JPWO2020070826A1 - 空気調和機の劣化抑制方法 - Google Patents

空気調和機の劣化抑制方法 Download PDF

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Abstract

空気調和機の劣化抑制方法は、冷凍サイクル回路を有する空気調和機の少なくとも一部を構成し冷凍サイクル回路の熱交換器を備える熱交換ユニットを据え付ける第1工程と、第1工程の後に、耐食性を有する耐食性物質を熱交換器に塗布する第2工程と、を有する。

Description

本発明は、空気調和機の劣化を抑制する劣化抑制方法に関するものである。
空気調和機は、全世界で広く利用されているため様々な環境に設置される。空気調和機の多くの部分は金属で形成されている。このため、特に、沿岸部のように空気中の塩分濃度が高い地域及び空気中の水分量が多い高温多湿な地域では、サビ等の金属の腐食が空気調和機の故障及び製品寿命短縮の原因となっている。
空気調和機の熱交換器には、送風機により空気が強制的に送り込まれる。このため、熱交換器には腐食が生じやすい。熱交換器は、伝熱性能の向上のため、薄い金属板からなる複数のフィンを有している。フィンは強度が低いため、特に腐食による損壊が生じやすい。フィンに生じた腐食が進行して冷媒配管にまで至ると、冷媒配管内の冷媒が大気中に放出されてしまう場合がある。
また、フィンの損壊にまで至らなくても、フィンの表面に腐食が生じていると、熱交換器の伝熱性能が低下する。熱交換器の伝熱性能が低下すると、空気調和機の冷房能力及び暖房能力が低下するため、ユーザの快適性が低下してしまう。また、熱交換器の伝熱性能が低下すると、能力当たりのエネルギー消費量が増大するため、空気調和機の省エネルギー性が低下してしまう。
特許文献1には、耐食性に優れる熱交換器が記載されている。この熱交換器に用いられる熱交換器用フィン材は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる基板と、基板上に設けられたリン酸クロメート皮膜と、リン酸クロメート皮膜上に設けられた耐食性皮膜と、を有している。
特開2013−113544号公報
特許文献1の熱交換器では、フィンの腐食による熱交換器の劣化を抑制できるため、熱交換器の寿命をある程度延長できる。しかしながら、一般に耐食性皮膜の寿命は、空気調和機の他の構成要素の寿命よりも短い。このため、特許文献1の熱交換器を備えた空気調和機であっても、熱交換器の寿命を他の構成要素の寿命よりも長く保つことは困難である。したがって、空気調和機の製品寿命を長くすることが困難であるという課題があった。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、空気調和機の製品寿命をより長くすることができる空気調和機の劣化抑制方法を提供することを目的とする。
本発明に係る空気調和機の劣化抑制方法は、冷凍サイクル回路を有する空気調和機の少なくとも一部を構成し前記冷凍サイクル回路の熱交換器を備える熱交換ユニットを据え付ける第1工程と、前記第1工程の後に、耐食性を有する耐食性物質を前記熱交換器に塗布する第2工程と、を有するものである。
本発明によれば、熱交換ユニットが据え付けられる環境に応じて、より適切な態様で耐食性物質を熱交換器に塗布することができる。したがって、熱交換器の劣化を抑制できるため、空気調和機の製品寿命をより長くすることができる。
本発明の実施の形態1に係る空気調和機500の構成を示す冷媒回路図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調和機500のユニット制御装置510及びコントローラ制御装置310の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調和機500の設置方法の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係る空気調和機500の熱源側熱交換器103の部分的な構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調和機500における熱源側熱交換器103のAK値の経時変化の一例を示すグラフである。 本発明の実施の形態2に係る空気調和機500の利用側熱交換器202aの部分的な構成を示す斜視図である。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係る空気調和機及びその劣化抑制方法について説明する。
<空気調和機500の構成>
図1は、本実施の形態に係る空気調和機500の構成を示す冷媒回路図である。空気調和機500は、ビル、マンション又は商業施設などの物件に設置される。空気調和機500は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルが実行される冷凍サイクル回路520を有している。空気調和機500では、利用ユニット側からの冷房運転指令又は暖房運転指令に基づき、冷房運転又は暖房運転が実行される。
空気調和機500は、熱源ユニット100と、利用ユニット200a、200bと、を有している。熱源ユニット100、利用ユニット200a及び利用ユニット200bはいずれも、空気調和機500の一部を構成する熱交換ユニットである。熱源ユニット100と利用ユニット200a、200bのそれぞれとは、液延長配管501及びガス延長配管502によって接続されている。液延長配管501及びガス延長配管502は、冷凍サイクル回路520の一部を構成する冷媒配管である。空気調和機500に用いられる冷媒としては、例えば、R410A、R32、HFO−1234yf等の冷媒、又は炭化水素等の自然冷媒を用いることができる。また、空気調和機500には、外部コントローラ300が設けられている。外部コントローラ300は、熱源ユニット100に設けられたユニット制御装置510への運転動作の指令、及び空気調和機500の運転状態の監視が可能となっている。外部コントローラ300は、例えば、ノートPC又はタブレット端末により構成されている。
