JPWO2020148858A1 - 空気調和機 - Google Patents

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Abstract

空気調和機は、冷媒と空気とが熱交換する熱交換器と、熱交換器の下方に設置されたドレンパンと、ドレンパンから上に延び、ドレンパンに溜まったドレン水を排出するドレン配管と、ドレン配管を介してドレン水をドレンパンから排出するポンプと、ドレンパンよりも上にドレン配管に接して設置され、抗菌剤を保持する抗菌剤添加装置とを有するものである。

Description

本発明は、ドレン水を排出する機構を備えた空気調和機に関する。
従来、空気調和機が冷房運転を行う場合に、室内の熱交換器の表面の結露によって凝縮水が発生することがある。凝縮水は、ドレン水としてドレンパンに溜まる。ドレン水には、塩素などの殺菌成分が含まれていないため、雑菌などが繁殖しやすい。そのため、雑菌が発生すると、雑菌およびその死骸が、ドレン水を排出するポンプを詰まらせることがある。また、雑菌が発生したドレン水から腐敗臭が室内に流入することで、異臭の原因になることもある。ドレン水に雑菌類を繁殖しにくくするために、抗菌剤が使用されることがある。
従来の空気調和機の一例として、抗菌作用のある樹脂成形体がドレンパンの最深部に嵌め込まれて設置された空気調和機が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、抗菌剤を収納するカードリッジがドレン接続口に設けられた空気調和機が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−57860号公報 特開2011−242031号公報
特許文献1に開示された空気調和機では、ドレン水の発生量とは関係なく、ドレンパン内にドレン水が残っていると、抗菌剤はドレン水に溶出し続けてしまう。また、特許文献2に開示された空気調和機では、ドレン接続口にドレン水が残ってしまうと、飽和濃度に達するまで抗菌剤が残ったドレン水に溶出してしまう。また、特許文献1および2の空気調和機では、運転の停止中でも、残ったドレン水に抗菌剤が溶出する。そのため、抗菌効果のある薬剤の濃度が必要以上に高くなり、抗菌剤の利用効率が悪くなり、短期間で抗菌剤の追加が必要となる。その結果、抗菌剤のメンテナンス頻度およびランニングコストが高くなってしまう。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、発生するドレン水の量に応じて、抗菌剤の添加量が自動的に調整される空気調和機を提供するものである。
本発明に係る空気調和機は、冷媒と空気とが熱交換する熱交換器と、前記熱交換器の下方に設置されたドレンパンと、前記ドレンパンから上に延び、前記ドレンパンに溜まったドレン水を排出するドレン配管と、前記ドレン配管を介して前記ドレン水を前記ドレンパンから排出するポンプと、前記ドレンパンよりも上に前記ドレン配管に接して設置され、抗菌剤を保持する抗菌剤添加装置と、を有するものである。
本発明によれば、ドレン配管をドレン水が流通することで、ドレン配管のうち、抗菌剤よりも上の部分でドレン水の冷熱により凝縮水が生成される。生成された凝縮水は、ドレン配管の表面に沿って抗菌剤に流れ込み、抗菌剤を溶出してドレンパンに滴下する。そのため、ドレン水の発生量に比例して抗菌剤の溶媒発生量が自動的に調整され、ドレン水への抗菌剤の無駄な溶出を抑制することができる。
本発明の実施の形態1に係る空気調和機の一構成例を示す冷媒回路図である。 図1に示した室内機におけるドレン排水機構の一例を示す外観側面図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調和機のドレン排水動作を説明するための要部拡大図である。 変形例1に係る空気調和機の一構成例を示す図である。 変形例2に係る空気調和機の一構成例を示す図である。 変形例3に係る空気調和機の一構成例を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る空気調和機において、図1に示した室内機のドレン排水機構の一例を示す外観側面図である。 本発明の実施の形態2に係る空気調和機のドレン排水動作を説明するための要部拡大図である。
実施の形態1.
