JPWO2020145206A1 - トリブロック共重合体及びトリブロック共重合体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の一実施形態に係るトリブロック共重合体は、ガラス転移温度が80〜150℃のハードセグメントを構成する重合体ブロックAと、ガラス転移温度が25℃以下のソフトセグメントを構成する重合体ブロックBと、を有するA−B−A型のトリブロック共重合体であり、昇温速度5℃/分、周波数1Hzの条件で測定される貯蔵弾性率が、上記ハードセグメントのガラス転移温度を超える温度領域においてゴム状平坦領域を発現する。

Description

本発明は、トリブロック共重合体及びトリブロック共重合体の製造方法に関する。本発明は、より詳しくは、ハードセグメントとソフトセグメントとを有するトリブロック共重合体及び該トリブロック共重合体の製造方法に関する。
スチレンをハードセグメントとするブロック共重合体として、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−エチレンブチレン−スチレン(SEBS)、スチレン−エチレンプロピレン−スチレン(SEPS)などが知られている。これらのブロック共重合体は、接着剤などの用途に使用されうる(例えば、特許文献1)。
特開2018−150550号公報
上述した従来のブロック共重合体は、ハードセグメントのガラス転移温度を超える高温環境下になるとゴム状の性質を維持できず流動性を示すようになり、その結果、高温環境下での引張強度に劣る場合があることを、本発明者は見出した。
そこで、本発明は、ハードセグメントのガラス転移温度を超える高温環境下において引張強度に優れるトリブロック共重合体を提供することを主目的とする。
本発明は、ガラス転移温度が80〜150℃のハードセグメントを構成する重合体ブロックAと、ガラス転移温度が25℃以下のソフトセグメントを構成する重合体ブロックBと、を有するA−B−A型のトリブロック共重合体であり、昇温速度5℃/分、周波数1Hzの条件で測定される貯蔵弾性率が、前記ハードセグメントのガラス転移温度を超える温度領域においてゴム状平坦領域を発現する、トリブロック共重合体を提供する。
前記重合体ブロックAが、芳香族ビニル化合物重合体ブロック又はアルキルメタクリレート重合体ブロックであってもよい。前記重合体ブロックAが、スチレン系重合体ブロック又はメチルメタクリレート系重合体ブロックであってもよい。前記重合体ブロックBが、共役ジエン重合体ブロック又はアルキルアクリレート重合体ブロックであってもよい。前記重合体ブロックBが、クロロプレン系重合体ブロックであってもよい。
前記トリブロック共重合体は、前記重合体ブロックAがポリスチレンブロックであり、前記重合体ブロックBがポリクロロプレンブロックである、ポリスチレン−ポリクロロプレン−ポリスチレントリブロック共重合体であってもよい。
前記トリブロック共重合体は、下記化学式(1)で表される構造を有してもよい。
Figure 2020145206
前記式(1)中、k、l、m及びnは、それぞれ独立に1以上の整数を示す。R及びRは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換の飽和、不飽和もしくは芳香族の炭素環、置換もしくは無置換の飽和、不飽和もしくは芳香族の複素環、有機金属種、又は任意の重合体鎖を示す。但し、式(1)中のクロロプレンセグメントは代表的な異性体を示しており、重合条件により任意の異性体を含む。
前記トリブロック共重合体は、接着剤用であってもよい。また、本発明は、前記トリブロック共重合体を用いてなる接着剤を提供する。
さらに、本発明は、ガラス転移温度が80〜150℃のハードセグメントを構成する重合体ブロックAと、ガラス転移温度が25℃以下のソフトセグメントを構成する重合体ブロックBと、を有し、昇温速度5℃/分、周波数1Hzの条件で測定される貯蔵弾性率が、前記ハードセグメントのガラス転移温度を超える温度領域においてゴム状平坦領域を発現する、A−B−A型のトリブロック共重合体の製造方法であり、A−B型のジブロック共重合体同士をカップリング反応により重合させる工程を含む、トリブロック共重合体の製造方法を提供する。
前記A−B型のジブロック共重合体が、下記化学式(2)で表される末端構造を有してもよい。
Figure 2020145206
前記(2)中、Rは、水素、塩素、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、メルカプト基、又は置換もしくは無置換のヘテロシクリル基を示す。
前記製造方法において、前記トリブロック共重合体がポリスチレン−ポリクロロプレン−ポリスチレントリブロック共重合体であり、前記A−B型のジブロック共重合体が下記化学式(3)で表されるポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体であってもよい。
Figure 2020145206
前記式(3)中、k及びlは、それぞれ独立に1以上の整数を示す。Rは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換の飽和、不飽和もしくは芳香族の炭素環、置換もしくは無置換の飽和、不飽和もしくは芳香族の複素環、有機金属種、又は任意の重合体鎖を示す。Rは、水素、塩素、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、メルカプト基、又は置換もしくは無置換のヘテロシクリル基を示す。但し、式(3)中のクロロプレンセグメントは代表的な異性体を示しており、重合条件により任意の異性体を含む。
本発明によれば、ハードセグメントのガラス転移温度を超える高温環境下において引張強度に優れるトリブロック共重合体が提供される。また、当該トリブロック共重合体を用いることで、高温環境下において引張強度に優れる接着剤が得られうる。
実施例1及び比較例2の貯蔵弾性率を測定した結果を示すグラフである。 実施例1及び比較例3の貯蔵弾性率を測定した結果を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
<1.トリブロック共重合体>
本発明の一実施形態に係るトリブロック共重合体は、ガラス転移温度が80〜150℃のハードセグメントを構成する重合体ブロックA(以下、単に「重合体ブロックA」ともいう。)と、ガラス転移温度が25℃以下のソフトセグメントを構成する重合体ブロックB(以下、単に「重合体ブロックB」ともいう。)と、を有するA−B−A型のトリブロック共重合体である。
重合体ブロックAは、ハードセグメントのガラス転移温度を超える高温環境下におけるトリブロック共重合体の引張強度向上の観点から、好ましくは芳香族ビニル化合物重合体ブロック又はアルキルメタクリレート重合体ブロックである。すなわち、重合体ブロックAを構成する単量体は、好ましくは芳香族ビニル化合物又はアルキルメタクリレートである。
上記芳香族ビニル化合物重合体は、1種の芳香族ビニル化合物からなる単独重合体、2種以上の芳香族ビニル化合物からなる共重合体、又は芳香族ビニル化合物と該芳香族ビニル化合物以外の単量体とからなる共重合体でありうる。芳香族ビニル化合物は、スチレン、アルキルスチレン、アリールスチレン、ハロゲン化スチレン、アルコキシスチレン及びビニル安息香酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、スチレンがより好ましい。芳香族ビニル化合物と共重合体を形成する芳香族ビニル化合物以外の単量体としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、その他の共役ジエン類、アクリル酸及びそのエステル類、メタクリル酸及びそのエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリルが挙げられる。芳香族ビニル化合物重合体は、好ましくはスチレン系重合体、すなわち、スチレンの単独重合体(ポリスチレン)又はスチレンと該スチレン以外の単量体とからなる共重合体であり、より好ましくはポリスチレンである。
