JPWO2020095432A1 - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

この電力変換装置は、互いに磁気的に結合する1組の結合巻線(3a、3b)および単一の直流巻線(3c)が磁性体からなる一つのコア(3d)に巻装されてなる統合磁気部品(3)を有し、かつ結合巻線(3a、3b)と直流巻線(3c)は、これらの巻線(3a〜3c)に流れる直流電流により発生する直流磁束が互いに同方向で合流するような巻回方向に設定される一方、4つのスイッチング素子(Sa〜Sd)を有するブリッジ型のスイッチング回路(4)と、スイッチング回路(4)を制御する制御回路(9)を備え、制御回路(9)は、直流巻線(3c)に流れる電流量に応じてインターリーブ駆動と同位相駆動に切り替えて電流リプルを抑制する。

Description

本願は、直流電源の電圧を昇圧して出力する電力変換装置に関するものである。
従来の電力変換装置は、例えば特開2009−273280号公報(以下、特許文献1という)に開示されるような2並列チョッパの昇圧リアクトルが、一対の巻線からなる逆結合リアクトルと電流変換率抑制用の直流リアクトルで構成されている。
この構成の電力変換装置は、多相並列変換器の昇圧に逆結合リアクトルを用いているが、負荷短絡時は逆結合リアクトルの漏れインダクタンスしか限流作用がないため、電流変化率抑制用の直流リアクトルを別途設け、電源を遮断できるようにしている。
また、他の従来の電力変換装置として、例えば特開2015−056940号公報(以下、特許文献2という)には、一対の巻線からなる結合リアクトルと同相電流成分の限流用の直流リアクトルを共に一つのコアに巻装して統合した構造が示されている。
この構成の電力変換装置は、フィルタ部を小型な構成とするため、多相並列変換器の位相をずらして電流リプルを小さくし、また、フィルタ部に逆結合リアクトルと直流リアクトルを統合した構成としている。
特開2009−273280号公報 特開2015−056940号公報
しかしながら、前記の従来の特許文献1には、逆結合リアクトルと直流リアクトルを組み合わせたものが示されているが、これらのリアクトルは個別に設けられていて別体構造であって、単一のコア上に形成したものではないので、部品の小型化を図る上で十分でない。
また、特許文献2では、一つのコアに逆結合リアクトルと直流リアクトルを構成する3つの巻線を巻装した構成例が示されているが、コアに巻装された逆結合リアクトルは直流磁束が互いにキャンセルする方向に巻線されているため、直流磁束による磁束飽和の防止はできるものの、直流インダクタンスが漏れ磁束でしか構成できないとう課題があった。
また、前記の特許文献1、2のいずれにおいても、各リアクトルを一つのコアで形成して統合した統合磁気部品の自己インダクタンスと相互インダクタンスにより高インダクタンスを形成し、電流リプルを低減するという考えまでは示されていない。また、電力変換装置の駆動方法を変更することで、電流リプルを低減するという考えも示されていない。
本願は、前記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、複数のリアクトルを1つのコアに磁気統合し、統合した磁気部品の自己インダクタンスと相互インダクタンスにより高インダクタンスを形成して電流リプルを抑制し、過渡負荷時においても結合巻線とこれに接続されるスイッチング回路に流れる電流リプルを小さくして損失低減が可能となる電力変換装置を提供することを目的とする。
本願に開示される電力変換装置は、
直流電源の電圧を昇圧して出力する電力変換装置であって、
単一の直流巻線および互いに磁気的に結合する1組の結合巻線で構成された統合磁気部品を有し、前記直流巻線および前記結合巻線が一つの磁性体からなるコアに巻装されるとともに、前記直流巻線および前記結合巻線は、前記直流巻線および前記結合巻線に流れる直流電流により発生する直流磁束が互いに同方向で合流するような巻回方向に設定される一方、スイッチング素子を有する上アームおよび下アームが直列に接続されてなるレグが互いに並列に接続されたブリッジ型のスイッチング回路を備え、
前記直流電源に前記直流巻線の一端が接続され、前記直流巻線の他端が前記結合巻線の各一端に共通に接続され、前記結合巻線の各他端は前記スイッチング回路の前記上アームと前記下アームの各々の中間接続点にそれぞれ接続されており、
前記スイッチング回路の前記スイッチング素子を駆動制御する制御回路を備え、
前記制御回路は、前記スイッチング回路の駆動動作を、各レグの前記スイッチング素子を互いに位相を180度ずらして駆動するインターリーブ駆動と、各レグの前記スイッチング素子を互いに同位相で駆動する同相駆動とに切り替える、ものである。
本願に開示される電力変換装置によれば、結合巻線および直流巻線が一つの磁性体に巻回されてなる統合磁気部品により、結合リアクトルと直流リアクトルを磁気統合したことで生じる相互インダクタンスを用いて高インダクタンスを形成して、磁性部品の小型化および電流リプルの抑制を行うことができる。また、過渡負荷時にブリッジ型のスイッチング回路の各レグのスイッチング素子を互いに位相を180度ずらして駆動する、いわゆるインターリーブ駆動から各レグのスイッチング素子を互いに同位相で駆動する同相駆動に切り替えることにより、結合巻線の電流リプルを小さくして低損失化を図ることができる。
本願の実施の形態1による電力変換装置の全体を示す構成図である。 本願の電力変換装置で使用する統合磁気部品の構成、およびこの統合磁気部品に生じる直流磁束と交流磁束について説明する模式図である。 本願の電力変換装置において、DC/DCコンバータをデューティD<0.5でインターリーブ駆動する場合の電流リプルの特性図である。 本願の電力変換装置においてDC/DCコンバータをデューティD<0.5で同相駆動する場合の電流リプルの特性図である。 本願の電力変換装置において、DC/DCコンバータをデューティD>0.5でインターリーブ駆動する場合の電流リプルの特性図である。 本願の電力変換装置においてDC/DCコンバータをデューティD>0.5で同相駆動する場合の電流リプルの特性図である。 本願の電力変換装置において、過渡負荷動作時および連続動作時における時間と電力との関係を示す特性図である。 本願の実施の形態2による電力変換装置で使用する統合磁気部品を注型で構成する場合の一例を示す側面断面図である。
実施の形態1.