<熱源ユニット100>
熱源ユニット100は、圧縮機101、四方弁102、熱源側熱交換器103、熱源側送風機104、過冷却熱交換器105、アキュムレータ106、液バイパス減圧機構107及び液バイパス配管108と、これらを収容する筐体と、を有している。圧縮機101、四方弁102、熱源側熱交換器103、熱源側送風機104、過冷却熱交換器105、アキュムレータ106、液バイパス減圧機構107及び液バイパス配管108は、冷凍サイクル回路520の一部を構成している。
圧縮機101は、冷媒を吸入及び圧縮して高温高圧の状態にするものである。圧縮機101の運転容量は可変である。四方弁102は、冷媒の流れの方向を切り替えるための弁であり、第1ポート、第2ポート、第3ポート及び第4ポートを有している。第1ポートは、圧縮機101の吐出側に接続されている。第2ポートは、熱源側熱交換器103に接続されている。第3ポートは、圧縮機101の吸入側に接続されている。第4ポートは、ガス延長配管502に接続されている。四方弁102は、第1ポートが第2ポートと連通し第3ポートが第4ポートと連通する図1中の実線で示す状態と、第1ポートが第4ポートと連通し第3ポートが第2ポートと連通する図1中の破線で示す状態と、に切り替えられるように構成されている。
熱源側熱交換器103は、例えば、伝熱管と複数のフィンとを有するクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。熱源側熱交換器103は、室外空気と冷媒との熱交換が行われる空気熱交換器である。熱源側熱交換器103では、冷房運転時には冷媒の凝縮熱が室外空気に放熱され、暖房運転時には冷媒の蒸発熱が室外空気から吸熱される。熱源側送風機104は、熱源側熱交換器103に空気を供給するものである。熱源側送風機104の回転数は可変である。熱源側送風機104としてはプロペラファン等が用いられる。
過冷却熱交換器105は、二重管熱交換器である。過冷却熱交換器105の外周側の高圧流路には、熱源側熱交換器103を通過した高圧冷媒が流れる。過冷却熱交換器105の内周側の低圧流路には、液バイパス減圧機構107で減圧された低圧冷媒が流れる。過冷却熱交換器105では、高圧冷媒と低圧冷媒との熱交換により、高圧冷媒は冷却され、低圧冷媒は加熱される。アキュムレータ106は、余剰の冷媒を貯留する機能を有している。また、アキュムレータ106は、冷凍サイクル回路520の運転状態が変化する際に一時的に発生する液冷媒を滞留させることにより、圧縮機101に大量の液冷媒が流入するのを防ぐ機能を有している。液バイパス配管108は、過冷却熱交換器105の高圧液側とアキュムレータ106の入口側との間を接続している。液バイパス配管108には、液バイパス減圧機構107と過冷却熱交換器105の低圧流路とが設けられている。液バイパス減圧機構107の開度は可変に設定される。液バイパス減圧機構107により、利用ユニット200a及び利用ユニット200bに流れる液冷媒の流量が調整される。
圧縮機101の吐出側には、圧力センサ109が設けられている。アキュムレータ106の上流側には、圧力センサ110が設けられている。圧力センサ109、110は、設置場所の冷媒圧力を計測する。
圧縮機101の吐出側には、温度センサ111が設けられている。熱源側熱交換器103の液側には、温度センサ112が設けられている。液バイパス配管108のうち液バイパス減圧機構107と過冷却熱交換器105の低圧流路との間には、温度センサ113が設けられている。過冷却熱交換器105の低圧流路の出口側には、温度センサ114が設けられている。温度センサ111、112、113、114は、設置場所の冷媒温度を計測する。熱源ユニット100の空気吸込口には、温度センサ115が設けられている。温度センサ115は、外気温度を計測する。
<利用ユニット200a、200b>
利用ユニット200aは、利用側減圧機構201a、利用側熱交換器202a及び利用側送風機203aと、これらを収容する筐体と、を有している。利用側減圧機構201aでは、開度が可変に設定されることにより冷媒の流量が制御される。利用側熱交換器202aは、例えば、伝熱管と複数のフィンとを有するクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。利用側熱交換器202aは、室内空気と冷媒との熱交換が行われる空気熱交換器である。利用側減圧機構201a及び利用側熱交換器202aは、空気調和機500の冷凍サイクル回路520の一部を構成している。利用側送風機203aは、利用側熱交換器202aに空気を供給するものである。利用側送風機203aの回転数は可変である。利用側送風機203aとしてはプロペラファン等が用いられる。利用ユニット200bは、利用ユニット200aと同様に、利用側減圧機構201b、利用側熱交換器202b及び利用側送風機203bと、これらを収容する筐体と、を有している。利用側減圧機構201b及び利用側熱交換器202bは、空気調和機500の冷凍サイクル回路520の一部を構成している。