上記アルキルメタクリレート重合体は、1種のアルキルメタクリレートからなる単独重合体、2種以上のアルキルメタクリレートからなる共重合体、又はアルキルメタクリレートと該アルキルメタクリレート以外の単量体とからなる共重合体でありうる。アルキルメタクリレートは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート及びn−ブチルメタクリレートからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、メチルメタクリレートがより好ましい。アルキルメタクリレートと共重合体を形成するアルキルメタクリレート以外の単量体としては、例えば、メタクリル酸、メタクリルアミドなどが挙げられる。アルキルメタクリレート重合体は、好ましくはメチルメタクリレート系重合体、すなわち、メチルメタクリレートの単独重合体(ポリメチルメタクリレート)又はメチルメタクリレートと該メチルメタクリレート以外の単量体とからなる共重合体であり、より好ましくはポリメチルメタクリレートのホモポリマーである。
上記ハードセグメントのガラス転移温度は、80〜150℃であり、好ましくは80〜120℃、より好ましくは90〜120℃であり、更に好ましくは95〜110℃である。
重合体ブロックBは、ハードセグメントのガラス転移温度を超える高温環境下におけるトリブロック共重合体の引張強度向上の観点から、好ましくは共役ジエン重合体ブロック又はアルキルアクリレート重合体ブロックである。すなわち、重合体ブロックBを構成する単量体は、好ましくは共役ジエン又はアルキルアクリレートである。
上記共役ジエン重合体は、1種の共役ジエンからなる単独重合体、2種以上の共役ジエンからなる共重合体、又は共役ジエンと該共役ジエン以外の単量体とからなる共重合体でありうる。共役ジエンは、クロロプレン、ブタジエン及びイソプレンからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、クロロプレンがより好ましい。共役ジエンと共重合体を形成する共役ジエン以外の単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸及びそのエステル類、メタクリル酸及びそのエステル類などが挙げられる。共役ジエン重合体は、好ましくはクロロプレン系重合体、すなわち、クロロプレンの単独単量体(ポリクロロプレン)又はクロロプレンと該クロロプレン以外の単量体とからなる共重合体であり、より好ましくはポリクロロプレンである。
上記アルキルアクリレート重合体は、1種のアルキルアクリレートからなる単独重合体、2種以上のアルキルアクリレートからなる共重合体、又はアルキルアクリレートと該アルキルアクリレート以外の単量体とからなる共重合体でありうる。アルキルアクリレートは、ガラス転移温度が25℃以下であれば特に限定されず、例えば、n−ブチルアクリレート、ノニルアクリレートなどが挙げられ、好ましくはn−ブチルアクリレートである。アルキルアクリレートと共重合体を形成するアルキルアクリレート以外の単量体としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどが挙げられる。アルキルアクリレート重合体は、好ましくはポリn−ブチルアクリレートである。
上記ソフトセグメントのガラス転移温度は、25℃以下であり、好ましくは0℃以下、より好ましくは−20℃以下であり、更に好ましくは−25℃以下である。ソフトセグメントのガラス転移温度の下限値は、例えば、−65℃以上又は−60℃以上であってもよい。
重合体ブロックAは、スチレン系重合体ブロック又はメチルメタクリレート系重合体ブロックであってもよく、重合体ブロックBは、クロロプレン系重合体ブロックであってもよい。
本実施形態のトリブロック共重合体は、特に好ましくは、上記ハードセグメントがポリスチレンブロックで構成され、上記ソフトセグメントがポリクロロプレンブロックで構成された、ポリスチレン−ポリクロロプレン−ポリスチレントリブロック共重合体である。該ポリスチレン−ポリクロロプレン−ポリスチレントリブロック共重合体は、好ましくは、下記化学式(1)で表される構造を有する。
Figure 2020145206
上記化学式(1)中、k、l、m及びnは、それぞれ独立に1以上の整数を示す。R及びRは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換の飽和、不飽和もしくは芳香族の炭素環、置換もしくは無置換の飽和、不飽和もしくは芳香族の複素環、有機金属種、又は任意の重合体鎖を示す。但し、上記化学式(1)中のクロロプレンセグメントは代表的な異性体を示しており、重合条件により任意の異性体を含む。
本実施形態のトリブロック共重合体において、重合体ブロックAを構成する単量体の結合量は、5〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましい。また、本実施形態のトリブロック共重合体において、重合体ブロックBを構成する単量体の結合量は、50〜95質量%が好ましく、60〜95質量%がより好ましい。このような範囲とすることで、重合体ブロックAのゴム弾性と重合体ブロックBの擬似架橋とが両立され、トリブロック共重合体が熱可塑性エラストマーとしての挙動を示す。
本実施形態のトリブロック共重合体は、数平均分子量(Mn)が、好ましくは5万〜30万であり、より好ましくは5万〜25万であり、更に好ましくは6万〜21万である。Mnが5万以上であると十分な強度を得ることができ、30万以下であると加工性がより向上する。
本実施形態のトリブロック共重合体は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が、好ましくは1.0〜4.0であり、より好ましくは1.5〜3.0であり、更に好ましくは2.0〜2.5である。このような範囲とすることで、加工性と引張応力などの物性のバランスが良好なトリブロック共重合体が得られうる。
MwとMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した値であり、測定条件の詳細は後述する実施例の欄に記載の通りである。
本実施形態のトリブロック共重合体は、昇温速度5℃/分、周波数1Hzの条件で測定される貯蔵弾性率が、ハードセグメントのガラス転移温度を超える温度領域においてゴム状平坦領域を発現することを特徴とする。
ハードセグメントのガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(Mettler Toledo社製「DSC1」)を用いて、以下の測定条件で本実施形態のトリブロック共重合体を測定して得られた温度である。本実施形態のトリブロック共重合体のガラス転移温度は、ハードセグメントに依存している。このため、本明細書では、測定により得られたトリブロック共重合体のガラス転移温度を、ハードセグメントのガラス転移温度とみなしている。ソフトセグメントのガラス転移温度も、上記示差走査熱量計を用いて以下の測定条件で測定することができる。
<測定条件>
測定温度幅:−80〜120℃
昇温速度:5℃/分
雰囲気:窒素雰囲気下
貯蔵弾性率(単位:MPa)は、本実施形態のトリブロック共重合体を凍結乾燥することにより得られた厚さ2〜4mmのシートを幅8mm×高さ2mmに切り出し、測定温度−80〜160℃、昇温速度5℃/分、周波数1Hzの条件で測定した値である。貯蔵弾性率は、例えば、Anton Paar社製「MCR302」などのレオメーターを用いて測定することができる。
