以下に、本発明の実施の形態に係る充電器を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る充放電器を含む充放電システムの構成を示す図である。充放電システム100は、太陽電池1と、切替開閉器2と、太陽電池パワーコンディショナ(Photo Voltaics Power Conditioning System:PV−PCS)3と、EV−PCS4と、電動車両であるEV5と、住宅用分電盤6と、切替開閉器7と、主幹漏電遮断器8と、保守用遮断器10とを備える。PV−PCS3は、太陽電池1で発電された電力を、商用系統9、EV5又は宅内負荷70へ供給する。EV−PCS4は、EV5に搭載された蓄電池へ電力を供給する充電器である。また、EV−PCS4は、EV5に搭載された蓄電池に蓄えられた電力を宅内負荷70へ供給する放電を行う放電器でもある。すなわち、EV−PCS4は、EV5に搭載された蓄電池への電力供給及び、蓄電池に蓄え電力の宅内負荷70への供給を行う充放電器である。
PV−PCS3には、配線aを介して切替開閉器2が接続される。切替開閉器2には、配線bを介して住宅用分電盤6及び切替開閉器7が接続される。また切替開閉器2には、配線cを介してEV−PCS4が接続される。切替開閉器2は、配線aが接続される共通端子21と、配線bが接続される端子22と、配線cの一端が接続される端子23と、接点24とを備える。
住宅用分電盤6は、主幹ブレーカ6aと、主幹ブレーカ6aに接続される複数の分岐ブレーカ6bとを備える。複数の分岐ブレーカ6bのそれぞれには宅内負荷70が接続される。図1では1つの宅内負荷70が示され、宅内負荷70は交流電力で駆動する機器であり、宅内負荷70には冷蔵庫、照明、調理機器、電話、テレビ、又はオーディオを例示できる。
切替開閉器7は、主幹漏電遮断器8と住宅用分電盤6との間を接続し、又はEV−PCS4と住宅用分電盤6との間を接続するための切替開閉手段である。切替開閉器7は、2つの配線b,dが接続される共通端子71と、配線eが接続される端子72と、配線fの一端が接続される端子73と、共通端子71と端子72とを電気的に接続し又は共通端子71と端子73とを電気的に接続する接点74とを備える。端子72は、配線eを介して主幹漏電遮断器8の二次側に接続される。
主幹漏電遮断器8の一次側には商用系統9が接続される。主幹漏電遮断器8の二次側には2つの配線e,gが接続される。主幹漏電遮断器8の二次側は、配線gを介して、保守用遮断器10の一次側に接続される。また主幹漏電遮断器8の二次側は、配線eを介して、切替開閉器7の端子72に接続される。
保守用遮断器10は、主幹漏電遮断器8とEV−PCS4との間を接続又は分離する開閉手段である。EV−PCS4の保守点検の際、保守用遮断器10によって、主幹漏電遮断器8とEV−PCS4との間の配線経路が開路される。保守用遮断器10の二次側は、配線hを介して、EV−PCS4に接続される。
EV−PCS4は、過電流遮断器40、解列用開閉器41、変流器42及び電力変換器43を備える。解列用開閉器41は、商用系統9の停電時にユーザが自立運転への移行を選択した際、商用系統9とEV−PCS4との接続を切り離すための開閉手段である。電力変換器43は、EV5に搭載される蓄電池の充電を制御する充電部である。また、電力変換器43は、EV5に搭載される蓄電池の放電を制御する放電部でもある。すなわち、電力変換器43は、EV5に搭載される蓄電池の充放電を制御する充放電部である。
電力変換器43は双方向電力変換手段である。電力変換器43は、商用系統9又はPV−PCS3から供給される交流電力を直流電力に変換して出力する機能と、EV5から供給される直流電力を交流電力に変換して出力する機能とを有する。電力変換器43の交流側と解列用開閉器41との間には、配線fの他端が接続される。電力変換器43の直流側には、充放電用のケーブルである充放電ケーブル11を介して、EV5が接続される。
充放電ケーブル11は、EV−PCS4とEV5との間に充放電電力、通信信号及び制御電源を伝送するケーブルである。したがって、充放電部である電力変換器43は、充放電ケーブル11を介して、EV5に搭載された蓄電池への電力供給及び、蓄電池に蓄えられた電力の宅内負荷70への供給を行う。充放電ケーブル11の先端には、後述するEV5のインレット90に接続される充放電用のコネクタである充放電コネクタ12が設けられている。充放電コネクタ12は、電力変換器43と蓄電池とを電気的に接続する充放電ケーブル11をEV5に接続するコネクタである。充放電コネクタ12は、2以上の信号用端子を含む複数の端子を有している。
従来、EV5とEV−PCS4とをつなぐ充放電コネクタ12、インレット90及び充放電ケーブル11間は、充放電を行っていない非嵌合時には外部に露出した状態となる。このため、EV5の蓄電池とEV−PCS4とをEV5側の開閉器を用いて電気的に接続する前に、充放電コネクタ12及びインレット90の防水構造の健全性と絶縁構造の健全性とを毎回確認する。具体的には、充放電コネクタ12とインレット90とが嵌合した状態で電力用端子間に百Vを超える電圧をEV−PCS4側から実際に印加して絶縁診断を実施している。
