JPWO2020138071A1 - 歯科材料用モノマー組成物、歯科材料用組成物及び歯科材料 - Google Patents
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Abstract
Description
また、上記のモノマーとして、例えば特開2018−145133号公報において、10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート(MDP)、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)などが記載されている。
これらモノマーは、配合される組成物を用いて得られる歯科材料において要求される性質(例えば、接着性、強度などの機械的物性、取り扱いやすさなど)に応じて、使い分けられている。
即ち、本開示の一実施形態は、コンポジットレジン、レジンセメントなどの歯科用充填材としての用途においては硬化物に優れた曲げ強度を与え、ボンディング材などの歯科用接着材としての用途においては接着性が良好である歯科材料用モノマー組成物、歯科材料用組成物、及び歯科材料を提供することに関する。
<1>
下記一般式(1)で表される化合物を含む歯科材料用モノマー組成物。
<2>
前記一般式(1)で表される化合物の分子量が350〜2000である<1>に記載の歯科材料用モノマー組成物。
<3>
前記一般式(1)で表される化合物中のすべての前記Yのうち、少なくとも2つ以上が前記(メタ)アクリロイル基含有基(Y1)である<1>又は<2>に記載の歯科材料用モノマー組成物。
<4>
前記一般式(A)中、前記R1bが炭素数2〜6の直鎖アルキレン基、又は炭素数2〜6の直鎖オキシアルキレン基である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の歯科材料用モノマー組成物。
<5>
前記nが3〜12の整数である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の歯科材料用モノマー組成物。
<6>
前記Xが、下記一般式(X1)〜下記一般式(X10)で表される基のいずれか1つである<1>〜<5>のいずれか1つに記載の歯科材料用モノマー組成物。
<7>
前記一般式(1)中、前記少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基含有基(Y1)が、下記一般式(Y1a)〜(Y1f)で表される基からなる群より選択される少なくとも1つを含む<1>〜<6>のいずれか1つに記載の歯科材料用モノマー組成物。
前記一般式(1)で表される化合物として、下記化合物(1−1)〜下記化合物(1−10)からなる群から選択される少なくとも1種を含む<1>〜<7>のいずれか1つに記載の歯科材料用モノマー組成物。
前記一般式(1)で表される化合物以外の(メタ)アクリレート化合物(2)をさらに含有する<1>〜<8>のいずれか1つに記載の歯科材料用モノマー組成物。
<10>
前記一般式(1)で表される化合物と前記(メタ)アクリレート化合物(2)との合計含有量に対する前記一般式(1)で表される化合物の含有量が、1.0質量%〜40.0質量%である<9>に記載の歯科材料用モノマー組成物。
<11>
前記(メタ)アクリレート化合物(2)が、酸性基含有(メタ)アクリレート、酸性基を有しない単官能(メタ)アクリレート及び酸性基を有しない二官能(メタ)アクリレートからなる群から選択される1つ以上の化合物である<9>又は<10>に記載の歯科材料用モノマー組成物。
<12>
前記一般式(1)で表される化合物と前記(メタ)アクリレート化合物(2)との合計含有量が、歯科材料用モノマー組成物全体に対して90質量%以上である<9>〜<11>のいずれか1つに記載の歯科材料用モノマー組成物。
<13>
<1>〜<12>のいずれか1つに記載の歯科材料用モノマー組成物、及び重合開始剤を含有する歯科材料用組成物。
<14>
前記一般式(1)で表される化合物の含有量が、歯科材料用組成物全体の質量に対して0.1質量%〜20質量%である<13>に記載の歯科材料用組成物。
<15>
歯科用接着性レジンセメント、歯科用コンポジットレジン、又は歯科用ボンディング材として用いられる<13>又は<14>に記載の歯科材料用組成物。
<16>
<13>〜<15>のいずれか1つに記載の歯科材料用組成物の硬化物である歯科材料。
