ稜線7bに板材Bが押し付けられ、板材Bに稜線が形成される。そのため、プレス成形される溝型部材の天板と縦壁の間の稜線の延在方向は、パンチ稜線7bの延在方向に相当する。
反り量測定装置10は、板材(ブランク)Aにおいて、溝型部材の稜線が形成される線の方向とそれに垂直な方向の反り量を測定する。すなわち、板材(ブランク)Aにおいて、プレス成形でパンチ稜線7bが当たる予定の線の方向とそれに垂直な方向の反り量が測定される。
図3Aは、ブランクAの反り量の測定方向と、プレス成形におけるパンチ稜線7bの方向との関係の一例を説明するための図である。図3Aは、ブランクAと、パンチ7を上から見た図である。図3Aでは、ブランクAの面をxy平面とし、xy平面に垂直な方向をz方向としている。x方向とy方向は互いに直交する。図3Aに示す例では、ブランクAの面内の互いに直交する2つの方向すなわち(x方向及びy方向)のそれぞれについて、反り量が測定される。ブランクAは、板材Bに加工される。板材Bにおいて反り量が測定された2つの方向(x方向及びy方向)のうち一方がパンチ稜線7bの延在方向と同じになる状態で、板材Bは、パンチ7とダイ6の間に配置される。これにより、溝型部材の稜線の延在方向の反り量と、溝型部材の稜線に垂直な方向の反り量が測定されることになる。
図3Bは、図3Aにおいて、x方向における板材(ブランク)Aの反り量の測定を説明するための図である。図3Bに示す例では、x方向に並ぶ各点において、板材Aの表面の基準面KMから変位が測定される。例えば、基準面KMの上の変位量の最大値S1と、基準面KMの下の変位量の最大値に基づいて、x方向における反り量を決定することができる。基準面KMは、例えば、反り量測定装置10の測定系において予め設定された面であってもよいし、板材Aの複数の点の測定位置から決定した面であってもよい。このように、1つ方向における板材の反り量を、基準面からの板材の変位の1つの方向における分布によって測定することができる。同様にして、2つ以上の方向における反り量を測定できる。
図3Cは、板材の反り量の測定の他の例を説明するための図である。図3Cに示す例では、板材Aにおいてx方向に特定の距離K1離れた2か所の部分のxz平面における断面の角度を測定する。距離K1は、例えば、約110mmとしてもよい。測定する部分のx方向の長さK2は、例えば、約5mmとしてもよい。反り量の積分値が角度変化になる。角度変化を測定することで、ある特定区間における平均反り量を測定することができる。或いは、他の例として、一定間隔離れた3点のz座標値を測定してもよい。この場合、板材の表面を一様な円弧状の曲線を仮定すると、3点の測定値から平均反り量を求めることができる。なお、反り量の測定方法は、上記例に限られない。
(プレス成形の例)
図4A〜図4Dは、プレス成形の例を示す図である。ここでは、一例として、図1及び図2に示すプレス装置5によるプレス成形例を説明する。図4A〜図4Dに示す例では、ダイ側パッド8は、ダイ6の内側に配置されて、板材の加圧方向に移動可能である。ここで、板材の加圧方向は、ダイ6のパンチ7に対する相対移動の方向とする。パンチ側インナパッド9は、パンチ7の加圧面7aよりも外側に突出された状態で配置可能であり、且つ、パンチ7の加圧面7aと同一の高さまで押し込み可能である。なお、パンチ7の頂部7cの上面(頂面)が加圧面7aである。