本実施の形態1の空気調和機の構成を説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る空気調和機の一構成例を示す冷媒回路図である。図1に示すように、空気調和機100は、室内機20および室外機30を有する。室外機30は、圧縮機31と、流路切替装置32と、熱源側熱交換器33と、絞り装置34と、熱源側送風機35とを有する。室内機20は、熱交換器1と、送風機2と、コントローラ21とを有する。圧縮機31、熱源側熱交換器33、絞り装置34および熱交換器1が冷媒配管25で接続され、冷媒が循環する冷媒回路40が構成される。
圧縮機31は、冷媒回路40を循環する冷媒を圧縮して吐出する。流路切替装置32は、暖房運転および冷房運転の運転モードにしたがって、冷媒の流れを切り替える。流路切替装置32は、例えば、四方弁である。熱源側熱交換器33は、暖房運転時には蒸発器として機能し、冷房運転時には凝縮器として機能する。熱交換器1は、暖房運転時には凝縮器として機能し、冷房運転時には蒸発器として機能する。熱源側熱交換器33および熱交換器1は、例えば、フィンコイル型熱交換器である。
絞り装置34は、熱交換器1または熱源側熱交換器33から流入する冷媒を膨張させて減圧する。絞り装置34は、例えば、冷媒の流量を調整できる電動膨張弁である。熱源側送風機35は、外気を熱源側熱交換器33に供給する。熱源側送風機35は、例えば、プロペラファンである。送風機2は、空調対象空間となる室内の空気を吸い込んで熱交換器1に供給する。また、送風機2は、室内から吸い込んだ空気が熱交換器1において冷媒と熱交換した後の空気を室内に戻す。送風機2は、例えば、シロッコファンである。
コントローラ21は、例えば、マイクロコンピュータである。コントローラ21は、圧縮機31、流路切替装置32、絞り装置34および送風機2と信号線で接続されている。また、コントローラ21は、図に示さない複数のセンサと接続されている。複数のセンサは、例えば、室温を検出する温度センサおよび外気温度を検出する温度センサである。コントローラ21は、空気調和機100の運転モードおよび複数のセンサの検出値にしたがって、冷媒回路40を循環する冷媒の冷凍サイクルを制御する。図1は、コントローラ21が室内機20に設けられている場合を示しているが、コントローラ21の設置場所は室内機20に限らず、室外機30であってもよい。
ここで、図1に示した冷媒回路40において、空気調和機100が冷房運転を行う場合の冷媒の流れを説明する。暖房運転の場合の冷媒の流れは、冷房運転の場合に冷媒が冷媒回路40を流れる方向と逆方向になると考えればよいので、その説明を省略する。
圧縮機31は、低温かつ低圧のガス冷媒を圧縮して、高温かつ高圧のガス冷媒を吐出する。圧縮機31から吐出されたガス冷媒は、流路切替装置32を経由して、熱源側熱交換器33に流入する。熱源側熱交換器33において、冷媒は、空気と熱交換することで凝縮し、低温かつ高圧の液冷媒となって熱源側熱交換器33から流出する。液冷媒は、絞り装置34によって低温かつ低圧の液冷媒になった後、熱交換器1に流入する。熱交換器1に流入した冷媒は、熱交換器1において、空気と熱交換することで蒸発し、低温かつ低圧のガス冷媒となる。冷媒が、熱交換器1において室内の空気から吸熱することで、室内の空気が冷却される。熱交換器1を流通した冷媒は、流路切替装置32を介して圧縮機31に吸入される。
次に、図1に示した室内機20に設けられたドレン排水機構の構成を説明する。図2は、図1に示した室内機におけるドレン排水機構の一例を示す外観側面図である。以下の説明で参照する図の一部には、図2に示すように、説明のために、X軸、Y軸およびZ軸の3軸の各方向を矢印で示す。
図1に示した室内機20は、熱交換器1および送風機2の他に、図2に示すドレン排水機構15を有する。ドレン排水機構15は、熱交換器1の下方に設置されたドレンパン3と、ドレン配管5と、ドレン配管5を介してドレンパン3に溜まったドレン水を排出するポンプ4と、抗菌剤61を保持する抗菌剤添加装置6とを有する。抗菌剤61は、水等の液体に対して雑菌などの繁殖を抑制する役目を果たすものである。抗菌剤61は、例えば、抗菌作用のある物質を含む固体であり、液体を溶媒として溶解する材料で構成される。ドレンパン3には、ドレン水の水位を検知する水位センサが設けられていてもよい。