ゴム状平坦領域は、貯蔵弾性率の曲線において傾斜のない平坦な領域をいい、貯蔵弾性率が一定になる領域をいう。
本実施形態のトリブロック共重合体は、ハードセグメントのガラス転移温度を超える高温環境下において、貯蔵弾性率を示す曲線にゴム状平坦領域の発現が観察される。ゴム状平坦領域の発現は、トリブロック共重合体がゴム弾性を有し、ゴム状の性質を呈していることを意味する。一方、従来のブロック共重合体の1種であるスチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体(SIS)は、ハードセグメントのガラス転移温度を超える温度領域において、貯蔵弾性率が低下する。この貯蔵弾性率の低下は、当該SISが流動性を呈していることを意味する。本実施形態のトリブロック共重合体は、従来のブロック共重合体と異なり、高温に晒されてもゴム弾性を有することから、高温環境下における引張強度に優れている。
本実施形態のトリブロック共重合体は、ハードセグメントのガラス転移温度を超えると、ソフトセグメントを構成する重合体ブロックが架橋を形成すると考えられ、その結果、上述のようなゴム状の性質を有するようになると推測される。
本実施形態のトリブロック共重合体は、接着剤用として好適である。当該トリブロック共重合体を用いてなる接着剤は、接着力が良好で、高温環境下における引張強度に優れている。上記接着剤の製造方法は、本実施形態のトリブロック共重合体を配合しさえすればよく、特に限定されない。すなわち、上記トリブロック共重合体を用いた接着剤は、公知の機械や装置を用いて常法に従って製造することができる。
<2.トリブロック共重合体の製造方法>
本発明の一実施形態に係るトリブロック重合体の製造方法は、上述したA−B−A型のトリブロック共重合体の製造方法である。本実施形態の製造方法は、より詳細には、ガラス転移温度が80〜150℃のハードセグメントを構成する重合体ブロックAと、ガラス転移温度が25℃以下のソフトセグメントを構成する重合体ブロックBと、を有するA−B型のジブロック共重合体同士をカップリング反応により重合させる工程を含む。
上記A−B型のジブロック共重合体は、下記化学式(2)で表される末端構造を有するジブロック共重合体であることが好ましい。
Figure 2020145206
上記化学式(2)中、Rは、水素、塩素、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、メルカプト基、又は置換もしくは無置換のヘテロシクリル基を示す。
上記化学式(2)で表される末端構造は、公知のRAFT剤の存在下で乳化重合を行うことで、ジブロック共重合体に導入される。RAFT剤としては、例えば、ブチルベンジルトリチオカルボナート、ブチル−2−シアノイソプロピルトリチオカルボネート、ベンジル1−ピロールカルボジチオエート(慣用名:ベンジル1−ピロールジチオカルバメート)、1−ベンジル−N,N−ジメチル−4−アミノジチオベンゾエート、1−ベンジル−4−メトキシジチオベンゾエート、1−フェニルエチルイミダゾールカルボジチオエート(慣用名:1−フェニルエチルイミダゾールジチオカルバメート)、ベンジル−1−(2−ピロリジノン)カルボジチオエート(慣用名:ベンジル−1−(2−ピロリジノン)ジチオカルバメート)、ベンジルフタルイミジルカルボジチオエート(慣用名:ベンジルフタルイミジルジチオカルバメート)、2−シアノプロプ−2−イル−1−ピロールカルボジチオエート(慣用名:2−シアノプロプ−2−イル−1−ピロールジチオカルバメート)、2−シアノブト−2−イル−1−ピロールカルボジチオエート(慣用名:2−シアノブト−2−イル−1−ピロールジチオカルバメート)、ベンジル−1−イミダゾールカルボジチオエート(慣用名:ベンジル−1−イミダゾールジチオカルバメート)、2−シアノプロプ−2−イル−N,N−ジメチルジチオカルバメート、ベンジル−N,N−ジエチルジチオカルバメート、シアノメチル−1−(2−ピロリドン)ジチオカルバメート、2−(エトキシカルボニルベンジル)プロプ−2−イル−N,N−ジエチルジチオカルバメート、ベンジルジチオエート、1−フェニルエチルジチオベンゾエート、2−フェニルプロプ−2−イルジチオベンゾエート、1−酢酸−1−イル−エチルジチオベンゾエート、1−(4−メトキシフェニル)エチルジチオベンゾエート、ベンジルジチオアセテート、エトキシカルボニルメチルジチオアセタート、2−(エトキシカルボニル)プロプ−2−イルジチオベンゾエート、2−シアノプロプ−2−イルジチオベンゾエート、ジチオベンゾエート、tert−ブチルジチオベンゾエート、2,4,4−トリメチルペンタ−2−イルジチオベンゾエート、2−(4−クロロフェニル)−プロプ−2−イルジチオベンゾエート、3−ビニルベンジルジチオベンゾエート、4−ビニルベンジルジチオベンゾエート、ベンジルジエトキシホスフィニルジチオフォルマート、tert−ブチルトリチオペルベンゾエート、2−フェニルプロプ−2−イル−4−クロロジチオベンゾエート、ナフタレン−1−カルボン酸−1−メチル−1−フェニル−エチルエステル、4−シアノ−4−メチル−4−チオベンジルスルファニル酪酸、ジベンジルテトラチオテレフタラート、カルボキシメチルジチオベンゾエート、ジチオベンゾエート末端基を持つポリ(酸化エチレン)、4−シアノ−4−メチル−4−チオベンジルスルファニル酪酸末端基を持つポリ(酸化エチレン)、2−[(2−フェニルエタンチオイル)スルファニル]プロパン酸、2−[(2−フェニルエタンチオイル)スルファニル]コハク酸、3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−カルボジチオエートカリウム、シアノメチル−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−カルボジチオエート、シアノメチルメチル−(フェニル)ジチオカルバメート、ベンジル−4−クロロジチオベンゾエート、フェニルメチル−4−クロロジチオベンゾエート、4−ニトロベンジル−4−クロロジチオベンゾエート、フェニルプロプ−2−イル−4−クロロジチオベンゾエート、1−シアノ−1−メチルエチル−4−クロロジチオベンゾエート、3−クロロ−2−ブテニル−4−クロロジチオベンゾエート、2−クロロ−2−ブテニルジチオベンゾエート、ベンジルジチオアセテート、3−クロロ−2−ブテニル−1H−ピロール−1−ジチオカルボン酸、2−シアノブタン−2−イル−4−クロロ−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−カルボジチオエート、シアノメチルメチル(フェニル)カルバモジチオエートなどが挙げられる。これらの中でも、分子量を制御する観点から、ブチルベンジルトリチオカルボナート及びブチル−2−シアノイソプロピルトリチオカルボネートが好ましい。
本実施形態の製造方法により得られるトリブロック共重合体がポリスチレン−ポリクロロプレン−ポリスチレントリブロック共重合体の場合、上記A−B型のジブロック共重合体は、下記化学式(3)で表されるポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体であることが好ましい。
Figure 2020145206
上記化学式(3)中、k及びlは、それぞれ独立に1以上の整数を示す。Rは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換の飽和、不飽和もしくは芳香族の炭素環、置換もしくは無置換の飽和、不飽和もしくは芳香族の複素環、有機金属種、又は任意の重合体鎖を示す。Rは、水素、塩素、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、メルカプト基、又は置換もしくは無置換のヘテロシクリル基を示す。但し、上記化学式(3)中のクロロプレンセグメントは代表的な異性体を示しており、重合条件により任意の異性体を含む。
