JP2017506245A - 歯科用組成物及びその使用 - Google Patents

歯科用組成物及びその使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2017506245A
JP2017506245A JP2016552637A JP2016552637A JP2017506245A JP 2017506245 A JP2017506245 A JP 2017506245A JP 2016552637 A JP2016552637 A JP 2016552637A JP 2016552637 A JP2016552637 A JP 2016552637A JP 2017506245 A JP2017506245 A JP 2017506245A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dental
meth
dental composition
moiety
polymerizable monomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016552637A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6616310B2 (ja
Inventor
エス.エッケルト アードリアン
エス.エッケルト アードリアン
エム.クブ ミヒャエル
エム.クブ ミヒャエル
ハイラント ベッティーナ
ハイラント ベッティーナ
ベー.ケステル マーリオン
ベー.ケステル マーリオン
タラッカー クリストフ
タラッカー クリストフ
デデ カルステン
デデ カルステン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
3M Innovative Properties Co
Original Assignee
3M Innovative Properties Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 3M Innovative Properties Co filed Critical 3M Innovative Properties Co
Publication of JP2017506245A publication Critical patent/JP2017506245A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6616310B2 publication Critical patent/JP6616310B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K6/00Preparations for dentistry
    • A61K6/60Preparations for dentistry comprising organic or organo-metallic additives
    • A61K6/62Photochemical radical initiators
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61CDENTISTRY; APPARATUS OR METHODS FOR ORAL OR DENTAL HYGIENE
    • A61C13/00Dental prostheses; Making same
    • A61C13/0003Making bridge-work, inlays, implants or the like
    • A61C13/0022Blanks or green, unfinished dental restoration parts
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K6/00Preparations for dentistry
    • A61K6/70Preparations for dentistry comprising inorganic additives
    • A61K6/71Fillers
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K6/00Preparations for dentistry
    • A61K6/70Preparations for dentistry comprising inorganic additives
    • A61K6/71Fillers
    • A61K6/76Fillers comprising silicon-containing compounds
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K6/00Preparations for dentistry
    • A61K6/80Preparations for artificial teeth, for filling teeth or for capping teeth
    • A61K6/884Preparations for artificial teeth, for filling teeth or for capping teeth comprising natural or synthetic resins
    • A61K6/887Compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K6/00Preparations for dentistry
    • A61K6/80Preparations for artificial teeth, for filling teeth or for capping teeth
    • A61K6/884Preparations for artificial teeth, for filling teeth or for capping teeth comprising natural or synthetic resins
    • A61K6/887Compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • A61K6/889Polycarboxylate cements; Glass ionomer cements

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Oral & Maxillofacial Surgery (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Plastic & Reconstructive Surgery (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Dentistry (AREA)
  • Dental Preparations (AREA)

Abstract

重合性モノマー(1)と、反応開始剤と、約20重量%超の量の充填剤構成成分とを含み、重量%は、本組成物の総重量に対してであり、重合性モノマー(1)が、正確に2つの(メタ)アクリレート反応性部分を有することと、(メタ)アクリレート反応性部分間の結合として非対称骨格を有することと、2つの(メタ)アクリレート反応性部分がアルキルエステルとして非対称モノマー骨格上に結合することと、非対称骨格が、フェノール型の1つの芳香族部分を含むことと、を特徴とし、重合性モノマー(1)が、酸性部分、炭素、水素、窒素、及び酸素以外の原子、ビスフェノール部分を含まない、歯科用組成物。本発明はまた、歯科用充填材料、歯科用セメント、歯冠及びブリッジ材料、インレー、アンレー、ベニア、歯列矯正装置、又は歯科用ミルブランクとしてか、又はそれらを製造するための歯科用組成物の使用も対象とする。