次に充放電システム100の動作を説明する。充放電システム100の動作モードは、充電モードと放電モードとに大別される。
充電モードでは、商用系統9から供給される電力と太陽電池1から供給される電力とをEV5に供給できる。また充電モードでは、商用系統9が停電した場合、解列用開閉器41が開放されることにより、商用系統9からEV−PCS4が切り離され、切替開閉器2を介して供給される太陽電池1の電力により、EV5に搭載された蓄電池が充電される。
放電モードでは、通常、太陽電池1の発電量と宅内負荷70の消費電力量とに応じて、EV5に搭載された蓄電池の放電量が調整され、不足する電力は商用系統9から供給される電力で賄われる。
EV−PCS4は、充電モードと放電モードとを切れ目なく切り替えるシームレス充放電を行うことができ、商用系統9の停電時には、太陽電池1の発電量と宅内負荷70の消費電力量とに応じて、EV5に搭載された蓄電池の放電量を調整する。このように、商用系統9から切り離されたとき、シームレス充放電を行うとともに、太陽電池1から供給される電力及びEV5から供給される電力により宅内負荷70の運転を継続する運転モードを、自立運転モードと称する。
以下、充電モードの具体例を説明する。商用系統9が停電しておらず、かつ、EV−PCS4が正常に動作しているとき、切替開閉器2の端子23が共通端子21に接続される。また、切替開閉器7の端子73が共通端子71に接続される。また、主幹漏電遮断器8は閉じている。また、保守用遮断器10は閉じている。また、解列用開閉器41は閉じている。また、過電流遮断器40は閉じている。
このような状態において、商用系統9から供給される交流電力は、主幹漏電遮断器8、保守用遮断器10、過電流遮断器40、解列用開閉器41、切替開閉器7、主幹ブレーカ6a及び分岐ブレーカ6bを介して、宅内負荷70に供給される。このとき、商用系統9の電力は、切替開閉器2を介してPV−PCS3の交流出力側に供給され、商用系統9の電力を検出したPV−PCS3は商用系統連系運転を行う。
一方、商用系統9から供給される交流電力は、過電流遮断器40及び解列用開閉器41を介して、電力変換器43にも供給される。電力変換器43は、商用系統9から供給される交流電力を直流電力に変換する。変換された直流電力は、充放電ケーブル11を介して、EV5に搭載された蓄電池に供給される。これによりEV5に搭載された蓄電池が充電される。
以下、自立運転モードの具体例を説明する。商用系統9が停電し、かつ、EV−PCS4が正常に動作しているとき、切替開閉器2の端子23が共通端子21に接続される。また、切替開閉器7の端子73が共通端子71に接続される。また、主幹漏電遮断器8は閉じている。また、保守用遮断器10は閉じている。また、解列用開閉器41は開放される。また、過電流遮断器40は閉じている。
EV−PCS4は、商用系統9が停電したことを検出したとき、解列用開閉器41を開放する指令を出力する。これによりEV−PCS4と商用系統9との接続が開放される。その後、商用系統9の電圧をモニタすることで停電を検出した電力変換器43は、EV5に搭載された蓄電池から供給される直流電力を交流電力に変換する。変換された交流電力は、切替開閉器7、主幹ブレーカ6a及び分岐ブレーカ6bを介して、宅内負荷70に供給される。
一般住宅の消費電力は、単相200Vで通常3kWから12kWとなる。また太陽電池1の発電量は住宅の屋根の面積及び日射量により変動し、一般的に2kWから12kWである。太陽電池1における電力変換効率の改善と住宅の屋根構造の改善とにより、太陽電池1の発電量は近年上昇する傾向にある。一方、EV5に搭載される蓄電池の電力容量は1kWhから30kWhであり、電池性能の改善により、飛躍的に増加する傾向にある。
図2は、図1に示す充放電システムの上位システムの構成を示す図である。図2に示す上位システム200は、ユーザが操作を行うリモートコントローラである宅内コントローラ30と、EV−PCS4を制御するとともにEV−PCS4の動作状態を表示する制御表示器である宅内制御装置31とを備える。上位コントローラである宅内制御装置31は、各種情報を表示する表示器310及び不図示のスピーカを備える。宅内制御装置31は、図1に示す住宅用分電盤6に接続される宅内負荷70の電力消費の状態とPV−PCS3の発電の状態とに応じて、EV−PCS4及び宅内負荷70の運転状態を制御するホームエネルギーマネジメントシステム(Home Energy Management System:HEMS)である。
上位システム200によれば、EV−PCS4が自立運転を行う際、宅内負荷70における不要な消費電力の発生を抑えることができ、EV5の電池残量を有効に使用して、商用系統9が長期にわたり停電となっても宅内負荷70への電力の供給を継続できる。これによりユーザは電気のある生活を継続できる。また、宅内コントローラ30を介してEV5に搭載された充電池の充電操作及び充電状況の確認ができることから、宅外にあるEV−PCS4上に設けられた不図示の操作画面をわざわざ確認に行かなくとも、EV5に搭載された蓄電池の状態を宅内にて管理できる。