上記化学式(3)で表されるポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体は、より好ましくは、下記化学式(4)で表されるポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体である。
Figure 2020145206
上記化学式(4)中、m及びnは、それぞれ独立に1以上の整数を示す。但し、上記化学式(4)中のクロロプレンセグメントは代表的な異性体を示しており、重合条件により任意の異性体を含む。
A−B型のジブロック共重合体の製造方法は、特に限定されないが、好ましくは以下の手順により製造される。まず、重合体ブロックAを構成する単量体と上記RAFT剤とを乳化剤を用いて水に乳化させた後に重合開始剤を添加して、重合体ブロックAを構成する単量体を重合させる。これにより得られたエマルジョンに、重合体ブロックBを構成する単量体を添加して乳化重合することで、A−B型のジブロック共重合体を得ることができる。
上記乳化剤としては、特に限定されるものではないが、乳化安定性の観点からアニオン系又はノニオン系の乳化剤が好ましい。特に、得られるトリブロック共重合体に適当な強度を持たせて過度の収縮及び破損を防ぐことができるという理由から、乳化剤としてロジン酸アルカリ金属塩を使用することが好ましい。ロジン酸は、樹脂酸、脂肪酸などの混合物である。樹脂酸としては、例えば、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、ピマル酸、イソピマル酸、デヒドロアビエチン酸、ジヒドロピマル酸、ジヒドロイソピマル酸、セコデヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸などが挙げられる。脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、リノール酸などが挙げられる。これらの成分組成は、ガムロジン、ウッドロジン、トールロジンに分類されるロジン採取方法の違い、松の産地及び樹種、蒸留精製、不均化(不均斉化)反応によって変化するものであり、本実施形態では特に限定されない。乳化安定性や取り扱いやすさを考慮すると、乳化剤は、ロジン酸ナトリウム塩又はロジン酸カリウム塩であることが好ましい。
乳化剤の濃度は、重合反応を効率的に行う観点から、重合体ブロックAを構成する単量体及び重合体ブロックBを構成する単量体の合計100質量%に対して、1〜10質量%が好ましい。
上記重合開始剤としては、例えば、過硫酸塩、過硫酸ナトリウム、過酸化水素、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、アゾ系化合物などが挙げられる。重合開始剤の量は、使用されるRAFT剤の物質量に対して、10〜50モル%が好ましい。
重合体ブロックAを構成する単量体を重合させる際の重合温度は、単量体の種類などに応じて適宜決定されればよいが、10〜100℃が好ましく、20〜80℃がより好ましい。
重合体ブロックBを構成する単量体を重合させる際の重合温度は、単量体の種類などに応じて適宜決定されればよいが、10〜100℃が好ましく、20〜80℃がより好ましい。
A−B型のジブロック共重合体の重合率は、ジブロック共重合体がゲル化することを防止するため、90%以下が好ましく、80%以下がより好ましい。バッチ式重合における生産性の観点からは、重合率は50%以上が好ましく、60%以上がより好ましい。
重合率の調整は、重合禁止剤を添加して重合反応を停止させることで行いうる。重合禁止剤としては、例えば、油溶性の重合禁止剤であるチオジフェニルアミン、4−tert−ブチルカテコール、2,2−メチレンビス−4−メチル−6−tert−ブチルフェノールや、水溶性の重合禁止剤であるジエチルヒドロキシルアミンなどが挙げられる。
重合反応停止後、減圧蒸留などの公知の方法により未反応の単量体を除去することが好ましい。未反応の単量体を除去した後、得られたエマルジョンを多量のメタノール中に添加し、ポリマーを析出させ、該ポリマーをベンゼンに再溶解して凍結乾燥させることで、A−B型のジブロック共重合体を得ることができる。
本実施形態の製造方法では、上記A−B型のジブロック共重合体同士をカップリング反応により重合させることで、A−B−A型のトリブロック共重合体を製造する。
カップリング反応のための触媒としては、特に限定されないが、有機アミン化合物を用いることが好ましい。有機アミン化合物としては、例えば、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、ピペリジンなどが挙げられ、これらの中でもヘキシルアミンがより好ましい。
カップリング反応における触媒の量は、A−B型のジブロック共重合体の物質量に対して好ましくは30〜500モル%であり、より好ましくは100〜300モル%である。
カップリング反応における反応時間は、反応させるジブロック共重合体の種類、量等に応じて適宜設定されればよいが、例えば4〜48時間とすることができる。
カップリング反応における反応温度は、反応させるジブロック共重合体の種類、量等に応じて適宜設定されればよいが、例えば25〜60℃とすることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[I.重合体の製造]
以下の手順で実施例1〜7及び比較例1〜4の重合体を製造した。実施例1〜5はポリスチレン−ポリクロロプレン−ポリスチレントリブロック共重合体である。実施例6はポリメチルメタクリレート−ポリクロロプレン−ポリメチルメタクリレートトリブロック共重合体である。実施例7はポリスチレン−ポリn−ブチルアクリレート−ポリスチレントリブロック共重合体である。比較例1はポリクロロプレンである。比較例2はスチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体である。比較例3はポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体である。比較例4はポリスチレン−ポリオクタデシルアクリレート−ポリスチレントリブロック共重合体である。
<実施例1>
(スチレン高分子連鎖移動剤エマルジョンの合成)
内容積10リットルの重合缶に、スチレン単量体300g、ブチルベンジルトリチオカルボナート7.2g、純水2445g、不均化ロジン酸カリウム(ハリマ化成社製)531.6g、水酸化ナトリウム1.5g、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩(花王社製、商品名:デモールN)30gを添加した。重合開始剤として2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]2塩化水素(富士フイルム和光純薬社製、商品名:VA−044)4.6gを添加し、重合温度80℃にて窒素気流下で重合を行った。得られたエマルジョンはそのままポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体の合成に用いた。
(ポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体の合成)
