JPWO2020100953A1 - シリンジ用キャップ、シリンジ組立体及びプレフィルドシリンジ - Google Patents

シリンジ用キャップ、シリンジ組立体及びプレフィルドシリンジ Download PDF

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Abstract

プレフィルドシリンジ(12A)を形成するシリンジ組立体(22A)は、内側キャップ(42)と外側キャップ(44)とを含むシリンジ用キャップ(10A)を備える。シリンジ用キャップ(10A)が筒先部(14)に装着された時に、先端密着部(68)は、筒先部(14)の先端外周面(32a)に一周液密に密着し、基端密着部(70)は、筒先部(14)の基端外周面(32b)に密着し、非密着部(72)は、筒先部(14)の外周面(32)から離間し、且つ、離間部(76)は、離間部(76)と外側キャップ(44)の内周面(64)との間に隙間(S2)を形成するように構成されている。

Description

本発明は、先端に筒先部を有するバレルを備えたシリンジの前記筒先部に離脱可能に装着され、前記筒先部の先端開口部を封止するためのシリンジ用キャップ、シリンジ組立体及びプレフィルドシリンジに関する。
例えば、米国特許第6520935号明細書には、エラストマー材料により構成された内側キャップと、熱可塑性樹脂により構成されて内側キャップの周囲に固定された筒状の外側キャップとを備えたシリンジ用キャップが開示されている。内側キャップは、基部と、基部から基端方向に延出した筒状壁部を有している。このシリンジ用キャップでは、シリンジの筒先部に装着された状態で、筒状壁部の内周面の全体がシリンジの筒先部の外周面に密着するとともに筒状壁部の外周面が外側キャップに密着している。
ところで、シリンジ用キャップを筒先部に装着した状態で、筒状壁部の内周面が筒先部の外周面に貼り付く(スティッキングする)ことがある。
上述したような米国特許第6520935号明細書のような従来技術では、シリンジ用キャップをシリンジの筒先部に装着した状態で、筒状壁部の内周面の筒状部の外周面に対する接触面積が広いため、筒状壁部の内周面の筒状部の外周面に対する貼り付き強度が比較的大きくなる。そのため、シリンジ用キャップの開封が容易でないことがある。
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、筒状壁部の内周面の筒先部の外周面に対する貼り付き強度を低減することができ、容易に開封することができるシリンジ用キャップ、シリンジ組立体及びプレフィルドシリンジを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、先端に筒先部を有するバレルを備えたシリンジの前記筒先部に離脱可能に装着され、前記筒先部の先端開口部を封止するためのシリンジ用キャップであって、弾性材料により構成され、前記シリンジ用キャップが前記筒先部に装着された時に、前記筒先部の前記先端開口部を液密に封止する内側キャップと、前記内側キャップよりも硬質の材料により構成され、前記内側キャップの周囲に固定された筒状の外側キャップと、を備え、前記内側キャップは、基部と、前記基部から基端方向に延出した筒状壁部と、を有し、前記筒状壁部は、前記筒先部の外周面を囲む内周面と、前記外側キャップの内周面と対向する外周面と、を有し、前記筒状壁部の前記内周面は、前記筒状壁部の先端部に配置された先端密着部と、前記筒状壁部の基端部に配置された基端密着部と、前記先端密着部と前記基端密着部との間に配置された非密着部と、を有し、前記筒状壁部の前記外周面は、前記筒状壁部の軸方向において、前記非密着部と一致する位置に配置され、前記外側キャップの前記内周面から離間した少なくとも1つの離間部を有し、前記シリンジ用キャップが前記筒先部に装着された時に、前記先端密着部は、前記筒先部の先端外周面に一周液密に密着し、前記基端密着部は、前記筒先部の基端外周面に密着し、前記非密着部は、前記筒先部の前記外周面から離間し、且つ、前記少なくとも1つの離間部は、前記離間部と前記外側キャップの前記内周面との間に隙間を形成する、シリンジ用キャップである。
本発明の第2の態様は、上述したシリンジ用キャップと、先端に筒先部を有するバレルを備えたシリンジと、を備え、前記シリンジ用キャップは、前記バレルの前記筒先部に装着されている、シリンジ組立体である。
本発明の第3の態様は、上述したシリンジ用キャップと、先端に筒先部を有するバレルを備えたシリンジと、前記バレル内に摺動可能に挿入されたピストンと、前記バレルと前記ピストンとで画成される液室内に充填された薬液と、を備える、プレフィルドシリンジである。
本発明によれば、シリンジ用キャップが筒先部に装着された時に、筒状壁部の非密着部が筒先部の外周面から離間するため、筒状壁部の内周面の筒先部の外周面に対する接触面積を比較的小さくすることができる。これにより、筒状壁部の内周面の筒先部の外周面に対する貼り付き強度を低減することができ、シリンジ用キャップを容易に開封することができる。また、シリンジ用キャップが筒先部に装着された時に、筒状壁部の軸方向において非密着部と一致する位置に配置された離間部と外側キャップの内周面との間に隙間が形成されている。よって、筒状壁部が外側キャップによって径方向内方に押されて非密着部が筒先部の外周面に接触してしまうことを効果的に抑えることができる。