図2に示すように、ドレン配管5は、ドレンパン3より上方に延びるように設置されている。ドレン配管5は、ポンプ4から重力方向(Z軸矢印の反対方向)と平行に上方に延び、折れ曲がって90度方向を変え、図2のX軸矢印方向に延びている。ドレンパン3において、ドレンパン3に溜まるドレン水の最上位の水位をHmaxとすると、図2に示すように、抗菌剤61は最上位の水位Hmaxよりも高い位置にある。
抗菌剤添加装置6は、抗菌剤61と、抗菌剤61をドレン配管5に保持する固定具62と、空気中の水蒸気を凝縮して凝縮水を生成する凝縮部63とを有する。固定具62は、例えば、ゴム等の弾性材で構成されるバンドであり、抗菌剤61をドレン配管5に押しつけるように保持する。抗菌剤61は水に溶解するため、抗菌剤61が減ると抗菌剤61のサイズが小さくなるが、固定具62の弾性力によって抗菌剤61はドレン配管5に押しつけられ、ドレン配管5に保持される。
凝縮部63は、ドレン配管5を流通またはドレン配管5に溜まるドレン水の冷熱により空気中の水蒸気を表面に結露させる放熱板63aと、放熱板63aの表面に生じた凝縮水を抗菌剤61に導く誘導板63bとを有する。誘導板63bは、ドレン配管5を流通またはドレン配管5に溜まるドレン水の冷熱により空気中の水蒸気を表面に結露させる役目も果たす。放熱板63aは、ドレン配管5に対して垂直方向(径方向)に延び、直方体状の板である。誘導板63bは、ドレン配管5に沿った方向(軸方向)に延び、ドレン配管5の曲面に沿った形状である。図2に示す構成では、固定具62が抗菌剤61、誘導板63bおよびドレン配管5を抱き込むようにして、抗菌剤61および凝縮部63をドレン配管5に固定している。凝縮部63のドレン配管5への固定手段は、固定具62に限らない。
凝縮部63の材料は、合成樹脂に比べて熱伝導率の高い材料であり、例えば、アルミニウムおよび銅等の金属である。ドレン配管5の材料は、例えば、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂であるが、ドレン配管5が凝縮部63と接触する部分がアルミニウムおよび銅等の金属であってもよい。この場合、ドレン配管5を流通またはドレン配管5に溜まるドレン水の冷熱がより凝縮部63に伝導しやすくなる。ただし、抗菌剤61が塩素等の金属腐食物質を含む場合、ドレン配管5の全てが、合成樹脂などの、金属でない材料であることが望ましい。
図2に示す構成において、送風機2は、室内から吸い込んだ空気をY軸矢印方向と反対方向に送り出す。抗菌剤添加装置6およびドレン配管5を含むドレン排水機構15は熱交換器1よりも空気流の上流側、つまり熱交換器1の一次側に配置されている。そのため、凝縮部63およびドレン配管5は送風機2から供給される空気によって、より冷却されやすい。
なお、図2に示す構成例では、凝縮部63が誘導板63bを有する場合を示しているが、誘導板63bが設けられていなくてもよい。図2に示す構成では、ドレン配管5が重力方向に平行で、かつ抗菌剤61が放熱板63aの下方にあるので、誘導板63bが設けられていなくても、放熱板63aで生じた凝縮水がドレン配管5の表面に沿って流れ、抗菌剤61に流れ込むからである。また、図2に示す構成では、ドレン配管5の表面に沿って流れる凝縮水は、直接に抗菌剤61に流れ込まなくても、固定具62に到達すれば、固定具62に沿って抗菌剤61に流れ込む。
次に、本実施の形態1の空気調和機100におけるドレン排水動作について説明する。図3は、本発明の実施の形態1に係る空気調和機のドレン排水動作を説明するための要部拡大図である。ここでは、図2に示したドレンパン3に図に示さない水位センサが設けられ、水位センサの検出値が図1に示したコントローラ21に入力される場合で説明する。