利用ユニット200aのうち利用側熱交換器202aの液側には、温度センサ204aが設けられている。利用側熱交換器202aのガス側には、温度センサ205aが設けられている。温度センサ204a、205aは、設置場所の冷媒温度を計測する。利用ユニット200aの空気吸込口には、温度センサ206aが設けられている。温度センサ206aは、設置場所の空気温度を計測する。利用ユニット200bには、利用ユニット200aと同様に、温度センサ204b、205b、206bが設けられている。
<ユニット制御装置510及びコントローラ制御装置310>
熱源ユニット100には、例えば、マイクロコンピュータにより構成されたユニット制御装置510が設けられている。外部コントローラ300には、例えば、ソフトウェアにより各機能が実現されるコントローラ制御装置310が設けられている。
図2は、本実施の形態に係る空気調和機500のユニット制御装置510及びコントローラ制御装置310の構成を示すブロック図である。図2に示すように、ユニット制御装置510は、測定部511、演算部512、制御部513、ユニット通信部514及びユニット記憶部515を有している。測定部511では、温度センサ111、112、113、114、115、204a、205a、206a、204b、205b、206b及び圧力センサ109、110から入力された検出信号に基づき、各センサの測定値が取得される。演算部512では、測定部511で取得された測定値に基づき、例えば検出圧力の飽和温度などの演算値、及び制御動作に必要な制御パラメータが演算される。制御部513では、演算部512で演算された制御パラメータに基づき、圧縮機101、四方弁102、液バイパス減圧機構107、利用側減圧機構201a、201b、熱源側送風機104及び利用側送風機203a、203bの制御が実行される。
ユニット通信部514では、電話回線、LAN回線又は無線などの通信手段により、通信データ情報の入出力が行われる。ユニット通信部514では、利用側リモコン(図示せず)から出力された冷房運転の開始又は終了の指令、及び暖房運転の開始又は終了の指令などの信号がユニット制御装置510に入力される。また、ユニット通信部514では、コントローラ制御装置310との間で、測定値及び演算値などの運転データが通信される。ユニット記憶部515は、半導体メモリなどによって構成されている。ユニット記憶部515では、空気調和機500の運転に用いられる設定値が記憶される。
コントローラ制御装置310は、入力部311、外部通信部312、外部記憶部313、伝熱性能演算部314、判定部315及び表示部316を有している。入力部311では、空気調和機500の運転指令、及び空気調和機500の設置場所の環境情報などが作業者によって入力される。外部通信部312では、電話回線、LAN回線又は無線などの通信手段により、通信データ情報の入出力が行われる。外部通信部312は、入力部311で入力された入力情報をユニット通信部514に送信する。また、外部通信部312は、圧力及び温度などの運転データをユニット通信部514から受信する。外部記憶部313は、半導体メモリなどによって構成されている。外部記憶部313は、熱交換器の伝熱性能を評価する際に用いられる閾値などが記憶されている。伝熱性能演算部314では、熱源側熱交換器103のAK値が演算される。AK値は、熱交換器の伝熱性能を表す値である。判定部315では、伝熱性能演算部314で演算されたAK値と外部記憶部313に記憶されている閾値とが比較され、大小関係が判定される。また、判定部315では、空気調和機500の運転状態が安定しているか否かが判定される。表示部316は、外部コントローラ300に搭載されている液晶ディスプレイなどの表示装置である。表示部316では、熱源側熱交換器103の伝熱性能の評価結果、及び空気調和機500の運転状態などの情報が表示される。ここで、熱源側熱交換器103の伝熱性能に代えて、又は熱源側熱交換器103の伝熱性能に加えて、利用側熱交換器202a及び202bの伝熱性能の評価結果が表示されるようにしてもよい。
<空気調和機500の設置方法>
本実施の形態に係る空気調和機500の劣化抑制方法の例として、空気調和機500の設置方法について説明する。図3は、本実施の形態に係る空気調和機500の設置方法の流れを示すフローチャートである。空気調和機500は、製造工場で製造された後、製造工場から出荷され、空気調和機500が設置される物件に搬送される。空気調和機500が搬送されるときには、熱源ユニット100と利用ユニット200a、200bのそれぞれとが液延長配管501及びガス延長配管502によって接続されていない。すなわち、空気調和機500は、熱源ユニット100、利用ユニット200a及び利用ユニット200bに分離された状態で搬送される。空気調和機500が物件に搬送されると、熱源ユニット100は屋外に据え付けられ、利用ユニット200a、200bのそれぞれは屋内に据え付けられる(ステップS1の据付け工程)。
その後、熱源ユニット100と利用ユニット200a、200bのそれぞれとが、液延長配管501及びガス延長配管502によって接続される(ステップS2の接続工程)。これにより、図1に示した冷凍サイクル回路520が構成される。接続工程では、熱源ユニット100と利用ユニット200a、200bのそれぞれとが、必要に応じて電源線及び通信線によっても接続される。