Description

本発明は、修復の目的のために特に有用である歯科用組成物に関する。本組成物は、非酸性の固化性構成成分、充填剤、及び反応開始剤を含む固化性樹脂マトリックスを含み、圧縮強度等の改善された物性を示す。
アマルガム及び歯科用コンポジット材料を含む、修復の目的で使用される異なる歯科用充填材料が存在する。その機能(失われた歯牙構造の置き換え)を満たすために、歯科用充填材料は、適切な物性を有する必要がある。具体的には、歯科用充填材料は、咀嚼力を吸収し、かつそれに耐えることができる十分な強度を有しなければならない。しかしながら、材料が硬すぎる場合、材料はまた脆くもなる。従って、歯科用充填材料は、十分に硬い必要があるだけでなく、ある程度可撓性でもある必要がある。
これらの必要性に対処するために、市販されている歯科用コンポジット充填材料は、一般的に、一定量の樹脂マトリックス、充填剤、及び反応開始剤を含有する。
樹脂マトリックスに含有されている広く使用されている重合性(メタ)アクリレート構成成分は、ビスフェノールA−グリシジルメタクリレート(ビス−GMA)又は他のビスフェノール系(メタ)アクリレートモノマーである。
ビスフェノール系モノマーを含有する組成物は、高圧縮強度等の様々な有益特性を有すると言われており、従って、修復の目的のために施術者が様々な異なる歯科用組成物を調剤することを可能にする。
しかしながら、いくつかの文献は、ビスフェノール系モノマーが全ての目的のために、必ずしも推奨されないことを示しているように考えられる。従って、代替の重合性(メタ)アクリレート構成成分が必要とされている。
米国特許出願公開第2010/076115号(Heraeus Kulzer)は、ウレタン基を有するトリシクロ[5.2.1.02.6]デカンのアクリル酸エステルを有する歯科用コンポジットのための組成物に関する。
米国特許第3,853,962号(Gander)は、メタクリレートモノマー1,3−ビス[2−,3−ジ(メタクリルオキシ)−プロポキシ]−ベンゼンを含む歯科用修復セメントに関する。この種類のモノマーを含有する修復組成物は、改善された圧縮強度及び関連物性を有すると言われている。
米国特許第4,744,827号(Winkel)は、大幅により小さい重合収縮を呈するトリシクロデカンの(メタ)アクリル酸誘導体を記載している。
国際特許第2012/003136号(3M)は、ウレタン部分を含み得る、同程度の剛性の骨格を有する固化性化合物を含む歯科用組成物に関する。この組成物は、例えば、収縮応力に関して有利な特性を有すると言われている。
国際特許第2009/042574号(3M)は、粘度、屈折率、分子量、及び収縮値に関してバランスのとれた特性を示す、ウレタン結合を含有するメタクリレート系モノマーを記載している。
米国特許出願公開第2011/0315928号(Jinら)は、オリゴマー性樹脂、第2の樹脂、及び充填剤を含む低応力の流動性歯科用組成物を記載している。この組成物は、自己水平性であり、バルク充填材料として好適であると言われている。オリゴマー性樹脂は、任意の従来の反応開始剤由来であり得る光応答性部分を含有する。
一般に、ビス−GMA若しくは他のビスフェノール系(メタ)アクリレートモノマー又は構成成分の使用の必要なしに調製することができる、適切な物性を有する歯科用組成物に対する必要性が存在する。
具体的には、圧縮強度等の改善された物性を示すが、重合の際に収縮応力に悪影響を与えることのない歯科用組成物を提供することが、本発明の1つの目的である。更に、歯科用組成物を、(メタ)アクリレート構成成分を含有するビスフェノール部分を使用せずに調剤することができることが望ましいであろう。
具体的には、圧縮強度等の改善された物性を示すが、重合の際に収縮応力に悪影響を与えることのないビス−GMAを含まない歯科用組成物を提供することが、本発明の目的である。
この目的に取り組むために、本発明は、特許請求の範囲に記載される歯科用組成物を特徴とし、本組成物は、
−重合性モノマー(1)と、
−重合性モノマー(1)の硬化又は固化を開始するのに好適な反応開始剤構成成分と、
−約20重量%超の量の充填剤構成成分(重量%は組成物の総重量に対する)と、を含み、
重合性モノマー(1)が、以下:
−正確に2つの(メタ)アクリレート反応性部分を有することと、
−(メタ)アクリレート反応性部分間の結合として、非対称骨格を有することと、
−2つの(メタ)アクリレート反応性部分が、アルキルエステルとして非対称骨格上に結合することと、
−非対称骨格が、好ましくはフェノール型のたった1つの芳香族部分を含むことと、
−フェノール型の芳香族部分のヒドロキシル基が、アルキル−アリールエーテルを介してアルキル残基上に常に結合することと、
−非対称骨格内に、1つ又は2つのウレタン部分を有することと、を特徴とし、
重合性モノマー(1)は、
−炭素、水素、窒素、及び酸素以外の原子、
−フェノール型の芳香族部分以外の他の芳香族部分、
−ビスフェノール部分、を含有しない。
更に、本発明は、歯科用充填材料、(例えば一時的及び長期的)歯冠及びブリッジ材料、インレー、アンレー、ベニア、歯列矯正装置、又は歯科用ミルブランクを製造するためのか、又はこれらとしての本発明の本文に記載される組成物を使用する方法を特徴とする。
異なる定義がない限り、本明細書では、以下の用語は所与の意味を有するものとする。
「歯科用組成物」又は「歯科使用のための組成物」又は「歯科分野で使用される組成物」は、歯科分野で使用することができ、使用されるものである任意の組成物である。この点において、その組成物は患者の健康にとって有害であってはならず、従って、その組成物から出て移動することのできる有害及び毒性の構成成分を含まない。歯科用組成物の例としては、永久的及び一時的歯冠並びにブリッジ材料と、人工歯冠と、前部又は後部歯科用充填材料と、歯科用ミルブランクと、歯列矯正装置とが挙げられる。
歯科用組成物は、一般的に、固化性組成物である。口内で固化させるための歯科用組成物は、約15〜50℃又は約20〜40℃の範囲の温度を含む周囲条件で、約30分又は20分又は10分の時間枠以内に固化し得る。これよりも高い温度は、患者に痛みをもたらし得、患者の健康に有害であり得るため、推奨されない。歯科用組成物は、典型的に、約0.1〜約100mL、又は約0.5〜約50mL、又は約1〜約30mLの範囲の体積である、同程度の少体積で施術者に提供される。従って、有用な梱包装置の保存体積は、典型的にこれらの範囲内である。
「歯科用充填材料」は、欠落した歯牙構造、具体的には、歯牙硬組織内の空洞を充填するように設計された固化性材料である。
本発明の意味の範囲内の「歯冠及びブリッジ材料」は、歯科用歯冠及びブリッジを作製するのに使用される固化性材料である。これらの材料は、典型的には、歯科技工士が歯冠又はブリッジなどの永久的補綴物を製造するのに必要な期間の間使用される。これらの期間は、数日(1〜6日)、数週(1〜4週)、又は数カ月(1〜6カ月)の間続き得る。長期クラウン及びブリッジ材料は、典型的には、約6〜約24ヵ月の期間にわたって使用される。
「歯科用フライス加工ブロック」又は「歯科用ミルブランク」は、歯科用物品を機械加工することができる材料の固形のブロック(3次元物品)を意味する。歯科用フライス加工ブロックは、典型的に幾何学的に定義された形状を有する。歯科用フライス加工ブロックは、2次元において約20mm〜約30mmの大きさを有してよく、例えば、この範囲の直径を有してよく、第3の寸法に一定の長さを有してよい。単一の歯冠を作製するためのブロック又はブランクは、約15mm〜約30mmの長さを有し得、ブリッジを作製するためのブロック又はブランクは、約40mm〜約80mmの長さを有し得る。単一の歯冠を作製するために使用される際のブロック又はブランクの典型的な大きさは、約24mmの直径及び約19mmの長さを有する。更に、ブリッジを作製するために使用される際のブロック又はブランクの典型的な大きさは、約24mmの直径及び約58mmの長さを有する。上述される寸法に加えて、歯科用フライス加工ブロックは、立方体、円筒、又は直方体の形状も有し得る。より大きいフライス加工ブロックは、複数のクラウン又はブリッジが1つのブランクから作製されねばならない場合、有益であり得る。このような場合には、円筒状又は立方体様形状のミルブランクの直径又は長さは、約80〜約200mmの範囲であり得、厚さは約10〜約30mmの範囲である。
「機械加工」とは、機械による材料のフライス加工、研削、切削、削り出し、又は成形を意味する。フライス加工は、通常、研削よりも速く、費用対効果が高い。
「反応開始剤系」又は「反応開始剤」は、本明細書において、「固化性構成成分を硬化する」としても記載される、固化性構成成分の硬化プロセスを始めるか、又は開始することができる歯科用組成物のそれらの構成成分が含まれるものとする。
「樹脂マトリックス」は、固化性構成成分及び存在する場合は、有機希釈剤からなる歯科用組成物の有機成分を意味するものとする。
「固化性構成成分又は材料」(例えば、「重合性構成成分」又は「架橋性構成成分」)は、例えば、加熱による重合、化学的架橋、放射線誘発性重合、又はレドックス反応開始剤を用いることによる架橋等によって硬化又は凝固し得る任意の構成成分である。固化性構成成分は、例えば、1つのみ、2つ、3つ、又はそれ以上の重合性基を含有してよい。重合性基の典型例には、例えば、(メタ)アクリレート基中に存在するビニル基等の不飽和炭素基が挙げられる。
「硬化性組成物」は、2つ以上の構成成分の混合物であり、混合物は、例えば、加熱による、化学的架橋、放射線誘発性重合、又はレドックス反応開始剤を用いることによる架橋によって、硬化又は凝固することができる。硬化性組成物は、有利に固化性構成成分を含み得る。
「モノマー」は、オリゴマー又はポリマーに重合することが可能であり、それによって分子量が増加する1つ以上の重合性基((メタ)アクリレート基を含む)を有する化学式を特徴とし得る、任意の化学物質である。通常、モノマーの分子量は、与えられた化学式に基づいて単純に計算することができる。
本明細書で使用される場合、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」及び/又は「メタクリル」を指す短縮語である。例えば、「(メタ)アクリルオキシ」基は、アクリルオキシ基(即ち、CH=CH−C(O)−O−)及び/又はメタクリルオキシ基(即ち、CH=C(CH)−C(O)−O−)のいずれかを指す短縮語である。同様に、(メタ)アクリレートは、「アクリレート」及び/又は「メタクリレート」を指す短縮語である。
「硬化(curing)」、「固化」、及び「硬化(setting)反応」は、互換的に使用され、組成物の粘度及び硬度等の物性が、個々の構成成分間の化学反応に起因して経時的に変化する(例えば、上昇する)反応を指す。
「酸性部分を有する重合性モノマー」は、エチレン性不飽和並びに酸及び/又は酸前駆体官能基を有するモノマー、オリゴマー、及びポリマーを含むことを意味する。酸性前駆体官能基としては、例えば、無水物、酸ハロゲン化物、及びピロリン酸塩が挙げられる。酸性基は、好ましくは、−COOH又は−CO−O−CO−等の1つ以上のカルボン酸残基、−O−P(O)(OH)OH等のリン酸残基、C−P(O)(OH)OH等のホスホン酸残基、−SOH等のスルホン酸残基、又は−SOH等のスルフィン酸残基を含む。
「フェノール型」部分は、概して、芳香族残基上に直接結合した、少なくとも1つの酸素原子を有する芳香族部分、より正確には、構造要素[C6RxO](式中、xは、1、2、3、4、5、又は6であり、Rは、H、アルキル(例えばC1〜C8)、−O−、−CO−、又は−C(O)O−であり、C6は、芳香族環を形成する)を含む部分として、理解されている。例えば、「C6H5O−」(フェノキシ)は、最も単純な「フェノール型」部分を表す。
「粉末」は、振られるか、又は傾けられたとき、自在に流れることができる大量の非常に細かい粒子からなる、乾燥したバルク固形物を意味する。
「粒子」とは、幾何学的に決定され得る形状を有する固体である物質を意味する。粒子は、典型的には、例えば粒度又は粒径に関して分析され得る。粒子は、非晶質又は結晶質であってもよい。
「放射線硬化性」は、構成成分(又は場合によって、組成物)が、周囲条件下及び適切な時間内(例えば、約15、10、又は5分以内)で、放射線、好ましくは可視光線スペクトルの波長での電磁放射線を適用することにより、硬化することができることを意味するものとする。用語「可視光」は、約400〜約700ナノメートル(nm)の波長を有する光を指すために使用される。
「歯牙硬組織」は、象牙質及びエナメル質を意味する。
「周囲条件」は、本発明の組成物が、保管及び操作中に通常さらされる条件を意味する。周囲条件は、例えば、約900〜約1100mbar(900〜約1100hPa)の圧力、約−10〜約60℃の温度、及び約10〜約100%の相対湿度であり得る。実験室では、周囲条件は、約23℃及び約1013mbar(1013hPa)及び約50%の相対湿度に調整され得る。歯科及び歯列矯正分野では、周囲条件は、約950〜約1050mbar(約950〜約1050hPa)の圧力、約15〜約40℃の温度、及び約20〜約80%の相対湿度として合理的に理解される。
組成物は、その組成物が本質的な特徴として特定の構成成分を含有しない場合、本発明の意味内で前記特定の構成成分を「本質的に又は実質的に含まない」。従って、前記構成成分は、それ自体でか、又は他の構成成分若しくは他の構成成分の成分と組み合わせてのいずれかで、故意に組成物に添加されない。特定の構成成分を本質的に含まない組成物は、通常、その構成成分を組成物全体に対して、約1重量%未満、又は約0.1重量%未満、又は約0.01重量%未満の量で含有する。理想的には、この組成物又は溶液は、前記構成成分を全く含有しない。しかしながら、時には、不純物のために、少量の前記構成成分の存在が回避出来ないこともある。
本明細書で使用される場合、「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つの」、及び「1つ以上の」は、互換可能に用いられる。用語「含む(comprises)」又は「含有する(contains)」及びこれらの変形は、これら用語が説明及び特許請求の範囲で表示される場合、限定的な意味を有するものではない。用語「含む(comprising)」は、更に限定的な表現である「本質的に〜からなる」及び「〜からなる」も含む。
また、本明細書において、端点による数の範囲の列挙には、その範囲内に包含されるすべての数(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5などを含む)が含まれる。
用語への「(s)」の付加は、その用語が単数形及び複数形を含むべきであることを意味する。例えば、用語「添加剤(s)」は、1つの添加剤及びそれ以上の数の添加剤(例えば、2、3、4、など)を意味する。
別途記載のない限り、明細書及び特許請求の範囲で使用される成分の量、下記のような物性の測定値等を表す全ての数は、全ての場合に用語「約」によって修飾されることが理解されるべきである。
本文に記載される組成物が、様々な特性に関して優れていることが見出された。
本文に記載される非対称(即ち対称的ではない)重合性モノマーを含む固化した歯科用組成物は、特に圧縮強度に関して改善された物性を示す。
更に、所望の歯科用組成物を、ビスフェノール部分を含有するモノマー又は構成成分を使用せずに調剤することができる。
本文に記載される非対称、重合性モノマーは、典型的に室温で凝固せず、従って、歯科用充填若しくは歯冠及びブリッジ材料又は歯科用ミルブランクを調剤するために必要な量である十分な量の充填剤を組み込むことを容易にする。
ある特定の実施形態において、歯科用組成物は、固化する前に、以下の特徴のうちの少なくとも1つ以上、時に全てを満たす。
−水と接触させたときのpH値:中性(例えば、約6〜約8)又は酸性(例えば約2〜約5)、
−放射線又はレドックス硬化性、
−保存安定、
−1つ又は2つの構成成分系として提供される。
必要に応じて、かつより正確には、粘度を以下の条件下で決定することができる:23℃、剪断速度:円錐/プレート形状CP25−1を使用してPhysica MCR 301 Rheometer、Anton Paar GmbH、Graz、Austriaで測定して、100 1/秒。
溶解し、分散(例えば、10mlの水中1gの組成)、又は水と接触させた場合、本組成物は典型的に、約6〜約8の範囲又は約7のpH値を呈する。つまり、本組成物は全体として、本質的に、水と接触させた場合、中性のpHを有するか、又はわずかに酸性である。
本発明は、例えば、約300秒(s)未満、又は約180秒未満、又は約120秒未満等の許容できる時間枠内で、歯科医院において既に利用可能な可視光源設備を用いて十分な深度まで固化することができる組成物を提供する。
ある特定の実施形態において、本歯科用組成物は、(固化後に)以下の特性のうちの少なくとも1つ以上、時に全てを満たす。
−圧縮強度:少なくとも約380MPa又は少なくとも約400又は少なくとも約420MPa、
−収縮応力:約2350μ歪以下又は約2200μ歪以下又は約2050μ歪以下。
必要に応じて、圧縮強度を、ISO 4049に従って、3mm×3mm×5mmの寸法を有する被検査物を使用して決定することができる。
必要に応じて、収縮応力を、Sakaguchi et al.(Dent.Mater.1997,13,233〜239)に記載される手順に従って、45mgの試料を40秒間、3M XL3000(650mW)照射装置を使用して刺激することにより、決定することができる。
本歯科用組成物は、樹脂マトリックスを含む。重合性モノマー(1)は、樹脂マトリックスの一構成成分を表す。
重合性モノマー(1)は、非対称ジ−官能性ウレタン(メタ)アクリレートモノマーとしても記載され得る。
更に詳細には、重合性モノマー(1)は、以下の通り説明することができる。
−正確に2つの(メタ)アクリレート反応性部分を有し、
−(メタ)アクリレート反応性部分間の結合として、非対称骨格を有し、
−2つの(メタ)アクリレート反応性部分が、アルキルエステルとして非対称骨格上に結合し、
−非対称骨格が、フェノール型の芳香族部分を含み、
−フェノール型の芳香族部分のヒドロキシル基が、アルキル−アリールエーテルを介してアルキル残基上に常に結合し、
−非対称骨格内に、1つ又は2つのウレタン部分を有し、
−典型的に、非対称骨格内の2つ以下の追加の芳香族部分が反応性基間の結合の一部ではないが、反応性基間のこの結合上に結合し、
重合性モノマー(1)が、
−炭素、水素、窒素、及び酸素以外の原子と、
−フェノール型の芳香族部分以外の他の芳香族部分と、
−ビスフェノール部分とを含有していない。
重合性モノマー(1)は、以下の特徴のうちの少なくとも1つも特徴とし得る。
−約300〜1,000の範囲内の分子量を有することと、
−フェノール型の芳香族部分が、チロソール部分、ヒドロキシベンジル型アコール部分、ヒドロキシ安息香酸部分、レゾルシノール部分、カテコール部分を含むこと。
重合性モノマー(1)のいくつかの実施形態は、グリセロール部分(−O−CH2−CH(OH)−CH2−O−)及び/又はフェニルグリセロール部分(−O−CH2−CH(O−)−CH2−OPh)を含む。
重合性モノマー(1)は、典型的に以下の実施形態を特徴とする。
実施形態(I)
Figure 2017506245
式中、
[−D−]−B−O−A−[−O−B’−]−[−D’−]d’は、重合性部分間の結合として非対称骨格を表し、
a=0又は1であり、
Figure 2017506245
であり、
Aは、アリール−アルキルエーテルとして、B及び/又はB’上に常に結合し、
B=−(CH−(CH−CH−O−CH−CH)−−(CH−CH−O−CH−CH−CH)−−(CH−CH−CH−O−CH−CH−CH)−
Figure 2017506245
であり、
Bが、アルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性基上にか、又はウレタンとしてD上に結合し、