15分間以上窒素バブリングしたスチレン高分子連鎖移動剤エマルジョン3468.3gを重合温度45℃まで昇温し、クロロプレン単量体2700gを1.5時間かけ、ゆっくりと添加し重合を行った。最終重合率が65%となった時点で重合停止剤であるジエチルヒドロキシアミンを加えて重合を停止させ、減圧蒸留して未反応の単量体を除去した。得られたエマルジョンを多量のメタノール中に添加し、ポリマーを析出させた。得られたポリマーをベンゼンに再溶解し、凍結乾燥することでポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体を得た。得られたジブロック共重合体のMnは8.3×10、Mwは17.6×10、Mw/Mnは2.1、スチレン結合量は14.8質量%であった。
(トリブロック共重合体の合成)
ポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体100gをトルエン900gに溶解し、ヘキシルアミン36.6gを添加し、23℃で24時間反応させた。反応後のトルエン溶液を多量のメタノール中に添加し、得られたポリマーをベンゼンに再溶解し、凍結乾燥することでポリスチレン−ポリクロロプレン−ポリスチレントリブロック共重合体を得た。得られたトリブロック共重合体のMnは12.4×10、Mwは28.5×10、Mw/Mnは2.3、スチレン結合量は14.8質量%であった。
<実施例2>
(スチレン高分子連鎖移動剤エマルジョンの合成)
内容積10リットルの重合缶に、スチレン単量体300g、ブチルベンジルトリチオカルボナート12.0g、純水2445g、不均化ロジン酸カリウム(ハリマ化成社製)531.6g、水酸化ナトリウム1.5g、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩(花王社製、商品名:デモールN)30gを添加した。重合開始剤として2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]2塩化水素(富士フイルム和光純薬社製、商品名:VA−044)7.6gを添加し、重合温度80℃にて窒素気流下で重合を行った。得られたエマルジョンはそのままポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体の合成に用いた。
(ポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体の合成)
15分間以上窒素バブリングしたスチレン高分子連鎖移動剤エマルジョン3417.7gを重合温度45℃まで昇温し、クロロプレン単量体2610gを1.5時間かけ、ゆっくりと添加し重合を行った。最終重合率が65%となった時点で重合停止剤であるジエチルヒドロキシアミンを加えて重合を停止させ、減圧蒸留して未反応の単量体を除去した。得られたエマルジョンを多量のメタノール中に添加し、ポリマーを析出させた。得られたポリマーをベンゼンに再溶解し、凍結乾燥することでポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体を得た。得られたジブロック共重合体のMnは4.6×10、Mwは9.2×10、Mw/Mnは2.0、スチレン結合量は19.0質量%であった。
(トリブロック共重合体の合成)
ポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体100gをトルエン900gに溶解し、ヘキシルアミン66gを添加し、23℃で24時間反応させた。反応後のトルエン溶液を多量のメタノール中に添加し、得られたポリマーをベンゼンに再溶解し、凍結乾燥することでポリスチレン−ポリクロロプレン−ポリスチレントリブロック共重合体を得た。得られたトリブロック共重合体のMnは6.3×10、Mwは13.9×10、Mw/Mnは2.2、スチレン結合量は19.0質量%であった。
<実施例3>
(スチレン高分子連鎖移動剤エマルジョンの合成)
内容積10リットルの重合缶に、スチレン単量体330g、ブチルベンジルトリチオカルボナート3.9g、純水2445g、不均化ロジン酸カリウム(ハリマ化成社製)531.6g、水酸化ナトリウム1.5g、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩(花王社製、商品名:デモールN)30gを添加した。重合開始剤として2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]2塩化水素(富士フイルム和光純薬社製、商品名:VA−044)2.4gを添加し、重合温度80℃にて窒素気流下で重合を行った。得られたエマルジョンはそのままポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体の合成に用いた。
(ポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体の合成)
15分間以上窒素バブリングしたスチレン高分子連鎖移動剤エマルジョン3344.4gを重合温度45℃まで昇温し、クロロプレン単量体2670gを1.5時間かけ、ゆっくりと添加し重合を行った。最終重合率が65%となった時点で重合停止剤であるジエチルヒドロキシアミンを加えて重合を停止させ、減圧蒸留して未反応の単量体を除去した。得られたエマルジョンを多量のメタノール中に添加し、ポリマーを析出させた。得られたポリマーをベンゼンに再溶解し、凍結乾燥することでポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体を得た。得られたジブロック共重合体のMnは14.3×10、Mwは31.5×10、Mw/Mnは2.2、スチレン結合量は16.0質量%であった。
(トリブロック共重合体の合成)
ポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体100gをトルエン900gに溶解し、ヘキシルアミン61gを添加し、23℃で24時間反応させた。反応後のトルエン溶液を多量のメタノール中に添加し、得られたポリマーをベンゼンに再溶解し、凍結乾燥することでポリスチレン−ポリクロロプレン−ポリスチレントリブロック共重合体を得た。得られたトリブロック共重合体のMnは20.3×10、Mwは48.7×10、Mw/Mnは2.4、スチレン結合量は16.0質量%であった。
<実施例4>
(スチレン高分子連鎖移動剤エマルジョンの合成)
内容積10リットルの重合缶に、スチレン単量体180g、ブチルベンジルトリチオカルボナート6.3g、純水2445g、不均化ロジン酸カリウム(ハリマ化成社製)531.6g、水酸化ナトリウム1.5g、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩(花王社製、商品名:デモールN)30gを添加した。重合開始剤として2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]2塩化水素(富士フイルム和光純薬社製、商品名:VA−044)4.0gを添加し、重合温度80℃にて窒素気流下で重合を行った。得られたエマルジョンはそのままポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体の合成に用いた。
(ポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体の合成)
15分間以上窒素バブリングしたスチレン高分子連鎖移動剤エマルジョン3198.4gを重合温度45℃まで昇温し、クロロプレン単量体2820gを1.5時間かけ、ゆっくりと添加し重合を行った。最終重合率が65%となった時点で重合停止剤であるジエチルヒドロキシアミンを加えて重合を停止させ、減圧蒸留して未反応の単量体を除去した。得られたエマルジョンを多量のメタノール中に添加し、ポリマーを析出させた。得られたポリマーをベンゼンに再溶解し、凍結乾燥することでポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体を得た。得られたジブロック共重合体のMnは8.6×10、Mwは17.2×10、Mw/Mnは2.0、スチレン結合量は9.0質量%であった。