図3は、実施の形態1に係る充放電器の外観を示す図である。図3には、EV−PCS4の外郭を構成する筐体50と、筐体50の背面50a側に設けられる一対のホルダ50b,50cと、筐体50の背面50a側から引き出されてホルダ50b,50cに巻き付けられた充放電ケーブル11と、充放電ケーブル11の端部に設けられた充放電コネクタ12とが示される。ホルダ50b,50cは、充放電コネクタ12をEV5のインレット90に接続しないとき、充放電ケーブル11及び充放電コネクタ12を保持するためのものである。ホルダ50b及びホルダ50cには充放電ケーブル11が巻き付けられ、ホルダ50cは充放電コネクタ12と嵌合して保持する。
充放電を行うとき、ユーザはホルダ50b,50cから充放電コネクタ12を抜いて充放電ケーブル11を筐体50から解いて、EV5の近くまで持って行き、EV5のインレット90に充放電コネクタ12を挿入する。挿入後、EV−PCS4本体の運転スイッチ、宅内コントローラ30又は宅内制御装置31を用いて充放電動作を開始させる。充放電動作開始後、EV−PCS4は、住宅用分電盤6につながる宅内負荷70の運転状況又はPV−PCS3の発電状況により、シームレスにEV5との間で自動的に充放電を行う。
ユーザがEV5を利用する場合、ユーザはEV−PCS4本体の運転スイッチ、宅内コントローラ30又は宅内制御装置31を用いて充放電動作を停止させる。充放電動作の停止後、ユーザは、EV5のインレット90から充放電コネクタ12を引き抜き、充放電ケーブル11をホルダ50b,50cに巻き付け、最後に充放電コネクタ12をホルダ50cに挿して嵌合させて固定する。
またホルダ50cは、充放電コネクタ12の先端部を下向きに収容する構成としており、コネクタ先端部にある金属端子も下向きとなり、被水を防止することができる。またホルダ50cに嵌合させる前に充放電コネクタ12が被水又は浸水していたとしても、雨水を重力により排水できる。
なお、実施の形態1に係るEV−PCS4は、EV5の代わりにPHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)に接続することも可能である。
図4は、実施の形態1に係る充放電システムの主回路を示す図である。EV5は、インレット90と、インレット90に接続されるコンタクタ81と、LiBといった蓄電池であるメインバッテリ82と、充電ユニット83と、補機用バッテリ84と、インレット90に接続されコンタクタ81を駆動する駆動ユニット85と、車両制御ユニット86とを備える。コンタクタ81は、メインバッテリ82とインレット90との間を接続又は遮断するコンタクタである。充電ユニット83は、補機用バッテリ84から放電される電力と、EV5の駆動用モータから回生される電力と、普通充電用の交流外部入力で受電される電力とをメインバッテリ82に充電する。駆動ユニット85は、EV−PCS4から供給される制御電源と車両制御ユニット86から供給される制御電源と制御信号とにより、コンタクタ81の開閉駆動を行う。
充放電コネクタ12にはソレノイド92が内蔵される。ソレノイド92は、電磁力を利用して、電気エネルギーを機械的運動に変換する電気部品である。ソレノイド92は、インレット90に接続された充放電コネクタ12が充放電中にインレット90から外れないようにするため、後述するロック機構をロック状態に保持する自己保持型の電磁ソレノイドである。ソレノイド92は、電磁力を発生させるため、磁力を発生する部分には電磁鋼を用いる。
電力変換器43は、EV−PCS4の主回路及び制御機能を内蔵する。図4では、電力変換器43の内部にEV−PCS4の主回路及び制御機能が設けられているが、EV−PCS4の主回路及び制御機能は、EV−PCS4に設けられていればよく、電力変換器43以外の場所に設けられても良い。
電力変換器43は、商用系統9側の交流電力を開閉する系統連携リレー51と、リアクタ52A,52Bと、複数の半導体スイッチを有し直流電力を交流電力に変換するインバータ主回路53,54,55と、ダイオード56とを備える。ダイオード56は、アノードがインバータ主回路53とインバータ主回路54との間の直流母線に接続され、カソードが電力供給ユニット64に接続され、直流母線に流れる電流を電力供給ユニット64へ入力する。
また電力変換器43は、コンデンサ57と、インバータ主回路54とインバータ主回路54,55との間に介在する高周波絶縁トランス58と、インバータ主回路55と充放電ケーブル11との間に配置されるコンデンサ59とを備える。コンデンサ57は、一端が上記の直流母線に接続され、他端が電力供給ユニット64に接続され、直流母線電圧を平滑して電力供給ユニット64に入力する。