その後、耐食性を有する耐食性物質が熱源側熱交換器103に塗布される(ステップS3の耐食性物質塗布工程)。これにより、熱源側熱交換器103の表面には、耐食性物質層が形成される。耐食性物質としては、例えばエポキシ樹脂が用いられる。耐食性物質の塗布量は、空気調和機500の熱源ユニット100が据え付けられる場所の環境に基づいて決められる。例えば、沿岸部のように空気中の塩分濃度が高い地域、又は空気中の水分量が多い高温多湿な地域に空気調和機500が設置される場合には、耐食性物質の塗布量を増大させ、熱源側熱交換器103の表面に厚さの厚い耐食性物質層を形成する。耐食性物質の塗布量は、熱源ユニット100が据え付けられる場所における空気中の塩分濃度又は空気中の水分量の実際の測定値に基づいて決定されるようにしてもよい。また、耐食性物質の塗布量は、空気調和機500が設置される地域の海岸線からの距離、又は空気調和機500が設置される地域の年間平均湿度などの、空気中の塩分濃度又は空気中の水分量と相関のある指標に基づいて決定されるようにしてもよい。ステップS1〜ステップS3の工程を経て、空気調和機500が設置される。なお、ステップS4については後述する。
図4は、本実施の形態に係る空気調和機500の熱源側熱交換器103の部分的な構成を示す斜視図である。図4に示す熱源側熱交換器103は、伝熱を促進させる複数のフィン401と、複数のフィン401を貫通する複数の伝熱管402と、を有している。複数の伝熱管402は、図4中の太矢印で示す空気の流れに沿って3列に配置されている。このため、熱源側熱交換器103は、空気の流れに沿った3列の熱交換部、すなわち、最も風上側に位置する1列目の熱交換部411、2列目の熱交換部412、及び最も風下側に位置する3列目の熱交換部413に分けることができる。図4中の二点鎖線で囲まれた部分は、最も風上側に位置する熱交換部411である。複数のフィン401のそれぞれは、物理的には熱交換部411、412、413毎に分離されていない場合がある。
熱源側熱交換器103がこのような構成を有する場合、耐食性物質塗布工程では、最も風上側に位置する熱交換部411のみに耐食性物質が塗布されるようにしてもよい。例えば、複数のフィン401のそれぞれのうち熱交換部411に相当する部分のみに耐食性物質が塗布されるようにしてもよいし、それに加えて、熱交換部411の伝熱管402にも耐食性物質が塗布されるようにしてもよい。
一般に、空気熱交換器において最も腐食が生じやすいのは風上側の列である。したがって、風上側に位置する熱交換部411のみに耐食性物質を塗布することにより、耐食性物質の塗布量を抑えつつ、熱源側熱交換器103の腐食防止効果を十分に得ることができる。
<空気調和機500の通常運転>
空気調和機500のユニット制御装置510は、利用ユニット200a又は利用ユニット200bのリモコンからの指令に応じて、熱源ユニット100、利用ユニット200a及び利用ユニット200bに搭載されている各機器の制御を行う。ユニット制御装置510は、冷房運転指令を受信した場合には冷房運転モードの運転を実行し、暖房運転指令を受信した場合には暖房運転モードの運転を実行する。
まず、冷房運転モードについて説明する。冷房運転モードでは、四方弁102は、第1ポートが第2ポートと連通し第3ポートが第4ポートと連通する図1中の実線で示す状態に設定される。冷房運転モードでは、熱源側熱交換器103は凝縮器として機能し、利用側熱交換器202a及び利用側熱交換器202bは蒸発器として機能する。
利用側減圧機構201aは、ユニット制御装置510により、利用側熱交換器202aから流出する冷媒の過熱度が目標値に近づくように制御される。利用側熱交換器202aから流出する冷媒の過熱度は、温度センサ205aの検出温度から温度センサ204aの検出温度を差し引くことにより求められる。同様に、利用側減圧機構201bは、ユニット制御装置510により、利用側熱交換器202bから流出する冷媒の過熱度が目標値に近づくように制御される。なお、ユニット制御装置510は、例えば利用ユニット200bのリモコンから冷房運転停止指令を受信した場合には、利用側減圧機構201bを全閉開度に設定する。これにより、利用ユニット200bの冷房運転が停止される。以下、複数の利用ユニット200a、200bの動作については、原則として、利用ユニット200aの動作のみを例に挙げて説明する。
液バイパス減圧機構107は、ユニット制御装置510により、過冷却熱交換器105の低圧流路から流出する冷媒の過熱度が目標値に近づくように制御される。過冷却熱交換器105の低圧流路から流出する冷媒の過熱度は、温度センサ114の検出温度から温度センサ113の検出温度を差し引くことにより求められる。
圧縮機101の運転周波数は、ユニット制御装置510により、蒸発温度が目標値に近づくように制御される。蒸発温度は、圧力センサ110の検出圧力の飽和温度である。蒸発温度の目標値は、例えば0℃である。熱源側送風機104の回転数は、ユニット制御装置510により、凝縮温度が目標値に近づくように制御される。凝縮温度は、圧力センサ109の検出圧力の飽和温度である。凝縮温度の目標値は、例えば40℃である。
圧縮機101から吐出された高温高圧のガス冷媒は、四方弁102を経由して熱源側熱交換器103に流入する。熱源側熱交換器103に流入したガス冷媒は、熱源側送風機104により供給される室外空気に凝縮熱を放熱し、液冷媒となる。熱源側熱交換器103から流出した液冷媒は、過冷却熱交換器105の高圧流路に流入し、低圧冷媒との熱交換により冷却される。過冷却熱交換器105の高圧流路から流出した液冷媒の一部は液バイパス配管108に分流し、残りの液冷媒は液延長配管501を通って利用ユニット200aに流入する。
利用ユニット200aに流入した液冷媒は、利用側減圧機構201aで減圧されて低圧の二相冷媒となり、利用側熱交換器202aに流入する。利用側熱交換器202aに流入した二相冷媒は、利用側送風機203aにより供給される室内空気から蒸発熱を吸熱し、ガス冷媒となる。利用側熱交換器202aから流出したガス冷媒は、ガス延長配管502及び四方弁102を経由してアキュムレータ106に流入する。