空気調和機100が冷房運転を行う際、蒸発器として機能する熱交換器1の表面が露点温度以下になると、熱交換器1の表面に凝縮水が発生する。凝縮水は、熱交換器1からドレンパン3の上に落ち、ドレンパン3内に溜まる。コントローラ21は、水位センサから入力される検出値から、ドレンパン3に溜まるドレン水の水位が決められた第1閾値以上になったと判定すると、ポンプ4を起動させる。ポンプ4が動作を開始すると、ドレン水は、ポンプ4からドレン配管5を通って室内機20の外へ排出される。コントローラ21は、水位センサから入力される検出値が決められた第2閾値以下になったと判定すると、ポンプ4を停止する。または、コントローラ21は、閾値を用いた判定を行わずに、ポンプ4を起動してから、決められた時間が経過した後にポンプ4を停止してもよい。
熱交換器1の表面で結露することでドレンパン3に溜まったドレン水の温度は、室温に比べて低い温度である。例えば、室内の温度が20℃、相対湿度が50%である場合、露点温度は9.6℃である。ドレン水の温度は、露点温度よりも高いが、露点温度に近い。そのため、ドレン配管5を流通するドレン水の冷熱が凝縮部63を介して凝縮部63の近傍の空気中の水蒸気を冷却する。その結果、放熱板63aおよび誘導板63bの表面で水蒸気が結露し、凝縮部63の表面に凝縮水が生じる。この作用は、ポンプ4の停止後にドレン配管5の重力方向と平行な部分に溜まったドレン水の温度が室温に到達するまでの間にも生じる。
凝縮部63の表面に生じた凝縮水は、図3に示すように、ドレン配管5および固定具62に沿って抗菌剤61に流れ込む。凝縮水は溶媒として抗菌剤61を溶解し、抗菌剤61が溶けた凝縮水がドレンパン3に滴下される。ドレンパン3に滴下された凝縮水は、抗菌剤61が溶解しているため、ドレンパン3に溜まる水に抗菌作用を発揮する。そのため、ドレンパン3にポンプ4で排出されないドレン水が残っていても、残ったドレン水に雑菌などの菌の発生が抑制される。
上述したように、熱交換器1の表面で生じた凝縮水がドレン水としてドレン配管5を介して排出される。熱交換器1の表面において凝縮水が発生するタイミングに対応して、凝縮部63の表面で凝縮水が生成される。また、熱交換器1の表面で生成されたドレン水の量に応じて、凝縮部63の表面で生成された凝縮水が抗菌剤61を溶解してドレンパン3に滴下する。そのため、ドレン水の発生タイミングに対応してドレン水への抗菌剤61の溶出が開始され、ドレン水の発生量に対応してドレン水への抗菌剤61の溶解量が自動的に決まる。その結果、抗菌剤61の溶媒となる凝縮水の発生量が熱交換器1の表面で生成される凝縮水の発生量に比例して自動的に調整され、ドレン水への抗菌剤61の無駄な溶出を抑制することができる。
本実施の形態1の空気調和機100は、ドレンパン3と、ドレンパン3から上に延びるドレン配管5と、ドレン水をドレンパン3から排出するポンプ4と、ドレンパン3よりも上にドレン配管5に接して設置され、抗菌剤61を保持する抗菌剤添加装置6とを有する。抗菌剤添加装置6は、ドレン配管5の重力方向に平行な部分に設置され、空気中の水蒸気から凝縮水を生じさせる放熱板63aを備えた凝縮部63を有するものである。
本実施の形態1によれば、ドレン配管5をドレン水が流通することで、ドレン配管5のうち、抗菌剤61よりも上の部分でドレン水の冷熱により凝縮水が生成される。生成された凝縮水は、ドレン配管5の表面に沿って抗菌剤61に流れ込み、抗菌剤61を溶出してドレンパン3に滴下する。本実施の形態1では、ドレン配管5の表面を伝って流れる凝縮水の生成が凝縮部63で促進される。熱交換器1の表面で生成される凝縮水はドレンパン3に溜まるドレン水となるが、ドレン水の発生量に対応して、抗菌剤61の溶媒として役目を果たす凝縮水が凝縮部63およびドレン配管5の表面で生成される。その結果、抗菌剤61の溶媒発生量がドレン水の発生量に比例して自動的に調整され、ドレン水への抗菌剤61の無駄な溶出を抑制することができる。このようにして、発生するドレン水の量に応じて、抗菌剤61の添加量が自動で調整される。本実施の形態1では、抗菌剤61を効率的にドレン水に添加することで、抗菌剤61のメンテナンス頻度およびランニングコストを抑制できる。