インバータ主回路54、インバータ主回路55及び高周波絶縁トランス58は双方向コンバータ回路を構成する。インバータ主回路54、インバータ主回路55及び高周波絶縁トランス58が構成する双方向コンバータ回路は、インバータ主回路54とインバータ主回路55との間を絶縁しながら、インバータ主回路54から出力される電力をシームレスにEV5へ供給する。コンデンサ59は、インバータ主回路54、インバータ主回路55及び高周波絶縁トランス58が構成する双方向コンバータに印加される電圧を平滑する。
また電力変換器43は、商用系統9から供給される交流電力を直流電力に変換して電力供給ユニット64に給電する整流回路60と、インバータ主回路53,54,55のそれぞれを駆動する3つの駆動ユニット61,62,63と、制御ユニット66とを備える。三つの駆動ユニット61,62,63のそれぞれは、制御ユニット66から出力される制御信号により、三つのインバータ主回路53,54,55のそれぞれを構成する半導体スイッチを駆動する。
また電力変換器43はバッテリユニット65を備える。バッテリユニット65は、商用系統9の停電時において、駆動ユニット61,62,63と、制御ユニット66と、EV5内の駆動ユニット85と、図1に示す解列用開閉器41とを制御するための制御電源を供給する。この構成により、充放電システム100は、通常の商用系統9への系統連系時だけでなく、商用系統9の停電時においても、図1に示す解列用開閉器41のコンタクタを解放するとともに、コンタクタ81を構成する接点を閉じることにより、自立運転システムを構築する。
制御ユニット66は、インバータ主回路55及び高周波絶縁トランス58により構成される双方向コンバータ回路の制御を行う。制御ユニット66は、電力変換器43内のリレー及びスイッチといった電気部品を制御する。また制御ユニット66は、充放電ケーブル11、充放電コネクタ12及びインレット90を介して、EV5内の車両制御ユニット86との通信を行う。制御ユニット66は、車両制御ユニット86との通信を行うことにより、メインバッテリ82の充放電制御を行い、宅内の負荷変動と太陽電池1の発電電力量の変動とに追従した電力制御を行う。
ソレノイド92は、充放電中にインレット90へ接続された充放電コネクタ12をユーザが外せないようにロックをかけることを目的とするセット用のコイルと、ロックの解除を目的とするリセット用のコイルとを有する。これらのコイルは制御ユニット66によって通電制御される。ソレノイド92を設けることにより、充放電ケーブル11が断線して制御ユニット66から出力される制御信号が消失した場合でも、機械的な動作状態は保持される。
図5は、図4に示される電力変換器とEVとの間のインターフェース部分の回路を示す図である。紙面左側には、図1に示す電力変換器43及び充放電コネクタ12に設けられる回路が示され、紙面右側には図1に示すEV5に設けられる回路が示される。制御電源Vcc1は、図1に示すEV−PCS4から供給される直流電源である。制御電源Vcc2は、図4に示す車両制御ユニット86から供給される直流電源である。制御電源Vcc1,Vcc2の電圧には12Vを例示できる。
紙面上側の回路図において、制御電源Vcc1には充放電開始用の開閉器26の一端が接続される。開閉器26の他端には第1の充電開始停止線40aの一端が接続される。第1の充電開始停止線40aの他端は抵抗を介してフォトカプラ16の一次側に配置されるダイオードのアノードに接続される。当該ダイオードのカソードは接地される。
また第1の充電開始停止線40aの他端側には、コンタクタ81を構成する2つのスイッチをそれぞれ駆動する2つのソレノイドに接続され、さらにフォトカプラ17の一次側に配置されるダイオードのアノードに接続される。
2つのソレノイドのそれぞれには開閉器15の一端が接続される。コンタクタ81を駆動する開閉器15は、図4に示す駆動ユニット85に設けられている。開閉器15の他端は、第2の充電開始停止線40bの一端端側に接続されるとともに、抵抗を介してフォトカプラ17の一次側に配置されるダイオードのカソードに接続される。
第2の充電開始停止線40bの他端は、充放電開始用の開閉器27の一端に接続される。開閉器27の他端は、電力変換器43側のグランドFG1と、コネクタ接続確認線40cの一端と、充放電コネクタ12内の接地線40eの一端とに接続される。
コネクタ接続確認線40cの他端は、抵抗を介してフォトカプラ13の一次側に配置されるダイオードのカソードに接続される。当該ダイオードのアノードは制御電源Vcc2に接続される。
接地線40eの他端は、制御用電源19の負極に接続されるとともにEV5側のグランドFG2に接続される。制御用電源19は、図4に示す補機用バッテリ84から供給される電源である、制御用電源19の電圧には12Vを例示できる。
トランジスタ18のコレクタは充電許可禁止線40dの一端が接続され、トランジスタ18のエミッタは接地されている。充電許可禁止線40dの一端には抵抗を介してフォトカプラ25の一次側のダイオードのカソードに接続される。当該ダイオードのアノードは制御電源Vcc1に接続される。