本開示において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル又はメタクリロイルを意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
本開示の歯科材料用モノマー組成物は、下記一般式(1)で表される化合物を含む。
また、酸素原子及び窒素原子からなる群から選択される少なくとも1つを含む有機基としては、主鎖中に酸素原子が連続して存在する構造(例えば、「−O−O−」で表される構造)を有さないことが好ましく、酸素原子及び窒素原子以外の構造は炭化水素基であることが好ましい。
ここで、nは3以上の整数であるが、3〜12の整数であることが好ましく、3〜6の整数であることがより好ましく、3であることが特に好ましい。
ただし、下記一般式(X7)中、nX7は1〜40の整数であるが、1〜20の整数であることが好ましい。
Yは、少なくとも2つ以上が(メタ)アクリロイル基含有基(Y1)であることが好ましく、少なくとも3つ以上が(メタ)アクリロイル基含有基(Y1)であることがより好ましく、すべてのYが(メタ)アクリロイル基含有基(Y1)であることがさらに好ましい。
また、Yが(メタ)アクリロイル基含有基(Y1)以外の基又は水素原子を含む場合、水素原子を含むことが好ましい。例えば、すべてのYのうち1つが水素原子であり、残りのYが(メタ)アクリロイル基含有基(Y1)であることが好ましい。
ここで、炭素数1〜20の炭化水素基とは、直鎖の炭化水素基であってもよいし、分岐及び/又は環構造を有する炭化水素基であってもよい。
また、R1bは、炭素数1〜6のアルキル基又は(メタ)アクリロイルオキシアルキレン基で置換されていてもよく、無置換でもよい。
(メタ)アクリロイルオキシアルキレン基におけるアルキレン基は、例えば炭素数1〜12であってもよく、具体的には、(メタ)アクリロイルオキシメチレン基、(メタ)アクリロイルオキシエチレン基、(メタ)アクリロイルオキシプロピレン基等であってよい。
これによって、得られる硬化物の曲げ強度をより向上させることができる。
上記の観点から、一般式(1)で表される化合物の分子量は、380〜1500であることがより好ましく、400〜700であることがさらに好ましい。
酸性基含有(メタ)アクリレートに含有される酸性基としては、例えば、カルボン酸基、カルボン酸無水物基、リン酸基、チオリン酸基、ピロリン酸基、チオピロリン酸基、ホスホン酸基、チオホスホン酸基、スルホン酸基が挙げられる。なお、これらの酸性基は、酸塩化物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等の形態であってもよい。
カルボン酸基又はカルボン酸無水物基を有する酸性基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、4−メタクリロイルオキシエチルトリメリット酸(4−MET)及びその無水物等が挙げられる。
リン酸基を有する酸性基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート(MDP)等が挙げられる。
酸性基を有しない単官能(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)2−イソシアナトエチルメタクリレート等が挙げられる。
酸性基を有しない二官能(メタ)アクリレートとしては、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンビス(2−カルバモイルオキシエチル)ジメタクリレート(UDMA)、ネオペンチルジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス〔4−(3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕プロパン、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
ただし、本開示の歯科材料用モノマー組成物をボンディング材、又はプライマーなどの前処理材として使用する場合は、一般式(1)で表される化合物と前記(メタ)アクリレート化合物(2)との合計含有量に対する前記一般式(1)で表される化合物の含有量は、1.0質量%〜95質量%であることが好ましく、3.0質量%〜60質量%であることがより好ましい。
一般式(1)で表される化合物は、後述する化合物(X)と後述する化合物(Y)の反応により得られることが好ましい。より具体的には、化合物(X)のヒドロキシ基、1級アミノ基及び2級アミノ基からなる群から選択される少なくとも1つの基と、化合物(Y)のイソシアネート基との反応により得られることが好ましい。