パンチ側インナパッド9は、例えば、ガススプリング9sやプレス機のクッション機構などの昇降機構を介してパンチ7に対して上下方向(加圧方向)に移動可能とされている。ダイ側パッド8は、例えば、ガススプリング8sなどの昇降機構を介してプレス装置のスライド6dに設置される。スライド6dには、ダイ6が固定されている。ダイ側パッド8は、上下方向に、スライド6dとともに移動可能である。ガススプリング8sによってダイ側パッド8とスライド6dと距離が伸縮可能とされている。ダイ6の凹部の底部6aには、ダイ側パッド8がおさまる凹部が設けられている。パンチ側インナパッド9は、パンチ7の加圧面7aに形成された凹部の内側に配置されている。また、パンチ側インナパッド9は、この凹部の内側に配置されたガススプリング9sにより上方に向かって付勢されている。このガススプリング9sの付勢により、パンチ側インナパッド9の上面がパンチ7の加圧面7aよりも外側に突出された状態となっている。ガススプリング9sの伸び縮みにより、パンチ7とパンチ側インナパッド9との距離が変化する。
ダイ側パッド8及びパンチ側インナパッド9は、板材Bに押し当てられた状態で、ダイ6又はパンチ7に対して相対移動可能である。例えば、ダイ側パッド8及びパンチ側インナパッド9が、板材Bを挟んだ状態で静止する間に、ダイ6をパンチ7に近づけることができる。スライド6dすなわちダイ6がパンチ7に近づくように移動する間、板材Bを挟んだダイ側パッド8及びパンチ側インナパッド9が静止する際には、ダイ側パッド8のガススプリング8s(昇降機構)が縮む。ダイ6がパンチ7に近づくよう移動する間に、ダイ側パッド8がパンチ7に近づくよう移動する際には、ダイ側パッド8のガススプリング8s(昇降機構)は、伸び縮みをしない。
プレス装置5は、パンチ7の加圧面7aよりもパンチ側インナパッド9が外側に突出された状態で、パンチ側インナパッド9とダイ側パッド8を板材Bに押し当てながら、ダイ6とパンチ7とを相対的に近づけて板材Bをプレス成形する。成形下死点において、パンチ側インナパッド9がパンチ7の加圧面7aと同一の高さとなるまで板材Bをプレス成形する。成形下死点では、パンチ側インナパッド9がパンチ7に収納され、且つダイ側パッド8がダイ6に収納された状態で、パンチ7とダイ6に板材Bが挟まれる。
具体例として、先ず、図4Aに示すように、パンチ7の加圧面7aよりもパンチ側インナパッド9が外側に突出された状態で、ダイ側パッド8を板材Bに押し当てながら、ダイ6及びダイ側パッド8を下降させることによって、ダイ6とパンチ7との間で板材Bをプレス成形する。このとき、パンチ側インナパッド9のパンチ7からの出し代すなわちパンチ7の加圧面7aに対するパンチ側インナパッド9の上面の高さ(突出し量)Hは設定値に固定される。突出し量Hは、プレス成形前に測定された、板材Bを加工する前のブランクAの反り量に基づいて設定される。成形される板材Bには、パンチ7からのパンチ側インナパッド9の出し代(突出し量)Hに応じて、板材BにたるみBaが生じる。そして、この状態からさらに、図4Bに示すように、板材BのたるみBaを所定量に制御しながら、ダイ6を下降させることによってプレス成形を継続する。図4Cに示すように、成形下死点の手前H(成形下死点から距離Hの位置)まで、ダイ6を下降させる。この時、ダイ側パッド8の加圧機構が縮みながらダイ6が下降する。
図4A〜図4Cに示す工程では、パンチ側インナパッド9からのパンチ7の出し代すなわち突出し量Hが設定値(初期位置を示す値)に固定された状態で、ダイ6とパンチ7を相対的に近づける。図4Cに示す段階、すなわちダイ側パッド8がダイ6に対して底付きされることで完全に収納された段階(成形下死点から突出し量Hだけ手前の段階)から、パンチ側インナパッド9の上面とパンチ7の加圧面7aとの距離が縮み始める。図4Cの段階から図4Dの段階に至るまでの間に、パンチ側インナパッド9に対するパンチ7の相対位置が変化する。図4Dに示すように、パンチ側インナパッド9の上面が、パンチ7の加圧面7aと同一の高さとなるまで板材Bをプレス成形する。このとき、板材Bに形成されたたるみBaが、面内圧縮応力を受けながら、パンチ7およびダイ6間の縦壁部に向かって流出される。これにより、ハット形断面形状のプレス成形品を得ることができる。