本発明の第1実施形態に係るプレフィルドシリンジの縦断面図である。 図1のプレフィルドシリンジの先端部の分解斜視図である。 図1のキャップの縦断面図である。 図1のプレフィルドシリンジの先端部の縦断面図である。 図4のV−V線に沿った横断面図である。 図6Aは図1のキャップの開封動作の第1説明図であり、図6Bは図1のキャップの開封動作の第2説明図である。 図7Aは本発明の第2実施形態に係るプレフィルドシリンジの先端部の縦断面図であり、図7Bは図7AのVIIB−VIIB線に沿った横断面図である。 図7Aの内側キャップの断面斜視図である。 本発明の第3実施形態に係るプレフィルドシリンジの先端部の縦断面図である。 図9のX−X線に沿った横断面図である。 図9の内側キャップの断面斜視図である。 本発明の第4実施形態に係るプレフィルドシリンジの先端部の縦断面図である。 図12のプレフィルドシリンジの先端部の分解斜視図である。 図12の内側キャップの断面斜視図である。 図15Aは筒先部からキャップを取り外した状態を示す断面説明図であり、図15Bは筒先部にキャップを再装着した状態を示す断面説明図である。
以下、本発明に係るシリンジ用キャップ、シリンジ組立体及びプレフィルドシリンジについて好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。プレフィルドシリンジ及びその構成要素に関する以下の説明では、図1の左側を「先端」、右側を「基端」という。
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係るプレフィルドシリンジ12Aは、主たる構成要素として、筒先部14が設けられた中空体からなるバレル16を有するシリンジ17と、筒先部14を封止するシリンジ用キャップ10A(以下、「キャップ10A」と呼ぶことがある。)と、バレル16内に摺動可能に挿入されたピストン18と、バレル16とピストン18とで画成される液室20内に充填された薬液Mとを備える。シリンジ17とキャップ10Aとにより、シリンジ組立体22Aが構成されている。
バレル16は、略円筒形状をなすとともに基端に基端開口部23が形成された胴体部24と、胴体部24の先端に設けられた筒先部14(図2参照)と、筒先部14の外側に設けられたロックアダプタ26と、胴体部24の基端から径方向外方に突出形成されたフランジ28とを有する。図示例のバレル16において、胴体部24、筒先部14、ロックアダプタ26及びフランジ28は一体成形されている。バレル16内には、基端開口部23を介してピストン18が挿入されている。ピストン18によってバレル16の基端側が液密に封止され、薬液Mがバレル16内に封入されている。
ピストン18は、例えばゴム材等の弾性材料により構成されたガスケットである。ピストン18は、その外周部がバレル16の内周面に液密に接するとともに、バレル16内に摺動可能に配置されている。ピストン18には、押し子30の先端部が連結されている。ユーザが押し子30を先端方向に押圧することにより、ピストン18がバレル16内を先端方向に摺動する。なお、押し子30は、薬液Mを患者に投与するときにピストン18に連結されてもよい。
図2及び図4に示すように、筒先部14は、胴体部24の先端部から胴体部24に対して縮径して先端方向に延出している。筒先部14は、先端方向に向かうに従って外径が縮小するテーパ状の外周面32を有する。すなわち、筒先部14の外周面32は、ルアーテーパを構成している。図4において、筒先部14は、バレル16内の液室20と連通し且つ軸方向に貫通した液体通路34を有する。液体通路34の先端が、筒先部14の先端開口部36を形成している。
筒先部14からキャップ10Aが外された状態で、筒先部14には、図示しない針ユニットが着脱可能である。針ユニットは、針先を有する針体と、針体の基端部に固定されるとともに外方に突出した突起を有する針ハブとを備える。筒先部14は、針ハブの内周部にテーパ嵌合可能である。プレフィルドシリンジ12Aの使用に際し、キャップ10Aは開栓され(筒先部14及びロックアダプタ26から取り外され)、代わりに針ユニットの針ハブが筒先部14及びロックアダプタ26に接続される。
図2及び図4に示すように、図示例のロックアダプタ26は、胴体部24の先端から先端方向に延出し且つ筒先部14を囲む略中空円状に構成されている。上述した筒先部14は、ロックアダプタ26よりも先端方向に突出しており、ロックアダプタ26と筒先部14との間には、基端方向に凹む環状凹部38が形成されている。ロックアダプタ26の内周面には雌ネジ部40が形成されている。雌ネジ部40は、キャップ10Aの後述する雄ネジ部46と離脱可能に螺合している。キャップ10Aがバレル16から離脱した状態で、雌ネジ部40は、上述した針ユニットの針ハブに設けられた突起と係合可能である。
なお、本図示例のロックアダプタ26は、バレル16の一部として、胴体部24の先端部に一体成形によって設けられているが、筒先部14の基端部に一体成形によって設けられていてもよい。あるいは、ロックアダプタ26は、胴体部24及び筒先部14とは別部品として構成され、バレル16又は筒先部14に固定された部材であってもよい。
バレル16の構成材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アクリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、環状ポリオレフィンのような各種樹脂が挙げられる。