トランジスタ18は、図4に示す車両制御ユニット86から出力される充電信号により、EV−PCS4側のフォトカプラ25の一次側のダイオードに電流を流し、又は当該ダイオードに流れる電流を停止することで、EV5側からEV−PCS4に充放電の許可の制御を行うためのものである。電力変換器43側に配置されたフォトカプラ25は、EV5から出力される充放電許可禁止の信号を絶縁しながら、図4に示す制御ユニット66に当該信号を伝達するためのものである。
この構成において、電力変換器43側の充放電開始用の開閉器26,27と開閉器15とが閉じることにより、コンタクタ81が閉塞する。これによりメインバッテリ82の電圧がインレット90に印加され、充放電可能な状態となる。
充放電コネクタ12の接続を確認するためのフォトカプラ13は、充放電コネクタ12が接続されると、電流が、フォトカプラ13の一次側のダイオード、コネクタ接続確認線40c、電力変換器43側のグランドFG1及び接地線40eを介して、EV5のグランドFG2に流れる。これによりフォトカプラ13の一次側のダイオードが発光し、図4に示す車両制御ユニット86には充放電コネクタ12の接続情報が伝達される。
フォトカプラ16,17は、EV−PCS4から出力される充放電開始の信号を絶縁し、EV5の車両制御ユニット86に伝達する。
CAN(Controller Area Network)通信線40g,40fは、電力変換器43とEV5との間のデータ転送に用いられる。制御ユニット66及び車両制御ユニット86は、CAN通信線40g,40fを介して相互に電圧情報を伝送する。また制御ユニット66及び車両制御ユニット86は、CAN通信線40g,40fを用いるとともに、コネクタ接続の確認と、充放電許可と、充放電禁止と、充放電開始と、充放電停止とを実現する回路を用いて、充放電ケーブル11の断線又は短絡を検出し、さらに装置の異常を互いに検出し合う。これにより電力変換器43及びEV5は、相互の機器の通電を停止して保護することができる。
電磁開閉器94はソレノイド92への通電電流を制御する。また電磁開閉器94は、通電中の充放電コネクタ12の脱落を防止するため、通電開始直前にソレノイド92のセット側に短時間通電を行う。これにより充放電コネクタ12とインレット90はロック状態となり、ユーザは充放電コネクタ12を外すことができなくなる。またこの状態でソレノイド92の電源が消失しても、ロックの状態が維持される。
充放電が完了して充放電コネクタ12を外すとき、ユーザは、EV−PCS4本体の運転スイッチ、宅内コントローラ30又は宅内制御装置31を用いて、充放電を停止させる。充放電が停止した後の電磁開閉器94は、通電開始直前にソレノイド92のリセット側に短時間の通電を行う。これにより充放電コネクタ12がアンロック状態となり、ユーザはインレット90から充放電コネクタ12を外すことができる。
ラッチ高さ検出スイッチ95は、通常はオンであり、ボタンを押すとオフとなる。ラッチ高さ検出部93は、ラッチ高さ検出スイッチ95から出力される信号に基づいて、後述するコネクタケース102の内部に設けられるラッチ106の高さを検出する。充放電コネクタ12がEV5のインレット90に正しく嵌合しているときは、ラッチ106のつめが上がり、ラッチ高さ検出スイッチ95がオンとなる。また、充放電コネクタ12がインレット90に不完全に嵌合しているときは、ラッチ106のつめが下がってラッチ高さ検出スイッチ95はオフとなる。
絶縁診断用抵抗40jは、充電許可禁止線40dと接地線40eの信号用端子間に接続される。
制御ユニット66は、充放電コネクタ12がアンロック状態になると開閉器40hを開く。そして、制御ユニット66は、次に充放電コネクタ12が接続されるまでの間、定期的に開閉器40hを閉じて絶縁診断部40kによる絶縁診断を行う。絶縁診断部40kは、充放電コネクタ12の信号用端子間が絶縁状態にあるか否かを診断する。具体的には、絶縁診断部40kは、開閉器40hが定期的に短絡されるたびに絶縁診断用抵抗40jの両端電圧を検出することにより、充放電コネクタ12の信号用端子間のインピーダンスが乾燥状態の10MΩ以上から、被水又は浸水により1MΩ以下に低下しているか否か診断する。Vcc1が12Vで、絶縁診断用抵抗40jが1MΩとすると、乾燥状態で信号用端子間のインピーダンスは10MΩ以上となり、絶縁診断部40kの電圧は概ねVcc1と同じとなる。したがって、絶縁診断部40kは、充放電コネクタ12の信号用端子間のインピーダンスが基準値以上の場合には、信号用端子間の絶縁が保たれていると診断する。