b=2〜6であり、
B’=−(CHb’−(CH−CH−O−CH−CH)−
Figure 2017506245
であり、
B’は、アルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性基上にか、又はウレタンとしてD’上に結合し
b’=2〜6であり、
D、D’は独立して、−(CH−NH−(C=O)−O−−(CH−C(CH−CH)−NH−(C=O)−O−−(CH−CH−C(CH)−NH−(C=O)−O−から選択され、
D及びD’は、ウレタン結合の酸素を介してB及び/又はB’上に常に結合し、
d=0,1であり、d’=0,1であるが、但し、(d+d’)=1又は2であることを条件とし、
n=2〜5であり、
Rは独立して、H、メチルから選択され、
Xは独立して、H及びC1〜C6アルキル(例えばメチル、エチル、ヘキシル、tert−ブチル)から選択される。
重合性モノマー(1)は、以下の実施形態のいずれかも特徴とし得る。
実施形態(Ia)
Figure 2017506245
式中、
[−D−]−B−O−A−O−B’−[−D’−]d’は、反応性基間の結合として非対称モノマー骨格を表し、
Figure 2017506245
であり、
Aは、アリール−アルキルエーテルとして、B及び/又はB’上に常に結合し、
B=−(CH−(CH−CH−O−CH−CH)−−(CH−CH−O−CH−CH−CH)−−(CH−CH−CH−O−CH−CH−CH)−
Figure 2017506245
であり、
Bは、アルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性基上にか、又はウレタンとしてD上に結合し、
b=2〜6であり、
B’=−(CHb’−(CH−CH−O−CH−CH)−
Figure 2017506245
であり、
B’は、アルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性基上にか、又はウレタンとしてD’上に結合し
b’=2〜6であり、
D、D’は独立して、−(CH−NH−(C=O)−O−−(CH−C(CH−CH)−NH−(C=O)−O−−(CH−CH−C(CH)−NH−(C=O)−O−から選択され、
D、D’は、ウレタン結合の酸素を介してB及び/又はB’上に常に結合し、
d=0又は1であり、d’=0又は1であるが、但し、(d+d’)=1又は2であることを条件とし、
n=2〜5、
Rは独立して、H、メチルから選択され、
Xは独立して、H及びC1〜C6アルキル(例えばメチル、エチル、ヘキシル、tert−ブチル)から選択される。
実施形態(Ib)
Figure 2017506245
式中、
[−D−]−B−O−A−[−D’−]d’は、反応性基間の結合として非対称骨格を表し、
Figure 2017506245
であり、
Aは、アリール−アルキルエーテルとしてB上に結合し、アルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性基にか、又はウレタンとしてD’上に結合し、
B=−(CH−(CH−CH−O−CH−CH)−
Figure 2017506245
であり、
Bは、アルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性基上にか、又はウレタンとしてD上に結合し、
b=2〜6であり、
D、D’は独立して、−(CH−NH−(C=O)−O−−(CH−C(CH−CH)−NH−(C=O)−O−−(CH−CH−C(CH)−NH−(C=O)−O−から選択され、
D、D’は、ウレタン結合の酸素を介してB及び/又はB’上に常に結合し、
d=0又は1であり、d’=0又は1であるが、但し、(d+d’)=1又は2であることを条件とし、
n=2〜5であり、
Rは独立して、H及びメチルから選択され、
」は、モノマーの部分であって、モノマーの別の部分に結合する、部分の場所を表す。
全ての上記の式において、Rは独立して、H及びCH3から選択され得、各構成成分において、Rがメチル又は水素のいずれかであり得るか、又は1つのRがメチルであり、他のRが水素であることを意味する。
重合性モノマー(1)は、骨格に関しても分類することができる。一実施形態に従って、骨格は、エーテル部分を含有し、どちらかというと非極性とみなすことができる。別の実施形態に従って、骨格は、エーテル部分を含有し、どちらかというと極性とみなすことができる。更なる実施形態に従って、骨格は、エーテル及びエステル部分を含有し、どちらかというと極性とみなすことができる。
エーテル部分を含有するどちらかというと非極性骨格を有する重合性モノマー(1)の特定の例としては、
Figure 2017506245
Figure 2017506245
Figure 2017506245
Figure 2017506245
Figure 2017506245
(式中、Rは独立して、H及びC1〜C4アルキル(具体的にはCH3)から選択される)が挙げられる。
エーテル部分を含有するどちらかというと極性の骨格を有する重合性モノマー(1)の特定の例としては、
Figure 2017506245
Figure 2017506245
(式中、Rは独立して、H及びC1〜C4アルキル(具体的にはCH3)から選択される)が挙げられる。
エーテル及びエステル部分を含有するどちらかというと極性の骨格を有する重合性モノマー(1)の特定の例としては、
Figure 2017506245
Figure 2017506245
Figure 2017506245
Figure 2017506245
(式中、Rは独立して、H及びC1〜C4アルキル(具体的にはCH3)から選択される)が挙げられる。
重合性モノマー(1)のうちの2つ、3つ以上の混合物を、必要に応じて使用することができる。
重合性モノマー(1)は、典型的に以下の量
−下限:少なくとも約1、又は少なくとも約5、又は少なくとも約10重量%
−上限:最大約75、又は最大約70、又は最大約65重量%
−範囲:約1〜約75、又は約5〜約70、又は約10〜約65重量%
で含有され、重量%は、組成物全体の量に対する。
重合性モノマー(1)等の酸性基を有さない重合性モノマーに加えて、本組成物は、樹脂マトリックスの一部として酸性部分(2)を有する重合性モノマーも含み得る。
従って、本文に記載される本組成物は、酸性部分を有する重合性モノマー(2)を更に含み得る。
存在する場合、重合性モノマー(2)の性質及び構造は、所望の結果を達成することが出来ない場合を除いて、特に限定されない。
重合性モノマー(3)の存在は、それが所望の酸度を有する組成物をもたらし得るので、有益であり得る。
酸部分(A1)を有する重合性構成成分は、典型的に以下の式によって表すことができ、
−B−C
式中、Aは、(メタ)アクリル部分等のエチレン性不飽和基であり、
Bは(i)他の官能基(例えば、(Cl、Br、Iを含む)ハロゲン化合物、OH、又はこれらの混合物)で任意に置換され得る直鎖又は分岐鎖C1〜C12アルキル、(ii)他の官能基(例えばハロゲン化合物、OH、又はこれらの混合物)で任意に置換されるC6〜C12アリール、(iii)1つ以上のエーテル、チオエーテル、エステル、チオエステル、チオカルボニル、アミド、ウレタン、カルボニル、及び/又はスルホニル結合によって互いに結合している4〜20個の炭素原子を有する有機基等のスペーサー基であり、
Cは、酸性基であり、
m、nは独立して、1、2、3、4、5、又は6から選択され、
酸性基は、−COOH又は−CO−O−CO−等の1つ以上のカルボン酸残基、−O−P(O)(OH)OH等のリン酸残基、C−P(O)(OH)(OH)等のホスホン酸残基、−SOH等のスルホン酸残基、又は−SOH等のスルフィン酸残基を含む。
酸部分を有する重合性構成成分の例としては、グリセロールホスフェートモノ(メタ)アクリレート、グリセロールホスフェートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(例えば、HEMA)ホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシエチル)ホスフェート、(メタ)アクリルオキシプロピルホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシプロピル)ホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシ)プロピルオキシホスフェート、(メタ)アクリルオキシヘキシルホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシヘキシル)ホスフェート、(メタ)アクリルオキシオクチルホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシオクチル)ホスフェート、(メタ)アクリルオキシデシルホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシデシル)ホスフェート、カプロラクトンメタクリレートホスフェート、クエン酸ジ−又はトリ−メタクリレート、ポリ(メタ)アクリル化オリゴマレイン酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリマレイン酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリカルボキシル−ポリホスホン酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリクロロスルホン酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリスルホネート、及びポリ(メタ)アクリル化ポリホウ酸等が挙げられるが、これらに限定されない。例えば水と容易に反応して、酸ハロゲン化物又は無水物等の上述の特定の例を形成することができる酸部分を有するこれらの固化性構成成分の誘導体もまた、企図される。
(メタ)アクリル酸、芳香族(メタ)アクリル化された酸(例えば、メタクリレート化されたトリメリット酸)などの不飽和カルボンのモノマー、オリゴマー、及びポリマー、並びにこれらの無水物を使用することもできる。
これらの化合物の一部は、例えば、イソシアナトアルキル(メタ)アクリレートとカルボン酸との間の反応生成物として得ることができる。酸官能性構成成分及びエチレン性不飽和構成成分の両方を有するこの種の追加の化合物は、米国特許第4,872,936号(Engelbrecht)及び同第5,130,347号(Mitra)に記載されている。エチレン性不飽和部分及び酸部分の両方を含有する多種多様のこのような化合物を使用することができる。必要に応じて、このような化合物の混合物を使用することができる。
(メタ)アクリレート官能化ポリアルケン酸の使用は、これらの構成成分が歯牙硬組織への接着、均質な層の形成、粘度、又は水分耐性等の特性を改善させるのに有用であることが見出されているため、多くの場合好ましい。
一実施形態に従って、本組成物は、(メタ)アクリレート官能化ポリアルケン酸、例えば、AA:ITA:IEM(ペンダントメタクリレートを有するアクリル酸:イタコン酸のコポリマー)を含有する。
これらの構成成分は、例えば、AA:ITAコポリマーを、2−イソシアネートエチルメタクリレートと反応させて、コポリマーの酸基の少なくとも一部分をペンダントメタクリレート基に変換させることにより、作製することができる。これらの構成成分の生成のための方法は、例えば、米国特許第5,130,347号(Mitra)の実施例11、並びに米国特許第4,259,075号(Yamauchiら)、同第4,499,251号(Omuraら)、同第4,537,940号(Omuraら)、同第4,539,382号(Omuraら)、同第5,530,038号(Yamamotoら)、同第6,458,868号(Okadaら)、欧州特許出願公開第0 712 622 A1号(Tokuyama Corp.)、及び同第1 051 961 A1号(Kuraray Co.,Ltd.)に記載される。
重合性モノマー(2)のうちの2つ、3つ以上の混合物を、必要に応じて使用することができる。
酸性部分(2)を有する重合性モノマーは、以下の量
−下限:少なくとも約0、又は少なくとも約0.1、又は少なくとも約1重量%
−上限:最大約60、又は最大約50、又は最大約40重量%
−範囲:約0〜約60、又は約0.1〜約50、又は約1〜約40重量%
で存在し得、重量%は、組成物全体の量に対する。
本文に記載される組成物は、重合性モノマー(1)とは異なる酸性部分を有さない重合性モノマー(3)もまた、任意に含み得る。
存在する場合、重合性モノマー(3)は、固化性樹脂マトリックスの更なる構成成分を形成する。
重合性モノマー(3)の性質及び構造は、所望の結果を達成することが出来ない場合を除いて、特に限定されない。
この構成成分は、典型的に、エチレン性不飽和モノマー、モノマー、オリゴマー、又はポリマーを含むフリーラジカル重合性材料である。
好適な重合性構成成分は、以下の式を特徴とし。
−B−A
式中、Aは、(メタ)アクリル部分等のエチレン性不飽和基であり、
Bは、(i)他の官能基(例えば、(Cl、Br、Iを含む)ハロゲン化合物、OH、又はこれらの混合物)で任意に置換され得る直鎖又は分岐鎖C1〜C12アルキル、(ii)他の官能基(例えばハロゲン化合物、OH、又はこれらの混合物)で任意に置換されるC6〜C12アリール、(iii)1つ以上のエーテル、チオエーテル、エステル、チオエステル、チオカルボニル、アミド、ウレタン、カルボニル、及び/又はスルホニル結合によって互いに結合している4〜20個の炭素原子を有する有機基から選択され、
m、nは独立して、0、1、2、3、4、5、又は6から選択されるが、但し、n+mが0超である、つまり少なくとも1つのAの基が存在することを条件とする。
このような重合性材料としては、モノ−、ジ−、又はポリ−アクリレート及びメタクリレート、例えば、メチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)と2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)との反応生成物であるUDMA(異性体の混合物、例えば、Rohm Plex 6661−0)と呼ばれるジウレタンジメタリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジメタクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタアクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビス[1−(2−(メタ)アクリルオキシ)]−p−エトキシフェニルジメチルメタン、及びトリスヒドロキシエチル−イソシアヌレートトリメタクリレートと;分子量200〜500のポリエチレングリコールのビス−アクリレート及びビス−メタクリレート、アクリル化モノマーの共重合性混合物(例えば米国特許第4,652,274号を参照のこと)、並びにアクリル化オリゴマー(例えば米国特許第4,642,126号を参照のこと)と;スチレン、コハク酸ジビニル、アジピン酸ジビニル、及びフタル酸ジビニル等のビニル化合物と;ウレタン、尿素、又はアミド基を含む多官能性(メタ)アクリレートが挙げられる。必要に応じて、これらのフリーラジカル重合性材料の2つ以上の混合物が使用され得る。
これらエチレン性不飽和モノマーは、単独でか、又は他のエチレン性不飽和モノマーと組み合わせて歯科用組成物に使用することができる。
ヒドロキシル部分を含むモノマーも、添加することができる。好適な化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(HEMA)、2−又は3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、ジアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、例えば、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、並びに更には1,2−又は1,3−及び2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル−1,3−ジ(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル−1,2−ジ(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイル−1,2−ジヒドロキシプロピルアミン、N−(メタ)アクリロイル−1,3−ジヒドロキシプロピルアミン、フェノール及びグリシジル(メタ)アクリレートの付加物、例えば、1−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1−ナフトキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられ、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及び2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
必要に応じて、これらの構成成分のうちの1つ以上の混合物を用いてもよい。
これらの構成成分に加えて又はこれらの構成成分の他に、添加し得る他の固化性構成成分としては、ポリエステルウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテルウレタン(メタ)アクリレート、ポリカーボネートウレタン(メタ)アクリレート、及びポリ(メタ)アクリレートウレタン(メタ)アクリレート等のオリゴマー性又はポリマー性化合物が挙げられる。これら化合物の分子量は、典型的に20,000g/モル未満、特に15,000g/モル未満、とりわけ10,000g/モル未満である。
これらの構成成分の添加は、レオロジー特性を調整するのに使用され得る。
重合性モノマー(3)のうちの2つ、3つ以上の混合物を、必要に応じて使用することができる。
重合性モノマー(3)は、以下の量、
−下限:少なくとも約0、又は少なくとも約1、又は少なくとも約5重量%、
−上限:最大約70、又は最大約60、又は最大約50重量%、
−範囲:約0〜約70、又は約1〜約60、又は約5〜約50重量%
で存在し得、重量%は、組成物全体の量に対する。
本文に記載される組成物は、本組成物の硬化又は固化を開始するのに好適な反応開始剤、具体的には、本組成物の樹脂マトリックス中に含有される重合性モノマーも含む。
2つ以上の反応開始剤構成成分が必要な場合、反応開始剤は、反応開始剤系とも称される。
反応開始剤の性質は、所望の結果を達成することが出来ない場合を除いて、特に限定されない。
反応開始剤系は、放射線(即ち放射線硬化)、熱(即ち熱硬化)、レドックス反応(即ちレドックス硬化)、又はこれらの組み合わせに対して重合を開始し得る、システムを含み得る。
フリーラジカル活性官能基を含有する樹脂マトリックスの固化性構成成分の重合を開始し得る反応開始剤の部類としては、任意に光増感剤又は促進剤と組み合わせられる、フリーラジカル生成光反応開始剤が挙げられる。
このような反応開始剤は、典型的には、約200〜約700nmの範囲の波長を有する光エネルギーへの曝露に基づき、付加重合するためのフリーラジカルを生成し得るものであり得る。
アルファ開裂が起き得る反応開始剤構成成分が、時に好ましい。
反応開始剤又は反応開始剤系の成分としてアシルホスフィンオキシドを使用することが、特に有用であることが見出された。
好適なアシルホスフィンオキシドは、以下の式を特徴とし、
(R−P(=O)−C(=O)−R10