従来、抗菌剤がドレンパンの底面上に設置される場合、抗菌剤がドレンパンに残ったドレン水に浸漬した状態が維持される。この場合、抗菌剤がドレン水に無駄に溶出してしまう。これに対して、本実施の形態1の空気調和機100では、抗菌剤61がドレンパン3よりも上に設置され、ドレンパン3に溜まるドレン水と接触していない。具体的には、抗菌剤61はドレンパン3に溜まるドレン水の最上の水位よりも高い位置に設置されている。そのため、抗菌剤が水中に設置される従来の場合と比べて、抗菌剤の無駄な溶出が抑えられる。その結果、抗菌効果を安定して長期間作用させることができる。
また、抗菌剤がドレンパンに残ったドレン水に浸漬した状態が維持されると、抗菌剤の効果に影響されない水中の無機物が経年的に抗菌剤表面に付着することで、抗菌剤の表面積が減少してしまう。表面積の減少は、抗菌剤の溶出量の減少および抗菌効果の低下につながる。その結果、抗菌作用が安定して持続しにくくなってしまう。
これに対して、本実施の形態1の空気調和機100では、抗菌剤61は、重力方向に平行なドレン配管5のうち、ドレンパン3よりも上に設置されている。そのため、ドレン水に含まれる無機物が抗菌剤61の表面に付着した状態が維持されることがない。その結果、抗菌剤61の表面積の減少によって抗菌作用が低下することを防ぐことができ、抗菌剤61による抗菌効果が安定的に持続できる。本実施の形態1では、空気調和機100の衛生状態を良好な状態に保つことができる。
さらに、本実施の空気調和機100において、コントローラ21が冷房運転に連動してポンプ4の駆動を制御してもよい。空気調和機100の冷房運転に起因してドレン水が発生している場合に、コントローラ21が空気調和機100の冷房運転に連動してポンプ4を駆動させることで、抗菌剤61が溶解した凝縮水がドレンパン3のドレン水に添加される。この場合、空気調和機100が運転停止、暖房運転および送風運転のとき、抗菌剤61の溶出が抑制され、抗菌剤61のドレン水への添加量を必要最低限の量に抑えることができる。
変形例1.
図2を参照して説明した空気調和機100の別の構成例を説明する。図4は、変形例1に係る空気調和機の一構成例を示す図である。図4は図2に示した抗菌剤添加装置の別の構成例を示す。
抗菌剤添加装置6は、固定具62の代わりに、抗菌剤61を収容する箱体16を有する。箱体16はドレン配管5に固定されているが、箱体16をドレン配管5に固定する手段は限定されない。固定手段は実施の形態1で説明した固定具62であってもよい。箱体16の側面およびドレン配管5にネジ穴が設けられ、箱体16がネジとボルトでドレン配管5に固定されてもよい。図4に示すように、箱体16は、複数のスリット17aが設けられた上板17と、複数の穴18aが設けられた底板18とを有する。スリット17aから凝縮水が箱体16に入り、抗菌剤61が溶解した凝縮水が穴18aからドレンパン3に滴下する。スリット17aは凝縮水の流入口の役目を果たし、穴18aは抗菌剤61が溶解した凝縮水の流出口の役目を果たす。スリット17aの幅(X軸矢印方向の長さ)は、例えば、3〜7mmである。穴18aの直径は、例えば、3〜5mmである。
固定具62で抗菌剤61がドレン配管5に固定される場合、抗菌剤61がなくなると、ユーザは新しい抗菌剤61を固定具62でドレン配管5に固定させる。これに対して、変形例1では、ユーザは上板17を開いて抗菌剤61を補充すればよい。そのため、抗菌剤61を固定具62で固定する場合に比べて、ユーザの手間が軽減する。上板17が設けられていなくてもよいが、図4に示すように、スリット17aを有する上板17が箱体16に設けられた構成では、スリット17aの幅よりも大きいゴミなどの異物が箱体16の中に入ることを抑制できる。また、抗菌剤61の使用により抗菌剤61のサイズが小さくなっても、抗菌剤61を穴18aの直径より小さくなるまで使用することができる。その結果、抗菌剤61の使用期間が短くなることを防げる。
変形例2.