図1は、本願の実施の形態1による電力変換装置の全体を示す構成図である。
この実施の形態1の電力変換装置は、直流電源1の直流電圧を昇圧して負荷6に出力するDC/DCコンバータ4を備える。このDC/DCコンバータ4は、上アームおよび下アームを構成するスイッチング素子Sa、Sb、および上アームおよび下アームを構成するスイッチング素子Sc、Sdがそれぞれ直列に接続されてなる左右一対のレグが互いに並列に接続されてなるブリッジ型のスイッチング回路として構成されている。
また、この実施の形態1の電力変換装置は、互いに並列配置されて磁気的に結合する第1巻線3aと第2巻線3b(以下、特に両者を区別しないときには結合巻線という)、および単一の直流巻線3cを有し、結合巻線3a、3bおよび直流巻線3cが一つの磁性体としてのコア3dに巻回されて統合磁気部品3として構成されている。
なお、ここでは、要求される電気的特性により、必要に応じて結合巻線3a、3bを結合リアクトルと、直流巻線3cを直流リアクトルと称する。
そして、直流電源1の正極端子には、入力コンデンサ2の一端と直流巻線3cの一端Aが共に接続され、直流巻線3cの他端Bには結合巻線3a、3bの一端がそれぞれ接続され、結合巻線3a、3bの各他端C、DはDC/DCコンバータ4の上アームと下アームの各々のスイッチング素子SaとSb、およびScとSdの中間接続点にそれぞれ接続されている。また、DC/DCコンバータ4の直流端にはリンクコンデンサ5および負荷6の一端がそれぞれ接続されている。一方、直流電源1の負極端子には、入力コンデンサ2、およびリンクコンデンサ5の他端が接続されるとともに、DC/DCコンバータ4の直流端の負極、および負荷6の負極がそれぞれ接続されている。
また、この実施の形態1では、DC/DCコンバータ4の各スイッチング素子Sa〜Sdを駆動制御する制御回路9を備える。この制御回路9は、予めソフトウェアなどのプログラムをインストールすることにより、入力コンデンサ2の電圧を検出する電圧センサ7から得られる電圧情報9a、リンクコンデンサ5の電圧を検出する電圧センサ8からの電圧情報9b、および直流巻線3cに流れる電流を検出するCTなどの電流センサ10からの電流情報9cに基づいて、DC/DCコンバータ4の各スイッチング素子Sa〜Sdを駆動する駆動信号9dを生成し、目標出力電圧となるよう制御する。
特に、この実施の形態1において、制御回路9がDC/DCコンバータ4のスイッチング素子Sa〜Sdを駆動する場合の制御動作として、直流巻線3cに流れる電流を検出する電流センサ10から得られる電流量に応じて、DC/DCコンバータ4の左右のレグを構成するスイッチング素子Sa、Sbおよびスイッチング素子Sc、Sdを互いに位相を180度ずらして駆動するインターリーブ駆動と、DC/DCコンバータ4の左右のレグのスイッチング素子Sa、Sbおよびスイッチング素子Sc、Sdを互いに同位相で駆動する同相駆動とに切り替えて実行するように構成されている。
なお、インターリーブ駆動または同相駆動のいずれの駆動をする場合も、スイッチング素子Sa〜Sdの上アームと下アームは短絡しないようにデッドタイムを設けて相補的にオンオフ動作が行なわれる。
図2は、統合磁気部品の構成、およびこの統合磁気部品に生じる直流磁束と交流磁束について説明する模式図である。なお、図2において、白抜き矢印は直流磁束の向きを、実線と破線の矢印は交流磁束の向きをそれぞれ示している。
統合磁気部品3を構成するコア3dは、左右の第1側脚31および第2側脚32、第1側脚31および第2側脚32の間に設けられた中央脚33、第1側脚31、第2側脚32および中央脚33を連結する上側の第1連結脚34および下側の第2連結脚35、並びに中央脚33に設けられたギャップ36を有し、全体としてEE型の形状をしている。なお、コア3dの形状としては、これに限らず、EI型の形状のものでも適用できる。
そして、第1巻線3aと第2巻線3bおよび直流巻線3cは、これらの各巻線3a、3b、3cに流れる直流電流により発生する直流磁束が直流巻線3cの位置で互いに同方向で合流するような巻回方向に設定されている。
すなわち、第1巻線3aは第1側脚31に、第2巻線3bは第2側脚32に互いに直流磁束を打ち消すように同じ巻方向(例えば、ここでは第1巻線3a、第2巻線3b共に右巻)に巻装されている。また、直流巻線3cは中央脚33に、第1巻線3aと第2巻線3bの磁束を強め合う方向(例えば、ここでは左巻)に巻装されている。さらに、中央脚33のギャップ36は直流の磁束飽和を防止するために設けられている。
したがって、直流磁束は、図2の白抜き矢印で示すように、中央脚33において合流するように生じ、電力伝送方向が変わらない限り向きは変わらない。一方、交流磁束は、図2の実線および破線の矢印で示すように、コア3dの第1側脚31、第1連結脚34、第2側脚32、第2連結脚35を循環するようにDC/DCコンバータ4のスイッチング素子Sb、Sdがスイッチングする度に向きが交互に切り替わる。また、中央脚33では、この循環する交流磁束は、常に向きが逆であるために打ち消される。