図2〜図4に示すように、キャップ10Aは、筒先部14に離脱可能に装着されており、筒先部14の先端開口部36を封止する。図示例のキャップ10Aは、筒先部14に着脱可能に構成されている。キャップ10Aは、先端開口部36を封止する内側キャップ42と、内側キャップ42を支持する中空円筒状の外側キャップ44とを備える。
内側キャップ42は、弾性材料により構成されている。筒先部14にキャップ10Aが装着された使用前の状態(以下、「装着状態」ともいう)では、内側キャップ42が筒先部14に液密に密着しており、これによりキャップ10Aの外部に薬液Mが漏れ出ないようになっている。すなわち、内側キャップ42は、キャップ10Aの装着状態で筒先部14の先端開口部36を液密に封止する。
内側キャップ42を構成する弾性材料としては、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム材料や、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはそれらの混合物等が挙げられる。
外側キャップ44は、内側キャップ42の外周に固定されている。外側キャップ44の基端外周部には、ロックアダプタ26の雌ネジ部40に解除可能に螺合する雄ネジ部46が形成されている。外側キャップ44の外周部において雄ネジ部46よりも先端側には、径方向外側に突出するストッパ48が設けられている。
キャップ10Aがしっかりと(完全に)筒先部14及びロックアダプタ26に装着された状態では、外側キャップ44は、ストッパ48の基端面とロックアダプタ26の先端面とが当接する位置までロックアダプタ26に捩じ込まれている。
次に、内側キャップ42の構成について、より詳細に説明する。内側キャップ42は、装着状態で筒先部14よりも先端側に位置する基部50と、基部50から基端方向に延出した筒状壁部52とを有する。基部50と筒状壁部52とにより先端方向に凹む凹部54が形成されている。基部50は、内側キャップ42の先端側部分を構成している。
図3及び図4に示すように、基部50の外周部には径方向内側に凹む環状の装着溝56が設けられており、外側キャップ44の内周部に設けられた環状突起58が装着溝56に係合している。これにより、内側キャップ42と外側キャップ44との軸方向の相対移動が阻止されている。図3において、基部50の基端面60(凹部54の底部)は、筒先部14の先端面35と一周密着し、先端面35によって先端方向に若干だけ押し潰されている。
図4において、筒状壁部52は、中空円筒形状に形成されている。キャップ10Aの装着状態で、筒状壁部52は筒先部14を囲んでいる。筒状壁部52は、筒先部14の外周面32を囲む内周面62と、外側キャップ44の内周面64と対向する外周面66とを含む。
図3において、筒状壁部52の内周面62は、基端方向に向かうに従って内径が拡径するテーパ状に形成されている。筒状壁部52の内周面62は、筒状壁部52の先端部に配置された先端密着部68と、筒状壁部52の基端部に配置された基端密着部70と、先端密着部68と基端密着部70との間に配置された非密着部72とを有する。
図4に示すキャップ10Aの装着状態で、先端密着部68は筒先部14の先端外周面32aに一周液密に接し、基端密着部70は筒先部14の基端外周面32bに一周液密に接し、非密着部72は筒先部14の外周面32から離間している。すなわち、キャップ10Aの装着状態で、非密着部72と筒先部14の外周面32との間には、筒状壁部52の周方向に一周連通した隙間S1が形成される(図4及び図5参照)。
図3において、先端密着部68及び基端密着部70のそれぞれは、筒状壁部52の周方向に一周延在するとともに基端方向に向かってテーパ状に拡径している。非密着部72は、筒状壁部52の内周面62に周方向に設けられた環状溝74によって形成されている。つまり、非密着部72は、筒状壁部52の周方向に沿って一周延在している。環状溝74の深さ寸法は、キャップ10Aの装着状態で非密着部72と筒先部14の外周面32との間に隙間S1が形成することができれば任意に設定可能である(図4及び図5参照)。
非密着部72は、中間部73aと、中間部73a及び先端密着部68を互いに連結する先端側テーパ部73bと、中間部73a及び基端密着部70を互いに連結する基端側テーパ部73cとを有する。中間部73aは、基端方向に向かって先端密着部68及び基端密着部70と同じテーパ角度で拡径している。先端側テーパ部73bは、基端方向に向かって先端密着部68よりも大きなテーパ角度で拡径している。基端側テーパ部73cは、基端方向に向かって縮径している。
非密着部72の長さL1(筒状壁部52の軸方向に沿った長さ)は、基端密着部70の長さL2(筒状壁部52の軸方向に沿った長さ)よりも長く、先端密着部68の長さL3(筒状壁部52の軸方向に沿った長さ)と略同じである。ただし、非密着部72の長さL1、基端密着部70の長さL2及び先端密着部68の長さL3は、任意に設定することができる。
非密着部72の長さL1が長いほど、筒状壁部52の内周面62の筒先部14の外周面32に対する貼り付き強度を小さくすることができる。基端密着部70の長さL2が長いほど、筒先部14の基端部の無菌性を確実に維持することができる。基端密着部70の長さL2が短いほど、バレル16からキャップ10Aを取り外す際に筒状壁部52の凹部54内の陰圧をより素早く解除することができる。