図2を参照して説明した空気調和機100の別の構成例を説明する。図5は、変形例2に係る空気調和機の一構成例を示す図である。図5は図2に示したドレン排水機構の別の構成例を示す。変形例2では、ドレン配管5の重力方向(Z軸矢印の反対方向)に平行な部分のうち、抗菌剤61および固定具62を有する抗菌剤添加装置6aよりも上の部分5aが熱伝導率の高い材料で覆われている構成である。熱伝導率が高い材料は、例えば、アルミニウムおよび銅などの金属である。熱伝導率の高い材料が金属である場合、ドレン水の冷熱が合成樹脂を介して金属に伝導し、金属の表面に凝縮水が生成される。つまり、図5に示す部分5aの表面で凝縮水が生成され、生成された凝縮水がドレン配管5の表面に沿って流れ、抗菌剤61に流れ込む。
なお、ドレン配管5の部分5aに熱伝導率の高い材料が設けられていなくてもよい。凝縮水の発生量は少ないが、この場合でも、凝縮水がドレン配管5の表面に生成され、凝縮水がドレン配管5の表面に沿って流れ、抗菌剤61に流れ込む。例えば、室内の空気の温度および湿度が高く、かつ設定温度が低い場合、ドレン配管5の材料が合成樹脂であっても、ドレン配管5の表面に発生する凝縮水の量が多くなる。
変形例3.
図2を参照して説明した空気調和機100の別の構成例を説明する。図6は、変形例3に係る空気調和機の一構成例を示す図である。図6は、図5に示したドレン排水機構の別の構成例を示す。変形例3は、図5に示したドレン配管5が、重力方向に平行ではなく、図6に示すように、傾いて設置された構成である。このような構成でも、部分5aが抗菌剤61よりも上にあるため、部分5aで生じた凝縮水がドレン配管5の表面に沿って流れ、抗菌剤61に流れ込む。
なお、変形例3では、変形例2のドレン排水機構をベースに説明したが、図2を参照して説明したドレン排水機構15に変形例3を適用してもよく、変形例3に変形例1を適用してもよい。
実施の形態2.
実施の形態1の空気調和機は抗菌剤の溶媒として凝縮水を生成する構成であるが、本実施の形態2は、抗菌剤の溶媒としてドレン水を用いるものである。本実施の形態2では、実施の形態1で説明した構成と同様な構成について同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施の形態2の空気調和機100の構成を説明する。図7は、本発明の実施の形態2に係る空気調和機において、図1に示した室内機のドレン排水機構の一例を示す外観側面図である。本実施の形態2における室内機20aは、図1に示した熱交換器1および送風機2の他に、ドレン排水機構15aを有する。
ドレン排水機構15aは、ドレンパン3と、ドレン配管5と、ポンプ4と、抗菌剤添加装置6aとを有する。ドレン配管5の材料は、例えば、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂である。抗菌剤添加装置6aは、抗菌剤61と、抗菌剤61を保持する固定具62とを有する。ドレン配管5の重力方向(Z軸矢印の反対方向)に平行な部分には、抗菌剤61よりも上に、複数の開口8が設けられている。
開口8は、ドレン配管5を流通するドレン水の一部をドレンパン3にフィードバックする役目を果たす。ドレン配管5を流通またはドレン配管5に溜まるドレン水は、開口8からドレン配管5の外に出て、ドレン配管5の表面を伝わって抗菌剤61に流れ込む。抗菌剤61が溶け込んだドレン水がドレンパン3に滴下することで、抗菌剤61がドレンパン3に溜まるドレン水に抗菌作用を発揮する。
図7は、開口8の数が2つ以上の場合を示しているが、開口8の数は1つであってもよい。開口8の数が少なくても、開口8の直径が大きすぎると、開口8からドレン配管5の表面を伝わって抗菌剤61に流れ込むドレン水の量が多くなり過ぎる場合がある。一方、開口8の数が多くても、開口8の直径が小さすぎると、開口8からドレン配管5の表面を伝わって抗菌剤61に流れ込むドレン水の量が少なすぎる場合がある。開口8の直径および数は、ドレン配管5に対するドレン水のぬれ性、毛細管現象および粘度等の要素に基づいて、ドレン水に溶出する抗菌剤61が適切な量になるように設定される。
なお、本実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、ドレンパン3に溜まるドレン水の水位を検知する水位センサがドレンパン3に設けられていてもよい。また、開口8の直径および数の判定要素は、ぬれ性、毛細管現象および粘度の要素に限らない。判定要素として、上記3つの要素の他に、例えば、ドレン配管5内におけるドレン水の圧力が含まれていてもよい。