(トリブロック共重合体の合成)
ポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体100gをトルエン900gに溶解し、ヘキシルアミン38gを添加し、23℃で24時間反応させた。反応後のトルエン溶液を多量のメタノール中に添加し、得られたポリマーをベンゼンに再溶解し、凍結乾燥することでポリスチレン−ポリクロロプレン−ポリスチレントリブロック共重合体を得た。得られたトリブロック共重合体のMnは13.0×10、Mwは28.6×10、Mw/Mnは2.2、スチレン結合量は9.0質量%であった。
<実施例5>
(スチレン高分子連鎖移動剤エマルジョンの合成)
内容積10リットルの重合缶に、スチレン単量体810g、ブチルベンジルトリチオカルボナート8.7g、純水2445g、不均化ロジン酸カリウム(ハリマ化成社製)531.6g、水酸化ナトリウム1.5g、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩(花王社製、商品名:デモールN)30gを添加した。重合開始剤として2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]2塩化水素(富士フイルム和光純薬社製、商品名:VA−044)5.5gを添加し、重合温度80℃にて窒素気流下で重合を行った。得られたエマルジョンはそのままポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体の合成に用いた。
(ポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体の合成)
15分間以上窒素バブリングしたスチレン高分子連鎖移動剤エマルジョン3832.3gを重合温度45℃まで昇温し、クロロプレン単量体2190gを1.5時間かけ、ゆっくりと添加し重合を行った。最終重合率が65%となった時点で重合停止剤であるジエチルヒドロキシアミンを加えて重合を停止させ、減圧蒸留して未反応の単量体を除去した。得られたエマルジョンを多量のメタノール中に添加し、ポリマーを析出させた。得られたポリマーをベンゼンに再溶解し、凍結乾燥することでポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体を得た。得られたジブロック共重合体のMnは7.2×10、Mwは13.7×10、Mw/Mnは1.9、スチレン結合量は36.0質量%であった。
(トリブロック共重合体の合成)
ポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体100gをトルエン900gに溶解し、ヘキシルアミン31gを添加し、23℃で24時間反応させた。反応後のトルエン溶液を多量のメタノール中に添加し、得られたポリマーをベンゼンに再溶解し、凍結乾燥することでポリスチレン−ポリクロロプレン−ポリスチレントリブロック共重合体を得た。得られたトリブロック共重合体のMnは11.2×10、Mwは25.8×10、Mw/Mnは2.3、スチレン結合量は36.0質量%であった。
<実施例6>
(メチルメタクリレート高分子連鎖移動剤エマルジョンの合成)
内容積10リットルの重合缶に、メチルメタクリレート単量体450g、ブチル−2−シアノイソプロピルトリチオカルボネート5.8g、純水2445g、不均化ロジン酸カリウム(ハリマ化成社製)531.6g、水酸化ナトリウム1.5g、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩(花王社製、商品名:デモールN)30gを添加した。重合開始剤として2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]2塩化水素(富士フイルム和光純薬社製、商品名:VA−044)4.0gを添加し、重合温度80℃にて窒素気流下で重合を行った。得られたエマルジョンはそのままポリメチルメタクリレート−ポリクロロプレンジブロック共重合体の合成に用いた。
(ポリメチルメタクリレート−ポリクロロプレンジブロック共重合体の合成)
15分間以上窒素バブリングしたメチルメタクリレート高分子連鎖移動剤エマルジョン3468.0gを重合温度45℃まで昇温し、クロロプレン単量体2550gを1.5時間かけ、ゆっくりと添加し重合を行った。最終重合率が65%となった時点で重合停止剤であるジエチルヒドロキシアミンを加えて重合を停止させ、減圧蒸留して未反応の単量体を除去した。得られたエマルジョンを多量のメタノール中に添加し、ポリマーを析出させた。得られたポリマーをベンゼンに再溶解し、凍結乾燥することでポリメチルメタクリレート−ポリクロロプレンジブロック共重合体を得た。得られたジブロック共重合体のMnは8.4×10、Mwは16.0×10、Mw/Mnは1.9、メチルメタクリレート結合量は23.0質量%であった。
(トリブロック共重合体の合成)
ポリメチルメタクリレート−ポリクロロプレンジブロック共重合体100gをトルエン900gに溶解し、ヘキシルアミン38gを添加し、23℃で24時間反応させた。反応後のトルエン溶液を多量のメタノール中に添加し、得られたポリマーをベンゼンに再溶解し、凍結乾燥することでポリメチルメタクリレート−ポリクロロプレン−ポリメチルメタクリレートトリブロック共重合体を得た。得られたトリブロック共重合体のMnは13.0×10、Mwは27.3×10、Mw/Mnは2.1、メチルメタクリレート結合量は23.0質量%であった。
<実施例7>
(スチレン高分子連鎖移動剤エマルジョンの合成)
内容積10リットルの重合缶に、スチレン単量体540g、ブチルベンジルトリチオカルボナート6.6g、純水2445g、不均化ロジン酸カリウム(ハリマ化成社製)531.6g、水酸化ナトリウム1.5g、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩(花王社製、商品名:デモールN)30gを添加した。重合開始剤として2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]2塩化水素(富士フイルム和光純薬社製、商品名:VA−044)4.2gを添加し、重合温度80℃にて窒素気流下で重合を行った。得られたエマルジョンはそのままポリスチレン−ポリn−ブチルアクリレートジブロック共重合体の合成に用いた。
(ポリスチレン−ポリn−ブチルアクリレートジブロック共重合体の合成)
15分間以上窒素バブリングしたスチレン高分子連鎖移動剤エマルジョン3764.5gを重合温度45℃まで昇温し、n−ブチルアクリレート単量体2640gを1.5時間かけ、ゆっくりと添加し重合を行った。最終重合率が95%以上となった時点で重合停止剤であるジエチルヒドロキシアミンを加えて重合を停止させ、減圧蒸留して未反応の単量体を除去した。得られたエマルジョンを多量のメタノール中に添加し、ポリマーを析出させた。得られたポリマーをベンゼンに再溶解し、凍結乾燥することでポリスチレン−ポリn−ブチルアクリレートジブロック共重合体を得た。得られたジブロック共重合体のMnは8.3×10、Mwは17.6×10、Mw/Mnは2.1、スチレン結合量は14.8質量%であった。
(トリブロック共重合体の合成)