化合物(X)は、一般式(X1)〜上記一般式(X10)のいずれかにおける2つ以上の結合位置*が、水素原子と結合している化合物であることが好ましく、3つの水素原子と結合している化合物であることがより好ましい。
本開示の歯科材料用組成物は、本開示の歯科材料用モノマー組成物、及び重合開始剤、を含有する。この歯科材料用組成物は、化学重合性、熱重合性、又は光重合性を有し、例えば歯科修復材料として好ましく使用することができる。
ただし、ボンディング材等として用いる場合、一般式(1)で表される化合物の含有量は、歯科材料用組成物全体の質量に対して1.0質量%〜80質量%であることが好ましく、3.0質量%〜60質量%であることがより好ましく、5.0質量%〜40質量%であることがさらに好ましい。
過酸化物としては特に限定されず、例えば、過酸化ベンゾイル、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド等が挙げられる。アゾ系化合物としては特に限定されず、例えば、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
有機フィラーとしては、例えば、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−メタクリル酸エチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体等の微粉末が挙げられる。
このような無機フィラーの具体例としては、例えば、バリウムボロシリケートガラス(ショット8235、ショットGM27884、ショットG018−053等)、ストロンチウムボロアルミノシリケートガラス(ショットG018−163等)、ランタンガラス(ショットGM31684等)、フルオロアルミノシリケートガラス(ショットG018−117等)、ジルコニウム、セシウム等を含むボロアルミノシリケートガラス(ショットG018−307等)が挙げられる。
また、歯科材料用組成物において、粒径が0.1μm以下のミクロフィラーが配合された組成物は、歯科用コンポジットレジンに好適な態様の一つである。かかる粒径の小さなフィラーの材質としては、シリカ(例えば、商品名アエロジル)、アルミナ、ジルコニア、チタニア等が好ましい。このような粒径の小さい無機フィラーの配合は、コンポジットレジンの硬化物の研磨滑沢性を得る上で有利である。
本開示の歯科材料は、本開示の歯科材料用組成物の硬化物である。歯科材料用組成物の硬化条件としては、歯科材料用組成物の組成、歯科材料の用途等に応じて適宜定めればよい。
本開示の歯科材料用組成物の使用方法は、歯科材料の使用法として一般に知られているものであれば、特に制限されない。例えば、本開示の歯科材料用組成物を齲蝕窩洞充填用コンポジットレジンとして使用する場合は、口腔内の窩洞に歯科材料用組成物を充填した後、公知の光照射装置を用いて光硬化させることにより、目的を達成できる。また、歯冠用コンポジットレジンとして使用する場合は、歯科材料用組成物を適切な形状に加工した後、公知の光照射装置を用いて光硬化させ、さらに所定の条件で熱処理を行うことで、所望の歯冠材料を得ることができる。
TMOIG:トリメタクリロイルオキシエチルカルボニルアミノグリセリン:以下の式(1−1)で表される化合物(公知のウレタン化反応の手法に従い、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(MOI、昭和電工株式会社製)とグリセリン(シグマアルドリッチ社製)をモル比で1:3の割合で反応させて合成した化合物)
UDMA:2,2,4−トリメチルヘキサメチレンビス(2−カルバモイルオキシエチル)ジメタクリレート(公知のウレタン化反応の手法に従い、2,2,4−トリメチルヘキシルジイソシアネート(TMHDI、東京化成工業株式会社)と2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA、三菱ケミカル株式会社)をモル比で1:2の割合で反応させて合成した化合物)
TEGDMA:トリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業株式会社製)
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート(三菱ケミカル株式会社製)