図4A〜図4Dに示す例では、板材Bに形成されたたるみBaを押し潰しながら縦壁部に向かって流出させることにより、内向き、すなわちスプリングゴーに寄与する曲げ領域が拡大する。これにより、プレス成形される被加工材のスプリングバックとスプリングゴーとをバランスさせることができる。その結果、縦壁の形状不良を少なくすることができる。
また、図4Aから図4Dに至るプレス成形の過程では、ダイ側パッド8とパンチ側インナパッド9の間に挟まれた板材Bの外側の部分Bbは、ダイ6及びパンチ7と摺動しながらプレスされる。このプレス成形でダイ6又はパンチ7と摺動する板材の部分Bbの反りが、プレス成形品の形状に影響を与えやすいことがわかっている。そのため、ダイ6のダイ肩6cと板材Bとの摺動距離がが、板材Bの板厚の25倍以上の場合に、反り量に基づく出し代Hの制御による効果がより大きくなる。
上記例では、1つの板材Bに対するプレス成形において、パンチ側インナパッド9のパンチ7からの出し代を固定した状態(プレス初期設定の状態)で、ダイ6をパンチ7に対して相対的に近づけて板材Bをプレス成形する工程と、パンチ側インナパッド9のパンチ7からの出し代を変化させてダイ6をパンチ7に対して相対的に近づけて板材Bをプレス成形する工程が含まれる。プレス初期設定におけるパンチ側インナパッド9のパンチ7からの出し代、すなわちパンチ側インナパッド9の突出し量Hは、コントローラー11によって制御される。突出し量Hは、可動金型の初期位置を示す値の一例である。
コントローラー11は、測定された板材(ブランク)Aの反り量に基づいて、パンチ側インナパッド9の突出し量Hを決定する。図3Aに示す例では、プレス成形品の溝型部材の稜線の延在方向、すなわち、パンチ稜線7bの延在方向とこれに垂直な方向において板材(ブランク)Aの反り量が測定される。これにより、プレス成形品の形状に影響を与えやすい方向の板材(ブランク)Aの反り量に応じて、パンチ側インナパッド9の突出し量Hを制御することができる。
なお、可動金型を用いたプレス成形は、上記例に限られない。例えば、プレス装置において、ダイ側パッド8を省略することもできる。また、上記例は、予め曲げ成形された中間素材の板材Bをプレス成形する例であるが、プレス装置は、曲げ成形されていない平板すなわちブランクAをプレス成形するものであってもよい。
一般的に、曲げ成形では、ダイ側パッドが、板材のパンチ側インナパッドに対する位置ずれ防止のために設定されることが多い。言い換えると、位置ずれしにくい形状では、ダイ側パッドが省略できる場合もある。図4A〜図4Dに示した成形例においても、ダイ側パッド8を省略できる場合がある。図4A〜図4Dに示した成形例において、ダイ側パッド8を省略する場合、成形初期から図4Cに示す段階に至るまで、ダイ側パッド8に相当する部位は、ダイ6の凹み部に収納された状態でダイと一体となった状態となる。成形初期段階から図4Cに示す段階まで、板材Bの断面幅方向の中央部は、ダイ側パッド8がある場合と同様に、パンチ側インナパッド9によって下側から持ち上げられた状態で、プレス成形が進む。図4Cに示す段階の後、パンチ側インナパッド9はダイ6によって下向きに押し込まれることによって下降し、図4Dと同様にプレス成形が完了する。
(プレス成形品の例)
図5は、プレス成形品の一例を示す断面図である。図5に示すプレス成形品12は、例えば、図4A〜図4Dに示すプレス成形により得られる。プレス成形品12は、溝型部材の一例である。プレス成形品12は、断面がハット形状である。プレス成形品12は、図5に示す断面に垂直な方向を長手方向とする長尺部材である。プレス成形品12の幅方向に延在する天板12Aと、天板12Aの幅方向両端に隣接する一対の稜線12Bとを含む。また、プレス成形品12は、稜線12Bから天板12Aの裏面側(板厚方向一方側)へ延出した一対の縦壁12Cと、一対の縦壁12Cの先端(下端)に隣接する一対の稜線12Dとを含む。さらに、プレス成形品12は、一対の稜線12Dから天板12Aの幅方向両側へそれぞれ延出した一対のフランジ12Eを含む。天板12Aと縦壁12Cのなす角度θ2は、90deg. の場合に限られない。角度θ2は、90〜125deg.が例示できる。この範囲の強加工では、特に、スプリングバック等の課題が顕在化するため、上記の反り量に基づく出し代の制御が有効になる。角度θ2が90deg.未満の鋭角だとプレス成形品を金型から取り外すのに支障をきたす場合がある。