次に、統合磁気部品3の自己インダクタンスと相互インダクタンスにより、高インダクタンスを形成して電流リプルが抑制されることを、以下説明する。
第1巻線3aに生じる電圧をV1、第2巻線3bに生じる電圧をV2、直流巻線3cに生じる電圧をVc、第1巻線3aに流れる電流をi1、第2巻線3bに流れる電流をi2、直流巻線3cに流れる電流をicとし、第1巻線3aおよび第2巻線3bによる自己インダクタンスをLo、直流巻線3cによる自己インダクタンスをLc、第1巻線3aと第2巻線3bとの相互インダクタンスをMo、第1および第2巻線3a、3bと直流巻線3cとの相互インダクタンスをMcとすると、各電圧V1、V2、Vcは、キルヒホッフの法則より、次の式(1)で表わされる。
Figure 2020095432
ic=i1+i2より、式(1)を変形すると、次の式(2)が得られる。
Figure 2020095432
直流巻線3cと第1巻線3a間の電圧をV1e(A−C間の電圧)、直流巻線3cと第2巻線3b間の電圧をV2e(A−D間の電圧)とすると、それぞれ次の式(3)、式(4)で表わされる。
V1e=V1+Vc (3)
V2e=V2+Vc (4)
この式(3)、式(4)において、統合磁気部品3における入力電圧をVin、出力電圧をVoutとすると、DC/DCコンバータ4の下アームのスイッチング素子Sbがオン、スイッチング素子Sdがオフの場合、
V1e=Vin
V2e=Vin−Vout
また、下アームのスイッチング素子Sbがオフ、スイッチング素子Sdがオンの場合、
V1e=Vin−Vout
V2e=Vin
また、下アームのスイッチング素子Sbがオフ、スイッチング素子Sdがオフの場合、
V1e=Vin−Vout
V2e=Vin−Vout
また、下アームのスイッチング素子Sbがオン、スイッチング素子Sdがオンの場合、
V1e=Vin
V2e=Vin
となる。
式(3)、式(4)に式(2)を代入すると、電圧V1e、V2eは、次の式(5)で表わされる。
Figure 2020095432
第1巻線3aおよび第2巻線3bにそれぞれ流れる電流i1、i2の変化は、交流磁束と直流磁束の変化によるものなので、次の式(6)、式(7)のように、直流成分idcと交流成分iacで表わされる。
Figure 2020095432
Figure 2020095432
これら電流の直流成分idcと交流成分iacについて、式(5)、式(6)、式(7)を用いると、次の式(8)、式(9)で表わされる。
Figure 2020095432
Figure 2020095432
いま、ここで結合巻線3に生じる交流磁束と交流電流リプルの比例係数であるインダクタンスを交流インダクタンスLac、同じく、結合巻線3に生じる直流磁束と直流電流リプルの比例係数であるインダクタンスを直流インダクタンスLdcと称するものとする。
そして、例えば、スイッチング素子Sbがオン、スイッチング素子Sdがオフの場合において、直流インダクタンスLdc、交流インダクタンスLacを次の式(10)、式(11)とすると、前述の式(8)、式(9)はそれぞれ以下の式(12)、式(13)で表わされる。
Ldc=2Lc+4Mc+Lo−Mo (10)
Lac=Lo+Mo (11)
Figure 2020095432
Figure 2020095432
式(10)の直流インダクタンスLdcは、直流巻線3cの自己インダクタンスLcの2倍、第1、第2巻線3b、3bと直流巻線3cとの相互インダクタンスMcの4倍、および結合リアクトルを形成する第1巻線3aと第2巻線3bの漏れインダクタンス(Lo−Mo)の合計で構成されており、本願の統合磁気部品3を採用することで従来のような構成と比べて高インダクタンスが得られることが分かる。
一方、式(11)の交流インダクタンスLacは、統合磁気部品3の第1、第2巻線3b、3bの自己インダクタンスLoと、第1巻線3aと第2巻線3b間の相互インダクタンスMoとの和となり、インダクタンスが従来の別体構成の場合よりも増加している。
図3は、DC/DCコンバータ4をD(デューティ)<0.5でインターリーブ駆動する場合の電流リプルの特性図、図4はDC/DCコンバータ4をD(デューティ)<0.5で同相駆動する場合の電流リプルの特性図である。なお、これらの図中で“T”はスイッチング素子Sa〜Sdの駆動周期である。
(1)インターリーブ駆動の場合
図3の期間Taの状態は、スイッチング素子Sbがオン、スイッチング素子Sdがオフであり、直流電源1から直流巻線3c、第1巻線3a、スイッチング素子Sbを通り直流電源1へ戻る電流ループ、および直流電源1から直流巻線3c、第2巻線3b、スイッチング素子Sc、出力コンデンサ5および負荷6を通り直流電源1へ戻る電流ループが形成される。