式中、各Rは個々に、アルキル、シクロアルキル、アリール、及びアラルキルのようなヒドロカルビル基であり得、そのいずれもがハロ−、アルキル−、若しくはアルコキシ基で置換され得るか、又は2つのR基が結合してリン原子と共に環を形成することができ、R10は、ヒドロカルビル基、S−、O−、若しくはN−含有5若しくは6員複素環基、又は−Z−C(=O)−P(=O)−(R基であり、式中、Zは2〜6個の炭素原子を有するアルキレン又はフェニレンのような二価のヒドロカルビル基を表している。
好適なシステムは、例えば、米国特許第4,737,593号にも記載され、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
本発明に有用な好ましいアシルホスフィンオキシドは、R及びR10基が、フェニル、又は低級アルキル−若しくは低級アルコキシ−置換フェニルであるものである。「低級アルキル」及び「低級アルコキシ」とは、1〜4個の炭素原子を有するこのような基を意味する。最も好ましくは、アシルホスフィンオキシドは、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(Lucirin(商標)TPO、BASF)である。
好適なビスアシルホスフィンオキシドもまた、以下の式によって記載することができ、
Figure 2017506245
式中、nは、1又は2であり、R、R、R、及びRは、H、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシル、F、Cl、又はBrであり、同じか、又は異なるR及びRは、F、Cl、Br、I、C1〜4アルキル、及び/若しくはC1〜4アルコキシルで置換されたシクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチル、又はビフェニルラジカル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、若しくはビフェニルラジカル、又はS若しくはN−含有5員若しくは6員複素環を表し、あるいは、R及びRが結合して、環を含有する4〜10個の炭素原子を形成し、任意に1〜6個のC1〜4アルキルラジカルで置換される。
更に具体的な例としては、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−ビフェニリルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2−ナフチルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−クロロフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,4−ジメトキシフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)デシルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−オクチルフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロ−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロ−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2−メチル−1−ナフトイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス−(2−メチル−1−ナフトイル)−4−ビフェニリルホスフィンオキシド、ビス−(2−メチル−1−ナフトイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2−メチル−1−ナフトイル)−2−ナフチルホスフィンオキシド、ビス−(2−メチル−1−ナフトイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルホスフィンオキシド、ビス−(2−メトキシ−1−ナフトイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2−メトキシ−1−ナフトイル)−4−ビフェニリルホスフィンオキシド、ビス−(2−メトキシ−1−ナフトイル)−2−ナフチルホスフィンオキシド及びビス−(2−クロロ−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキシドが挙げられる。
アシルホスフィンオキシドビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(IRGACURE(商標)819、Ciba Specialty Chemicals(Tarrytown,NY))が時に好ましい。
三級アミン還元剤類を、アシルホスフィンオキシドと組み合わせて使用してもよい。本発明で有用な例示的な三級アミンとしては、エチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾエート(EDMAB)及びN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)が挙げられる。
400nm超〜1200nmの波長で照射されたとき、フリーラジカル開始し得る市販されているホスフィン光反応開始剤としては、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンとの重量による25:75の混合物(IRGACURE(商標)1700、Ciba Specialty Chemicals)、2−ベンジル−2−(N,N−ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン(IRGACURE(商標)369、Ciba Specialty Chemicals)、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタン(IRGACURE(商標)784 DC、Ciba Specialty Chemicals)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンとの重量による1:1混合物(DAROCUR(商標)4265、Ciba Specialty Chemicals)、及びエチル−2,4,6−トリメチルベンジルフェニルホスフィナート(LUCIRIN(商標)LR8893X,BASF Corp.,Charlotte,NC)が挙げられる。
多様な可視又は近赤外光反応開始剤系もまた、フリーラジカル重合性材料の光重合のために使用されてよい。
例えば、使用され得る光開始系は、アミン及びα−ジケトンの2つの構成成分系を介して重合を開始するシステムから選択される。このようなシステムは、例えば、米国特許第4,071,424号及び国際特許第2009151957号に記載され、これらは、参照により本明細書に組み込まれる。
あるいは、樹脂は、3つ構成成分又は3元の光反応開始剤系と組み合わされ得る。好適なシステムは、米国特許第5,545,676号及び国際特許第2009151957号に記載され、これらは、参照により本明細書に組み込まれる。
3元の光反応開始剤系では、第1の成分は、ヨードニウム塩、即ちジアリールヨードニウム塩である。ヨードニウム塩は、増感剤及び供与体の存在下でモノマー中に溶解されるとき、好ましくはモノマー中に可溶性であり、また貯蔵安定性がある(即ち、自発的には重合を促進しない)。それ故に、特定のヨードニウム塩の選択は、選択された特定のモノマー、ポリマー又はオリゴマー、増感剤及び供与体にある程度依存し得る。好適なヨードニウム塩は、米国特許第3,729,313号、同第3,741,769号、同第3,808,006号、同第4,250,053号、及び同第4,394,403号に記載されており、該特許のヨードニウム塩に関する開示は、参照により本明細書に組み込まれる。ヨードニウム塩は、単塩(例えば、Cl、Br、I、又はCSO 等のアニオンを含有する)又は金属錯塩(例えば、SbFOH又はAsF を含有する)であり得る。必要に応じて、ヨードニウム塩の混合物を使用することができる。好ましいヨードニウム塩としては、ジフェニルヨードニウム塩、例えば、ジフェニルヨードニウムクロリド、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、及びジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレートが挙げられる。
3元の光開始剤系の第2構成成分は、増感剤である。増感剤は望ましくは、モノマー中に可溶性であり、400超〜1200ナノメートル、より好ましくは400超〜700ナノメートル、最も好ましくは400超〜約600ナノメートルの波長範囲内のいずれかで光吸収し得る。増感剤はまた、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第3,729,313号に記載される試験手順を用いて、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンの増感が可能であり得る。好ましくは、この試験に合格することに加えて、増感剤はまた、貯蔵安定性をある程度考慮して選択される。従って、特定の増感剤の選択は、選択された特定のモノマー、オリゴマー又はポリマー、ヨードニウム塩及び供与体にある程度依存し得る。
好適な増感剤としては、以下の範疇の化合物:ケトン、クマリン染料(例えば、ケトクマリン)、キサンテン染料、アクリジン染料、チアゾール染料、チアジン染料、オキサジン染料、アジン染料、アミノケトン染料、ポルフィリン、芳香族多環式炭化水素、p−置換アミノスチリルケトン化合物、アミノトリアリルメタン、メロシアニン、スクアリリウム染料及びピリジニウム染料を挙げることができる。ケトン(例えば、モノケトン又はアルファ−ジケトン)、ケトクマリン、アミノアリールケトン、及びp−置換アミノスチリルケトン化合物が、好ましい増感剤である。高い感度を必要とする用途においては、ジュロリジニル部分を含有する増感剤を用いるのが好ましい。高度の硬化(例えば、高度充填コンポジットの硬化)を必要とする用途の場合、光重合に望ましい照射波長で、約1000未満、より好ましくは約100未満の減衰係数を有する増感剤を用いるのが好ましい。あるいは、照射の際の励起波長において光吸収の低減を呈する染料が使用され得る。
例えば、ケトン増感剤の好ましい部類は次の化学式:ACO(X)Bを有し、式中、XはCO又はCRであり、R及びRは同じか、又は異なり得、アルキル、アルカリル、又はアラルキルであり得、bは0又は1であり、A及びBは同じか若しくは異なる置換(1つ以上の非干渉置換基を有する)又は非置換アリール基、アルキル基、アルカリル基、若しくはアラルキル基であるか、又はA及びBが一緒になって環状構造を形成し、これは置換又は非置換脂環式、芳香族、複素環式芳香族、又は縮合芳香族環であり得る。
上記式の好適なケトンとしては、2,2−、4,4−又は2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ジ−2−ピリジルケトン、ジ−2−フラニルケトン、ジ−2−チオフェニルケトン、ベンゾイン、フルオレノン、カルコン、ミヒラーケトン、2−フルオロ−9−フルオレノン、2−クロロチオキサントン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、1−又は2−アセトナフトン、9−アセチルアントラセン、2−、3−又は9−アセチルフェナアントレン、4−アセチルビフェニル、プロピオフェノン、n−ブチロフェノン、バレロフェノン、2−、3−又は4−アセチルピリジン、3−アセチルクマリン等のモノケトン(b=0)が挙げられる。好適なジケトンとしては、アントラキノン、フェナントレンキノン、o−、m−及びp−ジアセチルベンゼン、1,3−、1,4−、1,5−、1,6−、1,7−及び1,8−ジアセチルナフタレン、1,5−、1,8−及び9,10−ジアセチルアントラセンなどのようなアラルキルジケトンが挙げられる。好適なα−ジケトン(b=1及びX=CO)には、2,3−ブタンジオン、2,3−ペンタンジオン、2,3−ヘキサンジオン、3,4−ヘキサンジオン、2,3−ヘプタンジオン、3,4−ヘプタンジオン、2,3−オクタンジオン、4,5−オクタンジオン、ベンジル、2,2’−3 3’−及び4,4’−ジヒドロキシルベンジル、フリル、ジ−3,3’−インドリルエタンジオン、2,3−ボルナンジオン(カンファーキノン)、ビアセチル、1,2−シクロヘキサンジオン、1,2−ナフタキノン、アセナフタキノンなどが挙げられる。
3元の反応開始剤系の第3構成成分は、供与体である。好ましい供与体には、例えば、アミン(アミノアルデヒド及びアミノシランを含む)、アミド(ホスホルアミドを含む)、エーテル(チオエーテルを含む)、尿素(チオ尿素を含む)、フェロセン、スルフィン酸及びそれらの塩、フェロシアニドの塩、アスコルビン酸及びその塩、ジチオカルバミン酸及びその塩、キサントゲン酸塩、エチレンジアミン四酢酸の塩、並びにテトラフェニルボロン酸の塩が挙げられる。供与体は、非置換であってもよく、又は1つ以上の非干渉置換基により置換されていてもよい。特に好ましい供与体は、窒素、酸素、リン、又はイオウ原子のような電子供与体原子、及び電子供与体原子に対してα位置にある炭素原子又はシリコン原子に結合された抽出可能な水素原子を含有する。多種多様な供与体が米国特許第5,545,676号に開示されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
本文に記載される歯科用組成物において、代わりに使用できる別のフリーラジカル反応開始剤系は、ボレートアニオン及び相補的なカチオン染料を含むイオン性染料対イオン錯体反応開始剤の部類である。
ボレート塩の光反応開始剤は、例えば、米国特許第4,772,530号、同第4,954,414号、同第4,874,450号、同第5,055,372号、及び同第5,057,393号に記載されており、該特許の開示は参照により本明細書に組み込まれる。
これらの光開始剤に有用なボレートアニオンは、一般的に、式Rであり、式中、R、R、R、及びRは独立して、アルキル、アリール、アルカリル、アリル、アルケニル、アルキニル、脂環式及び飽和又は不飽和の複素環基であり得る。好ましくは、R、R、及びRは、アリール基、より好ましくはフェニル基であり、Rは、アルキル基、より好ましくは二級アルキル基である。
カチオン対イオンは、カチオン染料、四級アンモニウム基、遷移金属配位錯体などであり得る。対イオンとして有用なカチオン染料は、カチオン性のメチン、ポリメチン、トリアリールメチン、インドリン、チアジン、キサンテン、オキサジン、又はアクリジン染料であり得る。より具体的には、染料は、カチオン性のシアニン、カルボシアニン、ヘミシアニン、ローダミン、及びアゾメチン染料であってもよい。有用なカチオン染料の具体例には、メチレンブルー、サフラニンO、及びマラカイトグリーンが挙げられる。対イオンとして有用な四級アンモニウム基は、トリメチルセチルアンモニウム、セチルピリジニウム、及びテトラメチルアンモニウムであり得る。他の有機親和性カチオンには、ピリジニウム、ホスホニウム、及びスルホニウムを挙げることができる。
使用され得る感光性遷移金属配位錯体には、ピリジン、2,2’−ビピリジン、4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントロリン、3,4,7,8−テトラメチルフェナントロリン、2,4,6−トリ(2−ピリジル−s−トリアジン)及び関連した配位子などの配位子を有するコバルト、ルテニウム、オスミウム、亜鉛、鉄、及びイリジウムの錯体が挙げられる。
フリーラジカル活性官能基の重合を開始できる反応開始剤の更に別の代替的部類には、従来の化学的反応開始剤系、例えば過酸化物とアミンとの組み合わせが挙げられる。熱的レドックス反応に依存するこれらの反応開始剤は、多くの場合「自動硬化触媒」と称される。それらは、典型的には、2成分系として供給され、その中で反応物質は、互いに離れて保管され、その後使用直前に混ぜ合わされる。
具体的には、ラウロイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、及びp−クロロベンゾイルペルオキシド、並びにp−メチルベンゾイルペルオキシドなどの化合物は、有機ペルオキシド化合物であると考えることができる。
活性剤として好適なのは、例えば、米国特許第3,541,068号で既知のN,N−ビス−(ヒドロキシアルキル)−3,5−キシリジン、並びにN,N−ビス−(ヒドロキシアルキル)−3,5−ジ−t−ブチルアニリン、特に、N,N−ビス−([β]−オキシブチル)−3,5−ジ−t−ブチルアニリン並びにN,N−ビス−(ヒドロキシアルキル)−3,4,5−トリメチルアニリンなどの三級芳香族アミンである。
また、好適な活性剤は、米国特許第2003/008967号、独国特許第14 95 520号に記載されるようなバルビツール酸及びバルビツール酸誘導体、並びに米国特許第4,544,742号(欧州特許第0 059 451号に対応)に記載されるマロニルスルファミドである。好ましいマロニルスルファミドは、2,6−ジメチル−4−イソブチルマロニルスルファミド、2,6−ジイソブチル−4−プロピルマロニルスルファミド、2,6−ジブチル−4−プロピルマロニルスルファミド、2,6−ジメチル−4−エチルマロニルスルファミド及び2,6−ジオクチル−4−イソブチルマロニルスルファミドである。
更なる促進のために、この場合の重合は、重金属化合物及び無機ハロゲン又は擬ハロゲンの存在下で行われるのが好ましい。重金属は、可溶性有機化合物の形態で好適に使用される。同様に、ハロゲン化物及び擬ハロゲン化物イオンは可溶性塩の形態で好適に使用され、例として可溶性アミン塩酸塩並びに四級塩化アンモニウム化合物を挙げることができる。好適な促進剤は、具体的には、鉄又は銅族からの金属であり、好ましくは銅及び鉄複合体、特に銅複合体である。重金属は、好ましくは可溶性有機化合物の形態で用いられる。例えば、カルボン酸鉄、カルボン酸銅、プロセトナート鉄、プロセトナート銅、ナフテン酸銅、酢酸銅、及びナフテン酸鉄が好適である。
更なる代替案において、フリーラジカル活性基の固化又は重合を開始するために、熱を使用してよい。本文に記載される歯科用材料に好適な熱源の例には、誘導、対流及び放射が挙げられる。熱源は、少なくとも40℃〜15℃の温度を生じ得るべきである。この手順は、口腔環境の外側で起こる材料の重合を開始するのに、時に望ましい。
本文に記載される歯科用材料のために有用である、フリーラジカル活性官能基の重合を開始できる反応開始剤の更に別の代替的部類は、フリーラジカル生成熱反応開始剤を含むものである。例には、過酸化物、例えば過酸化ベンゾイル及び過酸化ラウリル、並びにアゾ系化合物、例えば2,2−アゾビス−イソブチロニトリル(AIBN)が挙げられる。
硬化組成物の色が重要である場合、望ましくない退色を生じない反応開始剤系が使用されるべきである。
反応開始剤又は反応開始剤系は、典型的に、以下の量、
−下限:少なくとも約0.1、又は少なくとも約0.2、又は少なくとも約0.3重量%、
−上限:最大約10、又は最大約8、又は最大約6重量%、
−範囲:約0.1〜約10、又は約0.2〜約8、又は約0.3〜約6重量%
で含有され、重量%は、組成物全体の量に対する。
本文に記載される組成物は、充填剤も含む。
充填剤の添加は、例えば、粘度等のレオロジー特性を調整するのに有益であり得る。充填剤の含有量は、典型的に、固化後の硬度又は曲げ強度等の組成物の物性に提供を与える。
充填剤の化学的性質は、所望の結果を達成することが出来ない場合を除いて、特に限定されない。
充填剤粒子は、樹脂マトリックスを形成する固化性構成成分との均質混合物を得ることができるような大きさであるべきである。
充填剤の粒度は、約0.001〜約10μmの範囲でもよい。
充填剤は、典型的に非酸反応性充填剤を含む。非酸反応性充填剤は、酸と酸/塩基反応をしない充填剤である。