一方、液バイパス配管108に分流した液冷媒は、液バイパス減圧機構107で減圧され、低圧の二相冷媒となる。液バイパス減圧機構107で減圧された二相冷媒は、過冷却熱交換器105の低圧流路に流入し、高圧冷媒との熱交換により加熱されてガス冷媒となる。過冷却熱交換器105の低圧流路から流出したガス冷媒は、液延長配管501、利用側減圧機構201a、利用側熱交換器202a、ガス延長配管502及び四方弁102を流通したガス冷媒と合流し、アキュムレータ106に流入する。アキュムレータ106内のガス冷媒は、圧縮機101に吸入されて圧縮される。
次に、暖房運転モードについて説明する。暖房運転モードでは、四方弁102は、第1ポートが第4ポートと連通し第3ポートが第2ポートと連通する図1中の破線で示す状態に設定される。暖房運転モードでは、熱源側熱交換器103は蒸発器として機能し、利用側熱交換器202a及び利用側熱交換器202bは凝縮器として機能する。
利用側減圧機構201aは、ユニット制御装置510により、利用側熱交換器202aから流出する冷媒の過冷却度が目標値に近づくように制御される。利用側熱交換器202aから流出する冷媒の過冷却度は、圧力センサ109の検出圧力の飽和温度から温度センサ204aの検出温度を差し引くことにより求められる。同様に、利用側減圧機構201bは、ユニット制御装置510により、利用側熱交換器202bから流出する冷媒の過冷却度が目標値に近づくように制御される。
液バイパス減圧機構107は、ユニット制御装置510により、全閉開度に制御される。圧縮機101の運転周波数は、ユニット制御装置510により、凝縮温度が目標値に近づくように制御される。熱源側送風機104の回転数は、ユニット制御装置510により、蒸発温度が目標値に近づくように制御される。
圧縮機101から吐出された高温高圧のガス冷媒は、四方弁102及びガス延長配管502を経由して、利用側熱交換器202aに流入する。利用側熱交換器202aに流入したガス冷媒は、利用側送風機203aにより供給される室内空気に凝縮熱を放熱し、液冷媒となる。利用側熱交換器202aから流出したガス冷媒は、利用側減圧機構201aで減圧されて低圧の二相冷媒となり、液延長配管501及び過冷却熱交換器105の高圧流路を経由して熱源側熱交換器103に流入する。熱源側熱交換器103に流入した二相冷媒は、熱源側送風機104により供給される室外空気から蒸発熱を吸熱し、ガス冷媒となる。熱源側熱交換器103から流出したガス冷媒は、四方弁102を経由してアキュムレータ106に流入する。アキュムレータ106内のガス冷媒は、圧縮機101に吸入されて圧縮される。
<熱交換器の伝熱性能評価>
コントローラ制御装置310の伝熱性能演算部314では、熱源側熱交換器103のAK値が演算される。熱源側熱交換器103のAK値は、熱源側熱交換器103の熱交換量を、凝縮温度から温度センサ115の検出温度を差し引いた値で除することにより求められる。熱源側熱交換器103の熱交換量は、圧力センサ109の検出圧力、圧力センサ110の検出圧力、及び圧縮機101の周波数に基づき演算される。凝縮温度は、圧力センサ109の検出圧力の飽和温度である。AK値の演算は、空気調和機500の通常運転中に定期的に行われる。
判定部315では、伝熱性能演算部314で演算された熱源側熱交換器103のAK値と、外部記憶部313に記憶されている閾値AKthとが比較される。熱源側熱交換器103の伝熱性能は、熱源側熱交換器103の劣化の進行に従って低下するだけでなく、熱源側送風機104の回転数の影響も受ける。このため、熱源側熱交換器103のAK値と比較される閾値AKthは、熱源側送風機104の回転数に基づいて決定される。熱源側熱交換器103のAK値が閾値AKthを下回ったと判定部315で判定された場合には、熱源側熱交換器103の伝熱性能が低下したこと、又は熱源側熱交換器103に耐食性物質を塗布すべきであることが表示部316で報知される。
<耐食性物質の再塗布>
図5は、本実施の形態に係る空気調和機500における熱源側熱交換器103のAK値の経時変化の一例を示すグラフである。横軸は、熱源側熱交換器103の使用開始時からの期間の経過を表しており、縦軸はAK値を表している。使用開始時の熱源側熱交換器103の表面には、耐食性物質が塗布されているものとする。図5に示すように、熱源側熱交換器103のAK値は、使用開始時のAK0から、期間の経過に従って低下する。また、熱交換器のAK値は、ある所定の値AK1を下回ると急速に低下する。これは、熱源側熱交換器103の表面に形成されている耐食性物質の層が劣化すると、熱源側熱交換器103の表面から耐食性が失われ、腐食による熱源側熱交換器103の劣化が急速に進行するためである。
本実施の形態では、熱源側熱交換器103の伝熱性能が低下したことが表示部316で報知された場合、熱源側熱交換器103に耐食性物質を再び塗布する耐食性物質再塗布工程が行われる(図3のステップS4)。耐食性物質再塗布工程の実行時期は、表示部316での報知に基づいて決定される。閾値AKthは、AK0よりも低くAK1よりも高い値に設定されるのが望ましい(AK0>AKth>AK1)。これにより、腐食による熱源側熱交換器103の劣化が急速に進行する前の劣化初期に、熱源側熱交換器103に耐食性物質を塗布することができる。このため、熱源側熱交換器103の急激な劣化を抑制することができる。
耐食性物質再塗布工程が行われた後、熱源側熱交換器103の伝熱性能が低下したことが表示部316で報知された場合、再び耐食性物質再塗布工程が行われる。すなわち、耐食性物質再塗布工程は、複数回繰り返して実行される。耐食性物質再塗布工程は、空気調和機500の設置方法の一部と見なすこともできるし、空気調和機500の保守方法の一部と見なすこともできる。