図3及び図4において、筒状壁部52の外周面66は、筒状壁部52の軸方向において、非密着部72と一致する位置に配置され、外側キャップ44の内周面64から離間した離間部76を有する。つまり、離間部76は、非密着部72に対して筒状壁部52の径方向外方に位置する。キャップ10Aの装着状態で、離間部76は、離間部76と外側キャップ44の内周面64との間に隙間S2を形成するように構成されている。離間部76は、筒状壁部52の周方向に沿って一周形成されている。
筒状壁部52の外周面66には、径方向外方に突出した突起部78が設けられている。突起部78は、筒状壁部52の軸方向において、先端密着部68と一致する位置に配置されている。つまり、突起部78は、先端密着部68に対して筒状壁部52の径方向外方に位置する。突起部78は、筒状壁部52の周方向に沿って一周延在している。突起部78は、外側キャップ44の内周面64に一周密着している。キャップ10Aの装着状態で、突起部78は、筒先部14の先端外周面32aと外側キャップ44の内周面64とに挟まれることで、筒状壁部52の径方向に圧縮変形する。これにより、先端密着部68は、筒先部14の先端外周面32aに強く密着する。
このように構成されるプレフィルドシリンジ12Aのキャップ10Aの開封動作について、以下に説明する。初期状態(キャップ10Aの装着状態)では、図4に示すように、内側キャップ42の先端密着部68が筒先部14の先端外周面32aに一周液密に密着するとともに基端密着部70が筒先部14の基端外周面32bに一周液密に密着している。これにより、筒先部14の外周面32及び先端面35(上述した針ユニットの針ハブが接触する部分)の無菌性が維持される。なお、内側キャップ42の非密着部72は、筒先部14の外周面32に接触していない。
プレフィルドシリンジ12Aのキャップ10Aを開封する場合、ユーザは、外側キャップ44の外周面を手指で摘み、外側キャップ44の雄ネジ部46のバレル16の雌ネジ部40に対する螺合(締め付け)が緩む方向に回転させる。
そうすると、図6Aに示すように、キャップ10Aがバレル16に対して先端方向に変位して筒先部14の先端面35が基部50の基端面60から離間する。また、基端密着部70が筒先部14の基端外周面32bから離間し、非密着部72と筒先部14の外周面32との間の隙間S1が外部に連通する。なお、先端密着部68は、筒先部14の先端外周面32aに接触している。
そして、図6Bに示すように、非密着部72が筒先部14の先端に達した時に、先端密着部68が筒先部14の先端外周面32aから離間し、筒状壁部52の凹部54内が大気開放される(筒状壁部52の凹部54内の陰圧が解除される)。これにより、キャップ10Aがバレル16に対して開封されるに至る。なお、非密着部72が筒先部14の先端に達した時に、基端密着部70が筒先部14の先端外周面32aに密着した状態であり、筒状壁部52の凹部54内が大気開放されていなくてもよい。この場合、キャップ10Aが、図6Bに示す状態からさらに先端方向に変位して、基端密着部70が筒先部14の先端から離間することにより、筒状壁部52の凹部54内の陰圧が解除され、キャップ10Aがバレル16に対して開封されるに至る。
この場合、本実施形態に係るシリンジ用キャップ10A、シリンジ組立体22A及びプレフィルドシリンジ12Aは、以下の効果を奏する。
シリンジ用キャップ10Aにおいて、筒状壁部52の内周面62は、筒状壁部52の先端部に配置された先端密着部68と、筒状壁部52の基端部に配置された基端密着部70と、先端密着部68と基端密着部70との間に配置された非密着部72と、を有している。筒状壁部52の外周面66は、筒状壁部52の軸方向において、非密着部72と一致する位置に配置され、外側キャップ44の内周面64から離間した離間部76を有している。
シリンジ用キャップ10Aが筒先部14に装着された時に、先端密着部68は、筒先部14の先端外周面32aに一周液密に密着し、基端密着部70は、筒先部14の基端外周面32bに密着し、非密着部72は、筒先部14の外周面32から離間し、且つ、離間部76は、離間部76と外側キャップ44の内周面64との間に隙間S2を形成する。
このような構成によれば、シリンジ用キャップ10Aが筒先部14に装着された時に、筒状壁部52の非密着部72が筒先部14の外周面32から離間するため、筒状壁部52の内周面62の筒先部14の外周面32に対する接触面積を比較的小さくすることができる。これにより、筒状壁部52の内周面62の筒先部14の外周面32に対する貼り付き強度を低減することができ、シリンジ用キャップ10Aを容易に開封することができる。また、シリンジ用キャップ10Aが筒先部14に装着された時に、筒状壁部52の軸方向において非密着部72と一致する位置に配置された離間部76と外側キャップ44の内周面64との間に隙間S2が形成されている。よって、筒状壁部52が外側キャップ44によって径方向内方に押されて非密着部72が筒先部14の外周面32に接触してしまうことを効果的に抑えることができる。
非密着部72は、筒状壁部52の周方向に沿って一周形成されている。このような構成によれば、筒状壁部52の内周面62の筒先部14の外周面32に対する貼り付き強度を効果的に低減することができる。