有用な非酸反応性充填剤には、ヒュームドシリカ、石英、粉末ガラス、CaFなどの疎水性フッ化物、ケイ酸などのシリカゲル、特に発熱性ケイ酸及びその粒状体、クリストバライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、分子ふるいを含むゼオライト、硫酸バリウム、フッ化イットリウムが挙げられる。
好適なフュームドシリカとしては、例えば、Aerosil(商標)シリーズOX−50、−130、−150、及び−200の商品名で販売されている製品、Degussa AG(Hanau,Germany)から入手可能なAerosil R8200、Cabot Corp(Tuscola,Ill.)から入手可能なCAB−O−SIL(商標)M5、並びにWackerから入手可能なHDK−H 2000、HDK H15;HDK H18、HDK H20、及びHDK H30などのHDKタイプが挙げられる。
シリカ粒子の平均表面積は、好ましくは約15m/g超、より好ましくは約30m/g超である。
使用され得る充填剤には、ナノサイズシリカ等のナノサイズ充填剤も含まれる。好適なナノサイズ粒子は、典型的に約5〜約80nmの範囲の平均粒度を有する。
好ましいナノサイズシリカは、Nalco Chemical Co.(Naperville,Ill.)(商品名NALCO COLLOIDAL SILICAS(例えば、好ましいシリカ粒子は、NALCO製品1040、1042、1050、1060、2327及び2329から得ることができる)として)、Nissan Chemical America Company(Houston,Texas)(例えば、SNOWTEX−ZL、−OL、−O、−N、−C、−20L、−40、及び−50);Admatechs Co.,Ltd.,Japan(例えば、SX009−MIE、SX009−MIF、SC1050−MJM、及びSC1050−MLV);Grace GmbH & Co.KG,Worms,Germany(例えば、LUDOX、例えば、P−W50、P−W30、P−X30、P−T40、及びP−T40ASの商品名で入手可能なもの);Akzo Nobel Chemicals GmbH(Leverkusen,Germany)(例えば、商品名LEVASIL、例えば、50/50%、100/45%、200/30%、200A/30%、200/40%、200A/40%、300/30%及び500/15%として入手可能なもの)、及びBayer MaterialScience AG(Leverkusen,Germany)(例えば、商品名DISPERCOLL S、例えば、5005、4510、4020及び3030として入手可能なもの)から市販されている。
歯科材料に入れる前にナノサイズシリカ粒子を表面処理することにより、樹脂中に安定して分散させることができる。好ましくは、表面処理は、粒子が固化性樹脂の中に良好に分散されるようにナノサイズの粒子を安定化させ、その結果組成物を実質的に均質にする。更には、シリカがその表面の少なくとも一部分にわたって表面処理剤により改質され、硬化中に安定化された粒子が固化性樹脂と共重合できる、ないしは別の方法で反応できることが好ましい。
従って、シリカ粒子及び他の好適な非酸反応性充填剤を、樹脂相溶化表面処理剤で処理してもよい。
特に好ましい表面処理剤又は表面改質剤には、樹脂と重合し得るシラン処理剤が挙げられる。好ましいシラン処理剤には、Witco OSi Specialties(Danbury、Conn.)から市販されている商品名「A−174」で市販のガンマ−メタクリルオキシルプロピルトリメトキシシラン、及びUnited Chemical Technologies(Bristol,Pa.)から商品名「G6720」で入手可能な製品であるガンマ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
あるいは、表面改質剤の組み合わせが有用な可能性があり、剤の少なくとも1つは、固化性樹脂と共重合可能な官能基を有する。例えば、重合化基は、エチレン性不飽和であるか、又は開環重合を起こす環式官能基にすることができる。エチレン性不飽和重合化基は、例えばアクリレート基又はメタクリレート基、若しくは又はビニル基である得る。開環重合を起こす環式官能基には一般的に、酸素、硫黄、又は窒素のようなヘテロ原子が含まれており、好ましくは、エポキシドのように酸素が含まれている3員環である。固化性樹脂と一般に反応しない他の表面改質剤が、分散性又はレオロジー特性を強化するために含まれ得る。この種のシランの例には、例えば、アルキル若しくはアリールポリエーテルシラン、アルキルシラン、ヒドロキシアルキルシラン、ヒドロキシアリールシラン、又はアミノアルキル官能性シランが挙げられる。
無機材料に加えて、充填剤は、有機材料を原料としてもよい。好適な有機充填剤粒子の例としては、充填又は非充填粉砕ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエポキシド等が挙げられる。
必要に応じて、充填剤粒子の粒度の測定を、TEM(透過型電子顕微鏡検査)法で行うことができ、これにより集団が分析され、平均粒径が得られる。
粒径を測定するための好ましい方法は、次の通りに説明することができる。厚さ約80nmの試料を、炭素安定化フォルムバール基板(SPI Supplies−a division of Structure Probe,Inc.(West Chester,PA))付き200メッシュの銅グリッド上に配置する。透過型電子顕微鏡写真(TEM)を、200KvでJEOL 200CX(JEOL,Ltd.(Akishima,Japan)及びJEOL USA,Inc.により販売)を使用して得る。約50〜100粒子の集団寸法を測定することができ、平均直径を判定する。
充填剤マトリックスに使用される充填剤の量は、通常、組成物が使用される目的に依存する。
充填剤は、典型的に以下の量、
−下限:少なくとも約20、又は少なくとも約30、又は少なくとも約40重量%、
−上限:最大約95、又は最大約90、又は最大約85重量%、
−範囲:約20〜約95、又は約30〜約90、又は約40〜約85重量%
で使用され、重量%は、組成物全体の量に対する。
上述の構成成分に加えて、本文に記載される歯科用組成物は、以下の添加剤のうちの1つ又は2つ以上を更に含有し得る。
−x線可視の粒子、
−顔料、
−光漂白性着色剤、
−フッ化物剥離剤、
−安定剤、
−抑制剤、
及びこれらの混合物。
存在し得る好適なx線可視粒子には、イットリウム、イッテルビウム、ストロンチウム、バリウム、ジルコニウム、ハフニウム、ニオビウム、タンタル、タングステン、ビスマス、モリブデン、スズ、亜鉛、ランタニド元素(即ち、境界値を含む57〜71の範囲の原子番号を有する元素)、セリウム、及びこれらの組み合わせの酸化物等の金属酸化物の粒子が挙げられる。最も好ましくは、原子番号が30より大きいが72未満である重金属の酸化物が、本発明の材料に任意に含まれる。放射線不透過性を付与する特に好ましい金属酸化物には、酸化ランタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化セリウム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
使用され得る顔料の例には、二酸化チタン又は硫化亜鉛(リトポン)、ベンガラ3395、Bayferrox 920 Z Yellow、Neazopon Blue 807(銅フタロシアニン系染料)又はHelio Fast Yellow ERが挙げられる。これら添加物は、歯科用組成物の個々の着色剤として使用することができる。
存在し得る光漂白性着色剤の例としては、ローズベンガル、メチレンバイオレット、メチレンブルー、フルオレセイン、エオシンイエロー、エオシンY、エチルエオシン、エオシンブルーイッシュ、エオシンB、エリトロシンB、エリトロシンイエローイッシュブレンド、トルイジンブルー、4’,5’−ジブロモフルオレセイン、及びこれらのブレンドが挙げられる。光漂白性着色剤の更なる例は、米国特許第6,444,725号に見出すことができる。本発明の組成物の色は、増感化合物によって更に付与され得る。
存在し得るフッ化物剥離剤の例には、天然又は合成フッ化物鉱物が挙げられる。これらフッ化物源は、任意に、表面処理剤で処理してよい。
添加することのできる更なる添加物には、安定剤、特にフリーラジカルスカベンジャー、例えば、置換及び/又は非置換のヒドロキシ芳香族化合物(例えばブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール(2,6−ジ−tert−ブチル−4−エトキシフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(ジメチルアミノ)メチルフェノール又は2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(UV−9)、2−(2’−ヒドロキシ−4’,6’−ジ−tert−ペンチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、フェノチアジン、及びHALS(ヒンダードアミン光安定剤)が挙げられる。
添加することのできる更なる添加物には、抑制剤、(例えば1,2−ジフェニルエチレン)、可塑剤(ポリエチレングリコール誘導体、ポリプロピレングリコール、低分子量ポリエステル、ジブチル、ジオクチル、ジノニル及びフタル酸ジフェニル、ジ(イソノニルアジパート)、リン酸トリクレシル、パラフィン油、三酢酸グリセロール、ビスフェノールAジアセテート、エトキシル化ビスフェノールAジアセテート、並びにシリコーン油を含む)、風味料、抗菌剤、芳香剤、蛍光及び/又は乳白光を付与する剤、並びにフッ化物剥離材料が挙げられる。
添加剤が存在しなければならない必要性はない。添加剤は、以下の量で存在し得る。
−下限:少なくとも約0又は少なくとも約0.1又は少なくとも約1重量%
−上限:最大約10又は最大約8又は最大約5重量%
−範囲:約0〜約10又は約0.1〜約8又は約1〜約5重量%
(重量%は、組成物全体の量に対する)。
更なる実施形態に従って、本文に記載される歯科用組成物は、以下のように説明される。
−重合性モノマー(1):約1〜約75重量%、又は約5〜約70重量%、又は約10〜約65重量%、
−重合性モノマー(2):約0〜約60重量%、又は約0.1〜約50重量%、又は約1〜約40重量%、
−重合性モノマー(3):0〜約70重量%、又は約1〜約60重量%、又は約5〜約50重量%、
−反応開始剤:約0.1〜約10重量%、又は約0.2〜約8重量%、又は約0.3〜約6重量%、
−充填剤:約20〜約95重量%、又は約30〜約90重量%、又は約40〜約85重量%、
−添加剤:0〜約10重量%、又は約0.1〜約8重量%、又は約1〜約5重量%
(重量%は、組成物全体の重量に対する)。
本文に記載される歯科用組成物は、以下の通り生成することができる。
−それぞれの構成成分を提供し、
−構成成分を混合する。
混合は、施術者に既知の任意の手法を使用することにより達成することができる。つまり、接着剤組成物は、ワンポット合成で単純にそれぞれの構成成分を一緒に入れ、これらを混合することにより調製することができる。
必要に応じて、生成方法は、本組成物の望ましくない重合を避けるために、保存光条件下で行われる。
固化性本文に記載される歯科用組成物は、典型的には、使用するまで容器中で保管される。配合及び硬化状態に応じて、様々な容器を使用することができる。
本組成物は、1構成成分系の形態でか、又は2構成成分系として提供され得る。これは、典型的には、選択した反応開始剤系に依存する。本組成物がレドックス硬化性又は硬化である場合、本組成物は通常、2構成成分系として提供される。
歯科用組成物が1構成成分系として提供される場合、コンピュール又はねじ口試験管などの単一のチャンバを有する容器中に保管され得る。
コンピュールは、典型的には、前端部及び後端部並びにノズルを備える円筒形ハウジングを有する。ハウジングの後端部は、通常、可動ピストンで密封されている。典型的には、歯科用組成物は、可動プランジャを有する適用器(例えば、コーキングガンの形状を有する適用装置)を使用して、コンピュール又は容器から分注される。好適なコンピュール又は容器の例は、米国特許第5,624,260号、欧州特許第1 340 472 A1号、米国特許出願公開第2007/0172789(A1)号、米国特許第5,893,714号、及び同第5,865,803号に記載され、そのコンピュール又は容器の説明に関する内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
保存のための好適な2構成成分系には、2バレルカートリッジが挙げられる。
好適な2構成成分系は、例えば米国特許出願公開第2007/0090079号又は米国特許第5,918,772号に記載されている。バイアル又は瓶の説明に関するこれら文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。使用され得るカートリッジは、SulzerMixpac AG(Switzerland)から市販されている。
2バレルカートリッジの各区画の体積は、典型的に、約0.1〜約100ml又は約0.5〜約50ml又は約1〜約30mlの範囲である。
区画(I)の区画(II)に対する体積比は、典型的に、約1:1〜約10:1の範囲である。
区画内に含有される組成物を混合するために使用され得る静的混合チップは、例えば、米国特許出願公開第2006/0187752号又は米国特許第5,944,419号に記載されている。これらの特許の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。使用することができる混合チップは、SulzerMixpac AG(Switzerland)から市販されている。
歯科用組成物が歯科用ミルブランクの形態で提供される場合、それは典型的には、フレーム又はマンドレルを含む保持装置に固定される。
本文に記載される本発明は、部品のキットも対象とする。
このようなキットは、典型的には本文に記載される歯科用組成物、歯科用接着剤及び/又は歯科用セメント、任意に塗布器、並びに任意に使用説明書を含む。
使用説明書は典型的に、施術者に対して、どのように、かつどの条件下で、歯牙硬組織の表面に接着剤組成物を適用するべきかの助言を含む。
歯科用組成物は、歯科用充填材料、歯科用セメント、歯科用歯冠若しくはブリッジ材料又は歯科用ミルブランクとして、又はこれらを製造するために使用することができる。
歯科用組成物は典型的に患者の口内で使用され、天然歯に隣接して配置される。本明細書で使用される場合、歯科用材料を天然歯と、一時的又は永久的に接触させるため(例えば、咬合又は近位側に)に配置することを指す。
用語「コンポジット」は、歯科用材料の文脈で本明細書において使用するとき、充填歯科用材料を指す。用語「修復材」は、本明細書で使用するとき、歯に隣接して配置された後に重合する歯科用コンポジットを指す。本明細書で使用される場合、「プロテーゼ」という用語は、歯に隣接して配置される前に、その最終用途(例えば、歯冠、ブリッジ、ベニア、インレー、アンレー等)に応じて成形及び重合されるコンポジットを指す。
修復コンポジットとして使用される本文に記載される組成物のための典型的な適用方法は、典型的には、所望の順序での以下の工程が含まれる。
・組成物を提供する工程と、
・歯牙硬組織、特にこれらの表面と接触させて組成物を配置する工程と、
・重合プロセスを開始するのに十分な時間(例えば、約5〜約20秒間)、組成物に放射線(例えば、可視光線)を適用することにより、本組成物を硬化させる工程。
放射線を提供するのに好適なツールには、歯科用硬化光が挙げられる。好適な歯科用硬化光は、例えば、米国特許出願公開第2005/0236586号に記載されている。本文書の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。好適な歯科用硬化光は、例えば、Elipar(商標)S10(3M ESPE)の商品名で市販もされている。
本文に記載される歯科用組成物は、患者の口外で歯科用歯冠、ブリッジ、アンレー、又はインレーを製造するためにも使用することができる。
製造は、いわゆる建設的手法(即ち、肉盛り手法)によってか、又はいわゆる破壊的手法(即ち機械加工又はフライス加工手法)によってかのいずれかで行うことができる。
肉盛り手法は、迅速プロトタイピング技法を含む、当業者に既知の任意の手法によって行うことができる。
迅速プロトタイピング技法には、インクジェット印刷、3D印刷、ロボットによる鋳造、積層物製造、ステレオリソグラフィー、フォトリソグラフィー、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
好適な方法のための好適な例は、例えば、米国特許出願公開第2012/068388号(3M)に記載されている。この参照の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
機械加工手法は、歯科用ミルブランクから所望の歯科用修復物をフライス加工することを含む、当業者に既知の任意の手法によって行うことができる。
必要に応じて、歯科用ミルブランクを保持装置に取り付けることができる。好適な保持装置には、フレーム及びスタブ又はマンドレルが挙げられる。歯科用ミルブランクを、保存又は機械加工のいずれかのためにマガジンの中に入れることが時に望ましくあり得る。保持装置は、典型的に、例えば機械加工又はフライス加工装置を使用することにより、歯科用物品の機械加工を容易にする。
保持装置の例は、米国特許出願公開第2003/0132539号、米国特許第6,769,912号、及び欧州特許出願公開第0 455 854 B1号に示されている。保持装置(例えば、フレーム及びスタブ又は支持本体)に関するこれらの文書の内容は、参照により本明細書に組み込まれ、本発明の本文の一部としてみなされる。
保持装置への歯科用ミルブランクの固定は、例えば、糊付けにより達成することができる。歯科用フライス加工ブランクをフライス加工機で加工することができるように固定するべきである。
糊付けに加えて、保持装置を取り付けるための他の方法には、接合、ねじ留め、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
従って、本発明の更なる実施形態は、歯科用ミルブランクの製造方法を対象とし、本方法は、
−本文に記載される歯科用組成物であって、その未硬化状態にある歯科用組成物を提供する工程と、
−歯科用組成物を固化又は硬化させて、固化又は硬化した歯科用組成物を得る工程と、
−任意に、固化した歯科用組成物を保持装置に固定する工程とを含み,
歯科用組成物は、歯科用ミルブランクの形状で提供される。
歯科用ミルブランクは、硬化性歯科用組成物を鋳型内に配置し、次いで、硬化工程により製造することができる。
歯科用ミルブランクを製造するための別のオプションは、肉盛り又は層技法を適用することである。この場合、歯科用組成物は典型的に、平坦な層の形態で提供され、この層を硬化させ、歯科用組成物の更なる硬化性層を前の層の上部に適用し、更なる硬化工程が続く。これらの工程を、対象物が所望の寸法を有するまで、反復する。
更に、本発明の更なる実施形態は、歯科用修復物の製造方法を対象とし、本方法は、
−本文に記載される歯科用ミルブランクであって、未硬化状態にある本文に記載される歯科用組成物を含む、歯科用ミルブランクを提供する工程と、
−歯科用ミルブランクを機械加工して、歯科用修復物を得る工程とを含み、歯科用修復物は、典型的に歯科用歯冠、ブリッジ、インレー、又はベニアの形状を有する。
特定の実施形態に従って、本文に記載される歯科用組成物は、以下を特徴とする。
−重合性モノマー(1):
(約1〜約75重量%の量の重合性モノマー(1)に関する上記の文によって記載される式によって表される)、
−放射線硬化反応開始剤、
−約20〜約95重量%の量のシリカ又はシリカ/ジルコニア充填剤から選択される充填剤。