この時、第1巻線3aと第2巻線3bは磁気的に結合した結合リアクトルを形成しているため、第1巻線3aと第2巻線3bには交流磁束変化によって交流電流リプルiacと、直流磁束変化に応じた直流電流リプルidcとが生じ、結合巻線3a、3bには直流電流リプルidcと交流電流リプルiacとが加算された電流リプルi1(=idc+iac)が生じる。
したがって、結合巻線3a、3bの直流電流変化量を“2”、交流電流変化量を“6”とすると、結合巻線3a、3bの電流変化量は、これらの足し算であるため“8”となる。また、結合巻線である第1巻線3aと第2巻線3bの交流電流変化量はキャンセルされるので、直流巻線3cの電流変化量は、結合巻線3a、3bの直流電流変化量の2倍となるため、この場合では“4”となる。
図3の期間Tbの状態は、スイッチング素子Sbがオフ、スイッチング素子Sdがオフであり、直流電源1から直流巻線3c、第1巻線3a、スイッチング素子Sa、出力コンデンサ5、負荷6を通り直流電源1へ戻る電流ループ、および直流電源1から直流巻線3c、第2巻線3b、スイッチング素子Sc、出力コンデンサ5、負荷6を通り直流電源1へ戻る電流ループが形成される。
結合巻線である第1巻線3aと第2巻線3b間に電圧変化が生じないため、交流電流リプルiacは変化せず、第1巻線3aの直流電流リプルidcのみが減少する。
したがって、結合巻線3a、3bの直流電流変化量を“−2”、交流電流変化量を“0”とすると、結合巻線3a、3bの電流変化量は、これらの足し算であるため“−2”となる。また、結合巻線3a、3bの交流電流変化量はキャンセルされるので、直流巻線3cの電流変化量は、結合巻線3a、3bの直流電流変化量の2倍となるため、この場合は“−4”となる。
図3の期間Tcの状態は、スイッチング素子Sbがオフ、スイッチング素子Sdがオンであり、直流電源1から直流巻線3c、第1巻線3a、スイッチング素子Sa、出力コンデンサ5、負荷6を通り直流電源1へ戻る電流ループ、および直流電源1から直流巻線3c、第2巻線3b、スイッチング素子Sdを通り直流電源1へ戻る電流ループが形成される。
この時、第1巻線3aと第2巻線3bは磁気的に結合した結合リアクトルを形成しているため、第1巻線3aと第2巻線3bには交流電流変化が生じ、その結果、第1巻線3aには直流電流リプルidcとマイナスの傾きを持った交流電流リプルiacが加算された電流リプルが生じ、この場合、期間Taの場合よりもリプル電流は小さくなる。
したがって、結合巻線3a、3bの直流電流変化量を“2”、交流電流変化量を“−6”とすると、結合巻線3a、3bの電流変化量はこれらの足し算であるため“−4”となる。また、結合巻線である第1巻線3aと第2巻線3bの交流電流変化量はキャンセルされるので、直流巻線3cの電流変化量は、結合巻線3a、3bの直流電流変化量の2倍となるため、この場合では“4”となる。
図3の期間Tdの状態は、期間Tbの状態と同様、スイッチング素子Sbがオフ、スイッチング素子Sdがオフであり、直流電源1から直流巻線3c、第1巻線3a、スイッチング素子Sa、出力コンデンサ5、負荷6を通り直流電源1へ戻る電流ループ、および直流電源1から直流巻線3c、第2巻線3b、スイッチング素子Sc、出力コンデンサ5、負荷6を通り直流電源1へ戻る電流ループが形成される。
統合磁気部品3の結合巻線である第1巻線3a、第2巻線3b間に電圧変化が生じないため、交流電流リプルiacは変化せず、第1巻線3aの直流電流リプルidcのみが減少する。
したがって、結合巻線3a、3bの直流電流変化量を“−2”、交流電流変化量を“0”とすると、結合巻線3a、3bの電流変化量は、これらの足し算であるため“−2”となる。また、結合巻線3a、3bの交流電流変化量はキャンセルされるので、直流巻線3cの電流変化量は、結合巻線3a、3bの直流電流変化量の2倍となるため、この場合は“−4”となる。
以上の図3の各期間Ta〜Tdにおいて、結合巻線3a、3bの電流リプルが最大となる期間は、図3の期間Taで示す動作モードの場合であり、この例では傾き“8”である。
(2)同相駆動の場合
図4の期間Taの状態は、スイッチング素子Sb、Sdが共にオンであり、直流電源1から、第1巻線3aおよび第2巻線3bを通り、さらにスイッチング素子Sb、Sdを通って直流電源1へ戻る電流ループが形成される。この時、第1巻線3aと第2巻線3b間には電圧差がなく、両巻線3a、3b間を循環する磁束が生じないため交流電流リプルに変化はなく、直流電流リプルidcのみが増加する。