次に、本実施の形態2の空気調和機100におけるドレン排水動作について説明する。図8は、本発明の実施の形態2に係る空気調和機のドレン排水動作を説明するための要部拡大図である。ここでは、図7に示したドレンパン3に図に示さない水位センサが設けられ、水位センサの検出値が図1に示したコントローラ21に入力される場合で説明する。
空気調和機100が冷房運転を行う際、蒸発器として機能する熱交換器1の表面が露点温度以下になると、熱交換器1の表面に凝縮水が発生する。凝縮水は、熱交換器1からドレンパン3の上に落ち、ドレンパン3内に溜まる。コントローラ21は、水位センサから入力される検出値から、ドレンパン3に溜まるドレン水の水位が決められた第1閾値以上になったと判定すると、ポンプ4を起動させる。ポンプ4が動作を開始すると、ドレン水は、ポンプ4からドレン配管5を通って室内機20の外へ排出される。コントローラ21は、水位センサから入力される検出値が決められた第2閾値以下になったと判定すると、ポンプ4を停止する。または、コントローラ21は、閾値を用いた判定を行わずに、ポンプ4を起動してから、決められた時間が経過した後にポンプ4を停止してもよい。
ドレン水がドレンパン3からドレン配管5を経由して排出される際、ドレン水の一部が複数の開口8からドレン配管5の外に出て、ドレン配管5の表面に沿って流れ、抗菌剤61に流れ込む。また、ポンプ4が停止したとき、ドレン配管5の重力方向と平行な部分にドレン水が溜まっている場合、ドレン水が複数の開口8からドレン配管5の外に出て、ドレン配管5の表面に沿って流れ、抗菌剤61に流れ込む。抗菌剤61に流れ込んだドレン水に抗菌剤61が溶出する。そして、抗菌剤61が溶け込んだドレン水がドレンパン3に滴下する。ドレンパン3に滴下されたドレン水は、抗菌剤61が溶解しているため、ドレンパン3に溜まる水に抗菌作用を発揮する。そのため、ドレンパン3にポンプ4で排出されないドレン水が残っていても、残ったドレン水に雑菌などの菌の発生が抑制される。
上述したように、ドレンパン3に溜まったドレン水が排出される際に、ドレン水の一部が抗菌剤61の溶媒として開口8からドレン配管5の表面に沿って抗菌剤61に流れ込む。そのため、ドレンパン3から排出されるドレン水の量に比例して、ドレン水の一部が抗菌剤61に流れ込み、抗菌剤61を溶解してドレンパン3に滴下する。つまり、ドレン水の発生量に対応して、ドレンパン3に溜まるドレン水への抗菌剤61の溶解量が自動的に決まる。その結果、抗菌剤61の溶媒発生量が熱交換器1の表面で生成される凝縮水の発生量に比例して自動的に調整され、ドレン水への抗菌剤61の無駄な溶出を抑制することができる。
本実施の形態2の空気調和機100は、ドレン配管5の重力方向に平行な部分に抗菌剤添加装置6aが固定され、ドレン配管5の重力方向に平行な部分において抗菌剤61よりも上に開口8が設けられたものである。
本実施の形態2によれば、ドレン配管5をドレン水が流通すると、抗菌剤61よりも上の開口8からドレン水の一部がドレン配管5の外に出て、ドレン配管5の表面に沿って抗菌剤61に流れ込み、抗菌剤61を溶出してドレンパン3に滴下する。そのため、ドレン水の発生量に比例して抗菌剤61の溶媒発生量が自動的に調整され、ドレンパン3に溜まるドレン水への抗菌剤61の無駄な溶出を抑制できる。その結果、実施の形態1と同様に、抗菌剤61を効率的にドレンパン3に溜まるドレン水に添加することで、抗菌剤61のメンテナンス頻度およびランニングコストを抑制できる。
また、本実施の形態2においても、抗菌剤61がドレンパン3よりも上に設置され、ドレンパン3に溜まるドレン水と接触していない。具体的には、抗菌剤61はドレンパン3に溜まるドレン水の最上の水位よりも高い位置に設置されている。そのため、抗菌剤が水中に設置される従来の場合と比べて、抗菌剤の無駄な溶出が抑えられる。その結果、抗菌効果を安定して長期間作用させることができる。また、抗菌剤61がドレンパン3に溜まるドレン水と接触していないので、ドレン水に含まれる無機物が抗菌剤61の表面に付着した状態が維持されることがない。その結果、抗菌剤61の表面積の減少によって抗菌作用が低下することを防ぐことができ、抗菌剤61による抗菌効果が安定的に持続できる。本実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、空気調和機100の衛生状態を良好な状態に保つことができる。