本発明の歯科用組成物に使用される全ての構成成分は、十分に生体適合性であるべきであり、つまり、本組成物は、生体組織内に有毒か、有害か、又は免疫的な反応を生成すべきではない。
一実施形態に従って、本文に記載される歯科用組成物は、約5、10、又は20重量%超(重量%は、組成物全体の重量に対する)の量の水、アルコール類(例えば、エタノール)又はこれらの組み合わせから選択される溶媒を含有しないか、又は本質的に含まない。
歯科用組成物は、典型的に、組成物全体の重量に対して約1又は5重量%超の量の構成成分を含有するビス−GMA又はビスフェノール部分も含まない。
本明細書に引用される特許、特許文献、及び刊行物の完全な開示内容は、あたかもそれぞれが個々に組み込まれたのと同様に、それら全体が参照により組み込まれる。本発明の範囲及び趣旨を逸脱せずに、本発明の様々な修正及び改善が当業者には明らかとなるであろう。上の明細書、実施例、及びデータが、本発明の組成物及び方法の、製造及び使用について、完全な説明を提供する。本発明は、本明細書に開示される実施形態に限定されない。当業者であれば、本発明の多くの代替的実施形態が本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく行うことができることを理解するであろう。
以下の実施例は例示のために与えられるが、本発明の範囲を限定するものではない。特に指示がない限り、全ての部及び百分率は重量基準である。
別途記載のない限り、全ての部及び百分率は重量基準であり、全ての水は脱イオン水であり、全ての分子量は重量平均分子量である。更に、別途指示がない限り、全ての実施例は、周囲条件(23℃、1013mbar(1013hPa))で行われた。更に、ほとんど全ての方法工程を乾燥空気の雰囲気下で実施する。
圧縮強度(CS)
圧縮強度の測定を、ISO 4049に従って、3mm×3mm×5mmの寸法を有する被検査物を使用して行った。圧縮強度1は、MPaで示される。
収縮応力(応力)
収縮応力を、Sakaguchi et al.(Dent.Mater.1997,13,233〜239)の手順に従って測定した。3M XL3000(650mW)照射装置を用いて40秒間45mgの試料に照射を行った。照射を開始した10分後、応力の値(μ歪)を記録した。
組成物
略語
用いた構成成分の名称及び/又は構造を表1に示す。
Figure 2017506245
Figure 2017506245
Figure 2017506245
Figure 2017506245
Figure 2017506245
Figure 2017506245
Figure 2017506245
Figure 2017506245
Figure 2017506245
Figure 2017506245
Figure 2017506245
Figure 2017506245
Figure 2017506245
Figure 2017506245
Figure 2017506245
Figure 2017506245
一般的手順A:
ジヒドロキシベンゼン(例えばレゾルシノール)若しくはヒドロキシアルキルフェノール(例えばチロソール)若しくはヒドロキシ安息香酸(例えばmHB)のエーテル化を介してか、又はハロゲン化アルコール(例えば3−クロロ−1−プロパノール)を用いてヒドロキシ安息香酸(例えばmHB)の求核性エステル化を介した、前駆体(例えばE2T)の合成
水中の対応するジヒドロキシベンゼン又はヒドロキシアルキルフェノールの溶液及び対応するハロゲン化アルコールに、アルカリ性水酸化物(例えばNaOH)又はアルカリ性カーボネート(例えばNa2CO3)又はアンモニアの水溶液を、還流で添加する。任意に合成は、保護ガス雰囲気下(例えば窒素)で行われ得る。
あるいは、IPA又はtBuOHを、溶媒として、及び固形アルカリ性水酸化物(例えばKOH)又はアルカリ性カーボネート(例えばNa2CO3)を塩基として使用することができる。
また、第1の反応工程で、1当量の塩基及び2分の1のハロゲン化アルコールを、ジヒドロキシベンゼン又はジヒドロキシベンゼンモノエステルと反応させ、その後、第2の反応工程で、更に1当量の塩基及びハロゲン化アルコールの残りの半分を反応させる(ジヒドロキシベンゼンモノエステルが使用される場合には、第1の反応工程後に、エステル加水分解、例えば塩基エステル加水分解を、第2の反応工程が起こり得る前に行わなければならない)、後続反応パターンが、ジヒドロキシベンゼン又はジヒドロキシベンゼンモノエステル(例えばRAc)の場合、可能である。
還流で一晩撹拌した後、反応混合物を室温に冷却し、水を溶媒として使用する場合、反応混合物を抽出する(例えばMTBE又はEA又はMEK)。任意に、反応混合物を、そのまま抽出してもよいか、又は有機相を分離することができ、水相のみを抽出してもよく、その後、有機相をこの抽出物と合わせる。任意に合わせた有機相を、アルカリ(例えばNaOH)水溶液及び/又は酸(例えばHSO)水溶液及び/又は水で抽出し得る。
IPA又はtBuOHを溶媒として使用する場合、反応混合物をまず濾過して、沈殿物を除去し、次いで、溶媒を減圧下で取り除き、次いで残渣を上述のように、水に対して抽出する。
ヒドロキシ安息香酸を成分として使用する場合、まず、反応混合物を酸溶液(例えばHSO)で酸性化し、次いで上述の通り水に対して抽出して、エーテル化生成物であるヒドロキシアルコキシ安息香酸及び/又は求核性エステル化生成物であるヒドロキシ安息香酸ヒドロキシアルキルエステルを単離する。
任意に合わせた有機相をシリカ又はアルミナを通して濾過する、及び/又は炭と一緒に撹拌して、改善された脱色を達成する。無水Na2SO4上での乾燥及び濾過後に、溶媒を減圧下で取り除く。
あるいは、Houben−Weyl,Methoden der Organischen Chemie,Band VI/3 Teil 3,Sauerstoffverbindungen 1,4.Auflage,1965,Georg Thieme Verlag,Stuttgart,p.55に従ったいわゆるカーボネート法に従ったアルキル化、又はHouben−Weyl,Methoden der Organischen Chemie,Band VI/3 Teil 3,Sauerstoffverbindungen 1,4.Auflage,1965,Georg Thieme Verlag,Stuttgart,p.59に従った、モノアシル化又はジアシル化ジヒドロキシベンゼン(例えばRAc又はRAc2)の脱アシル化アルキル化も可能である。
一般的手順B:
ハロゲン化アルコール(例えば3−クロロ−1−プロパノール)を用いて、既にアルコキシル化されたジヒドロキシベンゼン(例えばエトキシル化レゾルシノール)のエーテル化を介した、前駆体(例えばOER)の合成
保護ガス雰囲気(例えば窒素)下で、対応する既にアルコキシル化されたジヒドロキシベンゼンと、対応するハロゲン化アルコールとの混合物に、例えばTHF又はtBuOH中のKOtBuの溶液を緩徐に高温で(例えば80℃)添加する。一晩高温で一晩撹拌した後、反応混合物を室温に冷却し、沈殿物を濾過により分離し、溶媒を減圧下で濾液から取り除く。任意に、この残渣の更なる精製を、一般的手順Aに記載される水性ワークアップを介して達成することができる。
一般的手順C:
エチレンカーボネート又はグリセロールカーボネートを用いて、ジヒドロキシベンゼン(例えばBC)又はヒドロキシアルキルフェノール(例えばチロソール)のエトキシル化を介した、前駆体(例えばET)又はグリセリル化前駆体(例えばGT)の合成
IPA又はtBuOH中の対応するジヒドロキシベンゼン又はヒドロキシアルキルフェノール及びエチレンカーボネート又はグリセリンカーボネートの溶液に、固形アルカリ性水酸化物(例えばKOH)又はアルカリ性カーボネート(例えばK2CO3)又はアルカリ性tert−ブトキシド(例えばKOtBu)を添加し、反応混合物を一晩還流で撹拌する。任意に合成は、保護ガス雰囲気下(例えば窒素)で行われ得る。
反応混合物を室温に冷却し、溶媒を減圧下で取り除き、次いで残渣を水に対して抽出し、一般的手順Aに記載される通り、更にワークアップする。任意に、単離した生成物を、水を溶媒として使用して、結晶化により更に精製してもよい。
一般的手順D:
ジヒドロキシベンゼン(例えばBC)又はヒドロキシアルキルフェノール(例えばチロソール)又はヒドロキシ安息香酸(例えばmHB)又は開環下でエポキシ(例えばGP又はグリシドール)上に既にエーテル化した、及び/若しくは求核性エステル化ヒドロキシ安息香酸(例えばOmHB)の添加を介した前駆体(例えばPGT又はGT)の合成
溶媒系経路:対応するヒドロキシアルキルフェノール(例えばチロソール)及びアルカリ性水酸化物(例えばNaOH)又はアルカリ性カーボネート(例えばNa2CO3)又はアンモニアの水溶液に、エポキシ(例えばGP)を、還流で添加する。任意に合成は、保護ガス雰囲気下(例えば窒素)で行われ得る。任意に合成は、IPA又はHOtBuを溶媒として、及び固形アルカリ性水酸化物(例えばKOH)又はアルカリ性カーボネート(例えばK2CO3)又はアルカリ性tert−ブトキシド(例えばKOtBu)を使用して行うことができる。還流で一晩撹拌した後、反応混合物を室温に冷却し、反応混合物を抽出し、一般的手順Aに記載される通りに更にワークアップする。
溶媒を含まない経路:対応するジヒドロキシベンゼン(例えばBC)とエポキシ(例えばGP)との混合物に、触媒(例えばPPh又はTEA)を、撹拌しながら添加し、反応混合物を高温まで温める。任意に合成は、保護ガス雰囲気下(例えば窒素)で行われ得る。高温で一晩撹拌した後、反応混合物を室温に冷却し、反応混合物を抽出し、一般的手順Aに記載される通りに更にワークアップする。
任意に単離した生成物を、水を溶媒として使用して、結晶化によってか、又は異なる極性の有機溶媒を使用して、分画した後続の有機−有機抽出により、更に精製してもよい。
一般的手順E:
前駆体(例えばPGT又はGT)とイソシアナト官能性(メタ)アクリレート成分(例えばIEM)との1工程反応
対応する前駆体に、200〜640ppmのBHT及び100ppmのビスマスネオデカン酸(Bi−Cat、20重量%のビスマス、ビスマス単独の量に対して100ppm)を添加する。約50℃の温度で、例えばIEMを、温度が約55℃を超えないように撹拌しながら添加する。添加が完了した後、付加反応が完了するまで(FTIRを介して測定:約2270cm−1におけるNCOバンドの補正された高さが0.05未満になるまで)約50℃の温度で少なくとも更に約16時間反応混合物を撹拌する。
一般的手順F:
アンモニウム官能性(メタ)アクリレート成分(例えばMAPrA−TS)の合成
パラ−トルエンスルホン酸一水和物(HOTos)、例えばトルエン中の3−アミノプロパン−1−オールとメタクリル酸(MA)との混合物から、水を、ディーン・スターク装置を使用して取り除く。反応が完了した後、生成物(例えばMAPrA−TS)を冷却しながら結晶化させる。沈殿物を濾過により分離し、トルエンで洗浄し、減圧下で乾燥させる。
一般的手順G:
前駆体(例えばPGT又はGT)とアンモニウム官能性(メタ)アクリレート成分(例えばMAPrA−TS)との2工程型ワンポット反応
トルエン中の対応する前駆体の溶液に、CDIを添加し、得られた混合物を一晩撹拌する。オルトリン酸を添加し、イミダゾリウムリン酸二水素の無色の沈殿物を、濾過により除去する。濾液(対応する前駆体のジイミダゾリドの溶液)に、500〜2000ppmのHQME、200〜1000ppmのBHT、及び例えばMAPrA−TSを添加する。得られた混合物を、約80℃の温度で一晩撹拌する。室温でイミダゾリウムトシレートの無色の沈殿物を濾過により除去する。続いて濾液をリン酸、水酸化ナトリウム溶液、リン酸、及び水で抽出する。炭と一緒に一晩撹拌し、酸性アルミナを通して濾過した後、100〜500ppmのHQME及び100〜500ppmのBHTを濾液に添加し、溶媒を、粗組成物に空気を吹き込みながら減圧下で取り除く。
一般的手順H:
不飽和酸(例えばMA)を用いたヒドロキシ官能性成分(例えばT、S、又はiS)の酸触媒(例えばMSA)エステル化
例えばシクロヘキサン若しくはヘキサン/トルエン混合物又はシクロヘキサン/トルエン混合物BHT、HQME、任意にメチレンブルー及び/若しくはHQ中の対応するヒドロキシ官能性成分に、触媒(例えばMSA)及び不飽和酸(例えばMA)を添加する。還流で水を、ディーン・スターク装置を使用して除去する。反応が完了した後、粗反応混合物を、4NのNaOH溶液又は2NのNaOH溶液で少なくとも2回抽出し、次いで水で少なくとも1回洗浄し、次いで無水Na2SO4上で乾燥させる。濾過後、塩基性アルミナを通して濾液を任意で濾過する。100〜300ppmのBHT及び100〜300ppmのHQMEを濾液に添加する。次いで溶媒を、粗試料に空気を吹き込みながら、減圧下で取り除く。
ERGP−IEM(比較実施例1):
国際特許第2012/003136号、52頁に従って合成。
PGS−IEM(本発明の実施例1):
一般的手順D(溶媒系経路)に従って、51.5gのS、3.30gのNaOH、及び61.1gのGPを150mLの水中で反応させて、90.3gのPGSを得た。一般的手順Eに従って、50.0gのPGS及び55.4gのIEMを反応させて101.7gのPGS−IEMを得た。
PGiS−IEM(本発明の実施例2):
一般的手順D(溶媒系経路)に従って、34.7gのiS、2.30gのNaOH、及び42.40gのGPを、70mLの水中で反応させて、65.3gのPGiSを得た。一般的手順Eに従って、30.0gのPGiS及び33.3gのIEMを反応させて、62.3gのPGiS−IEMを得た。
PGT−IEA(本発明の実施例3):
一般的手順D(溶媒系経路)に従って、100.0gのチロソール、5.73gのNaOH、及び108.0gのGPを200mLの水中で反応させて、203.4gの粗PGTを得た。水からの再結晶化後、188.9gの精製したPGTを回収した。一般的手順Eに従って、18.4gの精製したPGT及び17.7gのIEAを反応させて31.9gのPGT−IEAを得た。
PGT−IEM(本発明の実施例4):
一般的手順D(溶媒系経路)に従って、100.0gのチロソール、5.73gのNaOH、及び108.0gのGPを200mLの水中で反応させて、203.4gの粗PGTを得た。水からの再結晶化後、188.9gの精製したPGTを回収した。一般的手順Eに従って、48.2gの精製したPGT及び50.8gのIEMを反応させて93.9gのPGT−IEMを得た。
PGT−IPrA(本発明の実施例5):
一般的手順D(溶媒系経路)に従って、100.0gのチロソール、5.73gのNaOH、及び108.0gのGPを200mLの水中で反応させて、203.4gの粗PGTを得た。水からの再結晶化後、188.9gの精製したPGTを回収した。一般的手順Gに従って、32.4gの精製したPGT、37.1gのCDI、26.0gのオルトリン酸、及び71.1gのAPrA−Tsを200mLのトルエン中で反応させて、54.1gのPGT−IPrAを得た。
PGT−IProM(本発明の実施例6):
一般的手順D(溶媒系経路)に従って、100.0gのチロソール、5.73gのNaOH、及び108.0gのGPを200mLの水中で反応させて、203.4gの粗PGTを得た。水からの再結晶化後、188.9gの精製したPGTを回収した。一般的手順Gに従って、55.1gの精製したPGT、63.1gのCDI、44.3gのオルトリン酸、及び127gのMAPrA−Tsを300mLのトルエン中で反応させて、87.7gのPGT−IProMを得た。
PGTM−IEM(本発明の実施例7):
一般的手順Hに従って、136.8gのチロソール、125.3gのMA、及び8.90gのMSAを反応させて、183.4gのTMを得た。一般的手順D(溶媒を含まない経路)に従って、20.0gのTM、0.17gのTEA、及び14.7gのGPを反応させて、32.3gのPGTMを得た。一般的手順Eに従って、24.3gのPGTM及び10.5gのIEMを反応させて、36.5gのPGTM−IEMを得た。
GT−IEM(本発明の実施例8):
一般的手順D(溶媒系経路)に従って、80.0gのチロソール、7.49gのKOH、及び46.0gのグリシドールを100mLのIPA中で反応させて、112.3gのGTを得た。一般的手順Eに従って、50.0gのGT及び73.1gのIEMを反応させて、117gのGT−IEMを得た。
PGT−IPM(本発明の実施例9):
一般的手順D(溶媒系経路)に従って、100.0gのチロソール、5.73gのNaOH、及び108.0gのGPを200mLの水中で反応させて、203.4gの粗PGTを得た。水からの再結晶化後、188.9gの精製したPGTを回収した。一般的手順Gに従って、55.0gの精製したPGT、63.0gのCDI、44.2gのオルトリン酸、及び138gのMAPA−Tsを300mLのトルエン中で反応させて、95.1gのPGT−IPMを得た。
PGTM−IProM(本発明の実施例10):
一般的手順Hに従って、136.8gのチロソール、125.3gのMA、及び8.90gのMSAを反応させて、183.4gのTMを得た。一般的手順D(溶媒を含まない経路)に従って、92.2gのTM、0.81gのTEA、及び67.5gのGPを反応させて、143.4gのPGTMを得た。一般的手順Gに従って、100gのPGTM、46.3gのCDI、32.4gのオルトリン酸、及び92.9gのMAPrA−Tsを300mLのトルエン中で反応させて、129gのPGTM−IProMを得た。
PGTM−IPM(本発明の実施例11):
一般的手順Hに従って、136.8gのチロソール、125.3gのMA、及び8.90gのMSAを反応させて、183.4gのTMを得た。一般的手順D(溶媒を含まない経路)に従って、92.2gのTM、0.81gのTEA、及び67.5gのGPを反応させて、143.4gのPGTMを得た。一般的手順Gに従って、50gのPGTM、23.2gのCDI、16.2gのオルトリン酸、及び50.6gのMAPA−Tsを300mLのトルエン中で反応させて、57.3gのPGTM−IPMを得た。
BCGP−IPM(本発明の実施例12):
一般的手順D(溶媒を含まない経路)に従って、42.8gの4−tert−ブチルカテコール、0.59gのTEA、及び75.0gのGPを80℃の温度で反応させて、114.3gのBCGPを得た。一般的手順Gに従って、54.2gのBCGP、38.3gのCDI、13.4gのオルトリン酸、及び41.7gのMAPA−Tsを300mLのトルエン中で反応させて、63.8gのBCGP−IPMを得た。
軽硬化1構成成分組成物
合成した化合物の一部を(歯科用)組成物の作製に用いた。
組成物の機械的特性に関して生成及び試験した組成物を、以下の表2及び3に示す。表2及び3では、構成成分の値は、対応する歯科用配合物中の個々の構成成分の重量%を表す。
一般的手順I:
光排除下で機械的に攪拌しながら、50℃以下の温度(使用するモノマーの固有粘度に依存する)で反応開始剤系構成成分をモノマー中に溶解した。
一般的手順II:
一般的手順Iに従って、反応開始剤系構成成分をモノマーに溶解した。光排除下で2アームニーダーを使用して、反応開始剤系とモノマーとの混合物と充填剤を部分的に混合した。歯科用組成物における所望の操作特性に応じて、充填剤の量を手動により決定した。次いで、歯科用組成物を800mWハロゲン硬化ライト(3M ESPE Elipar(商標)Trilight)を使用して光硬化し、上記で列挙される対応する測定に従って試験した。それぞれの値を、表2に示す。
歯科用組成物Aは、構成成分CE1を含有するが、本発明に従った化合物(A)は含有しない。以下の表2の中で、化合物(A)は、構成成分IE1〜IE8によって表される。従って、歯科用組成物Aが、比較実施例とみなされ得る一方で、歯科用組成物BからIは、本発明の実施例とみなされ得る。
Figure 2017506245
理解し得るように、本発明に従った化合物(A)を含有する組成物は、本発明に従った化合物(A)を含有しない組成物と比較して、特定の特性に関して優れている。