以上説明したように、本実施の形態に係る空気調和機500の劣化抑制方法は、据付け工程(図3のステップS1)と、耐食性物質塗布工程(図3のステップS3)と、を有する。据付け工程は、冷凍サイクル回路520を有する空気調和機500の少なくとも一部を構成し冷凍サイクル回路520の熱源側熱交換器103を備える熱源ユニット100を据え付ける工程である。耐食性物質塗布工程は、据付け工程の後に、耐食性を有する耐食性物質を熱源側熱交換器103に塗布する工程である。ここで、熱源側熱交換器103は熱交換器の一例である。熱源ユニット100は熱交換ユニットの一例である。据付け工程は第1工程の一例である。耐食性物質塗布工程は第2工程の一例である。
本実施の形態では、熱源ユニット100が据え付けられた後に、熱源側熱交換器103に耐食性物質が塗布される。これにより、熱源ユニット100が据え付けられる場所の環境に応じて、より適切な態様で耐食性物質を熱源側熱交換器103に塗布することができる。したがって、本実施の形態によれば、腐食による熱源側熱交換器103の劣化を抑制できるため、空気調和機500の製品寿命をより長くすることができる。また、熱源側熱交換器103の劣化を抑制できるため、熱源側熱交換器103での冷媒漏洩を防ぐことができる。さらに、熱源側熱交換器103の劣化の抑制により熱源側熱交換器103の伝熱性能を長期間維持できるため、空気調和機500の冷房能力及び暖房能力の維持、ユーザの快適性の向上、及び空気調和機500の省エネルギー性の向上を実現することができる。
また、本実施の形態に係る空気調和機500の劣化抑制方法では、耐食性物質の塗布量は、熱源ユニット100が据え付けられる場所の環境に基づいて決定される。本実施の形態によれば、熱源ユニット100が据え付けられる場所の環境に応じて、より適切な塗布量で耐食性物質を熱源側熱交換器103に塗布することができるため、熱源側熱交換器103の劣化を抑制することができる。例えば、耐食性物質の塗布量は、熱源ユニット100が据え付けられる場所における空気中の塩分濃度又は空気中の水分量に基づいて決定される。
また、本実施の形態に係る空気調和機500の劣化抑制方法は、耐食性物質塗布工程の後に、耐食性物質を熱源側熱交換器103に再び塗布する耐食性物質再塗布工程(図3のステップS4)をさらに有する。ここで、耐食性物質再塗布工程は第3工程の一例である。本実施の形態によれば、熱源側熱交換器103の劣化をさらに長期間にわたって抑制することができる。
また、本実施の形態に係る空気調和機500の劣化抑制方法において、空気調和機500は、熱源側熱交換器103の伝熱性能の低下を報知する表示部316をさらに有している。表示部316での報知に基づいて、耐食性物質再塗布工程の実行時期が決定される。ここで、表示部316は報知部の一例である。本実施の形態によれば、腐食による熱源側熱交換器103の劣化が急速に進行する前に、熱源側熱交換器103に耐食性物質を塗布することができる。このため、熱源側熱交換器103の劣化をより確実に抑制することができる。
また、本実施の形態に係る空気調和機500の劣化抑制方法において、熱源ユニット100は、熱源側熱交換器103に空気を供給する熱源側送風機104をさらに備えている。伝熱性能の低下は、冷凍サイクル回路520に設けられた圧力センサ109及び110の検出圧力、冷凍サイクル回路520に設けられた温度センサ115の検出温度、冷凍サイクル回路520の圧縮機101の周波数、及び熱源側送風機104の回転数の少なくとも1つに基づいて判定される。本実施の形態によれば、熱源側熱交換器103の劣化の進行をより的確に判断できる。
また、本実施の形態に係る空気調和機500の劣化抑制方法において、熱源側熱交換器103は、空気の流れに沿って2列以上の熱交換部411、412、413を有している。耐食性物質は、熱源側熱交換器103のうち最も風上側の熱交換部411のみに塗布される。本実施の形態によれば、耐食性物質の塗布量を抑えつつ、熱源側熱交換器103の腐食防止効果を十分に得ることができる。
本実施の形態では、耐食性物質を塗布する熱交換器として熱源側熱交換器103を例示しているが、利用側熱交換器202a、202bにも同様に耐食性物質を塗布することができる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る空気調和機の劣化抑制方法について説明する。本実施の形態に係る空気調和機500の構成及び運転動作については、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
<空気調和機500の設置方法>
本実施の形態に係る空気調和機500の設置方法について、図3を参照しつつ説明する。図3のステップS1及びステップS2については、実施の形態1と同様である。ステップS3の耐食性物質塗布工程では、耐食性物質が利用側熱交換器202aに塗布される。これにより、利用側熱交換器202aの表面には、耐食性物質層が形成される。耐食性物質の種類は、利用ユニット200aが据え付けられる場所の環境、例えば場所の利用形態に基づいて決められる。例えば、工場のように空気中に金属粉が多く含まれる環境に利用ユニット200aが据え付けられる場合には、耐食性物質としてエポキシ樹脂が用いられる。また、厨房のように油による汚損が利用側熱交換器202aに生じる環境に利用ユニット200aが据え付けられる場合には、耐食性物質としてフッ素樹脂が用いられる。この場合、利用側熱交換器202aの表面には、フッ素樹脂が塗布されることによりフッ素コーティングが施される。利用側熱交換器202bにも同様に、利用ユニット200bが据え付けられる場所の環境に基づいて決められた種類の耐食性物質が塗布される。