離間部76は、筒状壁部52の周方向に沿って一周形成されている。このような構成によれば、筒状壁部52が外側キャップ44によって径方向内方に押されて非密着部72が筒先部14の外周面32に接触してしまうことを一層効果的に抑えることができる。
シリンジ組立体22Aは、上述したシリンジ用キャップ10Aと、先端に筒先部14を有するバレル16を備えたシリンジ17と、を備え、シリンジ用キャップ10Aは、バレル16の筒先部14に装着されている。このような構成によれば、上述した効果を奏するシリンジ組立体22Aを得ることができる。
プレフィルドシリンジ12Aは、上述したシリンジ用キャップ10Aと、先端に筒先部14を有するバレル16を備えたシリンジ17と、バレル16内に摺動可能に挿入されたピストン18と、バレル16とピストン18とで画成される液室20内に充填された薬液Mと、を備える。このような構成によれば、上述した効果を奏するプレフィルドシリンジ12Aを得ることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るシリンジ用キャップ10B、シリンジ組立体22B及びプレフィルドシリンジ12Bについて説明する。なお、第2実施形態に係るプレフィルドシリンジ12Bにおいて、上述した第1実施形態に係るプレフィルドシリンジ12Aと同一の構成要素には同一の参照符号を付し、詳細な説明は省略する。また、本実施形態において、第1実施形態に係るプレフィルドシリンジ12Aと同様の構成については同様の作用効果を奏する。後述する第3実施形態及び第4実施形態についても同様である。
図7A及び図7Bに示すように、プレフィルドシリンジ12Bは、シリンジ17、シリンジ用キャップ10B(以下、「キャップ10B」と呼ぶことがある。)、ピストン18及び薬液Mを備える。シリンジ17とキャップ10Bとによりシリンジ組立体22Bが構成される。
キャップ10Bは、内側キャップ42a及び外側キャップ44を有する。図7A〜図8に示すように、内側キャップ42aは、基部50と、内周面62a及び外周面66を有する筒状壁部52aとを含む。筒状壁部52aの内周面62aは、先端密着部68、基端密着部70及び非密着部72aを有する(図8参照)。非密着部72aは、筒状壁部52aの周方向に沿って間隔を空けて配置された複数(図示例では2つ)の溝部80を有する。溝部80は、筒状壁部52aの軸方向に矩形状に延在している。
筒状壁部52aは、筒状壁部52aの周方向に互いに隣接する2つの溝部80の間に、筒状壁部52aの内周面62aから突出した複数(図示例では2つ)のリブ82を有する。これにより、筒状壁部52aのうち溝部80が位置する部分の強度をリブ82によって高めることができる。各リブ82は、先端密着部68と基端密着部70とを互いに繋ぐように筒状壁部52aの軸方向に延在している。換言すれば、リブ82は、その突出端面(内周面)が、先端密着部68及び基端密着部70に面一になるように設けられている。キャップ10Bの装着状態で、各リブ82は、筒先部14の外周面32に当接している(図7B参照)。
本実施形態によれば、第1実施形態で説明したシリンジ用キャップ10Aと同様の効果を奏する。
本実施形態において、非密着部72aは、筒状壁部52aの周方向に沿って間隔を空けて配置された複数の溝部80を有し、筒状壁部52aは、複数の溝部80の隣接する2つの溝部80の間に、筒状壁部52aの内周面62aから突出した複数のリブ82を有している。シリンジ用キャップ10Bが筒先部14に装着された時に、複数のリブ82は、筒先部14の外周面32に当接する。
このような構成によれば、リブ82があるため、シリンジ用キャップ10Bの装着状態で非密着部72aが筒先部14の外周面32に密着することをより確実に抑えることができる。
溝部80及びリブ82の数、深さ、形状、大きさ等は、任意に設定することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係るシリンジ用キャップ10C、シリンジ組立体22C及びプレフィルドシリンジ12Cについて説明する。
図9及び図10に示すように、プレフィルドシリンジ12Cは、シリンジ17、シリンジ用キャップ10C(以下、「キャップ10C」と呼ぶことがある。)、ピストン18及び薬液Mを備える。シリンジ17とキャップ10Cとによりシリンジ組立体22Cが構成される。
キャップ10Cは、内側キャップ42b及び外側キャップ44を有する。図9〜図11において、内側キャップ42bは、基部50と、内周面62b及び外周面66を有する筒状壁部52bを含む。筒状壁部52bの内周面62bは、先端密着部68、基端密着部70a及び非密着部72を有する。筒状壁部52bは、筒状壁部52bの軸方向に沿って基端密着部70aを切り欠く複数(図示例では4つ)のスリット90(縦溝)を有する。各スリット90は、基端密着部70aの先端から基端まで延在している。複数のスリット90は、筒状壁部52bの周方向に沿って間隔を空けて配置されている。スリット90は、基端方向に向かって深さ寸法が小さくなるように形成されている。各スリット90は、筒状壁部52bの径方向における底面92と、底面92に連なる2つの側面93とを有する。2つの側面93は、底面92における筒状壁部52bの周方向の両側に位置する。底面92は、側面93を介して基端密着部70aに連なる。内側キャップ42bが筒先部14に装着されていない状態で、底面92は、基端密着部70a及び側面93よりも筒状壁部52bの径方向外方に位置している。スリット90を形成する底面92は、筒状壁部52bの軸方向と略平行に延在している(図9参照)。