4−MET:4−メタクリロイルオキシエチルトリメリット酸(4−メタクリロイルオキシエチルトリメリット酸無水物(富士フイルム和光純薬株式会社製)と1.2当量の蒸留水とを反応させて合成した化合物)
MDP:10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート(富士フイルム和光純薬株式会社製)
R812:微粒子シリカ(日本アエロジル株式会社製、商品名「エアロジルR812」)
8235:シラン処理バリウムガラス粉(SCHOTT社製、商品名「8235」、粒径0.7μm、γ−MPTSをフィラー質量に対して6%で処理したもの)
GM27884:シラン処理バリウムガラス粉(SCHOTT社製、商品名「GM27884」、粒径1.5μm、γ−MPTSをフィラー質量に対して1.6%で処理したもの)
Acetone:アセトン(富士フイルム和光純薬株式会社製)
蒸留水:蒸留水製造装置(東京理化器械株式会社製)により製造したもの
CQ:d,l−カンファーキノン(富士フイルム和光純薬株式会社製)
DMABAE:N,N−ジメチル安息香酸エチル(富士フイルム和光純薬株式会社製)
BHT:2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(東京化成工業株式会社製)
MEHQ:4−メトキシフェノール(富士フイルム和光純薬株式会社製)
<歯科材料用組成物の調製>
後述する表1に記載のとおりに各成分を混合し、実施例1、実施例2、実施例3、比較例1の歯科用コンポジットレジンとして使用される歯科材料用組成物を調製した。後述する表2に記載のとおりに各成分を混合し、実施例4、実施例5、比較例2の歯科用ボンディング材として使用される歯科材料用組成物を調製した。後述する表3、表4に記載のとおりに各成分を混合し、実施例6、実施例7、実施例8、比較例3、比較例4の歯科用自己接着性レジンセメントとして使用される歯科材料用組成物を調製した。
20〜25℃に設定した室温下、歯科用練和紙上に採取した実施例1、実施例2、実施例3、実施例6、実施例7、実施例8、比較例1、比較例3、比較例4の歯科材料用組成物を2mm×2mm×25mmの試験体作用の型に充填し、裏表両面からルミラーフィルムで圧接した。歯科材料用組成物を充填した型を技工用LED照射器(アルファライトV、株式会社モリタ製)に設置し、裏表3分ずつ光照射して得られた硬化体を試験体とした。
各々の試験体を型から外して蒸留水に浸漬して、37±1℃の恒温器中で18時間保管後、試験体を取り出し、小型卓上試験機(株式会社島津製作所製)を用いて三点曲げ試験を実施した。前記試験はクロスヘッドスピード1mm/minの荷重速度で試験体が破折するまで荷重を加えて実施し、得られた最大点応力より硬化体の強度を算出した。また、その際弾性率も併せて算出した。その結果を後述する表1に示す。
なお、表中の「−」は、該当成分を含んでいないことを示す。また、表中の「SD」は、標準偏差を意味する。以下の表の記載についても同様である。
牛歯被着体は、抜去した後、冷凍保存した牛下顎前歯を注水下解凍し、歯根切断、抜髄処理した。これを直径25mm、深さ25mmのプラスチック製円筒容器に設置し、アクリル樹脂中に包埋した。牛歯被着体は、使用直前に耐水エメリー紙(P400)にて研磨し、エナメル質及び象牙質の平滑面を削り出して使用した。
接着強さは、牛歯エナメル質あるいは象牙質面に平行、かつ表面に接して1.0mm/分のクロスヘッド速度で剪断負荷を掛け、牛歯表面に柱状に形成させた硬化物が表面から分離する時の剪断負荷より求めた。
各歯科材料用組成物の処理方法を以下に示す。
被着面に圧縮空気を約1秒間吹き付けて乾燥した後、エナメル質あるいは象牙質の平面に実施例4、実施例5、比較例2の歯科材料用組成物を塗布し、20秒後にそれぞれの歯科材料用組成物に含まれる揮発性の溶剤を歯科用エアーシリンジにて乾燥させた。その後、それぞれの歯科材料用組成物にLED可視光線照射器(トランスルクス 2ウェーブ)を用いて20秒間光照射して硬化させた後、直径2.38mmのプラスチック製モールド(ウルトラデントジャパン株式会社製)を設置し、光重合性材料(クリアフィル エーピーエックス、クラレノリタケデンタル株式会社製)を充填して同じLED可視光線照射器を用いて20秒間光照射して硬化させた。その後、水中浸漬して37℃の恒温機中で18時間保管後に接着強度を測定した。その結果を後述する表2に示す。