さらに、本実施の形態2の空気調和機100の空調対象空間に加湿器が設置されていてもよく、コントローラ21が空気調和機100の冷房運転および加湿器の運転と連動してポンプ4の駆動を制御してもよい。空気調和機100が冷房運転を行うと、室内の温度が下がるだけでなく、湿度も低下する。この場合、必要以上に湿度が下がってしまうことがあるため、冷房運転と加湿運転を併用することがある。空気調和機100の冷房運転中、かつ加湿器の運転中にドレン水が発生している場合に、コントローラ21がポンプ4を駆動させることで、ドレン水の一部が抗菌剤61を溶解してドレンパン3に滴下する。この場合、抗菌剤61のドレン水への添加がドレンパン3に水が溜まっている場合に限定することができる。空気調和機100が運転停止、暖房運転および送風運転の場合と、加湿器が運転停止の場合のうち、いずれの場合も、抗菌剤61の溶出が抑制される。そのため、抗菌剤61の無駄な溶出が抑制され、抗菌剤61を効率的に利用することができる。
なお、実施の形態2に変形例1〜3を適用してもよい。また、上述の実施の形態1および2では、空気調和機の室内機の場合で説明したが、空気調和機以外の空調機器に実施の形態1および2を適用してもよい。空気調和機以外の空調機器として、例えば、除湿器がある。
1 熱交換器、2 送風機、3 ドレンパン、4 ポンプ、5 ドレン配管、5a 部分、6、6a 抗菌剤添加装置、8 開口、15、15a ドレン排水機構、16 箱体、17 上板、17a スリット、18 底板、18a 穴、20、20a 室内機、21 コントローラ、25 冷媒配管、30 室外機、31 圧縮機、32 流路切替装置、33 熱源側熱交換器、34 絞り装置、35 熱源側送風機、40 冷媒回路、61 抗菌剤、62 固定具、63 凝縮部、63a 放熱板、63b 誘導板、100 空気調和機。
本発明に係る空気調和機は、冷媒と空気とが熱交換する熱交換器と、前記熱交換器の下方に設置されたドレンパンと、前記ドレンパンから上に延び、前記ドレンパンに溜まったドレン水を排出するドレン配管と、前記ドレン配管を介して前記ドレン水を前記ドレンパンから排出するポンプと、前記ドレンパンよりも上に前記ドレン配管に接して設置され、抗菌剤を保持する抗菌剤添加装置と、を有し、前記ドレン配管の表面に沿って流れる凝縮水が前記抗菌剤を経由して前記ドレンパンに滴下するものである。

Claims (6)

  1. 冷媒と空気とが熱交換する熱交換器と、
    前記熱交換器の下方に設置されたドレンパンと、
    前記ドレンパンから上に延び、前記ドレンパンに溜まったドレン水を排出するドレン配管と、
    前記ドレン配管を介して前記ドレン水を前記ドレンパンから排出するポンプと、
    前記ドレンパンよりも上に前記ドレン配管に接して設置され、抗菌剤を保持する抗菌剤添加装置と、
    を有する空気調和機。
  2. 前記抗菌剤添加装置は、前記ドレンパンに溜まる前記ドレン水の最上の水位よりも高い位置に設置されている、請求項1に記載の空気調和機。
  3. 前記ドレン配管は、重力方向に平行な部分を有し、
    前記抗菌剤添加装置は、前記抗菌剤よりも上に、前記重力方向に平行な部分に接して固定された凝縮部を有し、
    前記凝縮部は、空気中の水蒸気から凝縮水を生じさせる放熱板を備えている、請求項1または2に記載の空気調和機。
  4. 前記ドレン配管は、重力方向に平行な部分を有し、前記重力方向に平行な部分において前記抗菌剤よりも上に開口が設けられ、
    前記抗菌剤添加装置は、前記重力方向に平行な部分に接して固定されている、請求項1または2に記載の空気調和機。
  5. 前記ドレン配管の前記重力方向に平行な部分が、前記熱交換器よりも空気流の上流側に位置している、請求項3または4に記載の空気調和機。
  6. 前記抗菌剤添加装置は、
    流れ込む水を溶媒として溶解する前記抗菌剤と、
    前記抗菌剤を収容し、前記抗菌剤の溶媒となる水の流入口が設けられた上板および複数の穴が設けられた底板を備えた箱体と、
    を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気調和機。
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