Claims (15)

  1. 歯科用組成物であって、
    −重合性モノマー(1)と、
    −反応開始剤と、
    −前記組成物の総重量に対して約20重量%超の量の充填剤構成成分と、を含み、
    前記重合性モノマー(1)が、以下
    −正確に2つの(メタ)アクリレート反応性部分を有することと、
    −前記(メタ)アクリレート反応性部分間の結合として、非対称骨格を有することと、
    −前記2つの(メタ)アクリレート反応性部分が、アルキルエステルとして前記非対称モノマー骨格上に結合することと、
    −前記非対称骨格が、フェノール型の1つの芳香族部分を含むことと、
    −前記非対称骨格内に、1つ又は2つのウレタン部分を有することと、を特徴とし、
    前記重合性モノマー(1)が、
    −酸性部分、
    −炭素、水素、窒素、及び酸素以外の原子、
    −ビスフェノール部分、を含有せず、
    前記重合性モノマー(1)が、式(I)
    Figure 2017506245
    (式中、
    a=0又は1であり、
    Figure 2017506245
    であり、
    Aが、アリール−アルキルエーテルとして、B及び/又はB’上に常に結合し、
    B=−(CH−(CH−CH−O−CH−CH)−−(CH−CH−O−CH−CH−CH)−−(CH−CH−CH−O−CH−CH−CH)−
    Figure 2017506245
    であり、
    Bが、アルキルエステルとして前記(メタ)アクリレート反応性基上にか、又はウレタンとしてD上に結合し、
    b=2〜6であり、
    B’=−(CHb’−(CH−CH−O−CH−CH)−
    Figure 2017506245
    であり、
    B’が、アルキルエステルとして前記(メタ)アクリレート反応性基上にか、又はウレタンとしてD’上に結合し
    b’=2〜6であり、
    D、D’が独立して、−(CH−NH−(C=O)−O−−(CH−C(CH−CH)−NH−(C=O)−O−−(CH−CH−C(CH)−NH−(C=O)−O−から選択され、
    D及びD’が、前記ウレタン結合の酸素を介してB及び/又はB’上に常に結合し、
    d=0又は1であり、d’=0又は1であるが、但し、(d+d’)=1又は2であることを条件とし、
    n=2〜5であり、
    Rが独立して、H、メチルから選択され、
    Xが独立して、H及びC1〜C6アルキルから選択され、
    」が、前記モノマーの部分であって、前記モノマーの別の部分に結合する、部分の場所を表す)を特徴とする、歯科用組成物。
  2. 前記重合性モノマー(1)が、式(Ia)又は式(Ib)、
    Figure 2017506245
    (式中、
    Figure 2017506245
    であり、
    Aが、アリール−アルキルエーテルとして、B及び/又はB’上に常に結合し、
    B=−(CH−(CH−CH−O−CH−CH)−−(CH−CH−O−CH−CH−CH)−−(CH−CH−CH−O−CH−CH−CH)−
    Figure 2017506245
    であり、
    Bが、アルキルエステルとして前記(メタ)アクリレート反応性基上にか、又はウレタンとしてD上に結合し、
    b=2〜6であり、
    B’=−(CHb’−(CH−CH−O−CH−CH)−
    Figure 2017506245
    であり、
    B’が、アルキルエステルとして前記(メタ)アクリレート反応性基上にか、又はウレタンとしてD’上に結合し、
    b’=2〜6であり、
    D、D’が独立して、−(CH−NH−(C=O)−O−−(CH−C(CH−CH)−NH−(C=O)−O−−(CH−CH−C(CH)−NH−(C=O)−O−から選択され、
    D、D’が、前記ウレタン結合の酸素を介してB及び/又はB’上に常に結合し、
    d=0又は1であり、d’=0又は1であるが、但し、(d+d’)=1又は2であることを条件とし、
    n=2〜5であり、
    Rが独立して、H、メチルから選択され、
    Xが独立して、H及びC1〜C6アルキルから選択される)、
    又は
    Figure 2017506245
    (式中、
    Figure 2017506245
    であり、
    Aが、アリール−アルキルエーテルとしてB上に結合し、アルキルエステルとして前記(メタ)アクリレート反応性基にか、又はウレタンとしてD’上に結合し、
    B=−(CH−(CH−CH−O−CH−CH)−
    Figure 2017506245
    であり、
    Bが、アルキルエステルとして前記(メタ)アクリレート反応性基上にか、又はウレタンとしてD上に結合し、
    b=2〜6であり、
    D、D’が独立して、−(CH−NH−(C=O)−O−−(CH−C(CH−CH)−NH−(C=O)−O−−(CH−CH−C(CH)−NH−(C=O)−O−から選択され、
    D、D’が、前記ウレタン結合の酸素を介してB及び/又はB’上に常に結合し、
    d=0又は1であり、d’=0又は1であるが、但し、(d+d’)=1又は2であることを条件とし、
    n=2〜5であり、
    Rが独立して、H及びメチルから選択され、
    」が、前記モノマーの部分であって、前記モノマーの別の部分に結合する、部分の場所を表す)のいずれかを特徴とする、請求項1に記載の歯科用組成物。
  3. 以下の特徴、
    −前記重合性モノマー(1)が、約300〜約1,000の分子量を有することと、
    −前記フェノール型の前記芳香族部分が、チロソール部分、ヒドロキシベンジル型アルコール部分、ヒドロキシ安息香酸部分、レゾルシノール部分、カテコール部分を含むことと、
    −前記重合性モノマー(1)が、前記非対称骨格内に1つ又は2つのウレタン部分を有することと、のうちの少なくとも1つを特徴とする、請求項1又は2に記載の歯科用組成物。
  4. 前記重合性モノマー(1)が、以下のモノマー、
    Figure 2017506245
    Figure 2017506245
    Figure 2017506245
    Figure 2017506245
    Figure 2017506245
    Figure 2017506245
    Figure 2017506245
    Figure 2017506245
    Figure 2017506245
    (式中、Rが独立して、H及びメチルから選択される)並びにこれらの混合物のうちの1つから選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  5. 前記反応開始剤が、放射線硬化反応開始剤、レドックス硬化反応開始剤、熱硬化反応開始剤、及びこれらの組み合わせから選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  6. 以下の量、
    −重合性モノマー(1):約1〜約75重量%、
    −反応開始剤:約0.1〜約10重量%、
    −充填剤:約20〜約95重量%で、それぞれの構成成分を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  7. 酸性部分を有する重合性モノマー(2)を更に含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  8. 以下の構成成分、
    −5重量%超の量のビス−GMA又はビスフェノール部分含有構成成分、
    −5重量%超の量の溶媒、
    のいずれか又はこれらの全てを含まない、請求項1〜7のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  9. 前記接着剤組成物が、硬化後、以下の特徴、
    圧縮強度:少なくとも約380MPa、
    収縮応力:約2350μ歪以下、
    のうちの少なくとも1つ又は全てを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  10. 以下、
    −重合性モノマー(1)が、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載される前記式によって表され、
    約1〜約75重量%の量であることと、
    −反応開始剤が放射線硬化反応開始剤又はレドックス硬化反応開始剤から選択されることと、
    −充填剤が、約20〜約90重量%の量のシリカ、シリカ/ジルコニア充填剤、及びこれらの混合物から選択されることと、を特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  11. 1成分系又は2成分系として提供される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  12. 硬化状態にあり、歯科用歯冠、ブリッジ、インレー、アンレー、ベニア、歯列矯正装置、又は歯科用ミルブランクの形状で提供される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  13. 歯科用充填材料、歯科用セメント、歯冠及びブリッジ材料、インレー、アンレー、ベニア、歯列矯正装置、又は歯科用ミルブランクとしてか、又はそれらを製造するための、請求項1〜12のいずれか一項に記載の歯科用組成物の使用。
  14. 歯科用ミルブランクの製造方法であって、
    −請求項1〜12のいずれか一項に記載の歯科用組成物であって、その未硬化状態にある、歯科用組成物を提供する工程と、
    −前記歯科用組成物を固化又は硬化させて、固化又は硬化した歯科用組成物を得る工程と、
    −前記固化した歯科用組成物を、保持装置に固定する工程と、を含み、
    前記歯科用組成物が、歯科用ミルブランクの形状で提供される、方法。
  15. 歯科用修復物の製造方法であって、
    −歯科用ミルブランクを提供する工程であって、前記歯科用ミルブランクが、請求項1〜12のいずれか一項に記載される歯科用組成物を含み、前記歯科用組成物が、その硬化した状態にある、工程と、
    −前記歯科用ミルブランクを機械加工して、歯科用修復物を得る工程と、を含む、方法。
JP2016552637A 2014-02-18 2015-02-10 歯科用組成物及びその使用 Active JP6616310B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP14155585.4 2014-02-18
EP14155585 2014-02-18
PCT/US2015/015160 WO2015126666A1 (en) 2014-02-18 2015-02-10 Dental composition and use thereof