ポリスチレン−ポリn−ブチルアクリレートジブロック共重合体100gをトルエン900gに溶解し、ヘキシルアミン23.7gを添加し、23℃で24時間反応させた。反応後のトルエン溶液を多量のメタノール中に添加し、得られたポリマーをベンゼンに再溶解し、凍結乾燥することでポリスチレン−ポリn−ブチルアクリレート−ポリスチレントリブロック共重合体を得た。得られたトリブロック共重合体のMnは12.8×10、Mwは29.4×10、Mw/Mnは2.3、スチレン結合量は14.7質量%であった。
<比較例1>
(ポリクロロプレンの合成)
内容積10リットルの重合缶に、クロロプレン単量体3000g、n−ドデシルメルカプタン6.3g、純水2445g、不均化ロジン酸カリウム(ハリマ化成社製)531.6g、水酸化ナトリウム1.5g、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩(花王社製、商品名:デモールN)30gを添加した。重合開始剤として過硫酸カリウムを添加し、重合温度45℃にて窒素気流下で重合を行った。最終重合率が65%となった時点で重合停止剤であるジエチルヒドロキシアミンを加えて重合を停止させ、減圧蒸留して未反応の単量体を除去した。得られたエマルジョンを多量のメタノール中に添加し、ポリマーを析出させた。得られたポリマーをベンゼンに再溶解し、凍結乾燥することでポリクロロプレンを得た。得られたポリクロロプレンのMnは14.0×10、Mwは44.8×10、Mw/Mnは3.2であった。
<比較例2>
トリブロック共重合体として、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体(SIS)の市販品であるクインタック3421(ゼオン社製)を用いた。
<比較例3>
(スチレン高分子連鎖移動剤エマルジョンの合成)
内容積10リットルの重合缶に、スチレン単量体390g、ブチルベンジルトリチオカルボナート4.8g、純水2445g、不均化ロジン酸カリウム(ハリマ化成社製)531.6g、水酸化ナトリウム1.5g、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩(花王社製、商品名:デモールN)30gを添加した。重合開始剤として2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]2塩化水素(富士フイルム和光純薬社製、商品名:VA−044)3.0gを添加し、重合温度80℃にて窒素気流下で重合を行った。得られたエマルジョンはそのままポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体の合成に用いた。
(ポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体の合成)
15分間以上窒素バブリングしたスチレン高分子連鎖移動剤エマルジョン3405.9gを重合温度45℃まで昇温し、クロロプレン単量体2610gを1.5時間かけ、ゆっくりと添加し重合を行った。最終重合率が65%となった時点で重合停止剤であるジエチルヒドロキシアミンを加えて重合を停止させ、減圧蒸留して未反応の単量体を除去した。得られたエマルジョンを多量のメタノール中に添加し、ポリマーを析出させた。得られたポリマーをベンゼンに再溶解し、凍結乾燥することでポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体を得た。得られたジブロック共重合体のMnは11.0×10、Mwは20.9×10、Mw/Mnは1.9、スチレン結合量は20.0質量%であった。
<比較例4>
(スチレン高分子連鎖移動剤エマルジョンの合成)
内容積10リットルの重合缶に、スチレン単量体240g、ブチルベンジルトリチオカルボナート2.959g、純水2445g、不均化ロジン酸カリウム(ハリマ化成社製)531.6g、水酸化ナトリウム1.5g、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩(花王社製、商品名:デモールN)30gを添加した。重合開始剤として2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]2塩化水素(富士フイルム和光純薬社製、商品名:VA−044)1.87gを添加し、重合温度80℃にて窒素気流下で重合を行った。得られたエマルジョンはそのままポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体の合成に用いた。
(ポリスチレン−ポリオクタデシルアクリレートジブロック共重合体の合成)
15分間以上窒素バブリングしたスチレン高分子連鎖移動剤エマルジョン3344.2gを重合温度45℃まで昇温し、オクタデシルアクリレート単量体2760gを1.5時間かけ、ゆっくりと添加し重合を行った。最終重合率が95%超となった時点で重合停止剤であるジエチルヒドロキシアミンを加えて重合を停止させ、減圧蒸留して未反応の単量体を除去した。得られたエマルジョンを多量のメタノール中に添加し、ポリマーを析出させた。得られたポリマーをベンゼンに再溶解し、凍結乾燥することでポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体を得た。得られたジブロック共重合体のMnは8.3×10、Mwは14.9×10、Mw/Mnは1.8、スチレン結合量は14.8質量%であった。
(トリブロック共重合体の合成)
ポリスチレン−ポリオクタデシルアクリレートジブロック共重合体100gをトルエン900gに溶解し、ヘキシルアミン50gを添加し、23℃で24時間反応させた。反応後のトルエン溶液を多量のメタノール中に添加し、得られたポリマーをベンゼンに再溶解し、凍結乾燥することでポリスチレン−ポリオクタデシルアクリレート−ポリスチレントリブロック共重合体を得た。得られたトリブロック共重合体のMnは12.3×10、Mwは22.1×10、Mw/Mnは1.8、スチレン結合量は14.8質量%であった。
なお、実施例1〜5の製造手順で用いられたポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体は、上記化学式(3)及び(4)で表される構造を有している。また、上記製造手順により得られた実施例1〜5のポリスチレン−ポリクロロプレン−ポリスチレントリブロック共重合体は、上記化学式(1)で表される構造を有している。
[II.重合体の評価]
<Mn、Mw及びMw/Mnの測定>
得られた重合体のMn、Mw、及びMw/Mnは、GPC(標準ポリスチレン換算)で測定した。その際、装置としてHLC−8120GPC(東ソー株式会社製)を用い、プレカラム:TSKガードカラムHHR−H、分析カラム:HSKgelGMHHR−H、サンプルポンプ圧:8.0〜9.5MPa、サンプル調整濃度0.1質量%で測定した。
<スチレン結合量及びメチルメタクリレート結合量の測定>
得られた重合体のスチレン結合量は、1H−NMRで測定した。サンプル30mgを重クロロホルム1mlに溶解し、装置:JEOL ECX400を用いて測定し、クロロプレンセグメント(比較例2の場合はイソプレンセグメント、比較例4の場合はオクタデシルアクリレートセグメント)由来の5.0〜6.0ppmの積分値とスチレンセグメント由来の6.2〜7.2ppmの積分値の比からスチレン結合量を算出した。メチルメタクリレート結合量の測定は、メチルメタクリレート由来のメチル基のピークを元に同様の手順で算出した。
<ガラス転移温度の測定>
示差走査熱量計(Mettler Toledo社製「DSC1」)を用いて、重合体のガラス転移温度を下記条件で測定し、得られた重合体のガラス転移温度をハードセグメントのガラス転移温度とした。
測定温度幅:−80〜120℃
昇温速度:5℃/分
雰囲気:窒素雰囲気下
[III.シートの作製]
実施例1〜7及び比較例1〜4の重合体を、凍結乾燥することにより、厚さ2〜4mmのシートを作製した。
[IV.シートの評価]
<貯蔵弾性率の測定>