ユーザが、外した充放電コネクタ12を放置し、雨水等により被水又は浸水した場合、水のイオン濃度にもよるが充放電コネクタ12の信号用端子間のインピーダンスは100kΩ以下に低下し、絶縁診断部40kの両端電圧が約1/10に低下する。絶縁診断部40kがこの電圧低下を検知した場合、制御ユニット66は、開閉器40hを開く。さらに、制御ユニット66は、絶縁診断部40kにより充放電コネクタ12の被水又は浸水が検出されたことをユーザに報知する水検出報知処理を行う。制御ユニット66は、図2に示される宅内制御装置31に指令を送り、充放電コネクタ12が被水又は浸水していることを示す表示と、充放電コネクタ12をホルダ50cに嵌合させることを促す表示とを表示器310において行わせる。また、制御ユニット66は、宅内制御装置31に指令を送り、スピーカからブザー音を発音させる。さらに、制御ユニット66は、図3に示されるEV−PCS4に指令を送り、EV−PCS4本体でもブザー音を発音させる。このように、制御ユニット66は、水検出報知処理の際に、宅内コントローラ30又は宅内制御装置31に、充放電コネクタ12の被水又は浸水が検出されたことを表示する指令及び警報音を発する指令の少なくとも一方を送る。
図6は、実施の形態1に係る充放電システムに用いる充放電コネクタ及び充放電ケーブルの断面を示す図である。充放電コネクタ12は、図4に示すEV5のインレット90に嵌合されるハウジング101と、ハウジング101と充放電ケーブル11との間に配置されるコネクタケース102とを備える。また充放電コネクタ12は、ハウジング101の内部に固定され、コネクタケース102内部の主電力線105に接続される金属製の電源用端子104を備える。
コネクタケース102は、難燃性、絶縁性、耐落下性及び耐薬品性を有する樹脂で構成される。なお一般的な急速充電用コネクタは、その外郭を構成するコネクタケースが金属で構成されることが多く、樹脂で構成する場合に比べて重い。実施の形態1に係る充放電コネクタ12は、コネクタケース102が樹脂で構成され、さらにその内部が中空であるため、金属製のコネクタに比べて軽量である。また充放電コネクタ12は、樹脂で構成されているため、充放電コネクタ12の外郭が塩分で腐食することがなく、塩害地での信頼性が高い。
電源用端子104はハウジング101がEV5のインレット90に挿入されたときに、インレット90側に設けられた金属電極と接触する。これによりインレット90側に設けられた金属電極と主電力線105とが電源用端子104を介して接続される。主電力線105には3.5sqから14sqのサイズの耐熱ビニル電線が用いられる。主電力線105は、充放電ケーブル11の複数の内部配線の一部であり、その端部がコネクタケース102に挿入される。
主電力線105の先端には電源用端子104が圧着されている。また主電力線105にはヒューズ91がはんだで接続されている。ヒューズ91は、熱伝導性樹脂109で封止されている。主電力線105が電源用端子104に接続されることにより、電力変換器43の主回路とEV5の充電ユニット83との間に充放電電流が流れる。
また充放電コネクタ12は、支軸106aを中心に回動するようにコネクタケース102の内部に設けられるラッチ106と、ラッチ解除ボタン107と、コネクタケース102の内部に設けられるばね108と、レバー110とを備える。レバー110は、ラッチ解除ボタン107の動きに伴い、支軸110aを中心に回動するようにコネクタケース102の内部に設けられる。ラッチ106、ばね108及びレバー110は、EV5に接続された充放電コネクタ12の取外しを防止するロック機構を構成する。
ラッチ106の一端側には凸部106bが形成される。図6では、ハウジング101に形成された開口部101aに凸部106bが入り込んでいる状態が示される。凸部106bの端部は図4に示すインレット90に嵌合するように楔形に形成されている。ラッチ106の他端106cは、レバー110の一端110bに接している。レバー110の一端110b側は、ばね108に付勢されている。レバー110の他端110cはラッチ解除ボタン107と接している。
ユーザが充放電コネクタ12をインレット90に挿入するとき、ラッチ106の凸部106bの傾斜面がインレット90に接して、ラッチ106が反時計回りに回動する。このときラッチ106に接続されたレバー110は、ばね108の付勢力に抗して時計回りに回動する。これによりラッチ106の凸部106bはインレット90に引っかかることがなく、ハウジング101はインレット90に嵌合される。ラッチの上がり下がりは前述のラッチ高さ検出スイッチ95からのオン信号又はオフ信号がラッチ高さ検出部93に伝達され、EV−PCS4本体がそれを検知する。なお、「時計回り」及び「反時計回り」とは、図6における回転方向を示しており、図6とは逆方向から見た場合は、回転方向は逆となる。
ハウジング101のインレット90への挿入が完了したとき、ラッチ106の凸部106bがインレット90に形成された凹部に引っかかるため、充放電コネクタ12をそのまま引き抜くことはできない。充放電コネクタ12を引き抜く場合、ユーザがラッチ解除ボタン107を押し下げることにより、レバー110がばね108の付勢力に抗して時計回りに回動し、レバー110に押されたラッチ106が反時計回りに回動する。これにより凸部106bとインレット90との嵌合状態が解除される。