プレス成形品12において、例えば、天板12Aとフランジ12Eとのなす角度θ1が測定されてもよい。この例においては、天板12Aとフランジ12Eのなす各θ1が、所望の形状を示す所定の基準値θc、この場合0deg. より大きい場合(θ1>θc=0deg. )はスプリングバックとなり、θ1が基準値θcより小さい場合(θ1<θc=0deg. )は、スプリングゴーとなる。なお、スプリングバック又はスプリングゴーの度合いを示す値は、上記例の角度θ1に限られない。例えば、天板12Aとフランジ12Eのなす角度θ2、又は、フランジ12Eの底面の垂直方向の高低差T1等を、スプリングバック又はスプリングゴーの度合いを示す値として、測定してもよい。
(動作例)
図6は、本実施形態におけるコントローラー11の動作例を示すフロー図である。図6に示す例では、まず、コントローラー11は、プレス条件を初期設定する(S1)。プレス条件には、例えば、可動金型のダイ又はパンチに対する初期位置(一例として、パンチ側インナパッド9のパンチからの出し代)が含まれる。可動金型の初期位置の一例として、上記のパンチ側インナパッド9の突出し量Hの初期値が設定される。なお、プレス条件は、可動金型の初期位置に限られない。
コントローラー11は、予め求めておいた相関データを取得する(S2)。例えば、コントローラー11は、フィードフォワード処理に用いる相関データを決定し、アクセス可能な状態とする。例えば、コントローラー11のコンピュータがアクセス可能な記録媒体(コントローラー11に内蔵又は外部の記憶装置)に予め記録されたデータの中から、処理に用いる相関データを抽出し、メモリ(記憶装置11b)に格納する。相関データは、プレス成形前に予め作成され、コントローラー11がアクセス可能な記憶媒体に記録される。
図6のS3において、反り量測定装置10は、次にプレス装置5へ搬送される板材Bの反り量の測定結果を取得する。コントローラー11は、反り量測定装置10から板材の反り量の測定結果を取得する。一例として、図1及び図2に示すように、プレス装置5の上流において、板材(ブランク)Aの反り量が測定される。板材(ブランク)Aの反り量を示すデータは、例えば、コントローラー11がアクセス可能な記憶装置に格納される。コントローラー11は、次にプレス装置5へ搬送される板材Bの元となった板材(ブランク)Aの反り量を示すデータを、記憶装置から取得する。
コントローラー11は、S3で取得された反り量に基づいて、可動金型の初期位置、例えば、パンチ側インナパッド9のパンチに対する出し代(突出し量H)を設定する(S4)。コントローラー11はプレス装置5を制御して、パンチ側インナパッド9のパンチ7に対する突出し量Hが、反り量に基づき設定された値になるよう制御する。コントローラー11は、突出し量Hを制御しながら、プレス成形を実行する(S5)。S5では、S3で反り量が取得されたブランクAを加工した板材Bに対して、S4で設定されたパンチ側インナパッド9の出し代(突出し量H)でプレス成形が実行される。
図6のS3〜S5の処理は、1つの製造ロットに含まれる複数の板材について繰り返される。これにより、1つの製造ロットのプレス成形のそれぞれにおいて、板材の反り量に基づくフィードフォワード制御が可能になる。