したがって、結合巻線3a、3bの直流電流変化量を“A”、交流電流変化量を“0”とすると、結合巻線3a、3bの電流変化量はこれらの足し算であるため“A”となる。また、直流巻線3cの電流変化量は、結合巻線3a、3bの直流電流変化量の2倍となるため、この場合では“2A”となる。
図4の期間Tb、Tc、Tdの状態は、スイッチング素子Sb、Sdが共にオフであり、直流電源1から、直流巻線3c、第1巻線3a、スイッチング素子Sa、出力コンデンサ5および負荷6を通り直流電源1へ戻る電流ループと、直流電源1から、直流巻線3c、第2巻線3b、スイッチング素子Sc、出力コンデンサ5および負荷6を通り直流電源1へ戻る電流ループが形成される。
この場合、第1巻線3aのおよび第2巻線3bの直流電流リプルidcは励磁がリセットされるため減衰する。また、この時も、第1巻線3aと第2巻線3b間に電圧差がなく、巻線間を循環する磁束が生じないため、交流電流リプルに変化はなく、直流電流リプルidcのみが減衰する。
したがって、結合巻線3a、3bの直流電流変化量を“−A”、交流電流変化量を“0”とすると、結合巻線の電流変化量はこれらの足し算であるため“−A”となる。また、直流巻線3cの電流変化量は、結合巻線3a、3bの直流電流変化量の2倍となるため、この場合では“−2A”となる。
ここで、デューティが0.5以下(D<0.5)の場合に、同相駆動時に電流リプルが小さいということは、図3および図4に示した期間Taにおいて、同相駆動時の電流リプルの変化量“A”の方がインターリーブ駆動時の変化量“8”よりも小さいということである。
前述の式(12)、式(13)を用いて、電流リプルの一番大きくなる図3の期間Taにおいて、インターリーブ駆動時の電流リプルiL1_ilvと、同相駆動時の電流リプルL1_inphaseをそれぞれ表わすと、次の式(14)、式(15)となる。
Figure 2020095432
Figure 2020095432
同相駆動時の方がインターリーブ駆動時の場合よりも電流リプルを小さくする条件は、次の式(16)を満たすときである。
Figure 2020095432
いま、デューティDを用いた入力電圧Vinと出力電圧Voutの関係は、次の式(17)で示される。
Vout=Vin/(1−D) (17)
したがって、式(16)の関係を満たす条件は、次の式(18)となる。
Ldc(=2Lc+4Mc+Lo−Mo)>Lac(=Lo+Mo) (18)
図5は、DC/DCコンバータ4をD(デューティ)>0.5でインターリーブ駆動する場合の電流リプルの特性図、図6はDC/DCコンバータ4を同じくD(デューティ)>0.5で同相駆動する場合の電流リプルの特性図である。なお、これらの図中で“T”はスイッチング素子Sa〜Sdの駆動周期である。
デューティが0.5以上の場合(図5、図6)においても、スイッチング素子Sb、Sdの状態によって、磁束の変化により電流リプルが生じる関係は、デューティが0.5以下(D<0.5)の場合(図3、図4)と同じなので、重複する説明は割愛するが、電流リプルが最大となる期間は図5、図6の期間Tdの場合、すなわちデューティが(1−D)の期間になるときなので、次に、この期間において、同相駆動時がインターリーブ駆動時より電流リプルが小さくなる条件を求める。
式(12)、式(13)を用いて電流リプルの一番大きくなる図5、図6の期間Tdにおいて、インターリーブ駆動時の電流リプルiL1_ilvと、同相駆動時の電流リプルL1_inphaseを表わすとそれぞれ、次の式(19)、式(20)となる。
Figure 2020095432
Figure 2020095432
同相駆動時の方がインターリーブ駆動時よりも電流リプルを小さくする条件は、前述の式(16)で示されており、この関係を満たす条件は、次の式(21)となる。
Figure 2020095432
以上の説明から分るように、本願の統合磁気部品3を用いて、DC/DCコンバータ4の各レグのスイッチング素子Sa、SbおよびSc、Sdをインターリーブ駆動すると、スイッチング動作によりコア3dを循環する交流磁束(図2の実線と破線の矢印で示す)と、直流電源1から負荷6に供給される直流電流による直流磁束(図2の白抜き矢印で示す)が発生し、中央脚33では交流の磁束はキャンセルされて直流磁束のみが生じる。この磁束変化に応じて電流リプルが生じるため、結合巻線3a、3bに生じる電流リプルは、交流電流リプルと直流電流リプルの加算で表わされる。
一方、DC/DCコンバータ4の各レグのスイッチング素子Sa、SbおよびSc、Sdを同相駆動すると、コア3d内を循環する交流磁束は発生せず、直流電源1から負荷6に供給される際に発生する直流磁束だけとなり、この磁束変化に応じて電流リプルが生じる。
したがって、同相駆動時の結合巻線3a、3bに生じる直流磁束変化時の電流リプルを、インターリーブ駆動時の結合巻線3a、3bの交流電流リプルと直流電流リプルの合計よりも小さくするには、そのような条件を満たす統合磁気部品3を設計すればよいことになる。