貯蔵弾性率は、シートを幅8mm×高さ2mmに切り出し、測定温度−80〜160℃、昇温速度5℃/分、周波数1Hzの条件で測定した。測定には、Anton Paar社製「MCR302」を用いた。下記表1において、ハードセグメントのガラス転移温度を超える温度領域でゴム状平坦領域が見られた場合には「〇」、ゴム状平坦領域が見られなかった場合には「×」と表記した。貯蔵弾性率の測定結果の代表例として、図1に実施例1及び比較例2の測定結果を示し、図2に実施例1及び比較例3の測定結果を示す。図1及び2において、縦軸(G’)は貯蔵弾性率(MPa)、横軸は温度(℃)であり、「Tg」はハードセグメントのガラス転移温度を示す。
<引張強度の測定>
引張強度は、JIS K6251に準拠して測定した。12MPa以上を合格とした。
<伸びの測定>
伸びは、JIS K6251に準拠して測定した。900%以上を合格とした。
実施例1〜7及び比較例1〜4の結果を下記表1に示す。
Figure 2020145206
実施例1〜7のトリブロック共重合体から得られたシートの貯蔵弾性率は、ハードセグメントのガラス転移温度を超える高温領域でゴム状平坦領域を発現することが確認された。一例として、実施例1の貯蔵弾性率の測定結果を図1に示す。図1に示すように、ハードセグメントのガラス転移温度を超える高温領域で、矢印Aで表されるゴム状平坦領域が確認された。また、実施例1〜7のシートは、上記表1に示すように引張強度に優れていることが確認された。
ポリクロロプレンを用いた比較例1のシートは、ハードセグメントのガラス転移温度を超える高温領域でゴム状平坦領域が見られ、伸びは良好であったが、引張強度に劣っていた。
SISを用いた比較例2のシートは、ハードセグメントのガラス転移温度を超える高温領域でゴム状平坦領域が見られなかった。比較例2の貯蔵弾性率の測定結果を図1に示す。図1に示すように、比較例2では、ハードセグメントのガラス転移温度を超える高温領域で、矢印Bで表される貯蔵弾性率の低下が確認された。また、比較例2のシートは、上記表1に示すように引張強度に劣っていた。
ポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体を用いた比較例3のシートは、ハードセグメントのガラス転移温度を超える高温領域でゴム状平坦領域が見られ、伸びは良好であった。比較例3の貯蔵弾性率の測定結果を図2に示す。図2に示すように、比較例3では、ハードセグメントのガラス転移温度を超える高温領域で、矢印Bで表されるゴム状平坦領域が確認された。しかしながら、比較例3のシートは、上記表1に示すように引張強度に劣っていた。
ソフトセグメントのガラス転移温度が25℃を超えるトリブロック共重合体を用いた比較例4のシートは、ハードセグメントのガラス転移温度を超える高温領域でゴム状平坦領域が見られ、引張強度は良好であったが、伸びが悪かった。

Claims (12)

  1. ガラス転移温度が80〜150℃のハードセグメントを構成する重合体ブロックAと、ガラス転移温度が25℃以下のソフトセグメントを構成する重合体ブロックBと、を有するA−B−A型のトリブロック共重合体であり、
    昇温速度5℃/分、周波数1Hzの条件で測定される貯蔵弾性率が、前記ハードセグメントのガラス転移温度を超える温度領域においてゴム状平坦領域を発現する、トリブロック共重合体。
  2. 前記重合体ブロックAが、芳香族ビニル化合物重合体ブロック又はアルキルメタクリレート重合体ブロックである、請求項1に記載のトリブロック共重合体。
  3. 前記重合体ブロックAが、スチレン系重合体ブロック又はメチルメタクリレート系重合体ブロックである、請求項1又は2に記載のトリブロック共重合体。
  4. 前記重合体ブロックBが、共役ジエン重合体ブロック又はアルキルアクリレート重合体ブロックである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のトリブロック共重合体。
  5. 前記重合体ブロックBが、クロロプレン系重合体ブロックである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のトリブロック共重合体。
  6. 前記重合体ブロックAがポリスチレンブロックであり、前記重合体ブロックBがポリクロロプレンブロックである、ポリスチレン−ポリクロロプレン−ポリスチレントリブロック共重合体である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のトリブロック共重合体。
  7. 下記化学式(1)で表される構造を有する、請求項6に記載のトリブロック共重合体。
    Figure 2020145206
    [式(1)中、k、l、m及びnは、それぞれ独立に1以上の整数を示し、R及びRは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換の飽和、不飽和もしくは芳香族の炭素環、置換もしくは無置換の飽和、不飽和もしくは芳香族の複素環、有機金属種、又は任意の重合体鎖を示す。但し、式(1)中のクロロプレンセグメントは代表的な異性体を示しており、重合条件により任意の異性体を含む。]
  8. 接着剤用である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のトリブロック共重合体。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のトリブロック共重合体を用いてなる接着剤。
  10. ガラス転移温度が80〜150℃のハードセグメントを構成する重合体ブロックAと、ガラス転移温度が25℃以下のソフトセグメントを構成する重合体ブロックBと、を有し、
    昇温速度5℃/分、周波数1Hzの条件で測定される貯蔵弾性率が、前記ハードセグメントのガラス転移温度を超える温度領域においてゴム状平坦領域を発現する、A−B−A型のトリブロック共重合体の製造方法であり、
    A−B型のジブロック共重合体同士をカップリング反応により重合させる工程を含む、トリブロック共重合体の製造方法。
  11. 前記A−B型のジブロック共重合体が、下記化学式(2)で表される末端構造を有する、請求項10に記載のトリブロック共重合体の製造方法。
    Figure 2020145206
    [式(2)中、Rは、水素、塩素、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、メルカプト基、又は置換もしくは無置換のヘテロシクリル基を示す。]
  12. 前記トリブロック共重合体が、ポリスチレン−ポリクロロプレン−ポリスチレントリブロック共重合体であり、
    前記A−B型のジブロック共重合体が、下記化学式(3)で表されるポリスチレン−ポリクロロプレンジブロック共重合体である、請求項10又は11に記載のトリブロック共重合体の製造方法。
    Figure 2020145206
    [式(3)中、k及びlは、それぞれ独立に1以上の整数を示し、Rは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換の飽和、不飽和もしくは芳香族の炭素環、置換もしくは無置換の飽和、不飽和もしくは芳香族の複素環、有機金属種、又は任意の重合体鎖を示し、Rは、水素、塩素、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、メルカプト基又は置換もしくは無置換のヘテロシクリル基を示す。但し、式(3)中のクロロプレンセグメントは代表的な異性体を示しており、重合条件により任意の異性体を含む。]
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