ここで、相関データの一例について説明する。図7に示すグラフは、パンチ側インナパッド9の突出し量Hと、スプリングバック/スプリングゴーとの関係を示している。グラフの縦軸の角度差は、図5に示すプレス成形品12の天板12Aとフランジ12Eのなす角θ1と基準値θc、この場合0deg.との差(θ1−θc(ここではθc=0deg.) )を示す。基準値θcは、スプリングバック及びスプリングゴーがない場合の天板とフランジ12Eのなす角度とする。角度差がプラスの場合スプリングバックであり、角度差がマイナスの場合スプリングゴーである。図7に示すグラフに示す関係において、パンチ側インナパッドの突出し量の適正値Haは、角度差が0になるときの突出し量となる。
図8は、適正突出し量とブランクの一方向における反り量との関係の一例を示すグラフである。図8に示すグラフの縦軸は、角度差(θ1−θc)が0になる時の、すなわち、スプリングバッグ及びスプリングゴーがない場合のパンチ側インナパッドの突出し量を示す。横軸は、ブランクの幅方向の反り量を示す。ここで、ブランクの幅方向は、溝型部材の稜線に垂直な方向、及びパンチ稜線に垂直な方向に相当する方向である。図8に示すように、ブランクの幅方向の反り量と、パンチ側インナパッドの適正突出し量は互いに相関していることが発明者によって見いだされている。
図9は、適正突出し量とブランクの他の方向における反り量との関係の一例を示すグラフである。図9に示すグラフの縦軸は、角度差(θ1−θc)が0になる時の、すなわち、スプリングバッグ及びスプリングゴーがない場合のパンチ側インナパッドの突出し量を示す。横軸は、ブランクの長手方向の反り量を示す。ここで、ブランクの長手方向は、溝型部材の稜線の延在方向、及びパンチ稜線の延在方向に相当する方向である。図9に示すように、ブランクの長手方向の反り量と、パンチ側インナパッドの適正突出し量は互いに相関していることが発明者によって見いだされている。
一例として、ブランクの幅方向の反り量SW1と、長手方向の反り量SL1の両方が取得できた場合の突出し量の制御例を説明する。この場合、図8のグラフから得られる幅方向の反り量SW1に対する適正突出し量HW1と、図9のグラフから得られる長手方向の反り量SL1に対する適正突出し量HL1との和(HW1+HL1)から、長手方向と幅方向ともに反り量が無い場合の適正突出し量Haoを差し引いた値を、突出し量Hとして算出することができる。コントローラー11は、パンチ側インナパッド9のパンチ7からの出し代すなわち突出し量Hの設定値が(HW1+HL1−Hao)となるように、プレス装置5を制御する。この場合、例えば、図8及び図9に示すグラフの線を表す式又はグラフにおける各プロットを示すデータを相関データとする。
このように、相関データは、板材の幅方向の反り量、及び板材の長手方向の反り量と、パンチ側インナパッドの出し代の適正値との関係を示すデータを含んでもよい。コントローラー11は、このような相関データを用いることで、測定された板材の幅方向及び長手方向の反り量に基づいて適正な突出し量を決めることができる。これにより、プレス成形品に影響を与えやすい方向の板材の反り量に基づいてより適切に出し代を制御することができる。
(板材の材料の例)
本発明を適用可能な板材の材料は特に限定されない。板材の材料としては、例えば、980MPa級高強度鋼板(ハイテン:High Tensile Strength Steel Sheets)の薄板を用いてもよい。近年、プレス成形品の軽量化のため、プレス成形品の高強度化が進んでいる。それに合わせ、プレス成形品の素材の高強度化も進んでいる。素材が高強度化すると所望の形状にプレス成形するのが困難になる。例えば、スプリングパックは一般に素材が高強度化するほど大きくなる傾向にある。上記実施形態によれば、980MPa以上の引張強さを有する板材を用いた場合であっても、複数のプレス成形品の形状の狙い形状からのずれ及びばらつきを小さくできる。