このように、同相駆動時の結合巻線3a、3bに生じる直流磁束変化時の電流リプルを、インターリーブ駆動時の結合巻線3a、3bの交流電流リプルと直流電流リプルの合計よりも小さくする条件は、D(デューティ)が0.5以下の場合には、前述の式(18)から直流インダクタンスLdcが交流インダクタンスLacよりも大きく、また、D(デューティ)が0.5以上の場合には、前述の式(21)から直流インダクタンスLdcが交流インダクタンスLacにある係数K(=3−4D、Dはデューティ)を乗算したものより大きくすればよいことになる。
以上のように、この実施の形態1の電力変換装置は、結合巻線3a、3bおよび直流巻線3cは、これら各巻線3a〜3cに流れる直流電流により発生する磁束が直流巻線3cで互いに同方向に合流するようにこれら各巻線3a〜3cの巻回方向を設定しているので、直流インダクタンスが、直流リアクトルを形成する直流巻線3cの自己インダクタンスに加え、結合リアクトルを形成する結合巻線3a、3bの相互インダクタンスと結合リアクトルの漏れインダクタンスを用いて形成できるため、小型で高インダクタンスなリアクトルが実現できる。
さらに、コア3dの形状をEEもしくはEIのように三脚を有するコア形状とした場合、中央脚33に設けたギャップ36から漏れ磁束が生じず、また中央脚33に巻回する直流巻線3cに渦電流損が発生せずにインダクタンスおよび漏れインダクタンスが構成でき、直流電源1のフィルタとしての機能分担も可能となる。
インターリーブ駆動時には統合リアクトルとしての結合巻線3a、3bは、直流電流リプルと交流電流リプルが加算され、また交流磁束が生じるコア3dの第1側脚31と第2側脚32に巻装されているので、インダクタスが大きいため、結合巻線3a、3bの高周波抵抗が高い。一方、直流巻線3cは、直流磁束しか生じないコア3dの中央脚33に巻装されているので、インダクタンスが比較的小さいため、直流巻線3cの高周波抵抗が低く、また直流電流リプル分しか生じないため、直流巻線3cの損失が結合巻線3a、3bに比べて小さくなる。
同相駆動を行うと、結合巻線3a、3bの電流リプルはインターリーブ駆動時と比べて低下するため、結合巻線3a、3bの損失は低下し、直流巻線3cの電流リプルは、インターリーブ駆動時と比べると電流リプルのキャンセル効果がないため増加するが、直流巻線3cの高周波抵抗が低いために損失増加を抑えることができる。これにより、前記制御により結合巻線3a、3bと直流巻線3cの損失分散をすることで、結合巻線3a、3bと直流巻線3cの均熱化ができるため、放熱面でより小型化が可能となる。
図7は本願の電力変換装置において、過渡負荷動作時および連続動作時における時間と電力との関係を示す特性図である。
電力変換装置には連続動作(図7のT1の期間に相当)と、ある限られた時間だけ大電力を要求される過渡負荷動作(図7のT2の期間に相当)とがある。過渡負荷動作は、例えば、電力変換装置が車両に適用される場合、車両を加速する際などに生じる。
連続動作時は、リアクトルの飽和磁束密度を下げて小型化するため、スイッチング周波数fswを高くして動作する。一方、過渡負荷時は、電流量が大きく、スイッチング素子Sa〜Sdの熱制限によりスイッチング損失を下げるために、スイッチング周波数fswを低くして動作させる。
このように、過渡負荷時はリアクトルに流れる電流が大きいために直流重畳によりインダクタンスも低下し、これに加えて、スイッチング周波数を低くするため、結合リアクトルとそれにつながるスイッチング素子Sa〜Sdの電流リプルが大きくなる。
そのため、従来は。過渡負荷時にスイッチング素子Sa〜Sdの許容最大電流を満たして電流リプルを低減するために、結合リアクトルのインダクタンスを大きくする必要があり、リアクトルのコアを大型化する、あるいは巻数を増やして損失を増加させるなどの必要があった。
これに対して、本願では、図7に示すように、連続動作時(図7の期間T1に相当)はインターリーブ駆動するが、過渡負荷時(図7の期間T2に相当)にはインターリーブ駆動から同相駆動に切り替える。すなわち、直流巻線3cに流れる電流量がスイッチング素子Sa〜Sdの損失に基づいて決定される閾値Ish以上の場合は同相駆動をし、閾値Ish以下の場合にはインターリーブ駆動をする。
なお、スイッチング回路(DC/DCコンバータ)4のスイッチング周波数fswが現状の値よりも低下する場合には、前記と同様に、インターリーブ駆動から同相駆動に切り替えるようにしてもよい。
これにより、結合リアクトル3a、3bの電流リプルを小さくできるため、従来のようにリアクトルのコア3dを大型化する、あるいは巻数を増やして損失を増加させるなどの必要がなく、スイッチング素子Sa〜Sdの許容最大電流を満たしてスイッチング損失を低減することができる。
実施の形態2.