図6は、本実施の形態に係る空気調和機500の利用側熱交換器202aの部分的な構成を示す斜視図である。図6に示す利用側熱交換器202aは、複数のフィン401と、複数のフィン401を貫通する複数の伝熱管402と、を有している。複数のフィン401のそれぞれには、複数の伝熱管402との接合部として、複数のフィンカラー403が形成されている。フィン401と伝熱管402とは、互いに異なる金属材料で形成されている。フィン401と伝熱管402とが互いに異なる金属材料で形成されている場合、異種金属接触腐食が生じやすい。このため、フィンカラー403には、優先的に耐食性物質が塗布される。例えば、耐食性物質は、フィンカラー403を含むフィン401の全体に塗布される。また例えば、耐食性物質は、フィン401のうちフィンカラー403のみに塗布される。フィンカラー403に優先的に耐食性物質が塗布されることにより、高い防食効果が得られる。
以上説明したように、本実施の形態に係る空気調和機500の劣化抑制方法では、耐食性物質の種類は、利用ユニット200a、200bが据え付けられる場所の環境に基づいて決定される。ここで、利用ユニット200a、200bは熱交換ユニットの一例である。本実施の形態によれば、利用ユニット200a、200bが据え付けられる場所の環境に応じて、より適切な種類の耐食性物質を利用側熱交換器202a、202bに塗布することができるため、利用側熱交換器202a、202bの劣化を抑制することができる。
また、本実施の形態に係る空気調和機500の劣化抑制方法では、利用側熱交換器202a、202bは、伝熱管402と、伝熱管402に接合されたフィン401と、を有している。伝熱管402及びフィン401は、互いに異なる金属材料で形成されている。耐食性物質は、利用側熱交換器202a、202bのうち、少なくとも、伝熱管402とフィン401との接合部であるフィンカラー403に塗布される。本実施の形態によれば、腐食が生じやすい部分に耐食性物質が塗布されるため、高い防食効果が得られる。
本実施の形態では、耐食性物質を塗布する熱交換器として利用側熱交換器202a、202bを例示しているが、熱源側熱交換器103にも同様に耐食性物質を塗布することができる。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る空気調和機500の劣化抑制方法について説明する。本実施の形態に係る空気調和機500の構成及び運転動作については、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
<空気調和機500の設置方法>
本実施の形態に係る空気調和機500の設置方法について、図3及び図4を参照しつつ説明する。図3のステップS1及びステップS2については、実施の形態1と同様である。ただし、本実施の形態では、空気調和機500が製造工場から出荷される前の製造工程で、熱源側熱交換器103の表面には耐食性物質層が形成されているものとする。
熱源ユニット100が据え付けられてから所定期間が経過した後、ステップS3の耐食性物質塗布工程が行われる。さらに、耐食性物質塗布工程が行われてから所定期間が経過した後、ステップS4の耐食性物質再塗布工程が行われる。その後、ステップS4の耐食性物質再塗布工程が繰り返し行われる。前回の耐食性物質再塗布工程が行われてから所定期間が経過した後に、次の耐食性物質再塗布工程が行われる。これにより、熱源側熱交換器103には耐食性物質が定期的に繰り返し塗布されるため、熱源側熱交換器103の劣化を長期にわたって抑制することができる。
本実施の形態では、熱源側熱交換器103の表面には、製造工程で既に耐食性物質層が形成されている。このような場合、フィン401の母材となる金属板に耐食性物質のコーティングが施され、その後、必要なサイズに切断されることによってフィン401が形成される。切断面であるフィン401の端面には、コーティングが施されていない。これにより、フィン401の端面では母材が露出するため、当該端面には腐食が生じやすい。このため、耐食性物質塗布工程及び耐食性物質再塗布工程では、図4に示した熱源側熱交換器103のフィン401の端面404に、優先的に耐食性物質が塗布される。例えば、耐食性物質は、端面404を含むフィン401の全体に塗布される。また例えば、耐食性物質は、フィン401のうち端面404のみに塗布される。端面404に優先的に耐食性物質が塗布されることにより、高い防食効果が得られる。
以上説明したように、本実施の形態に係る空気調和機500の劣化抑制方法では、耐食性物質塗布工程(図3のステップS3)は、据付け工程(図3のステップS1)が実行されてから所定期間が経過した後に実行される。また、本実施の形態に係る空気調和機500の劣化抑制方法では、耐食性物質再塗布工程(図3のステップS4)は、耐食性物質塗布工程(図3のステップS3)が実行されてから所定期間が経過した後に実行される。本実施の形態によれば、熱源側熱交換器103には耐食性物質が定期的に繰り返し塗布されるため、熱源側熱交換器103の劣化を長期にわたって抑制することができる。
また、本実施の形態に係る空気調和機500の劣化抑制方法では、熱源側熱交換器103は、伝熱管402と、伝熱管402に接合されたフィン401と、を有している。耐食性物質は、熱源側熱交換器103のうち、フィン401の端面404に塗布される。本実施の形態によれば、腐食が生じやすい部分に耐食性物質が塗布されるため、高い防食効果が得られる。
本実施の形態では、耐食性物質を塗布する熱交換器として熱源側熱交換器103を例示しているが、利用側熱交換器202a、202bにも同様に耐食性物質を塗布することができる。