また、一般的には、例えば引張強さが270MPa級の鋼板と、1.2GPa級の鋼板とでは、反り量のばらつきは通常1.2GPa級の鋼板の方が大きい傾向にある。反り量のばらつきが大きければ、金型形状を調整し、製造ロットの最初にプレス成形したプレス成形品の形状が所望の形状であったとしても、製造ロット内で後にプレス成形するプレス成形品も狙い形状にならない可能性が高くなる。上記実施形態によれば、素材の特性のばらつきが低強度の鋼板にくらべると比較的大きい980MPa以上の引張強さを有する板材を用いた場合であっても、反り量に基づくインナパッドのパンチからの出し代のフィードフォワード制御によって、複数のプレス成形品の形状のばらつきを小さくできる。
(実施例)
図10は、パンチ側インナパッド9の突出し量Hを、反り量に基づいてフィードフォワード制御した場合のフランジの位置精度を測定した結果を示すヒストグラムである。図11は、パンチ側インナパッド9の突出し量Hを、フィードフォワード制御しなかった場合のフランジの位置精度を測定した結果を示すヒストグラムである。図10及び図11において、上から1段目のヒストグラムは、1テストロットに含まれるブランクの幅方向の反り量の分布を示す。ブランクの幅方向の反りは、約−0.0004〜0.0006mm−1の範囲内で、プレス成形のショット毎にランダムに変化している。上から2段目のヒストグラムは、1テストロットに含まれるブランクの長手方向の反り量の分布を示す。ブランクの長手方向の反りは、約−0.0004〜0.0004mm−1の範囲内で、プレス成形のショット毎にランダムに変化している。上から3段目のヒストグラムは、1テストロットに含まれるにおけるフランジ位置精度の分布を示す。フランジ位置精度は、フランジの高低差(図5に示すT1に相当)である。フランジ位置精度は、目標とする基準位置を0.0としている。ブランクの材料は、引張強さが1180MPaの鋼板を用いた。
図10に示す結果では、ブランクの幅方向の反りの標準偏差は、0.00023mm−1であり、ブランクの長手方向の反りの標準偏差は、0.00018mm−1であり、フランジ位置精度の標準偏差は、0.12mmであった。
図11に示す結果では、ブランクの幅方向の反りの標準偏差は、0.00024mm−1であり、ブランクの長手方向の反りの標準偏差は、0.00016mm−1であり、フランジ位置精度の標準偏差は、0.36mmであった。
これらの結果から、ブランクの反り量に基づいてパンチ側インナパッド9のパンチ7からの出し代(突出し量)Hを制御するフィードフォワード制御をすることで、プレス成形品の形状の狙い形状からのずれ及びばらつきが抑えられることがわかった。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、上述した実施形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
例えば、上記実施形態では、反り量に基づいて初期位置を制御する可動金型が、パンチのインナパッドであるが、ダイに設けられたダイ側パッドのダイに対する初期位置が反り量に基づいて制御されてもよい。
上記実施形態では、反り量を取得する反り量取得装置が、反り量測定装置である。反り量取得装置は、プレス対象の複数の板材Bのそれぞれの反り量を示すデータを取得する装置であってもよい。例えば、反り量測定装置が遠隔地にある場合に、反り量取得装置が、反り量測定装置、又は他の通信機器から反り量を示すデータを受信する構成であってもよい。なお、反り量取得装置は、コントローラーに含まれてもよい。すなわち、コントローラーが、外部の装置から反り量を取得する構成であってもよい。個々の板材の反り量を示すデータは、反り量の実測値のデータであることが好ましいが、反り量を示すデータは、実測値のデータに限られない。
4:搬送装置
5:プレス装置
6:ダイ
7:パンチ
8:ダイ側パッド
9:パンチ側インナパッド(インナパッド)
10:反り量測定装置
11:コントローラー
12:プレス成形品

Claims (11)