牛歯エナメル質あるいは象牙質の被着面に圧縮空気を約1秒間吹き付けて乾燥した。次に、実施例6〜8、比較例3、4の歯科材料用組成物を別途あらかじめ調製しておいた光硬化性組成物(クリアフィル エーピーエックス、クラレノリタケデンタル株式会社製)の円筒柱硬化物(φ2.3mm×高さ2.2mm)の被着面に塗布して、牛歯被着面に設置し、専用冶具を使用して5Nの力で圧接した。その後、それぞれの歯科材料用組成物の余剰分を除去して、LED可視光線照射器(トランスルクス 2ウェーブ、クルツァー・ジャパン株式会社製)を用いて4方向から10秒間ずつ光照射して硬化させた後、水中浸漬して37℃の恒温機中で18時間保管後に接着強度を測定した。
酸性基含有重合性単量体(C)として、MDPと4−METを使用した例(実施例6、7、比較例3)を表3に示し、酸性基含有重合性単量体(C)として、MDPのみを使用した例(実施例8、比較例4)を表4に示す。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書に参照により取り込まれる。
Claims (16)
- 下記一般式(1)で表される化合物を含む歯科材料用モノマー組成物。
(一般式(1)中、Xは酸素原子及び窒素原子からなる群から選択される少なくとも1つを含む炭素数1〜200のn価の有機基であり、前記酸素原子及び窒素原子からなる群から選択される少なくとも1つがYと結合し、
前記Yは、下記一般式(A)で表される(メタ)アクリロイル基含有基(Y1)、(メタ)アクリロイル基(Y2)、水素原子、又は炭素数1〜20の炭化水素基であり、ただし、一般式(1)で表される化合物中のすべてのYのうち、少なくとも1つ以上は前記(メタ)アクリロイル基含有基(Y1)であり、
複数存在する前記Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、
nは3以上の整数である。)
(一般式(A)中、R1aは水素原子又はメチル基を示し、R1bは、炭素数2〜6の2価の有機基であり、炭素数1〜6のアルキル基又は(メタ)アクリロイルオキシアルキレン基で置換されていてもよい。) - 前記一般式(1)で表される化合物の分子量が350〜2000である請求項1に記載の歯科材料用モノマー組成物。
- 前記一般式(1)で表される化合物中のすべての前記Yのうち、少なくとも2つ以上が前記(メタ)アクリロイル基含有基(Y1)である請求項1又は請求項2に記載の歯科材料用モノマー組成物。
- 前記一般式(A)中、前記R1bが炭素数2〜6の直鎖アルキレン基、又は炭素数2〜6の直鎖オキシアルキレン基である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の歯科材料用モノマー組成物。
- 前記nが3〜12の整数である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の歯科材料用モノマー組成物。
- 前記一般式(1)で表される化合物以外の(メタ)アクリレート化合物(2)をさらに含有する請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の歯科材料用モノマー組成物。
- 前記一般式(1)で表される化合物と前記(メタ)アクリレート化合物(2)との合計含有量に対する前記一般式(1)で表される化合物の含有量が、1.0質量%〜40.0質量%である請求項9に記載の歯科材料用モノマー組成物。
- 前記(メタ)アクリレート化合物(2)が、酸性基含有(メタ)アクリレート、酸性基を有しない単官能(メタ)アクリレート及び酸性基を有しない二官能(メタ)アクリレートからなる群から選択される1つ以上の化合物である請求項9又は請求項10に記載の歯科材料用モノマー組成物。
- 前記一般式(1)で表される化合物と前記(メタ)アクリレート化合物(2)との合計含有量が、歯科材料用モノマー組成物全体に対して90質量%以上である請求項9〜請求項11のいずれか1項に記載の歯科材料用モノマー組成物。
- 請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の歯科材料用モノマー組成物、及び重合開始剤を含有する歯科材料用組成物。
- 前記一般式(1)で表される化合物の含有量が、歯科材料用組成物全体の質量に対して0.1質量%〜20質量%である請求項13に記載の歯科材料用組成物。
- 歯科用接着性レジンセメント、歯科用コンポジットレジン、又は歯科用ボンディング材として用いられる請求項13又は請求項14に記載の歯科材料用組成物。
- 請求項13〜請求項15のいずれか1項に記載の歯科材料用組成物の硬化物である歯科材料。
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