図8は、本願の実施の形態2による統合磁気部品3の別構成を示した図である。
図2に示した統合磁気部品3の構成はEE型をしたブロックタイプのコア3dに結合巻線3a、3bと直流巻線3cを巻装したものであるのに対し、図8に示すものは注型方式によって統合磁気部品3を構成したものである。
すなわち、この統合磁気部品3において、一対の結合巻線3a、3bは、互いに直流磁束を打ち消すように並列配置されるとともに、直流巻線3cは、結合巻線3a、3bの巻き軸方向の一端側を覆い、かつ結合巻線3a、3bの巻軸方向と同軸に配置されている。しかも、結合巻線3a、3bと直流巻線3cは、その中央を通る直流磁束の向きが同方向で強め合うように巻装配置されている。そして、これらの結合巻線3a、3bと直流巻線3cとは、磁性体粉末を混入した樹脂からなるコア3dによって全体が注型されて構成されている。
なお、図8中、白抜き矢印は直流磁束の向きを、実線と破線の矢印は交流磁束の向きをそれぞれ示している。
このように、コア3d内に各巻線3a〜3cが一体形成された統合磁気部品3を構成すると、図2に示した統合磁気部品3を用いた場合と同様の効果が得られることに加えて、注型によりコア3dを形成した場合、各巻線3a〜3cがすべて磁性体であるコア3d内に閉じ込められるため、リアクトルの外に漏れる磁束が小さいという利点がある。
なお、本願は、例示的な実施の形態1、2が記載されているが、このような実施の形態1、2に記載された様々な特徴、態様、および機能は特定の実施の形態の適用に限られるものではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
したがって、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも一つの構成要素を変形する場合、追加する場合、または省略する場合、さらには、少なくとも一つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれものとする。
1 直流電源、2 入力コンデンサ、3 統合磁気部品、3a 第1巻線(結合巻線)、3b 第2巻線(結合巻線)、3c 直流巻線、3d コア(磁性体)、4 DC/DCコンバータ(スイッチング回路)、Sa〜Sd スイッチング素子、5 出力コンデンサ、6 負荷、7,8 電圧センサ、9 制御回路、10 電流センサ。
本願に開示される第1の電力変換装置は、直流電源の電圧を昇圧して出力する電力変換装置であって、
単一の直流巻線および互いに磁気的に結合する1組の結合巻線で構成された統合磁気部品を有し、前記直流巻線および前記結合巻線が一つの磁性体からなるコアに巻装されるとともに、前記直流巻線および前記結合巻線は、前記直流巻線および前記結合巻線に流れる直流電流により発生する直流磁束が互いに同方向で合流するような巻回方向に設定され、かつ前記結合巻線は互いに並列配置され、前記直流巻線は前記結合巻線の巻き軸方向の一端側を覆って前記結合巻線の巻軸方向と同軸に配置されるとともに、前記結合巻線と前記直流巻線は、その中央を通る直流磁束の向きが同方向となるように巻装配置され、かつ前記結合巻線と前記直流巻線とは、磁性体粉末を混入した樹脂からなる前記コアによって全体が注型されて構成される一方、スイッチング素子を有する上アームおよび下アームが直列に接続されてなるレグが互いに並列に接続されたブリッジ型のスイッチング回路を備え、
前記直流電源に前記直流巻線の一端が接続され、前記直流巻線の他端が前記結合巻線の各一端に共通に接続され、前記結合巻線の各他端は前記スイッチング回路の前記上アームと前記下アームの各々の中間接続点にそれぞれ接続されており、
前記スイッチング回路の前記スイッチング素子を駆動制御する制御回路を備え、
前記制御回路は、前記スイッチング回路の駆動動作を、各レグの前記スイッチング素子を互いに位相を180度ずらして駆動するインターリーブ駆動と、各レグの前記スイッチング素子を互いに同位相で駆動する同相駆動とに切り替えるものである。
また、本願に開示される第2の電力変換装置は、直流電源の電圧を昇圧して出力する電力変換装置であって、
単一の直流巻線および互いに磁気的に結合する1組の結合巻線で構成された統合磁気部品を有し、前記直流巻線および前記結合巻線が一つの磁性体からなるコアに巻装されるとともに、前記直流巻線および前記結合巻線は、前記直流巻線および前記結合巻線に流れる直流電流により発生する直流磁束が互いに同方向で合流するような巻回方向に設定される一方、スイッチング素子を有する上アームおよび下アームが直列に接続されてなるレグが互いに並列に接続されたブリッジ型のスイッチング回路を備え、
前記直流電源に前記直流巻線の一端が接続され、前記直流巻線の他端が前記結合巻線の各一端に共通に接続され、前記結合巻線の各他端は前記スイッチング回路の前記上アームと前記下アームの各々の中間接続点にそれぞれ接続されており、
前記スイッチング回路の前記スイッチング素子を駆動制御する制御回路を備え、
前記制御回路は、前記スイッチング回路の駆動動作を、各レグの前記スイッチング素子を互いに位相を180度ずらして駆動するインターリーブ駆動と、各レグの前記スイッチング素子を互いに同位相で駆動する同相駆動とに切り替え、
前記結合巻線に生じる交流磁束と交流電流リプルの比例係数であるインダクタンスを交流インダクタンスとし、前記結合巻線に生じる直流磁束と直流電流リプルの比例係数であるインダクタンスを直流インダクタンスとしたとき、前記スイッチング素子を駆動制御する際のデューティが0.5以下の場合には、直流インダクタンスが交流インダクタンスよりも大きい関係に設定されるものである。
また、本願に開示される第3の電力変換装置は、直流電源の電圧を昇圧して出力する電力変換装置であって、
単一の直流巻線および互いに磁気的に結合する1組の結合巻線で構成された統合磁気部品を有し、前記直流巻線および前記結合巻線が一つの磁性体からなるコアに巻装されるとともに、前記直流巻線および前記結合巻線は、前記直流巻線および前記結合巻線に流れる直流電流により発生する直流磁束が互いに同方向で合流するような巻回方向に設定される一方、スイッチング素子を有する上アームおよび下アームが直列に接続されてなるレグが互いに並列に接続されたブリッジ型のスイッチング回路を備え、