上記実施の形態1〜3は、空気調和機の設置方法における好適な具体例であり、本発明の技術的範囲は、これらの態様に限定されるものではない。例えば、ユニット制御装置510及びコントローラ制御装置310は、上記の構成に限定されない。また、空気調和機500の状態を検出するセンサも圧力センサ及び温度センサだけに限定されない。
空気調和機500は、図1に示した冷凍サイクル回路520に限らず、様々な構成の冷凍サイクル回路を備えることができる。伝熱性能演算部314は、様々な構成の冷凍サイクル回路の状態を、上記実施の形態と同様に演算することができる。例えば、図1に示した空気調和機500は、1台の熱源ユニット100と2台の利用ユニット200a、200bとを有しているが、2台以上の熱源ユニットを有していてもよいし、1台又は3台以上の利用ユニットを有していてもよい。
上記実施の形態1〜3は、互いに組み合わせて実施することが可能である。
100 熱源ユニット、101 圧縮機、102 四方弁、103 熱源側熱交換器、104 熱源側送風機、105 過冷却熱交換器、106 アキュムレータ、107 液バイパス減圧機構、108 液バイパス配管、109、110 圧力センサ、111、112、113、114、115 温度センサ、200a、200b 利用ユニット、201a、201b 利用側減圧機構、202a、202b 利用側熱交換器、203a、203b 利用側送風機、204a、204b、205a、205b、206a、206b 温度センサ、300 外部コントローラ、310 コントローラ制御装置、311 入力部、312 外部通信部、313 外部記憶部、314 伝熱性能演算部、315 判定部、316 表示部、401 フィン、402 伝熱管、403 フィンカラー、404 端面、411、412、413 熱交換部、500 空気調和機、501 液延長配管、502 ガス延長配管、510 ユニット制御装置、511 測定部、512 演算部、513 制御部、514 ユニット通信部、515 ユニット記憶部、520 冷凍サイクル回路。
本発明に係る空気調和機の劣化抑制方法は、冷凍サイクル回路を有する空気調和機の少なくとも一部を構成し前記冷凍サイクル回路の熱交換器を備える熱交換ユニットを据え付ける第1工程と、前記第1工程の後に、耐食性を有する耐食性物質を前記熱交換器に塗布する第2工程と、を有し、前記耐食性物質の塗布量は、前記熱交換ユニットが据え付けられる場所の環境における空気中の塩分濃度又は空気中の水分量、又は、空気中の塩分濃度又は空気中の水分量と相関のある指標に基づいて決定されるものである。

Claims (11)

  1. 冷凍サイクル回路を有する空気調和機の少なくとも一部を構成し前記冷凍サイクル回路の熱交換器を備える熱交換ユニットを据え付ける第1工程と、
    前記第1工程の後に、耐食性を有する耐食性物質を前記熱交換器に塗布する第2工程と、
    を有する空気調和機の劣化抑制方法。
  2. 前記耐食性物質の塗布量は、前記熱交換ユニットが据え付けられる場所の環境に基づいて決定される請求項1に記載の空気調和機の劣化抑制方法。
  3. 前記耐食性物質の種類は、前記熱交換ユニットが据え付けられる場所の環境に基づいて決定される請求項1又は請求項2に記載の空気調和機の劣化抑制方法。
  4. 前記第2工程は、前記第1工程が実行されてから所定期間が経過した後に実行される請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の空気調和機の劣化抑制方法。
  5. 前記第2工程の後に、前記耐食性物質を前記熱交換器に再び塗布する第3工程をさらに有する請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の空気調和機の劣化抑制方法。
  6. 前記第3工程は、前記第2工程が実行されてから所定期間が経過した後に実行される請求項5に記載の空気調和機の劣化抑制方法。
  7. 前記空気調和機は、前記熱交換器の伝熱性能の低下を報知する報知部をさらに有しており、
    前記報知部での報知に基づいて、前記第3工程の実行時期が決定される請求項5に記載の空気調和機の劣化抑制方法。
  8. 前記熱交換ユニットは、前記熱交換器に空気を供給する送風機をさらに備えており、
    前記伝熱性能の低下は、前記冷凍サイクル回路に設けられた圧力センサの検出圧力、前記冷凍サイクル回路に設けられた温度センサの検出温度、前記冷凍サイクル回路の圧縮機の周波数、及び前記送風機の回転数の少なくとも1つに基づいて判定される請求項7に記載の空気調和機の劣化抑制方法。
  9. 前記熱交換器は、空気の流れに沿って2列以上の熱交換部を有しており、
    前記耐食性物質は、前記熱交換器のうち最も風上側の熱交換部のみに塗布される請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の空気調和機の劣化抑制方法。
  10. 前記熱交換器は、伝熱管と、前記伝熱管に接合されたフィンと、を有しており、
    前記伝熱管及び前記フィンは、互いに異なる金属材料で形成されており、
    前記耐食性物質は、前記熱交換器のうち、前記伝熱管と前記フィンとの接合部に塗布される請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の空気調和機の劣化抑制方法。
  11. 前記熱交換器は、伝熱管と、前記伝熱管に接合されたフィンと、を有しており、
    前記耐食性物質は、前記熱交換器のうち、前記フィンの端面に塗布される請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の空気調和機の劣化抑制方法。
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