  1. 1又は複数のプレス対象の板材の反り量を、板材ごとに個別に取得すること、
    ダイと、パンチと、前記ダイ及び前記パンチの両方に対して相対位置を変更可能な可動金型により前記板材をプレス成形品にプレス成形することを、含み、
    前記プレス成形では、前記板材の反り量に基づき、前記可動金型の前記ダイ又は前記パンチに対する初期位置を制御する、プレス成形品の製造方法。
  2. 前記プレス成形は、複数の板材を連続してプレス成形することを含み、
    連続する複数のプレス成形の少なくとも1回において、前記板材の反り量に基づき、前記可動金型の前記ダイ又は前記パンチに対する初期位置を制御する、請求項1に記載のプレス成形品の製造方法。
  3. 前記プレス成形品は、天板と、前記天板の両端から延びる縦壁と、前記天板と前記縦壁の間にある稜線とを備えた溝型部材であり、
    前記可動金型は、前記パンチの頂部に設けられたインナパッドを含み、
    前記板材を、ダイと、頂部にインナパッドを備えたパンチとの間に配置すること、
    前記インナパッドの前記パンチに対する初期位置を、取得した前記反り量に基づいて設定すること、
    前記インナパッドの前記パンチに対する初期位置が設定された状態で、前記ダイと前記パンチを相対的に近づけて、前記ダイのダイ肩が前記板材を摺動しながら前記縦壁を成形すること、
    前記インナパッドを収納した前記パンチの頂部と前記ダイとで前記板材を挟圧して前記天板を成形すること、
    を含む、請求項1又は2に記載のプレス成形品の製造方法。
  4. 前記板材の反り量として、前記稜線の延在方向の第1反り量と、前記稜線に垂直な方向の第2反り量とを測定する、請求項3に記載のプレス成形品の製造方法。
  5. 板材の反り量と、前記可動金型の前記ダイ又は前記パンチに対する初期位置との相関関係を示す相関データを取得すること、及び、
    前記相関データを用いて、測定した前記板材の前記反り量に対応する前記可動金型の初期位置を設定することを、さらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプレス成形品の製造方法。
  6. 前記ダイのダイ肩が、前記板材の板厚の25倍以上の長さにわたって前記板材を摺動しながら前記縦壁を成形する、請求項3又は4に記載のプレス成形品の製造方法。
  7. 1又は複数のプレス対象の板材の反り量を、板材ごとに個別に取得する反り量取得装置と、
    ダイとパンチと前記パンチ及び前記ダイの両方に対して相対移動可能な可動金型を備えたプレス装置と、
    前記プレス装置を制御するコントローラーとを備え、
    前記コントローラーは、前記プレス装置の前記ダイ、前記パンチ及び前記可動金型による前記板材のプレス成形において、前記反り量取得装置が取得した前記板材の反り量に基づき、前記可動金型の前記ダイ又は前記パンチに対する初期位置を制御する、プレスライン。
  8. 前記反り量取得部は、前記板材の反り量を測定する反り量測定装置である、請求項7に記載のプレスライン。
  9. 前記パンチは、頂部と側壁と、前記頂部と前記側壁の間にあるパンチ稜線とを有し、
    前記反り量測定装置の反り測定方向は、前記パンチ稜線に平行な方向と、前記パンチ稜線に垂直な方向を含む、請求項8に記載のプレスライン。
  10. 前記パンチの側壁の高さは、前記パンチと前記ダイの間の最小ギャップの25倍以上である、請求項7〜9のいずれか1項に記載のプレスライン。
  11. 前記コントローラーは、板材の反り量と、前記可動金型の前記ダイ又は前記パンチに対する初期位置との相関関係を示す相関データを格納した記憶装置にアクセス可能である、請求項7〜10のいずれか1項に記載のプレスライン。
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