実施の形態1に係る充放電コネクタ12は、ラッチ解除ボタン107と対向するように、充放電コネクタ12の内部にソレノイド92が設けられている。実施の形態1では、ソレノイド92を構成するセット用のコイルとリセット用のコイルとが樹脂で覆われている。図6に示すソレノイド92は、当該樹脂で形成された筐体92aと、筐体92aに設けられた可動片92bとを備える。可動片92bは、コイルの通電によりレバー110と対向する方向に進退動する可動部材である。
可動片92bは、レバー110の他端110cに対向して配置されている。セット用のコイルに通電されたとき、可動片92bはレバー110側に押し出され、リセット用のコイルに通電されたとき、可動片92bはレバー110側とは反対側に引き戻される。
可動片92bがセット側に動作した場合、レバー110の他端110cに可動片92bが押し当てられるため、ユーザはラッチ解除ボタン107を押し下げることができず、充放電コネクタ12を抜くことができない。
一方、可動片92bがリセット側に動作した場合、レバー110の他端110cと可動片92bとの間には図示例のように隙間が形成される。そのためユーザはラッチ解除ボタン107を押し下げることができ、充放電コネクタ12を抜くことができる。
信号用端子115は、金属製であり、樹脂による隔壁で電源用端子104と隔てられ、絶縁距離及び沿面距離が大きくとられている。信号用端子115の表面に銅めっき被被膜を形成することで、信号用端子115を通過する信号の減衰を抑制することができる。また電源用端子104間も樹脂による隔壁により、絶縁距離及び沿面距離が大きくとられている。一方、信号用端子115間は同じ隔壁内に配置される。絶縁距離の短い信号用端子115を用いて絶縁診断を行う構成であるため、感度良く被水又は浸水を検知することが可能となる。
上記の構成及び動作により、実施の形態1に係る充放電システムは、誤って放置してしまった充放電コネクタ12が被水又は浸水しても、ユーザが気づいて、ホルダ50cに嵌合させることが可能となる。充放電コネクタ12をホルダ50cに嵌合させることで、充放電コネクタ12の先端部は、排水され乾燥状態になる。
実施の形態1に係る充放電システムは、被水又は浸水が解消され充放電コネクタ12が乾燥状態になることで、凍結による嵌合不良が発生することを回避できる。また、実施の形態1に係る充放電システムは、雨水自体又は雨水に含まれる埃、塩分、若しくは化学物質により充放電コネクタ12の金属などで形成された部品の劣化が早まることを回避できる。特に充放電コネクタ12の先端部に露出した金属製の信号用端子の保護に効果がある。
また実施の形態1に係る充放電システムは、低電圧が印加される開閉器40hと絶縁診断用抵抗40jと絶縁診断部40kを追加する以外に、高価な高電圧部品、構造部品又は電源の追加が不要なため、充放電コネクタ12の被水又は浸水の検出と、充放電コネクタ12の保護とを実現することが可能である。
また、実施の形態1に係る充放電システムは、絶縁診断に低電圧を用いるため、感電に対する安全性も高い。実施の形態1に係る充放電システムは、低電圧を用いて間欠的に診断を行うため消費電力も少なくてすみ、省エネルギー及び二酸化炭素排出量削減が目的であるHEMSシステムでは効果が高い。
また、ユーザが意図的に充放電コネクタ12を放置していた場合、被水又は浸水がないときには報知音及び警告表示は発生せず、ユーザに不快感を与えることがない。
実施の形態2.
図7は、本発明の実施の形態2に係る充放電器を用いた充放電システムの電力変換器とEVとの間のインターフェース部分の回路を示す図である。その他は実施の形態1と同じ図を用いた構成となる。図7に示すように、開閉器40hは、通常は開かれている。コネクタがEV5と嵌合されていないときには定期的に短絡を行う。低圧交流電圧源40mは、12Vの交流電圧源である。絶縁診断用抵抗40jは、開閉器40hとCAN通信線40gとに接続される。また絶縁診断部40kは、開閉器40hが定期的に閉じられるたびにCAN通信線40gとCAN通信線40fとの間の電圧を検出するとともに、充放電コネクタ12が被水又は浸水することにより信号用端子間のインピーダンスが低下しているか否かを診断する。ユーザが外した充放電コネクタ12を放置した後、雨水等により被水又は浸水した場合、コネクタの信号用端子間のインピーダンスは低下し、絶縁診断部40kの両端の電圧を低下させる。
実施の形態2に係る充放電器では、低圧交流電圧源40m、低電圧が印加される開閉器40h、絶縁診断用抵抗40j、及び絶縁診断部40k以外に、高価な高電圧部品又は構造部品の追加が不要なため、充放電コネクタ12の被水又は浸水の検出と、充放電コネクタ12の保護とを実現することが可能である。実施の形態2に係る充放電器は、実施の形態1に係る充放電器に対し別に交流電圧源の追加が必要となるが、信号用端子間に交流電圧を印加するため、実施の形態1の効果に加え、信号用端子間に直流電圧を印加した場合に比べ信号用端子の電気分解によるガスの発生を低減する効果が得られる。
なお、実施の形態1,2において特定の端子間の抵抗又はインピーダンスの変化に起因する電位差の変化を基に被水又は浸水を検知したが、信号用端子間であれば、他のどの端子間に対し検知を行っても同様の効果が得ることが可能となる。
実施の形態3.