図9に示すように、キャップ10Cの装着状態で、スリット90の底面92の基端部は、筒先部14の基端外周面32bに密着している。つまり、キャップ10Cの装着状態で、筒状壁部52bの内周面62bは、筒状壁部52bの基端部で筒先部14の基端外周面32bに一周密着している。これにより、筒状壁部52bの基端部が液密に封止されるため、筒先部14の基端外周面32bの無菌性を効果的に維持することができる。キャップ10Cを筒先部14から取り外す時に、スリット90は、非密着部72と筒先部14の外周面32との間に形成される隙間S1と外部とを互いに連通する。
本実施形態によれば、第1実施形態で説明したキャップ10Aと同様の効果を奏する。
本実施形態において、筒状壁部52bは、筒状壁部52bの軸方向に沿って基端密着部70aを切り欠く複数のスリット90を有し、キャップ10Cを筒先部14から取り外す時に、スリット90は、非密着部72と筒先部14の外周面32との間に形成された隙間S1と外部とを連通する。
このような構成によれば、キャップ10Cを筒先部14から取り外す時に、非密着部72と筒先部14の外周面32との隙間S1とスリット90とを介して筒状壁部52bの凹部54内を外部に連通させることができるため、筒状壁部52bの凹部54内の陰圧を素早く解除することができる。よって、バレル16内の薬液Mが筒状壁部52bの凹部54内に陰圧によって引き出されることを防止することができる。
スリット90は、筒状壁部52bの周方向に沿って複数配置されている。このような構成によれば、キャップ10Cを筒先部14から取り外す時に、筒状壁部52bの凹部54内の陰圧を確実且つ素早く解除することができる。
少なくとも1つのスリット90は、筒状壁部52bの径方向における底面92を有し、キャップ10Cが筒先部14に装着された時に、各スリット90を形成する底面92は、筒先部14の基端外周面32bに密着する。このような構成によれば、筒先部14の基端外周面32bの無菌性をより確実に維持できるとともに、キャップ10Cを筒先部14から取り外す時に、筒状壁部52bの凹部54内の陰圧を素早く解除することができる。
スリット90の数、形状、大きさ等は、任意に設定することができる。つまり、スリット90の数は、1つであってもよいし、2つ、3つ又は5つ以上であってもよい。すなわち、スリット90は、少なくとも1つあればよい。スリット90は、非密着部72に繋がっていなくてもよい。この場合、スリット90と非密着部72との間に基端密着部70aが位置することになるため、筒状壁部52bの基端部の無菌性を一層確実に保つことができる。
各スリット90は、筒状壁部52bの軸方向に沿った全長に亘って同じ深さに設定されていてもよい。この場合、キャップ10Cを筒先部14から取り外す時に、非密着部72と筒先部14の外周面32との間に形成される隙間S1と外部とを一層確実に連通させることができる。
シリンジ用キャップ10Cでは、非密着部72に代えて第2実施形態で説明した非密着部72aが設けられていてもよい。この場合、溝部80とスリット90とは、筒状壁部52bの周方向の位置が一致するように設けるのが好ましい。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係るシリンジ用キャップ10D、シリンジ組立体22D及びプレフィルドシリンジ12Dについて説明する。
図12〜図15Bに示すように、プレフィルドシリンジ12Dは、シリンジ17、シリンジ用キャップ10D(以下、「キャップ10D」と呼ぶことがある。)、ピストン18及び薬液Mを備える。シリンジ17とキャップ10Dとによりシリンジ組立体22Dが構成される。
キャップ10Dは、内側キャップ42c及び外側キャップ44aを有する。内側キャップ42cは、基部50aと、内周面62c及び外周面66aを有する筒状壁部52cとを含む。基部50aは、内側キャップ42cの軸方向に延在した円柱部である。
図12及び図14において、筒状壁部52cの内周面62cは、先端密着部68、基端密着部70b及び非密着部72を有する。筒状壁部52cは、基端密着部70bの基端部から径方向内方に突出した複数の当接凸部100を有する。図15Aに示すように、バレル16からキャップ10Dを取り外した状態で、当接凸部100の内径は、筒先部14の先端の外径よりも小さい。図12に示すように、キャップ10Dの装着状態で、当接凸部100は、筒先部14の基端外周面32bに接触する。つまり、キャップ10Dの装着状態で、当接凸部100は、筒先部14によって筒状壁部52cの径方向外方に押され圧縮変形している。
筒状壁部52cの外周面66aには、径方向外方に突出した突起部78aが設けられている。突起部78aは、筒状壁部52cの軸方向において、基端密着部70bと一致する位置に配置されている。突起部78aは、筒状壁部52cの周方向に沿って一周延在している。突起部78aは、外側キャップ44aを形成する後述するキャップカバー102の内周面106に一周密着している。
図12に示すように、キャップ10Dの装着状態で、突起部78aは、筒先部14の基端外周面32bとキャップカバー102とに挟まれることで、筒状壁部52cの径方向に圧縮変形する。これにより、基端密着部70bは、筒先部14の基端外周面32bに強く密着する。筒状壁部52cの外周面66aは、筒状壁部52cの軸方向において、非密着部72と一致する位置に配置され、キャップカバー102の内周面106から離間した離間部76を有する。離間部76とキャップカバー102の内周面106との間には、隙間S2が形成されている。