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017506245A true JP2017506245A (ja) 2017-03-02
JP6616310B2 JP6616310B2 (ja) 2019-12-04

Family

ID=50114291

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016552637A Active JP6616310B2 (ja) 2014-02-18 2015-02-10 歯科用組成物及びその使用

Country Status (5)

Country Link
US (1) US10010488B2 (ja)
EP (1) EP3107522B1 (ja)
JP (1) JP6616310B2 (ja)
CN (1) CN106029046B (ja)
WO (1) WO2015126666A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020138071A1 (ja) * 2018-12-28 2020-07-02 三井化学株式会社 歯科材料用モノマー組成物、歯科材料用組成物及び歯科材料
WO2020209505A1 (ko) * 2019-04-10 2020-10-15 오스템임플란트 주식회사 3d 프린팅용 경화용 수지 조성물 및 이로부터 제조된 성형물
JP2021017400A (ja) * 2019-07-17 2021-02-15 株式会社ユポ・コーポレーション うるし化合物及び該うるし化合物の製造方法

Families Citing this family (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2486081B1 (en) 2009-10-11 2018-12-05 Rutgers, The State University of New Jersey Biocompatible polymers for medial devices
CA2863203C (en) 2012-02-03 2020-03-24 Rutgers, The State Of University Of New Jersey Polymeric biomaterials derived from phenolic monomers and their medical uses
US11472918B2 (en) 2012-02-03 2022-10-18 Rutgers, The State University Of New Jersey Polymeric biomaterials derived from phenolic monomers and their medical uses
US10774030B2 (en) 2014-12-23 2020-09-15 Rutgers, The State University Of New Jersey Polymeric biomaterials derived from phenolic monomers and their medical uses
WO2016103224A2 (en) * 2014-12-23 2016-06-30 Rutgers, The State University Of New Jersey Biocompatible iodinated diphenol monomers and polymers
WO2017073572A1 (ja) * 2015-10-26 2017-05-04 株式会社トクヤマデンタル 樹脂ブロック及びその製造方法
JP7117291B2 (ja) 2016-08-25 2022-08-12 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 付加製造プロセスのための着色硬化性組成物、3次元複合材物品及びその使用
CN106691612A (zh) * 2016-11-29 2017-05-24 爱迪特(秦皇岛)科技股份有限公司 适于3d加工的硬质材料结构及加工的方法、用途
WO2019023009A1 (en) 2017-07-25 2019-01-31 3M Innovative Properties Company PHOTOPOLYMERIZABLE COMPOSITIONS COMPRISING A URETHANE COMPONENT AND A REACTIVE DILUENT, ARTICLES AND METHODS
US11911236B2 (en) * 2017-07-25 2024-02-27 3M Innovative Properties Company Water-resistant polymer-based dental articles
US11553996B2 (en) 2017-09-11 2023-01-17 3M Innovative Properties Company Radiation curable compositions and composite articles made using an additive manufacturing process
US11103425B2 (en) * 2017-12-21 2021-08-31 3M Innovative Properties Company Inorganic dental fillers including a silane treated surface
EP3787588A2 (en) * 2018-05-02 2021-03-10 3M Innovative Properties Company One-part dental adhesive composition for fixing dental composite materials
US11718580B2 (en) 2019-05-08 2023-08-08 Meta Platforms Technologies, Llc Fluorene derivatized monomers and polymers for volume Bragg gratings
WO2020234775A1 (en) * 2019-05-21 2020-11-26 3M Innovative Properties Company Orthodontic articles comprising polymerized composition with pendent cyclic moieties, methods, and polymerizable compositions
EP3795359A1 (en) * 2019-08-26 2021-03-24 Shofu Inc. Dental photopolymerizable composition for 3d printer
US11780819B2 (en) 2019-11-27 2023-10-10 Meta Platforms Technologies, Llc Aromatic substituted alkane-core monomers and polymers thereof for volume Bragg gratings
EP4175588A2 (en) 2020-07-06 2023-05-10 Perfect Fit Crowns, LLC Method and apparatus for dental crown restorations using prefabricated sleeve-crown pairs
US11879024B1 (en) 2020-07-14 2024-01-23 Meta Platforms Technologies, Llc Soft mold formulations for surface relief grating fabrication with imprinting lithography
US20220153895A1 (en) * 2020-11-13 2022-05-19 Facebook Technologies, Llc Substituted propane-core monomers and polymers thereof for volume bragg gratings
CN116162405B (zh) * 2023-04-21 2023-07-21 上海发微医用材料有限公司 单层亲水涂层及其配制体系和可植入医疗器材

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20030175659A1 (en) * 2002-02-07 2003-09-18 Amer Tiba Multifunctional dentin bonding agent
US20110315928A1 (en) * 2010-05-03 2011-12-29 Dentsply International Inc. Low stress flowable dental composition
WO2013082337A1 (en) * 2011-12-01 2013-06-06 3M Innovative Properties Company One component self-adhesive dental composition, process of production and use thereof
JP2013530229A (ja) * 2010-07-02 2013-07-25 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 歯科用組成物、キットオブパーツ、及びその使用

Family Cites Families (50)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE1495520B2 (de) 1964-05-02 1970-06-25 Deutsche Gold- U. Silber-Scheideanstalt, Vorm. Roessler, 6000 Frankfurt Verfahren zum Polymerisieren
US3541068A (en) 1968-07-12 1970-11-17 Minnesota Mining & Mfg Dental restorative compositions having enhanced stability
GB1408265A (en) 1971-10-18 1975-10-01 Ici Ltd Photopolymerisable composition
US3808006A (en) 1971-12-06 1974-04-30 Minnesota Mining & Mfg Photosensitive material containing a diaryliodium compound, a sensitizer and a color former
US3729313A (en) 1971-12-06 1973-04-24 Minnesota Mining & Mfg Novel photosensitive systems comprising diaryliodonium compounds and their use
US3853962A (en) 1972-02-03 1974-12-10 Johnson & Johnson Novel methacrylate monomer
US3741769A (en) 1972-10-24 1973-06-26 Minnesota Mining & Mfg Novel photosensitive polymerizable systems and their use
AU497960B2 (en) 1974-04-11 1979-01-25 Minnesota Mining And Manufacturing Company Photopolymerizable compositions
GB1569021A (en) 1976-03-17 1980-06-11 Kuraray Co Adhesive cementing agents containing partial phosphonic orphosphonic acid esters
US4250053A (en) 1979-05-21 1981-02-10 Minnesota Mining And Manufacturing Company Sensitized aromatic iodonium or aromatic sulfonium salt photoinitiator systems
DE3107577A1 (de) 1981-02-27 1982-09-16 ESPE Fabrik pharmazeutischer Präparate GmbH, 8031 Seefeld 1,2-6-thiadiazin-3,5-dion-1,1-dioxide und ihre verwendung
US4539382A (en) 1981-07-29 1985-09-03 Kuraray Co., Ltd. Adhesive composition
JPS59135272A (ja) 1983-01-21 1984-08-03 Kuraray Co Ltd 接着剤
DE3443221A1 (de) 1984-11-27 1986-06-05 ESPE Fabrik pharmazeutischer Präparate GmbH, 8031 Seefeld Bisacylphosphinoxide, ihre herstellung und verwendung
US4642126A (en) 1985-02-11 1987-02-10 Norton Company Coated abrasives with rapidly curable adhesives and controllable curvature
DE3522006A1 (de) 1985-06-20 1987-01-02 Bayer Ag (meth)-acrylsaeure-derivate von tricyclodecanen und ihre verwendung
US4652274A (en) 1985-08-07 1987-03-24 Minnesota Mining And Manufacturing Company Coated abrasive product having radiation curable binder
DE3536076A1 (de) 1985-10-09 1987-04-09 Muehlbauer Ernst Kg Polymerisierbare zementmischungen
US4772530A (en) 1986-05-06 1988-09-20 The Mead Corporation Photosensitive materials containing ionic dye compounds as initiators
US4874450A (en) 1987-01-29 1989-10-17 The Mead Corporation Laminating transparent or translucent materials using ionic dye-counter ion complexes
CA1323949C (en) 1987-04-02 1993-11-02 Michael C. Palazzotto Ternary photoinitiator system for addition polymerization
AU618772B2 (en) 1987-12-30 1992-01-09 Minnesota Mining And Manufacturing Company Photocurable ionomer cement systems
US4954414A (en) 1988-11-08 1990-09-04 The Mead Corporation Photosensitive composition containing a transition metal coordination complex cation and a borate anion and photosensitive materials employing the same
US5057393A (en) 1989-07-10 1991-10-15 The Mead Corporation Dye branched-alkyl borate photoinitiators
US5055372A (en) 1990-04-23 1991-10-08 The Mead Corporation Photohardenable composition containing borate salts and ketone initiators
DE59005464D1 (de) 1990-05-09 1994-05-26 Siemens Ag Rohlingkörper zur Herstellung eines Zahnrestaurations-Passkörpers.
US5530038A (en) 1993-08-02 1996-06-25 Sun Medical Co., Ltd. Primer composition and curable composition
US5624260A (en) 1994-02-28 1997-04-29 Minnesota Mining And Manufacturing Company Delivery system for aqueous paste dental materials
EP0712622B1 (en) 1994-11-21 1999-09-01 Tokuyama Corporation Dental composition and kit
US5918772A (en) 1995-03-13 1999-07-06 Wilhelm A. Keller Bayonet fastening device for the attachment of an accessory to a multiple component cartridge or dispensing device
ATE198839T1 (de) 1995-06-21 2001-02-15 Sulzer Chemtech Ag In einem rohr angeordneter mischer
DE19651139C2 (de) 1996-12-10 1999-04-15 Heraeus Kulzer Gmbh Kartusche zur Aufnahme von pastösem Material
US5865803A (en) 1997-05-19 1999-02-02 Major; Miklos Syringe device having a vented piston
DE29815486U1 (de) 1998-08-28 2000-01-05 Espe Dental Ag Vorrichtung zur Herstellung eines Zahnersatzteils
US6458868B1 (en) 1999-03-31 2002-10-01 Kuraray Co., Ltd. Organophosphorus compounds for dental polymerizable compositions
TWI284540B (en) 1999-05-13 2007-08-01 Kuraray Co Bonding composition suitable to tooth tissue
US6730156B1 (en) 1999-10-28 2004-05-04 3M Innovative Properties Company Clustered particle dental fillers
DE19961342B4 (de) 1999-12-17 2004-02-19 3M Espe Ag Radikalisch härtbare Urethanpräpolymere und deren Verwendung
US6444725B1 (en) 2000-01-21 2002-09-03 3M Innovative Properties Company Color-changing dental compositions
AU2001267551B2 (en) 2000-06-22 2005-12-15 3M Espe Ag Device for producing dental workpieces
AU2003200509A1 (en) 2002-02-27 2003-09-11 Centrix, Inc Dental capsule for placement of high viscosity dental composite material with reduced extrusion force
DE10222828B4 (de) 2002-05-21 2008-05-15 3M Espe Ag Bestrahlungsgerät
ES2291609T3 (es) 2002-12-06 2008-03-01 Sulzer Mixpac Ag Mezcladora estatica y metodo.
SI1660377T1 (sl) 2003-09-01 2010-04-30 Sulzer Mixpac Ag Razdelilna naprava z zapornim ŽŤepom in zapahnilnim obroŽŤem z bajonetnim prikljuŽŤnim sredstvom
EP1810638B1 (en) 2006-01-24 2009-06-17 3M Espe AG Piston for capsule, method of forming such piston, and capsule therewith
JP5665316B2 (ja) * 2006-06-16 2015-02-04 デンツプライ インターナショナル インコーポレーテッド 光重合性且つ光開裂性の樹脂及び低応力複合組成物
US20100076115A1 (en) 2006-12-20 2010-03-25 Heraeus Kulzer Gmbh Compositions For Dental Composites With Tricyclo[5.2.1.02.6]decane Derivatives
EP2042486A1 (en) 2007-09-26 2009-04-01 3M Innovative Properties Company Methacrylate Based Monomers containing a Urethane Linkage, Process for Production and Use thereof
EP2133064A1 (en) 2008-06-10 2009-12-16 3M Innovative Properties Company Initiator system containing a diarylalkylamine derivate, hardenable composition and use thereof
JP5242486B2 (ja) 2009-04-10 2013-07-24 アァルピィ東プラ株式会社 中空体の製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20030175659A1 (en) * 2002-02-07 2003-09-18 Amer Tiba Multifunctional dentin bonding agent
US20110315928A1 (en) * 2010-05-03 2011-12-29 Dentsply International Inc. Low stress flowable dental composition
JP2013530229A (ja) * 2010-07-02 2013-07-25 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 歯科用組成物、キットオブパーツ、及びその使用
WO2013082337A1 (en) * 2011-12-01 2013-06-06 3M Innovative Properties Company One component self-adhesive dental composition, process of production and use thereof

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020138071A1 (ja) * 2018-12-28 2020-07-02 三井化学株式会社 歯科材料用モノマー組成物、歯科材料用組成物及び歯科材料
JPWO2020138071A1 (ja) * 2018-12-28 2021-09-09 三井化学株式会社 歯科材料用モノマー組成物、歯科材料用組成物及び歯科材料
JP7121809B2 (ja) 2018-12-28 2022-08-18 三井化学株式会社 歯科材料用モノマー組成物、歯科材料用組成物及び歯科材料
US11951193B2 (en) 2018-12-28 2024-04-09 Mitsui Chemicals, Inc. Monomer composition for dental materials, composition for dental materials, and dental material
WO2020209505A1 (ko) * 2019-04-10 2020-10-15 오스템임플란트 주식회사 3d 프린팅용 경화용 수지 조성물 및 이로부터 제조된 성형물
KR20200120992A (ko) * 2019-04-10 2020-10-23 오스템임플란트 주식회사 3d 프린팅용 경화용 수지 조성물 및 이로부터 제조된 성형물
KR102254001B1 (ko) 2019-04-10 2021-05-20 오스템임플란트 주식회사 3d 프린팅용 경화용 수지 조성물 및 이로부터 제조된 성형물
JP2021017400A (ja) * 2019-07-17 2021-02-15 株式会社ユポ・コーポレーション うるし化合物及び該うるし化合物の製造方法
JP7267863B2 (ja) 2019-07-17 2023-05-02 株式会社ユポ・コーポレーション うるし化合物及び該うるし化合物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20170165152A1 (en) 2017-06-15
EP3107522A1 (en) 2016-12-28
CN106029046A (zh) 2016-10-12
WO2015126666A1 (en) 2015-08-27
JP6616310B2 (ja) 2019-12-04
CN106029046B (zh) 2019-04-05
US10010488B2 (en) 2018-07-03
EP3107522B1 (en) 2018-10-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6616310B2 (ja) 歯科用組成物及びその使用
JP5918229B2 (ja) 歯科用組成物、キットオブパーツ、及びその使用
JP6688737B2 (ja) 接着剤結合組成物及びその使用
EP2670375B1 (en) Dental composition, method of producing and use thereof
EP2741728B1 (en) Dental composition, method of producing and use thereof
JP2017520591A (ja) 二成分自己接着性歯科用組成物、その製造方法、及び使用
JP6599346B2 (ja) 歯科用組成物及びその使用
JP6942888B2 (ja) 高弾性率の歯科用組成物
WO2023209463A1 (en) Dental composition containing a resorcinol or catechol moiety containing component and use thereof

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181023

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190702

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190913

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191008

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191107

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6616310

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111