図8は、本発明の実施の形態3に係る充放電システムに用いる充放電コネクタ、充放電ケーブル及びホルダの断面を示す図である。水抜き穴50c1は、ホルダ5cに嵌合された充放電コネクタ12から排水された水を、ホルダ5cの外部に放出するためのものである。実施の形態1,2では、信号用端子間のインピーダンスの変化に基づいて、被水又は浸水の検知と報知とを行ったが、実施の形態4では図5から図7に示されるラッチ高さ検出部93及びラッチ高さ検出スイッチ95が出力する信号に基づいて充放電コネクタ12がホルダ50cと嵌合しているか否かを検出する。ラッチ高さ検出部93及びラッチ高さ検出スイッチ95は、充放電コネクタ12がホルダ50cと嵌合しているか否かを検出するコネクタ嵌合検出部を構成する。
図8に示すように、ホルダ50cと充放電コネクタ12と嵌合のクリアランスをインレットと同じとしておく。このような構造とすることで、ホルダ嵌合時はラッチ106が下がり常時スイッチがオフとなる。ラッチ高さ検出スイッチ95の出力だけではEV5のインレット90への半嵌合、すなわちインレット90への嵌合途中でラッチ106のつめが下がりラッチ高さ検出スイッチ95がオフになった状態と、ホルダ50cへの嵌合との判別ができないが、ユーザによる充放電の指示の有無と合わせて双方を判別すれば問題ない。
またEV5のインレット90に対し半嵌合となっていれば、充放電コネクタ12の先端部は下向きとなるため、信号用端子が被水又は浸水することはない。
制御ユニット66は、コネクタ嵌合検出部により充放電コネクタ12がホルダ50cに嵌合していないことが検出された場合に、充放電コネクタ12の各端子への通電を停止する。さらに、制御ユニット66は、コネクタ嵌合検出部により充放電コネクタ12がホルダ50cに嵌合していないことが検出されたことをユーザに報知する未嵌合報知処理を行う。制御ユニット66は、図2に示される宅内制御装置31に指令を送り、充放電コネクタ12がホルダ50cに嵌合していないことを示す表示と、充放電コネクタ12をホルダ50cに嵌合させることを促す表示とを表示器310において行わせる。また、制御ユニット66は、宅内制御装置31に指令を送り、スピーカからブザー音を発音させる。さらに、制御ユニット66は、図3に示されるEV−PCS4に指令を送り、EV−PCS4本体でもブザー音を発音させる。このように、制御ユニット66は、未嵌合報知処理の際に、宅内コントローラ30又は宅内制御装置31に、充放電コネクタ12がホルダ50cに嵌合していないことが検出されたことを表示する指令及び警報音を発する指令の少なくとも一方を送る。
実施の形態3によれば、充放電コネクタ12がホルダ50cに嵌合されずに放置されていることを検知して充放電コネクタ12の各端子への通電を停止するとともに、ユーザに報知できるため、実施の形態1,2のうち、意図的に充放電コネクタ12を放置するユーザの不快感を削減する効果以外のすべての効果を得られる。
さらにこのような構成及び動作とすることで、実施の形態1,2に比べ特別な部品の追加なしに充放電コネクタ12の被水又は浸水の回避を実現可能である。
実施の形態4.
図9は、本発明の実施の形態4に係る充放電システムに用いる充放電コネクタ、充放電ケーブル及びホルダの断面を示す図である。実施の形態3ではホルダ50cとの嵌合時にラッチ106の位置が常時下がることを用いて、充放電コネクタ12の放置を検知したが、図9に示すようにホルダの形状をインレット90と同形状とすることにより、半嵌合から嵌合への変化を検知してもよい。すなわち、ラッチ106が下がりラッチ高さ検出スイッチ95がオフになった状態から、ラッチ106が上がりラッチ高さ検出スイッチ95がオンになった状態への変化を検知しても良い。実施の形態3では充放電コネクタ12の放置場所に偶然突起物がありラッチ106が下がった状態で放置された場合には誤検知の可能性があるが、実施の形態4ではこの場合でも誤検知はない。
図10は、実施の形態1から実施の形態4に係る充放電システムの制御ユニットを実現するハードウェアの構成例を示す図である。制御ユニット66の処理回路がメモリ141及びCPU(Central Processing Unit)142で実現される場合、制御ユニット66の処理回路の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ141に格納される。
処理回路では、メモリ141に記憶されたプログラムをCPU142が読み出して実行することにより、各機能が実現される。また、メモリ141に記憶されたプログラムは、制御ユニット66の手順及び方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、CPU142は、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、又はDSP(Digital Signal Processor)であってもよい。またメモリ141には、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(登録商標)(Electrically EPROM)といった、不揮発性又は揮発性の半導体メモリと、磁気ディスクと、フレキシブルディスクと、光ディスクと、コンパクトディスクと、ミニディスクと、DVD(Digital Versatile Disc)との何れかが該当する。
上記の各実施の形態においては、EV5に搭載されるメインバッテリ82への充電と、メインバッテリ82の放電を行う充放電器を例に説明したが、EV5に搭載されるメインバッテリ82の充電のみを行う充電器においても同様の実施が可能である。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。