外側キャップ44aは、キャップカバー102及び先端カバー部材104を有する。キャップカバー102は、円筒状に構成されており、透明性を有しない樹脂材料(実質的に不透明な樹脂材料)により構成されている。ただし、キャップカバー102は、透明性を有する材料により構成されていてもよい。
キャップカバー102の外周部には、雄ネジ部46とストッパ48とが設けられている。キャップカバー102の内周面106には、複数の係合爪107と、第1係止凸部108が設けられている。複数の係合爪107は、キャップ10Dをバレル16から取り外す際に、内側キャップ42cを筒先部14に対して先端方向に押圧するためのものであって、キャップカバー102の基端部から径方向内方に突出している。キャップ10Dの装着状態で、各係合爪107の突出端は、筒状壁部52cの外周面66aよりも筒状壁部52cの径方向内方に位置する。第1係止凸部108は、キャップカバー102の軸方向の中間部から径方向内方に向かって突出している。
先端カバー部材104は、縦断面が略U字状に形成されており、キャップカバー102とともにキャップ10Dを操作するユーザが内側キャップ42cに触れることができないように、内側キャップ42cを覆うものである。すなわち、先端カバー部材104は、接触阻止機能を有する。先端カバー部材104は、内側キャップ42cがキャップカバー102の先端開口部110から離脱することを阻止する離脱阻止部としての機能も有する。
図12及び図13に示すように、先端カバー部材104は、キャップカバー102の先端開口部110から先端側に突出するようにキャップカバー102の先端部に基端部が嵌合された環状部112と、環状部112の先端部に設けられた先端壁114とを有する。
環状部112は、先端側の環状周壁部116と、環状周壁部116から基端方向へ延びる筒状の係合延出部118とからなる。環状部112の内径は、その先端から基端まで一定であり、内側キャップ42cの基部50aの外径よりも大きい。
係合延出部118の外周部には、第2係止凸部120と、環状の凹部122と、位置決め突起124が設けられている。第2係止凸部120は、キャップカバー102の第1係止凸部108に接触することにより先端カバー部材104のキャップカバー102に対する先端方向の変位を規制する。凹部122には、第1係止凸部108が嵌合する。位置決め突起124は、円環状に延在しており、キャップカバー102の先端面に接触又は近接する。
先端カバー部材104は、透明性を有する樹脂材料で一体的に成形されている。キャップカバー102が透明性を有する樹脂材料で構成されている場合、先端カバー部材104の透明度は、キャップカバー102の透明度よりも高く設定される。これにより、ユーザは、キャップ10Dの外側から先端カバー部材104の内部をキャップカバー102の内部よりも鮮明に視認することができる。本実施形態では、先端カバー部材104は無色であるが、着色されていても構わない。
このようなプレフィルドシリンジ12Dでは、キャップ10Dの装着状態で、内側キャップ42cは、基部50aがキャップカバー102の先端開口部110よりも基端側にある第1の位置に位置している。具体的には、内側キャップ42cの先端は、キャップカバー102の先端開口部110よりも基端方向且つ先端カバー部材104の係合延出部118内に位置している。これにより、視認部である基部50aの外周部は、実質的に不透明なキャップカバー102に隠され、外部から視認できない。
キャップ10Dを筒先部14から開封する場合、雄ネジ部46と雌ネジ部40との螺合を解除した状態でキャップカバー102をバレル16から引き抜く。そうすると、図15Aに示すように、複数の係合爪107が内側キャップ42cの基端面に接触する。そして、内側キャップ42cが複数の係合爪107によって先端方向に押され、筒状壁部52cが筒先部14から離脱される。これにより、キャップ10Dが開封されるに至る。
開封済みのキャップ10Dを筒先部14にリキャップする場合、筒先部14の先端部をキャップカバー102の基端側の開口部からキャップカバー102内に挿入する。そうすると、図15Bに示すように、筒先部14の先端部が内側キャップ42cの当接凸部100に接触する。
続いて、キャップカバー102とバレル16とを互いに近接させると、内側キャップ42cの当接凸部100と筒先部14の先端部との当接により、第1の位置にある内側キャップ42cは、筒先部14に押されてキャップカバー102に対して先端方向に変位し、基部50aがキャップカバー102の先端開口部110から先端側に突出する。
そして、雄ネジ部46を雌ネジ部40に螺合させることにより、開封済みのキャップ10Dが筒先部14に対してリキャップ(再装着)される。このとき、内側キャップ42cは、基部50aが環状周壁部116と先端壁114とから形成される受容空間S3に受容された第2の位置に位置する。このため、視認部である基部50aの外周部は、透明な先端カバー部材104を介して、外部から視認可能となる。これにより、ユーザは、キャップ10Dがリキャップされたものか否かを容易に判断することができる。
本実施形態によれば、第1実施形態に係るキャップ10Aと同様の効果を奏する。