前記直流電源に前記直流巻線の一端が接続され、前記直流巻線の他端が前記結合巻線の各一端に共通に接続され、前記結合巻線の各他端は前記スイッチング回路の前記上アームと前記下アームの各々の中間接続点にそれぞれ接続されており、
前記スイッチング回路の前記スイッチング素子を駆動制御する制御回路を備え、
前記制御回路は、前記スイッチング回路の駆動動作を、各レグの前記スイッチング素子を互いに位相を180度ずらして駆動するインターリーブ駆動と、各レグの前記スイッチング素子を互いに同位相で駆動する同相駆動とに切り替え、
前記結合巻線に生じる交流磁束と交流電流リプルの比例係数であるインダクタンスを交流インダクタンスとし、前記結合巻線に生じる直流磁束と直流電流リプルの比例係数であるインダクタンスを直流インダクタンスとしたとき、前記スイッチング素子を駆動制御する際のデューティが0.5以上の場合には、直流インダクタンスが交流インダクタンスに3から4倍のデューティを減算したものを乗算した値よりも大きい関係に設定されるものである。
本願に開示される第1〜第3の電力変換装置によれば、結合巻線および直流巻線が一つの磁性体に巻回されてなる統合磁気部品により、結合リアクトルと直流リアクトルを磁気統合したことで生じる相互インダクタンスを用いて高インダクタンスを形成して、磁性部品の小型化および電流リプルの抑制を行うことができる。また、過渡負荷時にブリッジ型のスイッチング回路の各レグのスイッチング素子を互いに位相を180度ずらして駆動する、いわゆるインターリーブ駆動から各レグのスイッチング素子を互いに同位相で駆動する同相駆動に切り替えることにより、結合巻線の電流リプルを小さくして低損失化を図ることができる。
上記効果に加えて、第1の電力変換装置では、各巻線が全て磁性体であるコア内に閉じ込められるので、リアクトルの外に漏れる磁束が小さいという利点がある。また、第2、第3の電力変換装置では、スイッチング素子を駆動制御する際のデューティの大小に応じて直流インダクタンスと交流インダクタンスが適切に設定されるので、効率的に電流リプルの抑制を行うことが可能になる。

Claims (7)

  1. 直流電源の電圧を昇圧して出力する電力変換装置であって、
    単一の直流巻線および互いに磁気的に結合する1組の結合巻線で構成された統合磁気部品を有し、前記直流巻線および前記結合巻線が一つの磁性体からなるコアに巻装されるとともに、前記直流巻線および前記結合巻線は、前記直流巻線および前記結合巻線に流れる直流電流により発生する直流磁束が互いに同方向で合流するような巻回方向に設定される一方、スイッチング素子を有する上アームおよび下アームが直列に接続されてなるレグが互いに並列に接続されたブリッジ型のスイッチング回路を備え、
    前記直流電源に前記直流巻線の一端が接続され、前記直流巻線の他端が前記結合巻線の各一端に共通に接続され、前記結合巻線の各他端は前記スイッチング回路の前記上アームと前記下アームの各々の中間接続点にそれぞれ接続されており、
    前記スイッチング回路の前記スイッチング素子を駆動制御する制御回路を備え、
    前記制御回路は、前記スイッチング回路の駆動動作を、各レグの前記スイッチング素子を互いに位相を180度ずらして駆動するインターリーブ駆動と、各レグの前記スイッチング素子を互いに同位相で駆動する同相駆動とに切り替える、電力変換装置。
  2. 一対の前記結合巻線は互いに並列配置され、前記直流巻線は前記結合巻線の巻き軸方向の一端側を覆って前記結合巻線の巻軸方向と同軸に配置されるとともに、前記結合巻線と前記直流巻線は、その中央を通る直流磁束の向きが同方向となるように巻装配置され、かつ前記結合巻線と前記直流巻線とは、磁性体粉末を混入した樹脂からなる前記コアによって全体が注型されて構成されている、請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記結合巻線に生じる交流磁束と交流電流リプルの比例係数であるインダクタンスを交流インダクタンスとし、前記結合巻線に生じる直流磁束と直流電流リプルの比例係数であるインダクタンスを直流インダクタンスとしたとき、前記スイッチング素子を駆動制御する際のデューティが0.5以下の場合には、直流インダクタンスが交流インダクタンスよりも大きい関係に設定される、請求項1または請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記結合巻線に生じる交流磁束と交流電流リプルの比例係数であるインダクタンスを交流インダクタンスとし、前記結合巻線に生じる直流磁束と直流電流リプルの比例係数であるインダクタンスを直流インダクタンスとしたとき、前記スイッチング素子を駆動制御する際のデューティが0.5以上の場合には、直流インダクタンスが交流インダクタンスに3から4倍のデューティを減算したものを乗算した値よりも大きい関係に設定される、請求項1または請求項2に記載の電力変換装置。
  5. 前記直流巻線に流れる電流量に応じて、前記同相駆動と前記インターリーブ駆動を切り替える、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  6. 前記直流巻線に流れる電流量が前記スイッチング素子の損失に基づいて決定される閾値よりも大きい場合は前記同相駆動をし、前記閾値よりも小さい場合には前記インターリーブ駆動をする、請求項5に記載の電力変換装置。
  7. 前記スイッチング回路のスイッチング周波数が現状の値よりも低下する場合には、前記インターリーブ駆動から前記同相駆動に切り替える、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
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