シリンジ用キャップ10Dでは、非密着部72に代えて第2実施形態で説明した非密着部72aを設けてもよいし、第3実施形態で説明したスリット90を設けてもよい。また、シリンジ用キャップ10Dでは、非密着部72aとスリット90とを組み合わせてもよい。
シリンジ用キャップ10Aにおいて、例えば、離間部76は、筒状壁部52の周方向に間隔を空けて複数配置されていてもよい。この場合、筒状壁部52の周方向に互いに隣り合う離間部76の間の部分は、キャップ10Aの装着状態で外側キャップ44の内周面64に接触していてもよい。すなわち、筒状壁部52の外周面66は、筒状壁部52の軸方向において、非密着部72と一致する位置に配置され、外側キャップ44の内周面64から離間した少なくとも1つの離間部76を有していればよい。このような場合であっても、非密着部72が外側キャップ44によって径方向内方に押されて筒先部14の外周面32に接触することを抑えることができる。シリンジ用キャップ10B〜10Dの離間部76についても同様である。
本発明に係るシリンジ用キャップ、シリンジ組立体及びプレフィルドシリンジは、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。

Claims (9)

  1. 先端に筒先部を有するバレルを備えたシリンジの前記筒先部に離脱可能に装着され、前記筒先部の先端開口部を封止するためのシリンジ用キャップであって、
    弾性材料により構成され、前記シリンジ用キャップが前記筒先部に装着された時に、前記筒先部の前記先端開口部を液密に封止する内側キャップと、
    前記内側キャップよりも硬質の材料により構成され、前記内側キャップの周囲に固定された筒状の外側キャップと、を備え、
    前記内側キャップは、基部と、前記基部から基端方向に延出した筒状壁部と、を有し、
    前記筒状壁部は、前記筒先部の外周面を囲む内周面と、前記外側キャップの内周面と対向する外周面と、を有し、
    前記筒状壁部の前記内周面は、
    前記筒状壁部の先端部に配置された先端密着部と、
    前記筒状壁部の基端部に配置された基端密着部と、
    前記先端密着部と前記基端密着部との間に配置された非密着部と、を有し、
    前記筒状壁部の前記外周面は、前記筒状壁部の軸方向において、前記非密着部と一致する位置に配置され、前記外側キャップの前記内周面から離間した少なくとも1つの離間部を有し、
    前記シリンジ用キャップが前記筒先部に装着された時に、前記先端密着部は、前記筒先部の先端外周面に一周液密に密着し、前記基端密着部は、前記筒先部の基端外周面に密着し、前記非密着部は、前記筒先部の前記外周面から離間し、且つ、前記少なくとも1つの離間部は、前記離間部と前記外側キャップの前記内周面との間に隙間を形成する、シリンジ用キャップ。
  2. 請求項1記載のシリンジ用キャップであって、
    前記非密着部は、前記筒状壁部の周方向に沿って一周形成されている、シリンジ用キャップ。
  3. 請求項1又は2に記載のシリンジ用キャップであって、
    前記少なくとも1つの離間部は、前記筒状壁部の周方向に沿って一周形成されている、シリンジ用キャップ。
  4. 請求項1又は3に記載のシリンジ用キャップであって、
    前記非密着部は、前記筒状壁部の周方向に沿って間隔を空けて配置された複数の溝部を有し、
    前記筒状壁部は、前記複数の溝部の隣接する2つの溝部の間に、前記筒状壁部の内周面から突出した複数のリブを有し、
    前記シリンジ用キャップが前記筒先部に装着された時に、前記複数のリブは、前記筒先部の外周面に当接する、シリンジ用キャップ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリンジ用キャップであって、
    前記筒状壁部は、前記筒状壁部の前記軸方向に沿って前記基端密着部を切り欠く少なくとも1つのスリットを有し、
    前記内側キャップを前記筒先部から取り外す時に、前記スリットは、前記非密着部と前記筒先部の外周面との間に形成される前記隙間と外部とを連通する、シリンジ用キャップ。
  6. 請求項5記載のシリンジ用キャップであって、
    前記少なくとも1つのスリットは、前記筒状壁部の周方向に沿って複数配置されている、シリンジ用キャップ。
  7. 請求項5又は6記載のシリンジ用キャップであって、
    前記少なくとも1つのスリットは、前記筒状壁部の径方向における底面を有し、
    前記シリンジ用キャップが前記筒先部に装着された時に、前記少なくとも1つのスリットの前記底面は、前記筒先部の前記基端外周面に密着する、シリンジ用キャップ。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のシリンジ用キャップと、
    先端に筒先部を有するバレルを備えたシリンジと、を備え、
    前記シリンジ用キャップは、前記バレルの前記筒先部に装着されている、シリンジ組立体。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載のシリンジ用キャップと、
    先端に筒先部を有するバレルを備えたシリンジと、
    前記バレル内に摺動可能に挿入されたピストンと、
    前記バレルと前記ピストンとで画成される液室内に充填された薬液と、を備える、プレフィルドシリンジ。
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